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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023005200
(22)【出願日】2023-01-17
(65)【公開番号】P2024049281
(43)【公開日】2024-04-09
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】17/955,208
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】李 京樺
(72)【発明者】
【氏名】王 俊元
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
(72)【発明者】
【氏名】王 柏翔
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-238636(JP,A)
【文献】特開2006-261248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0278906(US,A1)
【文献】特開2018-201015(JP,A)
【文献】特開2015-032610(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110515(WO,A1)
【文献】特開2005-057024(JP,A)
【文献】特開2022-117918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0193720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のフォトダイオード及び第二のフォトダイオードを備える光電変換層と、
光電変換層に配置された複数のディープトレンチアイソレーションであって、ここで、前記複数のディープトレンチアイソレーションは、前記第一のフォトダイオードと前記第二のフォトダイオードを分離し、画素寸法が隣接する2つのディープトレンチアイソレーションの中心線間の距離によって決定される、複数のディープトレンチアイソレーションと、
前記第一のフォトダイオード及び前記第二のフォトダイオードの上に配置された第一のカラーフィルタと、
前記第一のカラーフィルタの上に配置された第一の偏向器と、
前記第一の偏向器を覆って取り囲む被覆層と、
を備える、イメージセンサであって、
前記被覆層の屈折率は、前記第一の偏向器の屈折率よりも大きく、前記被覆層の屈折率と前記第一の偏向器の屈折率との差分値は、0.15~0.6の範囲にある、イメージセンサ。
【請求項2】
前記第一の偏向器の底部幅に対する前記第一の偏向器の頂部幅の比が1/4~1の範囲にあり、
前記画素寸法に対する前記第一の偏向器の前記底部幅又は底部長の比が1~1.8の範囲にあり、前記第一の偏向器の前記底部幅が前記第一の偏向器の前記底部長と同じであり、
前記第一のカラーフィルタの側壁と前記第一の偏向器の底部の側壁との間のギャップが、0.1~0.5画素寸法の範囲にある、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記光電変換層内の第三のフォトダイオード及び第四のフォトダイオードであって、複数のディープトレンチアイソレーションが前記第三のフォトダイオード及び前記第四のフォトダイオードを分離する、第三のフォトダイオード及び第四のフォトダイオードと、
前記第三のフォトダイオード及び前記第四のフォトダイオードの上に配置された第二のカラーフィルタと、
前記第二のカラーフィルタの上に配置された第二の偏向器と、
をさらに備え、
前記第二の偏向器は、前記第一の偏向器から間隔をあけて配置され、前記第一の偏向器及び前記第二の偏向器の両方は、第一の方向に沿って延び、前記第一の方向に対して垂直な第二の方向に配置され、
前記被覆層は、前記第二の偏向器を覆って取り囲む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記画素寸法に対する前記第一の偏向器の底部幅又は底部長の比が1~1.8の範囲であり、前記画素寸法に対する前記第二の偏向器の底部幅又は底部長の比が1~1.8であり、
前記第一の偏向器の前記底部幅と前記底部長との差分値が、0.1~0.5画素寸法の範囲にある、ことを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第一のカラーフィルタの側壁と前記第一の偏向器の底部の側壁との間の第一のギャップは、前記第二のカラーフィルタの側壁と前記第二の偏向器の底部の側壁との間の第二のギャップと同じであり、前記第一のギャップは、0.4画素寸法未満の範囲にあり、
前記第一の偏向器の第一の高さは150nm~800nmの範囲にあり、前記第二の偏向器の第二の高さは150nm~800nmの範囲にあり、前記第一の高さは前記第二の高さと異なる、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記光電変換層内の第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードであって、前記複数のディープトレンチアイソレーションが前記第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードを分離する、第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードと、
前記第五のフォトダイオード及び前記第六のフォトダイオードの上に配置された第三のカラーフィルタと、
前記第三のカラーフィルタの上に配置された第三の偏向器と、
をさらに備え、
前記第三の偏向器は、前記第一の偏向器及び前記第二の偏向器から間隔を空けて配置され、前記第三の偏向器は、前記第一の方向に沿って延び、前記第二の方向に配置され、
前記被覆層は、前記第三の偏向器を覆って取り囲む、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第一の偏向器の底部幅は、前記第二の偏向器の底部幅と同じであり、前記第一の偏向器の底部長は、前記第三の偏向器の底部長と同じであり、
前記第一の偏向器の底部幅は、前記第三の偏向器の底部幅と同じであり、前記第一の偏向器の底部長は、前記第二の偏向器の底部長と同じである、請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードであって、前記複数のディープトレンチアイソレーションが前記第五のフォトダイオードと前記第六のフォトダイオードとを分離する、第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードと、
前記第五のフォトダイオード及び前記第六のフォトダイオードの上に配置された第三のカラーフィルタと、
をさらに備え、
前記第一の偏向器及び前記第二の偏向器は、前記第三のカラーフィルタの上に配置されていない、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第一の偏向器の底部幅は、前記第一の偏向器の底部長と同じであり、
前記第一の偏向器は、前記第一のカラーフィルタと前記第二のカラーフィルタの接合部の上方に配置される、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第一のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸が前記第一の偏向器の対称軸と位置ずれしており、前記第二のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸が前記第二の偏向器の対称軸と位置ずれしており、
前記第一の偏向器の前記対称軸のオフセットと前記第二の偏向器の前記対称軸のオフセットとの差分値が、0~0.5画素寸法の範囲にある、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記被覆層の上に配置されたレンズ層と、
前記第一のカラーフィルタと前記第一の偏向器との間に配置されたバッファ層と、
をさらに備え、
前記第一の偏向器の屈折率は、前記バッファ層の屈折率よりも大きく、前記バッファ層の前記屈折率は、前記第一のカラーフィルタの屈折率よりも大きい、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記第一の偏向器は、前記被覆層の底面から前記第一のカラーフィルタの頂面まで連続的に延び、前記第一のカラーフィルタを覆って取り囲む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記第一の偏向器の上方に配置された第一のレンズをさらに備え、前記第一のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸、前記第一の偏向器の対称軸、及び前記被覆層の対称軸が互いに位置ずれしている、イメージセンサであって、
前記第一の偏向器の前記対称軸のオフセットが、前記第一のレンズの前記対称軸のオフセットよりも小さく、
前記第一の偏向器の前記対称軸の前記オフセットと前記第一のレンズの前記対称軸の前記オフセットとの差分値が、0.1~0.8画素寸法の範囲にある、請求項1に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イメージセンサに関する。より具体的には、本開示は、イメージセンサにおける偏向器に関する。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CISとも呼ばれる)の分野では、イメージセンサにレンズ層、カラーフィルタ層、及び複数のフォトダイオードが存在する場合がある。レンズ層は外部光を受け取るように配置され、フォトダイオードは光を検出するように配置され、その中でフォトダイオードは複数のディープトレンチアイソレーション(DTI)によって分離され得る。しかしながら、DTIが存在することにより、レンズ層がカラーフィルタ層及び/又はフォトダイオードと位置ずれした場合に、外部光のエネルギー分布のバランスが崩れることがある。したがって、光点シフトの問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様は、イメージセンサを提供することである。イメージセンサは、光電変換層と、複数のディープトレンチアイソレーションと、第一のカラーフィルタと、第一の偏向器と、被覆層と、を含む。光電変換層は、第一のフォトダイオードと、第二のフォトダイオードと、を含む。ディープトレンチアイソレーションは、第一のフォトダイオードと第二のフォトダイオードとを分離し、画素寸法は、2つの隣接するディープトレンチアイソレーション間の距離によって決定される。第一のカラーフィルタは、第一のフォトダイオード及び第二のフォトダイオードの上に配置される。第一の偏向器は、第一のカラーフィルタの上に配置される。被覆層は、第一の偏向器を覆って取り囲む。被覆層の屈折率は、第一の偏向器の屈折率よりも大きく、被覆層の屈折率と第一の偏向器の屈折率との間の差分値は、0.15~0.6の範囲にある。
【0004】
いくつかの実施形態では、第一の偏向器の頂部幅と第一の偏向器の底部幅の比は、1/4~1の範囲にある。画素寸法に対する第一の偏向器の底部幅又は底部長の比は、1~1.8の範囲にあり、第一の偏向器の底部幅は、第一の偏向器の底部長と同じである。第一のカラーフィルタの側壁と第一の偏向器の底部の側壁との間のギャップは、0.1~0.5画素寸法の範囲にある。
【0005】
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、第三のフォトダイオードと、第四のフォトダイオードと、第二のカラーフィルタと、第二の偏向器と、をさらに含む。第三のフォトダイオード及び第四のフォトダイオードは光電変換層の中にあり、その中でディープトレンチアイソレーションは第三のフォトダイオードと第四のフォトダイオードとを分離する。第二のカラーフィルタは、第三のフォトダイオード及び第四のフォトダイオードの上に配置される。第二の偏向器は、第二のカラーフィルタの上に配置される。第二の偏向器は、第一の偏向器から間隔を空けて配置され、第一の偏向器及び第二の偏向器の両方は、第一の方向に沿って延び、第一の方向と垂直な第二の方向に配置される。被覆層は、第二の偏向器を覆って取り囲む。
【0006】
いくつかの実施形態では、画素寸法に対する第一の偏向器の底部幅又は底部長の比は、1~1.8の範囲にあり、画素寸法に対する第二の偏向器の底部幅又は底部長の比は、1~1.8の範囲にある。第一の偏向器の底部幅と底部長との間の差分値は、0.1~0.5画素寸法の範囲にある。
【0007】
いくつかの実施形態では、第一のカラーフィルタの側壁と第一の偏向器の底部の側壁との間の第一のギャップは、第二のカラーフィルタの側壁と第二の偏向器の底部の側壁との間の第二のギャップと同じであり、第一のギャップは、0.4画素寸法未満の範囲にある。第一の偏向器の第一の高さは150nm~800nmの範囲にあり、第二の偏向器の第二の高さは150nm~800nmの範囲にあり、第一の高さは第二の高さと異なる。
【0008】
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、第五のフォトダイオードと、第六のフォトダイオードと、第三のカラーフィルタと、第三の偏向器と、をさらに含む。第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードは、光電変換層の中にあり、ディープトレンチアイソレーションが第五のフォトダイオードと第六のフォトダイオードとを分離する。第三のカラーフィルタは、第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードの上に配置される。第三の偏向器は、第三のカラーフィルタの上に配置される。第三の偏向器は、第一の偏向器及び第二の偏向器から間隔を空けて配置され、第三の偏向器は、第一の方向に沿って延び、第二の方向に配置される。被覆層は、第三の偏向器を覆って取り囲む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第一の偏向器の底部幅は、第二の偏向器の底部幅と同じであり、第一の偏向器の底部長は、第三の偏向器の底部長と同じである。第一の偏向器の底部幅は、第三の偏向器の底部幅と同じであり、第一の偏向器の底部長は、第二の偏向器の底部長と同じである。
【0010】
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、第五のフォトダイオードと、第六のフォトダイオードと、第三のカラーフィルタと、をさらに含む。ディープトレンチアイソレーションは、第五のフォトダイオードと第六のフォトダイオードとを分離する。第三のカラーフィルタは、第五のフォトダイオード及び第六のフォトダイオードの上に配置される。第一の偏向器及び第二の偏向器は、第三のカラーフィルタの上に配置されない。
【0011】
いくつかの実施形態では、第一の偏向器の底部幅は、第一の偏向器の底部長と同じである。第一の偏向器は、第一のカラーフィルタと第二のカラーフィルタとの接合部の上方に配置される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第一のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸は、第一のデフレクタの対称軸と位置ずれしている。第二のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸は、第二の偏向器の対称軸と位置ずれしている。第一の偏向器の対称軸のオフセットと第二の偏向器の対称軸のオフセットとの間の差分値は、0~0.5画素寸法の範囲にある。
【0013】
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、レンズ層と、バッファ層と、をさらに含む。レンズ層は、被覆層上に配置される。バッファ層は、第一のカラーフィルタと第一の偏向器との間に配置される。第一の偏向器の屈折率は、バッファ層の屈折率より大きく、バッファ層の屈折率は、第一のカラーフィルタの屈折率より大きい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第一の偏向器は、被覆層の底面から第一のカラーフィルタの頂面まで連続的に延びて、第一のカラーフィルタを覆って取り囲む。
【0015】
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、第一の偏向器の上方に配置された第一のレンズをさらに含む。第一のカラーフィルタの下方のディープトレンチアイソレーションの対称軸、第一の偏向器の対称軸、及び被覆層の対称軸は、互いに位置ずれしている。第一の偏向器の対称軸のオフセットは、第一のレンズの対称軸のオフセットより小さい。第一の偏向器の対称軸のオフセットと第一のレンズの対称軸のオフセットとの差分値は、0.1~0.8画素寸法の範囲にある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の態様は、添付の図と共に読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。当業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために、任意に拡大又は縮小されることがある。
【0017】
図1】本開示の比較実施形態のイメージセンサの断面図である。
図2図1の部分上面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図4】本開示の異なる実施形態による図3のイメージセンサの上面図である。
図5】本開示の異なる実施形態による図3のイメージセンサの上面図である。
図6】本開示の異なる実施形態による図3のイメージセンサの上面図である。
図7】本開示の異なる実施形態による図3のイメージセンサの上面図である。
図8】本開示の一実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図9図8のイメージセンサの上面図である。
図10図3のイメージセンサの部分図である。
図11】本開示の一実施形態によるイメージセンサの上面図である。
図12】本開示の他の実施形態によるイメージセンサの上面図である。
図13】本開示の一実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図14図13のイメージセンサの上面図である。
図15】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図16】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図17】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図18図17のイメージセンサの上面図である。
図19】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図20】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。
図21】本開示の異なる実施形態による図20のイメージセンサの上面図である。
図22】本開示の異なる実施形態による図20のイメージセンサの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多数の異なる実施形態又は実施例を提供する。特定の構成要素及び配列の具体例は、本開示を簡潔に以下で記載するためである。これらの具体例は、当然、単なる例示であり、限定することを意図していない。例えば、以下の記載における第一の特徴を第二の特徴の上方に又は上に形成するとは、第一の特徴と第二の特徴とが直接接触する実施形態を含んでも、また第一の特徴と第二の特徴との間に追加の特徴が形成されており、したがって、第一の特徴と第二の特徴とが直接接触していない実施形態を含んでもよい。さらに、本開示において、様々な実施例の中で、参照番号及び/又は参照文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、それ自体で、議論された様々な実施形態及び/又は構成の間の関係を指示するものではない。
【0019】
本明細書では、様々な要素を説明するために第一、第二などの用語を使用することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、実施形態の範囲から逸脱することなく、第一の要素を第二の要素と称することができ、同様に、第二の要素を第一の要素と称することができる。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の項目の任意のもの及び全ての組み合わせを含む。
【0020】
さらに、「下方に」、「下に」、「下部」、「上方に」、「上部」などの空間的相対用語は、図に示されるように、ある要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を記述するにあたって、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含することを意図している。装置は、他の向き(90度回転した、又は他の向き)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、同様に、それに応じて解釈され得る。
【0021】
図1は、本開示の比較実施形態のイメージセンサ100の断面図である。図1に示すように、イメージセンサ100は、光電変換層110と、複数のディープトレンチアイソレーション(DTI)120と、カラーフィルタ層130と、レンズ層140と、を含む。光電変換層110は、複数のフォトダイオード(PD)112を含み、PD112のそれぞれは、DTI120によって分離される。カラーフィルタ層130は、カラーフィルタ132と、カラーフィルタ134と、を含む。図1に示すように、1つのカラーフィルタ(カラーフィルタ132及びカラーフィルタ134など)は、少なくとも2つのPD112に対応する。レンズ層140は、レンズ142と、レンズ144と、を含む。レンズ層140は、カラーフィルタ層130及びPD112と位置ずれしている。具体的には、レンズ142の対称軸は、カラーフィルタ132の対称軸と、カラーフィルタ132の中央より下方のDTI120の対称軸と位置ずれしている。
【0022】
図2は、図1の部分上面図であり、この図では、いくつかの要素は、明瞭化のために図示されていない。図1及び図2を参照されたい。外部光Lがレンズ142及びカラーフィルタ132を介してPD112に伝搬すると、レンズ142とカラーフィルタ132と位置ずれしているために、光点LSがシフトし、カラーフィルタ132の下方のPD112のそれぞれが外部光Lの異なるエネルギー分布を受ける。より具体的には、図2に示すように、図2のPD112のそれぞれが外部光Lの異なるエネルギー分布を受けるように、光点LSは、4つのPD112の中心にない。上記の光点シフトの問題は、「チャネル不均衡」と呼ばれることもある。
【0023】
本開示は、複数のイメージセンサを提供し、各イメージセンサは、位相変調器を含む。位相変調器の配置は、フォトダイオードが光の均一な強度を検出できるように、外部光を位相変調器の下方のフォトダイオードに均一に分配することができ、それによって、チャネル不均衡の問題を回避し、イメージセンサの性能を向上させることができる。
【0024】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ300の断面図である。イメージセンサ300は、光電変換層310と、複数のDTI320と、カラーフィルタ層330と、位相変調器340と、レンズ層350と、を含む。光電変換層310は、複数のPD312(PD312a、PD312b、PD312c、及びPD312dを含む)を含み、PD312a~312dのそれぞれは、DTI320により分離されている。カラーフィルタ層330は、カラーフィルタ332と、カラーフィルタ334と、を含む。カラーフィルタ332は、PD312a及びPD312bの上に配置され、カラーフィルタ334は、PD312c及びPD312dの上に配置される。位相変調器340は、偏向器342と、偏向器344と、被覆層346と、を含む。レンズ層350は、被覆層346の上に配置される。被覆層346は、偏向器342及び偏向器344を覆って取り囲む。偏向器342は、カラーフィルタ332の上に配置され、偏向器344は、カラーフィルタ334の上に配置される。偏向器342は、偏向器344から間隔を空けて配置されている。偏向器342及び偏向器344の両方は、第一の方向D1に沿って延び、第一の方向D1に垂直な第二の方向D2に配置される。レンズ層350は、レンズ352と、レンズ354と、を含む。レンズ層350は、位相変調器340の上に配置される。具体的には、偏向器342及び偏向器344は、カラーフィルタ層330とレンズ層350との間に配置される。イメージセンサ300は、酸化物グリッド370と、酸化物グリッド370の中の金属グリッド372と、をさらに含む。酸化物グリッド370及び金属グリッド372は、異なるカラーフィルタを伝搬する光を阻止するように構成され、それによって、クロストークを低減することができる。
【0025】
引き続き、図3を参照する。いくつかの実施形態において、バッファ層360は、カラーフィルタ層330と位相変調器340との間に配置される。いくつかの実施形態では、偏向器342の屈折率は、バッファ層360の屈折率よりも大きく、バッファ層360の屈折率は、カラーフィルタ層330の屈折率よりも大きい。いくつかの実施形態では、被覆層346の材料は、レンズ層350の材料と同じである。いくつかの実施形態では、被覆層346の屈折率は、偏向器342の屈折率よりも大きい。いくつかの実施形態では、被覆層346の屈折率と偏向器342の屈折率との間の差分値は、0.15~0.6の範囲にあり、例えば、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、又は0.55である。
【0026】
位相変調器340(偏向器342、偏向器344、及び被覆層346を含む)は、外部光Lを均一に分布させるように構成されている。具体的には、被覆層346と偏向器342の屈折率が異なるため、被覆層346と偏向器342における光Lの進行速度も異なり、これにより位相差が発生する。この位相差は、光の干渉を引き起こし、図3に示すように、同様の強度を有する複数の光点を形成する可能性がある。したがって、カラーフィルタ層330の下方のPD312a~312dは、均一な強度の光Lを検出することができる。換言すれば、屈折率の異なる素子を有する位相変調器340の配置により、図1及び図2で述べたチャネル不均衡の問題を改善することができた。位相差(δ)は、以下の式:
【数1】
で算出することができた。式中、dは偏向器342の高さ(すなわち、図10に示す高さH1)で、λは外部光Lの波長で、nmは被覆層346の屈折率で、n0は偏向器342の屈折率である。
【0027】
被覆層346の屈折率と偏向器342の屈折率との差分値が0.15未満であれば、光の干渉を引き起こし、その後、同様の強度を有する複数の光点を形成するのに、十分な位相差が得らない可能性がある。被覆層346の屈折率と偏向器342の屈折率との差分値が0.6より大きければ、イメージセンサ300の性能に良い影響を与えない可能性がある。
【0028】
再び、図3を参照されたい。カラーフィルタ332及びカラーフィルタ334のそれぞれは、赤、緑、青、白、黄、シアン、マゼンタ、又は他の色のカラーフィルタであってもよい。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ332は、図3に示すように、カラーフィルタ334とは異なってもよい。他の実施形態では、カラーフィルタ332は、カラーフィルタ334と同じであってもよい。異なるカラーフィルタ間の各偏向器のサイズは、設計及び/又はプロセス要件に依存して調整され得る。カラーフィルタ層330は、GRBフィルタ、GRBCフィルタ、RYYBフィルタ、CMYフィルタ、又は他の組み合わせフィルタを含むことができる。図3に示すように、本開示における画素寸法Pは、2つの隣接するDTI320間の距離によって決定される。画素寸法Pは、幅画素寸法又は長さ画素寸法として理解され得る。
【0029】
図4図7は、本開示の異なる実施形態による図3のイメージセンサ300の上面図である。具体的には、図4の断面線A-A’に沿って取られたイメージセンサ300Aは、図3のイメージセンサ300であり得る。図5の断面線B-B’に沿って取られたイメージセンサ300Bは、図3のイメージセンサ300であり得る。図6の断面線C-C’に沿って取られたイメージセンサ300Cは、図3のイメージセンサ300であり得る。図7の断面線D-D’に沿って取られたイメージセンサ300Dは、図3のイメージセンサ300であり得る。
【0030】
図3のイメージセンサ300は、(2n)C方式(4C、16C、又は36Cなど)、(2n-1)C方式(9C又は25Cなど)、及びデュアルPD(DPD)方式として適用することができ、この場合、nは正の整数である。本明細書において、「C」は、1つのカラーフィルタに対応するPDの数を表すことが理解される。具体的には、図4は、4C方式であり、1つのカラーフィルタ(カラーフィルタ332、334、336、338など)が4つのPD312に対応する。図5は、デュアルPD(DPD)方式であり、1つのカラーフィルタ(カラーフィルタ332、334、336、338など)が2つのPD312に対応する。図6は、16C方式であり、1つのカラーフィルタ(カラーフィルタ332、334、336、338など)が、16個のPD312に対応する。図7は、16C方式であり、1つのカラーフィルタ(カラーフィルタ332、334、336、338など)が16個のPD312に対応する。図4図6図7では、偏向器342とレンズ352とが4つのPD312に対応し、偏向器344とレンズ354とが4つのPD312に対応する。図5では、偏向器342とレンズ352とが2つのPD312に対応し、偏向器344とレンズ354とが2つのPD312に対応する。
【0031】
図4のイメージセンサ300A、図5のイメージセンサ300B、図6のイメージセンサ300C、及び図7のイメージセンサ300Dのそれぞれは、カラーフィルタ332、カラーフィルタ334、カラーフィルタ336、及びカラーフィルタ338を含む。カラーフィルタ332、カラーフィルタ334、カラーフィルタ336、及びカラーフィルタ338のそれぞれは、赤、緑、青、白、黄、シアン、マゼンタ、又は他のカラーフィルタであってもよい。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ332、カラーフィルタ334、カラーフィルタ336、及びカラーフィルタ338のそれぞれは、互いに異なっている。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ332は、図4図7に示すように、カラーフィルタ338と同じであってもよい。異なるカラーフィルタ間の各偏向器のサイズは、設計及び/又はプロセス要件に依存して調整され得ることが理解される。例えば、カラーフィルタ332上の偏向器342の大きさは、カラーフィルタ334上の偏向器344の大きさより小さい。カラーフィルタ332上の偏向器342の大きさは、カラーフィルタ336上の偏向器の大きさより大きい。カラーフィルタ332上の偏向器342の大きさは、カラーフィルタ338上の偏向器の大きさと異なる。いくつかの実施形態では、図7に示すように、偏向器のそれぞれは、菱形であり得る。
【0032】
図8は、本開示の一実施形態によるイメージセンサ800の断面図である。図8のイメージセンサ800と図3のイメージセンサ300との相違点は、偏向器、PD、DTIの量であり、異なるカラーフィルタ間の各偏向器の大きさは、設計及び/又はプロセス要件に応じて調節され得る。具体的には、複数のPD812(PD812a~812fを含む)及びPD812a~812fのそれぞれは、DTI820によって分離される。カラーフィルタ層830のカラーフィルタ832は、3つのPD812a~812cに対応し、カラーフィルタ層830のカラーフィルタ834は、3つのPD812d~812fに対応する。位相変調器840は、カラーフィルタ層830とレンズ層850との間に配置される。カラーフィルタ832は、2つの偏向器841,842に対応する。カラーフィルタ834は、2つの偏向器843,844に対応する。偏向器843、844は、偏向器841、842から間隔を空けて配置されている。偏向器843、844は、第一の方向に沿って延び、第二の方向に配置されている。偏向器841~844は、被覆層845によって取り囲まれて覆われる。レンズ852は、偏向器841、842に対応する。レンズ854は、偏向器843、844に対応する。
【0033】
図9は、図8のイメージセンサ800の上面図であり、この図では、いくつかの要素は、明確にするために図示していない。図9の断面線E-E’に沿って取られたイメージセンサ800は、図8の断面図である。図8及び図9のイメージセンサ800は、9C方式であり、1つのカラーフィルタが9つのPD812に対応する。偏向器841~844のそれぞれは、4つのPD812に対応する。
【0034】
図10は、図3のイメージセンサ300の部分図であり、この図では、いくつかの要素は、明瞭化のために図示されていない。いくつかの実施形態では、偏向器342の頂部幅W1と偏向器342の底部幅W2との比は、1/4~1の範囲であり、例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9である。この比が1/4未満又は1超である場合、イメージセンサ300における外部光Lの均一な分布が生じない可能性がある。いくつかの実施形態では、偏向器342の第一の高さH1は、150nm~800nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、偏向器344の第二の高さH2は、150nm~800nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、第一の高さH1は、第二の高さH2と同じである。いくつかの実施形態では、第一の高さH1は、第二の高さH2と異なる。第一の高さH1及び/又は第二の高さH2が150nm未満又は800nm超である場合、イメージセンサ300における外部光Lの均一な分布が生じない可能性がある。偏向器の数及びサイズ(頂部幅W1、底部幅W2、第一の高さH1、及び第二の高さH2など)は、PDへの光Lの均一な分布を達成するための要件に応じて調整され得ることが理解される。
【0035】
以下の図では、同様の特徴には同様の数値参照符号を付し、同様の特徴に関する説明は繰り返さない。
【0036】
図11は、本開示の一実施形態によるイメージセンサ1100の上面図である。イメージセンサ1100は、複数のカラーフィルタ(カラーフィルタ1132、1134、1136、1138を含む)と、カラーフィルタの上に配置された複数の偏向器(偏向器1142、1144、1146、1148を含む)と、カラーフィルタ1132、1134、1136、1138の下の複数のPD1112と、を含む。偏向器1142は、底部幅BWと底部長BLを有する。各PD1112は、画素寸法P(幅画素寸法又は長さ画素寸法)を有する。いくつかの実施形態では、偏向器1142の底部幅BW又は底部長BLの画素寸法Pに対する比は、1~1.8の範囲にある。いくつかの実施形態では、偏向器1142の底部幅BWは、偏向器1142の底部長BLと同じである。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ1132の側壁と偏向器1142の底部の側壁との間のギャップG1は、0.1~0.5画素寸法Pの範囲にある。図11の上述の範囲も、偏向器1144、1146、1148、カラーフィルタ1134、1136、1138、及びそれらのギャップに適用し得ることを理解されたい。
【0037】
図12は、本開示の別の実施形態によるイメージセンサ1200の上面図である。イメージセンサ1200は、複数のカラーフィルタ(カラーフィルタ1232、1234、1236、1238を含む)と、カラーフィルタの上に配置された複数の偏向器(偏向器1242、1244、1246、1248を含む)と、カラーフィルタ1232、1234、1236、1238の下にある複数のPD1212と、を含む。偏向器1242は、底部幅BWと底部長BLを有する。各PD1212は、画素寸法P(幅画素寸法又は長さ画素寸法)を有する。いくつかの実施形態では、偏向器1242の底部幅BW又は底部長BLの画素寸法Pに対する比は、1~1.8の範囲にある。いくつかの実施形態では、偏向器1242の底部幅BWは、偏向器1242の底部長BLと異なる。いくつかの実施形態では、偏向器1242の底部幅BWと底部長BLとの間の差分値は、0.1~0.5画素寸法Pの範囲である。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ1232の側壁と偏向器1242の底部の側壁との間のギャップG2は、カラーフィルタ1234の側壁と偏向器1244の底部の側壁との間のギャップG3と同じであり、ギャップG2が0.4画素寸法P未満の範囲にある。
【0038】
引き続き、図12を参照する。いくつかの実施形態では、偏向器1242の底部幅BWは、偏向器1244の底部幅BWと同じであり、偏向器1242の底部長BLは、偏向器1246の底部長BLと同じである。いくつかの実施形態では、偏向器1242の底部幅BWは、偏向器1246の底部幅BWと同じであり、偏向器1242の底部長BLは、偏向器1244の底部長BLと同じである。図12における上述の範囲は、偏向器1244、1246、1248、カラーフィルタ1234、1236、1238、及びそのギャップにも適用され得ることを理解されたい。
【0039】
図13は、本開示の一実施形態によるイメージセンサ1300の断面図である。図14は、図13のイメージセンサ1300の上面図である。図13のイメージセンサ1300と図3のイメージセンサ300との相違点は、位相変調器340、1340とレンズ層350、1350の相対的な位置である具体的には、図13では、DTI1320の対称軸A1(カラーフィルタ1332の中央より下方)が偏向器1342の対称軸A2と位置ずれしており、偏向器1342の対称軸A2がレンズ1352の対称軸A3と位置ずれしている。いくつかの実施形態では、対称軸A1、A2、A3のうちの2つは、互いに位置ずれしている。いくつかの実施形態では、図13に示すように、対称軸A1、A2、A3の全てが互いに位置ずれしている。
【0040】
引き続き、図13を参照する。いくつかの実施形態では、偏向器1342の対称軸A2のオフセットO1は、レンズ1352の対称軸A3のオフセットO2よりも小さい。いくつかの実施形態では、偏向器1342の対称軸A2のオフセットO1とレンズ1352の対称軸A3のオフセットO2との間の差分値は、0.1~0.8画素寸法Pの範囲にある。図13に示すように、偏向器1344の対称軸A5がDTI1320の対称軸A4(カラーフィルタ1334の中間より下)と位置ずれしている。いくつかの実施形態では、偏向器1342の対称軸A2のオフセットO1と偏向器1344の対称軸A5のオフセットO3との間の差分値は、0~0.5画素寸法Pの範囲にある。
【0041】
図15及び図16は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの断面図である。図15のイメージセンサ1500と図10のイメージセンサ300との間の相違点は、偏向器の高さである。具体的には、図15に示すように、偏向器1542の高さH1は、偏向器1544の高さH2とは異なる。より具体的には、高さH1は、高さH2よりも大きい。図16のイメージセンサ1600と図10のイメージセンサ300との相違点は、バッファ層360である。具体的には、図16では、カラーフィルタ層1630と、偏向器1642と、偏向器1644との間にバッファ層が存在しない。換言すれば、偏向器1642は、被覆層1646の底面1646sからカラーフィルタ1632の頂面1632sまで連続して延び、カラーフィルタ1632を覆って取り囲む。同様に、偏向器1644は、被覆層1646の底面1646sからカラーフィルタ1634の頂面1634sまで連続的に延び、カラーフィルタ1634を覆って取り囲む。
【0042】
図17は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ1700の断面図である。図18は、図17のイメージセンサ1700の上面図である。図17のイメージセンサ1700と図10のイメージセンサ300との相違点は、カラーフィルタ334、1734の上方の偏向器である。具体的には、図17では、カラーフィルタ1734の上方には、いかなる偏向器も存在しない。換言すれば、図18に示すように、偏向器1742は複数のPD1712に対応し、いずれの偏向器もPD1712に対応しない。
【0043】
図19は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ1900の断面図である。図19のイメージセンサ1900と図10のイメージセンサ300との相違点は、偏向器342、1942の頂部幅W1及び底部幅W2である。図19に示すように、偏向器1942の頂部幅W1は、偏向器1942の底部幅W2と同じである。
【0044】
図20は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ2000の断面図である。図21及び図22は、本開示の異なる実施形態による図20のイメージセンサ2000の上面図である。具体的には、図21の断面線F-F’に沿って取られたイメージセンサ2000Aは、図20のイメージセンサ2000であり得る。図22の断面線G-G’に沿って取られたイメージセンサ2000Bは、図20のイメージセンサ2000であり得る。
【0045】
図20に示すように、位相変調器2040は、カラーフィルタ層2030とレンズ層2050との間に配置される。位相変調器2040は、複数の偏向器2041~2043を含み、各偏向器2041~2043は凹部Rによって分離されている。偏向器2042の頂部幅W1は、偏向器2042の底部幅W2と同じである。図21及び図22に示すように、偏向器2042は、カラーフィルタ2032とカラーフィルタ2034の接合部の上方に配置されている。換言すれば、偏向器2042は、カラーフィルタ2032及びカラーフィルタ2034の上方を横切っている。
【0046】
本開示は、複数のイメージセンサを提供し、各イメージセンサは、位相変調器を含む。位相変調器は、偏向器と、偏向器を覆って取り囲む被覆層とを含み、偏向器及び被覆層は、異なる屈折率を有する。位相変調器の配置は、外部光を位相変調器の下のフォトダイオードに均一に分配し、フォトダイオードが光の均一な強度を検出できるようにし、それによって、チャネル不均衡の問題を回避し、イメージセンサの性能を向上させることができる。
【0047】
上記は、当業者が本開示の態様をより良く理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説したものである。当業者は、本明細書に導入された実施形態の同じ目的を遂行し、及び/又は同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計又は修正する基礎として、本開示を容易に使用し得ることを理解するべきである。また、当業者は、そのような同等の構造が本開示の精神及び範囲から逸脱しないことも、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変更、置換、及び改変をし得ることも理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図22