(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】渦流ブロワ
(51)【国際特許分類】
F04D 23/00 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
F04D23/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023094623
(22)【出願日】2023-06-08
(62)【分割の表示】P 2020524753の分割
【原出願日】2018-11-02
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】クリガー ドナルド ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ボスマ ヨハネス ニコラース
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-121212(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02126652(GB,A)
【文献】欧州特許出願公開第00636791(EP,A1)
【文献】特開2008-175084(JP,A)
【文献】特開昭50-047209(JP,A)
【文献】実開平03-119593(JP,U)
【文献】実開昭53-010402(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの第1のポート及び第2のポートと、
空気流のために前記第1のポートと前記第2のポートとの間で延在する空気流チャネルと、
前記第1のポートから前記第2のポートへの前記空気流チャネル内の空気流を促進する、インペラチャネル内で回転可能なインペラと、
前記インペラを駆動するモータと、
前記第2のポートから前記第1のポートへの空気流を制限する前記第1のポートと前記第2のポートとの間のインタラプタと
を備え、
前記第1のポートが、前記空気流チャネルから延在する導管を備え、
前記第2のポートが、前記空気流チャネルから延在する導管を備え、
前記第1のポートが、前記空気流チャネルとともにスパイラルを形成
し、
前記第1のポートが、前記空気流チャネルの平面に対して角度をなして傾斜している、
渦流ブロワ。
【請求項2】
前記第2のポートが、前記空気流チャネルともにスパイラルを形成する、
請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項3】
前記第1のポートが、部分的回転と、可変ピッチと、可変半径とを有する螺線として、前記空気流チャネルから延在する、
請求項2に記載の渦流ブロワ。
【請求項4】
前記第1のポートが、部分的回転と、略一定のピッチと、略一定の半径とを有する螺線として、前記空気流チャネルから延在する、
請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項5】
前記第2のポートが、部分的回転と、可変ピッチと、可変半径とを有する螺線として、前記空気流チャネルから延在する、
請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項6】
前記第2のポートが、部分的回転と、略一定のピッチと、略一定の半径とを有する螺線として、前記空気流チャネルから延在する、
請求項2~5のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項7】
前記モータがロータを備え、
前記ハウジングが、製造中、シャフトによって前記インペラに結合された前記ロータの組立体を、アパーチャを通して前記ハウジング内に配置できるように形づくられた直径を有する前記アパーチャを備える、
請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項8】
前記ハウジングが、頂部ハウジングと、底部プレートを有する底部ハウジングとを備え、
前記アパーチャが、前記底部ハウジングの前記底部プレートにある、
請求項7に記載の渦流ブロワ。
【請求項9】
前記アパーチャが、第3のポートを提供する、
請求項7又は8に記載の渦流ブロワ。
【請求項10】
前記ハウジングが、底部ハウジングキャップをさらに備え、
前記底部ハウジングキャップが、少なくとも1つの底部ハウジングキャップアパーチャを含む、
請求項8又は9に記載の渦流ブロワ。
【請求項11】
前記アパーチャが、比較的低流量状態の下での前記インペラチャネル及び/又は前記空気流チャネルからの出口、且つ、比較的高流量状態の下での入口である、
請求項7~10のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項12】
前記ハウジングが、頂部ハウジングと底部ハウジングとを備え、
前記インペラが、前記頂部ハウジングと前記底部ハウジングとの間に配設され、
前記モータが、少なくとも部分的に前記底部ハウジングに配設され、
前記頂部ハウジングが、前記底部ハウジングに対して開いており、前記インペラ及び前記モータを分離する前記ハウジングのプレート又は他のバリアが存在しない、
請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項13】
前記空気流チャネルが、上側チャネルと下側チャネルとを備える、
請求項12に記載の渦流ブロワ。
【請求項14】
前記インペラチャネルが、前記上側チャネルと前記下側チャネルとを分離する、
請求項13に記載の渦流ブロワ。
【請求項15】
前記インペラの側端部が、前記ハウジングの内部側面に隣接して回転する、
請求項12~14のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項16】
前記
第1のポートは、前記空気流チャネルの平面に対して垂直以外の角度で傾斜する、
請求項1~15のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項17】
前記
第2のポートは、前記空気流チャネルの平面に対して垂直以外の角度で傾斜する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項18】
前記第1のポートは、頂部ハウジングから離れるように向くように構成されている、
請求項1~17のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【請求項19】
前記第1のポートは、前記ブロワの外周縁に位置する、
請求項1~18のいずれか一項に記載の渦流ブロワ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、渦流ブロワ及びさまざまな構成に関する。このような渦流ブロワは、呼吸器及び他の最終用途に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
渦流ブロワは、入口から出口への空気の流れのための空気流チャネルを有するハウジングを備える。モータの回転によって駆動されるインペラは、空気流チャネルに空気的に接続されたチャネル内にある。インペラは回転して、空気流チャネル内の入口から出口への空気の流れを提供する。空気流チャネルは、空気流が出口から入口に直接進むことを防止する、入口と出口との間に位置付けられたインタラプタを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改良された渦流ブロワを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、本発明は、ハウジングと、ハウジングの第1のポート及び第2のポートと、ポート間の空気流のために第1のポートと第2のポートとの間で延在する空気流チャネルと、第1のポートから第2のポートへの空気流チャネル内の空気流を促進する、インペラチャネル内で回転可能なインペラと、インペラを駆動するモータと、第2のポートから第1のポートへの空気流を制限する第1のポートと第2のポートとの間のインタラプタと備える渦流ブロワを備えてもよい。
【0005】
第1のポートは入口ポートであり、第2のポートは出口ポートであり、インペラは、入口ポートから出口ポートへの空気流チャネル内の空気流を促進する方向に回転してもよい。
【0006】
空気流チャネルは、第1のポートと第2のポートとを接続する弓形チャネルを備え、第1のポートは、弓形チャネルの第1の端部と流体連通し、第2のポートは、弓形チャネルの第2の端部と流体連通し、インタラプタは、弓形チャネルの第1の端部と第2の端部との間に形成された壁を備えていてもよい。
【0007】
壁は、弓形チャネルの第2の端部に向いたリーディング面を有していてもよい。
【0008】
リーディング面は湾曲していてもよい。
【0009】
インペラブレードは、使用時に回転して、リーディング面のリーディングエッジを最初に通過することによってインタラプタを通過するように適合されていてもよい。
【0010】
壁は、弓形チャネルの第1の端部に向いたトレーリング面を含んでもよい。
【0011】
トレーリング面は湾曲していていてもよい。
【0012】
インペラブレードは、使用時に回転して、リーディングエッジを通過し、壁の中央部分を通過し、次いで、トレーリング面のトレーリングエッジを通過することによって、インタラプタを通過するように適合されていてもよい。
【0013】
各ブレードの一部が、そのブレードがインタラプタを通り過ぎる間、ある角度をなしてリーディングエッジの一部を通過するように、リーディングエッジは構成されていてもよい。
【0014】
各ブレードの一部が、そのブレードがインタラプタを通り過ぎる間、ある角度をなしてトレーリングエッジの一部を通過するように、トレーリングエッジは構成されていてもよい。
【0015】
ブレードのうちの2つ以上が、通過中、インペラの回転中のいずれかの時点でリーディングエッジを通り過ぎるように、リーディングエッジは構成されていてもよい。
【0016】
ブレードのうちの2つ以上が、通過中、インペラの回転中のいずれかの時点でトレーリングエッジを通り過ぎるように、トレーリングエッジは構成されていてもよい。
【0017】
リーディングエッジは、インペラのブレードが通り過ぎるとき、インペラのブレードに対してある角度に向けられていてもよい。
【0018】
リーディングエッジは湾曲し、それにより、インペラのブレードが通り過ぎるとき、インペラのブレードに対してある角度で存在していてもよい。
【0019】
トレーリングエッジは、インペラのブレードが通り過ぎるとき、インペラのブレードに対してある角度に向けられていてもよい。
【0020】
トレーリングエッジは湾曲し、それにより、インペラのブレードが通り過ぎるとき、インペラのブレードに対してある角度で存在していてもよい。
【0021】
リーディングエッジは湾曲していてもよい。
【0022】
トレーリングエッジは湾曲していてもよい。
【0023】
インタラプタは、第1のポートを越えて延在し、且つ/又は、第2のポートを越えて延在していてもよい。
【0024】
壁は、弓形チャネルの第1の端部の近くに第1の側面を有し、インペラブレードは、使用時、第1の側面から離れるように回転して通り過ぎるように適合されており、第1の側面は凹部を備えていてもよい。
【0025】
壁は、弓形チャネルの第2の端部の近くに第2の側面を有し、インペラブレードは、使用時、第2の側面に向かって回転して通り過ぎるように適合されており、第2の側面は凹部を備えていてもよい。
【0026】
第1の側面は、第1のポートの一部を形成し、第2の側面は、第2のポートの一部を形成していてもよい。
【0027】
壁は、弓形チャネルの第1の端部と第2の端部との間に位置する横断面を備え、インペラブレードは、使用時、横断面を通り過ぎて回転するように適合されており、横断面は凹部を備えていてもよい。
【0028】
第1の側面上の凹部及び/又は第2の側面上の凹部は、面に沿って延在していてもよい。
【0029】
凹部は、断面が「V」形であってもよい。
【0030】
第1の側面上の凹部及び/又は第2の側面上の凹部は、a)中心軸に沿った後縁から前縁への内側への湾曲と、b)頂縁と底縁との間で頂縁及び底縁から中心軸の方への内側への湾曲とを備えていてもよい。
【0031】
横断面上の凹部は、面に沿って横方向に延在していてもよい。
【0032】
横断面全体にわたって横方向に延在する2つの凹部が存在していてもよい。
【0033】
2つの凹部は略平行であってもよい。
【0034】
各凹部は、第1の側面から第2の側面までの横断面の長さにわたっていてもよい。
【0035】
凹部は、断面が「V」形であってもよい。
【0036】
各凹部は、横断面の1つの縁部での最大幅及び最大深さで始まり、横断面の中心に向けて最小幅及び最小深さまで減少し、次いで、横断面の反対側の縁部で最大幅及び最大深さまで拡大していてもよい。
【0037】
各凹部は、横断面の各端部において、横断面の全幅の約50%の最大幅から始まり、横断面の中心に向けて最小幅を有していてもよい。
【0038】
別の態様によれば、本発明は、ハウジングと、ハウジングの第1のポート及び第2のポートと、空気流のために第1のポートと第2のポートとの間で延在する空気流チャネルと、第1のポートから第2のポートへの空気流チャネル内の空気流を促進する、インペラチャネル内で回転可能なインペラと、インペラを駆動するモータと、第2のポートから第1のポートへの空気流を制限する第1のポートと第2のポートとの間のインタラプタとを備える渦流ブロワを備えてもよく、第1のポートは、空気流チャネルから延在する導管を備え、第2のポートは、空気流チャネルから延在する導管を備え、第1のポートは、空気流チャネルとともにスパイラルを形成する。
【0039】
第2のポートは、空気流チャネルともにスパイラルを形成していてもよい。
【0040】
第1のポートは、部分的回転と、可変ピッチと、可変半径とを有する螺線として、空気流チャネルから延在していてもよい。
【0041】
第1のポートは、部分的回転と、略一定のピッチと、略一定の半径とを有する螺線として、空気流チャネルから延在していてもよい。
【0042】
第2のポートは、部分的回転と、可変ピッチと、可変半径とを有する螺線として、空気流チャネルから延在していてもよい。
【0043】
第2のポートは、部分的回転と、略一定のピッチと、略一定の半径とを有する螺線として、空気流チャネルから延在していてもよい。
【0044】
可変ピッチは、空気流チャネルの略近くでの約10~30mmから、遠位端での約90~110mmまで変化してもよい。
【0045】
可変半径は、空気流チャネルの略近くでの約25~30mmから、遠位端での約10~20mmまで変化してもよい。
【0046】
部分的回転は、完全な1回転の72°~114°、又は、完全な1回転の20~40%にわたっていてもよい。
【0047】
可変ピッチは、空気流チャネルの略近くでの約2~20mmから、遠位端での約80~120mmまで変化してもよい。
【0048】
可変半径は、空気流チャネルに略近くでの約20~35mmから、遠位端での約20~70mmまで変化してもよい。
【0049】
部分的回転は、完全な1回転の36°~144°、又は、完全な1回転の10~40%にわたっていてもよい。
【0050】
モータはロータを備え、ハウジングは、製造中、シャフトによってインペラに結合されたロータの組立体を、アパーチャを通してハウジング内に配置できるように形づくられた直径を有するアパーチャを備えていてもよい。
【0051】
ハウジングは、頂部ハウジングと、底部プレートを有する底部ハウジングとを備え、アパーチャは、底部ハウジングの底部プレートにあってもよい。
【0052】
アパーチャは、第3のポートを提供してもよい。
【0053】
底部ハウジングは、インペラハウジングと、底部ハウジングキャップとを備えてもよい。
【0054】
底部ハウジングキャップは、少なくとも1つの底部ハウジングキャップアパーチャを含んでいてもよい。
【0055】
アパーチャは、比較的低流量状態の下でのインペラチャネル及び/又は空気流チャネルからの出口、且つ、比較的高流量状態の下での入口であってもよい。
【0056】
ハウジングは、頂部ハウジングと底部ハウジングとを備え、インペラは、頂部ハウジングに配設され、モータは、少なくとも部分的に底部ハウジングに配設され、頂部ハウジングは、底部ハウジングに対して開いており、インペラ及びモータを分離するハウジングのプレート又は他のバリアは存在しなくてもよい。
【0057】
空気流チャネルは、上側チャネルと下側チャネルとを備えていてもよい。
【0058】
インペラチャネルは、上側チャネルと下側チャネルとを分離してもよい。
【0059】
インペラの側端部は、ハウジングの内部側面に隣接して回転してもよい。
【0060】
インペラの側端部とハウジングの内部側面との間のクリアランスは、約0.5mm~1mmであってもよい。
【0061】
別の態様によれば、本発明は、ハブと、ハブから支持されて、ハブのまわりで配置されたブレードの第1の組と、ハブから支持されて、ハブのまわりで配置されたブレードの第2の組とを備える渦流ブロワのためのインペラを備えてもよい。
【0062】
ブレードの第1の組は、ブレードの第2の組の軸方向上方に配置されており、ブレードの第1の組は、ブレードの第2の組から回転的にオフセットされていてもよい。
【0063】
ブレードの第1の組及びブレードの第2の組は、ハブのまわりに環状に配置されていてもよい。
【0064】
渦流ブロワは、ブレードの第1の組とブレードの第2の組との間のウェブをさらに備えていてもよい。
【0065】
ブレードの第1の組は、ハブのまわりに環状に配置されており、ブレードの第2の組は、ハブのまわりでブレードの第1の組内に同心円状に配置されていてもよい。
【0066】
渦流ブロワは、ブレードの第3の組をさらに備え、ブレードの第3の組は、ハブのまわりに環状に配置されており、ブレードの第1の組は、ブレードの第3の組の軸方向上方に配置されており、ブレードの第1の組は、ブレードの第3の組から回転的にオフセットされていてもよい。
【0067】
渦流ブロワは、ブレードの第1の組とブレードの第3の組との間のウェブをさらに備えていてもよい。
【0068】
ブレードの第2の組又はブレードの第3の組は、
【数1】
だけブレードの第1の組からのオフセットされていてもよい。ここで、θはブレードの第2の組又はブレードの第3の組がブレードの第1の組に対してオフセットされている角度であり、Nは第1のインペラブレードの数であり、Xはオフセット角である。
【0069】
別の態様によれば、本発明は、ハウジングと、ハウジングの第1のポート及び第2のポートと、空気流のために第1のポートと第2のポートとの間で延在する空気流チャネルと、第1のポートから第2のポートへのチャネル内の空気流を促進する、インペラチャネル内の上記のいずれかによるインペラと、インペラを駆動するモータと、第2のポートから第1のポートへの空気流を制限する第1のポートと第2のポートとの間のインタラプタとを備える渦流ブロワを備えてもよい。
【0070】
別の態様によれば、本発明は、ハウジングと、入口及び出口を提供するハウジングの第1のポート及び第2のポートと、第1のポートと第2のポートとの間で延在する空気流チャネルと、第1のポートから第2のポートへの空気流チャネル内の空気流を促進する、インペラチャネル内で回転可能なインペラと、インペラを駆動するモータと、第2のポートから第1のポートへの空気流を制限する第1のポートと第2のポートとの間のインタラプタとを備える渦流ブロワを備えてもよく、ハウジングは、第3のポートを提供するアパーチャを備える。
【0071】
ハウジングは、頂部ハウジングと底部ハウジングとを備え、アパーチャは、頂部ハウジングに1つ又は複数の開口部を備えていてもよい。
【0072】
ハウジングは、頂部ハウジングと底部ハウジングとを備え、アパーチャは、底部ハウジングに1つ又は複数の開口部を備えていてもよい。
【0073】
アパーチャは、付加的な入口ポート又は出口ポートであってもよい。
【0074】
空気流チャネルは、第1のポートと第2のポートとの間で延在する外側空気流チャネルと、内側空気流チャネルとを備えていてもよい。
【0075】
内側空気流チャネルは、内側空気流チャネルと外側空気流チャネルとの間の弓形壁から形成されており、壁は、内側空気流チャネルと外側空気流チャネルとの間の空気流を可能にする空気流開口部を有していてもよい。インペラチャネルは、外側インペラチャネルと内側インペラチャネルとを備え、内側空気流チャネルは、内側インペラチャネルであってもよい。
【0076】
渦流ブロワは、空気流チャネルとインペラチャネルとを含む共通チャネルを備えていてもよい。
【0077】
インペラは、インペラがそのまわりで回転可能である軸方向軸線を備え、ブレードの第1の組は、ブレードの第2の組に対して軸方向に移動し、ブレードの第1の組は、ブレードの第2の組から軸方向軸線のまわりで回転的にオフセットされていてもよい。
【0078】
ウェブは、環状インペラ支持プレートであってもよい。
【0079】
本明細書で「備える(comprising)」という用語が使用される場合、「少なくとも部分的に~からなる(consisting at least in part of)」を意味する。「備える(comprising)」という用語を含む本明細書の各文を解釈する場合、この用語に続くもの以外の特徴も存在することがある。「備える(comprise)」及び「備える(comprises)」などの関連用語も同様に解釈される。
【0080】
本発明は、個別に又はまとめて、本出願の明細書に参照される又は示されている部分、要素、及び特徴、並びに、2つ以上の前記部分、要素、又は特徴の、任意又はすべての組合せで構成されていると概して言うこともでき、ここで、特定の統合品が、本発明が関連する当該技術分野で均等物と知られているものとして本明細書に記載され、このような知られている均等物は、個別に記載のように本明細書に組み込まれるものとみなされる。
【0081】
本明細書中に開示される数の範囲(たとえば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(たとえば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)、並びに、その範囲内の有理数のあらゆる範囲(たとえば、2~8、1.5~5.5、及び3.1~4.7)への言及も組み込むことが意図されている。
【0082】
本発明は、前述のものを含み、また以下に単なる例として記載する構造を想定する。
【0083】
ここで、実施形態が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【
図1】上側空気流チャネル、下側空気流チャネル、及び側方空気流チャネルと、インペラチャネルとを含むチャネルを有する渦流ブロワを図形式で示す。
【
図2】第1の実施形態による渦流ブロワの斜視図を示す。
【
図3A】第1の実施形態による渦流ブロワの上面図を示す。
【
図3B】第1の実施形態による渦流ブロワの断面図を示す。
【
図4A】第1の実施形態による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図4B】第1の実施形態による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図6】渦流ブロワの頂部ハウジングの下面図を示す。
【
図9】下部ハウジング及びハウジングキャップの詳細を示す渦流ブロワの底面図を示す。
【
図10】
図7の渦流ブロワと比較して寸法が小さい中央アパーチャを有する渦流ブロワの実施形態の断面斜視底面図を示す。
【
図11】渦流ブロワの頂部ハウジングの底面斜視図を示す。
【
図12】渦流ブロワの頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図13】渦流ブロワの頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図19】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの斜視図を示す。
【
図20】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの上面図を示す。
【
図21】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図22】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図23】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの上面図を示す。
【
図24】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図25】第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図26】第1の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワのハウジングの底面図を示す。
【
図27】第1の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワのハウジングの底面図を示す。
【
図28】第1の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す第2の実施形態の第1の構成による渦流ブロワのハウジングの底面図を示す。
【
図29】第2の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す渦流ブロワの第2の実施形態の第2の構成の頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図30】第2の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す渦流ブロワの第2の実施形態の第2の構成の頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図31】第2の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す渦流ブロワの第2の実施形態の第2の構成の頂部ハウジングの斜視図を示す。
【
図32】第2の構成によるインタラプタ及び空気流チャネルの詳細を示す渦流ブロワの第2の実施形態の第2の構成の頂部ハウジングの上面図を示す。
【
図33】第3の実施形態による渦流ブロワの斜視図を示す。
【
図34】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの断面図及び立面図を示す。
【
図35】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの断面図及び立面図を示す。
【
図36】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図37】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図38】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図39】第3の実施形態の第1の構成による渦流ブロワの立面図を示す。
【
図40】第3の実施形態の第1の構成の頂部ハウジング及びチャネルを示す。
【
図41】第3の実施形態の第1の構成の頂部ハウジング及びチャネルを示す。
【
図42】第3の実施形態の第1の構成の頂部ハウジング及びチャネルを示す。
【
図43】渦流ブロワの第3の実施形態の第1の構成の底面図を示す。
【
図44】第3の実施形態の第1の構成の底部ハウジングの斜視図を示す。
【
図45】第3の実施形態の第1の構成のインタラプタ及びインペラチャネルの詳細を示す頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図46】第3の実施形態の第1の構成のインタラプタ及びインペラチャネルの詳細を示す頂部ハウジングの底面図を示す。
【
図47】第3の実施形態の第1の構成のハウジングの断面図を示す。
【
図48】第3の実施形態の第1の構成のハウジングの断面の斜視図を示す。
【
図49】インタラプタの横断面に凹部を有する、第3の実施形態の第2の構成のハウジングの断面の斜視図を示す。
【
図51】インタラプタの側面及び横断面に凹部を有する、第3の実施形態の第3の構成のハウジングの断面の斜視図を示す。
【
図53】第3の実施形態の第4の構成のハウジングの断面の斜視図を示す。
【
図55】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの斜視図を示す。
【
図56】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの上面図を示す。
【
図57】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの立面図を示す。
【
図58】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図59】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの別の実施形態の上面図を示す。
【
図60】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図61】渦流ブロワの第3の実施形態での使用に適したインペラの別の実施形態の上面図を示す。
【
図62】渦流ブロワの第3の実施形態の断面の上面図を示し、第1の方向に回転するインペラを示す。
【
図64】渦流ブロワの第3の実施形態の第5の構成の斜視図を示す。
【
図65】渦流ブロワの第3の実施形態の第5の構成の上面図を示す。
【
図66】渦流ブロワの第3の実施形態の第5の構成の断面の立面図を示す。
【
図67】第4の実施形態による渦流ブロワの上部斜視図を示す。
【
図68】渦流ブロワの第4の実施形態の断面図を示す。
【
図69】渦流ブロワの第4の実施形態の別の断面図を示す。
【
図70】渦流ブロワの第4の実施形態の別の断面図を示す。
【
図71】渦流ブロワの第4の実施形態の上面図である。
【
図72】渦流ブロワの第4の実施形態の頂部ハウジングの断面の底面斜視図である。
【
図74】渦流ブロワの第4の実施形態の断面の底面斜視図である。
【
図75】渦流ブロワの第4の実施形態での使用に適したインペラの上部斜視図を示す。
【
図79】第5の実施形態による渦流ブロワの上部斜視図を示す。
【
図80】渦流ブロワの第5の実施形態の断面図を示す。
【
図81】渦流ブロワの第5の実施形態の立面図を示す。
【
図82】渦流ブロワの第5の実施形態の立面図を示す。
【
図83】渦流ブロワの第5の実施形態の立面図を示す。
【
図84】渦流ブロワの第5の実施形態の立面図を示す。
【
図85】渦流ブロワの第5の実施形態の断面図を示す。
【
図86】渦流ブロワの第5の実施形態の上面図を示す。
【
図87】渦流ブロワの第5の実施形態の底面図を示す。
【
図88】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図89】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図90】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図91】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図92】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図93】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図94】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図95】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図96】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図97】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図98】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図99】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図100】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図101】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図102】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図103】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図104】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図105】さまざまな実施形態の性能を示す実験データのグラフを示す。
【
図106】本明細書に記載されるような渦流ブロワを利用する、持続的気道陽圧法(CPAP)、高流量治療、非侵襲的換気装置、又は他の呼吸器などの呼吸器の図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
1. 渦流ブロワを使用するガス流機器
本明細書に記載されるさまざまな実施形態における渦流ブロワは、任意の適切なガス流機器の用途で使用することができる。記載される渦流ブロワは、特に、呼吸試験装置に有用である可能性があるが、単にその用途での使用に制限されない。記載される渦流ブロワが使用できる他の用途は、当業者には想定可能である。また、渦流ブロワは、真空として作用するように再構成される可能性があり、真空が必要である任意の適切なガス流機器で使用される可能性がある。たとえば、本明細書に記載される渦流ブロワは、吸引発生装置として構成することができる。このような吸引発生装置が、吸引システム、又は、吸引を提供するように構成されるシステムの一部として使用される可能性がある。渦流ブロワは、入口で吸引又は部分真空を生成するように配置され、チューブに接続される。これにより、ブロワをガス排気又はガス除去デバイスとして使用することができる。
【0086】
非限定的な例として、本明細書に記載される渦流ブロワは、
図106に示される用途で使用することができる。
図106は、持続的気道陽圧(CPAP)機器、ネーザルハイフロー機器、非侵襲的換気(NIV)機器、人工呼吸器、又は、他の呼吸器などの呼吸器600を示す。呼吸器600は、ガス流及び/又はガス圧を生成するためのブロワ601(「フロージェネレータ」とも呼ぶことができる)を備える。ブロワ601は、ブロワからのガスを加湿するために、加湿器602及び水用容器603に結合されていてもよい可能性がある。加湿器602は、容器の水を加熱するために、ヒータプレート604及び適切な制御回路を有することができる。加湿器602及びブロワ601は、別々の構成要素とすることができ、又は、破線で示されるように、ハウジング605に一体化することができる。1つ又は複数のコントローラ606は、呼吸器600の作動を制御することができる。ブロワ601からのガス供給は、加湿器602に送られ、加湿されたガス供給は、呼吸導管607を介して、患者インタフェース608及び患者609に送られる。
【0087】
ブロワ601は、本明細書に記載される実施形態の1つのような渦流ブロワである。本明細書のブロワは、肺循環機械も含む任意の適切な呼吸器で使用することができる。本明細書に記載される渦流ブロワが、伝統的に遠心送風機が使用される呼吸器で使用される可能性がある。
【0088】
2. ガス流機器で使用するための渦流ブロワ
渦流ブロワのさまざまな実施形態が記載され、それぞれ、上記の渦流ブロワの1つのように、ガス流機器で使用される。
【0089】
2.1 実施形態の概要
渦流ブロワ(「サイドチャネルブロワ」とも呼ばれる)の断面を図形式で示す
図1を参照すると、本明細書に記載される渦流ブロワの実施形態の一般的な特徴が示される。
【0090】
渦流ブロワ(以下、「ブロワ」)は、頂部ハウジング及び底部ハウジングのような複数のサブハウジングから形成することができるハウジングを有する。ハウジングは、シャフトを介して(インペラブレードを有する)インペラを駆動するモータのための領域を提供する。いくつかの構成では、インペラは、シャフト上にオーバーモールドすることができる。或いは、インペラは、独立して成形し、シャフトに接続することができる。或いは、別の構成では、インペラは、金属、複合材料(たとえば、炭素繊維)、又は軽量のインペラに適した別の材料から作ることができる。空気の出入りを可能にする、ハウジングに対して1つ又は複数の入口及び出口を提供する1つ又は複数のポートが存在し、空気流はインペラによって駆動される。ポートは、アパーチャと、好ましくはカラーとを備える。ポートが入口か又は出口かということは、インペラの回転方向及び空気の流れの方向によって決まる。ポートは、インペラの回転方向に応じて、入口であることと出口であることとを入れ替えることができ、逆もまた可能である。
【0091】
渦流ブロワは、ハウジングに形成されたチャネルを有する。チャネルは、異なる実施形態において、さまざまな異なる形態をとることができ、サブハウジングの構成及び相互接続によってさまざまな形で形成することができる。チャネルは、さまざまなチャネル領域を備え、チャネル領域のそれぞれは、適切な形状/構成をとる。チャネルは、インペラ領域(「インペラチャネル」)を備え、インペラブレードは、インペラ領域内に存在して、その中で回転し、入口から出口への空気の流れを発生させる。インペラチャネル(IC)は、インペラのブレードを受けるように環状であり、インペラのブレードは、略環状に配置される。空気再循環路により、入口から出口への途中で再循環空気がインペラに複数回、遭遇することが可能になる。空気は、空気再循環路を通って連続的に循環し、通過ごとの連続した圧力上昇が可能になり、ブロワの渦流特性がもたらされる。
【0092】
チャネルは、インペラチャネル(IC)と流体連通する空気流領域(「空気流チャネル(AFC)」)も備える。入口ポート及び出口ポートは、空気流チャネル(AFC)と流体連通する。インペラブレードの回転は、入口ポートから出口ポートへの空気流チャネル(AFC)内の空気の流れを提供する。(インペラブレードの回転は、インペラチャネル(IC)内の空気の流れも提供する)。空気流チャネル(AFC)は、実施形態の要件に応じて、多くの異なる構成をとることができる。たとえば、空気流チャネル(AFC)は、弓形とすることができる。インタラプタは、チャネル内に配置されて、出口ポートと入口ポートとの間(すなわち、ポートの間)の空気流を妨げる、最小化する、又は、少なくとも減少させる(より一般的には「制限する」)。さらに、空気流チャネル(AFC)は、上側空気流チャネル(UAFC)と、側方空気流チャネル(LatAFC)と、下側空気流チャネル(LAFC)とを含む、複数の異なる空気流チャネル又は領域の組合せの1つ又は複数を備えることができる。少なくとも1つの構成では、上側空気流チャネル(UAFC)は、下側空気流チャネル(LAFC)に対して、インペラの反対側とすることができる。後で記載される、内側空気流チャネルも存在させることができる。上側、側方、及び下側チャネルへの言及が、任意の絶対的な向き又は特定の向きを示さない、或いは、そのような向きに対して記載される実施形態の範囲を限定しないことは認識されるべきである。むしろ、図面は、絶対的な向きではなく、相対的な向きを提供するために示されるので、それは単に図面に対して使用される用語である。たとえば、使用時、空気流チャネル(AFC)は、上側空気流チャネル(UAFC)が下にある、下側空気流チャネル(LAFC)が上にある、又は、任意の他の向きでさえあるように向けられる可能性がある。
【0093】
空気流チャネル(AFC)を構成するさまざまな空気流チャネル領域は、サブハウジングの構成及び相互接続、並びに設計の他の態様によって形成することができる。空気流チャネル(AFC)領域のさまざまな組合せにより、ブロワの望ましい特性を提供することができる。
【0094】
従来の渦流ブロワは、大型であり、比較的騒音が大きく、そのため、呼吸装置での使用には適していない可能性がある。驚くべきことに、本明細書に記載される渦流ブロワは、呼吸装置での使用に足るだけ十分に静かにすることができる。理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載される渦流ブロワによって少なくとも部分的にもたらされる騒音の低減は、インペラの設計及び/又はハウジングの設計の結果であると考えられる。さらに、本明細書に記載される渦流ブロワは、先行技術の渦流ブロワに対して寸法が小さく、軽量のインペラを特徴とし、それにより、流れの急速な方向変更を必要とする用途においてブロワを適切に使用することが可能になる。通常、渦流ブロワは、高圧、低流量の用途に対して使用される。いくつかの呼吸用途では、0~30cmH2Oの圧力が必要なだけであるので、(たとえば、インペラブレードとインタラプタとの間の比較的大きな間隙/クリアランス、及び中央開口によって生じる)さまざまな漏洩を有することは可能であり、モータ/インペラの組合せは、望ましい圧力及び流れ範囲を提供することがさらに可能である。本明細書に記載される間隙は、超高圧及び低流量を必要とする渦流ブロワでは容認できないであろう。
【0095】
ここで、さまざまな実施形態が記載され、そのそれぞれが、空気流及びインペラチャネルのさまざまな構成を提供する。
【0096】
2.2 渦流ブロワの第1の実施形態
図2~18は、第1の実施形態による渦流ブロワを示す。
【0097】
2.2.1 概要
渦流ブロワ100の概要は、
図2~5Bを参照して記載される。渦流ブロワは、ハウジング101を備える。ハウジングは、頂部ハウジング102と底部ハウジング103とを含む。頂部ハウジング102及び底部ハウジング103は、モータ及びチャネル104のための内部領域を形成するために結合される。チャネル104は、空気流チャネル132及びインペラチャネル145(「空気流領域及びインペラ領域」とも呼ばれる)を備える。頂部ハウジング及び底部ハウジングへの言及が、任意の特定の向きを示さない、或いは、そのような向きに対して記載される実施形態の範囲を限定しないことは認識されるべきである。むしろ、図面が提示されるとき、それは単に図面に対して使用される用語である。使用時、ブロワは、頂部ハウジング102が下になる、底部ハウジング103が上にある、又は、任意の他の向きでさえあるように向けられる可能性がある。
【0098】
ステータ111と、シャフト112と、ロータ113とを備えるモータ組立体110は、底部ハウジング103の内部領域に位置する。モータ組立体110は、2つの非限定的な例として、ブラシレスDCモータ又はスイッチドリラクタンスモータなどの、任意の適切なモータ組立体である可能性がある。モータ、それらの組立体、及び動作の詳細は、当業者には知られており、ここではさらには記載しない。インペラ115は、シャフト112に結合されて、使用時、モータ組立体110によって駆動される。
【0099】
インペラ115は、ハウジング101内に位置し、チャネル104のインペラ領域内に存在して、その中で回転するインペラブレード175を有する。空気再循環路により、入口ポートから出口ポートへの途中で再循環空気がインペラ115に複数回、遭遇することが可能になる。空気は、空気再循環路を通って連続的に循環し、通過ごとの連続した圧力上昇が可能になり、ブロワの渦流特性がもたらされる。頂部ハウジング102は、第1のポート120と第2のポート121とを有し、第1のポート120と第2のポート121は、チャネル104の空気流領域(「空気流チャネル」)の中に、且つ、チャネル104の空気流領域(「空気流チャネル」)から外に(さらに、インペラチャネル145の中にも、且つ、インペラチャネル145から外にも)空気流を提供する。インペラチャネル145内でのインペラ115の回転は、第1のポート120と第2のポート121との間の空気流チャネル内の空気流を提供し、さらに、インペラチャネル145内の空気流を提供する。インペラ115が反時計回りに(
図5Aに示されるように)回転するとき、第1のポート120は入口ポート(より一般的には「入口」)であり、第2のポート121は出口ポート(より一般的には「出口」)であり、空気は、第1のポート120に流れ込み、第1のポート120から第2のポート121に流れ、そして、第2のポート121から流れ出る。インペラ115が時計回りに(
図5Bに示されるように)回転するとき、第2のポート121は入口ポート(より一般的には「入口」)であり、第1のポート120は出口ポート(より一般的には「出口」)であり、空気は、第2のポートに流れ込み、第2のポートから第1のポートに流れ、そして、第1のポートから流れ出る。一般性を失わずに、残りの実施形態では、第1のポートは入口ポートとして、且つ、第2のポートは出口ポートとして(特に明記しない限り)記載されるが、ブロワの動作に応じて、代替的な構成が可能であることが理解されるであろう。
【0100】
インタラプタ125(「ストリッパ」とも呼ばれる)は、ハウジング101内で、出口ポート121を入口ポート120から分離する。インタラプタ125は、使用中、空気流に物理的バリアを設けることによって、出口(高圧)から入口ポート(低圧)への空気の漏洩を制限する(すなわち、妨げる、最小化する、又は少なくとも減少させる)。
【0101】
ここで、第1の実施形態によるブロワは、さらに詳細に記載される。
【0102】
2.2.2 ハウジング
ハウジング101が、
図6~10を参照してさらに詳細に記載される。ハウジングは、頂部ハウジングと底部ハウジングとを備える。
【0103】
図2、3A、4A、及び6を参照すると、頂部ハウジング102は略円形体であり、複数のラグ(たとえば、130)が、頂部ハウジング102の底部ハウジング103との結合を可能にするために周縁部分131に形成されている。或いは、クリップ、接着剤、溶接、又は他の結合手段が使用される可能性がある。頂部ハウジング102は、チャネル104の頂部132を備える(後述するように、もう一方は底部であり、底部ハウジング内にある)。チャネル104の頂部132は、空気流チャネル132を提供する、又は、空気流チャネル132の形態であってもよい。チャネル104の頂部132は、弓形チャネル132を提供してもよい、又は、弓形チャネル132の形態であってもよい。よって、空気流チャネル132は、弓形チャネル132であってもよい。弓形チャネルは、第1のポート120と第2のポート121との間で、周縁部分131内を同心円状に略円形の頂部ハウジング102のまわりで延在してもよい。空気流チャネル132は、インペラ/インペラチャネルに対して上方に設けられている、又は、垂直方向に移動しているので、(
図1を参照して記載されたチャネルに関して)上側空気流チャネルである。弓形の空気流チャネル132は、内側が同心のハブ又はボス139と接しており、軸受のための軸受支えを提供する中央アパーチャ138がシャフトに接続されている。(上側)空気流チャネル132は、入口ポート120と出口ポート121との間でインタラプタ125によって区切られている。よって、空気流チャネル132は、完全な環状チャネルではない。その代わりに、空気流チャネル132は、第1の端部と第2の端部とを有する。したがって、空気流チャネル132は弓形である。空気流チャネル132は、空気流チャネル132の第1の端部及び第2の端部において、第1のポート及び第2のポート(入口ポート/出口ポート)に接続する。第1のポート120及び第2のポート121は、弓形チャネル132のそれぞれの第1の端部及び第2の端部と流体連通している。インタラプタ125は、いくつかの構成では、第1のポート及び第2のポートを過ぎて延在する可能性がある。インタラプタは、後で詳細に記載される。空気流チャネル132は、半円形断面を有し、たとえば、
図3Bで見ることができるように、頂部ハウジング102の頂部プレート又はカバー内に形成される。
【0104】
図2を参照すると、たとえば、入口カラー120Aは頂部ハウジングから延在し、入口ポート120を形成する。出口カラー121Aは頂部ハウジングから延在して、出口ポート121を形成する。示されるように、入口ポート120及び出口ポート121は、互いに対して略平行であり、インペラ115の回転面に略垂直であるが、これは必須ではない。入口/出口ポートの他の向きが可能である。入口ポート120の直径は好ましくは、出口ポート121の直径と略等しいが、これは必須ではない。入口ポート120及び出口ポート121は円形であるが、これは必須ではない。或いは、入口ポート120及び/又は出口ポート121は、正方形、卵形、長円形、長方形、又は別の多角形とすることができる。
【0105】
頂部ハウジング102は、構造支持体を提供するために中央ハブ135から空気流チャネル132まで延在するスポーク136を有する中央ハブ135を有する。中央ハブ135は、モータの上側軸受装置に適合するように、その下面に凹部を有する。
【0106】
図7、7A、8、及び9を参照すると、ハウジング101は、底部ハウジング103に接続されるように構成された底部ハウジングキャップ(ケーシング)141(
図9参照)を備える。底部ハウジング140は略円形体であり、複数のラグ142が、頂部ハウジング102の底部ハウジング103との結合を可能にするために周縁部分143に形成されている。底部ハウジング140は、チャネル104の底部を画定する。チャネル104の底部は、インペラチャネル145を提供し、第1のポート120と第2のポート121との間で、周縁領域143内を同心円状に略円形の底部ハウジング103のまわりで延在する(底部)環状チャネルとして底部ハウジング103内に形成されている。インペラチャネル145は、半円形断面を有し、底部ハウジング103の底部から延在する環状ボス146(
図3B参照)内に形成される。インペラチャネル145は、インペラブレード175を受けるように配置され、インペラブレード175は、その中で回転する。
【0107】
図7A、8を参照すると、底部ハウジング103はまた、中央アパーチャ148(「底部ハウジングアパーチャ」とも呼ばれる)を有する内部領域に中央プレート147を備える。底部ハウジングアパーチャ148は、モータ組立体のロータ113と比較して、寸法はほぼ同じであり、又は直径はわずかに大きい。寸法は、ロータ/磁石113の寸法によって決定される。1つの非限定的な例として、底部ハウジングアパーチャ148は、直径が15mm~25mm、たとえば、直径が21mmである可能性がある。底部ハウジングアパーチャ148は、直径を15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25mmとすることができる。底部ハウジングアパーチャ148は十分に大きく、ロータ113は底部ハウジングアパーチャ148にはまる/を通過することができ、製造中、ブロワ100の組み立てがしやすくなる。これは、モータの製造工程において有益である。たとえば、このように寸法決めされた底部ハウジングアパーチャ148により、ブロワ100の製造に関係するコスト及び/又はステップの数を削減することができる。組立工程は、モータに関する記載の下でさらに詳細に記載される。底部ハウジングアパーチャ148は、ブロワ100にさらなる空気流路を提供することもできる。製造の利点に加えて、底部ハウジングアパーチャ148により、さらなる及び/又は代替の空気流路の結果として、モータの冷却が改善される。アパーチャはブロワ100のためのさらなる入口ポートとしての機能を果たすことができるので、モータを通る流量を増加させることも可能である。
【0108】
底部ハウジングアパーチャ148の挙動は変化する(高流量での動作時は入口として、高圧での動作時は出口として働く)ので、底部ハウジングアパーチャの挙動を制御する一方向弁を使用することは有益である可能性がある。底部ハウジングキャップ141の複数のアパーチャは、底部ハウジングアパーチャ148に供給する。一方向弁は、底部ハウジングキャップの複数のアパーチャ上に/をふさいで置かれ、次に、底部ハウジングアパーチャ148上の一方向弁として働く。使用できる一方向弁の例は、機械弁、又はTesla Valveなどの固定形状のパッシブバルブを含む。一方向弁を組み込むことにより、ポートを通しての漏洩が生じることがない低流量(高圧)状態、及び、ポートがさらなる空気を引き入れる入口として使用できる高流量(低圧)状態の両方におけるブロワの性能が改善する。同様の一方向弁装置は、記載されるように性能を改善するために、本明細書に記載される他の実施形態の底部ハウジングアパーチャに加えることもできる。
【0109】
図10は、底部ハウジング103の代替的な変形を示し、底部ハウジングアパーチャ148’は、
図7及び8の変形のアパーチャより小さい。より小さい底部ハウジングアパーチャ148’により、ブロワ100の作動時、アパーチャ148’から漏れる空気の流れが減少する。これにより、底部ハウジングアパーチャ148’から漏れる空気の量が最小化されるので、ブロワ100の圧力及び流れ性能を改善することができる。
【0110】
図8、9を参照すると、底部ハウジング103は、環状壁150を備える。ハウジング101は、底部ハウジングキャップ141をさらに備える。底部ハウジングキャップ141は、複数の底部ハウジングキャップアパーチャ152を含む。環状壁150は、ネジ、ボルト、又は他の締結具を介して、底部ハウジングキャップ141を底部ハウジング103に取り外し可能に結合するための、そこから延在する複数のラグ153を備える。或いは、ラグ/ネジ装置の代わりに、たとえば、溶接、接着、又は粘着接合技術の使用など、他の結合手段が使用される可能性がある。環状壁150は、底部ハウジングキャップ141に結合されたとき、モータ組立体110を収容するための内部領域155(内部空洞)を形成する。底部ハウジングキャップ141は、内部空洞155及び/又は内部空洞155内に含まれるモータ組立体などの構成要素へのアクセスを可能とするために、底部ハウジング103から取り外すことができる。底部ハウジングキャップアパーチャ152により、底部ハウジングアパーチャ148を介した、ブロワ100への/ブロワ100からの空気流も可能となる。底部ハウジングアパーチャ148とともに、底部ハウジングキャップアパーチャ152は、ブロワ100にさらなる空気流路(ポート)を提供する。さらに、底部ハウジングキャップアパーチャ152により、さらなる及び/又は代替の空気流路の結果として、モータの冷却が改善される。アパーチャ152はブロワ100のための(底部ハウジングアパーチャ148を介した)さらなる入口としての機能を果たすことができるので、モータを通る流量を増加させることも可能である。
【0111】
頂部ハウジング102、底部ハウジング103、及び底部ハウジングキャップ141は、渦流ブロワハウジング101を形成するために組み立てられる。頂部ハウジング102及び底部ハウジング103は、一列に並ぶ頂部ハウジング102及び底部ハウジング103の対応するラグに位置するネジ、ボルト、又は他の適切な締結具とともに保持される。底部ハウジング103及び底部ハウジングキャップ141は、ネジ、ボルト、又は他の適切な締結具で一緒に保持される。或いは、頂部ハウジング102、底部ハウジング103、及び/又は底部ハウジングキャップ141は、クリップ、差し込みピン、プレスフィット/摩擦嵌合、スナップフィット機構、摩擦圧接、超音波溶接接合、又は任意の他の適切な接合方法によって一緒に保持することができる。
【0112】
頂部ハウジング102及び底部ハウジング103がこのように引き合わされると、空気流チャネル132及びインペラチャネル145は一体となり、チャネル104を形成する。インペラチャネル145は、インペラ115に適合するように配置され、空気流チャネル132は、使用時、インペラ115によって移動する空気の再循環、停滞、又は再生が可能となるように配置される。
【0113】
2.2.3 インタラプタ
作動中、インペラブレード175は、インペラチャネル145内で回転し、入口ポート120から出口ポート121へのチャネル104を通る空気の流れを提供する。インタラプタ125は、入口ポート120と出口ポート121との間に設けられ、出口ポート121から入口ポート120への逆方向の空気流を制限する。
【0114】
図1のブロワ100の頂部ハウジング102の底面図を示す
図11~13を参照すると、インタラプタ125は、入口ポート120を出口ポート121から分離するインタラプタ有効領域(
図12の陰影部参照)を画定する。インタラプタ有効領域は、ブロワの使用中、出口ポート121から入口ポート120への空気流を制限する(すなわち、妨げる又はブロックする)ために働く、頂部ハウジング102上のインタラプタ125によって遮断された領域である。インタラプタ125は、入口ポート120と出口ポート121との間の頂部ハウジング102内に遮断壁を備える(そうでない場合、空気流チャネル132は、連続して、完全に環状になる)。遮断壁は、入口ポート120と出口ポート121との間で、周縁部分131と頂部ハウジング102の内部のボス139との間を延在するブリッジとして形成されたブロックを備える。
【0115】
空気流チャネル132は、入口ポート120及び/又は出口ポート121の周縁のまわりで、インタラプタ125の方へ上方に傾斜する。インタラプタ125は、リーディング面161とトレーリング面160とを備える。リーディング面161は、インペラブレード175が、与えられた回転中に、初めてインタラプタ125に遭遇したときに、通過する面である。トレーリング面160は、インペラブレード175が、インタラプタ125の横断を完了したときに、通過する面である。入口ポート120及び出口ポート121はそれぞれ、インタラプタ縁部163と空気流チャネル縁部165とを含む。インタラプタ縁部163は、インタラプタ125の一部に隣接する、且つ/又は、インタラプタ125の一部を形成する、入口ポート120及び/又は出口ポート121の縁部である。示される構成では、(
図11に示される)出口ポート120のインタラプタ縁部163は、インタラプタ125のリーディング面161の縁部である。示される構成では、入口ポートのインタラプタ縁部163は、インタラプタ161のトレーリング面160の縁部である。入口ポート120及び出口ポート121のそれぞれの空気流チャネル縁部165は、頂部ハウジング102の空気流チャネル132の境界の一部に隣接する、又は、頂部ハウジング102の空気流チャネル132の境界の一部を形成するそれぞれのポートの縁部である。示される構成では、インタラプタ縁部163及び空気流チャネル縁部165はそれぞれ、丸められている。丸められた縁部は、インペラ115が入口ポート120及び出口ポート121を過ぎて(通過して)回転するときの、ブレード通過騒音の低下に役立つ。代替形態では、インタラプタ縁部162及び空気流チャネル縁部165はそれぞれ、異なるふるまいが望ましい場合、丸くない又は四角い縁部とすることができ、又は、面取り縁部とすることができる。たとえば、より鋭い縁部は、結果としてより良好な圧力及び流れ性能をもたらし、電力消費にとって有利であり、そのため、騒音が大きな懸念ではない所で使用することができる。
【0116】
2.2.4 モータ
底部ハウジングアパーチャ148は十分に大きいので、ロータ113が通過することができる。これは、モータの製造工程において有益である。インペラ115及びロータ113は、シャフト112に取り付けることができ、次いで、組み合わせたインペラ/シャフト/ロータ部分は、底部ハウジングアパーチャ148を通して取り付けることができる。シャフト112のロータ113を有する側は、ロータ113が底部ハウジング103の底面上にあるように、底部ハウジングアパーチャ148を通して移動され、インペラ115は、底部ハウジングのインペラチャネル145内に取り付けられる。これにより、ブロワ100の製造に関係するコスト及び/又はステップの数を削減することができる。
【0117】
2.2.5 インペラ
上記のように、インペラ115は、インペラチャネル145内(チャネル104の底部)に置かれて、その中で回転する。
図14~18は、インペラ115の可能な実施形態を示す。インペラは、モータ110から延在するシャフト112上にインペラ115を支持するために、アパーチャ171を有する中央ハブ170を備える。中央支持プレート173上に支持された複数のスポーク172は、ハブ170から、インペラブレード175を支持する環状のインペラブレード支持チャネル174の内側まで延在する。支持チャネルは半円形断面を有し、それ自体、中空のトーラスの底部の形態をとる。インペラブレード175は、支持チャネル174内に位置し、支持チャネル174の内側から外側まで延在する。ブレード175は、支持チャネル174の断面に一致する半円形状であり、直線状の頂縁と、支持チャネル174に適合する半円形底縁とを有する。ポケット178は、各インペラブレード175間に形成される。或いは、他の構成では、支持チャネル174及び/又はブレード175は、半卵形、長方形、又は別の形状/多角形などの異なる断面をとることができる。インペラ115は、任意の適切な数、好ましくは、奇数、より好ましくは、ブレード通過騒音、高調波、共振、及び/又は他の振動を低減する素数のブレードを有することができる。非限定的な例として、ブレードの数は、素数47、53、59、61、67、71、73、79、又は、素数の前後の数、たとえば、46、48、52、54、58、60、63、66、68、70、72、74、78、80から選択される可能性がある。一例として、本実施形態による図に示されたインペラ115は、61枚のブレードを有する。ブレード175は、インペラ115の中心からとられる角度に関して約7.7°(47枚のブレード)~4.55°(79枚のブレード)(たとえば、5.9°(61枚のブレード)に等しい、又は、約5.9°(61枚のブレード))互いから離れて、インペラ115のまわりで均一に分布する。他の数のブレード及び他の角度の分布も可能である。インペラブレードの数とインペラブレードの各隣接する組の間の角度との関係は、以下の形態とすることができる。
【数2】
ここで、θはそれぞれのインペラブレード間の角度(使用される式に応じて、度又はラジアン)であり、Nはインペラブレードの数である。
【0118】
示されるようなインペラブレード175は、インペラ115の中心からの線に沿って半径方向に延在する。他の構成では、インペラブレード175は、(頂部及び/又は側部から見たとき)放射状線に対して角度をつけられる可能性があり、たとえば、湾曲している、曲がっている、又は曲りくねっている可能性がある。インペラブレード175は、垂直に対して角度をつけられる可能性もある。たとえば、(支持チャネル174に接続する)各インペラブレード175の底部は、インペラブレード175の頂部からオフセットされている可能性がある。スポーク172は、インペラ115に剛性及び強度を提供するのを助ける。
【0119】
本実施形態及び次の実施形態において、インペラ115は、軽量であるように構築される。たとえば、軽量材料を使用することができる。また、最小限の材料による、ブレード間の大きな間隙を有する薄いブレードが、重量を減少させるために実装される可能性がある。軽量のインペラは、製造コスト、低回転慣性などの利点を提供し、均衡が保たれる、又は、製造後、回転可能に均衡を保つ努力をほとんど必要としない。低回転慣性のインペラは、急加速及び急減速することができる。したがって、軽量のインペラは、インペラが作動する呼吸補助デバイスに接続された患者の通常の吸気及び呼気サイクルなど、変動する圧力要件にすぐに応答するのに適している。
【0120】
2.2.6 作動
ブロワ100は、前述の機器のうちの1つなどのガス流機器で使用して、ガス流機器600を作動させることができる。少なくとも1つの形態において、呼吸試験装置600は、呼吸補助機器600とすることができる。コントローラは、ブロワ100の作動の制御、特に、モータへの電力の供給及びモータの作動(より一般的には、モータへの「通電」)の制御に使用される。
図2、5A、5Bを参照すると、1つの構成では、渦流ブロワ100は、コントローラによって操作されて、単一の方向に送風する。コントローラは、電力及び制御を与えてモータを回転させ、次に、インペラチャネル145内のインペラ115を回転させて、入口ポート120を通して空気を吸い込み、出口ポート121を通して空気を吹き出す。
【0121】
別の構成において、渦流ブロワ100は、第1の回転方向及び反対すなわち第2の回転方向の両方向にインペラ115を回転させる(すなわち、二重出口、双方向、又は可逆的ブロワとして機能する)ように構成することができる。コントローラは、第1の回転方向にインペラ115を回転させるために、モータに電圧を加えて作動させ、ハウジングの出口ポートを出るガスの流れを発生させる。モータに電圧を加えて反対の第2の回転方向にインペラ115を回転させることによって、ハウジングの、元は入口ポートであった、現在は出口ポートであるポートを出るガスの流れを発生させ、元は出口ポートであった、現在は入口ポートであるポートを通して空気を吸い込む。そのため、入口ポート及び出口ポートを厳密に有することとは対照的に、双方向ブロワは、第1のポート及び第2のポートを有すると言うことができ、ここで、第1のポートは、第1の方向に吹き出すとき、入口であり、第2のポートは、第2の方向に吹き出すとき、入口である。
図13は、逆方向のブロワを示す。
【0122】
インペラ115の回転方向を循環させることによって、ブロワ100のポートの1つにおいて、正圧と負圧との間の急速な変化が可能になる。素早く反転可能なブロワは、肺のシミュレート、又は、呼吸が困難である患者への人工呼吸の提供を含む用途において有用である可能性がある。前述のもの(又は、参照により本明細書に完全に組み込まれる国際公開第2013009193号に記載されたものなどの原理による構造)などの、軽量且つ/又は低慣性のインペラが使用されるときに、この効果は最も発揮することができ、それは、慣性モーメントが軽量のインペラのために最小化されるためである。軽量且つ/又は低慣性のインペラは、流れの方向を変えるために素早く方向を変えるように構成されたモータのエネルギ消費を低減させる。
【0123】
第3の構成では、渦流ブロワは、吸引発生装置として構成することができる。このような吸引発生装置が、吸引システム、又は、吸引を提供するように構成されるシステムの一部として使用される可能性がある。渦流ブロワは、入口で吸引又は部分真空を生成するように配置され、チューブに接続される。これにより、ブロワをガス排気又はガス除去デバイスとして使用することができる。
【0124】
2.2.7 第1の実施形態のための例示的な大きさ
第1の実施形態の大きさの例示的で非限定的な例が以下に記載される。
【0125】
図5Aを参照すると、渦流ブロワハウジングの直径はD(ラグを含む)であり、この直径は、記載される他の特徴を有して組み立てられ、本明細書に記載される作動機能を実現する、ハウジングのための任意の適切な大きさである可能性がある。1つの非限定的な例では、渦流ブロワの直径Dは、約80mm~110mmであり、たとえば、90.4mmに等しい、又は、約90.4mmである。
【0126】
図12は、頂部ハウジング102の中心に対する、インタラプタ125の可能な角度構成を示す。1つの非限定的な例では、
・ 角度θは約45°~55°であり、たとえば、約49.22°又は約45.4°である。
・ A1とA2との間の弧長Aは、約16mm~22mm、たとえば、約17.83mmである。
・ B1とB2との間の弧長Bは、約27mm~34mm、たとえば、約29.85mmである。
・ したがって、A:Bの比率は、約1:2.13~1:1.22であり、17.83:29.85、又は約1:1.67であることができる
【0127】
図14~18を参照すると、インペラブレード175は、インペラ115の中心からとられる角度に関して約7.7°(47枚のブレード)~4.55°(79枚のブレード)(たとえば、5.9°に等しい、又は、約5.9°)互いから離れて、インペラ115のまわりで均一に分布する。インペラ115は、直径D、ブレード長さBL、及び高さIHを有し、これらは、本明細書に記載される作動機能を実現する、任意の適切な長さである可能性がある。非限定的な例として、1つの構成でのインペラの直径は、約50mm~90mm、たとえば、70.5mmに等しい、又は約70.5mmである可能性がある。少なくとも1つの構成では、インペラ115は、約10mm~20mm、たとえば、14mmに等しい、又は約14mmのブレード長さを有することができる。少なくとも1つの構成では、インペラ115は、約5mm~10mm、たとえば、7.5mmに等しい、又は約7.5mmのインペラ高さを有することができる。また、非限定的な例として、ブレード表面積は、約50mm2~100mm2、たとえば、76.95mm2に等しい、又は76.95mm2である可能性がある。非限定的な例では、インペラ115は、ABSプラスチックなどのプラスチック、又は他の材料から作ることができ、結果として低慣性モーメントの比較的軽量なインペラになる。一例として、ABSプラスチックから作られるインペラ又は上記の大きさと同様のインペラは、約3g~12gの重さであり、たとえば、ABSプラスチックから作られる場合、6.7gに等しい、又は約6.7g、或いは、3Dプリント材料(たとえば、フォトポリマ樹脂)から作られる場合、8gの重さである。
【0128】
2.3 渦流ブロワの第2の実施形態
図19~32は、第2の実施形態による渦流ブロワを示す。第1の実施形態の特徴と同じ又は類似している第2の実施形態の特徴は、完全には記載されない、又は、まったく記載されないことがあるが、第1の実施形態又は本明細書に記載される任意の他の実施形態に関する記載の関連部分は、必要に応じて、この実施形態に適用されることは当業者によって理解されるであろう。
【0129】
2.3.1 概要
図19を参照すると、第2の実施形態の渦流ブロワ200は、第1の実施形態と同様に、頂部ハウジング202と底部ハウジング203とを有するハウジング201を備える。ハウジング201は、入口及び出口のための第1のポート220及び第2のポート221と、チャネル204と、インタラプタ225と、ステータ211、ロータ213、シャフト211、及びモータ210に結合されたインペラ215を含むモータ組立体210とを備える。インペラ215は、第1の実施形態に関して前で記載されたものとすることができる。
【0130】
他の実施形態に関して記載されないことがある、第2の実施形態によるブロワの特徴は、ここで、さらに詳細に記載される。
【0131】
2.3.2 ハウジング-構成#1
他の実施形態と同様に、ブロワハウジング201は、頂部ハウジング202と、底部ハウジング203と、底部ハウジングキャップ241とを備える。
【0132】
(
図19~28に示される)第2の実施形態の第1の構成では、頂部ハウジング202は、第1のポート220及び第2のポート221(入口ポート及び出口ポート)の(第1の実施形態と比較して)異なる構成を提供する。入口ポート220は、アパーチャ220Aと、入口カラー220Bと、入口導管220Cとを備える。入口アパーチャ220A及び入口カラー220Bは、頂部ハウジング202の中心の近くに配置され、入口アパーチャ220Aは、頂部ハウジング202から離れるように向くある角度で傾斜している。入口カラー220B及び入口アパーチャ220Aは、頂部ハウジング202から離れて垂直に間隔をあけている。入口カラー220Bは、少なくとも部分的に螺旋/スパイラル(部分的回転)状にそのまわりを下に曲がる入口導管220Cに延在し、2つの間の名目上の入口接合部270で、頂部ハウジング202の空気流チャネル232に接合して一体的に形成する。これを実現するために、入口ポート220は、空気流チャネル232の平面に対して垂直以外の角度で傾斜して、空気流チャネル232の曲線に続く曲線に沿って延在し、ここで、平面は、空気流チャネル232の平面であり、空気流チャネルは、たとえば、
図1の一般的な実施形態で示される上側チャネルである。任意の物理的接合部が必ずしもあるというわけではない(しかし、物理的接合部があってもよい)が、むしろ、これは、単に導管220Cが空気流チャネル232になったとみなされる名目上の接合部であることに注目すべきである。入口カラー220B、アパーチャ220A、及び導管220Cは、入口ポート220を形成する。空気流チャネル232は、頂部ハウジングの周縁部分231の中で同心円状にまわりを曲がり、次いで、出口ポート221に一体的に延在して形成する。出口ポート221は、出口カラー221Bと出口アパーチャ221Aとを有する出口導管221Cを備える。空気流チャネル232は、名目上の出口接合部271で、出口導管221Cと交わる。任意の物理的接合部が必ずしもあるというわけではない(しかし、物理的接合部があってもよい)が、むしろ、これは、単に導管221Cが空気流チャネル232になったとみなされる名目上の接合部であることに注目すべきである。出口導管221C、カラー221B及びアパーチャ221Aは、部分的に螺旋状に、空気流チャネルから接線方向に延在するように構成されて、配置される。出口ポート221は、弓形の空気流チャネル232の平面に対して垂直以外の角度で延在する。この構成では、入口ポート220及び出口ポート221は、空気流チャネル232とともにスパイラル(又は、部分的なスパイラル、たとえば、部分的な螺線)を形成する。スパイラルは、一定の又は可変のピッチ及び半径とすることができる。
【0133】
この構成は、(部分的に螺旋流路及び入口導管220Cを通って曲がった後)ほぼ点「A」で接線方向に又は少なくとも部分的に接線方向に、空気をチャネル204に導入し、チャネル204のインペラブレード領域(「インペラチャネル」)に配設されたインペラ225全体に空気を向ける。構成は、インペラの回転に対して接線方向に、略接線方向に、又は少なくとも部分的に接線方向に、ブロワ200からの出口空気流も提供する。第1のポート及び第2のポートの構成は、ブロワ200内の内部流れ抵抗を低減し、性能を改善する。これにより、同様に寸法決めされたインペラを有するが、入口ポートがインペラ回転の方向に対して垂直に向けられ、且つ、出口がインペラ回転の方向に対して垂直に向けられた渦流ブロワと比較して、より良好な圧力及び流れ性能を実現することができる。
【0134】
本実施形態200では、ハウジング201のチャネル204は、頂部ハウジング202及び頂部ハウジング202に形成された空気流チャネル232の構成から明らかなように、第1の実施形態に対して前述されたものとは異なる構成を有する。
図26を参照すると、頂部ハウジング202は円形ではないが、むしろ、名目上の円形周縁231から突出する偏心部分280を有する。空気流チャネル232は、入口導管220Cが空気流チャネル232と一体的に形成する名目上の入口接合部270において一端を有し、空気流チャネル232は、出口導管221Cが空気流チャネル232と一体的に交わる名目上の出口接合部271に到達するまで、周縁部分231内で同心円状に頂部ハウジング202において半径R1で略円形状に延在する。そこから、空気流チャネル232は、周縁231の内部で、湾曲しているが次第により大きな半径(R2~Rx)の頂部ハウジング202の偏心部分280への経路に従い続ける。これにより、結果として少なくとも部分的にスパイラル状形態を有する空気流チャネル232及び出口ポート221になる。空気流チャネル232は、名目上の接合部271で終了するように考えられてもよく、その点の後、空気流チャネル232は、出口導管221Cの部分になる。空気流チャネル232は、頂部ハウジング202の頂部カバーに形成される半円形断面を有する(たとえば、
図19参照)。空気流チャネル232は、入口ポート220と出口ポート221との間でインタラプタ225によって区切られている。よって、空気流チャネル232は、完全な環状チャネルではない。インタラプタ225は、後で詳細に記載される。
【0135】
底部ハウジング203は、ブロワ100に関して記載されたインペラチャネル145に類似のインペラチャネル245を少なくとも部分的に画定する。第1の実施形態と同じように、インペラチャネル245は円形であり、インペラ215は、その中で回転する。空気再循環路により、入口ポート220から出口ポート221への途中で再循環空気がインペラ215に複数回、遭遇することが可能になる。空気は、空気再循環路を通って循環し、インペラの通過ごとの連続した圧力上昇が可能になり、ブロワ200の渦流特性がもたらされる。
【0136】
2.3.3 インタラプタ-構成#1
(
図27及び28の灰色のインタラプタ領域を提供する)第2の実施形態のインタラプタ225は、第1の実施形態とは異なり、
図27、28を参照して記載される。インタラプタは曲げてあり、空気流チャネル232のリーディング面261上のより短い弧長と、空気流チャネル232のトレーリング面260上のより長い弧長とを有する。インタラプタ225のこの構成は、インペラブレードと直角ではないリーディング面261及びトレーリング面260を提供する。すなわち、リーディング面261及びトレーリング面260(及び、その縁部)は、インペラブレードが回転するとき、インペラブレードに対してある角度をなして存在するように向けられる、且つ/又は、形づくられる。
【0137】
第2の実施形態のインタラプタ225(
図27及び28に示される)の第1の構成では、インタラプタ225は、入口ポート220と出口ポート221との間の頂部ハウジング202上に遮断壁を備える。遮断壁は、ハブ239と周縁部分231との間のブリッジの形態である。インタラプタ225は、出口導管221Cと近い/インタフェースするリーディング面261を備え(リーディング面261)、頂部ハウジング202上に出口導管221Cの少なくともいくつかの壁を形成する。リーディング面261は、出口導管221Cの凹面に従って湾曲した凹形である。リーディング面261は、曲げられたリーディング面の形態とすることができる。リーディング面261は、
図27に示されるように、インタラプタ225の底部から見たとき、曲げることができる。リーディング面261は、リーディングエッジを備えることができる。リーディング面261は、頂部ハウジング202の空気流チャネル232にわたって点C1から点D1まで延在し、それにより、リーディング面261は、空気流チャネル232を妨げて、出口ポート221から入口ポート220に直接進む空気流を制限する。リーディング面261は、中央アパーチャとC1との間の半径線と、中央アパーチャと(C2と同じ半径線上にもある)D1との間の半径線との間で形成される角度Cを通り過ぎる。リーディング面261の曲線は、直線、湾曲、又は同様のものなど、任意の適切な形状
又は構成とすることができる。角度Cは、リーディング面261が、必要な構成及び出口導管の構成に応じて、半径の間から接線方向まで任意の構成をとってもよいような任意のものとすることができる。
【0138】
インタラプタ225は、入口導管220Cと近い/インタフェースするトレーリング面260も有し、頂部ハウジング202上に入口導管220Cの少なくともいくつかの壁を形成する。トレーリング面260は、入口導管220Cの凹面に従って湾曲した凹形である。トレーリング面260は、インタラプタ225の底部から見たとき、曲げることができる。トレーリング面260は、頂部ハウジング202の空気流チャネル232にわたって点C2から点D2まで延在し、それにより、インタラプタ225は、空気流チャネル232を妨げて、出口ポート221から入口ポート220に直接進む空気流を制限する。トレーリング面260は、中央アパーチャとC2との間の半径線と、中央アパーチャとD2との間の半径線との間で形成される角度Dを通り過ぎる。トレーリング面260の曲線は、任意の適切な形状の構成とすることができる。角度Dは、曲げられた縁部が、必要な構成及び入口導管220Cの構成に応じて、半径の間から接線方向まで任意の構成をとってもよいような任意のものとすることができる。
【0139】
本構成では、点C1と点C2との間の弧長は、点D1と点D2との間の弧長より小さい。さらにまた、点D1は、原点及びC1を通過する放射状線から反時計回りに移動されている(
図27に示されるように、頂部ハウジングを下から見たとき)。インペラの回転軸の中心と点C1及びC2との間に形成される角度C(角度C)は、D1とD2との間に形成される対応する角度(角度D)より小さい。これらの設計特性は、「曲げられた」インタラプタプロファイルをもたらし、ここで、リーディングエッジ及びトレーリングエッジは「曲げられる」。
【0140】
図28は、インペラ215/インペラブレード275の回転及びインペラブレード275の結果として得られる経路を示す。インペラブレード275は、内部の破線円から外部の破線円にわたり、下部ハウジング203におけるインペラチャネル245を表す。インペラ215が回転すると、ブレードは、インタラプタ225の曲げられたリーディング面261を通過する。インタラプタ225の構成(すなわち、その形状及び向き)は、複数のインペラブレード275が、インペラ215の回転中のいずれかの時点でリーディング面261を通過するような構成である。また、インタラプタ225のこの構成は、各インペラブレード275が(ゼロ以外の)角度(すなわち、平行でない)でリーディング面261と交差するように、リーディングエッジ261はインペラブレード275と直角ではないことを示すことを意味する。これにより、ブレードがインタラプタ225を通過するとき、インペラ215によって生じる騒音が低減する。これは、各インペラブレード自体がインタラプタ225を通過することに加えて、インタラプタ225を通過した場合に押される空気の容積によって生じる相互作用が、長い時間に引き延ばされるためである。各インペラブレード275は、曲げられた/湾曲したリーディング面261に遭遇し、リーディング面261と角度φを形成する。
【0141】
インペラ215が回転すると、インペラチャネル245内で回転する各インペラブレードは、インタラプタ225の曲げられたリーディングエッジ261に段階的に交わる。各インペラブレードのリーディング面は、C1でインタラプタ225を最初に通過し、さらなる回転後、インタラプタ225の中央部分を通過し、次いで、インペラブレードのトレーリングエッジは、(ゼロ以外の)角度で、D1でインタラプタのトレーリングエッジ(及び、トレーリング面261)を最終的に通過し、その結果、複数のブレードは移動中、いずれかの時点でトレーリング面261を通り過ぎる。したがって、インペラ215はインタラプタ225を、弧を描く又はスライスする動きで通過し、リーディング面261及びトレーリング面260が曲げられる/湾曲することで、それぞれ、インペラブレードに対してある角度で存在する。インペラブレード275による(ゼロ以外の)角度でのインタラプタ225の段階的な通過により、インペラとインタラプタとの相互作用によってブロワ200に生じる騒音は実質的に低減される。インタラプタの曲げられたリーディング面261によって、さらに多くのインペラブレードが所定の時間にインタラプタ境界を同時に通過する(通り過ぎる、又は、遭遇する)とき、騒音はさらに低減する。
【0142】
2.3.4 インタラプタ-構成#2
本実施形態のインタラプタの第2の構成では、インタラプタの長さ、したがって、入口ポートと出口ポートとの間の距離は、第1の構成と比較して増加する。すなわち、空気流チャネルの長さは減少する。
【0143】
図29、30は、第2の構成の空気流チャネル232’及びインタラプタ225’を示す頂部ハウジング202’の底面図である。インタラプタトレーリング面260’は、頂部ハウジング202’の空気流チャネル232’のより後の点(E2)で始まり、頂部ハウジング202’の空気流チャネル232’のまわりで(点F2まで)さらに延在し、より大きなインタラプタ有効領域を提供する。点E2はさらに、入口ポート220’及び空気流チャネル232’の名目上の接合部270’にある。トレーリング面260’は、頂部ハウジングの底部から見たとき、頂部ハウジング202’の空気流チャネル232’にわたって点E2から点F2まで延在する曲げられた凹構成であり、それにより、インタラプタ225’は、空気流チャネル232’を妨げて、出口ポート221’から入口ポート220’に直接進む空気流を制限する。トレーリング面260’は、中央アパーチャとE2との間の半径線と、中央アパーチャとF2との間の半径線との間に形成される角度Gを通り過ぎる。トレーリング面260’の曲線は、任意の適切な形状の構成とすることができる。角度Gは、曲げられたトレーリング面260’が、必要な構成及び入口導管の構成に応じて、半径の間から接線方向まで任意の構成をとってもよいような任意のものとすることができる。点E1と点E2との間の弧長は、点F1と点F2との間の弧長より小さく、ここでも、「曲げられた」インタラプタプロファイルをもたらす。インペラの回転軸の中心と点E1及びE2との間に形成される角度Eは、F1とF2との間に形成される対応する角度Fより小さく、F1は、E1を通る放射状線に対して反時計回りに回転されている。
【0144】
インタラプタのリーディング面261は、第1の構成と類似しているままであるが、弓形チャネルにおけるわずかにより進んだ点の点E1で始まってもよい。トレーリング面260’がリーディング面261より大きな角度で位置しているので、空気流チャネル232’は短くなる。
【0145】
第1の構成と同様に、第2の構成のインタラプタは、既存の渦流ブロワと比較してブレード通過騒音を低減する。インタラプタが長いほど、入口ポートと出口ポートとの間の空気漏洩がより減少する。しかしながら、全体として、2つのインタラプタ構成は同様に機能する。
【0146】
2.3.5 ハウジング-構成#2
構成#2のインタラプタは、頂部ハウジングの入口ポート220及び出口ポート221のわずかに異なる構成をもたらす。
図31、32を参照すると、入口アパーチャ220A及びカラー220Bは、弓形の経路に沿って出口アパーチャ221A及びカラー221Bからさらに離れて間隔をあけており、空気流チャネル232’のまわりの構成#1よりさらに後の位置の名目上の入口接合部270’で、入口導管は空気流チャネル232’に一体的に形成される。
【0147】
2.3.6 第2の実施形態のための例示的な大きさ
第2の実施形態の大きさの例示的で非限定的な例が以下に記載される。
【0148】
非限定的な例として、入口は、入口螺旋部を含むことができる。入口螺線は、螺線のベースの中央の原点に対して、可変ピッチ螺線である入口の部分的な螺線である。
図22、23を参照すると、入口は、以下の大きさを有する可能性がある。
・ 螺線が空気流チャネルで交わる所で、螺線は以下の大きさを有する。
・ 高さ=0、回転=0、ピッチ(P)=20mm、半径(R)=27.75mm(直径=55.5mm)
・ 螺線が終わる所で、螺旋は以下の大きさを有する。
・ 高さ=18mm、回転=0.3、ピッチ=100mm、半径=13mm(直径=26mm)
・ ここで、回転=0.3は、螺線が完全な回転の30%、すなわち108°回転したことを意味する。
・ 或いは、入口螺線が空気流チャネルと交わる所で、螺線は、以下の範囲内の大きさを有することができる。
・ 高さ=0、回転=0、ピッチ=10~30mm、半径=25~30mm(直径=50~60mm)
・ 代替の配置が終わる所で、螺旋は以下の大きさを有してもよい。
・ 高さ=15~20mm、回転=0.2~0.4、ピッチ=90~110mm、半径=10~20mm(直径=20~40mm)。
【0149】
代替的な非限定的な例では、入口螺線は、標準的な(可変ではない)螺線とすることができる。入口は以下の大きさを有する。
・ ピッチ=20mm、半径=27.75mm(直径=55.5mm)、又は
・ ピッチ=100mm、半径=13mm(直径=26mm)。
【0150】
代替的な非限定的な例では、入口螺線は、大きさが以下の範囲内にある標準的な(可変ではない)螺線とすることができる。
・ ピッチ=10~110mm、半径=15~40mm(直径=30~80mm)。
【0151】
代替的な構成では、これらの大きさは、寸法要件又はブロワの制約に応じて、変化してもよい。
【0152】
図22、23を参照すると、出口ポートは、出口螺旋部を含むことができる。出口螺線も、可変ピッチ螺線である。螺線が空気流チャネルと交わる所で、螺線は以下の特性を有する。
高さ=0、回転=0、ピッチ=7mm、半径=27.75mm(直径=55.5mm)
螺線が終わる所で、螺旋は以下の特性を有する。
高さ=11mm、回転=0.2、ピッチ=103mm、半径=45mm(直径=90mm)
・ 或いは、出口螺線が環状チャネルと交わる所で、螺線は、以下の範囲内の大きさを有することができる。
・ 高さ=0、回転=0、ピッチ=2~20mm、半径=20~35mm(直径=40~70mm)
・ 代替の配置が終わる所で、螺旋は以下の大きさを有してもよい。
・ 高さ=5~20mm、回転=0.1~0.4、ピッチ=80~120mm、半径=20~70mm(直径=40~140mm)。
【0153】
或いは、出口螺線は、以下の特性を有する標準的な又は可変ではない螺線とすることができる。
ピッチ=7mm、半径=27.75mm(直径=55.5mm)、又は
ピッチ=103mm、半径=45mm(直径=90mm)。
【0154】
代替的な非限定的な例では、出口螺線は、大きさが以下の範囲内にある標準的な(可変ではない)螺線とすることができる。
・ ピッチ=2~120mm、半径=15~60mm(直径=30~120mm)。
【0155】
記載される螺線に対する特定の物理的制約は、入口ポート及び出口ポートが互いに通過できない設計で説明される。
【0156】
より一般的には、入口螺旋部及び/又は出口螺旋部のプロファイルは、ブロワの物理的制約に応じて、約10~約40mmの半径を有する螺線、及び、約1~約120mmのピッチとすることができる。
【0157】
インタラプタの構成#1の1つの非限定的な例では、点C1と点C2との間のインタラプタの弧長は、点D1と点D2との間の弧長より小さい。さらにまた、点D1は、原点及びC1を通過する放射状線から反時計回りに移動されている。インペラの回転軸の中心と点C1及びC2との間に形成される角度C(角度C)は、D1とD2との間に形成される対応する角度(角度D)より小さい。角度Cは、約55°~70°、たとえば、63.2°に等しい、又は約63.2°であり、角度Dは、約60°~80°、たとえば、69.6°に等しい、又は約69.6°である。インタラプタ有効領域は領域IA1を有し、IA1は
図28の灰色の領域である。示される実施形態では、IA1は、約200mm
2~300mm
2、たとえば、247.43mm
2に等しい、又は約247.43mm
2である。
【0158】
インタラプタの構成#2の1つの非限定的な例では、角度Eは、約140°~165°、たとえば、153.6°に等しい、又は約153.6°であり、角度Fは、約150°~170°、たとえば、159.6°に等しい、又は約159.6°である。本構成のインタラプタ有効領域は領域IA2を有し、IA2は
図30の灰色の領域である。示される実施形態では、IA2は、約700mm
2~1000mm
2、たとえば、856.17mm
2に等しい、又は約856.17mm
2である。比較してみると、IA1:IA2の比率は、約1:2~1:5、たとえば、247.43:856.17に等しい、又は約247.43:856.17、或いは、1:3.46に等しい、又は約1:3.46である。したがって、インタラプタの構成#1の例のインタラプタ有効領域は、インタラプタの構成#2の例のインタラプタ有効領域の表面積の約2倍~5倍、たとえば、3.46倍に等しい、又は約3.46倍、すなわち、領域の大きさの約200%~500%、或いは、346%に等しい、又は約346%である。
【0159】
各放射状インペラブレードは、曲げられたリーディング面に遭遇し、リーディング面の曲げられた境界と角度φを形成する。1つの非限定的な例では、φは最初、各インペラブレードの内縁が曲げられた境界に遭遇するとき、約80°~110°、たとえば、90°に等しい、又は約90°である。この角度は、曲げられた境界の長さに沿って変化し、インペラブレードの先端において、約35°~45°、たとえば、41°に等しい、又は約41°で終わる。
【0160】
2.4 渦流ブロワの第3の実施形態
図33~66は、第3の実施形態による渦流ブロワ300を示す。第1の実施形態又は第2の実施形態の特徴と同じ又は類似している第3の実施形態の特徴は、完全には記載されない、又は、まったく記載されないことがあるが、第1及び第2の実施形態又は本明細書に記載される任意の他の実施形態に関する記載の関連部分は、必要に応じて、この実施形態に適用されることは当業者によって理解されるであろう。
【0161】
2.4.1 概要
渦流ブロワ300は、モータ及びチャネル304のための内部領域を形成するために結合された頂部ハウジング302及び底部ハウジング303から形成されたハウジング301を備える。ハウジング301は、第1のポート320と第2のポート321とを備え、それらは、チャネル304に対する入口及び出口を提供することができ/チャネル304に対する入口及び出口として機能することができる。前述のように、第1のポート320及び第2のポート321ポートを通る空気流の方向は、各ポートが、インペラの回転方向に応じて、入口又は出口の働きをすることができるように反転可能である。第1のポート320及び第2のポート321は、互いに対して平行又は略平行であり、それぞれ、ハウジング301と一体的に形成されて、ブロワ300のチャネル304と流体連通する。
【0162】
本実施形態では、チャネル304は、空気流チャネル332とインペラチャネル345とを備える。空気流チャネルは、
図1の一般的な実施形態に対して前述され、後述されるような、(弓形の)上側空気流チャネル332Aと、下側空気流弓形チャネル332Bと、側方空気流チャネル332Cとを備える。上側空気流チャネル332A及び下側空気流チャネル332Bは、それぞれ頂部ハウジング及び底部ハウジングによって画定され、インペラチャネル/インペラの上及び下に空気流チャネルを提供する。換言すれば、上側空気流チャネル332Aは、インペラ315の上側(
図34に示されるように向けられたとき)と頂部ハウジング302の内面との間の空間で画定される。下側空気流チャネル332Bは、インペラ315の下側(
図34に示されるように向けられたとき)と底部ハウジング303の内面との間の空間で画定される。これにより、インペラ315の両側での空気流が可能になる。側方空気流チャネル332Cは、上側チャネル332A及び下側チャネル332Bチャネルにおける空気流のさらなる再循環を提供する。上側空気流チャネル332A、下側空気流チャネル332B、及び側方空気流チャネル332Cは、組み合わされて、ブロワ300の空気流チャネル332を提供する。インペラ315は、インペラチャネル345の中で回転する。インペラチャネル345は、空気流チャネル332と少なくとも部分的に一致する。入口ポート320及び出口ポート321は、チャネル304/インペラチャネル345内でのインペラブレード375の回転方向に対して接線方向又は略接線方向に接近する。チャネル304は、入口ポート320と出口ポート321と間の弓形経路304B、並びに、インペラ315(インペラチャネル345)を受けるための環状空洞304Aを有する。インタラプタ325は、出口ポート321を入口ポート320から分離する。インタラプタ325は、使用中、空気流を妨げる物理的障害を設けることによって、空気流が出口ポート321から入口ポート320に漏れることを防ぐ、又は、少なくとも減少させるために働く。
【0163】
図34、35を参照すると、底部ハウジング303の内部領域に位置するステータ311、シャフト312、及びロータ313を備えるモータ組立体310がある。モータ、それらの組立体、及び動作の詳細は、当業者には知られており、ここではさらには記載しない。インペラ315は、シャフト312に結合されて、使用時、モータ310によって駆動される。
【0164】
インペラ315に形成されたインペラブレード375は、インペラチャネル345内で回転し、入口ポートへの空気流/出口ポートからの空気流を提供する。インペラブレード375とチャネル304の外壁との間にクリアランスが設けられ、側方空気流チャネル332Cを提供する。第1の実施形態及び第2の実施形態の渦流ブロワとは対照的に、インペラブレードの側端部がチャネル304の外部周縁に直接隣接していないので、第3の実施形態のチャネル304は「オープン」チャネルと考えることができる。(たとえば、
図34に示される)半径方向のクリアランスは、チャネル304の外部周縁から、インペラブレード375の端部を分離する。前の第1の実施形態及び第2の実施形態では、ブロワの性能を最大化するために、半径方向のクリアランスをできるだけ小さく、製作公差に近いように維持することが望ましかった。前述の実施形態の場合、製作公差は、インペラブレードとチャネルの端部との間の半径方向クリアランスを約0.5~1mmとすることができる。しかしながら、少なくとも1つの構成では、半径方向クリアランスは、0.5mmより小さく、たとえば、約0.1、0.2、0.3、又は0.4mmとすることができる。半径方向クリアランスを増加させることにより、チャネル304内の空気再循環路332Cが変わる。
【0165】
図34は、実施形態の空気再循環路330を示す。空気再循環路330により、入口ポートから出口ポートへの途中で再循環空気がインペラに複数回、遭遇することが可能になる。空気は、空気再循環路330を通って循環し、インペラの通過ごとの連続した圧力上昇が可能になり、ブロワ300の渦流特性がもたらされる。
【0166】
2.4.2 ハウジング-構成#1
ハウジング301は、
図40~42を参照してさらに詳細に記載される。
【0167】
ハウジング301は、頂部ハウジング302と底部ハウジング303とを備える。
図36~42を参照すると、頂部ハウジング302は、略円形部302Aから形成される略弓形体であり、第1のポート320及び第2のポート321は、略円形部の反対側から接線方向に延在する。示される構成では、第1のポート320は入口ポート320とすることができる。示される構成では、第2のポート321は出口ポート321とすることができる。この場合、空気は、第1のポート320から第2のポート321へ流れる323。頂部ハウジング302は、上側空気流チャネル332Aを画定する弓形経路/チャネルと、インペラチャネル345の少なくとも一部とを備える。それ自体及び入口アパーチャ320Aと、入口カラー320Bと、入口導管320Cとを備える略直線状の入口から形成された入口ポート320は、名目上の接合部370で上側空気流チャネル332Aと一体的に形成される。上側空気流チャネル332Aは、頂部ハウジングの略円形部分302Aに形成される。上側空気流チャネル332Aは、入口ポート320と出口ポート321との間で延在する。出口ポート321は、出口アパーチャ321Aと、出口カラー321Bと、上側空気流チャネル332Aの入口ポート320とは反対側の名目上の接合部371で一体的に形成される出口導管321Cとを備える。
【0168】
複数のラグ342は、頂部ハウジングの周縁部分に形成され、ネジ、ボルト、又は他の締結具による、頂部ハウジング302と底部ハウジング303との結合を可能にする。周囲壁331は、入口ポート320から、頂部ハウジングの周縁のまわりで、出口ポート321まで延在し、また、入口ポートと出口ポートとの間の空間の間を延在する(「前壁」331A)。上側空気流チャネル332Aの内壁は、上側空気流チャネル332Aの両側の間で延在する平坦な棚/プラトー380の上に且つそれを横切って延在する。頂部棚380上の頂部ハウジング302の内部の内側部分は、モータシャフト312の軸受を受けるためのアパーチャ又は穴338を有する中央ハブ/ボス339を備える。ハブ339は、インペラチャネル345の壁を画定する。ハブ339は、インタラプタ325と同様に、作動中、インペラ315の減少した垂直厚さの中央領域を介した出口ポート321から入口ポート320への空気の流れを妨げるバリアを作成することによって、出口ポート321から入口ポート320へ漏れる空気の流れを妨げるように働く。ハブ339と、ハブと前壁331Aとの間のチャネルより上の棚380と、前壁331Aとは、一緒に、インタラプタ325を形成し、それは、以下でさらに記載される。前壁331Aは内面369を備える。前壁331Aの内面369は、インタラプタ325の領域のインペラチャネル345の境界に隣接する、又は、インタラプタ325の領域のインペラチャネル345の境界を少なくとも部分的に画定する。
【0169】
頂部ハウジング302は、構造に補剛を提供する
図40に示されるような、三角形の格子及び中央ハブも有する。
【0170】
図41は、
図34及び35から明らかであるような、頂部ハウジングの完全高さを表さないことは認識されるべきである。それらの図から分かるように、頂部ハウジング302は、面取りされた又は丸いコーナを有する断面が長方形である(上側、下側、及び側方空気流チャネルである)空気流チャネル332の高さの大部分を形成又は保持する。下側空気流チャネル332Bの底部及び下側空気流チャネル332Bの内部コーナは、底部ハウジング303のプレートから形成され、空気流チャネル332の内面は、底部ハウジングの中央プラトー/インタラプタ部分から形成される。
図44は、底部ハウジング303及び底部ハウジングキャップ341の上部斜視図を示す。
【0171】
図43を参照すると、底部ハウジングキャップ341は、前述の実施形態に対して記載された理由のために、空気流のための複数の底部ハウジングキャップアパーチャ352も有する。
【0172】
空気流チャネル332の長さを最大化すること、したがって、インタラプタ325の長さを最小化することは通常、有益であり、それは、そうすることで、固定半径を有するインペラの圧力及び流れ性能が最大化されるためである。しかしながら、比較的小さいインタラプタを有することは、出口ポート321から入口ポート320への漏洩を防止又は最小化するために、インタラプタとインペラとの間の厳密な公差を必要とする。
【0173】
必要な公差を減少させる1つの方法は、インタラプタの長さを増加させることである。インタラプタの長さを増加させることは、空気流に対する抵抗がより高い経路を作成することによって、出口ポート321から入口ポート320までのガスの漏洩を妨げるように働く。
【0174】
2.4.3 インタラプタ
図45及び46を参照すると、(灰色で示すようにインタラプタ有効領域を形成する)インタラプタは、ハブ339、棚380、及び前壁331Aから形成される。前壁331Aは、垂直、直角、又は短手方向のインタラプタ領域367と考えることができ、棚380は、頂部ハウジング302上の平面状インタラプタ領域と考えることができる。対応する垂直且つ平面状のインタラプタ領域は、インペラ315の輪郭に一致する底部ハウジング303上にあることができ、完全なインタラプタ325を形成する。
【0175】
棚380及び前壁331Aは、インタラプタ325のリーディング面361を少なくとも部分的に画定する。リーディング面361はリーディング面と考えられるが、それは、リーディング面361が、図で識別される入口ポート320及び出口ポート321を有する事例で、インペラブレードがインペラチャネル345を通って回転するときに、各インペラブレード375が最初に遭遇するインタラプタ325の面であるためである。棚380及び前壁331Aは、インタラプタ325のトレーリング面360も少なくとも部分的に画定する。したがって、棚380は、リーディングエッジ363及びトレーリングエッジ365をそれぞれ画定する。示される構成では、リーディング面361はリーディングエッジ363を画定し、トレーリング面360はトレーリングエッジ365を画定する。リーディングエッジ363は、
図45に示されるインタラプタ有効領域がリーディング面361に交わる棚380の縁部又はコーナである。トレーリングエッジ365は、
図45に示されるインタラプタ有効領域がトレーリング面360に交わる棚380の縁部又はコーナである。棚380上のG2とH2との間の縁部は、トレーリングエッジ365を提供する。トレーリングエッジ365は、曲げられた縁部の形態とすることができる。同様に、棚380上のG1とH1との間の縁部は、リーディングエッジ361を提供する。リーディングエッジ363は、曲げられた縁部の形態とすることができる。インペラ315の回転方向が
図46に示される方向の逆方向である場合、示されたリーディング面361はトレーリング面360になり、示されたトレーリング面360はリーディング面361になる。
【0176】
図46を参照すると、インタラプタ325の構成(すなわち、その形状及び向き)は、複数のインペラブレード375が、インペラ315の回転中のいずれか時点で、リーディング面361及び/又はリーディングエッジ363を通過するような構成である。また、インタラプタ325のこの構成により、各インペラブレード375が(ゼロ以外の)角度(すなわち、平行でない)でリーディング面361及び/又はリーディングエッジ363と交差するように、リーディング面361及び/又はリーディングエッジ363がインペラブレード375と直角ではないことを示す。これは、前述の実施形態について論じられた利点を提供する。
【0177】
図47、48を参照すると、インタラプタ325は、凹部385(たとえば、ノッチ、溝、くぼみ、チャネル、又は同様のもの)を備えていてもよい可能性がある。凹部385は、それぞれ入口ポート320及び出口ポート321の内部を縁取る前壁側部331B上に配設することができる。凹部385は、前壁側部331Bの縁部を越えて、入口/出口ポート自体の導管の壁320C、321C及び/又はカラーまで延在してもよい可能性がある。これは、インタラプタ325の垂直領域上に、曲げられた境界を提供する。インタラプタの平面部分上の曲げられた縁部に加えて、垂直/横方向のインタラプタ領域上の曲げられた境界により、ブロワ300の騒音特性を改善することができる。1つの非限定的な例では、凹部は、
図47に示されるように略「v」形のノッチである。1つの例において、
図47を参照すると、各ノッチは、前壁331Aの合計水平長さの9.3%とすることができる。或いは、各ノッチは、
図47などで見たとき、(曲面に沿って測定された)前壁331Aの水平長さの5~15%、たとえば、前壁の水平長さの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15%とすることができる。
【0178】
図48を参照すると、凹部385は、出口/入口ポート320/321を縁取る前壁側部331Bの出口/入口ポート端部385Aから始まる。凹部385は、出口/入口ポート端部385Aから前壁側部331Bの前縁385Bまで(垂直面において)中心線/軸まで段階的に内部に曲がる前壁側部331Bから、頂縁385C及び底縁385Dから境界壁331Bの中心線385Eの方へ(インペラ315の回転軸と平面的な)中心軸/線まで内部に曲がる前壁側部331Bと組み合わせて形成される。これは、前壁側部331Bの長さに沿って深さが増加する境界壁331Bの中心385Eに沿ってV形断面凹部385を形成する。
【0179】
図47及び48の構成は、別の方法で記載することができる。前壁331Aは、チャネル
304の第1の端部に近い第1の側面331Bを有し、インペラブレード375は、使用時、第1の側面331Bから離れるように回転して、通過するように適合されており、第1の側面は凹部385を備える。前壁331Aは、チャネル
304の第2の端部に近い第2の側面331Bを有し、インペラブレード375は、使用時、第2の側面331Bに向けて回転して、通過するように適合されており、第2の側面は凹部385を備える。第1の側面331B上の凹部及び/又は第2の側面331B上の凹部は、a)中心軸に沿って後縁から前縁へ内側に湾曲し、b)頂縁と底縁との間で、頂縁及び底縁から中心軸の方へ内側に湾曲する。
【0180】
或いは、凹部385は、垂直インタラプタ領域367の上端から下端への勾配、略「U」形、「W」形、「M」形断面の凹部、又は同様のものなどの他の形状とすることができる。
【0181】
代替的な構成では、前壁側部331Bの凹部385の代わりに、凹部386(たとえば、溝、ノッチ、くぼみ、チャネル、又は同様のもの)が、インペラチャネル345を縁取る前壁331Aの内面369に設けられる。少なくとも1つの形態では、1つ又は複数の凹部386は、横方向凹部の形態とすることができ、又は、横方向凹部と呼ぶことができる。
図49及び50を参照すると、前壁331Aの内面369の各端部に、2つの先細の細長い凹部387A、387Bがある。これらの凹部のそれぞれは、横方向凹部387A、387Bと呼ぶことができる。凹部387A、387Bは凹状前壁331A全体にわたり、各凹部387A、387Bは、前壁331Aの内面369の1つの縁部385Bでの最大幅及び最大深さで始まり、前壁331Aの中心に向けて最小幅及び最小深さまで減少し、次いで、前壁331Aの反対側の縁部385Bで最大幅及び最大深さまで拡大する。少なくとも1つの代替的な構成では、2つの凹部386の代わりに、インタラプタ前壁331Aは、1つの凹部又は3つ以上の凹部を有する可能性がある。また、凹部の構成は、異なる形状をとる可能性がある。
【0182】
別の代替的な構成では、凹部は、前壁331Aの一方又は両方の縁部から始まり、それぞれ、前壁の内面369にわたって先細の凹部として中心の方へ進み、表面の長さに沿ったいくらかのパーセンテージなどの、表面に沿った終点で終了する。両縁部から始まる凹部がある場合、それらは、名目上の接合部で交わることができ、それは中間地点でもよいが、別の点である可能性もある。しかし、或いは、凹部は、まったく交わらず、前壁331Aの内面全体369を横断しないことがある。よって、各凹部は、前壁331Aの内面369の幅のいくらかのパーセンテージである、0~100%、たとえば、30%、40%、50%、又は任意の他の実数のパーセンテージとすることができる前壁に沿って間隔をあけて終了し、各凹部は、前壁331Aの内面369の異なるパーセンテージだけ横断してもよい。各凹部は、前壁331Aの各端部で、前壁331Aの内面369の全幅の約50%の最大幅から始めることができ、前壁331Aの内面369に沿って(たとえば、内面の中心の方へ)最小幅を有する。
【0183】
さらに別の構成では、
図51、52に示されるように、上記の両方の構成の凹部は、合成されることができる。すなわち、前壁側部331B上及び前壁331Aの内面369上に凹部がある。前壁側部331Bは、
図47及び48に関して記載された凹部385を含む。前壁331Aの内面369は、
図49及び50に関して記載された細長い凹部387A、387Bを含む。
【0184】
図51及び52に示されるような、前壁側部331Bの凹部385、及び前壁331Aの内面369上の細長い凹部387A、387Bの導入により、ブロワ300によって発生するブレード通過騒音の減少を支援することができる。凹部の目的は、所定のブレード上のインタラプタの影響をより長い時間にわたって広げることであり、それにより、インタラプタ325を通過するブレードで発生する最大の騒音が減少する。
【0185】
さらに別の構成では、
図53、54に示されるように、前壁側部331Bは、前壁331Aの内部表面369にコーナ368で交わる。たとえば、コーナ368は、インペラ315が通るとき、空気をスライスして向きを変えるように働く、比較的鋭い形状にすることができ、ブレードの通過によって発生する騒音を減少させる。或いは、縁部は丸く又は面取りすることができる。示される構成では、前壁331Aの内面369と各前壁側部331Bとの間の角度は鋭角である。
【0186】
2.4.4 インペラ
本セクションで記載されるインペラ315は、3つの実施形態、さらに、後で記載される第4の実施形態及び第5の実施形態で使用することができるが、必要に応じて大きさは異なる。
【0187】
インペラ315は、シャフト312に結合され、主に頂部ハウジング302に形成されるインペラチャネル345内に位置し、その中で回転する。インペラ315は、
図55~57に示される。
【0188】
インペラ315は、モータのロータ又はシャフトに結合するための中央アパーチャ371を有するハブ370を備える。複数のスポーク372は、ハブから環状リング支持体376の方へ半径方向に突出する。環状インペラ支持プレート379は、環状リング支持体376から延在する。複数のインペラブレード375は、環状リング支持体376上に支持されて、環状リング支持体376から外側に延在し、環状インペラ支持プレート379上に支持される。示される構成では、ハブ370、スポーク372、環状リング支持体376、インペラブレード、及び環状インペラ支持プレート379は、一体的に形成される。環状支持プレート379は、インペラブレード375に強度を与えることができ、ブロワの圧力及び流れ性能を改善することができる。インペラブレード375Aの上側列及びインペラブレード375Bの下側列がある。インペラブレード375Aの上側列は、インペラブレード375Bの下側列から回転的にオフセットされている。任意の適切な数のインペラブレードが設けられる可能性があるが、好ましくは奇数、より好ましくは素数で、ブレード通過騒音、高調波、共振、及び他の振動を低減する。1つの非限定的な例では、上側インペラブレード及び下側インペラブレードの数は同じである(たとえば、それぞれ61枚のブレード)。示されたインペラ315は、環状インペラ支持プレート379を含む、しかしながら、代替的な構成では、(たとえば、
図58、59参照)環状インペラ支持プレート379は除去することができる。環状インペラ支持プレート379によって提供される剛性及び追加の強度が必要でない場合、環状インペラ支持プレート379を取り除くことにより、インペラ315の質量、したがって、慣性を低減させることができる。
【0189】
下側インペラブレード375Bは、上側インペラブレード375Aに対してオフセットされており、各下側インペラブレードは、対応する上側インペラブレードの間(より好ましくは、対応する上側インペラブレードの間の間隙の中央)に位置する。非限定的な例として、下側インペラブレード375Bは、上側インペラブレード375Aに対して2.95°オフセット/回転する可能性がある。より一般的には、下側インペラブレード375Bは、
【数3】
だけオフセットすることができる。ここで、θは下側インペラブレード375Bが上側インペラブレード375Aに対してオフセットされている角度であり、Nは上側インペラブレード375Aの数であり、Xはオフセット角である。X=0のとき、下側インペラブレード375Bは、上側インペラブレード375Aの間の各間隙と中央で整列するようにオフセットされる。Xは、
【数4】
のパーセンテージとすることができる。たとえば、Xは、最初の式を使用して、
【数5】
であるようにすることができる。したがって、α=0.1のとき、Xは
【数6】
の10%である。たとえば、αは0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5に等しくてもよく、或いは、0~0.5、0~0.1、0.1~0.2、0.2~0.3、0.3~0.4、又は0.4~0.5であってもよい。好ましくは、Nは素数又は奇数である。
【0190】
インペラブレード375のそれぞれは、前方/後方に曲げられたように湾曲している。非限定的な例として、インペラブレード375は、約8mm~13mm、たとえば、10.81mmに等しい、又は約10.81mmの円形曲率半径で湾曲している可能性がある。湾曲したブレードが使用されるが、インペラの代替構成は、直線ブレード、サーペンタインブレード、凸状ブレード、又は別の形状を自由に含んでもよい。たとえば、直線ブレードは、2つの方向に作動するように配置されるブロワにおいて好ましいことがある(二重出口又は双方向ブロワ)。変形形態では、下側と異なる数のブレードが上側に設けられる。たとえば、上側の61枚のブレード及び下側の67枚のブレード。
【0191】
示されるように下側インペラブレード375Bから上側インペラブレード375Aをオフセットすることは、ブロワによって発生する騒音の低減に有益である。この理由には、さらに、インペラブレードの上側列及び下側列がインタラプタに遭遇するときを分けることによって、インタラプタ325に遭遇するブレードの衝撃を(ブレードの単一の「完全」列と比較して)低減させることが含まれる。さらにまた、ブレードをオフセットすることにより、ブロワによって発生する騒音の周波数を高めることができる。より高い周波数は、より容易に減衰させることができる。十分に押し上げた場合、周波数は(約20kHzの)可聴範囲の外側にすることもできる。インペラ315の本実施形態のブレードは湾曲しているが、ブレードを分けることにより、直線ブレード又は他のブレード配置を有するインペラによって発生する騒音が同様に低減するであろう。
【0192】
図60、61を参照すると、別の構成では、インペラブレード375の1つの列のみ存在する。前のインペラの分割されたブレードとは対照的に、各インペラブレード375の高さは、環状リング支持体376の高さである。したがって、各ブレードは、インペラ315の全体の高さにわたる。
【0193】
スポーク372のそれぞれは、インペラブレード375/環状リング支持体376の組み合わせた積み重ね高さより小さい高さであってもよい。これは、インペラ315の質量及び慣性を低減する。インペラ315が回転するとき、スポーク372は、インペラ315の中央領域に乱流を引き起こす。この乱流は、ブロワの中央部分の「密閉」を支援する流体シールとして働き、インペラ315の中央部分全体の漏洩を減少させる。
【0194】
インペラは、インペラの回転の中心とブレードとの間に、複数の中央ノッチ、或いは、インペラのハブ及び/又はスポークの減少した垂直厚さの領域を含むことができる。厚さの減少したこれらの領域により、スポーク及びハブを環状リング支持体の高さに合わせることができ、同時に、厚さをさらに減少させて、インペラの質量、したがって、慣性モーメントを減少させることができる。結果として、インペラは、作動に必要なエネルギが小さくなり、その方向及び/又は速度をより迅速に変えることができる。
【0195】
1つの構成では、インペラは、プラスチック、又は、1つ又は複数の他のポリマ材料から作られる。たとえば、ABS、ポリカーボネート、ナイロン、又は同様のものが使用される可能性がある。また、炭素又はガラス繊維などの充填物が使用される可能性がある。いくつかの構成では、インペラ315は、シャフト312上にオーバーモールドすることができる。或いは、インペラ315は、独立して成形し、シャフト312に接続することができる。或いは、別の構成では、インペラ315は、金属、複合材料(たとえば、炭素繊維)、又は軽量のインペラに適した別の材料から作ることができる。
【0196】
2.4.5 作動
図62、63を参照すると、いくつかの実施形態では、ブロワ300は、二重出口、可逆、又は双方向ブロワとして使用することができる。この場合、ブロワの双方向作動のため、前述の入口ポート320及び出口ポート321を、それぞれ第1のポート320及び第2のポート321と呼ぶことがより適切である。モータに電圧を加えて作動させ、インペラ315を第1の回転方向317に回転させると、第1のポート320から、ハウジング301を通り、第2のポート321を通って外へというガスの流れが発生する。モータに電圧を加えて作動させ、インペラを回転の反対の第2の方向319に回転させると、ポート320、321を通る反対方向のガスの流れが発生する。
【0197】
図62は、ブロワ300の断面の底面図を示し、インペラ315、頂部ハウジング302、及びインペラ315の第1の回転方向317を示す。
図63は、
図64の断面図を示し、インペラ315の第2の回転方向319を示す。
図57~63のインペラはどれも、二重出口ブロワのために使用することができる。或いは、直線ブレードを有するインペラは、より均一な双方向流れ挙動のために好ましくてもよい。或いは、サーペンタインブレードを有するインペラが、設けられる可能性があり、それは、もう一方から1つの方向に流れるときに異なる流れ特性が望ましい双方向流れのために有益である可能性がある。
【0198】
2.4.6 第3の実施形態のための例示的な大きさ
第3の実施形態の大きさの例示的で非限定的な例が以下に記載される。
【0199】
ハウジングのための大きさの1つの非限定的な例は、以下の通りである。
・ 約75mm~105mm、たとえば、85mmに等しい、又は約85mmの(
図40に示されるような)長さL。
・ 約25mm~45mm、たとえば、34.25mmに等しい、又は約34.25mmの(
図36に示されるような)高さH。
【0200】
インタラプタ325の1つの非限定的な例では、
図45に示されるような、点G1と点G2との間の弧長は、約35mm~55mmとすることができ、たとえば、45.0mm又は約45.0mmである。点H1と点H2との間の弧長は、約40mm~60mmとすることができ、たとえば、50.28mm又は約50.28mmである。角度Gは、約145°~165°とすることができ、たとえば、155°又は約155°であり、角度Hは、約80°~100°とすることができ、たとえば、89.85°又は約89.85°である。角度G:Hの比率は、約2:1~1.4:1とすることができ、たとえば、155:89.85又は1.725:1、或いは約155:89.85又は1.725:1である。
【0201】
インペラ315は、他の記載された特徴とともに組み立てるのに適した大きさを有し、本明細書に記載されるような作動機能を実現する。1つの非限定的な例において、インペラ315は、約60mm~80mm、たとえば、69.69mmに等しい、又は約69.69mmの直径を有する。インペラブレード375は、各ブレードの根元における約0.5mm~1.5mm(たとえば、1mmに等しい、又は約1mm)から、各ブレードの先端における約0.25mm~0.75mm(たとえば、0.5mmに等しい、又は約0.5mm)までの(
図56及び61に示される)ブレード厚さTを有する。
図55~57のインペラ315は、約3mm~4.5mm、たとえば、3.875mmに等しい、又は約3.875mmの(環状インペラ支持プレート379からの)ブレード高さHを有する。環状インペラ支持プレート379自体の高さは、約0.1mm~0.4mm、たとえば、0.25mmに等しい、又は約0.25mmであり、そのため、
図55~57のインペラ315は、約6.1mm~9.4mm、たとえば、8mmに等しい.又は約8mmの合計高さを有する。
【0202】
非限定的な例として、下側インペラブレード375Bは、上側インペラブレード375Aに対して2.95°又は約2.95°オフセット/回転する可能性がある。或いは、下側インペラブレード375Bのそれぞれは、上側インペラブレード375Aに対して、以下の式に従って角度θだけオフセット/回転する可能性がある。
【数7】
ここでは、前述の通り、θは下側インペラブレードが上側インペラブレードに対してオフセットされている角度であり、Nは上側インペラブレードの数であり、Xはオフセット角である。X=0のとき、下側インペラブレード375Bは、上側インペラブレード375Aの間の各間隙と中央で整列するようにオフセットされる。Xは、
【数8】
のパーセンテージとすることができる。たとえば、Xは、最初の式を使用して、
【数9】
であるようにすることができる。したがって、α=0.1のとき、Xは
【数10】
の10%である。たとえば、αは0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5に等しくてもよく、或いは、0~0.5、0~0.1、0.1~0.2、0.2~0.3、0.3~0.4、又は0.4~0.5であってもよい。好ましくは、Nは素数又は奇数である。
【0203】
インペラブレード375のそれぞれは、前方/後方に曲げられたように湾曲している。非限定的な例として、インペラブレード375は、約8mm~13mm、たとえば、10.81mmに等しい、又は約10.81mmの円形曲率半径で湾曲している可能性がある。
【0204】
図34、35、42を参照すると、インペラブレード375と空気流チャネル332外周との間の半径方向クリアランスは、約5mm~7mm、たとえば、6.15mmに等しい、又は約6.15mmである。半径方向クリアランスは、インペラブレード375の先端と空気流チャネル332の内面との間の距離である。換言すれば、半径方向クリアランスのインペラブレード長さ(たとえば、半径方向に13.23mm)に対する比率は、約1:2~1:3、たとえば、6.15:13.23又は1:2.15に等しい、或いは約6.15:13.23又は1:2.15である。半径方向クリアランスのインペラ直径(たとえば、69.69mm)に対する比率は、約1:10~1:14、たとえば、6.15:69.69又は1:11.33に等しい、又は約6.15:69.69又は1:11.33である。チャネル
304は、幅が約16mm~23mm、たとえば、19mmに等しい、又は約19mmである。すなわち、インペラチャネル345及び空気流チャネル332の幅はともに、約19mmとすることができる。したがって、半径方向クリアランスは、環状チャネルの幅の約20%~43%(たとえば、32.3%に等しい、又は約32.3%)である。特定の半径方向クリアランスは、ブロワの性能の改善に有益である可能性がある。
【0205】
2.4.7 ハウジング-構成#2
図64~66は、渦流ブロワの第3の実施形態の第2の構成を示す。
【0206】
第3の実施形態の第2の構成は、チャネル104の幅が減少するという点で、第1の構成と異なる。すなわち、インペラチャネル345及び空気流チャネル332の組み合わせた幅は減少する。
図1に関して確立された構造を参照すると、第3の実施形態の第2の構成は、側方チャネルがないと言うことができる。結果として、半径方向クリアランス(インペラブレード375の先端と空気流チャネル332の内面との間の距離)は、実質的に減少する。半径方向クリアランスは、ブロワハウジング101及び/又はインペラ315の製作公差の大きさのオーダの距離まで減少させることができる。場合によっては、これは、0.5~1mmとすることができる。これは、比較的低流量(たとえば、約60L/分未満)の作動での、ブロワ寸法の減少、及び消費電力の低減をもたらす。
【0207】
2.5 渦流ブロワの第4の実施形態
図67~78は、第4の実施形態による渦流ブロワを示す。第3の実施形態又は他の実施形態の特徴と同じ又は類似している第4の実施形態の特徴は、完全には記載されない、又は、まったく記載されないことがあるが、第1及び第2の実施形態又は本明細書に記載される任意の他の実施形態に関する記載の関連部分は、必要に応じて、この実施形態に適用されることは当業者によって理解されるであろう。
【0208】
2.5.1 概要
図67~73を参照すると、第3の実施形態と同様に、第4の実施形態は、第1のポート420と、第2のポート421と、チャネル404とを有するハウジング401を有する。示される構成では、通常の作動時、第1のポート420は入口ポートであり、第2のポート421は出口ポートであり、ブロワ400を
図71の場合のように上から見たとき、インペラ415は時計回り方向に回転する。しかしながら、インペラ回転の方向を逆転させることは、ポートのそれぞれの目的を逆転させる。第4の実施形態のチャネル404は、第3の実施形態のチャネルとは異なる形態を有し、ブロワは、異なるインペラ構成及びさらなる入口/出口ポート490を有する。
図68を参照すると、チャネル404は、たとえば、
図1を参照して前述されたように、インペラチャネル445、さらに、上側空気流チャネル432A、下側空気流チャネル432B、及び側方空気流チャネル432Cを備える。上側空気流チャネル432A、下側空気流チャネル432B、及び側方空気流チャネル432Cは、ブロワ400の空気流チャネル432を一緒に形成する。ハウジング401は、外側インペラチャネル445及び内側インペラチャネル445Bも画定する。外側インペラチャネル445は、空気流チャネル432と少なくとも部分的に一致する。ここで、違いをさらに詳細に説明する。
【0209】
2.5.2 ハウジング-構成#1
図69、70、71、72を参照すると、頂部ハウジング402はポート490を備える。ポート490は、頂部ハウジングポート490の形態とすることができる。頂部ハウジング402は、シャフト軸受を支持するための、凹部438を有する中央ハブ439を有する。中央ハブ439は、中央凹部438の上で中央ハブ492から延在する複数の角度が付けられていてもよいスポーク491を介して、所定の位置に支持される。角度付きスポーク491は、中央ハブ439上でスポーク491の原点から突出する半径方向線から逸脱する。中央ハブ上でスポーク491の原点から突出する半径方向線に対してスポークに角度をつけることにより、ブロワによって発生する騒音、たとえば、スポーク491を通過するインペラブレードによって発生する騒音の低減を支援することができる。頂部ハウジング402は、空気流チャネル432の2つの肢部の間で延在する頂部プレート493を含む。頂部プレート493は、構造を補強することができる三角形の格子494も備える。頂部ハウジングポート490は、頂部ハウジングの中央ハブ439と頂部プレート493との間のアパーチャ490として設けられる。アパーチャ490は、中央ハブ439から環状アパーチャを通って頂部プレート493まで延在する角度付きスポーク495を介して形成され、よって、環状アパーチャを、頂部ハウジングポート490を形成する複数の空気流アパーチャに分ける。頂部ハウジングポート490は、ブロワの作動に応じて、空気を大気から吸い込む、又は、空気を大気に排出することを可能にする。したがって、頂部ハウジングポート490は、さらなる(第3の)ポートとすることができ、それは、さらなる入口又は出口ポートとすることができる。入口として作動するとき、頂部ハウジングポート490からの空気は、内側インペラチャネル445Bを介して空気流チャネル432に導かれて、前述の(第1の)入口からの空気と混合される。比較的高流量状態の下では、頂部ハウジングポート490は、別の入口(第2の入口(又は、底部ハウジングアパーチャ448を入口と考える場合、第3の入口))のようにふるまい、さらなる空気がブロワに吸い込まれることを可能にし、高流量性能を改善する。比較的低流量状態の下では、頂部ハウジングポート490は、別の出口のようにふるまい、ブロワに吸い込まれたある量の空気が頂部ハウジングポート490を通して吹き出される。
【0210】
頂部ハウジング402の内部領域を示す
図72を参照すると、弓形の上側空気流チャネル432Aと、側方空気流チャネル
432Cと、下側空気流チャネル
432Cの一部と、第3の実施形態による外側インペラチャネル445とを更に有する頂部ハウジング402は、内側環状チャネルをさらに備え、内側環状チャネルは、内側環状インペラチャネル445Bを提供する。内側インペラチャネル445Bは、頂部棚480上に配設されて、中央ハブ439のまわりで同心円状に延在する弓形壁497として形成されるチャネルアイソレータ497として形成される。弓形壁497は、内側インペラチャネル445Bと、a)(外側)上側/下側/側方空気流チャネル、及び/又は、b)外側インペラチャネル445との間に空気流開口部498を提供するために欠けている。チャネルアイソレータ497は、空気流開口部498を通しての空気流路を除いて、内側インペラチャネル445B及び外側空気流チャネルから空気流を分離する。
図72を参照すると、インペラ415は、後述されるように、内側インペラチャネル445B及び外側インペラチャネル445に配設される。換言すれば、インペラ415は、内側インペラチャネル445B及び外側インペラチャネル445を占める。
【0211】
頂部ハウジングポート490のふるまいは変化する(高流量で作動しているときは入口、高圧で作動しているときは出口として働く)ので、頂部ハウジングポート490のふるまいを制御するために一方向弁を使用することは有益である可能性がある。変形形態では、一方向弁(「逆止弁」)は、ポートを入口としてのみ働かせるために、頂部ハウジングポート490に組み込まれていてもよい可能性がある。使用できる一方向弁の例は、機械弁、又はTesla Valveなどの固定形状のパッシブバルブを含む。一方向弁を組み込むことにより、ポートを通しての漏洩が生じることがない又は少なくとも減少しない低流量(高圧)状態、及び、ポートがさらなる空気を引き入れる入口として使用できる高流量(低圧)状態の両方におけるブロワの性能が改善する。このような弁は、底部ハウジングアパーチャ448も覆う一方向弁と組み合わせることもでき、同様に入口としてのみ働く。これは、ブロワの圧力性能を改善する。
【0212】
2.5.3 インペラ-構成#1
図75~78を参照すると、インペラ415は、モータシャフト412へのインペラ415の接続のための中央アパーチャ471を有する中央ハブ470を備える。円形プレート479は、ハブ470から延在する。複数の、任意選択的に直線状の内側インペラブレード416Cは、ハブ470から延在し、円形プレート479上に配設されている。内側インペラブレード416Cは、一定の高さで、円形プレート479全体で半径方向に延在する。内側インペラブレード416Cは、略長方形の構成で形づくられており、円形プレート479上のフレア状ベースから均一な厚さの先端まで延在する。第3の実施形態のものと同様に、プレートの外周領域上で配設され、オフセットされた2列で配置され、円形プレート439(ウェブ/シュラウド)によって分離された湾曲した外側インペラブレード416A、416Bの環状リングもある。外側インペラブレード416A/416Bは、ハウジング401の外側インペラチャネル445内で回転するように配置され、内側インペラブレード416Cは、内側インペラチャネル445B内で回転するように配置され、シャフト412を介してモータによって駆動される。外側インペラチャネル445は、前述のような流れ挙動を可能にする。内側インペラチャネル445Bは、遠心ブロワの渦巻内の流れ挙動と同様の流れ挙動を可能にする。内側インペラチャネル445Bは、空気流開口部498を介して外側空気流チャネル及び外側インペラチャネル432に流体連結されている。直線状の内側インペラブレード416Cは、空気がチャネルアイソレータ497の空気流開口部を通過して外側インペラチャネル445に至る前に、内側インペラチャネル445Bにおいて遠心ブロワの空気流特性を提供する。
【0213】
円形プレート479は、補強及び/又は剛性提供部材として働き、外側インペラブレード416A、416B及び内側インペラブレード416Cを支持する。円形プレート479は、外側インペラブレード416A、416Bの長さにわたる。いくつかの構成では、円形プレート479の形状を小さくすることが有益であることがあり、その場合、円形プレート479は、外側インペラブレード416A、416Bの長さの一部にのみわたる。修正された円形プレート479は、インペラ415に強度及び/又は剛性をさらに提供する。しかしながら、材料を減らすことにより、慣性モーメントがより小さい、より低質量のインペラがもたらされる。これは、迅速なインペラ制御又は方向変更のために有益である可能性がある。
【0214】
図78は、インペラ415の底面斜視図を示す。
図79は、インペラ415の底面図を示す。インペラは、円形プレート479の下面に、高さが変化する底部内側インペラブレード416C’の組を備える。
図78を参照すると、中央ハブ470及びアパーチャは、円形プレート479の下面から下向きに延在する。底部内側インペラブレード416C’は、完全高さでハブから延在することによって始まり、次いで、各ブレード高さは、中央ハブ470から間隔をあけてより低い一定の高さまである角度で減少する。残りの部分の高さは、底部内側インペラブレード416C’の端部まで、半径方向に一定である。
【0215】
2.5.4 作動
使用時、外側インペラブレード416A、416Bの回転(
図71の上面図を参照する場合、時計回り方向)は、接線方向の入口ポート420を通して空気を引き入れる。さらに、内側インペラチャネル445B内の内側インペラブレード416Cの回転は、頂部ハウジング入口ポート490を通して内側インペラチャネル445Bに空気を引き入れる。内側インペラブレード416Cは、外側インペラチャネル445に空気を入れる前に、頂部ハウジングポート490から引き入れた空気を加圧するために回転する。予圧された空気は、弓形壁(チャネルアイソレータ497)の空気流開口部498を通過し、空気流チャネル432及び外側インペラチャネル445において、接線方向の入口ポート420から直接引き入れられた空気と混合される。次いで、空気は、外側インペラブレード416A、416Bの回転によってチャネル404内で加圧されて、出口ポート421を通して導かれる。チャネルアイソレータ497は、インタラプタ425の一部を形成し、第3の実施形態のハブ339と同様に働き、外側空気流チャネル332から内側インペラチャネル445Bに漏れる流れに加えて、出口ポート421から入口ポート420に漏れる流れを遮断する。
【0216】
モータを反対方向に回転させることで、ブロワにおける空気流の方向を変えることができ、ブロワは、可逆ブロワ又は二重出口ブロワである。
【0217】
第1の実施形態と同様に、第4の実施形態は、ロータの通過のために十分に大きな底部ハウジングアパーチャを備えていてもよく、製造工程のコストを簡素化及び/又は削減することができる。或いは、RG4の底部ハウジングアパーチャは、第1の実施形態のために開示されたような小さい寸法とすることができる。
【0218】
2.6 渦流ブロワの第5の実施形態
図79~87は、第5の実施形態による渦流ブロワを示す。このブロワは、他の実施形態と比較して寸法が小さい。第4の実施形態又は他の実施形態の特徴と同じ又は類似している第5の実施形態の特徴は、完全には記載されない、又は、まったく記載されないことがあるが、第1及び第2の実施形態又は本明細書に記載される任意の他の実施形態に関する記載の関連部分は、必要に応じて、この実施形態に適用されることは当業者によって理解されるであろう。
【0219】
他の実施形態と同様に、第5の実施形態ブロワ500は、入口ポート520と、出口ポート521と、チャネル504とを有するハウジング501を有する。チャネル504は、上側空気流チャネル532Aと下側空気流チャネル532Bとを備える。チャネル504は、インペラチャネル545も備える。ここでも、インペラ515は、インペラチャネル545の中で回転する。しかしながら、他の実施形態との違いがある。
【0220】
2.6.1 ハウジング
図79を参照すると、頂部ハウジング502は、底部ハウジング503と結合している。頂部ハウジング502は、モータシャフト512軸受を受けるためのアパーチャ又は穴538を有する中央ハブ539を備えるプラトー/棚580を備える。ハウジング501は、チャネル504を画定する。チャネル504は、インペラチャネル545と、上側空気流チャネル532Aと、下側空気流チャネル532Bとを備える。頂部ハウジング502は、上側空気流チャネル532Aを少なくとも部分的に画定する。
【0221】
図80を参照すると、ハウジング501は、他の実施形態とは異なる構成も有する。底部ハウジングと分離可能な底部ハウジングキャップとを有する代わりに、底部ハウジング503は一体構造である。底部ハウジング503は、下側空気流チャネル532Bの主要部分を提供するために形成される周囲壁と、(頂部ハウジング502とともに上側空気流チャネルを形成する)上側空気流チャネル532Aの一部とを有する。底部ハウジング503は、モータ組立体510を受けるための内部空洞/内部領域を提供する凹状底部領域555を有する。インペラ515からモータを分離するプレートはない。これは、(以前のモータで画定されたような)底部ハウジングアパーチャ548が、実質的にモータと同じ寸法であることを意味する。インペラ515からモータを分離するプレートの除去により、ブロワ500の垂直寸法又は垂直厚さの低減が可能になる。前述のブロワと比較すると、より小さいモータ組立体510が使用される。底部ハウジング503は、モータ組立体510へのアクセスを容易にし、モータ組立体510を通る空気流を可能にするために、ベース552に複数のアパーチャ(前述の実施形態の底部ハウジングキャップアパーチャ(たとえば、352)と同等の機能)を有する。
【0222】
頂部ハウジング502及び底部ハウジング503によって形成されるチャネル504の断面幅は、他の実施形態と比較して小さい。これは、インペラ515の先端とチャネル504外壁の内面との間に大きな半径方向クリアランスがないことによって示される(前述の実施形態と比較して)。インペラブレード516の先端は、チャネル504の縁部から大きくオフセットされていない。ここでも、半径方向クリアランスは、製作公差と同程度のオーダであってもよい。インペラブレードの半径方向長さ(及び、インペラ直径)も小さくなっている。
【0223】
2.6.2 インタラプタ
ブロワは、ここでも、出口ポート521から入口ポート520への空気の漏洩を防ぐインタラプタ525を含む。インタラプタ525は、前で開示されたような凹部528を含む。示される構成では、凹部528は、前述の「V」形の入口と類似している。しかしながら、凹部は、第3の実施形態のために示されたような、任意のプロファイルである可能性がある。頂部ハウジング502、及び底部ハウジング503の前壁331は、第3の実施形態に関して記載されたものと同様に、インタラプタ525の少なくとも一部を一緒に形成する。
【0224】
2.6.3 インペラ
第3の実施形態に記載されたインペラを使用することができるが、必要に応じて大きさは異なる。
【0225】
2.6.4 第5の実施形態のための例示的な大きさ
第5の実施形態の大きさの例示的で非限定的な例が以下に記載される。
【0226】
第5の実施形態は、約2.5cm~10cm、たとえば、5.6cmに等しい、又は約5.6cmの(
図83に示されるような)高さHを有する。
【0227】
入口ポート及び出口ポートの長さは短くなり、約1cm~5cmとすることができる。
【0228】
第5の実施形態は、約10cm~25cm、たとえば、17.5cmに等しい、又は約17.5cmの(
図86に示されるような)長さLを有する。
【0229】
3.モータ
記載される実施形態では、任意の適切なモータを使用することができる。たとえば、モータは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は同様のコントローラ14によって制御されるセンサレスベクトル制御(「フィールドオリエンテッド制御」とも呼ばれる)を使用して作動されるブラシレスDCモータである可能性がある。制御は、低慣性インペラに合うように調整することができる。インペラの中央ハブは、モータから延在するシャフトと係合することができる。ロータを形成する、好ましくは小さい磁性セグメントの1つ又は複数がシャフトに取り付けられる。ロータは、複数のポール及び巻線を有する積層ステータによって囲まれている。ステータは、PCB又は他の基板及びコントローラ14に結合された巻線に取り付けられる。巻線は、マイクロコントローラによって選択的に電流を流され、シャフトの中心線によって定義される中心軸を中心としたロータの回転、したがって、シャフト及びインペラの回転を容易にする。シャフトは、軸受構造によってモータ内に保持される。好ましくは、軸受構造は、1つ又は複数の軸受と、1つ又は複数の軸受マウントとを有する。軸受マウントは、内面の上の軸受、及び、外面上のステータと係合する。軸受及びステータへのマウントの好ましい係合は、摩擦である。摩擦係合を促進するために、軸受マウントは、シリコーンゴム又は他のエラストマ材料などの、軟かく、さらに弾性且つ/又は可撓性の材料から作ることができる。材料は、クリープが低い、温度的に安定した、損失正接が高く圧縮永久歪が小さい(高粘性)、減衰性が高い材料とすることができる。以下にその例を示す。
・ ドウ状成形ゴム(NBR、ニトリル、及びフルオロシリコーンなど)
・ 熱可塑性エラストマ(TPE)(Exxon社製Santopreneなど)
・ 熱可塑性ウレタン(GLS社製Dynaplastなど)
・ 熱硬化鋳造ウレタン(National Urethanes社製10T90など)
・ 複数の他の冷間鋳造ゴム状化合物(Dow Corning, Whacker社製RTV(室温硬化硬質ゴム)など)。
【0230】
このような材料により、マウントは導入時に圧縮され、次いで、所定の位置に保持されるように係合によって膨張する制限のある寸法まで選択された位置で膨張する。
【0231】
4.他の代替形態
インタラプタ、ハウジング、及びインペラに行われる修正は、高い耐性の要件、及び克服すべき発生する騒音などの典型的な渦流ブロワによる問題に対処し、記載された渦流ブロワを呼吸療法の用途での使用により適したものにすることを可能にする。修正は、インタラプタの長さを増加させること、くぼみ、溝、又は同様のものを有するインタラプタのプロファイルを変更すること、及び、インペラブレードを分割することのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0232】
特定の実施形態に対して記載された特徴は、必要に応じて代替的な実施形態のためにも使用することができる。すべての実施形態に対するすべての特徴が、完全には記載されたわけではないが、それは、当業者が、いくつかの実施形態に記載された特徴を、さまざまな他の実施形態に適用できるためである。
【0233】
5.実施形態の性能を示している実験データ
注:以下は、本明細書に記載された、第1の実施形態であるRG1、第2の実施形態の第1の構成であるRG2、第2の実施形態の第2の構成であるRG2.1、第3の実施形態の第1の構成であるRG3(側壁にノッチ -
図47及び48)、第3の実施形態の第2の構成であるRG3.1(前壁にノッチ -
図49及び50)、第3の実施形態の第3の構成であるRG3.2(側壁及び前壁にノッチ -
図51及び52)、第3の実施形態の第4の構成であるRG3.3(側壁と前壁との間に縁部 -
図53及び54)、第3の実施形態の第5の構成であるRG3.4(インペラとチャネルとの間のクリアランスの減少 -
図64~66)、第4の実施形態であるRG4、並びに、第5の実施形態であるRG5について言及する。ブロワRG1、RG2、RG3、及びRG4のすべて、並びに示された試験成績は、底部ハウジングアパーチャの2つの選択肢のうちのより大きいアパーチャを有するブロワに対するものである。これは、プロトタイプのより単純な製造を可能にした。しかしながら、必要に応じて、
図10のアパーチャなどのより小さい底部ハウジングアパーチャが、いずれかのブロワにおいて使用される可能性がある。
【0234】
5.1 第1の実施形態及び第2の実施形態
図88は、圧力-流量グラフを示し、第1の実施形態(RG1)によるブロワ100及び第2の実施形態(RG2)の第1の構成によるブロワの、10,000rpmでの圧力(Y軸)及び流量(X軸)特性を表示する。ブロワごとの圧力及び流量特性は、2つの状態で示される。テストされた第1の実施形態及び第2の実施形態の各ブロワは、ロータを適合可能なより大きな底部ハウジングアパーチャを備えた。テストされた第1の状態は「開」状態であり、底部ハウジングキャップアパーチャは開いており、底部ハウジングアパーチャ(及び、インペラチャネル)とブロワの外部との間の空気の流れが可能である。第2の状態は「閉」状態であり、底部ハウジングキャップアパーチャは閉じられて又はブロックされており、それによって、底部ハウジングアパーチャとブロワの外部との間の(その経路を介しての)空気の流れが阻止される。底部ハウジングキャップアパーチャをブロックすることにより、低流量状態でのブロワからの漏洩の減少を支援し、高流量状態の間にアパーチャが他の入口ポートとして働くのを防ぐ。
【0235】
両方のブロワに対して生成される圧力流量ラインはすべて、開及びブロックの両方の構成において、線形関係によって近似することができる。1つの線形近似により、状態は、以下の式をモデル化することができる(ここで、PはcmH2Oでの圧力であり、FはL/分の流量である)。
RG1 開 P≒-0.1368F+15
RG1 閉 P≒-0.24F+21.8
RG2 開 P≒-0.092F+16
RG2 閉 P≒-0.085F+15
【0236】
したがって、観察された第1の実施形態(RG1)の開状態は、約-0.12~-0.15の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。第1の実施形態の閉状態は、約-0.22~-0.26の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。第2の実施形態の第1の構成(RG2)の開状態は、約-0.085~-0.095の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。RG2閉状態は、約-0.08~-0.09の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。
【0237】
RG2は、低流量状態ではRG1に類似の圧力特性を有する(しかし、底部ハウジングキャップアパーチャがブロックされると、圧力性能は下がる)、しかしながら、より高流量状態ではRG1を上回る。結果として、RG2は、高流量状態のための改善された渦流ブロワである。
【0238】
図89は、RG1及びRG2の電力-流量グラフを示し、指定された流量(X軸)で消費される(Y軸)電力を表示する。ブロワが典型的なCPAP圧力である10cmH2Oの圧力で作動しているときの電力及び流量データが示されている。流量及び電力を変えることは、ブロワの作動rpmを変えることによって行われた。
【0239】
開及びブロックの両方の状態において、約50L/分を上回る流量では、RG2は、RG1より実質的に使用電力が小さい。50L/分を下回る流量では、RG2の所要電力は、RG1の所要電力と略同じである。
【0240】
図90は、圧力-流量グラフを示し、RG2及びRG2.1の開状態及び閉状態における10,000rpmでの圧力(Y軸)及び流量(X軸)特性を表示する。ここでも、テストされたRG2及びRG2.1のそれぞれは、ロータを適合可能な、より大きな底部ハウジングアパーチャを含む。
【0241】
両方のブロワに対して生成される圧力流量ラインはすべて、開及びブロックの両方の構成において、線形関係によって近似することができる。1つの線形近似により、データは、以下の式をモデル化することができる。
RG2 開 P≒-0.092F+16
RG2 閉 P≒-0.085F+15
RG2.1 開 P≒-0.0769F+14.4
RG2.1 閉 P≒-0.0818F+14.6
【0242】
したがって、観察されたRG2開状態は、約-0.085~-0.095の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。RG2閉状態は、約-0.08~-0.09の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。RG2.1開状態は、約-0.07~-0.08の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。RG2.1閉状態は、約-0.08~-0.09の範囲内の勾配を有する線形関係によってモデル化することができる。
【0243】
図91は、RG2及びRG2.1の電力-流量グラフを示し、指定された流量(X軸)で消費される(Y軸)電力を表示する。ブロワが10cmH2Oの圧力で作動しているときの電力及び流量データが示されている。
【0244】
より高い流量では、RG2.1は、RG2より使用電力が小さい。低流量では、電力使用は同等である、しかしながら、RG2.1は、やはり使用電力がわずかに小さい。
【0245】
5.2 第3の実施形態
図92は、前のブロワに対して定義された開状態及び閉状態における10,000rpmでのブロワRG3の圧力-流量関係のグラフを示す。ここでも、RG3は、ロータを適合可能な、より大きな底部ハウジングアパーチャを含む。
【0246】
RG3ブロックの曲線は、ヒステリシスを示す。類似した挙動は、RG3開の曲線で観察される。
【0247】
10,000rpmで、RG3は、同等に寸法決めされた遠心ブロワより高い流量及び圧力特性をもたらす。これにより、CPAP治療で所望される圧力及び流量をもたらすために非常に低いrpmを使用することができ、騒音の低減、軸受寿命の増加、及び、平軸受、ブッシュ軸受、高分子軸受などの使用が可能になる。
【0248】
図93は、前のブロワに対して定義された開状態及びブロック状態における10cmH2OでのブロワRG3の電力-流量関係のグラフを示す。
【0249】
効率は、特定の用途、たとえば、可搬式CPAPデバイスにおける重要な要素であることがある、しかしながら、デバイスが送電設備網に接続される用途について、電気代を除いて、効率が、必ずしも主要問題であるというわけではない。したがって、渦流ブロワが低騒音発生のような改善された特性ともに製造される場合、より大きい所要電力は、特定の状況において許容できるトレードオフであってもよい。
【0250】
騒音試験は、ブロワRG3、RG3.1、RG3.2、及びRG3.3によって発生する騒音を比較するために行われた。ISO 80601-2-70:2015 Medical Electrical Equipment - Part 2-70は、睡眠時無呼吸治療装置の基本安全性及び必須性能についての特定の要件を概説している。ISO 4871:1996は、機械及び機器の騒音発生量の宣言及び検証を必要としている。マイクロフォンアレイは、ISO 3744:2010に従って設定され、音圧を使用して騒音源(ブロワ)の音響出力レベル及び音響エネルギレベルを測定した。それぞれのブロワによって発生する騒音は、周波数のスペクトル全域で記録された。各ブロワは、試験のために、約30L/分の流量で、約10cmH2Oの圧力を生じるように準備され、典型的なCPAP作動条件の下で比較を行うことができた。
【0251】
図94は、
図60及び61の前述の完全長インペラを使用するRG3、3.1、3.2、及び3.3で行われた騒音試験の結果を示す。
【0252】
1400Hzのあたりで識別されるピークは、各ブロワのインタラプタを通過するインペラブレードによって引き起こされるブレード通過周波数と対応する。ピークの位置は、同じ周波数上に並ばないが、それは、各ブロワによって発生した突出したブレード通過周波数が、さまざまなブロワモデルの異なる圧力及び流量性能に必要な若干異なるrpm設定のために若干変更されたためである。異なるインタラプタ設計のため、各ブロワは、試験に必要な10cmH2Oの圧力を実現するために、わずかに異なる回転数で作動させる必要があった。
【0253】
最も騒音の大きいブロワは、RG3.3(四角いインタラプタを有する)である。最も騒音の小さいブロワは、RG3.2(くぼみ及びインタラプタ内の溝を有する)である。RG3.2ブレード通過騒音は、その最大が約34dBA(A-重み付けデシベル)であった、一方、RG3.3ブレード通過騒音は、約49dBAであった。発生した騒音のピークの振幅は、減少する傾向があり、一方、大部分の他の周波数は、同じままである。
【0254】
図95は、オフセットされた上側及び下側インペラブレード、並びに環状インペラ支持プレート379を有する前述のインペラを使用するRG3、3.1、3.2、及び3.3で行われた騒音試験の結果を示す。
【0255】
インペラのブレード通過の影響は、RG3、RG3.1、及びRG3.3のオフセットウェブインペラを使用して実質的に減少したことを見ることができる。
【0256】
図96は、RG3.1の騒音試験結果を示し、完全長インペラブレードを有するインペラによるRG3.1を、オフセットインペラブレード及びウェブを有するインペラによるRG3.1と比較している。
【0257】
オフセットインペラの使用により、インペラブレードがインタラプタを通過するときにブロワによって発生する騒音が特に減少する。特に、より低い周波数について、他の周波数で発生する騒音も一般に、オフセットインペラによって小さくなる。このパターンは、RG3及びRG3.3でも観察される。
【0258】
図97は、RG3の騒音試験結果を示し、完全長インペラブレードを有するインペラによるRG3を、オフセットインペラブレード及びウェブを有するインペラによるRG3と比較している。
【0259】
図98は、RG3.2の騒音試験結果を示し、完全長インペラブレードを有するインペラによるRG3.2を、オフセットインペラブレード及びウェブを有するインペラによるRG3.2と比較している。
【0260】
オフセットインペラの使用による、ブロワによって発生する最大騒音への影響は少ない。騒音が発生する周波数は、速度の低下により、完全インペラによる約1450Hzから、オフセットインペラによる約1400Hzまで移行する。しかしながら大きさは、約34dBAで比較的近いままである。
【0261】
特に、より低い周波数について、他の周波数で発生する騒音は一般に、オフセットインペラによって小さくなる。
【0262】
図99は、RG3.3の騒音試験結果を示し、完全長インペラブレードを有するインペラによるRG3.3を、オフセットインペラブレード及びウェブを有するインペラによるRG3.3と比較している。
【0263】
この修正により、特定の状態の下でブロワの性能は改善する。
【0264】
図100は、複数の圧力-流量曲線を示し、RG3.4をRG3と比較している。
【0265】
図から分かるように、修正により、ブロックされた底部ハウジングキャップアパーチャ状態の下での、低流量状態における圧力を改善させることができる。さらにまた、修正により、低流量状態におけるブロワの所要電力を改善させることができる。
図101は、10cmH2Oでの、RG3.4とRG3との電力-流量比較において、このことを示す。
【0266】
5.3 第4の実施形態
図102は、環状インペラ支持プレート379によって分離されたオフセットブレードを有するインペラと、ロータに対応する寸法の底部ハウジングアパーチャとを有するRG4の圧力-流量特性のグラフを示す。
【0267】
図103は、環状インペラ支持プレート379によって分離されたオフセットブレードを有するインペラと、ロータに対応する寸法の底部ハウジングアパーチャとを有するRG4の、10cmH2Oでの電力-流量特性のグラフを示す。この修正により、特定の状態の下でブロワの性能は改善する。
図103は、複数の圧力-流量曲線を示し、RG3.4をRG3と比較している。
【0268】
図から分かるように、修正により、ブロックされた底部ハウジングキャップアパーチャ状態の下での、低流量状態における圧力を改善させることができる。さらにまた、修正により、低流量状態におけるブロワの所要電力を改善させることができる。
図104は、10cmH2Oでの、RG3.4とRG3との電力-流量比較において、このことを示す。
【0269】
5.4 第5の実施形態
図104は、前のブロワに対して定義された開流れ状態及びブロック流れ状態の下での、10,000rpm及び20,000rpmにおける、完全長(高さ)インペラブレードを有するRG5の圧力-流量曲線の比較を示す。
【0270】
図105は、前に定義された開及びブロック底部ハウジングアパーチャ状態の下での、10cmH2Oにおける、完全長(高さ)インペラブレードを有するRG5の電力-流量曲線の比較を示す。
【0271】
RG5の電力消費は、0L/分での約3.5W(ブロック出口)から、100L/分での約12Wにわたる。