(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】延長チューブよじれを低減する延長セット
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20241107BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20241107BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20241107BHJP
A61M 39/26 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M39/10 120
A61M39/10 130
A61M39/24
A61M39/26
(21)【出願番号】P 2021560044
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 US2020027058
(87)【国際公開番号】W WO2020210224
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ クマル サティヤナラヤナ ナイドゥ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05702371(US,A)
【文献】特開2006-026190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0250984(US,A1)
【文献】米国特許第03630195(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0324014(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00 - 25/18
A61M 39/00 - 39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセスシステムであって、
カテーテルアダプタ、および
延長セット
を備え、
前記延長セットは、
前記カテーテルアダプタに連結される第1のコネクタを備える第1の端部と、
複数の第2のコネクタを備える第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部の間に配置された延長チューブと、
前記延長チューブを湾曲した状態に保持するように構成されたブレースと、
を備え、
前記延長セットが前記ブレースを備え、前記ブレースがハブを備え、前記ハブがアームを備え、前記アームが前記延長チューブに連結するように構成された連結部を備え、前記延長チューブが前記ハブと前記連結部との間で湾曲し
、
前記ハブは、前記延長チューブの流路を複数に分岐し、前記複数の第2のコネクタの各々に流体的に連通するように接続されている、血管アクセスシステム。
【請求項2】
前記アームが剛性である、請求項
1に記載の血管アクセスシステム。
【請求項3】
前記延長チューブは、第1の延長チューブであり、前記延長セットは、前記ハブから遠位に延びる第2の延長チューブを備え、前記第2の延長チューブは、遠位端および近位端を備え、前記第2のコネクタは、前記第2の延長チューブの前記遠位端に連結される、請求項
1に記載の血管アクセスシステム。
【請求項4】
前記第2のコネクタに連結されるニードルレスコネクタをさらに備える、請求項
1に記載の血管アクセスシステム。
【請求項5】
前記第1のコネクタは、ルアーロックコネクタを備え、前記ルアーロックコネクタは、逆止弁を備える、請求項
1に記載の血管アクセスシステム。
【請求項6】
延長セットであって、
カテーテルアダプタに連結される第1のコネクタを備える第1の端部と、
複数の第2のコネクタを備える第2の端部と、
第1の端部と第2の端部の間に配置された延長チューブと、
前記延長チューブを、湾曲した状態に保持するように構成されたブレースと、
を備え、
前記ブレースはハブを備え、前記ハブはアームを備え、前記アームは、前記延長チューブに連結するように構成された連結部を備え、前記延長チューブは、前記ハブと前記連結部との間で湾曲し
、
前記ハブは、前記延長チューブの流路を複数に分岐し、前記複数の第2のコネクタの各々に流体的に連通するように接続されている、延長セット。
【請求項7】
前記アームの前記連結部は、囲まれた開口部を備え、前記延長チューブは、前記囲まれた開口部を通って延びる、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項8】
前記アームの前記連結部は、前記延長チューブを保持するように構成されたスナップフィーチャを備える、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項9】
前記アームは剛性である、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項10】
前記延長チューブは、第1の延長チューブであり、前記延長セットは、前記ハブから遠位に延びる第2の延長チューブを備え、前記第2の延長チューブは、遠位端および近位端を備え、前記第2のコネクタは、前記第2の延長チューブの前記遠位端に連結される、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項11】
前記第2のコネクタに連結されるニードルレスコネクタをさらに備える、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項12】
前記第1のコネクタは、ルアーロックコネクタを備え、前記ルアーロックコネクタは、逆止弁を備える、請求項
6に記載の延長セット。
【請求項13】
前記第2のコネクタは、マルチポートコネクタを備える、請求項
6に記載の延長セット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般的な医療処置である注入療法は、血管アクセス装置によって促進され得る。入院患者,在宅ケア患者,およびその他の患者は,血管系に挿入した血管アクセス装置を介して液体,薬剤,および血液製剤を受け取る。採血は、血管アクセス装置によって促進され得る別の一般的な医療処置である。
【0002】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名前が示唆するように、オーバー・ザ・ニードルPIVCは、鋭利な遠位先端部を有する導入針をおおって取り付けられ得る。PIVCおよび導入針は、導入針の遠位先端部がPIVCの遠位先端部を越えて延在し、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てることができる。PIVCおよび導入針は、一般に、浅い角度で皮膚を通して患者の脈管構造内に挿入される。
【0003】
血管内の導入針および/またはPIVCの適切な配置を確認するために、使用者は一般に、PIVCアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、使用者は、血管内の流れを一時的に遮断し、導入針を取り去って、PIVCを血管内の所定の位置に残すことができる。次いで、PIVCは、輸液および/または血液の抜き取りまたは採取のために使用され得る。
【0004】
しばしば、PIVCアセンブリは、カテーテルの挿入部位から離れた部位で流体を注入し、および/または血液を抜き取るために使用され得る延長チューブを含み得る。これは、挿入部位を妨げる、または、カテーテルを患者の脈管構造から外れるリスクを低減することができる。
【0005】
場合によっては、三方ストップ弁を延長チューブに連結してもよい。三方ストップ弁は、三方ストップ弁の異なるポートに連結された複数の医療装置を介した注入を容易にすることができる。三方ストップ弁はたいてい、三方ストップ弁の内部構造により微生物が増殖しやすく、三方ストップ弁内に流体が滞留しやすい。三方ストップ弁または延長チューブを患者に固定してもよいが、その結果、延長チューブが曲がり、延長チューブによじれが生じる可能性が高くなる。よじれは、カテーテルを通る流体の流れを制限または妨げ、輸液および血液の取り出しを阻害し、患者を危険にさらす。
【0006】
本明細書に請求される主題は、いずれかの欠点を解決するか、または上記のような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書に記載されたある実施形態が実施され得る1つの例示的な技術分野を示すためにのみ提供される。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、一般に、静脈カテーテル延長セットに関する。ある実施形態において、血管アクセスシステムは、カテーテルアダプタおよび延長セットを含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルは、カテーテルアダプタから遠位に延びてもよい。ある実施形態において、カテーテルは、PIVC、正中カテーテル、または末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)を含んでもよい。
【0008】
ある実施形態において、延長セットは、第1の端部、第2の端部、第1の端部と第2の端部との間の延長チューブ、およびブレースのうちの1つ以上を含み得る。ある実施形態では、第1の端部は第1のコネクタを含んでもよく、および/または、第2の端部は第2のコネクタを含んでもよい。ある実施形態において、第1のコネクタは、カテーテルアダプタに連結するように構成されてもよい。ある実施形態では、ブレースは、延長チューブを湾曲した状態(curved position)に保持するように構成することができ、これにより、延長チューブがよじれてカテーテルが挿入部位から外れる可能性を低減することができる。
【0009】
ある実施形態において、ブレースは、アームを含み得るハブを含み得る。ある実施形態では、アームは、延長チューブに連結するように構成された連結部を含んでもよい。ある実施形態では、延長チューブは、ハブと連結部との間で湾曲していてもよい。
【0010】
ある実施形態において、ブレースのアームは剛性(rigid)であってもよい。ある実施形態では、アームの連結部は開口部を含んでもよく、延長チューブは開口部を通ってもよい。ある実施形態では、アームの連結部は、延長チューブを保持するように構成されたスナップフィーチャ(snap feature)を含んでもよい。
【0011】
ある実施形態において、延長セットは、ハブから遠位に延びていてもよい、1つ以上の他の延長チューブを含んでもよい。ある実施形態では、他の延長チューブはそれぞれ、遠位端および近位端を含み得る。ある実施形態において、第2のコネクタは、他の延長チューブの特定の延長チューブの遠位端に連結されてもよい。ある実施形態では、延長セットの第2のコネクタは、1つ以上のポートを含んでもよい。
【0012】
ある実施形態において、血管アクセスシステムは、第2のコネクタに連結され得る1つ以上のニードルレスコネクタをさらに含み得る。ある実施形態において、第1のコネクタおよび/または第2のコネクタは、ルアーロックを含んでもよい。ある実施形態において、第1のコネクタおよび/または第2のコネクタは、逆止弁を含んでもよい。
【0013】
ある実施形態において、血管アクセスシステムは、第1のコネクタと延長チューブとの間に配置され得るハウジングを含み得る。ある実施形態では、ハウジングは、延長チューブがよじれてカテーテルが挿入部位から外れる可能性を低減し得る。ある実施形態において、ハウジングは、U字形またはV字形であってよく、流体経路は、ハウジングを通って延びていてもよい。ある実施形態において、ハウジングは、第1の端部、第2の端部、および第1の端部および第2の端部を通って延びる流体経路を含んでもよい。ある実施形態では、ハウジングの第1の端部は、第1のコネクタに連結されてもよい。
【0014】
ある実施形態において、延長チューブの遠位端は、ハウジングの第2の端部に連結されてもよい。ある実施形態において、ハウジングの流体経路は、延長チューブの流体経路と流体連通していてもよい。
【0015】
ある実施形態において、延長セットは、ハウジングの第2の端部から遠位に延びることができる1つ以上の追加の延長チューブを含んでもよい。ある実施形態において、追加の延長チューブのそれぞれは、遠位端および近位端を含み得る。ある実施形態において、第2のコネクタは、1つ以上の追加の延長チューブの遠位端に連結されてもよい。
【0016】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味では解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用して、さらなる具体性および詳細を伴って記載および説明される。
【0018】
【
図1】ある実施形態による、よじれた延長チューブを示す、従来技術の血管アクセスシステムの上方斜視図である。
【
図2A】ある実施形態による、例示的な血管アクセスシステムの上方斜視図である。
【
図2B】ある実施形態による、
図2Aの血管アクセスシステムの例示的な延長セットの上方斜視図である。
【
図2C】ある実施形態による、
図2Bの延長セットの下方斜視図である。
【
図2D】ある実施形態による、
図2Bの延長セットの断面図である。
【
図3A】ある実施形態による、
図2Bの線3A-3Aに沿った例示的なブレースの近位端図である。
【
図3B】ある実施形態による、別の例示的なブレースの近位端図である。
【
図4A】ある実施形態による、別の例示的な延長セットの上方斜視図である。
【
図4B】ある実施形態による、別の例示的な延長セットの上方斜視図である。
【
図5A】ある実施形態による、
図2Aの血管アクセスシステムの上方斜視図である。
【
図5B】ある実施形態による、別の例示的な延長セットの上方斜視図である。
【
図5C】ある実施形態による、
図5Bの延長セットの断面図である。
【
図6A】ある実施形態による、別の例示的な延長セットの上方斜視図である。
【
図6B】ある実施形態による、別の例示的な延長セットの上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、概して、静脈カテーテル延長セットに関する。
図1を参照すると、従来技術の血管アクセスシステム10が示されている。従来技術の血管アクセスシステム10は、カテーテルアダプタ12と、カテーテルアダプタ12から遠位に延びるカテーテル14とを含む。カテーテルアダプタ12は、近位端16と、遠位端18と、それらの間に延びる管腔とを含む。カテーテルアダプタ12は、カテーテルアダプタ12の管腔と流体連通する注入ポート20を含む。カテーテル14が適切な位置に留まることを確実にするために、粘着テープ15がカテーテルアダプタ12に適用され、カテーテル14が皮膚を通して患者の脈管構造内に挿入される挿入部位内にカテーテル14を固定する。
【0020】
従来技術の血管アクセスシステム10は、カテーテルアダプタ12の近位端16に連結される延長セット22を含む。延長セット22は、三方弁26に連結される延長チューブ24を含む。三方弁26は、2以上の注入装置が従来技術の血管アクセスシステム10と流体連通することを可能にする。三方弁26は、接着テープ15によって患者に固定され得る。カテーテルアダプタ12および/または三方弁26が接着テープ15によって十分にまたは適切に固定されない場合、延長チューブ24によじれ30が形成され得る。よじれ30は、カテーテル14を通る流体の流れを制限または妨げ得る。
【0021】
図2A~2Dを参照すると、ある実施形態において、血管アクセスシステム32は、延長セット34およびカテーテルアセンブリを含んでもよい。ある実施形態では、延長セット34は、第1の端部36、第2の端部38、第1の端部36と第2の端部38との間の延長チューブ40、およびブレース42のうちの1つ以上を含んでもよい。ある実施形態では、第1の端部36は、カテーテルアセンブリのカテーテルアダプタ46に連結され得る第1のコネクタ44を含んでもよい。ある実施形態において、ブレース42は、延長チューブ40を湾曲した状態に保持するように構成されてもよい。したがって、ある実施形態において、ブレース42は、延長チューブ40のよじれの可能性を低減し得る。ある実施形態において、ブレース42は、カテーテル48が挿入部位から外れる危険性も低減し得る。
【0022】
ある実施形態において、延長セット34は、任意の適切なカテーテルアセンブリとともに使用され得る。ある実施形態において、カテーテルアセンブリは、BDVENFLON(商標)Pro Safety Shielded IVカテーテルを含んでもよい。これらおよび他の実施形態では、カテーテルアダプタ46は、カテーテルアダプタ46の管腔と流体連通する注入ポート47を含んでもよい。
【0023】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタ46およびカテーテルアダプタ46から遠位に延びるカテーテル48を含んでもよい。ある実施形態において、カテーテル48は、末梢IVカテーテル(「PIVC」)、正中カテーテル、または末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルアダプタ46は、近位端50、遠位端52、およびそれらの間に延びる管腔を含んでもよい。
【0024】
ある実施形態において、延長セット34の第2の端部38は、第2のコネクタ54を含むことができ、これは、例えば、注入装置または血液取り出し装置などの医療装置に連結するように構成されてもよい。ある実施形態では、第1のコネクタ44および/または第2のコネクタ54は、雄または雌のルアーコネクタまたは別の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態では、第1のコネクタ44および/または第2のコネクタ54は、ルアースリップまたはルアーロックフィーチャ(luer-slip or luer-lock feature)を含んでもよい。ある実施形態において、第1のコネクタ44は、延長セット34をカテーテルアダプタ46の近位端50に連結してもよい。ある実施形態において、延長セット34は、第1のコネクタ44を介してカテーテルアダプタ46に取り外し可能に連結してもよい。
【0025】
ある実施形態において、第1のコネクタ44および/または第2のコネクタ54は、流体が対応するコネクタから漏れるのを防止するための弁を含んでもよい。ある実施形態では、弁56は、一方向弁、逆止弁、または別の適切な弁を含んでもよい。
【0026】
ある実施形態において、延長セット34は、1つ以上の他の延長チューブ60を含んでもよい。ある実施形態において、他の延長チューブ60は、各々、遠位端62および近位端64を含んでもよい。ある実施形態において、第2のコネクタ54は、他の延長チューブ60の特定の1つの遠位端62に連結されてもよい。
【0027】
ある実施形態において、第2のコネクタ54は、1つ以上のポートを含んでもよい。ある実施形態において、第2のコネクタ54は、ニードルレスコネクタ65に連結するように構成されてもよい。ある実施形態において、他の延長チューブ60のうちの1つ以上は、第2のコネクタ54と同一または異なるコネクタに連結されてもよく、これにより、延長セット34の様々な医療装置への連結を容易にすることができる。
【0028】
ある実施形態では、ブレース42は、ハブ66を含むことができ、ハブ66は、ハブ66の本体から外方に延びるアーム68を含んでもよい。ある実施形態では、ハブ66の外面は、ハブ66および延長セット34の把持を改善するための1つ以上の表面特徴(surface feature)を含んでもよい。例えば、ハブ66の外面は、1つ以上の突起を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、ハブ66の外面は、1つ以上の溝を含んでもよい。ある実施形態では、アーム68は、ハブ66の残りの部分(remaining portion)と単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。
【0029】
ある実施形態において、他の延長チューブ60は、ハブ66から延びることができる。ある実施形態において、他の延長チューブ60の近位端64は、ハブ66に連結されてもよい。例えば、他の延長チューブ60の近位端64は、ハブ66と一体化されてもよい。ある実施形態において、他の延長チューブ60の近位端64は、1つ以上のコネクタ(図示せず)を介してハブ66に取り外し可能に連結されてもよい。
【0030】
ある実施形態において、延長チューブ40は、ハブ66に連結されてもよい。ある実施形態において、延長チューブ40は、第1の端部70および第2の端部72を含んでもよい。ある実施形態において、延長チューブ40の第2の端部72は、ハブ66に連結されてもよい。例えば、延長チューブ40の第2の端部72は、ハブ66と一体化されてもよい。ある実施形態において、延長チューブ40の第2の端部72は、1つ以上のコネクタ(図示せず)を介してハブ66に取り外し可能に連結されてもよい。
【0031】
ある実施形態において、延長チューブ40は、細長く、ハブ66を通って延び、第2のコネクタ54に直接連結してもよい。ある実施形態において、ハブ66は、第2のコネクタ54を含むことができ、延長チューブ40は、ハブ66内で終端することができる。これらの実施形態および他の実施形態において、血管アクセスシステム32は、他の延長チューブ60を含まなくてもよい。
【0032】
ある実施形態において、ハブ66は、延長チューブ40の第2の端部72が他の延長チューブ60と流体連通し得るように、ハブ66を通って延びる管腔を含んでもよい。ある実施形態において、延長セット34を通って延びる流体経路は、第1のコネクタ44、延長チューブ40、ハブ66、他の延長チューブ60、および第2のコネクタ54のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0033】
ある実施形態において、アーム68は、延長チューブ40に連結するように構成された連結部74を含んでもよい。ある実施形態において、延長チューブ40は、ハブ66と連結部74との間で湾曲してもよい。ある実施形態において、延長チューブ40は、連結部74と一体化されてもよいし、または連結部74と取り外し可能に連結されてもよい。
【0034】
ある実施形態において、ブレース42は剛性材料で構成されてもよい。ある実施形態では、ブレース42は、例えばポリエチレンなどのプラスチックで構成されてもよい。ある実施形態では、ブレース42は、例えば、ナイロン、ビニル、ポリウレタンなどを含む任意の適切な材料から構成されてもよい。ある実施形態では、ハブ66は、アーム68よりも剛性の高い材料から構成されてもよい。ある実施形態では、延長チューブ40の第2の端部72は、ハブ66の長手方向軸と一直線に合わせられていてもよい。
【0035】
図3Aを参照すると、ある実施形態では、連結部74は、アーム68を通って延びる囲まれた開口部(enclosed opening)80を含んでもよく、延長チューブ40は、囲まれた開口部80を通って延びていてもよい。
【0036】
図3Bを参照すると、連結部74は、延長チューブ40をアーム68に連結し得る、スナップ機構(snap mechanism)76またはファスナ(fastener)を含んでもよい。ある実施形態において、スナップ機構76および/またはファスナは、延長チューブ40のアーム68への取り外し可能な連結を容易にしてもよい。ある実施形態において、スナップ機構76は、開口部77を含んでもよく、開口部77は、延長チューブ40が開口部77内でスナップするような、延長チューブ40の外径よりも小さい直径78を含んでもよい。ある実施形態において、ファスナ(図示せず)は、クリップ、留め具、フック、ストラップ、または他の適切なファスナを含んでもよい。
【0037】
図4Aを参照すると、ある実施形態による、延長セット81が示される。ある実施形態において、延長セット81は、
図2および3に関して説明した延長セット34を含むか、またはそれに対応していてもよい。ある実施形態において、延長セット81は、他の延長チューブ60のうちの1つのみを含んでもよい。
【0038】
ある実施形態において、他の延長チューブ60は、クランプ82を含んでもよい。ある実施形態において、クランプ82は、流体が他の延長チューブ60を通って流れることを防止するために、他の延長チューブ60を選択的に遮断することができる。ある実施形態において、
図2に関して記載された他の延長チューブ60のうちの1つ以上が、クランプ82を含んでもよいことが理解される。
【0039】
図4Bを参照すると、延長セット83は、ある実施形態において、第2のコネクタ54は、Yアダプタ84または別の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態では、ニードルレスコネクタ65をYアダプタ84に連結してもよい。ある実施形態では、延長セット34および/または延長セット81の第2のコネクタ54は、Yアダプタ84を含んでもよい。
【0040】
図5A~5Cを参照すると、ある実施形態において、血管アクセスシステム32は、延長セット85を含んでもよい。ある実施形態において、延長セット85は、
図2~3に関して記載された延長セット34、
図4Aに関して記載された延長セット81、および
図4Bに関して記載された延長セット81のうちの1つ以上を含むか、またはこれらに対応していてもよい。
【0041】
ある実施形態において、延長セット85の第1の端部36は、カテーテルアダプタ46に連結され得る第1のコネクタ44を含んでもよい。ある実施形態において、第2の端部38は、第2のコネクタ54を含んでもよい。ある実施形態において、延長チューブ40は、第1の端部36と第2の端部38との間に配置されてもよい。ある実施形態において、延長セット85は、第1のコネクタ44と延長チューブ40との間に配置され得るハウジング86を含んでもよい。ある実施形態において、ハウジング86は、延長チューブ40が第1のコネクタ44に直接連結された場合と比較して、延長チューブ40をよじらせる危険性を低減し得る。
【0042】
ある実施形態において、ハウジング86は、第1の端部88および第2の端部90を含んでもよい。ある実施形態において、第1の端部88は、第1のコネクタ44に連結されてもよい。ある実施形態において、ハウジング86は、第1のコネクタ44と単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。ある実施形態において、第1のコネクタ44は、雄型もしくは雌型のルアーコネクタまたは他の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態では、第1のコネクタ44は、ルアースリップまたはルアーロックフィーチャ(luer-slip or luer-lock feature)を含んでもよい。上述のように、ある実施形態では、第1のコネクタ44は、流体が第1のコネクタ44から漏れるのを防止するために弁56を含んでもよい。ある実施形態では、弁56は、一方向弁、逆止弁、または別の適切な弁を含んでもよい。
【0043】
ある実施形態において、第2の端部90は、延長チューブ40に連結されてもよい。ある実施形態において、ハウジング86は、ほぼU字形またはほぼV字形であってもよい。ある実施形態では、流体経路92は、ハウジング86を通って延びていてもよい。
【0044】
ある実施形態において、ハウジング86は、例えばポリエチレン又は他の適切なプラスチックなどのプラスチックで構成してもよい。ある実施形態において、ハウジング86は、硬質材料で構成してもよい。ある実施形態において、ハウジング86は、例えば、ナイロン、ビニル、ポリウレタンなどを含む任意の適切な材料から構成されてもよい。ある実施形態において、ハウジング86の一部は、可撓性材料またはプラスチックから構成されてもよく、他の部分は、より剛性の高い材料から構成されてもよい。
【0045】
ある実施形態において、ハウジング86は、透明又は半透明であり得る。ある実施形態において、ハウジング86は、ハウジング86のU字形又はV字形を形成する2つのアームの間に延びる支持体87をさらに含んでもよい。ある実施形態において、支持体87は、ハウジング86のU字形又はV字形を保持するのに役立つことができる。ある実施形態において、ハウジング86は、支持体87を含まなくてもよい。
【0046】
ある実施形態において、延長チューブ40の遠位端62は、ハウジング86の第2の端部90に連結されてもよい。ある実施形態において、延長チューブ40の近位端64は、第2のコネクタ54に連結されてもよい。ある実施形態において、第2のコネクタ54は、ニードルレスコネクタ65に連結されてもよい。
【0047】
図6Aを参照すると、ある実施形態では、延長セット94は、ハウジング86の第2の端部90から遠位に延びることができる別の延長チューブ96を含んでもよい。ある実施形態では、延長セット94は、
図2および3に関して説明された延長セット34、
図4Aに関して説明された延長セット81、
図4Bに関して説明された延長セット83、および
図5に関して説明された延長セット85のうちの1つ以上を含むか、またはこれらに対応していてもよい。
【0048】
ある実施形態において、他の延長チューブ96は、ハウジング86の第2の端部90に連結されてもよい、遠位端98を含んでもよい。例えば、遠位端98は、
図6Aに示されるように、ハウジング86の第2の端部90と一体化されてもよい。ある実施形態において、遠位端98は、1つ以上のコネクタ(図示せず)を介してハウジング86の第2の端部90に取り外し可能に連結されてもよい。
【0049】
ある実施形態において、他の延長チューブ96は、別のコネクタ99に連結され得る近位端100を含んでもよい。ある実施形態において、他のコネクタ99は、第2のコネクタ54と同一であっても異なっていてもよい。
【0050】
図6Bを参照すると、別の延長セット102は、Yアダプタ84または別の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態では、ニードルレスコネクタ65は、Yアダプタ84に連結させることができる。ある実施形態では、延長セット83及び/又は延長セット94の第2のコネクタ54は、Yアダプタ84を含んでもよい。ある実施形態では、延長チューブ40及び/又は他の延長チューブ96は、クランプ82を含んでもよい。
【0051】
本明細書に記載される全ての例および条件付き言語は、本発明および本技術の発展に本発明者が貢献した概念を読者が理解するのを助けるための教育的な目的のためのものであり、このような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換、および改変を本明細書で行うことができることを理解されたい。