(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】折り畳み式梯子のための安定化システム
(51)【国際特許分類】
E06C 7/42 20060101AFI20241107BHJP
E06C 1/22 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
E06C7/42
E06C1/22
(21)【出願番号】P 2021518750
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019077821
(87)【国際公開番号】W WO2020078926
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】511158351
【氏名又は名称】テレステップス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】マットソン リカルド
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-069153(JP,A)
【文献】登録実用新案第3058599(JP,U)
【文献】米国特許第04798262(US,A)
【文献】特開2006-241913(JP,A)
【文献】特開平11-193682(JP,A)
【文献】特開2008-075334(JP,A)
【文献】中国特許第104295226(CN,B)
【文献】中国実用新案第207686601(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 7/42
E06C 1/22
E06C 1/12
E06C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式梯子(1)の少なくとも1つの梯子管(10、12)で使用するための安定化システム(150;160;170;180)であって、前記折り畳み式梯子(1)は少なくとも2つの梯子セクション(6、5a~5j)を備え、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木(20)によって相互接続されて、それぞれの前記梯子セクションを形成する2つの梯子管(10、12)を備え、各梯子管(10、12)は、下部梯子セクションの梯子管(10、12)に伸縮自在に挿入され、前記折り畳み式梯子(1)を形成し、最下部の梯子セクション(6)の前記梯子管(10、12)はそれぞれ、端部部分(13)に配置され、
前記安定化システム(150;160;170;180)は、
それぞれがそれぞれの梯子管(10、12)を受け入れるように配置された少なくとも2つの第一のブラケットセクション(110a~b、112a~b;120a~b、122a~b)と、
少なくとも1つの第一のブラケットセクション(110a~b、112a~b;120a~b、122a~b)に接続されている2つの細長い部分(130a~b)であって、各細長い部分(130a~b)は、格納位置(71)および展開位置(72)に配置されるように構成される、2つの細長い部分(130a~b)と、
を備え、
各細長い部分(130a~b)は、前記細長い部分(130a~b)が前記展開位置(72)にあるとき、支持表面(60)と接続するように構成された端部部分(136a~b)を備え、
前記格納位置(71)において、各細長い部分(130a~b)は、それぞれの前記梯子管(10、12)に実質的に平行に配置され、前記細長い部分(130a~b)の前記端部部分(136a~b)は、前記梯子管(10、12)の前記端部部分(13)の位置より低い位置に配置される、安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項2】
前記第一のブラケットセクション(110a~b、112a~b;210a~b、220a~b)
のそれぞれは、前記少なくとも1つの
第一のブラケットセクション(110a~b、112a~b;120a~b、122a~b)を前記細長い部分(130a~b)に接続するために、取り付け部材(105a~b)とともに配置されている、請求項1に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項3】
前記取り付け部材は、前記細長い部分(130a~b)を前記格納位置と前記展開位置(71、72)との間で枢動可能に移動させるように構成されたピボット点(142)を含むか、または前記ピボット点(142)に接続される、請求項2に記載の安定化システム(50)。
【請求項4】
少なくとも2つの関節アーム(140a~b)であって、それぞれがその第一の端部でそのそれぞれの細長い部分(130a~b)に配置され、その第二の端部で、そのそれぞれの
前記第一のブラケットセクション(110a~b、112a~b;120a~b、122a~b)の取り付け部材(105a~b)に配置される、少なくとも2つの関節アーム(140a~b)をさらに備える、請求項2または3に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項5】
それぞれの前記梯子管(10、12)を受け入れるように配置された少なくとも2つの第二のブラケットセクション(110a~b、112a~b;120a~b、122a~b)をさらに備え、前記少なくとも2つの第二のブラケットセクション(112a~b;122a~b)は前記少なくとも2つの第一のブラケットセクション(110a~b;120a~b)の下に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項6】
各細長い部分(130a~b)は、第一のパーツ(132a~b)および第二のパーツ(134a~b)を備え、各細長い部分(130a~b)の前記第一のパーツ(132a~b)は、前記第一のブラケットセクション(110a~b;120a~b)によって前記折り畳み式梯子(1)に配置され、各細長い部分(130a~b)の前記第二のパーツ(134a~b)は、前記
第二のブラケットセクション(112a~b;122a~b)によって前記折り畳み式梯子(1)に配置される、請求項5に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項7】
前記細長い部分(130a~b)は、第一のセクション(136a~b)および第二のセクション(138a~b)を備え、前記第一のセクション(136a~b)は、前記第二のセクション(138a~b)の内径よりも小さい外径を有し、前記第一のセクション(136a~b)は、伸縮自在に前記第二のセクション(138a~b)に挿入されて、折り畳み可能な細長い部分(130a~b)を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項8】
前記細長い部分(130a~b)はそれぞれ、1つの梯子セクション(6、5a~5j)の長さよりも長い長さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項9】
前記格納位置において、前記細長い部分(130a~b)が前記折り畳み式梯子(1)の前記横木(20a~k、21)の長手方向と同じ平面に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項10】
前記細長い部分(130a~b)はそれぞれ、前記折り畳み式梯子(1)のユーザの足によって、前記格納位置(71)と前記展開位置(72)との間で操作可能なように配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項11】
各細長い部分(130a~b)は、前記細長い部分(130a~b)が前記展開位置(72)にあるとき、支持面(60)と接触するように構成された端部部分(136a~b)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)。
【請求項12】
複数の梯子セクション(6、5a~5j)を備える折り畳み式梯子であって、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木(20a~k、21)によって相互接続されて、それぞれの前記梯子セクションを形成する2つの梯子管(10、12)を備え、各梯子管(10、12)は、下部梯子セクションの梯子管(10、12)に伸縮自在に挿入され、折り畳み式梯子(1)を形成し、前記折り畳み式梯子が請求項1~11のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)を備える、折り畳み式梯子。
【請求項13】
第一および第二の梯子脚を備える折り畳み式脚立であって、前記梯子脚は一端で互いにヒンジで接続されており、前記梯子脚のそれぞれはいくつかの梯子セクション(5、5a~5j)を備え、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木(20a~k、21)によって相互接続されて、それぞれの前記梯子セクションを形成する2つの梯子管(10、12)を備え、各梯子管(10、12)は、下部梯子セクションの梯子管(10、12)に伸縮自在に挿入され、折り畳み式梯子(1)を形成し、前記折り畳み式梯子が請求項1~11のいずれか一項に記載の安定化システム(150;160;170;180)を備える、折り畳み式脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの梯子セクションを備える折り畳み式梯子の梯子セクションで使用するための安定化システムに関し、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木によって相互接続されて、それぞれの梯子セクションを形成する2つの梯子管を備える。本発明は、また改善された伸縮式または折り畳み式の梯子または脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式梯子の当業者によく知られているように、そのような梯子は、通常、様々な直径を有し、したがって互いに伸縮自在に挿入可能ないくつかの管部分を含む。管部分のすべての各上端は、梯子ステップの一端に固定され、一方、梯子ステップの他端は、同じ直径を有する管部分の上端に固定され、2つの管部分および梯子ステップが梯子セクションを形成し、その管セクションは、より大きな直径を有する管部分を備える隣接する梯子セクションに挿入可能である。
【0003】
したがって、結果として得られる梯子は、より高い梯子セクションをより低い梯子セクションに挿入することによって折り畳むことができ、梯子は、より高い梯子セクションをより低い梯子セクションから抽出することによって伸ばすことができる。隣接する2つの管部分の外壁の穴を通って延びるピンが管部分をロックして、伸ばされた梯子が折り畳まれるのを防ぐ。梯子を収納および輸送の目的で小さくするために、折り畳み可能で拡張可能な梯子セクションを有する梯子が使用されている。
【0004】
梯子を使用する際の安全性を高めるために、安定化システムを使用することができる。特許文献1~3などの従来技術の安定化システムは、いずれもいくつかの問題を抱えている。共通する問題の1つは、安定化システムが嵩張ることである。これは、折り畳み不可能な梯子の代わりに折り畳み可能な梯子を使用するという目的に反する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/212401号
【文献】国際公開第2017/103649号
【文献】欧州特許第3186464号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の問題なしに梯子のための安定化システムを提供することである。
【0007】
本発明の目的は、折り畳み式梯子の梯子セクションで使用するための安定化システムを提供することであり、これによって、嵩張り具合を少なくし、耐久性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様によれば、折り畳み式梯子の少なくとも1つの梯子管で使用するための安定化システムが提供される。前記折り畳み式梯子は少なくとも2つの梯子セクションを備え、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木によって相互接続されて、それぞれの梯子セクションを形成する2つの梯子管を備え、各梯子管は、下部梯子セクションの梯子管に伸縮自在に挿入され、前記折り畳み式梯子を形成し、前記安定化システムは、それぞれがそれぞれの梯子管を受け入れるように配置された少なくとも2つの第一のブラケットセクションと、少なくとも1つの第一のブラケットセクションに接続されている2つの細長い部分を備え、各細長い部分は、格納位置および展開位置に配置されるように構成され、前記格納位置において、各細長い部分は、それぞれの前記梯子管に実質的に平行に配置されている。
【0009】
一実施形態では、各ブラケットセクションは、前記少なくとも1つのブラケットセクションを前記細長い部分に接続するために、取り付け部材とともに配置されている。前記取り付け部材は、前記細長い部分を前記格納位置と前記展開位置との間で枢動可能に移動させるように構成されたピボット点を含むか、または前記ピボット点に接続され得る。
【0010】
システムは、少なくとも2つの関節アームであって、それぞれがその第一の端部でそのそれぞれの細長い部分に配置され、その第二の端部で、そのそれぞれのブラケットセクションの取り付け部材に配置される、少なくとも2つの関節アームをさらに備える。
【0011】
一実施形態では、システムは、それぞれの前記梯子管を受け入れるように配置された少なくとも2つの第二のブラケットセクションをさらに備え、前記少なくとも2つの第二のブラケットセクションは前記少なくとも2つの第一のブラケットセクションの下に配置されている。
【0012】
各細長い部分は第一のパーツおよび第二のパーツを備え、各細長い部分の前記第一のパーツは、前記第一のブラケットセクションによって前記梯子に配置され、各細長い部分の前記第二のパーツは、前記下部ブラケットセクションによって前記梯子に配置される。
【0013】
一実施形態では、前記細長い部分は、第一のセクションおよび第二のセクションを備え、前記第一のセクションは、前記第二のセクションの内径よりも小さい外径を有し、前記第一のセクションは、伸縮自在に前記第二のセクションに挿入されて、折り畳み可能な細長い部分を形成する。
【0014】
一実施形態では、前記梯子は、少なくとも第一および第二の横木を含み、前記第一のブラケットセクションは、前記第一の横木と組み合わせて配置され、前記第二のブラケットセクションは、前記第二の横木と組み合わせて配置され、前記第一の横木は、前記第二の横木の上に配置される。
【0015】
前記第二の横木は、前記梯子で最も低い横木であり得る。前記第一の横木は、前記梯子で二番目に低い横木であり得る。
【0016】
一実施形態では、前記第一のブラケットセクションは、前記第一の横木の一部であり、および/または前記第二のブラケットセクションは、前記第二の横木の一部である。代替の実施形態では、前記第一のブラケットセクションは、前記第一の横木の上または下に配置され、前記第二のブラケットセクションは、前記第二の横木の上または下に配置される。
【0017】
一実施形態では、前記細長い部分はそれぞれ、1つの梯子セクションの長さよりも長い長さを有する。
【0018】
一実施形態では、前記細長い部分が前記格納位置に配置されているとき、前記細長い部分の一端は、前記梯子管の端部部分の位置よりも低い位置に配置される。より具体的には、前記細長い部分が前記格納位置に配置されているとき、前記細長い部分の前記端部部分は、前記梯子管の前記端部部分の位置よりも低い位置に配置されている。
【0019】
一実施形態では、前記格納位置において、各細長い部分は、各梯子管からある角度で配置されている。
【0020】
一実施形態では、前記格納位置において、前記細長い部分が前記梯子の前記横木の長手方向と同じ平面に配置されている。
【0021】
第二の態様では、折り畳み式梯子の少なくとも1つの梯子管で使用するための安定化システム用のブラケットセクションが提供される。前記ブラケットセクションは、梯子管を受け入れるように配置され、前記ブラケットセクションは、格納位置および展開位置に配置されるように構成された細長い部分に接続され、前記格納位置において、各細長い部分は、それぞれの前記梯子管に実質的に平行に配置されている。
【0022】
第三の態様では、複数の梯子セクションを備える折り畳み式梯子が提供される。各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木によって相互接続されて、それぞれの梯子セクションを形成する2つの梯子管を備え、各梯子管は、下部梯子セクションの梯子管に伸縮自在に挿入され、折り畳み式梯子を形成し、前記梯子は、第一の態様による安定化システムを備える。
【0023】
第四の態様では、第一および第二の梯子脚を備える折り畳み式脚立が提供される。前記梯子脚は一端で互いにヒンジで接続されており、前記梯子脚のそれぞれはいくつかの梯子セクションを備え、各梯子セクションは、互いに平行に配置され、横木によって相互接続されて、それぞれの梯子セクションを形成する2つの梯子管を備え、各梯子管は、下部梯子セクションの梯子管に伸縮自在に挿入され、折り畳み式梯子を形成し、前記梯子は、第一の態様による安定化システムを備える。
【0024】
本明細書における安定化システムの1つの利点は、安定化システムが展開位置にあるとき、梯子の端部部分が常に支持面と接触していることである。したがって、安定化システムは、使用時にユーザの体重を支えるように構成する必要がない。
【0025】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。本発明は、特徴のすべての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【0026】
本明細書で使用される場合の「備える/備えている」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を指定するために解釈されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことを強調すべきである。特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど]」へのすべての言及は、特に明記されていない限り、要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとしてオープンに解釈されるべきである。
【0027】
以下において、本発明は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】一実施形態による伸ばされた梯子の正面図を示す。
【
図1b】一実施形態による最大に折り畳まれた梯子の正面図を示す。
【
図3a】一実施形態によるブラケットの異なる図を示す。
【
図3b】一実施形態によるブラケットの異なる図を示す。
【
図4a】別の実施形態によるブラケットの異なる図を示す。
【
図4b】別の実施形態によるブラケットの異なる図を示す。
【
図5a】一実施形態による格納位置における安定化システムを示す。
【
図5b】一実施形態による展開位置における安定化システムを示す。
【
図6a】一実施形態による格納位置における安定化システムを示す。
【
図6b】一実施形態による展開位置における安定化システムを示す。
【
図7】一実施形態による展開位置における安定化システムを示す。
【
図8a】一実施形態による格納位置における安定化システムを示す。
【
図8b】一実施形態による中間位置における安定化システムを示す。
【
図8c】一実施形態による展開位置における安定化システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分で完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付の図面に示されている特定の実施形態の詳細な説明で使用されている用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0030】
図1aでは、折り畳み式梯子1が完全に伸ばされた状態で示されている。折り畳み式梯子1は、いくつかの梯子セクション5a~jを備え、各梯子セクション5a~jは、2つの梯子管10、12および1つの横木20a~kを備える。梯子セクションは、U字形であり、2つの梯子管10、12が互いに平行に配置され、一端が1つの横木20a~kによって相互接続されている。横木20a~kは、垂直に配置された梯子管10、12の間に水平に配置されている。梯子管10、12は、互いに入れ子になるセクション5a~jに分割されている。別の下部セクションよりも高く配置されたセクション(例えば、セクション5aはセクション5bよりも高く配置されている)は、下部セクションの内径よりも小さい外径を有する。これにより、より高いセクションが、伸ばされた状態と折り畳まれた状態の間で管セクション内に入れ子になることができる。
【0031】
梯子管10、12は、任意の数の取り付け穴を備え得る。穴は、例えば、パンチング、ドリル加工、フライス加工、または放電加工を使用して製造することができる。各取り付け穴は、横木20の各ブラケットセクション110a、110bに配置された横木突起28a~c(
図2a~bを参照)に対応し、取り付け穴と横木突起28a~cとの間の協調により、横木20を梯子管10、12上にしっかりと配置することができる。管10、12は、より多くの穴を備え得ることにも留意されたい。例えば、梯子が誤って引き離されるのを防ぐ装置用の固定穴、または安定化システム150;160;170;180を接続するのに使用されるブラケットセクション用の固定穴であり、これについては、
図4~
図8に関連してさらに議論される。
【0032】
最大限に折り畳まれた梯子を
図1bに示す。最下部の梯子セクション6は、梯子の下部に設けられ、追加の足支持とより安定した最下部の梯子セクション6を提供するように設計された固定横木21を備える。
図1bに見られるように、最下部の梯子セクション6は静止しており、他のセクション5a~jの中に入れ子となることはできない。最下部の梯子セクション6は、2つの横木、静止横木21および横木20kを備え得る。
【0033】
梯子管10、12は、梯子の立つ端部部分13が設けられていてもよい。したがって、端部部分13は、梯子管10、12の最下部に配置される。端部部分13は、高摩擦の材料で配置され得、こうして、使用中に梯子1が動くリスクを低減する。
【0034】
梯子を伸縮自在に折り畳んで伸ばすために、ロックまたは保持機構を設けることができる。
図1a~bに示される実施形態では、保持機構は、それぞれのセクション5を解放するために、個々の横木20a~kに配置された複数のアクチュエータ30を備える。保持機構は、バネ仕掛けロッキングピン(図示せず)を備え、ロッキングピンは、梯子管のロック穴に挿入されることによって、梯子セクション5aを別の隣接する梯子セクション5bに対してロックする。各セクション5a~jは、横木20の両側に配置されたアクチュエータ30(回転ボタンまたはスライドボタンなど)を使用することによって個別に解放される。アクチュエータ30を使用することによって、例えば、スライドボタンを互いに向かってスライドさせることによって、ロッキングピンが梯子管10、12のそれぞれのロック穴から引き抜かれる。
【0035】
一実施形態では、梯子は、例えば、二番目に低い横木の前側に配置された一対のアクチュエータのみを備える。この一対のアクチュエータは、梯子全体を折り畳むことができる。代替として、梯子は、二番目に高い梯子横木に配置されたアクチュエータの第一の対と、二番目に高い横木と二番目に低い横木との間に置かれた横木に配置されたアクチュエータの第二の対とを備える。アクチュエータの第二の対によって、折り畳み式梯子の下部の下降が可能になり、アクチュエータの第一の対によって、折り畳み式梯子の上部の下降が可能になる。そのようなアクチュエータは、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1728966号明細書に記載されている。
【0036】
さらなる実施形態では、最下部の梯子セクションのピンは、梯子のユーザの足によって操作されるように位置され、配置されたフットコントロールを操作することによって、隣接する梯子セクションの管のそれぞれの穴との相互作用から引き抜かれ得る。
【0037】
本明細書では、いくつかのタイプのロック/保持機構だけしか言及されていないが、伸縮梯子を折り畳んで、伸ばすのに適した任意のタイプの機構を使用できることに留意されたい。
【0038】
図2a~bは、異なる斜視図における横木20の実施形態を示している。各横木20は、メインセクション22、第一のブラケットセクション110a、および第二のブラケットセクション24bを備える。第一および第二のブラケットセクション24a~bは、横木20の各端部に配置されて、それぞれの梯子管10、12を受け入れる。
【0039】
各ブラケットセクション24a~bは、対応する梯子管10、12の断面形状と同じ形状を有する開口部26a、26bを備えて配置されている。梯子管10、12の断面形状は、独特の形状を有し得る。
図2a~bの開口部26a、26bの断面形状は、合計6つのセクション、すなわち、1つのストレートセクションと5つの追加セクションで構成されている。
【0040】
一実施形態では、断面形状は、少なくとも1つのストレートセクションおよび少なくとも1つの追加のセクションを備える。断面形状は、任意の数の追加のセクションを有することができる。追加のセクションの数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなどである。1つまたは複数のセクションは片側を含み得る。追加のセクションは、直線、凹状、凸状、またはその他の方法で丸みを帯びている場合がある。さらに、断面は、対称的なことも、あるいは非対称的なこともある。梯子管10、12のストレートセクションは、メインセクション22に面するように、ブラケットセクションに配置することができる。梯子管10、12の任意の種類の断面形状を使用できることに留意されたい。
【0041】
2つのブラケットセクション24a~bは、互いに同一で対称であり得る。すなわち、第一のブラケットセクション24aは、第一の梯子管10または第二の梯子管12のいずれかに配置され得る。
【0042】
横木20は、単一の統合されたユニットとして提供されることがあり、この場合、メインセクション22、第一のブラケットセクション24aおよび第二のブラケットセクション24bは、単一の部品である。メインセクション22および第一および第二のブラケットセクション24a~bは、同じ材料によって形成され得る。材料は、例えば、ポリアミド(ナイロン)などの熱可塑性材料であり得る。材料は、ガラス繊維の組成物を加えることによって強化することができる。
【0043】
別の実施形態では、第一のブラケットセクション24aおよび第二のブラケットセクション24bは、例えば、圧入によって横木のメインセクションに取り付けられた別個のユニットとして提供される。
【0044】
横木20のメインセクション22は、よりユーザフレンドリーな梯子1を提供するために、わずかに傾斜され得る。一実施形態では、メインセクション22は、水平面に対して角度をもって傾斜され得、その範囲は、10°~20°の間で、より好ましくは約15°であり得る。横木のメインセクション22は、ステップ表面23を備え、これは、梯子の使用中にユーザが自分の足を置くことを意図されている表面である。
【0045】
一実施形態では、横木20は、梯子管10、12の3つの取り付け穴に適合するように配置された3つの横木突起28a~cを備える。これは、横木20を梯子管10、12に固定する。横木突起28a~cは、梯子管10、12の取り付け穴に対応するように、それぞれ横木20に配置されている。
【0046】
一実施形態では、横木20は、梯子1のロック機構で使用されるロックピン(図示せず)を受け入れるためにロック穴と一緒に使用される横木ロック穴29を備える。
【0047】
図2a~bに示される横木20は、アクチュエータ30を含まない。これは、梯子1の二番目に低い横木のみが、手動で操作される(回転ボタンまたはスライドボタンなど)一対のアクチュエータ30を有し、他のすべての横木は二番目に低い横木のアクチュエータ30を操作することにより、自動的に折り畳まれる場合である。しかしながら、横木20は、安定化システム150;160;170;180;180で使用される場合、一対のアクチュエータ30とともに配置することができる(
図1a~bに示されているように)ことを理解すべきである。その場合、2つのアクチュエータ30は、2つのブラケットセクション24a~bと併せて配置される。バネ仕掛けロッキングピン(図示せず)は、横木20の横木ロッキングホール29に配置されてもよく、好ましい実施形態では、バネ仕掛けロッキングピンは、横木20のストレートセクションに配置される。
【0048】
一実施形態では、折り畳み式梯子1は、全部または一部の横木20a~kにロッキング表示器(図示せず)を備える。ロッキング表示器は、そのロッキング表示器に関連するロッキング機構が作動していることを示す緑色領域、および/またはロッキング表示器が非アクティブ化されていることを示す赤色領域を有し得る。あるいは、ロッキング表示器は、ロッキングピンの色付き部分として配置され得る。
【0049】
上記のような折り畳み式梯子1は非常に背が高く、不安定な場合がある。これらを安全に使用するために、梯子を安定化する、および/または梯子のユーザにバランスを提供する安定化システムに梯子が接続されていることが好ましい。従来技術の安定化システムにはいくつかの問題があり、最大の問題の1つは、それらがコンパクトではないことであり、そのため、折り畳み式梯子1の主たる利点を打ち消すことである。したがって、これらの問題を排除するか、少なくとも軽減する安定化システム150;160;170;180が提供される。
【0050】
安定化システムは、好ましくは、梯子管10、12を受け入れるように配置された少なくとも1つのブラケットセクションを備える。
図5~
図8を参照して、より詳細に示されるように、少なくとも1つのブラケットセクションは、格納位置および展開位置に配置されるように構成された細長い部分に接続されている。格納位置または静止位置において、細長い部分は、梯子管に実質的に平行に配置されている。展開位置では、梯子を安定させるために、細長い部分が梯子管と平行ではない位置に配置されている。好ましい実施形態では、安定化システムは、2つのブラケットセクションを備え、1つが各梯子管10、12に配置される。
【0051】
ここで、
図3および
図4を参照して説明するように、異なる種類のブラケットセクション110a~b、112a~b;120a~b、122a~bは、安定化システム150;160;170;180で使用することができる。ブラケットセクションは、
図3a~bに示されるように、横木20の一部であるか、あるいは
図4a~bに示されるように、横木20に直接接続されていない別個のブラケットセクション120a~bである。
【0052】
図3a~bは、第一の実施形態による安定化システムで使用するためのブラケット110を示す。ここで、安定化ブラケット110は、
図2a~bに示すように、横木20の一部を形成する。安定化ブラケット110は、横木20と一体的に形成され得るか、または横木20に接続可能な別個のパーツとして形成され得る。
【0053】
ブラケットセクション110は、梯子管10、12を受け入れるように配置された開口部26を備える。ブラケット110は、取り付け部材105をさらに備える。取り付け部材105は、開口部26とは反対側を向いて、ブラケット110の外側に配置される。さらに、この実施形態では、取り付け部材105は、横木20のメインセクション22の反対側に配置される。取り付け部材105は、ブラケットセクションを細長い部分130a~bに接続するように配置される(
図5~
図8に示すように)。取り付け部材105は、ヒンジ、ピン用の貫通穴、または安定化システムを少なくとも2つの位置の間で移動させることができる他の任意の取り付け具であり得る。ピンが使用される場合、ピンは、細長い部分130a~bと併せて配置され得る。移動は、細長い部材130a~bまたは他の任意の部分を2つの位置の間で移動させることによって実行される。
【0054】
取り付け部材105は、ブラケットセクション110と一体に配置されてもよく、あるいは互いに接続されている別個のパーツとして配置されてもよい。
【0055】
図4a~bは、第二の実施形態による安定化システムで使用するためのブラケットセクション120を示している。ブラケットセクション120は、横木20の一部ではない。ブラケットセクション120は、(
図6a~bに示されるように)横木20の下に配置されても、あるいは横木20の上に配置されてもよい。
【0056】
ブラケットセクション120は、梯子管10、12を受け入れるように配置された開口部26を備える。ブラケットセクション120は、取り付け部材105をさらに備える。取り付け部材105は、開口部26とは反対側を向いて、ブラケット120の外側に配置される。さらに、この実施形態では、取り付け部材105は、梯子1の横木に面していない側に配置されている。取り付け部材105は、ブラケットセクションを細長い部分130a~bに接続するように配置されている(
図5~
図8に示すように)。上述のように、取り付け部材105は、ヒンジ、貫通穴、または細長い部分130a~bを少なくとも2つの位置の間で移動させることのできる任意の他の取り付け具であり得る。取り付け部材105は、ブラケットセクション120と一体に配置されてもよく、あるいは互いに接続されている別個のパーツとして配置されてもよい。
【0057】
ここで、異なる安定化システム150;160;170;180を、
図5~
図9を参照して、より詳細に説明する。ここで、
図5a~bは、
図3a~bに示されるような横木20と統合されたブラケットを備える安定化システム150を示している。
図6a~bは、
図4a~bに示されるようなブラケットを備える安定化システム160を示す。
図7は、細長い部分が伸縮自在に配置されている安定化システム170のさらなる実施形態を示し、
図8a~cは、安定化システム180のさらなる一実施形態を示している。
【0058】
上述のように、安定化システム150;160;170;180は、梯子管10、12を受け入れるように配置された少なくとも1つのブラケットセクション110a~b、112a~b;120a~b、122a~bを備える。システムは、少なくとも1つのブラケットセクション110a~b、112a~b、120a~b、122a~bの少なくとも一部に接続された少なくとも1つの細長い部分130a~bをさらに備える。
【0059】
細長い部分は、第一のパーツ132a~bおよび第二のパーツ134a~bを備える。第一および第二のパーツは、細長い部分の端部であり得るが、細長い部分の範囲の異なるパーツであり得る。細長い部分130a~bの第一のパーツ132a~bは、第一のブラケットセクション110a~b、120a~bによって梯子1に直接または間接的に配置されている。細長い部分130a~bの第二のパーツ134a~bは、第二のブラケットセクション112a~b、122a~bによって梯子1に直接または間接的に配置されている。細長い部分とブラケット部分との間の接続は、すぐに、さらに詳細に説明される。
【0060】
第一および第二のブラケットセクションは、互いに同一であっても、または互いに異なっていてもよい。第一のブラケットセクションは、第二のブラケットセクションの上の梯子管10、12上の位置に配置される。
【0061】
図5~
図8に示される実施形態では、第一のブラケットセクションは、二番目に低い梯子横木20k(
図5a~b、
図8a~c)または二番目に低い梯子横木20kのすぐ下(
図6a~b)に配置されている。しかしながら、第一のブラケットセクションは、二番目に低い梯子横木20kのすぐ上にも、さらに配置できることを理解すべきである。さらに、代替の実施形態では、第一のブラケットセクションは、最下部の梯子横木(梯子横木20j、20iおよび20hなど)のいずれかに、そのすぐ下またはすぐ上に配置することができる。
【0062】
第二のブラケットセクションは、最下部の梯子横木21(
図5a~b、
図8a~c)または最下部の梯子横木21のすぐ下(
図6a~b、
図7)に配置されている。しかしながら、第二のブラケットセクションは、最下部の梯子横木21のすぐ上にも、さらに配置できることを理解すべきである。さらに、代替の実施形態では、第二のブラケットセクションは、最下部の梯子横木(梯子横木20k、20jおよび20iなど)のいずれかに、そのすぐ下またはすぐ上に配置することができる。
【0063】
細長い部分130の一端は、安定化システム150が展開位置72にあるとき、支持面60と接触するように構成された端部部分136a~bを備える。支持面60は、床、壁、階段の段差などであり得る。端部部分136a~bは、高摩擦の材料で配置することができる。
【0064】
細長い部分130は、中実または少なくとも部分的に中空であり得る。材料を節約するために、細長い部分130が中空であることが有益であり得る。一方、細長い部分130を中実にすることにより、その強度を高めることができる。細長い部分130の断面形状は、対称であっても、あるいは非対称であってもよい。それは、例えば、
図2a~bに関連して前述したような断面形状を有し得る。細長い部分130の断面形状は、梯子管10、12の断面形状と類似であっても、あるいは異なっていてもよい。断面形状は、特定の開口部に適合するために、または特定の位置に留まるように、あるいは製造を簡素化するために、最適化され得る。
【0065】
一実施形態では、例えば、
図5aおよび
図5bに示されるように、細長い部分が格納位置に配置されるとき、細長い部分の端部部分136a~bは、より低い、すなわち、梯子管の端部部分13の位置よりも地面により近い位置に配置される。このため、ユーザビリティが高くなる。その理由は、安定化システムは、ユーザが安定化システムを正しい方法で使用していることを保証するからである。細長い部分の位置は、それがその展開位置にないときに安定化システムを使用することを不可能にするか、または少なくとも非常に困難にする。さらに、折り畳み式梯子は、安定化システムが展開位置にあるときにのみその表面に立っているため、ユーザに高い安全性を提供する。したがって、このシステムは、2つの明確な異なる位置、すなわち、展開位置と格納位置を有する。
【0066】
少なくとも1つの細長い部分130a~bは、格納位置71および展開位置72に配置されるように構成される。格納位置71において、少なくとも1つの細長い部分130a~bは、梯子管10、12に実質的に平行に配置される。安定化システム150が、
図5a、
図6aおよび
図8aに示すように、格納位置71に配置されているとき、梯子1に安定化を提供しない。格納位置71において、安定化システム150は、例えば、輸送に適するように、コンパクトになるように配置される。この目的のために、細長い部分130は、梯子1の側面に平行になるように構成されてもよく、あるいは格納位置71において横木20に平行になるように構成されてもよい。安定化システム150は、
図5b、
図6b、および
図7で展開位置72に示されている。展開位置において、安定化システム150は、梯子1に安定化を提供する。格納位置の構成は、細長い部分が下に、すなわち、梯子の端部部分13より地面に近い位置に配置されるので、特に有益である。
【0067】
一実施形態では、細長い部分130a~bは、1つの梯子セクション6、5a~5jの長さよりも長い長さを有する。代替の実施形態では、細長い部分の長さは、1つの梯子セクションの長さと同じ長さであるか、あるいはそれよりも短い。この実施形態では、細長い部分が梯子部分の長さより長くない場合、細長い部分の端部部分136a~bは、依然として、細長い部分が格納位置に配置されているときの梯子管の端部部分13の位置よりも低い位置に配置できることを明記する価値がある。
【0068】
安定化システム150は、格納位置71と展開位置72との間で移動することができる。この移動は、好ましくは、梯子1のユーザによって、例えば、梯子1のユーザの足によって実行される。安定化システム150を配置することで、手を使用せずに安定化システムを2つの位置71、72の間で動かすことが可能である。これには、ユーザが手を他の目的に使用できるため、いくつかの利点がある。これにより、梯子の安全性とユーザビリティが向上する。
【0069】
図5~
図8の実施形態に示されるように、システム150;160;170;180は、好ましくは、2つのパーツ(図においてaおよびbを参照)を備え、第一のパーツは第一の梯子管10に配置され、第二のパーツは第二の梯子管12に配置される。第一のパーツは、好ましくは第二のパーツと同じであり、他方のミラーバージョンである。したがって、第一のパーツは、1つの細長い部分130aと、第一の梯子管10を受け入れるように構成された少なくとも1つのブラケットセクションとを備える。より好ましくは、第一のパーツは、第一および第二のブラケットセクション110a、112a;120a、122aを備え、その両方が第一の梯子管10を受け入れるように構成されている。同様に、第二のパーツは、1つの細長い部分130bと、第二の梯子管12を受け入れるように構成された少なくとも1つのブラケットセクション110b、112b;120b、122bとを備える。より好ましくは、第二のパーツは、第一および第二のブラケットセクション110b、112bを備え、その両方が第二の梯子管12を受け入れるように構成されている。したがって、安定化システムは、より安定した梯子システムを提供するために、各梯子管10、12のために細長い部分を備えれば、好ましい。
【0070】
安定化システム150の第一の実施形態は、
図5a~bに示されている。この実施形態では、安定化システムは、
図3a~bに示されるように、横木20と統合されたブラケット110を備える。
【0071】
安定化システム160の第二の実施形態は、
図6a~bに示されている。この実施形態では、安定化システムは、横木20を受け入れるように配置されたブラケットと同じではないブラケット120を備える。したがって、この実施形態のブラケット120は、
図4a~bに示されるものと同じまたは類似している。
【0072】
図5~
図6の両方の図で、細長い部分130a~bは、第一のブラケット110a、120aおよび第二のブラケット110c、120cに接続されている。細長い部分130a~bの第一のパーツは、ブラケット110a、120aの取り付け部材105にそれを接続することによって、第一の上部ブラケット110a、120aに、接続されている。接続は、ヒンジ構造の形態であり得る。
【0073】
細長い部分130a~bの第二のパーツは、第二の下部ブラケット110c、120cに接続されている。
図5~
図6の実施形態では、細長い部分130a~bは、アーム140a、140bを介して、ブラケット110c、120cの取り付け部材105に接続されている。アーム140aは、好ましくは関節アームである。関節アームは、1つまたは複数のピボット点142を有し得る。好ましい実施形態では、アームは、2つのピボット点142を有する。関節アーム140aによって、細長い部分130aが収縮位置と展開位置との間で移動することが可能になる。さらに、関節アーム140a、140bは、細長い部分の移動を制御する。このように、細長い部分を許容できない位置に置くことはできない。このように、格納位置71および展開位置72は、明確に定義された位置である。したがって、細長い部分をさらに上に移動することによって、および/またはアーム140a、140bによって支持されていない梯子から離れる方向に細長い部分を移動することによって、細長い部分を「より」展開された位置に移動することはできない。
【0074】
関節アーム140a、140bは、さらに、足を使用して容易に制御できるという利点を有する。ユーザは、関節アーム140a、140bを下向きに押して、次に、細長い部分の外側を軽く押すだけである。したがって、手が不要で、安定化システムの使用と制御が簡単になる。
【0075】
図7は、さらなる一実施形態による安定化システム170を示している。この実施形態では、安定化システム170は、梯子1が折り畳むことができるのと同じように、折り畳むことができる。細長い部分130a~bは、第一のセクション136a~bおよび第二のセクション138a~bを備える。各細長い部分130a~bの第一のセクション136a~bは、第一の上部ブラケットセクション110a~b、120a~bによって梯子1に配置され、各細長い部分130a~bの第二のセクション138a~bは、第二の下部ブラケットセクション112a~b、122a~bによって梯子1に配置されている。
【0076】
各細長い部分130a~bの第一のセクション136a~bは、第二のセクション138a~bの内径よりも小さい外径を有する。これにより、第一のセクション136a~bを第二のセクション138a~bに伸縮自在に挿入して、折り畳み可能な細長い部分130a~bを形成することができる。これにより、細長い部分130a~bの長さを調整することができる。これは、斜面や階段などの不均一な支持面60を安定させるのに有益である可能性がある。
【0077】
細長い部分130a~bの伸縮機能は、
図5~
図6に示される両方の実施形態に適用できることに留意されたい。
【0078】
図8a~bは、さらに1つの実施形態による安定化システム180を示し、
図8aは、展開位置72に配置された安定化システム180を示し、
図8bは、格納位置71に配置された安定化システム180を示す。この実施形態では、細長い部分と第一および第二のブラケットとの間の接続は、
図5a~bに関連して説明された接続とは異なる。この接続の違いにより、矢印参照M1(
図5b)とM2(
図8b)に示されているように、格納位置と展開位置の間で異なる移動パターンが可能になる。
【0079】
細長い部分130a~bの第一のパーツは、第一の上部ブラケット110a、120aに接続されている。細長い部分130a~bは、第一のアーム145aを介して、ブラケット110a、120aの取り付け部材105に接続されている。細長い部分130a~bの第二のパーツは、第二の下部ブラケット110c、120cに接続されている。細長い部分130a~bは、第二のアーム146aを介して、ブラケット110c、120cの取り付け部材105に接続されている。
【0080】
第一および第二のアーム145a、146aは、好ましくは関節アームである。関節アームは、1つまたは複数のピボット点を有することができ、好ましくは、アームの端点の一方または両方に配置される。関節アーム145a、146aによって、細長い部分130aが、M2で示される矢印によって示される移動パターンに従って、格納位置と展開位置との間で移動することが可能になる。格納位置71と展開位置72との間を移動するために、細長い部分130は、ブラケット110から離れて伸ばすことができ、
図8aと
図8bとの間を移動することができる。代替または追加として、細長い部分130は、梯子1の側面に沿ってスライド可能であり、細長い部分130a~bが支持面60と接触していない格納位置71と、細長い部分130a~bが支持面60と接触している展開位置72との間を移動することができる。より具体的には、細長い部分130a~bの端部部分136a~bは、格納位置で支持面60と接触しておらず、細長い部分130a~bの端部部分136a~bは、展開位置で支持面と接触している。
【0081】
図8bに示されるように、システムが格納位置と展開位置との間にある中間位置では、細長い部分130、梯子1の側面、および2つのアーム145a、146aが平行四辺形を形成する。各ロッドアーム145a、146aの各端部に配置されたピボット点を用いて、平行四辺形は、端部部分136a~bが支持面60と接触していない格納位置71と、端部部分136a~bが、支持面60と接触している展開位置72との間で調整可能である。
【0082】
図8cは、展開位置にあるシステムを示している。システムは、格納位置、中間位置、そして最後に展開位置の順序で配置できることに留意されたい。代替の実施形態では、中間位置は存在せず、システムは、格納位置と展開位置との間で直接移動するように構成されている。
【0083】
詳細な実施形態または図面によって示されていないが、特許請求される安定化システムが脚立で使用され得ることは明らかである。折り畳み式脚立は、第一および第二の梯子脚を備える。脚は一端でヒンジで接続されており、各梯子の脚は個別の折り畳み式梯子として見ることができる。