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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】電力管理装置、及び給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241107BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20241107BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20241107BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241107BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/02 H
H02J7/02 J
H02J7/34 B
H02J3/32
H01M10/48 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022552325
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2021005547
(87)【国際公開番号】W WO2022172457
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】光永 琢真
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真吾
(72)【発明者】
【氏名】一 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】直井 克夫
(72)【発明者】
【氏名】宇都 久和
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223058(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147306(WO,A1)
【文献】特開2013-31317(JP,A)
【文献】国際公開第2019/207852(WO,A1)
【文献】特開2017-85852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 3/32
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバータを介して直流バスに接続された蓄電池に含まれる複数の電池セルの充電状態を均等化するセルバランスを実施すべき実施条件が満たされたか否かを判定する第1判定部と、
前記実施条件が満たされた場合に、前記蓄電池を管理する電池管理装置に前記セルバランスを実施させるためのセルバランス実施制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記蓄電池の充電状態が、前記電池管理装置が前記セルバランスを開始する状態となるように、前記コンバータの目標電圧を変更する、電力管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記コンバータと前記蓄電池との間の電流の最大電流値を低下させる、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記直流バスに電力を供給する発電装置の電力供給を停止する、請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記直流バスに電力を供給する補助電源装置に電力を供給させる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記蓄電池の充電状態が、所定の状態となったか否かを判定する第2判定部を更に備え、
前記制御部は、前記実施条件が満たされ、かつ、前記充電状態が前記所定の状態となった場合に、前記セルバランス実施制御を行う、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記第2判定部は、前記蓄電池の前記充電状態が満充電状態になったか否かを判定し、
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記目標電圧を低下させる、請求項5に記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記第2判定部は、前記蓄電池の前記充電状態が完全放電状態になったか否かを判定し、
前記制御部は、前記セルバランス実施制御において、前記目標電圧を上昇させる、請求項5に記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記第1判定部は、前記複数の電池セルのセル電圧のうちの、最大セル電圧及び最小セル電圧に基づいて、前記実施条件が満たされたか否かを判定する、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項9】
前記第1判定部は、前記最大セル電圧と前記最小セル電圧との差分を前記セル電圧の理論値で除算することによって得られる比率が、予め設定された比率閾値よりも大きい場合に、前記実施条件が満たされたと判定する、請求項8に記載の電力管理装置。
【請求項10】
前記比率閾値は、0.3%以上2.0%以下である、請求項9に記載の電力管理装置。
【請求項11】
前記第1判定部は、前記直流バスから電力の供給を受ける負荷機器が消費した1日当たりの消費電力の合計と、前記直流バスに電力を供給する補助電源装置が前記直流バスに供給した1日当たりの供給電力の合計と、に基づいて、前記実施条件が満たされたか否かを判定する、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項12】
前記第1判定部は、前記消費電力の合計から前記供給電力の合計を減算することによって得られる値の移動平均値を前記蓄電池の蓄電容量の理論値で除算することによって得られる蓄電容量率が、予め設定された容量率閾値よりも小さい場合に、前記実施条件が満たされたと判定する、請求項11に記載の電力管理装置。
【請求項13】
前記容量率閾値は、65%以上90%以下である、請求項12に記載の電力管理装置。
【請求項14】
直流電力を供給するための直流バスと、
発電装置を含み、前記直流バスに電力を供給する電源装置と、
前記直流バスに電力を供給する補助電源装置と、
前記直流バスに接続され、前記直流バスに供給されるバス電圧を負荷機器に供給される負荷電圧に変換する第1コンバータと、
複数の電池セルを含む蓄電池と、
前記蓄電池を管理する電池管理装置と、
前記蓄電池と前記直流バスとの間に設けられ、前記バス電圧と前記蓄電池の電池電圧とを双方向に変換可能な第2コンバータと、
前記第2コンバータを制御することによって前記蓄電池を充放電する電力管理装置と、
を備え、
前記電力管理装置は、
前記複数の電池セルの充電状態を均等化するセルバランスを実施すべき実施条件が満たされたか否かを判定し、
前記実施条件が満たされた場合に、前記蓄電池の充電状態が、前記電池管理装置が前記セルバランスを開始する状態となるように、前記第2コンバータの目標電圧を変更する、給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力管理装置、及び給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、風力及び太陽光といった再生可能エネルギーを利用した発電設備の導入が進んでいる。特に、隔離地及び過疎地のような電力系統インフラが整備されていない地域では、経済性向上を図るとともに低炭素社会の実現にも貢献可能な給電システムに対するニーズは高い。電力系統インフラが既に整備されている地域においても、自然災害等で電力系統が停止した場合に負荷機器に対して安定的かつ継続的に電力を供給する給電システムへの期待が高まっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、太陽光発電装置と充放電可能な蓄電池とを備える給電システムが記載されている。この給電システムでは、太陽光発電装置から負荷機器に電力が供給され、太陽光発電装置の発電量と負荷電力との差分に応じて、蓄電池が充放電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2012/057032号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の給電システムでは、蓄電池として複数の電池セルが用いられている。蓄電池が使用されるにつれて、電池セル間で充電状態(蓄電量)にばらつきが生じる。その結果、蓄電池の実効蓄電容量が減少するおそれがある。一般に、電池管理装置(Battery Management Unit:BMU)は、充電末期状態又は放電末期状態において充電状態のばらつきを解消する機能(セルバランス機能)を有している。しかしながら、上述のような給電システムにおいては、安全性を考慮して、充電末期状態及び放電末期状態にならない範囲で蓄電池が使用されている。したがって、電池セル間における充電状態のばらつきが解消されないおそれがある。
【0006】
本開示は、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能な電力管理装置、及び給電システムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る電力管理装置は、コンバータを介して直流バスに接続された蓄電池に含まれる複数の電池セルの充電状態を均等化するセルバランスを実施すべき実施条件が満たされたか否かを判定する第1判定部と、実施条件が満たされた場合に、蓄電池を管理する電池管理装置にセルバランスを実施させるためのセルバランス実施制御を行う制御部と、を備える。制御部は、セルバランス実施制御において、蓄電池の充電状態が、電池管理装置がセルバランスを開始する状態となるように、コンバータの目標電圧を変更する。
【0008】
この電力管理装置では、セルバランスを実施すべき実施条件が満たされた場合に、蓄電池の充電状態が、電池管理装置がセルバランスを開始する状態となるように、コンバータの目標電圧が変更される。コンバータの目標電圧が変更されることによって、コンバータに接続されている蓄電池が充電又は放電されやすくなる。したがって、通常動作時において充電末期状態及び放電末期状態にならない範囲で蓄電池が使用されていたとしても、セルバランスを実施することができる。その結果、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0009】
制御部は、セルバランス実施制御において、コンバータと蓄電池との間の電流の最大電流値を低下させてもよい。セルバランスは、蓄電池の充電状態が充電末期状態又は放電末期状態である場合に実施される。充電末期状態において、蓄電池が急激に充電されると過充電状態となるおそれがある。したがって、最大電流値を低下させることによって、充電速度を低下させることができ、蓄電池が過充電状態となる可能性を低減することができる。同様に、放電末期状態において、蓄電池が急激に放電されると過放電状態となるおそれがある。したがって、最大電流値を低下させることによって、放電速度を低下させることができ、蓄電池が過放電状態となる可能性を低減することができる。
【0010】
制御部は、セルバランス実施制御において、直流バスに電力を供給する発電装置の電力供給を停止してもよい。コンバータと蓄電池との間の電流の最大電流値が低下された場合、コンバータを介して蓄電池に充電可能な電力量が減少する。したがって、発電装置の電力供給を停止することによって、電力バランスを保つことが可能となる。
【0011】
制御部は、セルバランス実施制御において、直流バスに電力を供給する補助電源装置に電力を供給させてもよい。セルバランスを実施することによって、蓄電池から供給可能な電力が減少することがある。したがって、補助電源装置に電力を供給させることによって、蓄電池から供給される電力の減少分を補うことができる。
【0012】
上記電力管理装置は、蓄電池の充電状態が、所定の状態となったか否かを判定する第2判定部を更に備えてもよい。制御部は、実施条件が満たされ、かつ、充電状態が所定の状態となった場合に、セルバランス実施制御を行ってもよい。実施条件が満たされた時点では、蓄電池の充電状態が満充電状態又は完全放電状態であるとは限らない。上記構成によれば、例えば、蓄電池の充電状態が満充電状態又は完全放電状態になったら、セルバランス実施制御が実施される。したがって、蓄電池を含む給電システムをなるべく通常稼働させることができるので、給電システムの安定性を向上させることが可能となる。
【0013】
第2判定部は、蓄電池の充電状態が満充電状態になったか否かを判定してもよい。制御部は、セルバランス実施制御において、目標電圧を低下させてもよい。蓄電池が充電末期状態になった場合に、電池管理装置がセルバランスを実施することがある。この場合、コンバータの目標電圧を低下させることによって、蓄電池が満充電状態から更に充電される。これにより、蓄電池の充電状態を、電池管理装置がセルバランスを開始する充電状態とすることができるので、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0014】
第2判定部は、蓄電池の充電状態が完全放電状態になったか否かを判定してもよい。制御部は、セルバランス実施制御において、目標電圧を上昇させてもよい。蓄電池が放電末期状態になった場合に、電池管理装置がセルバランスを実施することがある。この場合、コンバータの目標電圧を上昇させることによって、蓄電池が完全放電状態から更に放電される。これにより、蓄電池の充電状態を、電池管理装置がセルバランスを開始する充電状態とすることができるので、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0015】
第1判定部は、複数の電池セルのセル電圧のうちの、最大セル電圧及び最小セル電圧に基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定してもよい。最大セル電圧と最小セル電圧との差分が大きいほど、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが大きいと考えられる。したがって、最大セル電圧及び最小セル電圧を考慮することによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度を向上させることができる。
【0016】
第1判定部は、最大セル電圧と最小セル電圧との差分をセル電圧の理論値で除算することによって得られる比率が、予め設定された比率閾値よりも大きい場合に、実施条件が満たされたと判定してもよい。複数の電池セル間における充電状態のばらつきが生じていると判断し得る最大セル電圧と最小セル電圧との差分の大きさは、セル電圧の理論値によって異なる。例えば、セル電圧の理論値が大きいほど、ばらつきが生じていると判断し得る差分の大きさは大きくなる。したがって、最大セル電圧と最小セル電圧との差分をセル電圧の理論値で除算することによって得られる比率を用いることによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0017】
比率閾値は、0.3%以上であってもよく、2.0%以下であってもよい。比率閾値が2.0%以下である場合、電池セルの機能が損なわれる可能性を低減することができる。例えば、再生可能エネルギー発電装置が直流バスに電力を供給する構成においては、比率閾値が0.3%以上である場合、再生可能エネルギーを有効利用することができる。その結果、いずれの電池セルの機能も損なわれることなく、再生可能エネルギーを有効利用しながら、セルバランスを実施することができる。したがって、蓄電池の実効蓄電容量の減少をより一層抑制することが可能となる。
【0018】
第1判定部は、直流バスから電力の供給を受ける負荷機器が消費した1日当たりの消費電力の合計と、直流バスに電力を供給する補助電源装置が直流バスに供給した1日当たりの供給電力の合計と、に基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定してもよい。消費電力に対して、蓄電池から供給可能な電力が不足すると、補助電源装置から電力が供給される。このため、負荷機器によって消費された1日当たりの消費電力の合計から補助電源装置によって供給された1日当たりの供給電力の合計を減算することによって得られる値が、蓄電池の実効蓄電容量と推定され得る。この実効蓄電容量が小さいほど、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが大きいと考えられる。したがって、負荷機器によって消費された1日当たりの消費電力の合計及び補助電源装置によって供給された1日当たりの供給電力の合計を考慮することによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度を向上させることができる。
【0019】
第1判定部は、消費電力の合計から供給電力の合計を減算することによって得られる値の移動平均値を蓄電池の蓄電容量の理論値で除算することによって得られる蓄電容量率が、予め設定された容量率閾値よりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定してもよい。日によって消費電力等は変動し得るので、負荷機器によって消費された1日当たりの消費電力の合計から補助電源装置によって供給された1日当たりの供給電力の合計を減算することによって得られる値の移動平均値を用いることによって、変動の影響を低減することができる。さらに、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが生じていると判断し得る実効蓄電容量の大きさは、蓄電池の蓄電容量の理論値によって異なる。例えば、蓄電容量の理論値が大きいほど、ばらつきが生じていると判断し得る実効蓄電容量の大きさは大きくなる。したがって、蓄電容量率を用いることによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0020】
容量率閾値は、65%以上であってもよく、90%以下であってもよい。容量率閾値が65%以上である場合、電池セルの機能が損なわれる可能性を低減することができる。例えば、再生可能エネルギー発電装置が直流バスに電力を供給する構成においては、容量率閾値が90%以下である場合、再生可能エネルギーを有効利用することができる。その結果、いずれの電池セルの機能も損なわれることなく、再生可能エネルギーを有効利用しながら、セルバランスを実施することができる。したがって、蓄電池の実効蓄電容量の減少をより一層抑制することが可能となる。
【0021】
本開示の別の側面に係る給電システムは、直流電力を供給するための直流バスと、発電装置を含み、直流バスに電力を供給する電源装置と、直流バスに電力を供給する補助電源装置と、直流バスに接続され、直流バスに供給されるバス電圧を負荷機器に供給される負荷電圧に変換する第1コンバータと、複数の電池セルを含む蓄電池と、蓄電池を管理する電池管理装置と、蓄電池と直流バスとの間に設けられ、バス電圧と蓄電池の電池電圧とを双方向に変換可能な第2コンバータと、第2コンバータを制御することによって蓄電池を充放電する電力管理装置と、を備える。電力管理装置は、複数の電池セルの充電状態を均等化するセルバランスを実施すべき実施条件が満たされたか否かを判定し、実施条件が満たされた場合に、蓄電池の充電状態が、電池管理装置がセルバランスを開始する状態となるように、第2コンバータの目標電圧を変更する。
【0022】
この給電システムでは、セルバランスを実施すべき実施条件が満たされた場合に、蓄電池の充電状態が、電池管理装置がセルバランスを開始する状態となるように、第2コンバータの目標電圧が変更される。第2コンバータの目標電圧が変更されることによって、第2コンバータに接続されている蓄電池が充電又は放電されやすくなる。したがって、通常動作時において充電末期状態及び放電末期状態にならない範囲で蓄電池が使用されていたとしても、セルバランスを実施することができる。その結果、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の各側面及び各実施形態によれば、蓄電池の実効蓄電容量の減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、一実施形態に係る電力管理装置を含む給電システムを概略的に示す構成図である。
図2図2は、図1に示される電力管理装置のハードウェア構成図である。
図3図3は、図1に示される電力管理装置の機能ブロック図である。
図4図4は、セルバランス機能と電池セルのセル電圧との関係を説明するための図である。
図5図5は、図1に示される電力管理装置が行うセル電圧均等化方法の一連の処理を示すフローチャートである。
図6図6は、図1に示される電力管理装置が行う別のセル電圧均等化方法の一連の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。
【0026】
図1を参照して、一実施形態に係る電力管理装置を含む給電システムを説明する。図1は、一実施形態に係る電力管理装置を含む給電システムを概略的に示す構成図である。図1に示される給電システム1は、負荷機器Lに負荷電力WL(負荷電圧VL)を供給するシステムである。本実施形態では、給電システム1は、直流給電システムである。
【0027】
負荷機器Lは、直流電圧で動作する直流負荷機器であってもよく、交流電圧で動作する交流負荷機器であってもよい。直流負荷機器の例としては、LED(Light Emission Diode)照明器、DC(Direct Current)ファン、及びパーソナルコンピュータが挙げられる。交流負荷機器の例としては、洗濯機、冷蔵庫、及びエアーコンディショナが挙げられる。給電システム1は、直流バス2と、電源装置3と、補助電源装置5と、コンバータ6(第1コンバータ)と、蓄電装置7と、電力管理装置10と、を備える。
【0028】
直流バス2は、直流電力を供給する直流給電を行うための母線として機能するバスである。直流バス2は、電源装置3、補助電源装置5、蓄電装置7、及び負荷機器Lの設置場所に亘って敷設されている。直流バス2にはバス電圧Vbusが供給される。バス電圧Vbusは、高圧の直流電圧である。バス電圧Vbusは、コンバータ6の入力電圧の範囲に含まれるように設定される。バス電圧Vbusは、例えば、DC250V以上DC450V以下の電圧である。バス電圧Vbusの電圧値は、固定されていてもよく、変動してもよい。
【0029】
電源装置3は、直流バス2に電力を供給する装置である。本実施形態では、給電システム1は、2つの電源装置3を備えている。電源装置3の数は、2つに限られず、必要に応じて適宜変更され得る。電源装置3は、再生可能エネルギー発電装置31(発電装置)と、パワーコンディショナー32と、を含む。
【0030】
再生可能エネルギー発電装置31は、発電電力Wreを生成する装置である。再生可能エネルギー発電装置31の例としては、太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電装置、及び地熱発電装置が挙げられる。再生可能エネルギー発電装置31は、パワーコンディショナー32を介して、直流バス2に接続されている。再生可能エネルギー発電装置31は、所定の電圧値の発電電圧Vreを生成し、発電電圧Vreに応じた発電電力Wreを出力する。発電電圧Vreは、直流電圧でもよく、交流電圧でもよい。なお、2つの再生可能エネルギー発電装置31によって生成される発電電圧Vreの電圧値及び発電電力Wreの大きさは互いに異なり得るが、説明の便宜上、同じ符号が付されている。
【0031】
パワーコンディショナー32は、直流バス2に接続されており、発電電圧Vreをバス電圧Vbusに変換する装置である。発電電圧Vreが直流電圧である場合、パワーコンディショナー32は、DC/DCコンバータを含む。発電電圧Vreが交流電圧である場合、パワーコンディショナー32は、AC(Alternating Current)/DCコンバータを含む。パワーコンディショナー32は、例えば、発電電圧Vreに基づいて内部で生成した直流電圧で動作する。パワーコンディショナー32は、電力管理装置10からの指令に基づき、再生可能エネルギー発電装置31の発電動作を制御することで、発電電力Wreを制御する。
【0032】
パワーコンディショナー32は、電力管理装置10から起動指令を受信した場合、発電電圧Vreをバス電圧Vbusに変換し、バス電圧Vbusを直流バス2に供給することで、直流バス2に発電電力Wreを供給する。パワーコンディショナー32は、電力管理装置10から停止指令を受信した場合、発電電力Wreの供給を停止する。パワーコンディショナー32は、再生可能エネルギー発電装置31から直流バス2に供給されている発電電力Wreを計測する電力計測機能を有している。パワーコンディショナー32は、例えば、周期的に発電電力Wreを計測する。パワーコンディショナー32は、発電電力Wreの計測値を電力管理装置10に送信する。
【0033】
補助電源装置5は、直流バス2に電力を供給する装置である。補助電源装置5は、商用電源51と、AC/DCコンバータ52と、を含む。商用電源51は、所定の電圧値の系統電圧Vsを含む系統電力Wsを供給する。系統電圧Vsは交流電圧である。商用電源51は、AC/DCコンバータ52を介して直流バス2に接続されている。
【0034】
AC/DCコンバータ52は、直流バス2に接続されており、系統電圧Vsをバス電圧Vbusに変換する装置である。AC/DCコンバータ52は、例えば、系統電圧Vsに基づいて内部で生成した直流電圧で動作する。AC/DCコンバータ52は、電力管理装置10から起動指令を受信した場合、系統電圧Vsをバス電圧Vbusに変換し、バス電圧Vbusを直流バス2に供給することで、直流バス2に系統電力Wsを供給する。AC/DCコンバータ52は、電力管理装置10から停止指令を受信した場合、系統電力Wsの供給を停止する。AC/DCコンバータ52は、商用電源51から直流バス2に供給されている系統電力Wsを計測する電力計測機能を有している。AC/DCコンバータ52は、例えば、周期的に系統電力Wsを計測する。AC/DCコンバータ52は、系統電力Wsの計測値を電力管理装置10に送信する。
【0035】
補助電源装置5は、安定的に電力を供給することが可能であるので、給電システム1全体の電力が不足している場合に電力を供給するよう制御される。なお、給電システム1を維持するために、系統電力Wsは、負荷電力WLの総和と給電システム1における待機電力との合計以上である。待機電力は、電力管理装置10の消費電力、及び補機類(不図示のリレー、ファン、及び小容量電源等)の消費電力を含む。
【0036】
コンバータ6は、直流バス2に接続されており、バス電圧Vbusを負荷電圧VLに変換する装置である。負荷電圧VLは、負荷機器Lに供給される電圧である。負荷機器Lは、コンバータ6を介して直流バス2に接続されている。コンバータ6は、例えば、バス電圧Vbusに基づいて内部で生成した直流電圧で動作する。本実施形態では、給電システム1は、4つのコンバータ6を備えている。コンバータ6の数は、4つに限られず、負荷機器Lの数に応じて変更され得る。
【0037】
コンバータ6は、電力管理装置10から起動指令を受信した場合、バス電圧Vbusを負荷電圧VLに変換し、負荷電圧VL(負荷電力WL)を負荷機器Lに供給する。負荷機器Lが直流負荷機器である場合、負荷電圧VLは直流電圧であり、コンバータ6はDC/DCコンバータである。負荷機器Lが交流負荷機器である場合、負荷電圧VLは交流電圧であり、コンバータ6はDC/ACコンバータである。コンバータ6は、電力管理装置10から停止指令を受信した場合、負荷電圧VLの供給を停止する。
【0038】
コンバータ6は、直流バス2から負荷機器Lに供給される負荷電流を上限電流値で制限する電流制限機能を有している。上限電流値は、電力管理装置10によって設定される。コンバータ6は、負荷電圧VL及び負荷電流に基づき、直流バス2から負荷機器Lに供給されている負荷電力WLを計測する電力計測機能を有している。コンバータ6は、例えば、周期的に負荷電力WLを計測する。コンバータ6は、負荷電力WLの計測値を電力管理装置10に送信する。
【0039】
蓄電装置7は、給電システム1で生じた余剰電力を蓄積し、給電システム1で生じた不足電力を供給するための装置である。供給電力の総和から負荷電力WLの総和を引くことによって得られる差分電力が0より大きい場合には、差分電力の大きさ(電力値)に等しい余剰電力が生じる。供給電力は、直流バス2に供給される電力である。本実施形態では、供給電力は、発電電力Wre、及び系統電力Wsである。例えば、各蓄電装置7には、蓄電装置7の数で余剰電力を均等に分割することによって得られる電力Wcが直流バス2から供給される。差分電力が0より小さい場合には、差分電力の大きさに等しい不足電力が生じる。例えば、各蓄電装置7からは、蓄電装置7の数で不足電力を均等に分割することによって得られる電力Wcが直流バス2に放出される。
【0040】
蓄電装置7の数は、3つに限られず、必要に応じて適宜変更され得る。各蓄電装置7は、蓄電池71と、BMU(Battery Management Unit:電池管理装置)72と、双方向DC/DCコンバータ73(第2コンバータ)と、を含む。
【0041】
蓄電池71は、充放電可能な装置である。蓄電池71は、双方向DC/DCコンバータ73を介して直流バス2に接続されている。蓄電池71の例としては、リチウムイオン電池、NAS(ナトリウム硫黄)電池、レドックスフロー電池、鉛蓄電池、及びニッケル水素電池が挙げられる。本実施形態では、複数の蓄電装置7に含まれる蓄電池71は、互いに同種で、かつ同じ蓄電容量(充電容量)を有している。蓄電容量は、蓄電(充電)可能な最大の蓄電量である。複数の蓄電装置7に含まれる蓄電池71は、互いに異なる種類の蓄電池でもよく、互いに異なる蓄電容量を有してもよい。蓄電池71は、複数の電池セルを含む電池モジュールである。1つの蓄電池71に含まれる複数の電池セルは、互いに同種で、かつ同じ蓄電容量を有している。
【0042】
BMU72は、蓄電池71を管理する装置である。BMU72は、蓄電池71の電池電圧Vbatを計測する機能と、蓄電池71を構成する複数の電池セルのセル電圧Vcellを計測する機能と、蓄電池71の充放電電流の電流値を計測してSOC(State of charge:残容量)を演算する機能と、を有する。電池電圧Vbatは、蓄電池71の電圧である。セル電圧Vcellは、電池セルの電圧である。
【0043】
BMU72は、蓄電池71の電池情報を電力管理装置10に送信する。電池情報は、電池電圧Vbatの計測値、各電池セルのセル電圧Vcellの計測値、充放電電流の電流値、及びSOCを含む。電池情報は、すべてのセル電圧Vcellの計測値に代えて、最大セル電圧Vcellmaxの計測値及び最小セル電圧Vcellminの計測値のみを含んでもよい。最大セル電圧Vcellmaxは、複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの最大のセル電圧である。最小セル電圧Vcellminは、複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの最小のセル電圧である。BMU72は、周期的に電池情報を電力管理装置10に送信する。
【0044】
BMU72は、蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧(充電状態)を均等化するセルバランス機能を有する。なお、BMU72には、蓄電池71の充電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72と、蓄電池71の放電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72とが存在する。BMU72は、例えば、電力管理装置10からセルバランス許可信号を受け取ると、セルバランス機能を有効化する。BMU72は、蓄電池71の充放電を継続しながら、蓄電池71のセルバランスを実施する。つまり、セルバランスが実施されている間も、蓄電池71(蓄電装置7)は、給電システム1から切り離されることなく、双方向DC/DCコンバータ73を介して充放電される。
【0045】
双方向DC/DCコンバータ73は、直流バス2に接続されており、バス電圧Vbusと電池電圧Vbatとを双方向に変換可能な装置である。双方向DC/DCコンバータ73は、蓄電池71と直流バス2との間に設けられている。双方向DC/DCコンバータ73としては、公知の双方向DC/DCコンバータが用いられ得る。双方向DC/DCコンバータ73は、例えば、バス電圧Vbusに基づいて内部で生成した直流電圧で動作する。
【0046】
双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10によって制御される。具体的には、双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10から充電指令を受信した場合、バス電圧Vbusを電池電圧Vbatに変換するとともに、充電電流を直流バス2から蓄電池71に流す。これにより、蓄電池71が充電される。双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10から放電指令を受信した場合、電池電圧Vbatをバス電圧Vbusに変換するとともに、放電電流を蓄電池71から直流バス2に流す。これにより、蓄電池71が放電される。双方向DC/DCコンバータ73は、定電流方式で蓄電池71を充電又は放電してもよく、定電圧方式で蓄電池71を充電又は放電してもよい。
【0047】
双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10から停止指令を受信した場合、動作を停止させて消費電力を低減させるスリープ状態に移行する。双方向DC/DCコンバータ73は、スリープ状態において充電指令又は放電指令を受信した場合には、スリープ状態から脱して、充電処理又は放電処理を実行する。双方向DC/DCコンバータ73は、蓄電池71に供給する充電電流及び蓄電池71から放出される放電電流の各電流値を最大電流値以下に制限する電流制限機能を有している。双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10から最大電流値の設定指令を受信すると、設定指令によって指定された最大電流値に設定する。双方向DC/DCコンバータ73は、電力管理装置10から目標電圧の設定指令を受信すると、設定指令によって指定された目標電圧に設定する。目標電圧(値)は、バス電圧Vbusの電圧値を一定にするための電圧(値)である。双方向DC/DCコンバータ73は、電力Wcが変更された場合でも、バス電圧Vbusの電圧値を目標電圧(値)に維持しようとする機能を有している。
【0048】
双方向DC/DCコンバータ73は、電力Wcを計測する電力計測機能を有している。双方向DC/DCコンバータ73は、例えば、周期的に電力Wcを計測する。双方向DC/DCコンバータ73は、電力Wcの計測値を電力管理装置10に送信する。
【0049】
電力管理装置10は、給電システム1全体を管理する装置(コントローラ)である。電力管理装置10は、EMS(Energy Management System)とも称される。電力管理装置10は、電源装置3、補助電源装置5、コンバータ6、及び蓄電装置7と通信線を介して互いに通信可能に接続されている。通信線は、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。電力管理装置10は、RS-232C、RS-485、CAN(Controller Area Network)、及びイーサネット(登録商標)等の規格に準拠した通信を行ってもよい。
【0050】
電力管理装置10は、バス電圧Vbusを計測する電圧計測処理を行う。電力管理装置10は、バス電圧Vbusを直接的に計測してもよい。双方向DC/DCコンバータ73がバス電圧Vbusを計測して計測値を電力管理装置10に送信することによって、電力管理装置10がバス電圧Vbusを間接的に計測してもよい。
【0051】
電力管理装置10は、パワーコンディショナー32、AC/DCコンバータ52、コンバータ6、及び双方向DC/DCコンバータ73のそれぞれに、起動指令、及び停止指令を送信する。例えば、電力管理装置10は、コンバータ6に起動指令を送信することで、コンバータ6に負荷電圧VLを供給させる。電力管理装置10は、コンバータ6に停止指令を送信することで、コンバータ6に負荷電圧VLの供給を停止させる。他のコンバータについても同様である。
【0052】
電力管理装置10は、双方向DC/DCコンバータ73を制御することによって蓄電池71を充放電する充放電処理を行う。電力管理装置10は、差分電力に応じて充放電処理を行う。電力管理装置10は、供給電力の総和が負荷電力WLの総和よりも大きい場合(差分電力が0よりも大きい場合)、双方向DC/DCコンバータ73に充電指令を送信し、その差分電力である余剰電力を蓄電池71に蓄積させる。各蓄電池71には、例えば、蓄電池71の台数で余剰電力を均等に分割することによって得られる電力が蓄積される。電力管理装置10は、供給電力の総和が負荷電力WLの総和よりも小さい場合(差分電力が0よりも小さい場合)、双方向DC/DCコンバータ73に放電指令を送信し、不足電力を蓄電池71から放出させる。例えば、蓄電池71の台数で不足電力を均等に分割することによって得られる電力が各蓄電池71から放出される。
【0053】
電力管理装置10は、蓄電池71に含まれる電池セルのセル電圧を均等化するためのセル電圧均等化処理(セル電圧均等化方法)を実施する。電力管理装置10は、例えば、給電システム1の起動時に、BMU72のセルバランス機能を有効化するために各BMU72にセルバランス許可信号を送信する。セルバランス機能が常時有効であるBMU72が用いられている場合、電力管理装置10は、セルバランス許可信号を送信しなくてもよい。電力管理装置10は、セル電圧均等化処理において、実施条件が満たされたか否かを判定し、実施条件が満たされた場合に、BMU72にセルバランスを実施させるためのセルバランス実施制御を行う。実施条件は、蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセルバランスを実施すべき条件である。セル電圧均等化処理の詳細は後述する。
【0054】
図2は、図1に示される電力管理装置のハードウェア構成図である。図2に示されるように、電力管理装置10は、物理的には、プロセッサ101、メモリ102、及び通信インターフェース103等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成され得る。プロセッサ101の例としては、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。プロセッサ101の数は、1つでもよく、2つ以上でもよい。メモリ102は、主記憶装置と補助記憶装置とを含み得る。主記憶装置は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等で構成される。補助記憶装置の例としては、半導体メモリ、及びハードディスク装置が挙げられる。通信インターフェース103は、他の装置とデータの送受信を行う装置である。通信インターフェース103は、例えば、RS-232C、RS-485、及びCANといった通信規格に準拠した通信モジュール、ネットワークインタフェースカード(NIC)又は無線通信モジュールで構成される。
【0055】
プロセッサ101が、メモリ102に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、プロセッサ101の制御のもとで各ハードウェアが動作し、メモリ102におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、電力管理装置10の図3に示される各機能部が実現される。
【0056】
図3は、図1に示される電力管理装置の機能ブロック図である。図3に示されるように、電力管理装置10は、機能的には、取得部11と、判定部12(第1判定部)と、判定部13(第2判定部)と、制御部14と、を備える。後述のセル電圧均等化方法の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
【0057】
取得部11は、セル電圧均等化方法に必要な情報を取得(受信)する機能部である。取得部11は、各蓄電池71の電池情報、及び各電力の計測値を取得する。取得部11は、各BMU72から当該BMU72が管理する蓄電池71の電池情報を取得する。取得部11は、例えば、AC/DCコンバータ52から系統電力Wsの計測値を取得し、コンバータ6から負荷電力WLの計測値を取得する。
【0058】
判定部12は、実施条件が満たされたか否かを判定する機能部である。判定部12は、例えば、蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最大セル電圧Vcellmax及び最小セル電圧Vcellminに基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定する。判定部12は、負荷機器Lが消費した1日当たりの消費電力(負荷電力WL)の合計と、補助電源装置5が直流バス2に供給した1日当たりの系統電力Wsの合計と、に基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定してもよい。なお、判定部12は、取得部11によって取得された計測値を用いて、上記判定を行う。
【0059】
判定部13は、蓄電池71の充電状態が所定の状態となったか否かを判定する機能部である。判定部13は、例えば、蓄電池71の充電状態が満充電状態又は完全放電状態になったか否かを判定する。判定部13は、取得部11によって取得された計測値を用いて、上記判定を行う。
【0060】
制御部14は、BMU72にセルバランスを実施させるためのセルバランス実施制御を行う機能部である。制御部14は、実施条件が満たされ、かつ、蓄電池71の充電状態が所定の状態となった場合に、セルバランス実施制御を行う。
【0061】
ここで、図4を参照して、セルバランス機能と電池セルのセル電圧との関係を説明する。図4に示されるように、各電池セルは、セル電圧Vcellが最小電圧Vminから最大電圧Vmaxまでの範囲で使用され得る。最大電圧Vmaxは、充電可能な最大の電圧である。最小電圧Vminは、放電可能な最小の電圧である。セル電圧Vcellが最大電圧Vmaxを超えて電池セルが充電されると、電池セルは過充電となる。セル電圧Vcellが最小電圧Vminを下回るまで電池セルが放電されると、電池セルは過放電となる。
【0062】
したがって、安全性を考慮して、通常動作時においては、セル電圧Vcellが下限電圧Vlim2から上限電圧Vlim1までの範囲で、各電池セルが使用される。下限電圧Vlim2は、最小電圧Vminよりも大きい。下限電圧Vlim2は、完全放電電圧とも称される。上限電圧Vlim1は、下限電圧Vlim2よりも大きく、最大電圧Vmaxよりも小さい。上限電圧Vlim1は、満充電電圧とも称される。最大電圧Vmaxと上限電圧Vlim1との差分、及び下限電圧Vlim2と最小電圧Vminとの差分は、例えば、最大電圧Vmaxの5%程度に設定される。
【0063】
蓄電池71は複数の電池セルを含んでおり、各電池セルのセル電圧Vcellはばらつくことがある。したがって、最大セル電圧Vcellmaxが上限電圧Vlim1に達した場合、蓄電池71の充電状態は満充電状態とみなされる。最小セル電圧Vcellminが下限電圧Vlim2に達した場合、蓄電池71の充電状態は完全放電状態とみなされる。蓄電池71が使用されるにつれて、蓄電池71に含まれる各電池セルのセル電圧Vcellのばらつきが大きくなり得る。最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差が大きくなると、蓄電池71の実効蓄電容量が減少する。
【0064】
蓄電池71の充電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72は、最大セル電圧Vcellmaxが開始電圧Vstr1に達すると、セルバランス動作を開始し、最大セル電圧Vcellmaxが完了電圧Vcomp1に達すると、セルバランス動作を終了する。開始電圧Vstr1は、上限電圧Vlim1よりも大きく、最大電圧Vmaxよりも小さい。完了電圧Vcomp1は、開始電圧Vstr1よりも大きく、最大電圧Vmaxよりも小さい。なお、後述するように、給電システム1では、蓄電池71のセルバランスが実施されている間、蓄電池71は継続して充電される。したがって、セルバランスが実施されている間、蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellは徐々に増加しながら、互いに近づく。セル電圧Vcellが互いに等しくなったときの電圧値が完了電圧Vcomp1に設定されている。
【0065】
蓄電池71の放電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72は、最小セル電圧Vcellminが開始電圧Vstr2に達すると、セルバランス動作を開始し、最小セル電圧Vcellminが完了電圧Vcomp2に達すると、セルバランス動作を終了する。開始電圧Vstr2は、最小電圧Vminよりも大きく、下限電圧Vlim2よりも小さい。完了電圧Vcomp2は、最小電圧Vminよりも大きく、開始電圧Vstr2よりも小さい。なお、後述するように、給電システム1では、蓄電池71のセルバランスが実施されている間、蓄電池71は継続して放電される。したがって、セルバランスが実施されている間、蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellは徐々に減少しながら、互いに近づく。セル電圧Vcellが互いに等しくなったときの電圧値が完了電圧Vcomp2に設定されている。
【0066】
次に、図5を参照して、電力管理装置10が行うセル電圧均等化方法を説明する。図5は、図1に示される電力管理装置が行うセル電圧均等化方法の一連の処理を示すフローチャートである。図5に示されるセル電圧均等化方法は、蓄電池71の充電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72に対して実施される。図5の一連の処理は、例えば、各蓄電池71の電池情報、系統電力Wsの計測値、及び負荷電力WLの計測値を取得することによって開始される。なお、図5に示される一連の処理が行われている間、取得部11は、各蓄電池71の電池情報、系統電力Wsの計測値、及び負荷電力WLの計測値を定期的に取得している。
【0067】
まず、判定部12が、実施条件が満たされたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11では、判定部12は、第1判定及び第2判定を行う。なお、第1判定及び第2判定は、取得部11によって取得された計測値を用いて行われるが、説明の便宜上、セル電圧Vcellの計測値を単に「セル電圧Vcell」と表現している。他のパラメータについても同様に表現している。
【0068】
<第1判定>
判定部12は、各蓄電池71の比率Rdを計算し、各比率Rdと比率閾値Rdthとを比較する。式(1)に示されるように、比率Rdは、最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分を、セル電圧の理論値Vcell_tで除算することによって得られる。
【数1】
【0069】
最大セル電圧Vcellmax及び最小セル電圧Vcellminとしては、同時に計測(取得)された複数のセル電圧のうちの最大のセル電圧Vcell及び最小のセル電圧Vcellがそれぞれ用いられる。理論値Vcell_tは、例えば、蓄電池71の最大電圧を電池セルの直列数で除算することによって得られる。蓄電池71の最大電圧は、充電可能な最大の電圧である。理論値Vcell_tは、例えば、最大電圧Vmaxに等しい。比率閾値Rdthは、予め設定されている。比率閾値Rdthは、例えば、2.0%以下である。比率閾値Rdthの決定方法については後述する。判定部12は、いずれかの比率Rdが比率閾値Rdthよりも大きい場合に、その比率Rdを有する蓄電池71に対して実施条件が満たされたと判定する(ステップS11;YES)。そして、判定部12は、当該蓄電池71を、セルバランスを実施する対象の蓄電池71(以下、単に「対象の蓄電池71」と称する場合がある。)として決定する。
【0070】
<第2判定>
判定部12は、蓄電池71全体の蓄電容量率Rcを計算し、蓄電容量率Rcと容量率閾値Rcthとを比較する。式(2)に示されるように、蓄電容量率Rcは、負荷電力WL(消費電力)の1日当たりの合計WL_totalから系統電力Wsの1日当たりの合計Ws_totalを減算することによって得られる値の移動平均値を、蓄電池71全体の蓄電容量の理論値Cmodで除算することによって得られる。
【数2】
【0071】
関数SMAは、移動平均値を計算するための関数である。ここでは、直近5日間の移動平均値が計算される。理論値Cmodは、給電システム1に含まれるすべての蓄電池71の定格容量の合計である。容量率閾値Rcthは、予め設定されている。容量率閾値Rcthは、例えば、65%以上である。容量率閾値Rcthの決定方法については後述する。判定部12は、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定する(ステップS11;YES)。そして、判定部12は、給電システム1に含まれるすべての蓄電池71のうち、任意の蓄電池71を対象の蓄電池71として決定する。例えば、判定部12は、予め定められた順番に従って、すべての蓄電池71の中から対象の蓄電池71を決定する。すべての蓄電池71が対象の蓄電池71として選択された後は、再び先頭の蓄電池71から順に選択される。
【0072】
つまり、判定部12は、いずれかの蓄電池71の比率Rdが比率閾値Rdthよりも大きいか、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定する(ステップS11;YES)。一方、判定部12は、いずれの蓄電池71についても、比率Rdが比率閾値Rdthよりも小さく、かつ、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも大きい場合に、実施条件が満たされていないと判定する(ステップS11;NO)。
【0073】
ステップS11において、実施条件が満たされていないと判定された場合(ステップS11;NO)、判定部12は、実施条件が満たされるまでステップS11の判定を繰り返す。判定部12は、例えば、取得部11が各計測値を取得するごとに、取得された計測値を用いてステップS11の判定を繰り返す。一方、ステップS11において、実施条件が満たされたと判定された場合(ステップS11;YES)、判定部12は、実施条件が満たされたことを示す判定結果を、判定部13及び制御部14に出力する。判定結果には、対象の蓄電池71を識別可能な識別情報が含まれている。
【0074】
続いて、判定部13は、判定部12から上記判定結果を受け取ると、識別情報によって識別される対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態であるか否かを判定する(ステップS12)。本実施形態では、判定部13は、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最大セル電圧Vcellmaxが上限電圧Vlim1以上であるか否かを判定する。
【0075】
最大セル電圧Vcellmaxが上限電圧Vlim1未満である場合、判定部13は、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態でないと判定し(ステップS12;NO)、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態になるまでステップS12の判定を繰り返す。判定部13は、例えば、取得部11が対象の蓄電池71に含まれる複数のセル電圧Vcellの計測値を取得するごとに、取得された計測値を用いてステップS12の判定を繰り返す。一方、最大セル電圧Vcellmaxが上限電圧Vlim1以上である場合、判定部13は、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態であると判定し(ステップS12;YES)、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態であることを示す判定結果を制御部14に出力する。
【0076】
続いて、制御部14は、判定部12から上記判定結果を受け取り、かつ、判定部13から上記判定結果を受け取ると、セルバランス実施制御を行う(ステップS13)。ステップS13のセルバランス実施制御において、制御部14は、対象の蓄電池71の充電状態が、BMU72がセルバランスを開始する状態となるように、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を変更する。本実施形態では、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を低下させるために、双方向DC/DCコンバータ73に目標電圧の設定指令を送信する。
【0077】
さらに、ステップS13のセルバランス実施制御において、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を低下させるために、双方向DC/DCコンバータ73に最大電流値の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を停止するために、パワーコンディショナー32に停止指令を送信し、補助電源装置5に電力を供給させるために、AC/DCコンバータ52に起動指令を送信する。補助電源装置5が既に起動している場合には、起動指令は送信されない。
【0078】
このセルバランス実施制御により、負荷機器Lへの電力供給を停止することなく、他の蓄電池71よりも対象の蓄電池71が優先的に充電される。そして、最大セル電圧Vcellmaxが開始電圧Vstr1に達すると、BMU72は対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセルバランスを実施する。このとき、対象の蓄電池71は継続して充電されいるので、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellは、互いに等しくなるように徐々に増加し続ける。
【0079】
続いて、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したか否かを判定する(ステップS14)。本実施形態では、判定部13は、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最大セル電圧Vcellmaxが完了電圧Vcomp1以上であるか否かを判定する。最大セル電圧Vcellmaxが完了電圧Vcomp1未満である場合、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了していないと判定し(ステップS14;NO)、対象の蓄電池71のセルバランスが完了するまでステップS14の判定を繰り返す。判定部13は、例えば、取得部11が対象の蓄電池71に含まれる複数のセル電圧Vcellの計測値を取得するごとに、取得された計測値を用いてステップS14の判定を繰り返す。一方、最大セル電圧Vcellmaxが完了電圧Vcomp1以上である場合、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したと判定し(ステップS14;YES)、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したことを示す判定結果を制御部14に出力する。
【0080】
続いて、制御部14は、判定部13から上記判定結果を受け取ると、ステップS13のセルバランス実施制御で変更された設定を元に戻す(ステップS15)。具体的には、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を、元の目標電圧まで上昇させるために、双方向DC/DCコンバータ73に目標電圧の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を元の最大電流値まで上昇させるために、双方向DC/DCコンバータ73に最大電流値の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を再開するために、パワーコンディショナー32に起動指令を送信し、補助電源装置5の電力供給を停止するためにAC/DCコンバータ52に停止指令を送信する。
【0081】
以上により、図5に示されるセル電圧均等化方法の一連の処理が終了する。
【0082】
次に、図6を参照して、電力管理装置10が行う別のセル電圧均等化方法を説明する。図6は、図1に示される電力管理装置が行う別のセル電圧均等化方法の一連の処理を示すフローチャートである。図6に示されるセル電圧均等化方法は、蓄電池71の放電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72に対して実施される。図6の一連の処理は、例えば、各蓄電池71の電池情報、系統電力Wsの計測値、及び負荷電力WLの計測値を取得することによって開始される。なお、図6に示される一連の処理が行われている間、取得部11は、各蓄電池71の電池情報、系統電力Wsの計測値、及び負荷電力WLの計測値を定期的に取得している。
【0083】
まず、判定部12が、実施条件が満たされたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21はステップS11と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0084】
続いて、判定部13は、判定部12から実施条件が満たされたことを示す判定結果を受け取ると、識別情報によって識別される対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態であるか否かを判定する(ステップS22)。本実施形態では、判定部13は、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最小セル電圧Vcellminが下限電圧Vlim2以下であるか否かを判定する。
【0085】
最小セル電圧Vcellminが下限電圧Vlim2より大きい場合、判定部13は、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態でないと判定し(ステップS22;NO)、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態になるまでステップS22の判定を繰り返す。判定部13は、例えば、取得部11が対象の蓄電池71に含まれる複数のセル電圧Vcellの計測値を取得するごとに、取得された計測値を用いてステップS22の判定を繰り返す。一方、最小セル電圧Vcellminが下限電圧Vlim2以下である場合、判定部13は、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態であると判定し(ステップS22;YES)、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態であることを示す判定結果を制御部14に出力する。
【0086】
続いて、制御部14は、判定部12から上記判定結果を受け取り、かつ、判定部13から上記判定結果を受け取ると、セルバランス実施制御を行う(ステップS23)。ステップS23のセルバランス実施制御において、制御部14は、対象の蓄電池71の充電状態が、BMU72がセルバランスを開始する状態となるように、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を変更する。本実施形態では、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を上昇させるために、双方向DC/DCコンバータ73に目標電圧の設定指令を送信する。
【0087】
さらに、ステップS23のセルバランス実施制御において、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を低下させるために、双方向DC/DCコンバータ73に最大電流値の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を停止するために、パワーコンディショナー32に停止指令を送信し、補助電源装置5に電力を供給させるために、AC/DCコンバータ52に起動指令を送信する。補助電源装置5が既に起動している場合には、起動指令は送信されない。
【0088】
このセルバランス実施制御により、負荷機器Lへの電力供給を停止することなく、他の蓄電池71よりも対象の蓄電池71が優先的に放電される。そして、最小セル電圧Vcellminが開始電圧Vstr2に達すると、BMU72は対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセルバランスを実施する。このとき、対象の蓄電池71は継続して放電されいるので、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellは、互いに等しくなるように徐々に減少し続ける。
【0089】
続いて、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したか否かを判定する(ステップS24)。本実施形態では、判定部13は、対象の蓄電池71に含まれる複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最小セル電圧Vcellminが完了電圧Vcomp2以下であるか否かを判定する。最小セル電圧Vcellminが完了電圧Vcomp2よりも大きい場合、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了していないと判定し(ステップS24;NO)、対象の蓄電池71のセルバランスが完了するまでステップS24の判定を繰り返す。一方、最小セル電圧Vcellminが完了電圧Vcomp2以下である場合、判定部13は、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したと判定し(ステップS24;YES)、対象の蓄電池71のセルバランスが完了したことを示す判定結果を制御部14に出力する。
【0090】
続いて、制御部14は、判定部13から上記判定結果を受け取ると、ステップS23のセルバランス実施制御で変更された設定を元に戻す(ステップS25)。具体的には、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を、元の目標電圧まで低下させるために、双方向DC/DCコンバータ73に目標電圧の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を元の最大電流値まで上昇させるために、双方向DC/DCコンバータ73に最大電流値の設定指令を送信する。さらに、制御部14は、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を再開するために、パワーコンディショナー32に起動指令を送信し、補助電源装置5の電力供給を停止するためにAC/DCコンバータ52に停止指令を送信する。
【0091】
以上により、図6に示されるセル電圧均等化方法の一連の処理が終了する。
【0092】
次に、比率閾値Rdthの決定方法の一例を説明する。まず、以下の4種類の蓄電池71(電池モジュール)がそれぞれ10台ずつ準備された。
<電池モジュール1>
電池種類:LFP(オリビン鉄系リチウムイオン電池)、電池セル数(直列数):16、最大モジュール電圧(蓄電池71の最大電圧):57.6V、電池セルの最大電圧:3.60V
<電池モジュール2>
電池種類:LFP(オリビン鉄系リチウムイオン電池)、電池セル数(直列数):16、最大モジュール電圧:56.0V、電池セルの最大電圧:3.50V
<電池モジュール3>
電池種類:NMC(3元系リチウムイオン電池(ニッケル・マンガン・コバルト))、電池セル数(直列数):14、最大モジュール電圧:58.1V、電池セルの最大電圧:4.15V
<電池モジュール4>
電池種類:LMO(チタン酸リチウム+スピネルマンガン系リチウムイオン電池)、電池セル数(直列数):28、最大モジュール電圧:58.8V、電池セルの最大電圧:2.10V
【0093】
各種類の10台の電池モジュールを用いて、比率閾値Rdthをいくつかの値に設定し、それぞれの比率閾値Rdthで給電システム1を稼働させた。その結果、機能を満たさない電池モジュールの頻度(数)及び累計、並びにセルバランス機能の動作頻度を求めた。表1に結果が示される。セルバランス機能を動作させない状態で電池モジュールの充放電を繰り返した場合に、充放電できない電池モジュールを、機能を満たさない電池モジュールと判定した。比率閾値が小さい順に実施し、その比率閾値における機能を満たさない電池モジュールの台数を頻度とした。累計は、その比率閾値以下の比率閾値における頻度の合計である。
【0094】
動作頻度は、蓄電池71の充電状態が所定の状態(満充電状態又は完全放電状態)となった回数に対するセルバランス機能を動作させた回数の割合である。蓄電池71の充電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72が用いられる場合には、動作頻度は、蓄電池71の充電状態が満充電状態となった回数に対するセルバランス機能を動作させた回数の割合である。蓄電池71の放電末期においてセルバランス機能が動作するBMU72が用いられる場合には、動作頻度は、蓄電池71の充電状態が完全放電状態となった回数に対するセルバランス機能を動作させた回数の割合である。
【表1】
【0095】
表1に示される結果から、比率閾値Rdthが2.0%以下であれば、給電システム1を停止させないことが確認された。セルバランス実施制御において、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給が停止されるので、セルバランス機能の動作頻度が高い(例えば、動作頻度が30%より大きい)場合には、再生可能エネルギー発電装置31による再生可能エネルギーの有効利用が阻害される。したがって、比率閾値Rdthが0.3%以上であれば、再生可能エネルギーが有効に利用されることが確認された。なお、比率閾値Rdthが0.1%である場合、最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分は、5mV程度である。比率閾値Rdthが0.2%である場合、最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分は、8mV程度である。これらの差分は、許容範囲である。
【0096】
次に、容量率閾値Rcthの決定方法の一例を説明する。上述の電池モジュール1を用いて、容量率閾値Rcthをいくつかの値に設定し、それぞれの容量率閾値Rcthで給電システム1を稼働させた。その結果、機能を満たさない電池モジュールの頻度(数)及び累計、並びにセルバランス機能の動作頻度を求めた。表2に結果が示される。容量率閾値が大きい順に実施し、その容量率閾値における機能を満たさない電池モジュールの台数を頻度とした。累計は、その容量率閾値以上の容量率閾値における頻度の合計である。
【表2】
【0097】
表2に示される結果から、容量率閾値Rcthが65%以上であれば、給電システム1を停止させないことが確認された。上述のように、セルバランス機能の動作頻度が高い(例えば、動作頻度が30%より大きい)場合には、再生可能エネルギー発電装置31による再生可能エネルギーの有効利用が阻害される。したがって、容量率閾値Rcthが90%以下であれば、再生可能エネルギーが有効に利用されることが確認された。
【0098】
以上説明した電力管理装置10及び給電システム1では、セルバランスを実施すべき実施条件が満たされた場合に、対象の蓄電池71の充電状態が、BMU72がセルバランスを開始する状態となるように、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧が変更される。双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧が変更されることによって、双方向DC/DCコンバータ73に接続されている対象の蓄電池71が充電又は放電されやすくなる。したがって、通常動作時において充電末期状態及び放電末期状態にならない範囲で蓄電池71が使用されていたとしても、セルバランスを実施することができる。その結果、蓄電池71の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0099】
制御部14は、実施条件が満たされ、かつ、対象の蓄電池71の充電状態が所定の状態となった場合に、セルバランス実施制御を行う。実施条件が満たされた時点では、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態又は完全放電状態であるとは限らない。上記構成によれば、例えば、蓄電池71が充電末期状態になった場合にセルバランスを実施するBMU72が用いられている場合には、対象の蓄電池71の充電状態が通常使用範囲の上限(満充電状態)になったら、セルバランス実施制御が実施される。言い換えると、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態になるまでは、給電システム1は通常稼働している。同様に、例えば、蓄電池71が放電末期状態になった場合にセルバランスを実施するBMU72が用いられている場合には、対象の蓄電池71の充電状態が通常使用範囲の下限(完全放電状態)になったら、セルバランス実施制御が実施される。言い換えると、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態になるまでは、給電システム1は通常稼働している。したがって、給電システム1をなるべく通常稼働させることができるので、給電システム1の安定性を向上させることが可能となる。
【0100】
蓄電池71が充電末期状態になった場合に、BMU72がセルバランスを実施することがある。この場合、制御部14は、実施条件が満たされ、かつ、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態になった場合に、セルバランス実施制御を行う。制御部14は、セルバランス実施制御において、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を低下させる。この構成によれば、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を低下させることによって、対象の蓄電池71が満充電状態から更に充電される。これにより、対象の蓄電池71の充電状態を、BMU72がセルバランスを開始する充電状態とすることができるので、対象の蓄電池71の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0101】
蓄電池71が放電末期状態になった場合に、BMU72がセルバランスを実施することがある。この場合、制御部14は、実施条件が満たされ、かつ、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態になった場合に、セルバランス実施制御を行う。制御部14は、セルバランス実施制御において、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を上昇させる。この構成によれば、双方向DC/DCコンバータ73の目標電圧を上昇させることによって、対象の蓄電池71が完全放電状態から更に放電される。これにより、対象の蓄電池71の充電状態を、BMU72がセルバランスを開始する充電状態とすることができるので、対象の蓄電池71の実効蓄電容量の減少を抑制することが可能となる。
【0102】
制御部14は、セルバランス実施制御において、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を低下させる。セルバランスは、蓄電池71の充電状態が充電末期状態又は放電末期状態である場合に実施される。充電末期状態において、蓄電池71が急激に充電されると過充電状態となるおそれがある。したがって、最大電流値を低下させることによって、充電速度を低下させることができ、対象の蓄電池71が過充電状態となる可能性を低減することができる。同様に、放電末期状態において、蓄電池71が急激に放電されると過放電状態となるおそれがある。したがって、最大電流値を低下させることによって、放電速度を低下させることができ、対象の蓄電池71が過放電状態となる可能性を低減することができる。
【0103】
双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値が低下された場合、双方向DC/DCコンバータ73を介して対象の蓄電池71に充電可能な電力量が減少する。このため、再生可能エネルギー発電装置31が発電電力Wreを生成した際に、対象の蓄電池71が受け取る電力量が減少するので、電力バランスが崩れるおそれがある。これに対し、制御部14は、セルバランス実施制御において、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を停止する。この構成によれば、電力バランスを保つことが可能となる。
【0104】
制御部14は、セルバランス実施制御において、補助電源装置5に系統電力Wsを供給させる。セルバランスを実施することによって、対象の蓄電池71から供給可能な電力Wcが減少することがある。例えば、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値が低下された場合、対象の蓄電池71から供給可能な電力Wcが減少するおそれがある。したがって、補助電源装置5に系統電力Wsを供給させることによって、対象の蓄電池71から供給される電力Wcの減少分を補うことができる。
【0105】
判定部12は、複数の電池セルのセル電圧Vcellのうちの、最大セル電圧Vcellmax及び最小セル電圧Vcellminに基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定する。最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分が大きいほど、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが大きいと考えられる。したがって、最大セル電圧Vcellmax及び最小セル電圧Vcellminを考慮することによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度を向上させることができる。
【0106】
具体的には、判定部12は、比率Rdが比率閾値Rdthよりも大きい場合に、実施条件が満たされたと判定する。比率Rdは、最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分をセル電圧の理論値Vcell_tで除算することによって得られる。複数の電池セル間における充電状態のばらつきが生じていると判断し得る最大セル電圧Vcellmaxと最小セル電圧Vcellminとの差分の大きさは、セル電圧の理論値Vcell_tによって異なる。例えば、セル電圧の理論値Vcell_tが大きいほど、ばらつきが生じていると判断し得る差分の大きさは大きくなる。したがって、比率Rdを用いることによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0107】
比率閾値Rdthは、0.3%以上2.0%以下に設定される。比率閾値Rdthが0.3%以上である場合には、再生可能エネルギーを有効に利用することができる。比率閾値Rdthが2.0%以下である場合には、電池セルの機能が損なわれる可能性を低減することができる。その結果、いずれの電池セルの機能も損なわれることなく、再生可能エネルギーを有効利用しながら、セルバランスを実施することができる。したがって、蓄電池71の実効蓄電容量の減少をより一層抑制することが可能となる。
【0108】
判定部12は、すべての負荷機器Lが消費した1日当たりの負荷電力WLの合計WL_totalと、補助電源装置5が直流バス2に供給した1日当たりの系統電力Wsの合計Ws_totalと、に基づいて、実施条件が満たされたか否かを判定する。負荷電力WLに対して、蓄電池71から供給可能な電力Wcが不足すると、補助電源装置5から系統電力Wsが供給される。このため、合計WL_totalから合計Ws_totalを減算することによって得られる値が、蓄電池71の実効蓄電容量と推定され得る。この実効蓄電容量が小さいほど、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが大きいと考えられる。したがって、合計WL_total及び合計Ws_totalを考慮することによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度を向上させることができる。
【0109】
具体的には、判定部12は、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定する。蓄電容量率Rcは、負荷電力WL(消費電力)の1日当たりの合計WL_totalから電力Wcの1日当たりの合計Ws_totalを減算することによって得られる値の移動平均値を理論値Cmodで除算することによって得られる。日によって消費電力等は変動し得るので、合計WL_totalから合計Ws_totalを減算することによって得られる値の移動平均値を用いることによって、変動の影響を低減することができる。さらに、複数の電池セル間における充電状態のばらつきが生じていると判断し得る実効蓄電容量の大きさは、理論値Cmodによって異なる。例えば、理論値Cmodが大きいほど、ばらつきが生じていると判断し得る実効蓄電容量の大きさは大きくなる。したがって、蓄電容量率Rcを用いることによって、セルバランスを実施すべきか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0110】
容量率閾値Rcthは、65%以上90%以下に設定される。容量率閾値Rcthが65%以上である場合には、電池セルの機能が損なわれる可能性を低減することができる。容量率閾値Rcthが90%以下である場合には、再生可能エネルギーを有効に利用することができる。その結果、いずれの電池セルの機能も損なわれることなく、再生可能エネルギーを有効利用しながら、セルバランスを実施することができる。したがって、蓄電池71の実効蓄電容量の減少をより一層抑制することが可能となる。
【0111】
なお、本開示に係る電力管理装置、及び給電システムは上記実施形態に限定されない。
【0112】
電力管理装置10は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、電力管理装置10は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0113】
パワーコンディショナー32、AC/DCコンバータ52、コンバータ6、及び双方向DC/DCコンバータ73の少なくともいずれかは、電力計測機能を有していなくてもよい。この場合、電力管理装置10は、電圧センサによって計測された電圧の計測値と、電流センサによって計測された電流の計測値と、から各電力の計測値を取得してもよい。
【0114】
電源装置3は、再生可能エネルギー発電装置31に代えて、別の発電装置を備えてもよい。
【0115】
補助電源装置5は、商用電源51に代えて発電装置を備えてもよい。発電装置の例としては、ディーゼル発電機が挙げられる。この場合、補助電源装置5の数は、1つに限られず、必要に応じて適宜変更され得る。補助電源装置5が商用電源51を備えていない場合、給電システム1は、独立型の直流電源システムとも称される。
【0116】
上記実施形態では、パワーコンディショナー32、AC/DCコンバータ52、コンバータ6、及び双方向DC/DCコンバータ73のそれぞれは、装置内部で生成した直流電圧で動作している。この構成に代えて、給電システム1が電源ユニットを備え、電源ユニットが、直流バス2のバス電圧Vbus又は商用電源51から一定の電圧値を有する直流電圧を生成し、各装置に直流電圧(電力)を供給してもよい。
【0117】
上記実施形態では、判定部12は、いずれかの蓄電池71の比率Rdが比率閾値Rdthよりも大きいか、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定しているが、実施条件が満たされたか否かの判定方法はこれに限られない。例えば、判定部12は、いずれかの蓄電池71の比率Rdが比率閾値Rdthよりも大きく、かつ、蓄電容量率Rcが容量率閾値Rcthよりも小さい場合に、実施条件が満たされたと判定してもよい。判定部12は、第1判定及び第2判定のいずれか一方のみを用いて、実施条件が満たされたか否かを判定してもよい。判定部12は、第1判定及び第2判定以外の別の判定を用いて、実施条件が満たされたか否かを判定してもよい。
【0118】
図5に示されるセル電圧均等化方法において、ステップS12は省略されてもよい。この場合、制御部14は、実施条件が満たされたことを示す判定結果を判定部12から受信したことに応じて、ステップS13のセルバランス実施制御を行う。実施条件が満たされた時点では、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態であるとは限らない。したがって、対象の蓄電池71の充電状態が満充電状態になるまで待つ必要が無いので、対象の蓄電池71に対してセルバランスを早期に実施することができる。よって、蓄電池71の実効蓄電容量の減少を早期に解消することができる。
【0119】
同様に、図6に示されるセル電圧均等化方法において、ステップS22は省略されてもよい。この場合、制御部14は、実施条件が満たされたことを示す判定結果を判定部12から受信したことに応じて、ステップS23のセルバランス実施制御を行う。実施条件が満たされた時点では、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態であるとは限らない。したがって、対象の蓄電池71の充電状態が完全放電状態になるまで待つ必要が無いので、対象の蓄電池71に対してセルバランスを早期に実施することができる。よって、蓄電池71の実効蓄電容量の減少を早期に解消することができる。
【0120】
制御部14は、セルバランス実施制御において、双方向DC/DCコンバータ73と対象の蓄電池71との間の電流の最大電流値を低下させなくてもよい。この場合、制御部14は、セルバランス実施制御において、再生可能エネルギー発電装置31の電力供給を停止させることなく継続させてもよい。言い換えると、制御部14は、双方向DC/DCコンバータ73に最大電流値の設定指令を送信しなくてもよく、パワーコンディショナー32に停止指令を送信しなくてもよい。この構成によれば、再生可能エネルギーをより一層有効に利用することができる。
【0121】
対象の蓄電池71以外の蓄電池71によって十分な電力Wcを供給可能であれば、制御部14は、セルバランス実施制御において、補助電源装置5に系統電力Wsを供給させなくてもよい。言い換えると、制御部14は、AC/DCコンバータ52に起動指令を送信しなくてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…給電システム、2…直流バス、3…電源装置、5…補助電源装置、6…コンバータ(第1コンバータ)、10…電力管理装置、12…判定部(第1判定部)、13…判定部(第2判定部)、14…制御部、31…再生可能エネルギー発電装置(発電装置)、71…蓄電池、72…BMU(電池管理装置)、73…双方向DC/DCコンバータ(コンバータ、第2コンバータ)、L…負荷機器、Vbat…電池電圧、Vbus…バス電圧、VL…負荷電圧、Wre…発電電力、Ws…系統電力(供給電力)、WL…負荷電力(消費電力)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6