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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】沿道検知警報システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241107BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20241107BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241107BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20241107BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/01 D
G08G1/09 C
G08B25/04 C
G08B21/00 J
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022570262
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021033219
(87)【国際公開番号】W WO2021236806
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】16/878,272
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522448182
【氏名又は名称】ザ オート クラブ グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】アベディ ショーレ
(72)【発明者】
【氏名】カストロ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ラスコースキー ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】パテル バイラル
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-67499(JP,A)
【文献】特開2005-56244(JP,A)
【文献】特開2002-367063(JP,A)
【文献】特開2003-281652(JP,A)
【文献】特開2003-40061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上又は道路に沿って配備可能な警報システムであって、
距離センサを含む少なくとも1つの警報ビーコンと、
動作可能なプロセッサであって、
前記警報ビーコンから所定距離内に車両が存在することを示す前記距離センサからの初期測定値の受信に応じて、当該距離センサをポーリングして所定数の測定値を読み取り、
前記警報ビーコンから前記所定距離内に前記車両が存在する場合に、前記所定数の測定値の受信に応じて、当該車両までの平均距離及び当該車両の平均速度を計算し、
前記平均距離が距離閾値を下回り、かつ前記平均速度が速度閾値を上回った場合に、当該平均距離及び当該平均速度の計算に応じて、オーディオアラート及びビジュアルアラートを作動させ、かつ
前記オーディオアラート及び前記ビジュアルアラートの作動に応じて、少なくともサービス技術者と損傷車両とを撮像した1つ以上のデジタル画像を分析し、前記損傷車両を救援している間に前記サービス技術者が従うべき所定のプロトコルが実行されているかどうかを判断するように動作可能なプロセッサと、を含む警報システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの警報ビーコンが、前記1つ以上のデジタル画像を取得するように動作可能なデジタルカメラをさらに含み、
前記プロセッサがさらに、
前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記距離センサからの前記初期測定値の受信に応じて、
前記車両の1つ以上の画像を取得し、
当該1つ以上の画像を用いて、前記車両までの第2平均距離及び前記車両の第2平均速度を計算し、かつ
当該第2平均距離が前記距離閾値を下回り、かつ当該第2平均速度が前記速度閾値を上回った場合に、前記オーディオアラート及び前記ビジュアルアラートを作動させるように動作可能な請求項1記載の警報システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの警報ビーコンが、位置データを提供するように動作するグローバル・ポジショニング・システム(GPS)と、リモートサーバと通信するように動作するネットワークインターフェースとをさらに含む、請求項1記載の警報システム。
【請求項4】
前記プロセッサがさらに、前記リモートサーバから受信した要求信号に応じて、前記少なくとも1つの警報ビーコンのID及び前記位置データを送信するように動作可能な請求項3記載の警報システム。
【請求項5】
前記プロセッサがさらに、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記距離センサからの前記初期測定値の受信に応じて、前記警報ビーコンの前記位置データを前記リモートサーバに送信するように動作可能な請求項3記載の警報システム。
【請求項6】
前記プロセッサがさらに、前記少なくとも1つの警報ビーコンを地理座標に展開する要求に応じて、前記少なくとも1つの警報ビーコンを前記位置データに基づいて前記地理座標にナビゲートするように動作可能な、請求項3記載の警報システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの警報ビーコンが、前記位置データに基づいて前記地理座標の周囲をホバリングするよう動作可能な飛行型ドローンである、請求項6記載の警報システム。
【請求項8】
モバイルデバイス上で実行されるモバイルソフトウェアアプリケーションが、前記少なくとも1つの警報ビーコンと通信するように動作可能な、請求項1記載の警報システム。
【請求項9】
前記プロセッサがさらに、前記車両が前記少なくとも1つの警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記距離センサからの前記初期測定値の受信に応じて、前記モバイルソフトウェアアプリケーションに信号を送信し、前記モバイルデバイス上でビジュアル通知及びオーディオ通知を作動させるように動作可能な、請求項8記載の警報システム。
【請求項10】
前記プロセッサがさらに、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記距離センサからの前記初期測定値の受信に応じて、前記車両内のインフォテインメントシステム上に表示される警告を送信するように動作可能な、請求項1記載の警報システム。
【請求項11】
道路上又は道路に沿って配備可能な警報システムの動作方法であって、
警報ビーコンから所定距離内に車両が存在することを示す少なくとも1つのセンサからの初期距離測定値の受信に応じて、前記1つ以上のセンサをポーリングして所定数の距離測定値を読み取るステップと、
前記警報ビーコンから前記所定距離内に前記車両が存在する場合に、前記所定数の距離測定値の受信に応じて、当該車両までの平均距離及び当該車両の平均速度を計算するステップと、
前記平均距離が距離閾値を下回り、かつ前記平均速度が速度閾値を上回った場合に、当該平均距離及び当該平均速度の計算に応じて、1つ以上の警報を作動させるステップと、
少なくともサービス技術者と損傷車両とを撮像した1つ以上のデジタル画像を分析し、前記損傷車両を救援している間に前記サービス技術者が従うべき所定のプロトコルが実行されているかどうかを判断するステップと、を含む警報システムの動作方法。
【請求項12】
前記警報ビーコンから前記所定距離内に前記車両が存在することを示す1つ以上の前記センサからの前記初期距離測定値の受信に応じて、デジタルカメラから前記1つ以上の前記車両の画像を取得するステップと、
当該1つ以上の画像を用いて、前記車両までの第2平均距離及び当該車両の第2平均速度を計算するステップと、
当該第2平均距離が前記距離閾値を下回り、かつ当該第2平均速度が前記速度閾値を上回った場合に、1つ以上の前記警報を作動させるステップと、をさらに含む請求項11記載の動作方法。
【請求項13】
リモートサーバから受信された要求信号に応じて、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)によって提供される、前記警報ビーコンのID及び位置データを送信するステップをさらに含む、請求項12記載の動作方法。
【請求項14】
前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す1つ以上の前記センサからの前記初期距離測定値の受信に応じて、当該警報ビーコンの前記位置データを前記リモートサーバに送信するステップをさらに含む、請求項13記載の動作方法。
【請求項15】
前記警報ビーコンを地理座標に配備する要求に応じて、前記位置データに基づいて前記警報ビーコンを前記地理座標にナビゲートするステップをさらに含む、請求項13記載の動作方法。
【請求項16】
前記警報ビーコンから前記所定距離内に前記車両が存在することを示す1つ以上の前記センサからの前記初期距離測定値の受信に応じて、モバイルアプリケーションに信号を送信して、モバイルデバイス上でビジュアル通知及びオーディオ通知を作動させるステップをさらに含む、請求項11記載の動作方法。
【請求項17】
道路上又は道路に沿って配備可能な警報ビーコンであって、
所定距離内に車両が存在するかどうかの判断に応じて、1つ以上のセンサをポーリングして所定数の距離測定値を読み取り、
前記所定距離内に前記車両が存在する場合に、前記所定数の距離測定値の受信に応じて、当該車両までの平均距離及び当該車両の平均速度を計算し、
前記平均距離が距離閾値を下回り、かつ前記平均速度が速度閾値を上回った場合に、当該平均距離及び当該平均速度の計算に応じて、警報を作動させ、
前記警報の作動に応じて、少なくともサービス技術者と損傷車両とを撮像した1つ以上のデジタル画像を分析し、前記損傷車両を救援している間に前記サービス技術者が従うべき所定のプロトコルが実行されているかどうかを判断するように動作可能なコントローラを含む警報ビーコン。
【請求項18】
前記1つ以上のデジタル画像を取得するように動作可能なデジタルカメラをさらに含み、
前記コントローラがさらに、
前記所定距離内に前記車両が存在することを示す1つ以上の前記センサからの初期測定値の受信に応じて、1つ以上の前記車両の画像を取得し、
当該1つ以上の画像を用いて、前記車両までの第2平均距離及び前記車両の第2平均速度を計算し、
前記第2平均距離が前記距離閾値を下回り、かつ前記第2平均速度が前記速度閾値を上回った場合に1つ以上の前記警報を作動させるように動作可能である、請求項17記載の警報ビーコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月19日に出願された米国出願シリアル番号16/878、272の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
物体(例えば、接近する車両)が所定の速度で走行し、沿道の警報ビーコンの所定の距離内にあることが検出されたときに警報を作動させる警報システム及び方法が開示される。
【背景技術】
【0003】
毎年、サービス技術者や緊急対応者が、遭難、停止又は駐車車両を救援する際、又はそれらの車両のもとへ急行する際に負傷している。例えば、接近する車両が好ましくない速度で走行している場合やサービス車両又は損傷車両から好ましくない距離内にある場合に事故が発生することがある。事故を防止し、接近する車両に事前に警報を与えるために、LEDライトの点滅を含むコーンや樽が採用されることがあり、接近する車両に、救援が提供されていることを警報する。しかしながら、従来のコーンや樽は、必ずしも接近車両に効果的に事前警告を与えるとは限らず、また、従来のコーンや警報は、サービス技術者や緊急対応者に警告を与えるものでもない。
【発明の概要】
【0004】
道路上又は道路に沿って配備される警報システム及び方法。この警報システムは、1つ以上のセンサ(例えば、LiDARセンサ)を有する少なくとも1つの警報ビーコンを含んでよい。この警報ビーコンは、車両が前記警報ビーコンから所定距離内に存在することを示す前記LiDARセンサからの初期測定値の受信に応じて、当該LiDARセンサをポーリングして所定数のβ値を読み取るように動作可能なプロセッサをさらに含む。前記プロセッサは、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在する場合に、前記所定数のβ値の受信に応じて、当該車両までの平均距離及び当該車両の平均速度を計算するようにさらに動作可能である。前記プロセッサは、前記平均距離が距離閾値を下回り、かつ前記平均速度が速度閾値を上回った場合に、当該平均距離及び当該平均速度の計算に応じて、オーディオアラート及びビジュアルアラートを作動させるようにも動作可能である。
【0005】
各警報ビーコンは、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記LiDARセンサからの前記初期測定値の受信に応じて、1つ以上の前記車両の画像を取得するように動作可能な1つ以上のデジタルカメラを含んでもよい。前記プロセッサは、1つ以上の前記画像を用いて、前記車両までの第2平均距離及び前記車両の第2平均速度を計算するように動作可能であってもよい。前記プロセッサは、前記第2平均距離が前記距離閾値を下回り、かつ前記第2平均速度が前記速度閾値を上回った場合に、前記オーディオアラート及び前記ビジュアルアラートを作動させるようにさらに動作可能であってもよい。前記プロセッサは、1つ以上の前記デジタル画像を分析して、サービス修復プロトコルが実行されているかどうかを判断するようにさらに動作可能であってもよい。
【0006】
各警報ビーコンは、位置データを提供するように動作可能なグローバル・ポジショニング・システム(GPS)と、リモートサーバと通信するように動作可能なネットワークインターフェースと、をさらに含んでもよい。各プロセッサは、リモートサーバから受信された要求信号に応じて、前記少なくとも1つの警報ビーコンのID及び前記位置データを送信するようにさらに動作可能であってもよい。各プロセッサは、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記LiDARセンサからの前記初期測定値の受信に応じて、当該ビーコンの前記位置データを前記リモートサーバに送信するようにさらに動作可能であってもよい。各プロセッサは、前記少なくとも1つの警報ビーコンを地理座標に配備する要求に応じて、前記少なくとも1つの警報ビーコンを前記位置データに基づいて当該地理座標にナビゲートするようにさらに動作可能であってもよい。
【0007】
前記少なくとも1つの警報ビーコンが、前記位置データに基づいて前記地理座標の周囲をホバリングするように動作可能な飛行型ドローンであってもよいことが企図される。モバイルデバイス上で実行されるモバイルソフトウェアアプリケーションが、前記少なくとも1つの警報ビーコンと通信するように動作可能であってもよい。各プロセッサは、前記車両が前記少なくとも1つの警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記LiDARセンサからの前記初期測定値の受信に応じて、信号を前記モバイルソフトウェアアプリケーションに送信して、前記モバイルデバイス上でビジュアル通知及びオーディオ通知を作動させるようにさらに動作可能であってもよい。各プロセッサは、前記車両が前記警報ビーコンから前記所定距離内に存在することを示す前記LiDARセンサからの前記初期測定値の受信に応じて、前記車両内のインフォテインメントシステム上に表示される警報を送信するようにさらに動作可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1台以上の対向車両がサービス車両及び損傷車両に接近している状況の一例を示す。
図2】一実施形態に係る、沿道警報システムを示す。
図3A図3Aは、警報システムによって採用される警報ビーコンの一実施形態を示す。
図3B図3Bは、警報システムによって採用される警報ビーコンの一実施形態を示す。
図3C図3Cは、警報システムによって採用される警報ビーコンの一実施形態を示す。
図3D図3Dは、警報システムによって採用される警報ビーコンの一実施形態を示す。
図4A図4Aは、所定の経路に沿って、警報ビーコン、サービス車両及び損傷車両に向かって接近する車両の一例を概略的に示す。
図4B図4Bは、所定の経路に沿って、警報ビーコン、サービス車両及び損傷車両に向かって接近する車両の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な代替形態で具現化され得る本発明の単なる例示に過ぎないことを理解されたい。図は必ずしも縮尺通りではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、いくつかの特徴が誇張又は最小化されている場合がある。したがって、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的に解釈されるものではなく、単に、本発明を様々に採用することを当業者に教えるための代表的な基礎として解釈されるものである。
【0010】
毎年、損傷車両(distressed vehicle)、停止車両又は駐車車両を救援しようとしたり、それらに近づこうとしたりする際に人が負傷することがある。例えば、図1は、サービスを必要とする損傷車両104の背後に駐車されたサービス車両102を示す。損傷車両104は、道路106の片側に沿って、又は路肩108に駐車されている場合がある。そして、サービスアシスタントは、サービス車両102から降りて、道路106の近く又は路肩108に沿って援助を提供するために損傷車両104に近づくことがある。救援者が損傷車両104を牽引する必要がある場合、サービスアシスタントは、牽引ヒッチを損傷車両104に接続しなくてはならないことがある。
【0011】
サービスアシスタントが2台の車両を接続したり、タイヤを交換したり、又は何らかの方法で損傷車両104を固定したりしている間、サービスアシスタントは接近車両110の位置又は速度に気付かない可能性がある。あるいは、物体(例えば、接近車両110からのコンクリート、石又は部品)が、サービスアシスタントが対処しているサービス車両102及び損傷車両104に向かって危険なほど近くに突出している可能性もある。接近車両110又は物体に気付かず、サービスアシスタント、損傷車両104の乗員又は接近車両110の乗員にとって潜在的に危険な状態が生じる可能性がある。したがって、そのような潜在的に危険な状態が生じたときに、それを検知して事前警報を提供するようなシステム及び方法を提供することが望まれている。
【0012】
図2は、物体(例えば、接近する車両、コンクリート、石又は他の物品)が望ましくない速度及び/又は経路で接近していると判断されたときに、検知して警報を提供するために配備されうる警報システム200を示す。警報システム200は、サービス技術者が損傷車両104や損傷車両104内の乗員を救援している作業場所を監視するために配備されうることが企図される。
【0013】
警報システム200は、少なくとも1つの警報ビーコン202を含んでもよい。警報ビーコン202は、メモリユニット208に動作可能に接続されている少なくとも1つのプロセッサ204を含んでもよい。プロセッサ204は、CPU206(すなわち、中央処理装置)の機能を実装する1つ以上の集積回路であってもよい。プロセッサ204は、マイクロコントローラボード(例えば、Arduinoマイクロコントローラ)であってもよい。あるいは、プロセッサ204は、x86、ARM、Power、又はMIPS命令セットファミリーのような命令を実装する市販のCPUであってもよい。
【0014】
動作中、CPU206は、メモリユニット208から取り出される格納されたプログラム命令を実行してもよい。格納されたプログラム命令は、本明細書に記載された動作を実行するためにCPU206の動作を制御するソフトウェアを含んでもよい。いくつかの例では、プロセッサ204は、CPU206、メモリユニット208、ネットワークインターフェース、及び入出力インターフェースの機能を単一の集積デバイスに統合したSoC(system on a chip)であってよい。プロセッサ204は、動作の様々な態様を管理するためのオペレーティングシステムを実装してもよい。
【0015】
警報ビーコンは、DC-バッテリ又は高電圧コンデンサで構成される電気エネルギー電源226を含んでもよい。動作中、電源226は、外部ソーラーパネル228から再充電エネルギーを受け取ってもよい。あるいは、風力発電機が電源226に再充電エネルギーを供給してもよい。また、電源が、電源226を再充電するために使用されうるAC-エネルギー源(すなわち、120VのACコンセント)に接続されてもよいことが企図される。
【0016】
メモリユニット208は、命令及びデータを格納するための揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよい。不揮発性メモリは、NANDフラッシュメモリのような固体メモリ、磁気及び光学記憶媒体、又は警報システム200が非活性化又は電力を失った場合にデータを保持する他の任意の適切なデータ記憶装置を含んでもよい。揮発性メモリは、プログラム命令及びデータを格納する静的及び動的ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。
【0017】
警報ビーコン202は、1つ以上のセンサを含んでもよい。例えば、警報ビーコン202は、距離、速度(距離の変化を使用して)、加速度、又は接近する物体の速度を測定するためにパルスレーザーを使用してもよく、かつそのようなパルスレーザーの形態で光を使用するように動作可能なLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ210を含んでもよい。後述するように、プロセッサ204は、LiDARセンサ210によって提供されるデータを使用して、接近する物体をアルゴリズム的に検出し、その速度をマイル毎時で計算するように動作可能であってもよい。
【0018】
警報ビーコン202は、物体からの範囲(距離)を測定するために警報ビーコン202によって使用されうるパルス信号を送信するように同様に動作可能な、超音波レーダーセンサ又は短/中/長距離レーダーセンサのような他のレーダーセンサ212を含んでもよい。警報ビーコン202は、静止している又は接近する物体を検出するために警報ビーコン202によって処理されうる画像又はビデオを撮影するように動作可能なデジタルカメラ214を含んでもよい。警報ビーコン202は、警報ビーコン202の位置を検出するためのグローバル・ポジショニング・システム(GPS)215を含んでもよい。
【0019】
警報ビーコン202は、1つ以上のオーディオアラート216をさらに含んでもよい。オーディオアラート216は、警報ビーコン202から所定の半径内にいる人々に、音声による警報又はサイレンを提供するスピーカから構成されてもよい。あるいは、オーディオアラート216は、サービス技術者に異なる通知を提供する複数の固有警報を含んでもよい。例えば、1つの固有警報は、接近車両110が損傷車両104の後方から接近していることをサービス技術者に警報するために使用されてもよく、異なる警報は、損傷車両104の前方経路にいる可能性がある接近車両110に対して使用されてもよい。
【0020】
警報ビーコン202は、警報システム200から所定の半径内にいる人々に対する1つ以上のビジュアルアラート218をさらに含んでもよい。例えば、ビジュアルアラート218は、継続的に点灯したり、強く光ったり、点滅したりして人々にビジュアルアラートを提供するライトシステム(例えば、1つ以上の発光ダイオード(LED))を含んでもよい。あるいは、ビジュアルアラート218は、読み取り及び変更が可能な警報を人々に提供するように動作可能な電子メッセージボードであってもよい。
【0021】
接近車両110の乗員、サービス技術者又は損傷車両104の乗員に警報するために、オーディオアラート216及び/又はビジュアルアラート218が使用されてもよいことが企図される。また、接近車両110の乗員、サービス技術者又は損傷車両104の乗員に警報するオーディオアラート216及びビジュアルアラート218を作動及び動作させるために、警報ビーコンは1つ又は複数のリレーが使用してもよいことが企図される。また、オーディオアラート216及び/又はビジュアルアラート218が、接近車両110の乗員(すなわち、運転手)に、進路を逸脱して、警報ビーコン202、サービス車両102及び/又は損傷車両104から離れるよう警報するように動作してもよいことが企図される。あるいは、オーディオアラート216及び/又はビジュアルアラート218は、サービス技術者又は損傷車両104の乗員に、接近車両110から離れるよう警報するように動作してもよい。
【0022】
警報ビーコン202は、外部システム及びデバイスとの通信を提供するように構成されたネットワークインターフェースデバイス220を含んでもよい。例えば、ネットワークインターフェースデバイス220は、Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802。11 family of standardsによって定義される有線及び/又は無線イーサネットインターフェースを含んでもよい。ネットワークインターフェースデバイス220は、セルラーネットワーク(例えば、3G、4G、5G)と通信するためのセルラー通信インターフェースを含んでもよい。ネットワークインターフェースデバイス220は、外部ネットワーク222又はクラウドに通信インターフェースを提供するようにさらに構成されてもよい。
【0023】
外部ネットワーク222は、ワールドワイドウェブ又はインターネットに相互接続されてもよい。外部ネットワーク222は、1つ以上の外部コンピューティングデバイス224間で標準通信プロトコルを確立してもよい。外部ネットワーク222は、コンピューティングデバイス224とネットワークインターフェース220との間で情報及びデータを容易に交換することを可能にしてもよい。例えば、外部デバイス224は、外部ネットワーク222を介して警報ビーコン202と通信する1つ以上のサーバから構成されてもよい。あるいは、外部デバイス224は、外部ネットワーク222を介して警報ビーコン202と通信しているモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ)を含んでもよい。
【0024】
警報システム200は、1つ以上の警報ビーコン202を使用して実装されてもよいことがさらに企図される。図2は単一の警報ビーコン202のみを図示しているが、上述した様々な特徴及び機能のそれぞれは、複数の警報ビーコン202によって分離され、実装されてもよいことが意図されている。例えば、警報システム200は、それぞれが別々のセンサ210-214、オーディオアラート216及びビジュアルアラート218を有する複数の警報ビーコン202から構成されてもよい。また、各警報ビーコン202は、独立して動作してもよいし、警報ビーコン202が通信してメッシュネットワークとして動作してもよい。また、警報ビーコン202は、警報ビーコン202を監視又は配備するために使用されうる外部ネットワーク222を使用してリモートサーバ(例えば、デバイス224)と通信してもよい。
【0025】
複数の警報ビーコン202が採用される場合、警報システム200は、外部ネットワーク222を使用して、個々の警報ビーコン202の間で通信を行ってもよい。例えば、警報システム200は、外部ネットワーク222を使用して、損傷車両104の前方に位置する第1の警報ビーコン202と、サービス車両102の後方に位置する第2の警報ビーコン202との間で通信を行うように動作可能であってもよい。複数の警報ビーコン202を配置することにより、警報システム200は、LiDAR210、レーダー212又はカメラ214を使用して、複数の方向から接近する車両又は物体(例えば、損傷車両104の前方から接近する車両又はサービス車両102の後方から接近する車両)を走査する能力を提供することができる。さらに、1つの警報ビーコン202が動作を停止した場合であっても、残りの警報ビーコン202が動作を継続して、接近車両110又は物体を走査、検知して警報を出すことができる。そのため、複数の警報ビーコン202を実装することは、警報システム200に冗長性を提供することになる。
【0026】
警報ビーコン202は、地理的に異なる地域にわたって極端な気象条件下で動作するように設計されてもよい。例えば、警報ビーコン202は、極端に寒い又は暑い天候、あるいは雨、みぞれ又は雪にさらされたときに動作するように設計されてもよい。したがって、警報ビーコンは、構成要素(例えば、プロセッサ204、LiDAR210)を様々な気象条件及び気候変化から保護するために、密閉されるか、Ingress Protection(IP)エンクロージャ内に配置されてもよいことが企図される。
【0027】
図3A-3Dは、接近する物体(例えば、接近する車両や破片)を検出して警報を提供するための警報システム200の一部として配備されうる様々な例示的な警報ビーコン202を示している。警報ビーコン202は、損傷車両104が整備されている間に潜在的に危険な物体を検出するために、サービスアシスタントによって配備されてもよいことが企図される。しかしながら、警報ビーコン202は、緊急サービスを提供する警察、消防又は救急車のサービス従事者によって配備されてもよい。あるいは、警報ビーコン202は、自動車運転手によって利用及び配備が可能な商用システムとして設計されてもよいことが企図される。
【0028】
ここでも、警報ビーコン202は、サービス車両102又は損傷車両104の存在を接近車両110に示すように動作可能な1つ以上のオーディオアラート216及び/又はビジュアルアラート218を含んでもよい。あるいは、オーディオアラート216及び/又はビジュアルアラート218は、接近車両110の存在をサービスアシスタントに示すように動作可能であってもよい。図3Aに示されるように、ビジュアルアラート218は、サービス車両102又は損傷車両104の存在を接近車両110に示すバケットライト発光ディスプレイ(LED)を含んでもよい。上述したように、オーディオアラート216は、接近車両110が危険な速度で、又は距離まで接近していることをサービスアシスタントに聴覚表示するためのスピーカーシステムを用いて設計されてもよい。
【0029】
また、警報システム200は、LiDARセンサ210又はレーダ212によって提供されるデータを使用して、接近車両110が所定距離内に存在するかどうかを検出することによって動作してもよいことが企図される。プロセッサ204は、エラーチェックを実行する命令を含み、LiDARセンサ210又はレーダ212から受信された任意の偽陽性データを除去してもよい。
【0030】
また、プロセッサ204は、平均距離を決定する前に、接近する物体(すなわち、接近車両110)に対するベータ測定値又はサンプルについて動作してもよい。測定値は所定範囲内に存在しないとプロセッサ204が判断した場合、プロセッサ204は、測定値をメモリ208内に格納しなくてもよく、かつ/又は、当該測定値を廃棄してもよい。プロセッサ204は、以下の式(1)で示されるように、所定範囲(例えば、[γ、δ]センチメートル)内に所定数の測定値(すなわち、ベータ測定値)が存在するようになるまで、LiDARセンサ210又はレーダ212のポーリングを続けてもよい。
【0031】
【0032】
式(1)において、xは接近するオブジェクトまでの距離(cm)である。プロセッサ204が平均距離を計算すると、プロセッサ204はさらに、接近する物体の速度を計算してもよい。接近する物体の速度は、以下の式(2)で示されるように、位置の変化(cm)を時間の変化(ms)で割ったものとして表されてもよい。
【0033】
【0034】
ここで、pはi番目の位置であり、tはi番目の時間である。プロセッサ204は、計算された速度をマイル毎時(MPH)に変換するように動作可能であってよい。プロセッサ204は、以下の式(3)、(4)、(5)を用いて、計算された速度をセンチメートル毎ミリ秒からマイル毎時に変換してもよい。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
プロセッサ204は、以下の式(6)で示されるように、物体(すなわち、接近車両110)の速度が所定の速度(例えば、25MPH)以上で移動しているかどうか、及び物体の速度が所定の距離(例えば、3000cm)以下であるかどうかを判断してもよい。
【0039】
【0040】
ここで、zはオーディオアラート216又はビジュアルアラート218が作動するべきかどうかを示す出力であってもよく、xはマイル毎時(MPH)単位の速度であり、yはセンチメートル(cm)単位の距離である。物体が所定の速度及び距離内に存在するとプロセッサ204が判断した場合、プロセッサは、ビジュアルアラート218(例えば、LEDライト)又はオーディオアラート216(例えば、大きなサイレン)を作動させてもよい。
【0041】
図3Aは、警報ビーコン202が、複数のLiDARセンサ210A-210C、複数のレーダセンサ212A-212C、及び複数のカメラ214A-210Cを含んでもよいことを例示的に示す。LiDARセンサ210A-210C、レーダセンサ212A-212C、及びカメラ214A-210Cは、警報ビーコン202の周囲の様々な位置に配置されてもよい。複数のLiDARセンサ210A-210C、レーダセンサ212A-212C、及びカメラ214A-210Cを含むことによって、警報ビーコン202は、接近する物体又は車両を全方向に走査するように動作可能であってもよい。例えば、警報ビーコン202は、複数のLiDARセンサ210A-210C、レーダセンサ212A-212C、及びカメラ214A-210Cを用いて、接近する全ての車両110を、サービス車両102又は損傷車両104に接近してくる方向に関わらず走査してもよい。また、1組のLiDAR、レーダー及びカメラ(例えば、210A、212A、214A)のみが含まれてもよく、その組が警報ビーコン202の周りを回転して、接近する物体又は車両を全方向に走査するように設計されてもよいことが企図される。
【0042】
図3Aに示されるように、警報ビーコン202は、三角コーンとして設計又は成形されてもよい。しかしながら、警報ビーコン202は、所定の用途に依存する他の形態又は様式で成形又は配備されてもよいことが企図される。例えば、図3Bは、警報ビーコン202が沿道の三角停止表示板として設計されていることを示す。図3Bに示されるように、複数のビジュアルアラート218(例えば、LED照明システム)が、接近する交通、サービスアシスタント、又は傍観者に視覚的な警報を提供するために含まれてもよい。図3Bはまた、複数のオーディオアラート216が警報ビーコン202内に含まれてもよいことを示す。警報ビーコン202のサイズ又は用途に応じて、追加のオーディオアラート216及びビジュアルアラート218が所望されうる。図3Cは、沿道のシリンダーとして設計された警報ビーコン202をさらに示す。
【0043】
図3Dは、警報ビーコン202が、空中ドローンとして設計されることもよいことを示す。本出願内で使用されるように、「ドローン」という用語は、所定の機能を実行するために自律的に動作することができる空中車両を指す場合もあれば、人間のオペレータによって制御される空中車両を指す場合もある。警報ビーコン202は、1つ以上の推力装置230A-230Dを含んでもよい。図示されるように、複数のスラスト装置230A-230Dは、周縁部に配置され、回転して推力を発生させるプロペラ部材を含んでもよい。スラスト装置230A-230Dは、揚力(鉛直方向の推力)と横方向の推力(水平方向の推力)の両方を提供するように構成されてもよい。推力の垂直成分及び水平成分によって、警報ビーコン202の高度、横方向の動き及び向き(姿勢)を変えることが可能となる。
【0044】
最後に、警報ビーコン202は、サービス技術者が損傷車両104を救援するときに着用する衣類又はIoTデバイスとして設計されてもよいことが企図される。警報システム200は、依然として、サービス技術者によって着用される警報ビーコン202(すなわち、衣類又はIoTデバイス)と、サービス車両102及び損傷車両104の周囲に配置された追加の警報ビーコン202との間の無線接続を提供してもよい。しかしながら、衣類又はIoTデバイスは、図4A-4Dによって例示された警報ビーコン202とは独立した、警報システム200の代替形態であってもよいことが企図される。
【0045】
例えば、衣類は、サービス技術者によって着用されるベストであってもよい。ベストは、接近車両110又は物体の位置及び速度を検出する1つ以上のLiDARセンサ又はレーダセンサを含んでもよい。ベストは、ビデオを検出し記録する1つ以上のカメラセンサを含んでもよい。ベストは、接近車両がサービス車両102又は損傷車両104から所定の距離内又は速度以内に接近しているかを判定するように動作可能であってもよい。ベストは、接近車両110又は物体についてサービス技術者に通知するために作動するオーディオアラート及びビジュアルアラートを含んでもよい。ウェアラブル眼鏡又はコンタクトレンズとして採用される場合、警報システム200は、サービス技術者にビジュアルアラートを表示してもよい。あるいは、衣類は、スマートウォッチ(例えば、Androidウォッチ又はAppleウォッチ)であってもよく、当該スマートウォッチ上で、モバイルソフトウェアアプリケーションが、サービス技術者にビジュアルアラート又はオーディオアラートを提供するように利用されてもよい。
【0046】
図4Aは、サービス車両102及び損傷車両104の周囲に位置する多数の警報ビーコン202A-202Dを有する警報システム200を示す。サービス技術者が、サービス車両102及び損傷車両104の近傍を囲むように警報ビーコン202A-202Dを配備及び配置してもよいことが企図される。あるいは、各警報ビーコン202A-202Dは、サービス車両102からの自動配備を可能にするモータ及び車輪を含んでもよい。したがって、警報システム200は、サービス技術者の支援なしに、損傷車両104の近傍を囲むように警報ビーコン202A-202Dを自動的に配置してもよい。
【0047】
しかしながら、サービス技術者は、ネットワークインターフェース220を使用して、警報ビーコン202A-202Dの配置を手動で制御してもよいことが企図される。例えば、サービス技術者は、ネットワークインターフェース220を介して各警報ビーコン202A-202Dに無線接続されたモバイルデバイス又はリモートコントロールを使用してもよい。例えば、サービス技術者は、各警報ビーコン202A-202Dを選択可能なモバイルアプリを使用してもよい。警報ビーコン202A-202Dが選択されたあと、モバイルアプリは、サービス技術者に警報ビーコン202A-202Dの配置を制御する機能を提供してもよい。
【0048】
ここでも、各警報ビーコン202A-202Dは、図3Dに示されるように、サービス車両102及び損傷車両104の近傍の上空でホバリングするように動作可能な空中ドローンであってもよい。空中ドローンを用いて配備される場合、警報ビーコン202A-202Dは、第1車線406、第2車線408又は路肩108A、108Bの上方に位置してもよい。ドローンが接近車両110の上空でホバリングしている場合、ビジュアルアラート216(例えば、LEDライト)は、サービス車両102から遠く離れた位置から視認可能であってもよい。ビジュアルアラート216は、作動すると、1/4マイル以上離れた距離にある接近車両110からも視認可能な点滅光であってもよい。視認性の向上は、ドローンが他の車両又は沿道の障害物によって妨害されないことが理由であってもよい。
【0049】
また、各警報ビーコン202A-202Dは、プロセッサ204によって制御されて、道路の勾配にかかわらずLiDAR210、レーダー212、及びカメラ214を自己水平化する電動アセンブリ(図示せず)も含むことが企図される。例えば、プロセッサ204は、以下のようにプログラムされてもよい。(1)地面が検知されるまで下方に走査し、(2)上方に走査して地平線を検知し、(3)接近車両110に向かって投影する位置でLiDAR210を自動で水平にする。あるいは、プロセッサは、加速度計を用いて、LiDAR210、レーダー212及びカメラ214の特定の向きを決定し、重力による下方加速度の異なる値を測定する自己水平化機能を提供してもよい。
【0050】
各警報ビーコン202A-202Dは、サービス車両102に物理的に取り付けられてもよいことがさらに企図される。例えば、各警報ビーコン202A-202Dは、サービス車両102上部のライトバーに取り付けられてもよいし、サービス車両102の内部又は外部に取り付けられた機器を介して取り付けられてもよい。LiDAR210、レーダー212及びカメラ214はまた、サービス車両102の周囲に配置されてもよく、プロセッサ204によって、様々な方向から接近してくる接近車両110を検知するために使用されてもよい。LiDAR210、レーダー212及びカメラ214はまた、サービス技術者によって制御されてもよく、又は交通流及び道路位置と連動して自動的に作動してもよい。
【0051】
図4Aによって示されるように、警報ビーコン202A-202Dは、サービス車両102の後方で、路肩108の端の近傍に配置されてもよい。接近車両110は、当初、警報ビーコン202に向かって第1車線406で接近している場合がある。しかしながら、接近車両110が警報ビーコン202に警戒されると、接近車両110は、第1の経路402に沿って第2車線408内に導かれてもよい。ビジュアルアラート218(例えば、LEDバケットライト)が運転者に見えると、対向車両110が第2車線308内に導かれてもよい。或いは、対向車両110は、車両、電話、又はIOTデバイスに、第2車線に移動するようにメッセージを送信してもよい。或いは、対向車110は、自律的に制御されてもよく、警報システム200によって送信される感知された又は受信されたデータに基づいて、第2車線408内に導かれてもよい。第2車線408に再配置されたことで、警報システム200はオーディオアラート216を作動させないことがある。
【0052】
しかしながら、図4Bによって示されるように、接近している車両110は、第1車線406から外れないことがある。その代わりに、接近車両110は、警報ビーコン202の近くに接近する第2の経路404に沿って走行してもよい。接近車両110は、ビジュアルアラート218が作動し、接近車両110の乗員に警報を発するように動作しているにもかかわらず、警報ビーコン202の近くに接近してもよい。接近車両110が警報ビーコン202から所定の距離又は速度に達すると、オーディオアラート318は、サービス技術者に警報するために作動させられてもよい。オーディオアラート318は、サービス技術者が自分自身を再配置し、場合によっては損傷車両104の乗員に警報するのに十分な時間を有するように、接近車両110が所定の距離又は速度に達したときに警報されてもよい。
【0053】
カメラ214は、損傷車両104の周囲の領域のビデオ記録を提供するように動作可能であってもよい。カメラ214は、警報ビーコン202が展開されるときはいつでも動作可能であってもよい。或いは、カメラ214は、接近車両110が、損傷車両104、サービス車両102、又は警報ビーコン202の所定の速度(すなわち、速度)以上又は所定の方向内に移動すると判定された場合にのみ、ビデオを記録するように動作可能であってよい。所定の速度値及び方向値は、メモリ208内に格納されてもよい。所定の方向及び速度値は、較正可能であってもよいし、サービス技術者によって調整されてもよい。また、警報ビーコン202は、カメラ214から取得したデジタル画像、記録されたビデオ、又はビデオセグメントをメモリ208内に記録及び保存するように動作可能であってもよいし、外部ネットワーク222に保存するように動作可能であってもよい。さらに、カメラ214は、プロセッサ204によって機械学習アルゴリズムと組み合わせて使用され、サービス技術者が損傷車両104の乗員を救援している間に所定の一連の安全プロトコル又は操作プロトコルに従っているかどうかを判断することもできる。
【0054】
また、警報システム200は、外部ネットワーク222を使用して、サービス車両102内に配置されてもよいリモートストレージ(例えば、デバイス224)にビデオを送信するように動作可能であってもよい。又は、警報ビーコン202は、外部ネットワーク222を使用してビデオをリモートサーバ(例えば、コーポレートサーバ又はAmazon Web Servicesのようなクラウドベースのストレージ)に動作可能に送信してもよい。送信された映像は、その後、サービスが提供されている間、又は後の時間に、遠隔作業員によって観察され得る。遠隔地の作業者は、サービス技術者が行っている作業の監督や監視を行うために映像を観察することができる。あるいは、遠隔地の作業員は、サービス技術者及び損傷車両104の乗員のための安全性の追加レベルとして、ビデオを観察してもよい。ビデオ及びGPS位置は、ネットワークインターフェース220及び外部ネットワーク224を介して中央ロケーションにライブストリーミングされ得、監督者及びフリートオペレータがリアルタイムで作業を監督する能力を可能にする。
【0055】
警報システム200はまた、カメラ214から収集されたビデオを使用して、メモリ208内に格納されたリアルタイム交通分析を処理するように動作可能であり得る。交通解析は、再び、外部ネットワーク222を使用して、様々な場所に分散した複数の警報システム200(すなわち、複数の緊急サービス車両)を監視し得る中央システム又はクラウドベースのストレージ(例えば、デバイス224)に送信されてもよい。交通分析データは、サービス技術者及び運転手により正確な情報を提供するために、内部及び外部の両方において使用され得る。
【0056】
GPS215からのデータは、プロセッサ204が、接近車両110がサービス車両102、損傷車両104、又は警報ビーコン202に向かって所定の速度、距離、又は経路で接近していると判断したとき、同様に、監視サービス又は緊急サービスへ(外部ネットワーク222を介して)送信され得る。また、GPS215によって提供されるデータは、蔓延する損傷車両の位置に関する内部分析のために処理されてもよい。
【0057】
警報システム200は、外部ネットワーク222を使用して、接近車両110内に位置するインフォテインメントシステム、ヘッドアップディスプレイ、ビデオモニタ、又はモバイルデバイスに警報を送信するように動作可能であることもできる。例えば、警報システム200は、外部ネットワーク222を採用して、対向車内に警報を提供することができるジオフェンシング機能(geo-fencing capabilities)を提供することも可能である。警報システム200は、サービス車両102、損傷車両104、又は警報ビーコン202の位置を示すデータを、外部ネットワーク222を介して接近車両110に送信してもよい。また、警報システム200は、外部ネットワーク222から、接近車両110の位置を示すデータを受信してもよい。警報システム200は、サービス車両102、損傷車両104、又は警報ビーコン202との関係における接近車両110の位置及び速度に基づいて、オーディオアラート216又はビジュアルアラート218をいつ作動させるかを決定してもよい。さらに、警報システムは、その後、ドライバーにルート情報を提供し、接近車両110の乗員に助言するためにリアルタイムの交通情報を与えることができるモバイルソフトウェアアプリケーションと通信することができてもよい。
【0058】
また、警報システム200は、ネットワークインターフェース220から外部ネットワーク222を介して、接近車両110の所定の速度を遅くするように指示を送信してもよい。例えば、警報システム200は、損傷車両104に関して地方の緊急サービスに通知するデータ又は指示を、外部ネットワーク222を介して送信してもよい。地方の緊急サービスは、損傷車両104の近傍(例えば、半径1/4マイル)に接近車両110に通知信号を送信するように装備されてもよい。通知信号を受信すると、接近車両110は、運転者がアクセルペダルを踏み込もうとするかどうかにかかわらず、指定速度(例えば、25MPH)まで減速するようにプログラム的に制御されてもよい。通知信号は、緊急サービス場所から来るものとして要求されなくてもよく、警報システム200又は警報システム200と通信している監視サービスによって送信され得ることが企図される。
【0059】
また警報システム200は、接近車両110内で自動ブレーキ又は衝突回避を開始するように動作可能な通知信号を送信してもよい。例えば、通知信号は、警報ビーコン202、サービス車両102、又は損傷車両104に対して所定の速度又は距離内に接近している接近車両110内で自動ブレーキを提供するために使用されてもよい。あるいは、通知信号は、接近車両110を警報ビーコン202、サービス車両102、又は損傷車両104から遠ざけるよう導くために使用されてもよい。
【0060】
警報システム200はさらに、外部ネットワーク222を使用して、道路脇のビルボード又は自治体の通知システムに接続し、接近車両110に追加の警報を提供するように動作可能であってよい。例えば、多くの道路脇のビルボードは、現在、ビデオ電子ディスプレイとして装備されている。警報システム200は、情報が接近車両110に提供され得るように、外部ネットワーク222を使用してそのようなビルボードと(直接又は通知サービスを通じて)接続するように動作可能であってよい。多くの都市は、現在の交通状況について接近車両110に警報するために使用され得る電子看板も備えている。これらの電子標識は、サービス車両102、損傷車両104、又は警報ビーコン202の位置について接近車両110に通知するために、警報システム200によって使用されることもある。
【0061】
また、警報システム200は、サービス技術者が装着しているモバイルデバイスと外部ネットワークを用いて接続するように動作可能であってもよい。例えば、警報システム200は、モバイルデバイス(例えば、Apple又はAndroidスマートフォンに利用可能でダウンロード可能なアプリ)上にダウンロードされ得るモバイルソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。モバイルソフトウェアアプリケーションは、接近車両110の速度が所定の閾値を超えていると判断されたとき、又は接近車両110の方向が所定の距離内にあると判断されたときに、サービス技術者に警報するためにモバイルデバイスの可聴又はビジュアルアラート機能を用いてもよい。
【0062】
警報システム200は、サービス車両102内に配置されたセンサ又は警報システムを動作可能に使用するように統合されてもよい。或いは、警報システム200は、損傷車両104内に配置されたセンサを統合してもよいし、代替的にそれに頼ってもよい。例えば、損傷車両104は、サービス技術者が警報システム200を損傷車両104内に配置されたセンサ(例えば、LiDAR、カメラ)に接続することを可能にする機能を含むように動作可能であってよい。損傷車両104内に配置されたセンサは、その後、接近車両110又は物体についての警報をさらに検出し提供するために、警報システム200によって実装されてもよい。
【0063】
また、警報システム200は、損傷車両104を取り巻く交通パターンを示すデータを外部ネットワーク222に送信してもよい。或いは、警報システム200は、損傷車両104から遠ざかる交通の再ルーティングを要求する指示を送信してもよい。データ及び指示は、接近車両110が損傷車両104から離れるように通知及び/又は再ルーティングされ得るように、マッピングソフトウェアプロバイダ(例えば、Google又はWaze)に提供されてもよい。例えば、警報システム200は、接近車両110が損傷車両104から所定の距離(例えば、1/2マイル)離れて再ルーティングされるように要求してもよい。
【0064】
さらに、損傷車両104の周辺領域は、移動可能な交通流装置を有していてもよいことが企図される。例えば、特定の道路は、追加の又は代替の交通車線を許可する車線迂回システムを含む。警報システム200は、サービス技術者に安全な作業環境を提供するために、接近車両110を損傷車両104から遠ざけるようにルート変更するために、この追加又は代替の交通車線を起動し、使用することができる。
【0065】
警報システム200は、損傷車両104が位置する場所に関する情報を受信するようにも設計され得る。例えば、損傷車両104は、高度に横断された区域、接近車両110のための視覚的障害物(例えば、橋、茂み)を含む区域、又は損傷車両104を整備するのに適した空間を含まない場所(例えば、小さな路肩の区域又は全く路肩のない区域)に位置していてもよい。警報システム200は、損傷車両104がサービス技術者にとって安全でないエリアに位置しているかどうかを評価及び判断するように動作可能であってもよい。警報システム200は、サービスされる前に別の場所に進むように損傷車両104に警報するように動作可能であってもよい。
【0066】
また、警報システム200は、損傷車両104を取り巻く保留中の気象条件についてのローカル気象サービスからのデータを外部ネットワーク222から動作可能に受信してもよいことが企図されている。警報システム200が、気象条件についての受信したデータが、接近車両110との事故の可能性を増大させる可能性があると判断した場合、追加の安全対策が採用されてもよい。例えば、警報システム200が激しい雪嵐に関するデータを受信した場合、又は損傷車両104の周囲に凍結した道路状況が存在する場合、警報システム200は、損傷車両104を囲む警報ビーコン202によるカバー率を高めることを要求することができる。また、警報システム200がサービス技術者に高度な警報を提供できるように、警報ビーコン202の半径及び数を増加させてもよい。また、警報システム200は、サービス車両102がテレマティクスデータにアクセスして、故障又は装置故障につながる警報ビーコン202のあらゆる劣化を判断できるように、機械学習アルゴリズムを動作可能に採用してもよい。
【0067】
警報システム200が、警報ビーコン202のうちの任意の1つの潜在的な誤配置又は盗難を追跡及び検出するために、顔認識アルゴリズム、ブロックチェーンアルゴリズム、光学文字認識(OCR)、又は画像認識を実装し得ることがさらに企図される。例えば、警報ビーコン202は、道端から、又はサービス車両102の後部から取られる可能性がある。ネットワーク送信機220を使用して、プロセッサ204は、カメラ214によって取得されたデジタル画像を送信してもよい。プロセッサ204は、顔認識アルゴリズムを採用して、警報ビーコン202の撮影に責任のある個人を識別してもよい。また、プロセッサ204は、GPS215からのGPSデータを採用して、当局による回収のために警報ビーコン202の位置を決定し送信してもよい。
【0068】
また、プロセッサ204は、カメラ214を採用して、対向車110からナンバープレートの画像を取得してもよい。警報システム200は、取得したナンバープレートが盗難車又は行方不明車のものであると判断された場合に、外部ネットワーク222を使用して外部サーバ(例えば、警察データベース)又は緊急サービスと通信してもよい。警報システム200は、カメラ214によって取得された画像を用いて、盗難車両又は行方不明車両が発生したことを検出してもよい。警報システム200は、盗難車両又は行方不明車両が確認された位置を示す通知を現地当局(例えば、警察署)に(外部ネットワーク222を使用して)送信してもよい。警報システム200がナンバープレートを捕捉できない場合、依然として車両の画像を捕捉し、物体/色検出を使用して盗難又は行方不明の車両の車種、モデル及び色を取得することができる。
【0069】
LiDARセンサ210、レーダセンサ212、カメラ214、及びGPS215は、損傷車両104が位置する場所に係る表面又は地形マップを作成するためにも使用されてよい。地表/地形マップは、危険な道路状況又は障害物を検出するために、警報システム200によって使用されてもよい。そして、警報システム200は、道路状況又は障害物が危険な作業環境を提示する可能性がある場合、サービス技術者に警報を提供してもよい。例えば、路面マップは、損傷車両104の近くに大きなポットホール(道にできた穴)が存在することを示してもよい。警報システム200は、ポットホールについてサービス技術者に可聴又はビジュアルアラートを提供してもよい。次に、サービス技術者は、接近車両110が障害物(例えば、ポットホール)を確実に回避するように、サービス車両102又は損傷車両104の周りに追加の警報ビーコン202を追加するために、この警報を使用してもよい。
【0070】
また、警報システム200は、損傷車両104をサービスする際に、メモリ208内に位置、地形データ、及び気象条件を格納するように動作可能であってもよい。警報システム200は、この情報を使用して、損傷車両104がサービスを必要とする一般的な場所に関する分析データを生成してもよい。所定の場所が、サービスを必要とする損傷車両104を日常的に含む場合、警報システム200は、地元当局に通知してもよい。警報システム200はまた、所与の場所で損傷車両102の数が増加している潜在的な理由に関するデータを現地当局に提供してもよい。例えば、警報システム200は、LiDARセンサ210、レーダ212、カメラ214、又はGPS215から取得された地形、衛星画像、又は表面地図を含む分析データを評価し、所定の場所がいくつかの大きな甌穴を含む可能性があると決定するように動作可能であってよい。警報システム200は、ネットワークインターフェース220を使用して分析データを送信するように動作可能であってよい。分析データは、ポットホールを修正又は是正するために情報を使用することができる地方当局によって受信されてもよい。
【0071】
警報システム200は、サービス技術者が損傷車両104をサービスしている間に音声分析を記録し分析するために、(例えば、カメラ214内の)マイクをさらに用いてもよい。その後、音声解析は、損傷車両がサービスされている間の顧客の満足度を決定するためにさらに処理されてもよい。警報システム200が肯定的な顧客満足度を決定する場合、警報システム200は、サービス技術者及び実行された作業に関するソーシャルネットワーキングウェブサイト(例えば、LinkedIn又はFacebook)への投稿を提供することが可能であってよい。また、警報システム200は、さらに、応答時間及び損傷車両104をサービスするために必要な時間を追跡することを可能にしてもよい。この場合も、その後、警報システム200は、応答時間又はサービス時間に関する更新をソーシャルネットワーキングウェブサイトに投稿するように動作可能であってもよい。あるいは、時間の更新は、予想される待ち時間について別の潜在的な顧客に通知するために使用されてもよい。
【0072】
損傷車両104の乗員は、警報システム200によって外部ネットワーク222を使用してアクセス可能な申請プロセスに記入することができることがさらに企図されている。申請プロセスは、保険代理店(例えば、ミシガン州のAAA)との登録システムの一部であってもよい。申請プロセスは、緊急連絡先情報を含んでもよい。警報システム200は、警報システム200が損傷車両104の乗員のために展開されるとき、緊急連絡先に警報を提供するように動作可能であってもよい。
【0073】
例示的な実施形態が上述されているが、これらの実施形態が本発明のすべての可能な形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書で使用される言葉は、限定ではなく説明の言葉であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることが理解される。さらに、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を形成することができる。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B