(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】管束熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/16 20060101AFI20241107BHJP
F28F 9/18 20060101ALI20241107BHJP
F28D 7/16 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
F28F9/16
F28F9/18
F28D7/16 A
(21)【出願番号】P 2023522815
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2021000127
(87)【国際公開番号】W WO2022106045
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102020007022.1
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592179160
【氏名又は名称】ヴィーラント ウェルケ アクチーエン ゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】WIELAND-WERKE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ガイブラー ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ガターバーム アチーム
(72)【発明者】
【氏名】ホーマン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】オブスト ベレナ
(72)【発明者】
【氏名】シュルス ミッチェル
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-099857(JP,U)
【文献】実開昭51-117270(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/16
F28F 9/18
F28D 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管束熱交換
器の内部空
間を共同で画定する包囲する外
殻と少なくとも1つの管底
部とを備える管束熱交換
器であって、
-前記内部空
間に配置され、第1の流体によって貫流可能であり、選択的に追加の支持金属
板によって支持される複数の熱交換
管を有する管束であって、前記熱交換
管が、管外面に成形された、リブ
足とリブ側
面とリブ先
端とを含むねじ線状に周回する一体
的な外側リブ部を有し、前記
外側リ
ブ部の間に溝
底を含む
溝が形成される、管束と、
-前記外
殻における、第2の流体を前記内部空
間に導入できる少なくとも1つの入
口、および前記第2の流体を前記内部空
間から導出できる少なくとも1つの出
口と、
-選択的に、前記少なくとも1つの管底
部に配置された前記第1の流体を分配、偏向、または収集するための少なくとも1つの接続
箱と、を備え、
前記少なくとも1つの管底
部が、貫通箇所としてのいくつかの空
所を有し、各空
所が内表
面を具備する、管束熱交換器において、
-前記熱交換
管が、前記熱交換管の
前記外側リブ
部により前記管底
部の前記空
所内に少なくとも突出し、それによって前記空
所の前記内表
面と前記熱交換
管の前記空
所内にある前記外側リブ
部との間にそれぞれ接合隙
間が形成されることと、
-前記熱交換管が前記管底部に溶接により接合されることと、
-前記熱交換
管が、接合材
料により、および前記外側リブ
部を含めて前記管底
部との材料結合的接
続を有し、前記材料結合的接続は、
前記熱交換
管の端
面から軸方
向に延びる、前記空
所の第1の部
分において前記接合隙
間に接合材
料が充填されることにより、前記第1の部
分にのみ形成され、それにより前記接合隙
間に接合材料が充填されない前記空
所の第2の部
分が残り、前記熱交換
管は、前記管外面の前記第2の部
分の領域にさらに外側リブ
部を有することと、を特徴とする管束熱交換器。
【請求項2】
前記接合材
料が充填される前記第1の部
分が、軸方
向で前記接合隙
間全体の長さの70%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の管束熱交換
器。
【請求項3】
前記熱交換
管の前記リブ先
端と前記空
所の前記内表
面との間の内のり幅が、前記溝
底から前記リブ先
端まで測定されるリブ高さの最大で30%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の管束熱交換
器。
【請求項4】
前記材料結合的接
続が気密および耐圧に形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の管束熱交換
器。
【請求項5】
前記熱交換
管が、貫通箇
所としての前記空所に、前記貫通箇
所以外の前記熱交換
管の管内
径より大きい管内
径を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の管束熱交換
器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管束熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管束熱交換器は、熱を第1の流体から第2の流体へ移動させるために用いられる。この目的で、管束熱交換器は、たいていの場合、内部に複数の管が配置される中空円筒を有する。2つの流体のうちの1つは管を通して、もう1つは中空円筒を通して、特に管の周りに導くことができる。管は、管の端で管束熱交換器の1つの管底部または複数の管底部に管の円周に沿って取り付けられる。管束熱交換器の製造プロセスの過程で、管は、その端で、例えば管底部と材料結合的に接続される。一般に、管束熱交換器の管を管束熱交換器の管底部と少ない手間とコストで高品質に互いに接続するための可能性を提供することが望ましい。
【0003】
特許文献1から、管束熱交換器の管を管底部と接続する方法が記載されている。管と管底部はそれぞれアルミニウムまたはアルミニウム合金から製作され、レーザ溶接により管底部と(mit dem Rohrboden)材料結合的に接続される。その際、生成されるレーザビームの強度は1MW/cm2を超える。レーザ溶接の前に管束熱交換器の管を管底部と形状結合的に接続することも考えられている。
【0004】
製造される管束熱交換器は、製造済ですぐに使える状態では中空円筒の内部に配置された複数の管を有する。管底部はプレートとして形成されてもよく、直径が実質的に管の外径に相当する孔を有している。各管は、一端でこれらの孔のうちの1つにそれぞれ取り付けられる。
【0005】
管は、直管熱交換器として中空円筒の内部に直線的に延びることができる。この場合、直管熱交換器の互いに向かい側に位置する端に配置された2つの管底部が設けられている。その場合、各管は、それぞれ1つの端でこれらの2つの管底部の1つにそれぞれに取り付けられる。
【0006】
これらの管は、中空円筒内でU管熱交換器としてU字状に延びることもできる。このようなU管熱交換器は、通常、管底部を1つしか有していない。この場合、管はU字状に曲げられるので、管をそれぞれ、その両端で同じ管底部に取り付けることができる。
【0007】
特許文献2から、レーザビームの送り運動に往復運動が重畳される排気ガス冷却用の熱交換器をレーザ溶接する方法が知られている。この往復運動は、送り方向に対して実質的に垂直方向に行われる。往復運動は、隙間をよりよく埋めるという理由で行われる。
【0008】
さらに、特許文献3から、管束熱交換器の管を管底部と接続する方法が知られている。管は、レーザ溶接によって管底部と材料結合的に接続される。接続のために、レーザビームを生成し、管と管底部との間の接続領域の溶接箇所に集束させる。この場合、レーザビームは、それが接続領域にわたって第1の運動を行い、かつ第1の運動に重畳される、第1の運動とは異なった第2の運動を行うように動かされる。第2の運動によって、溶融浴の動的挙動に的確に影響が及ぼされ、生じる蒸気毛細管が有利に改変される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2017/025184号 公報
【文献】独国特許出願公開第102006031606号明細書
【文献】国際公開第2017/125253号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、管束熱交換器の管を管底部と確実かつ少ない手間で高品質に接続するという課題にもとづいている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、管束熱交換器の内部空間を共同で画定する包囲する外殻と少なくとも1つの管底部とを備える管束熱交換器であって、-前記内部空間に配置され、第1の流体によって貫流可能であり、選択的に追加の支持金属板によって支持される複数の熱交換管を有する管束であって、前記熱交換管が、管外面に成形された、リブ足とリブ側面とリブ先端とを含むねじ線状に周回する一体的な外側リブ部を有し、前記外側リブ部の間に溝底を含む溝が形成される、管束と、-前記外殻における、第2の流体を前記内部空間に導入できる少なくとも1つの入口、および前記第2の流体を前記内部空間から導出できる少なくとも1つの出口と、-選択的に、前記少なくとも1つの管底部に配置された前記第1の流体を分配、偏向、または収集するための少なくとも1つの接続箱と、を備え、前記少なくとも1つの管底部が、貫通箇所としてのいくつかの空所を有し、各空所が内表面を具備する、管束熱交換器において、-前記熱交換管が、前記熱交換管の前記外側リブ部により前記管底部の前記空所内に少なくとも突出し、それによって前記空所の前記内表面と前記熱交換管の前記空所内にある前記外側リブ部との間にそれぞれ接合隙間が形成されることと、-前記熱交換管が前記管底部に溶接により接合されることと、-前記熱交換管が、接合材料により、および前記外側リブ部を含めて前記管底部との材料結合的接続を有し、前記材料結合的接続は、前記熱交換管の端面から軸方向に延びる、前記空所の第1の部分において前記接合隙間に接合材料が充填されることにより、前記第1の部分にのみ形成され、それにより前記接合隙間に接合材料が充填されない前記空所の第2の部分が残り、前記熱交換管は、前記管外面の前記第2の部分の領域にさらに外側リブ部を有することと、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】外側リブ
部を有する熱交換管の詳細図を含む管束熱交換器の模式的側面図である。
【
図2】貫通箇所を有する管底部の一部の模式的正面図である。
【
図3】熱交換管の貫通箇所の平面における管底部の模式的垂直断面図である。
【
図4】管底部と熱交換管との材料結合的接続の断面の模式的詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
模式的図面をもとにして本発明の実施例を詳しく説明する。
【0014】
互いに対応する部品には、すべての図において同じ参照符号が付されている。
【0015】
本発明の実施形態は、管束熱交換器の内部空間を共同で画定する包囲する外殻と少なくとも1つの管底部と、を備える管束熱交換器を含む。管束熱交換器は、内部空間に配置され、第1の流体によって貫流可能であり、選択的に追加の支持金属板によって支持される複数の熱交換管を有する管束を備えている。熱交換管は、管外面に成形された、リブ足(Rippenfuss)とリブ側面とリブ先端とを含むねじ線状に周回する一体リブを有し、リブの間に溝底を含む溝が形成される。管束熱交換器は、第2の流体を内部空間に導入することができる少なくとも1つの入口と、第2の流体を内部空間から導出することができる少なくとも1つの出口とを外殻に備えている。管束熱交換器は、選択的に、少なくとも1つの管底部に配置された、第1の流体を分配、偏向、または収集するための少なくとも1つの接続箱を備えている。少なくとも1つの管底部は、貫通箇所としてのいくつかの空所を有し、各空所は内表面を具備する。熱交換管は、熱交換管の外側リブ部(Aussenberippung)により管底部の空所内に少なくとも突出し、それによって空所の内表面と熱交換管の空所内にある外側リブ部との間にそれぞれ接合隙間が形成される。熱交換管は、接合材料により、および外側リブ部を含めて管底部との材料結合的接続を有し、材料結合的接続は、熱交換管の端面から軸方向に延びる、空所の第1の部分において接合隙間に接合材料が充填されることにより、この第1の部分にのみ形成され、それにより接合隙間に接合材料が充填されない空所の第2の部分が残り、熱交換管は、管外面の第2の部分の領域にさらに外側リブ部を有する。
【0016】
換言すると、熱交換管は、それが管底部に入るかまたは管底部を通り抜ける貫通箇所内に外側リブ部を有する。この外側リブ部は、材料結合的接続のための材料によって包囲され、それにより気体または液体の通路がハーメチックにシールされる。純粋な材料結合に力結合および形状結合と合わせた組み合わせも有利に用いることができる。
【0017】
接合材料は、端面から接合隙間への第1の部分において軸方向にある程度までしか入り込まないが、これは、例えば平滑管の場合のような自由な通過を外側リブ部が妨げるからである。したがって、外側リブ部は、周りを流れるか、または溶かさなければならないバリアを形成する。特に、はんだ付けおよび接着といった接合方法の場合、周りを流れることが特に重要である。溶接の場合、端面側で熱交換管の外側リブ部が部分的に共に溶ける。その場合、好ましくは、溶融物の温度が内部に位置するリブを溶かすのに十分でなくなると直ちに溶融流が外側リブ部のうちの1つで停止する。このバリアは、溶融物が接合隙間にそれ以上入り込むことを停止させる。このようにして、接合過程において、管端面の近くで接合箇所をすでに完全に閉鎖する接合材料の所定の流動過程が行われる。
【0018】
熱交換管は、外側リブ部に加えて、選択的に内部構造を有することができる。内部構造は、予め定められたねじれ角を有する内部で周回する螺旋の形態で形成することができる。熱交換管の外面が螺旋状に周回する外側リブ部を有する場合、周回する外側リブ部のピッチを周回する螺旋のねじれ角によって予め定められたピッチと同じに、それより小さく、または大きく形成することができる。したがって、熱交換管の外面を容器壁と材料結合的に接続するために、外側リブ部と内部構造の形を互いに独立して形成して最適化できるという意味で2つの構造を区別することができる。
【0019】
しかし、熱交換器を最適化するために、2つの構造にある程度の範囲が設定される。外側リブ部の最大構造高さと内部構造の最大構造高さの比率は、液化管の場合、好ましくは1.25~5の範囲、気化管の場合、好ましくは0.5~2の範囲である。
【0020】
本発明の実施形態による管束熱交換器は、はるかにコンパクトな構造にすることができるので、とりわけ投資コストが削減される。この場合、外側リブ部は管底部内まで延び、それにより1ユニット当たりの熱交換管の数を格段に少なくすることができる。リブ管は、要求に応じてより効率的なエネルギー使用または充填量の低減を可能にし、そのことが運転コストを下げる。
【0021】
その場合、本発明は、熱交換管と管底部との材料結合的接続が特に確実かつ少ない手間で高品質に達成されるという考察を出発点とする。本発明の実施形態によれば、熱交換管は、その外側の外側リブ部により管底部に入るか、または管底部を通り抜ける。その場合、管と管底部との材料結合的接続に直接隣接して外側リブ部が引き続き残る。これには、管束熱交換器の内部で熱交換管が効率的な熱伝達のために一貫した外側リブ部を有するという特別な利点がある。
【0022】
本発明の有利な実施形態では、接合材料が充填される第1の部分が、軸方向で接合隙間全体の長さの70%未満であり得る。有利には、接合隙間の充填される第1の部分は全長の50%未満にすぎない。特に溶接接合の場合、第1の部分の20%の充填度でも流体密な材料結合的接続を作成するのに十分であり得る。
【0023】
有利には、熱交換管のリブ先端と空所の内表面との間の内のり幅が溝底からリブ先端まで測定されるリブ高さの最大で30%であり得る。この内のり幅により外側リブ部のバリア効果が変化する。特にはんだ付けおよび接着といった接合過程の場合、充填される第1の部分を形成するために、接合材料を接合隙間のこの内のり幅にわたって的確に導入することができる。これに加えて、接合材料の別の流路は、成形されたねじ線状に周回する一体リブによって形成される溝である。ただし、溝断面は、リブ高さおよび隣り合うリブの間隔によって予め定められ、通常、選択される内のり幅より小さく作られる。
【0024】
有利には、材料結合的接続を気密かつ耐圧に形成することができる。効率的な熱伝達に関連する機械的安定性に関する機能の他に、ハーメチックシールは、あらゆる動作モードで周囲環境との流体交換を防ぐために重要である。
【0025】
本発明の有利な一実施形態では、熱交換管は、貫通箇所において、貫通箇所以外の熱交換管の管内径D1より大きい管内径D2を有する。
【0026】
熱交換管が管底部に入るか、または管底部を通り抜ける貫通箇所内に依然として外側リブ部を有する場合、プロセス側には、熱交換管の拡径の結果、貫通内径D2が拡大するということが根底にある。その場合、拡径によって、貫通箇所内で外側リブ部が圧潰される。それでも材料結合的接続が安定したハーメチックシールをもたらす。
【0027】
基本的に、外側リブ部は、熱交換管の外面において、好ましくは周方向に、または管軸線と平行の軸方向に延びることができる。本発明の有利な実施形態では、熱交換管の外面は、螺旋状に周回する外側リブ部を有することができる。螺旋状の外側リブ部の場合、残りの隙間と、外側リブ部と共に螺旋状に周回する溝とを材料結合的接続によって確実にシールしさえすればよい。
【0028】
通常、熱交換管には、適切な単一の材料が好ましいが、本発明の有利な実施形態では、少なくとも1つの第1の熱交換管が第1の材料からなり、少なくとも1つの第2の熱交換管が、第1の材料とは異なる第2の材料からなることができる。機械的安定性の点では、特に高強度の鋼管が特別な利点を提供できる。これに対して銅管は、効率的な熱伝達の点で最適化をもたらす。例えばチタン、アルミニウム、アルミニウム合金、銅ニッケル合金などの他の材料も考えられる。
【0029】
図1は、包囲する外殻2と2つの管底部3とを有し、これらが管束熱交換器1の内部空間4を共同で画定する管束熱交換器1の模式的側面図を示す。管束熱交換器1は、内部空間4に配置され、熱伝達のための第1の流体によって貫流可能であり、かつ追加の支持金属板6によって支持される複数の熱交換管5を有する管束を備える。それに加えて、このような支持金属板6は、多くの場合、流体流のための案内板としても用いられる。それに加えて、管束熱交換器1は、熱交換管の内部の第1の流体を要求に応じて分配、偏向、または収集する接続箱7を備えている。熱伝達のための第2の流体を内部空間に導入できる少なくとも1つの入口8と、第2の流体を内部空間から導出できる少なくとも1つの出口9とが外殻2に設けられている。外側リブ
部51を有する熱交換管5が詳細図に拡大されている。管外面に成形され、ねじ線状に管軸線Aを中心に周回する一体リブ51がそれ以外に(im Uebrigen)知られている圧延法によって形成されている。
【0030】
図2は、貫通箇所31を有する管底部3の一部の模式的正面図を示す。貫通箇所31において、管底部3の空所はちょうど、熱交換管5がその外側リブ部51により挿入され、そこに材料結合的に接続され得る大きさであることが好ましい。貫通箇所31において、端面から管底部3の壁厚さの第1の部分にわたって材料結合的接続20としての溶接接合、接着接合、およびはんだ接合を行い、流体密に接続することができる。奥深くまで達する第2の部分には、
図2に見えない充填されない接合隙間の残部が管底部壁(Rohrbodenwandung)3に残される。
【0031】
図3は、熱交換管5の貫通箇所31の平面における管底部3の模式的垂直断面図を示す。図示された熱交換管5は外面に外側リブ部51を有する。図示される実施例では、熱交換管5は、貫通箇所としての空所31で管底部3を通り抜ける。熱交換管5は、この貫通箇所31に一貫した外側リブ部51を有する。
図3ではまだ設けられていない、例えば管円周の周りの一貫した溶接継ぎ目の形態の管底部3との材料結合的接続20が、接合過程後に接合隙間10の一部分に設けられる。管底部3および熱交換管5からの材料の組み合わせに応じて、溶接箇所20には、溶融浴中で有利な金属間の新たな相の形成が生じ得る。局部的な溶融流により材料結合的接続を作成するための適切な方法は、特にレーザ溶接である。
【0032】
図4は、熱交換管5との管底部3の材料結合的接続20の断面の模式的詳細図を示す。図示される実施形態では、熱交換管5は、管軸線Aの方向に、管底部3に設けられた空所31に押し込まれ、端面53が管底部の外表面で終わる。
【0033】
熱交換管5は、管外面に成形された、リブ足511とリブ側面512とリブ先端513とを含むねじ線状に周回する一体リブ51を有する。隣り合うリブ51間には、溝底521を有する溝52が形成される。
図4において、例えばレーザ溶接の場合に形成される溶接継ぎ目が材料結合的接続20として示される。場合によっては、接合時に、材料側に適切な溶接添加材料(Schweisszusaetze)が使用される。このようにして、材料流れと量を所望の接合結合に合わせて調整することもできる。図示される材料結合的接続では、プロセス条件により、レーザの入熱によって管底部3の特定の領域と熱交換管5のいくつかの外側リブ
部51とが少なくとも部分的に一緒に溶け、接合材料20として一体化される。接合時に溶融物が端面53から接合隙間10に入り込むが、特定の浸入深さの後に遮られ、それによって接合隙間10の第1の端面側の部分101のみが外側リブ
部51を含めて埋められる。溶融フロントで温度が低下することにより、それ以上溶けず、または周囲を流れず、それによってバリアとして機能するリブ51が溶融物のさらなる通過を防ぐ。このようにして、接合過程において接合箇所を管端面53の近くですでに完全に閉鎖することができる接合材料20の所定の流動過程が提供される。
【0034】
したがって、熱交換管5は、熱交換管5の端面53から軸方向に延びる、空所31の第1の部分101のみに形成される管底部3との材料結合的接続20を有する。空所31の第2の部分102には接合材料が充填されない。熱交換管5は、第2の部分102において管外面にさらに外側リブ部51を有する。
【符号の説明】
【0035】
1 管束熱交換器
2 外殻
3 管底部
31 空所、貫通箇所
311 空所の内表面
4 内部空間
5 熱交換管
51 一体リブ、外側リブ部
511 リブ足
512 リブ側面
513 リブ先端
52 溝
521 溝底
53 端面
6 支持金属板
7 接続箱
8 入口
9 出口
10 接合隙間
101 第1の部分
102 第2の部分
20 材料結合的接続、接合材料
A 管軸線、軸方向
D1、D2 管内径
矢印 流体流