(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241108BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241108BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20241108BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/10
G06Q30/0207
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2024038155
(22)【出願日】2024-03-12
【審査請求日】2024-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500374434
【氏名又は名称】ビリングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江田 敏彦
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-079383(JP,A)
【文献】特開2018-147403(JP,A)
【文献】特表2021-521535(JP,A)
【文献】特開2019-219745(JP,A)
【文献】特開2016-066353(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0112219(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置であって、
前記記憶部は、
免税範囲を設定した免税設定データ、および、各
来日観光顧客のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
免税店の前記端末装置から送付された、前記
来日観光顧客が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得手段と、
前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定手段と、
前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行手段と、
を備えたことを特徴とする免税管理装置。
【請求項2】
前記割引チケットデータは、
前記免税範囲外となる前記免税希望商品の消費税額と同額の割引適用データであることを特徴とする請求項1に記載の免税管理装置。
【請求項3】
前記免税範囲は、
免税上限額が設定され、
前記免税判定手段は、
前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税上限額に対する前記免税希望商品金額の超過判定により、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項4】
前記免税管理記憶手段は、
更に、決済サービスのユーザアカウントを設定した決済サービスデータを記憶し、
前記チケット発行手段は、
前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の前記決済サービスによる支払に使用可能な前記割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項5】
前記割引チケットデータは、
前記消費税額が最小となる割引額が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の免税管理装置。
【請求項6】
前記チケット発行手段は、
更に、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の存在に関する警告通知および/またはコメント通知を前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項7】
前記チケット発行手段は、
更に、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外とならないと判定された場合、全ての前記免税希望商品が免税となることを示すコメント通知、または、全ての前記免税希望商品が免税とならないことを示すコメント通知を前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項8】
前記決済サービスは、
デビットカード、クレジットカード、電子マネー、二次元コード決済サービス、バーコード決済サービス、スマートフォン決済サービス、または、プリペイドカードであることを特徴とする請求項4に記載の免税管理装置。
【請求項9】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理方法であって、
前記記憶部は、
免税範囲を設定した免税設定データ、および、各
来日観光顧客のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
免税店の前記端末装置から送付された、前記
来日観光顧客が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得ステップと、
前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定ステップと、
前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行ステップと、
を含むことを特徴とする免税管理方法。
【請求項10】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理プログラムであって、
前記記憶部は、
免税範囲を設定した免税設定データ、および、各
来日観光顧客のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
免税店の前記端末装置から送付された、前記
来日観光顧客が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得ステップと、
前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定ステップと、
前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行ステップと、
を実行させるための免税管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、免税を適用するか否かを確認し、免税適用を受けられない場合、予め定められたルールに従った割引処理により、1つの商品の単価から一定の割引金額を差し引く技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、免税商品および非免税商品が混在する免税希望商品の決済時に、非免税商品に対する自動的にディスカウントチケットを即時に発行し、その支払いに利用させることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、免税購入希望商品全体を通した免税確認をする際に、今から購入しようとする商品の中に免税対象とならない商品がある場合、それらの課税対象商品に対して一定のディスカウントチケットを即時に発行し、その支払いに利用させることができるとする免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る免税管理装置は、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置であって、前記記憶部は、免税範囲を設定した免税設定データ、および、各免税対象者のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部は、免税店の前記端末装置から送付された、前記免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得手段と、前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定手段と、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記割引チケットデータは、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の消費税額と同額の割引適用データであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記免税範囲は、免税上限額が設定され、前記免税判定手段は、前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税上限額に対する前記免税希望商品金額の超過判定により、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記免税管理記憶手段は、更に、決済サービスのユーザアカウントを設定した決済サービスデータを記憶し、前記チケット発行手段は、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の前記決済サービスによる支払に使用可能な前記割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記割引チケットデータは、前記消費税額が最小となる割引額が設定されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記チケット発行手段は、更に、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の存在に関する警告通知および/またはコメント通知を前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記チケット発行手段は、更に、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外とならないと判定された場合、全ての前記免税希望商品が免税となることを示すコメント通知、または、全ての前記免税希望商品が免税とならないことを示すコメント通知を前記免税店の端末装置に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記決済サービスは、デビットカード、クレジットカード、電子マネー、二次元コード決済サービス、バーコード決済サービス、スマートフォン決済サービス、または、プリペイドカードであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る免税管理方法は、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理方法であって、前記記憶部は、免税範囲を設定した免税設定データ、および、各免税対象者のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、免税店の前記端末装置から送付された、前記免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得ステップと、前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定ステップと、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る免税管理プログラムは、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理プログラムであって、前記記憶部は、免税範囲を設定した免税設定データ、および、各免税対象者のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部において、免税店の前記端末装置から送付された、前記免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する希望取得ステップと、前記免税設定データおよび前記累積データに基づいて、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となるか否かを判定する免税判定ステップと、前記免税希望商品の一部が前記免税範囲外となると判定された場合、前記免税範囲外となる前記免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを前記免税店の端末装置に送信するチケット発行ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、販売者に課税となる商品については一定(例えば、消費税と同額等)のディスカウントをすることにより、課税に伴う売り上げ減少を避けることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、利用者が全ての商品を免税価格で購入することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、ディスカウント商品を課税商品として扱うため、免税対象とならず、後日の追徴課税を回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、従来の免税管理処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における免税管理処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における免税管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における免税管理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
図1は、従来の免税管理処理の一例を示す図である。
図2は、本実施形態における免税管理処理の一例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、従来、免税対応レジでは、担当スタッフがパスポートを確認し、販売商品が免税対象か否かを確認し、免税処理を実施し、消耗品を免税専用のパッキングをして渡し、免税対象商品の販売明細データは、パスポートデータに紐付けて国税庁の免税データベース(DB)に送付していた。また、
図1に示すように、従来、免税対応カウンターでは、担当スタッフがパスポートを確認し、各売り場で当日購入した販売商品が免税対象か否かを確認し、免税対象の確定をした上で、当該レシートの消費税を計算し、対象分の消費税を還付し、消耗品は免税専用のパッキングをして渡し、免税対象商品の販売明細データは、パスポートデータに紐付けて国税庁の免税DBに送付していた。それにより、従来、国税庁の免税DBには、各免税店で取扱ったパスポートデータに紐付いた買物明細データが集積されるので、出国時の持ち出し品チェックをしなくても、パスポート番号毎にどの順番でどこのお店で何を免税で買ったかの明細表の作成ができていた。
【0021】
そこで、
図2に示すように、本実施形態においては、免税店から国税庁DBに送付されているデータと同じパスポートに紐付いた購入品明細データを受信し、国税庁が構築したDBと同様に各人が免税購入した購入品明細データと購入者のパスポートデータとを紐付けたデータを集積するデータベースを構築している。そして、本実施形態においては、パスポート番号に紐付いた今から購入しようとする買物明細データと同じパスポート番号に紐付いた既に購入した免税品買物データとを集約し、免税購入品全体を通した免税確認をする際、今から購入しようとする商品の中に免税対象とならない商品がある場合、それらの非課税商品に対し一定のディスカウント(例えば、消費税と同額等のディスカウント)チケットを即時発行し、その支払いに利用できる仕組みを提供している。
【0022】
[2.免税管理システムの構成]
本実施形態に係る端末装置100(免税店の端末装置100)、サーバ(免税管理装置)200、および、金融機関システム(エレクトロニックバンキングシステム)500を通信可能に接続した免税管理システムの構成の一例について、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態における免税管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
[端末装置100の構成]
図3において、端末装置100は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PHS、PDA(Personal Digital Assistants)もしくはコードリーダ(例えば、QRコード(登録商標)リーダ等)等の携帯端末、または、一般に市販されるデスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置等であってもよい。
【0024】
端末装置100は、制御部102と記憶部106と入出力部112とを備えており、端末装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
入出力部112は、データの入出力(I/O)を行う機能を有していてもよい。ここで、入出力部112は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、および、マイク等であってもよい。また、入出力部112は、アプリケーション・ソフトウェア等の(入出力)情報を表示する表示部(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネル等)であってもよい。また、入出力部112は、音声情報を音声として出力する音声出力部(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入出力部112は、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等の撮像素子で撮影した画像(静止画および動画)をデジタルデータとして記録する画像入力部(例えば、カメラ等)であってもよい。また、入出力部112は、指紋センサ、虹彩認証もしくは顔認証等に利用可能なカメラ(例えば、赤外線カメラ等)、および/または、静脈センサ等の生体センサであってもよい。
【0026】
端末装置100は、他の装置とネットワーク300を介して通信可能に接続し、他の装置とデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、端末装置100と他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えば、インターネットおよび/またはLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および/または、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。記憶部106は、入出力部112にて記録された画像データ、ネットワーク300を介して受信されたデータ、および/または、入出力部112を介して入力された入力データ等を記憶していてもよい。
【0028】
制御部102は、端末装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。例えば、制御部102は、入出力部112にて記録された画像データの取得および画像データに含まれる文字データ(URL等)のデータ読取、ネットワーク300を介したデータ送受信、入出力部112を介して入力された入力データの取得、ならびに、出力部114でのデータ(画面)表示等の各処理を実行してもよい。なお、制御部102は、光学文字認識:OCR(Optical Character Recognition)処理を実行してもよい。
【0029】
[サーバ200の構成]
図3において、サーバ200は、パーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置であってもよい。サーバ200は、制御部202と記憶部206とを備えており、サーバ200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。サーバ200は、ネットワーク300を介して、他の装置と相互に通信可能に接続されている。
【0030】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206は、RAM、ROM、HDD、および/または、SSD等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブルを格納する。記憶部206は、機能概念的に、免税管理データベース206aを備えている。
【0031】
免税管理データベース206aは、免税管理データを記憶する。ここで、免税管理データベース206aは、免税範囲を設定した免税設定データ、および、各免税対象者のパスポートに紐付いた免税販売商品の累積金額を含む累積データを記憶していてもよい。ここで、免税範囲は、免税上限額が設定されていてもよい。また、免税範囲は、免税品目、免税(上限)数量、および、備考が設定されていてもよい。また、免税管理データベース206aは、決済サービスのユーザアカウントを設定した決済サービスデータを記憶していてもよい。また、ユーザアカウントは、暗証コードを含んでいてもよい。また、決済サービスは、デビットカード、クレジットカード、電子マネー、二次元コード決済サービス、バーコード決済サービス、スマートフォン決済サービス、または、プリペイドカード等であってもよい。また、決済サービスデータは、決済サービスのアプリケーション・ソフトウェアを含んでいてもよい。また、ユーザアカウントは、決済サービスのアプリケーション・ソフトウェア(決済アプリ)のアカウント等を含んでいてもよい。また、決済サービスデータは、端末装置100における決済サービスのアプリケーション・ソフトウェアの実装有無を含む実装データを記憶していてもよい。また、ユーザアカウントは、決済サービスのユーザ毎の原資データを含んでいてもよい。ここで、原資データは、振替銀行口座番号および口座名義人名等を含む銀行口座データ、デポジットデータ、ならびに/または、クレジットカード番号、登録者名および/もしくはセキュリティコード等を含むクレジットカードデータを含んでいてもよい。また、ユーザアカウントは、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、および/または、パスワード等を含んでいてもよい。また、決済サービスデータは、端末装置100のユーザのユーザ識別データを含んでいてもよい。また、決済サービスデータは、ユーザの決済履歴等の利用履歴を含んでいてもよい。ここで、決済履歴は、ユーザ、決済金額、および/または、決済日時等が紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
制御部202は、サーバ200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部202は、機能概念的に、希望取得部202aと免税判定部202bとチケット発行部202cとを備えている。
【0033】
希望取得部202aは、免税希望商品の免税希望商品金額を取得する。ここで、希望取得部202aは、免税店の端末装置100から送付された、免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得してもよい。
【0034】
免税判定部202bは、免税希望商品の一部が免税範囲外となるか否かを判定する。ここで、免税判定部202bは、免税設定データおよび累積データに基づいて、免税希望商品の一部が免税範囲外となるか否かを判定してもよい。また、免税判定部202bは、免税設定データおよび累積データに基づいて、免税上限額に対する免税希望商品金額の超過判定により、免税希望商品の一部が免税範囲外となるか否かを判定してもよい。
【0035】
チケット発行部202cは、商品の支払に使用可能な割引チケットデータを発行する。ここで、チケット発行部202cは、免税希望商品の一部が免税範囲外となると判定された場合、免税範囲外となる免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを免税店の端末装置100に送信してもよい。ここで、割引チケットデータは、免税範囲外となる免税希望商品の消費税額と同額の割引適用データであってもよい。また、割引チケットデータは、免税範囲外となる免税希望商品の消費税額より少額の割引適用データであってもよい。また、割引チケットデータは、免税範囲外となる免税希望商品の消費税額より高額の割引適用データであってもよい。また、チケット発行部202cは、免税希望商品の一部が免税範囲外となると判定された場合、免税範囲外となる免税希望商品の決済サービスによる支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを免税店の端末装置100に送信してもよい。ここで、割引チケットデータは、消費税額が最小となる割引額が設定されていてもよい。また、チケット発行部202cは、免税希望商品の一部が免税範囲外となると判定された場合、免税範囲外となる免税希望商品の存在に関する警告通知および/またはコメント通知を免税店の端末装置100に送信してもよい。また、チケット発行部202cは、免税希望商品の一部が免税範囲外とならないと判定された場合、全ての免税希望商品が免税となることを示すコメント通知、または、全ての免税希望商品が免税とならないことを示すコメント通知を免税店の端末装置100に送信してもよい。
【0036】
[金融機関システム500の構成]
図3において、金融機関システム500は、パーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置であってもよい。ここで、金融機関システム500は、ネットワーク300を介して、他の装置と相互に通信可能に接続されている。また、金融機関システム500は、決済サービスの口座を備えていてもよい。また、金融機関システム500は、決済サービスの口座から商品の販売元の口座への口座振替処理を実行してもよい。また、金融機関システム500は、決済サービスの口座から他金融機関の商品の販売元の口座への振込処理を実行してもよい。
【0037】
[3.免税管理システムの処理]
本実施形態に係る免税管理システムの処理の一例について、
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態における免税管理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図4に示すように、サーバ200の希望取得部202aは、免税店の端末装置100から送付された、免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、サーバ200の免税判定部202bは、免税管理データベース206aに記憶された免税設定データおよび累積データに基づいて、免税上限額に対する免税希望商品金額の超過判定により、免税希望商品の一部が免税範囲外となるか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、サーバ200の免税判定部202bは、免税希望商品の一部が免税範囲外となると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0041】
そして、サーバ200のチケット発行部202cは、免税範囲外となる免税希望商品の決済サービスによる支払に使用可能な、当該免税範囲外となる免税希望商品の消費税額と同額の割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータ、ならびに、免税範囲外となる免税希望商品の存在に関する警告通知およびコメント通知を免税店の端末装置100に送信し(ステップSA-3)、処理を終了する。
【0042】
一方、サーバ200の免税判定部202bは、免税希望商品の一部が免税範囲外とならないと判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0043】
そして、サーバ200のチケット発行部202cは、全ての免税希望商品が免税となることを示すコメント通知、または、全ての前記免税希望商品が免税とならないことを示すコメント通知を免税店の端末装置100に送信し(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0044】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0045】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0046】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0047】
また、端末装置100およびサーバ200等に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0048】
例えば、端末装置100およびサーバ200等が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0049】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100およびサーバ200等に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0050】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0051】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0052】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0053】
また、端末装置100およびサーバ200等は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、端末装置100およびサーバ200等は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0054】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、免税店業界を含む小売業界、および、金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0056】
100 端末装置
102 制御部
106 記憶部
112 入出力部
200 サーバ
202 制御部
202a 希望取得部
202b 免税判定部
202c チケット発行部
206 記憶部
206a 免税管理データベース
300 ネットワーク
500 金融機関システム
【要約】
【課題】免税購入希望商品全体を通した免税確認をする際に、今から購入しようとする商品の中に免税対象とならない商品がある場合、それらの課税対象商品に対して一定のディスカウントチケットを即時に発行し、その支払いに利用させることができるとする免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】免税店の端末装置から送付された、免税対象者が購入を希望する複数の免税希望商品の免税希望商品金額を取得し、免税設定データおよび累積データに基づいて、免税希望商品の一部が免税範囲外となるか否かを判定し、免税希望商品の一部が免税範囲外となると判定された場合、免税範囲外となる免税希望商品の支払に使用可能な割引チケットデータを即時発行し、当該割引チケットデータを免税店の端末装置に送信する。
【選択図】
図3