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特許75837194-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d5)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d3)ピペラジンのプロドラッグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d5)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d3)ピペラジンのプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   C07D 241/04 20060101AFI20241107BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20241107BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241107BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
C07D241/04 CSP
A61K31/495
A61P25/18
A61P43/00 111
A61P43/00 123
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021529329
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2019082715
(87)【国際公開番号】W WO2020114853
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】PA201800947
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】591143065
【氏名又は名称】ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141195
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 恵美子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブセン,ミッケル,フォグ
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲンセン,モーテン
【審査官】一宮 里枝
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-503073(JP,A)
【文献】特表2007-502784(JP,A)
【文献】特表2013-516465(JP,A)
【文献】特表2015-531399(JP,A)
【文献】特表2014-520140(JP,A)
【文献】特表平07-505895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンのプロドラッグであって、1a若しくは1bの形態であるプロドラッグ、又は-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンのプロドラッグであって、2a若しくは2bの形態であるプロドラッグ
【化17】

(式中、Xは、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC~C10スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC~C11カルボキシラートからなる群から選択される対イオンであり、
Rが、直鎖又は分岐鎖のC~C11アルキル及びC~C10シクロアルキルからなる群から選択される);又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
Rが、メチル、tertブチル、n-ウンデカン、及びシクロヘキシルメチルからなる群から選択される、請求項1に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
前記薬学的に許容できる塩が、塩酸、臭化水素酸、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、サッカリン、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などのスルホン酸から形成される塩からなる群から選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
それぞれが、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC~C10スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC~C11カルボキシラートからなる群から選択される対イオンと組み合わされた、
(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、
(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、
(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、
(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム
からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩及び1種以上の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
療法に使用するための、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
中枢神経系(CNS)疾患の治療のための医薬の製造のための、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項5に記載の医薬組成物の使用。
【請求項8】
CNS疾患の治療のための、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
CNS疾患の治療のための、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1a及び1bの形態の4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン;並びに2a及び2bの形態の4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンのプロドラッグ
【化1】

(式中、Xは対イオンである)又はその薬学的に許容できる塩に関する。
【0002】
本発明は、本発明のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物も提供する。
【背景技術】
【0003】
ピペラジン環の2位及び/又は3位で置換された3-アリール-1-(1-ピペラジニル)インダンの一群のトランス異性体が、国際公開第93/22293号パンフレット及びKlaus P.Bogeso,Drug Hunting,the Medicinal Chemistry of 1-Piperazino-3-phenylindans and Related Compounds,1998,ISBN 87-88085-10-4(例えば、47ページ表3及び101ページ表9Aの化合物69参照)に記載された。化合物は、ドーパミンD及びD受容体並びに5-HT受容体に高い親和性を有すると記載されており、統合失調症を含む中枢神経系のいくつかの疾患の治療に有用であると示唆されている。
【0004】
トランスラセミ体の4-((6-クロロ-3-フェニル-インダン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-ピペラジンは、例えば、Bogeso et al.,J.Med.Chem.,1995,38,p.4380-4392及び国際公開第93/22293号パンフレットに概説された方法に類似の方法で合成できる。トランスラセミ体の4-((6-クロロ-3-フェニル-インダン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-ピペラジンの分割によるこの化合物の製造は、Bogeso et al.によりJ.Med.Chem.,1995,38,p.4380-4392に記載されており、表5、化合物(-)-38を参照されたい。記載されるプロセスは、酢酸エチル中での分割のための(+)-ジトルオイル酒石酸の使用を含み、化合物はフマル酸塩として単離される。
【0005】
4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンは、その後に、WHOにより国際一般名(INN)ジクロナピンを与えられた。4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンの塩は国際公開第2005/016900号パンフレットに開示されたが、後の特許出願は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンの製造の代替方法(国際公開第2011/003423号パンフレット)及び同じ化合物の分割(国際公開第2012/093165号パンフレット)を開示する。
【0006】
4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンは、2a及び2bにおいて示される部位で重水素(H)富化された4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンである。4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンは国際公開第2012/176066号パンフレットに開示され、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンを得るための合成経路も開示されている。
【0007】
国際公開第2014/096151号パンフレットは、3,5-ジクロロ-1-(フェニル-d)-インダンの転化により4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンを得るためのさらなる合成経路を開示する。
【0008】
本発明は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンのプロドラッグを提供する。本発明のプロドラッグは、例えば、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンの取込みを改善し、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンの放出を遅延させるか、又は起こり得る有害事象のレベルを低下させ得る。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、以下に示されるプロドラッグである化合物(1a及び1b;2a及び2b):
【化2】

及びその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0010】
1a及び2aはキラル窒素原子でR配置であり、1b及び2bはキラル窒素原子でS配置である。
【0011】
一実施形態において、本発明は、療法に使用するための、上記で定義されたプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0012】
一実施形態において、本発明は、上記で定義された本発明のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩及び1種以上の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
一実施形態において、本発明は、CNS疾患の治療の方法に使用するための、上記で定義されたプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0014】
一実施形態において、本発明は、CNS疾患の治療のための医薬の製造に使用するための、上記で定義されたプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、CNS疾患の治療の方法であって、治療上有効な量の上記で定義されたプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩の、それを必要とする患者への投与を含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、以下に示されるプロドラッグである化合物を提供する(1a及び1b;2a及び2b):
【化3】

1a及び2aはキラル窒素原子でR配置であり、1b及び2bはキラル窒素原子でS配置である。
【0017】
Rは、メチルなど直鎖若しくは分岐鎖のC~C11アルキル;又はシクロヘキシルメチル若しくはシクロへキシルエチルなどのC~C10シクロアルキルである。
【0018】
4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンに結合した-CHOC(O)Rは、プロドラッグ基と称される。
【0019】
は、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC~C10スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC~C11カルボキシラートからなる群から選択される。
【0020】
化合物1a及び1bは、天然の水素同位体分布を有するが、2a及び2bは、示される部位で重水素(H)が富化されている。
【0021】
プロドラッグ
一般的なプロドラッグは、それ自体には薬理活性が全くないことがあるが、患者に投与されると、代謝されて薬理活性のある化合物を与える化合物である。より具体的には、本発明のプロドラッグは、患者に投与されると、代謝されて4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(プロドラッグ1a及び1b)又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(プロドラッグ2a及び2b)を提供する化合物である。
【0022】

本発明のプロドラッグのいくつかは、薬学的に許容できる酸付加塩として提供され得る。薬学的に許容できる塩という用語は、無機酸及び/又は有機酸、例えば、塩酸(hydrochloride acid)、臭化水素酸(hydrobromide acid)、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、サッカリン、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などのスルホン酸により形成される塩を含む。上記に列記された酸のいくつかは、二酸又は三酸、すなわちリン酸、硫酸、フマル酸、及びマレイン酸など、2又は3つの酸性水素を含む酸である。二酸及び三酸は、1:1、1:2、又は1:3(三酸)塩、すなわち本発明の化合物の2又は3つの分子と酸の1分子との間に形成された塩を形成し得る。
【0023】
薬学的に許容できる塩を形成する有用な酸及び塩基の追加の例は、例えば、Stahl and Wermuth(Eds)“Handbook of Pharmaceutical salts.Properties,selection,and use”,Wiley-VCH,2008に見出すことができる。
【0024】
治療上有効な量
本文脈において、化合物の「治療上有効な量」という用語は、所与の疾患の臨床症状及び前記化合物の投与を含む治療介入におけるその合併症を治癒し、緩和し、又は部分的に停止させるのに充分な量を意味する。これを達成するのに充分な量が「治療上有効な量」であると定義される。各目的のための有効量は、疾患又は創傷の重症度並びに対象の体重及び全身状態によるだろう。本発明のプロドラッグは、典型的には、遊離塩基として計算された5mg、10mg、15mg、又は20mgなど、1~30mgの4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンなど、1~60mgの4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンの投与に匹敵する治療効果を達成するように投与される。これは、例えば、「20mgの4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン」が、投与される実際の量がプロドラッグ基の重量に関して調整されなければならず、対イオンの重量に関してさらに調整されなければならない20mgの4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン遊離塩基を意味することを意味する。
【0025】
本文脈において、「治療」又は「治療すること」は、疾患の臨床徴候の進行を緩和し、停止させ、部分的に停止させ、若しくは遅延させ、又は疾患を治癒する目的の、患者の管理及び介護を示すものとする。治療すべき患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
【0026】
疾患
本文脈において、「CNS疾患」は、中枢神経系における疾患を示すものとする。例えば、国際公開第2005/016900号パンフレット及び国際公開第2012/176066号パンフレットに開示される通り、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(すなわち、1a、1b、2a、及び2bの親形態)の薬理学的プロファイルのために、その化合物が、精神病、特に統合失調症又は例えば、統合失調症、治療抵抗性統合失調症(TRS)統合失調症様障害、統合失調情動障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害などの精神病症状を含む他の疾患、並びに精神病症状を呈する他の精神病性障害又は疾患、例えば、双極性障害における躁病などの双極性障害などを含むがこれらに限定されないCNS疾患の治療にも有用になることが期待される。本発明の化合物及び/又は組成物は、例えば、それぞれ参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第5,807,855号明細書;米国特許第7,648,991号明細書;米国特許第7,767,683号明細書;米国特許第7,772,240号明細書;米国特許第8,076,342号明細書;米国特許出願公開第2008/0269248号明細書;米国特許出願公開第2010/0069676号明細書;米国特許出願公開第2011/0178094号明細書;米国特許出願公開第2011/0207744号明細書;国際公開第2005/016900号パンフレット;欧州特許第0638073号明細書;及びJ.Med.Chem.1995,38,4380-4392に記載のものなどの障害の治療にさらに使用できる。本明細書は、例えば、それぞれ本明細書に全体として組み込まれる米国特許第5,807,855号明細書;米国特許第7,648,991号明細書;米国特許第7,767,683号明細書;米国特許第7,772,240号明細書;米国特許第8,076,342号明細書;米国特許出願公開第2008/0269248号明細書;米国特許出願公開第2010/0069676号明細書;米国特許出願公開第2011/0178094号明細書;米国特許出願公開第2011/0207744号明細書;国際公開第2005/016900号パンフレット;欧州特許第0638073号明細書;及びJ.Med.Chem.1995,38,4380-4392に記載のものなどの他の治療剤と組み合わせた併用療法としての本発明の化合物の医学的使用にも関する。
【0027】
本文脈において、治療抵抗性統合失調症は、適切な投与量及び継続期間の抗精神病薬による2つの治療にもかかわらず満足できる臨床的改善を欠くことを示すものとする。
【0028】
医薬組成物
医薬組成物は、経口、直腸、鼻腔内、頬側、舌下、経皮、及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、及び静脈内)経路など任意の好適な経路による投与のために具体的に製剤できる。経口経路が好ましい。
【0029】
経路が、治療すべき対象の全身状態及び年齢、治療すべき病態の性質、並びに有効成分によることが認識されるだろう。
【0030】
本文脈において、用語「賦形剤」又は「薬学的に許容できる賦形剤」は、充填剤、粘着防止剤、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、香料、流動促進剤、滑沢剤、保存剤、吸着剤、甘味剤、溶媒、ビヒクル、及び補助剤を含むがこれらに限定されない医薬賦形剤を指す。
【0031】
本発明は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジンプロドラッグ(1a及び1b)又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンプロドラッグ(2a及び2b)又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物も提供する。本発明による医薬組成物は、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22th edition(2012)Allen,Loyd V.,Jr(編)に開示のものなどの従来の技法に従って薬学的に許容できる賦形剤と共に製剤できる。
【0032】
経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、及び顆粒剤などの固体経口剤形;並びに液剤、乳剤、懸濁剤、及びシロップ剤などの液体経口剤形並びに適切な液体に溶解又は懸濁させる散剤及び顆粒剤を含む。
【0033】
固体経口剤形は、それぞれ所定量の有効成分及び好ましくは1種以上の好適な賦形剤を含む別個の単位(例えば、錠剤又はハード若しくはソフトカプセル)として提示され得る。適切な場合、固体剤形は腸溶性コーティングなどのコーティングと共に調製されることがあり、又はそれらは、当技術分野に周知である方法に従って、遅延又は延長放出など、有効成分の調節された放出を与えるように製剤され得る。適切な場合、固体剤形は、例えば口腔内分散錠など、唾液中で崩壊する剤形であり得る。
【0034】
固体経口製剤に好適な賦形剤の例には、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、ラクトース、マンニトール、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、スクロース、シクロデキストリン、滑石、ゼラチン、ペクチン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びセルロースの低級アルキルエーテルがあるが、これらに限定されない。同様に、固体製剤は、ステアリン酸グリセリル又はヒプロメロースなど、当技術分野に公知である遅延又は延長放出製剤のための賦形剤を含み得る。
【0035】
固体材料が経口投与に使用される場合、製剤は、例えば、有効成分を固体賦形剤と混合し、その後に、従来の打錠機で混合物を圧縮することにより調製でき、又は製剤は、例えば、ハードカプセル中に、例えば、粉末、ペレット、又はミニタブレット形態で配置できる。固体賦形剤の量は幅広く様々になるが、典型的には用量単位あたり約25mg~約1gの範囲だろう。
【0036】
液体経口剤形は、例えば、エリキシル剤、シロップ剤、オーラルドロップ、又は液体充填カプセルとして提示され得る。液体経口剤形は、水性又は非水性の液体中の液剤又は懸濁剤用の散剤としても提示され得る。液体経口製剤に好適な賦形剤の例には、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、ソルビトール、ポリソルベート、モノ及びジグリセリド、シクロデキストリン、ヤシ油、パーム油、並びに水があるが、これらに限定されない。液体経口剤形は、例えば、有効成分を水性又は非水性の液体に溶解又は懸濁させることによっても、有効成分を水中油型又は油中水型液体エマルションに組み込むことによっても調製できる。
【0037】
着色剤、着香剤、及び保存剤など、さらなる賦形剤を固体及び液体経口製剤に使用できる。
【0038】
非経口投与用の医薬組成物には、注射又は注入用の滅菌された水性及び非水性の液剤、分散剤、懸濁剤、又は乳剤、注射又は注入用の濃縮物、並びに注射又は注入用の滅菌された溶液又は分散液中に使用前に再構成される滅菌された散剤がある。非経口製剤に好適な賦形剤の例には、水、ヤシ油、パーム油、及びシクロデキストリンの溶液があるが、これらに限定されない。水性製剤は、好適には、必要な場合緩衝化され、充分な塩水又はグルコースにより等張性にされるべきである。
【0039】
他の種類の医薬組成物には、坐剤、吸入剤、クリーム剤、ゲル剤、皮膚パッチ、インプラント、及び頬側又は舌下投与用の製剤がある。
【0040】
医薬製剤に使用される賦形剤が意図される投与経路に適合し、有効成分と適合性があることが必要である。
【0041】
本発明の実施形態
本発明は以下の実施形態においてさらに説明される:
【0042】
1.(1a及び1bの形態の)4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は(1a及び1bの形態の)4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンのプロドラッグ
【化4】

(式中、Xは、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC~C10スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC~C11カルボキシラートからなる群から選択される対イオンである);又はその薬学的に許容できる塩。
【0043】
2.Rが、直鎖又は分岐鎖のC~C11アルキル及びC~C10シクロアルキルからなる群から選択される、実施形態1に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
【0044】
3.Rが、メチル、tertブチル、n-ウンデカン、及びシクロヘキシルメチルからなる群から選択される、実施形態1及び2のいずれかに記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
【0045】
4.薬学的に許容できる塩が、塩酸、臭化水素酸、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、サッカリン、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などのスルホン酸から形成される、実施形態1~3のいずれかに記載のプロドラッグ。
【0046】
5.それぞれが、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC~C10スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC~C11カルボキシラートからなる群から選択される対イオンと組み合わされた、(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかに記載のプロドラッグ;又はその薬学的に許容できる塩。
【0047】
6.実施形態1~5のプロドラッグのいずれか又はその薬学的に許容できる塩及び1種以上の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
【0048】
7.療法に使用するための、実施形態1~5のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩又は実施形態6に記載の医薬組成物。
【0049】
8.中枢神経系(CNS)疾患の治療のための医薬の製造のための、実施形態1~5のいずれかに記載の化合物若しくはその塩又は実施形態6に記載の医薬組成物の使用。
【0050】
9.CNS疾患の治療の方法に使用するための、実施形態1~5のいずれかに記載の化合物又は実施形態6に記載の医薬組成物。
【0051】
10.CNS疾患の治療の方法であって、治療上有効な量の実施形態1~5のいずれかに記載の化合物又は実施形態6に記載の医薬組成物の、それを必要とする患者への投与を含む方法。
【実施例
【0052】
本発明の化合物
本発明の化合物は、両方とも先に議論された通り従来技術に記載されている4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(1)か、又は4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(2)のどちらからでも調製できる:
【化5】
【0053】
これらの化合物は、直接か、又はヨウ化ナトリウムの添加によるY=ClからY=Iへの転化又はテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド若しくは臭化ナトリウムの添加によるY=ClからY=Brの転化など、より反応性の高いハロゲンによるYのインサイチュのフィンケルシュタイン置換を経て、アルキル化剤3による処理により非ベンジルのピペラジン窒素原子でアルキル化することができる。反応は、1と2のどちらが基質として使用されるかにより、N-ジアステレオ異性体の混合物1a/1b又は2a/2bを与えるだろう。これらのN-ジアステレオ異性体は、再結晶化によるか、且つ/又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)か、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)か、又は擬似移動床クロマトグラフィー(SMB)のいずれかを利用するキラルクロマトグラフィーにより分離できる。例えばイオン交換樹脂を使用して、アニオンYをXと交換できる。Yは、先に定義されたXと同じリストから選択できる。最後の2つの操作の順序を逆にしてよく、両工程を数回実施してもよい。アルキル化剤3は、CombiBlocksの3b(カタログ番号QC-7757)など市販されているか、又は3aに関して明細書に記載されているか、若しくは文献に記載の通り類似の方法で調製できる(スルホナートに関して、例えば国際公開第2012/137225号パンフレット参照)。
【0054】
本発明のプロドラッグの調製に利用した方法
以下の方法を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)、及びイオン交換に利用した。
【0055】
方法1:HPLCを、Agela Innoval ods 250×80mmカラム(10ミクロン粒径;カラム温度20℃)を備えたAgela-HP-q-p600装置で実施した。溶離液:150mL/分の流量で、20分にわたり0.05%HCl水溶液/アセトニトリル(acetronitrile)4:1-1:1。
【0056】
方法2:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & 1956A Instrumentで実施した。溶離液:0.6mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 0.8分間1:0;6.2分にわたり1:0-2:3;3分間2:3;0.1分にわたり2:3-1:0。
【0057】
方法3:HPLCを、Phenomenex Luna C18 250×50mmカラム(10ミクロン粒径;カラム温度20℃)を備えたAgela-HP-q-p600装置で実施した。溶離液:80mL/分の流量で、0.05%HCl水溶液/アセトニトリル 20分にわたり4:1-1:1。
【0058】
方法4:SFCを、40℃で運転しているChiralpak AD-H 250×30mmカラム(粒径5ミクロン)を備えたThar SFC80分取装置で、スタックインジェクションにより実施した。溶離液:70g/分の流量で、CO/メタノール中0.1%トリフルオロ酢酸 5分間7:3。システム背圧100バール。
【0059】
方法5:SFCを、Chiralpak AD-3 100×4.6mmカラム(粒径3ミクロン;カラム温度40℃)を備えたThar Analytical SFC装置で実施した。溶離液:4.0mL/分の流量で、CO/メタノール中0.05%イソプロピルアミン 5分にわたり95:5-3:2。システム背圧100バール。
【0060】
方法6:SFCを、7分のランタイムで方法4の通り実施した。
【0061】
方法7:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 1956A Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 0.4分間9:1;3.0分にわたり9:1-0:1;0.45分間0:1;0.01分にわたり0:1-9:1;0.64分間9:1。
【0062】
方法8:HPLCを、20分にわたり3:2-3:7の溶離液勾配で方法3の通り実施した。
【0063】
方法9:SFCを、Chiralpak AD-H 250×30mmカラム(粒径5ミクロン;カラム温度40℃)を備えたThar SFC80分取装置で、スタックインジェクションにより実施した。溶離液:70g/分の流量で、CO/メタノール中0.1%トリフルオロ酢酸 6分間4:1。システム背圧100バール。
【0064】
方法10:SFCを、Chiralpak AD-3 150×4.6mmカラム(粒径3ミクロン;カラム温度35℃)を備えたWaters Acquity UPC2装置で実施した。溶離液:2.5mL/分の流量で、CO/メタノール中0.05%イソプロピルアミン 6又は10分にわたり3:2。システム背圧1500psi。
【0065】
方法11:イオン交換を、塩化物型(717;Domestic 10024160)イオン交換樹脂のアニオン交換樹脂を使用して実施した。試料を、アセトニトリルと水の1:1混合物に溶解させ、樹脂を詰めたカラムに溶液をゆっくりと流した(樹脂及び試料のおよそ6倍を使用して)。全試料が溶離されるまで、アセトニトリル/水(1:1)を加えた。合わせた生成物フラクションを真空中で濃縮し、凍結乾燥させて、化合物の塩化物塩を与えた。
【0066】
方法12:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 1956A Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 3.4分にわたり99:1-1:9;0.45分にわたり1:9-0:1;0.01分にわたり0:1-99:1;0.64分間991:1。
【0067】
方法13:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 1956A Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 3.4分にわたり3:2-0:1;0.45分間0:1;0.01分にわたり0:1-3:2;0.64分間3:2。
【0068】
方法14:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 6120 Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 3.4分にわたり3:1-0:1;0.45分間0:1;0.01分にわたり0:1-3:1;0.64分間3:1。
【0069】
方法15:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 6120B Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 4.0分にわたり9:1-1:4;2.0分間1:4;0.01分にわたり1:4-9:1;2.0分間9:1。
【0070】
方法16:SFCを、8分のランタイムで方法9の通り実施した。
【0071】
方法17:LC/MSを、Phenomenex Luna C18(2)50×2mmカラム(5ミクロン粒径;カラム温度40℃)を備えたAgilent 1200 & MS 1956A Instrumentで実施した。溶離液:0.8mL/分の流量で、水中0.037%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル中0.018%トリフルオロ酢酸 0.8分間1:0;6.2分にわたり1:0-2:3;3分間2:3;0.1分にわたり2:3-1:0。
【0072】
方法18:逆相カラムクロマトグラフィーを、Agela 40×10cm(20~40nM)C18カラムを備えたBiotage One装置で、25℃で実施した。溶離液:120mL/分の流量で、水及び0.4%濃塩酸 30分にわたり7:3-3:7;25分間3:7;10分間0:1。
【0073】
実施例1:酢酸ヨードメチル(アルキル化剤3a)の調製
【化6】

NaI(29.0g)とアセトニトリル(140mL)の混合物に、酢酸クロロメチル(3a1;20.0g)を、20℃で、暗所で滴加した。反応物を周囲温度で24時間撹拌した。生じた混合物を、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE;160mL)と水(200mL)とで分配し、水層をMTBE(150mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、10パーセント亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で連続的に洗浄してから、それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、次の工程のために充分に純粋な酢酸ヨードメチル(3a;15.5g)を与えた。
【0074】
実施例2:n-ドデカン酸ヨードメチル(アルキル化剤3c)の調製
【化7】

n-ドデカノイルクロリド(3c2;80.0g)を、-10℃のアセトニトリル(550mL)中のパラホルムアルデヒド(22.0g)と塩化亜鉛(24.9g)の混合物に、アルゴン雰囲気下でゆっくりと加えた。反応混合物を、この温度で1時間、及び周囲温度で18時間撹拌した。粗製の反応混合物を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離液:石油エーテル/酢酸エチル50/1-2/1)により直接精製すると、次の工程のために充分に純粋なn-ドデカン酸クロロメチル(3c1;45.4g)を与えた。アセトニトリル(300mL)中のヨウ化ナトリウム(32.5g)の混合物に、化合物3c1(45.0g)を、周囲温度で、暗所で滴加した。反応物を周囲温度で24時間撹拌した。粗製の混合物を、MTBE(300mL)と水(300mL)とで分配し、水層をMTBE(100mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、10パーセント亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(150mL)で連続的に洗浄してから、それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、次の工程のために充分に純粋なn-ドデカン酸ヨードメチル(3c;51.0g)を与えた。
【0075】
実施例3:2-シクロ-ヘキシル酢酸ヨードメチル(アルキル化剤3d)の調製
【化8】

塩化チオニル(69mL)を、2-シクロ-ヘキシル酢酸(3d3;44.8g)のトルエン(180mL)溶液にアルゴン雰囲気下で加え、混合物を110℃で12時間撹拌した。揮発物を真空中で除去すると、次の工程のために充分に純粋な2-シクロ-ヘキシルアセチルクロリド(3d2;42.3g)を与えた。2-シクロ-ヘキシルアセチルクロリド(3d2;48.6g-先の工程と別のバッチを合わせた物質)を、-10℃のアセトニトリル(336mL)中の塩化亜鉛(20.6g)及びパラホルムアルデヒド(18.2g)の溶液にアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を-10℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度で18時間撹拌した。揮発物を真空中で除去した。残渣を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離液:石油エーテル/酢酸エチル1/0-0/1)により精製すると、次の工程のために充分に純粋な2-シクロ-ヘキシル酢酸クロロメチル(3d1;24.0g)を与えた。ヨウ化ナトリウム(18.1g)のアセトニトリル(126mL)溶液に、2-シクロ-ヘキシル酢酸エステル(2-cyclo-hexylacetate)(3d1;21.9g)を、周囲温度で、暗所で滴加した。反応物を周囲温度で24時間撹拌した。粗製の混合物を、MTBE(200mL)と水(200mL)とで分配し、水層をMTBE(150mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、10パーセント亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で連続的に洗浄してから、それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、次の工程のために充分に純粋な2-シクロ-ヘキシル酢酸ヨードメチル(3d;27.0g)を与えた。
【0076】
実施例4:アセトキシメチル1a及び1bの調製
【化9】

4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(1;6.0g)のアセトニトリル(42mL)溶液を80℃に加熱してから、酢酸ヨードメチル(3a;6.76g)を加えた。混合物を80℃で1時間撹拌してから、揮発物を真空中で除去した。残留した固体をMTBE(25mL)に懸濁させ、次いで濾去した。フィルターケーキをMTBE(15mL)で洗浄し、乾燥させると、約8gの(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド(1a1;X=I)及び(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド(1b1;X=I)の混合物を与えた。この物質を、ヨウ化物塩から対応する塩化物塩に、イオン交換(方法11)により転化すると、1a1;X=Cl及び1b1;X=Clの粗製の塩化物塩を与えた。この物質を、分取HPLC(方法1)により精製すると、(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a1;X=Cl及び1b1;X=Cl;3g)の混合物を与えた。
H NMR:400MHzメタノール-d7.56(ブロード s,1H),7.29(t,J=7.2Hz,3H),7.25-7.18(m,1H),7.14-7.09(m,2H),6.96(d,J=7.9Hz,1H),5.50(ブロードs,1H),5.44-5.33(m,1H),4.72(ブロードs,1H),4.60-4.48(m,1H),3.78(ブロードd,J=5.7Hz,1H),3.66(ブロードs,1H),3.19-2.81(m,8H),2.26(s,4H),1.71-1.57(m,6H).
LC/MS(方法17):保持時間6.60分、UV純度(220nm)86.5%、m/z観察された質量427.1。
【0077】
実施例5:アセトキシメチル2a及び2bの調製
【化10】

(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド(2a1;X=I及び2b1;X=I)及び(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a1;X=Cl及び2b1;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1と類似の方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(2;6.50g)及びアセトニトリル(45.0mL)中の酢酸ヨードメチル(3a;7.16g)から始まり、約8gの粗製のヨウ化物及び2.00gの(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a1;X=Cl及び2b1;X=Cl)のHPLCで精製された(方法1)混合物を与えた。
H NMR:400MHzメタノール-d 7.61-7.54(m,1H),7.34-7.28(m,1H),6.96(d,J=8.3Hz,1H),5.51(ブロードd,J=12.7Hz,1H),5.47-5.35(m,1H),4.74(ブロードs,1H),4.56(ブロードs,1H),3.77(ブロードs,1H),3.68(ブロードs,1H),3.27-2.78(m,5H),2.26(d,J=0.9Hz,4H),1.73-1.58(m,6H).
LC/MS(方法17):保持時間6.56分、UV純度(220nm)93.5%、m/z観察された質量435.2。
【0078】
実施例6:ピバロイルオキシメチル1a及び1bの調製
【化11】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド(1a2;X=I及び1b2;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1a2;X=Cl及び1b2;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(1;4.6g)及びアセトニトリル(32mL)中のピバル酸ヨードメチル(3b;6.27g)から始まり、約5gの粗製のヨウ化物及び約4gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1a2;X=Cl及び1b2;X=Cl)のHPLCで精製された(方法3)混合物を与えた。この混合物を、キラルSFC(方法4)により分離した。2種の生成物を、方法11及び3を利用して上記と同様に精製すると、2種の生成物を与えた:
最初に溶出した異性体:1.00gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1a2;X=Cl)か、又は(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1b2;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d 7.71(ブロードs.,1H),7.39-7.27(m,3H),7.26-7.19(m,1H),7.18-7.10(m,2H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),5.70-5.57(m,1H),5.52(d,J=8.8Hz,1H),4.93(ブロードs.,1H),4.69(t,J=7.6Hz,1H),3.85(ブロードs.,2H),3.50-3.31(m,4H),3.16(s,3H),3.05-2.92(m,1H),2.42-2.28(m,1H),1.71(ブロードs,6H),1.31(s,9H).
LC/MS(方法12):保持時間3.12分、UV純度(220nm)98.5%、m/z観察された質量469.2。
SFC(方法5):保持時間1.91分、UV純度(220nm)99%超。
2番目に溶出した異性体:0.80gの(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1b2;X=Cl)か、又は(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(1a2;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.69(ブロードs.,1H),7.37-7.26(m,3H),7.26-7.18(m,1H),7.14(d,J=7.2Hz,2H),6.96(d,J=8.4Hz,1H),5.58-5.40(m,2H),4.90(ブロードs.,1H),4.65(ブロードs.,1H),3.94(ブロードs.,1H),3.70(d,J=14.0Hz,1H),3.36(ブロードs.,3H),3.22(ブロードs.,3H),3.16-2.90(m,2H),2.39-2.25(m,1H),1.79-1.56(m,6H),1.31(s,9H).
LC/MS(方法7):保持時間2.72分、UV純度(220nm)97%、m/z観察された質量469.2。
SFC(方法5):保持時間2.36分、UV純度(220nm)96%超。
【0079】
実施例7:ピバロイルオキシメチル2a及び2bの調製
【化12】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムヨージド(2a2;X=I及び2b2;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a2;X=Cl及び2b2;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(2;6.00g)及びアセトニトリル(42mL)中のピバル酸ヨードメチル(3b;8.00g)で始まり、約5gの粗製のヨウ化物及び約4gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a2;X=Cl及び2b2;X=Cl)のHPLCで精製された(方法3)混合物を与えた。この混合物をキラルSFC(方法6)により分離した。2種の生成物を、方法11及び3を利用して上記と同様に精製すると、2種の生成物を与えた:
最初に溶出した異性体:1.00gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a2;X=Cl)か、又は(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2b2;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.71(ブロードs,1H),7.36(dd,J=2.0,8.1Hz,1H),6.97(d,J=7.9Hz,1H),5.61(ブロードs,1H),5.52(d,J=8.8Hz,1H),5.00-4.89(m,1H),4.68(s,1H),3.85(ブロードs,2H),3.54-3.31(m,3H),3.28-3.16(m,1H),2.99(ブロードdd,J=10.3,13.8Hz,1H),2.43-2.28(m,1H),1.71(ブロードs,6H),1.32(s,9H).
LC/MS(方法7):保持時間2.72分、UV純度(220nm)98.9%、m/z観察された質量477.3。
SFC(方法5):保持時間1.79分、UV純度(220nm)99%超。
2番目に溶出した異性体:0.72gの(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2b2;X=Cl)か、又は(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a2;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.44(d,J=2.2Hz,1H),7.25(dd,J=2.0,8.1Hz,1H),6.94(d,J=8.3Hz,1H),5.52-5.45(m,1H),5.45-5.39(m,1H),4.58(dd,J=3.9,7.9Hz,1H),4.46(t,J=7.7Hz,1H),3.74(ブロードs,1H),3.53(ブロードd,J=12.7Hz,1H),3.09-2.74(m,4H),2.63(ブロードs,1H),2.21-2.04(m,1H),1.69-1.48(m,6H),1.38-1.24(m,9H).
LC/MS(方法7):保持時間2.72分、UV純度(220nm)97.6%、m/z観察された質量477.3。
SFC(方法5):保持時間2.1分、UV純度(220nm)97%超。
【0080】
実施例8:ドデカノイルオキシメチル1a及び1bの調製
【化13】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド(1a3;X=I及び1b3;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a3;X=Cl及び1b3;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(1;7.00g)及びアセトニトリル(49mL)中のドデカン酸ヨードメチル(3c;16.8g)から始まり、約5.5gの粗製のヨウ化物を与えた与えた。この物質を、逆相カラムクロマトグラフィー(方法18)と、それに続いてイオン交換(方法11)により精製すると、3.2gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a3;X=Cl及び1b3;X=Cl)の混合物を与えた。
H NMR:400MHzメタノール-d7.45(s,1H),7.31-7.23(m,3H),7.23-7.17(m,1H),7.13-7.07(m,2H),6.94(d,J=8.3Hz,1H),5.52(ブロードs,1H),5.40(dd,J=3.9,8.8Hz,1H),4.64-4.55(m,1H),4.47(ブロードt,J=7.2Hz,1H),3.81-3.64(m,1H),3.56(ブロードd,J=14.5Hz,1H),3.11(d,J=7.5Hz,3H),3.04-2.91(m,2H),2.86-2.75(m,2H),2.57(dt,J=1.8,7.5Hz,2H),2.19-2.06(m,1H),1.71-1.56(m,8H),1.29(ブロードs,17H),0.93-0.84(m,3H).
LC/MS(方法13):保持時間2.66分、UV純度(220nm)99.3%、m/z観察された質量567.3。
【0081】
実施例9:ドデカノイルオキシメチル2a及び2bの調製
【化14】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド(2a3;X=I及び2b3;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a3;X=Cl及び2b3;X=Cl)の混合物を、1a3及び1b3に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(2;5.60g)及びアセトニトリル(39mL)中のドデカン酸ヨードメチル(3c;10.5g)から始まり、約5gの粗製のヨウ化物及び3.1gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a3;X=Cl及び2b3;X=Cl)の混合物を与えた。
H NMR:400MHzメタノール-d7.49(ブロードs,1H),7.27(d,J=8.3Hz,1H),6.94(d,J=8.3Hz,1H),5.52(ブロードs,1H),5.46-5.36(m,1H),4.69-4.58(m,1H),4.50(ブロードt,J=7.5Hz,1H),3.86-3.66(m,1H),3.61(ブロードs,1H),3.16-2.79(m,4H),2.57(dt,J=1.3,7.5Hz,2H),2.23-2.07(m,1H),1.76-1.51(m,8H),1.47-1.19(m,17H),0.95-0.83(m,3H).
LC/MS(方法13):保持時間2.68分、UV純度(220nm)98.9%、m/z観察された質量575.4。
【0082】
実施例10:シクロヘキシルアセトキシメチル1a及び1bの調製
【化15】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムヨージド(1a4;X=I及び1b4;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a4;X=Cl及び1b4;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン(1、6.00g)及びアセトニトリル(42mL)中の2-シクロヘキシル酢酸ヨードメチル(3d;11.9g)から始まり、約8gの粗製のヨウ化物及び3.2gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a4;X=Cl及び1b4;X=Cl)のHPLCで精製された混合物(方法8)を与えた。この混合物をキラルSFC(方法9)により分離した。2種の生成物を、方法11及び8を利用して上記と同様に精製すると、2種の生成物を与えた:
最初に溶出した異性体:1.00gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a4;X=Cl)か、又は(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1b4;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.57(ブロードs,1H),7.32-7.26(m,3H),7.25-7.19(m,1H),7.15-7.09(m,2H),6.95(d,J=8.3Hz,1H),5.56(ブロードs,1H),5.45(d,J=8.8Hz,1H),4.74(ブロードs,1H),4.57(ブロードt,J=7.5Hz,1H),3.84-3.60(m,2H),3.27-2.77(m,8H),2.46(d,J=7.0Hz,2H),2.23(td,J=7.2,14.5Hz,1H),1.99-1.47(m,12H),1.39-1.13(m,3H),1.12-0.96(m,2H)
LC/MS(方法14):保持時間2.85分、UV純度(220nm)97.4%、m/z観察された質量509.3。
SFC(方法10):保持時間2.45分、UV純度(220nm)99%超。
2番目に溶出した異性体:0.33gの(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1b4;X=Cl)か、又は(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウムクロリド(1a4;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.51(s,1H),7.33-7.26(m,3H),7.25-7.19(m,1H),7.14-7.09(m,2H),6.96(d,J=8.8Hz,1H),5.56-5.47(m,1H),5.46-5.39(m,1H),4.72-4.64(m,1H),4.52(ブロードt,J=7.7Hz,1H),3.79(ブロードs,1H),3.62(ブロードs,1H),3.21-2.77(m,8H),2.46(d,J=6.8Hz,2H),2.26-2.12(m,1H),1.85-1.55(m,12H),1.43-1.16(m,3H),1.12-0.97(m,2H).
LC/MS(方法15):保持時間3.66分、UV純度(220nm)97.7%、m/z観察された質量509.2。
SFC(方法10):保持時間6.41分、UV純度(220nm)97%超。
【0083】
実施例11:シクロヘキシルアセトキシメチル2a及び2bの調製
【化16】

(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロ-ヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムヨージド(2a4;X=I及び2b4;X=I)及び(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a4;X=Cl及び2b4;X=Cl)の混合物を、1a1及び1b1に類似な方法で調製した。合成は、4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン(2;6.00g)及びアセトニトリル(42mL)中の2-シクロヘキシル酢酸ヨードメチル(3d;11.7g)から始まり、約7.8gの粗製のヨウ化物及び6gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド及び(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a4;X=Cl及び2b4;X=Cl)のHPLCで精製された(方法8)混合物を与えた。この混合物をキラルSFC(方法16)により分離した。2種の生成物を、方法11及び8を利用して上記と同様に精製すると、2種の生成物を与えた:
最初に溶出した異性体:1.10gの(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a4;X=Cl)か、又は(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2b4;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.50(ブロードs,1H),7.30(ブロードd,J=8.2Hz,1H),6.97(d,J=8.2Hz,1H),5.54(ブロードs,1H),5.49-5.41(m,1H),4.66(ブロードs,1H),4.58-4.48(m,1H),3.73(ブロードs,1H),3.62(ブロードs,1H),3.21-2.74(m,5H),2.47(d,J=6.8Hz,2H),2.26-2.12(m,1H),1.92-1.57(m,12H),1.38-1.17(m,3H),1.14-0.98(m,2H).
LC/MS(方法14):保持時間2.68分、UV純度(220nm)96.6%、m/z観察された質量517.2。
SFC(方法10):保持時間2.33分、UV純度(220nm)97%超。
2番目に溶出した異性体:1.10gの(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2b4;X=Cl)か、又は(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジン-1-イウムクロリド(2a4;X=Cl)のいずれか。
H NMR:400MHzメタノール-d7.48(ブロードs,1H),7.28(d,J=8.2Hz,1H),6.95(d,J=8.2Hz,1H),5.49(ブロードs,1H),5.44-5.38(m,1H),4.64(ブロードd,J=4.0Hz,1H),4.49(ブロードs,1H),3.83-3.70(m,1H),3.58(ブロードd,J=13.2Hz,1H),3.16-2.63(m,5H),2.45(d,J=6.8Hz,2H),2.16(ブロードdd,J=6.9,10.7Hz,1H),1.91-1.51(m,12H),1.43-1.16(m,3H),1.13-0.95(m,2H).
LC/MS(方法7):保持時間2.99分、UV純度(220nm)99.4%、m/z観察された質量517.3。
SFC(方法10):保持時間4.87分、UV純度(220nm)97%超。
【0084】
実施例12:血漿安定性アッセイ
凍結ヒト血漿(-80℃で保存)を水浴中で解凍し、それに続いて3200xgで5分間遠心分離して、デブリスを除いた。次いで、上清のpH値を測定し、1%リン酸又は1N水酸化ナトリウムを加えることにより7.4±0.1に調整した。
【0085】
各試験化合物で、2マイクロLの投与溶液(試験化合物では50マイクロM及び陽性対照;プロパンテリンブロミドでは100マイクロM)を、98マイクロLのブランク血漿にスパイクして、1マイクロMの試験化合物及び2マイクロMの陽性対照の最終濃度を得た。
【0086】
試験化合物及び陽性対照を、二連でヒト血漿と(最終DMSO濃度1%未満)37℃の水浴中で、異なる時点(0、0.5、1、2、4、及び6時間)でインキュベートした。対応する各時点で、適切な体積のクエンチング液を加えて反応を停止することにより、インキュベーションを停止した。
【0087】
その後、血漿試料を、短時間ボルテックスにかけ、その後に3200xgで20分間遠心分離した。上清を96ウェルプレートに移し、LC-MS/MS分析の前に200マイクロLの超純水で1:2の比で希釈した。分析物/内部標準のピーク面積比(PAR)を利用して、試験化合物及び対照化合物の濃度を半定量的に測定した。0分の試料に対して個別の時点で残っている試験化合物のパーセンテージを報告した。
【0088】
親薬物及び対照のインビトロ消失定数、keの測定において、分析物/内部標準ピーク面積比を、以下の式により残留パーセンテージに変換した:
【数1】
【0089】
代謝物の形成のパーセンテージを、代謝物薬物のT0(絶対)に対する分析物/内部標準ピーク面積比により計算し、パーセンテージに変換した。
【0090】
親薬物及び対照化合物の半減期(T1/2)を、時間に対する分析物/内部標準ピーク面積比の対数線形プロットから計算した(T1/2=0.693/ke)。
【0091】
化合物1a2、1b2、2a2、及び2b2を、上述の通りヒト血漿中でインキュベートし、0.5~1.5時間の半減期を、それぞれ、15~35%の4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン及び4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d)ピペラジンの形成により決定した。

本発明は以下の態様を含み得る。
[1]
1a若しくは1bの形態の4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン又は2a及び2bの形態の4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジンのプロドラッグ
【化17】


(式中、X は、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC ~C 10 スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC ~C 11 カルボキシラートからなる群から選択される対イオンである);又はその薬学的に許容できる塩。
[2]
Rが、直鎖又は分岐鎖のC ~C 11 アルキル及びC ~C 10 シクロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
[3]
Rが、メチル、tertブチル、n-ウンデカン、及びシクロヘキシルメチルからなる群から選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩。
[4]
前記薬学的に許容できる塩が、塩酸、臭化水素酸、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、サッカリン、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などのスルホン酸から形成される塩からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロドラッグ。
[5]
それぞれが、クロリド、ブロミド、又はヨージドなどのハライドアニオン、メシラート、トシラート、トリフルオロメタンスルホナート、又はノナフルオロブタンスルホナートなどの任意選択でフッ素化されたC ~C 10 スルホナート、及びトリフルオロアセタートなどの任意選択でフッ素化された直鎖又は分岐鎖のC ~C 11 カルボキシラートからなる群から選択される対イオンと組み合わされた、(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウム、(S)-1-(アセトキシメチル)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-メチル-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )-1-((ピバロイルオキシ)メチル)ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((ドデカノイルオキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-1,2,2-トリメチルピペラジン-1-イウム、(R)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウム、(S)-4-((1R,3S)-6-クロロ-3-(フェニル-d )-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-1-((2-シクロヘキシルアセトキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1-(メチル-d )ピペラジン-1-イウムからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロドラッグ;又はその薬学的に許容できる塩。
[6]
請求項1~5のいずれか一項に記載のプロドラッグ又はその薬学的に許容できる塩及び1種以上の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
[7]
療法に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項6に記載の医薬組成物。
[8]
中枢神経系(CNS)疾患の治療のための医薬の製造のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物若しくはその塩又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
[9]
CNS疾患の治療の方法に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物。
[10]
CNS疾患の治療の方法であって、治療上有効な量の請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物の、それを必要とする患者への投与を含む方法。