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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】金属箔用コア
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/18 20060101AFI20241107BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20241107BHJP
   B65H 75/10 20060101ALI20241107BHJP
   B21C 47/24 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B65H75/18 Z
F16F15/04 Z
B65H75/10
B21C47/24 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023072283
(22)【出願日】2023-04-26
(65)【公開番号】P2024070204
(43)【公開日】2024-05-22
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0149161
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518133500
【氏名又は名称】エスケー ネクシリス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】シン イン チョル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン イン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ジェ フン
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-106438(JP,A)
【文献】特開2001-310873(JP,A)
【文献】特開2013-227073(JP,A)
【文献】特開2015-093752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/18
F16F 15/04
B65H 75/10
B21C 47/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔(100)が巻き取られる巻き取り部材(2);
第1軸方向(X軸方向)中で第1方向(FD矢印方向)側に前記巻き取り部材(2)から突出した第1突出部材(3);
前記第1軸方向(X軸方向)中で前記第1方向(FD矢印方向)に対して反対となる第2方向(SD矢印方向)側に前記巻き取り部材(2)から突出した第2突出部材(4)
前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第1突出部材(3)の両端(3a、3b)の間に配置されるように前記第1突出部材(3)に形成された第1誘導溝(5);および
前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第2突出部材(4)の両端(4a、4b)の間に配置されるように前記第2突出部材(4)に形成された第2誘導溝(6)を含み、
前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記巻き取り部材(2)は第1誘導溝(5)と前記第2誘導溝(6)の間に配置される、金属箔用コア。
【請求項2】
前記第1誘導溝(5)は0.1以上0.3以下の位置比率に該当する位置に配置され、
前記位置比率は、
【数1】
を利用して算出され、
PLLRは位置比率であり、ADは前記第1方向(FD矢印方向)側に向かう前記第1突出部材(3)の一端(3a)と前記第1誘導溝(5)が前記第1軸方向(X軸方向)を基準として離隔した第1隔離距離(51)であり、PLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第1突出部材(3)の長さ(31)であることを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項3】
PLは、
【数2】
を利用して算出され、
TLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする金属箔用コアの全体長さ(11)であり、WLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記巻き取り部材(2)の長さ(21)であることを特徴とする、請求項2に記載の金属箔用コア。
【請求項4】
前記第1誘導溝(5)は前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第1方向(FD矢印方向)側に向かう前記第1突出部材(3)の一端(3a)から20mm以上150mm以下で離隔した位置に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項5】
前記第1誘導溝(5)は0.1以上0.5以下の深さ比率に該当する深さ(52)で形成され、
前記深さ比率は、
【数3】
を利用して算出され、
PDTRは深さ比率であり、PDは前記第1突出部材(3)の厚さ(32)であり、GDは前記第1誘導溝(5)の深さ(52)であることを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項6】
PDは、
【数4】
を利用して算出され、
ODは前記第1突出部材(3)の外径(321)(External Diameter)であり、IDは前記第1突出部材(3)の内径(322)(Internal Diameter)であることを特徴とする、請求項5に記載の金属箔用コア。
【請求項7】
前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第1誘導溝(5)の幅(53)は、前記第1誘導溝(5)の深さ(52)より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項8】
前記第1誘導溝(5)の深さ(52)は、前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第1誘導溝(5)の幅(53)の2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項9】
前記第1誘導溝(5)の深さ(52)は、前記巻き取り部材(2)に巻き取られる金属箔(100)の厚さよりさらに大きいことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項10】
前記第1誘導溝(5)は前記第1突出部材(3)の円周方向に沿って形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項11】
前記第1突出部材(3)には前記第1誘導溝(5)が複数個形成され、
前記第1誘導溝(5)は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って互いに離隔するように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項12】
前記第1誘導溝(5)は、深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど前記第1軸方向(X軸方向)の幅が減少するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項13】
前記第1誘導溝(5)は前記第1突出部材(3)の外面(33)または前記第1突出部材(3)の内面(34)に連結される角に形成された第1角溝(54)を含み、
前記第1角溝(54)は深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項14】
前記第1角溝(54)が形成された前記第1突出部材(3)部分は、傾斜面または曲面をなすように形成されたことを特徴とする、請求項13に記載の金属箔用コア。
【請求項15】
前記第1誘導溝(5)には弾性変形可能な第1緩衝部材(55)が挿入されることを特徴とする、請求項1に記載の金属箔用コア。
【請求項16】
前記第1誘導溝(5)は前記第1突出部材(3)の外面(33)に形成されたことを特徴とする、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の金属箔用コア。
【請求項17】
前記第1誘導溝(5)は前記第1突出部材(3)の内面(34)に形成されたことを特徴とする、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の金属箔用コア。
【請求項18】
前記第1方向(FD矢印方向)側に向かう前記第1突出部材(3)の一端(3a)から前記第1誘導溝(5)が離隔した第1隔離距離(51)、および前記第2方向(SD矢印方向)側に向かう前記第2突出部材(4)の一端から前記第2誘導溝(6)が離隔した第2隔離距離(61)は互いに同一であることを特徴とする、請求項に記載の金属箔用コア。
【請求項19】
前記第2誘導溝(6)と前記第1誘導溝(5)は互いに同一の深さで形成され、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として互いに同一の幅で形成されたことを特徴とする、請求項に記載の金属箔用コア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用負極、軟性印刷回路基板などの製造に利用される金属箔を支持するための金属箔用コアに関する。
【背景技術】
【0002】
金属箔(Metal Foil)は二次電池用負極、軟性印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Board:FPCB)等の多様な製品の製造に利用されている。例えば、金属箔の一つである銅箔(Copper Foil)は正極と負極の間に電解液を供給した後に電流を流す電気メッキ方式を通じて製造され得る。
【0003】
このような金属箔はコア(Core)に巻き取られた状態で顧客に運送される。例えば、コアに巻き取られた金属箔は、自動車、船舶、鉄道車両、飛行機などのような運送手段に積載されて運送され得る。前記コアは巻き取られた金属箔の両側に突出した突出部分が収納装置に支持された状態で運送される。
【0004】
ここで、金属箔が巻き取られた前記コアの巻き取り部分には金属箔の荷重が運送過程で持続的に加えられるので、前記コアの巻き取り部分に弛みが発生し得る。また、運送過程で発生する振動、揺れ、衝撃などが前記コアに伝達されることにより、前記コアの巻き取り部分に変形が発生し得る。
【0005】
このように前記コアに発生する弛み、変形などにより、前記コアに巻き取られた金属箔にMDバックル(Machine Direction Buckle)、歪み(Fusilli)などのような不良を引き起こす問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述したような問題を解決するために案出されたもので、金属箔の荷重、外部から伝達される振動、揺れ、衝撃などによりコアに発生する弛み、変形などを減少させ得る金属箔用コアを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような課題を解決するために、本発明は次のような構成を含むことができる。
【0008】
本発明に係る金属箔用コアは、金属箔が巻き取られる巻き取り部材;第1軸方向中から第1方向側に前記巻き取り部材から突出した第1突出部材;前記第1軸方向中で前記第1方向に対して反対となる第2方向側に前記巻き取り部材から突出した第2突出部材;および前記第1軸方向を基準として前記第1突出部材の両端の間に配置されるように前記第1突出部材に形成された第1誘導溝を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、次のような効果を図ることができる。
【0010】
本発明は金属箔の荷重、運送過程で発生する振動、揺れ、衝撃などによる弛み、変形などが、第1誘導溝が形成された第1突出部材の部分で集中的に発生するように誘導することができる。これに伴い、本発明は巻き取り部材に発生する弛み、変形などを減少させることができるので、巻き取り部材に巻き取られた金属箔に発生するMDバックル(Machine Direction Buckle)、歪み(Fusilli)などのような不良を減少させることができる。したがって、本発明は取り扱いと運送が完了した金属箔の品質を向上させるのに寄与できるだけでなく、金属箔に対する取り扱い作業と運送作業の安定性と容易性を向上させるのに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る金属箔用コアの概略的な斜視図である。
図2】本発明に係る金属箔用コアを図1のI-I線を基準として示した概略的な側断面図である。
図3図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図4】本発明に係る金属箔用コアに対する実施例と比較例に対する実験結果である。
図5】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図6】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図7】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図8】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図9】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図10】本発明に係る金属箔用コアの第1誘導溝に対する実施例を図2のA部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図11図3を基準として第1誘導溝が複数個形成された実施例を示した概略的な側断面図である。
図12図2のB部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図13】本発明に係る金属箔用コアの第2誘導溝に対する実施例を図2のB部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
図14】本発明に係る金属箔用コアの第2誘導溝に対する実施例を図2のB部分を拡大して示した概略的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明に係る金属箔用コアの実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。一方、図1図2で互いに平行に表示された2列の一点鎖線は省略線である。
【0013】
図1を参照すると、本発明に係る金属箔用コア1は、二次電池用負極、軟性印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Board:FPCB)等の多様な製品の製造に利用される金属箔(Metal Foil)100を支持するためのものである。例えば、本発明に係る金属箔用コア1は金属箔100に属する銅箔(Copper Foil)を支持するのに使われ得る。前記金属箔100は本発明に係る金属箔用コア1に巻き取られ、本発明に係る金属箔用コア1に巻き取られた状態で運送手段に積載されて運送され得る。この場合、前記金属箔100が巻き取られた本発明に係る金属箔用コア1は、収納装置(図示されず)に収納された状態で運送され得る。
【0014】
本発明に係る金属箔用コア1は巻き取り部材2、第1突出部材3、および第2突出部材4を含むことができる。
【0015】
図1および図2を参照すると、前記巻き取り部材2は前記金属箔100を支持するものである。前記巻き取り部材2には前記金属箔100が巻き取られ得る。前記巻き取り部材2は第1軸方向(X軸方向)に沿って長い長さを有するように形成され得る。例えば、前記巻き取り部材2は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って延びる中空の円筒状に形成され得る。
【0016】
前記巻き取り部材2には鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、白金(Pt)、マンガン(Mg)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、ステンレス鋼(SUS)のうち少なくとも一つが含まれた金属箔100が巻き取られ得る。前記金属箔100は5mm以下の厚さを有するものであり得る。
【0017】
前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記巻き取り部材2は前記第1突出部材3と前記第2突出部材4の間に配置され得る。これに伴い、前記巻き取り部材2に前記金属箔100が巻き取られると、前記第1突出部材3は前記第1軸方向(X軸方向)中で第1方向(FD矢印方向)側に突出し得る。前記巻き取り部材2に前記金属箔100が巻き取られると、前記第2突出部材4は前記第1軸方向(X軸方向)中で第2方向(SD矢印方向)側に突出し得る。前記第2方向(SD矢印方向)と前記第1方向(FD矢印方向)は互いに反対となる方向であり得る。
【0018】
前記巻き取り部材2、前記第1突出部材3、および前記第2突出部材4は一体に形成されてもよい。例えば、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って延びる中空の円筒状に形成され得る。この場合、前記巻き取り部材2、前記第1突出部材3、および前記第2突出部材4は互いに同一の外径(External Diameter)と互いに同一の内径(Internal Diameter)を有するように形成され得る。前記巻き取り部材2、前記第1突出部材3、および前記第2突出部材4は、金属、ガラス繊維、レジン、プラスチック、木材、ポリマーのうち少なくとも一つを利用して形成され得る。
【0019】
図1および図2を参照すると、前記第1突出部材3は前記巻き取り部材2から前記第1方向(FD矢印方向)側に突出したものである。これに伴い、前記巻き取り部材2に前記金属箔100が巻き取られると、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第1突出部材3は前記金属箔100から前記第1方向(FD矢印方向)側に突出し得る。前記金属箔100が巻き取られた本発明に係る金属箔用コア1が前記収納装置に収納されると、前記第1突出部材3は前記収納装置が有する第1支持部(図示されず)により支持され得る。前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第1支持部は前記第1突出部材3の一端3aと前記第1突出部材3の他端3bの間に配置された前記第1突出部材3部分を支持することができる。前記第1突出部材3の一端3aは、前記第1方向(FD矢印方向)側に向かう前記第1突出部材3の終端に該当し得る。前記第1突出部材3の他端3bは、前記第2方向(SD矢印方向)側に向かう前記第1突出部材3の終端に該当し得る。前記第1突出部材3の他端3bは前記巻き取り部材2に連結され得る。前記第1突出部材3は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って長い長さを有するように形成され得る。例えば、前記第1突出部材3は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って延びる中空の円筒状に形成され得る。
【0020】
図1および図2を参照すると、前記第2突出部材4は前記巻き取り部材2から前記第2方向(SD矢印方向)側に突出したものである。これに伴い、前記巻き取り部材2に前記金属箔100が巻き取られると、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第2突出部材4は前記金属箔100から前記第2方向(SD矢印方向)側に突出し得る。前記金属箔100が巻き取られた本発明に係る金属箔用コア1が前記収納装置に収納されると、前記第2突出部材4は前記収納装置が有する第2支持部(図示されず)により支持され得る。前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第2支持部は前記第2突出部材4の一端4aと前記第2突出部材4の他端4bの間に配置された前記第2突出部材4部分を支持することができる。前記第2突出部材4の一端4aは、前記第2方向(SD矢印方向)側に向かう前記第2突出部材4の終端に該当し得る。前記第2突出部材4の他端4bは、前記第1方向(FD矢印方向)側に向かう前記第2突出部材4の終端に該当し得る。前記第2突出部材4の他端4bは前記巻き取り部材2に連結され得る。前記第2突出部材4は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って長い長さを有するように形成され得る。例えば、前記第2突出部材4は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って延びる中空の円筒状に形成され得る。
【0021】
ここで、前記金属箔100が巻き取られた前記巻き取り部材2には前記金属箔100の荷重が運送過程で持続的に加えられ得る。また、運送過程で発生する振動、揺れ、衝撃などが本発明に係る金属箔用コア1に伝達されることによって、前記巻き取り部材2に変形が発生し得る。このように前記巻き取り部材2に発生する弛み、変形などを減少させるために、本発明に係る金属箔用コア1は第1誘導溝5を含むことができる。
【0022】
図1図3を参照すると、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3に形成されたものである。前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の両端3a、3bの間に配置され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記金属箔100の荷重、運送過程で発生する振動、揺れ、衝撃などによる弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分で集中的に発生するように誘導することができる。例えば、前記第1誘導溝5に対して前記第1方向(FD矢印方向)側に位置した前記第1突出部材3部分が弛み、変形などによって前記第1軸方向(X軸方向)に対して傾く角度が増加し、前記第1誘導溝5に対して前記第2方向(SD矢印方向)側に位置した前記第1突出部材3部分が弛み、変形などによって前記第1軸方向(X軸方向)に対して傾く角度が減少し得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は前記巻き取り部材2に発生する弛み、変形などを減少させることができるので、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に発生するMDバックル(Machine Direction Buckle)、歪み(Fusilli)などのような不良を減少させることができる。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、取り扱いと運送が完了した金属箔100の品質を向上させるのに寄与できるだけでなく、前記金属箔100に対する取り扱い作業と運送作業の安定性と容易性を向上させるのに寄与することができる。
【0023】
前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3に所定深さで形成された溝(Groove)で具現され得る。前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分は、前記第1突出部材3の他の部分よりさらに薄い厚さで形成され得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分で弛み、変形などが集中的に発生するように誘導することによって、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くすることができる。
【0024】
前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の円周方向に沿って形成され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分で弛み、変形などがさらに集中的に発生するように誘導できるので、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率をさらに低くすることができる。前記第1突出部材3の円周方向は、前記第1軸方向(X軸方向)を中心とする周方向であり得る。前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の円周方向に沿って円環状をなすように形成され得る。図示されてはいないが、前記第1突出部材3の円周方向に沿って前記第1誘導溝5が複数個形成されてもよい。この場合、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の円周方向に沿って互いに離隔するように配置され得る。
【0025】
図1図4を参照すると、前記第1誘導溝5は0.1以上0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置され得る。前記位置比率(PLLR)は下記の数学式1を利用して算出され得る。
【0026】
数学式1
【0027】
【数1】
【0028】
前記数学式1において、ADは前記第1突出部材3の一端3aと前記第1誘導溝5が前記第1軸方向(X軸方向)を基準として離隔した距離[以下、「第1隔離距離51」という]である。この場合、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第1誘導溝5が幅を有する形態であれば、ADは前記第1突出部材3の一端3aと前記第1誘導溝5の幅の中間地点が前記第1軸方向(X軸方向)を基準として離隔した距離である。PLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第1突出部材3の長さ31[以下、「第1突出部材3の長さ31」という]である。このような数学式1による前記位置比率(PLLR)は、前記第1突出部材3の長さ31に対比して前記第1隔離距離51の比率に該当し得る。
【0029】
一方、前記位置比率(PLLR)は前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の長さ31に対比して前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100にどれほど近く配置されたかを意味し得る。前記位置比率(PLLR)が小さいほど、前記第1誘導溝5は前記金属箔100から遠い位置に配置されるとともに、前記第1突出部材3の一端3aに近い位置に配置されることを意味し得る。前記位置比率(PLLR)が大きいほど、前記第1誘導溝5は前記金属箔100に近い位置に配置されるとともに、前記第1突出部材3の一端3aから遠い位置に配置されることを意味し得る。
【0030】
前記第1誘導溝5が0.1以上0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されることによって、本発明に係る金属箔用コア1は自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くすることができる。これは、図4の実験結果を通じて確認することができる。図4の実験結果は、実施例と比較例それぞれの金属箔用コアに金属箔100を巻き取って前記収納装置に収納させた状態で同一の運送手段を利用して同一の運送時間の間運送した後に、金属箔用コアと金属箔100それぞれに発生した不良を評価して導き出されたものである。図4において、比較例1を除いた実施例と比較例それぞれは前記第1誘導溝5と第2誘導溝6を含むものである。この場合、前記第2誘導溝6は前記第1誘導溝5と同一の形態と大きさで前記第2突出部材4に形成され得る。前記第2突出部材4での前記第2誘導溝6の位置および前記第1突出部材3での前記第1誘導溝5の位置は互いに対称となり得る。
【0031】
まず、比較例1は前記第1誘導溝5がないものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。
【0032】
次に、実施例1~実施例4それぞれは前記第1誘導溝5が0.1以上0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態が良好なだけでなく、前記金属箔100の状態も良好であった。したがって、実施例1~実施例4、そして比較例1に対する実験結果から、前記第1誘導溝5が0.1以上0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されたものが、本発明に係る金属箔用コア1自体に対する破損乃至変形を減少させることができるだけでなく前記金属箔100に対する不良率も低くできることを確認することができる。
【0033】
次に、比較例2は前記第1誘導溝5が0.05の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。比較例2の場合、前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の一端3aに過度に近く配置されることにより、弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に集中できずに前記巻き取り部材2側に伝達されたので、前記金属箔100に不良が発生したのである。したがって、比較例2と実施例1、2の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.1未満の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されると前記金属箔100に対する不良率を低くするのが難しく、前記第1誘導溝5が0.1以上の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されないと前記金属箔100に対する不良率を低くできないことを確認することができる。
【0034】
次に、比較例3は前記第1誘導溝5が0.4の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100が離脱した。比較例3の場合、前記第1誘導溝5が前記金属箔100に過度に近く配置されることにより、弛み、変形などが集中した前記第1突出部材3部分が前記金属箔100に過度に近く配置されるので、前記金属箔100が前記巻き取り部材2から離脱したのである。したがって、比較例3と実施例3、4の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.3超過の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されると前記金属箔100が離脱することによって不良が発生し得、前記第1誘導溝5が0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されてこそ前記金属箔100に対する離脱を防止しつつ、不良率を低くできることを確認することができる。
【0035】
このような実施例1~実施例4に対する実験結果、および比較例1~比較例3に対する実験結果から、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5が0.1以上0.3以下の位置比率(PLLR)に該当する位置に配置されることによって、自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5を利用して取り扱いと運送が完了した金属箔100の品質を向上させるのに寄与できるだけでなく、前記金属箔100に対する取り扱い作業と運送作業の安定性と容易性を向上させるのに寄与することができる。
【0036】
一方、前記数学式1において、前記第1突出部材3の長さ31は下記の数学式2を利用して算出され得る。
【0037】
数学式2
【0038】
【数2】
【0039】
前記数学式2において、TLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする本発明に係る金属箔用コア1の全体長さ11である(以下、「全体長さ11」という)。前記全体長さ11は前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第1突出部材3の長さ31、前記巻き取り部材2の長さ21、および前記第2突出部材4の長さ41をすべて合算したものと同一であり得る。WLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記巻き取り部材2の長さ21[以下、「巻き取り部材2の長さ21」という]である。前記数学式2によると、前記位置比率(PLLR)は前記第1突出部材3の長さ31と前記第2突出部材4の長さ41が互いに同一であることを前提として算出され得る。前記第1突出部材3の長さ31は測定道具乃至測定装備を利用した測定を通じて獲得されてもよい。
【0040】
一方、前記巻き取り部材2の長さ21は前記巻き取り部材2に巻き取られる金属箔100の幅と同一であり得る。前記巻き取り部材2の長さ21は前記全体長さ11から前記第1突出部材3の長さ31と前記第2突出部材4の長さ41を減算することによって算出され得る。前記巻き取り部材2の長さ21は測定道具乃至測定装備を利用した測定を通じて獲得されてもよい。
【0041】
一方、前記全体長さ11は前記第1突出部材3の長さ31、前記巻き取り部材2の長さ21、および前記第2突出部材4の長さ41をすべて合算することによって算出され得る。前記全体長さ11は測定道具乃至測定装備を利用した測定を通じて獲得されてもよい。本発明に係る金属箔用コア1は前記全体長さ11が300mm以上2,000mm以下で具現され得る。
【0042】
前記第1誘導溝5は、前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第1突出部材3の一端3aから20mm以上150mm以下で離隔した位置に配置されてもよい。すなわち、前記第1隔離距離51が20mm以上150mm以下であり得る。前記第1隔離距離51が20mm未満の場合、前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の一端3aに過度に近く配置されることにより、弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に集中できずに前記巻き取り部材2側に伝達されることによって、前記金属箔100に不良が発生し得る。前記第1隔離距離51が150mm超過である場合、前記第1誘導溝5が前記金属箔100に過度に近く配置されることにより、弛み、変形などが集中した前記第1突出部材3部分が前記金属箔100に過度に近く配置されるので、前記金属箔100が前記巻き取り部材2から離脱され得る。これを考慮して、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1隔離距離51が20mm以上150mm以下で具現されることによって、前記金属箔100に対する離脱を防止しつつ、不良率を低くすることができる。
【0043】
図1図4を参照すると、前記第1誘導溝5は0.1以上0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成され得る。前記深さ比率(PDTR)は下記の数学式3を利用して算出され得る。
【0044】
数学式3
【0045】
【数3】
【0046】
前記数学式3において、PDは前記第1突出部材3の厚さ32である。前記第1突出部材3が中空の円筒状に形成された場合、前記第1突出部材3の厚さ32は中空を除いた残り部分の厚さを意味し得る。GDは前記第1誘導溝5の深さ52である。前記第1誘導溝5の深さ52は前記第1軸方向(X軸方向)に垂直な断面方向を基準とするものである。このような数学式3による前記深さ比率(PDTR)は前記第1突出部材3の厚さ32に対比して前記第1誘導溝5の深さ52の比率に該当し得る。
【0047】
一方、前記深さ比率(PDTR)は前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の厚さ32に対比してどれほど深く形成されたかを意味し得る。前記深さ比率(PDTR)が小さいほど、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の厚さ32に対比してさらに浅い深さで形成されることを意味し得る。前記深さ比率(PDRT)が大きいほど、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の厚さ32に対比してさらに深い深さで形成されることを意味し得る。
【0048】
前記第1誘導溝5が0.1以上0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されることによって、本発明に係る金属箔用コア1は自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くすることができる。これは、図4の実験結果を通じて確認することができる。
【0049】
まず、比較例1は前記第1誘導溝5がないものであって、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。
【0050】
次に、実施例1~実施例4それぞれは前記第1誘導溝5が0.1以上0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態が良好なだけでなく、前記金属箔100の状態も良好であった。したがって、実施例1~実施例4、そして比較例1に対する実験結果から、前記第1誘導溝5が0.1以上0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されたものが、本発明に係る金属箔用コア1自体に対する破損乃至変形を減少させることができるだけでなく前記金属箔100に対する不良率も低くできることを確認することができる。
【0051】
次に、比較例4は前記第1誘導溝5が0.05の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。比較例4の場合、前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の厚さ32に対比して過度に浅い深さで形成されることによって、弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に集中できずに前記巻き取り部材2側に伝達されたので、前記金属箔100に不良が発生したのである。したがって、比較例4と実施例1の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.1未満の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されると前記金属箔100に対する不良率を低くするのが難しく、前記第1誘導溝5が0.1以上の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されてこそ前記金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。
【0052】
次に、比較例5は前記第1誘導溝5が0.7の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されたものであり、実験を遂行した結果、金属箔用コアが破損した。比較例5の場合、前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の厚さ32に対比して過度に深い深さで形成されることにより金属箔用コアの剛性が過度に弱くなるので、金属箔用コアが破損したのである。金属箔用コアが破損することによって、金属箔100は歪み不良とMDバックル不良を評価できない程度に不良が発生した。したがって、比較例5と実施例4の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.5超過の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されると金属箔用コアが破損し得、前記第1誘導溝5が0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されてこそ金属箔用コアの破損を防止しつつ、金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。
【0053】
このような実施例1~実施例4に対する実験結果、および比較例1、比較例4と比較例5に対する実験結果から、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5が0.1以上0.5以下の深さ比率(PDTR)に該当する深さで形成されることによって、自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5を利用して取り扱いと運送が完了した金属箔100の品質を向上させるのに寄与できるだけでなく、前記金属箔100に対する取り扱い作業と運送作業の安定性と容易性を向上させるのに寄与することができる。前記第1突出部材3の厚さ32は3mm以上100mm以下であり得る。この場合、前記全体長さ11は300mm以上2,000mm以下であり得る。
【0054】
一方、前記数学式3において、前記第1突出部材3の厚さ32は下記の数学式4を利用して算出され得る。
【0055】
数学式4
【0056】
【数4】
【0057】
前記数学式4において、ODは前記第1突出部材3の外径321であり、IDは前記第1突出部材3の内径322である。前記数学式4によると、前記深さ比率(PDTR)は前記第1突出部材3が円周方向に沿って同一厚さ32で形成されたことを前提として算出され得る。前記第1突出部材3の厚さ32は測定道具乃至測定装備を利用した測定を通じて獲得されてもよい。前記第1突出部材3の内径322は24mm以上200mm以下であり得る。この場合、前記第1突出部材3の厚さ32が3mm以上100mm以下であり、前記全体長さ11が300mm以上2,000mm以下であり得る。
【0058】
前記第1誘導溝5は3mm以上15mm以下の深さ52で形成されてもよい。前記第1誘導溝5の深さ52が3mm未満の場合、前記第1誘導溝5が過度に浅い深さで形成されることによって、弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に集中できずに前記巻き取り部材2側に伝達されることによって、前記金属箔100に不良が発生し得る。前記第1誘導溝5の深さ52が15mm超過である場合、前記第1誘導溝5が過度に深い深さで形成されることによって前記第1突出部材3の強度が過度に弱くなるので、本発明に係る金属箔用コア1が破損し得る。これを考慮して、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5の深さ52が3mm以上15mm以下で具現されることによって、自主的な破損を防止し、前記金属箔100に対する離脱を防止しつつ、不良率を低くすることができる。
【0059】
一方、前記第1誘導溝5の深さ52は、前記巻き取り部材2に巻き取られる前記金属箔100の厚さよりさらに大きく具現され得る。例えば、前記金属箔100の厚さが0.2μm以上5mm以下である場合、前記第1誘導溝5の深さ52は5mm超過で具現され得る。
【0060】
図1図4を参照すると、前記第1誘導溝5は幅53が深さ52より小さく具現され得る。この場合、前記第1誘導溝5の幅53は前記第1誘導溝5の深さ52より小さい。前記第1誘導溝5の幅53は前記第1軸方向(X軸方向)を基準とするものである。前記第1誘導溝5の幅53が前記第1誘導溝5の深さ52よりさらに大きい場合、前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分の強度が過度に弱くなるので、前記第1突出部材3に破損乃至変形が発生し得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5の幅53が前記第1誘導溝5の深さ52より小さく具現されることによって、前記第1突出部材3に破損乃至変形が発生することを防止しつつ、前記金属箔100に対する不良率を低くすることができる。
【0061】
前記第1誘導溝5の深さ52は前記第1誘導溝5の幅53の2倍で具現され得る。この場合、前記第1誘導溝5は加工深さ対比幅の比率[以下、「第1幅比率」という]が0.5であり得る。前記第1幅比率は前記第1誘導溝5の幅53を前記第1誘導溝5の深さ52で割る演算を通じて算出され得る。一方、前記第1幅比率は前記第1誘導溝5が深さ52に対比してどれほど広い幅53で形成されたかを意味し得る。前記第1幅比率が小さいほど、前記第1誘導溝5は深さ52に対比してさらに狭い幅で形成されることを意味し得る。前記第1幅比率が大きいほど、前記第1誘導溝5は深さ52に対比してさらに広い幅で形成されることを意味し得る。
【0062】
前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されることによって、本発明に係る金属箔用コア1は自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くすることができる。これは、図4の実験結果を通じて確認することができる。
【0063】
まず、比較例1は前記第1誘導溝5がないものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。
【0064】
次に、実施例1~実施例4それぞれは前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態が良好なだけでなく、前記金属箔100の状態も良好であった。したがって、実施例1~実施例4、そして比較例1に対する実験結果から、前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されたものが、本発明に係る金属箔用コア1自体に対する破損乃至変形を減少させることができるだけでなく前記金属箔100に対する不良率も低くできることを確認することができる。
【0065】
次に、比較例6は前記第1誘導溝5が0.3の第1幅比率を有するように形成されたものであり、実験を遂行した結果、自主的な状態は良好であるが前記金属箔100に歪み不良とMDバックル不良が発生した。比較例6の場合、前記第1誘導溝5が深さ52に対比して過度に狭い幅53で形成されることによって、弛み、変形などが前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に集中できずに前記巻き取り部材2側に伝達されたので、前記金属箔100に不良が発生したのである。したがって、比較例6と実施例1~実施例4の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.5未満の第1幅比率を有するように形成されると前記金属箔100に対する不良率を低くするのが難しく、前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されてこそ前記金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。
【0066】
次に、比較例7は前記第1誘導溝5が0.7の第1幅比率を有するように形成されたものであり、実験を遂行した結果、金属箔用コアが変形された。比較例7の場合、前記第1誘導溝5が深さ52に対比して過度に広い幅で形成されることにより金属箔用コアの剛性が過度に弱くなるので、金属箔用コアが変形されたのである。金属箔用コアが変形されることにより金属箔100にも歪み不良とMDバックル不良が発生した。したがって、比較例7と実施例4の実験結果から、前記第1誘導溝5が0.5超過の第1幅比率を有するように形成されると金属箔用コアが変形され得、前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されてこそ金属箔用コアの変形を防止しつつ、金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。
【0067】
このような実施例1~実施例4に対する実験結果、および比較例1、比較例6と比較例7に対する実験結果から、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5が0.5の第1幅比率を有するように形成されることによって、自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くできることを確認することができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5を利用して取り扱いと運送が完了した金属箔100の品質を向上させるのに寄与できるだけでなく、前記金属箔100に対する取り扱い作業と運送作業の安定性と容易性を向上させるのに寄与することができる。
【0068】
図3図5図9を参照すると、本発明に係る金属箔用コア1は前記第1誘導溝5に関して多様な実施例を含むことができる。このような実施例は前記位置比率(PLLR)、前記深さ比率(PDTR)、前記第1幅比率などを満足するように形成され得る。以下では、前記第1誘導溝5の実施例について添付された図面を参照して順次説明する。
【0069】
図3を参照すると、第1実施例に係る第1誘導溝5は、深さ方向(DD矢印方向)に均一な大きさを維持しながら延びるように形成され得る。この場合、第1実施例に係る第1誘導溝5は前記深さ方向(DD矢印方向)に均一な幅を維持しながら延長され得る。例えば、第1実施例に係る第1誘導溝5は、前記断面方向を基準として長方形の形態の断面を有するように形成され得る。第1実施例に係る第1誘導溝5が前記第1突出部材3の外面33に形成された場合、前記深さ方向(DD矢印方向)は前記第1突出部材3の外面33から前記第1突出部材3の内面34に向かう方向であり得る。前記第1突出部材3の外面33は前記第1突出部材3の外径321の基準となる面である。前記第1突出部材3の内面34は前記第1突出部材3の内径322の基準となる面である。
【0070】
図5図6を参照すると、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少するように形成され得る。この場合、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど幅が減少するように形成され得る。図5に図示された通り、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少しながら終端が尖がっている尖端をなすように形成され得る。例えば、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記断面方向を基準として前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少する三角形の形態の断面を有するように形成され得る。図6に図示された通り、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少しながら終端が平面をなすように形成されてもよい。例えば、第2実施例に係る第1誘導溝5は、前記断面方向を基準として前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少する台形の形態の断面を有するように形成され得る。
【0071】
このように前記第1突出部材3の外面33から前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少するように形成された第2実施例に係る第1誘導溝5において、前記幅53は前記第1突出部材3の外面33に接する部分を基準とすることができる。この場合、第2実施例に係る第1誘導溝5の最大幅が前記幅53に該当し得る。
【0072】
図7図8を参照すると、第3実施例に係る第1誘導溝5は、第1角溝54を含むことができる。第3実施例に係る第1誘導溝5が前記第1突出部材3の外面33に形成された場合、前記第1角溝54は前記第1突出部材3の外面33に連結される角に形成され得る。前記第1角溝54は前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少するように形成され得る。第3実施例に係る第1誘導溝5において、前記第1角溝54が形成された部分を除いた残り部分は、前記深さ方向(DD矢印方向)に均一な大きさを維持しながら延びるように形成され得る。この場合、第3実施例に係る第1誘導溝5において、前記第1角溝54が形成された部分は前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど幅が減少するように形成され、前記第1角溝54が形成された部分を除いた残り部分は前記深さ方向(DD矢印方向)に均一な幅を維持しながら延長され得る。
【0073】
図7に図示された通り、第3実施例に係る第1誘導溝5は、前記第1角溝54が形成された部分が傾斜面をなすように形成され得る。この場合、前記第1角溝54が形成された前記第1突出部材3部分は傾斜面をなすように形成され得る。例えば、第3実施例に係る第1誘導溝5は、前記断面方向を基準として前記第1角溝54が形成された部分が前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少する台形の形態の断面を有するように形成され、前記第1角溝54が形成された部分を除いた残り部分が四角形の形態の断面を有するように形成され得る。前記第1角溝54は前記第1突出部材3の外面33または内面34に形成され得る。
【0074】
図8に図示された通り、第3実施例に係る第1誘導溝5は、前記第1角溝54が形成された部分が曲面をなすように形成され得る。この場合、前記第1角溝54が形成された前記第1突出部材3部分は曲面をなすように形成され得る。前記第1角溝54が形成された前記第1突出部材3部分は、前記第1角溝54側に膨らんでいる曲面をなすように形成され得る。例えば、第3実施例に係る第1誘導溝5は、前記断面方向を基準として前記第1角溝54が形成された部分が、前記深さ方向(DD矢印方向)に延びるほど大きさが減少しながら凹んでいる曲面の台形の形態の断面を有するように形成され、前記第1角溝54が形成された部分を除いた残り部分が四角形の形態の断面を有するように形成され得る。
【0075】
図9を参照すると、第4実施例に係る第1誘導溝5には第1緩衝部材55が挿入され得る。前記第1緩衝部材55は弾性変形可能な材質で形成され得る。例えば、前記第1緩衝部材55はゴム、ウレタンなどで形成され得る。前記第1緩衝部材55は、第4実施例に係る第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分に発生する弛み、変形などを緩衝乃至吸収することによって、該当弛み、変形などによる衝撃などが前記金属箔100に伝達される程度を減少させることができる。前記第1緩衝部材55は第4実施例に係る第1誘導溝5と同じ形態で形成され得る。図9には第4実施例に係る第1誘導溝5と前記第1緩衝部材55が前記断面方向を基準として長方形の形態の断面を有するように形成されたものとして図示されているが、これに限定されず、第4実施例に係る第1誘導溝5と前記第1緩衝部材55は前記断面方向を基準として図5に図示された通り、三角形の形態の断面、図6に図示された通り、台形の形態の断面、図7に図示された通り、台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面、図8に図示された通り、外面が凹んでいる台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面などを有するように形成されてもよい。
【0076】
図2図3図5図9に図示された通り、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の外面33に形成され得る。この場合、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の外面33から前記第1突出部材3の内面34に向かう深さ方向(DD矢印方向)に延びる溝で形成され得る。
【0077】
図10を参照すると、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の内面34に形成されてもよい。この場合、前記第1誘導溝5は前記第1突出部材3の内面34から前記第1突出部材3の外面33に向かう深さ方向(DD矢印方向)に延びる溝で形成され得る。前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の外面33に形成された場合より、前記第1誘導溝5が前記第1突出部材3の内面34に形成された場合にさらに大きい断面2次モーメントを有することができるので、本発明に係る金属箔用コア1はさらに高い剛性を有することができる。一方、前記第1突出部材3の内面34に形成された第1誘導溝5に対しても、前述した第1実施例~第4実施例が適用され得る。これは、前述した第1実施例~第4実施例に対する説明から本発明が属する技術分野の当業者が容易に導き出すことができるので、これに対する具体的な説明は省略する。
【0078】
図1図11を参照すると、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5を複数個含んでもよい。前記第1誘導溝5、5’は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って互いに離隔するように配置され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第1誘導溝5、5’が形成された前記第1突出部材3部分で弛み、変形などを分散させることができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記金属箔100に対する不良率を低くすることができながらも、前記第1突出部材3が損傷乃至破損する危険をさらに低くすることができる。前記第1誘導溝5、5’は前記第1突出部材3の外面33または前記第1突出部材3の内面34に形成され得る。前記第1誘導溝5、5’は前記第1突出部材3の外面33および前記第1突出部材3の内面34の双方に形成されてもよい。
【0079】
図1図12を参照すると、本発明に係る金属箔用コア1は前記第2誘導溝6を含むことができる。
【0080】
前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4に形成されたものである。前記第1軸方向(X軸方向)を基準として、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の両端4a、4bの間に配置され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第2誘導溝6と前記第1誘導溝5を利用して前記金属箔100の荷重、運送過程で発生する振動、揺れ、衝撃などによる弛み、変形などが、前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分と前記第1誘導溝5が形成された前記第2突出部材4部分で集中的に発生するように誘導することができる。この場合、前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分と前記第1誘導溝5が形成された前記第1突出部材3部分で、相互間に略一致する弛み、変形などが発生し得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は弛み、変形などにより前記巻き取り部材2が前記第1軸方向(X軸方向)に対して傾いた角度を減少させることができるので、前記金属箔100に対する不良率を低くすることができる。
【0081】
前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4に所定深さで形成された溝(Groove)で具現され得る。前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分は、前記第2突出部材4の他の部分よりさらに薄い厚さで形成され得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分で弛み、変形などが集中的に発生するように誘導することができる。
【0082】
前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の円周方向に沿って形成され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分で弛み、変形などがさらに集中的に発生するように誘導できるので、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率をさらに低くすることができる。前記第2突出部材4の円周方向は前記第1軸方向(X軸方向)を中心とする周方向であり得る。前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の円周方向に沿って円環状をなすように形成され得る。図示されてはいないが、前記第2突出部材4の円周方向に沿って前記第2誘導溝6が複数個形成されてもよい。この場合、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の円周方向に沿って互いに離隔するように配置され得る。
【0083】
前記第2誘導溝6が前記第2方向(SD矢印方向)側に向かう前記第2突出部材4の一端4aから離隔した距離(61、図2に図示される)[以下、「第2隔離距離61」という]および前記第1隔離距離51は、互いに同一に具現され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記巻き取り部材2の両側の方から略一致する弛み、変形などが発生するように誘導することができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記巻き取り部材2が前記第1軸方向(X軸方向)に対して傾いた角度をさらに減少させることができるので、前記金属箔100に対する不良率をさらに低くすることができる。
【0084】
前記第2誘導溝6は0.1以上0.3以下の位置比率に該当する位置に配置され得る。前記第2誘導溝6の位置比率は前記数学式1を利用して算出され得る。この場合、前記数学式1で、ADは前記第2隔離距離61であり、PLは前記第1軸方向(X軸方向)を基準とする前記第2突出部材4の長さ41[以下、「第2突出部材4の長さ41」という]である。このような数学式1による前記位置比率(PLLR)は、前記第2突出部材4の長さ41に対比して前記第2隔離距離61の比率に該当し得る。前記第2誘導溝6の位置比率と前記第1誘導溝5の位置比率は互いに同一に具現され得る。一方、前記第2誘導溝6の位置比率において、前記第2突出部材4の長さ41は前記数学式2を利用して算出され得る。前記第2突出部材4の長さ41と前記第1突出部材3の長さ31は互いに同一に具現され得る。
【0085】
前記第2誘導溝6は前記第1軸方向(X軸方向)を基準として前記第2突出部材4の一端4aから20mm以上150mm以下で離隔した位置に配置されてもよい。すなわち、前記第2隔離距離61が20mm以上150mm以下であり得る。
【0086】
図1図12を参照すると、前記第2誘導溝6の深さ62と前記第1誘導溝5の深さ52は互いに同一に具現され得る。すなわち、前記第2誘導溝6と前記第1誘導溝5は互いに同一の深さで形成され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記巻き取り部材2の両側の方から略一致する弛み、変形などが発生するように誘導することができる。
【0087】
前記第2誘導溝6は0.1以上0.5以下の深さ比率に該当する深さで形成され得る。前記第2誘導溝6の深さ比率は前記数学式3を利用して算出され得る。この場合、前記数学式3において、PDは前記第2突出部材4の厚さ42であり、GDは前記第2誘導溝6の深さ62である。このような数学式3による前記第2誘導溝6の深さ比率は、前記第2突出部材4の厚さ42に対比して前記第2誘導溝6の深さ62の比率に該当し得る。前記第2誘導溝6の深さ比率と前記第1誘導溝5の深さ比率は互いに同一に具現され得る。一方、前記第2誘導溝6の位置比率において、前記第2突出部材4の長さ41は前記数学式2を利用して算出され得る。前記第2突出部材4の長さ41と前記第1突出部材3の長さ31は互いに同一に具現され得る。
【0088】
一方、前記数学式3において、前記第2突出部材4の厚さ42は前記数学式4を利用して算出され得る。この場合、前記数学式4において、ODは前記第2突出部材4の外径421であり、IDは前記第2突出部材4の内径422である。前記第2突出部材4の厚さ42と前記第1突出部材3の厚さ32は互いに同一に具現され得る。
【0089】
図1図12を参照すると、前記第2誘導溝6は幅63が深さ62より小さく具現され得る。この場合、前記第2誘導溝6の幅63は前記第2誘導溝6の深さ62より小さい。前記第2誘導溝6の幅63は前記第1軸方向(X軸方向)を基準とするものである。
【0090】
前記第2誘導溝6の深さ62は前記第2誘導溝6の幅63の2倍で具現され得る。この場合、前記第2誘導溝6は加工深さ対比幅の比率[以下、「第2幅比率」という]が0.5であり得る。前記第2幅比率は前記第2誘導溝6の幅63を前記第2誘導溝6の深さ62で割る演算を通じて算出され得る。一方、前記第2幅比率は前記第2誘導溝6が深さ62に対比してどれほど広い幅63で形成されたかを意味し得る。前記第2誘導溝6が0.5の第2幅比率を有するように形成されることによって、本発明に係る金属箔用コア1は自主的な破損乃至変形が発生することなく、前記巻き取り部材2に巻き取られた金属箔100に対する不良率を低くすることができる。
【0091】
前記第2誘導溝6の幅63と前記第1誘導溝5の幅53は互いに同一に具現され得る。すなわち、前記第2誘導溝6と前記第1誘導溝5は互いに同一の幅で形成され得る。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は前記巻き取り部材2の両側の方から略一致する弛み、変形などが発生するように誘導することができる。前記第2誘導溝6と前記第1誘導溝5は互いに同一の深さで形成されるとともに、互いに同一の幅で形成されてもよい。
【0092】
前記第2誘導溝6は前述した第1誘導溝5の実施例と同一に具現され得る。この場合、前記第2誘導溝6は前記断面方向を基準として、図5に図示された通り、三角形の形態の断面、図6に図示された通り、台形の形態の断面、図7に図示された通り、台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面、図8に図示された通り、外面が凹んでいる台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面などを有するように形成され得る。
【0093】
図13を参照すると、第2誘導溝6には第2緩衝部材64が挿入され得る。前記第2緩衝部材64は弾性変形可能な材質で形成され得る。例えば、前記第2緩衝部材64はゴム、ウレタンなどで形成され得る。前記第2緩衝部材64は第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分に発生する弛み、変形などを緩衝乃至吸収することによって、該当弛み、変形などによる衝撃などが前記金属箔100に伝達される程度を減少させることができる。前記第2緩衝部材64は前記第2誘導溝6と同じ形態で形成され得る。図13には前記第2誘導溝6と前記第2緩衝部材64が前記断面方向を基準として長方形の形態の断面を有するように形成されたものとして図示されているが、これに限定されず、前記第2誘導溝6と前記第2緩衝部材64は前記断面方向を基準として図5に図示された通り、三角形の形態の断面、図6に図示された通り、台形の形態の断面、図7に図示された通り、台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面、図8に図示された通り、外面が凹んでいる台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面などを有するように形成されてもよい。図7に図示された通り、台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面、図8に図示された通り、外面が凹んでいる台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面などを有するように形成された場合、前記第2誘導溝6は第2角溝(図示されず)を含むことができる。前記第2角溝は前記第1角溝54と略一致するように具現され得るので、これに対する具体的な説明は省略する。
【0094】
図12図13に図示された通り、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の外面43に形成され得る。前記第2突出部材4の外面43は前記第2突出部材4の外径(421、図2に図示される)の基準となる面である。この場合、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の外面43から前記第2突出部材4の内面44に向かう深さ方向(DD矢印方向)に延びる溝で形成され得る。前記第2突出部材4の内面44は前記第2突出部材4の内径(422、図2に図示される)の基準となる面である。
【0095】
図14を参照すると、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の内面44に形成されてもよい。この場合、前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の内面44から前記第2突出部材4の外面43に向かう深さ方向(DD矢印方向)に延びる溝で形成され得る。前記第2誘導溝6が前記第2突出部材4の外面43に形成された場合より、前記第2誘導溝6が前記第2突出部材4の内面44に形成された場合にさらに大きい断面2次モーメントを有することができるので、本発明に係る金属箔用コア1はさらに高い剛性を有することができる。一方、前記第2突出部材4の内面44に形成された第2誘導溝6は、前記断面方向を基準として図14に図示された通り、長方形の形態の断面、図5に図示された通り、三角形の形態の断面、図6に図示された通り、台形の形態の断面、図7に図示された通り、台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面、図8に図示された通り、外面が凹んでいる台形の形態と四角形の形態が組み合わせられた断面などを有するように形成され得る。前記第2突出部材4の内面44に形成された第2誘導溝6には前記第2緩衝部材64が挿入されてもよい。
【0096】
図示されてはいないが、本発明に係る金属箔用コア1は前記第2誘導溝6を複数個含んでもよい。前記第2誘導溝6は前記第1軸方向(X軸方向)に沿って互いに離隔するように配置され得る。これに伴い、本発明に係る金属箔用コア1は、前記第2誘導溝6が形成された前記第2突出部材4部分で弛み、変形などを分散させることができる。したがって、本発明に係る金属箔用コア1は、前記金属箔100に対する不良率を低くすることができながらも前記第2突出部材4が損傷乃至破損する危険をさらに低くすることができる。本発明に係る金属箔用コア1は、前記第2誘導溝6の個数と前記第1誘導溝5の個数が互いに同一に具現され得る。前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の外面43または前記第2突出部材4の内面44に形成され得る。前記第2誘導溝6は前記第2突出部材4の外面43および前記第2突出部材4の内面44の双方に形成されてもよい。
【0097】
以上で説明した本発明は、前述した実施例および添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形および変更が可能であることが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において明白であろう。
【符号の説明】
【0098】
1:金属箔用コア
2:巻き取り部材
21:巻き取り部材の長さ
3:第1突出部材
3a:第1突出部材の一端
3b:第1突出部材の他端
31:第1突出部材の長さ
32:第1突出部材の厚さ
321:第1突出部材の外径
322:第1突出部材の内径
33:第1突出部材の外面
34:第1突出部材の内面
4:第2突出部材
4a:第2突出部材の一端
4b:第2突出部材の他端
41:第2突出部材の長さ
42:第2突出部材の厚さ
421:第2突出部材の外径
422:第2突出部材の内径
43:第2突出部材の外面
44:第2突出部材の内面
5:第1誘導溝
51:第1隔離距離
52:第1誘導溝の深さ
53:第1誘導溝の幅
54:第1角溝
55:第1緩衝部材
6:第2誘導溝
61:第2隔離距離
62:第2誘導溝の深さ
63:第2誘導溝の幅
64:第2緩衝部材
100:金属箔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14