(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ガス検知による清浄風量制御装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/74 20180101AFI20241107BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20241107BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20241107BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20241107BHJP
G01N 15/06 20240101ALI20241107BHJP
G01N 5/02 20060101ALI20241107BHJP
F24F 110/70 20180101ALN20241107BHJP
F24F 110/72 20180101ALN20241107BHJP
F24F 110/66 20180101ALN20241107BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20241107BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F8/108
F24F8/80 150
F24F8/80 300
A61L9/16 F
G01N15/06 D
G01N5/02 A
F24F110:70
F24F110:72
F24F110:66
F24F110:65
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035084
(22)【出願日】2023-03-07
【審査請求日】2023-07-24
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】呉錦銓
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-239707(JP,A)
【文献】特開2001-241732(JP,A)
【文献】特開2002-319472(JP,A)
【文献】特開2019-027777(JP,A)
【文献】特開2019-109225(JP,A)
【文献】特開2019-128349(JP,A)
【文献】特開2021-067406(JP,A)
【文献】特開2022-153265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0057091(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113280446(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
F24F 8/108
A61L 9/16
F24F 8/80
G01N 15/06
G01N 15/075
G01N 15/0205
G01N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス検知モジュールと、少なくとも1つの導風装置と
、少なくとも1つの第2ガス検知本体とを含むガス検知による清浄風量制御装置であって、
前記ガス検知モジュールは、制御回路基板、ガス検知本体、
通信器、及びマイクロプロセッサを含み、前記ガス検知本体がガスを検知して得られた信号は、前記マイクロプロセッサによって演算処理され、ガス検知データ情報を生成し、前記マイクロプロセッサは、前記ガス検知データ情報に従って少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調(PWM)信号を出力し、
前記マイクロプロセッサは、前記ガス検知データ情報を前記通信器に提供し、前記通信器は、前記ガス検知データ情報を外部装置に通信伝送し、
前記少なくとも1つの導風装置は、前記マイクロプロセッサによって出力される前記電源信号及び前記パルス幅変調信号を受信し、前記電源信号及び前記パルス幅変調信号に従って起動または停止し、前記導風装置の回転速度及び出力される清浄風量を調整
し、
前記第2ガス検知本体は、別のガス検知データ情報を検知して前記外部装置に送信し、前記外部装置は、前記通信器を介して前記別のガス検知データ情報を前記マイクロプロセッサに送信し、前記マイクロプロセッサは、前記別のガス検知データ情報に従って前記電源信号及び前記パルス幅変調信号を出力し、前記導風装置に送信して、前記導風装置を起動または停止させ、前記導風装置の回転速度及び出力される清浄風量を調整する、ガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項2】
前記ガス検知本体は、基座と、圧電アクチュエータと、駆動回路基板と、レーザ部品と、微粒子センサーと、外蓋とを含み、
前記基座は、
第1表面と、
前記第1表面に対向する第2表面と、
前記第1表面から前記第2表面に向かってくり抜かれて形成されたレーザ設置領域と、
前記第2表面から凹んで形成され、前記レーザ設置領域に隣接し、吸気通口が設けられ、両側壁に光透過窓が貫通しており、前記レーザ設置領域に連通している、吸気溝と、
前記第2表面から凹んで形成され、前記吸気溝に連通し、底面に通気穴が貫通しており、四隅に位置決め突起がそれぞれ設けられている、導気部品搭載領域と、
前記第1表面から前記導気部品搭載領域の底面における凹みに対応し、前記第1表面が前記導気部品搭載領域に対応していない領域に、前記第1表面から前記第2表面に向かってくり抜かれて形成され、前記通気穴に連通し、排気通口が設けられた、排気溝と、
を有し、
前記圧電アクチュエータは、前記導気部品搭載領域に収容され、
前記駆動回路基板は、前記基座の前記第2表面にカバーして密着しており、
前記レーザ部品は、前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記レーザ設置領域に対応して収容され、放射されたビーム経路は前記光透過窓を通過しかつ前記吸気溝と直交する方向を成し、
前記微粒子センサーは、前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記吸気溝と前記レーザ部品によって放射された前記ビーム経路との直交方向位置に対応して収容され、前記吸気溝を通過しかつ前記レーザ部品によって放射されたビームの照射を受けた微粒子を検知し、
前記外蓋は、前記基座の前記第1表面を覆い、側板を有し、前記側板の前記基座の前記吸気通口及び前記排気通口に対応する位置に、それぞれ吸気枠口及び排気枠口が設けられ、前記吸気枠口は前記基座の前記吸気通口に対応し、前記排気枠口は前記基座の前記排気通口に対応しており、
前記基座の前記第1表面は前記外蓋で覆われ、前記第2表面は前記駆動回路基板でカバーされて、前記吸気溝によって吸気経路を定義し、前記排気溝によって排気経路を定義することで、前記圧電アクチュエータは、前記基座の前記吸気通口の外部のガスが前記吸気枠口から前記吸気溝によって定義された前記吸気経路に入るように快速に導き、前記微粒子センサーを通って、前記ガスにおける微粒子濃度を検知し、前記ガスは前記圧電アクチュエータにより導送され、前記通気穴から前記排気溝によって定義された前記排気経路に排出され、最後に、前記基座の前記排気通口経由で前記排気枠口から排出される、
請求項1に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータは、ガスオリフィスプレートと、チャンバ筐体と、アクチュエータと、絶縁筐体と、導電筐体とを含み、
前記ガスオリフィスプレートは、サスペンションプレートと中空穴を含み、前記サスペンションプレートは曲げ振動することができ、前記中空穴は前記サスペンションプレートの中心位置に形成されており、
前記チャンバ筐体は、前記サスペンションプレートに重ねて設置され、
前記アクチュエータは、前記チャンバ筐体に重ねて設置されて、電圧を印加して往復曲げ振動を発生させ、
前記絶縁筐体は、前記アクチュエータに重ねて設置され、
前記導電筐体は、前記絶縁筐体に重ねて設置され、
前記ガスオリフィスプレートは、前記導気部品搭載領域内の前記位置決め突起に固設されて位置決め支持されて、前記ガスオリフィスプレートと前記導気部品搭載領域の内縁との間に、前記ガスが流通するための空隙が定義され、前記ガスオリフィスプレートと前記導気部品搭載領域の底部との間に、気流チャンバが形成され、前記アクチュエータ、前記チャンバ筐体、及び前記サスペンションプレートの間に、共振チャンバが形成され、前記アクチュエータを駆動して前記ガスオリフィスプレートを共振させて、前記ガスオリフィスプレートの前記サスペンションプレートを往復振動変位させることで、前記ガスを吸引して前記空隙を通って前記気流チャンバに入ってから排出し、前記ガスの輸送流動を実現する、
請求項2に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、
前記チャンバ筐体に重ねて設置された圧電キャリア板と、
前記圧電キャリア板に重ねて設置された共振調整板と、
前記共振調整板に重ねて設置されて、電圧を印加して前記圧電キャリア板及び前記共振調整板を駆動して往復曲げ振動を発生させる、圧電板と、
を含む、請求項3に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項5】
前記ガス検知モジュールの前記駆動回路基板に設置されて電気的に接続されたガスセンサーをさらに含む、請求項2に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項6】
前記ガスセンサーは、一酸化炭素センサー、二酸化炭素センサー、揮発性有機化合物センサー、ホルムアルデヒドセンサー、細菌センサー、ウイルスセンサーまたはこれらの組み合わせから選択され、その測定項目は、それぞれ一酸化炭素ガス情報、二酸化炭素ガス情報、総揮発性有機化合物ガス情報、ホルムアルデヒドガス情報、細菌情報または真菌情報、及びウイルスガス情報に対応する、請求項5に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項7】
前記通信器は、前記ガス検知本体、前記マイクロプロセッサとともに前記制御回路基板にパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続されており、
前記通信器は、前記ガス検知データ情報を
前記外部装置に送信し、それによって、前記外部装置は、前記ガス検知データ情報を取得して表示及び警報する、請求項1に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項8】
前記外部装置はポータブル装置である、請求項7に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサによって出力される前記電源信号及び前記パルス幅変調信号は、ワイヤを介して前記導風装置に送信され、前記ワイヤにリレーを設置してバッファスイッチを構成することで、前記マイクロプロセッサの電圧を保護する、請求項1に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項10】
前記導風装置によって導入された前記ガスをろ過浄化するためのフィルタ材をさらに含む、請求項1に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【請求項11】
前記導風装置は直流(DC)ファンである、請求項1に記載のガス検知による清浄風量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄風量制御装置に関し、特に、ガス検知により清浄風量を制御する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代人は生活の周りのガスの品質をますます重視しており、例えば、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound、VOC)、PM2.5などのガス、さらにはガスに含まれる微粒子は、いずれも環境中に暴露され、人体の健康に影響を与え、深刻な場合は生命に危害を及ぼすこともある。そこで、環境ガスの品質は各国の関心を集めており、どのように空気質を監視して環境中の有害ガスを避けるかが、現在注目されている課題。
【0003】
ガスの品質を確認する方法として、ガスセンサーを使用して周囲の環境ガスを監視することが可能である。監視情報をリアルタイムで提供して、有害な環境にいる人々に警告し、環境中の有害ガスへの暴露による健康への影響や傷害をリアルタイムで防止または回避できるようにすることができれば、ガスセンサーを使用して周囲の環境を監視することは非常に良い応用といえる。空気清浄装置は、現代人が有害なガスの吸入を防ぐための大気汚染ソリューションであるため、空気清浄装置とガスセンサーを組み合わせることで、使用者が空気質をリアルタイムで監視し、空気質によって空気清浄装置の清浄風量を制御して、使用者に近い領域の空気質を浄化する最良効果を高めることができる。これらは、本発明の研究開発の主要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、ガスセンサーと空気清浄装置を組み合わせることで、使用者が空気質をリアルタイムで監視し、空気質によって空気清浄装置の清浄風量を制御して、使用者に近い領域の空気質を浄化する最良効果を高めることができる、ガス検知による清浄風量制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の広義の実施形態は、ガス検知モジュールと、少なくとも1つの導風装置とを含むガス検知による清浄風量制御装置である。前記ガス検知モジュールは、制御回路基板、ガス検知本体、及びマイクロプロセッサを含み、前記ガス検知本体がガスを検知して得られた信号は、前記マイクロプロセッサによって演算処理され、ガス検知データ情報を生成し、前記マイクロプロセッサは、前記ガス検知データ情報に従って少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調(PWM)信号を出力する。前記少なくとも1つの導風装置は、前記マイクロプロセッサによって出力される前記電源信号及び前記パルス幅変調(PWM)信号を受信し、前記電源信号及び前記パルス幅変調信号に従って起動または停止し、回転速度及び出力される清浄風量を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の清浄風量を制御するための駆動制御の接続模式図である。
【
図2】本発明のガス検知による清浄風量制御装置の好ましい実施形態の模式図である。
【
図3】本発明のガス検知による清浄風量制御装置の別の好ましい実施形態の模式図である。
【
図5】本発明のガス検知モジュールの立体外観模式図である。
【
図6A】本発明のガス検知本体の立体分解模式図である。
【
図6B】本発明のガス検知本体の基座の立体模式図である。
【
図6C】本発明のガス検知本体の基座を別の角度から見た立体模式図である。
【
図7】本発明のレーザ部品及び微粒子センサーを収容したガス検知本体の基座の立体模式図である。
【
図8A】本発明のガス検知本体の組み立てられた圧電アクチュエータと基座の立体分解模式図である。
【
図8B】本発明のガス検知本体の組み立てられた圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図9】本発明のガス検知本体の圧電アクチュエータの立体分解模式図である。
【
図10A】本発明のガス検知本体の導気部品搭載領域に組み立てられた圧電アクチュエータの断面模式図である。
【
図11A】本発明のガス検知本体のガス経路を示す模式図である。
【
図11B】本発明のガス検知本体のガス経路を示す模式図である。
【
図11C】本発明のガス検知本体のガス経路を示す模式図である。
【
図12】本発明のガス検知本体のガス検知位置及びレーザ部品の放射ビーム経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変更を加えることができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に説明するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0008】
図1及び
図2を参照し、本発明は、ガス検知モジュール1と少なくとも1つの導風装置2とを含み、ガス検知モジュール1がガスを検知してガス検知データ情報を出力し、少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調(Pulse-width modulation、PWM)信号を変換出力し、導風装置2に送信し、導風装置2が検知されたガス検知データ情報に従って起動または停止し、回転速度及び清浄風量を調整・変更する、ガス検知による清浄風量制御装置を提供する。本実施形態では、1つの導風装置2で説明するが、これに限定されず、実際の数は需要に応じて組み合わせて使用することができる。
【0009】
上記ガス検知モジュール1は、制御回路基板1a、ガス検知本体1b、及びマイクロプロセッサ1cを含む。ガス検知本体1bとマイクロプロセッサ1cは、制御回路基板1aにパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続されており(
図5に示すように)、ガス検知本体1bがガスを検知して得られた信号は、マイクロプロセッサ1cに送信されて演算処理され、ガス検知データ情報を生成する。マイクロプロセッサ1cは、ガス検知データ情報に従って少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調信号を出力し、導風装置2は、マイクロプロセッサ1cによって出力される電源信号及びパルス幅変調信号を受信し、ガス検知本体1bによって検知されたガス検知データ情報に従って起動または停止し、導風装置2の回転速度及び出力される清浄風量を調整する。マイクロプロセッサ1cは、少なくとも1つのワイヤ3を介して導風装置2に電気的に接続され、ワイヤ3を介して電源信号及びパルス幅変調信号を導風装置2に送信する。前記ワイヤ3にリレー4を設置してバッファスイッチを構成することで、マイクロプロセッサ1cの電圧を保護する。導風装置2は直流(DC)ファンである。
【0010】
また、
図2に示すように、ガス検知モジュール1は、制御回路基板1aにパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続された通信器1dをさらに含み(
図5に示すように)、マイクロプロセッサ1cは、ガスを検知して得られた信号を受信して演算処理し、ガス検知データ情報を形成し、通信器1dに提供して外部に通信伝送する。通信器1dは、ガス検知データ情報を外部装置5に送信し、それによって、外部装置5は、前記ガス検知データ情報を取得して表示及び警報する。外部装置5はポータブル装置である。
【0011】
図3を参照し、本発明のガス検知による清浄風量制御装置は、他の実施形態では、少なくとも1つの第2ガス検知本体2bをさらに含み、第2ガス検知本体2bは、別のガス検知データ情報を検知して外部装置5に送信し、前記別のガス検知データ情報は外部装置5から通信器1dに送信され、さらにマイクロプロセッサ1cによって演算処理され、マイクロプロセッサ1cは、前記別のガス検知データ情報に従って電源信号及びパルス幅変調信号を導風装置2に出力して起動または停止させ、導風装置2の回転速度及び出力される清浄風量を調整する。
【0012】
もちろん、本発明のガス検知による清浄風量制御装置は、ガス検知モジュール1と、少なくとも1つの導風装置2とを含み、ガス検知モジュール1によりガスを検知してガス検知データ情報を出力し、少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調信号を変換出力して導風装置2に送信し、導風装置2は、検知されたガス検知データ情報に従って起動または停止し、導風装置2の回転速度及び出力される清浄風量を調整する。このような構造は、
図4のようにフィルタ材6と組み合わせて空気清浄装置を形成することができ、それによって、使用者は、空気質をリアルタイムで監視し、空気質によって空気清浄装置の清浄風量を制御して、使用者に近い領域の空気質を浄化する最良効果を高めることができる。
【0013】
本発明のガス検知による清浄風量制御装置のガス検知本体1bの詳細な構造を以下に説明する。
【0014】
図5、
図6A~
図6C、
図7、及び
図8A~
図8Bに示すように、上記ガス検知本体1bは、基座11、圧電アクチュエータ12、駆動回路基板13、レーザ部品14、微粒子センサー15、及び外蓋16を含む。基座11は、第1表面111、第2表面112、レーザ設置領域113、吸気溝114、導気部品搭載領域115、及び排気溝116を有する。第1表面111と第2表面112は、対向設置された2つの面である。レーザ設置領域113は、第1表面111から第2表面112に向かってくり抜かれて形成される。吸気溝114は、第2表面112から凹んで形成され、レーザ設置領域113に隣接している。吸気溝114に、基座11の外部に連通し、外蓋16の吸気枠口161aと対応する吸気通口114aが設けられ、両側壁に光透過窓114bが貫通しており、レーザ設置領域113に連通している。そこで、基座11の第1表面111は外蓋16で密着してカバーされ、第2表面112は駆動回路基板13で密着してカバーされることで、吸気溝114によって吸気経路を定義する(
図7及び
図11Aに示すように)。
【0015】
図6A~
図6Cに示すように、上記導気部品搭載領域115は、第2表面112から凹んで形成され、吸気溝114に連通し、底面に通気穴115aが貫通している。上記排気溝116に、外蓋16の排気枠口161bに対応して設置された排気通口116aが設けられている。排気溝116は、第1表面111の導気部品搭載領域115への垂直投影領域に凹んで形成された第1区間116bと、導気部品搭載領域115への垂直投影領域から延びた領域に第1表面111から第2表面112に向かってくり抜かれて形成された第2区間116cとを含み、第1区間116bは、段差を形成するように第2区間116cに接続され、排気溝116の第1区間116bは、導気部品搭載領域115の通気穴115aに連通し、排気溝116の第2区間116cは、排気通口116aに連通している。そこで、基座11の第1表面111が外蓋16で密着してカバーされ、第2表面112が駆動回路基板13で密着してカバーされる時、排気溝116によって排気経路を定義する(
図11B~
図11Cに示すように)。
【0016】
図6A及び
図7に示すように、上記レーザ部品14及び微粒子センサー15は、いずれも駆動回路基板13に設置され、かつ基座11内に位置しており、レーザ部品14及び微粒子センサー15と基座11の位置を明確に説明するために、
図7において駆動回路基板13を意図的に省略する。
図6A、
図7及び
図12を参照し、レーザ部品14は基座11のレーザ設置領域113内に収容され、微粒子センサー15は基座11の吸気溝114内に収容され、レーザ部品14と位置合わせされている。また、レーザ部品14は、レーザ部品14によって放射されたレーザ光が通過するための光透過窓114bに対応することで、レーザ光を吸気溝114内に照射する。レーザ部品14によって放射されたビーム経路は、光透過窓114bを通過しかつ吸気溝114と直交する方向を成す。レーザ部品14によって放射されたビームは、光透過窓114bを通って吸気溝114内に入り、吸気溝114内のガスに含まれる浮遊微粒子が照射され、ビームが浮遊微粒子に接触すると、散乱して投射スポットを生成し、微粒子センサー15は、散乱による投射スポットを受信して計算を行うことで、ガスに含まれる浮遊微粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得する。微粒子センサー15はPM2.5センサーである。
【0017】
図8A及び
図8B、
図11B及び
図11Cに示すように、上記圧電アクチュエータ12は、基座11の導気部品搭載領域115に収容され、導気部品搭載領域115は正方形であり、その四隅に、それぞれ位置決め突起115bが設けられており、圧電アクチュエータ12は、4つの位置決め突起115bを介して導気部品搭載領域115内に設置されている。また、
図7、
図11B及び
図11Cに示すように、導気部品搭載領域115は吸気溝114に連通し、圧電アクチュエータ12が作動すると、吸気溝114内のガスを圧電アクチュエータ12に吸い込み、ガスが導気部品搭載領域115の通気穴115aを通って、排気溝116に入る。
【0018】
図5及び
図6Aに示すように、上記駆動回路基板13は、基座11の第2表面112にカバー・密着している。レーザ部品14は、駆動回路基板13に設置されかつ電気的に接続されている。微粒子センサー15も、駆動回路基板13に設置されかつ電気的に接続されている。外蓋16は基座11を覆い、基座11の第1表面111にカバー・密着しており、吸気枠口161a及び排気枠口161bを備える側板161を有する。外蓋16が基座11を覆う時、吸気枠口161aは基座11の吸気通口114aに対応し(
図11Aに示すように)、排気枠口161bは基座11の排気通口116aに対応している(
図11Cに示すように)。
【0019】
図9を参照し、上記圧電アクチュエータ12は、ガスオリフィスプレート121、チャンバ筐体122、アクチュエータ123、絶縁筐体124、及び導電筐体125を含む。ガスオリフィスプレート121は、可撓性を有する材料で製作され、サスペンションプレート1210と中空穴1211を有する。サスペンションプレート1210は、曲げ振動するシート状構造であり、その形状と寸法は、導気部品搭載領域115の内縁にほぼ対応するが、これに限定されず、サスペンションプレート1210の形状は、方形、円形、楕円形、三角形、及び多角形のいずれかであってもよい。中空穴1211は、ガスが流通するようにサスペンションプレート1210の中心を貫通している。上記チャンバ筐体122は、ガスオリフィスプレート121に重ねられ、その外観はガスオリフィスプレート121に対応している。アクチュエータ123はチャンバ筐体122に重ねられ、チャンバ筐体122、サスペンションプレート1210との間に共振チャンバ126を定義している。絶縁筐体124はアクチュエータ123に重ねられ、その外観はチャンバ筐体122に近似している。導電筐体125は絶縁筐体124に重ねられ、その外観は絶縁筐体124に近似している。導電筐体125は、導電ピン1251及び導電電極1252を有し、導電ピン1251は導電筐体125の外縁から外向きに延在し、導電電極1252は導電筐体125の内縁から内向きに延在している。また、アクチュエータ123は、圧電キャリア板1231、共振調整板1232、及び圧電板1233をさらに含む。圧電キャリア板1231はチャンバ筐体122に重ねて設置されている。共振調整板1232は圧電キャリア板1231に重ねて設置されている。圧電板1233は共振調整板1232に重ねて設置されている。共振調整板1232及び圧電板1233は、絶縁筐体124内に収容され、導電筐体125の導電電極1252によって圧電板1233に電気的に接続されている。圧電キャリア板1231と共振調整板1232は、いずれも導電材料で製作され、圧電キャリア板1231は圧電ピン1234を有し、圧電ピン1234と導電ピン1251は、駆動回路基板13上の駆動回路(図示せず)に接続されて、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧)を受信する。駆動信号は、圧電ピン1234、圧電キャリア板1231、共振調整板1232、圧電板1233、導電電極1252、導電筐体125、導電ピン1251によってループを形成することができ、絶縁筐体124によって導電筐体125とアクチュエータ123を遮断し、短絡現象を防止して、駆動信号を圧電板1233に送信することができる。圧電板1233は、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧)を受信した後、圧電効果によって変形し、さらに圧電キャリア板1231及び共振調整板1232を駆動して往復曲げ振動を発生させる。共振調整板1232は、両者の間の緩衝材として圧電板1233と圧電キャリア板1231との間に位置し、圧電キャリア板1231の振動周波数を調整することができる。基本的には、共振調整板1232の厚さは圧電キャリア板1231の厚さよりも大きく、共振調整板1232の厚さを変えることにより、アクチュエータ123の振動周波数を調整する。
【0020】
図9及び
図10Aを同時に参照し、ガスオリフィスプレート121、チャンバ筐体122、アクチュエータ123、絶縁筐体124、及び導電筐体125は、導気部品搭載領域115内に順次積み重ね設置されかつ位置決めされ、これによって、圧電アクチュエータ12は導気部品搭載領域115内に配置され位置決めされ、その底部が位置決め突起115bに固設され支持位置決めされるため、圧電アクチュエータ12は、サスペンションプレート1210と導気部品搭載領域115の内縁との間に、ガスが流通するための空隙1212を定義する。
【0021】
まず、
図10Aを参照し、上記ガスオリフィスプレート121と導気部品搭載領域115の底面との間に、気流チャンバ127が形成され、気流チャンバ127は、ガスオリフィスプレート121の中空穴1211を介して、アクチュエータ123、チャンバ筐体122、及びサスペンションプレート1210の間の共振チャンバ126に連通し、共振チャンバ126におけるガスの振動周波数を、サスペンションプレート1210の振動周波数とほぼ同じように制御することにより、共振チャンバ126とサスペンションプレート1210は、ヘルムホルツ共鳴効果(Helmholtz resonance)を生じ、ガスの輸送効率を高める。
【0022】
図10Bを参照し、圧電板1233が導気部品搭載領域115の底面から離れる方向へ移動する時、圧電板1233はガスオリフィスプレート121のサスペンションプレート1210を導気部品搭載領域115の底面から離れる方向へ移動させることで、気流チャンバ127の容積が急激に拡大し、内部圧力が低下して負圧を発生し、圧電アクチュエータ12外部のガスが吸引されて空隙1212から流入し、中空穴1211を経て共振チャンバ126に入り、共振チャンバ126内の気圧を増加させて、圧力勾配を発生させる。
図10Cに示すように、圧電板1233がガスオリフィスプレート121のサスペンションプレート1210を導気部品搭載領域115の底面へ移動させる時、共振チャンバ126におけるガスは、中空穴1211を経て快速に流出し、気流チャンバ127内のガスを絞り出し、合流したガスを、ベルヌーイの定理に近い理想的なガス状態で快速かつ大量に噴出させて、導気部品搭載領域115の通気穴115aに導入する。従って、
図10B及び
図10Cの動作を繰り返すことにより、圧電板1233は往復振動し、慣性原理によれば、排気後の共振チャンバ126の内部気圧が平衡気圧よりも低くなると、ガスを再び共振チャンバ126に入るように導き、このように、共振チャンバ126におけるガスの振動周波数を圧電板1233の振動周波数とほぼ同じように制御することで、ヘルムホルツ共鳴効果を生じさせ、高速かつ大量なガス輸送を実現する。
【0023】
図11Aに示すように、ガスはすべて、外蓋16の吸気枠口161aから入り、吸気通口114aを通って基座11の吸気溝114に入り、微粒子センサー15の位置に流れる。
図11Bに示すように、圧電アクチュエータ12による連続的な駆動によって吸気経路のガスを吸収することで、外部のガスは快速に導入されかつ安定流通し、微粒子センサー15の上方を通過し、このとき、レーザ部品14によって放射されたビームは、光透過窓114bを通って吸気溝114内に入り、吸気溝114から微粒子センサー15の上方を通過するガスに含まれる浮遊微粒子が照射され、照射ビームが浮遊微粒子に接触すると、散乱して投射スポットを生成し、微粒子センサー15は散乱による投射スポットを受信して計算を行い、これによって、ガスに含まれる浮遊微粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得し、微粒子センサー15上方のガスも、圧電アクチュエータ12による連続的な駆動によって輸送され、導気部品搭載領域115の通気穴115aに導入され、排気溝116の第1区間116bに入る。最後に、
図11Cに示すように、ガスが排気溝116の第1区間116bに入った後、圧電アクチュエータ12がガスを第1区間116bに輸送し続けるため、第1区間116b内のガスは第2区間116cに押し出され、最後に、排気通口116a及び排気枠口161bを通って外部に排出される。
【0024】
図5及び
図12を参照し、本発明のガス検知モジュール1は、ガス中の微粒子を検知するだけでなく、さらにホルムアルデヒド、一酸化炭素、二酸化炭素、総揮発性有機化合物ガス、細菌、真菌、ウイルスなどの導入されたガスの特性を検知することができる。そこで、本発明のガス検知モジュール1は、ガスセンサー17をさらに含み、ガスセンサー17は駆動回路基板13に位置決め設置されて電気的に接続され、排気溝116に収容されており(
図12に示すように)、排気経路から導出されたガスを検知する。一実施形態では、ガスセンサー17は、一酸化炭素センサー、二酸化炭素センサー、揮発性有機化合物センサー、ホルムアルデヒドセンサー、細菌センサー、ウイルスセンサーまたはこれらの組み合わせから選択され、その測定項目は、それぞれ一酸化炭素ガス情報、二酸化炭素ガス情報、総揮発性有機化合物ガス情報、ホルムアルデヒドガス情報、細菌情報または真菌情報、及びウイルスガス情報に対応する。
【0025】
上記のように、本発明によって提供されるガス検知による清浄風量制御装置は、ガス検知モジュールと少なくとも1つの導風装置を組み合わせて、ガス検知モジュールによりガスを検知してガス検知データ情報を出力し、少なくとも1つの電源信号及びパルス幅変調信号を変換出力し、導風装置に送信することで、導風装置は、検知されたガス検知データ情報に従って起動または停止し、導風装置の回転速度及び出力される清浄風量を調整し、それによって、使用者は、空気質をリアルタイムで監視し、空気質によって空気清浄装置の清浄風量を制御して、使用者に近い領域の空気質を浄化する最良効果を高めることができ、産業上の利用可能性が極めて高い。
【0026】
本発明は、当業者なら様々な修正を加えることができるが、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0027】
1:ガス検知モジュール
1a:制御回路基板
1b:ガス検知本体
1c:マイクロプロセッサ
1d:通信器
11:基座
111:第1表面
112:第2表面
113:レーザ設置領域
114:吸気溝
114a:吸気通口
114b:光透過窓
115:導気部品搭載領域
115a:通気穴
115b:位置決め突起
116:排気溝
116a:排気通口
116b:第1区間
116c:第2区間
12:圧電アクチュエータ
121:ガスオリフィスプレート
1210:サスペンションプレート
1211:中空穴
1212:空隙
122:チャンバ筐体
123:アクチュエータ
1231:圧電キャリア板
1232:共振調整板
1233:圧電板
1234:圧電ピン
124:絶縁筐体
125:導電筐体
1251:導電ピン
1252:導電電極
126:共振チャンバ
127:気流チャンバ
13:駆動回路基板
14:レーザ部品
15:微粒子センサー
16:外蓋
161:側板
161a:吸気枠口
161b:排気枠口
17:ガスセンサー
2:導風装置
2b:第2ガス検知本体
3:ワイヤ
4:リレー
5:外部装置
6:フィルタ材