(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】微粒子含有液体サンプルを濾過することなく抽出するためのシステムおよび技術
(51)【国際特許分類】
D06F 95/00 20060101AFI20241107BHJP
D06F 33/32 20200101ALI20241107BHJP
【FI】
D06F95/00
D06F33/32
(21)【出願番号】P 2021510948
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(86)【国際出願番号】 US2019048365
(87)【国際公開番号】W WO2020046955
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ジミー マクスウエル ストークス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン グレゴリー ラング
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー チャールズ ニガード
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-523428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0144274(US,A1)
【文献】特開平07-174697(JP,A)
【文献】実開昭51-055689(JP,U)
【文献】特開平08-201247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0304925(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 95/00
D06F 33/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバを有する布地洗浄機と、
前記布地洗浄機の前記処理チャンバと流体連通する流体ラインを有する液体サンプリングシステムと、を備える、布地洗浄システムであって、
前記液体サンプリングシステムは、
前記流体ラインに接続された第1の開口部および第2の開口部を有するセンサ筐体と、
前記センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するよう配置された少なくとも1つのセンサと、
前記センサ筐体の前記第2の開口部および原動要素と流体連通する開口部を有する液体搬送デバイスと、を含み、
前記原動要素が、液体の容積を前記開口部を通して前記液体搬送デバイスに吸引するように構成され、それによって、前記布地洗浄機の前記処理チャンバから前記流体ラインを介して前記センサ筐体に液体を吸引し、
前記原動要素が、続いて、前記液体の容積を前記液体搬送デバイスから前記開口部を通して放出して戻すように構成され、それによって、前記センサ筐体の中の前記液体を前記センサ筐体から押し出し、
前記布地洗浄システムは、前記処理チャンバと前記センサ筐体との間に濾過要素を有しない、布地洗浄システム。
【請求項2】
前記原動要素が、前記センサ筐体内の前記液体を、前記流体ラインに接続された前記第1の開口部から押し出し、前記布地洗浄機の前記処理チャンバに戻すように構成される、請求項1に記載の布地洗浄システム。
【請求項3】
前記センサ筐体が、センサ筐体の容積を画定し、前記原動要素が吸引するように構成された前記液体の容積が、前記センサ筐体の前記容積よりも大きい、請求項1または2に記載の布地洗浄システム。
【請求項4】
前記原動要素が前記液体搬送デバイスに吸引するように構成された前記液体の容積を前記センサ筐体の容積で除算した比が、2~10の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項5】
前記処理チャンバを有する前記布地洗浄機が、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間の複数の処理チャンバと、を有する、トンネル洗浄機であり、
前記複数の処理チャンバが、洗浄チャンバと、酸化チャンバと、すすぎチャンバと、を含み、
前記液体サンプリングシステムの前記流体ラインが、前記洗浄チャンバまたは前記酸化チャンバと流体連通している、請求項1~4のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項6】
前記センサ筐体内に吸引される液体が、0.05~5重量パーセントの固形汚れを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項7】
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で並進するように配置されたピストンを備え、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内に後退されるときに真空を生成して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体に吸引し、前記ピストンが前記ポンプ筐体内で反対方向に前進したときに前記ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容積を加圧して、前記ポンプ筐体から前記液体の容積を放出して戻す、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項8】
前記ポンプ筐体が、重力に対して垂直に配向され、前記ポンプ筐体の出口端から離間されたピストン停止部を含み、前記ピストン停止部は、前記ピストンが前記ポンプ筐体の前記出口端まで完全に前進するのを停止し、それによって破片収集スペースを提供するように構成される、請求項7に記載の布地洗浄システム。
【請求項9】
前記液体搬送デバイスがポンプ筐体を含み、前記原動要素が前記ポンプ筐体内で屈曲するように構成された膜を備え、前記膜が前記ポンプ筐体内に屈曲されたときに真空を生成して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体に吸引し、前記膜が前記ポンプ筐体内で反対方向に曲げられたときに前記ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容積を加圧して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体から放出して戻す、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサが、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、光学センサ、酸化還元電位センサ、全溶解固形物センサ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるセンサを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサおよび前記液体搬送デバイスに通信可能に結合されたコントローラをさらに含み、前記コントローラが、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記布地洗浄機の前記処理チャンバから前記センサ筐体に液体を吸引し、前記少なくとも1つのセンサが前記センサ筐体に吸引された前記液体の前記性状を測定するのに十分な時間の間、前記センサ筐体に吸引された前記液体を保持し、
少なくとも1つのセンサから前記センサによって測定された性状を示す信号を受信し、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から放出するように構成された、請求項1~10のいずれか一項に記載の布地洗浄システム。
【請求項12】
処理チャンバと流体連通する液体搬送デバイスの原動要素を駆動し、前記原動要素と前記処理チャンバとの間にセンサ筐体を配置することによって、布地洗浄機の前記処理チャンバから液体サンプルを吸引し、それによって前記処理チャンバからの液体で前記センサ筐体を充填することと、
少なくとも1つのセンサを使用して前記センサ筐体に吸引された前記液体の性状を測定することと、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を駆動することによって、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻し、前記布地洗浄機の前記処理チャンバに戻すことと、を含
む、方法であって、
前記方法は、前記液体サンプルを濾過することを含まない、方法。
【請求項13】
前記処理チャンバから前記液体サンプルを吸引することが、前記センサ筐体の容積よりも大きい容積の液体を前記処理チャンバから吸引することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記布地洗浄機が、前洗浄チャンバと、洗浄チャンバと、すすぎチャンバと、を含む、複数の処理チャンバを有する、トンネル洗浄機であり、前記処理チャンバから前記液体サンプルを吸引することが、前記洗浄チャンバから前記液体サンプルを吸引することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体サンプルが、0.05~5重量パーセントの固形汚れを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で並進するピストンを備え、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内に後退されるときに真空を生成して、前記液体サンプルを吸引し、前記ピストンが、反対方向に前進したときに、前記ポンプ筐体に吸引された前記液体を加圧して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻す、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で屈曲するように構成された膜を備え、前記膜が、前記ポンプ筐体内に屈曲されて前記液体サンプルを吸引するときに、真空を生成し、前記膜が、前記ポンプ筐体内で反対方向に曲げられたときに、前記ポンプ筐体に吸引された液体を加圧し、前記センサ筐体内に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻す、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
液体サンプリングシステムであって、
第1の開口部および第2の開口部を有するセンサ筐体であって、前記センサ筐体内の容積を画定するセンサ筐体と、
前記センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するよう配置された少なくとも1つのセンサと、
前記センサ筐体の前記第2の開口部および原動要素と流体連通する開口部を有する液体搬送デバイスであって、前記原動要素が、前記センサ筐体の容積よりも大きい液体の容積を、前記開口部を介して前記液体搬送デバイスの中に吸引し、それによって液体を前記センサ筐体に吸引し、次いで、前記液体搬送デバイスに吸引された前記液体の容量を、前記開口部を通じて放出して戻すように構成される、液体搬送デバイスと、を備え、
液体サンプリングシステムは、濾過フリーのシステムとして実装されるよう構成される、液体サンプリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年8月27日に出願された米国仮特許出願第62/723,438号の利益を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、分析用の粒子含有液体サンプルを抽出するための液体サンプル採取器、より具体的には、業務用布地洗浄機から液体サンプルを抽出および分析するために使用される液体サンプル採取器に関する。
【背景技術】
【0003】
業務用布地清浄化業界のオペレータは、たいてい汚れのひどい大量の布地物品を処理して、リユース用に衛生的で視覚的に魅力的な商品を生み出すことを常に要求されている。大量の業務用清浄化施設で処理対象の一般的な布地には、病院用物品(例えば、ベッドリネン、外科用および患者用衣服、タオル)、ホテルおよびホスピタリティ物品(例えば、ベッドリネン、タオル)、ならびにレストラン物品(例えば、テーブルクロス、ナプキン)を含む。
【0004】
業務用布地清浄化業者は通常、大型の自動化された業務用洗浄機を使用して布地を清浄化する。これらの業務用洗浄機は、大量のアルカロイド、洗剤、漂白剤、洗濯用のり、柔軟剤、および/または酸などを含有する水溶液のような、様々な水溶液を次々と処理中の布地に自動的に追加して、処理中の物品を清浄化および消毒/殺菌し得る。処理中に洗浄機に投入される様々な化学薬品の濃度は、処理対象の布地について予想される汚れのレベルおよび処理対象のされる布地の特性(例えば、色、所望の柔らかさ)に基づいて事前にプログラムされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際には、除菌対象の特定の布地における汚れのタイプおよび程度は、清浄化に出されるまでにその布地がさらされた環境および条件に応じて大きく異なる可能性がある。例えば、洗浄のために受け取った病院のリネンは、通常のサービスで使用される一般的なホテルの部屋のものよりも汚れていない可能性があり得る。代替的に、その一組の病院のリネンは、患者からの感染性の体液でひどく汚染されている可能性があり得る。ひどく汚染されたリネンを適切に清浄化および消毒/殺菌するために必要な洗浄時間および/または化学添加剤の濃度は、通常使用を前提としたリネンよりも著しく大きくなる可能性があり得る。考えられる最も汚れた物品に対応するために、洗浄機に投入するように事前にプログラムされた化学添加剤の量が多くなりすぎると仮定すると、ほとんどの洗浄サイクルでは化学添加剤を過剰に使用することになり、その結果、過剰な清浄化コストを生じさせ、清浄化されている物品を磨耗させる。対照的に、洗浄されている物品の要求に一様に対応するために、洗浄機に投入されるように事前にプログラムされた化学添加剤の量が少なくなりすぎると仮定すると、物品は、適切に清浄化および消毒/殺菌されない可能性があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、本開示は、大量の液体源から分析用の液体サンプルを抽出するためのシステムおよび技術を対象とする。液体は、液体に混入した固形物を搬送する粒子含有液体であり得る。例えば、洗浄機から抽出された水性液体の場合、液体は、泥、砂、糸くずおよび/もしくは他の剪断された布地材料、ならびに/または清浄化されている物品の表面に沈着した汚れの遊離した残渣を含有し得る。実際には、サンプリングされる液体の中で搬送されるこれらの固体物質は、サンプル抽出デバイスを詰まらせるまたは別様に汚染する傾向を有し得る。サンプリングされる液体源とサンプル抽出デバイスの間にスクリーンが配置される場合、スクリーンの細孔が時間の経過とともに固体物質で詰まり、オペレータがスクリーンを清浄化するために介入しない限り、サンプル抽出デバイスが作動可能になる可能性がある。
【0007】
本開示のいくつかの実施例によれば、サンプル抽出デバイスは、詰まる可能性のあるスクリーンにサンプル液体を通過させることなく、分析用のより大きい供給源から液体物質のサンプルを抽出するように構成され得る。サンプル抽出デバイスは、センサ筐体および液体搬送デバイスを有し得る。センサ筐体は、より大きい供給源から抽出された液体を分析するための1つ以上のセンサを組み込むことができる。センサ筐体は、サンプリングされるより大きい液体源と液体搬送デバイスとの間に配置され得る。液体搬送デバイスは真空圧を生成して、より大きい供給源から液体搬送デバイスに液体を吸引し得、液体サンプルは、より大きい液体源と搬送デバイスとの間に配置されたセンサ筐体に吸引される。液体搬送デバイスはさらに、陽圧を生成して、搬送デバイスに向けて吸引された液体を搬送デバイスから遠ざけるように排出し得る。例えば、液体をセンサ筐体に吸引し、液体を分析するのに十分な時間だけ液体を保持した後、液体搬送デバイスは、センサ筐体からその液体を排出する陽圧を生成し得る。この陽圧はさらに、液体を分析しながら、センサ筐体の中に吸引されたあらゆる固体物質を排出し得、センサ筐体に沈殿しているおよび/または詰まっている固体物質を効果的に一掃する。
【0008】
サンプリングシステムの一部分として使用される液体搬送デバイスは、様々な異なる構成を有することができるが、いくつかの実施例では、液体搬送デバイスは、一方向に移動して真空吸引液体をセンサ筐体内に作り出し、逆方向に移動してセンサ筐体から液体を放出する原動要素を含む。例えば、原動要素は、ピストンまたは可撓性膜を使用して実装され得る。原動要素は、センサ筐体の容積よりも大きい容積の液体を液体搬送デバイスに吸引するように構成され得る。このことは、センサ筐体を充填するのに十分な液体が液体源から吸引されること、および/またはサンプリングされた液体をセンサ筐体から排出する際に筐体の全容積が実質的に完全に洗い流されることを確実にするのに役立てることができる。
【0009】
いくつかの構成では、サンプリングシステムは、サンプリングされる液体がサンプリングシステムの中に吸引されるのみならずまたサンプリングシステムから排出される単一の流体開口部を有し得る。すなわち、液体がシステムに吸引される入口開口部と、その後液体が放出される別個の出口開口部とを有するのではなく、このシステムは、液体の流れの方向に応じて入口および出口の両方として機能する単一の流体開口部を実装され得る。この配置は、サンプリングシステムのセンサ筐体を含む、サンプリングシステムを通る双方向の流れを提供するのに有用である可能性がある。このように構成された場合、液体は、分析のために、液体源(例えば、布地洗浄機)から単一の開口部を通ってセンサ筐体に吸引され得る。分析された後、液体は、同一の開口部を通ってセンサ筐体から排出され、任意選択的に、それが吸引された液体源に戻り得る。この双方向の流れパターンは、サンプリングされる液体とともにセンサ筐体に吸引された固体物質を遊離しかつ除去する撹拌能力を提供することができ、センサ筐体の潜在的に汚れた物質を取り除くのに役立つ。
【0010】
一実施例において、工業用布地洗浄機用の液体サンプリングシステムが記載される。このシステムは、入口と、出口と、入口と出口との間に複数の処理チャンバと、を有する、トンネル洗浄機を含む。このシステムはまた、トンネル洗浄機の複数の処理チャンバのうちの少なくとも1つと流体連通する流体ラインを有する液体サンプリングシステムを含む。この実施例は、液体サンプリングシステムがセンサ筐体、少なくとも1つのセンサ、および液体搬送デバイスを含むことを指定している。センサ筐体は、流体ラインに接続された第1の開口部および第2の開口部を有する。センサは、センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するように配置される。センサ筐体の第2の開口部と流体連通する開口部、および原動要素を有する液体搬送デバイス。この実施例において、原動要素は、開口部を通って液体搬送デバイスに大量の液体を吸引するように構成され、それによって、トンネル洗浄器の複数の処理チャンバのうちの少なくとも1つから、流体ラインを介してセンサ筐体の中に液体を吸引する。原動要素は、液体搬送デバイスから開口部を通って大量の液体を放出するようにさらに構成され、それによってセンサ筐体内の液体をセンサ筐体から押し出す。
【0011】
別の実施例において、処理チャンバと流体連通している液体搬送デバイスの原動要素を駆動することによって、布地洗浄機の処理チャンバから液体のサンプルを吸引することを含む方法が記載される。この実施例は、原動要素と処理チャンバの間にセンサ筐体が配置されていることを指定する。したがって、液体搬送デバイスの原動要素を駆動することにより、センサ筐体に処理チャンバからの液体を充填する。この方法は、センサを使用してセンサ筐体に吸引された液体の性状を測定することを含む。この方法は、液体搬送デバイスの原動要素を駆動することによって、センサ筐体に吸引された液体をセンサ筐体の外に押し戻し、布地洗浄機の処理チャンバの中に戻すことをさらに含む。
【0012】
別の実施例において、センサ筐体、少なくとも1つのセンサ、および液体搬送デバイスを含む液体サンプリングシステムが記載される。センサ筐体は、第1の開口部および第2の開口部を有し、センサ筐体内の容積を画定する。センサは、センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するように配置される。液体搬送デバイスは、センサ筐体の第2の開口部と流体連通する開口部、および原動要素を有する。原動要素は、開口部を介して、センサ筐体の容積よりも大きい容積の液体を液体搬送デバイスに吸引するように構成され、それによって液体をセンサ筐体の中に吸引する。原動要素は、その後に、液体搬送デバイスに吸引された液体を開口部を通じて放出して戻すようにさらに構成される。
【0013】
1つ以上の例の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示による液体サンプリングシステムを利用し得る例示的な布地洗浄システムの図。
【
図2】センサ筐体および液体搬送デバイスの例示的構成を示す液体サンプリングシステムの例示的構成の断面側面図である。
【
図3】液体サンプリングシステムの別の例示的構成の断面側面図である。
【
図4】液体サンプリングシステムの別の例示的構成の断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、一般に、流体を含有する機器から液体流体を抽出しかつ分析するためのシステム、デバイス、および技術を対象としている。機器自体は、機器内部の流体の直接分析を可能にしない場合があり得、分析のために流体を機器から取り出すことを必要とする。例えば、機器内部の作動条件は、機器の中の流体を直接測定するために機器内部にセンサを配置することに対応するには厳しすぎ得る。追加的または代替的に、機器は、機器内部の液体を直接感知測定するのに必要な機能を用いずに設計されてきた可能性がある。結果として、外部液体サンプリングシステムは、機器に知覚機能を後付けするのに有用であり得る。
【0016】
本開示に記載されるいくつかの実施例によれば、液体サンプリングシステムは、大量の液体を収容する1つ以上の機器から液体を抽出しかつ分析するために提供される。液体サンプリングシステムは、液体媒体を処理するあらゆるタイプの機器で使用することができ、これには、処理対象の液体に、濾過媒体を詰まらせるまたは汚染する傾向のある混合固体物質を含有するタイプの機器が含まれる。液体サンプリングシステムを使用し得る例示的機器には、これらに限定されないが、冷却水システム(例えば、冷却水塔)、熱交換器、石油化学処理および抽出機器、採掘排水および廃水システム、食器洗浄機、プールおよびスパシステム、鶏肉冷凍機、生産用水槽、食品加工プラント、パルプおよび紙の水流および廃水処理が含まれる。
【0017】
一実施例として、サンプリングシステムを使用し、布地洗浄機から液体サンプルを抽出して、液体の特性を評価し、それに対応して、処理中の布地が清浄化される化学的条件を判定および/または検証することに役立ち得る。布地洗浄機内の液体は、一部の用途では、汚染および/または詰まりの問題を引き起こす傾向がある高レベルの固体物質を含有することがわかっている。この固体物質には、泥、砂、糸くず、および/または他の剪断された布地材料、および/または清浄化されている物品の表面に沈着した汚れの遊離した残渣が含まれる可能性がある。これらの用途において、液体全体に分散している固体物質は、凝集して結合する傾向があり、複数のサンプル抽出を繰り返すうちにサンプリング装置を詰まらせる課題を形成する。したがって、サンプリングシステムが実装され得る例示的な布地洗浄システムを参照して、例示的なサンプリングシステム構成を以下に記載する。しかしながら、本開示は、特に断りのない限り、この観点に限定されず、サンプリングシステムを他の用途で使用することができることを理解されたい。
【0018】
図1は、本開示による液体サンプリングシステムを利用し得る例示的な布地洗浄システム10の図である。システム10は、トンネル洗浄機20、およびトンネル洗浄機20と流体連通する液体サンプリングシステム30とを含む。トンネル洗浄機20は、洗浄対象の物品を受け入れる入口22、および洗浄された物品を放出する出口24を有する。以下により詳細に説明するように、液体サンプリングシステム30は、トンネル洗浄機20の内部から液体サンプルを抽出して、液体の1つ以上の特性を分析することができる。分析された液体の特性(複数可)は、洗浄機内の液体の化学的および/または生物学的状況を示し得る。これらの特性(複数可)を1つ以上の記憶された閾値と比較して、適切な量の化学薬品が洗浄機に追加されたことを検証し、洗浄されている物品に必要な清浄化および/または消毒/殺菌条件を達成することを示し得る。条件が満たされない場合、物品がまだ洗浄機で処理されている間に追加の化学薬品が洗浄機に投入され得るか、または物品が適切な処理条件下で再洗浄され得る。
【0019】
トンネル洗浄機20は、例えば、同時に次のセクションに移動する前に撹拌のために洗浄チャンバのセクション内に物品を周期的に保持しながら、入口22から出口24に洗浄されている物品を連続的に移送するためのスクリューまたは搬送部品を含む連続バッチトンネル洗浄機として実装され得る。トンネル洗浄機20内の洗浄液は、洗浄機を通って並流または向流方向に移動し得る。
図1は、トンネル洗浄機を有するような布地洗浄システム10を示しているが、他の用途では、洗浄システムは、回転可能な洗浄ドラムを備えた遠心洗浄機、またはさらには洗浄液と洗浄されている物品との間の機械的撹拌機能を有する他のタイプの装置を利用し得る。例えば、洗浄システム10で使用される布地洗浄機は、1つ以上の処理チャンバを備えた布地洗浄機、エンドローダ洗浄機/抽出器、オープンポケット洗浄機/抽出器、またはさらに他のタイプの布地洗浄デバイスを側方装填し得る。
【0020】
布地洗浄システム10がトンネル洗浄機20を含む場合、トンネル洗浄機の内部は、例えば、洗浄プロセスの異なるステージとして機能する処理チャンバを提供する複数のゾーン、セクション、ポケット、またはコンパートメントに分割され得る。例えば、トンネル洗浄機20は、処理対象の布地物品が様々な洗浄およびすすぎサイクル中を進行していく複数の処理チャンバ26A~26Z(総称して「処理チャンバ26」と呼ばれる)を含み得る。トンネル洗浄機20は、6つの処理チャンバ26を有するものとして示されるが、数少ない処理チャンバ(例えば、3、4、5)または数多くの処理チャンバ(例えば、8、10、12、またはそれ以上)を有し得る。
【0021】
トンネル洗浄機20の様々な処理ステージ26を定義するために、スクリューポンプがトンネル洗浄機の長さに沿って延在し、スクリューのらせんが内部を様々な処理チャンバに分割する。トンネル洗浄機20はローラーに取り付けることができ、トンネル洗浄機が前後に振動して、所定の処理チャンバ26内の洗濯物品を一定期間撹拌することを可能にする。トンネル洗浄機20は、周期的に360度回転することができ、処理されている物品を1つの処理チャンバ26から次の処理チャンバに移動させ得る。代替的に、スクリューは、トンネル洗浄機筐体の代わりに前方に360度回転して、処理されていえる物品をあるステージから次のステージに移動させ得る。
【0022】
一般に、トンネル洗浄機は、1つ以上の洗浄チャンバ、1つ以上の酸化チャンバ、および入口22から出口24に順次移動する1つ以上のすすぎチャンバを含み得る。1つ以上の洗浄チャンバ内で、洗浄されている物品は、最初のブレークステップで、洗剤、界面活性剤、キレート剤、水調整剤、および/またはアルカリで湿潤、洗浄され得、いずれの場合も加熱または非加熱である。洗浄された後、物品は、下流の酸化チャンバに搬送され得る。酸化チャンバ内において、抗菌剤、漂白剤、キレート剤、水調整剤、pH調整酸/塩基、および/または第四級アンモニウム化合物を添加して、物品を清浄化および消毒/消毒し得る。次いで、洗浄されている物品は、トンネル洗浄機をさらに下ってすすぎ(および/または酸化および/または仕上げ)チャンバに搬送されることができる。すすぎ/酸化/仕上げチャンバ(複数可)内において、物品を清浄な水ですすぎ、塩素消剤、および/または布帛上のアルカリ残渣を中和する酸成分を含む酸化剤を加えることによってpHを調整し、布帛軟化剤で処理され、ならびに/または静菌剤、防カビ剤、および/もしくは帯電防止剤で処理され得る。いくつかの実施例において、放出前に物品のpHを調整するために、別個の中和処理チャンバがリンス処理チャンバ(複数可)の下流に提供される。トンネル洗浄機20の出口24において、水抽出器またはプレスは、洗浄されている物品から過剰な水を除去し、湿った物品をさらに下流に送って、乾燥、アイロン掛け、および/または蒸気仕上げすることを可能にし得る。
【0023】
いかなるタイプの布帛物品も、布地洗浄システム10で洗浄することができる。例示的な物品には、衣類、リネン、タオル、毛布などが含まれる。物品は、天然繊維(例えば、羊毛、カシミア、綿、絹、麻、麻)、ならびに/または合成繊維(例えば、レーヨン、ポリエステル、アクリル、酢酸塩、およびナイロン)から製造され得る。物品の使用環境に応じて、物品は、様々な異なるタイプの汚れを担持し得る。例示的な汚れには、泥(例えば、砂)、食品および/もしくは飲料の沈着物、体液(例えば、血液、糞便)、ならびに/または他の汚染物質が含まれる。したがって、トンネル洗浄機20から抽出された液体サンプルは、0.1重量パーセントを超える固形分、例えば、0.25重量パーセントを超える固形分、または0.5重量パーセントを超える固形分を有し得る。例えば、液体サンプルは、0.05~5重量パーセントの固形分、例えば、0.1~3重量パーセントの固形分、または0.25~2重量パーセントの固形分を有し得る。固形物は、50ミクロン超の平均サイズ、100ミクロン超の平均サイズ、または250ミクロン超の平均サイズなど、25ミクロン超の平均サイズを有し得る。例えば、固形物の少なくとも90%は、50ミクロン~1mmの範囲のサイズ分布内に収まり得る。より大きい固形物を含む用途の場合、固形物の少なくとも90%が0.1mmミクロンから5mmの範囲のサイズ分布内に収まり得る。サンプリングされる流体の用途および性質に応じて、サンプリングされる液体中の他のサイズ範囲の固体物質が存在し得る。
【0024】
トンネル洗浄機20内の液体の1つ以上の特性を評価するために、布地洗浄システム10は、液体サンプリングシステム30を含む。
図2~
図4に関して、以下でより詳細に説明されるように、液体サンプリングシステム30は、センサ筐体32および液体搬送デバイス34を含み得る。センサ筐体32は、トンネル洗浄機20から液体を受け取るキャビティを画定することができ、1つ以上のセンサ36がキャビティの中の液体と相互作用して、液体の1つ以上の特性を判定することを可能にする。液体搬送デバイス34は、分析のために液体をセンサ筐体32に吸引し、分析が完了した後、センサ筐体から液体を放出することができる。
【0025】
図1の実施例の布地洗浄システムはまた、コントローラ50を含む。コントローラ50は、液体サンプルシステム30に通信可能に接続され、図示の実施例に示されるように、任意選択的にトンネル洗浄機20にも通信可能に接続され得る。コントローラ50は、プロセッサ52およびメモリ54とを含む。コントローラ50は、有線および/またはワイヤレス接続を介して、システム10の中の制御可能な構成部品と通信することができる。例えば、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30と通信して、例えば、センサ筐体32内の液体を分析する1つ以上のセンサ36によって生成された信号を受信し、および/または液体搬送デバイス34を制御して、センサ筐体の液体を充填および放出することができる。いくつかの構成において、コントローラ50は、例えば、トンネル洗浄機内の液体の1つ以上の特性に関して液体サンプリングシステム30によって生成された情報に応答して、トンネル洗浄機20を制御することもできる。このように実装されると、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30によって生成された情報に応じて、トンネル洗浄機の作動特性(例えば、処理チャンバ内の洗浄滞留時間、撹拌量、水および/または清浄化化学薬品、洗剤などの投入および/または放出)を制御し得る。
【0026】
プロセッサ52は、メモリ54に格納されたソフトウェアを実行して、液体サンプリングシステム30およびそれに関連する任意のセンサ36を含む、本開示における布地洗浄システム10に帰属する機能を実行する。コントローラ50、または本開示で記載される任意の他のデバイスの中のプロセッサとして記載される構成部品は、それぞれ、1つ以上のプロセッサを、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジック回路などを、単独または任意の好適な組み合わせで含み得る。
【0027】
メモリ54は、ソフトウェア、およびコントローラ52によって使用または生成されるデータを記憶する。例えば、メモリ54は、液体サンプリングシステム30を制御して、液体搬送デバイス34を使用して液体サンプルを抽出し、1つ以上のセンサ36を使用して液体サンプルを分析してサンプルの1つ以上の特性を判定し、さらに、分析されたサンプルを放出するために液体搬送デバイス34を制御するために、コントローラ52によって使用されるデータを記憶し得る。メモリ54は、例えば、判定された特性(複数可)を、洗浄対象の特定の一回分の布地および/またはその一回分の中の特定の洗浄対象の布地物品に関連付ける情報とともに、液体の判定された特性(複数可)を記憶することができる。この情報は、特定の布地物品がさらされた洗浄特性を検証するのに有用である可能性がある。例えば、物品の下流のユーザに、その物品が初期の洗浄プロセス中に適切に清浄化および/または消毒/殺菌されたことを知らせることがあり得る。
【0028】
液体サンプリングデバイス30を使用してトンネル洗浄機20から液体をサンプリングするために、液体サンプリングシステムは、トンネル洗浄機と流体連通するように配置され得る。液体サンプリングシステム30は、液体サンプルが抽出中のデバイス(例えば、トンネル洗浄機20)の内部から液体サンプリングシステムへの流路を確立することによって、流体連通するように配置され得る。いくつかの構成において、液体サンプリングシステム30のセンサ筐体32は、例えば、介在する導管なしに筐体間の接続を提供するために、トンネル洗浄機20に直接接続される。他の構成において、流体導管は、一端がトンネル洗浄機20に接続され、反対端が液体サンプリングシステム30(例えば、液体サンプリングシステムのセンサ筐体32)に接続される。流体導管は、流体をシステムの中のある場所から別の場所に搬送することを可能にするパイプまたはチューブのセグメントであり得る。導管を製造するために使用される材料は、搬送される液体と化学的に適合していなければならず、様々な実施例において、鋼、ステンレス鋼、またはポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン)であり得る。いずれの構成においても、流体ライン38(例えば、筐体のセクションおよび/または中間流体導管によって提供される)は、トンネル洗浄機20と液体サンプリングシステム30との間に設けられ得る。
【0029】
トンネル洗浄機20の構成に応じて、洗浄機は、液体サンプリングシステム30をトンネル洗浄機に流体結合するために使用することができる既存のポート接続またはバルブ接続を有し得る。トンネル洗浄機20が、流体接続を形成するために使用できる既存の開口部を有していな場合、ユーザは、接続を形成するためにトンネル洗浄機にポートを設置し得る。液体サンプリングシステム30との流体連通を提供するために使用されるトンネル洗浄機20のポートは、トンネル洗浄機筐体上で、例えば、筐体の最底面など、筐体内の液面より下になるように十分に低く配置し得る。
【0030】
液体サンプリングシステム30は、トンネル洗浄機20の1つ以上の処理チャンバ26に流体的に結合し得る。例えば、トンネル洗浄機20は、それぞれがトンネル洗浄機の異なる処理チャンバ26との流体連通を提供する複数のポートを有し得る。1つ以上の流体ライン38は、異なる処理チャンバ26と液体サンプリングデバイス30との間の流体連通を提供することができる。例えば、バルブマニホールドを使用して、複数の異なる処理チャンバと液体サンプリングシステム30との間の流体連通を制御し得る。液体サンプリングシステム30は、バルブマニホールドの弁位置を制御することによって、処理チャンバ26のうちの選択された1つから液体を抽出し得る。
【0031】
他の実施例において、液体サンプリングシステム30は、単一の処理チャンバとのみ流体連通し得る。これらの実施例において、液体サンプリングシステム30と流体連通するトンネル洗浄機20の単一の処理チャンバ26のみの流体特性が監視され得る。代替的に、複数の液体サンプリングシステム30を布地洗浄システム10に実装し得る。複数の液体サンプリングシステム30のそれぞれは、本明細書に記載のような液体サンプリングシステムの設計上の特徴を有し得る。複数の液体サンプリングシステム30のそれぞれは、異なる処理チャンバ26に流体的に接続され得る。このようにして、トンネル洗浄機20の異なる処理チャンバ26からの液体の流体特性が監視され得る。布地洗浄システム10が複数の液体サンプリングシステム30を使用して実装される場合、各液体サンプリングシステムはそれ自体のコントローラを有し得(例えば、システムコントローラと通信する)、および/または単一のコントローラがすべての液体サンプリングシステムを制御し得る。いずれの場合においても、複数の液体サンプリングシステム30を共有移動カートに取り付け得、複数の液体サンプリングシステムをシステムとして一緒に搬送することができる。
【0032】
液体サンプリングシステム30を使用して、分析のために任意の場所から液体を抽出することができ、いくつかの実施例において、液体サンプリングシステムは、トンネル洗浄機20の洗浄処理チャンバ26に流体的に接続される。例えば、トンネル洗浄機20が、洗浄処理チャンバ、酸化処理チャンバ、およびすすぎ処理チャンバ(追加の処理チャンバが任意選択的に存在する)を含む複数の処理チャンバ26を含む場合、液体サンプリングシステム30は、洗浄処理チャンバに流体接続され得る。一般に、トンネル洗浄機20は、1つ以上の洗浄処理チャンバ26を有し得、そこで化学薬品が投入されて、清浄化対象の布地物品を清浄化および/または消毒/殺菌する。
【0033】
1つ以上の洗浄処理チャンバ26に投入される化学物質の量は、トンネル洗浄機20を使用して洗浄された布地物品が、洗浄プロセスを通じて清浄化および消毒/殺菌されることを確実にするのに効果的であり得る。所望のレベルの清浄化および/または消毒/消毒を達成するために1つ以上の洗浄処理チャンバに投入される化学薬品の量は、清浄化されている物品に存在する汚れのタイプおよび量に応じて変化し得る。洗浄プロセス中に消費される化学薬品の量は、清浄化されている物品に存在する汚れのタイプおよび量によって変化し得る。したがって、トンネル洗浄機20の1つ以上の洗浄処理チャンバ26内の液体の特性を監視することは、布地が洗浄されている液体の中に閾値レベルの化学薬品が存在するかどうかを判定するのに有用であり得る。
【0034】
作動中、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、液体サンプリングシステムが流体的に接続されている処理チャンバ26から液体サンプルを抽出することができる。例えば、コントローラ50は、液体搬送デバイス34を制御して、液体を処理チャンバ26から流体ライン38を介してセンサ筐体32に吸引することができる。コントローラ50は、液体サンプリングシステム30の1つ以上のセンサ36をさらに制御して、センサ筐体32に引き込まれる流体の1つ以上の特性を分析することができる。続いて、コントローラ50は、液体搬送デバイス34を制御して、分析を受けたセンサ筐体32の中の液体をセンサ筐体から放出して戻すことができる。いくつかの用途において、処理チャンバ26から吸引された液体は、分析を受けた後、放出され元の処理チャンバに戻される。他の用途において、分析を受けた液体は、排水管または他の処分場所に放出される。
【0035】
図1の実施例には示されていないが、弁は、トンネル洗浄機20と液体サンプリングシステム30との間に、例えば、流体ライン38に沿って挿入され得る。コントローラ50は、処理チャンバ26からサンプルを抽出するために流体ライン38を開くようにバルブを制御し、流体サンプルが分析を受けている間はバルブを閉じ、バルブを再び開いて、分析された流体サンプルを流体ライン38を通して放出し得る。他の構成において、システム10は、トンネル洗浄機20と液体サンプリングシステム30との間に弁が挿入されていない場合があり得る。むしろ、流体ライン38は、抽出、サンプリング、および放出プロセスを考慮して、トンネル洗浄機20と直接流体接続され得る。このように構成された場合、液体搬送デバイス34は、循環して液体をサンプリングシステムに吸引し、サンプリング中はシステムの中で吸引された液体を保持し(流体ライン38を介して流体接触を維持しながら)、再び循環して液体を放出してトンネル洗浄機に戻すことができる。この循環は、例えば、液体搬送デバイス34を空気圧で駆動する空気源を制御するコントローラ50によって制御し得る。
【0036】
コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、任意の所望の頻度で液体サンプルを抽出および分析することができる。一構成において、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、各一回分の処理対象の布地を洗浄機で処理中に、処理チャンバ26から1つの液体サンプルを抽出および分析する。別の構成において、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、各一回分の処理対象の布地を洗浄機で処理中に、処理チャンバ26から複数の液体サンプルを抽出および分析する。例えば、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、洗浄中の所定の処理チャンバ26の中に洗浄されている布地物品を留めたままで、その処理チャンバ26から液体を繰り返し抽出、分析、および放出し得る。実施例として、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30を制御して、少なくとも毎分1回、例えば、少なくとも30秒に1回、少なくとも10秒に1回、または少なくとも5秒に1回、サンプルを抽出、分析、および放出し得る。追加的または代替的に、コントローラ50は、オペレータがコントローラと対話して、必要に応じて液体サンプリングシステム30を制御して、所望のとおりに液体サンプルを抽出および分析することを可能にするユーザインターフェースを含み得る。
【0037】
コントローラ50の制御下で作動して、液体サンプリングシステム30の1つ以上のセンサ36は、液体サンプリングシステムに吸引された液体の1つ以上の特性を分析することができる。液体サンプリングシステム30上のセンサ36として使用され得る例示的なセンサタイプには、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせが含まれる。センサ(複数可)36は、液体中に存在する1つ以上の化学成分の濃度を判定するために使用され得る。
図1の例示的な構成において、例えば、センサ36は、分析中の液体の清浄化および/または消毒/殺菌効果に関連する1つ以上の特性を判定し得る。このような特性には、液体中に存在することを意図した1つ以上の清浄化剤および/もしくは抗菌剤の濃度、液体のpH、液体の温度、液体の濁度(例えば、液体中の汚れレベルを含み得る)、液体の酸化還元電位(ORP)(例えば、導電率プローブ測定)、ならびに/または液体の総溶解固形物レベルを含み得る。
【0038】
センサ36によって測定された情報に基づいて判定された液体特性情報は、コントローラ50のメモリ54に記憶され得る。いくつかの実施例において、コントローラ50は、測定された性状に基づいてトンネル洗浄機20を制御し得る。追加的または代替的に、コントローラ50は、測定された特性/性状に関する情報をリモートコンピューティングデバイスに送信し得る。例えば、コントローラ50は、熱交換器20を含有する施設サイトに位置し得る1つ以上のコントローラを使用して実装され得る。コントローラ50は、ネットワーク58を介して1つ以上のリモートコンピューティングデバイス56と通信し得る。例えば、コントローラ50は、地理的に分散したクラウドコンピューティングネットワークと通信し得、クラウドコンピューティングネットワークは、本開示のコントローラ50に帰属する機能のうちのいずれかまたはすべてを実行し得る。
【0039】
ネットワーク58は、1つのコンピューティングデバイスを別のコンピューティングデバイスに連結して、デバイスが互いに通信することを可能にするように構成され得る。ネットワーク58を使用可能にして、1つの電子デバイスから別の電子デバイスに情報を通信するために、任意の形態のコンピュータ可読媒体を用い得る。また、ネットワーク58は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)に加えて、インターネットなどのワイヤレスインターフェースおよび/もしくは有線インターフェース、ならびにユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、他の形態のコンピュータ可読媒体、またはそれらの任意の組み合わせなどを介した直接接続を含み得る。異なるアーキテクチャおよびプロトコルに基づくものを含む相互接続されたLANのセットでは、ルーターがLAN間のリンクとして作用し、メッセージが相互に送信されることを可能にすることができる。LAN内の通信リンクとしては、ツイストワイヤペアまたは同軸ケーブルを挙げることができるが、ネットワーク間の通信リンクは、アナログ電話線、フルもしくはフラクショナル専用デジタル線、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)、デジタル加入者線(DSL)、携帯電話リンクおよび衛星リンクを含む無線リンク、または他の通信リンクを利用し得る。さらに、リモートコンピュータおよび他の関連電子デバイスは、モデムおよび一時的な電話リンクを介してLANまたはWANのいずれかにリモートで接続され得る。
【0040】
作動中、液体搬送デバイス34は、分析のために液体をセンサ筐体32に吸引するための真空圧を生成し、続いて、センサ筐体の中の液体をセンサ筐体から放出するための圧力を生成することができる。したがって、液体搬送デバイス34は、真空および/または正圧を生成するためのデバイス内の可動構成部品であり得る原動要素を含み得る。例えば、原動要素は、センサ筐体32から離れる一方向に移動して、トンネル洗浄機20からセンサ筐体32に液体を吸引する真空を生成し得る。続いて、原動要素は、センサ筐体32に向かって反対方向に移動して、センサ筐体32の中の液体を筐体から、例えば、トンネル洗浄機20内に押し戻す正圧を生成し得る。様々な実施例において、液体搬送デバイス34は、ピストンまたはダイアフラムなどの容積式ポンプ原動要素を使用して実装され得る。
【0041】
図2は、液体サンプリングシステム30の例示的な構成の断面側面図であり、センサ筐体32および液体搬送デバイス34の例示的な構成を示す。この実施例において、センサ筐体は、流体ライン38に接続されてトンネル洗浄機20からセンサ筐体への入口を提供することができる第1の開口部40を有する。センサ筐体32はまた、第2の開口部42を含み、これは、第1の開口部40に対して任意の好適な位置に配置され得るが、センサ筐体の反対側の端部に配置されるように示されている。液体搬送デバイス34は、センサ筐体32の第2の開口部42と流体連通している。いくつかの実施例において、液体搬送デバイス34の筐体44は、センサ筐体32に直接接続され、例えば、介在する導管なしに、センサ筐体の第2の開口部42と筐体44の入口開口部との間に筐体間接続を提供する。他の実施例において、流体導管を使用して、センサ筐体32の開口部42を、液体搬送デバイス34の筐体44の対応する開口部に流体的に接続する。いずれの場合も、液体搬送デバイス34は、センサ筐体32と圧力通信して、液体をセンサ筐体に吸引し、液体をセンサ筐体から排出することができる。
【0042】
図2の図示の構成において、液体搬送デバイス34は、ポンプ筐体44内で前後に並進するように構成されたピストン46を有するものとして示されている。ピストン46が第1の方向(例えば、
図2に示されるX方向)に並進して、ピストンが筐体44の中に後退されるとき、ピストンは、トンネル洗浄機20からセンサ筐体32に液体を吸引する真空を生成することができる。真空圧は、流体ライン38、第1の開口部40、および流体搬送デバイス34が接続されている第2の開口部42を介してトンネル洗浄機と連通し得る。流体がセンサ筐体32内で分析された後、ピストン46は逆方向(例えば、
図2に示される負のX方向)に並進して、開口部40を介してセンサ筐体から液体を排出する正圧を生成することができる。液体搬送デバイス34によって生成された正圧は、流体搬送デバイスが接続されている第2の開口部42を通じてセンサ筐体32と連通し得、センサ筐体32の中の液体を第1の開口部40を介して押し戻す。液体搬送デバイス34は、原動要素の作動中に、筐体44におよび/または筐体44から空気を排出するために、ピストン46の液体側とは反対側に通気孔47を含み得る。
【0043】
こうして、図示の構成において、トンネル洗浄機20から抽出された液体は、同一の開口部40を介してセンサ筐体32に出入りする。センサ筐体32から放出された液体は、液体がセンサ筐体に吸引された方向とは逆の方向に、流体ライン38を通って押し戻され得る。いくつかの用途において、流体ライン38は、センサ筐体32から開口部40を介して流体ライン38に押し出された流体が、液体が最初に抽出された処理チャンバ26に押し戻されるような単一の管腔ラインである。他の用途において、流体ライン38は、放出または他の放出場所への分岐または迂回を有し得、センサ筐体32に吸引された液体が、トンネル洗浄機20の処理チャンバ26に再投入されることなく、筐体から放出されることを可能にする。さらに別の実施例において、センサ筐体32は、例えば、流体ライン38とは異なる放出流体ラインに接続された、放出出口として機能する第1の開口40および第2の開口42とは別の追加の開口を有し得る。これらの実施例において、流体ライン38および開口部40は、液体をセンサ筐体32に吸引するための入口として機能し得、一方、流体ラインの別個の開口部は、センサ筐体から液体を放出するための出口として機能し得る。
【0044】
センサ筐体は、様々な異なる入口および出口開口部構成を有することができるが、液体がセンサ筐体に吸引されるのみならずまたセンサ筐体を放出する共有開口部40を備えたセンサ筐体を構成することは、センサ筐体の中の汚染物質の詰まりまたは蓄積を防止するのに有用である可能性がある。作動中、センサ筐体32に吸引される物質は、固体粒子および他の汚染物質を含有し得る。液体をセンサ筐体32に吸引し、続いて同一の開口部から液体を放出することにより、前後に脈動する圧力を加え得る。いくつかの用途において、この前後の脈動圧力および流体の動きは、分析のために液体サンプルでセンサ筐体に吸引された固体物質を除去する傾向があり、液体サンプリングシステムの詰まりを防止するのに役立つことが見出された。
【0045】
センサ筐体32に吸引された液体は、1つ以上のセンサ36によって分析することができ、これは、
図2に、第1のセンサ36Aおよび第2のセンサ36Bとして示されている。第1のセンサ36Aは、センサ筐体32の中に延在し、例えば、温度センサ、導電率センサ、pHセンサ、および/または他の直接接触センサなどの、センサ筐体内の液体に物理的に接触するプローブを含むセンサであり得る。対照的に、第2のセンサ36Bは、液体に物理的に接触することなく、センサ筐体32内の液体を分析する非接触センサであり得る。例えば、第2のセンサ36Bは、センサ筐体32の中の液体の1つ以上の光学特性を検出するための発光体および検出器を含む光学センサであり得る。
図2に示されるセンサは単なる実施例であり、本開示による液体サンプリングシステムは、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる数および/または異なるタイプのセンサを含み得ることを理解されたい。
【0046】
図2の実施例において、液体搬送デバイス34のポンプ筐体44は、重力に対して水平に配向され、センサ筐体32は重力に対して垂直に配向されるように示されている。他の構成において、センサ筐体32および/またはポンプ筐体44は、互いに対して、および/または重力に関して、異なる配向を有し得る。例えば、
図3は、液体サンプリングシステム30の別の例示的な構成の断面側面図であり、同様の参照番号は、
図2に関して上述したもの同様の構成部品を指す。
【0047】
図3の実施例に示されるように、液体サンプリングシステム30はまた、ポンプ筐体44内で並進するピストン46を含む液体搬送デバイス34を使用して実装される。しかしながら、この構成において、ポンプ筐体44は重力に対して垂直に配向されている(例えば、センサ筐体32の第2の開口部42と連通する筐体の開口部60が重力に対して下向きに配置されるように)。ポンプ筐体44のこの代替的な配向は、センサ筐体32および対応するポンプ筐体44に吸引される液体が研磨性の固体物質を含有するいくつかの用途において有用であることが見出された。例えば、処理対象の液体物質が泥、砂、または他のグリットを含有する場合、この粒子状物質は、センサ筐体32を充填するプロセス中にポンプ筐体44に吸引される傾向があり得る。粒子状物質は、液体がポンプ筐体44に保持されている間(例えば、センサ筐体32内の静止容積の流体が分析を受けている間)、重力に対して下向きに落下し得る。ポンプ筐体44が水平に配向されている場合、この粒子状物質は、ピストン筐体44内で前方に移動するときにピストン46を摩耗させ得、例えば、粒子状物質は、前方に移動するときにピストンの底面を摩耗してポンプ筐体44の底部に落下する。時間の経過とともに、ピストン46の繰り返しの作動により、この粒子状物質は、例えば、ピストン46がポンプ筐体44の内壁面ともはや封止しないように、ピストンを故障点まで劣化させる傾向を有し得る。
【0048】
このような用途において、ポンプ筐体44を重力に対して垂直に配向することにより(例えば、ポンプ筐体の入口および/または出口開口部60が重力に対して下向きになるように)、ポンプ筐体に吸引された粒子状物質は、ポンプ筐体44の出口端部62に落下し得る。結果として、粒子状物質は、ポンプ筐体44内を移動するときにピストン46を摩耗させない可能性があり得る。ピストン46をさらに保護するのを支援するために、1つ以上のストップ64が提供され得る。ストップ64は、ポンプ筐体44の出口端部62から、少なくとも1mm、例えば、少なくとも10mm、または少なくとも100mm(例えば、10mmから2cmの範囲の距離)の距離などの距離だけ離間し得る。
【0049】
ストップ64は、ピストン46の面が接触する突起であり得、ピストンがポンプ筐体44の出口端62まで完全に前進するのを防止する。ストップ64と出口端部62との間の空間は、粒子状物質がピストン46に干渉することなくポンプ筐体44に集まることができる領域を提供し得る。ピストンの循環中に、そのような集合物質は、ポンプ筐体44から押し出されると予想され得る。ストップ64は、
図3の配向配置で示されているが、このような特徴は、
図2の配向配置または本明細書に記載されるようなさらに他の構成で使用され得る。さらに、ストップ64は、ポンプ筐体44の断面を横切って突出する内部ストップとして示されているが、ストップ64は、ピストン46および/またはピストンの駆動機構と相互作用する外部機能として代替的に実装され得る。
【0050】
図4は、液体サンプリングシステム30のさらに別の例示的な構成の断面側面図であり、同様の参照番号は、
図2および3に関して上述したものと同様の構成部品を指す。
図4の例では、液体サンプリングシステム30は、ポンプ筐体44内で屈曲して、真空を生成して液体をセンサ筐体32の中に吸引し、液体を筐体から押し出すための圧力を生成するように構成された膜またはダイアフラム48を含む液体搬送デバイス34を使用して実装されることが示されている。ダイアフラム48を備えたポンプ筐体44は、
図2に関して説明したように水平方向、または
図3に関して説明したように開口部60が下方を指す垂直方向を含む、センサ筐体32に対して任意の好適な方法で配向され得る。
【0051】
ダイアフラム48は、開口部60から離れて(例えば、
図4に示される負のZ方向に)屈曲して真空を作り出し、液体をセンサ筐体32に吸引し得る。ダイアフラム48は、開口部60に向かってさらに屈曲して(例えば、
図4に示される正のZ方向に)、圧力パルスを生成し、センサ筐体32の中の液体を筐体から押し戻し得る。ダイアフラム48は、ゴム、熱可塑性、またはポリテトラフルオロエチレン物質などの可撓性物質で形成され得る。
【0052】
ピストン46またはポンプ筐体44の長さに沿って移動する要素の代わりにダイアフラム48を備えた液体搬送デバイス34を構成することは、研磨粒子を担持する固体含有液体を扱うときに有用であり得る。ダイアフラム48は、例えば、ダイアフラムが筐体内部で屈曲するが、その周囲について固定され静止したままであるように、その周囲をポンプ筐体44に固定し得る。結果として、研磨粒子がポンプ筐体44に進入する場合、粒子は、原動要素(ダイアフラム48)と壁の表面との間の空間で相互作用することが許されない。これは、通常提供される可能性のある日常的なメンテナンスの間に液体搬送デバイス34の長時間の作動を維持するのに有用であり得る。
【0053】
液体搬送デバイス34の特定の構成とは無関係に、液体搬送デバイスのポンプ筐体44は、センサ筐体32を基準にしてサイズ決定され得る。流体の様々なサンプルの特性を繰り返し測定するために、液体搬送デバイス34は、センサ筐体32から液体を実質的に完全に除去し、サイクル中に新鮮な液体を再充填し得る。したがって、液体搬送デバイス34は、センサ筐体32の容積よりも大きい容積の液体を吸引するようにサイズ決定され得る。センサ筐体32の容積は、センサ筐体内に保持することができる液体の容積が完全に一杯になったと見なし得る。
【0054】
液体搬送デバイス34を構成して、センサ筐体32の容積よりも大きい容積の液体を吸引することにより、液体搬送デバイスは、少なくともセンサ筐体を充填するのに必要な容積の液体を引き込み得る。さらに、液体搬送デバイス34は、通常、センサ筐体32の容積より多くを吸引することができるため、追加の液体は、センサ筐体32を通過して液体搬送デバイス自体に吸引され得る(例えば、ポンプ筐体44の第2の開口部42および開口部60を介してそれら連通して)。追加的または代替的に、液体搬送デバイス34によって吸引される追加の液体は、流体ライン38および/またはセンサ筐体32と液体搬送デバイス34との間の任意の流体ラインに含まれる任意の容積の液体であると説明し得る。
【0055】
例えば、液体搬送デバイス34の容量は、サンプルが抽出される対象の液体の供給源(例えば、トンネル洗浄機20の処理チャンバ26)と液体搬送デバイス34との間の流体空間を完全に充填するのに有効であり得る。液体搬送デバイス34のこの容量は、液体搬送デバイス34と、元の供給源に戻り得る分析液体サンプルに続く放出位置との間の流体空間を完全に除去するのにさらに効果的であり得る。供給源と液体搬送デバイス34との間の流体空間の容積は、流体ライン38とセンサ筐体32との合計容量であり得る。液体搬送デバイス34は、通常、分析のためにセンサ筐体32を液体で完全に充填するように作動し得るが、他の実施例において、液体搬送デバイスは、例えば、1つ以上のセンサ36が液体と相互作用するのに好適な容積の液体で、センサ筐体を部分的にのみ充填し得る。
【0056】
液体搬送デバイス34によって吸引されるおよび/または放出される液体の容積は、ポンプ筐体44のサイズおよび原動要素(例えば、ピストン46、ダイアフラム48)が筐体の中を移動する距離を制御することによって制御され得る。いくつかの実施例では、液体搬送デバイスの原動要素は、センサ筐体の容積の少なくとも2倍など、センサ筐体32の容積の少なくとも1.5倍の容積の液体を吸引するように構成される。例えば、液体搬送デバイス34によって吸引される液体の容積をセンサ筐体32の容積で除算した比は、1.2~20、例えば、1.5~15、2から10、または2~5の範囲であり得る。
【0057】
センサ筐体32およびポンプ筐体44の特定のサイズおよび寸法は、所望の用途に応じて変化し得る。しかしながら、いくつかの実施例では、センサ筐体32は、100mL~500mLの範囲の容積を有し得る。このような用途において、液体搬送デバイス34は、作動中に1mm~2.5mLの範囲の容積の液体を吸引するように設計され得る。センサ筐体32が流体ライン38によって供給源に接続される場合、流体ラインは、センサ筐体の容積よりも小さい容積または液体容量を有し得る。追加的または代替的に、液体搬送デバイス34が流体ラインによってセンサ筐体32に接続される場合、この流体ラインは、センサ筐体の容積よりも小さい容積または液体容量を有し得る。そうでなければ、システムの中の1つ以上の流体ラインが長い、および/またはより大きい容量を有する場合、液体搬送デバイス34の容量は、1つ以上のライン内の長い保持容積を考慮して調整され得る。
【0058】
液体搬送デバイス34は、電力または空気圧などの任意の好適な電源によって電力を供給され得る。いくつかの構成において、加圧空気または油圧流体などの原動力流体が、ポンプ筐体44の内部の原動要素を駆動して前後に移動させるために使用される。液体搬送デバイス34を駆動するために使用される動力源のタイプとは無関係に、液体搬送デバイスは、供給源から液体を吸引してセンサ筐体32を充填するのに十分な真空圧を生成し、続いてセンサ筐体から液体を除去するのに十分な正圧を生成し得る。いくつかの用途において、液体搬送デバイス34は、センサ筐体32に吸引された液体を、25psigを超える、例えば、50psigを超える、または75psigを超える圧力に加圧するように構成される。センサ筐体32から液体を排出するのに十分な高圧を生成するように液体搬送デバイス34を構成することは、センサ筐体に吸引された固体物質、粒子、または他の破片をセンサ筐体から除去するのを支援するのに有用である可能性がある。
【0059】
図1をさらに参照すると、コントローラ50は、液体サンプリングシステム30の作動を制御して、液体サンプルを抽出および分析し、続いて、液体サンプルをシステムから放出することができる。例えば、コントローラ50は、液体搬送デバイスの原動要素(例えば、ピストン46、ダイアフラム48)を制御して、トンネル洗浄機20の処理チャンバ26からセンサ筐体32に液体を吸引することができる。コントローラ50は、原動要素の動きを駆動する動力源(例えば、原動力流体)を制御することによって、原動要素を制御することができる。コントローラ50は、1つ以上のセンサがセンサ筐体に吸引された液体の1つ以上の性状を測定するのに十分な期間、センサ筐体32に吸引された液体を保持し得る。コントローラ50は、原動要素を後退位置に維持することによって、センサ筐体32内に液体を保持し得る。センサが液体の対応する性状を測定するのに必要な時間は、センサのタイプに応じて、ほんの一瞬(例えば、1秒以下、例えば、0.5秒以下、または0.1秒以下)から1秒以上(例えば、1秒から1分、例えば、1秒から10秒、または1秒から5秒)まで変化し得る。
【0060】
コントローラ50が、液体の性状が測定されたことを示す信号をセンサ36から受信すると、コントローラは、原動要素を制御して、液体をセンサ筐体32から放出して筐体の外に戻すことができる。この場合も、コントローラ50は、原動要素の動きを駆動する電源を制御することによって、原動要素を制御し得る。
【0061】
いくつかのタイプのセンサ36では、センサ構成部品が乾燥するのを防止するために、使用しない間にセンサ流体を湿らせておくことが望ましい。したがって、アクティブサンプリングモードでない場合、コントローラ50は、分析後に筐体から液体を放出するのではなく、センサ筐体32の液体を満杯に保つように液体サンプリングシステム30を制御し得る。コントローラ50は、その後、後続の液体サンプル抽出および分析を実行する前に、センサ筐体から液体を除去し得る。追加的または代替的に、液体サンプリングシステム30は、サンプル抽出の間に(例えば、製造公差のために通常発生する可能性がある空気漏れの他に)センサ筐体32に空気を投入しない密閉システムとして実装され得る。このように構成された場合、センサ筐体32が液体サンプルの分析後に液体を排出されたとしても、センサ36はサンプリングされない間でさえも濡れたままであり得る。
【0062】
本開示による液体サンプリングシステムは、サンプルが、センサチャンバに吸引され、詰まりおよび/または汚染の問題を引き起こす傾向がある凝集物、粒子、または他の物質などの固体物質を含有する供給源から液体のサンプルを抽出するのに有用であり得る。液体サンプリングシステムは、負圧と正圧を交互に提供する液体源と液体搬送デバイスとの間に配置されたセンサ筐体を用いて実装し得る。結果としてこの配置によって生成される前後方向の液体の流れは、センサ筐体に吸引される可能性のある望ましくない固体物質を放出および除去するのに役立ち得、繰り返えされるサンプリングおよびその後のサンプリングのためにセンサ筐体を清浄に保つのに役立つ。
【0063】
時ならぬ詰まりを回避するために、本開示による液体サンプリングシステムは、液体が供給源とセンサ筐体との間を流れる濾過要素(例えば、スクリーン)を欠いた濾過フリーのシステムとして実装され得る。濾過要素を排除することにより、さもなければ濾過され得る追加の固体物質がセンサ筐体に吸引され得る。しかしながら、センサ筐体に吸引されたこの固体物質は、サイクル中に液体センサ筐体に圧力が加えられると、除去されて筐体の外に戻され得る。本開示による液体サンプリングシステムは、濾過要素なしで実装し得るが、本開示において濾過要素を任意選択的に使用し得ることは、この点に関して限定されないことを理解されたい。例えば、比較的大きい細孔を有する濾過要素を、流体ライン38に沿って、および/またはトンネル洗浄機20に配置して、大きい粒子が液体サンプリングシステムに進入するのを防止するのに役立ち得る。
【0064】
コントローラ、制御ユニット、または制御システムによって実行される機能を含む、本開示に記載される技術は、汎用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、または他の同等のロジックデバイスのうちの1つ以上内に実装され得る。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、前述の構造のいずれか1つ以上、または本明細書に記載の技術の実装に好適な任意の他の構造を指す場合があり得る。
【0065】
本明細書に示される様々なコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の好適な組み合わせによって実現され得る。図において、様々な構成部品が個別のユニットまたはモジュールとして示される。しかしながら、これらの図を参照して説明された様々なコンポーネントのすべてまたはいくつかは、共通のハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェア内の組み合わされたユニットまたはモジュールに統合され得る。したがって、コンポーネント、ユニット、またはモジュールとしての機能の表現は、説明を容易にするために特定の機能上の特徴を強調することを意図しており、必ずしも別個のハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアコンポーネントによるそのような機能の実現を必要としない。場合によっては、様々なユニットが、1つ以上のプロセッサまたはコントローラによって実行されるプログラム可能なプロセスとして実装され得る。
【0066】
モジュール、デバイス、またはコンポーネントとして本明細書に記載されている任意の機能は、統合論理デバイスに一緒に実装することも、個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々に実装することもできる。様々な態様において、そのようなコンポーネントは、少なくとも部分的に1つ以上の集積回路デバイスとして形成され得、これは、集積回路チップまたはチップセットなどの集積回路デバイスと集合的に呼ばれ得る。このような回路は、単一の集積回路チップデバイスまたは複数の相互運用可能な集積回路チップデバイスで提供され得る。
【0067】
部分的にソフトウェアによって実装される場合、技術は、少なくとも部分的に、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに命令を伴うコードを含むコンピュータ可読データ記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体)によって実現され得る。またはコントローラは、本開示に記載されている方法および機能の1つ以上を実行する。コンピュータ可読記憶媒体は、包装材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体には、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、組み込みダイナミックランダムアクセスメモリ(eDRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、磁気または光データ記憶媒体などのランダムアクセスメモリ(RAM)が含まれ得る。利用される任意のソフトウェアは、1つ以上のDSP、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、または他の同等の統合またはディスクリート論理回路などの1つ以上のプロセッサによって実行され得る。
【0068】
様々な実施例を説明してきた。これらおよび他の実施例は、以下の特許請求の範囲内にある。本開示の実施形態の例を以下の項目[1]~[37]に列記する。
[1]
処理チャンバを有する布地洗浄機と、
前記布地洗浄機の前記処理チャンバと流体連通する流体ラインを有する液体サンプリングシステムと、を備える、布地洗浄機のための液体サンプリングシステムであって、
前記液体サンプリングシステムは、
前記流体ラインに接続された第1の開口部および第2の開口部を有するセンサ筐体と、
前記センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するよう配置された少なくとも1つのセンサと、
前記センサ筐体の前記第2の開口部および原動要素と流体連通する開口部を有する液体搬送デバイスと、を含み、
前記原動要素が、液体の容積を前記開口部を通して前記液体搬送デバイスに吸引するように構成され、それによって、前記布地洗浄機の前記処理チャンバから前記流体ラインを介して前記センサ筐体に液体を吸引し、
前記原動要素が、続いて、前記液体の容積を前記液体搬送デバイスから前記開口部を通して放出して戻すように構成され、それによって、前記センサ筐体の中の前記液体を前記センサ筐体から押し出す、システム。
[2]
前記原動要素が、前記センサ筐体内の前記液体を、前記流体ラインに接続された前記第1の開口部から押し出し、前記布地洗浄機の前記処理チャンバに戻すように構成される、項目1に記載のシステム。
[3]
前記センサ筐体が、センサ筐体の容積を画定し、前記原動要素が吸引するように構成された前記液体の容積が、前記センサ筐体の前記容積よりも大きい、項目1または2に記載のシステム。
[4]
前記原動要素が前記液体搬送デバイスに吸引するように構成された前記液体の容積を前記センサ筐体の容積で除算した比が、2~10の範囲である、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
[5]
前記センサ筐体の前記容積が、100ml~500mlの範囲であり、前記原動要素が吸引するように構成された前記液体の容積が、1L~2.5Lの範囲である、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
[6]
前記処理チャンバを有する前記布地洗浄機が、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間の複数の処理チャンバと、を有する、トンネル洗浄機であり、
前記複数の処理チャンバが、洗浄チャンバと、酸化チャンバと、すすぎチャンバと、を含み、
前記液体サンプリングシステムの前記流体ラインが、前記洗浄チャンバまたは前記酸化チャンバと流体連通している、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
[7]
前記布地洗浄機が、0.05~5重量パーセントの固形分を有する水性液体を前記処理チャンバ内に生成するように構成される、項目1~6のいずれか一項に記載のシステム。
[8]
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で並進するように配置されたピストンを備え、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内に後退されるときに真空を生成して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体に吸引し、前記ピストンが前記ポンプ筐体内で反対方向に前進したときに前記ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容積を加圧して、前記ポンプ筐体から前記液体の容積を放出して戻す、項目1~7のいずれか一項に記載のシステム。
[9]
前記ポンプ筐体が、重力に対して垂直に配向され、前記ポンプ筐体の出口端から離間されたピストン停止部を含み、前記ピストン停止部は、前記ピストンが前記ポンプ筐体の前記出口端まで完全に前進するのを停止し、それによって破片収集スペースを提供するように構成される、項目8に記載のシステム。
[10]
前記液体搬送デバイスがポンプ筐体を含み、前記原動要素が前記ポンプ筐体内で屈曲するように構成された膜を備え、前記膜が前記ポンプ筐体内に屈曲されたときに真空を生成して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体に吸引し、前記膜が前記ポンプ筐体内で反対方向に曲げられたときに前記ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容積を加圧して、前記液体の容積を前記ポンプ筐体から放出して戻す、項目1~9のいずれか一項に記載のシステム。
[11]
前記液体搬送デバイスが、前記液体搬送デバイスから前記液体の容積を放出するときに、前記液体の容積を50psigを超える圧力に加圧するように構成される、項目1~10のいずれか一項に記載のシステム。
[12]
前記少なくとも1つのセンサが、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、光学センサ、酸化還元電位センサ、全溶解固形物センサ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるセンサを含む、項目1~11のいずれか一項に記載のシステム。
[13]
前記少なくとも1つのセンサおよび前記液体搬送デバイスに通信可能に結合されたコントローラをさらに含み、前記コントローラが、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記布地洗浄機の前記処理チャンバから前記センサ筐体に液体を吸引し、前記少なくとも1つのセンサが前記センサ筐体に吸引された前記液体の前記性状を測定するのに十分な時間の間、前記センサ筐体に吸引された前記液体を保持し、
少なくとも1つのセンサから前記センサによって測定された性状を示す信号を受信し、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から放出するように構成された、項目1~12のいずれか一項に記載のシステム。
[14]
前記コントローラが、前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、液体を前記センサ筐体内に吸引し、前記少なくとも1つのセンサから前記信号を受信し、前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から放出するプロセスを、作動中に少なくとも10秒に1回繰り返すように構成される、項目13に記載のシステム。
[15]
前記コントローラが、前記センサによって測定された前記性状をリモートコンピューティングデバイスに送信するように、および前記センサによって測定された前記性状に基づいて前記布地洗浄機を制御するように、のうちの少なくとも1つで構成される、項目13に記載のシステム。
[16]
前記センサ筐体の前記第2の開口部を前記液体搬送デバイスの前記開口部に接続する流体ラインをさらに含み、前記流体ラインが、前記センサ筐体の前記容積よりも小さい容積を有する、項目1~15のいずれか一項に記載のシステム。
[17]
処理チャンバと流体連通する液体搬送デバイスの原動要素を駆動し、前記原動要素と前記処理チャンバとの間にセンサ筐体を配置することによって、布地洗浄機の前記処理チャンバから液体サンプルを吸引し、それによって前記処理チャンバからの液体で前記センサ筐体を充填することと、
少なくとも1つのセンサを使用して前記センサ筐体に吸引された前記液体の性状を測定することと、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を駆動することによって、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻し、前記布地洗浄機の前記処理チャンバに戻すことと、を含む、方法。
[18]
前記処理チャンバから前記液体サンプルを吸引することが、前記センサ筐体の容積よりも大きい容積の液体を前記処理チャンバから吸引することを含む、項目17に記載の方法。
[19]
前記布地洗浄機が、前洗浄チャンバと、洗浄チャンバと、すすぎチャンバと、を含む、複数の処理チャンバを有する、トンネル洗浄機であり、前記処理チャンバから前記液体サンプルを吸引することが、前記洗浄チャンバから前記液体サンプルを吸引することを含む、項目17または18に記載の方法。
[20]
前記液体サンプルが、0.05~5重量パーセントの固形分を含む、項目17~19のいずれか一項に記載の方法。
[21]
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で並進するピストンを備え、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内に後退されるときに真空を生成して、前記液体サンプルを吸引し、前記ピストンが、反対方向に前進したときに、前記ポンプ筐体に吸引された前記液体を加圧して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻す、項目17~20のいずれか一項に記載の方法。
[22]
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で屈曲するように構成された膜を備え、前記膜が、前記ポンプ筐体内に屈曲されて前記液体サンプルを吸引するときに、真空を生成し、前記膜が、前記ポンプ筐体内で反対方向に曲げられたときに、前記ポンプ筐体に吸引された液体を加圧し、前記センサ筐体内に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻す、項目17~21のいずれか一項に記載の方法。
[23]
前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から押し戻し、前記布地洗浄機の処理チャンバに押し戻すことが、前記センサ筐体に吸引された前記液体を、50psigを超える圧力で前記センサ筐体から押し戻すことを含む、項目17~22のいずれか一項に記載の方法。
[24]
前記少なくとも1つのセンサが、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、光学センサ、酸化還元電位センサ、全溶解固形物センサ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるセンサを含む、項目17~23のいずれか一項に記載の方法。
[25]
液体サンプリングシステムであって、
第1の開口部および第2の開口部を有するセンサ筐体であって、前記センサ筐体内の容積を画定するセンサ筐体と、
前記センサ筐体に吸引された液体の性状を測定するよう配置された少なくとも1つのセンサと、
前記センサ筐体の前記第2の開口部および原動要素と流体連通する開口部を有する液体搬送デバイスであって、前記原動要素が、前記センサ筐体の容積よりも大きい液体の容積を、前記開口部を介して前記液体搬送デバイスの中に吸引し、それによって液体を前記センサ筐体に吸引し、次いで、前記液体搬送デバイスに吸引された前記液体の容量を、前記開口部を通じて放出して戻すように構成される、液体搬送デバイスと、を備える、システム。
[26]
前記原動要素が、前記第1および第2の開口部ならびに前記センサ筐体の容積を通じて前記液体搬送デバイスに前記液体の容積を吸引し、次いで、前記第1および第2の開口部ならびに前記センサ筐体の容積を通じて前記液体の容積を放出し、これにより、前記液体搬送デバイスの充填および放出を通じて前記センサ筐体を洗い流すように構成される、項目25に記載のシステム。
[27]
前記原動要素が前記液体搬送デバイスに吸引するように構成された前記液体の容積を、前記センサ筐体の容積で除算した比が、2~10の範囲である、項目25または26に記載のシステム。
[28]
前記センサ筐体の容積が、100ml~500mlの範囲であり、前記原動要素が吸引するように構成されている前記液体の容積が、1L~2.5Lの範囲である、項目25~27のいずれか一項に記載のシステム。
[29]
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を備え、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で並進するように配置されたピストンを備え、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内に後退されるときに、真空を生成して、前記ポンプ筐体内への前記液体の容量を吸引し、前記ピストンが、前記ポンプ筐体内で反対方向に前進したときに、ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容量を加圧して、前記ポンプ筐体から前記液体の容量を放出する、項目25~27のいずれか一項に記載のシステム。
[30]
前記ポンプ筐体が、重力に対して垂直に配向され、前記ポンプ筐体の出口端から離間されたピストン停止部を含み、前記ピストン停止部が、前記ピストンが前記ポンプ筐体の前記出口端まで完全に前進するのを停止し、それによって破片収集スペースを提供するように構成される、項目29に記載のシステム。
[31]
前記液体搬送デバイスが、ポンプ筐体を含み、前記原動要素が、前記ポンプ筐体内で屈曲するように構成された膜を含み、前記膜が、前記ポンプ筐体内に屈曲されたときに、真空を生成して前記ポンプ筐体内へ前記液体の容量を吸引し、前記膜が、前記ポンプ筐体内で反対方向に屈曲したときに、前記ポンプ筐体内に吸引された前記液体の容量を加圧して、前記ポンプ筐体から前記液体の容量を放出する、項目25~30のいずれか一項に記載のシステム。
[32]
前記液体搬送デバイスが、前記液体搬送デバイスから前記液体の容積を放出するときに、50psigを超える圧力に前記液体の容積を加圧するように構成される、項目25~31のいずれか一項に記載のシステム。
[33]
前記少なくとも1つのセンサが、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、光学センサ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるセンサを含む、項目25~32のいずれか一項に記載のシステム。
[34]
前記センサ筐体、前記少なくとも1つのセンサ、および前記液体搬送デバイスが、集合的に第1のサンプリングデバイスを形成し、さらに、追加のセンサ筐体、追加の1つ以上のセンサ、および追加の液体搬送デバイスを含む少なくとも1つの追加のサンプリングデバイスとともに前記第1のサンプリングデバイスを搬送する移動式カートを備える、項目25~33のいずれか一項に記載のシステム。
[35]
前記少なくとも1つのセンサおよび前記液体搬送デバイスと通信可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラが、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記液体を前記センサ筐体に吸引し、前記少なくとも1つのセンサが前記センサ筐体に吸引された前記液体の前記性状を測定するのに十分な時間の間、前記センサ筐体に吸引された液体を保持することと、
前記少なくとも1つのセンサから前記センサによって測定された前記性状を示す信号を受信することと、
前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から放出することと、を行うように構成されている、項目25~34のいずれか一項に記載のシステム。
[36]
前記コントローラが、前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して前記液体を前記センサ筐体内に吸引し、前記少なくとも1つのセンサから信号を受信し、前記液体搬送デバイスの前記原動要素を制御して、前記センサ筐体に吸引された前記液体を前記センサ筐体から放出するプロセスを、作動中に少なくとも10秒ごとに1回繰り返すように構成される、項目25~35のいずれか一項に記載のシステム。
[37]
前記センサ筐体の前記第2の開口部を前記液体搬送デバイスの前記開口部に接続する流体ラインをさらに含み、前記流体ラインは、前記センサ筐体の容積よりも小さい容積を有する、項目25~36のいずれか一項に記載のシステム。