(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】高い含有量のポリヒドロキシアルカノエートポリマーまたはコポリマーを有するフィルターを備えるエアロゾル発生要素
(51)【国際特許分類】
A24D 3/14 20060101AFI20241107BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20241107BHJP
A24D 3/10 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A24D3/14
A24D3/17
A24D3/10
(21)【出願番号】P 2022533096
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2020083554
(87)【国際公開番号】W WO2021110540
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-11-27
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】パパキリロー ステファノス
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/000480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/14
A24D 3/17
A24D 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、
エアロゾル発生基体のロッドであって、前記エアロゾル発生基体が、少なくとも10重量パーセントのエアロゾル形成体を含む、ロッドと、
繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントであって、前記ロッドと長軸方向に整列して配設されたフィルターセグメントと、を備え、
前記フィルターセグメントが、前記繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含み、
前記フィルターセグメントのRTDが、約35ミリメートルH
2O~約55ミリメートルH
2Oであり、かつ前記フィルターセグメントの長さが、約4ミリメートル~約27ミリメートルである、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記フィルターセグメントが、前記繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約90重量パーセントのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記フィルターセグメントが、前記繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約95重量パーセントのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記フィルターセグメントが、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約5重量パーセントの少なくとも一つの生分解性ポリマーをさらに含み、生分解性ポリマーがデンプン、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)、熱可塑性デンプンおよび熱可塑性デンプンブレンド(TPS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコリド(PGA)、ポリビニルアルコール(PVOH/PVA)、ビスコース、再生セルロース、多糖類、置換度(DS)が2.1未満のセルロースアセテート、ポリアミド、タンパク質ベースのバイオポリマー、キトサン-キチンベースのバイオポリマー、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記フィルターセグメントが、前記繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約10重量パーセントの前記少なくとも一つの生分解性ポリマーを含む、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記フィルターセグメントが、前記繊維質の濾過材料の総重量に基づいて約15重量パーセント以下の前記少なくとも一つの生分解性ポリマーを含む、請求項4または請求項5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記少なくとも一つの生分解性ポリマーが、PBAT、PCL、およびPBSのうちの一つ以上である、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約1~約10のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を前記繊維質の濾過材料が含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約3.2~約5のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を前記繊維質の濾過材料が含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記フィルターセグメントのRTDが、約40ミリメートルH
2O~約50ミリメートルH
2Oである、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記繊維質の濾過材料が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む捲縮した繊維を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記フィルターセグメントの直径が、約5ミリメートル~約12ミリメートルである、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
エアロゾル発生物品用のフィルターであって、前記フィルターが、繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントを備え、前記フィルターセグメントが、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントの繊維を含み、繊維がポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含み、前記フィルターセグメントのRTDが、約35ミリメートルH
2O~約55ミリメートルH
2Oであり、かつ前記フィルターセグメントの長さが、約4ミリメートル~約27ミリメートルである、フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品用のフィルターと、フィルターを備えるエアロゾル発生物品とに関する。本発明は、エアロゾル発生装置と、一つのこうしたエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルター付き紙巻たばこなどの従来のエアロゾル発生物品は典型的に、紙ラッパーによって包囲されたたばこカットフィラーの円筒状のロッドと、巻かれたたばこロッドと(大抵の場合、端と端とが当接する関係で)軸方向に整列した円筒状のフィルターとを備える。円筒状のフィルターは典型的に、紙プラグラップによって囲まれた繊維質の濾過材料(セルロースアセテートトウなど)の一つ以上のプラグを備える。従来的に、巻かれたたばこロッドおよびフィルターは、フィルターの全長および巻かれたたばこロッドの隣接部分を囲む、通常は不透明の紙材料から形成されたチッピングラッパーの帯によって結合されている。
【0003】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品もまた、当業界で周知である。典型的に、こうした物品において、エアロゾルは熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料への熱の伝達によって発生される。
【0004】
一例として、エアロゾル発生基体の電気加熱によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品が提案されている。数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。別の例としては、可燃性燃料要素または熱源からエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品もまた周知である。可燃性燃料要素または熱源は、エアロゾル発生基体に接触して、またはエアロゾル発生基体内に、またはエアロゾル発生基体の周りに、またはエアロゾル発生基体の下流に位置してもよい。
【0005】
一つのこうしたエアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、また揮発性化合物はエアロゾル発生物品を通して引き出される空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0006】
典型的に、記載のタイプのエアロゾル発生物品は、セルロースアセテートなどの多孔性濾過材料から形成されたフィルターセグメントを備えるマウスピースを含んでもよい。一部の周知のエアロゾル発生物品において、エアロゾル発生基体と物品の口側端との間の場所に、セルロースアセテートなどの濾過材料から形成された中空管状セグメントが提供されていて、物品に構造強度を付与する。
【0007】
エアロゾル発生物品が消費され、かつ処分された後、濾過材料を含む物品のあらゆる構成要素は、できるだけ迅速に破壊されることが望ましい。しかし、セルロースアセテートおよび一般的に使用される他の数多くの濾過材料は、高度に生分解性ではない。しかしながら、代替的な分散性または生分解性の材料は、消費者にとって許容可能な濾過効率および喫煙体験を提供することができないことが多い。さらに、数多くの周知の分散性および分解性材料は、既存の製造プロセスでの使用に適さず、それらの使用を商業的に実現可能にするためには、既存の方法および機器の過度に大幅な修正を必要とすることになる。
【0008】
さらに、セルロースアセテートは、従来の喫煙物品に使用された場合、主流煙からの水の比較的に高いレベルの吸着および捕捉を提供することが分かっている。従って、消費者に送達される主流煙は含水量が著しく低減し、特定の条件下では、望ましくないほど「乾燥している」と知覚される場合がある。これは、全体的な喫煙の体験に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故に、セルロースアセテートなどの従来の濾過材料を含む周知の物品と比較して、生分解特性が強化された、新規かつ改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。また、許容可能な喫煙の体験を消費者に提供する新規かつ改善されたエアロゾル発生物品、特に濾過材料としてセルロースアセテートを含む物品でしばしば見られる「乾燥した」煙の影響を低減する能力を有する新規かつ改善されたエアロゾル発生物品を提供することも望ましいことになる。
【0010】
濾過材料セグメントの引き出し抵抗(RTD)を、物品全体の許容可能なRTDを達成するように調整することができる、一つのこうしたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。さらに、既存の機器の多大な修正を必要とせずに、自動化された高速の製造プロセスにおいて効果的に製造されることができる、こうしたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントとを備えてもよい。フィルターセグメントは、ロッドと長軸方向に整列して配設されてもよい。フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含んでもよい。
【0012】
さらに本開示は、エアロゾル発生物品用のフィルターに関する。フィルターは、繊維質の濾過材料から形成された濾過材料のフィルターセグメントを備えてもよい。フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントの、ポリヒドロキシアルカノエートPHAポリマーまたはコポリマーを含む繊維を含んでもよい。
【0013】
加えて、本開示は、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品とを備えるシステムに関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントとを備えてもよい。フィルターセグメントは、ロッドと長軸方向に整列して配設されてもよい。フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含んでもよい。
【0014】
本発明によると、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントであって、ロッドと長軸方向の整列で配設されたフィルターセグメントとを備え、フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む。
【0015】
本発明によると、エアロゾル発生物品用のフィルターも提供されていて、フィルターは、繊維質の濾過材料から形成されたフィルターセグメントを備え、フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む。
【0016】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主長軸方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。
【0017】
「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書において本発明に関して、エアロゾル発生基体が加熱されて、エアロゾルを生成して消費者に送達する物品を記述するために使用される。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0018】
従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に炎を当て、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と、紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは、例えばたばこ由来の基体、またはエアロゾル形成体および風味剤を含有する基体などの風味発生基体を加熱することによって発生される。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。
【0019】
上記に簡潔に述べた通り、既存のエアロゾル発生物品とは対照的に、本発明による物品は、繊維質の濾過材料から形成された、かつ繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも約85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含むフィルターセグメントを備える。
【0020】
それ故に、本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントにおいて、PHAポリマーまたはコポリマーは繊維質の濾過材料の少なくとも85重量パーセントを占める。これは、繊維質の濾過材料の残りの部分が、PHAポリマーまたはコポリマー以外の材料を含んでもよいことを意味する。さらに、これは、例えば繊維質の濾過材料の周囲を囲むプラグラッパー、またはフィルターセグメント内の場所に提供されてもよい流量制限器もしくは添加物送達材料(例えば、壊れやすいカプセル)などのインサートなど、フィルターセグメントの他の構成要素が、PHAポリマーまたはコポリマー以外の材料を含んでもよいことを意味する。
【0021】
PHAポリマーまたはコポリマー(以下、PHA繊維とも呼ぶ)を含有する繊維は、本発明によるエアロゾル発生物品において、同等の重量のセルロースアセテートなどの他の濾過材料の繊維と比較して、より低い親水性を有するため、フィルターセグメントは水/蒸気の吸収が著しくより低い傾向を有することが分かっている。結果として、有利なことに主流煙中の水のレベルを、より高いレベルに維持することができる。これは、従来の喫煙物品でしばしば遭遇する「乾燥煙」の問題に直接対処し、消費者にとって改善された喫煙の体験を提供する。
【0022】
PHA繊維は、セルロースアセテートなどの他の濾過材料の繊維と比較して、はるかに高いレベルの生分解性を有するため、本発明による物品は全体としてより高い生分解性を有する。同時に、PHA繊維は、天然の発酵プロセスによって得られるため、本発明によるエアロゾル発生物品はまた、製造プロセスにとっての持続可能性の改善も提供する。
【0023】
フィラメント当たりのデニール、総デニール、断面形状などのパラメータを調整することによって、フィルターセグメントのRTDを、任意の所与のフィルター長さまたはフィルター設計にとって望ましい範囲に調整することが可能である。
【0024】
「フィラメント当たりのデニール」(DPF)という用語は、9000メートルの長さを有する単一の繊維またはフィラメントの重量(グラム)に相当する。従って、本発明においてDPFの値は、フィルターセグメント内の個別のPHA繊維の各々の厚さを示す。フィラメント当たりのデニールはデニールの単位で表され、1デニールは9000メートル当たり1グラムに相当する。
【0025】
好ましくは、PHA繊維を含む濾過材料の総デニールは、約20,000~約50,000または40,000、より好ましくは約25,000~約30,000である。
【0026】
濾過材料の「総デニール」は、濾過材料を形成する組み合わされた繊維の9000メートルの総重量(グラム)を画定する。従って、フィルターセグメントの総デニールは、フィラメント当たりのデニールに、フィルターセグメント内の繊維の総数を乗じたものに相当する。
【0027】
加えて、フィルターの全体的な重量は有利なことに制御されてもよく、これはまた、フィルターセグメントおよびエアロゾル発生物品全体の生分解を助けることにも寄与する場合がある。
【0028】
PHA特性はまた、良好なフィルター硬度につながり、これは、堅いプラグラップでフィルターセグメントを囲むことによってさらに強化されることができる。
【0029】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。
【0030】
エアロゾル発生基体のロッドは、たばこ材料の無作為な向きにされた断片、ストランド、または細片を使用して生産されてもよい。代替として、例えば国際特許公開公報第A-2012/164009号に提案されている通り、エアロゾル発生基体のロッドは、たばこ材料の一つ以上のシートの集合体から形成されてもよい。均質化したたばこ材料のストランドから形成されているエアロゾル発生物品用の代替的なロッドも提案されていて、これらは、均質化したたばこ材料のシートを形成するために、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物をキャスティング、ローリング、カレンダー加工、または押出成形することによって形成されてもよい。さらに、エアロゾル発生基体のロッドは、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を押出成形して、連続的な長さの均質化したたばこ材料を形成することによって得られた均質化したたばこ材料のストランドから形成されてもよい。
【0031】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0032】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートルの外径、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは7.2ミリメートルから10パーセント以内までの外径を有する。
【0033】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。加えて、または代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、約80ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約65ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約35ミリメートル未満の長さを有し、25ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約20ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましい。一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0034】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0035】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は、一つ以上の均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。一つ以上の均質化したたばこ材料のシートは、テクスチャ加工されていることが好ましい。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」という用語は、捲縮された、エンボス加工された、デボス加工された、穿孔された、または別の方法で変形されたシートを意味する。本発明で使用する均質化したたばこ材料のテクスチャ加工されたシートは、複数の離隔したへこみ、突出部、穿孔、またはこれらの組み合わせを備えてもよい。本発明の特に好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生基体のロッドは、ラッパーによって囲まれた均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0036】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、「しわ付けしたシート」という用語と同じ意味であることが意図されていて、また複数の実質的に平行した隆起または波形を有するシートを意味する。均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、本発明によるロッドの円筒軸に実質的に平行な複数の隆起または波形を有することが好ましい。これは有利なことに、ロッドを形成するための均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にする。しかし、当然のことながら、本発明で使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、ロッドの円筒軸に対して鋭角または鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起または波形を有する。特定の実施形態において、本発明の物品のロッドで使用する均質化したたばこ材料のシートは、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にテクスチャ加工されてもよい。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品で使用するロッドの製造に使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔した複数の実質的に平行な隆起または波形を備えてもよい。
【0037】
本発明で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約60重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0038】
エアロゾル発生基体に使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、粒子状たばこの凝集を補助するために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体に使用する均質化したたばこ材料のシートは、たばこ繊維および非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填材、水性および非水性の溶媒、およびこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない他の添加物を含んでもよい。
【0039】
エアロゾル発生基体に使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含める適切な外来的な結合剤は当業界で周知であり、それらにはガム(例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロースなど)、多糖類(例えば、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基塩、寒天、ペクチンなど)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
エアロゾル発生基体に使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含める適切な非たばこ繊維は当業界で周知であり、それらにはセルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル発生基体に使用する均質化したたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当業界で周知の適切なプロセスによって処理されてもよく、プロセスには機械パルプ化、精製、化学パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は典型的に、「エアロゾル形成体」、すなわち使用時にエアロゾルの形成を容易にする、および好ましくはエアロゾル発生物品の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性がある化合物または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体の例としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられる。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。
【0042】
エアロゾル発生基体は、少なくとも10重量パーセントのエアロゾル形成体を含むことが好ましく、より好ましくは少なくとも12重量パーセントのエアロゾル形成体、より好ましくは少なくとも約15重量パーセントのエアロゾル形成体を含む。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体は、好ましくは30重量パーセント以下のエアロゾル形成体、より好ましくは約25重量パーセント以下のエアロゾル形成体、より好ましくは約20重量パーセント以下のエアロゾル形成体を含む。例えば、エアロゾル発生基体は、約10重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体、または約12重量パーセント~約25重量パーセントのエアロゾル形成体、または約15重量パーセント~約20重量パーセントのエアロゾル形成体を含んでもよい。特に好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体は、およそ18重量パーセントのエアロゾル形成体を含む。
【0043】
本発明によるエアロゾル発生物品において、フィルターセグメントは、繊維質の濾過材料から形成されていて、また繊維質の濾過材料の総重量に基づいて少なくとも85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む。
【0044】
PHAは、3-、4-、5-、および6-ヒドロキシアルカン酸のポリヒドロキシエステルのファミリーであり、過剰な炭素が存在する栄養制限条件下で、様々な細菌種によって産生され、また細菌細胞中の個別の細胞質内封入体として見いだされている。その優れた生体適合性に起因して、PHAは、薬剤送達システムや組織工学の足場など、幅広い生物医学用途での使用のために提案されてきた。
【0045】
PHA分子は典型的に、600~35,000(R)-ヒドロキシ脂肪酸単量体単位から成る。PHA単量体内の炭素原子の総数に応じて、PHAは、短鎖長PHA(scl-PHA;3~5個の炭素原子)、中鎖長PHA(mcl-PHA;6~14個の炭素原子)、または長鎖長PHA(lcl-PHA;15個以上の炭素原子)のいずれかに分類されることができる。
【0046】
第一の最も広く普及しているPHAは、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)(PHB)である。ペンダントエチル基を有する、PHAファミリーの次のメンバーは、ポリ(3-ヒドロキシ吉草酸)またはPHVである。PHBのメチル基の代わりにエチル基(HV単位)を有することは、PHBよりも高い柔軟性と低い結晶化度をPHVに与える。
【0047】
本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントの中に提供されるPHA含有繊維は、任意の適切なPHA化合物(PHAポリマーまたはコポリマーを含む)で形成されてもよい。適切なPHA化合物としては、ポリヒドロキシプロピオネート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシヘキサノエート、ポリヒドロキシオクタノエートが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい一実施形態において、PHA化合物はポリ(3-ヒドロキシ酪酸)である。
【0048】
本発明によるエアロゾル発生物品において、フィルターセグメントは、少なくとも85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含むことが好ましい。理論に拘束されることを望むものではないが、フィルターセグメント内のより高いPHA含有量は、フィルターセグメントおよびエアロゾル発生物品全体の生分解性の改善と一般的に関連付けられていることが理解される。
【0049】
好ましい実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約90重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む。理論に拘束されることを望むものではないが、フィルターセグメント内のより高いPHA含有量は、フィルターセグメントおよびエアロゾル発生物品全体の生分解性の改善と一般的に関連付けられていることが理解される。
【0050】
フィルターセグメントは、少なくとも約91重量パーセントのPHAポリマーもしくはコポリマー、または少なくとも約92重量パーセントのPHAポリマーもしくはコポリマー、または少なくとも約93重量パーセントのPHAポリマーもしくはコポリマー、または少なくとも約94重量パーセントのPHAポリマーもしくはコポリマーを含むことがより好ましい。一部の特に好ましい実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約95重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む。
【0051】
PHAフィルターセグメント内の残りの繊維は、任意の適切な材料を含んでもよい。適切な繊維質材料は当業者に周知であろう。また、適切な繊維質材料としては、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
一部の実施形態において、フィルターセグメントは一部のセルロースアセテートを含んでもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、フィルターセグメント中の特定の量のセルロースアセテートは、フィルターセグメントの製造を容易にする場合があるだけでなく、フィルターセグメントに望ましい濾過特性および機械的特性を付与する場合があることが理解される。
【0053】
特定の実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約5重量パーセントのセルロースアセテートを含む。一例として、フィルターセグメントは、少なくとも約6重量パーセントのセルロースアセテート、または少なくとも約7重量パーセントのセルロースアセテート、または少なくとも約8重量パーセントのセルロースアセテート、または少なくとも約9パーセントのセルロースアセテートを含んでもよい。一部の実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約10重量パーセントのセルロースアセテートを含む。
【0054】
本発明によるエアロゾル発生物品において、フィルターセグメントは、約15重量パーセント未満のセルロースアセテートを含むことが好ましい。
【0055】
一部の実施形態において、フィルターセグメントは、約5重量パーセント未満のセルロースアセテート、好ましくは3重量パーセント未満のセルロースアセテート、より好ましくは1重量パーセント未満のセルロースアセテート、なおより好ましくは0.1重量パーセント未満のセルロースアセテートを含む。これは好都合なことに、フィルターセグメントおよびエアロゾル発生物品全体の生分解性の向上にさらに寄与する場合がある。
【0056】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約10重量パーセント以下のセルロースアセテートを含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約7重量パーセント以下のセルロースアセテートを含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約5重量パーセント以下のセルロースアセテートを含むことがなおより好ましい。これは有利なことに、フィルターセグメントのセルロースアセテート含有量が低いかまたはゼロであることだけでなく、繊維質の濾過材料を含有する物品の任意の他の構成要素がセルロースアセテートをほとんどまたは全く含有しないことを示す。こうした低いセルロースアセテート含有量を有する本発明によるエアロゾル発生物品の実施形態は、特に好都合な生分解性特性を呈する。
【0057】
一部の好ましい実施形態において、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約3重量パーセント以下のセルロースアセテートを含む。本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約2重量パーセント以下のセルロースアセテートを含むことがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の全体的な重量に関して測定された約1重量パーセント以下のセルロースアセテートを含むことがなおより好ましい。
【0058】
一部の非常に好ましい実施形態において、本発明によるエアロゾル発生物品は、セルロースアセテートを実質的に含まない。
【0059】
一部の実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約5重量パーセントの少なくとも一つの生分解性ポリマーをさらに含み、生分解性ポリマーはデンプン、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレートアジペートテレフタレート(PBAT)、熱可塑性デンプンおよび熱可塑性デンプンブレンド(TPS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコリド(PGA)、ポリビニルアルコール(PVOH/PVA)、ビスコース、再生セルロース、多糖類、置換度(DS)が2.1未満のセルロースアセテート、ポリアミド、タンパク質ベースのバイオポリマー、キトサン-キチンベースのバイオポリマー、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。発明者らは、フィルターセグメントの繊維質材料を形成するブレンドにこれらの成分のうちの一つ以上を含むことが、フィルターセグメントの生分解性およびエアロゾル発生物品全体の生分解性の強化にさらに寄与することを見いだした。
【0060】
加えて、既存の技法および設備を使用してPHA含有フィラメントまたは繊維を製造することは技術的に困難であることが以前に分かっていた一方で、発明者らは驚くべきことに、PHAが上述の通りのブレンドで組み合わされた時、これが紡糸技法によってフィラメントを形成するのをより簡単にするため、高いレベルのPHAを組み込んでいるフィラメントまたは繊維を生産することが可能であることを見いだした。
【0061】
好ましい実施形態において、フィルターセグメントは、少なくとも約10重量パーセントの一つのこうした追加的な生分解性ポリマーを含む。フィルターセグメントは、少なくとも約11重量パーセント、または少なくとも12重量パーセント、または少なくとも13重量パーセント、または少なくとも14重量パーセントの追加的な生分解性ポリマーを含むことがより好ましい。フィルターセグメントは、少なくとも約15重量パーセントの一つのこうした追加的な生分解性ポリマーを含むことがなおより好ましい。
【0062】
特に好ましい実施形態において、少なくとも一つの生分解性ポリマーは、PBAT、PCL、PBSのうちの一つ以上である。理論に拘束されることを望むものではないが、発明者らは、これらの選択された生分解性ポリマーのうちの一つ以上の使用が、ポリマー混合物の機械的特性、熱的特性、および形態学的特性の改善に寄与することを見いだした。特に、PBATとPBSを組み合わせて使用することは、特に引張強さおよび伸長に関して、特にバランスが良好な機械的特性を提供することが分かっている。
【0063】
一部の実施形態において、繊維質の濾過材料は、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート(TEGDA)、エチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコール、デンプン、またはこれらの組み合わせから選択される可塑剤を少なくとも約3重量パーセント含む。
【0064】
一部の実施形態において、繊維質の濾過材料はまた、水性接着剤をさらに含む。これは、中空管セグメントの構造を構造的に補強する効果を有する。一例として、デンプン接着剤、メチルセルロース、またはポリビニルアセテートなどの化合物を、この目的に使用してもよい。
【0065】
フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ少なくとも約1のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含むことが好ましい。フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ少なくとも約2のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含むことがより好ましい。フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ少なくとも約3.2のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含むことがなおより好ましい。
【0066】
好ましい実施形態において、フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約10以下のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含む。フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約7.5以下のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含むことがより好ましい。フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約5以下のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含むことがなおより好ましい。
【0067】
一部の実施形態において、フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約1~約10の、より好ましくは約2~約10の、なおより好ましくは約3.2~約10のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含む。他の実施形態において、フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約1~約7.5の、より好ましくは約2~約7.5の、なおより好ましくは約3.2~約7.5のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含む。さらなる実施形態において、フィルターセグメントが形成される繊維質の濾過材料は、PHAポリマーまたはコポリマーを含む、かつ約1~約5の、より好ましくは約2~約5の、なおより好ましくは約3.2~約5のフィラメント当たりのデニールを有する複数の繊維を含む。
【0068】
理論に拘束されることを望むものではないが、発明者らは、フィルターセグメントが1.5~3.2の比較的に低いDPFを有するPHA繊維で形成されている場合、比較的に低いRTDを呈することを見いだし、これは特定のフィルターの設計にとって望ましい場合がある。一つのこうした低い範囲のDPFはまた有利なことに、フィルターセグメントの全体的な重量を低減し、これはエアロゾル発生物品の生分解性をさらに改善する。
【0069】
PHA繊維の横断断面形状は、例えばフィルター内の繊維の外表面積を制御するために変化させてもよい。PHA繊維の外表面積を制御することによって、フィルターセグメントを通過する際に主流煙に曝露されるPHA繊維の総表面積も制御されてもよい。これは結果として、例えば繊維によって吸着される水の量など、PHA繊維の濾過特性をある程度制御することになる。
【0070】
フィルターセグメント内のPHA繊維の総外表面積は、約0.15平方メートル/グラム~約0.55平方メートル/グラムであることが好ましい(サブ範囲を追加すること)。
【0071】
PHA繊維は、実質的に丸い断面を有してもよい。こうした実施形態において、フィルターセグメント内のPHA繊維の総外表面積は、約0.15平方メートル/グラム~約0.30平方メートル/グラムであることが好ましい。
【0072】
PHA繊維は、Y字形状の断面を有してもよい。こうした実施形態において、フィルターセグメント内のPHA繊維の総外表面積は、約0.25平方メートル/グラム~約0.55平方メートル/グラムであることが好ましい。
【0073】
本発明によるエアロゾル発生物品のPHAフィルターセグメントは、望ましいレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供するために適合されてもよい。有利なことに、PHA繊維は、比較的に高いRTDをPHAフィルターセグメントに提供するように配設されることができる。従って、PHAフィルターセグメントは比較的に高いRTDが典型的に望ましい可燃性喫煙物品のフィルターでの使用に特に適している。別の方法として、許容可能なRTDを依然として提供することができるため、PHAフィルターセグメントは、比較的に短いマウスピースまたはフィルターが好ましいエアロゾル発生物品において特に適する場合がある。
【0074】
本発明によるエアロゾル発生物品において、27ミリメートルのフィルターセグメントの場合のPHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約25ミリメートルH2Oであることが好ましい。27ミリメートルのフィルターセグメントの場合のPHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約50ミリメートルH2Oであることがより好ましく、少なくとも約100ミリメートルH2Oであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品において、27ミリメートルのフィルターセグメントの場合のPHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約150ミリメートルH2Oであることがなおより好ましく、少なくとも約180ミリメートルH2Oであることがより好ましい。27ミリメートルのフィルターセグメントの場合のPHAフィルターセグメントのRTDは、約300ミリメートルH2O以下であることが好ましく、約250ミリメートルH2O以下であることがより好ましい。例えば、27ミリメートルのフィルターセグメントの場合のPHAフィルターセグメントのRTDは、約25ミリメートルH2O~約300ミリメートルH2O、または約50ミリメートルH2O~約300ミリメートルH2O、または約100ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、または約150ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、または約180ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、またはおよそ200ミリメートルH2Oであってもよい。
【0075】
本発明によるエアロゾル発生物品において、(本物品内のPHAフィルターセグメントの長さに基づく)PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約25ミリメートルH2Oであることが好ましい。PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約50ミリメートルH2Oであることがより好ましく、少なくとも約100ミリメートルH2Oであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品において、PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約150ミリメートルH2Oであることがなおより好ましく、少なくとも約180ミリメートルH2Oであることがより好ましい。PHAフィルターセグメントのRTD(本物品内のPHAフィルターセグメントの長さに基づく)は、約300ミリメートルH2O以下であることが好ましく、250ミリメートルH2O以下であることがより好ましい。例えば、PHAフィルターセグメントのRTDは、約25ミリメートルH2O~約300ミリメートルH2O、または約50ミリメートルH2O~約300ミリメートルH2O、または約100ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、または約150ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、または約180ミリメートルH2O~約250ミリメートルH2O、またはおよそ200ミリメートルH2Oであってもよい。
【0076】
本発明によるエアロゾル発生物品において、(本物品内のPHAフィルターセグメントの長さに基づく)PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約3020ミリメートルH2Oであることが好ましい。PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約22ミリメートルH2Oであることがより好ましく、少なくとも約25ミリメートルH2Oであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品において、PHAフィルターセグメントのRTDは、少なくとも約28ミリメートルH2Oであることがなおより好ましく、少なくとも約30ミリメートルH2Oであることがより好ましい。PHAフィルターセグメントのRTD(本物品内のPHAフィルターセグメントの長さに基づく)は、約45ミリメートルH2O以下であることが好ましく、40ミリメートルH2O以下であることがより好ましい。例えば、PHAフィルターセグメントのRTDは、約20ミリメートルH2O~約45ミリメートルH2O、または約22ミリメートルH2O~約45ミリメートルH2O、または約25ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、または約28ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、または約30ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、またはおよそ37ミリメートルH2Oであってもよい。
【0077】
「引き出し抵抗」は、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流が横断した時の、サンプルの二つの端の間の静的圧力差を指す。サンプルのRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定することができる。
【0078】
本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントは、セルロースアセテート繊維のフィルターセグメントと比較して、より低いRTDを有してもよく、これは特定の用途にとって望ましい場合がある。例えば、比較的に低いRTDは、比較的に低い濾過効率が望ましい場合、または比較的に長いフィルターが好ましい場合に有利である場合がある。
【0079】
本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントは、RTDにおける良好な安定性を提供することが追加的に見いだされていて、これは、RTDにおける高い変動性を有利に回避することができることを意味する。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品の20個のサンプル中では典型的に、2パーセント~10パーセント、より好ましくは2パーセント~5パーセントの標的RTDからの標準偏差があるであろう。
【0080】
フィルターセグメントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む繊維は、捲縮されていることが好ましい。
【0081】
一部の実施形態において、フィルターセグメントは、主流煙中の特定の成分を低減するための一つ以上の添加物を含んでもよい。一例として、フィルターセグメントは、フェノールおよびフェノール誘導体の低減のための添加物を含むことが好ましい。適切な添加物は当業者に周知であろう。また適切な添加物としては、ポリエチレングリコール(PEG)、トリアセチン、クエン酸トリエチル、セルロースアセテートフレーク、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
フィルターセグメントは、約3重量パーセント~約15重量パーセントの添加物を含むことが好ましく、約5重量パーセント~9重量パーセントの添加物を含むことがより好ましい。
【0083】
本発明の特定の好ましい実施形態において、PHAフィルターセグメントは、PEG400などのポリエチレングリコールを含む。
【0084】
主流煙からのフェノール化合物の低減のための添加物(PEGなど)とのPHAの組み合わせは、特に効果的であることが分かっている。PHA繊維は一般的に、望ましくない煙成分に対して良好な濾過効率を提供するが、フェノール化合物の除去にはあまり効果的ではない。主流煙中のフェノール化合物のレベルを特異的に低減する化合物を組み込むことによって、本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントの濾過能力をさらに最適化することが可能である。これは結果として、消費者に送達されるエアロゾルの感覚特性を改善する。
【0085】
特に好ましい実施形態において、フィルターセグメントは、濾過材料の総重量に基づいて、少なくとも約5重量パーセントのポリエチレングリコールをさらに含む。フィルターセグメントは、濾過材料の総重量に基づいて、10重量パーセント以下のポリエチレングリコールを含むことが好ましい。
【0086】
本発明の他の好ましい実施形態において、PHAフィルターセグメントは、セルロースアセテートとトリアセチンの混合物をさらに含む。好ましくは、混合物は、少なくとも90重量パーセントのトリアセチンと、最大10重量パーセントのセルロースアセテートとを含む。混合物は、トリアセチンにセルロースアセテートフレークを添加して溶液を形成することによって形成されてもよい。次いで、PHAフィルターセグメント内のPHA繊維上に溶液をスプレーしてもよい。この組み合わせは、従来の紙巻たばこのフィルター中のトリアセチンとセルロースアセテート繊維の組み合わせ効果を、有利に複製することが分かっている。
【0087】
上述の通り、水に対するPHA繊維の親和性がより低いことに起因して、PHA繊維は、同等の量のセルロースアセテート繊維よりも、主流煙から吸収する水が少ないことが分かっている。下記の実施例で実証される通り、PHAフィルターセグメントによって吸収される水の量は、同等の重量のセルロースアセテート繊維から形成された同等のフィルターセグメントによって吸収される水の量よりも著しく低い。
【0088】
例えば、液体状の水に曝露された時、本発明のエアロゾル発生物品のフィルターセグメントは、セルロースアセテート繊維から形成された同等のフィルターセグメントによって同じ条件下で吸収される水の量の半分未満しか吸収しないことが好ましい。
【0089】
セルロースアセテートと比較した、本発明のフィルターセグメントのPHA繊維による水の吸収の減少は、使用中にエアロゾル発生物品から送達される主流煙中に、より高いレベルの水をもたらす。
【0090】
例えば、ISO条件下でのPHA繊維を用いた本発明によるフィルターを備える可燃性喫煙物品の喫煙中に収集される主流煙中の水の量は、同じ条件下でのセルロースアセテートトウのフィルターセグメントを有する同等の可燃性喫煙物品の喫煙中に収集される主流煙中の水の量よりも少なくとも10パーセント、好ましくは少なくとも15パーセント高かった。
【0091】
従って、PHAフィルターセグメントを含むフィルターを備えるエアロゾル発生物品は、より高い水分レベルを有する主流煙を送達することができ、これは消費者にとって、より感覚的に許容可能である。特に、従来のセルロースアセテートフィルターを用いたエアロゾル発生物品の喫煙中に体験される場合がある「乾燥煙」の効果を、有利なことに低減することができる。
【0092】
フィルターセグメントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む繊維は、溶融紡糸、ゲル紡糸、電界紡糸を含む幾つかの技法のうちの一つによって製造されてもよい。本発明によるエアロゾル発生物品内のフィルターセグメントのPHAポリマーまたはコポリマーを含む繊維は、溶融紡糸によって製造されることが好ましい。溶融紡糸は、溶媒を回収するまたは蒸発させる必要がないので、溶液紡糸の場合と比較して、最も経済的な紡糸プロセスであると見なされることが多い。さらに、溶融紡糸を用いた紡糸速度は一般的にかなり高く、これは全体的な生産性および製造効率の観点で有利である。
【0093】
このプロセスにおいて、ポリマーまたはポリマーブレンドの粘性溶融物が、数多くの穴を包含する紡糸口金を通してチャンバーの中に押し出され、ここで低温の空気またはガスのブラストが、紡糸口金から発するフィラメントの表面上に向けられる。空気がフィラメントに当たると、フィラメントは固化し、テイクアップホイール上などで収集される。溶融紡糸プロセスは有利なことに、画定されたフィラメント断面の幾何学的形状によって特徴付けられていて、また非常に様々な微細さおよびフィラメント数をもたらす。紡糸口金の開口部の数を増やすことによって、他の紡糸プロセスとの適合が困難である高い紡糸能力を達成することができる。
【0094】
一部の実施形態において、フィルターセグメントは典型的に、少なくとも約4ミリメートルの長さを有してもよい。フィルターセグメントの長さは、少なくとも約5ミリメートルであることが好ましい。フィルターセグメントの長さは、少なくとも約7ミリメートルであることがより好ましい。フィルターセグメントの長さは、少なくとも約10ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0095】
こうした実施形態において、フィルターセグメントは典型的に、約30ミリメートル以下の長さを有してもよい。フィルターセグメントの長さは、約27ミリメートル以下であることが好ましい。フィルターセグメントの長さは、約25ミリメートル以下であることがより好ましい。フィルターセグメントの長さは、約20ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0096】
こうした実施形態において、フィルターセグメントの長さは、好ましくは約5ミリメートル~約30ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約30ミリメートル、なおより好ましくは約15ミリメートル~約30ミリメートル、最も好ましくは約20ミリメートル~約30ミリメートルである。別の方法として、こうした実施形態において、フィルターセグメントの長さは、約4ミリメートル~約27ミリメートルであってもよく、好ましくは約5ミリメートル~約27ミリメートルであり、より好ましくは約10ミリメートル~約27ミリメートルであり、なおより好ましくは約15ミリメートル~約27ミリメートルであり、最も好ましくは約20ミリメートル~約27ミリメートルである。さらなる別の方法として、こうした実施形態において、フィルターセグメントの長さは、約4ミリメートル~約25ミリメートルであってもよく、好ましくは約5ミリメートル~約25ミリメートルであり、より好ましくは約10ミリメートル~約25ミリメートルであり、なおより好ましくは約15ミリメートル~約30ミリメートルであり、最も好ましくは約20ミリメートル~約25ミリメートルである。
【0097】
フィルターセグメントは、エアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。フィルターセグメントは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。フィルターセグメントは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、フィルターセグメントは7.2ミリメートルから10パーセント以内までの外径を有する。
【0098】
好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品において、フィルターセグメントは、少なくとも80パーセント、より好ましくは少なくとも85パーセントの平均半径方向硬度を有する。従って、フィルターセグメントは、従来のセルロースアセテートトウフィルターによって提供されるものに匹敵する、望ましいレベルのフィルター硬度を提供することができる。望ましい場合、例えば少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップなどの堅いプラグラップでフィルターセグメントを囲むことによって、本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントの半径方向硬度をさらに増加させてもよい。
【0099】
本明細書で使用される「半径方向硬度」という用語は、フィルターセグメントの長軸方向軸を横断する方向での圧縮に対する抵抗を指す。フィルターの周りのエアロゾル発生物品の半径方向硬度は、物品の長軸方向軸に対して横断方向に、フィルターの場所にて物品を横切って負荷を加えることと、物品の押圧された直径の平均(平均値)を測定することとによって決定されてもよい。半径方向硬度は以下によって与えられる。
式中、D
Sは元の(押圧されていない)直径であり、またD
dは設定継続時間の間、設定された負荷を加えた後の押圧された直径である。材料が硬いほど硬度は100%に近づく。
【0100】
エアロゾル物品の一部分(フィルターセグメントなど)の硬度を決定するには、エアロゾル発生物品を平面内で平行に整列させるべきであり、試験される各エアロゾル発生物品の同一の部分は、設定継続時間の間、設定された負荷を受けるべきである。この試験は、周知のDD60A Densimeter装置(Heinr Borgwaldt GmbH(ドイツ)によって製造・市販)を使用して実施され、これには紙巻たばこなどのエアロゾル発生物品用の測定ヘッドが装着され、またエアロゾル発生物品容器付きである。
【0101】
一度にすべてのエアロゾル発生物品の直径を横切って延びる、二つの負荷印加円筒状ロッドを使用して負荷が加えられる。この機器のための標準的な試験方法によって、エアロゾル発生物品と負荷印加円筒状ロッドとの間に20か所の接触点が生じるように試験が実施されるべきである。一部の場合において、試験されるフィルターは、各々の喫煙物品が両方の負荷印加ロッドに接触する20か所の接触点を形成するためにエアロゾル発生物品10本のみが必要となるように、十分に長くてもよい(これらが両方のロッド間に延びるだけ十分長いため)。他の場合において、これを達成するにはフィルターが過度に短い場合、以下にさらに考察する通り、20か所の接触点を形成するためにエアロゾル発生物品20本を使用するべきであり、各々のエアロゾル発生物品は負荷印加ロッドのうちの一つのみに接触している。
【0102】
エアロゾル発生物品を支持し、かつ負荷印加円筒状ロッドの各々によって加えられる負荷に対抗するために、2本のさらなる固定された円筒状ロッドがエアロゾル発生物品の下に位置する。
【0103】
このような装置のための標準作業手順については、2kgの全体的な負荷が20秒間印加される。20秒が経過した後(かつまだ負荷が喫煙物品に加えられている状態で)、負荷印加円筒状ロッドにおける押し下げが判定され、次いで上記の方程式から硬度を算出するために使用される。温度は摂氏22度±2度の領域内に保たれる。上述の試験は、DD60A試験と呼ばれる。フィルター硬度を測定する標準的な方法は、エアロゾル発生物品がまだ消費されていない時である。平均半径方向硬度の測定に関する追加情報は、例えば米国公開特許出願公報第2016/0128378号に見いだすことができる。
【0104】
一部の実施形態において、上述のフィルターセグメントは、エアロゾル発生物品の口側端フィルターを形成する濾過材料から形成された唯一のセグメントである。他の実施形態において、エアロゾル発生物品は、濾過材料から形成された一つ以上の追加的なフィルターセグメントを備えてもよく、これは、上述の通りのPHAポリマーまたはコポリマーを含むフィルターセグメントの上流または下流に提供されてもよい。例えば、PHAポリマーまたはコポリマーを含むフィルターセグメントは、PHA含有繊維を含んでもよく、または含まなくてもよい繊維質の濾過材料から形成された一つ以上の軸方向に整列したフィルタープラグと組み合わされてもよい。別の方法として、または追加的に、PHAポリマーまたはコポリマーを含むフィルターセグメントは、繊維質の濾過材料または厚紙の管から形成された管状要素など、一つ以上の管状要素と組み合わされてもよい。別の方法として、または追加的に、PHAフィルターセグメントはエアロゾル冷却要素と組み合わされてもよい。
【0105】
本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントは、随意に風味剤を含んでもよい。風味剤は、様々な異なる手段を使用して組み込まれることができ、これは当業者に周知であろう。例えば、風味剤は、PHAポリマーまたはコポリマーを含むエアロゾル発生物品のフィルターセグメント内に、または追加的なフィルターセグメント内に提供されてもよいカプセルの形態で組み込まれてもよい。
【0106】
本発明によるエアロゾル発生物品のフィルターセグメントは、フィルターセグメントと、エアロゾル発生基体の下流端と、その間に提供されてもよい任意の追加的な構成要素とを囲む外側ラッパー(例えばチッピングラッパー)によって囲まれていることが好ましい。チッピングラッパーは、国際公開第A-2017/162838号に記載の通り、取り外し可能なチッピングラッパー部分を備えてもよい。これは、エアロゾル発生物品を処分する前に、チッピングラッパーの少なくとも一部分を除去することを可能にする。チッピングラッパーの除去は、下にあるフィルターセグメントを暴露させ、従って有利なことに、フィルター材料の生分解の速度を速める場合がある。
【0107】
一部の実施形態において、本発明によるエアロゾル発生物品は、同じラッパー内でエアロゾル発生基体のロッドとともに典型的に組み立てられる一つ以上の追加的な要素をさらに備えてもよい。こうした追加的な要素の例としては、エアロゾル発生物品の構造的強度を強化するように適合された支持要素、フィルターセグメントに到達する前のエアロゾルの冷却に有利に働くように適合された冷却要素などが挙げられる。
【0108】
例えば、好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品は、直線状の連続的な配設で、エアロゾル発生基体のロッドと、支持要素のすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素と、ロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーとを備える。ロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素は、直線状の配設で、かつ上述の通りのフィルターセグメントの上流に提供されている。特に好ましい一実施形態において、ロッド、支持要素、およびエアロゾル冷却要素は、直線状の配設で、かつ上述の通りのフィルターセグメントのすぐ上流に提供されている。
【0109】
例えば、支持要素は、繊維質の濾過材料の管状要素の形態で提供されてもよい。繊維質の濾過材料はセルロースアセテートを含んでもよい。好ましい実施形態において、繊維状濾過は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリマーまたはコポリマーを含む。
【0110】
本発明の別の好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、直線状の連続的な配設で、エアロゾル発生基体と、伝達要素と、エアロゾル冷却要素と、スペーサー要素と、上述の通りのフィルターセグメントとを備える。
【0111】
本発明の特定の好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の上流端と接触して、エアロゾル発生物品の上流端にて可燃性熱源をさらに備える。例えば、エアロゾル発生物品は、使用中にエアロゾルを発生するためにエアロゾル発生基体を加熱するために、上流端にて炭素質の熱源を備えてもよい。適切な炭素質の熱源は当業者に周知であろう。
【0112】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【
図1】
図1は、ヒーター要素を備えるエアロゾル発生装置で使用する、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向の断面図を示す。
【
図2】
図2は、一体型の熱源を備える、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向の断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向の断面図を示す。
【
図4】
図4は、電気的に作動するエアロゾル発生装置と、
図1に示すエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0114】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド、中空の管状要素として提供された支持要素14、冷却要素16、および口側端フィルターセグメント18を備える。これらの四つの要素は連続的に、かつ同軸に整列して配設されていて、また基体ラッパー20によって囲まれていて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口側端22と、口側端22に対して物品の反対側の端に位置する遠位端24とを有する。
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するために特に適切である。
【0115】
使用時に、空気は、ユーザーによってエアロゾル発生物品を通して遠位端24から口側端22に引き出される。エアロゾル発生物品の遠位端24はまた、エアロゾル発生物品10の上流端として記述される場合があり、エアロゾル発生物品10の口側端22はまた、エアロゾル発生物品10の下流端として記述される場合がある。口側端22と遠位端24の間に位置するエアロゾル発生物品10の要素を、口側端22の上流にあると記述することができ、または別の方法として、遠位端24の下流にあると記述することができる。
【0116】
エアロゾル発生基体24は、エアロゾル発生物品10の最遠の遠位端または上流端に位置する。
図1に図示する実施形態において、エアロゾル発生基体12は、ラッパーによって囲まれた、捲縮した均質化したたばこ材料シートの集合体を備える。均質化したたばこ材料の捲縮したシートはエアロゾル形成体としてグリセリンを含む。
【0117】
支持要素14はエアロゾル発生基体12のすぐ下流に位置し、エアロゾル発生基体12に当接する。
図1に示す実施形態において、支持要素は、繊維質の濾過材料で形成された中空管である。支持要素14は、エアロゾル発生装置の発熱体によって貫通されることができるように、エアロゾル発生物品10の最遠の遠位端24にエアロゾル発生基体12を位置させる。実際において、支持要素14は、エアロゾル発生装置の発熱体がエアロゾル発生基体12の中に挿入されている時に、エアロゾル発生基体16がエアロゾル冷却要素16に向かってエアロゾル発生物品10内で下流に押しやられるのを防止するように働く。支持要素14はまた、エアロゾル発生物品10のエアロゾル冷却要素16をエアロゾル発生基体12から離隔するためのスペーサーとしても働く。
【0118】
エアロゾル冷却要素16は支持要素14のすぐ下流に位置し、また支持要素14に当接する。使用時に、エアロゾル発生基体12から放出された揮発性物質は、エアロゾル発生物品10の口側端22に向かって、エアロゾル冷却要素16に沿って通る。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素16内で冷えて、ユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。
図1に図示する実施形態において、エアロゾル冷却要素は管状要素20を備える。ポリ乳酸の捲縮したシートの集合体は、エアロゾル冷却要素40の長さに沿って延びる複数の長軸方向のチャネルを画定する。
【0119】
フィルターセグメント18はエアロゾル冷却要素16のすぐ下流に位置し、エアロゾル冷却要素16に当接する。
図1に図示する実施形態において、フィルターセグメント18は、およそ3のフィラメント当たりのデニールおよびおよそ27,000の総デニールを有する複数のPHA繊維から形成された繊維質の濾過材料の単一の円筒状プラグを備える。PHA繊維は丸い断面形状を有し、フィルターセグメントの長さに沿って相互に実質的に長軸方向に整列している。PHA繊維の露出した表面積は、約0.16平方メートル/グラムに相当する。PHA繊維は、溶融紡糸プロセスによって形成されていて、かつ捲縮されている。より詳細に、繊維は、約85重量パーセントのPHAポリマーまたはコポリマーに、PBAT対PBSの比が1:1の、15重量パーセントのPBATとPBSのブレンドを組み合せたものを含有する。繊維質濾過材料のプラグは、プラグラップ(図示せず)によって囲まれている。
【0120】
図2に示すエアロゾル発生物品100は、可燃性熱源112と、エアロゾル発生基体のロッド114と、伝達要素116と、エアロゾル冷却要素118と、スペーサー要素120と、マウスピースフィルターセグメント122とを備える。これらの要素は連続的に、かつ同軸に整列して配設されていて、また基体ラッパーによって囲まれていて、エアロゾル発生物品100を形成する。
【0121】
可燃性熱源112は、約10ミリメートルの長さを有する、炭素質の材料の実質的に円形の円筒状本体を備える。可燃性熱源112はブラインド熱源である。言い換えれば、可燃性熱源112は、これを通して延びるいかなる空気チャネルも備えない。
【0122】
エアロゾル発生基体114のロッドは、可燃性熱源112の近位端に配設されている。エアロゾル発生基体114は、フィルタープラグラップ126によって囲まれたたばこ材料の実質的に円形の円筒状プラグ124を備える。
【0123】
不燃性で実質的に空気不透過性の第一のバリア128は、可燃性熱源112の近位端とエアロゾル発生基体114の遠位端との間に配設されている。第一のバリア128は、アルミ箔のディスクを備える。第一のバリア128はまた、可燃性熱源112の近位面からエアロゾル発生基体114の遠位面に熱を伝導するために、可燃性熱源112とエアロゾル発生基体114の間に熱伝導性部材を形成する。
【0124】
熱伝導性要素130は、可燃性熱源112の近位部分およびエアロゾル形成基体114の遠位部分を囲む。熱伝導性要素130はアルミ箔の管を備える。熱伝導性要素130は、可燃性熱源112の近位部分、およびエアロゾル発生基体114のフィルタープラグラップ126と直接接触している。
【0125】
マウスピースフィルター122は、およそ3のフィラメント当たりのデニールおよびおよそ27,000の総デニールを有する複数のPHA繊維から形成された繊維質の濾過材料の単一の円筒状プラグ126を備える。PHA繊維は丸い断面形状を有し、フィルターセグメントの長さに沿って相互に実質的に長軸方向に整列している。PHA繊維の露出した表面積は、約0.16平方メートル/グラムに相当する。PHA繊維は、溶融紡糸プロセスによって形成されていて、かつ捲縮されている。繊維質濾過材料のプラグは、プラグラップ(図示せず)によって囲まれている。
【0126】
図3に示すエアロゾル発生物品310は、相互に同軸の整列で配設されたエアロゾル発生基体312とフィルター314とを備える可燃性喫煙物品である。エアロゾル発生基体312は、外側ラッパー(図示せず)によって囲まれたたばこロッドを備える。チッピングラッパー316は、フィルター314とエアロゾル発生基体312の端部分との両方を囲み、フィルター314をエアロゾル発生基体312に取り付ける。
【0127】
フィルター314は、およそ3のフィラメント当たりのデニールおよびおよそ27,000の総デニールを有するPHA繊維から形成された繊維質の濾過材料の単一の円筒状プラグ318を備える。PHA繊維は丸い断面形状を有し、フィルターセグメントの長さに沿って相互に実質的に長軸方向に整列している。PHA繊維の露出した表面積は、約0.16平方メートル/グラムに相当する。PHA繊維は、溶融紡糸プロセスによって形成されていて、かつ捲縮されている。繊維質濾過材料のプラグは、プラグラップ(図示せず)によって囲まれている。
【0128】
図4は、
図1に示すエアロゾル発生物品10のエアロゾル発生基体12のロッドを加熱するためのヒーターブレード210を利用する電気的に作動するエアロゾル発生システム200の一部分を示す。ヒーターブレード210は、電気的に作動するエアロゾル発生装置212のハウジング内のエアロゾル発生物品チャンバー内に据え付けられている。エアロゾル発生装置212は、
図4に矢印で図示されている通り、空気がエアロゾル発生物品10に流れることを可能にするための複数の空気穴214を画定する。エアロゾル発生装置212は電源および電子部品を備え、これらは
図4で図示されていない。
【0129】
比較例
〔IDRからの試験1および試験2についての考察を組み込むか?〕
本発明によるPHAフィルターセグメントは、以下の表1に示されるパラメータで、PHA繊維から調製された。PHA繊維は、溶融紡糸プロセスを使用して形成され、その後、繊維は捲縮され、標準的なフィルター作製設備を使用してフィルターセグメントへと形成された。比較の目的で、従来のセルロースアセテート(CA)トウフィルターセグメントを、同様の値のフィラメント当たりのデニール(dpf)および総デニールを用いて調製した。
【表1】
【0130】
第一の試験において、本発明によるPHAフィルターセグメントとCAフィルターセグメントの水への曝露による吸水を比較した。各フィルターセグメントについて、プラグラップを除去し、フォーステンショメータ(KRUSSフォーステンショメータ、モデルK100)のプローブにフィルターセグメントを取り付けた。フィルターセグメントを、プローブによって水の容器に向かって下に移動し、フィルターセグメントが水に接触すると自動的に停止する。フィルターセグメントは、フィルター材料が水を吸収することができるように300秒間水と接触したままにされ、次いでフィルターセグメントは、試験期間中に吸収された水の量を決定するために秤量される。PHAフィルターセグメントおよびCAフィルターセグメントの各々について、この試験を3回繰り返し、下記の表2に示す通り、吸水の平均値を計算した。
【表2】
【0131】
試験中に本発明によるPHAフィルターセグメントによって吸収された水の量は従って、CAフィルターセグメントによって吸収された水の量の40パーセント未満であった。従って、この試験は、従来のCAフィルターセグメントと比較して、本発明によるPHAフィルターセグメントの水親和性が著しく減少したことを実証する。
【0132】
第二の試験において、本発明によるPHAフィルターセグメントとCAフィルターセグメントの水分への曝露による吸水を比較した。各フィルターセグメントについて、プラグラップを除去し、フィルターセグメントを形成している繊維をシャーレ内に定置し、摂氏22度および50パーセントの相対湿度で70時間にわたり空気に曝露した。これは、蒸気吸着分析器(ProUmid SPSx-1μ)で行った。各フィルターセグメントについて、試験開始時に繊維の重量を測定し、繊維による水蒸気の吸収に起因する経時的な重量の変化を測定する。PHAフィルターセグメントおよびCAフィルターセグメントの各々について、サンプルの重量の増加を元の重量の割合として表す、サンプルの質量の差の割合(%dm)の値を計算した。70時間の試験の終了時のサンプルの各々の%dmの値を、下記の表3に示す。
【表3】
【0133】
結果は、70時間の試験中にセルロースアセテート繊維によって吸収された水蒸気の量は、PHA繊維によって吸収された水蒸気の量より50倍超多かったことを実証する。PHA繊維は、試験中にほとんど水蒸気を吸収しなかった。これは、従来のCAフィルターセグメントと比較して、本発明によるPHAフィルターセグメントの水の親和性が著しく低減したことをさらに実証する。
【0134】
第三の試験において、本発明によるPHAフィルターセグメントと従来のCAフィルターセグメントとによる主流煙からの水の吸収を比較した。フィルターセグメントの各々について、可燃性たばこロッドと、フィルターを形成する濾過材料の単一セグメントとを用いて、
図3を参照しながら上述の通りに、従来の喫煙物品を調製した。次いで、喫煙物品の各々を、ISO 3308:2000(吸煙体積35ml、60秒毎に2秒の吸煙持続時間)に示された通りのISO条件下で、紙巻たばこ喫煙機械で喫煙し、結果として生じる煙の分析を実行した。フィルターセグメントの各々について、表4に示す通り、喫煙試験中に収集された主流煙中の水の量を測定した。
【表4】
【0135】
これは、同等の条件下で喫煙した場合、PHAフィルターセグメントを組み込んだ喫煙物品が、CAフィルターセグメントを含む喫煙物品からの主流煙の含水量よりもおよそ20パーセント高い含水量を有する主流煙を生成することを実証する。これは、PHAフィルターセグメントが、CAフィルターセグメントよりも少ない水を主流煙から吸収せず、これによって上述の通りの乾燥煙の潜在的な問題を低減することを実証する。