(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】分割相殺計上装置、分割相殺計上方法、および、分割相殺計上プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241107BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2021188172
(22)【出願日】2021-11-18
【審査請求日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2021058588
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横尾 友紀
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174938(JP,A)
【文献】特開2019-159963(JP,A)
【文献】特開2017-134796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置であって、
前記記憶部は、
賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得手段と、
前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定手段と、
前記相殺判定手段により前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、
且つ、前記工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を表示させ、前記相殺金額が前記分割相殺画面に設定された場合、前記相殺金額を月毎に分割した金額を分割家主負担月額として設定した回収予定データを取得する回収予定取得手段と、
前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得手段と、
を備えたことを特徴とする分割相殺計上装置。
【請求項2】
前記賃貸管理データは、
更に、前記賃貸物件の月次家賃が設定され、
前記支払取得手段は、
前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記月次家賃から前記分割家主負担月額を差し引いた金額を前記家主への前記支払月額として設定した前記支払データを取得することを特徴とする請求項1に記載の分割相殺計上装置。
【請求項3】
前記回収上限月額は、
前記賃貸物件の前記月次家賃であることを特徴とする請求項2に記載の分割相殺計上装置。
【請求項4】
前記工事明細取得手段は、
工事金額、家主負担率、および、前記請求方法を設定可能な明細入力画面を表示させ、前記工事金額、前記家主負担率、および、前記請求方法が前記明細入力画面に設定された場合、前記工事金額と前記家主負担率とを乗じた金額を前記工事家主負担額として設定し、且つ、前記請求方法を設定した前記工事明細データを取得することを特徴とする請求項1から
3のいずれか一つに記載の分割相殺計上装置。
【請求項5】
前記請求方法は、
前記相殺、または、請求であることを特徴とする請求項1から
4のいずれか一つに記載の分割相殺計上装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記工事明細データに設定された前記請求方法が前記請求である場合、前記工事家主負担額を設定した家主請求データを作成する請求作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項
5に記載の分割相殺計上装置。
【請求項7】
前記工事明細取得手段は、
更に、前記賃貸物件の工事における工事借主負担額を設定した前記工事明細データを取得し、
前記制御部は、
前記工事借主負担額を設定した借主請求データを作成する請求作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から
5のいずれか一つに記載の分割相殺計上装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置に実行させるための分割相殺計上方法であって、
前記記憶部は、
賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得ステップと、
前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定ステップと、
前記相殺判定ステップにて前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、
且つ、前記工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を表示させ、前記相殺金額が前記分割相殺画面に設定された場合、前記相殺金額を月毎に分割した金額を分割家主負担月額として設定した回収予定データを取得する回収予定取得ステップと、
前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得ステップと、
を含むことを特徴とする分割相殺計上方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置に実行させるための分割相殺計上プログラムであって、
前記記憶部は、
賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得ステップと、
前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定ステップと、
前記相殺判定ステップにて前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、
且つ、前記工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を表示させ、前記相殺金額が前記分割相殺画面に設定された場合、前記相殺金額を月毎に分割した金額を分割家主負担月額として設定した回収予定データを取得する回収予定取得ステップと、
前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得ステップと、
を実行させるための分割相殺計上プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割相殺計上装置、分割相殺計上方法、および、分割相殺計上プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、賃貸物件の管理会社からオーナーに対して家賃を送金する際に、家賃から工事代金の相殺後残金をオーナーに支払う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、工事単位での分割相殺計上することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、1工事単位で全体請求金額に対して、分割して相殺月・相殺金額を入力でき、分割相殺に対して、それぞれ工事詳細を自動で紐づけすることができる分割相殺計上装置、分割相殺計上方法、および、分割相殺計上プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る分割相殺計上装置は、記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置であって、前記記憶部は、賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、を備え、前記制御部は、前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得手段と、前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定手段と、前記相殺判定手段により前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、前記工事家主負担額を月毎に分割した分割家主負担月額を設定した回収予定データを取得する回収予定取得手段と、前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記賃貸管理データは、更に、前記賃貸物件の月次家賃が設定され、前記支払取得手段は、前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記月次家賃から前記分割家主負担月額を差し引いた金額を前記家主への前記支払月額として設定した前記支払データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記回収上限月額は、前記賃貸物件の前記月次家賃であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記回収予定取得手段は、前記相殺判定手段により前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、且つ、前記工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を表示させ、前記相殺金額が前記分割相殺画面に設定された場合、前記相殺金額を月毎に分割した金額を前記分割家主負担月額として設定した前記回収予定データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記工事明細取得手段は、工事金額、家主負担率、および、前記請求方法を設定可能な明細入力画面を表示させ、前記工事金額、前記家主負担率、および、前記請求方法が前記明細入力画面に設定された場合、前記工事金額と前記家主負担率とを乗じた金額を前記工事家主負担額として設定し、且つ、前記請求方法を設定した前記工事明細データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記請求方法は、相殺、または、請求であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記制御部は、前記工事明細データに設定された前記請求方法が前記請求である場合、前記工事家主負担額を設定した家主請求データを作成する請求作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る分割相殺計上装置において、前記工事明細取得手段は、更に、前記賃貸物件の工事における工事借主負担額を設定した前記工事明細データを取得し、前記制御部は、前記工事借主負担額を設定した借主請求データを作成する請求作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る分割相殺計上方法は、記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置に実行させるための分割相殺計上方法であって、前記記憶部は、賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得ステップと、前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定ステップと、前記相殺判定ステップにて前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、前記工事家主負担額を月毎に分割した分割家主負担月額を設定した回収予定データを取得する回収予定取得ステップと、前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る分割相殺計上プログラムは、記憶部と制御部とを備えた分割相殺計上装置に実行させるための分割相殺計上プログラムであって、前記記憶部は、賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶する賃貸管理記憶手段、を備え、前記制御部において、前記賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得する工事明細取得ステップと、前記請求方法が相殺である場合、前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回るか否かを判定する相殺判定ステップと、前記相殺判定ステップにて前記工事家主負担額が前記回収上限月額を上回ると判定された場合、前記工事家主負担額を月毎に分割した分割家主負担月額を設定した回収予定データを取得する回収予定取得ステップと、前記回収上限月額および前記回収予定データに基づいて、前記家主への支払月額を設定した支払データを取得する支払取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、振替入力の作成手間の削減をできるという効果を奏する。また、本発明によれば、ヒューマンエラーによるミスリスクを抑制することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、工事代だけでなく、家主負担の控除情報を任意で分割できる機能への展開も可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、工事費用の相殺運用の負荷低減できるという効果を奏する。また、従来、控除時に分割する運用が管理会社では多く、請求訂正入力で個別に調整をしていたため、担当者毎に手計算をしていたが、本発明によれば、事務過誤リスクを軽減できるという効果を奏する。また、本発明によれば、相殺月単位に回収予定データを分割することで、単月の相殺を可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態における分割相殺計上装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における分割相殺計上装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0020】
不動産賃貸管理において、1工事内の家主に対する全体請求額で、賃借人から回収した当月分賃料を充当して支払をすることがあり、単月だと賄えない場合、翌月回収した賃料と相殺して支払をすることがある。
【0021】
そのため、従来は、1詳細毎に発注業者が違うケースがあり、売上・原価を管理するため、1詳細毎に相殺月を調整するか、もしくは、賄えない金額を当月の赤伝票・翌月以降の黒伝票として振替入力する必要があり、請求漏れ等の作業ミスが発生していた。また、従来は、振替入力する場合、支払タイミングでの確認となり、支払担当者の負担が大きいため、工事単位での分割相殺を可能にする必要があった。また、従来は、1工事内に複数の工事明細があり、1詳細毎に家主・契約者・自社等に対しての負担割合を決める必要があった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、工事の細目毎に代金を負担者別に割り振り、家主の負担分を細目毎に請求方法の指定ができ、請求方法が相殺の場合、相殺とした負担額の総額に対し当月以降発生する家賃の回収予定より任意の金額分を相殺し、家主への送金額から控除する仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る分割相殺計上装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における分割相殺計上装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、分割相殺計上装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、分割相殺計上装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
分割相殺計上装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。分割相殺計上装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、分割相殺計上装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、分割相殺計上装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、賃貸管理データベース106aを備えている。
【0029】
賃貸管理データベース106aは、不動産物件の賃貸管理データを記憶する。ここで、賃貸管理データベース106aは、賃貸物件の家主への回収上限月額を設定した賃貸管理データを記憶していてもよい。また、賃貸管理データは、賃貸物件の月次家賃が設定されていてもよい。また、回収上限月額は、賃貸物件の月次家賃であってもよい。また、賃貸管理データは、月次家賃を含んでいてもよい。また、賃貸管理データベース106aは、は、工事明細データ、回収予定データ、支払データ、および/または、請求データ等を記憶していてもよい。
【0030】
制御部102は、分割相殺計上装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、工事明細取得部102aと相殺判定部102bと請求作成部102cと回収予定取得部102dと支払取得部102eとを備えている。
【0031】
工事明細取得部102aは、賃貸物件の工事の工事明細データを取得する。ここで、工事明細取得部102aは、賃貸物件の工事における工事家主負担額、および、請求方法を設定した工事明細データを取得してもよい。また、工事明細取得部102aは、工事金額、家主負担率、および、請求方法を設定可能な明細入力画面を表示させ、工事金額、家主負担率、および、請求方法が明細入力画面に設定された場合、工事金額と家主負担率とを乗じた金額を工事家主負担額として設定し、且つ、請求方法を設定した工事明細データを取得してもよい。また、請求方法は、相殺、または、請求であってもよい。また、工事明細取得部102aは、賃貸物件の工事における工事借主負担額を設定した工事明細データを取得してもよい。また、工事明細取得部102aは、賃貸物件の工事、賃貸物件の契約者、および、賃貸物件の家主を設定した工事基本データを取得してもよい。
【0032】
相殺判定部102bは、工事家主負担額が回収上限月額を上回るか否かを判定する。ここで、相殺判定部102bは、工事明細データに設定された請求方法が相殺である場合、工事家主負担額が回収上限月額を上回るか否かを判定してもよい。また、相殺判定部102bは、工事明細データに設定された請求方法が相殺であるか否かを判定してもよい。
【0033】
請求作成部102cは、工事負担額を設定した請求データを作成する。ここで、請求作成部102cは、工事明細データに設定された請求方法が請求である場合、工事家主負担額を設定した家主請求データを作成してもよい。また、請求作成部102cは、工事借主負担額を設定した借主請求データを作成してもよい。
【0034】
回収予定取得部102dは、工事家主負担額を月毎に分割した分割家主負担月額を設定した回収予定データを取得する。ここで、回収予定取得部102dは、相殺判定部102bにより工事家主負担額が回収上限月額を上回ると判定された場合、工事家主負担額を月毎に分割した分割家主負担月額を設定した回収予定データを取得してもよい。また、回収予定取得部102dは、相殺判定部102bにより工事家主負担額が回収上限月額を上回ると判定された場合、且つ、工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を表示させ、相殺金額が分割相殺画面に設定された場合、相殺金額を月毎に分割した金額を分割家主負担月額として設定した回収予定データを取得してもよい。
【0035】
支払取得部102eは、家主への支払月額を設定した支払データを取得する。ここで、支払取得部102eは、回収上限月額および回収予定データに基づいて、家主への支払月額を設定した支払データを取得してもよい。また、支払取得部102eは、回収上限月額および回収予定データに基づいて、月次家賃から分割家主負担月額を差し引いた金額を家主への支払月額として設定した支払データを取得してもよい。また、支払取得部102eは、相殺判定部102bにより工事家主負担額が回収上限月額を上回らないと判定された場合、月次家賃から工事家主負担額を差し引いた金額を家主への支払月額として設定した支払データを取得してもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図7を参照して説明する。
【0037】
[分割相殺計上処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における分割相殺計上処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における分割相殺計上装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、工事明細取得部102aは、工事金額、家主負担率、および、請求方法を設定可能な明細入力画面を表示させ、ユーザにより入力装置112を介して工事金額、家主負担率、および、請求方法が明細入力画面に設定された場合、工事金額と家主負担率とを乗じた金額を工事家主負担額として設定し、且つ、請求方法を設定した工事明細データを取得する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、相殺判定部102bは、工事明細データに設定された請求方法が相殺であるか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、相殺判定部102bは、工事明細データに設定された請求方法が相殺ではない(請求である)と判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0041】
そして、請求作成部102cは、工事明細データに基づいて、工事家主負担額を設定した家主請求データを作成し(ステップSA-3)、処理を終了する。
【0042】
一方、相殺判定部102bは、工事明細データに設定された請求方法が相殺であると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0043】
そして、相殺判定部102bは、工事家主負担額が、賃貸管理データベース106aに記憶された賃貸物件の家主への回収上限月額を上回るか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0044】
そして、相殺判定部102bは、工事家主負担額が回収上限月額を上回らないと判定した場合(ステップSA-4:No)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0045】
そして、支払取得部102eは、賃貸管理データベース106aに記憶された月次家賃から工事家主負担額を差し引いた金額を家主への支払月額として設定した支払データを取得し(ステップSA-5)、処理を終了する。
【0046】
一方、相殺判定部102bは、工事家主負担額が回収上限月額を上回ると判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0047】
そして、回収予定取得部102dは、工事家主負担額に含まれる相殺金額を設定可能な分割相殺画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して相殺金額が分割相殺画面に設定された場合、相殺金額を月毎に分割した金額を分割家主負担月額として設定した回収予定データを取得する(ステップSA-6)。
【0048】
そして、支払取得部102eは、賃貸管理データベース106aに記憶された回収上限月額および回収予定データに基づいて、賃貸管理データベース106aに記憶された月次家賃から分割家主負担月額を差し引いた金額を家主への支払月額として設定した支払データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0049】
ここで、
図3から
図7を参照して、本実施形態における分割相殺計上処理の一例について説明する。
図3から
図7は、本実施形態における分割相殺計上処理の一例を示す図である。
【0050】
図3に示すように、本実施形態においては、ユーザによる工事入力により、工事基本データが登録される。
【0051】
そして、本実施形態においては、ユーザによる明細入力により、
図4に示すように、請求方法が相殺と設定されたフローリング補修の工事明細データが登録され、
図5に示すように、請求方法が相殺と設定されたクロス張替の工事明細データが登録され、
図6に示すように、請求方法が請求と設定された通気口交換の工事明細データが登録される。ここで、
図6に示すように、本実施形態において、行番号:3の工事明細については、家主請求となるため、全体相殺金額の対象外となる。
【0052】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、ユーザによる分割相殺画面にて家主負担分の分割相殺の対象となる相殺金額が入力された際に、全体相殺金額をもとに分割する相殺年月および金額が入力された場合、各相殺年月に対する、それぞれの工事明細が自動で振り分けられる。ここで、
図7に示すように、本実施形態においては、当月家賃80,000円に対して、全ての請求額(相殺金額:121,000円)を相殺できないため、当月分・翌月分に分けて相殺され、当月支払額が0円で調整される。なお、本実施形態においては、管理料等の他控除額を除いている。また、
図7に示すように、本実施形態における回収予定データは、家主負担のみのデータ(家主相殺データ)であってもよい。
【0053】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0056】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、分割相殺計上装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、分割相殺計上装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて分割相殺計上装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、分割相殺計上装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、分割相殺計上装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、分割相殺計上装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、不動産賃貸管理等を行う不動産業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0068】
100 分割相殺計上装置
102 制御部
102a 工事明細取得部
102b 相殺判定部
102c 請求作成部
102d 回収予定取得部
102e 支払取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 賃貸管理データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク