IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-電子機器 図1
  • 特許-電子機器 図2
  • 特許-電子機器 図3
  • 特許-電子機器 図4
  • 特許-電子機器 図5
  • 特許-電子機器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20241107BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20241107BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20241107BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/18 F
G06F1/16 312E
H05K5/03 H
H05K9/00 Q
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023122612
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】山本 修
(72)【発明者】
【氏名】渡村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】恩田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】堀野 俊和
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 純
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-212832(JP,A)
【文献】特開2023-094869(JP,A)
【文献】特開平11-065702(JP,A)
【文献】特開2014-013464(JP,A)
【文献】特開2020-126410(JP,A)
【文献】特表2012-505482(JP,A)
【文献】特許第7261330(JP,B1)
【文献】実開平05-071428(JP,U)
【文献】特開平11-261274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16;1/18
H05K5/02;5/03;9/00
H04M1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平箱状の筐体と、
前記筐体の内部に設けられたアンテナ、バッテリー、基板と、を備え、
前記アンテナ、前記バッテリー、前記基板は、前記筐体の奥行き方向において、手前側から奥側に向ってこの順に配置され、
前記基板には、
高周波が発生する高周波発生部品と、
前記高周波発生部品と前記バッテリーとの間に配置された高周波シールドと、が設けられており、
前記筐体は、アッパーカバーと、ボトムカバーと、を備え、
前記ボトムカバーは、
前記奥行き方向の奥側に配置され、前記アッパーカバーに固定された第1ボトムカバーと、
前記奥行き方向の手前側に配置され、前記アッパーカバー及び前記第1ボトムカバーに対して分離可能な第2ボトムカバーと、を備え、
前記基板は、前記第1ボトムカバーとの対向面にグランドパッドを備え、
前記第1ボトムカバーは、前記グランドパッドに向かって突出した筒状のボス部を有し、前記ボス部の上端が前記グランドパッドと当接して電気的に接地されており、
前記アッパーカバーと前記第1ボトムカバーは、前記ボス部の内側を挿通するボルトを介して固定され、
前記基板には、前記ボルトが貫通する貫通孔が形成され、
前記グランドパッドは、前記貫通孔の周囲に配置され、
前記第1ボトムカバーの内側には、前記アッパーカバーから前記ボルトを取り外した際に、前記ボルトの脱落を防止する絶縁性のワッシャーが設けられ、
前記ワッシャーは、前記ボス部の内側、且つ、前記ボス部の内径を局所的に小さくする絞り部の上面側に配置されている、
電子機器。
【請求項2】
前記高周波発生部品は、前記基板に複数設けられ、
前記高周波シールドは、前記奥行き方向と交差する幅方向に延在し、複数の前記高周波発生部品と前記奥行き方向において対向している、
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器として、例えば、携帯可能なノート型のパーソナルコンピュータは、ベース部と、ヒンジと、表示部と、を備えている。ベース部は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリー、アンテナ、及び他の種々の部品を収容している(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7273353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板には、CPUなどの高周波が発生する電子部品が複数設けられおり、アンテナが当該高周波の影響を受けないように、ベース部の筐体内に高周波シールドを設置する必要がある。しかしながら、高周波シールドを設置すると、筐体内のスペースが圧迫され、その分、バッテリーの容量を小さくしなければならないなど、影響を受ける場合がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、扁平箱状の筐体内のスペースを有効活用して、高周波シールドを含む各種部品を適切に配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様の電子機器は、扁平箱状の筐体と、前記筐体の内部に設けられたアンテナ、バッテリー、基板と、を備え、前記アンテナ、前記バッテリー、前記基板は、前記筐体の奥行き方向において、手前側から奥側に向ってこの順に配置され、前記基板には、高周波が発生する高周波発生部品と、前記高周波発生部品と前記バッテリーとの間に配置された高周波シールドと、が設けられている。
【0007】
また、上記電子機器において、前記高周波発生部品は、前記基板に複数設けられ、前記高周波シールドは、前記奥行き方向と交差する幅方向に延在し、複数の前記高周波発生部品と前記奥行き方向において対向してもよい。
【0008】
また、上記電子機器において、前記筐体は、アッパーカバーと、ボトムカバーと、を備え、前記ボトムカバーは、前記奥行き方向の奥側に配置され、前記アッパーカバーに固定された第1ボトムカバーと、前記奥行き方向の手前側に配置され、前記アッパーカバー及び前記第1ボトムカバーに対して分離可能な第2ボトムカバーと、を備えてもよい。
【0009】
また、上記電子機器において、前記基板は、前記第1ボトムカバーとの対向面にグランドパッドを備え、前記第1ボトムカバーは、前記グランドパッドと当接して電気的に接地されてもよい。
【0010】
また、上記電子機器において、前記アッパーカバーと前記第1ボトムカバーは、ボルトを介して固定され、前記基板には、前記ボルトが貫通する貫通孔が形成され、前記グランドパッドは、前記貫通孔の周囲に配置されてもよい。
【0011】
また、上記電子機器において、前記第1ボトムカバーの内側には、前記アッパーカバーから前記ボルトを取り外した際に、前記ボルトの脱落を防止する絶縁性のワッシャーが設けられてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、扁平箱状の筐体内のスペースを有効活用して、高周波シールドを含む各種部品を適切に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における電子機器の底面側斜視図である。
図2】本発明の一実施形態におけるボトムカバーの底面図及びボトムカバーの分解図である。
図3】本発明の一実施形態におけるボトムカバーを取り外した筐体の底面図である。
図4図3に示すIV-IV断面図である。
図5図3に示す領域Aの拡大図である。
図6図5に示すVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態における電子機器1の底面側斜視図である。
電子機器1は、筐体10及び蓋体20を備える。この電子機器1は、クラムシェル型のラップトップパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型のパーソナルコンピュータ)である。
【0016】
なお、以下の説明において、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は、筐体10の幅方向であり、Y軸方向は、筐体10の奥行き方向であり、Z軸方向は、筐体10の高さ方向(厚み方向ともいう)である。筐体10は、奥行き方向奥側(-Y側)の端部において、図示しないヒンジを介して蓋体20と接続されている。
【0017】
筐体10は、筐体10の上面を形成するアッパーカバー11と、筐体10の底面を形成するボトムカバー12と、を備えている。アッパーカバー11には、図示しないキーボードと、タッチパッド11a(図1において不図示、図4参照)と、が設けられている。タッチパッド11aは、奥行き方向手前側(+Y側)に配置され、キーボードは、タッチパッド11aよりも奥行き方向奥側(-Y側)に配置されている。
【0018】
蓋体20は、筐体10のアッパーカバー11に対向する面に、図示しない表示装置を備えている。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから形成されている。蓋体20は、筐体10の奥行き方向奥側(-Y側)の端部に設けられた図示しないヒンジに、幅方向(X軸方向)に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
【0019】
蓋体20が開かれると、表示装置が奥行き方向手前側(+Y側)を向き、筐体10のアッパーカバー11(キーボード、タッチパッド11aなど)が開放された状態になる。一方、蓋体20が閉じられると、図1に示すように、蓋体20は、表示装置及び筐体10のアッパーカバー11を覆うカバーとなる。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態におけるボトムカバー12の底面図及びボトムカバー12の分解図である。
図2に示すように、ボトムカバー12は、第1ボトムカバー13と、第2ボトムカバー14とに、奥行き方向(Y軸方向)において分離可能な構成となっている。
【0021】
第1ボトムカバー13は、奥行き方向奥側(-Y側)に配置され、上述したアッパーカバー11に対して固定されている。第1ボトムカバー13には、筐体10内の熱を放熱する複数の排気口13aが形成されている。複数の排気口13aは、筐体10の内部に配置された図示しない空冷ファンの排気口と対向している。
【0022】
第1ボトムカバー13の奥行き方向手前側(+Y側)には、段差部13bが設けられている。段差部13bは、第2ボトムカバー14によって底面側(-Z側)から覆われる。段差部13bには、第2ボトムカバー14を分離した際に、後述する図3に示すソリッドステートドライブ43(以下、SSD43という)を交換可能に露出させる開口部13cが形成されている。
【0023】
第1ボトムカバー13と第2ボトムカバー14は、一対のロック機構15を介して分離可能にロックされている。ロック機構15は、第1ボトムカバー13の段差部13bのロック機構配置部15aに配置されると共に、第2ボトムカバー14の係止孔15bに係止するスライド爪を有する。ロック機構15は、スライド爪をY軸方向にスライドさせることで、第1ボトムカバー13と第2ボトムカバー14とのロック及びロック解除を行う。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態におけるボトムカバー12を取り外した筐体10の底面図である。図4は、図3に示すIV-IV断面図である。なお、図3においては、筐体10の内部の各種電子部品の配置の視認性を向上させるため、空冷ファン及びキーボード等を図示しておらず、アッパーカバー11の一部が露出している。なお、図4においても同様に、空冷ファン及びキーボードを図示していない。
【0025】
図3に示すように、扁平箱状の筐体10の内部には、基板30と、高周波発生部品40と、高周波シールド50と、アンテナ60と、バッテリー70と、が設けられている。アンテナ60は、筐体10の奥行き方向の手前側(+Y側)の端部に配置され、アッパーカバー11に対して固定されている。アンテナ60は、LANアンテナ、WANアンテナなど、各種アンテナを含む。
【0026】
アンテナ60は、第1アンテナ61と、第2アンテナ62と、を備える。第1アンテナ61は、筐体10の奥行き方向の手前側(+Y側)かつ筐体10の幅方向一方側(+X側)の角部に配置されている。第2アンテナ62は、筐体10の奥行き方向手前側(+Y側)かつ筐体10の幅方向他方側(-X側)の角部に配置されている。アンテナ60は、上述した第2ボトムカバー14によって覆われる。
【0027】
バッテリー70は、アンテナ60より奥行き方向奥側(-Y側)かつ基板30より奥行き方向手前側(+Y側)に配置されている。バッテリー70は、幅方向(Y軸方向)に延びる矩形状を有する。バッテリー70は、筐体10内部の各種電子部品と電気的に接続されている。バッテリー70は、上述した第2ボトムカバー14によって覆われる。すなわち、第2ボトムカバー14は、バッテリーカバーであり、第2ボトムカバー14を分離した際には、バッテリー70が底面側(-Z側)から交換可能に露出する。
【0028】
基板30は、バッテリー70より奥行き方向奥側(-Y側)に配置され、アッパーカバー11に対して固定されている。基板30には、高周波発生部品40を含む各種電子部品(CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージなど)が設けられている。基板30は、第1基板31と、第2基板32と、を備える。第1基板31は、幅方向一方側(+X側)に配置されている。第2基板32は、幅方向他方側(-X側)に配置されている。
【0029】
第1基板31には、高周波発生部品40として、第1CPU41と、第1コイル42と、SSD43と、が設けられている。また、第2基板32には、高周波発生部品40として、第2CPU44と、第2コイル45と、メモリー46と、パネルインターフェースコネクタ47と、が設けられている。パネルインターフェースコネクタ47は、蓋体20の表示装置と第2基板32を接続する。なお、本実施形態では、基板30が2枚あるが、基板30は1枚であっても構わない。
【0030】
高周波シールド50は、高周波発生部品40とバッテリー70との間に配置されている。高周波シールド50は、金属材であり、基板30に設けられている。高周波シールド50は、電気的に接地されている。高周波シールド50は、第1高周波シールド51と、第2高周波シールド52と、を含む。第1高周波シールド51は、第1基板31に設けられている。第2高周波シールド52は、第2基板32に設けられている。
【0031】
第1高周波シールド51は、第1基板31の奥行き方向手前側(+Y側)に配置されたSSD43を囲うように、第1基板31の奥行き方向手前側(+Y側)の端縁に沿って設けられている。第1高周波シールド51の一部は、幅方向(X軸方向)に延在し、複数の高周波発生部品40(第1CPU41、第1コイル42、SSD43)と奥行き方向において対向している。
【0032】
第2高周波シールド52は、第2基板32の奥行き方向手前側(+Y側)の端縁に沿って設けられている。第2高周波シールド52の一部は、幅方向(X軸方向)に延在し、複数の高周波発生部品40(第2CPU44、第2コイル45、メモリー46、パネルインターフェースコネクタ47)と奥行き方向において対向している。
【0033】
図4に示すように、第2高周波シールド52は、第2基板32の下面から下方に延び第2ボトムカバー14に設けられたガスケット53と当接している。ガスケット53は、導電性を有する弾性体であって、例えば、外表面に金属膜を有するスポンジ体から形成されている。第2高周波シールド52とガスケット53が当接することで、第2ボトムカバー14が電気的に接地される。
なお、第1高周波シールド51においても、図示しないが、第2高周波シールド52と同様の構造としてもよいし、異なる構造(例えば、PCBホルダーやFPCに第1高周波シールド51を設ける構造)とし、図示しないガスケットに当接させてもよい。
【0034】
図5は、図3に示す領域Aの拡大図である。図6は、図5に示すVI-VI断面図である。
図5に示すように、筐体10の幅方向他端側(-X側)の端部には、第1ボトムカバー13を電気的に接地させる接地構造80が設けられている。
【0035】
図6に示すように、基板30は、第1ボトムカバー13との対向面にグランドパッド81を備えている。第1ボトムカバー13は、グランドパッド81と当接して電気的に接地されている。具体的に、グランドパッド81は、基板30が第1ボトムカバー13と対向する下面側(-Z側)の面に設けられている。グランドパッド81は、底面視で円形に形成されている(図5参照)。
【0036】
第1ボトムカバー13は、グランドパッド81に向かって、上方に突出したボス部13eを有する。ボス部13eの上端面は、グランドパッド81に当接している。ボス部13eは、ボルト83がZ軸方向に挿通(貫通)する筒状に形成されている。ボルト83は、アッパーカバー11のネジ穴11cに螺合することで、アッパーカバー11と第1ボトムカバー13とを固定している。
【0037】
基板30には、ボルト83が貫通する貫通孔30aが形成されている。グランドパッド81は、貫通孔30aの周囲に配置されている。第1ボトムカバー13の内側には、アッパーカバー11からボルト83を取り外した際に、ボルト83の脱落を防止する絶縁性(例えば、ナイロン製)のワッシャー84が設けられている。
【0038】
ボス部13eの内側には、ボス部13eの内径を局所的に小さくする絞り部13dが設けられている。ワッシャー84は、絞り部13dの上面側(+Z側)に配置されている。なお、ワッシャー84の外径は、絞り部13dの内径よりも大きい。また、ワッシャー84の内径は、ボルト83のネジ山径より小さく、ボルト83のネジ谷径より大きい。
【0039】
なお、基板30の上面側(+Z側)にも、グランドパッド82が形成されている。グランドパッド82は、貫通孔30aの周囲に配置され、アッパーカバー11と当接することで、アッパーカバー11を電気的に接地させる。
【0040】
次に、上記構成の電子機器1の作用効果について説明する。
【0041】
電子機器1は、図4に示すように、筐体10の奥行き方向(Y軸方向)において、手前側(+Y側)から奥側(-Y側)に向って、アンテナ60、バッテリー70、基板30が順に配置されている。基板30には、高周波が発生する高周波発生部品40が設けられていおり、高周波発生部品40とバッテリー70との間には、高周波シールド50が配置されている。
【0042】
これにより、高周波発生部品40から発生した高周波は、高周波シールド50によって遮られ、アンテナ60が受ける高周波の影響が小さくなる。また、高周波シールド50が、バッテリー70の奥行き方向奥側(-Y側)に配置されることで、バッテリー70の奥行き方向手前側(+Y側)のスペースを有効利用できる。例えば、図4に示すように、バッテリー70とアンテナ60との隙間S1を小さくし、その分、バッテリー70を大きくすることができる。
【0043】
また、図2に示すように、筐体10のボトムカバー12は、第1ボトムカバー13と、第2ボトムカバー14と、に分離可能である。第1ボトムカバー13は、奥行き方向奥側(-Y側)に配置され、アッパーカバー11に固定されている。また、第2ボトムカバー14は、奥行き方向手前側(+Y側)に配置されている。第2ボトムカバー14は、アッパーカバー11及び第1ボトムカバー13に対して分離可能であって、言い換えれば、第2ボトムカバー14は、第1ボトムカバー13に対して浮いた状態で固定されている。
【0044】
これにより、電子機器1の使用者が、例えば、筐体10を持ち上げる際に、筐体10の奥行き方向手前側(+Y側)を掴んでも、第2ボトムカバー14は第1ボトムカバー13に対して浮いた状態(リジッドに固定されていない状態)のため、筐体10の奥行き方向手前側(+Y側)を掴んだ力が、第2ボトムカバー14から第1ボトムカバー13に伝達され難くなり、例えば第1ボトムカバー13のボルト83の固定部等に応力が集中して破損(所謂、ロッキング現象)が生じる可能性が低くなる。
【0045】
なお、浮いた状態の第2ボトムカバー14の電気的な接地は、図4に示すように、高周波シールド50とガスケット53を当接させることで確保できる。一方、第1ボトムカバー13は、アッパーカバー11に対してリジットに固定できるため、第1ボトムカバー13の電気的な接地は、ガスケット53のような弾性体を使用せずに、図5に示すグランドパッド81で確保できる。グランドパッド81は、基板30に設けられているため、直径D1を大きくでき、第1ボトムカバー13との当接及び電気的な接地の安定性を高めることができる。
【0046】
このように、上述の本実施形態の電子機器1は、扁平箱状の筐体10と、筐体10の内部に設けられたアンテナ60、バッテリー70、基板30と、を備え、アンテナ60、バッテリー70、基板30は、筐体10の奥行き方向(Y軸方向)において、手前側(+Y側)から奥側(-Y側)に向ってこの順に配置され、基板30には、高周波が発生する高周波発生部品40と、高周波発生部品40とバッテリー70との間に配置された高周波シールド50と、が設けられている。この構成によれば、扁平箱状の筐体10内のスペースを有効活用して、高周波シールド50を含む各種部品を適切に配置することができる。
【0047】
また、本実施形態において、図3に示すように、高周波発生部品40は、基板30に複数設けられ、高周波シールド50は、奥行き方向と交差する幅方向(X軸方向)に延在し、複数の高周波発生部品40と奥行き方向において対向している。この構成によれば、複数の高周波発生部品40から発生した高周波を、高周波発生部品40より少ない数の高周波シールド50で効率よく遮断できる。
【0048】
また、本実施形態において、筐体10は、アッパーカバー11と、ボトムカバー12と、を備え、ボトムカバー12は、奥行き方向の奥側(-Y側)に配置され、アッパーカバー11に固定された第1ボトムカバー13と、奥行き方向の手前側(+Y側)に配置され、アッパーカバー11及び第1ボトムカバー13に対して分離可能な第2ボトムカバー14と、を備えている。この構成によれば、使用者が、筐体10の奥行き方向の手前側(第2ボトムカバー14)を掴んでも、固定部(第1ボトムカバー13)に負荷がかかり難くなる。
【0049】
また、本実施形態において、基板30は、第1ボトムカバー13との対向面にグランドパッド81を備え、第1ボトムカバー13は、グランドパッド81と当接して電気的に接地されている。この構成によれば、第1ボトムカバー13を安定して接地させることができる。
【0050】
また、本実施形態において、アッパーカバー11と第1ボトムカバー13は、ボルト83を介して固定され、基板30には、ボルト83が貫通する貫通孔30aが形成され、グランドパッド81は、貫通孔30aの周囲に配置されている。この構成によれば、ボルト83の締め付けにより、第1ボトムカバー13とグランドパッド81とを密に当接させることができる。
【0051】
また、本実施形態において、第1ボトムカバー13の内側には、アッパーカバー11からボルト83を取り外した際に、ボルト83の脱落を防止する絶縁性のワッシャー84が設けられている。この構成によれば、第1ボトムカバー13をアッパーカバー11から取り外す際に、ボルト83の紛失を防止できる。
【0052】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上記の実施形態において説明した各構成は、矛盾しない限り任意に組み合わせることができる。
【0053】
例えば、電子機器として、ノートPCを例示したが、他の端末装置であっても本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 電子機器、10 筐体、11 アッパーカバー、11a タッチパッド、11c ネジ穴、12 ボトムカバー、13 第1ボトムカバー、13a 排気口、13b 段差部、13c 開口部、13d 絞り部、13e ボス部、14 第2ボトムカバー、15 ロック機構、15a ロック機構配置部、15b 係止孔、20 蓋体、30 基板、30a 貫通孔、31 第1基板、32 第2基板、40 高周波発生部品、41 第1CPU、42 第1コイル、43 ソリッドステートドライブ、44 第2CPU、45 第2コイル、46 メモリー、47 パネルインターフェースコネクタ、50 高周波シールド、51 第1高周波シールド、52 第2高周波シールド、53 ガスケット、60 アンテナ、61 第1アンテナ、62 第2アンテナ、70 バッテリー、80 接地構造、81 グランドパッド、82 グランドパッド、83 ボルト、84 ワッシャー、D1 直径、S1 隙間
【要約】
【課題】扁平箱状の筐体内のスペースを有効活用して、高周波シールドを含む各種部品を適切に配置すること。
【解決手段】電子機器1は、扁平箱状の筐体10と、筐体10の内部に設けられたアンテナ60、バッテリー70、基板30と、を備え、アンテナ60、バッテリー70、基板30は、筐体10の奥行き方向(Y軸方向)において、手前側(+Y側)から奥側(-Y側)に向ってこの順に配置され、基板30には、高周波が発生する高周波発生部品40と、高周波発生部品40とバッテリー70との間に配置された高周波シールド50と、が設けられている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6