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  • 特許-画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20241108BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20241108BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G03G15/01 Y
G03G15/16
G03G15/00 303
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020181156
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071988
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】中岩 雄基
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 優
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-112798(JP,A)
【文献】特開2019-061172(JP,A)
【文献】特開2014-056141(JP,A)
【文献】特開2018-077377(JP,A)
【文献】特開2014-106360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0092191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
G03G 15/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像にトナーを付着させて現像を行う現像装置と、
キャリブレーションにおいて、前記露光装置および前記現像装置を使用して調整用画像パターンを形成し、光学式センサーを使用して前記調整用画像パターンの濃度を測定し、測定した前記濃度に基づいて画像濃度調整を実行するキャリブレーション実行部と、
プリント画像の印字率を測定する印字率測定部とを備え、
前記キャリブレーション実行部は、前記印字率測定部により測定された前記印字率と前記調整用画像パターンの印字率との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチを、前記キャリブレーションにおいて前記露光装置および前記現像装置を使用して前記調整用画像パターンとともに形成し、
前記キャリブレーション実行部は、前記差分が正値である場合、前記差分が印字率となる前記印字率調整用パッチを前記調整用画像パターンとともに形成し、前記差分がゼロまたは負値である場合、前記キャリブレーションにおいて、前記印字率調整用パッチを形成せずに、前記調整用画像パターンを形成すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記キャリブレーション実行部は、前記印字率測定部により測定されたキャリブレーション直前の1ページのプリント画像の前記印字率と前記調整用画像パターンの印字率との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチを、前記キャリブレーションにおいて前記露光装置および前記現像装置を使用して前記調整用画像パターンとともに形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記調整用画像パターンは、前記印字率測定部により測定された前記印字率に拘わらず固定であり、
前記印字率調整用パッチは、前記調整用画像パターンとは独立に形成されること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子写真方式の画像形成装置は、所定のタイミングでキャリブレーションを実行し、プリントの画像濃度特性が目標の濃度特性となるように、エンジン出力条件(現像バイアス、露光光量など)、階調調整用のガンマ曲線などを調整している。
【0003】
キャリブレーションでは、所定の画像パターン(パッチ群)が中間転写ベルト上に形成され、その画像パターンの濃度が光学的に測定され、その測定結果に基づいて、上述の濃度特性(複数の階調レベルの分布)の調整が行われる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-292920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーにより指定されプリントされる画像(以下、ユーザープリント画像という)の印字率は、その画像に依存するため固定ではないが、通常、キャリブレーションに使用される画像パターン(以下、キャリブレーション画像パターンという)は、固定の画像であるため、その印字率も固定である。
【0006】
他方、印字率によって現像装置から感光体ドラムへ供給されるトナーが変動すると、それに伴い一時的にトナー帯電量が変動するため、これにより、現像特性(現像されるトナー画像の濃度特性)が一時的に変動する。
【0007】
したがって、キャリブレーション直前のユーザープリント画像の印字率が、キャリブレーション画像パターンの印字率とは異なる場合、ユーザープリント画像のプリント時の現像特性とは異なる現像特性でキャリブレーションの画像パターンが形成され、上述の濃度調整が正確に行われない可能性がある。
【0008】
例えば、直前のユーザープリント画像の印字率がキャリブレーション画像パターンの印字率より高い場合、キャリブレーションの開始時はトナー帯電量が低くなっており、キャリブレーションの実行中にトナー帯電量が徐々に増加していく。そのため、キャリブレーションの画像パターンの現像中に現像特性が変化してしまい、上述の濃度調整が正確に行われない。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、キャリブレーションでの画像濃度調整を正確に行う画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムと、前記感光体ドラムに光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像にトナーを付着させて現像を行う現像装置と、キャリブレーションにおいて、前記露光装置および前記現像装置を使用して調整用画像パターンを形成し、光学式センサーを使用して前記調整用画像パターンの濃度を測定し、測定した前記濃度に基づいて画像濃度調整を実行するキャリブレーション実行部と、プリント画像の印字率を測定する印字率測定部とを備える。そして、前記キャリブレーション実行部は、前記印字率測定部により測定された前記印字率と前記調整用画像パターンの印字率との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチを、前記キャリブレーションにおいて前記露光装置および前記現像装置を使用して前記調整用画像パターンとともに形成する。ここで、前記キャリブレーション実行部は、前記差分が正値である場合、前記差分が印字率となる前記印字率調整用パッチを前記調整用画像パターンとともに形成し、前記差分がゼロまたは負値である場合、前記キャリブレーションにおいて、前記印字率調整用パッチを形成せずに、前記調整用画像パターンを形成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キャリブレーションでの画像濃度調整を正確に行う画像形成装置が得られる。
【0012】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成を示す側面図である。
図2図2は、図1に示す画像形成装置の電気的な構成の一部を示すブロック図である。
図3図3は、図1および図2に示す画像形成装置においてキャリブレーション時に形成される調整用画像パターンおよび印字率調整用パッチの一例を示す図である。
図4図4は、図3における印字率調整用パッチの印字率の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成を示す側面図である。図1に示す画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式のプリント機能を有する装置である。
【0016】
この実施の形態の画像形成装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a~1d、露光装置2および現像装置3a~3dを有する。感光体ドラム1a~1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体であり、感光体ドラム1a~1d上には静電潜像が形成される。露光装置2は、感光体ドラム1a~1dに光(ここではレーザー光)を照射して感光体ドラム1a~1d上に静電潜像を形成する装置である。露光装置2は、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、そのレーザー光を感光体ドラム1a~1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を有する。なお、感光体ドラム1a~1dは、アモルファスシリコン製でも、有機感光体(OPC)でもよい。
【0017】
現像装置3a~3dは、トナーカートリッジ内のトナーを現像ローラー4で感光体ドラム1a~1d上の静電潜像に付着させて現像を行い、トナー画像を形成する。感光体ドラム1aおよび現像装置3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1bおよび現像装置3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1cおよび現像装置3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1dおよび現像装置3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0018】
中間転写ベルト5は、感光体ドラム1a~1dに接触し、感光体ドラム1a~1d上のトナー像を転写され担持する環状の像担持体である。中間転写ベルト5は、駆動ローラー6aおよびテンションローラー6bに張架され、駆動ローラー6aからの駆動力によって、感光体ドラム1aとの接触位置から感光体ドラム1dとの接触位置への方向へ周回していく。
【0019】
2次転写ローラー7は、搬送されてくるプリントシート(プリント用紙など)を中間転写ベルト5に接触させ、中間転写ベルト5上のトナー像をプリントシートに2次転写する。トナー像を2次転写されたプリントシートは、定着器10へ搬送される。定着器10は、ヒーターを備え、ヒーターを使用して加熱加圧方式でトナー像をプリントシートに定着する。
【0020】
濃度センサー8は、中間転写ベルト5に光を照射し、その反射光(例えば正反射光と拡散反射光)を受光し、受光した反射光の光量に対応する電気信号を出力する反射型光学式センサーである。濃度センサー8は、キャリブレーション用トナー像(後述の調整用画像パターンなど)が中間転写ベルト5に1次転写された後、中間転写ベルト5上のそのトナー像の濃度を光学的に検出する。
【0021】
例えば、濃度センサー8は、キャリブレーションにおいて、濃度センサー8の配置位置を通過する調整用画像パターン(トナー画像)の濃度を測定する。具体的には、濃度センサー8は、所定の測定領域に光を照射し、その反射光を受光するため、その測定領域を通過する調整用画像パターンの濃度を測定する。
【0022】
1次転写ローラー9a~9dは、それぞれ、中間転写ベルト5を挟んで、感光体ドラム1a~1dに対向して配置され、感光体ドラム1a~1d上のトナー像を感光体ドラム1a~1dから中間転写ベルト5へ1次転写する。
【0023】
図2は、図1に示す画像形成装置の電気的な構成の一部を示すブロック図である。図2に示すように、図1に示す画像形成装置は、コントローラー31および帯電装置32をさらに備える。
【0024】
コントローラー31は、画像形成装置内の各部を電気的に制御する。コントローラー31は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロコンピューターなどを備え、ハードウェア処理およびソフトウェア処理の一方または両方を行う各種処理部として動作する。
【0025】
帯電装置32は、感光体ドラム1a~1dの表面電位を所定電位(暗電位)に帯電させたり、感光体ドラム1a~1dの表面電位をゼロボルト(グランドレベル)に設定したりする。
【0026】
そして、コントローラー31は、制御部41、印字率測定部42、およびキャリブレーション実行部43として動作する。
【0027】
制御部41は、ユーザーにより指定された対象画像に対して所定の画像処理(ガンマ曲線による階調調整、ハーフトーニングなど)を行い、図1に示す機械的構成(感光体ドラム1a~1d、露光装置2、現像装置3a~3dなど)を制御して、画像処理後の対象画像のプリントを実行する。
【0028】
印字率測定部42は、制御部41により実行されたプリントのプリント画像の印字率を測定する。ここでは、印字率測定部42は、複数のトナー色(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック)についてのプリント画像の印字率をそれぞれ測定する。例えば、印字率測定部42は、画像処理後の対象画像における各トナー色プレーンでのドット数などに基づいて、既存の方法で導出する。
【0029】
キャリブレーション実行部43は、所定のタイミングでキャリブレーションを実行し、キャリブレーションにおいて、露光装置2および現像装置3a~3dを使用して調整用画像パターンを形成し、濃度センサー8(光学式センサー)を使用して調整用画像パターンの濃度を測定し、測定した濃度に基づいて画像濃度調整を実行する。画像濃度調整では、階調特性を含む濃度特性が目標の特性になるようにエンジン出力条件、階調調整用のガンマ曲線などが調整される。
【0030】
図3は、図1および図2に示す画像形成装置においてキャリブレーション時に形成される調整用画像パターンおよび印字率調整用パッチの一例を示す図である。
【0031】
さらに、キャリブレーション実行部43は、例えば図3に示すように、印字率測定部42により測定された印字率と調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの印字率(つまり、キャリブレーションにおける所定描画領域の画素数に対する各トナー色の調整用画像パターン21i(i=C,Y,Y,K)の画素数の割合)との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを、キャリブレーションにおいて露光装置2および現像装置3a~3dを使用して調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kとともに(その描画領域に)形成する。
【0032】
なお、その描画領域は、例えば、最初の調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの先端から最後の調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの後端までの副走査方向の範囲とされる。また、その描画領域の主走査方向の範囲は、左側の調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの左端から右側の調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの右端までとされる。
【0033】
この実施の形態では、キャリブレーション実行部43は、印字率測定部42により測定されたキャリブレーション直前の1ページのプリント画像の印字率と調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの印字率との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを、キャリブレーションにおいて露光装置2および現像装置3a~3dを使用して調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kとともに形成する。
【0034】
例えば図3に示すように、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kは、印字率測定部42により測定された印字率に拘わらず固定であり(つまり、固定の色、形状、および濃度を有し)、印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kは、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kとは独立に(つまり、離間して)、副走査方向(中間転写ベルト5の進行方向)に沿って調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kに並行して形成される。つまり、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kは、主走査方向(つまり、中間転写ベルト5の幅方向)において、濃度センサー8の測定領域を通過するように配置され、印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kは、濃度センサー8の測定領域を通過しないように配置される。
【0035】
図4は、図3における印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kの印字率の例を示す図である。図4に示す場合では、各調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの印字率は、1%である。
【0036】
さらに、この実施の形態では、例えば図4に示すように、キャリブレーション実行部43は、上述の差分が正値である場合、上述の差分が印字率となる印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kとともに形成し、上述の差分がゼロまたは負値である場合、キャリブレーションにおいて、印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを形成せずに、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kを形成する。
【0037】
図4に示す例1では、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kの印字率は、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックについて測定された印字率から1%だけ減算して得られる値とされている。
【0038】
図4に示す例2では、シアン、マゼンタ、およびブラックの印字率調整用パッチ22C,22M,22Kの印字率は、それぞれ、シアン、マゼンタ、およびブラックについて測定された印字率から1%だけ減算して得られる値とされており、イエローの印字率調整用パッチ22Yの印字率は、イエローについて測定された印字率から1%だけ減算して得られる値が負値となるため、ゼロとされる。この例2では、マゼンタおよびイエローの印字率調整用パッチ22M,22Yの印字率がゼロであるため、マゼンタおよびイエローの印字率調整用パッチ22M,22Yは、キャリブレーションにおいて形成されない。
【0039】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0040】
制御部41は、ユーザー操作などに従って、対象画像に対して所定の画像処理を行い、感光体ドラム1a~1d、露光装置2、現像装置3a~3dなどを制御して、画像処理後の対象画像のプリントを実行する。印字率測定部42は、制御部41により実行されたプリントのプリント画像の印字率を1ページごとに(1枚ごとに)測定し、図示せぬ記憶装置(不揮発性メモリーなど)にその印字率の測定値を記憶する。
【0041】
そして、キャリブレーションの実行タイミングが到来すると、キャリブレーションにおいて、キャリブレーション実行部43は、まず、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの印字率測定値(ここでは、直前の測定値)および調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの印字率(定数)に基づいて、上述のようにして、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kの印字率を計算し、その印字率に対応する形状および/または濃度の印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kの画像を導出する。
【0042】
例えば、上限印字率(例えば25%)に対応する、印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22K用の予約領域が予め設定され、印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kは、それぞれ、矩形形状を有し、計算された印字率に対応して、その幅(主走査方向の長さ)および/または長さ(副走査方向の長さ)が決定され、決定された形状の印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kが、その予約領域内にそれぞれ形成される。
【0043】
次に、キャリブレーション実行部43は、露光装置2および現像装置3a~3dを使用して、感光体ドラム1a~1d上に、その印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kとともに形成し、1次転写ローラー9a~9dで、その調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kおよび印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kを、中間転写ベルト5に転写し、濃度センサー8で、中間転写ベルト5上の調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの濃度を測定する。
【0044】
その後、調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kおよび印字率調整用パッチ22C,22M,22Y,22Kは、2次転写されずに、図示せぬクリーニング装置で中間転写ベルト5から除去される。
【0045】
そして、キャリブレーション実行部43は、測定した調整用画像パターン21C,21M,21Y,21Kの濃度に基づいて画像濃度特性を調整する。なお、当該キャリブレーションにおいて、トナー帯電量の測定は行われない。
【0046】
以上のように、上記実施の形態によれば、印字率測定部42は、プリント画像の印字率を測定し、キャリブレーション実行部43は、キャリブレーションにおいて、露光装置2および現像装置3a~3dを使用して調整用画像パターンを形成し、濃度センサー8を使用して調整用画像パターンの濃度を測定し、測定した濃度に基づいて画像濃度調整を実行する。そして、キャリブレーション実行部43は、印字率測定部42により測定された印字率と調整用画像パターンの印字率との差分に対応する印字率の印字率調整用パッチを、キャリブレーションにおいて露光装置2および現像装置3a~3dを使用して調整用画像パターンとともに形成する。
【0047】
これにより、キャリブレーション時に現像される画像の印字率が、その前に測定された印字率に近づくため、キャリブレーション中のトナー帯電量の変動が抑制され、キャリブレーションでの画像濃度調整が正確に行われる。また、キャリブレーション直後のトナー帯電量の変動も抑制されるため、キャリブレーション後の最初のプリント画像の画像濃度特性も良好となる。
【0048】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0049】
例えば、上記実施の形態に係る画像形成装置は、カラー画像形成装置であるが、1つのカラープレーン(ブラックのみ)のモノクロ画像形成装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば、プリンター、複合機などといった画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1a~1d 感光体ドラム
2 露光装置
3a~3d 現像装置
42 印字率測定部
43 キャリブレーション実行部
図1
図2
図3
図4