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特許7583772取引支援システム、取引支援方法、および取引支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】取引支援システム、取引支援方法、および取引支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20241107BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241107BHJP
【FI】
G06Q20/38 318
G06Q30/0601
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022158619
(22)【出願日】2022-09-30
(65)【公開番号】P2024052121
(43)【公開日】2024-04-11
【審査請求日】2022-09-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100208524
【弁理士】
【氏名又は名称】小曳 満昭
(72)【発明者】
【氏名】福岡 将太
(72)【発明者】
【氏名】坂東 美希
(72)【発明者】
【氏名】有賀 竣哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰夫
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】木方 庸輔
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0064067(KR,A)
【文献】「Di-Signが生み出すサインの可能性」コネクテッド・インク2021(株式会社ワコム主催),[online],2021年11月17日,[検索日2022年12月28日],インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=fzv7cABwF4c>
【文献】「唯一サインデータの生成・管理・活用に関する共同プロジェクト「Di-Sign(ディサイン)」を発表」,[online],2021年11月19日,[検索日2022年12月28日], インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000087643.html>
【文献】「動画に“直筆サイン”書ける「LIVE Sign.」NFTと連携も 電通」,[online],2021年7月15日,[検索日2022年12月28日],インターネット<URL:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/15/news138.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付け、
前記発行操作において入力された前記クリエイターの手書き電子署名を取得し、
記クリエイターに関する情報であるラベルを対象としてNFTを発行し、
前記NFTには前記手書き電子署名が付与されており、
前記NFTと前記手書き電子署名とが一対一に対応している、
取引支援システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記クリエイターの活動、ジョブ、タグ、分野およびキーワードの少なくともいずれかを前記ラベルとして前記NFTを発行する、請求項1に記載の取引支援システム。
【請求項3】
少なくとも一つのプロセッサを備える取引支援システムによって実行される取引支援方法であって、
コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付けることと、
前記発行操作において入力された前記クリエイターの手書き電子署名を取得することと、
記クリエイターに関する情報であるラベルを対象としてNFTを発行することと、を含み、
前記NFTには前記手書き電子署名が付与されており、
前記NFTと前記手書き電子署名とが一対一に対応している、
取引支援方法。
【請求項4】
コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付けることと、
前記発行操作において入力された前記クリエイターの手書き電子署名を取得することと、
記クリエイターに関する情報であるラベルを対象としてNFTを発行することと、をコンピュータに実行させ、
前記NFTには前記手書き電子署名が付与されており、
前記NFTと前記手書き電子署名とが一対一に対応している、
取引支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は取引支援システム、取引支援方法、および取引支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツの取引に関する仕組みが知られている。例えば、特許文献1には、有体物のリアルカードと電子データのデジタルカードとを対応付けて所有権を管理するシステムが記載されている。特許文献2には、コンテンツに所有者の名前を表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-079884号公報
【文献】特許第7058898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンテンツのクリエイターを支援するための仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る取引支援システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付け、発行操作において入力されたクリエイターの手書き電子署名を取得し、手書き電子署名が付与されたNFTを発行する。NFTと手書き電子署名とが一対一に対応している。
【0006】
このような側面においては、NFTとクリエイターの手書き電子署名とが一対一に対応している。これにより、NFTの価値が担保される。クリエイターを支援したい人に対し、NFTを取引するインセンティブが働くため、取引の活発化が図られる。このようなNFTおよび該NFTの取引に係る需要は、クリエイター自身の人気向上を支援し得る。その結果、コンテンツのクリエイターを支援するための環境を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、コンテンツのクリエイターを支援するための環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】取引支援システムにおける取引の一例を示す概略図である。
図2】取引支援システムの適用の一例を示す図である。
図3】取引支援システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】取引支援システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
図5】取引支援システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】マスターNFTの表示の一例を示す図である。
図7】取引支援システムの動作の別の例を示すシーケンス図である。
図8】取引支援システムの動作のさらに別の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
実施形態に係る取引支援システムは、コンテンツのクリエイターを支援するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報のことをいう。コンテンツの表現形式は限定されず、コンテンツは画像(例えば、写真、映像など)によって表現されてもよい。コンテンツは、例えばオンデマンド配信またはライブ配信(生放送)によって提供されてもよい。クリエイターとは、様々な活動をコンテンツとして作成する人または組織である。活動としては、歌唱、ダンス、演奏、イラストおよびゲーム(操作または実況)等が挙げられる。一例として、クリエイターは、歌唱の動画像をコンテンツとして作成する。
【0011】
取引支援システムは、非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)として、第1のNFTおよび第2のNFTを発行する。第1のNFTおよび第2のNFTは、公知の電子商取引プラットフォーム(以下、「マーケットプレイス」という)または個人間の売買等における取引の対象である。第1のNFTおよび第2のNFTは、表示装置上に表示可能な電子データであり、例えばデジタルトレーディングカードである。以下、第1のNFTを「マスターNFT」といい、第2のNFTを「記念NFT」という。
【0012】
マスターNFTは、クリエイターを対象として発行される。例えば、マスターNFTは、クリエイターに関する任意の情報(以下、「ラベル」という。)を対象として発行される。ラベルとしては、例えば活動、ジョブ、タグ、分野およびキーワードが挙げられるがこれらに限られない。一例では、マスターNFTは、クリエイターの活動を対象として発行される。「クリエイターの活動を対象として」は、個別のコンテンツそのものではなく、過去のコンテンツおよび将来のコンテンツを作成するためのクリエイターの活動を含む概念である。活動を対象として発行されたマスターNFTは、クリエイターの活動を辿ることが可能である。例えば、マスターNFTは、特定のクリエイターがコンテンツを配信するチャンネル(クリエイターの配信チャンネル)において、特定の活動に対応するコンテンツの一覧(例えばプレイリスト)へのアクセスを可能とする。マスターNFTは、同一のラベルについて複数回発行され得る。マスターNFTには、クリエイターの手書き電子署名が付与されている。マスターNFTと手書き電子署名とは、一対一に対応する。換言すると、手書き電子署名は、それぞれのマスターNFTに特有である。
【0013】
記念NFTは、クリエイターまたはコンテンツを対象として、マスターNFTに関連付けられて発行される。例えば、記念NFTは、マスターNFTが対象とするクリエイターについて、クリエイターの活動が所定の条件を満たした場合に発行される。記念NFTは、マスターNFTの所有者に配布される。マスターNFTおよび記念NFTは、互いに独立して売買可能である。
【0014】
マスターNFTの所有者は、マスターNFTの購入を通してクリエイターの活動を支援し、支援の見返りとして将来的な記念NFTの取得を期待できる。したがって、マスターNFTは、クリエイターとマスターNFTの所有者とのパートナーシップの証であると言える。以下、マスターNFTの所有者を「パートナー」という。
【0015】
図1は、取引支援システムにおける取引の一例を示す概略図である。処理F1において、クリエイターの手書き電子署名が付与されたマスターNFTが発行される。処理F2において、クリエイターがマスターNFTをマーケットプレイスに出品する。処理F3において、クリエイター以外の第三者がマスターNFTを購入する。マスターNFTを購入した人はパートナーになる。クリエイターは、マスターNFTの売買に伴う売上金の所定の割合を受け取る。処理F1~F3においては、第三者が発行前のマスターNFTを購入した後に、当該マスターNFTの実際のトークンが発行されてもよい。
【0016】
処理F4において、クリエイターの活動が所定の条件を満たす。一例として、クリエイターが歌唱の動画像をコンテンツとして作成している場合に、該コンテンツの再生回数が所定回数以上となる条件を満たす。このような節目は、活動の記念日と言える。処理F5において、記念NFTが発行され、パートナーに記念NFTが配布される。
【0017】
処理F6において、パートナーが記念NFTをマーケットプレイスに出品する。処理F7において、クリエイターおよびパートナー以外の第三者が記念NFTを購入する。パートナーは、記念NFTの売買に伴う売上金の所定の割合を受け取る。クリエイターは、記念NFTの売買に伴う所定のロイヤリティを受け取る。
【0018】
図1に示されるような取引においては、クリエイターの人気が向上すると、マスターNFTおよび記念NFTの人気も向上する。これにより、マスターNFTおよび記念NFTの取引価格および取引回数等も上がる可能性がある。
【0019】
[システムの構成]
図2は、取引支援システム1の適用の一例を示す図である。本実施形態では、取引支援システム1はサーバ10(取引支援サーバ)を備える。サーバ10は、マスターNFTおよび記念NFTの発行を管理するコンピュータである。サーバ10は、ネットワークNを介して複数のユーザ端末20、コンテンツサーバ30、ユーザデータベース40、NFTデータベース50および分散型台帳システム60と接続する。ネットワークNの構成は限定されない。例えば、ネットワークNはインターネットを含んで構成されてもよいし、イントラネットを含んで構成されてもよい。
【0020】
ユーザ端末20は、一人または複数人のユーザによって用いられるコンピュータである。ユーザとは、取引支援システム1を利用する人である。ユーザとしては、クリエイターおよびサーバ10を運営する企業の担当者等が挙げられる。ユーザ端末20の種類は限定されない。例えば、ユーザ端末20は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、ユーザ端末20はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。ユーザ端末20の個数は限定されない。
【0021】
コンテンツサーバ30は、クリエイターにより作成されたコンテンツを管理するコンピュータである。本実施形態のコンテンツは動画像である。コンテンツサーバ30は、例えば動画像を配信するWebサイトを提供する。例えば、コンテンツサーバ30は、クリエイターごとのコンテンツの配信チャンネル等を提供する。コンテンツサーバ30は、マスターNFTおよび記念NFTの画像を管理している。
【0022】
ユーザデータベース40は、ユーザに関する情報を記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。ユーザデータベース40は、ユーザ(例えばクリエイター)の属性情報を記憶する。属性情報は、ユーザに関する各種の情報であり、例えば、ユーザの識別子、年齢、性別、およびクリエイターのレベルを含んでいてもよい。クリエイターのレベルは、クリエイターの活動の度合いに基づいて決定される。例えば、クリエイターのレベルは、コンテンツの再生回数(視聴回数)、活動期間、クリエイターのフォロワー数、コンテンツの配信チャンネルの登録者数、およびコンテンツに対するコメント数等に基づいて決定されてもよく、これらの情報以外に基づいて決定されてもよい。クリエイターのレベルは、高いほど活動が活発であることを示してもよい。ユーザデータベース40は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。ユーザデータベース40の設置場所は限定されない。例えば、ユーザデータベース40は、取引支援システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0023】
NFTデータベース50は、マスターNFTおよび記念NFTのメタデータを記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。メタデータとしては、タイトル、説明文および画像のURI(Uniform Resource Identifier)等が挙げられる。タイトルは、マスターNFTの名称または記念NFTの名称を示す文字列等であり、例えばマーケットプレイスにおいて表示される。説明文は、マスターNFTまたは記念NFTの説明、あるいはコンテンツの説明を示す文字列等である。画像のURIは、例えばコンテンツサーバ30が管理するマスターNFTの画像または記念NFTの画像を参照するための情報である。NFTデータベース50は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。NFTデータベース50の設置場所は限定されない。例えば、NFTデータベース50は、取引支援システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。NFTデータベース50は、IPFS(InterPlanetary File System)により構成されていてもよい。
【0024】
分散型台帳システム60は、マスターNFTおよび記念NFTを発行するコンピュータシステムである。分散型台帳システム60は、ブロックチェーンによって分散型台帳を管理する。分散型台帳システム60は、例えばイーサリアムを用いて構築される。分散型台帳システム60は、ERC-721(Ethereum Request for Comments 721)の規格に準拠したマスターNFTおよび記念NFTを発行する。発行されたマスターNFTおよび記念NFTは、ブロックチェーン上に記録される。マスターNFTおよび記念NFTの売買を行うユーザは、分散型台帳システム60上のアカウントを取得している。例えば、クリエイターは分散型台帳システム60におけるコントラクトアドレスを有している。分散型台帳システム60上で発行されたNFTのそれぞれには、一意に特定可能なトークンIDが割り振られる。トークンIDは、発行者(例えばクリエイター)のコントラクトアドレスに関連付けられている。
【0025】
図3は、取引支援システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。図3は、サーバ10またはコンテンツサーバ30として機能するサーバコンピュータ100と、ユーザ端末20として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0026】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)である。主記憶部102は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶することが可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100をサーバ10として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。通信部104は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0027】
本実施形態では、取引支援プログラムはサーバプログラムP1として実装される。サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上にサーバプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、サーバ10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0028】
サーバ10は、一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、ネットワークNを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構成される。
【0029】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPUまたはGPUである。主記憶部202は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROMまたはRAMにより構成される。補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶することが可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200をユーザ端末20として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。通信部204は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置であり、例えば、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置であり、例えば、モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置を含んで構成される。撮像部207は、現実世界を写した画像(映像または写真)を撮影する装置であり、例えばカメラである。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0030】
ユーザ端末20の各機能要素は、対応するクライアントプログラムP2をプロセッサ201または主記憶部202に読み込ませてプロセッサ201にそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、ユーザ端末20の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。
【0031】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に非一時的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号としてネットワークNを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0032】
図4は、取引支援システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。サーバ10は、機能要素として取得部11、判定部12、格納部13および要求部14を備える。取得部11は、マスターNFTおよび記念NFTを生成するための情報を取得する機能要素である。判定部12は、マスターNFTおよび記念NFTの発行条件の成否を判定する機能要素である。格納部13は、マスターNFTおよび記念NFTのメタデータをNFTデータベース50に格納する機能要素である。要求部14は、マスターNFTおよび記念NFTの発行を分散型台帳システム60に要求する機能要素である。
【0033】
ユーザ端末20は、機能要素として入力部21および送信部22を備える。入力部21は、マスターNFTに関する情報の入力を受け付ける機能要素である。送信部22は、マスターNFTに関する情報をサーバ10に送信する機能要素である。
【0034】
[システムの動作]
図5を参照しながら取引支援システム1の動作を説明するとともに、取引支援方法の一例について説明する。図5は、取引支援システム1の動作を処理フローS1として示すシーケンス図である。処理フローS1は、マスターNFTの発行に関する処理を示す。処理フローS1において、ユーザ端末20はクリエイターによって操作される。
【0035】
ステップS11では、ユーザ端末20の入力部21が、マスターNFTの発行のトリガとなる発行操作を受け付ける。入力部21は、マスターNFTを生成するための様々な情報を指定する基本情報の入力を受け付ける。基本情報としては、色等のデザイン、ラベル、マスターNFTの価格および手書き電子署名等が挙げられる。基本情報には、自動的に取得されたクリエイターを示す画像であるアイコン、およびコンテンツである動画像のサムネイル画像等が含まれてもよい。入力部21は、例えばラベルを指定する情報の入力を受け付ける。ラベルは、複数の候補から選択されてもよい。例えば、入力部21は、活動、ジョブまたはタグ等に関する候補から選択を受け付けてもよい。一例では、入力部21は、修飾語(キーワード)およびジョブの候補から選択を受け付けてもよい。この場合、ラベルは、修飾語およびジョブを連結した文字列であってもよい。
【0036】
手書き電子署名は、例えばクリエイターの名称の手書き文字である。手書き電子署名の入力形式は、クリエイターの筆跡または癖が残る入力形式であればよい。例えば、手書き電子署名は、タブレット端末およびタッチペンを用いたサイン形式、マウスの操作、または指でなぞる操作等によって入力され得る。入力部21は、所望の発行枚数に対応して、手書き電子署名の入力を繰り返し受け付けてもよい。一例として、所望の発行枚数が3枚である場合、入力部21は、手書き電子署名の入力を3回受け付けてもよい。所望の発行枚数は、基本情報の入力操作の回数であってもよい。
【0037】
ステップS12では、ユーザ端末20の送信部22が、マスターNFTを発行する要求をサーバ10に送信する。発行要求には、ステップS11において入力された基本情報が含まれ得る。
【0038】
ステップS13では、サーバ10の取得部11が、マスターNFTを生成するための各種情報を取得する。例えば、取得部11は、ユーザ端末20から受信した要求に含まれる基本情報を取得する。取得部11は、ユーザデータベース40から、ユーザの識別子に関連付けられたクリエイターのレベルを取得する。
【0039】
この段階で、マスターNFTがマーケットプレイスに出品可能とされてもよい。ここでは、第三者がマーケットプレイスに出品されたマスターNFTを購入したとして説明する。取得部11は、マスターNFTの購入者であるパートナーに関する各種情報をマーケットプレイスまたはユーザ端末20等から取得してもよい。取得部11は、基本情報に基づいてマスターNFTの画像を生成し、該画像をコンテンツサーバ30に送信してもよい。
【0040】
ステップS14では、サーバ10の判定部12が、マスターNFTの発行条件の成否を判定する。マスターNFTの発行条件としては、所望の発行枚数が、マスターNFTの発行枚数の上限を超えているか否か等が挙げられる。マスターNFTの発行枚数の上限は、クリエイターのレベルに基づいて決定されてもよい。例えば、マスターNFTの発行枚数の上限は、クリエイターのレベルが高いほど大きく決定されてもよい。所望の発行枚数は、ここでは上限以内であるとして説明する。このようにして、判定部12は、マスターNFTの発行枚数をレベルに基づく上限に制限する。
【0041】
ステップS15では、サーバ10の格納部13が、マスターNFTのメタデータをNFTデータベース50に格納する。マスターNFTのメタデータは、タイトル、説明文および画像のURI等である。タイトルは、例えばクリエイターの名称、ラベルおよびNFTの種別に基づいて生成される。NFTの種別は、ここではマスターNFTを示す情報である。一例として、タイトルは、クリエイターの名称、ラベルおよびNFTの種別の文字列が連結されることによって生成される。
【0042】
ステップS16では、NFTデータベース50が、サーバ10から受信した要求に基づいてマスターNFTのメタデータを記憶する。
【0043】
ステップS17では、サーバ10の要求部14が、マスターNFTを発行する要求を分散型台帳システム60に送信する。要求には、マスターNFTの生成情報が含まれ得る。マスターNFTの生成情報としては、クリエイターのコントラクトアドレス、パートナーのアドレス、マスターNFTのメタデータのURIおよび手書き電子署名等が挙げられる。ここでのパートナーのアドレスは、分散型台帳システム60上のアカウントのアドレスである。マスターNFTのメタデータのURIは、NFTデータベース50に格納されたマスターNFTのメタデータを参照するための情報である。
【0044】
ステップS18では、分散型台帳システム60が、サーバ10から受信した要求に基づいてマスターNFTを発行する。マスターNFTには、手書き電子署名が付与される。マスターNFTには、マスターNFTのメタデータのURIが関連付けられている。マスターNFTのメタデータには、画像のURIが記録されている。したがって、マスターNFTは、マスターNFTのメタデータのURIを介して画像のURIを辿ることが可能である。
【0045】
マスターNFTの所有者は、分散型台帳システム60によって管理されている。具体的には、ブロックチェーン上にマスターNFTの所有者が記録されている。マスターNFTの所有者は、パートナーとして発行される。マスターNFTの売買がなされることにより、マスターNFTの所有者が移転する。売買の際に、クリエイターのコントラクトアドレスのトークンIDとパートナーのアドレスとが関連付けられる。
【0046】
サーバ10およびコンテンツサーバ30は、発行されたマスターNFTの情報を記憶してもよい。例えば、サーバ10およびコンテンツサーバ30は、マスターNFTの識別子、マスターNFTの所有者等の情報を同期または非同期で記憶してもよい。あるいは、サーバ10およびコンテンツサーバ30は、必要に応じてマスターNFTの情報を分散型台帳システム60から取得してもよい。サーバ10およびコンテンツサーバ30は、クリエイターごとに、マスターNFTの発行有無を記憶してもよい。
【0047】
図6は、実施形態に係るマスターNFT9の表示の一例を示す図である。マスターNFT9は、例えばマスターNFT9の所有者(パートナー)が用いるユーザ端末20の表示装置上に表示される。マスターNFT9は、画面要素としてクリエイターアイコン91、クリエイターの名称92、肩書き93、手書き電子署名94、背景95およびパートナーアイコン96を備える。
【0048】
クリエイターアイコン91には、クリエイターを示す画像が表示されている。クリエイターを示す画像は、例えばコンテンツサーバ30におけるクリエイターの配信チャンネル等に用いられる。クリエイターの名称92には、「Creator A」が表示されている。肩書き93には、修飾語「人類には早すぎた」およびジョブ「歌手」により構成されたラベル「人類には早すぎた歌手」が表示されている。肩書き93は、クリエイターにより選択された修飾語およびジョブを連結した文字列である。クリエイターの名称92は、肩書き93よりも大きく表示されてもよい。当該クリエイターは、「Creator A」という名称を用いて活動しており、一例として「人類には早すぎた歌手」という肩書きを有する。
【0049】
手書き電子署名94には、マスターNFT9に付与された手書き電子署名が表示されている。手書き電子署名94に表示された手書き電子署名は、筆跡または癖が残ったサインであることを示す。
【0050】
背景95には、クリエイターの活動を示す画像が表示されている。例えば、背景95は、クリエイターが作成したコンテンツに基づいて生成された画像である。一例として、背景95は、コンテンツである動画像のサムネイル画像に基づいて生成される。背景95に用いられるサムネイル画像は、更新が新しい順に選択された所定の数のサムネイル画像であってもよい。背景95は、クリエイターの活動を示す画像としてのサムネイル画像ではなく、イラスト等であってもよい。別の例では、背景95は、クリエイターの活動を示す画像に限られず、例えば規定のデザイン、色、またはそれらの組合せ等であってもよい。
【0051】
パートナーアイコン96には、パートナーを示す画像が表示されている。パートナーを示す画像を含むパートナーに関する情報は、コンテンツサーバ30により管理されていてもよい。マスターNFT9において、クリエイターアイコン91とパートナーアイコン96とが同時に表示される。これにより、マスターNFT9は、クリエイターとパートナーとのパートナーシップを視覚的に表現可能となる。パートナーアイコン96は、表示されなくてもよい。
【0052】
図7を参照しながら取引支援システム1の動作を説明するとともに、取引支援方法の別の例について説明する。図7は、取引支援システム1の動作を処理フローS2として示すシーケンス図である。処理フローS2は、記念NFTの発行に関する処理を示す。
【0053】
ステップS21では、コンテンツサーバ30が、クリエイターの活動の度合いを示す活動情報をサーバ10に送信する。活動情報としては、マスターNFTの識別子、コンテンツの再生回数、活動期間、クリエイターのフォロワー数、コンテンツの配信チャンネルの登録者数、およびコンテンツに対するコメント数等が挙げられる。例えば、コンテンツサーバ30は、マスターNFTが発行されている特定のクリエイターの特定の活動に関する活動情報をサーバ10に送信する。コンテンツサーバ30は、クリエイターの活動情報をサーバ10に定期的に送信してもよいし、クリエイターの活動の記念日等をトリガとして、クリエイターの活動情報をサーバ10に送信してもよい。
【0054】
ステップS22では、サーバ10の取得部11が、記念NFTを生成するための各種情報を取得する。例えば、取得部11は、コンテンツサーバ30から受信した活動情報を取得する。
【0055】
ステップS23では、サーバ10の判定部12が、記念NFTの発行条件の成否を判定する。記念NFTの発行条件としては、数量または期間により示される活動情報が、所定の閾値以上であること等が挙げられる。所定の条件としては、コンテンツの再生回数、活動期間、クリエイターのフォロワー数、コンテンツの配信チャンネルの登録者数、およびコンテンツに対するコメント数等がそれぞれに対応する所定の閾値以上であること等が挙げられる。一例として、判定部12は、コンテンツの再生回数が1万回以上であるか否かを判定してもよい。ここでは、活動情報が所定の条件を満たすとして説明する。
【0056】
ステップS24では、サーバ10の格納部13が、記念NFTのメタデータをNFTデータベース50に格納する。記念NFTのメタデータは、タイトル、説明文および画像のURI等である。タイトルは、例えばクリエイターの名称、ラベルおよびNFTの種別に基づいて生成される。NFTの種別は、ここでは記念NFTを示す情報である。
【0057】
ステップS25では、NFTデータベース50が、サーバ10から受信した要求に基づいて記念NFTのメタデータを記憶する。
【0058】
ステップS26では、サーバ10の要求部14が、記念NFTの発行を分散型台帳システム60に要求する。要求には、記念NFTの生成情報が含まれ得る。記念NFTの生成情報としては、クリエイターのコントラクトアドレス、パートナーのアドレス、記念NFTのメタデータのURIおよび手書き電子署名等が挙げられる。記念NFTのメタデータのURIは、NFTデータベース50に格納された記念NFTのメタデータを参照するための情報である。要求には、記念NFTの売買に伴う契約が含まれていてもよい。例えば、要求には、記念NFTの売買に伴うロイヤリティをクリエイターが受け取る契約が含まれていてもよい。
【0059】
ステップS27では、分散型台帳システム60が、サーバ10から受信した要求に基づいて記念NFTを発行する。記念NFTには、手書き電子署名が付与されていない。記念NFTには、記念NFTのメタデータのURIが関連付けられている。記念NFTのメタデータには、画像のURIが記録されている。したがって、記念NFTは、記念NFTのメタデータのURIを介して画像のURIを辿ることが可能である。記念NFTには、記念NFTの売買に伴うロイヤリティをクリエイターが受け取る契約が付与されていてもよい。この契約は、例えばイーサリアムのスマートコントラクトにより実装されてもよい。
【0060】
記念NFTの所有者は、分散型台帳システム60によって管理されている。具体的には、ブロックチェーン上に記念NFTの所有者が記録されている。処理フローS2において、発行当初の記念NFTの所有者は、マスターNFTの所有者と同一である。記念NFTの売買がなされることにより、記念NFTの所有者が移転する。売買の際に、クリエイターのコントラクトアドレスのトークンIDと記念NFTの所有者のアドレスとが関連付けられる。
【0061】
ステップS21に関連して、コンテンツサーバ30は、サーバ10から受信した要求に応答してクリエイターの活動情報をサーバ10に送信してもよい。例えば、コンテンツサーバ30は、特定のクリエイターの活動情報を取得する要求に応答して、該クリエイターの活動情報をサーバ10に送信してもよい。ステップS21およびS22に関連して、サーバ10またはコンテンツサーバ30は、活動情報に基づいてクリエイターのレベルを決定し、該クリエイターのレベルをユーザデータベース40に格納してもよい。
【0062】
図8を参照しながら取引支援システム1の動作を説明するとともに、取引支援方法の別の例について説明する。図8は、取引支援システム1の動作を処理フローS3として示すシーケンス図である。処理フローS3は、処理フローS1の前に実行され、マスターNFTの新規発行をリクエストする処理を示す。以下、マスターNFTの購入を希望するユーザのユーザ端末20を第1のユーザ端末といい、クリエイターのユーザ端末20を第2のユーザ端末という。
【0063】
ステップS31では、第1のユーザ端末が、マスターNFTの情報を検索条件の入力を受け付ける。検索条件としては、クリエイターの名称およびラベル等が挙げられるが、これらに限られない。
【0064】
ステップS32では、第1のユーザ端末が、コンテンツサーバ30に検索の要求を送信する。検索の要求には、検索条件が含まれ得る。
【0065】
ステップS33では、コンテンツサーバ30が、検索の要求に応答して、検索結果を第1のユーザ端末に送信する。第1のユーザ端末の表示装置上には、検索結果が表示される。検索結果は、例えば、検索条件で指定されたクリエイターの名称に対応するクリエイターを対象としてマスターNFTが発行されているか否かの情報であってもよい。検索結果は、ここではマスターNFTが発行されていないことを示す情報である。マスターNFTの発行有無は、コンテンツサーバ30によって管理されていてもよいし、分散型台帳システム60から取得してもよい。
【0066】
ステップS34では、第1のユーザ端末が、マスターNFTの発行に関する所望のリクエスト条件の入力を受け付ける。リクエスト条件は、どのようなマスターNFTを発行して欲しいかを示す条件である。リクエスト条件としては、例えばクリエイターの名称、ラベルに関する情報、およびマスターNFTの希望価格等が挙げられる。
【0067】
ステップS35では、第1のユーザ端末が、コンテンツサーバ30にリクエストを送信する。リクエストには、リクエスト条件が含まれ得る。
【0068】
ステップS36では、コンテンツサーバ30が、第2のユーザ端末にリクエストを送信する。第2のユーザ端末の表示装置上には、リクエストに含まれるリクエスト条件が表示される。
【0069】
処理フローS3は、処理フローS1の後に実行され、マスターNFTの出品をリクエストする処理であってもよい。例えば、処理フローS3において、第2のユーザ端末がマスターNFTの所有者のユーザ端末20であってもよい。ステップS33に関連して、検索結果は、マスターNFTが発行されていることを示す情報であってもよい。ステップS34に関連して、第1のユーザ端末が、マスターNFTの出品に関する所望のリクエスト条件の入力を受け付けてもよい。リクエスト条件としては、例えばクリエイターの名称、ラベルを特定する情報、マスターNFTの希望価格等が挙げられる。ステップS35およびS36に関連して、リクエスト条件を含むリクエストがコンテンツサーバ30を介して第2のユーザ端末に送信される。別の例では、ステップS31~S33が省略されてもよい。
【0070】
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係る取引支援システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付け、発行操作において入力されたクリエイターの手書き電子署名を取得し、手書き電子署名が付与されたNFTを発行する。NFTと手書き電子署名とが一対一に対応している。
【0071】
本開示の一側面に係る取引支援方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える取引支援システムによって実行される。取引支援方法は、コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付けることと、発行操作において入力されたクリエイターの手書き電子署名を取得することと、手書き電子署名が付与されたNFTを発行することと、を含む。NFTと手書き電子署名とが一対一に対応している。
【0072】
本開示の一側面に係る取引支援プログラムは、コンテンツのクリエイターによる発行操作を受け付けることと、発行操作において入力されたクリエイターの手書き電子署名を取得することと、手書き電子署名が付与されたNFTを発行することと、をコンピュータに実行させる。NFTと手書き電子署名とが一対一に対応している。
【0073】
このような側面においては、NFTとクリエイターの手書き電子署名とが一対一に対応している。これにより、NFTの価値が担保される。クリエイターを支援したい人に対し、NFTを取引するインセンティブが働くため、取引の活発化が図られる。このようなNFTおよび該NFTの取引に係る需要は、クリエイター自身の人気向上を支援し得る。その結果、コンテンツのクリエイターを支援するための環境を提供することができる。
【0074】
本開示の一側面に係る取引支援システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツのクリエイターにより入力され、クリエイターに関する情報を示すラベルを指定する情報を取得し、ラベルを対象としてNFTを発行する。
【0075】
本開示の一側面に係る取引支援方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える取引支援システムによって実行される。取引支援方法は、コンテンツのクリエイターにより入力され、クリエイターに関する情報を示すラベルを指定する情報を取得することと、ラベルを対象としてNFTを発行することと、を含む。
【0076】
本開示の一側面に係る取引支援プログラムは、コンテンツのクリエイターにより入力され、クリエイターに関する情報を示すラベルを指定する情報を取得することと、ラベルを対象としてNFTを発行することと、をコンピュータに実行させる。
【0077】
このような側面においては、クリエイターに関する情報を示すラベルを用いてNFTが発行される。NFTが特定のクリエイターを対象として発行されることが明確化される。NFTの取引を希望する人にとって、取引の目的が明確になるため、取引の活発化が図られる。このようなNFTおよび該NFTの取引に係る需要は、クリエイターの活動を促進し得る。その結果、コンテンツのクリエイターを支援するための環境を提供することができる。
【0078】
取引支援システムにおいて、少なくとも一つのプロセッサが、クリエイターの活動に基づいて決定されたレベルを取得し、レベルに基づいて、NFTの発行枚数の上限を決定し、NFTの発行枚数を上限に制限してもよい。すなわち、NFTの発行枚数がレベルに見合った発行枚数に調整される。換言すると、クリエイターの活動に連動してNFTの発行枚数の上限が変化する。これにより、クリエイターに対し、発行枚数の上限を上げるインセンティブが働く。
【0079】
取引支援システムにおいて、少なくとも一つのプロセッサが、ラベルに関する情報を含むNFTの発行に関するリクエスト条件をクリエイターの端末に送信してもよい。NFTの発行の際に、リクエスト条件を参考情報として用いることができるため、クリエイターの利便性が向上する。
【0080】
本開示の一側面に係る取引支援システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、第1のNFTが対象とするクリエイターについて、クリエイターの活動の度合いを示す活動情報を取得し、活動情報と所定の閾値とに基づいて発行条件を満たすかどうかを判定し、活動情報が発行条件を満たす場合に、第2のNFTを発行する。第2のNFTの発行当初において、第1のNFTの所有者と、第2のNFTの所有者とが同一である。
【0081】
本開示の一側面に係る取引支援方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える取引支援システムによって実行される。取引支援方法は、第1のNFTが対象とするクリエイターについて、クリエイターの活動の度合いを示す活動情報を取得することと、活動情報と所定の閾値とに基づいて発行条件を満たすかどうかを判定することと、活動情報が発行条件を満たす場合に、第2のNFTを発行することと、を含む。第2のNFTの発行当初において、第1のNFTの所有者と、第2のNFTの所有者とが同一である。
【0082】
本開示の一側面に係る取引支援プログラムは、第1のNFTが対象とするクリエイターについて、クリエイターの活動の度合いを示す活動情報を取得することと、活動情報と所定の閾値とに基づいて発行条件を満たすかどうかを判定することと、活動情報が発行条件を満たす場合に、第2のNFTを発行することと、をコンピュータに実行させる。第2のNFTの発行当初において、第1のNFTの所有者と、第2のNFTの所有者とが同一である。
【0083】
このような側面においては、第1のNFTの対象であるクリエイターに関し、該クリエイターの活動情報が所定の発行条件を満たす場合に、第1のNFTの所有者に関連付けて第2のNFTが発行される。すなわち、第1のNFTの所有者は、クリエイターの活動の度合いに従って発行された第2のNFTを取得することができる。これにより、第1のNFTの取引を希望する人に対し、第1のNFTを取引するインセンティブが働くため、取引の活発化が図られる。このような第1のNFTおよび該第1のNFTの取引に係る需要は、クリエイターの活動を促進し得る。その結果、コンテンツのクリエイターを支援するための環境を提供することができる。
【0084】
取引支援システムにおいて、少なくとも一つのプロセッサが、第2のNFTを発行する際に、第2のNFTの売買に伴うロイヤリティをクリエイターが受け取る契約を第2のNFTに付与してもよい。この場合、第2のNFTの売買が行われるとクリエイターの収益の機会が増加する。したがって、クリエイターに対し、第2のNFTの発行を促進するためにクリエイターの活動の度合いを向上させるインセンティブが働く。
【0085】
取引支援システムにおいて、第1のNFTには、クリエイターの手書き電子署名が付与されていてもよい。少なくとも一つのプロセッサが、クリエイターの手書き電子署名を第2のNFTに付与することなく、第2のNFTを発行してもよい。この場合、第1のNFTと第2のNFTとが手書き電子署名の付与有無により差別化される。第のNFTまたは第2のNFTの取引を希望する人にとって、取引の目的が明確になる。これにより、購入希望者のニーズに沿った取引が可能となる。
【0086】
[変形例]
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0087】
上記実施形態では、サーバ10およびユーザ端末20が別のコンピュータであるとして説明したが、同一のコンピュータまたは同一のコンピュータシステムであってもよい。この場合、クリエイター等が分散型台帳システム60に直接アクセスしてマスターNFT等の発行を行うことができる。別の例では、サーバ10、コンテンツサーバ30およびNFTデータベース50が同一のコンピュータまたは同一のコンピュータシステムであってもよい。この場合、取引支援システム1におけるデータの管理が容易になる。
【0088】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念である。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念である。
【0089】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0090】
本明細書で述べた各機能部の任意の一部または全部がプログラムによって実現されてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0091】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本開示についての追加の効果または種々の変形例を想到できるかもしれないが、本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨とを逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0092】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材。以下同じ)として説明される構成(これは、図面において1台の装置として描かれている構成を含む)が、複数の装置によって実現されもよい。あるいは、本明細書において複数の装置として説明される構成(これは、図面において複数の装置として描かれている構成を含む)が1台の装置によって実現されてもよい。あるいは、或る装置(例えばサーバ)に含まれる手段または機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれてもよい。
【0093】
本明細書に記載された事項のすべてが必須の要件というわけではない。例えば、本明細書に記載されているが特許請求の範囲に記載されていない事項は、任意の付加的事項ということができる。
【0094】
本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄に記載された公知技術を知っているにすぎない。本開示は必ずしもその公知技術における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本開示において解決しようとする課題は、本明細書の全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果に対応する課題が解決されるということもできる。しかし、その効果に関する記載は必ずしも、そのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0095】
1…取引支援システム、10…サーバ、11…取得部、12…判定部、13…格納部、14…要求部、20…ユーザ端末、21…入力部、22…送信部、30…コンテンツサーバ、40…ユーザデータベース、50…NFTデータベース、60…分散型台帳システム、N…ネットワーク、P1…サーバプログラム、P2…クライアントプログラム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8