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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】キャップ付きコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
H01R13/52 302E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023556323
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 JP2022038432
(87)【国際公開番号】W WO2023074417
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2021175570
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武司
(72)【発明者】
【氏名】松島 渉
(72)【発明者】
【氏名】安藤 優太
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 智也
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-028372(JP,U)
【文献】実開平03-007271(JP,U)
【文献】特開2017-199494(JP,A)
【文献】特開2012-109134(JP,A)
【文献】特開2012-235814(JP,A)
【文献】特開昭58-023177(JP,A)
【文献】特開2014-026842(JP,A)
【文献】特開平07-243757(JP,A)
【文献】国際公開第2005/091443(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/44
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に接続されるコネクタであって、
相手側コネクタと接続された状態で当該相手側コネクタと重なる側壁と、前記側壁における前記相手側コネクタと対峙する面に凹状に形成される凹部と、を有する筒部と、
前記筒部の挿入方向の基端部に全周に渡って拡径して設けられ、外周面に凹状に形成される凹部を有さない鍔部と、
を備える、コネクタと、
前記コネクタに着脱自在に取り付けられるキャップであって、
前記筒部を覆う有底筒状のキャップ本体と、
前記キャップ本体に設けられ、前記鍔部に全周に渡って当接して前記鍔部と前記キャップの間を封止する封止部と、
を備える、キャップと、
を備えるキャップ付きコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップ付きコネクタであって、
前記鍔部は、前記外周面に角部を有さない、
キャップ付きコネクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のキャップ付きコネクタであって、
前記鍔部は、前記外周面に平面状の平面部を有する、
キャップ付きコネクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のキャップ付きコネクタであって、
前記鍔部は、前記外周面が前記挿入方向から見て円形になるように形成される、
キャップ付きコネクタ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のキャップ付きコネクタであって、
前記筒部は、前記側壁に形成される穴を有し、
前記穴は、前記鍔部よりも前記挿入方向の先端部に近い位置に設けられる、
キャップ付きコネクタ。
【請求項6】
請求項1に記載のキャップ付きコネクタであって、
前記封止部は、前記鍔部の前記外周面に当接して封止する内周面を有する、
キャップ付きコネクタ。
【請求項7】
請求項1又は6に記載のキャップ付きコネクタであって、
前記封止部は、前記鍔部における前記挿入方向の先端部側に形成される平面状の上面部
に当接して封止する開口端面を有する、
キャップ付きコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びコネクタに取り付けられるキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、円筒形状のコネクタを有する成形配線板ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-027836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような単純な形状のコネクタを有する装置では、例えば装置を洗浄する際には、コネクタの開口部にキャップを挿入して開口部を塞ぐだけで、防水性の確保が可能である。
【0005】
しかしながら、例えば相手側コネクタとの固定のために、コネクタが複雑な形状である場合には、開口部にキャップを挿入するだけでは防水性が不充分となるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コネクタの形状が複雑であっても、キャップを取り付けたときの防水性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、装置に接続されるコネクタであって、相手側コネクタと接続された状態で当該相手側コネクタと重なる側壁と、前記側壁における前記相手側コネクタと対峙する面に凹状に形成される凹部と、を有する筒部と、前記筒部の挿入方向の基端部に全周に渡って拡径して設けられ、外周面に凹状に形成される凹部を有さない鍔部と、を備える、コネクタと、前記コネクタに着脱自在に取り付けられるキャップであって、前記筒部を覆う有底筒状のキャップ本体と、前記キャップ本体に設けられ、前記鍔部に全周に渡って当接して前記鍔部と前記キャップの間を封止する封止部と、を備える、キャップと、を備えるキャップ付きコネクタが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、相手側コネクタと重なる筒部の側壁には、凹状に形成される凹部が設けられており、複雑な形状であるが、筒部の挿入方向の基端部に外周面に凹部を有さない鍔部が設けられる。そのため、キャップを取り付けたときに、キャップの緊迫力により鍔部とキャップとの間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、コネクタの形状が複雑であっても、キャップを取り付けたときの防水性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るコネクタが適用される装置の概略側面図である。
図2図2は、コネクタに接続される相手側コネクタの斜視図である。
図3図3は、コネクタの斜視図である。
図4図4は、コネクタの左側面図である。
図5図5は、コネクタを別の角度から見た斜視図である。
図6図6は、コネクタの平面図である。
図7図7は、コネクタに取り付けられるキャップの概略斜視図である。
図8図8は、コネクタにキャップが取り付けられた状態を示す図である。
図9A図9Aは、第1の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9B図9Bは、第2の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9C図9Cは、第3の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9D図9Dは、第4の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9E図9Eは、第5の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9F図9Fは、第6の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
図9G図9Gは、第7の変形例に係るコネクタの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るコネクタとしての雄コネクタ10が適用される装置1について説明する。図1は、雄コネクタ10が適用される装置1の概略側面図である。
【0012】
装置1は、動力伝達装置である。動力伝達装置は、動力の伝達に寄与する装置であり、例えば、変速機や減速機等(図示省略)を有する装置である。装置1には、電源の供給や、外部の他の装置との電気信号の送受信のために、雄コネクタ10が接続される。装置1は、雄コネクタ10が挿入される挿入孔2を有する。装置1を出荷前などに洗浄する際には、防水性を確保するために、雄コネクタ10にキャップ50が取り付けられて封止される。
【0013】
続いて、図2から図6を参照して、雄コネクタ10と、雄コネクタ10に接続される相手側コネクタとしての雌コネクタ30と、について説明する。
【0014】
先に、図2参照して、雌コネクタ30について説明する。図2は、雌コネクタ30の斜視図である。
【0015】
図2に示すように、雌コネクタ30は、挿入部31と、一対の端子部36と、ガイド部37と、を備える。雌コネクタ30は、雄コネクタ10に挿入されて接続される。雌コネクタ30には、雄コネクタ10が図2に示す挿入方向に挿入される。挿入方向とは、雄コネクタ10の後述する端子部16が雌コネクタ30の端子部36に挿入される方向である。
【0016】
挿入部31は、略矩形の断面形状を有するように形成される。挿入部31は、雄コネクタ10の後述する筒部11の内周に挿入される。挿入部31は、先端部32と、凸部33と、一対の凹部34と、一対のガイド溝35と、を有する。
【0017】
先端部32は、略矩形の環状に形成される平面である。先端部32は、挿入部31が雄コネクタ10の後述する筒部11に挿入された際に、筒部11内にて環状のシール部材40(図5及び図6参照)を押圧する。
【0018】
凸部33は、挿入部31の外周に突出するように設けられる。凸部33は、挿入部31の略矩形の断面形状における一つの辺の略中央から外周に突出する。凸部33は、略矩形の断面形状を有するように形成される。凸部33は、雄コネクタ10の後述する凸部13の内周に挿入される。凸部33の外周には、係合突起33aが設けられる。
【0019】
係合突起33aは、凸部33の外周に突出している。係合突起33aは、雄コネクタ10の筒部11に雌コネクタ30の挿入部31が挿入された状態で、筒部11の係合凹部(図示省略)に係合する。係合突起33aは、係合凹部と係合した状態で、筒部11と挿入部31との挿入方向の相対位置を規定する。即ち、係合突起33aと係合凹部との係合により、雄コネクタ10と雌コネクタ30とが接続された状態で固定される。
【0020】
凹部34は、挿入部31の外周に凸部33が設けられることによって、凸部33の両側に凹状に形成される。凹部34が設けられることで、挿入部31は複雑な形状になっている。
【0021】
ガイド溝35は、挿入部31の外周に形成される溝である。ガイド溝35は、挿入方向に沿って直線的に形成される。ガイド溝35には、雄コネクタ10と雌コネクタ30とを接続する際に、雄コネクタ10の後述するガイドリブ15が挿入される。
【0022】
端子部36は、挿入部31に挿入方向に沿って形成される穴である。端子部36には、雄コネクタ10の後述する端子部16が挿入される。端子部36の内周には、電気接続端子が設けられる。端子部36は、雄コネクタ10と雌コネクタ30とを接続する際に、端子部16と電気的に接続される。
【0023】
ガイド部37は、挿入部31に挿入方向に沿って形成される穴である。ガイド部37は、I字状の断面形状を有するように形成される。ガイド部37は、雄コネクタ10の後述するガイド部17が挿入方向に直線的に挿入されるようにガイドする。
【0024】
次に、主に図3から図6を参照して、雄コネクタ10について説明する。図3は、雄コネクタ10の斜視図である。図4は、雄コネクタ10の左側面図である。図5は、雄コネクタ10を別の角度から見た斜視図である。図6は、雄コネクタ10の平面図である。
【0025】
雄コネクタ10は、装置1に接続される(図1参照)。雄コネクタ10は、筒部11と、一対の端子部16(図5及び図6参照)と、ガイド部17と、鍔部18と、挿入部20と、を備える。雄コネクタ10は、雌コネクタ30と接続される。雄コネクタ10は、雌コネクタ30に図3に示す挿入方向に挿入される。
【0026】
雄コネクタ10は、雌コネクタ30が接続されている状態では、先端部32がシール部材40(図5及び図6参照)を押圧することで防水性が確保されている。しかしながら、例えば装置1の出荷前などに、雌コネクタ30が接続されていない状態で装置1を洗浄することがある。そのため、雄コネクタ10にキャップ50を取り付けることで、雄コネクタ10の防水性を確保している。キャップ50は、鍔部18に取り付けられる。キャップ50の具体的な構成については、図7及び図8を参照しながら、後で詳細に説明する。
【0027】
図3に示すように、筒部11は、略矩形の筒状に形成される。筒部11の内周には、雌コネクタ30の挿入部31が挿入される。筒部11は、側壁12と、凸部13と、一対の凹部14と、一対のガイドリブ15と、を有する。図5及び図6に示すように、筒部11内には、シール部材40が挿入されている。
【0028】
図3から図5に示すように、筒部11の基端部11aには、鍔部18が設けられる。筒部11の先端部11bには、挿入方向に段差部11cが設けられている。先端部11bに段差部11cが設けられることで、筒部11は複雑な形状になっている。
【0029】
側壁12は、雌コネクタ30と接続された状態で、雌コネクタ30と重なる。具体的には、側壁12は、雌コネクタ30の挿入部31の外周を覆う。側壁12は、穴12aを有する。
【0030】
穴12aは、筒部11を成形する際にアンダーカットとなるガイドリブ15を成形するためのスライドコアの挿入によって形成される。穴12aは、鍔部18よりも挿入方向の先端部11bに近い位置に設けられる。また、穴12aは、シール部材40よりも挿入方向の先端部11bに近い位置に設けられる。
【0031】
凸部13は、挿入部31の外周に突出するように設けられる。凸部13は、筒部11の略矩形の断面形状における一つの辺の略中央から外周に突出する。凸部13は、略矩形の断面形状を有するように形成される。凸部13の内周には、雌コネクタ30の凸部33が挿入される。凸部33の内周には、係合凹部(図示省略)が設けられる。
【0032】
凹部14は、筒部11に凸部13が形成されることによって、側壁12における雌コネクタ30と対峙する面に凹状に形成される。凹部34は、凸部33の両側に各々形成される。凹部14が設けられることで、筒部11は複雑な形状になっている。
【0033】
具体的には、筒部11は、凹部14が設けられることで、外周に向けて凸状に形成される部分と内周に向けて凹状に形成される部分とが設けられる。そのため、仮に、筒部11の外周にキャップ50を密着させて封止しようとしても、凹部14には緊迫力を作用させにくい。そのため、雄コネクタ10では、筒部11ではなく鍔部18の外周にキャップ50の緊迫力を作用させて封止している。
【0034】
ガイドリブ15は、筒部11の内周に形成される突起である。ガイドリブ15は、挿入方向に沿って直線的に形成される。挿入方向におけるガイドリブ15の奥側(基端部11a側)には、穴12aが形成されている。ガイドリブ15は、雄コネクタ10と接続する際に、雌コネクタ30のガイド溝35に挿入される。これにより、筒部11内に挿入される挿入部31を直線的に案内することができる。また、ガイドリブ15は、シール部材40を押さえて、筒部11内の所定の位置に固定する。
【0035】
端子部16は、筒部11の内周に挿入方向に沿って突出するように設けられる電気接続端子である。端子部16は、雌コネクタ30の端子部36に挿入される。端子部16は、雌コネクタ30に挿入された際に、端子部36と電気的に接続される。端子部16と端子部36との接続部分は、シール部材40が設けられることによって封止されている。
【0036】
ガイド部17は、筒部11の内周に挿入方向に沿って突出するように設けられる突起である。ガイド部17は、I字状の断面形状を有するように形成される。ガイド部17は、雌コネクタ30のガイド部37に挿入される。これにより、筒部11内に挿入される挿入部31を直線的に案内することができる。
【0037】
鍔部18は、筒部11の挿入方向の基端部11aに、筒部11から拡径して設けられる。鍔部18が設けられることで、筒状に形成される筒部11が補強される。鍔部18の外周は、キャップ50が着脱自在に取り付けられる。鍔部18の外周には、キャップ50の緊迫力が作用する。鍔部18は、略矩形の角が丸められた形状に形成される。鍔部18は、外周面18aに凹状に形成される凹部を有さない。
【0038】
このように、雌コネクタ30と重なる筒部11の側壁12には、凹状に形成される凹部14が設けられており、複雑な形状であるが、筒部11の挿入方向の基端部11aに外周面18aに凹部を有さない鍔部18が設けられる。そのため、キャップ50を鍔部18に取り付けたときにキャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、雄コネクタ10の形状が複雑であってもキャップ50を取り付けたときの防水性を確保することができる。
【0039】
鍔部18は、外周面18aに角部を有さない。よって、キャップ50を取り付けたときにキャップ50と鍔部18との間に隙間ができにくい。よって、キャップ50を取り付けたときの防水性を向上させることができる。
【0040】
鍔部18は、外周面18aに平面状の平面部18bを有する。よって、例えば雄コネクタ10の筒部11が矩形や扁平な断面形状である場合に、鍔部18を筒部11の形状に沿わせることができる。よって、鍔部18が筒部11から大きく突出することを抑制できる。
【0041】
また、側壁12に設けられる穴12aは、鍔部18よりも挿入方向の先端部11bに近い位置に設けられるので、キャップ50を鍔部18に取り付けることで、穴12aから洗浄時に水が浸入することを防止できる。側壁12に穴12aが設けられる雄コネクタ10の防水性を確保することができる。
【0042】
挿入部20は、挿入孔2に挿入されて装置1内に取り付けられる(図1参照)。挿入部20は、筒部11に対して直角に曲げられて、筒部11と直角に交差するように設けられる。図4に示すように、挿入部20の外周には、シールリング21が設けられる。シールリング21は、雄コネクタ10の外周と挿入孔2の内周との間をシールする。
【0043】
続いて、図7及び図8を参照して、キャップ50について説明する。図7は、雄コネクタ10に取り付けられるキャップ50の概略斜視図である。図8は、雄コネクタ10にキャップ50が取り付けられた状態を示す図である。
【0044】
キャップ50は、キャップ本体51と、封止部52と、を備える。封止部52は、内周面53と、開口端面54と、を有する。
【0045】
キャップ本体51は、筒部11を覆うように有底筒状に形成される。キャップ本体51は、例えばゴム等の弾性を有する弾性部材によって形成される。
【0046】
封止部52は、キャップ本体51に設けられる。封止部52は、鍔部18に当接して封止する。
【0047】
このように、キャップ50は、雄コネクタ10の鍔部18に当接して封止する封止部52を有するので、キャップ50を取り付けたときに鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0048】
内周面53は、鍔部18の外周面18aに当接して封止する。このように、キャップ50の封止部52は、鍔部18の外周面18aに当接する内周面53を有するので、キャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0049】
開口端面54は、鍔部18における挿入方向の先端部側に形成される平面状の上面部18cに当接して封止する。このように、キャップ50の封止部52は、鍔部18の上面部18cに当接する開口端面54を有するので、雄コネクタ10に対するキャップ50の押し付け力により鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0050】
なお、内周面53と開口端面54とのいずれか一方が設けられれば、鍔部18とキャップ50との間を風刺することは可能である。よって、封止部52は、内周面53と開口端面54との少なくとも一方を有していればよい。
【0051】
続いて、図9Aから図9Gを参照して、第1から第7の変形例に係る雄コネクタ10について説明する。図9Aは、第1の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Bは、第2の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Cは、第3の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Dは、第4の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Eは、第5の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Fは、第6の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。図9Gは、第7の変形例に係る雄コネクタ10の概略斜視図である。
【0052】
図9Aに示す第1の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て正方形になるように形成される。また、図9Bに示す第2の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て長方形になるように形成される。
【0053】
これらの第1の変形例及び第2の変形例によっても同様に、雄コネクタ10にキャップ50を取り付けたときに、キャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、雄コネクタ10の形状が複雑であってもキャップ50を取り付けたときの防水性を確保することができる。
【0054】
図9Cに示す第3の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て円形になるように形成される。図9Dに示す第4の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て楕円形になるように形成される。
【0055】
これらの第3の変形例及び第4の変形例によっても同様に、雄コネクタ10にキャップ50を取り付けたときに、キャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、雄コネクタ10の形状が複雑であってもキャップ50を取り付けたときの防水性を確保することができる。
【0056】
また、第3の変形例によれば、鍔部18の外周面18aが円形になるように形成されるので、キャップ50を取り付けたときのキャップ50の緊迫力が全周で均一になる。よって、キャップ50を取り付けたときの防水性を向上させることができる。
【0057】
図9Eに示す第5の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て三角形になるように形成される。図9Fに示す第6の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て六角形になるように形成される。図9Gに示す第7の変形例では、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て七角形になるように形成される。
【0058】
これらの第5の変形例,第6の変形例,及び第7の変形例によっても同様に、雄コネクタ10にキャップ50を取り付けたときに、キャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、雄コネクタ10の形状が複雑であってもキャップ50を取り付けたときの防水性を確保することができる。また、第5の変形例,第6の変形例,及び第7の変形例では、鍔部18は、挿入方向から見て外周面18aが三角形,六角形,及び七角形であるが、これら以外の多角形であってもよい。
【0059】
なお、第1の変形例,第2の変形例,第5の変形例,第6の変形例,及び第7の変形例では、鍔部18に角部18dが設けられているが、これらの角部18dを曲面状に形成してもよい。鍔部18に角部18dが設けられないと、キャップ50を取り付けたときにキャップ50と鍔部18との間に隙間ができにくい。よって、キャップ50を取り付けたときの防水性を向上させることができる。
【0060】
以上の本実施形態の構成及び作用効果について、まとめて説明する。
【0061】
(1)本発明のある態様によれば、装置1に接続される雄コネクタ10は、雌コネクタ30と接続された状態で当該雌コネクタ30と重なる側壁12と、側壁12における雌コネクタ30と対峙する面に凹状に形成される凹部14と、を有する筒部11と、筒部11の挿入方向の基端部11aに拡径して設けられ、外周面18aに凹状に形成される凹部を有さない鍔部18と、を備える。
【0062】
この構成では、雌コネクタ30と重なる筒部11の側壁12には、凹状に形成される凹部14が設けられており、複雑な形状であるが、筒部11の挿入方向の基端部11aに外周面18aに凹部を有さない鍔部18が設けられる。そのため、キャップ50を取り付けたときにキャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止することで、防水性を確保することができる。したがって、雄コネクタ10の形状が複雑であってもキャップ50を取り付けたときの防水性を確保することができる。
【0063】
(2)また、好ましくは、鍔部18は、外周面18aに角部を有さない。
【0064】
この構成によれば、鍔部18の外周面18aには角部が設けられないので、キャップ50を取り付けたときにキャップ50と鍔部18との間に隙間ができにくい。よって、キャップ50を取り付けたときの防水性を向上させることができる。
【0065】
(3)また、好ましくは、鍔部18は、外周面18aに平面状の平面部18bを有する。
【0066】
この構成によれば、鍔部18の外周面18aに平面部18bが設けられるので、例えば雄コネクタ10の筒部11が矩形や扁平な断面形状である場合に、鍔部18を筒部11の形状に沿わせることができる。よって、鍔部18が筒部11から大きく突出することを抑制できる。
【0067】
(4)また、好ましくは、鍔部18は、外周面18aが挿入方向から見て円形になるように形成される。
【0068】
この構成によれば、鍔部18の外周面18aが円形になるように形成されるので、キャップ50を取り付けたときのキャップ50の緊迫力が全周で均一になる。よって、キャップ50を取り付けたときの防水性を向上させることができる。
【0069】
(5)また、好ましくは、筒部11は、側壁12に形成される穴12aを有し、穴12aは、鍔部18よりも挿入方向の先端部11bに近い位置に設けられる。
【0070】
この構成によれば、側壁12に設けられる穴12aは、鍔部18よりも挿入方向の先端部11bに近い位置に設けられるので、キャップ50を取り付けることで、穴12aから洗浄時に水が浸入することを防止できる。側壁12に穴12aが設けられる雄コネクタ10の防水性を確保することができる。
【0071】
(6)また、好ましくは、雄コネクタ10に着脱自在に取り付けられるキャップ50は、筒部11を覆う有底筒状のキャップ本体51と、キャップ本体51に設けられ、鍔部18に当接して封止する封止部52と、を備える。
【0072】
この構成によれば、キャップ50は、雄コネクタ10の鍔部18に当接して封止する封止部52を有するので、キャップ50を取り付けたときに鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0073】
(7)また、好ましくは、封止部52は、鍔部18の外周面18aに当接して封止する内周面53を有する。
【0074】
この構成によれば、キャップ50の封止部52は、鍔部18の外周面18aに当接する内周面53を有するので、キャップ50の緊迫力により鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0075】
(8)また、好ましくは、封止部52は、鍔部18における挿入方向の先端部側に形成される平面状の上面部18cに当接して封止する開口端面54を有する。
【0076】
この構成によれば、キャップ50の封止部52は、鍔部18の上面部18cに当接する開口端面54を有するので、雄コネクタ10に対するキャップ50の押し付け力により鍔部18とキャップ50との間を封止でき、防水性を確保することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0078】
例えば、上記実施形態では、装置1は、動力を伝達するための動力伝達装置である。しかしながら、装置1は、動力伝達装置以外の他の装置であってもよい。
【0079】
また、上記実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 装置
10 雄コネクタ(コネクタ)
11 筒部
11a 基端部
11b 先端部
12 側壁
12a 穴
14 凹部
18 鍔部
18a 外周面
18b 平面部
18c 上面部
18d 角部
30 雌コネクタ(相手側コネクタ)
50 キャップ
52 封止部
53 内周面
54 開口端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G