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特許7583837セキュアな境界エリア通信システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】セキュアな境界エリア通信システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20241107BHJP
   G06F 21/50 20130101ALI20241107BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G06F21/50
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022577196
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 US2021037182
(87)【国際公開番号】W WO2021257428
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】16/902,219
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ランドル メイソン ハリス
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-090092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G06F 21/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両とのセキュアなデータ転送のための方法であって、
前記車両へまたは前記車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと、
前記ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと、
前記ファイルのサイズおよび前記データ転送速度に基づいて、前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の走行距離を決定することと、
前記決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、前記転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることであって、前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含むことと、
交通量を制御するために決定された場所に、前記創出されたセキュアなデータ転送ゾーンを位置付けすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送を行なうために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送についての前記決定された走行距離に対応するために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、前記転送についての前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンが、前記転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含んでおり、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンが、前記決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の前記車両の速度を予測することと、さらに前記予測された車両速度を用いて前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の前記走行距離を決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記車両の経路を予測することと、予測された前記車両の前記経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含み、前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンが、1つ以上の既存のセキュアなデータ転送ゾーン、1つ以上の動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンまたは、少なくとも1つの既存のセキュアなデータ転送ゾーンと少なくとも1つの動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンの組合せを含んでいる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
セキュアな車両通信のためのシステムであって、
プロセッサ、および
前記プロセッサによって実行された時点で、前記プロセッサに動作を行なわせる命令を記憶するために前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記動作には、
車両へまたは車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと、
前記ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと、
前記ファイルのサイズおよび前記データ転送速度に基づいて、前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の走行距離を決定することと、
前記決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、前記転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることであって、前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含むことと、
交通量を制御するために決定された場所に、前記創出されたセキュアなデータ転送ゾーンを位置付けすることと、
が含まれるメモリ、
を含む、システム。
【請求項9】
前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送を行なうために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送についての前記決定された走行距離に対応するために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、前記転送についての前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンが、前記転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含んでおり、前記動作が、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンが、前記決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作が、前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の前記車両の速度を予測することと、さらに前記予測された車両速度を用いて前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の前記走行距離を決定することとをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、前記車両の経路を予測することと、予測された前記車両の前記経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含み、前記セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含んでいる、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してセキュア(secure)通信に関し、詳細には、いくつかの実装は、ジオフェンスされた領域内でのセキュアなデータ転送に関するものであり得る。
【背景技術】
【0002】
コネクテッドビヒクル技術は、自律型車両およびADAS技術が車両の動作において果たす役割が増大していることから、一見して指数関数的にその重要性および需要を増しつつある。車間(V2V)および路車間(V2I)無線通信(集合的にV2Xと呼ばれる)により、車両は互いに、そしてインフラ要素(例えば道路標識、スマートハイウェイ要素など)と通信することが可能となっている。
【0003】
車両通信の良好な展開にとっての重要な側面は、通信のセキュリティである。例えば、これらの潜在的にライフクリティカルな通信は、ハッカーによる攻撃または改ざんからセキュリティ保証されていなければならず、個人情報も同様に保護されていなければならない。しかしながら、セキュリティ措置の実装は、車両の特定の動作環境(例えば、移動中の車両、散発的な接続性、近傍のハッカー予備軍にさらされるなど)において困難であり得る。
【発明の概要】
【0004】
開示されている技術のさまざまな実施形態によると、車両とのセキュアなデータ転送のための方法は、車両へまたは車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと;ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと;ファイルサイズおよび転送速度に基づいて、ファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することと;決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることと;を含み得る。
【0005】
さまざまな実施形態において、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、転送を行なうために識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含み得る。実施形態において、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、転送についての決定された走行距離に対応するために識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、転送についての識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含み得る。
【0006】
割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンは、転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含み得る。
【0007】
複数のセキュアなデータ転送ゾーンが、決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含み得る。
【0008】
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含み得る。
【0009】
該方法は、割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の車両の速度を予測することと、さらに予測された車両速度を用いてファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することとをさらに含み得る。該方法は、車両の経路を予測することと、予測された車両の経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含むことができ、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含み得る。
【0010】
さまざまな実施形態において、1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンは、1つ以上の既存のセキュアなデータ転送ゾーン、1つ以上の動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンまたは、少なくとも1つの既存のセキュアなデータ転送ゾーンと少なくとも1つの動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンの組合せを含む。
【0011】
さまざまな実施形態において、車両の経路を予測することは、機械学習を用いて行われる。
【0012】
非一時的機械可読媒体が、プロセッサによって実行された時点で、プロセッサに動作を行なわせる命令を内部に記憶しており、これらの動作には:車両へまたは車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと;ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと;ファイルサイズおよび転送速度に基づいて、ファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することと;決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることと;が含まれ得る。
【0013】
セキュアな車両通信のためのシステムは:プロセッサ;およびプロセッサによって実行された時点で、プロセッサに動作を行なわせる命令を記憶するためにプロセッサに結合されたメモリを含むことができ、これらの動作には;車両へまたは車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと;ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと;ファイルサイズおよび転送速度に基づいて、ファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することと;決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることと;が含まれ得る。
【0014】
さまざまな実施形態において、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、転送を行なうために識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含み得る。実施形態において、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、転送についての決定された走行距離に対応するために識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、転送についての識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含み得る。
【0015】
割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンは、転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含み得る。
【0016】
動作は、複数のセキュアなデータ転送ゾーンが決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含み得る。
【0017】
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含み得る。
【0018】
動作は、割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の車両の速度を予測することと、さらに予測された車両速度を用いてファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することとをさらに含み得る。該方法は、車両の経路を予測することと、予測された車両の経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含み、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることは、1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含み得る。
【0019】
さまざまな実施形態において、1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンは、1つ以上の既存のセキュアなデータ転送ゾーン、1つ以上の動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンまたは、少なくとも1つの既存のセキュアなデータ転送ゾーンと少なくとも1つの動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンの組合せを含む。
【0020】
さまざまな実施形態において、車両の経路を予測することは、機械学習を用いて行なわれる。
【0021】
開示された技術の他の特徴および態様は、一例として開示対象技術の実施形態に係る特徴を例示している添付図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって明らかになるものである。要約は、本明細書中に記載のいずれの発明の範囲をも限定するべく意図されておらず、これらの発明は、本明細書に添付のクレームによってのみ定義される。
【0022】
本開示は、1つ以上のさまざまな実施形態にしたがって、以下の図を参照しながら詳述される。図は、単に例示を目的として提供されており、典型的または例示的実施形態を描いているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】開示対象技術の実施形態を実装し得る例示的な自律型または半自律型車両を示す図である。
図2】さまざまな実施形態に係るセキュアな境界エリア通信の一例を示す図である。
図3】一実施形態に係るセキュアな境界エリア通信のための例示的プロセスを示す略図である。
図4】さまざまな実施形態に係るセキュアなファイル転送のための別の例示的プロセスを示す略図である。
図5】本開示中で説明されている実施形態のさまざまな特徴を実装するのに使用され得る例示的コンピューティングコンポーネントを示す図である。
【0024】
図は、網羅的ではなく、開示されている精確な形態に本開示を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書中で開示されているシステムおよび方法の実施形態は、1つ以上のセキュア通信ゾーンとのセキュアな車両通信を調整するためのシステムおよび方法を提供する。実施形態は、セキュアな情報が車両からアップロードされるかまたは車両にダウンロードされなければならないことを認識し、転送をスケジューリングするべく取り組むように構成され得る。システムは、車両へまたは車両から転送されるべきファイルのサイズおよびファイルを転送し得るデータ転送速度を決定するように構成可能である。この情報および予測された車両速度を用いて、システムは、ファイルの転送を完了するのに必要とされる車両の走行距離を決定することができる。この情報を用いて、システムは、決定された走行距離に基づいてかつ単数または複数のセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、その中で転送を行なうべき1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることができる。
【0026】
既存のセキュア通信ゾーンの寸法が、転送に対応するのに不充分なものである場合(例えば、車両が、過度に速くゾーンを通過しすぎて転送を完了できない場合)、システムは、1つ以上の新しいセキュア通信ゾーンを動的に追加するか、または1つ以上の既存のセキュア通信ゾーンの寸法を動的に増大させるか、またはその両方を行なって、転送に対応することができる。
【0027】
本明細書で開示されているシステムおよび方法は、自律型または半自律型車両を含めた、多くの異なる車両および車両タイプのいずれでも実装可能である。例えば、本明細書中で開示されているシステムおよび方法は、自動車、トラック、オートバイ、RV車および他の同様のオンロードまたはオフロード車両で使用可能である。これらには、人員/要員、材料または他の品物を輸送するための車両が含まれ得る。さらに、本明細書中で開示されている原理は、他の車両タイプにも同様に拡張可能である。
【0028】
図1は、開示された技術の実施形態を実装することのできる例示的な自律型または半自律型車両を示している。この例において、車両100は、コンピューティングシステム110、センサ120、AV制御システム130、および車両システム140を含む。車両100は、より多数のまたはより少数のシステムおよびサブシステムを含んでいてよく、各々は多数の要素を含むことができると思われる。したがって、本明細書中で開示されている技術の機能のうち1つ以上は、付加的な機能的または物理的コンポーネントに分割されてよく、あるいはより少ない数の機能的または物理的コンポーネントへと組合わされてもよい。さらに、図1に例示されているシステムおよびサブシステムは、特定の形でパーティション分割されているものとして示されているが、車両100の機能は、他の形でパーティション分割され得る。例えば、さまざまな車両システムおよびサブシステムを異なる形で組合わせて、機能性を共有することができる。
【0029】
センサ120は、車両100、そのオペレータ、その動作、およびその周囲環境に関するデータを収集するための複数の異なるセンサを含んでいてよい。この例において、センサ120は、ライダ111、レーダ112、または他の同様の距離測定センサ、画像センサ113、スロットルおよびブレーキセンサ114、3D加速度計115、ステアリングセンサ116およびGPSまたは他の車両測位システム117を含む。センサ120の1つ以上が、データを収集しそのデータを車両のECUまたは他の処理ユニットに送ることができる。センサ120(および他の車両コンポーネント)は、冗長性のために二重化されていてよい。
【0030】
距離測定センサ、例えばライダ111、レーダ112、IRセンサおよび他の同様のセンサは、他の車両、交通標識、歩行者、ライトポールおよび他の物体などのさまざまな外部物体までの距離および接近速度を測定する目的で、データを収集するために使用可能である。画像センサ113は、車両の周囲ならびに車両の内部の環境の画像を捕捉するために1つ以上のカメラまたは他の画像センサを含むことができる。画像センサ113からの情報は、例えば車両100を取り囲む他の物体に関する情報を含めた、車両100を取り囲む環境についての情報を決定するために使用可能である。例えば、画像センサ113は、ランドマークまたは他の特徴部(例えば道路標識、交通信号灯などを含む)、道路の勾配、道路上のライン、縁石、回避すべき物体(例えば他の車両、歩行者、自転車乗りなど)、および他のランドマークまたは特徴部を認識することができる。画像センサ113からの情報を、地図データまたは測位システム117からの情報といった他の情報と併用して、車両の場所を決定、精緻化または確認することができる。
【0031】
スロットルおよびブレーキセンサ114は、人間または自律型のオペレータによるスロットルおよびブレーキの適用に関するデータを収集するために使用可能である。加速度計115は、車両のロール、ピッチおよびヨーを測定するために3D加速度計を含んでいる。加速度計115は、慣性に基づいて位置および配向の変化を検知する目的で、車両または車両内部の多数のシステムまたはサブシステムのいずれかのための、加速度計およびジャイロスコープの任意の組合せを含むことができる。
【0032】
人間または自律型オペレータによる車両のためのステアリング入力に関するデータを収集する目的で、ステアリングセンサ116(例えばステアリング角センサ)を含めることができる。ステアリングセンサは、度単位でステアリング入力の角度を監視するための位置エンコーダを含んでいてよい。アナログセンサは、角度および回転方向についての情報を決定するために使用可能な電圧差を収集でき、一方デジタルセンサは、LEDまたは他の光源を用いてステアリング入力の角度を検出することができる。ステアリングセンサは同様に、どの程度速くステアリングホイールが回転させられているかについての情報を提供することもできる。ステアリングホイールが急速に回転させられていることは車両が低速度で動作中は概して正常であり、高速道路上の走行速度では概して普通ではない。ドライバが、高速道路上の速度で運転している間に速い速度でステアリングホイールを、回転させている場合には、車両のコンピューティングシステムはそれを、車両が制御不能となっていることの標示として解釈し得る。ステアリングセンサ116は同様に、ドライバがステアリングホイールに加えている力の量を検出するためにステアリングトルクセンサを含み得る。
【0033】
車両の現在の場所についての位置情報ならびに他の測位またはナビゲーション情報を収集するためには、車両測位システム117(例えばGPSまたは他の測位システム)を使用することができる。
【0034】
例示されていないものの、他のセンサ120を具備することも可能である。システムが自律、半自律または手動モードで動作するのに有用な情報を有するように、コンピューティングシステム110および車両100の他のシステムに対して入力を提供する目的で、さまざまなセンサ120を使用することができる。
【0035】
AV制御システム130は、車両100の動作を制御する目的で複数の異なるシステム/サブシステムを含み得る。この例において、AV制御システム130は、ステアリングユニット136、スロットルおよびブレーキ制御ユニット135、センサフュージョンモジュール131、コンピュータビジョンモジュール134、経路設定モジュール(pathing module)138および障害物回避モジュール139を含む。センサ120を含めた複数のセンサからのデータを評価するために、センサフュージョンモジュール131を含めることができる。センサフュージョンモジュール131は、コンピューティングシステム110または独自のコンピューティングシステムを用いて、さまざまなセンサからの入力を査定するためのアルゴリズムを実行することができる。
【0036】
スロットルおよびブレーキ制御ユニット135は、車両を加速、減速、停止させるかまたは他の形で車両の速度を調整するべく車両のスロットルおよび制動メカニズムの起動を制御するために使用可能である。例えば、スロットルユニットは、車両のための原動力を提供するために使用されるエンジンまたはモータの動作速度を制御することができる。同様にして、ブレーキユニットは、ブレーキ(例えばディスク、ドラムなど)を起動させるかまたは回生制動(例えばハイブリッド車または電気自動車において)を関与させて車両を減速または停止させるために使用可能である。
【0037】
ステアリングユニット136は、車両の進行方向を制御または改変するために多くの異なるメカニズムのうちのいずれかを含み得る。例えば、ステアリングユニット136は動作中の車両の方向変更を達成するように車両の前輪または後輪の配向を調整するための適切な制御メカニズムを含み得る。電子式、油圧式、機械式または他のステアリングメカニズムが、ステアリングユニット136によって制御され得る。
【0038】
車両の内部または車両を取り囲む環境を評価する目的で画像データ(例えば画像センサ113から捕捉した画像データまたは他の画像データ)を処理するために、コンピュータビジョンモジュール134を含めることができる。例えば、コンピュータビジョンモジュール134の一部として動作するアルゴリズムが、静止または動画像を評価して、特徴部およびランドマーク(例えば、道路標識、交通信号灯、車線区分線および他の道路境界など)、障害物(例えば歩行者、自転車乗り、他の車両、対象車両の経路内の他の障害)および他の物体を決定できる。システムは、以上のような物体を認識し、それらの速度を推定し、周囲のものをマッピングすることなどのために、ビデオ追跡および他のアルゴリズムを含むことができる。
【0039】
さまざまな他のセンサおよびシステムからの入力に基づいて車両100のための所望の経路を計算するために、経路設定モジュール138を含めることができる。例えば、経路設定モジュール138は、測位システム117、センサフュージョンモジュール131、コンピュータビジョンモジュール134、障害物回避モジュール139(以下で説明)、および他のシステムからの情報を用いて、所望のルートの一セグメントに沿って車両をナビゲートすることができる。経路設定モジュール138は、同様に、センサ120および他の制御システム130から実時間情報を受信するにつれて、車両の経路を動的に更新するように構成されてよい。
【0040】
センサ120またはAV制御システム130によって検出された障害物を回避するのに必要な制御入力を決定するために、障害物回避モジュール139を含めることができる。障害物回避モジュール139は、検出された障害物を回避するための適切な経路を決定するために、経路設定モジュール138と併用して機能し得る。
【0041】
車両システム140は、車両100の動作を制御するために複数の異なるシステム/サブシステムを含み得る。この例において、AV制御システム130は、ステアリングシステム121、スロットルシステム122、ブレーキ123、トランスミッション124、電子制御ユニット(ECU)125および推進システム126を含む。これらの車両システム140は、AV制御システム130により自律、半自律または手動モードで制御され得る。例えば、自律または半自律モードでは、AV制御システム130は、単独で、または他のシステムと連携して、車両を完全自律的または半自律的に動作させるべく車両システム140を制御することができる。これは同様に、車両が部分的制御を引受けるかまたはADAS制御を起動させてドライバの車両操作を支援する支援モードをも含んでいる。
【0042】
示された例におけるコンピューティングシステム110は、プロセッサ106およびメモリ103を含む。車両100の機能の一部または全部が、コンピューティングシステム110によって制御され得る。プロセッサ106は、1つ以上のGPU、CPU、マイクロプロセッサまたは他の任意の好適な処理システムを含むことができる。プロセッサ106は、1つ以上のシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサを含み得る。プロセッサ106は、メモリ103などの非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶された命令108を実行する。
【0043】
メモリ103は、車両システムおよびサブシステムのものを含め、車両100のさまざまな機能を実行するためにプロセッサ106が実行し得る命令(例えばプログラム論理)を格納し得る。メモリ103は、センサ120、AV制御システム130および車両システム140のうちの1つ以上に対しデータを伝送し、これらからデータを受信し、これらとインタラクトし、かつ/またはこれらを制御するための命令を含めた、追加の命令も同様に格納し得る。命令に加えて、メモリ103は、自律、半自律または手動モードでの車両100の動作を含めた動作のために車両およびそのシステムおよびサブシステムが使用するデータおよび他の情報を記憶することができる。
【0044】
図1では、1つのコンピューティングシステム110が例示されているものの、さまざまな実施形態において、多数のコンピューティングシステム110を含めることが可能である。さらに、車両100の1つ以上のシステムおよびサブシステムは、独自の専用または共用コンピューティングシステム110、またはその変形形態を含むことができる。したがって、コンピューティング110は個別のシステムとして例示されているものの、これは単に例示を容易にするためのものにすぎず、コンピューティングシステム110は、さまざまな車両システムまたはサブシステムの間で分散可能である。
【0045】
車両100は、同様に、例えばV2V、V2IおよびV2Xプロトコルを含めた多くの通信プロトコルのいずれかを用いて他の車両、インフラ要素、クラウドコンポーネントおよび他の外部エンティティと通信するための無線通信システム(図示せず)を含むこともできる。このような無線通信システムにより、車両100は、例えば地図データ、インフラ要素に関するデータ、周囲の車両の動作および意図に関するデータなどを含めた他の物体からの情報を受信できるようになり得る。無線通信システムは同様に、車両100が、他の物体に情報を伝送することも可能にし得る。いくつかの利用分野において、本明細書中で開示されたさまざまな実施形態についての計算機能は、全てがコンピューティングシステム110上で行なわれるか、車両100の2つ以上のコンピューティングシステム110の間で分散されるか、クラウドベースのプラットフォーム上で行なわれるか、エッジベースのプラットフォーム上で行なわれるか、または以上のものの組合せの上で行なわれてよい。
【0046】
図1の例は、開示された技術の実施形態を実装できる車両システムの一例として、例示のみを目的として提供されている。この説明を読んだ時点で当業者であれば、開示された実施形態を、このそして他の車両プラットフォームでどのように実装することができるかを理解するものである。
【0047】
図2は、さまざまな実施形態に係るセキュアな境界エリア通信の一例を示す。ここで図2を参照すると、この例は、3つの異なるタイプの移動体通信プラットフォーム:すなわち、トラクタートレーラ222、乗用車224および移動体デバイス226、例えばサイクリスト、散歩する人または他の歩行者が装用しているスマートウォッチまたはスマートホン、を例示している。各々のプラットフォームは、相互におよびインフラ要素(例えばV2V、V2P、およびV2I、図示せず)と、そして1つ以上の無線ネットワーク232と通信状態にあり得る。
【0048】
これらのおよび他の車両は、例えば地図の更新、ナビゲーション支援を受信し、他の移動性管理機能を行なうため;自動衝突通知、SOS支援、盗難車位置特定および牽引車サービスなどのコンシェルジュサービスに関係する通信を提供するLexus(登録商標)、Enform(登録商標)、Toyota(登録商標)、Safety Connect(登録商標)他を通して通信するため;運転中の買い物および料金所を含めた商業関連のアプリケーションを有効化するため;メンテナンス追跡および故障防止のための情報を通信するため(例えば障害を予測するかまたはサービスの必要性を識別することのできるバックエンドアルゴリズムとデータを共有するため);エンタテイメント機能を提供するため;部分的または完全自動運転およびADASのためのドライバ支援を提供するため;およびドライバ/乗員の健康を増強または保証するための情報を通信するため、といったものを含めたさまざまな理由で、無線ネットワーク232を通して情報を通信することができる。
【0049】
上述のおよび他の通信のいくつかには、セキュアなまたは他の形で慎重に扱かうべきデータが関与し得る。これには、ドライバおよび乗員についての個人情報、例えば健康関連データ、銀行または支払い情報および他の個人情報が含まれ得る。これには同様に、車両の自律型または半自律型動作に関連する情報も含まれ得る。したがって、多くの事例において、このおよび他の慎重に扱うべき情報のためのセキュア通信チャネルを提供することが望ましい可能性がある。
【0050】
図2中の例示的シナリオは、その境界が破線で描かれているセキュア通信ゾーン252の一例を示す。車両は、多くの事例においてこれらの境界線の外側の他の手段と通信し得るものの、セキュア通信がセキュア通信ゾーン252のバランス内でのみ発生することが望まれ得る。いくつかの利用分野においては、セキュア通信ゾーン252はジオフェンスされたエリアであり得、かつ、固定されたサイズおよび固定された場所を有するものとして定義され得るが、別の利用分野では、1つ以上のセキュア通信エリアのサイズおよび場所は動的であり得、こうしてセキュア通信のニーズによってサイズおよび場所のいずれかまたは両方を変更することができる。セキュア通信ゾーン252は、例えば、ネットワークのその部分を構成する設備の通信能力(例えば暗号化能力、セキュアチャネルの可用性など)によって定義され得ると思われるセキュアなネットワークチャネルの可用性に基づいて制約を受ける可能性がある。他の要因が、1つ以上のセキュア通信ゾーン252の境界および場所を制約する可能性もあると考えられる。
【0051】
図2の例は同様に、クラウドサーバなどのバックエンドサーバ、またはさまざまな車両のためのセキュア通信を調整するために使用され得る他のコンピューティングデバイスをも例示している。分かりやすくするために、この例中の計算能力は、クラウド内に位置設定された単一のセキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240として描かれている。単一のネットワークデバイスとして描かれ説明されているものの、このコンピューティングシステムは、車両上に位置設定され得、あるいは例えば複数の車両を横断して分散させられたエッジコンピューティングを用いて実装され得る。同様に、セキュア通信境界エリア通信システム240の機能性を、1つ以上の車両および1つ以上のサーバの間で分散させることも可能である。
【0052】
この例におけるセキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240は、通信回路241および決定回路243(この例ではプロセッサ246およびメモリ248を含む)を含む。セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240のコンポーネントは、データバスを介して互いに通信するものとして例示されているが、インタフェース内の他の通信も含まれ得る。
【0053】
プロセッサ246は、1つ以上のGPU、CPU、マイクロプロセッサまたは他の任意の好適な処理システムを含むことができる。プロセッサ246は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサを含み得る。メモリ248は、プロセッサ246についての較正パラメータ、画像(分析または履歴)、ポイントパラメータ、命令および変数、ならびに他の任意の好適な情報を記憶するために使用され得る1つ以上のさまざまな形態のメモリまたはデータ記憶装置(例えばフラッシュ、RAMなど)を含み得る。メモリ248は、1つ以上の異なるタイプのメモリの1つ以上のモジュールで構成され得、データおよび他の情報ならびにセキュアな通信境界エリアコンピューティングシステム240に対してプロセッサ246が使用し得る動作命令を記憶するように構成され得る。
【0054】
図2の例は、プロセッサおよびメモリ回路を用いて例示されているものの、本明細書中で開示された回路に関連して以下で説明される通り、決定回路203は、例えばハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せを含めたあらゆる形態の回路を利用して実装可能である。さらなる一例として、セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240を構成するために、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、ASIC、PLA、PAL、CPLD、FPGA、論理コンポーネント、ソフトウェアルーチンまたは他のメカニズムを実装することができると思われる。
【0055】
通信回路241は、付随するアンテナ214を伴う無線トランシーバ回路242、および付随するハードワイヤードデータポート(図示せず)を伴う有線入出力インタフェース(wired I/O interface)244を含む。この例が示している通り、セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240との通信は、有線および無線通信回路241のいずれかまたは両方を含み得る。無線トランシーバ回路242は、標準、専用、オープン、ポイント・ツ・ポイント(point-to-point)、ネットワークまたは他の形のいずれであれ、多くの通信プロトコルのうちのいずれかを介した無線通信を可能にするため送信機および受信機(図示せず)を含むことができる。無線トランシーバ回路242に、アンテナ214が結合されており、接続されている無線設備に対して無線信号を無線で伝送し、同様に無線信号を受信するために、無線トランシーバ回路242によって使用される。これらのRF信号は、セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240によってセンサ152および車両システム158などの他のエンティティに送信されまたはそれらから受信されるほぼあらゆる種類の情報を含むことができる。
【0056】
有線入出力インタフェース244は、他のデバイスとのハードワイヤード通信のため送信機および受信機(図示せず)を含むことができる。例えば、有線入出力インタフェース244は、センサ152および車両システム158を含めた他のコンポーネントに対するハードワイヤードインタフェースを提供することができる。有線入出力インタフェース244は、イーサネットまたは、標準、専用、オープン、ポイント・ツー・ポイント、ネットワークまたは他の形のいずれであれ、多くの有線通信プロトコルのうちのいずれかを用いて、他のデバイスと通信できる。
【0057】
動作中、セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240は、セキュアなデータ転送を調整するために有用であり得るパラメータを決定するため、さまざまな車両システムおよびセンサから情報を受信することができる。これらのパラメータは、例えば、車両からアップロードするかまたは車両にダウンロードするべきデータに関する情報(例えばデータタイプ、ファイルサイズなど)、このようなデータをアップロードまたはダウンロードするためのセキュリティ要件情報、車両タイプ情報、車両速度および走行方向そして他の情報を含み得る。
【0058】
セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240は同様に、1つ以上のセキュア通信ゾーン252に関する情報を受信し記憶するように構成され得る。これには、例えば、ジオフェンス境界などのこれらのエリアについての情報;セキュア通信ゾーン252内のセキュア通信能力;セキュア通信ゾーン252の境界内の制限速度、平均速度または他の速度情報;などが含まれ得る。
【0059】
メモリ248内の命令は、境界エリアコンピューティングシステム242に、セキュアなデータ転送を調整するためのステップを行なわせるように構成され得る。これには例えば、所与の車両についてセキュアなデータ転送が必要とされるかまたは所望されていることを決定すること、セキュアなデータ転送のためにアップロードまたはダウンロードすべきファイルのサイズを決定すること、転送のために必要とされるセキュリティレベルを決定すること、対象車両の車両パラメータ(例えば速度、走行方向および車両がそれに沿って走行するように意図されているルート)を決定すること、ファイルサイズおよび車両速度に基づいて転送を完了するために必要とされる距離を決定すること、および必要とされる距離に基づいてセキュアなファイル転送エリアを割当てることが含まれ得る。いくつかの実施形態において、セキュアなファイル転送エリアは、通信要件が決定されるときに実時間で(例えばオンザフライで)動的に定義され得る。他の実施形態においては、セキュアな転送を車両の予測されたルートに沿って今後到来する1つ以上のセキュア通信ゾーン252の間に発生するようにスケジューリングすることができる。
【0060】
図2の例は同様に、車両分類を支援するためのコードの使用も示している。示された例には3つのコード、コードA、コードBおよびコードCを含む。この例において、コードAはトラクタートレーラ222に割当てられ、コードBは乗用車224に割当てられ、コードCは移動体デバイス226に割当てられる。これらのコードは、例えば、車両のタイプまたはクラスを識別するために使用可能である。3つの異なるクラスが示されているものの、多くの異なるクラスのうちのいずれでも利用することができる。その上、ここで描かれている3つのレベルを超えて、より高い粒度レベルを使用することができる。例えば、異なる乗用車タイプには、異なるコードを割当てることができる(例えばスポーツカー、小型セダン、大型セダン、クロスオーバー、大型SUV、ピックアップトラック、エコノミービークル、高級車など)。
【0061】
さまざまな実施形態において、各コードを、コードで表わされた車両クラスまたはタイプに典型的に当てはまる多くの車両パラメータと結び付けることができる。例えば、コードA内の車両を、トラクタートレーラとして識別すること、一定の道路タイプ上で一定の速度ウィンドウ内で走行するものとして定義付けすること、一定のルートをたどっているものとして識別すること(これは正しいナビゲーションシステムなどのルーティング情報が利用可能でない場合に役立ち得る)等々が可能である。したがって、いくつかの実施形態において、セキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240は、単純に、セキュアなデータ転送要件と共に車両のコードを受信し、そのコード内の車両タイプまたはクラスと結び付けられた情報に基づいて決定を行なうことができる。これにより、例えば車両速度についての追加の情報を送る必要性を回避することにより、データ転送要件を削減することができる。いくつかの実施形態において、車両は、そのタイプまたはクラスについて定義されたパラメータ内で性能を示しているか否かを認識し、もしこのようなパラメータ内で性能を示していない場合にはセキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240が正確な情報を有するようにセキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240に対して追加情報を提供するように構成され得る。
【0062】
さらなる例として、コード化された車両の他のパラメータ/能力を定義するためにコードを使用することができる。例えば、コードは、車両が有し得る情報のタイプを識別することができる。この例に付け加えて、セミトレーラーが識別された場合、追加情報には、ペイロード情報(例えば危険物または生鮮品、あるいは特定のタイプのペイロード)、ペイロード重量、車両総重量、車両総重量評価(GVWR)、出発地および目的地、道路上時間数、特殊ライセンス情報などが含まれ得ると考えられる。コードは同様に、車両のタイプまたはクラスの通信能力をも定義することができる。例えば、いくつかの車両クラスが、より高い帯域幅の通信能力またはニーズを有する一方で、他の車両クラスはより低い帯域幅の能力またはニーズを有する可能性がある。したがって、コードは、どのデータまたはデータタイプを転送できるか、そしてシステムが転送できると予期するはずのデータ量はどの程度であるかを決定するために、使用され得る。
【0063】
図3は、一実施形態に係るセキュアな境界エリア通信のための例示的プロセスを示す略図である。ここで図3を参照すると、動作312で、セキュア通信システム(例えばセキュア通信境界エリアコンピューティングシステム240)は、セキュアなファイルを車両からアップロードするかまたは車両へダウンロードする必要があることを決定する。セキュア通信システムは、例えば、別の形で車両と通信状態にあり得る他のインフラ設備の一部であり得る。この決定は、車両との通信に基づいて行なわれ得る。例えば、通信中、車両は、満たす必要のあるセキュア通信要件(例えばアップロードまたはダウンロード)を有していることを標示する可能性がある。別の例としては、例えば公知の要件に基づいてまたはスケジューリングされた定期的事象の一部として、予めセキュア通信要件をスケジューリングすることが可能である。
【0064】
動作314において、セキュア通信システムは、車両と別の手段との間で転送すべき(例えばアップロードまたはダウンロードすべき)単数または複数のファイルのサイズを決定する。車両は、アップロードすべき単数または複数のファイルを有する場合、セキュア通信システムに対してファイルサイズ情報を提供することができる。これには、例えば、転送すべきバイト数が含まれ得る。
【0065】
動作314において、セキュア通信システムは、車両パラメータを決定する。これらには、対象のセキュアなファイル転送を完了するために必要な時間数または距離数を決定する上で有用であり得る多くのパラメータのうちのいずれかが含まれ得る。以上で指摘したように、いくつかの実施形態において、これらのパラメータの一部または全部が、予め定義されているかまたは特定の車両コード(例えば図2中で上述の通り、コードA、コードB、コードC)と結び付けられ得る。他の実施形態においては、これらのパラメータの一部または全部が、車両によってセキュア通信システムにアップロードされ得る。車両速度が、対象のセキュアなファイル転写を完了するのに必要な距離数を決定するために使用可能なパラメータの一例である。セキュア通信エリアが車両の経路の一定のエリアに沿ってシステム内で定義または創出される場合、セキュア通信エリア内の単数または複数の道路セグメントの制限速度を使用して、セキュア通信エリアを通しての車両の速度に関する予測を知らせることができる。
【0066】
制限速度情報を収集されたドライバ挙動情報と組合わせて、セキュア通信エリアを通しての精密な速度予測を行なうことができる。例えば、履歴上のドライバ情報が、制限速度を6~10mph超過する速度で車両を動作させる傾向をドライバが有することを標示している場合、システムは、ドライバが、セキュア通信エリアを通って車両を操縦しているときに類似の量だけ同様に制限速度を超えることになると仮定する。
【0067】
精密な速度予測は同様に、クラウドソーシングによるデータに基づいても行なわれ得ると考えられる。例えば、複数の車両からのデータが、車両が所与のエリアを通して特定の速度範囲内で走行する傾向にあることを標示している場合、そのエリア内の車両速度の精密な予測のためにこの情報を使用することができる。この例に付け加えて、クラウドソーシングによるデータは、ドライバが自らの車両を持続する下り坂区間上ではより速く、そして持続する上り坂区間上ではより低速で動作させる傾向をもつということを標示する可能性がある。したがって、速度予測を知らせるためには、特定の道路セグメント(例えば上り坂および下り坂セグメント)上での平均速度または速度包絡線(例えば、速度のガウス分布に基づくもの)を使用することができる。
【0068】
セキュア通信エリアを通しての車両速度についてのシステムによる予測を知らせるために、他の情報を使用することができる。例えば、道路工事、悪天候、目下の道路障害物、ハイウェイパトロールの存在または他の要因が、システムにより予測された車両速度を低減するためにシステムが使用できると思われる情報である。同様にして、コンサート、スポーツイベント、卒業式などの特別なイベントの存在も、予測の通知に使用することができる。さらには、交通量の時間的変動を用いて、車両速度の予測を知らせることも可能である。
【0069】
セキュア通信システムが収集できる別の車両パラメータは、ルーティング情報または走行方向である。走行方向は、車両が1つ以上の定義されたセキュア通信エリア(例えばセキュア通信ゾーン252)に向かっているか否かを決定するために、セキュアな標示システムによって使用され得る。ルーティング情報は、走行方向よりもさらに決定的な情報を提供することができ、車両により識別された精確なルートに沿って1つ以上のセキュア通信エリアを識別するために使用され得る。ルーティング情報が変化する限り、車両は、セキュアな裁定システムに対し更新済みのルーティング情報を提供して、セキュア通信エリアの識別が同様に新しいルートにしたがって更新され得るようにすることができる。ルーティング情報は、例えば車両のナビゲーションシステムまたはナビゲーションアプリによって提供され得る。
【0070】
動作318において、システムは、ファイルサイズおよび予測された車両速度を使用して、ファイル転送を完了するのに必要とされる距離を決定する。例えば、対象のデータ量を転送するのにどれ程の時間が必要とされるかが分かっている場合、システムは、この時間に車両速度を乗じて、以下の等式にしたがって、転送に必要とされる距離を決定することができる:
【数1】
式中、Dは距離、vは予測された速度そしてTはセキュアなデータ転送に必要とされる時間数である。ファイルサイズを所与として、転送用に意図されたセキュア通信ゾーン内の利用可能なデータレートを用いて、以下の等式にしたがって所要転送時間を予測することができる:
【数2】
式中、Sはファイルサイズであり、Rはその転送のデータレートである。
【0071】
これら2つの等式を組合わせると、次の式が得られる:
【数3】
【0072】
システムは、車両が実際には予測よりも速くセキュア通信エリアを通って走行している場合に距離緩和措置を提供するように構成され得る。
【0073】
動作320において、セキュア通信システムは、対象のデータ転送に対してセキュア通信エリアを割当てる。例えば、割当ては、対象の転送を完了するのに必要とされる距離(例えば以上で計算されたようなもの)および、対象車両が走行すべきルートに沿ってかまたは走行方向で1つ以上の利用可能なセキュア通信エリアが跨る距離に基づくものであり得る。いくつかの利用分野において、システムは、転送のためにスケジューリングされたデータの量を通信するのに1つのエリアでは充分でない場合に、多数のセキュア通信エリアを割当てることができる。
【0074】
いくつかの実施形態においては、予め存在しており車両の予測された走行経路に沿って位置付けされ得る1つ以上の利用可能なセキュア通信エリアに基づいて、割当てを行なうことができる。割当ては、セキュア通信エリアが固定されており再定義不能であることまたはセキュアな転送がこれらのエリアのうちの1つ以上のエリア内に充分に適合し得ることのいずれかを理由として、これらのジオフェンスされたエリアの境界を調整することなく行なわれ得ると考えられる。
【0075】
他の実施形態では、セキュア通信エリアの確立またはサイズ決定は、異なるセキュアな転送データ量に適応させるように動的なものであり得る。一例として、セキュア通信エリアは、セキュアな転送に対応するように確立され得、このことは、1つ以上のセキュア通信エリアがデータ転送を時間内に完了するために、その他の形では利用可能でない状況下で有用であると思われる。別の例としては、セキュア通信を行なうことができるさらに大きな走行距離を提供する目的でその境界を増大させる(例えば車道の方向に沿ってそれを延長させる)ように、既存のセキュア通信エリアを適応させることができる。したがって、システムおよび方法は、データ転送に対応するように可用性、場所およびサイズを適応させるべく実装可能である。
【0076】
適応は、セキュア通信ゾーンの可用性を増大させることに限定されず、同様に、セキュア通信要件が少なくなった場合に可用性を減少させるためにも用いることができる。例えば、システムは、保留中のまたは予想されているセキュアな転送が全く存在しない場合にセキュア通信ゾーンを(一時的にまたは恒久的に)廃止するかまたは無効化するように構成され得る。別の例として、セキュアな転送の量が少ない場合、セキュア通信ゾーンを縮小するようにシステムを構成することが可能である。セキュア通信ゾーンの可用性を減少させることは、例えば、通信資源が高価であるかまたは他の用途のための高い需要がある場合に、有益であり得ると考えられる。
【0077】
以上で指摘した通り、セキュア通信エリアは、そのゾーン内部でのデータ転送のために提供されるセキュリティのレベルによって定義され得る。例えば、いくつかの利用分野において、提供されるセキュリティレベルは、有効期間が無制限の(または制限された)公開鍵証明書を必要とする程度のものであり得る。別の例として、いくつかの利用分野において、提供されるセキュリティレベルは、秘密鍵暗号化を必要とする可能性がある。さらなる例として、いくつかの利用分野は、暗号化ならびにさらに高レベルのハードウェアセキュリティの両方を提供するさらに高レベルのセキュリティレベルを提供することができる。さらに高レベルのハードウェアセキュリティには、例えば、ネットワークの全部または一部を構成する設備のための物理的な敷地内セキュリティ、耐タンパー性またはタンパーエビデントな筐体、光ファイバ通信リンクなどが含まれ得ると考えられる。
【0078】
いくつかの実施形態において、システムは、現行ルートを超えた車両のルーティングまたは将来の位置付けを予測するように構成され得る。車両タイプまたはクラス、個別の車両または車両のオペレータまたは乗員の挙動をシステムが学習できるようにするため、機械学習技術を実装することができる。例えば、さまざまな車両についてデータを収集することができ、車両の走行のためのパターンを学習することができる。これらのパターンを使用して、単数または複数のセキュア通信ゾーンを通って走行するにつれて車両の速度を予測することができる。これらのパターンは同様に、車両が特定の日付および時刻に、例えば夕方、明日または翌日または翌週または将来のある時点に、セキュア通信ゾーンに進入し得ることを予測するためにも使用可能である。例えば、トラクタートレーラの場合、セキュア通信システムは、セミトラクターが典型的に往復することを学習し得る。したがって、セキュア通信ゾーンが往路行程中にセキュアなデータ転送に対応するのに充分な程に大きくない場合、システムは、車両がジオフェンスされたセキュア通信ゾーンに入ったときにセキュアなデータ転送を開始させ、車両がセキュア通信ゾーンから退出したときにデータ転送を停止するように構成されてよい。システムはこのとき、復路行程中の転送の残分をスケジューリングすることができる。帰路をスケジューリングすることに対して、新しいセキュア通信ゾーンを追加するかまたは既存の通信ゾーンを調整するかの決定は、旅程の復路行程を行なう車両の予測可能性、往路行程と復路行程の間で経過する予測された時間数、情報の時間感度などの要因に基づいて検討される。別の例として、システムは、ドライバのまたは車両の通勤パターンなどの他の規則的パターンを学習し、これらのパターンを用いて多数の別個のトリップを横断してセキュアなデータ転送をスケジューリングするように構成され得る。この分析のいくつかは、車両ベースとは反対にまたは車両ベースに加えて、ドライバまたは乗員または貨物ベースであり得ることから、実施形態は、対象車両のドライバ、乗員またはペイロードの識別を検索するために実装することができる。
【0079】
図4は、さまざまな実施形態に係るセキュアなファイル転送のための別の例示的プロセスを示す略図である。ここで図4を参照すると、動作412において、セキュアな転送が求められていることが決定された時点で、セキュア通信システムは、セキュアな転送中にアップロードまたはダウンロードすべきセキュアなファイルのサイズを決定する。
【0080】
動作414において、セキュア通信システムは、セキュアなファイルを転送できる転送速度またはデータレートを決定する。利用可能な転送速度は、車両ハードウェアの制限、セキュア通信ゾーンにサービス提供するネットワークコンポーネントのデータレート制限、ネットワーク上の実際のまたは予想されトラフィックの量、およびデータ転送レートに影響を及ぼし得る他の要因によって左右され得る。データ転送レートは、セキュア通信ゾーンの特性によって左右され得ることから、いくつかの実施形態において、システムには、利用可能なデータレートを決定する前に、利用可能なセキュア通信転送ゾーンを識別することが求められる(動作432)。
【0081】
動作416において、セキュア通信システムは、対象車両の速度を決定する。いくつかの実施形態において、システムは、既存の車両速度を使用し、車両が直近において、この速度(またはこの速度+/-5%または10%以内または他の何らかの決定量)を維持することになると仮定することができる。この仮定は、類似の道路セグメント上で車両に近いセキュア通信ゾーンについて有効であり得る。上述のように、他の実施形態では、動作416において決定される車両速度は、1つ以上の利用可能な(または創出される予定の)セキュア通信ゾーンを通しての対象車両の速度を推定するために使用された多くの要因に基づく予測速度であり得る。いくつかの実施形態において、これは、セキュア通信ゾーンを通しての車両の予測された平均速度として計算可能である。平均速度の予測は、車両がセキュリティ通信ゾーンを通して走行するにつれて瞬間的車両速度が変化すると予期される場合に、有用であり得る。車両速度がゾーンの場所または配置に基づいて予測される実施形態において、ゾーンは、車両速度の予測に先立って(例えば動作432)識別され得る。
【0082】
動作420では、転送すべきセキュアな情報の決定済みサイズ(例えばファイルサイズ)に基づいて、かつ利用可能なデータ転送レートに基づいて、セキュア通信システムは、ファイル転送を完了するための時間の長さを決定する。上述の通り、これは、以下の式:すなわち、
【数4】
に基づいて計算可能である。
【0083】
動作434では、セキュア通信システムは、セキュアな転送を完了するのに必要とされる距離を推定する。上述のように、これは、転送を完了するために必要とされる時間数および予測された車両速度に基づいてその時間内に車両が走行すべき距離の関数である。いくつかの実施形態において、システムは、セキュア通信ゾーンを通して車両が予測より速く走行し得ると考えられる不測の事態に対応するために必要とされる距離に対する緩和措置を講じることができる。
【0084】
動作442において、セキュア通信システムは、1つ以上の利用可能なセキュア通信ゾーンが充分な走行距離を提供することになるか否かを、転送のために求められる計算上の距離およびゾーンサイズに基づいて決定する。識別された単数または複数のセキュア通信ゾーンが、(いくつかの実施形態においては緩衝措置を伴うものを含めた)転送のために必要とされる走行距離に対応するのに充分なものである場合には、システムは、そのセキュア通信ゾーンを対象のセキュアなファイル転送に割当てる。システムは、識別された単数または複数のセキュア通信ゾーンのジオフェンス境界に達した時点で、車両に対し転送を開始する(起動してアップロードするか、ダウンロードをリクエストする)よう車両に命令し得る。したがって、いくつかの実施形態において、セキュア通信システムは、セキュアな転送がその内部で発生する予定の単数または複数のセキュア通信ゾーンのための境界を車両に対してダウンロードすることができる。いくつかの利用分野において、ゾーン境界および識別は、例えばルートプラニング中またはその他の形で、車両上に予めロードされ得る。ゾーン境界および識別が予めロードされている場合、セキュア通信システムは、内部で転送が発生する予定の適切な単数または複数のセキュア通信ゾーンを識別するだけでよいと考えられる。
【0085】
セキュア通信システムは、利用可能なセキュア通信ゾーンがセキュア通信移送のために充分な走行距離を提供しないものと決定した場合、多数のセキュア通信ゾーンをセキュアなデータ転送タスクに割当てることができる。このことは、動作454に示されている。別のオプションとして、セキュア通信システムは、利用可能なセキュア通信ゾーンがセキュア通信転送のために充分な走行距離を提供しないと決定した場合には、このセキュア通信転送に対応するようにゾーンを動的に調整することができる。例えば、システムは、車両が転送を完了するためのより多くの走行時間を有するように、車道に沿ってゾーンを延長することができる。
【0086】
完了に求められた時間までに転送を完了するために、或る場所でセキュア通信ゾーンが利用可能でない場合、または、1つ以上のゾーンが利用可能であるものの、転送に対応するには短か過ぎる場合には、セキュア通信システムは、該転送に対応するように1つ以上の既存のセキュア通信ゾーンのサイズを動的に調整することができる。いくつかの実施形態において、セキュア通信システムは、セキュア通信転送に対応するために新しいセキュアな転送ゾーンまたは多数の新しいセキュアな転送ゾーンを動的に創出するように構成され得る。さらなる実施形態において、セキュア通信システムは、1つ以上の既存のセキュア通信ゾーンを動的に調整すると同時に1つ以上の新しいセキュア通信ゾーンを動的に創出して転送に対応するように構成され得る。
【0087】
セキュア通信ゾーンは、シナリオが発生するにつれてそれにより良く対処するために、セキュリティパラメータを変更することを含めて、動的に創出、サイズ変更、除去または他の形で変更され得る。例えば、通行料の徴収を目的としてジオフェンスゾーンを創出する場合を考慮されたい。さらに、町の所与の部分において特別なイベント(例えばスポーツイベント、コンサートなど)が行なわれているシナリオを考慮されたい。収益創出、交通量削減または他の目的で、そうでなければ開放されている幹線道路を有料道路に変えるために、1つ以上の動的料金所を仮想的に建設することができる。動的料金所は、これらのおよび他の目標を達成するために望まれる場所に建設され設置され得る。これらのゾーンに入った車両は、通行料金の支払いを目的として、セキュアであり得る支払い情報をアップロードするようにリクエストされる可能性がある。さらに、ドライバには、例えば料金所のある道路セグメントに到達する前にインフラ要素とのV2I通信などを介して事前に警告が発せられる可能性がある。類似の例として、そうでなければ開放されている駐車エリアを類似の形で有料駐車エリアへと変えるために、仮想的に動的料金所を建設することができる。
【0088】
本明細書中で使用される回路およびコンポーネントなる用語は、本出願の1つ以上の実施形態にしたがって行なわれ得る所与の機能性ユニットを説明し得ると考えられる。本明細書中で使用されるコンポーネントは、あらゆる形態のハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せを利用して実装され得ると考えられる。例えば、コンポーネントを構成するために、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、ASIC、PLA、PAL、CPLD、FPGA、論理コンポーネント、ソフトウェアルーチンまたは他のメカニズムを実装し得ると考えられる。本明細書中に記載のさまざまなコンポーネントは、個別のコンポーネントとして実装され得、また、記述された機能および特徴を、1つ以上のコンポーネントの間で部分的にまたは全体的に共有することも可能である。換言すると、この説明を読んだ上で当業者には明らかになると思われるように、本明細書中に記載のさまざまな特徴および機能性を、任意の所与のアプリケーションにおいて実装することが可能である。これらは、さまざまな組合せおよび並べ替えの形で1つ以上の別個のまたは共有のコンポーネントの中で実装され得る。さまざまな特徴または機能的要素が別個のコンポーネントとして個別に説明され請求されているが、これらの特徴/機能性を1つ以上の共通のソフトウェアおよびハードウェア要素間で共有することができるということを理解すべきである。このような説明は、このような特徴または機能性を実装するのに別個のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントが使用されることを求めるものでも暗示するものでもない。
【0089】
コンポーネントの全部または一部がソフトウェアを用いて実装される場合、これらのソフトウェア要素は、それに関連して説明された機能性を実施する能力を有する計算または処理用のコンポーネントと共に動作するように実装可能である。このような1つのコンピューティングコンポーネントが図5に示されている。この例示的コンピューティングコンポーネント500の観点から見て、さまざまな実施形態が説明される。この説明を読んだ後、当業者には、他のコンピューティングコンポーネントまたはアーキテクチャを用いてどのように該アプリケーションを実装すべきかが明らかになるものである。
【0090】
ここで図5を参照すると、コンピューティングコンポーネント500は、例えば、自動調整式ディスプレイ、デスクトップ型、ラップトップ型、ノート型およびタブレット型コンピュータ内に見られる計算または処理能力を表わし得る。これらの能力は、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(タブレット、PDA、スマートホン、携帯電話、小型電卓など)の中に見い出される。これらは、所与の利用分野または環境にとって望ましいまたは適切なものであり得るように、ワークステーションまたはディスプレイを伴う他のデバイス、または任意の他のタイプの特殊用途のまたは汎用のコンピューティングデバイス中に見い出される。コンピューティングコンポーネント500は、同様に、所与のデバイスの内部に埋込まれているかまたはこのデバイスにとって他の形で利用可能である計算能力をも表わす。例えばコンピューティングコンポーネントは、例えば携帯用コンピューティングデバイスおよび何らかの形の処理能力を含む可能性があると考えられる他の電子デバイスなどの他の電子デバイス中に見い出され得ると考えられる。
【0091】
コンピューティングコンポーネント500は、例えば1つ以上のプロセッサ、コントローラ、制御コンポーネント、または他の処理デバイスを含み得ると考えられる。プロセッサ504は、例えばマイクロプロセッサ、コントローラまたは他の制御論理などの汎用または特殊用途の処理エンジンを用いて実装され得ると考えられる。プロセッサ504は、バス502に接続され得る。しかしながら、コンピューティングコンポーネント500の他のコンポーネントとのインタラクションを容易にするためまたは外部通信するためには、あらゆる通信媒体を使用することができる。
【0092】
コンピューティングコンポーネント500は同様に、本明細書では単純に主メモリ508と呼ばれている1つ以上のメモリコンポーネントも含み得ると考えられる。例えば、プロセッサ504により実行されるべき命令および情報を記憶するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的メモリを使用できると考えられる。主メモリ508は、プロセッサ504により実行されるべき命令の実行中に一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用可能であると考えられる。同様に、コンピューティングコンポーネント500は、プロセッサ504のための命令および静的情報を記憶するためにバス502に結合された読取り専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶デバイスを含み得ると考えられる。
【0093】
コンピューティングコンポーネント500は、同様に、1つ以上のさまざまな形態の情報記憶メカニズム510を含むこともできると考えられ、これには例えばメディアドライブ512および記憶ユニットインタフェース520が含まれ得ると考えられる。メディアドライブ512は、ドライブおよび、固定のまたは着脱式の記憶媒体514を担持するための他のメカニズムを含むことができると考えられる。例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、磁気テープドライブ、光学ドライブ、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD)ドライブ(RまたはRW)または、他の着脱式または固定式のメディアドライブを提供できると考えられる。記憶媒体514には例えば、ハードディスク、集積回路アセンブリ、磁気テープ、カートリッジ、光学ディスク、CDまたはDVDが含まれ得ると考えられる。記憶媒体514は、メディアドライブ512により読取り、書込みまたはアクセスされる他の任意の固定式または着脱式の媒体であってよい。これらの例が示す通り、記憶媒体514は、コンピュータソフトウェアまたはデータが中に記憶されているコンピュータ使用可能記憶媒体を含むことができる。
【0094】
変形実施形態において、情報記憶メカニズム510は、コンピューティングコンポーネント500内にコンピュータプログラムまたは他の命令またはデータをロードできるようにするための他の類似の手段を含み得ると考えられる。このような手段は、例えば、固定式または着脱式の記憶ユニット522およびインタフェース520を含み得ると考えられる。このような記憶ユニット522およびインタフェース520の例としては、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース、着脱式メモリ(例えばフラッシュメモリまたは他の着脱式メモリコンポーネント)およびメモリスロットが含まれ得る。他の例としては、PCMCIAスロットおよびカード、および、ソフトウェアおよびデータを記憶ユニット522からコンピューティングコンポーネント500へと転送できるようにする他の固定式または着脱式記憶ユニット522およびインタフェース520が含まれ得る。
【0095】
コンピューティングコンポーネント500は、同様に、通信インタフェース524を含むこともできると考えられる。コンピューティングコンポーネント500と外部デバイスの間でソフトウェアおよびデータを転送できるようにするために、通信インタフェース524を使用できると考えられる。通信インタフェース524の例には、モデムまたはソフトモデム、ネットワークインタフェース(例えばイーサネット、ネットワークインタフェースカード、IEEE802.XXまたは他のインタフェースなど)が含まれ得ると考えられる。他の例には、通信ポート(例えばUSBポート、IRポート、RS232ポート、Bluetooth(登録商標)インタフェース、または他のポート)、または他の通信インタフェースが含まれる。通信インタフェース524を介して転送されるソフトウェア/データは、電子信号、電磁信号(光信号を含む)または所与の通信インタフェース524により交換される能力を有する他の信号であり得る信号上で搬送され得る。これらの信号は、チャネル528を介して通信インタフェース524に提供され得ると考えられる。チャネル528は信号を搬送でき、有線または無線の通信媒体を用いて実装され得ると考えられる。チャネルのいくつかの例としては、電話回線、セルラーリンク、RFリンク、光リンク、ネットワークインタフェース、ローカルエリアまたは広域ネットワーク、および他の有線または無線通信チャネルが含まれ得ると考えられる。
【0096】
本明細書において、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」なる用語は、概して、一時的または非一時的媒体を意味する。このような媒体は、例えばメモリ508、記憶ユニット520、媒体514およびチャネル528であり得る。これらのおよび他のさまざまな形態のコンピュータプログラム媒体またはコンピュータ使用可能媒体は、実行のため処理デバイスに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することに関与し得る。媒体上で具体化されたこのような命令は概して「コンピュータプログラムコード」または「コンピュータプログラム製品」(コンピュータプログラムまたは他のグルーピングにまとめることができるもの)と称される。実行された場合、このような命令は、本明細書中で論述されているように本出願の特徴または機能を行なうべくコンピューティングコンポーネント500を有効化することができると考えられる。
【0097】
個別の実施形態のうちの1つ以上において説明されているさまざまな特徴、態様および機能性は、その適用可能性に関して、それらが説明されている特定の実施形態に限定されるわけではない、ということを理解すべきである。むしろ、それらは、このような実施形態が説明されているか否かおよびこのような特徴が、説明された実施形態の一部であるものとして提示されているか否かに関わらず、1つ以上の他の実施形態に対し、単独でまたはさまざまな組合せの形で適用可能である。したがって、本出願の広さおよび範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0098】
本明細書中で使用される用語および語句、そしてそれらの変形形態は、別段の明白な記述の無いかぎり、限定的ではなくオープンエンドのものとみなされるべきである。以上の例として、「~を含む(including)」なる用語は、「非限定的に~を含む」などの意味として読まれるべきものである。「例(example)」なる用語は、論述中のアイテムの網羅的または限定的リストではなく例示的事例を提供するために用いられる。「a」または「an」なる用語は、「少なくとも1つ」、「1つ以上」などを意味するものとして読まれるべきであり、「従来の(conventional)」、「従来の(traditional)」、「通常の(normal)」、「標準的(standard)」、「公知の(known)」。類似の意味の用語は、記述対象のアイテムを所与の期間に、または所与の時点で利用可能なアイテムに限定するものとみなされるべきではない。むしろ、それらは、現在または将来の任意の時点で利用可能であるか公知であり得る、従来の(conventional、traditional)、通常のまたは標準的な技術を包含するものとして読まれるべきである。本明細書が当業者にとって明白であるかまたは公知のものであると思われる技術に言及している場合、このような技術は、現在または将来の任意の時点で当業者にとって明白なまたは公知の技術を包含する。
【0099】
一部の事例における「1つ以上(one or more)」、「少なくとも(at leaet)」、「ただし非限定的に(but not limited to)」または他の同様の語句といった広義の用語および語句の存在を、このような広義の語句が不在であり得る事例においてはより狭義のケースが意図されているかまたは求められていることを意味するものと解釈してはならない。「コンポーネント」なる用語の使用は、そのコンポーネントの一部として説明または請求されている態様または機能性が全て共通のパッケージ内で構成されることを暗示するものではない。実際、制御論理であれ他のコンポーネントであれ、コンポーネントのさまざまな態様のいずれかまたは全てを単一のパッケージ内に組合せるか、または別個に維持することができ、さらに、多数のグルーピングまたはパッケージ内で、または多数の場所を横断して分散させることも可能である。
【0100】
さらに、本明細書中に記載のさまざまな実施形態は、例示的ブロック図、流れ図そして他の例示に関して説明されている。本明細書を読んだ後、当業者には明らかになるように、例示された実施形態およびそのさまざまな変形形態は、示された例に限定されることなく実装可能である。例えば、ブロック図およびそれに付随する説明は、特定のアーキテクチャまたは構成を義務付けるものとしてみなされるべきではない。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
車両とのセキュアなデータ転送のための方法であって、
前記車両へまたは前記車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと、
前記ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと、
前記ファイルのサイズおよび転送速度に基づいて、前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の走行距離を決定することと、
前記決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、前記転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることと、
を含む、方法。
〔態様2〕
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送を行なうために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送についての前記決定された走行距離に対応するために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、前記転送についての前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、態様1に記載の方法。
〔態様4〕
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンが、前記転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含んでおり、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンが、前記決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含む、態様1に記載の方法。
〔態様5〕
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含む、態様1に記載の方法。
〔態様6〕
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の前記車両の速度を予測することと、さらに前記予測された車両速度を用いて前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の前記走行距離を決定することとをさらに含む、態様1に記載の方法。
〔態様7〕
前記車両の経路を予測することと、予測された前記車両の前記経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含み、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含んでいる、態様1に記載の方法。
〔態様8〕
前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンが、1つ以上の既存のセキュアなデータ転送ゾーン、1つ以上の動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンまたは、少なくとも1つの既存のセキュアなデータ転送ゾーンと少なくとも1つの動的に創出されたセキュアなデータ転送ゾーンの組合せを含んでいる、態様7に記載の方法。
〔態様9〕
セキュアな車両通信のためのシステムであって、
プロセッサ、および
前記プロセッサによって実行された時点で、前記プロセッサに動作を行なわせる命令を記憶するために前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記動作には、
車両へまたは車両から転送すべきファイルのサイズを決定することと、
前記ファイルが転送され得るデータ転送速度を決定することと、
前記ファイルのサイズおよび転送速度に基づいて、前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の走行距離を決定することと、
前記決定された走行距離に基づいてかつセキュアなデータ転送ゾーンのサイズに基づいて、前記転送を行なうべきセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることと、
が含まれるメモリ、
を含む、システム。
〔態様10〕
割当てることが、前記転送を行なうのに充分なサイズの既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送を行なうために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、態様9に記載のシステム。
〔態様11〕
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記転送を行なうために既存のセキュアなデータ転送ゾーンを識別することと、前記転送についての前記決定された走行距離に対応するために前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンの境界を動的に変更することと、前記転送についての前記識別されたセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることとを含んでいる、態様9に記載のシステム。
〔態様12〕
前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンが、前記転送を行なうのに充分な累積的サイズの複数のセキュアなデータ転送ゾーンを含んでおり、前記動作が、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンが、前記決定された走行距離に対応するために充分な累積的サイズを構成するように、前記複数のセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンの境界を調整することをさらに含む、態様9に記載のシステム。
〔態様13〕
セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記決定された走行距離に対応するのに充分なサイズの新しいセキュアなデータ転送ゾーンまたは複数の新しいセキュアなデータ転送ゾーンを創出することを含む、態様9に記載のシステム。
〔態様14〕
前記動作が、前記割当てられたセキュアなデータ転送ゾーンを走行中の前記車両の速度を予測することと、さらに前記予測された車両速度を用いて前記ファイルの転送を完了するのに必要とされる前記車両の前記走行距離を決定することとをさらに含む、態様9に記載のシステム。
〔態様15〕
前記動作が、前記車両の経路を予測することと、予測された前記車両の前記経路内の1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンを決定することとをさらに含み、セキュアなデータ転送ゾーンを割当てることが、前記1つ以上の利用可能なセキュアなデータ転送ゾーンのうちの1つ以上のセキュアなデータ転送ゾーンを割当てることを含んでいる、態様9に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5