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  • 特許-画像処理装置および画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/40 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H04N1/40 075
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021018311
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121131
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】仲辻 弘臣
(72)【発明者】
【氏名】坂根 広規
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】中野 潤
(72)【発明者】
【氏名】臼井 将人
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-298598(JP,A)
【文献】特開2003-317096(JP,A)
【文献】特開2006-173957(JP,A)
【文献】特開平08-154174(JP,A)
【文献】特開平04-362873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/40-1/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象画像に対してハーフトーン処理を実行し、前記対象画像に対応する2値画像を生成するハーフトーン処理部と、
(a)前記2値画像において、ドットのある画素を注目画素とし、(b)前記注目画素から所定の第1距離にある複数の第1外周画素および前記注目画素から所定の第2距離にある複数の第2外周画素のドットの有無を特定し、(c)前記複数の第1外周画素におけるドットの数、および前記複数の第2外周画素におけるドットの数に基づいて、3以上の所定の複数の階調レベルから当該注目画素の階調レベルを導出し、多階調画像を生成する多階調化処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記多階調化処理部は、(a)前記注目画素について所定の例外条件が成立するか否かを判定し、(b)前記注目画素について所定の例外条件が成立する場合には、導出した前記階調レベルを調整するオフセット処理を実行し、
前記例外条件は、前記注目画素についての所定範囲の周辺画素において、前記注目画素およびドットありの前記周辺画素が直線状に位置していること、
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記多階調化処理部は、前記注目画素について前記例外条件が成立する場合には、前記注目画素が文字を構成する文字画素であると判定し、前記文字画素に対応した前記オフセット処理を実行することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記多階調化処理部は、(a)前記注目画素について所定の例外条件が成立するか否かを判定し、(b)前記注目画素について所定の例外条件が成立する場合には、導出した前記階調レベルを調整するオフセット処理を実行し、
前記例外条件は、前記注目画素についての所定範囲の周辺画素領域において、ドットありの画素とドットなしの画素とが隣接している箇所の数が所定閾値を超えていること、
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記多階調化処理部は、前記注目画素について前記例外条件が成立する場合には、前記注目画素が階調画像を構成する中間調画素であると判定し、前記中間調画素に対応した前記オフセット処理を実行することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1外周画素は、前記注目画素を中心とした縦3画素かつ横3画素の画素領域の最外周画素であり、
前記第2外周画素は、前記注目画素を中心とした縦5画素かつ横5画素の画素領域の最外周画素であること、
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の画像処理装置と、
前記多階調画像をプリントするプリント装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、ハーフトーン処理により得られた画像における孤立点に起因する粒状感を抑制するために、ハーフトーン処理により得られた画像における画素濃度を調整している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-160883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像処理装置では、孤立点の濃度調整を行うことで孤立点に起因する粒状感が抑制されるものの、その他のドットに起因する粒状感は抑制されない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、より粒状感が抑制される画像処理装置および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、対象画像に対してハーフトーン処理を実行し、前記対象画像に対応する2値画像を生成するハーフトーン処理部と、(a)前記2値画像において、ドットのある画素を注目画素とし、(b)前記注目画素から所定の第1距離にある複数の第1外周画素および前記注目画素から所定の第2距離にある複数の第2外周画素のドットの有無を特定し、(c)前記複数の第1外周画素におけるドットの数、および前記複数の第2外周画素におけるドットの数に基づいて、3以上の所定の複数の階調レベルから当該注目画素の階調レベルを導出し、多階調画像を生成する多階調化処理部とを備える。
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、上記画像処理装置と、前記多階調画像をプリントするプリント装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より粒状感が抑制される画像処理装置および画像形成装置が得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一部を示すブロック図である。
図3図3は、第1外周画素および第2外周画素の一例について説明する図である。
図4図4は、注目画素についての第1外周画素のドット数および第2外周画素のドット数の組み合わせと注目画素の階調レベルとの対応関係の一例を示す図である。
図5図5は、例外条件の一例について説明する図である。
図6図6は、例外条件の他の例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。この画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式のプリント機能を有する装置である。
【0013】
この実施の形態の画像形成装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a~1d、露光装置2a~2dおよび現像ユニット3a~3dを有する。感光体ドラム1a~1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。
【0014】
露光装置2a~2dは、感光体ドラム1a~1dへレーザー光を走査しつつ照射して静電潜像を形成する装置である。レーザー光は、感光体ドラム1a~1dの回転方向(副走査方向)に垂直な方向(主走査方向)に走査される。露光装置2a~2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、およびそのレーザー光を感光体ドラム1a~1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を含むレーザースキャニングユニットを有する。
【0015】
さらに、感光体ドラム1a~1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1dを除電する。
【0016】
現像ユニット3a~3dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーが充填されているトナーコンテナを有し、そのトナーを感光体ドラム1a~1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。トナーは、キャリアとともに現像剤を構成し、さらに、酸化チタンなどの外添剤が付加されている。
【0017】
感光体ドラム1a、露光装置2aおよび現像ユニット3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1b、露光装置2bおよび現像ユニット3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1c、露光装置2cおよび現像ユニット3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1d、露光装置2dおよび現像ユニット3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0018】
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a~1dに接触し、感光体ドラム1a~1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体(中間転写体)である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
【0019】
転写ローラー6は、搬送されてくる用紙を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像を用紙に2次転写する。なお、トナー画像を転写された用紙は、定着器9へ搬送され、トナー画像が用紙へ定着される。

ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、用紙へのトナー画像の転写後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
【0020】
センサー8は、中間転写ベルト4に光線を照射し、中間転写ベルト4の表面またはその表面上のトナーパターンからの反射光を検出する。例えば、センサー8は、トナー濃度調整の際に、中間転写ベルト4の所定の領域に光線を照射し光線の反射光を検出し、その光量に応じた電気信号を出力する。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一部を示すブロック図である。図2に示すように、この画像形成装置は、通信装置11と、演算処理装置12と、プリント装置13とを備える。
【0022】
通信装置11は、ネットワークや周辺機器インターフェイスを介してホスト装置に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。

また、演算処理装置12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)および/またはコンピューターを有し、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで各種処理部を実現する。コンピューターは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、図示せぬ記憶装置、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、ソフトウェアで各種処理部を実現する。
【0023】
また、プリント装置13は、図1に示すような機械的構成で原稿画像を印刷する内部デバイスである。プリント装置13は、後述の多階調画像をプリントする。
【0024】
この実施の形態では、演算処理装置12は、通信処理部21、レンダリング部22、コントローラー23、本発明の実施の形態に係る画像処理装置としての画像処理部24などの処理部として動作する。
【0025】
通信処理部21は、通信装置11を制御してホスト装置などとデータ通信を実行する処理部である。例えば、通信処理部21は、ホスト装置からプリント要求としての原稿データを受信する。
【0026】
また、レンダリング部22は、操作パネルに対するユーザー操作に基づく印刷要求やホスト装置から供給されるプリント要求を受け付け、その要求に応じた印刷ジョブを実行させる。例えば、ホスト装置から、PDL(Page Description Language)、PDF(Portable Document Format)などの所定のデータ形式の原稿データがプリント要求として受信されると、レンダリング部22は、その原稿データからビットマップ画像データを生成する。このビットマップ画像データは、例えば8ビットのRGBデータである。ホスト装置からビットマップデータの原稿データが受信されると、レンダリング部22は、その原稿データをそのまま画像データとする。
【0027】
また、コントローラー23は、プリント装置13などの内部デバイスを監視および制御する処理部である。コントローラー23は、上述のローラーなどを駆動する図示せぬ駆動源、現像バイアスおよび1次転写バイアスを印加するバイアス印加回路、並びに露光装置2a~2dを制御して、トナー画像の現像、転写および定着、並びに給紙、印刷および排紙を実行させる処理回路である。現像バイアスは、感光体ドラム1a~1dと現像ユニット3a~3dとの間にそれぞれ印加され、1次転写バイアスは、感光体ドラム1a~1dと中間転写ベルト4との間にそれぞれ印加される。
【0028】
また、画像処理部24は、その画像データに対して、色変換(例えばRGBデータからCMYKデータへの色変換)、ガンマ補正、ハーフトーン処理などの所定の画像処理を実行し、プリントデータ(例えば色プレーンごとに(3階調レベル以上で)多階調化されたプリント画像データ)を生成する。画像処理部24は、色変換部31、ハーフトーン処理部32、および多階調化処理部33を備える。
【0029】
色変換部31は、レンダリング部22により生成された画像データに対して色変換(ここではRGBデータからトナー色に対応するCMYKデータへの色変換)を実行する。
【0030】
ハーフトーン処理部32は、色変換後の画像データ(各色プレーンの画像データ)に対して、所定のハーフトーン方式でハーフトーン処理を実行する。ここでは、ハーフトーン処理部32は、対象画像(ここでは、各色プレーンの画像)に対してハーフトーン処理を実行し、その対象画像に対応する2値画像を生成する。なお、ここでは、ハーフトーン処理部32は、誤差拡散法でハーフトーン処理を実行する。
【0031】
多階調化処理部33は、(a)上述の2値画像において、ドットのある画素(濃度ありの画素)を注目画素として順番に選択していき、(b)注目画素から所定の第1距離にある複数の第1外周画素および注目画素から所定の第2距離(第2距離>第1距離)にある複数の第2外周画素のドットの有無を特定し、(c)その複数の第1外周画素におけるドットの数、およびその複数の第2外周画素におけるドットの数に基づいて、3以上の所定の複数の階調レベルから当該注目画素の階調レベルを導出し、これにより、多階調画像を生成する。
【0032】
なお、ここでは、2値画像において、画素値が1である画素が、ドットありの画素であり、画素値が0である画素が、ドットなしの画素である。
【0033】
図3は、第1外周画素および第2外周画素の一例について説明する図である。例えば図3に示すように、この実施の形態では、この第1外周画素は、注目画素P(X,Y)を中心とした縦3画素かつ横3画素の画素領域の最外周画素であり、この第2外周画素は、注目画素P(X,Y)を中心とした縦5画素かつ横5画素の画素領域の最外周画素である。
【0034】
図4は、注目画素についての第1外周画素のドット数および第2外周画素のドット数の組み合わせと注目画素の階調レベルとの対応関係の一例を示す図である。多階調化処理部33は、例えば図4に示すようなテーブルを参照して、第1外周画素のドット数および第2外周画素のドット数の組み合わせに対応する注目画素の階調レベルを特定する。そのテーブルは、不揮発性メモリーに記憶されており、多階調化処理部33は、そのテーブルを不揮発性メモリーから読み出して、注目画素の階調レベルの特定に使用する。
【0035】
例えば図3に示すように第1外周画素および第2外周画素が設定されている場合、第1外周画素の数は8であり、第2外周画素の数は16であるため、第1外周画素のドット数は0から8までのいずれかの数であり、第2外周画素のドット数は0から16までのいずれかの数である。
【0036】
第1外周画素のドット数が多いほど、注目画素の階調レベルは同一か大きくされ、第2外周画素のドット数が多いほど、注目画素の階調レベルは同一か大きくされる。そして、第1外周画素がすべてドットありの画素である場合には、第2外周画素のドット数に拘わらず、注目画素の階調レベルは最大レベル(ここでは4)とされる。また、第2外周画素がすべてドットありの画素である場合には、第1外周画素のドット数に拘わらず、注目画素の階調レベルは最大レベル(ここでは4)とされる。
【0037】
さらに、この実施の形態では、多階調化処理部33は、(a)注目画素P(X,Y)について所定の例外条件が成立するか否かを判定し、(b)注目画素P(X,Y)について所定の例外条件が成立する場合には、導出した階調レベルを調整するオフセット処理を実行する。オフセット処理では、例外条件に応じて設定されているオフセット量(定数)だけ階調レベルが増加または減少される。
【0038】
なお、例外条件に応じて、オフセット量、および増加するか減少するかが予め設定され、複数の例外条件が設定される場合には、オフセット量、および増加するか減少するかについては、例外条件によって異なっていてもよい。
【0039】
図5は、例外条件の一例について説明する図である。ここで、例外条件は、例えば図5に示すように、注目画素についての所定範囲の周辺画素において、注目画素およびドットありの周辺画素が(縦、横、または斜めに)直線状に位置していることである。つまり、この例外条件は、注目画素を含むドットありの画素が所定数(図5では5画素)連続していることである。なお、この所定数は、3でもよい。また、縦横の幅がそれぞれその所定数である画素領域において、上述の直線状に位置している注目画素を含むドットありの画素以外の画素がドットなしの画素である場合のみ、当該例外条件が成立したと判定するようにしてもよい。そして、多階調化処理部33は、注目画素についてこの例外条件が成立する場合には、注目画素が文字を構成する文字画素であると判定し、その文字画素に対応したオフセット処理を実行する。
【0040】
図6は、例外条件の他の例について説明する図である。また、ここで、例外条件は、注目画素についての所定範囲の周辺画素領域において、ドットありの画素とドットなしの画素とが隣接している箇所(図6における濃度変化箇所)の数が所定閾値を超えていることである。そして、多階調化処理部33は、注目画素についてこの例外条件が成立する場合には、注目画素が階調画像を構成する中間調画素であると判定し、その中間調画素に対応したオフセット処理を実行する。
【0041】
元の対象画像の階調レベルが中程度である箇所では当該箇所の数が多くなるため、注目画素について中間調画素に対応したオフセット処理が実行される。また、この閾値は、周辺画素領域のサイズに応じて設定される。例えば図6では、5×5画素の周辺画素領域において当該箇所の数は23であり、注目画素について、中間調画素に対応したオフセット処理が実行される。
【0042】
このように、例外条件が複数ある場合には、例外条件が成立すれば、その例外条件に対応するオフセット処理が実行される。
【0043】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0044】
レンダリング部22は、プリント要求から画像データを生成し、色変換部31は、レンダリング部22により生成された画像データからトナー色に対応する画像データへ色変換を実行する。ハーフトーン処理部32は、色変換で得られた各色プレーンの画像(対象画像)についてハーフトーン処理(ここでは誤差拡散法に基づくハーフトーン処理)を実行し、2値画像を生成する。
【0045】
次に、多階調化処理部33は、その2値画像を所定階調レベル数N(N>2)の多階調画像に変換する。その際、上述のように、多階調化処理部33は、その2値画像におけるドットありの画素(つまり画素値が1である画素)を順番に選択し、選択した画素の画素値を、1から(N-1)までの階調範囲におけるいずれかの階調レベルi(0<i<N)に変換する。さらに、その際、選択した画素について上述の例外条件が成立する場合には、多階調化処理部33は、その例外条件に対応するオフセット処理を実行し、その画素の階調レベルを調整する。このようにして多階調画像が生成される。なお、2値画像におけるドットなしの画素(画素値が0である画素)は、多階調画像における階調レベル(画素値)が0である画素に変換される。
【0046】
その後、コントローラー23は、画像処理部24による画像処理後のプリント画像データに基づいて、プリント装置13を制御して多階調画像のプリントを行う。
【0047】
以上のように、上記実施の形態によれば、ハーフトーン処理部32は、対象画像に対してハーフトーン処理を実行し、その対象画像に対応する2値画像を生成する。多階調化処理部33は、(a)その2値画像において、ドットのある画素を注目画素とし、(b)注目画素から所定の第1距離にある複数の第1外周画素および注目画素から所定の第2距離にある複数の第2外周画素のドットの有無を特定し、(c)複数の第1外周画素におけるドットの数、および複数の第2外周画素におけるドットの数に基づいて、3以上の所定の複数の階調レベルから当該注目画素の階調レベルを導出し、多階調画像を生成する。
【0048】
これにより、注目画素周辺のドットの分布状況に応じて注目画素の濃度が調整されるため、孤立点に限らず、多階調画像における粒状感がより抑制される。
【0049】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0050】
例えば、上記実施の形態に係る画像形成装置は、モノクロ画像形成装置でもよい。
【0051】
また、上記実施の形態における画像処理部24として動作する情報処理装置を画像処理装置としてもよい。その場合、プリント装置13は特に必要とされない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、例えば、画像処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
13 プリント装置
24 画像処理部(画像処理装置の一例)
32 ハーフトーン処理部
33 多階調化処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6