(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20241107BHJP
A61B 5/374 20210101ALN20241107BHJP
【FI】
A61B5/055 380
A61B5/055 390
A61B5/055 311
A61B5/374
(21)【出願番号】P 2022512387
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2020073150
(87)【国際公開番号】W WO2021037617
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-17
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フレーシュナー ニック
(72)【発明者】
【氏名】エワルド アーネ
(72)【発明者】
【氏名】ラメリッチ ルドルフ マティアス ヨハネス ニコラース
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-173887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0046473(US,A1)
【文献】特表2018-521830(JP,A)
【文献】特開平11-056810(JP,A)
【文献】特表2008-510560(JP,A)
【文献】特開2007-054138(JP,A)
【文献】特開2004-033673(JP,A)
【文献】特開2016-195775(JP,A)
【文献】特開2010-110631(JP,A)
【文献】特開2018-033974(JP,A)
【文献】Silvina G Horovitz et al.,Low frequency BOLD fluctuations during resting wakefulness and light sleep: a simultaneous EEG-fMRI study,Human Brain Mapping,2008年,Vol. 29, No. 6,p.671-682,<検索日:2024.02.26>, <DOI: 10.1002/hbm.20428.>, <URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6871022/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05 - 5/055、 5/24 - 5/398、
インターネット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムであって、前記システムが、
入力ユニットと、
磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスと、
脳波検査(EEG)データ取得デバイスと
処理ユニットと
を含み、
前記入力ユニットが、1つ又は複数のタスクに関連する情報を患者に提供し、前記1つ又は複数のタスクに関連する情報が、一定期間にわたって前記患者に提供され、
前記MRIデバイスが、前記患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得し、前記fMRIデータが、前記一定期間にわたって取得され、
前記EEGデバイスが、前記患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得し、前記EEGデータが、前記一定期間にわたって取得され、
前記処理ユニットが、前記一定期間
中、前記1つ又は複数のタスクに関連する前記情報
と前記EEGデータ
とを利用して、
前記患者が少なくとも1つのタスクを順守していない少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定し
及び前記少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたる前記fMRIデータの取得に関連するアクションを決定し、前記決定され
るアクションは、前記患者が前記少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって
前記少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトの提供を含み
、前記プロンプトが、
前記一定期間中、前記患者及び/又は前記システムのオペレータに提供され、前記決定され
るアクションは、前記患者が
前記少なくとも1つのタスクを順守していなかったときのデータとしての、前記第1のサブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータの識別を含む、システム。
【請求項2】
前記処理ユニットが、前記一定期間
中、前記1つ又は複数のタスクに関連する前記情報と前記EEGデータとを利用して、
前記患者が少なくとも1つのタスクを順守している少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定し、前記処理ユニットは、前記患者が
前記少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとしての、前記第2のサブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータの識別を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記入力ユニットが、視覚表示ユニット(VDU)を含み、前記1つ又は複数のタスクに関連する情報の提供は、前記患者が注視又は見るように要求されるビデオ又は写真の前記VDUへの表示を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又は複数のタスクに関連する前記情報と前記EEGデータとの前記処理ユニットによる利用は、前記患者が前記ビデオを注視しているか又は前記写真を見ているという決定を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記患者がビデオを注視しているか又は前記写真を見ているという前記決定が、前記患者の視覚的注意力のレベルを決定するための前記EEGデータの分析を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者が前記ビデオを注視しているか又は前記写真を見ているという前記決定が、
患者の視覚野のアルファパワーに対する前記EEGデータの分析を含む、請求項3から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法であって、前記方法が、
a)入力ユニットによって、1つ又は複数のタスクに関連する情報を患者に提供するステップであって、前記1つ又は複数のタスクに関連する情報が、一定期間にわたって前記患者に提供される、提供するステップと、
b)磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスによって、前記患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得するステップであって、前記fMRIデータが、前記一定期間にわたって取得される、取得するステップと、
c)脳波検査(EEG)デバイスによって、前記患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するステップであって、前記EEGデータが、前記一定期間にわたって取得される、取得するステップと、
d)処理ユニットによって、
前記一定期間中、前記1つ又は複数のタスクに関連する前記情報と前記EEGデータとを利用し
て、
前記患者が少なくとも1つのタスクを順守していない少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定するステップと、
f)前記処理ユニットによって、
前記一定期間中、前記少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたる前記fMRIデータの取得に関連するアクションを決定するステップと
を有し、ステップf)は、前記患者が前記少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって
前記少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトを提供するステップを有し、ステップf)は
、前記プロンプトを、
前記一定期間中、前記患者及び/又は前記
磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスのオペレータに提供するステップを有し、ステップf)は、前記患者が
前記少なくとも1つのタスクを順守し
ていなかったときのデータとして、前記第1のサブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータを識別するステップを有する、方法。
【請求項8】
前記方法が、e)前記処理ユニットによって、
前記一定期間中、前記1つ又は複数のタスクに関連する前記情報と前記EEGデータとを利用して、
前記患者が少なくとも1つのタスクを順守している少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定するステップを有し、前記方法が、g)前記処理ユニットによって、前記患者が前記少なくとも1つの第2のサブセット期間にわたって
前記少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとして、前記第2のサブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータを識別するステップを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムであって、前記システムが、
磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスと、
脳波検査(EEG)データ取得デバイスと
処理ユニットと
を含み、
前記MRIデバイスが
、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得し、前記fMRIデータが、一定期間にわたって取得され、
前記EEGデバイスが、前記患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得し、前記EEGデータが、前記一定期間にわたって取得され、
前記処理ユニットが、前記一定期間
中、前記EEGデータを利用して、
前記患者が少なくとも1つのタスクを順守していない少なくとも1つのサブセット期間を決定し、
前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたる前記fMRIデータの取得に関連するアクションを
前記一定期間中に決定し、前記決定され
るアクションが、前記患者が眠っていたときのデータとしての前記サブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータの識別、又は前記患者が目覚めていたときのデータとしての前記サブセット期間にわたる前記関連するfMRIデータの識別を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステム及び機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)は、血流の検出による脳活動と、脳及び脊柱の血流と脳活動とがリンクされている場所とを測定する。血液酸素レベル依存(BOLD)コントラスト信号が頻繁に使用され、人間又は他の動物の脳又は脊髄の神経活動が、脳細胞によるエネルギー使用に関連する血流の変化(血行動態応答)をイメージングすることによってマッピングされる。fMRIには、患者が手術を受ける必要がなく、又は放射線量にさらされる必要がないという利点がある。しかしながら、この技法はノイズの影響を受ける。
【0003】
S.G. Horovitzら、Hum Brain Mapp 29:671-682 2008には、人間の脳の最近の血液酸素化レベル依存機能的MRI(BOLD fMRI)研究により、外部刺激がない場合、時間的に相関する信号変動の特徴的パターンの形態で活動が持続することが示されていることが記載されている。この研究において、著者らは、眠気及び睡眠などの意識の低下の状態中の自発的BOLD信号変動を調査した。この目的のために、著者らは、安静時の覚醒から浅い(徐波でない)睡眠までの様々なレベルの意識の間正常な対象者にBOLD fMRIを実行した。睡眠の深さは、同時に取得されたEEGデータに基づいて決定された。浅い睡眠の間、BOLD信号の変動レベルの著しい増加がいくつかの皮質野で観察され、その中で、視覚野が最も際立っていた。デフォルトモードネットワークに関連する脳領域間の相関が浅い睡眠の間持続した。著者らにより、これらの結果は、デフォルトモードネットワーク及び一次感覚野などの区域の活動が、BOLD fMRI変動から測定されるように、覚醒に典型的な意識のレベルを必要としないことを示唆していることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
fMRIを使用して、例えば、患者が行うべきタスクが与えられているとき、患者によって実行されている間中又はその間に、ニューロンの活動をモニタする。しかしながら、fMRIデータが典型的であるためには、患者がテスト又はタスクを順守しなければならない。
【0005】
これらの問題に対処する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
機能的磁気共鳴画像データ取得のための改善された技法を有することは有利である。
【0007】
本発明の目的は独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態が従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に記載される態様及び例はまた、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステム、及び機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法に適用されることに留意されたい。
【0008】
第1の態様において、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムが提供され、このシステムは、
入力ユニットと、
磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスと、
脳波検査(EEG)データ取得デバイスと
処理ユニットと
を含む。
【0009】
入力ユニットは、タスクベース情報を患者に提供するように構成され、タスクベース情報は、一定期間にわたって広がる。MRIデバイスは、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得するように構成される。fMRIデータは、一定期間にわたって広がる。EEGデバイスは、患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するように構成される。EEGデータは、一定期間にわたって広がる。処理ユニットは、一定期間にわたって広がるタスクベース情報及び一定期間にわたって広がるEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するように構成される。
【0010】
言い換えれば、fMRIコンパチブルであるEEGデバイスを利用してリアルタイムデータを提供し、リアルタイムデータがリアルタイムで容易に分析されて、患者がタスクを順守しているかどうかが決定される。これにより、患者がタスクを順守していないときに取得されたfMRIデータの識別が可能になり、特定の期間にわたるそのデータをfMRI分析に関してマークすることが可能になり、さらに、患者がタスクを正しく続けるようにプロンプトすることが可能になる。さらに、患者がタスクを順守しているときに有効に取得されたfMRIデータが識別され、それにより、有効な特定の期間にわたるこのfMRIデータをさらに分析することが可能になる。次いで、患者が順守していなかった期間にマークされたfMRIデータは廃棄される。しかしながら、非順守の期間中のfMRIデータ自体は、患者が順守していたときのfMRIデータと比較することができる。
【0011】
このようにして、改善されたタスクベースfMRIシステムが提供される。
【0012】
患者に提供されるタスクベース情報は、例えば、ビデオを注視すること又は絵画若しくは写真を見ることなどの視覚的タスク、ビデオあり若しくはビデオなしの聴覚的タスク、又は指を軽くたたくか若しくは他の運動タスクを実行するように要求することなどのタスクに関連する。
【0013】
タスクベース情報は、患者が安静になるか又は安静状態に入り、さらに眠りにつくような要求であり、タスクベース情報は、活動的であり、注意深くしており、眠りにつかないような要求である。このように、タスクの順守は、安静状態であることもあり、活動状態であることもある。
【0014】
一例では、決定されたアクションは、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトの提供を含む。
【0015】
一例では、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトが、患者及び/又はシステムのオペレータに提供される。
【0016】
一例では、決定されたアクションは、患者が少なくとも1つのタスクを順守していなかったときのデータとしての、第1のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を含む。
【0017】
一例では、処理ユニットは、一定期間にわたるタスクベース情報及びEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、患者が少なくとも1つの第2のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとしての、第2のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を決定するように構成される。
【0018】
一例では、入力ユニットは、視覚表示ユニット(VDU)を含み、タスクベース情報の提供は、患者が注視又は見るように要求されるビデオ又は写真のVDUへの表示を含む。
【0019】
一例では、処理ユニットによるタスクベース情報及びEEGデータの利用は、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定を含む。
【0020】
一例では、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定は、患者の視覚的注意力のレベルを決定するためのEEGデータの分析を含む。
【0021】
一例では、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定は、視覚野のアルファパワーに対するEEGデータの分析を含む。
【0022】
第2の態様において、機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法が提供され、この方法は、
a)入力ユニットによって、タスクベース情報を患者に提供するステップであって、タスクベース情報が、一定期間にわたって広がる、提供するステップと、
b)磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスによって、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得するステップであって、fMRIデータが、一定期間にわたって広がる、取得するステップと、
c)脳波検査(EEG)デバイスによって、患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するステップであって、EEGデータが、一定期間にわたって広がる、取得するステップと、
d)処理ユニットによって、タスクベース情報及びEEGデータを利用し、一定期間にわたって少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定するステップと、
f)処理ユニットによって、少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するステップと
を有する。
【0023】
一例では、ステップf)は、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトを提供するステップを有する。
【0024】
一例では、ステップf)は、患者が少なくとも1つのタスクを順守していなかったときのデータとして、第1のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータを識別するステップを有する。
【0025】
一例では、この方法は、処理ユニットによって、一定期間にわたるタスクベース情報及びEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定するステップe)を有し、この方法は、処理ユニットによって、患者が少なくとも1つの第2のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとして、第2のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータを識別するステップg)を有する。
【0026】
第3の態様において、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムが提供され、このシステムは、
磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスと、
脳波検査(EEG)データ取得デバイスと
処理ユニットと
を含む。
【0027】
MRIデバイスは、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)情報を取得するように構成される。fMRIデータは、一定期間にわたって広がる。EEGデバイスは、患者の脳の電気的活動に関連するEEG情報を取得するように構成される。EEGデータは、一定期間にわたって広がる。処理ユニットは、一定期間にわたって広がるEEGデータを利用して、患者の覚醒のレベルに関連する一定期間にわたって少なくとも1つのサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するように構成される。
【0028】
このようにして、安静状態中のfMRIデータが識別され、活動状態でのfMRIデータが識別される。次いで、両方のデータセットが利用され、特定の例では、5分の各状態が、さらなる分析のために必要とされる。システムはまた、様々な覚醒の状態に対して以下のように行うことに加えて、安静状態及び活動状態をモニタし、これらの状態の各々の期間にわたって広がるfMRIデータを選択又は識別することに留意されたい。
【0029】
一例では、決定されたアクションは、患者が眠っていたときのデータとしてのサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別、又は患者が目覚めていたときのデータとしてのサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を含む。
【0030】
有利には、上述の態様のいずれかによって提供される利点は、他の態様のすべてに等しく適用され、逆も同様である。
【0031】
上述の態様及び例は、以下に記載される実施形態から明らかになり、以下に記載される実施形態を参照して解明される。
【0032】
典型的な実施形態が、以下の図面を参照して以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムの一例の概略的なセットアップを示す図である。
【
図2】機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法を示す図である。
【
図3】機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステムの一例の概略的なセットアップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステム10の一例を示す。システム10は、入力ユニット20、磁気共鳴イメージング(MRI)デバイス30、脳波検査(EEG)データ取得デバイス40、及び処理ユニット50を含む。入力ユニットは、タスクベース情報を患者に提供するように構成される。タスクベース情報は、一定期間にわたって広がる。MRIデバイスは、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得するように構成される。fMRIデータは、一定期間にわたって広がる。EEGデバイスは、患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するように構成される。EEGデータは、一定期間にわたって広がる。処理ユニットは、一定期間にわたって広がるタスクベース情報及び一定期間にわたって広がるEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、さらに、少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するように構成される。
【0035】
一例によれば、決定されたアクションは、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトの提供を含む。
【0036】
一例によれば、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトが、患者及び/又はシステムのオペレータに提供される。
【0037】
一例では、患者にタスクベース情報を提供する入力ユニットは、さらに、患者にプロンプトを提供する。したがって、例えば、視覚表示ユニットは、注視のための患者へのビデオ情報を提供し、VDUは、ビデオを注視し続けるように点滅する、及び/又は患者に音響情報を提供する。
【0038】
一例では、タスクベース情報を患者に提供する入力ユニットは、プロンプトを患者及び/又はオペレータに提供するユニットと異なる。したがって、例えば、視覚表示ユニットは、注視すべき患者へのビデオ情報を提供し、患者がビデオを注視し続けるべきであることを示すためにブザーを鳴らす。患者がタスクを継続すべきであることを患者及び/又はオペレータに知らせる他の機構がさらに備えられてもよい。
【0039】
一例によれば、決定されたアクションは、患者が少なくとも1つのタスクを順守していなかったときのデータとしての、第1のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を含む。
【0040】
一例によれば、処理ユニットは、一定期間にわたるタスクベース情報及びEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、患者が少なくとも1つの第2のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとしての、第2のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を決定するように構成される。
【0041】
一例によれば、入力ユニットは、視覚表示ユニット(VDU)を含み、タスクベース情報の提供は、患者が注視又は見るように要求されるビデオ又は写真のVDUへの表示を含む。
【0042】
一例では、患者は、設定された期間、例えば、1分間、ビデオを眺めるか又は写真を見るように要求される。
【0043】
一例では、患者は、設定された期間、例えば、1分間、図面又は概略図の他の視覚形態を見るように要求される。
【0044】
一例では、ビデオ、写真、若しくは図面、又は視覚形態は、適切なやり方で、微笑などの幸福を示す表現を有し、又は悲しみを示す表現を有する。
【0045】
一例では、患者は、1分間1つのビデオを眺め、次いで、1分間第2のビデオを眺めるように要求される。
【0046】
一例では、患者は、1分間1つの写真を見て、次いで、1分間第2の写真を見るように要求される。
【0047】
一例によれば、処理ユニットによるタスクベース情報及びEEGデータの利用は、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定を含む。
【0048】
一例によれば、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定は、患者の視覚的注意力のレベル決定するためのEEGデータの分析を含む。
【0049】
一例によれば、患者がビデオを注視しているか又は写真を見ているという決定は、視覚野のアルファパワーに対するEEGデータの分析を含む。
【0050】
図2は、機能的磁気共鳴画像データ取得のための方法100の一例を基本ステップで示し、必須のステップが実線で示され、オプションのステップが破線で示される。この方法は、
ステップa)とも呼ばれる提供するステップ110において、入力ユニットによって、タスクベース情報を患者に提供するステップであって、タスクベース情報が、一定期間にわたって広がる、提供するステップと、
ステップb)とも呼ばれる取得するステップ120において、磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスによって、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング「fMRI」データを取得するステップであって、fMRIデータが一定期間にわたって広がる、取得するステップと、
ステップc)とも呼ばれる取得するステップ130において、脳波検査(EEG)デバイスによって、患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するステップであって、EEGデータが一定期間にわたって広がる、取得するステップと、
ステップd)とも呼ばれる利用するステップ140において、処理ユニットによって、タスクベース情報及びEEGデータを利用し、一定期間にわたって少なくとも1つの第1のサブセット期間を決定するステップと、
ステップf)とも呼ばれる決定するステップ150において、処理ユニットによって、少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するステップと
を有する。
【0051】
一例によれば、ステップf)は、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトを提供するステップを有する。
【0052】
一例では、ステップf)は、患者が少なくとも1つの第1のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していないというプロンプトを患者及び/又はシステムのオペレータに提供するステップを有する。
【0053】
一例によれば、ステップf)は、患者が少なくとも1つのタスクを順守していなかったときのデータとして、第1のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータを識別するステップを有する。
【0054】
一例によれば、この方法は、処理ユニットによって、一定期間にわたるタスクベース情報及びEEGデータを利用して、一定期間にわたって少なくとも1つの第2のサブセット期間を決定するステップ160のステップe)を有し、この方法は、処理ユニットによって、患者が少なくとも1つの第2のサブセット期間にわたって少なくとも1つのタスクを順守していたときのデータとして、第2のサブセット期間にわたる関連するfMRIデータを識別するステップ170のステップg)を有する。
【0055】
一例では、ステップa)は、患者が注視するように要求されるビデオを視覚表示ユニット「VDU」に表示するステップを有する。
【0056】
一例では、ステップd)は、患者がビデオを注視していると決定するステップを有する。
【0057】
一例では、ステップd)は、EEGデータを分析し、患者の視覚的注意力のレベルを決定するステップを有する。
【0058】
一例では、患者の視覚的注意力のレベルを決定するステップは、EEGデータを分析し、視覚野のアルファパワーを決定するステップを有する。
【0059】
図3は、機能的磁気共鳴画像データ取得のためのシステム200の一例を示す。システム200は、磁気共鳴イメージング(MRI)デバイス230、脳波検査(EEG)データ取得デバイス240、及び処理ユニット250を含む。MRIデバイスは、患者の脳活動に関連する機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)データを取得するように構成される。fMRIデータは、一定期間にわたって広がる。EEGデバイスは、患者の脳の電気的活動に関連するEEGデータを取得するように構成される。EEGデータは、一定期間にわたって広がる。処理ユニットは、一定期間にわたって広がるEEGデータを利用して、患者の覚醒のレベルに関連する一定期間にわたって少なくとも1つのサブセット期間を決定するように構成される。処理ユニットは、さらに、少なくとも1つのサブセット期間にわたるfMRIデータの取得に関連するアクションを決定するように構成される。
【0060】
一例によれば、決定されたアクションは、患者が眠っていたときのデータとしてのサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別、又は患者が目覚めていたときのデータとしてのサブセット期間にわたる関連するfMRIデータの識別を含む。
【0061】
したがって、タスクベースfMRI及び/又は安静状態fMRIに関する機能的磁気共鳴画像データ(fMRI)取得のための記載のシステム及び方法は、fMRIデータが有効であるか又は有効でないとき(例えば、患者がタスクを実行しているかどうか)を決定するために、取得されたEEGデータを全く新しいやり方で使用する。時間窓にわたるEEGデータが、その時間窓にわたってタスク情報と相関されて、患者がタスクを実行しているかどうか(又は眠っているか若しくは目覚めているか)が決定される。次いで、EEGデータの分析から、患者がその時間窓にわたって順守している場合、その時間窓にわたる関連するfMRIデータは、同時に実行されているタスクに関して分析される。EEGデータから、その時間窓にわたって患者が順守していないと決定された場合、その時間窓にわたるfMRIデータは無視され、患者は、タスクを続けるようにプロンプトされる。同様に、fMRIデータが、眠っている(又は目覚めている)患者のために必要とされる場合、時間窓にわたるEEGデータを分析して、患者がその時間窓にわたって眠っているか又は目覚めているかどうかが決定され、場合に応じて、その時間窓にわたるfMRIデータを利用するか否かが決定される。
【0062】
別の言い方をすれば、BOLD信号のリアルタイム分析は、信号対雑音比が小さく、時間分解能が低いので、(タスクベース又は安静状態)fMRI中に患者の順守をモニタすることは容易に可能ではない。したがって、多くの場合、データを使用することができないか、又は部分的にしか使用できないことがfMRI取得の後でしか見いだされず、費用と時間がかかる繰り返しのfMRIスキャンが必要とされる。ここで説明する新しい技法は、リアルタイムで患者の順守をモニタし、タスク順守が回復されるようにフィードバックを専門家及び/又は患者に提供することによって、fMRIデータに対する患者の順守のこの欠如を克服し、データを有効又は不要として識別することが可能になり、患者がタスクを続けるようにリアルタイムで推進され、それにより、取得される無効データの量が最小にされる。これは、EEGデータを同時に取得することによって達成され、EEGデータはリアルタイムで分析され、EEGデータから患者が所望のタスクを実行しているかどうかが推定される。システムは、3つの部分、すなわち、(1)fMRIコンパチブルEEG取得システム、(2)リアルタイムEEGデータ分析システム、(3)(2)の結果に基づいて専門家及び/又は患者にフィードバックを行い、並びに必要に応じてデータに有効/無効のタグをつけるシステムで構成される。それにより、fMRIデータとは対照的に、EEGデータが、リアルタイムで容易に分析され、それを使用して、リアルタイムでフィードバックを行い、それによって、タスク順守を確実にし、さらに、データが有効/無効であることをリアルタイムでタグづけする。例えば、患者がビデオを注視するように求められるタスクベースfMRIシナリオを考える。EEGデータから、例えば、視覚野のアルファパワーを決定することによって、患者が視覚的に注意深くしているかどうかを推定する。患者がビデオを注視するのを止めるか、又は例えば聴覚刺激への集中に切り替えた場合、患者、又はビデオを注視することを患者に思い出させる専門家に、フィードバックが直接提供され、同時に、取得されたfMRIデータが、非順守の時間中に患者に関係しているとしてタグづけ又は識別され、当然の結果として、データはまた、患者が順守している期間にタグづけ又は識別される。後続の調査票によるタスク順守の測定とは対照的に、EEGベースの手段は、はるかに客観的であり、即座に使用される。さらに、専門家は、それに応じて走査プロトコルを調節する(例えば、セッションを延長する、タスクを繰り返す、など)か、又はそれは、自動的に行われる。別の実施形態では、EEGは、専門家の必要に応じて、患者が目覚めているか又は眠っているかを確実にするために患者の覚醒を測定するために使用される。
【0063】
fMRIへのEEGデータの利用が検討されたが、ここで開発されたものと全く異なるやり方があり、以下は、EEG及びfMRIのこれらの異なる利用の概要を提示する。
【0064】
C. Zichら: 「Real-time EEG feedback during simultaneous EEG-fMRI identifies the cortical signature of motor imagery」、NeuroImage 114 (2015) 438。リアルタイム脳波(EEG)フィードバックと組み合わされた運動イメージ(MI)が、脳-コンピュータインタフェース(BCI)を操るための普通の手法であることが記載されている。MI BCIは、脳卒中の後の運動回復をサポートするアドオン治療として有望であると考えられているが、しかし、EEGニューロフィードバックが実際に特定の感覚運動活性化パターンを対象にしているかどうかは、EEGだけから明白に推測することができないことが記載されている。この論文では、MI EEGニューロフィードバックを同時及び連続機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)と組み合わせて、MI EEGニューロフィードバックと、皮質感覚運動野の活性化との間の関係を特徴づけている。EEG信号は、MRI勾配の干渉及び心弾動図アーチファクトからオンラインで補正され、それにより、リアルタイムEEGフィードバックの送出が可能になる。フィードバックブロックなしと比較してフィードバック中の著しく強化されたタスク固有の脳活動が、EEG及びfMRIに存在していた。その上、EEGの感覚運動のリズム振幅の対側MI関連の減少が、対側感覚運動野のfMRI活性化と逆相関していたが、側方化fMRIパターンは、必ずしも側方化EEGパターンに付随していなかった。研究結果は、MI EEG信号と感覚運動皮質活動との間の複雑な関係を示し、それによって、両方が、同様に、EEGニューロフィードバックによって調整されることが一緒に記載されている。この研究結果は、運動リハビリテーションのためのMI EEGニューロフィードバックの可能性をサポートし、MI BCIパフォーマンスの個人差をよりよく理解するのに役立つことが記載されている。したがって、Zichらによる論文では、MI EEGニューロフィードバックを同時fMRIと組み合わせて、MI EEGニューロフィードバックと、皮質感覚運動野の活性化との間の関係を特徴づけている。EEG信号は、MRI勾配の干渉及び心弾動図アーチファクトからほぼリアルタイムで補正される。EEGデータは、MRIスキャナ内に記録され、ERD特性を、スキャナ外で同じ参加者から作られた別個のEEG記録と比較することによって検証された。EEG SMR振幅減少と、感覚又は運動野のfMRI活動との間の体系的な相関が仮定された。言い換えれば、この論文は、EEG生データが、MRIアーチファクトに対して補正されることを記載している。
【0065】
S. Hoffmannら「Crosslinking EEG time-frequency decomposition and fMRI in error monitoring」、Brain Struct. Funct. (2014) 219 595~605には、研究が、誤応答及び正応答の間活動的である一般の応答モニタリングシステムに関係することが記載されている。応答関連ERPの時間周波数分解からの証拠を集めることにより、前頭葉中央電極位置での誘発シータ活動が、簡単なタスクで、しかし、より複雑なタスクでも、正応答と誤応答を区別することが示されたことが記載されている。今まで、特に神経振動のレベルでのエラー処理の様々な電気生理学的パラメータが、機能的神経細胞学的レベルでのエラー処理を反映するBOLD信号変化とどのように関連しているか又は予測されるかは不明確であることが記載されている。この論文は、メンタルローテーションタスクの間違いによるエラーモニタリングを調査するタスクにおいて、時間ドメイン情報、時間周波数情報、MRI BOLD信号、及び行動パラメータの間のクロスリンクを提供することを目的としている。この結果は、機能的神経細胞学的レベルでのエラー処理を反映するBOLD信号変化がシータ周波数帯の誘発振動によって最良に予測されることを示している。この研究のfMRI結果は、エラー処理における前帯状皮質、中前頭回、及び島の関与を説明しているが、誘発振動とBOLD信号の相関は、誘発シータと前帯状皮質BOLD活動の結合に限定された。現在の結果は、エラー処理を仲介する分散機能神経細胞学的ネットワークが存在するが、このネットワークの別個の部分のみが、エラーモニタリングの電気生理学的性質を調整しているように見えることを示している。したがって、この論文には、特定のデータがEEGと関連づけられるかどうかを確立するために、EEG/fMRIデータを組み合わせることができることが記載されている。
【0066】
WO2013/157012A1には、少なくとも1つの刺激デバイスを使用して被験者に対して少なくとも1つの感覚刺激を適用することであり、感覚刺激が少なくとも1つの注意バイアスに関連づけられる、適用することと、それぞれの適用された感覚刺激に対する対象者の応答を測定するによって対象者の少なくとも1つの注意割当てインデクスを測定することと、測定された注意割当てインデクスを示す注意フィードバックを出力することとを行うことによって注意割当てをモニタ及び訓練するための方法及びシステムが記載されている。フィードバックは、注意割当てフィードバックを出力するための1つ又は複数の出力デバイス、例えば、視覚又は聴覚出力デバイスなどを使用してリアルタイム又はほぼリアルタイムで出力される。要約すると、患者は刺激され、刺激への応答が、MRI、EEG/ERPなどのうちの1つとすることができる測定デバイスを使用して測定される。
【0067】
CN102293647Bには、脳波と機能的磁気共鳴信号を組み合わせたフィードバックシステムが記載されており、フィードバックシステムは、脳波及び機能的磁気共鳴信号を一緒に収集及び分析し、2つの信号によって同時に反映された脳固有の活動状態の時空間的特性を抽出し、マルチモード信号を神経フィードバック調節に適用する。
【0068】
米国特許出願公開第2013/267827A1号には、生体検査対象者の脳の所定の容積セグメントの機能的MRイメージングのための方法及び磁気共鳴(MR)システムにおいて、所定の容積セグメントのMRデータが取得され、検査対象者のEEGデータが取得され、EEGデータの取得はMRデータの取得と同時に行われ、MRデータが、取得されたEEGデータに応じて自動的に評価されることが記載されている。EEGデータは周波数クラスに区分され、次いで、特定のクラスに関連するMRデータを使用して、特定のMRIデータが選択される。このようにして、一定期間にわたるEEGデータが異なる周波数データセットに分配され、次いで、これを使用して、特定のMRIデータが選択される。
【0069】
しかしながら、これらの文書のいずれにも、患者が順守している場合、同じ期間にわたる関連するfMRIデータを利用し、患者がタスクを順守していない場合、無視する、及び/又は患者にプロンプトするために、タスクベース情報と一緒にEEGデータを利用して、患者がタスクを順守しているか又は順守していない時間窓を決定することへの示唆はない。これらの文書のいずれにも、取得されているfMRIデータの検証に関して、患者が正しいタスクを実行していることを決定するために、EEGがここで記載されたやり方で使用されるという認識がない。
【0070】
本発明の実施形態が様々な主題を参照して説明されていることに留意すべきである。特に、ある実施形態は方法タイプの請求項を参照して説明され、一方、他の実施形態はデバイスタイプの請求項を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、上述の説明及び以下の説明から、特に断らない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、さらに、異なる主題に関連する特徴の間の任意の組合せが本出願により開示されていると見なされることが分かるであろう。しかしながら、すべての特徴を組み合わせて、特徴の単純な和を超える相乗効果を提供することができる。
【0071】
本発明が、図面及び前述の説明で詳細に図示及び説明されたが、そのような図及び説明は、例証又は例示であり、限定でないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示した実施形態への他の変形は、請求される発明を実践する際に、図面、開示、及び従属請求項の検討から当業者によって理解され達成される。
【0072】
特許請求の範囲において、「備えている、含んでいる、有している」という単語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示していない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も範囲を限定するものと解釈されるべきでない。