(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】車両用バッテリパック
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20241108BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/652 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/6569 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20241108BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241108BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20241108BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20241108BHJP
B62D 21/00 20060101ALI20241108BHJP
B62D 25/20 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/652
H01M10/6568
H01M10/6569
H01M10/6563
H01M10/6556
H01M50/242
B60K11/06
B62D21/00 A
B62D21/00 B
B62D25/20 G
(21)【出願番号】P 2020218225
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 将希
(72)【発明者】
【氏名】渡部 綱一郎
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-059478(JP,A)
【文献】特開2012-240476(JP,A)
【文献】特開2020-196432(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102012019922(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0298586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/652
H01M 10/6568
H01M 10/6569
H01M 10/6563
H01M 10/6556
H01M 50/242
B60K 11/06
B62D 21/00
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両用バッテリパックであって、
バッテリモジュールと、
電気機器と、
前記電気機器を下方から支持する支持台と、
前記バッテリモジュール、前記電気機器、及び前記支持台を収容するバッテリケースと、
前記バッテリケースを車体に取り付けるように構成される取付機構と
を備え、
前記バッテリケースが、その水平方向のうち特定方向の片側に位置する側方壁と、前記バッテリケースの下端に位置する底壁とを有し、
前記支持台が、前記電気機器を載置する載置部と、前記載置部を下方から支持する脚部とを有し、
前記載置部が、前記特定方向にて前記側方壁と向き合うように位置する外方端区域を有し、
前記電気機器は、前記載置部上で、前記特定方向にて前記載置部の外方端区域に対して前記支持台の特定方向の中央寄りに配置され、
前記脚部の下端区域が、前記特定方向にて前記載置部の外方端区域に対して前記支持台の外方寄りに配置され、かつ前記バッテリケースの底壁に取り付けられ、
前記取付機構は、前記バッテリケースから前記車体まで前記特定方向にて外方、かつ上方に湾曲するように延び、前記バッテリケースおよび前記車体にそれぞれ取り付けられ、
前記取付機構が、前記バッテリケースの外部で前記特定方向にて前記バッテリケースの側方壁と対向するように配置され、
前記車両の上下方向で見て、前記脚部が、前記特定方向にて前記電気機器及び前記取付機構間に配置され
、
前記バッテリケースが、その上部を形成するアッパーケースと、前記バッテリケースの下部を形成するロアケースとを有し、
前記アッパーケース及び前記ロアケースが上下方向にて並んでおり、
前記アッパーケースは、アッパーケース本体と、前記アッパーケース本体から前記バッテリパックの水平方向の外方に向かって突出するフランジとを有し、
前記ロアケースは、ロアケース本体と、前記ロアケース本体から前記バッテリパックの水平方向の外方に向かって突出するフランジとを有し、
前記バッテリケースが、前記アッパー及びロアケースのフランジを結合した重ね合わせ部を有し、
前記取付機構は、前記バッテリケースの重ね合わせ部において前記アッパーケースのフランジに取り付けられた第1部分と、前記ロアケースのフランジに取り付けられた第2部分とを有する、車両用バッテリパック。
【請求項2】
前記脚部が、上下方向に沿って配置される脚部本体と、前記脚部の下端区域を形成するように前記特定方向にて前記脚部本体の下端から前記支持台の外方に延びる下側フランジとを有し、
前記脚部本体が、前記特定方向にて前記載置部の外方端区域に対して前記支持台の外方寄りに配置され、
前記下側フランジが、前記バッテリケースの底壁に取り付けられている、請求項1に記載の車両用バッテリパック。
【請求項3】
前記脚部本体が、下方から上方に向かうに従って前記特定方向にて前記支持台の中央に向かうように傾斜している、請求項2に記載の車両用バッテリパック。
【請求項4】
前記アッパーケースのフランジは前記アッパーケースの下縁部
であり、前記ロアケースのフランジは前記ロアケースの上縁部
であり、
前記脚部が、前記特定方向にて前記バッテリケースの重ね合わせ部と向き合うように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用バッテリパック。
【請求項5】
前記脚部が板材料から構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用バッテリパック。
【請求項6】
前記脚部の上端区域が、前記載置部の外方端区域と連結されており、かつ前記特定方向にて前記支持台の外方に向かって突出するように湾曲している、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用バッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の車両においては、この車両の電動駆動等のために車両用バッテリパックが搭載されることがある。典型的に、車両用バッテリパックは、その内部のバッテリモジュールを冷却可能とする冷却装置を有しており、冷却装置は、バッテリモジュールを冷却するための冷媒を通すように構成されるダクトを有する。また、車両用バッテリパックにおいては、車両の衝突等によって車両が外部から衝撃を受けた場合であっても、このような衝撃から車両用バッテリパックを保護することが要求される。
【0003】
このような要求を考慮した車両用バッテリパックの一例としては、冷却用空気を通過可能とする吸気ダクト及び排気ダクトの少なくとも一方の一部が、バッテリパックの車両幅方向の端部に沿って配置され、かつ車両幅方向の入力に対する破壊強度をバッテリパックよりも低くするように設定されている、冷却構造を有する車載バッテリが挙げられる。(例えば、特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、車両用バッテリパック内には、バッテリモジュールを制御可能とするバッテリ制御装置等のような電気機器、送風機等のポンプ等のような種々の機器が設けられることがある。このような車両用バッテリパックにおいて、車両が外部から衝撃を受けた場合に、機器が移動することによってその周辺部分と接触し、その結果、機器が損傷するおそれがある。これに対して、上記車両用バッテリパックの一例においては、車両用バッテリパック全体を吸気ダクト及び排気ダクトの少なくとも一方によって保護するに過ぎず、車両用バッテリパックの内部の機器を個別に保護することができない。
【0006】
このような実情を鑑みると、車両に加えられる衝撃から車両用バッテリパック内部の機器を効率的に保護することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために、一態様に係る車両用バッテリパックは、車両に搭載される車両用バッテリパックであって、バッテリモジュールと、電気機器と、前記電気機器を下方から支持する支持台と、前記バッテリモジュール、前記電気機器、及び前記支持台を収容するバッテリケースと、前記バッテリケースを車体に取り付けるように構成される取付機構とを備え、前記バッテリケースが、その水平方向のうち特定方向の片側に位置する側方壁と、前記バッテリケースの下端に位置する底壁とを有し、前記支持台が、前記電気機器を載置する載置部と、前記載置部を下方から支持する脚部とを有し、前記載置部が、前記特定方向にて前記側方壁と向き合うように位置する外方端区域を有し、前記電気機器は、前記載置部上で、前記特定方向にて前記載置部の外方端区域に対して前記支持台の特定方向の中央寄りに配置され、前記脚部の下端区域が、前記特定方向にて前記載置部の外方端区域に対して前記支持台の外方寄りに配置され、かつ前記バッテリケースの底壁に取り付けられ、前記取付機構は、前記バッテリケースから前記車体まで前記特定方向にて外方、かつ上方に湾曲するように延び、前記バッテリケースおよび前記車体にそれぞれ取り付けられ、前記取付機構が、前記バッテリケースの外部で前記特定方向にて前記バッテリケースの側方壁と対向するように配置され、前記車両の上下方向で見て、前記脚部が、前記特定方向にて前記電気機器及び前記取付機構間に配置され、前記バッテリケースが、その上部を形成するアッパーケースと、前記バッテリケースの下部を形成するロアケースとを有し、前記アッパーケース及び前記ロアケースが上下方向にて並んでおり、前記アッパーケースは、アッパーケース本体と、前記アッパーケース本体から前記バッテリパックの水平方向の外方に向かって突出するフランジとを有し、前記ロアケースは、ロアケース本体と、前記ロアケース本体から前記バッテリパックの水平方向の外方に向かって突出するフランジとを有し、前記バッテリケースが、前記アッパー及びロアケースのフランジを結合した重ね合わせ部を有し、前記取付機構は、前記バッテリケースの重ね合わせ部において前記アッパーケースのフランジに取り付けられた第1部分と、前記ロアケースのフランジに取り付けられた第2部分とを有する。
【発明の効果】
【0008】
一態様に係る車両用バッテリパックにおいては、車両に加えられる衝撃から車両用バッテリパック内部の機器を効率的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る車両用バッテリパックを含む車体の底部を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る車両用バッテリパックを車体の左側サイドフレームに取り付けるために用いられる車体取付機構及びその周辺部分を概略的に示す底側斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る車両用バッテリパックを含む車体の底部を、フロアパネルを透明視した状態で概略的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る車両用バッテリパックを、そのアッパーケースを取り外した状態で概略的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図4の矢印Zから見て、矢印Zの周辺を示す矢視拡大図である。
【
図9】
図9は、車両側突時における
図1のW-W線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態に係る車両用バッテリパックについて、それを搭載した車両と共に説明する。本実施形態に係る車両用バッテリパック(以下、必要に応じて、単に「バッテリパック」という)を搭載した車両は、電気自動車となっている。しかしながら、車両は、バッテリパックを搭載可能とする電気自動車以外の電動車両とすることもできる。
【0011】
本明細書中の説明に用いられる図面においては、車両を基準とした方向を次のように示す。
図1~
図4及び
図6~
図8においては、車両前方及び車両後方を、それぞれ片側矢印F及び片側矢印Bによって示す。
図1~
図5、
図7、及び
図9においては、車両前方を向いた場合の左方及び右方を、それぞれ片側矢印L及び片側矢印Rによって示す。車両幅方向は、片側矢印L及び片側矢印Rによって示される。さらに、
図2、
図5、
図6、
図8、及び
図9においては、車両上方及び車両下方を、それぞれ片側矢印U及び片側矢印Dによって示す。
【0012】
なお、左方及び右方は、それぞれ車両前方を向いた場合の左方及び右方を指すものとする。水平方向は、車両の前後方向及び幅方向に沿った方向を指すものとする。車両上方及び車両下方を、場合によっては、それぞれ単に上方及び下方と呼ぶ。
【0013】
「バッテリパック及び車両の概略」
図1~
図8を参照して、本実施形態に係るバッテリパック10及び車両の概略について説明する。すなわち、本実施形態に係るバッテリパック10及び車両は、概略的には次のように構成される。
図1~
図3に示すように、バッテリパック10は、車両に搭載されている。
図4~
図8に示すように、バッテリパック10は、複数のバッテリモジュール11を有する。
【0014】
バッテリパック10は、電気機器12を有する。バッテリパック10は、電気機器12を下方から支持する支持台13を有する。バッテリパック10は、複数のバッテリモジュール11、電気機器12、及び支持台13を収容するバッテリケース14を有する。
図5及び
図6に示すように、バッテリケース14は、その水平方向のうち特定方向の片側に位置する側方壁14aを有する。バッテリケース14は、バッテリケース14の下端に位置する底壁14bを有する。
【0015】
支持台13は、電気機器12を載置する載置部20を有する。支持台13は、載置部20を下方から支持する脚部21を有する。載置部20は、特定方向にてバッテリケース14の側方壁14aと向き合うように位置する外方端区域20aを有する。
【0016】
図4~
図8に示すように、電気機器12は、載置部20上で、特定方向にて載置部20の外方端区域20aに対して支持台13の特定方向の中央寄りに配置されている。脚部21の下端区域21aが、特定方向にて載置部20の外方端区域20aに対して支持台13の外方寄りに配置される。さらに、脚部21の下端区域21aは、バッテリケース14の底壁14bに直接又は間接的に取り付けられている。
【0017】
さらに、本実施形態に係るバッテリパック10及び車両は、概略的には次のように構成することができる。
図5に示すように、脚部21は、上下方向に沿って配置される脚部本体21bを有する。脚部21は、その下端区域21aを形成するように特定方向にて脚部本体21bの下端から支持台13の外方に延びる下側フランジ21aを有する。
【0018】
脚部本体21bは、特定方向にて載置部20の外方端区域20aに対して支持台13の外方寄りに配置される。下側フランジ21aは、バッテリケース14の底壁14bに直接又は間接的に取り付けられている。脚部本体21bは、下方から上方に向かうに従って特定方向にて支持台13の中央に向かうように傾斜している。
【0019】
図5及び
図6に示すように、バッテリケース14は、その上部を形成するアッパーケース30を有する。バッテリケース14はまた、その下部を形成するロアケース31を有する。アッパーケース30及びロアケース31は上下方向にて並んでいる。バッテリケース14は、アッパーケース30の下縁部30a及びロアケース31の上縁部31aを結合した重ね合わせ部14cを有する。
【0020】
図5に示すように、脚部21は、特定方向にてバッテリケース14の重ね合わせ部14cと向き合うように配置される。脚部21はまた、板材料から構成されている。脚部21の上端区域21cは、載置部20の外方端区域20aと連結されている。脚部21の上端区域21cは、特定方向にて支持台13の外方に向かって突出するように湾曲している。
【0021】
図1~
図4に示すように、バッテリパック10は、バッテリケース14を車体1に取り付けるように構成される取付機構15を有する。取付機構15は、バッテリケース14の外部で特定方向にてバッテリケース14の側方壁14aと対向するように配置される。
図4に示すように、脚部21は、車両の上下方向で見て、特定方向にて電気機器12及び取付機構(後述する機器対応取付機構)15間に配置されている。
【0022】
図5及び
図6に示すように、アッパーケース30は、アッパーケース本体30bを有する。アッパーケース30は、アッパーケース本体30bからバッテリパック10の水平方向の外方に向かって突出するフランジ30aを有する。このアッパーケース30のフランジ30aは、上述したアッパーケース30の下縁部30aに相当する。
【0023】
ロアケース31は、ロアケース本体31bを有する。ロアケース31は、ロアケース本体31bからバッテリパック10の水平方向の外方に向かって突出するフランジ31aを有する。このロアケース31のフランジ31aは、上述したロアケース31の上縁部31aに相当する。
【0024】
バッテリケース14は、アッパー及びロアケース30,31のフランジ30a,31aを結合した重ね合わせ部14cを有する。アッパー及びロアケース30,31のフランジ30a,31aを結合した重ね合わせ部14cは、アッパーケース30の下縁部30a及びロアケース31の上縁部31aを結合した重ね合わせ部14cに相当する。バッテリケース14の重ね合わせ部14cは、取付機構15に取り付けられている。
【0025】
「車両の詳細」
図1~
図3を参照すると、車両は、詳細には次のように構成することができる。
図1~
図3に示すように、車両の車体1は、車両の室内のフロア(図示せず)を構成するフロアパネル2を有する。バッテリパック10は、フロアパネル2の下方に配置される。
【0026】
車体1はまた、車両の幅方向に互いに間隔を空けて配置される2つのサイドメンバ3を有する。各サイドメンバ3は細長形状に形成されている。各サイドメンバ3は、車両前後方向に沿って配置されている。バッテリパック10は、平面視にて、2つのサイドメンバ3の間に位置する。2つのサイドメンバ3は、フロアパネル2の下方に位置する。各サイドメンバ3の上面はフロアパネル2の下面に接合される。
【0027】
図3に示すように、車体1は、2つのサイドメンバ3を連結するように車両の幅方向に延びるクロスメンバ4を有する。クロスメンバ4は、バッテリパック10の上方に位置する。クロスメンバ4はまた、平面視にて、バッテリパック10を横切るように延びる。
図3においては、車体1は、2つのクロスメンバ4を有する。しかしながら、車体は、1つ又は3つ以上のクロスメンバを有することもできる。
【0028】
「バッテリパックの詳細」
図1~
図8を参照すると、バッテリパック10は、詳細には次のように構成することができる。
図1~
図3に示すように、バッテリパック10は、2つのサイドメンバ3に取り付けられるように構成される。バッテリパック10は、それを各サイドメンバ3に取り付けるように構成される取付機構15を有する。バッテリパック10は、それを各サイドメンバ3に取り付けるように構成される複数の取付機構15を有する。しかしながら、バッテリパックは、それを各サイドメンバに取り付けるように構成される1つの取付機構を有することもできる。
【0029】
図4~
図8に示すように、バッテリパック10は、複数のバッテリモジュール11を冷却可能とするように構成される冷却装置16を有する。冷却装置16は、複数のバッテリモジュール11を冷却する冷媒を排出可能に構成されるポンプ40を有する。しかしながら、冷却装置は、上記冷媒を排出可能に構成されるポンプの代わりに、冷媒を吸引可能に構成されるポンプを有することもできる。
【0030】
図4及び
図7に示すように、バッテリパック10の電気機器12は、ポンプ40に対して水平方向のうち特定方向に間隔を空け、かつポンプ40と特定方向に並ぶように配置される。冷却装置16のポンプ40は、バッテリパック10の電気機器12よりもバッテリパック10の特定方向の中央寄りに位置する。
【0031】
図4~
図8を参照すると、電気機器12は、外部からの衝撃によって破損し易い精密機器となっている。電気機器12は、バッテリモジュール11の充電、放電等を制御可能とするバッテリ制御装置とすることができる。しかしながら、電気機器は、バッテリ制御装置に限定されない。例えば、電気機器は、インバータ等とすることもできる。
【0032】
図4に示すように、各サイドメンバ3に取り付けるように構成される複数の取付機構15のうち1つは、車両前後方向にて、ポンプ40及び電気機器12に対応するように配置される取付機構(以下、必要に応じて、「機器対応取付機構」)15となっている。このような各サイドメンバ3の機器対応取付機構15は、車両前後方向にて、バッテリパック10の支持台13に対応するように配置されている。そのため、上述のように、脚部21が、車両の上下方向で見て、特定方向にて電気機器12及び機器対応取付機構15間に配置される。
【0033】
「バッテリモジュールの詳細」
図4~
図8を参照すると、バッテリモジュール11は、詳細には次のように構成することができる。
図4~
図8を参照すると、各バッテリモジュール11は、車両の駆動電力に用いる電力を充電及び放電可能とするように構成される。複数のバッテリモジュール11は、水平方向にて互いに間隔を空けて配置されている。複数のバッテリモジュール11のうち一部分は、支持台13の載置部20に対して下方に配置される。
【0034】
図4に示すように、これら複数のバッテリモジュール11のうち残りの部分は、支持台13の載置部20に対して水平方向にズレて配置される。具体的には、複数のバッテリモジュール11のうち残りの部分は、支持台13の載置部20に対して車両前後方向にズレて配置される。さらに具体的には、複数のバッテリモジュール11のうち残りの部分は、支持台13の載置部20に対して車両前方にズレて配置される。
【0035】
「冷却装置の詳細」
図4~
図8を参照すると、冷却装置16は、詳細には次のように構成することができる。
図4~
図8に示すように、冷却装置16は、ポンプ40から水平方向に沿って延びる接続ダクト41を有する。接続ダクト41は、冷媒を通過可能とするように構成される。
【0036】
ポンプ40は、ポンプ本体40aを有する。ポンプ40はまた、接続ダクト41に接続されるポンプ側接続部40bを有する。ポンプ本体40aは、ポンプ40の駆動源40cを有する。ポンプ側接続部40bは、ポンプ本体40aから延びる。接続ダクト41は、ポンプ側接続部40bに接続されるダクト側接続部41aを有する。接続ダクト41は、ポンプ40及び電気機器12間の空間を通過する横断部41bを有する。横断部41bは、ダクト側接続部41aから延びる。
【0037】
図4及び
図7に示すように、ポンプ側接続部40bは、ポンプ本体40aの水平方向の中心40dに対して電気機器12寄りに配置される。さらに、このポンプ側接続部40bは、ポンプ40及び電気機器12間の空間に配置することができる。
【0038】
ダクト側接続部41aは、ポンプ側接続部40bから横断部41bに向かうに従って電気機器12に接近するように傾斜しながら延びる。ポンプ側接続部40bは、ポンプ本体40aからダクト側接続部41aに向かうに従って電気機器12に接近するように傾斜しながら延びている。
【0039】
図4及び
図6~
図8に示すように、冷却装置16は、接続ダクト41の横断部41bと交差するように延びる中間ダクト42を有する。中間ダクト42は、接続ダクト41の横断部41bに接続される交差接続部42aを有する。中間ダクト42は、交差接続部42aに対して特定方向の電気機器12側にて、交差接続部42aから水平方向に沿って電気機器12と対向するように延びる中間本体部42bを有する。
【0040】
なお、後述するように、中間ダクト42が、この中間本体部42bに加えて、追加の中間本体部42cを有する場合、必要に応じて、中間本体部42bを第1中間本体部42bと呼び、かつ追加の中間本体部42cを第2中間本体部42cと呼ぶ。
図4~
図8に示すように、ポンプ40及び電気機器12は車両の幅方向に並ぶ。すなわち、上記特定方向は車両の幅方向である。しかしながら、特定方向は、水平方向のうち車両の幅方向以外の方向とすることもできる。例えば、特定方向は、車両の前後方向とすることもできる。
【0041】
図4~
図8に示すように、冷却装置16のポンプ40はブロワ40となっている。この場合、ポンプ40の駆動源40cは、ポンプ本体40aからポンプ側接続部40bに向かって風を送ることができるように旋回可能に構成されるファン40cとすることができる。冷媒はまた空気となっている。しかしながら、冷媒は、空気以外の気体とすることもできる。また、ポンプは、ブロワ以外とすることもできる。この場合、冷媒は、水等の液体とすることもできる。
【0042】
特に
図7に示すように、駆動源40cの旋回中心は、ポンプ本体40aの水平方向の中心40dと略一致させることができる。駆動源40cの旋回によって、ポンプ本体40a内にて旋回中心周りに渦巻状の空気の流れを発生させることができる。このような渦巻状の空気が、ポンプ40のポンプ側接続部40bから排出される。
【0043】
駆動源40cの旋回方向は、平面視における時計回りの方向となっており、この場合、渦巻状の空気の流れは、平面視における時計回りとなる。しかしながら、駆動源の旋回方向は、平面視における反時計回りの方向とすることもでき、この場合、渦巻状の空気の流れは、平面視における反時計回りとなり、かつポンプに対する電気機器の特定方向の位置は、時計回りの場合とは反対側になる。
【0044】
図4及び
図7に示すように、ポンプ40のポンプ側接続部40bは、ポンプ本体40a内にて発生する渦巻状の空気の流れ方向に対応する方向に延びる。ポンプ側接続部40bの延伸方向に延びる延伸軸線40eは、ポンプ本体40aの中心40dを通ると共に上記特定方向に延びる基準軸線40fに対して、時計回りに所定の傾斜角度θ傾いている。この傾斜角度θは鋭角とすることができる。しかしながら、傾斜角度は、これに限定されない。
【0045】
接続ダクト41のダクト側接続部41aの全体は、平面視にて、特定方向に略直交する方向にてポンプ40及び電気機器12とオーバーラップするように配置される。さらに、ダクト側接続部41aの全体は、平面視にて、車両前後方向にてポンプ40及び電気機器12とオーバーラップするように配置することができる。ダクト側接続部41aは、ポンプ40のポンプ側接続部40bと実質的に同方向に延びる。
【0046】
ダクト側接続部41aの延伸方向の長さは、ポンプ側接続部40bの延伸方向の長さよりも長くなっている。接続ダクト41の横断部41bは、特定方向に略直交する方向に沿って配置される。横断部41bは、車両前後方向に沿って配置することができる。特定方向において、横断部41b及び電気機器12間の距離は、横断部41b及びポンプ本体40a間の距離以下とすることができる。
【0047】
図6及び
図8に示すように、接続ダクト41は、特定方向で見た場合に、上下方向にてポンプ40及び電気機器12の一部とオーバーラップするように配置される。さらに、接続ダクト41は、特定方向で見た場合に、上下方向にてポンプ40及び電気機器12の全体とオーバーラップするように配置することができる。
【0048】
図4及び
図7に示すように、中間ダクト42は特定方向に沿って配置される。中間ダクト42は車両の幅方向に沿って配置することができる。中間ダクト42の交差接続部42aは、接続ダクト41の横断部41bと略直交する。中間ダクト42は、交差接続部42aに対して特定方向のポンプ40側にて、交差接続部42aから水平方向に沿ってポンプ40と対向するように延びる第2中間本体部42cを有する。特定方向における接続ダクト41の横断部41b及び電気機器12間の距離は、特定方向に略直交する方向における中間ダクト42の第1中間本体部42b及び電気機器12間の距離よりも小さくなっている。
【0049】
図6に示すように、第1中間本体部42bの下端は、電気機器12の上端よりも下方に位置する。第1中間本体部42bの上端は、電気機器12の上端よりも上方に位置する。
図6及び
図7を参照すると、中間ダクト42の横断面は、接続ダクト41の横断面よりも小さくなっている。
【0050】
図4及び
図7に示すように、冷却装置16は、中間ダクト42の第1中間本体部42bを通る冷媒を複数のバッテリモジュール11における一部分に送ることができるように構成される第1分配ダクト43を有する。第1分配ダクト43は第1中間本体部42bに接続される。冷却装置16は、中間ダクト42の第2中間本体部42cを通る冷媒を複数のバッテリモジュール11における別の一部分に送ることができるように構成される第2分配ダクト44を有する。第2分配ダクト44は第2中間本体部42cに接続される。
【0051】
このような接続ダクト41、中間ダクト42、第1分配ダクト43、及び第2分配ダクト44のそれぞれは、樹脂を用いて構成されている。この場合、接続ダクト41、中間ダクト42、第1分配ダクト43、及び第2分配ダクト44のそれぞれは、樹脂成型品とすることができる。しかしながら、接続ダクト、中間ダクト、第1分配ダクト、及び第2分配ダクトの少なくとも1つは、金属を用いて構成することもできる。この場合、接続ダクト、中間ダクト、第1分配ダクト、及び第2分配ダクトの少なくとも1つは、金属製の板材料から成るプレス成型品とすることができる。
【0052】
「支持台の詳細」
図4~
図8を参照すると、支持台13は、詳細には次のように構成することができる。
図4~
図8に示すように、支持台13は、バッテリパック10の車両前後方向の後端領域に位置する。しかしながら、支持台は、バッテリパックの車両前後方向の前端領域に位置することもできる。
【0053】
支持台13の載置部20は、上方を向く載置面20bを有する。冷却装置16のポンプ40、接続ダクト41、及び中間ダクト42、並びに電気機器12は、この載置面20b上に直接又は間接的に載置される。中間ダクト42は、支持台13の載置部20における載置面20bの車両前後方向の前端区域に配置される。しかしながら、中間ダクトは、載置面の車両前後方向の後端区域に配置することもできる。
【0054】
図4に示すように、載置部20は、2つの外方端区域20aを有する。2つの外方端区域20aは、それぞれ車両幅方向の両側方をそれぞれ向く2つの側方端区域20aとなっている。支持台13は、2つの脚部21を有する。支持台13における2つの脚部21は、車両前後方向にて、2つのサイドメンバ3における機器対応取付機構15とそれぞれ対応するように位置する。
【0055】
2つの脚部21は、載置部20に対して下方に配置される2つのバッテリモジュール11(破線により示す)と車両幅方向にそれぞれ対向するように配置される。各脚部21の全体は、車両前後方向にて、この脚部21と対向するバッテリモジュール11とオーバーラップするように配置される。
【0056】
図5に示すように、脚部21の上端区域21cの上面は、載置台20の外方端区域20aの下面、特に、側方端区域20aの下面と当接するように配置され、かつ脚部21の上端区域21cは、載置台20の外方端区域20aと接続されている。脚部21は、金属製の板材料から成るプレス成型品とすることができる。しかしながら、脚部は、樹脂製の板材料を用いて構成することもできる。
【0057】
「バッテリケースの詳細」
図1~
図8を参照すると、バッテリケース14は、詳細には次のように構成することができる。バッテリケース14は、金属を用いて構成することができる。この場合、バッテリケース14のアッパー及びロアケース30,31は、金属製の板材料から成るプレス成型品とすることができる。しかしながら、バッテリケースは、樹脂を用いて構成することもできる。この場合、バッテリケースのアッパー及びロアケースの少なくとも一方は、樹脂成型品とすることができる。
【0058】
アッパーケース30のアッパーケース本体30bは、その上端に位置する頂上壁30cを有する。アッパーケース本体30bは、その頂上壁30cの外周縁から下方に延びる側方壁30dを有する。アッパーケース本体30bの側方壁30dは、下方から上方に向かうに従ってバッテリケース14の水平方向の中心に接近するように傾斜する。アッパーケース30のフランジ30aは、アッパーケース本体30bの側方壁30dの下端からバッテリケース14の水平方向の外方に向かって突出する。
【0059】
ロアケース31のロアケース本体31bは、その下端に位置する底壁31cを有する。ロアケース本体31bは、その底壁31cの外周園から上方に延びる側方壁31dを有する。ロアケース本体31bの側方壁31dは、上方から下方に向かうに従ってバッテリケース14の水平方向の中心に接近するように傾斜する。ロアケース31のフランジ31aは、ロアケース本体31bの側方壁31dの上端からバッテリケース14の水平方向の外方に向かって突出する。
【0060】
バッテリケース14の側方壁14aは、アッパーケース本体30b及びロアケース本体31bの側方壁30d,31dを含む。バッテリケース14の底壁14bは、ロアケース本体31bの底壁31cに相当する。
【0061】
バッテリケース14の重ね合わせ部14cは、2つのサイドメンバ3に対して下方に位置する。重ね合わせ部14cの全体は、車両上下方向にて、脚部本体21bとオーバーラップするように配置される。
図1~
図8に示すように、複数の取付機構15は、重ね合わせ部14cに取り付けられている。そのため、機器対応取付機構15は、重ね合わせ部14cに取り付けられている。
【0062】
「車両側突時の作用」
図9を参照して、本実施形態に係るバッテリパック10における車両側突時の作用について説明する。
図9においては、機器対応取付機構15及びその周辺部分が、車両側突後の状態で示されている。ここで説明する車両側突は、車体1の側方から機器対応取付機構15及びその周辺部分に車両の外部からの力(片側矢印Jにより示す)が加えられた状態である。
【0063】
車両側突時においては、サイドメンバ3が、その機器対応取付機構15及びその周辺部分を車体1の幅方向の外方から同中央に向かって突出させるように折れ曲がる。このとき、機器対応取付機構15は、車体1の幅方向の外方から同中央に向かって移動する。その結果、バッテリケース14の側方壁14a、特に、アッパー及びロアケース30,31の側方壁30d,31dが、重ね合わせ部14cを車体1の幅方向の外方から同中央に向かって突出させるように湾曲変形する。
【0064】
次に、重ね合わせ部14cが、支持台13の脚部21の脚部本体21bを車体1の幅方向の外方から同中央に向かって押す。その結果、脚部本体21bが、支持台13の載置部20をアッパー及びロアケース30,31の側方壁30d,31dから離すように幅方向の外方から同中央に向かって移動させる。この載置部20の移動によって、載置部20上の電気機器12をアッパー及びロアケース30,31の側方壁30d,31dから離すことができる。
【0065】
さらに、載置台20上では、車両側突により生じた慣性力等によって、電気機器12が車両幅方向にてポンプ40に向かって移動しようとする。このとき、接続ダクト41のダクト側接続部41aが、電気機器12を緩衝させながら受け止める。その結果、電気機器12がポンプ40と強く衝突することを防ぐことができる。
【0066】
以上、本実施形態に係る車両用バッテリパック10は、車両に搭載される車両用バッテリパック10であって、バッテリモジュール11と、電気機器12と、前記電気機器12を下方から支持する支持台13と、前記バッテリモジュール11、前記電気機器12、及び前記支持台13を収容するバッテリケース14とを備え、前記バッテリケース14が、その水平方向のうち特定方向の片側に位置する側方壁14aと、前記バッテリケース14の下端に位置する底壁14bとを有し、前記支持台13が、前記電気機器12を載置する載置部20と、前記載置部20を下方から支持する脚部21とを有し、前記載置部20が、前記特定方向にて前記側方壁14aと向き合うように位置する外方端区域20aを有し、前記電気機器12は、前記載置部20上で、前記特定方向にて前記載置部20の外方端区域20aに対して前記支持台13の特定方向の中央寄りに配置され、前記脚部21の下端区域21aが、前記特定方向にて前記載置部20の外方端区域20aに対して前記支持台13の外方寄りに配置され、かつ前記バッテリケース14の底壁14bに取り付けられる。
【0067】
このようなバッテリパック10によれば、車両の衝突等によって車両に外部から加えられる衝撃に起因して、バッテリケース14の側方壁14aとバッテリケース14の内部の部材とが接近する場合であっても、支持台13の脚部21、載置部20が、この順番で、載置部20上の電気機器12よりも先にバッテリケース14の側方壁14aと接触する。また、車両に加えられる衝撃に起因する荷重が、バッテリケース14を通って脚部21に伝えられたときに、脚部21を変形させることができて、その結果、かかる荷重を吸収することができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0068】
本実施形態に係るバッテリパック10においては、前記脚部21が、上下方向に沿って配置される脚部本体21bと、前記脚部21の下端区域21aを形成するように前記特定方向にて前記脚部本体21bの下端から前記前記支持台13の外方に延びる下側フランジ21aとを有し、前記脚部本体21bが、前記特定方向にて前記載置部20の外方端区域20aに対して前記支持台13の外方寄りに配置され、前記下側フランジ21aが、前記バッテリケース14の底壁14bに取り付けられている。
【0069】
このようなバッテリパック10によれば、車両に外部から衝撃が加えられたときに、脚部本体21b及び下側フランジ21a間の屈曲部分にて折れ曲がるように脚部21を変形させることができる。その結果、車両に加えられる衝撃に起因する荷重が、バッテリケース14を通って脚部21に伝えられたときに、脚部21を効率的に変形させることができて、その結果、かかる荷重を効率的に吸収することができる。このような脚部21の変形によって、電気機器12をバッテリケース14の側方壁14aから離すように、電気機器12を載置した載置部20を逃がすことができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0070】
本実施形態に係る車両用バッテリパック10においては、前記脚部本体21bが、下方から上方に向かうに従って前記特定方向にて前記支持台13の中央に向かうように傾斜している。
【0071】
このようなバッテリパック10によれば、脚部21の変形によって、電気機器12をバッテリケース14の側方壁14aから離すように、電気機器12を載置した載置部20を効率的に逃がすことができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0072】
本実施形態に係るバッテリパック10においては、前記バッテリケース14が、その上部を形成するアッパーケース30と、前記バッテリケース14の下部を形成するロアケース31とを有し、前記アッパーケース30及び前記ロアケース31が上下方向にて並んでおり、前記バッテリケース14が、前記アッパーケース30の下縁部30a及び前記ロアケース31の上縁部31aを結合した重ね合わせ部14cを有し、前記脚部21が、前記特定方向にて前記バッテリケース14の重ね合わせ部14cと向き合うように配置されている。
【0073】
このようなバッテリパック10によれば、車両に外部から衝撃が加えられたときに、高い剛性を有するバッテリケース14の重ね合わせ部14cは、バッテリケース14の内部に向かって押し込まれ、この重ね合わせ部14cを、脚部21の変形を促すように最初に脚部21に接触させることができる。さらに、この接触によって脚部21の変形を促すことができ、その結果、電気機器12をバッテリケース14の側方壁14aから離すように、電気機器12を載置した載置部20を逃がすことができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0074】
本実施形態に係るバッテリパック10においては、前記脚部21が板材料から構成されている。
【0075】
このようなバッテリパック10によれば、脚部21によって、バッテリケース14の側方壁14aを効率的に受けることができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0076】
本実施形態に係るバッテリパック10においては、前記脚部21の上端区域21cが、前記載置部20の外方端区域20aと連結されており、かつ前記特定方向にて前記支持台13の外方に向かって突出するように湾曲している。
【0077】
このようなバッテリパック10によれば、脚部21の上端区域21cによって、電気機器12をバッテリケース14の側方壁14aから離すように、脚部21の上端区域21cに取り付けられた載置部20を、それに載置された電気機器12と共に逃がすことができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0078】
本実施形態に係るバッテリパック10は、前記バッテリケース14を車体1に取り付けるように構成される取付機構15を備え、前記取付機構15が、前記バッテリケース14の外部で前記特定方向にて前記バッテリケース14の側方壁14aと対向するように配置され、前記車両の上下方向で見て、前記脚部21が、前記特定方向にて前記電気機器12及び前記取付機構15間に配置されている。
【0079】
このようなバッテリパック10によれば、車両に外部から衝撃が加えられたときに、この衝撃に起因する荷重は、取付機構15及びバッテリケース14の側方壁14aを通って脚部21に伝えられたときに、脚部21を変形させることができて、その結果、かかる荷重を吸収することができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0080】
本実施形態に係るバッテリパック10においては、前記バッテリケース14が、その上部を形成するアッパーケース30と、前記バッテリケース14の下部を形成するロアケース31とを有し、前記アッパーケース30及び前記ロアケース31が上下方向にて並んでおり、前記アッパーケース30は、アッパーケース本体30bと、前記アッパーケース本体30bから前記バッテリパック10の水平方向の外方に向かって突出するフランジ30aとを有し、前記ロアケース31は、ロアケース本体31bと、前記ロアケース本体31bから前記バッテリパック10の水平方向の外方に向かって突出するフランジ31aとを有し、前記バッテリケース14が、前記アッパー及びロアケース30,31のフランジ30a,31aを結合した重ね合わせ部14cを有し、前記バッテリケース14の重ね合わせ部14cが、前記取付機構15に取り付けられている。
【0081】
このようなバッテリパック10によれば、車両に外部から衝撃が加えられたときに、この衝撃に起因する荷重は、高い剛性を有する取付機構15及びバッテリケース14の重ね合わせ部14cを通って脚部21に伝えられたときに、脚部21を効率的に変形させることができて、その結果、かかる荷重を効率的に吸収することができる。よって、車両に加えられる衝撃からバッテリパック10の内部に位置する電気機器12等の機器を効率的に保護することができる。
【0082】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0083】
10…バッテリパック、11…バッテリモジュール、12…電気機器、13…支持台
14…バッテリケース、14a…側方壁、14b…底壁、14c…重ね合わせ部、15…取付機構、機器対応取付機構
20…載置台、20a…外方端区域、側方端区域、21…脚部、21a…下端区域、下側フランジ、21b…脚部本体、21c…上端区域
30…アッパーケース、30a…下縁部、フランジ、30b…アッパーケース本体、30d…側方壁、31…ロアケース、31a…上縁部、フランジ、31b…ロアケース本体、31c…底壁、31d…側方壁