(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】撮像モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20241107BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241107BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20241107BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20241107BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/57
(21)【出願番号】P 2023532758
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2021137353
(87)【国際公開番号】W WO2022127724
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】202011497271.4
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ズオクン
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-191615(JP,A)
【文献】特開2015-129855(JP,A)
【文献】特開2000-010139(JP,A)
【文献】特開2017-010012(JP,A)
【文献】特開2013-140285(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110673656(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108696687(CN,A)
【文献】特開2021-173995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/02-7/08
G03B 30/00
H04N 23/50
H04N 23/57
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、第1サポートと、第2サポートと、第1駆動部と、第2駆動部とを備え、
前記カメラは前記第1サポートに設けられ、前記第1駆動部は前記第2サポートに位置し且つ前記カメラに接続され、前記第2駆動部は前記第1サポートに接続され、前記第1サポートは前記第2サポートに回転可能に接続され、
前記第1駆動部は前記カメラを前記第1サポートに対して第1軸線周りに回転するように駆動することができ、前記第2駆動部は前記第1サポートと前記カメラを前記第2サポートに対して第2軸線周りに回転するように駆動することができ、前記第1軸線と前記第2軸線は互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線であ
り、
前記第2サポートには第1収容溝が設けられ、前記第1駆動部は前記第1収容溝に位置し、前記第1駆動部は前記第2サポートにヒンジ接続され、且つ前記第1駆動部と前記第2サポートのヒンジ接続軸は前記第2軸線の方向に沿って設けられ、
前記第1駆動部は、前記第1収容溝のノッチを通って前記第1収容溝内に移動するか、又は前記第1収容溝外に移動するように、前記第1サポートに追従して前記第2軸線周りに回転することができる、撮像モジュール。
【請求項2】
前記カメラは、接続ブロックによって前記第1サポートと回転可能に係合し、前記接続ブロックは、前記カメラに取り付けられるベース部と、前記ベース部に設けられる第1ヒンジ接続軸とを含み、前記第1サポートには第1接続孔が開設され、
前記第1ヒンジ接続軸は前記第1接続孔と回転可能に係合し、且つ前記第1接続孔を貫通して前記第1駆動部に接続され、
前記第1駆動部は、前記第1ヒンジ接続軸によって前記カメラを前記第1軸線周りに回転するように駆動する、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記第1サポートには弧形孔がさらに開設され、前記接続ブロックは前記ベース部に固定される第2ヒンジ接続軸をさらに含み、前記第2ヒンジ接続軸は前記弧形孔に摺動可能に係合し、前記第2ヒンジ接続軸は前記弧形孔の2つの端部と規制係合する、請求項
2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記第1サポートには第2接続孔がさらに開設され、前記第2接続孔と前記第1接続孔は同軸に設けられ、前記カメラには第3接続孔が開設され、
前記カメラには第3ヒンジ接続軸がさらに設けられ、前記第3ヒンジ接続軸と前記第1ヒンジ接続軸は同軸であり、且つそれぞれ前記カメラの背向する両側に位置し、
前記第3ヒンジ接続軸は前記第2接続孔及び前記第3接続孔を貫通し、前記第1サポートは第3ヒンジ接続軸によって前記カメラに回転可能に係合する、請求項
2に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記カメラには取り付け孔が開設され、前記ベース部は前記取り付け孔内に固定される、請求項
2に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記第2駆動部は、第1駆動モータ、第1接続軸及び工字形ブラケットを含み、前記第1駆動モータは前記第1接続軸に接続され、前記工字形ブラケットは前記第1接続軸に固定されて前記第1サポートの下端に接続される、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
第3サポートと第3駆動部とをさらに備え、前記第2サポートは前記第3サポートに設けられて前記第3駆動部に接続され、前記第3駆動部は前記第2サポートを第3軸線周りに前記第3サポートに対して回転するように駆動し、前記カメラは前記第2サポートに追従して前記第3軸線周りに回転することができ、前記第3軸線は前記カメラの光軸と同軸であり、前記第1軸線、前記第2軸線及び前記第3軸線は2つずつが互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線である、請求項
6に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記第3サポートと前記第2サポートとの間には、少なくとも2つの転動体が設けられ、
前記第2サポートは前記少なくとも2つの転動体によって前記第3サポートに回転可能に接続される、請求項
7に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記第2サポート又は前記第3サポートには少なくとも2つの第2収容溝が開設され、各前記転動体は1つの前記第2収容溝内に設けられる、請求項
8に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
固定台座をさらに備え、前記第3サポートは前記固定台座に取り付けられ、前記第1駆動モータはヒンジを介して前記第1接続軸に伝動可能に接続され、前記ヒンジのヒンジ接続軸は前記カメラの光軸方向に平行であり、前記第1駆動モータは前記固定台座に固定され、且つ前記第3サポートの外に位置し、前記第3サポートには第1帯状逃げ孔が開設され、前記ヒンジは前記第1帯状逃げ孔を貫通し、且つ前記第3サポート内に位置する前記第1接続軸に接続され、前記ヒンジは、前記第2サポートの前記カメラの光軸周りの回転に追従して変形するか、又は前記第1サポートの前記第2軸線周りの回転に追従して変形する、請求項
7に記載の撮像モジュール。
【請求項11】
前記固定台座はケース構造体であり、前記固定台座は第1ケース部と第2ケース部を含み、前記第1ケース部は前記第2ケース部に突き合わせられて収容キャビティを形成し、前記第3サポートは前記収容キャビティ内に位置し、前記第2サポートは前記第3サポート内に位置し、前記第1サポートは前記第2サポート内に位置する、請求項
10に記載の撮像モジュール。
【請求項12】
前記第1ケース部には第2帯状逃げ孔が開設され、前記第1ケース部の外側には支持台が設けられ、前記支持台は保護カバーで覆われ、前記第1駆動モータは前記保護カバー内に位置し、前記ヒンジは、順に前記第2帯状逃げ孔及び前記第1帯状逃げ孔を貫通して、前記第1接続軸に接続される、請求項
11に記載の撮像モジュール。
【請求項13】
前記第3駆動部は第2駆動モータ、第2接続軸及び歯車機構を含み、前記歯車機構は第1傘歯車、第2傘歯車及び第3歯車を含み、前記第1傘歯車は前記第2接続軸に設けられ
、固定台座には前記第3軸線と同軸に設けられた第3接続軸が回転可能に設けられ、前記第2接続軸は前記第3接続軸に垂直であり、
前記第2傘歯車と前記第3歯車は相互に固定され、且ついずれも前記第3接続軸に回転可能に接続され、前記第1傘歯車は前記第2傘歯車と噛合し、前記第3サポートにはリングギアが設けられ、前記第3歯車は前記リングギアと噛合し、
前記第2駆動モータは第2接続軸によって前記歯車機構の回転を駆動し、さらに前記カメラの前記第3サポートによる光軸周りの回転を前記第3歯車によって駆動する、請求項
7に記載の撮像モジュール。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか1項に記載の撮像モジュールを備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2020年12月17日に中国特許局へ出願した、出願番号が202011497271.4であり、発明の名称が「撮像モジュール及び電子機器」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容が参照により本発明に組み込まれる。
【0002】
本出願は、通信機器の技術分野に関し、特に撮像モジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザのニーズの高まりに伴い、電子機器の性能は最適化していく。中でも、現在の電子機器における撮影性能の持続的な強化は目立っている。電子機器が撮影する時、ユーザの手持ちによる振動は撮影の品質に影響を及ぼす。この問題を解決するために、関連技術では、電子機器に配置された撮像モジュールは手振れ補正機能を備え、OIS光学手振れ補正技術によって手振れ補正を実現する。具体的な作動過程において、OIS手振れ補正技術はX軸(撮像モジュールの光軸方向)、Y軸及びZ軸(Y軸とZ軸で決定された平面は撮像モジュールの光軸方向に垂直である)の3つの方向の移動のみで手振れ補正を行うことができる。しかし、OIS光学手振れ補正技術には手振れ補正効果が低いという問題が存在することにより、撮像モジュールの撮影品質は依然として低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、現在のカメラが移動のみによって手振れ補正を行うことができるという問題を解決するために、撮像モジュール及び電子機器を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本出願は下記技術的解決手段を採用する。
【0006】
第1側面において、本出願は、カメラと、第1サポートと、第2サポートと、第1駆動部と、第2駆動部とを備え、前記カメラは前記第1サポートに設けられ、前記第1駆動部は前記第2サポートに位置し且つ前記カメラに接続され、前記第2駆動部は前記第1サポートに接続され、前記第1サポートは前記第2サポートに回転可能に接続され、前記第1駆動部は前記カメラを前記第1サポートに対して第1軸線周りに回転するように駆動することができ、前記第2駆動部は前記第1サポートと前記カメラを前記第2サポートに対して第2軸線周りに回転するように駆動することができ、前記第1軸線と前記第2軸線は互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線である、撮像モジュールを提案する。
【0007】
第2側面において、本出願は、上記撮像モジュールを備える電子機器を提案する。
【発明の効果】
【0008】
本出願が採用する技術的解決手段は以下の有益な効果を達成することができる。
【0009】
本出願に開示される撮像モジュールは、カメラと、第1サポートと、第2サポートと、第1駆動部と、第2駆動部とを備え、カメラは第1サポートに設けられ、第1駆動部は、第1収容溝に位置し、且つカメラに接続され、第1サポートと第2駆動部はいずれも第2サポートに設けられ、第1駆動部はカメラを第1サポートに対して第1軸線周りに回転するように駆動し、第2駆動部は第1サポートを第2サポートに対して第2軸線周りに回転するように駆動し、第1軸線と第2軸線は2つずつが互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線であり、カメラは第1サポートに追従して第2軸線周りに回転し、第1駆動部は第1サポートに追従して第2軸線周りに回転する。このように、カメラは第1軸線又は第2軸線周りの回転調整を実現し、さらにカメラに対する手振れ補正機能を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本出願の実施例に開示されるカメラモジュールの分解図である。
【
図2】本出願の実施例に開示されるカメラの部分構造図である。
【
図3】本出願の実施例に開示される接続ブロックの構造図である。
【
図4】本出願の実施例に開示されるカメラカバーの構造図である。
【
図5】本出願の実施例に開示される第1サポートと第2駆動部との間の接続関係図である。
【
図5A】本出願の実施例に開示される第1サポートと第2駆動部との間の別の接続関係図である。
【
図6】本出願の実施例に開示される第1サポートの構造図である。
【
図7】本出願の実施例に開示される第2サポートと第3駆動部との間の接続関係図である。
【
図8】本出願の実施例に開示される第2サポートの構造図である。
【
図9】本出願の実施例に開示される第3駆動部の分解図である。
【
図10】本出願の実施例に開示される固定台座の構造図である。
【
図11】本出願の実施例に開示される第3サポートの構造図である。
【
図12】本出願の実施例に開示される第1ケース部の構造図である。
【
図13】本出願の実施例に開示されるカメラモジュールの上面構造図である。
【
図14】本出願の実施例に開示されるカメラモジュールが第1軸線又は第2軸線周りに回転調整を行う原理図である。
【
図15】本出願の実施例に開示されるカメラモジュールが第3軸線周りに回転調整を行う原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下において、本出願の具体的な実施例と対応する図面を関連付けて本出願の技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的労力を要することなく得た他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0012】
以下において、図面を参照しながら、本出願の各実施例に開示される技術的解決手段を詳しく説明する。
【0013】
いくつかの実施例において、
図1に示す撮像モジュールは、カメラ100と、第1サポート200と、第2サポート300と、第1駆動部400と、第2駆動部500とを備える。
【0014】
図2、
図5及び
図14に示すように、カメラ100は第1サポート200に設けられ、第1駆動部400は第2サポート300に位置し且つカメラ100に接続され、第2駆動部500は第1サポート200に接続され、第1サポート200は第2サポート300に回転可能に接続される。
【0015】
図6と
図8に示すように、さらなる組立形態において、第1サポート200と第2サポート300はいずれもカバーケースのような構造としてもよい。第2サポート300は第1サポート200の外周に嵌着され、第1サポート200はカメラ100の外周に嵌着され、且つスムーズな回転を保証するように相互の間は一定の隙間が保持される。
【0016】
図1と
図2に示すように、撮像モジュールを使用して撮影して結像するプロセスにおいて、カメラ100の第1軸線Y周りの回転手振れ補正を実現するために、第1駆動部400によってカメラ100を駆動することにより、カメラ100を第1サポート200に対して第1軸線Y周りに回転させてもよい。
【0017】
図1と
図5に示すように、撮像モジュールを使用して撮影して結像するプロセスにおいて、カメラ100の第2軸線Z周りの回転手振れ補正を実現するために、第2駆動部500を起動させることにより、第1サポート200とカメラ100を一体として第2駆動部500で駆動し、さらに第1サポート200とカメラ100を第2サポート300に対して第2軸線Z周りに回転させてもよい。
【0018】
第1軸線Yと第2軸線Zは互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線であり、このことから分かるように、カメラ100は2つの回転自由度での手振れ補正機能が実現され、撮影時にカメラ100は第1軸線Y又は第2軸線Z周りの回転により、撮影過程でのより安定的な結像を実現し、最終的な結像品質を保証することができる。代替的な解決手段として、カメラ100の回転手振れ補正をより制御しやすくするために、第1軸線Yと第2軸線Zは相互に垂直である。
【0019】
より具体的には、
図2と
図4に示すように、カメラ100は、撮像モジュールの結像部材として使用され、主なコア部材がカメラ本体110であり、カメラ本体110の外にカメラカバー120が嵌設されることで、カメラカバー120によってカメラ本体110を遮蔽して保護する作用を発揮する。
【0020】
また、指摘すべきことは、第1駆動部400と第2駆動部500はいずれもモータ構造であってもよく、実際に組み立てる際に、第1駆動部400のモータ軸は第1軸線Yに沿ってカメラ100にハブ接続されてもよく、第2駆動部500のモータ軸は第2軸線Zに沿って第1サポート200にハブ接続されてもよい点である。
【0021】
さらに、
図2、
図7及び
図8に示すように、第2サポート300には第1収容溝310が設けられてもよい。第1駆動部400は、第1収容溝310に位置し、且つカメラ100に接続される。具体的には、第1収容溝310は、第1軸線Yに沿って開口が設けられてもよく、第1駆動部400は、第1軸線Yに沿って、該開口を通って第1収容溝310内に収容される。
【0022】
カメラ100が第1軸線Y周りの回転手振れ補正を行う場合、第1収容溝310は第1駆動部400の自由度を制約し、それによって第1駆動部400が第1軸線Y周りに回転し、第1軸線Yに垂直な平面内を移動する等の状況が防止され、第1駆動部400は位置決めされた状態でカメラ100を第1軸線Y周りに回転するように駆動するようになる。
【0023】
カメラ100が第2軸線Z周りの回転手振れ補正を行う場合、第2駆動部500は第1サポート200とカメラ100を共に回転するように駆動し、この場合、第1収容溝310は第1駆動部400が第1サポート200に追従して第2軸線Z周りに回転することが可能になり、且つ第1駆動部400は第1収容溝310のノッチによって第1収容溝310内に移動するか、又は第1収容溝310外に移動する。
【0024】
以上により、第1収容溝310の開口が第1軸線Yに沿い、第1駆動部400が第1収容溝310に収容されるような設計によって、第1駆動部400は駆動材として、位置決めされた状態でカメラ100を第1軸線Y周りに回転するように駆動することができ、第1駆動部400は付属品として、運動状態でカメラ100に追従して第2軸線Z周りに回転することもでき、さらにカメラ100に対する第1駆動部400と第2駆動部500の駆動方式はより合理的且つ効果的になると共に、構造のさらなるコンパクト化にも役立つ。
【0025】
ここで説明すべきことは、1つの代替形態として、第1駆動部400と上記機能を実現するために、第1駆動部400を第2サポート300にヒンジ接続し、且つ両者のヒンジ接続軸を第2軸線Zの方向に沿って設けてもよく、このようにしても第1駆動部400を駆動材とする場合の固定効果、付属品とする場合の運動効果を実現することができ、別の代替形態として、第1収容溝310を第2軸線Zの方向に沿って間隔をおいて設けられた2つのストッパバーに取り替えてもよく、第1駆動部400を2つのストッパバーの間に設けても、上記効果を実現することができる点である。
【0026】
いくつかの実施例において、
図2、
図3と
図6に示すように、カメラ100は接続ブロック600によって第1サポート200と回転可能に係合することができる。接続ブロック600はベース部610と第1ヒンジ接続軸620を含み、そのうち、ベース部610はカメラ100に取り付けられ、第1ヒンジ接続軸620はベース部610に設けられ、第1サポート200には第1接続孔210が開設される。第1ヒンジ接続軸620は、第1接続孔210と回転可能に係合し、且つ第1接続孔210を貫通して第1駆動部400に接続される。このように、第1駆動部400は第1ヒンジ接続軸620によってカメラ100を第1軸線Y周りに回転するように駆動し、駆動方式はより合理的になる。
【0027】
さらに、
図3と
図6に示すように、第1サポート200には弧形孔220がさらに開設されてもよい。接続ブロック600は第2ヒンジ接続軸630をさらに含んでもよく、第2ヒンジ接続軸630はベース部610に固定される。第2ヒンジ接続軸630は弧形孔220に摺動可能に係合し、第2ヒンジ接続軸630は弧形孔220の2つの端部に規制係合し、弧形孔220の規制によって、第2ヒンジ接続軸630のストロークを制御することができ、さらに接続ブロック600によってカメラ100の第1軸線Y周りの回転角度を制御し、過度の回転を回避する。
【0028】
より具体的には、弧形孔220は第1軸線Y周りに回転して形成された弧形部であり、第1接続孔210の円心は第1軸線Yに位置し、このように、弧形孔220と第1接続孔210との協働により、接続ブロック600の運動を制約し、さらにカメラ100の第1軸線Y周りの回転軌跡をより円形化することができ、それによりカメラ100の回転制御にさらに寄与し、回転制御精度が高まる。
【0029】
また、指摘すべきことは、1つの代替形態として、弧形孔220を第1サポート200の内壁に位置する対称に設けられる2つの規制ストッパに取り替え、第2ヒンジ接続軸630を2つの規制ストッパの間に位置させてもよく、第2ヒンジ接続軸630に対する2つの規制ストッパの規制によっても、カメラ100の第1軸線Y周りの回転角度の制御を実現することができる点である。
【0030】
より具体的な実施形態において、
図2、
図4と
図6に示すように、第1サポート200には第2接続孔230がさらに開設され、第2接続孔230と第1接続孔210は同軸に設けられる。カメラ100には第3接続孔121が開設される。カメラ100には第3ヒンジ接続軸122が設けられ、第3ヒンジ接続軸122と第1ヒンジ接続軸620はそれぞれカメラ100の背向する両側に位置する。第3ヒンジ接続軸122は第2接続孔230及び第3接続孔121を貫通すると共に、第1ヒンジ接続軸620と同軸である。第1サポート200は第3ヒンジ接続軸122によってカメラ100と回転可能に係合する。
【0031】
このように、第3ヒンジ接続軸122と第1ヒンジ接続軸620を、カメラ100を貫通して第1軸線Yに沿って設けられる組合せ軸と同等とすることができ、且つ該組合せ軸とカメラ100は一体化されており、カメラ100を第1サポート200に吊り下げ、第3ヒンジ接続軸122によって第2接続孔230に回転可能に係合させ、及び第1ヒンジ接続軸620によって第1接続孔210に回転可能に係合させることにより、カメラ100の第1サポート200に対する第1軸線Y周りの回転をよりスムーズにすると共に、カメラ100への支持をより均一にすることができる。
【0032】
より好ましくは、第3ヒンジ接続軸122は、カメラ100と第1サポート200との間の着脱を容易にするために、カメラ100に取り外し可能に接続され、且つ第2接続孔230及び第3接続孔121を貫通することによりカメラ100に挿着固定される。また、本出願の代替形態として、第3ヒンジ接続軸122はカメラ100に一体成形されるようにしてもよい。
【0033】
第1接続孔210と第2接続孔230は、本出願において円孔とされ、代替形態としては、両者をU字形孔とし、且つ該U字形孔の開口端を第1サポート200の上面に位置させてもよく、組み立てる際に、第3ヒンジ接続軸122と第1ヒンジ接続軸620を各々の対応するU字形孔の開口端を通ってU字形孔内に配置することにより、カメラ100を第1サポート200内に位置させてもよい。
【0034】
さらに、
図4に示すように、カメラ100には取り付け孔123が開設されてもよく、ベース部610によって取り付け孔123内に固定することで、カメラ100は接続ブロック600との固定がより堅牢になる。1つの代替形態として、取り付け孔123を、第2軸線Zの方向に沿って間隔をおいてカメラ100に設けられる2つのストッパバー又はストッパに取り替え、間隔をおいて設けられた2つのストッパバー又はストッパの間にベース部610を固定してもよく、このようにしても接続ブロック600とカメラ100との間の固定効果を高めることができる。
【0035】
より具体的な実施形態において、
図4に示すように、取り付け孔123と第3接続孔121はいずれもカメラカバー120に設けられ、且つ互いに対向して設けられ、第3ヒンジ接続軸122は第3接続孔121を貫通してカメラ本体110に固定され、ベース部610は取り付け孔123を貫通して同じくカメラ本体110に固定される。
【0036】
いくつかの実施例において、
図5に示すように、第2駆動部500は、第1駆動モータ510、第1接続軸520及び工字形ブラケット530を含む。第1駆動モータ510は第1接続軸520に接続され、工字形ブラケット530は第1接続軸520に固定されて第1サポート200の下端に接続され、例えば、工字形ブラケット530は、接着、溶接等の方式で第1サポート200の下端に固設されるか、又は工字形ブラケット530は第1接続軸520と互いに固定され、第1サポート200と相互に貼り合わせられる。このように、第2駆動部500を起動させることにより、第2駆動部500から出力されたトルクは第1接続軸520によって工字形ブラケット530に伝達され、工字形ブラケット530の両翼上の支持板によって、工字形ブラケット530は第1サポート200にトルクを出力し、さらに第1サポート200を第2軸線Z周りに回転するように駆動することができる。
【0037】
ここで指摘すべきことは、第1駆動モータ510の回転軸が第4軸線Z`である場合、第4軸線Z`は第1駆動モータ510に追従して固定を保持する必要があり、第1接続軸520と工字形ブラケット530のような第2駆動部500の他の部材は、第1サポート200に追従して第2軸線Z周りに回転する点である。このため、第1駆動モータ510と第1接続軸520との間は伝動可能に接続され、該伝動接続の具体的な形態は、
図5Aに示すように、第4軸線Z`と第2軸線Zを共軸に設け、第1駆動モータ510の出力端に中間接続円板を設け、該中間接続円板の円心位置を第1駆動モータ510の出力軸に接続し、該中間接続円板において縁部に近接する位置を第1接続軸520に接続するようにしてもよく、このように第1駆動モータ510は該中間接続円板によって第1接続軸520にトルクを伝達し、且つ第1接続軸520を第1サポート200に追従して第2軸線Z周りに回転させることができ、該中間接続円板は、両端がそれぞれ第1駆動モータ510の出力軸と第1接続軸520に接続される1つの中間接続軸に取り替えられてもよく、このようにしても第1接続軸520の第2軸線Z周りの回転を実現することができ、この場合、第1接続軸520の回転半径は該中間接続軸の長さ寸法となる。
【0038】
いくつかの実施例において、
図1、
図9と
図11に示すように、撮像モジュールは第3サポート700と第3駆動部800をさらに備えてもよい。第2サポート300は第3サポート700に設けられ、第3駆動部800は第2サポート300に接続され、第3駆動部800は第2サポート300を第3軸線X周りに第3サポート700に対して回転するように駆動し、カメラ100は第2サポート300に追従して第3軸線X周りに回転することができ、第1軸線Y、第2軸線Z及び第3軸線Xは2つずつが互いにねじれの位置にある直線又は交わる直線である。こうして、
図14と
図15に示すように、カメラ100は3つの異なる方向の回転自由度で手振れ補正調整を行うことができ、手振れ補正効果がより高く、本出願に係る撮像装置を使用して得られた撮影品質もより優れる。
【0039】
さらに、代替的なレイアウト形態として、第3軸線Xはカメラ100の光軸と同軸であり、且つ第1軸線Y、第2軸線Z及び第3軸線Xは2つずつが互いに垂直であり、カメラ100の手振れ補正方式をより合理的にすることができる。
【0040】
より具体的には、第3駆動部800はモータであってもよく、第2サポート300の第3軸線X周りの回転を実現するために、該モータの出力軸は第2サポート300にハブ接続される。第3駆動部800は、第3サポート700に複数設けられた、モータが取り付けられたローラであってもよく、該ローラの周部は第2サポート300の外周に密接して設けられ、該ローラの回転により、第2サポート300は第3軸線X周りに回転するように駆動される。
【0041】
さらなる実施形態において、
図1と
図7に示すように、第3サポート700と第2サポート300との間には、少なくとも2つの転動体900が設けられてもよく、第2サポート300は少なくとも2つの転動体900によって第3サポート700に回転可能に接続される。このように、転動体900を両者間の転動媒体とすることにより、第2サポート300の第3サポート700に対する第3軸線X周りの回転を引っ掛かりなくよりスムーズにすることができると共に、摩耗を緩和することができる。より具体的な転動体900はボール、ピンローラの設計を採用してもよく、軸受を選用してもよい。
【0042】
さらに、第2サポート300又は第3サポート700には少なくとも2つの第2収容溝320が開設され、各転動体900は1つの第2収容溝320内に設けられる。
【0043】
より具体的には、第3サポート700と第2サポート300はいずれも四角形枠の構造であり、且つ四角形枠の4つの稜角位置はいずれも丸み加工され、第2収容溝320は第3サポート700又は第2サポート300の丸み部に設けられ、転動体900は、合計4つであり、第3軸線X周りに環状で均一に分布し、且つ各第2収容溝320にそれぞれ1つ設けられ、また、該構造は、転動係合を確保しながら、撮像モジュール間の構造をよりコンパクトにすることができる。
【0044】
さらなる実施形態において、
図10と
図13に示すように、撮像モジュールは固定台座1000をさらに備え、第3サポート700は固定台座1000に取り付けられる。
【0045】
図5と
図14に示すように、第1駆動モータ510は、ヒンジ540を介して第1接続軸520に伝動可能に接続され、ヒンジ540のヒンジ接続軸は、カメラ100の光軸方向、即ち第3軸線Xに平行である。第1駆動モータ510は固定台座1000に固定され、且つ第3サポート700の外に位置する。
【0046】
図11と
図14に示すように、第3サポート700には第1帯状逃げ孔710が開設される。ヒンジ540は第1帯状逃げ孔710を貫通し、第3サポート700内に位置する第1接続軸520に接続される。
【0047】
図5と
図6に示すように、第1駆動モータ510は第1接続軸520と共に第1サポート200の底部に設けられてもよく、第2軸線Zと第4軸線Z`は、平行であるが同軸ではない。このように第1駆動モータ510を起動させると、ヒンジ540のヒンジ接続軸が第3軸線Xに平行である特性を利用すれば、ヒンジ540は第3軸線Xに平行な方向に剛性を備えることができ、さらに駆動モータ510はヒンジ540を介してトルクを第1接続軸520に伝達することができ、それと同時に、ヒンジ540は第2軸線Zに垂直な方向に柔軟性を備え、このように、駆動モータ510が固定されたままで、第1接続軸520を第2軸線Z周りに回転するように駆動し、さらに第1サポート200を第2軸線Z周りに回転させることができ、この場合、ヒンジ540は第1サポート200の回転に追従して変形して、駆動モータ510と第1接続軸520の相対位置を変更することができる。
【0048】
また、指摘すべきことは、ヒンジ540が有する柔軟性により、第3駆動部800を起動させると第2サポート300はカメラ100の光軸、即ち第3軸線X周りに回転し、この場合、ヒンジ540は第2サポート300の回転に追従して変形して、駆動モータ510と第1接続軸520の相対位置を変更することができる点である。ここで、さらに説明すべきことは、第1帯状逃げ孔710は、ヒンジ540が十分に変形できるための十分な空間を確保する目的で開設される点である。
【0049】
さらなる実施形態において、
図10と
図13に示すように、固定台座1000はケース構造体であり、固定台座1000は第1ケース部1100と第2ケース部1200を含み、第1ケース部1100は第2ケース部1200に突き合わせられて収容キャビティを形成し、第3サポート700は収容キャビティ内に位置し、第2サポート300は第3サポート700内に位置し、第1サポート200は第2サポート300内に位置し、カメラ100は第1サポート200に位置し、このように固定台座1000はその内部の部品を遮蔽して保護し、防塵防水を実現することができる。
【0050】
また、
図10と
図12に示すように、第1ケース部1100には第2帯状逃げ孔1110が開設されてもよく、第1ケース部1100の外側には支持台1120が設けられてもよく、支持台1120は保護カバー1130で覆われ、第1駆動モータ510は保護カバー1130内に位置して、第1駆動モータ510を遮蔽して保護する。ヒンジ540は、順に第2帯状逃げ孔1110及び第1帯状逃げ孔710を貫通して、第1接続軸520に接続され、このように第2帯状逃げ孔1110と第1帯状逃げ孔710は、両方とも、ヒンジ540が十分に変形できるための十分な空間が確保される。
【0051】
いくつかの実施例において、
図9に示すように、第3駆動部800は第2駆動モータ810、第2接続軸820及び歯車機構830を含む。歯車機構830は第1傘歯車831、第2傘歯車832及び第3歯車833を含み、第1傘歯車831は第2接続軸820に設けられ、固定台座1000には、第3軸線Xと同軸に設けられた第3接続軸1140が回転可能に設けられ、第2接続軸820は第3接続軸1140に垂直である。
【0052】
第2傘歯車832と第3歯車833は相互に固定され、且ついずれも第3接続軸1140に回転可能に接続され、例えば、第3接続軸1140は軸受が内設された回転スリーブとしてもよい。第1傘歯車831は第2傘歯車832と噛合し、第3サポート700にはリングギアが設けられ、第3歯車833はリングギアと噛合する。
【0053】
第2駆動モータ810は第2接続軸820によって歯車機構830の回転を駆動し、さらにカメラ100の第3サポート700による光軸周りの回転を第3歯車833によって駆動する。
【0054】
このように、傘歯車対の設計は方向切換伝動を実現し、撮像モジュールの内部空間をよりよく利用することができる。また、指摘すべきことは、代替形態として、歯車機構830はチェーン伝動機構、ベルト伝動機構及びウォームギヤ機構等に取り替えられてもよい点である。
【0055】
本出願は、本出願の上記実施例に係る撮像モジュールを備える電子機器をさらに提案し、実施例に開示される電子機器は携帯電話、タブレットパソコン、電子ブックリーダー、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートグラス、スマートウォッチ等)、ゲーム機等の機器であってもよく、当然ながら、他の種類の機器であってもよく、本出願の実施例では、電子機器の具体的な種類について限定しない。
【0056】
本出願の上記実施例では各実施例間の相違点を重点として説明したが、各実施例間の異なる最適化特徴は、矛盾しない限り、いずれも組み合わせてより好ましい実施例とすることができ、文脈の簡潔化を考慮した上で、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
以上は本出願の実施例に過ぎず、本出願を限定する意図がない。当業者であれば、本出願の様々な変更と変化が可能である。本出願の主旨と原理から逸脱しない限り行った修正、同等な置換、改良等は、全て本出願の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0058】
100:カメラ、110:カメラ本体、120:カメラカバー、121:第3接続孔、122:第3ヒンジ接続軸、123:取り付け孔、
200:第1サポート、210:第1接続孔、220:弧形孔、230:第2接続孔、
300:第2サポート、310:第1収容溝、320:第2収容溝、
400:第1駆動部、
500:第2駆動部、510:第1駆動モータ、520:第1接続軸、530:工字形ブラケット、540:ヒンジ、
600:接続ブロック、610:ベース部、620:第1ヒンジ接続軸、630:第2ヒンジ接続軸、
700:第3サポート、710:第1帯状逃げ孔、
800:第3駆動部、810:第2駆動モータ、820:第2接続軸、830:歯車機構、831:第1傘歯車、832:第2傘歯車、833:第3歯車、
900:転動体、
1000:固定台座、1100:第1ケース部、1110:第2帯状逃げ孔、1120:支持台、1130:保護カバー、1140:第3接続軸、1200:第2ケース部、
Y:第1軸線、Z:第2軸線、X:第3軸線、Z`:第4軸線。