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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】搬送装置、搬送システム及び搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020187684
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077059
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】石谷 泰行
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/202810(WO,A1)
【文献】特開2000-117585(JP,A)
【文献】実開昭48-067479(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送装置であって、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、
前記搬送路の上方に設けられたコンベアと、
前記コンベアが有する支点を中心として前記コンベアを回転させて、前記搬送部材から前記コンベアを離間させる離間機構と、を備え、
前記掻き取り部は、前記搬送方向に対して略垂直となるように前記コンベアに設けられており、前記搬送路上の前記切屑を掻き取る
搬送装置。
【請求項2】
前記搬送路は、前記部品装着装置から排出された前記切屑を、前記搬送路上に導入する開口部が形成された側面を有する
請求項に記載の搬送装置。
【請求項3】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送装置であって、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、
前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を圧縮する圧縮部と、を備える
送装置。
【請求項4】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送装置であって、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、を備え、
前記搬送部材の下面は、前記搬送路の幅方向に亘って延びる溝部を有し、
前記溝部と前記搬送部材が載置されている面との間には、配線を通過させるための空間が形成されている
送装置。
【請求項5】
前記搬送路の下流側の部位は、下流に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜している
請求項1~のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
さらに、
前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を収容する収容部を備える
請求項1~のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記収容部の下面には複数の車輪が設けられている
請求項に記載の搬送装置。
【請求項8】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送システムであって、
搬送装置と、
無人搬送車と、を備え、
前記搬送装置は、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、
前記搬送路の一端から排出された前記切屑を収容する収容部と、
前記搬送路の上方に設けられたコンベアと、
前記コンベアが有する支点を中心として前記コンベアを回転させて、前記搬送部材から前記コンベアを離間させる離間機構と、を有し、
前記掻き取り部は、前記搬送方向に対して略垂直となるように前記コンベアに設けられており、前記搬送路上の前記切屑を掻き取り、
前記無人搬送車は前記収容部を搬送する
搬送システム。
【請求項9】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送システムであって、
搬送装置と、
無人搬送車と、を備え、
前記搬送装置は、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、
前記搬送路の一端から排出された前記切屑を収容する収容部と、
前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を圧縮する圧縮部と、を有し、
前記無人搬送車は前記収容部を搬送する
搬送システム。
【請求項10】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送システムであって、
搬送装置と、
無人搬送車と、を備え、
前記搬送装置は、
前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、
前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、
前記搬送路の一端から排出された前記切屑を収容する収容部と、を有し、
前記搬送部材の下面は、前記搬送路の幅方向に亘って延びる溝部を有し、
前記溝部と前記搬送部材が載置されている面との間には、配線を通過させるための空間が形成されており、
前記無人搬送車は前記収容部を搬送する
搬送システム。
【請求項11】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送方法であって、
前記切屑を搬送装置の搬送路上に導入し、
前記搬送装置の掻き取り部を用いて、前記搬送路上の前記切屑を、前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取ることで移動させ、前記掻き取り部は、前記搬送方向に対して略垂直となるように前記搬送路の上方のコンベアに設けられており、前記搬送路上の前記切屑を掻き取り、
前記コンベアが有する支点を中心として前記コンベアを回転させ、
前記搬送装置の離間機構において前記搬送路を形成している搬送部材から前記コンベアを離間させる
搬送方法。
【請求項12】
部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送方法であって、
前記切屑を搬送装置の搬送路上に導入し、
前記搬送装置の掻き取り部を用いて、前記搬送路上の前記切屑を、前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取ることで移動させ、
前記搬送装置の圧縮部を用いて、前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を圧縮する
搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ部材の切屑を搬送する搬送装置、搬送システム及び搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を装着する部品装着装置が知られている。部品装着装置は、部品供給部から供給される部品を装着ヘッドによりピックアップして基板に装着する構成を有しており、部品供給部としては、テープ部材によって部品を供給するテープフィーダが多用されている。テープフィーダは多数の部品が一列に並んで収納されたテープ部材(キャリアテープ)を搬送して部品供給位置に供給するものであり、部品を供給した後のテープ部材はカッター装置により切断した後、部品装着装置から排出される。
【0003】
特許文献1には、テープ部材の切屑を効率よく搬送するために、複数の部品装着装置から排出された切屑をベルトコンベア上に載せて搬送する搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/045018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の搬送装置は、ベルトコンベア上に切屑を載せて搬送するため、ベルトコンベア上から切屑が落下しやすいという問題がある。また、従来の搬送装置は、落下防止のためにベルトコンベアの搬送方向に対する側方にサイドガードが設けられているが、ベルトコンベアとサイドガードとの間に切屑が挟まってしまうという問題がある。切屑が残留すると、移動または回転する駆動部に切屑が挟まったり詰まったりすることで、不具合が生じるおそれがある。つまり、搬送装置を頻繁にメンテナンスしないと、残った切屑が原因で搬送装置又は部品装着装置に不具合が生じるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、不具合の発生を低減することができる搬送装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る搬送装置は、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送装置であって、前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る搬送システムは、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送システムであって、搬送装置と、無人搬送車と、を備え、前記搬送装置は、前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、前記搬送路の一端から排出された前記切屑を収容する収容部と、を有し、前記無人搬送車は前記収容部を搬送する。
【0009】
また、本開示の一態様に係る搬送装置は、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送方法であって、前記切屑を搬送装置の搬送路上に導入し、前記搬送装置の掻き取り部を用いて、前記搬送路上の前記切屑を、前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取ることで移動させる。
【0010】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不具合の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態における切屑回収装置を部品装着装置の作業ラインとともに示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態における部品装着装置の側面図である。
図3図3は、実施の形態における部品装着装置の一部の拡大側断面図である。
図4図4は、実施の形態における切屑回収装置及び搬送装置の斜視図である。
図5図5は、実施の形態における搬送システムの斜視図である。
図6図6は、実施の形態における搬送装置を側方から見た場合の断面図である。
図7図7は、実施の形態における搬送装置を側方から見た場合の断面図である。
図8図8は、実施の形態に係る搬送装置による切屑の搬送方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の一態様に係る搬送装置は、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送装置であって、前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、を備える。
【0014】
これによれば、搬送の対象となる切屑を、静止している搬送路上に載せて、掻き取り部によって掻き取ることで搬送するため、切屑が搬送路上から落下することを抑制することが容易にできる。また、切屑を掻き取ることで搬送するため、切屑が原因で掻き取り部の駆動源が悪影響を受けることを低減することができる。よって、不具合の発生を低減することができる。
【0015】
また、さらに、前記搬送路の上方に設けられたコンベアを備え、前記掻き取り部は、前記搬送方向に対して略垂直となるように前記コンベアに設けられており、前記搬送路上の前記切屑を掻き取っててもよい。
【0016】
このため、効率よく切屑を掻き取ることができる。また、掻き取り部の駆動源となるコンベアが搬送路上に設けられるため、切屑をコンベアから離したまま搬送することができる。よって、切屑が原因でコンベアに不具合が発生することを低減することができる。
【0017】
また、前記搬送路は、前記部品装着装置から排出された前記切屑を、前記搬送路上に導入する開口部が形成された側面を有してもよい。
【0018】
これによれば、切屑を側方から搬送路上に配置するため、切屑を水平方向に移動させることで搬送路上に切屑を配置することができる。よって、搬送装置まで効率よく切屑を移動させることができる。
【0019】
また、さらに、前記コンベアが有する支点を中心として前記コンベアを回転させて、前記搬送部材から前記コンベアを離間させる離間機構を備えてもよい。
【0020】
このため、搬送路上に残った切屑の除去作業を容易に行うことができる。
【0021】
また、さらに、前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を圧縮する圧縮部を備えてもよい。
【0022】
このため、切屑の体積を圧縮することができる。
【0023】
また、前記搬送部材の下面は、前記搬送路の幅方向に亘って延びる溝部を有し、前記溝部と前記搬送部材が載置されている面との間には、配線を通過させるための空間が形成されていてもよい。
【0024】
このため、部品装着装置及び搬送装置の設置スペースが狭い場合であっても、配線の設置スペースを確保することができる。
【0025】
また、前記搬送路の下流側の部位は、下流に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜していてもよい。
【0026】
このため、例えば、切屑を収容する収容部へ上方から投入できるため、上方に切屑を移動させた分だけ収容部の高さを高くでき、収容部の容積を大きくすることができる。
【0027】
また、さらに、前記搬送路の下流側の一端から排出された前記切屑を収容する収容部を備えてもよい。
【0028】
このため、収容部に切屑を貯めることができる。
【0029】
また、前記収容部の下面には複数の車輪が設けられていてもよい。
【0030】
このため、切屑が溜まった収容部を容易に移動させることができる。
【0031】
また、本開示の一態様に係る搬送システムは、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送システムであって、搬送装置と、無人搬送車と、を備え、前記搬送装置は、前記切屑を搬送するための搬送路を形成している搬送部材と、前記搬送路上の前記切屑を前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取る掻き取り部と、前記搬送路の一端から排出された前記切屑を収容する収容部と、を有し、前記無人搬送車は前記収容部を搬送する。
【0032】
これによれば、搬送の対象となる切屑を、静止している搬送路上に載せて、掻き取り部によって掻き取ることで搬送するため、切屑が搬送路上から落下することを抑制することが容易にできる。また、切屑を掻き取ることで搬送するため、切屑が原因で掻き取り部の動力部分が悪影響を受けることを低減することができる。よって、不具合の発生を低減することができる。また、無人搬送車を用いて切屑が溜まった収容部を移動させることができるため、切屑の廃棄を容易に行うことができる。
【0033】
また、本開示の一態様に係る搬送方法は、部品を収容するテープから前記部品が部品装着装置により取り出されることで前記部品装着装置から排出されたテープの切屑を搬送する搬送方法であって、前記切屑を搬送装置の搬送路上に導入し、前記搬送装置の掻き取り部を用いて、前記搬送路上の前記切屑を、前記搬送路の搬送方向に沿って掻き取ることで移動させる。
【0034】
これによれば、搬送の対象となる切屑を、静止している搬送路上に載せて、掻き取り部によって掻き取ることで搬送するため、切屑が搬送路上から落下することを抑制することが容易にできる。また、切屑を掻き取ることで搬送するため、切屑が原因で掻き取り部の駆動源が悪影響を受けることを低減することができる。よって、不具合の発生を低減することができる。
【0035】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0036】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0037】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0038】
(実施の形態)
[1.構成]
図1は、実施の形態における切屑回収装置を部品装着装置の作業ラインとともに示す斜視図である。図1では、実施の形態における切屑回収装置1が適用された作業ライン2が示されている。
【0039】
作業ライン2は、複数(ここでは3台)の部品装着装置3が直列に並んで構成されている。作業ライン2では、隣接する部品装着装置3同士で基板KBの受け渡しが行われ、部品装着装置3は、受け渡された基板KBに部品を順次装着する。実施の形態では、作業ライン2において基板KBを受け渡す方向をX軸方向、X軸方向と直交する水平方向をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。言い換えると、X軸方向は、作業者OPから見た左右方向であり、3台の部品装着装置3が並ぶ方向である。また、Y軸方向は、作業者OPから見た前後方向である。
【0040】
次に、部品装着装置3について説明する。図2は、実施の形態における部品装着装置の側面図である。
【0041】
部品装着装置3は、基台11と、カバー部材12と、基板搬送路14とを備える。カバー部材12は、基台11の上方を覆う部材である。基板搬送路14は、カバー部材12によって覆われる作業空間13の内部に設けられる。基板搬送路14は、基台11上に設けられたコンベア機構により構成され、基板KBをX軸方向に搬送して所定の位置に位置決め(つまり、配置)する。
【0042】
基台11の前後それぞれの端部には、フィーダ台車15が取り付けられている。前後それぞれのフィーダ台車15には、複数のテープフィーダ16がX軸方向に並べられて取り付けられている(図1)。各テープフィーダ16は、フィーダ台車15に保持されたテープリール17から繰り出されるキャリアテープ18(テープ部材)を取り込んでY軸方向(基板搬送路14に向かう方向)に搬送し、キャリアテープ18に収納された部品BHを部品供給位置16Kに供給する。
【0043】
基台11の上方には、2つの装着ヘッド21がヘッド移動機構22によって移動自在に設けられている。各装着ヘッド21は、下方に延びたノズル21Nを備える。ヘッド移動機構22は、例えば直交座標ロボットにより構成され、2つの装着ヘッド21を独立して水平面内に移動させる。各装着ヘッド21は、テープフィーダ16が部品供給位置16Kに供給した部品BHをノズル21Nの下端に吸着させてピックアップする。
【0044】
部品装着装置3は、さらに、制御装置23を備える。制御装置23は、基板搬送路14、テープフィーダ16、装着ヘッド21及びヘッド移動機構22の各動作の制御を行う。
【0045】
部品装着装置3は、部品装着作業を行うときには、まず、基板搬送路14を作動させて上流工程側(基板KBの流れの上流側)から基板KBを受け取り、基板KBを所定の位置に位置決め(つまり、配置)する。部品装着装置3は、基板KBを所定の位置に配置したらテープフィーダ16を作動させることで部品供給位置16Kに部品BHを供給させつつ、ヘッド移動機構22を作動させて、装着ヘッド21に部品移載動作を繰り返し行わせる。部品移載動作は、装着ヘッド21による動作であり、テープフィーダ16が供給する部品BHをピックアップする動作と、ピックアップした部品BHを基板KBに装着させる動作とを含む。
【0046】
制御装置23は、装着ヘッド21に部品移載動作を繰り返し実行させることによって、基板KBに装着すべき部品BHが全て装着されると、基板搬送路14を作動させて、基板KBを基板KBの流れの下流側に搬出する。このようにして3台の部品装着装置3が基板KBに部品BHを装着すると、最も下流側に位置する部品装着装置3は、部品BHの装着が完了した基板KBを作業ライン2の下流工程側(基板KBの流れの下流側)に搬出する。これにより、基板KBの1枚当たりの部品装着作業は終了する。
【0047】
次に、切屑回収装置1について図2及び図3を用いて説明する。図3は、実施の形態における部品装着装置の一部の拡大側断面図である。
【0048】
まず、キャリアテープ18の切断について説明する。図2に示すように、各部品装着装置3が備えるフィーダ台車15は、カッター装置31とシュータ32とを有する。カッター装置31は、テープフィーダ16の下方に設けられており、テープフィーダ16が部品BHを供給し終えた後のキャリアテープ18を切断する。シュータ32は、図3図2における領域RYの拡大図)にも示すように、カッター装置31の下方に設けられる。シュータ32は、カッター装置31により切断されて自重で落下するキャリアテープ18の切屑KZを案内し、下端の排出開口32Kから切屑KZを下方(フィーダ台車15の外部)に排出する。言い換えると、切屑KZは、部品BHを収容するキャリアテープ18から部品BHが部品装着装置3により取り出されたあとのテープが切断されることで生じ、部品装着装置3から排出される。
【0049】
このように作業ライン2を構成する各部品装着装置3からキャリアテープ18の切屑KZが発生し、作業ライン2の全体では発生するキャリアテープ18の切屑KZは膨大な量となる。実施の形態における切屑回収装置1は、作業ライン2から発生する多量のキャリアテープ18の切屑KZを人手によらずに自動で一箇所にまとめて廃棄処理を容易にすることができる。
【0050】
図4は、図4は、実施の形態における切屑回収装置及び搬送装置の斜視図である。
【0051】
切屑回収装置1は、回収路41、受容部42、および、正圧供給部43を備えている。回収路41は部品装着装置3の並び方向(X軸方向)に延びた管状の部材であり、床面FL上に設置されている。実施の形態では、回収路41は、前後に2つ並んで設置されている。前側に設置された回収路41は、前側に位置する3台のフィーダ台車15に対応するものであり、後側に設置された回収路41は、後側に位置する3台のフィーダ台車15に対応するものである。
【0052】
前後の回収路41はそれぞれ、X軸方向に直列に並んだ複数の部品装着装置3の下方の領域を直線状に延びており、各回収路41は、基板KBの流れの上流側に位置する一端側と、基板KBの流れの他端側とのそれぞれに開口を有している。以下、各回収路41の一端側の開口を「エア入口41A」と称し、各回収路41の他端側の開口を「エア出口41B」と称する。
【0053】
各回収路41のエア出口41Bは、搬送装置100の側面に形成された開口に接続されており、各回収路41の内部の空間と搬送装置100の内部の空間とは互いに連通している。また、前後の回収路41それぞれのエア出口41Bの近傍位置には通気孔41Hが設けられている。通気孔41Hは、回収路41の内部と外部とを連通する開口部であり、切屑KZを通過させない大きさの網目を有するメッシュ状部材が取り付けられている。メッシュ状部材の編み目の間隔は、切屑KZを通過させない程度の大きさである。なお、通気孔41Hは、通気孔41H自体が切屑KZを通過させない大きさであれば、メッシュ状部材が取り付けられていなくてもよい。
【0054】
受容部42は、図2に示すように、各フィーダ台車15の下方の床面FL上に設置されている。各受容部42は、全体として箱形状を有する。各受容部42の内部の空間と、回収路41とは、互いに連通している。実施の形態では、図4に示すように、前側の回収路41と後側の回収路41のそれぞれに、3つずつの受容部42が接続されている。
【0055】
また、図4に示すように、各受容部42の上面には、上方に開口した切屑受容開口42Kが設けられている。切屑受容開口42Kは、図3に示すように、フィーダ台車15のシュータ32の直下に位置する。このため、シュータ32を通じて自重により落下するキャリアテープ18の切屑KZは、切屑受容開口42Kを通って受容部42の中に入る。すなわち受容部42は、テープフィーダ16から排出された切屑KZを上方に開口して設けられた切屑受容開口42Kから受容する。
【0056】
各受容部42の内部には、図3に示すように、エア吹出器51が設けられている。図4に示すように、前側の3つの受容部42に設けられた3つのエア吹出器51と、後側の3つの受容部42に設けられた3つのエア吹出器51とはそれぞれ、X軸方向に延びて設けられたエア供給路である管路52によって直列に連結されている。詳細には、図4に示すように、複数のエア吹出器51は管路52に接続されている。管路52は回収路41とほぼ平行に設けられている。管路52の端部(エアの流れの下流側の端部)は、閉塞されている。管路52に供給されるエアが流れる方向は、回収路41内に供給されるエアが流れる方向と同じである。
【0057】
各受容部42内のエア吹出器51には、図3に示すように、管路52の延びる方向(すなわちX軸方向)に並んだ複数のエア吹出口51Nが設けられている。各エア吹出口51Nは、回収路41の側面に形成された入口の方向を向いて開口している。
【0058】
正圧供給部43は、外部配管71を介して正圧源72と接続されている。正圧供給部43は、制御バルブ43Vを内蔵している。前後の回収路41それぞれのエア入口41Aと、前後の管路52それぞれの上流側端部とは、正圧供給部43の内部に設けられた内部配管(図示せず)を介して制御バルブ43Vに接続されている。外部配管71は制御バルブ43Vを介して内部配管に接続されている。
【0059】
正圧供給部43は、外部配管71を通じて正圧源72から供給される正圧を制御バルブ43Vで制御することによって、前後の回収路41それぞれのエア入口41Aに正圧を供給する。回収路41のエア入口41Aに正圧が供給されると、その回収路41内に、エア入口41Aからエア出口41Bへ向かうエアの流れが形成される。
【0060】
正圧供給部43はまた、正圧源72から供給される正圧を制御バルブ43Vで制御することによって、前後の管路52それぞれに正圧を供給する。管路52内に正圧が供給されると、その管路52に繋がる各受容部42内のエア吹出器51のエア吹出口51Nからエアが吹き出される。エア吹出器51からエアが吹き出されると、各受容部42から回収路41へ向かうエアの流れが形成される。
【0061】
制御バルブ43Vは、作業ライン2とは別に設けられた管理装置73によって制御されてもよい。或いは、制御バルブ43Vは、作業ライン2を構成する複数の部品装着装置3の中のひとつの部品装着装置3の制御装置23によって制御されてもよい。
【0062】
次に、搬送装置100を含む搬送システム101について説明する。図5は、実施の形態における搬送システムの斜視図である。図6は、実施の形態における搬送装置を側方から見た場合の断面図である。
【0063】
搬送システム101は、部品装着装置3から排出される切屑KZを自動的に廃棄するために搬送するシステムである。搬送システム101は、図5に示すように、搬送装置100と、無人搬送車400とを備える。
【0064】
まず、搬送装置100について説明する。
【0065】
搬送装置100は、搬送部材110と、掻き取り部120と、コンベア130とを備える。
【0066】
搬送部材110は、切屑KZを搬送するための搬送路R1、R2を形成している。搬送路R1、R2は、前後方向(Y軸方向、搬送方向D1、D2)に切屑KZを搬送するための通路である。切屑KZは、搬送されることで、搬送路R1、R2上を後側に向かって移動する。搬送路R1は、搬送方向の上流側の部分であり、搬送方向D1(Y軸方向)に切屑KZを搬送する。搬送路R2は、搬送方向の下流側の部分であり、搬送方向D2に切屑KZを搬送する。搬送路R1は、前後の回収路41のエア出口41B(図4)と接続されている。このため、前後の回収路41により移動された切屑KZは、回収路41から搬送路R1に排出される。
【0067】
次に、搬送部材110の具体的な構成について説明する。搬送部材110は、上面部材111、下面部材112、及び、側面部材113、114を有する。
【0068】
上面部材111は、搬送路R1、R2の上方を覆い、搬送部材110の上面を形成する板状の部材である。
【0069】
下面部材112は、搬送路R1、R2の下面を形成する板状の部材である。下面部材112は、搬送部材110の搬送路R1、R2の搬送面を形成している。つまり、下面部材112の上面は、切屑KZが接触した状態で滑りながら搬送方向に移動するための搬送面である。下面部材112は、搬送路R1を形成する第1下面部材112aと、搬送路R2を形成する第2下面部材112bとを有する。
【0070】
第1下面部材112aは、床面FL上に配置され、Y軸方向に長い矩形の板状部材である。第1下面部材112aは、下面から見た場合、搬送路R1の幅方向(つまり、X軸方向)に亘って延びる溝部116を有する。溝部116は、第1下面部材112aのX軸方向の全体に亘って形成されている。このため、溝部116と搬送部材110が載置されている床面FLとの間には、空間Sp1が形成されている。空間Sp1は、床面FLに載置している搬送部材110をX軸方向に貫通している。よって、この空間Sp1に、例えば、配線140を配置することができる。
【0071】
第2下面部材112bは、第1下面部材112aの搬送方向の下流側に配置され、第1下面部材112aの下流側の端部の位置から斜め上方に立ち上がるように配置されている。つまり、搬送路R1、R2のうちの下流側の搬送路R2は、搬送方向の下流に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜している。なお、第1下面部材112aの搬送方向の下流側の端部と、第2下面部材112bの搬送方向の上流側の端部とは、互いに接続されていてる。つまり、第1下面部材112aと第2下面部材112bとは、一体に形成されている。第1下面部材112aと第2下面部材112bとは、互いに別部材であり、互いに連結されることで一体に形成されてもよい。第1下面部材112aと第2下面部材112bとは、一つの板状部材が折り曲げられること形成されてもよい。
【0072】
側面部材113、114は、搬送部材110の側面を形成する板状の部材である。側面部材113は、下面部材112のX軸方向上流側の端部に接続される部材であり、搬送路R1、R2の側方を覆う板状部材である。側面部材113は、回収路41から排出される切屑KZを搬送路R1上に導入するための開口部115を有する。側面部材114は、下面部材112のX軸方向下流側の端部に接続される部材であり、搬送路R1、R2の側面部材113とは反対側の側方を覆う板状部材である。側面部材113及び側面部材114は、X軸方向において互いに対向する。また、下面部材112のX軸方向の両端は、搬送方向の全体に亘って、側面部材113、114と接続されている。つまり、下面部材112と側面部材113、114とは、搬送方向に垂直な断面の形状が略U字形状を形成している。つまり、側面部材113、114は、搬送路R1、R2からX軸方向の両側へ外れるように切屑KZが移動することを規制する。
【0073】
掻き取り部120は、搬送路R1、R2上の切屑を搬送路R1、R2の搬送方向に沿って掻き取る部材である。コンベア130は、掻き取り部120を搬送方向に移動させる駆動部である。コンベア130は、搬送路R1、R2の上方に設けられている。具体的には、コンベア130は、下面部材112との間で、上下方向に一定の間隔を空けて設けられている。コンベア130は、搬送路R1及び搬送路R2の両方において、つまり、第1下面部材112a及び第2下面部材112bの両方との間で上下方向に一定の間隔を空けて設けられている。つまり、コンベア130は、第1下面部材112aに対向する部分が水平方向に延びるように配置されており、第2下面部材112bに対向する部分が搬送方向の下流に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜して配置されている。コンベア130には、複数の掻き取り部120が所定の間隔を空けて設けられている。
【0074】
ループ状に構成されるコンベア130の下側に設けられた複数の掻き取り部120は、コンベア130によって搬送方向に移動される。搬送方向に移動される複数の掻き取り部120は、その下端が、搬送路R1、R2の搬送面と接触する位置、又は、当該搬送面との間で切屑KZを通過させない程度の間隔が空いた位置に配置されるように、コンベア130に配置されている。搬送方向に移動される複数の掻き取り部120は、X軸方向における両端が、搬送路R1、R2の搬送面と接触する位置、又は、当該搬送面との間で切屑KZを通過させない程度の間隔が空いた位置に配置されるように、コンベア130に配置されていてもよい。
【0075】
複数の掻き取り部120のそれぞれは、搬送方向に対して略垂直となるように、コンベア130に設けられている。ここで、搬送方向に対して略垂直とは、搬送方向に対して掻き取り部120が為す角度が60度以上90度以下であることを含む。複数の掻き取り部120は、搬送方向に対して略垂直な板状部材であり、X軸方向に長い長尺板状部材である。複数の掻き取り部120は、先端(下端)の部分が弾性部材により構成されていてもよい。
【0076】
コンベア130は、ベルトコンベアであり、複数のプーリ131、132と、複数のプーリ131、132に掛け渡されたベルト133とを有する。ベルト133の表面には、一定間隔おきに、ベルト133の幅方向に延びる複数の掻き取り部120が配置されている。複数のプーリ131、132の一部は、フレーム134に回転自在に配置されている。複数のプーリ131の他の一部は、側面部材113に回転自在に配置されている。複数のプーリ131のうちの一つは、ベルト133を駆動させるモータ(図示せず)により回転する。これにより、ループ状に複数のプーリ131、132にかけられているベルト133は、当該ベルト133の下側が搬送方向に移動する。
【0077】
プーリ132は、溝部116の上方に配置され、ベルト133を下側から上方に持ち上げるように配置されている。これにより、ベルト133は、溝部116との間であっても一定の間隔が空いた位置に配置される。よって、複数の掻き取り部120は、溝部116に沿って、切屑KZを搬送方向に移動させることができる。
【0078】
搬送路R2の搬送方向の下流側には、シュータ200が設けられている。シュータ200の内部には、搬送路R2の下流側の一端から排出された切屑KZを圧縮する圧縮部201が配置されている。実施の形態では、圧縮部201は、2つのローラであり、切屑KZを2つのローラの間に通過させることで、切屑KZを平坦に圧縮する。なお、圧縮部201は、2つのローラで圧縮する構成に限らずに、プッシャーで挟み込むことにより切屑KZを圧縮する構成であってもよい。
【0079】
シュータ200の下方には収容部300が設置されている。収容部300は、上方に開口した箱状の部材である。収容部300は、搬送路R2の下流側の一端から排出された切屑KZを収容する。具体的には、収容部300は、シュータ200を通過して圧縮された切屑KZを収容する。収容部300は、その下面に設けられた複数の車輪301を有する。これにより、切屑が溜まった収容部300を容易に移動させることができる。
【0080】
搬送装置100は、メンテナンスの際に、コンベア130を、搬送路R1、R2が露出するように、移動させることができる。コンベア130を移動させる仕組みについて図7を用いて説明する。
【0081】
図7は、実施の形態における搬送装置においてコンベアを移動させる仕組みについて説明するための図である。図7は、図6と同様に、搬送装置100を側方から見た場合の断面図であり、上面部材111を取り除いた様子を示す図である。
【0082】
図7に示すように、コンベア130は、フレーム134に固定されている部分がフレーム134の搬送方向下流側の端部を支点(回転軸)135として、フレーム134の搬送方向上流側の端部が上方に向かう方向に回転することができる。つまり、コンベア130は、支点135を中心としてコンベア130を回転させて、搬送部材110からコンベア130を離間させることができる。このため、搬送路R1上に残った切屑KZの除去作業を容易に行うことができる。
【0083】
なお、コンベア130は、他の部分を支点として回転することで、搬送部材110から離間できてもよい。例えば、コンベア130の、搬送路R1及び搬送路R2の接続部分に対向する部分を支点として、コンベア130の下流側の端部が上方に向かう方向に回転することで、コンベア130の搬送路R2に対向する部分が搬送路R2から離間してもよい。また、例えば、コンベア130のX軸方向の下流側の端部がY軸方向に延びる回転軸を中心に回転することで、コンベア130の全体が搬送路R1、R2から離間してもよい。
【0084】
次に、図5に戻り、無人搬送車400について説明する。
【0085】
無人搬送車400は、収容部300を搬送するAGV(Automated guided vehicle)である。無人搬送車400は、例えば、管理装置73からの指示を受けて、切屑KZが溜まっている収容部300の位置に移動する。そして、無人搬送車400は、切屑KZが溜まっている収容部300と連結し、連結した収容部300を予め定められた位置まで搬送する。予め定められた位置は、収容部300に貯められた切屑KZを廃棄する廃棄場所である。また、無人搬送車400は、収容部300が配置されていない搬送装置100のシュータ200の下方に空の収容部300を移動させる。このように、無人搬送車400を用いて切屑が溜まった収容部300を移動させることができ、また、空の収容部300を搬送装置100のシュータ200の下方に移動させることができるため、切屑の廃棄を容易に行うことができる。
【0086】
[2.動作]
次に、搬送装置100の動作について説明する。図8は、実施の形態に係る搬送装置による切屑の搬送方法のフローチャートである。
【0087】
搬送装置100は、切屑を搬送路R1、R2に導入する(S11)。
【0088】
搬送装置100は、搬送路R1、R2に導入された切屑を、コンベア130を駆動することで、コンベア130に設けられた掻き取り部120を用いて掻き取ることで搬送方向に移動させる(S12)。
【0089】
[3.効果など]
本実施の形態に係る搬送装置100は、部品BHを収容するキャリアテープ18から部品BHが部品装着装置3により取り出されることで部品装着装置3から排出されたキャリアテープの切屑KZを搬送する。搬送装置100は、搬送部材110と、掻き取り部120とを備える。搬送部材110は、切屑KZを搬送するための搬送路R1、R2を形成している。掻き取り部120は、搬送路R1、R2上の切屑KZを搬送路R1、R2の搬送方向に沿って掻き取る。
【0090】
この搬送装置100によれば、搬送の対象となる切屑KZを、静止している搬送路R1、R2上に載せて、掻き取り部120によって掻き取ることで搬送する。このため、切屑KZが搬送路R1、R2上から落下することを抑制することが容易にできる。また、切屑KZを掻き取ることで搬送するため、切屑KZが原因で掻き取り部120の駆動源が悪影響を受けることを低減することができる。よって、不具合の発生を低減することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る搬送装置100は、搬送路R1の上方に設けられたコンベア130をさらに備える。掻き取り部120は、搬送方向に対して略垂直となるようにコンベア130に設けられており、搬送路R1、R2上の切屑KZを掻き取る。
【0092】
このため、効率よく切屑KZを掻き取ることができる。また、掻き取り部120の駆動源となるコンベア130が搬送路R1、R2上に設けられるため、切屑KZをコンベア130から離したまま搬送することができる。よって、切屑KZが原因でコンベア130に不具合が発生することを低減することができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、搬送路R1、R2は、部品装着装置3から排出された切屑KZを、搬送路R1上に導入する開口部115が形成された側面部材113を有する。この搬送装置100によれば、切屑KZを側方から搬送路R1上に配置するため、切屑KZを水平方向に移動させることで搬送路R1上に切屑を配置することができる。よって、搬送装置100まで効率よく切屑を移動させることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る搬送装置100は、さらに、搬送路R2の下流側の一端から排出された切屑KZを圧縮する圧縮部201を備える。このため、切屑KZの体積を圧縮することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、搬送部材110の下面部材112は、搬送路R1の幅方向に亘って延びる溝部116を有する。溝部116と搬送部材110が載置されている床面FLとの間には、配線140を通過させるための空間Sp1が形成されている。このため、部品装着装置3及び搬送装置100の設置スペースが狭い場合であっても、配線140の設置スペースを確保することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、搬送路R1、R2の下流側の部位(搬送路R2)は、下流に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜している。このため、例えば、切屑KZを収容する収容部300へ上方から投入できるため、上方に切屑KZを移動させた分だけ収容部300の高さを高くでき、収容部300の容積を大きくすることができる。
【0097】
また、本実施の形態に係る搬送装置100は、さらに、搬送路R2の下流側の一端から排出された切屑KZを収容する収容部300を備える。このため、収容部に切屑を貯めることができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る搬送装置100において、収容部300の下面には複数の車輪301が設けられている。このため、切屑が溜まった収容部300を容易に移動させることができる。
【0099】
[4.変形例]
上記実施の形態では、掻き取り部120は、コンベア130によって搬送方向に移動する構成としたがこれに限らない。掻き取り部120は、搬送路R1、R2を往復動する機構に設けられていてもよい。この場合、例えば、掻き取り部120を搬送方向の上流側に移動させた後で、搬送路R1内に切屑KZを投入することで、切屑KZを搬送方向に掻き取ることで移動させることができる。
【0100】
上記実施の形態では、搬送装置100は、複数の掻き取り部120を備えるとしたが、これに限らずに、1つの掻き取り部120を備える構成としてもよい。
【0101】
上記実施の形態では、部品装着装置3において排出された切屑KZは、エアにより、回収路41を通じて搬送装置100に導入されるとしたが、エアにより導入されなくてもよい。例えば、切屑KZは、搬送装置100のような掻き取り部120及びコンベア130によって、搬送装置100の開口部115まで搬送されてもよい。
【0102】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0103】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0104】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示は、不具合の発生を低減することができる搬送装置、搬送システム及び搬送方法等に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 切屑回収装置
2 作業ライン
3 部品装着装置
11 基台
12 カバー部材
13 作業空間
14 基板搬送路
15 フィーダ台車
16 テープフィーダ
16K 部品供給位置
17 テープリール
18 キャリアテープ
21 装着ヘッド
21N ノズル
22 ヘッド移動機構
23 制御装置
31 カッター装置
32 シュータ
32K 排出開口
41 回収路
41A エア入口
41B エア出口
41H 通気孔
42 受容部
42K 切屑受容開口
43 正圧供給部
43V 制御バルブ
51 エア吹出器
51N エア吹出口
52 管路
71 外部配管
72 正圧源
73 管理装置
100 搬送装置
101 搬送システム
110 搬送部材
111 上面部材
112 下面部材
112a 第1下面部材
112b 第2下面部材
113 側面部材
114 側面部材
115 開口部
116 溝部
120 掻き取り部
130 コンベア
131、132 プーリ
133 ベルト
134 フレーム
135 支点
140 配線
200 シュータ
201 圧縮部
300 収容部
301 車輪
400 無人搬送車
BH 部品
KB 基板
RY 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8