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  • 特許-ニコチン粒子 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ニコチン粒子
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/465 20060101AFI20241107BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241107BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241107BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241107BHJP
   A61P 25/26 20060101ALI20241107BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241107BHJP
【FI】
A61K31/465
A61K9/14
A61K47/18
A61K47/26
A61P25/26
A24B15/16
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022080744
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2018563818の分割
【原出願日】2017-06-21
(65)【公開番号】P2022116082
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】16177156.3
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルペ ニコロ
【審査官】今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/173648(WO,A1)
【文献】特表2003-507412(JP,A)
【文献】特表2006-514879(JP,A)
【文献】特表2009-512663(JP,A)
【文献】REINHARD VEHRING,PHARMACEUTICAL PARTICLE ENGINEERING VIA SPRAY DRYING,PHARMACEUTICAL RESEARCH,NL,KLUWER ACADEMIC PUBLISHERS-PLENUM PUBLISHERS,2007年11月28日,VOL:25, NR:5,PAGE(S):999 - 1022,http://dx.doi.org/10.1007/s11095-007-9475-1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/ 00-33/44
A61K 47/ 00-47/69
A61K 39/395
A61P 1/ 00-43/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Science Direct
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン粒子を製造する方法であって、
前記ニコチン粒子がニコチン塩、糖、およびロイシンを含み、
前記方法が、
ニコチン塩と糖を、水を含む液体担体と混合して液体混合物を形成する工程と、
前記液体混合物を噴霧乾燥して第一の多数のニコチン粒子を形成する工程と、
前記第一の多数のニコチン粒子を粉砕して第二の多数のニコチン粒子を形成する工程と
を含み、
前記噴霧乾燥工程が、4.5マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で90%の前記粒子と、2.5マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で50%の前記粒子と、0.85マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で10%の前記粒子とを含む、第一の多数のニコチン粒子を形成する、
方法。
【請求項2】
前記粉砕工程が液体エネルギー粉砕を含み、前記液体エネルギー粉砕が前記第一の多数のニコチン粒子の質量中央空気動力学的直径を、前記第二の多数のニコチン粒子の質量中央空気動力学的直径に、1.2:1~5:1の比で減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粉砕工程が、3.0マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で90%の前記粒子と、1.5マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で50%の前記粒子と、0.7マイクロメートル以下の粒子サイズを有する体積比で10%の前記粒子とを含む、第二の多数のニコチン粒子を形成する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ニコチン塩が、乳酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、またはアスパラギン酸ニコチンを含み、前記糖がトレハロースである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ニコチン塩が、乳酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、またはアスパラギン酸ニコチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第二の多数のニコチン粒子を吸入送達消耗要素内にパッケージする工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
乾燥粉末の組成物であって、
ニコチン塩、糖、およびロイシンで形成される多数のニコチン粒子であって、体積比で90%の粒子が2.8マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、体積比で50%の粒子が1.35マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、体積比で10%の粒子が0.65マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、
前記乾燥粉末の組成物が、5~15wt%のニコチン、および60wt%~95wt%の糖を含む、
乾燥粉末の組成物。
【請求項8】
前記ニコチン塩が、乳酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、またはアスパラギン酸ニコチンを含む、請求項7に記載の乾燥粉末の組成物。
【請求項9】
前記糖がトレハロースを含む、請求項8に記載の乾燥粉末の組成物。
【請求項10】
請求項7、8または9に記載の乾燥粉末の組成物を含む、吸入送達消耗要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸入に適したニコチン粒子に関連する。ニコチン粒子は、噴霧乾燥の後に粉砕することによって形成される。
【背景技術】
【0002】
乾燥粉末吸入器(DPI)が周知であり、薬学的に活性の化合物を含む乾燥粉末をエアロゾルの形態で、吸入によって患者の気道に送達することによって、呼吸器疾患を治療するために使用される。医薬品乾燥粉末において、医薬品有効成分(API)は、より大きい担体粒子(ラクトースなど)の表面上にいつも凝集している。DPIは複雑な機構で動作して、こうした凝集が分散、粉砕、または脱凝集されることを確実にし、その後、APIは肺の中へと吸い込まれるようになる。
【0003】
従来的な喫煙法の吸入量または空気流量の範囲内の吸入量または空気流量でニコチン粒子を肺に送達することは困難な場合がある。ニコチン粒子は、特にニコチン粒子のサイズが減少するにつれて、凝集して、吸入器または処理表面に付着する傾向を有することがある。MMADが約10マイクロメートル未満のニコチン粒子は、表面積対体積比が大きいため、次第に熱力学的に不安定になる傾向があり、これがこの減少する粒子サイズとともに界面自由エネルギーの増大をもたらし、粒子が凝集する傾向および凝集の強度を結果的に増大する。ニコチン粒子の形成は、困難でありかつ高くつくことがありうる。
【発明の概要】
【0004】
ニコチン粒子は、吸入の際に刺激がある場合があり、咳反射を誘発しうる。メントールなどの鎮咳剤が、ニコチン粒子組成に追加されてきた。これらの鎮咳剤は、ニコチン粒子を凝集し、組成の粘性の原因となる傾向がありうる。これは、ニコチン粒子組成の取り扱いおよび保管の心配につながりうる。
【0005】
吸入時に咳反射を低減または軽減し、吸入体験を向上させうるニコチン粒子を提供することが望ましい。ニコチン粒子の形成および処理が簡単になされ、かつ安定した粒子サイズ分布が示されれば望ましい。ニコチン粒子は鎮咳剤が含まれていないことが望ましいであろう。
【0006】
ニコチン粒子は、液体混合物を噴霧乾燥して第一の多数の粒子を形成することによって形成されうる。液体混合物はニコチンを含む。液体混合物はまた、糖、またはアミノ酸、または糖とアミノ酸の両方を含んでもよい。液体混合物は2個または3個のアミノ酸を含む短鎖ペプチドを含みうる。その後、第一の多数の粒子は粉砕されて第二の多数の粒子を形成する。
【0007】
第二の多数のニコチン粒子は、多数の粒子の約90%が約2.8マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、多数の粒子の約50%が約1.35マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、第二の多数の粒子の約10%が約0.65マイクロメートル未満の粒子サイズを有する、粒子サイズ分布を有しうる。
【0008】
粉砕工程は、液体エネルギー粉砕機で実施されることが好ましい。液体エネルギー粉砕機は、ニコチン粒子の平均粒子サイズまたは質量中央空気動力学的直径を減少しうる。
【0009】
有利なことに、本明細書に記載の方法は、液体エネルギー粉砕機を用いてさらにサイズの減少をなしうる均質なニコチン粒子を提供し、特定かつ管理された粒子サイズ分布を達成するために、噴霧乾燥器を利用する。この方法は有利なことに、対費用効果の高い方法で製品収量を最大化する。第二の多数のニコチン粒子の最終的なサイズ分布は、時間経過につれて安定し、流動性を有する組成を形成しうる。第二の多数のニコチン粒子の最終的なサイズ分布は、従来的な喫煙法の吸入量または空気流量の範囲内の吸入量または空気流量でニコチンを肺に送達して、吸入体験の改善を提供するのに十分である。
【0010】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよび任意の形態のニコチン誘導体を意味し、これは遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、または糖基質または有機金属化合物などの基質に含有されるものなどを含むがこれに限定されない。
【0011】
「アミノ酸」という用語は、無修飾または修飾された単一のアミノ酸部分を意味し、無修飾が好ましい。
【0012】
「短鎖ペプチドペプチド」という用語は、2個または3個のアミノ酸を含むペプチドを意味する。
【0013】
「液体エネルギー粉砕」という語句は、衝突する粒子流による微粉化を意味する。液体エネルギー粉砕は、エアジェット粉砕またはジェット粉砕を含む。
【0014】
「多数の粒子」という語句は、特に指定のない限り、第一の多数の粒子、第二の多数の粒子、または第一の粒子と第二の多数の粒子の両方を意味する。
【0015】
本明細書で述べる粒子のサイズは、粒子の空気動力学的粒子径を意味することが好ましい。粉末システムの空気動力学的粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。「MMAD」という用語は、質量中央空気動力学的直径を意味する。
【0016】
本開示は、吸入に適したニコチン粒子、およびそれを形成する方法に関連する。これらのニコチン粒子は、咳反射を誘発または最小化することなく、穏やかまたは滑らかな吸入をするために提供されうる。ニコチン粒子は、液体混合物を噴霧乾燥して第一の多数の粒子を形成することによって形成されうる。液体混合物はニコチンを含む。液体混合物はまた、糖、またはアミノ酸、または糖とアミノ酸の両方を含んでもよい。液体混合物を噴霧乾燥することで、均質な第一の多数の粒子を形成しうる。その後、第一の多数の粒子は、(好ましくは、液体エネルギー粉砕機を用いて)粉砕されて、第一の多数の粒子のサイズ分布と比較して小さいサイズ分布を有する第二の多数の粒子を形成しうる。第二の多数のニコチン粒子は、多数の粒子の約90%(体積比)が約2.8マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、多数の粒子の約50%が約1.35マイクロメートル未満の粒子サイズを有し、第二の多数の粒子の約10%が約0.65マイクロメートル未満の粒子サイズを有する、粒子サイズ分布を有しうる。本明細書に記載されている粒子サイズ分布に関連したパーセンテージは、粒子体積に基づくものである(体積パーセント)。乾燥粉末の組成は、これらのニコチン粒子から形成されうる。吸入送達消耗要素は、本明細書に記載のニコチン粒子または乾燥粉末の組成を含みうる。
【0017】
噴霧乾燥とそれに続く粉砕(好ましくは、液体エネルギー粉砕)は有利なことに、ニコチン粒子を提供し、このニコチン粒子は流動性を有し、特定の管理された、かつ安定した粒子サイズ分布を有し、吸入体験の向上を提供しうる。噴霧乾燥は、第一のサイズ分布を有する第一の多数の粒子を形成する。有利なことに、粉砕または液体エネルギー粉砕は、粒子の平均粒子サイズを減少させる。粉砕または液体エネルギー粉砕は、第一の多数の粒子を利用し、第二のサイズ分布を有する第二の多数の粒子を形成する。第二のサイズ分布は、第一のサイズ分布と比較して小さいことが好ましい。
【0018】
ニコチンは液体担体内で溶解されて液体混合物を形成しうる。糖は液体担体内で溶解されて液体混合物を形成しうる。アミノ酸は液体担体内で溶解されて液体混合物を形成しうる。短鎖ペプチドは液体担体内で溶解されて液体混合物を形成しうる。
【0019】
噴霧乾燥は、スプレーノズルまたはアトマイゼーションノズルを利用して、液体混合物(加圧下)を霧化し、液体担体を液体混合物から蒸発させる。結果として生じる乾燥粒子は、設計された粒子サイズ分布内で球状体の形状をなしうる。
【0020】
液体エネルギー粉砕は、粒子を運ぶ衝突流体流(例えば、ガスまたは圧縮ガスまたは空気)を利用するサイズリダクションユニット操作である。衝突流体流は、粒子と粒子の衝突をもたらし、サイズリダクションを助長する。一般に液体エネルギー粉砕機には可動部品はなく、また一般にサイズリダクション中に粒子には機械的な力は作用しない。
【0021】
液体エネルギー粉砕機またはジェット粉砕機は典型的に、固体を低ミクロン値から1ミクロン未満の範囲の粒子サイズに小さくする能力がある。サイズリダクションエネルギーは典型的に、水平方向研削空気ノズルからのガス流によって生成される。典型的に、ガス流によって生成された流動床内にある粒子は、粉砕機の中心に向かって加速され、遅めに移動している粒子または異なる方向に移動している粒子と衝突する。ガス流およびその中を運ばれる粒子は典型的に、激しい乱流を生成し、粒子が互いに衝突する時、サイズが小さくされる。
【0022】
第二の多数の粒子は、液体エネルギー粉砕によって、または混入されたニコチン粒子に空気流を衝突させることによって形成されうる。衝突する空気流の粒子組成は、実質的に類似しかつ均質であることが好ましい。液体エネルギー粉砕は、噴霧乾燥のみのニコチン粒子と比較して、呼吸可能なニコチン粒子(肺まで達することが可能な粒子)の量を増やしうる。液体エネルギー粉砕は、この量を少なくとも約10%または少なくとも約20%または少なくとも30%増やしうる。
【0023】
液体エネルギー粉砕工程は、粒子サイズまたは平均粒子サイズまたは粒子サイズ分布を、約10%以上、または約20%以上減少させうる。大きめの粒子は、同じサイズ分布内の小さめの粒子よりも大幅に減少されうる。例えば、90%のサイズ閾値は、(第一のサイズ分布90%閾値から第二のサイズ分布90%閾値に)約10%以上、または約20%以上、または約30%以上、または約10%~約40%の範囲で、または約20%~約40%の範囲で減少されうる。
【0024】
液体エネルギー粉砕工程は、第一の多数の粒子の質量中央空気動力学的直径を第二の多数の粒子の質量中央空気動力学的直径に、約1.1:1~約10:1、または約1.2:1~約5:1、または約1.2:1~約3.6:1、または約1.5:1~約3:1、または約3:1、または約2:1の比で減少させうる。
【0025】
第一の多数の粒子の質量中央空気動力学的直径と、第二の多数の粒子の質量中央空気動力学的直径との比は、約1.1:1~約10:1、または約1.2:1~約5:1、または約1.2:1~約3.6:1、または約1.5:1~約3:1、または約3:1、または約2:1であることが好ましい。
【0026】
第一の多数の粒子は、約4.5マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、約90%、または約95%、または約98%の粒子を含みうる。第一の多数の粒子は、約2.5マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、少なくとも約50%の粒子を含みうる。第一の多数の粒子は、約0.85マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、少なくとも約10%の粒子を含みうる。第一の多数の粒子は、約1~約4マイクロメートルの範囲の質量中央空気動力学的直径を有しうる。実質的にすべての第一の多数の粒子は、約500ナノメートル~約5マイクロメートルの範囲の空気動力学的直径を有しうる。
【0027】
液体エネルギー粉砕は、第一の多数の粒子のサイズを小さくして、第二の多数の粒子を形成する。第二の多数の粒子は、約3マイクロメートル以下、または2.8マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、少なくとも約90%、または約95%、または約98%の粒子を含みうる。第二の多数の粒子は、約1.5マイクロメートル以下、または1.35マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、少なくとも約50%の粒子を含みうる。第二の多数の粒子は、約0.7マイクロメートル以下、または0.65マイクロメートル以下の空気動力学的直径を有する、少なくとも約10%の粒子を含みうる。第二の多数の粒子は、約1~約2.5マイクロメートルの範囲の質量中央空気動力学的直径を有しうる。実質的にすべての第二の多数の粒子は、約500ナノメートル~約3マイクロメートルの範囲の空気動力学的直径を有しうる。
【0028】
粒子のニコチン成分は、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、またはその組み合わせとしうる。ニコチン成分は、ニコチンまたはニコチン遊離塩基を酸と組み合わせることによって形成されるニコチン塩でもよい。酸は、ニコチン遊離塩基に対する酸の理論量としうるか、または酸の化学量論超過がニコチン遊離塩基と組み合わせられうるか、またはニコチン遊離塩基の化学量論超過が酸と組み合わせられうる。遊離塩基ニコチンは、酸を追加することなく利用されうる。
【0029】
酸は、有機酸、無機酸、またはルイス酸としうる。無機酸の非限定的な例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、ヘキサフルオロリン酸、およびこれに類するものである。有機酸の非限定的な例は、レブリン酸、クエン酸、グルコン酸、安息香酸、プロピオン酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、アムソン酸、パモ酸、メシル酸、アスパラギン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、カンファースルホン酸、フマル酸、イセチオン酸、乳酸、粘液酸、p-トルエンスルホン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、ピルビン酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸塩)、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびこれに類するものである。ルイス酸の非限定的な例は、塩化亜鉛または臭化亜鉛(ZnCl2/ZnBr2)である。これらはニコチンと反応して、有機金属錯体を形成できる。
【0030】
有用なニコチン塩には例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が含まれるが、これに限定されない。好ましいニコチン塩には、乳酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、またはその組み合わせが含まれる。
【0031】
多数の粒子(水中に溶解)のpHは、約5~約9の範囲としうる。pHは、約7.0以上または7.0~9.0の範囲が好ましい。pH 9は、有機酸を含まない粒子で到達でき、一方でpH 5.0はニコチン塩を形成する時に強酸または二価酸を使用して得ることができる。
【0032】
多数の粒子は、アミノ酸またはペプチド(好ましくは3種以下のアミノ酸で形成される)を含みうる。アミノ酸またはペプチドは、粒子の接着力を低減し、形成中またはその後の取り扱い中の粒子の凝集を軽減または阻止する。粒子は、自由流れ材料を形成しうるとともに、処理中、搬送中および貯蔵中に安定した相対粒子サイズ分布を有しうる。
【0033】
有用なアミノ酸は、ロイシン、アラニン、バリン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、またはその組み合わせを含みうる。好ましい一つのアミノ酸は、ロイシンまたはロイシン異性体(L-ロイシンなど)である。有用なペプチドは、例えばトリロイシンを含む。
【0034】
多数の粒子は、糖を含みうる。糖は、単純な糖、単糖類、二糖類、および多糖類を意味する。限定されないが、適切な糖の例は、ラクトース、ショ糖、ラフィノース、トレハロース、果糖、右旋糖、グルコース、麦芽糖、マンニトール、またはその組み合わせである。好ましい糖は、トレハロースまたはマンニトールを含む。
【0035】
多数の粒子は、約30wt%未満のニコチンを含みうる。多数の粒子は、約25wt%以下のニコチンまたは約15~約25wt%のニコチンを含みうる。多数の粒子は、約1~約20wt%のニコチンまたは約10~約20wt%のニコチン、または約5~15wt%のニコチンを含みうる。多数の粒子は、約1~約10wt%のニコチンまたは約5~約10wt%のニコチンを含みうる。
【0036】
多数の粒子は、約1~約10wt%のアミノ酸を含みうる。多数の粒子は、約3~約7wt%のアミノ酸を含みうる。多数の粒子は、約5wt%のアミノ酸を含みうる。粒子にアミノ酸、例えば特にL-ロイシンを追加することは、凝集または処理表面への接着を低減しうる。
【0037】
多数の粒子は、約60~約95wt%の糖を含みうる。多数の粒子は、約70~約90wt%の糖を含みうる。
【0038】
有用なニコチン粒子は、アミノ酸(ロイシン)、糖(トレハロース)、およびニコチン塩(乳酸ニコチン)を含む。ニコチン含有量は、約5~約15wt%または約9.5wt%としうる。ロイシン含有量は、約3~約7wt%または約5wt%としうる。酸とニコチンとのモル比は約1:1としうる。
【0039】
有用なニコチン粒子は、アミノ酸(ロイシン)、糖(トレハロース)、およびニコチン塩(クエン酸ニコチン)を含む。ニコチン含有量は、約5~約15wt%または約9.6wt%としうる。ロイシン含有量は、約3~約7wt%または約5wt%としうる。酸とニコチンとのモル比は約0.25:1としうる。
【0040】
有用なニコチン粒子は、アミノ酸(ロイシン)、糖(トレハロース)、およびニコチン塩(ピルビン酸ニコチン)を含む。ニコチン含有量は、約5~約15wt%または約9.8wt%としうる。ロイシン含有量は、約3~約7wt%または約5wt%としうる。酸とニコチンとのモル比は約0.6:1としうる。
【0041】
有用なニコチン粒子は、アミノ酸(ロイシン)、糖(トレハロース)、およびニコチン塩(アスパラギン酸ニコチン)を含む。ニコチン含有量は、約5~約15wt%または約9.3wt%としうる。ロイシン含有量は、約3~約7wt%または約5wt%としうる。酸とニコチンとのモル比は約0.6:1としうる。
【0042】
粒子は、次によって形成されうる。(1)ニコチン、および随意的に糖およびアミノ酸またはペプチドを液体担体中で混合して液体混合物を形成し、(2)液体混合物を噴霧乾燥して、約0.5~約10マイクロメートルの範囲または約0.5~約5マイクロメートルの範囲のサイズを有する第一の多数の粒子を形成し、(3)第一の多数の粒子を粉砕して第二の多数の粒子を形成する。粉砕ユニット操作は、粒子のサイズを減少させる液体エネルギー粉砕ユニット操作であることが好ましい。
【0043】
噴霧乾燥をしてから粉砕(特に液体エネルギー粉砕)することによってニコチンを含む粒子を準備することは、吸入体験を向上するか、または知覚される粗雑さや、噴霧乾燥されたニコチン粒子の吸入に伴う咳反射を軽減または低減することがこれまでに分かっている。下の実施例は、噴霧乾燥されて、さらに粉砕されたニコチン粒子(メントールなどの鎮咳剤を含まない)の吸入中に知覚される感覚が都合の良いことに、5%メントール鎮咳剤を含む、噴霧乾燥された粉砕されていないニコチン粒子に匹敵することを図示したものである。
【0044】
多数の粒子は、鎮咳剤材料を含まなくてもよい。多数のニコチン粒子は、5重量パーセント未満、または1重量パーセント未満、または0.1重量パーセント未満の鎮咳剤(メントールなど)を含んでもよく、または鎮咳剤(メントールなど)を含まなくてもよい。
【0045】
液体担体は、例えば水でもよい。液体混合物は流動性を有する。液体混合物は、アトマイゼーションノズルまたはアトマイザーノズルを通って流れて第一の多数の粒子を形成するように構成されている。それから、本明細書に記載の通り、第一の多数の粒子は、液体エネルギー粉砕されて第二の多数の粒子の正確なサイズ分布を形成する。
【0046】
本明細書に記載の多数の粒子は、乾燥粉末の組成を形成し、消費用にパッケージ化されてもよい。本明細書に記載の粒子は、乾燥粉末の組成を形成し、吸入送達消耗要素内にパッケージ化されてもよく、または吸入送達消耗要素内に含まれてもよい。吸入送達消耗要素は、例えばカプセルでもよい。カプセルは、乾燥粉末吸入器などの吸入装置内に配置されることによるものでもよい。吸入装置がカプセルを刺し通してもよく、また粒子は吸入空気に混入されて、消費者の肺へと送達されてもよい。
【0047】
本明細書に記載の多数の粒子または乾燥粉末の組成、および吸入送達消耗要素は、担体粒子を含まないか、または実質的に含まなくてもよい。本明細書に記載の多数の粒子および吸入送達消耗要素は、約20マイクロメートルを超える、または約50マイクロメートルを超える、または約100マイクロメートルを超える粒子を含まないか、または実質的に含まなくてもよい。
【0048】
本明細書に記載の多数の粒子は、結果的に製品損失が減少されうる(従来的なニコチン粒子と比較して)低い温度で処理されてもよい。噴霧乾燥の入口温度および出口温度は低くされてもよい。噴霧乾燥アトマイゼーション圧力は、約3~約7バール、または4~約6バールの範囲、または約5バールとしうる。
【0049】
噴霧乾燥の入口温度は、約140℃以下、または約135℃以下、または約130℃以下、または約100~約150℃の範囲、または約110~約140℃の範囲、または約125~約135℃の範囲としうる。噴霧乾燥の出口温度は、約100℃以下、または約95℃以下、または約90℃以下、約85℃以下、または約80℃以下、または約30~約90℃の範囲、または約40~約90℃の範囲、または約50~約85℃の範囲としうる。
【0050】
第二の多数の粒子は、噴霧乾燥ユニット操作によって形成された第一の多数の粒子を液体エネルギー粉砕することによって形成されうる。第一の多数の粒子は、第一の多数の粒子を相互に衝突させて第二の多数の粒子または粒子を形成することによって、液体エネルギー粉砕機で処理されうる。
【0051】
第一の多数の粒子(噴霧乾燥プロセスによって形成)は、約50℃以下、または約40℃以下、または約30℃以下、約20℃以下、または約10℃以下、または約-20~約40℃の範囲、または約-10~約30℃の範囲、または約0~約30℃の範囲の温度で液体エネルギー粉砕されうる。
【0052】
液体エネルギー粉砕による微粉化は、低めの温度での液体エネルギー粉砕によって増大されうる。粒子は低めの温度で、より脆くなる傾向があってもよく、従って粉砕された粒子が低めの温度で、より小さくなる傾向があるように、より簡単に破砕されてもよい。第一の多数の粒子(噴霧乾燥プロセスによって形成)は、室温より低い温度、好ましくは約20℃より低い温度、または約10℃より低い温度、または約0℃より低い温度で、液体エネルギー粉砕されうる。
【0053】
液体エネルギー粉砕は、約0.1~約12バールの粉砕圧力または研削圧力で実行されうる。圧力を変化させることは、微粉化の量を制御することを可能にする。粉砕圧力は、約1~約7バール、または約2~約6バール、または約3~約5バールの範囲、または約4バールとしうる。粒子供給圧力は粉砕圧力より大きくてもよい。供給圧力は、約5~約13バール、または約5~約10バール、または約6~約8バールの範囲、または約7バールとしうる。
【0054】
液体エネルギー粉砕は、異なる圧力での粉砕の有益な効果を組み合わせるために、2段階以上で実行されてもよい。多数の工程を使用することによって、特定の吸入装置に合わせて、または肺の特定の部分を標的にして、液体エネルギー粉砕された粒子の属性を変更できるようにしてもよい。
【0055】
添加物材料は、第一の多数の粒子と組み合わせて、および液体エネルギー粉砕機内で処理することができる。添加物材料を第一の多数の粒子と混合する工程は、「共ジェット(co-jet)または共液体(co-fluid)エネルギー」粉砕と呼ばれうる。粉砕圧力によっては、添加物は粒子を覆いうる。
【0056】
液体エネルギー粉砕機は、任意の有用なタイプの液体エネルギー粉砕機としうる。有用な液体エネルギー粉砕機は、例えばAtritor M3 Spiralジェット粉砕機、AS50 Spiralジェット粉砕機、MC50 Hosakawa Microniser、その他のスパイラルジェット粉砕機、パンケーキジェット粉砕機または向かい合った流体床ジェット粉砕機を含む。液体エネルギー粉砕機の供給レートは、粉砕機のサイズによって異なる。小型のスパイラルジェット粉砕機は、例えば約1~約4 g/分の供給レートを使用してもよく、一方で工業規模の粉砕機は、キログラム/時間程度の供給レートを有することになる。下記の実施例は、Atritor M3 Spiralジェット粉砕機を利用したものである。この液体エネルギー粉砕機は、約90%を超える製品収量または約10%未満の製品損失を提供する。
【0057】
流体ジェット粉砕された粒子の属性は、ある程度において、流体ジェット粉砕ユニット操作に変更を加えることによって、変更または調節してもよい。例えば、微粉化の度合いは、流体ジェット粉砕機で使用されるジェットの数を変更することによって調整されてもよく、またはそれらの向き、すなわち、位置付けられている角度を調節することによって調整されてもよい。
【0058】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0059】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0060】
本明細書で使用される「または」は一般的に、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0061】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0062】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定のメリットをもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、粒子135の形成の例証となる方法100の概略的流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
方法100は、ニコチン102、糖104、およびアミノ酸またはペプチド106を液体担体中で混合して、ブロック110で液体混合物115を形成する工程を含む。次に、ブロック120で、液体混合物115は、噴霧乾燥されて第一の多数の粒子125を形成する。次に、第一の多数の粒子125は、ブロック130で粉砕(例えば、液体エネルギー粉砕)されて、第二の多数の粒子135を形成する。
【実施例
【0065】
すべての実施例(表3の実施例を除く)は、ニコチン塩基および酸を水中で(特定の比で)混合して、安定したニコチン塩溶液を形成することによって公式化される。次に、糖およびアミノ酸(ロイシン)が、ニコチン塩溶液と混合されて液体混合物が形成される。次に、液体混合物は噴霧化・乾燥されて、乾燥粒子を形成し、この乾燥粒子が回収されて乾燥粉末の組成を形成する。
【0066】
表3の実施例は、ニコチン遊離塩基を糖およびアミノ酸(ロイシン)と混合して液体混合物を形成することによって公式化される。次に、液体混合物は噴霧化・乾燥されて、乾燥粒子を形成し、この乾燥粒子が回収されて乾燥粉末の組成を形成する。
【0067】
噴霧乾燥器は、Buchi B-290噴霧乾燥器(Buchi Corp.(米国デラウエア州)から入手可能)であった。液体混合物が、2ml/分の流量、5バールのアトマイゼーション圧力で噴霧乾燥器に供給された。出口温度は、トレハロースを利用した実施例では、約80℃であった。下記の表1は、乳酸ニコチン粉末製剤を説明するものである。下記の表2は、ピルビン酸ニコチン粉末製剤を説明するものである。下記の表3は、酸を含まないニコチン粉末製剤を説明するものである。表4は、各実施例の粒子サイズ分布を報告するものである。
【表1】

【表2】

【表3】


【表4】

10は、体積比で10%の粒子がこのサイズ未満である粒子のサイズを意味する。
50は、体積比で50%の粒子がこのサイズ未満である粒子のサイズを意味する。
90は、体積比で90%の粒子がこのサイズ未満である粒子のサイズを意味する。
VMDは体積平均径を意味する。
本明細書に記載の粒子サイズ分布は、Sympatecのレーザーサイジング、Andersen Cascade Impactation、および走査型電子顕微鏡によって決定された。
【表5】
【0068】
液体エネルギー粉砕の例
以下の実施例は、上述の通り公式化される。実施例5は、エタノールで溶解され、液体混合物に追加された5%wtのメントールを含む。実施例6はメントールを含まない。
【0069】
液体混合物は噴霧乾燥器で噴霧化・乾燥されて、乾燥粒子を形成し、その後この乾燥粒子が液体エネルギー粉砕されて乾燥粉末の組成を形成する。
【0070】
噴霧乾燥器は、Buchi B-290噴霧乾燥器(Buchi Corp.(米国デラウエア州)から入手可能)であった。液体混合物が、2ml/分の流量、5バールのアトマイゼーション圧力で噴霧乾燥器に供給された。出口温度は、トレハロースを利用した実施例では、約80℃であった。
【0071】
液体エネルギー粉砕機は、Atritor M3液体エネルギー粉砕機(Atritor Limited(英国)から入手可能)であった。粉砕機への供給レートは約3グラム/分であり、圧縮空気駆動型ベンチャーフィードを約7バールの圧力、および約4バールの粉砕圧力、室温で使用した。実施例5は粉砕されて、実施例5Mを生成し、また実施例6は粉砕されて実施例6Mを生成した。
【表6】
【0072】
次に、実施例5および実施例6は、上述の通り液体エネルギー粉砕された。液体エネルギー粉砕の前、実施例6は、呼吸可能な粒子の割合が52%であった(吸入中に肺に到達可能)。液体エネルギー粉砕の後、実施例6は、呼吸可能な粒子の割合が70%であった(吸入中に肺に到達可能)。
【表7】
【0073】
表8は、噴霧乾燥および液体エネルギー粉砕の直後(t=0)および7日目(t=7)の粒子サイズ分布を報告するものである。貯蔵条件は、7日間で40℃および75%相対湿度(RH)であった。
【表8】
【0074】
実施例5および実施例6および実施例6Mについて、専門家パネルテストが実施された。実施例6Mおよび実施例5は、実施例6と比較して、知覚される吸入感が実質的に同一であると見なされた。
図1