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特許7584082ヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システム
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  • 特許-ヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システム 図1
  • 特許-ヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システム 図2
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  • 特許-ヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システム 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20241108BHJP
   H02K 41/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H05K13/04 A
H02K41/02 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020176907
(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公開番号】P2022068005
(43)【公開日】2022-05-09
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 元寛
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143494(JP,A)
【文献】特開2019-033580(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056295(WO,A1)
【文献】特開2004-088024(JP,A)
【文献】特開平07-266154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
H02K 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線が第1方向及び前記第1方向に対して反対方向である第2方向に沿ったリニアシャフトと、
前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでおり、軸線が前記第1方向及び前記第2方向に沿っているロータシャフトと、
前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する捕捉部と、
前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与えるリニア駆動部と、
前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与えるロータ駆動部と、
前記リニアシャフトに連結されたリニア連結部と、
前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されたロータ連結部と、を備え、
前記ロータ連結部の形状は、前記リニア連結部の一部を収容可能な形状である
ヘッドユニット。
【請求項2】
前記ロータ連結部は、前記ロータ連結部の内側でベアリングを保持し、
前記ベアリングは、前記第1方向と直交する方向において前記リニア連結部と前記ロータ連結部との間に配置される、
請求項1に記載のヘッドユニット。
【請求項3】
軸線が第1方向及び前記第1方向に対して反対方向である第2方向に沿ったリニアシャフトと、
前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでおり、軸線が前記第1方向及び前記第2方向に沿っているロータシャフトと、
前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する捕捉部と、
前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与えるリニア駆動部と、
前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与えるロータ駆動部と、
前記リニアシャフトに連結されたリニア連結部と、
前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されたロータ連結部と、
前記第1方向と直交する方向において前記リニア連結部と前記ロータ連結部との間に配置されるベアリングと、を備える、
ヘッドユニット。
【請求項4】
前記ベアリングを複数備え、
前記複数のベアリングは、前記第1方向に並んでいる、
請求項2又は3に記載のヘッドユニット。
【請求項5】
前記複数のベアリングは、前記リニア連結部と前記ロータ連結部との間に挟まれている、
請求項4に記載のヘッドユニット。
【請求項6】
軸線が第1方向及び前記第1方向に対して反対方向である第2方向に沿ったリニアシャフトと、
前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでおり、軸線が前記第1方向及び前記第2方向に沿っているロータシャフトと、
前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する捕捉部と、
前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与えるリニア駆動部と、
前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与えるロータ駆動部と、
前記リニアシャフトに連結されたリニア連結部と、
前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されたロータ連結部と、を備え、
前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトと同心状に配置され前記ロータシャフトに連結されている回転子と、前記回転子を介して前記ロータシャフトに前記回転駆動力を与える固定子と、を有し、
前記固定子の形状は、前記第1方向に沿った筒状であり、前記回転子は、前記固定子の内側に配置されている、
ヘッドユニット。
【請求項7】
前記第1方向に沿った筒状に形成されており、内側に前記ロータシャフトを配置しているスプラインナットと、
前記ロータシャフトと前記スプラインナットとの間に配置され、前記ロータシャフトの移動方向を前記第1方向及び前記第2方向に規制するガイド部材と、を更に備え、
前記ロータシャフトは、前記ロータ駆動部から前記スプラインナットを介して前記回転駆動力を受けて回転し、
前記ロータシャフトは、前記スプラインナットに対して前記第1方向及び前記第2方向に移動し、
前記ガイド部材と前記回転子とは、前記第1方向に並んでいる、
請求項6に記載のヘッドユニット。
【請求項8】
前記第1方向に沿った筒状に形成されており、内側に前記ロータシャフトを配置しているスプラインナットと、
前記ロータシャフトと前記スプラインナットとの間に配置され、前記ロータシャフトの移動方向を前記第1方向及び前記第2方向に規制するガイド部材と、を更に備え、
前記ロータシャフトは、前記ロータ駆動部から前記スプラインナットを介して前記回転駆動力を受けて回転し、
前記ロータシャフトは、前記スプラインナットに対して前記第1方向及び前記第2方向に移動し、
前記ガイド部材と前記回転子とは、前記第1方向と直交する方向に並んでいる、
請求項6に記載のヘッドユニット。
【請求項9】
前記固定子に対する前記回転子の回転角に関する情報を回転センサに提示するスケールを更に備え、
前記スケールは、前記スプラインナットと一体に回転可能である、
請求項7又は8に記載のヘッドユニット。
【請求項10】
前記スプラインナットと前記ロータ連結部との間に配置され、前記リニアシャフトを前記第1方向に移動させる力を発生させる復帰部材を更に備える、
請求項7~9のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
【請求項11】
軸線が第1方向及び前記第1方向に対して反対方向である第2方向に沿ったリニアシャフトと、
前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでおり、軸線が前記第1方向及び前記第2方向に沿っているロータシャフトと、
前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する捕捉部と、
前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与えるリニア駆動部と、
前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与えるロータ駆動部と、
前記リニアシャフトに連結されたリニア連結部と、
前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されたロータ連結部と、
前記リニア連結部に対して前記第1方向に並んでおり、前記リニアシャフトの移動方向を前記第1方向及び前記第2方向に規制する規制部材と、を備える、
ヘッドユニット。
【請求項12】
軸線が第1方向及び前記第1方向に対して反対方向である第2方向に沿ったリニアシャフトと、
前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでおり、軸線が前記第1方向及び前記第2方向に沿っており、前記第2方向における端部に、対象物を捕捉する捕捉部が取付可能である取付部を有するロータシャフトと、
前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与えるリニア駆動部と、
前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与えるロータ駆動部と、
前記リニアシャフトに連結されたリニア連結部と、
前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されたロータ連結部と、を備え、
前記ロータ連結部の形状は、前記リニア連結部の一部を収容可能な形状である
アクチュエータ。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載のヘッドユニットと、
前記捕捉部に捕捉された前記対象物が実装される実装部材を保持する保持装置と、を備える、
実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システムに関し、より詳細には、直線的な移動と回転とが可能なヘッドユニット、このヘッドユニットに用いられるアクチュエータ、及び、このヘッドユニットを備える実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のアクチュエータは、回転型モータ(ロータ駆動部)と、スプライン部材と、リニア型モータと、出力部(取付部)と、を備える。回転型モータは、一の軸線回りに回転する回転型可動子を有する。スプライン部材は、回転型可動子より回転力を受けて軸線回りに回転する第1部材と、軸線上を往復移動しかつ第1部材より回転力を受けて軸線回りに回転する第2部材と、を有する。リニア型モータは、第2部材より回転力を受けて軸線回りに回転するリニア型可動子と、リニア型可動子に軸線方向に沿った駆動力を与えるリニア型固定子と、を有する。リニア型可動子は、リニア型固定子を軸線方向に貫通しており、リニア型固定子に対して軸線回りに回転する。出力部は、リニア型可動子の一端に設けられ、回転型モータ及びリニア型モータにより駆動される。出力部には、対象物を捕捉する捕捉部が固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-075896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、捕捉部の位置制御の精度を向上させることができるヘッドユニット、アクチュエータ及び実装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、リニアシャフトと、ロータシャフトと、捕捉部と、リニア駆動部と、ロータ駆動部と、リニア連結部と、ロータ連結部と、を備える。前記リニアシャフトの軸線は、第1方向及び第2方向に沿っている。前記第2方向は、前記第1方向に対して反対方向である。前記ロータシャフトは、前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでいる。前記ロータシャフトの軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に沿っている。前記捕捉部は、前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する。前記リニア駆動部は、前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与える。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与える。前記リニア連結部は、前記リニアシャフトに連結されている。前記ロータ連結部は、前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されている。前記ロータ連結部の形状は、前記リニア連結部の一部を収容可能な形状である
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、リニアシャフトと、ロータシャフトと、捕捉部と、リニア駆動部と、ロータ駆動部と、リニア連結部と、ロータ連結部と、ベアリングと、を備える。前記リニアシャフトの軸線は、第1方向及び第2方向に沿っている。前記第2方向は、前記第1方向に対して反対方向である。前記ロータシャフトは、前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでいる。前記ロータシャフトの軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に沿っている。前記捕捉部は、前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する。前記リニア駆動部は、前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与える。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与える。前記リニア連結部は、前記リニアシャフトに連結されている。前記ロータ連結部は、前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されている。前記ベアリングは、前記第1方向と直交する方向において前記リニア連結部と前記ロータ連結部との間に配置される。
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、リニアシャフトと、ロータシャフトと、捕捉部と、リニア駆動部と、ロータ駆動部と、リニア連結部と、ロータ連結部と、を備える。前記リニアシャフトの軸線は、第1方向及び第2方向に沿っている。前記第2方向は、前記第1方向に対して反対方向である。前記ロータシャフトは、前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでいる。前記ロータシャフトの軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に沿っている。前記捕捉部は、前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する。前記リニア駆動部は、前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与える。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与える。前記リニア連結部は、前記リニアシャフトに連結されている。前記ロータ連結部は、前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されている。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトと同心状に配置され前記ロータシャフトに連結されている回転子と、前記回転子を介して前記ロータシャフトに前記回転駆動力を与える固定子と、を有する。前記固定子の形状は、前記第1方向に沿った筒状であり、前記回転子は、前記固定子の内側に配置されている。
本開示の一態様に係るヘッドユニットは、リニアシャフトと、ロータシャフトと、捕捉部と、リニア駆動部と、ロータ駆動部と、リニア連結部と、ロータ連結部と、規制部材と、を備える。前記リニアシャフトの軸線は、第1方向及び第2方向に沿っている。前記第2方向は、前記第1方向に対して反対方向である。前記ロータシャフトは、前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでいる。前記ロータシャフトの軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に沿っている。前記捕捉部は、前記ロータシャフトの前記第2方向における端部に設けられ、対象物を捕捉する。前記リニア駆動部は、前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与える。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与える。前記リニア連結部は、前記リニアシャフトに連結されている。前記ロータ連結部は、前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されている。前記規制部材は、前記リニア連結部に対して前記第1方向に並んでおり、前記リニアシャフトの移動方向を前記第1方向及び前記第2方向に規制する。
【0006】
本開示の一態様に係るアクチュエータは、リニアシャフトと、ロータシャフトと、リニア駆動部と、ロータ駆動部と、リニア連結部と、ロータ連結部と、を備える。前記リニアシャフトの軸線は、第1方向及び第2方向に沿っている。前記第2方向は、前記第1方向に対して反対方向である。前記ロータシャフトは、前記リニアシャフトに対して前記第2方向に並んでいる。前記ロータシャフトの軸線は、前記第1方向及び前記第2方向に沿っている。前記ロータシャフトは、前記第2方向における端部に、取付部を有する。前記取付部には、対象物を捕捉する捕捉部が取付可能である。前記リニア駆動部は、前記リニアシャフトを前記ロータシャフトと共に前記第1方向及び前記第2方向に移動させるリニア駆動力を前記リニアシャフトに与える。前記ロータ駆動部は、前記ロータシャフトを前記リニアシャフトに対して回転させる回転駆動力を前記ロータシャフトに与える。前記リニア連結部は、前記リニアシャフトに連結されている。前記ロータ連結部は、前記リニア連結部に対して回転可能であり前記ロータシャフトに連結されている。前記ロータ連結部の形状は、前記リニア連結部の一部を収容可能な形状である
【0007】
本開示の一態様に係る実装システムは、前記ヘッドユニットと、保持装置と、を備える。前記保持装置は、前記捕捉部に捕捉された前記対象物が実装される実装部材を保持する。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、捕捉部の位置制御の精度を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係るアクチュエータの正面図である。
図2図2は、同上のアクチュエータの正面図であって、ハウジングの図示を省略した図である。
図3図3は、図1の領域X1における、同上のアクチュエータの断面図である。
図4図4は、図1の領域X2における、同上のアクチュエータの断面図である。
図5図5は、同上のアクチュエータの要部の分解斜視図である。
図6図6は、同上のアクチュエータの別の要部の分解斜視図である。
図7図7は、図3のVII-VII線に対応する、同上のアクチュエータの断面図である。
図8図8は、同上のアクチュエータを備える実装システムの平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX線に対応する位置における、同上の実装システムの正面図である。
図10図10は、同上の実装システムの要部の側面図である。
図11図11は、変形例1に係る実装システムの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、実施形態に係るアクチュエータ、ヘッドユニット及び実装システムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、図1等において、第1方向D1を表す矢印及び第2方向D2を表す矢印は、説明のために図示しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0011】
(概要)
図1に示すように、アクチュエータ1は、取付部52を有する。取付部52には、捕捉部10a(図10参照)が取付可能である。捕捉部10aは、対象物102b(図9参照)に対する操作を実行する部位である。上記操作は、対象物102bを捕捉する操作である。アクチュエータ1は、取付部52を有するロータシャフト5をロータシャフト5の軸線方向に直線的に移動させ、また、回転させることで、取付部52を所望の位置に移動させ、かつ、取付部52の回転角を所望の回転角にする。その後、捕捉部10aによる操作が実行される。
【0012】
アクチュエータ1は、ヘッドユニット10(図10参照)に用いられる。すなわち、ヘッドユニット10は、アクチュエータ1を備える。ヘッドユニット10は、捕捉部10a(図10参照)を更に備える。捕捉部10aは、取付部52に設けられ、対象物102bを捕捉する。すなわち、取付部52は、捕捉部10aを介して対象物102bを捕捉する操作をする。本実施形態の捕捉部10aは、取付部52に取り外し可能に取り付けられるが、捕捉部10aは、取付部52から取り外し不可能であってもよい。また、捕捉部10aは、取付部52の一部又は全部であってもよい。
【0013】
捕捉部10aは、例えば、対象物102bを吸着することで、対象物102bを捕捉する。より詳細には、捕捉部10aは、対象物102bを真空吸着する。
【0014】
本実施形態の対象物102bは、電子部品である。ヘッドユニット10は、対象物102b(電子部品)を実装部材111(図9参照)に実装する。本実施形態の実装部材111は、基板である。より詳細には、実装部材111は、プリント配線板である。
【0015】
アクチュエータ1は、スケール73(図4参照)及び回転センサ74(図4参照)を備える。回転センサ74は、取付部52の回転角に関する情報をスケール73から読み取る。具体的には、回転センサ74は、取付部52を有するロータシャフト5の回転角を読み取る。アクチュエータ1は、制御装置と共に用いられ、制御装置は、回転センサ74の読取り結果を用いて、取付部52の回転角を制御する。
【0016】
また、アクチュエータ1は、リニアスケール47(図2図3参照)及び位置センサ46(図3参照)を更に備える。位置センサ46は、取付部52の位置に関する情報をリニアスケール47から読み取る。具体的には、位置センサ46は、取付部52と共に第1方向D1及び第2方向D2に移動するリニアシャフト2(後述する)の、第1方向D1及び第2方向D2における位置に関する情報を読み取る。制御装置は、位置センサ46で読み取られた情報を用いて、取付部52の第1方向D1及び第2方向D2における位置を制御する。
【0017】
ヘッドユニット10は、実装システム100に用いられる。すなわち、実装システム100は、ヘッドユニット10を備える。実装システム100は、保持装置101(図9参照)を更に備える。保持装置101は、実装部材111を保持する。捕捉部10aに捕捉された対象物102bは、実装部材111に実装される。
【0018】
図3図4に示すように、本実施形態のアクチュエータ1は、リニアシャフト2と、ロータシャフト5と、リニア駆動部3と、ロータ駆動部6と、リニア連結部82と、ロータ連結部83と、を備える。リニアシャフト2の軸線は、第1方向D1及び第2方向D2に沿っている。第2方向D2は、第1方向D1に対して反対方向である。ロータシャフト5は、リニアシャフト2に対して第2方向D2に並んでいる。ロータシャフト5の軸線は、第1方向D1及び第2方向D2に沿っている。ロータシャフト5は、第2方向D2における端部に、取付部52を有する。取付部52には、対象物102bを捕捉する捕捉部10aが取付可能である。リニア駆動部3は、リニアシャフト2をロータシャフト5と共に第1方向D1及び第2方向D2に移動させるリニア駆動力をリニアシャフト2に与える。ロータ駆動部6は、ロータシャフト5をリニアシャフト2に対して回転させる回転駆動力をロータシャフト5に与える。リニア連結部82は、リニアシャフト2に連結されている。ロータ連結部83は、リニア連結部82に対して回転可能でありロータシャフト5に連結されている。
【0019】
本実施形態のアクチュエータ1によれば、ロータシャフト5がロータ駆動部6から与えられた回転駆動力で回転するとき、リニアシャフト2が回転することを抑制できる。そのため、取付部52(及び捕捉部10a)の位置を精度良く制御できる。
【0020】
例えば、仮にリニアシャフト2が回転すると、位置センサ46は、第1方向D1及び第2方向D2への移動と回転との両方を行うリニアシャフト2の位置を検知する必要がある。このような位置検知は、回転しないリニアシャフト2の位置を検知することと比較して困難であるため、検知精度が低下する可能性がある。本実施形態では、リニアシャフト2の回転を抑制することで、検知精度を改善し、これにより、取付部52(及び捕捉部10a)の位置制御の精度を向上させることができる。
【0021】
(詳細)
(1)アクチュエータ
上述の通り、アクチュエータ1は、リニアシャフト2と、ロータシャフト5と、リニア駆動部3と、ロータ駆動部6と、リニア連結部82と、ロータ連結部83と、を備える。また、図3に示すように、アクチュエータ1は、2つのベアリング(第1ベアリング81)と、規制部材41と、第1基板42と、第1外筒部441と、第2外筒部442と、カバー45(図4参照)と、位置センサ46と、リニアスケール47と、2つのブッシュ48と、2つの締結部材F1、F2と、を備える。さらに、図4に示すように、アクチュエータ1は、スプラインナット71と、ガイド部材72と、スケール73(ロータリスケール)と、回転センサ74と、第2基板75と、第2ベアリング76と、第3ベアリング77と、シム78と、復帰部材79と、ハウジング9と、を備える。
【0022】
(2)ハウジング
図1図3図4に示すように、ハウジング9は、第1方向D1に長さを有する。ハウジング9は、第1ブロック91と、第2ブロック92と、第3ブロック93と、第4ブロック94と、を有する。第1ブロック91、第2ブロック92、第3ブロック93及び第4ブロック94は、この順で第2方向D2に並んでいる。
【0023】
第1ブロック91は、第2方向D2における一端が開口した箱状に形成されている。第1ブロック91には、リニアシャフト2のうち、第1方向D1における一端部21(図2参照)を含む部分が収容されている。
【0024】
第2ブロック92は、第1ブロック91と第3ブロック93とを連結している。第2ブロック92は、リニアシャフト2の一部を収容する第1外筒部441を保持している。
【0025】
第3ブロック93は、第2ブロック92と第4ブロック94とを連結している。第3ブロック93は、筒状に形成されている。第3ブロック93は、ロータシャフト5の一部を収容している。
【0026】
第4ブロック94は、箱状に形成されている。第4ブロック94は、第1方向D1における一端部及び第2方向D2における一端部にそれぞれ、開口部を有する。第4ブロック94は、ロータシャフト5の一部を収容している。第4ブロック94のうち第2方向D2における上記一端部の開口部からは、ロータシャフト5のうち取付部52を含む部位が突出している。
【0027】
(3)リニアシャフト及びリニア連結部
図2図3に示すように、リニアシャフト2の形状は、円柱状である。リニアシャフト2は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能なように、規制部材41等に保持されている。
【0028】
リニアシャフト2のうち、第1方向D1における一端部21には、リニアスケール47が取り付けられている。リニアシャフト2のうち、第2方向D2における一端部22は、リニア連結部82に連結されている。リニア連結部82は、リニアシャフト2に対して第2方向D2に並んでいる。
【0029】
リニアシャフト2は、磁石ユニットU1と、柱部26と、を有する。柱部26は、リニアシャフト2のうち第1方向D1における一端部21を含む。磁石ユニットU1は、リニアシャフト2のうち、第2方向D2における一端部22を含む。柱部26は、磁石ユニットU1に連結されている。柱部26は、磁石ユニットU1に対して第1方向D1に並んでいる。
【0030】
磁石ユニットU1は、複数(図3では12個)の永久磁石23と、内筒部25と、を有する。
【0031】
複数の永久磁石23は、第1方向D1に並んでいる。内筒部25の形状は、筒状である。内筒部25は、複数の永久磁石23を収容している。
【0032】
複数の永久磁石23は、互いに隣り合う側の端部の極(S極又はN極)が同極となるように並べられている。例えば、複数の永久磁石23のうちの1つである第1の永久磁石と、第1の永久磁石に隣り合う第2の永久磁石とは、S極を対向させており、第2の永久磁石と、第2の永久磁石に隣り合う第3の永久磁石とは、N極を対向させている。
【0033】
図5に示すように、柱部26の形状は、円柱状である。柱部26は、その側面に、複数(4つ。図5では2つのみを図示)の溝部261を有する。複数の溝部261は、第1方向D1に延びている。
【0034】
図3に示すように、リニア連結部82は、リニアシャフト2のうち第2方向D2における一端部22に連結されている。すなわち、リニア連結部82は、磁石ユニットU1に連結されている。リニア連結部82は、磁石ユニットU1に対して第2方向D2に並んでいる。リニア連結部82の形状は、柱状(より詳細には、円柱状)である。リニア連結部82は、2つの第1ベアリング81に連結されている。
【0035】
(4)リニア駆動部
図3に示すように、リニア駆動部3は、複数(図3では12個)のコイル31を含んでいる。複数のコイル31は、第1方向D1に並んでいる。複数のコイル31の内側には、リニアシャフト2が通されている。
【0036】
一例として、U相、V相及びW相の3つのコイル31を1組として、複数組(図3では4組)のコイル31が第1方向D1に並んでいる。複数のコイル31は、第1外筒部441に収容されている。
【0037】
リニア駆動部3の内側には、リニアシャフト2の複数の永久磁石23が配置される。複数のコイル31は、外部電源から励磁電流の供給を受けることができる。複数のコイル31に励磁電流が流れると、複数のコイル31と複数の永久磁石23との電磁的相互作用により、リニアシャフト2が第1方向D1又は第2方向D2に駆動される。すなわち、複数のコイル31と複数の永久磁石23とにより、リニアモータが構成されている。
【0038】
(5)規制部材
規制部材41は、リニア連結部82に対して第1方向D1に並んでいる。規制部材41は、リニアシャフト2の移動方向を第1方向D1及び第2方向D2に規制する。
【0039】
図5に示すように、規制部材41は、筒状部411と、フランジ部412と、を有する。筒状部411の形状は、円筒状である。フランジ部412は、筒状部411から筒状部411の径方向に沿って外向きに突出している。
【0040】
筒状部411は、その内面から突出した複数(図5では4つ)の突部413を有する。複数の突部413は、第1方向D1に延びている。複数の突部413は、柱部26の複数の溝部261と一対一で対応している。柱部26は、複数の溝部261にそれぞれ対応する突部413が挿入されるように、筒状部411の内側に配置されている。これにより、リニアシャフト2の移動方向が第1方向D1及び第2方向D2に規制されている。また、これにより、リニアシャフト2の回転が抑制されている。
【0041】
(6)第1基板、位置センサ及びリニアスケール
図3に示すように、第1基板42は、ハウジング9の第1ブロック91に収容されている。第1基板42は、第2ブロック92に固定されている。アクチュエータ1は、第1基板42に実装された複数の電子部品を備える。例えば、アクチュエータ1は、複数の電子部品の一部として、第1基板42に実装された位置センサ46を備える。位置センサ46は、リニアシャフト2の位置を検知する。これにより、第1方向D1及び第2方向D2におけるリニアシャフト2の位置に関する情報が、位置センサ46から出力される。アクチュエータ1の外部の制御装置は、位置センサ46から出力された情報に基づいて、リニア駆動部3の複数のコイル31に供給する電流を制御し、これにより、取付部52の位置を制御する。
【0042】
リニアスケール47は、リニアシャフト2に保持されている。リニアスケール47は、リニアシャフト2と共に第1方向D1及び第2方向D2に移動する。位置センサ46は、リニアスケール47に対向する位置に配置されている。
【0043】
リニアスケール47及び位置センサ46は、リニアエンコーダを構成している。すなわち、アクチュエータ1は、リニアエンコーダを備え、リニアエンコーダは、リニアスケール47及び位置センサ46を有する。リニアエンコーダは、第1方向D1及び第2方向D2におけるリニアシャフト2の位置に関する情報を含む電気信号を出力する。
【0044】
一例として、リニアエンコーダは、光電式リニアエンコーダである。リニアスケール47は、第1方向D1に並んで形成された複数のスリットを含む。位置センサ46は、発光素子と受光素子とを含み、発光素子から出射されスリットを通過した光が、受光素子で受光される。位置センサ46は、受光素子の受光量に応じた電気信号を、リニアシャフト2の位置に関する情報として出力する。アクチュエータ1の外部の制御装置は、受光素子から出力された電気信号に基づいて、第1方向D1及び第2方向D2におけるリニアシャフト2の位置を算出する。
【0045】
(7)第1外筒部、第2外筒部及びカバー
図3に示すように、第1外筒部441の形状は、筒状である。第1外筒部441は、リニアシャフト2の磁石ユニットU1を収容している。さらに、第1外筒部441は、2つの第1ベアリング81と、リニア連結部82と、ロータ連結部83と、ロータシャフト5の一部と、を収容している。
【0046】
第2外筒部442(図4参照)の形状は、筒状である。第2外筒部442は、ロータシャフト5の一部を収容している。
【0047】
カバー45(図4参照)は、第2方向D2における第2外筒部442の一端を覆う。第2方向D2から見たカバー45の形状は、筒状である。カバー45の内側には、ロータシャフト5が通されている。
【0048】
(8)ブッシュ
図3に示すように、2つのブッシュ48の形状は、円筒状である。2つのブッシュ48は、第1外筒部441に収容されている。2つのブッシュ48は、第1方向D1に並んでいる。リニア駆動部3は、2つのブッシュ48の間に挟まれている。
【0049】
(9)ロータシャフト
図4に示すように、ロータシャフト5の形状は、円柱状である。ロータシャフト5は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能、かつ、ロータシャフト5の中心軸を中心に回転可能なように、ガイド部材72等に保持されている。
【0050】
ロータシャフト5のうち、第1方向D1における一端部51は、ロータ連結部83を介して、2つの第1ベアリング81に保持されている。ロータシャフト5のうち、第2方向D2における一端部には、取付部52(図1参照)が設けられている。取付部52は、ハウジング9の外部に露出している。取付部52は、捕捉部10a(図10参照)を着脱可能な構造に形成されている。
【0051】
図6に示すように、ロータシャフト5の形状は、円柱状である。ロータシャフト5は、その側面に、複数(4つ。図6では3つのみを図示)の溝部53を有する。複数の溝部53は、第1方向D1に延びている。
【0052】
(10)ガイド部材
図6に示すように、ガイド部材72の形状は、円筒状である。ガイド部材72は、その内面から突出した複数(図6では4つ)の突部721を有する。複数の突部721は、第1方向D1に延びている。複数の突部721は、ロータシャフト5の複数の溝部53と一対一で対応している。
【0053】
ロータシャフト5は、複数の溝部53にそれぞれ対応する突部721が挿入されるように、ガイド部材72の内側に配置されている。言い換えると、複数の突部721及び複数の溝部53が嵌合している。これにより、ロータシャフト5の移動方向が第1方向D1及び第2方向D2に規制されている。
【0054】
また、複数の突部721及び複数の溝部53が嵌合することでガイド部材72とロータシャフト5とが連結されているため、ガイド部材72は、ロータシャフト5と共に回転可能である。すなわち、ガイド部材72がロータ駆動部6から回転駆動力を受けて回転することで、ロータシャフト5も回転する。
【0055】
(11)ロータ駆動部
図4に示すように、ロータ駆動部6は、回転型モータである。ロータ駆動部6としては、例えば、サーボモータ又はステッピングモータを採用することができる。ロータ駆動部6は、ハウジング9の第4ブロック94に収容されている。
【0056】
ロータ駆動部6は、回転子61と、固定子62と、を有する。固定子62の形状は、第1方向D1に沿った筒状である。回転子61の形状は、固定子62と同心の筒状である。回転子61は、固定子62の内側に配置されている。回転子61の内側には、ロータシャフト5が配置されている。すなわち、回転子61は、ロータシャフト5と同心状に配置されている。回転子61は、ロータシャフト5に連結されている。より詳細には、回転子61は、スプラインナット71及びガイド部材72を介して、ロータシャフト5に連結されている。固定子62は、回転子61を介してロータシャフト5に回転駆動力を与える。
【0057】
一例として、固定子62はコイルを有し、回転子61は永久磁石を有する。回転子61は、固定子62との間の電磁的相互作用により回転する。
【0058】
(12)スプラインナット
図4に示すように、スプラインナット71は、第1方向D1に沿った筒状に形成されており、内側にロータシャフト5を配置している。スプラインナット71、ガイド部材72、スケール73及び回転子61は、互いに固定されている。
【0059】
スプラインナット71は、第1筒部711と、第2筒部712と、を有する。第1筒部711及び第2筒部712は、互いに同心の筒状に形成されている。第1筒部711は、第2筒部712に対して第1方向D1に並んでいる。第1筒部711と第2筒部712とは、一体につながっている。第1筒部711のうち第1方向D1における一端部は、カバー45の内側に通されている。
【0060】
第1筒部711の外径は、第2筒部712の外径よりも小さい。第1筒部711の内径は、第2筒部712の内径よりも小さい。
【0061】
第1筒部711は、ハウジング9の第4ブロック94に収容されている。第1筒部711には、スケール73が取り付けられている。第1方向D1から見たスケール73の形状は環状であり、第1筒部711は、スケール73の内側に通されている。スケール73は、スプラインナット71と共に回転可能である。
【0062】
第1筒部711は、ロータ駆動部6の回転子61の内側に通されている。スプラインナット71は、回転子61と共に回転可能である。
【0063】
第1筒部711の内側には、ロータシャフト5が通されている。第2筒部712の内側には、ガイド部材72が通されている。ガイド部材72は、スプラインナット71と共に回転可能である。ガイド部材72の内側には、ロータシャフト5が通されている。つまり、ガイド部材72は、ロータシャフト5とスプラインナット71との間に配置されている。
【0064】
このように、スプラインナット71の内側には、ロータシャフト5が通されている。回転子61は、スプラインナット71及びガイド部材72を介して、ロータシャフト5に回転駆動力を与える。これにより、回転子61、スプラインナット71、ガイド部材72、ロータシャフト5及びスケール73が一体に回転する。
【0065】
ハウジング9の第3ブロック93には、第2ベアリング76が保持されている。第1方向D1から見た第2ベアリング76の形状は、環状である。第2ベアリング76は、第3ブロック93の内側に配置されている。第2ベアリング76の内側には、スケール73が配置されており、スケール73の内側には、スプラインナット71が配置されている。第2ベアリング76は、スケール73を、スプラインナット71、ガイド部材72及びロータシャフト5と共にハウジング9に対して回転可能なように、ハウジング9に連結している。
【0066】
ハウジング9の第4ブロック94には、第3ベアリング77が保持されている。第1方向D1から見た第3ベアリング77の形状は、環状である。第3ベアリング77は、第4ブロック94の内側に配置されている。第3ベアリング77の内側には、スプラインナット71が配置されている。第3ベアリング77は、スプラインナット71を、スケール73、ガイド部材72及びロータシャフト5と共にハウジング9に対して回転可能なように、ハウジング9に連結している。
【0067】
ロータシャフト5は、ロータ駆動部6からスプラインナット71(及びガイド部材72)を介して回転駆動力を受けて回転する。より詳細には、回転子61が固定子62に対して回転することで、ロータシャフト5も回転する。
【0068】
また、ロータシャフト5は、スプラインナット71に対して第1方向D1及び第2方向D2に移動する。ロータシャフト5において、回転と、第1方向D1又は第2方向D2の移動とは、同時に可能である一方で、回転のみ、又は、第1方向D1の移動のみ若しくは第2方向D2の移動のみも可能である。ガイド部材72は、ロータシャフト5の移動方向を第1方向D1及び第2方向D2に規制する。
【0069】
ガイド部材72と回転子61とは、第1方向D1に並んでいる。より詳細には、ガイド部材72から見て回転子61が位置する方向が第1方向D1であり、回転子61から見てガイド部材72が位置する方向が第2方向D2である。ガイド部材72と回転子61とが第1方向D1に並んでいるので、第1方向D1と直交する方向に並んでいる場合と比較して、第1方向D1から見たアクチュエータ1の寸法を小さくできる。
【0070】
(13)スケール及び回転センサ
図4に示すように、スケール73は、第1方向D1から見て環状のスケール本体731を有する。スケール73は、ロータシャフト5と共に回転可能である。
【0071】
回転センサ74は、第2基板75に実装されている。回転センサ74及び第2基板75は、ハウジング9の第4ブロック94に収容されている。回転センサ74は、スケール73と対向する位置に配置されている。
【0072】
スケール73及び回転センサ74は、ロータリエンコーダを構成している。すなわち、アクチュエータ1は、ロータリエンコーダを備え、ロータリエンコーダは、スケール73及び回転センサ74を有する。ロータリエンコーダは、回転子61の回転角(すなわち、ロータシャフト5の回転角)に関する情報を含む電気信号を出力する。
【0073】
一例として、ロータリエンコーダは、光電式ロータリエンコーダである。スケール本体731は、スケール本体731の周方向に並んで形成された複数のスリットを含む。回転センサ74は、発光素子と受光素子とを含み、発光素子から出射されスリットを通過した光が、受光素子で受光される。回転センサ74は、受光素子の受光量に応じた電気信号を、回転子61の回転角に関する情報として出力する。アクチュエータ1の外部の制御装置は、受光素子から出力された電気信号に基づいて、回転子61の回転角を算出する。
【0074】
このように、スケール73は、固定子62に対する回転子61の回転角に関する情報を回転センサ74に提示する。スケール73は、スプラインナット71と一体に回転可能である。より詳細には、スケール73は、スプラインナット71に固定可能である。本実施形態では、スケール73は、スプラインナット71に予め固定されている。
【0075】
アクチュエータ1の外部の制御装置は、回転センサ74から出力された情報に基づいて、ロータ駆動部6に供給する電流を制御し、これにより、取付部52の回転角を制御する。
【0076】
(14)シム及び復帰部材
図4に示すように、シム78は、第2外筒部442の内側に固定されている。第1方向D1から見たシム78の形状は、環状である。シム78の内側には、ロータシャフト5が通されている。シム78は、スプラインナット71に対して第1方向D1に並んでいる。シム78は、復帰部材79を支持する支持部材である。
【0077】
復帰部材79は、スプラインナット71とロータ連結部83との間に配置されている。復帰部材79は、リニアシャフト2を第1方向D1に移動させる力を発生させる。より詳細には、復帰部材79は、2つの第1ベアリング81を含む連結ユニット8(後述する)と、シム78と、の間に挟まれている。復帰部材79は、連結ユニット8に対して第1方向D1の力を与える。これにより、リニアシャフト2が第1方向D1に移動する。復帰部材79は、例えば、圧縮コイルばねである。
【0078】
連結ユニット8は、リニアシャフト2及びロータシャフト5と共に第1方向D1及び第2方向D2に移動可能である。
【0079】
リニアシャフト2は、リニア駆動部3からリニア駆動力を受けて、復帰部材79を圧縮させながら第2方向D2に移動可能である。その後、リニア駆動力が失われると、復帰部材79の復帰力により、リニアシャフト2が第1方向D1に移動する。
【0080】
(15)連結ユニット
図3図7に示すように、アクチュエータ1は、連結ユニット8を備える。リニアシャフト2は、連結ユニット8を介してロータシャフト5に連結されている。
【0081】
連結ユニット8は、2つの第1ベアリング81と、リニア連結部82と、ロータ連結部83と、を有する。ロータ連結部83は、2つの第1ベアリング81を介してリニア連結部82に連結されている。
【0082】
2つの第1ベアリング81は、第1方向D1と直交する方向においてリニア連結部82とロータ連結部83との間に配置されている。より詳細には、ロータ連結部83の内側に2つの第1ベアリング81が配置されており、2つの第1ベアリング81の内側にリニア連結部82が配置されている。つまり、ロータ連結部83の形状は、第1方向D1に沿った筒状であり、リニア連結部82の少なくとも一部は、ロータ連結部83の内側に位置する。
【0083】
2つの第1ベアリング81は、第1方向D1に並んでいる。以下では、2つの第1ベアリング81を区別して、一方を第1ベアリング81Aと称し、他方を第1ベアリング81Bと称することがある。第1ベアリング81Bから見て第1ベアリング81Aが位置する方向が第1方向D1である。2つの第1ベアリング81の構成は互いに同じである。なお、上述の第2ベアリング76及び第3ベアリング77の構成は、第1ベアリング81の構成と同じである。
【0084】
第1ベアリング81は、内輪811と、外輪812と、複数(図7では6つ)の転動体813と、を含む。内輪811の形状は、第1方向D1に沿った筒状(より詳細には、円筒状)である。外輪812の形状は、第1方向D1に沿った筒状(より詳細には、円筒状)である。さらに詳細には、外輪812の形状は、内輪811と同心の円筒状である。内輪811の直径は、外輪812の直径よりも小さい。内輪811は、外輪812の内側に配置されている。
【0085】
内輪811は、リニア連結部82に連結されている。リニア連結部82は、内輪811の内側に通されている。第1ベアリング81Bの内輪811は、締結部材F1(ボルト)によりリニア連結部82に連結されている。
【0086】
外輪812は、ロータ連結部83に連結されている。外輪812、ロータ連結部83及びロータシャフト5は共に、内輪811、リニア連結部82及びリニアシャフト2に対して回転可能である。
【0087】
複数の転動体813は、第1方向D1と直交する方向において内輪811と外輪812との間に配置されている。各転動体813の一例は、ベアリングボール(鋼球)又は“ころ”である。本実施形態の各転動体813は、ベアリングボールである。
【0088】
第1ベアリング81が複数個(2つ)設けられているので、第1ベアリング81が1つのみ設けられている場合と比較して、リニアシャフト2の第1方向D1及び第2方向D2の移動が安定しやすい。すなわち、リニアシャフト2が第1方向D1及び第2方向D2に対して斜めに移動する可能性を低減させることができる。また、第1ベアリング81が1つのみ設けられている場合と比較して、リニアシャフト2及びロータシャフト5のそれぞれの軸中心の位置のぶれを低減させることができる。
【0089】
ロータ連結部83の形状は、第1方向D1に沿った筒状である。2つの第1ベアリング81は、リニア連結部82とロータ連結部83との間に挟まれている。より詳細には、ロータ連結部83に、2つの第1ベアリング81が収容されており、2つの第1ベアリング81の内側に、リニア連結部82が挿入されている。
【0090】
ロータ連結部83は、ロータシャフト5のうち第1方向D1における一端部51に連結されている。ロータ連結部83は、締結部材F2(ボルト)によりロータシャフト5に連結されている。
【0091】
(16)動作
リニア駆動部3のコイル31が励磁されると、リニアシャフト2、連結ユニット8及びロータシャフト5(図3参照)は、第1方向D1又は第2方向D2に移動する。このとき、リニア駆動部3、スケール73、回転センサ74、ロータ駆動部6、スプラインナット71及びガイド部材72等(図4参照)の第1方向D1及び第2方向D2における位置は変化しない。
【0092】
ロータ駆動部6の回転子61が固定子62との間の電磁的相互作用により回転すると、回転子61に連結されたスプラインナット71が回転する。このとき、スケール73、ガイド部材72、ロータシャフト5、ロータ連結部83、及び、2つの第1ベアリング81の各々の外輪812もスプラインナット71と共に回転する。一方で、回転センサ74、リニアシャフト2、リニア連結部82、及び、2つの第1ベアリング81の各々の内輪811は回転しない。
【0093】
(17)実装システム及びヘッドユニット
次に、図8図10を参照して、実装システム100及びヘッドユニット10について説明する。なお、図8図10におけるX軸、Y軸及びZ軸を表す矢印は、説明のために図示しているに過ぎず、実体を伴わない。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交する。
【0094】
本実施形態では、Z軸の負の方向が鉛直方向(下方向)と一致するが、実装システム100、ヘッドユニット10及びアクチュエータ1の使用時の方向をこれにより限定する趣旨ではない。また、図8図10では、図1図7と比較して、ヘッドユニット10のアクチュエータ1を抽象化して図示している。
【0095】
ヘッドユニット10は、複数(図8では8つ)のアクチュエータ1と、複数(8つ。図10では4つのみを図示)の捕捉部10aと、基板認識カメラ10bと、を備える。実装システム100は、複数(図8では2つ)のヘッドユニット10と、保持装置101と、複数(図8では2つ)の部品供給装置102と、複数(図8では2つ)のX軸ビーム103と、複数(図8では2つ)のY軸ビーム104と、複数(図8では2つ)の部品認識カメラ105と、台車106と、を備える。
【0096】
各部品供給装置102は、複数のテープフィーダ102aを含む。複数のテープフィーダ102aは、X軸方向に並んでいる。複数のテープフィーダ102aの各々は、対象物102b(電子部品)を保持しているテープ(キャリアテープ102c)をテープ送りすることで、対象物102bを所定のセット位置まで搬送する。ここで、テープ送りとは、テープリール102dにテープを巻き取る動作とは逆の、テープを展開する動作である。
【0097】
保持装置101は、実装部材111(基板)を保持する。また、保持装置101は、実装部材111を所定の作業位置へ搬送する搬送装置としての機能を有する。ヘッドユニット10は、セット位置に存在する対象物102bを捕捉し、作業位置に存在する実装部材111に実装する。その後、保持装置101は、実装部材111を搬出する。
【0098】
2つのY軸ビーム104は、実装部材111がセットされる作業位置に対して、X軸の正負の側(両側)に配置されている。各Y軸ビーム104は、Y軸方向に長さを有する。
【0099】
2つのX軸ビーム103は、作業位置に対して、Y軸の正負の側(両側)に配置されている。各X軸ビーム103は、X軸方向に長さを有する。各X軸ビーム103は、2つのY軸ビーム104に連結されている。2つのX軸ビーム103は、2つのヘッドユニット10と一対一で対応する。各X軸ビーム103は、対応するヘッドユニット10を保持している。
【0100】
2つのY軸ビーム104は、2つのX軸ビーム103を個別に、Y軸方向に搬送する。これにより、2つのY軸ビーム104は、2つのヘッドユニット10を個別にY軸方向に搬送する。2つのX軸ビーム103は、対応するヘッドユニット10をX軸方向に搬送する。これにより、ヘッドユニット10は、複数のテープフィーダ102aのうち、所望のテープフィーダ102aの近傍まで搬送される。
【0101】
基板認識カメラ10bは、実装部材111(基板)に設けられたマークを撮像して実装部材111の位置を認識する。また、基板認識カメラ10bはテープフィーダ102aのセット位置の上方に移動し、セット位置付近のキャリアテープ102cの状態を認識する。
【0102】
部品認識カメラ105は、ヘッドユニット10に捕捉された対象物102bを撮像して対象物102bの姿勢を認識する。実装部材111へ対象物102bを実装する際には、部品認識カメラ105による対象物102bの認識結果と、基板認識カメラ10bによる実装部材111の位置の認識結果とに基づいて、対象物102bの実装位置の補正が行われる。
【0103】
台車106は、保持装置101に対して固定される。台車106は、複数のテープフィーダ102aと、複数のテープリール102dと、を保持する。各テープリール102dには、キャリアテープ102cが巻かれている。各キャリアテープ102cの一部は展開されて、対応するテープフィーダ102aに保持される。
【0104】
図9図10に示すように、各ヘッドユニット10の複数の捕捉部10aの各々は、対象物102bを吸着する吸着ノズルである。複数の捕捉部10aは、複数のアクチュエータ1と一対一で対応している。各捕捉部10aは、対応するアクチュエータ1の取付部52に取り付けられている。
【0105】
各ヘッドユニット10は、X軸ビーム103及びY軸ビーム104によりテープフィーダ102aの近傍(セット位置の真上)まで搬送される。その後、ヘッドユニット10の複数のアクチュエータ1の各々において、リニア駆動部3のリニア駆動力により、取付部52及び捕捉部10aがZ軸方向(第1方向D1及び第2方向D2)に移動させられる。これにより、捕捉部10aは、セット位置に存在する対象物102bに接近し、対象物102bを捕捉することができる。
【0106】
さらに、ヘッドユニット10は、X軸ビーム103及びY軸ビーム104により実装部材111の近傍(真上)まで搬送される。その後、ヘッドユニット10の複数のアクチュエータ1の各々において、ロータ駆動部6のロータ駆動力により、取付部52及び捕捉部10aは、Z軸と平行な中心軸を中心に回転させられる。これにより、捕捉部10aの回転角が、対象物102bを実装部材111に実装するのに好適な回転角にされる。さらに、リニア駆動部3のリニア駆動力により、取付部52及び捕捉部10aがZ軸方向(第1方向D1及び第2方向D2)に移動させられる。これにより、対象物102bが実装部材111に実装される。
【0107】
(利点)
次に、本実施形態のアクチュエータ1の構成を採用する利点を説明する。
【0108】
仮に、リニアシャフト2の位置とロータシャフト5の位置とが本実施形態とは逆であって、リニアシャフト2に取付部52が設けられていると、ロータシャフト5が回転したとき、リニアシャフト2及び取付部52も一緒に回転することになる。この場合、位置センサ46は、第1方向D1及び第2方向D2への移動と回転との両方を行うリニアシャフト2の位置を検知する必要がある。このような位置検知は、第1方向D1及び第2方向D2への移動のみを行うリニアシャフト2の位置を検知することと比較して困難であるため、検知精度が低下する可能性がある。例えば、本実施形態のように第1方向D1に並ぶ複数のスリットを含むリニアスケール47を用いる場合は、リニアシャフト2が回転すると、位置センサ46による位置検知は困難である。これに対して、本実施形態では、ロータシャフト5が回転する際にリニアシャフト2が回転しないため、リニアシャフト2の位置検知の精度の低下を抑制することができる。
【0109】
また、本実施形態では、第1ベアリング81が複数(2つ)設けられている。そのため、第1ベアリング81の個数が1つの場合と比較して、リニアシャフト2の移動方向が第1方向D1及び第2方向D2に制限されやすく、リニアシャフト2の移動を安定させられる。よって、取付部52(及び捕捉部10a)の位置制御の精度を向上させることができる。
【0110】
また、複数(2つ)の第1ベアリング81は、リニア連結部82とロータ連結部83との間に挟まれている。例えば、一部の第1ベアリング81がリニアシャフト2の柱部26と接するように配置されている場合、アクチュエータ1におけるその他の構成及び寸法が実施形態と同じであると、リニアシャフト2が第2方向D2に移動する際に複数の第1ベアリング81とリニア駆動部3とが干渉する。そこで、干渉を避けるために、第1ベアリング81の長さだけアクチュエータ1の長さを長くする必要が生じる。そのため、取付部52の位置制御の精度が低下する可能性がある。これに対して、本実施形態では、複数の第1ベアリング81はリニア連結部82とロータ連結部83との間に設けられるため、アクチュエータ1の長さを短くできることがある。よって、取付部52の位置制御の精度を向上させることができる。
【0111】
(変形例1)
以下、変形例1に係るアクチュエータ1Aについて、図11を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0112】
本変形例1のガイド部材72と回転子61とは、第1方向D1と直交する方向に並んでいる。この点で、本変形例1のアクチュエータ1Aは実施形態のアクチュエータ1と相違する。
【0113】
回転子61は、筒状に形成されており、回転子61の内側には、スプラインナット71の第2筒部712が通されている。スプラインナット71の内側には、ガイド部材72が通されている。ガイド部材72の内側には、ロータシャフト5が通されている。回転子61の回転力は、スプラインナット71及びガイド部材72を介して、ロータシャフト5に伝達される。
【0114】
上述の実施形態では、ロータシャフト5のうち、周囲にガイド部材72が配置される第1領域と、周囲に回転子61が配置される第2領域と、が個別に存在し、第1領域と第2領域とが第1方向D1に並んでいる。これに対して、本変形例1では、第1領域と第2領域とが一致している。そのため、本変形例1では、実施形態と比較して、第1方向D1におけるロータシャフト5の長さを短くすることができる。すなわち、第1方向D1におけるアクチュエータ1の長さを短くすることができる。具体的には、本変形例1では、実施形態と比較して、第1方向D1における回転子61の長さの分だけ、ロータシャフト5の長さを短くできる。
【0115】
(その他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の変形例1と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0116】
第1ベアリング81の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0117】
実施形態では、リニア連結部82の少なくとも一部は、ロータ連結部83の内側に配置されている。これに対して、リニア連結部82を第1方向D1に沿った筒状に形成し、ロータ連結部83の少なくとも一部は、リニア連結部82の内側に配置されていてもよい。
【0118】
リニア連結部82とロータ連結部83とが1以上の第1ベアリング81を介して連結されていることは必須ではない。例えば、ロータ連結部83がリニア連結部82に対して、潤滑油を介して外接することで、ロータ連結部83がリニア連結部82に対して回転可能に構成されていてもよい。
【0119】
1又は複数の第1ベアリング81の内輪811は、リニア連結部82に埋め込まれていてもよい。また、リニア連結部82の一部が、内輪811として機能してもよい。
【0120】
1又は複数の第1ベアリング81の外輪812は、ロータ連結部83に埋め込まれていてもよい。また、ロータ連結部83の一部が、外輪812として機能してもよい。
【0121】
リニア連結部82がリニアシャフト2に連結されているとは、リニア連結部82がリニアシャフト2の一部である場合を含む。すなわち、リニア連結部82は、リニアシャフト2の一部であってもよい。
【0122】
ロータ連結部83がロータシャフト5に連結されているとは、ロータ連結部83がロータシャフト5の一部である場合を含む。すなわち、ロータ連結部83は、ロータシャフト5の一部であってもよい。
【0123】
リニアスケール47及び位置センサ46を含むリニアエンコーダは、光電式リニアエンコーダに限定されず、例えば、磁気式リニアエンコーダであってもよい。
【0124】
スケール73及び回転センサ74を含むロータリエンコーダは、光電式ロータリエンコーダに限定されず、例えば、磁気式ロータリエンコーダであってもよい。
【0125】
アクチュエータ1は、位置センサ46及び回転センサ74のうち少なくとも一方を備えていなくてもよい。例えば、取付部52の位置及び回転角が、アクチュエータ1の外部の位置センサ及び回転センサにより読み取られてもよい。
【0126】
スケール73とスプラインナット71とが、1つの部材から構成されていてもよい。
【0127】
復帰部材79は、圧縮コイルばね等のばねに限定されない。復帰部材79は、例えば、エアばね、シリンダ、又はダンパーであってもよい。
【0128】
捕捉部10aは、対象物102bを吸着する構成に限らず、例えば、ロボットハンドのように対象物102bを挟む(摘む)ことによって捕捉する構成でもよい。
【0129】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0130】
第1の態様に係るヘッドユニット(10)は、リニアシャフト(2)と、ロータシャフト(5)と、捕捉部(10a)と、リニア駆動部(3)と、ロータ駆動部(6)と、リニア連結部(82)と、ロータ連結部(83)と、を備える。リニアシャフト(2)の軸線は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)に沿っている。第2方向(D2)は、第1方向(D1)に対して反対方向である。ロータシャフト(5)は、リニアシャフト(2)に対して第2方向(D2)に並んでいる。ロータシャフト(5)の軸線は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)に沿っている。捕捉部(10a)は、ロータシャフト(5)の第2方向(D2)における端部に設けられ、対象物(102b)を捕捉する。リニア駆動部(3)は、リニアシャフト(2)をロータシャフト(5)と共に第1方向(D1)及び第2方向(D2)に移動させるリニア駆動力をリニアシャフト(2)に与える。ロータ駆動部(6)は、ロータシャフト(5)をリニアシャフト(2)に対して回転させる回転駆動力をロータシャフト(5)に与える。リニア連結部(82)は、リニアシャフト(2)に連結されている。ロータ連結部(83)は、リニア連結部(82)に対して回転可能でありロータシャフト(5)に連結されている。
【0131】
上記の構成によれば、ロータシャフト(5)がロータ駆動部(6)から与えられた回転駆動力で回転するとき、リニアシャフト(2)が回転することを抑制できる。そのため、捕捉部(10a)の位置を精度良く制御できる。
【0132】
また、第2の態様に係るヘッドユニット(10)では、第1の態様において、ベアリング(第1ベアリング81)を更に備える。ベアリング(第1ベアリング81)は、第1方向(D1)と直交する方向においてリニア連結部(82)とロータ連結部(83)との間に配置される。
【0133】
上記の構成によれば、ロータ連結部(83)がリニア連結部(82)に対して回転しやすく、ヘッドユニット(10)の動作を安定させられる。
【0134】
また、第3の態様に係るヘッドユニット(10)は、第2の態様において、ベアリング(第1ベアリング81)を複数備える。複数のベアリング(第1ベアリング81)は、第1方向(D1)に並んでいる。
【0135】
上記の構成によれば、ベアリング(第1ベアリング81)の個数が1つの場合と比較して、リニアシャフト(2)の移動方向が第1方向(D1)及び第2方向(D2)に制限されやすく、リニアシャフト(2)の移動を安定させられる。
【0136】
また、第4の態様に係るヘッドユニット(10)では、第3の態様において、複数のベアリング(第1ベアリング81)は、リニア連結部(82)とロータ連結部(83)との間に挟まれている。
【0137】
上記の構成によれば、複数のベアリング(第1ベアリング81)をロータ連結部(83)とリニア連結部(82)との間に配置できる。よって、ヘッドユニット(10)の長さを短くできる。
【0138】
また、第5の態様に係るヘッドユニット(10)では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、ロータ連結部(83)の形状は、第1方向(D1)に沿った筒状である。リニア連結部(82)の少なくとも一部は、ロータ連結部(83)の内側に位置する。
【0139】
上記の構成によれば、第1方向(D1)におけるヘッドユニット(10)の長さを短くできる。
【0140】
また、第6の態様に係るヘッドユニット(10)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、ロータ駆動部(6)は、回転子(61)と、固定子(62)と、を有する。回転子(61)は、ロータシャフト(5)と同心状に配置されロータシャフト(5)に連結されている。固定子(62)は、回転子(61)を介してロータシャフト(5)に回転駆動力を与える。固定子(62)の形状は、第1方向(D1)に沿った筒状であり、回転子(61)は、固定子(62)の内側に配置されている。
【0141】
上記の構成によれば、回転子(61)とロータシャフト(5)とが同心状に配置されているので、第1方向(D1)と直交する方向におけるヘッドユニット(10)の寸法を小さくできる。
【0142】
また、第7の態様に係るヘッドユニット(10)は、第6の態様において、スプラインナット(71)と、ガイド部材(72)と、を更に備える。スプラインナット(71)は、第1方向(D1)に沿った筒状に形成されており、内側にロータシャフト(5)を配置している。ガイド部材(72)は、ロータシャフト(5)とスプラインナット(71)との間に配置され、ロータシャフト(5)の移動方向を第1方向(D1)及び第2方向(D2)に規制する。ロータシャフト(5)は、ロータ駆動部(6)からスプラインナット(71)を介して回転駆動力を受けて回転する。ロータシャフト(5)は、スプラインナット(71)に対して第1方向(D1)及び第2方向(D2)に移動する。ガイド部材(72)と回転子(61)とは、第1方向(D1)に並んでいる。
【0143】
上記の構成によれば、ガイド部材(72)と回転子(61)とが第1方向(D1)に並んでいるので、第1方向(D1)と直交する方向におけるヘッドユニット(10)の寸法を小さくできる。
【0144】
また、第8の態様に係るヘッドユニット(10)では、第6の態様において、スプラインナット(71)と、ガイド部材(72)と、を更に備える。スプラインナット(71)は、第1方向(D1)に沿った筒状に形成されており、内側にロータシャフト(5)を配置している。ガイド部材(72)は、ロータシャフト(5)とスプラインナット(71)との間に配置され、ロータシャフト(5)の移動方向を第1方向(D1)及び第2方向(D2)に規制する。ロータシャフト(5)は、ロータ駆動部(6)からスプラインナット(71)を介して回転駆動力を受けて回転する。ロータシャフト(5)は、スプラインナット(71)に対して第1方向(D1)及び第2方向(D2)に移動する。ガイド部材(72)と回転子(61)とは、第1方向(D1)と直交する方向に並んでいる。
【0145】
上記の構成によれば、ガイド部材(72)と回転子(61)とが第1方向(D1)と直交する方向に並んでいるので、第1方向(D1)におけるヘッドユニット(10)の寸法を小さくできる。
【0146】
また、第9の態様に係るヘッドユニット(10)は、第7又は8の態様において、スケール(73)を更に備える。スケール(73)は、固定子(62)に対する回転子(61)の回転角に関する情報を回転センサ(74)に提示する。スケール(73)は、スプラインナット(71)と一体に回転可能である。
【0147】
上記の構成によれば、回転子(61)の回転角を測定できる。
【0148】
また、第10の態様に係るヘッドユニット(10)は、第7~9の態様のいずれか1つにおいて、復帰部材(79)を更に備える。復帰部材(79)は、スプラインナット(71)とロータ連結部(83)との間に配置され、リニアシャフト(2)を第1方向(D1)に移動させる力を発生させる。
【0149】
上記の構成によれば、リニアシャフト(2)が第2方向(D2)に移動した後、復帰部材(79)で発生する力により、リニアシャフト(2)を第1方向(D1)に移動させることができる。
【0150】
また、第11の態様に係るヘッドユニット(10)は、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、規制部材(41)を更に備える。規制部材(41)は、リニア連結部(82)に対して第1方向(D1)に並んでおり、リニアシャフト(2)の移動方向を第1方向(D1)及び第2方向(D2)に規制する。
【0151】
上記の構成によれば、リニアシャフト(2)の移動方向が安定しやすい。
【0152】
第1の態様以外の構成については、ヘッドユニット(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0153】
また、第12の態様に係るアクチュエータ(1、1A)は、リニアシャフト(2)と、ロータシャフト(5)と、リニア駆動部(3)と、ロータ駆動部(6)と、リニア連結部(82)と、ロータ連結部(83)と、を備える。リニアシャフト(2)の軸線は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)に沿っている。第2方向(D2)は、第1方向(D1)に対して反対方向である。ロータシャフト(5)は、リニアシャフト(2)に対して第2方向(D2)に並んでいる。ロータシャフト(5)の軸線は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)に沿っている。ロータシャフト(5)は、第2方向(D2)における端部に、取付部(52)を有する。取付部(52)には、対象物(102b)を捕捉する捕捉部(10a)が取付可能である。リニア駆動部(3)は、リニアシャフト(2)をロータシャフト(5)と共に第1方向(D1)及び第2方向(D2)に移動させるリニア駆動力をリニアシャフト(2)に与える。ロータ駆動部(6)は、ロータシャフト(5)をリニアシャフト(2)に対して回転させる回転駆動力をロータシャフト(5)に与える。リニア連結部(82)は、リニアシャフト(2)に連結されている。ロータ連結部(83)は、リニア連結部(82)に対して回転可能でありロータシャフト(5)に連結されている。
【0154】
上記の構成によれば、捕捉部(10a)の位置を精度良く制御できる。
【0155】
また、第13の態様に係る実装システム(100)は、第1~11の態様のいずれか1つに係るヘッドユニット(10)と、保持装置(101)と、を備える。保持装置(101)は、捕捉部(10a)に捕捉された対象物(102b)が実装される実装部材(111)を保持する。
【0156】
上記の構成によれば、捕捉部(10a)の位置を精度良く制御できる。
【符号の説明】
【0157】
1、1A アクチュエータ
2 リニアシャフト
3 リニア駆動部
5 ロータシャフト
6 ロータ駆動部
10 ヘッドユニット
10a 捕捉部
41 規制部材
52 取付部
61 回転子
62 固定子
71 スプラインナット
72 ガイド部材
73 スケール
74 回転センサ
79 復帰部材
81 第1ベアリング(ベアリング)
82 リニア連結部
83 ロータ連結部
100 実装システム
101 保持装置
102b 対象物
111 実装部材
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11