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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】液体薬剤の移送装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20241108BHJP
   A61J 1/00 20230101ALI20241108BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61J1/20 316Z
A61J1/00 A
A61M5/142
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020211161
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097909
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000230250
【氏名又は名称】日本メジフィジックス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594118958
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサル技研
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中川原 潤
(72)【発明者】
【氏名】原藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-312977(JP,A)
【文献】特開2019-166302(JP,A)
【文献】実開昭60-013465(JP,U)
【文献】特開2020-146456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61J 1/00
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
を備え、
前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
前記制御部は、前記抽出位置に配置されている前記第1容器に前記抽出針を介してリンス液を導入し、該導入させたリンス液を、前記抽出針を介して前記第1容器から抽出して前記第2容器に移送するリンス処理を前記移送部に実行させる制御が可能である液体薬剤の移送装置。
【請求項2】
前記回転台は、前記複数の第1容器を傾斜状態で保持する保持部を有し、
前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
前記抽出位置の前記第1容器に前記抽出針が差し込まれた状態では、当該抽出針の先端が、傾斜状態の前記第1容器の底部における下端部に位置する請求項1に記載の液体薬剤の移送装置。
【請求項3】
前記回転台への前記第1容器の載せ替えを促す報知動作を前記制御部の制御下で行う報知部を更に備える請求項1又は2に記載の液体薬剤の移送装置。
【請求項4】
複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
前記回転台への前記第1容器の載せ替えを促す報知動作を前記制御部の制御下で行う報知部と、
を備え、
前記移送部により前記液体薬剤が抽出される処理に順次に供される前記第1容器の数の設定操作が可能な操作部を更に備え、
前記制御部は、前記設定操作により設定された数が前記回転台に保持可能な前記第1容器の上限数を超えている場合に、前記報知部に前記報知動作を行わせる液体薬剤の移送装置。
【請求項5】
複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
前記回転台への前記第1容器の載せ替えを促す報知動作を前記制御部の制御下で行う報知部と、
を備え、
前記報知動作による報知は、前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち前記抽出位置とは別の載せ替え位置に配置されている前記第1容器の載せ替えを促す報知であり、
前記制御部は、前記移送部による前記液体薬剤を抽出が完了した前記第1容器が前記載せ替え位置に到来したタイミングで、前記報知部に前記報知動作を行わせる液体薬剤の移送装置。
【請求項6】
前記回転台に前記第1容器が搭載されているか否かを検出する検出センサを備え、
前記制御部は、前記検出センサによる検出結果に基づいて、前記回転台への前記第1容器の載せ替えが行われたか否かを判定する請求項3から5のいずれか一項に記載の液体薬剤の移送装置。
【請求項7】
複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
を備える液体薬剤の移送装置であって、
前記液体薬剤は、放射性薬剤であり、
前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
当該移送装置は、前記回転台に保持されている前記第1容器の上方を覆う遮蔽板を更に備え、
前記遮蔽板には、当該遮蔽板の上方から前記抽出位置の前記第1容器に対して前記抽出針を差し込むための挿通孔が形成されている液体薬剤の移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体薬剤の移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1容器を保持可能な第1保持部と、第1容器と形状または容量の異なる第2容器を保持可能な第2保持部と、を備えており、第1容器の内部を減圧することによって、第1容器に収容されている放射性薬剤の全量を直接、または間接的に第2容器に移送可能な放射性薬剤の移送装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-146456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より簡略化された構成の液体薬剤の移送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
を備える液体薬剤の移送装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より簡略化された構成の液体薬剤の移送装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る液体薬剤の移送装置の正面図である。
図2】実施形態に係る液体薬剤の移送装置の平面図である。
図3】実施形態に係る液体薬剤の移送装置の側面図である。
図4図2に示すA-A線に沿った断面図である。
図5】実施形態に係る液体薬剤の移送装置の模式図である。
図6】実施形態に係る液体薬剤の移送装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図6を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。なお、図4においては、図2に示すA-A線に沿った断面の一部分を部分拡大図で示している。
また、以下において、「上下方向」は、図1に示す向きで液体薬剤の移送装置100を配置した状態における上下方向をいう。より詳細には、液体薬剤の移送装置100は、図1に示す姿勢で水平な載置面に設置されることにより自立可能となっている。また、「左右方向」は、図1に示す向きで液体薬剤の移送装置100を配置した状態における左右方向をいう。また、移送装置100の左右方向を横幅方向という場合がある。また、上下方向と左右方向との双方に対して直交する方向を前後方向とする。また、図1における手前側を前方又は前面側、その反対側を後方又は背面側と称することがある。
【0009】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る液体薬剤の移送装置100(以下、単に移送装置100)は、複数の第1容器11を保持する回転台86と、回転台86に保持されている複数の第1容器11のうち抽出位置に配置されている第1容器11から液体薬剤110を抽出して第2容器21に移送する移送部30と、回転台86を回転させて複数の第1容器11を順次に抽出位置(本実施形態の場合、図2及び図4の二点鎖線で示す領域B)に移動させる回転駆動部96(図6参照)と、回転駆動部96及び移送部30の動作制御を行う制御部90(図6参照)と、を備えている。
【0010】
本実施形態によれば、移送装置100は、上述の回転台86、回転駆動部96及び移送部30を備えているので、複数の容器(第1容器11)に収容された液体薬剤110を1つの容器(第2容器21)にまとめることができる。しかも、回転台86を回転させて複数の第1容器11を順次に抽出位置に移動させるので、各第1容器に対して液体薬剤110を抽出するための機構を個別に設ける必要がなく、より簡略化された構成の移送装置100を実現できる。更には、移送装置100を小型化できる。
なお、第1容器11に収容されている液体薬剤110は、未使用のものでもよいし、使用済みのものでもよい。また、液体薬剤110が使用済みのものである場合、残液を生体への投与目的で1つの第1容器11にまとめてもよいし、廃棄目的で1つの第1容器11にまとめてもよい。
【0011】
本実施形態の場合、液体薬剤110は、放射性薬剤である。ただし、本発明はこの例に限らず、液体薬剤110は、非放射性の薬剤であってもよい。
【0012】
図4及び図5に示すように、第1容器11は、例えば、蓋体12によりその内部が密封されていて、当該蓋体12に後述する抽出針46及びエア針42が穿刺される。
ここで、第1容器11は、例えば、第1遮蔽容器15(図4及び図5等参照)の内部に収容される。第1遮蔽容器15は、例えば、回転台86によって保持されており、第1容器11は、第1遮蔽容器15を介して回転台86によって保持されている。より詳細には、一の第1遮蔽容器15に対して、一の第1容器11が収容される。
第1遮蔽容器15は、例えば、有底の筒状に形成されている本体部16と、本体部16の内部に配置されており放射線を遮蔽する遮蔽体18と、を有し、遮蔽体18の内部に第1容器11を収容するようになっている。
本体部16は、例えば、当該本体部16の底部とは反対側に開口している開口16aを有する。
遮蔽体18の外形形状は、例えば、略円柱状である。遮蔽体18の外径(最大径)は、本体部16の内径よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
遮蔽体18の中心部には、開口16aの開口方向とは反対方向に向けて窪んだ凹部18aが形成されており、当該凹部18aの内部に第1容器11が配置される。より詳細には、凹部18aの内径(直径)は、例えば、第1容器11の外径(最大径)よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。また、凹部18aの深さは、例えば、第1容器11の深さ寸法と略同等の寸法に設定されている。
遮蔽体18は、例えば、タングステンや鉛などの放射線を遮蔽する材料によって構成されている。
【0013】
また、図1及び図5に示すように、移送装置100は、例えば、第2容器21を保持する第2遮蔽容器25を更に備えている。
第2遮蔽容器25は、例えば、第2容器21が収容される遮蔽体27と、遮蔽体27の上方を覆っている蓋部28と、作業者によって把持される把持部29と、を有する。
遮蔽体27の中心部には、下方に向けて窪んだ凹部27aが形成されており、当該凹部27aの内部に第2容器21が配置される。より詳細には、凹部27aの内径(直径)は、例えば、第2容器21の外径(最大径)よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。また、凹部27aの深さは、例えば、第2容器21の長さ寸法(第2容器21の長手方向における寸法)よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。
遮蔽体27は、例えば、タングステンや鉛などの放射線を遮蔽する材料によって構成されている。
また、蓋部28は、例えば、凹部27aを塞ぐようにして、遮蔽体27の上方に配置されている。
【0014】
ここで、移送部30は、第2容器21に液体薬剤110を液送する液送針36と、第2容器21の内部と外部とを相互に連通させているエア針31と、エア針31に設けられているエアフィルタ33と、を更に備えている。
図5に示すように、液送針36及びエア針31の各々の針先は、蓋部28を介して第2容器21の内部に挿入されている。また、第2容器21は、例えば、第1容器11と同様に、蓋体22によりその内部が密封されていて、当該蓋体22にエア針31及び液送針36が穿刺される。
ここで、本実施形態の場合、第2容器21の内容積は、第1容器11の内容積よりも大きい。ただし、第1容器11の形状及び内容積は特に限定されないとともに、第2容器21の形状及び内容積も特に限定されない。よって、例えば、第1容器11と同様の形状又は内容積の容器を第2容器21として用いてもよい。また、第2容器21の内容積が第1容器11よりも小さくてもよい。
【0015】
移送部30は、例えば、抽出位置の第1容器11に差し込まれて当該第1容器11から液体薬剤110を抽出する抽出針46と、抽出針46を第1容器11に差し込む動作と第1容器11から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構93と、を有する。
そして、上述のように、本実施形態の場合、回転台86が回転することにより、複数の第1容器11を順次に抽出位置に移動させることができる。このため、例えば、1本の抽出針46を兼用して複数の第1容器11から液体薬剤110を順次に抽出できる。また、各第1容器11に対してそれぞれ個別に抽出針46を配置する必要がないので、作業者の作業効率を向上させることができる。
また、移送部30は、例えば、抽出針46を着脱可能に保持する抽出針保持部45と、抽出針保持部45を第1容器11に対して近づく方向及びその反対方向に案内する抽出針案内部45aと、を更に備えている。抽出針案内部45aは、上下方向に延在している。したがって、本実施形態の場合、抽出針案内部45aは抽出針保持部45を上下に案内する。
抽出針移動機構93は、抽出針駆動モータ93a(図6参照)と、抽出針駆動モータ93aの駆動力を抽出針46に伝達する駆動伝達機構(不図示)を有しており、抽出針駆動モータ93aの駆動によって、抽出針46を上下に移動させることができるように構成されている。抽出針駆動モータ93aが一方向に回転すると、抽出針保持部45が抽出針案内部45aに案内されて下方に移動し、抽出針46を第1容器11に差し込む動作が行われる。一方、抽出針駆動モータ93aが他方向に回転すると、抽出針保持部45が抽出針案内部45aに案内されて上方に移動し、抽出針46を第1容器11から引き抜く動作が行われる。このように、抽出針46は、抽出針案内部45aの下端部(差し込み位置)と上端部(待機位置)との間で移動が可能となっている。なお、図1においては、抽出針46が待機位置に位置している状態を示している。
なお、抽出針移動機構93の駆動源は特に限定されず、シリンダ等の抽出針駆動モータ93a以外のアクチュエータを駆動源としてもよい。
【0016】
移送部30は、例えば、抽出位置の第1容器11に差し込まれるエア針42と、エア針42を第1容器11に差し込む動作と第1容器11から引き抜く動作とを行うエア針移動機構94と、を更に有する。
そして、上述のように、回転台86が回転することにより、複数の第1容器11を順次に抽出位置に移動させることができるので、抽出針46と同様に、例えば、各第1容器11からの液体薬剤110の抽出処理に1本のエア針42を兼用することができる。
より詳細には、移送部30は、例えば、エア針42を着脱可能に保持するエア針保持部41と、エア針保持部41を案内する41aと、を更に備えている。
エア針移動機構94は、エア針駆動モータ94a(図6参照)と、エア針駆動モータ94aの駆動力をエア針42に伝達する駆動伝達機構(不図示)を有しており、エア針駆動モータ94aの駆動によって、エア針42をエア針案内部41aの延在方向に移動させることができるように構成されている。エア針駆動モータ94aが一方向に回転すると、エア針保持部41がエア針案内部41aに案内されて当該エア針案内部の延在方向における一方に移動し、エア針42を第1容器11に差し込む動作が行われる。一方、エア針駆動モータ94aが他方向に回転すると、エア針保持部41がエア針案内部41aに案内されて当該エア針案内部の延在方向における他方に移動し、エア針42を第1容器11から引き抜く動作が行われる。このように、エア針42は、エア針案内部41aの延在方向における上記一方側の端部(差し込み位置)と上記他方側の端部(待機位置)との間で移動が可能となっている。なお、図1においては、エア針42が待機位置に位置している状態を示している。
なお、エア針移動機構94の駆動源は特に限定されず、シリンダ等のエア針駆動モータ94a以外のアクチュエータを駆動源としてもよい。
【0017】
更に、移送部30は、抽出針46を介して第1容器11から液体薬剤110を内部に吸引する動作と、吸引した液体薬剤110を第2容器21に送液する動作と、を行うシリンジ52を有する。
シリンジ52は、内部に液体が貯留される筒状の本体部54と、本体部54の内部に挿入されるプランジャ部53と、を有する。
また、移送部30は、プランジャ部53を本体部54に挿入する動作とプランジャ部53を本体部54から引き抜く動作とを行うシリンジ移動機構92と、を有する。
シリンジ移動機構92は、本体部54を着脱可能に保持するシリンジ保持部51と、シリンジ52のプランジャ部53を保持するプランジャ保持部51aと、シリンジ駆動モータ92a(図6参照)と、シリンジ駆動モータ92aの駆動力を抽出針46に伝達する駆動伝達機構(不図示)を有しており、シリンジ駆動モータ92aの駆動によって、プランジャ部53を上下に移動させることができるように構成されている。シリンジ駆動モータ92aが一方向に回転すると、プランジャ保持部51aによって保持されたプランジャ部53は本体部54に対して相対的に上昇し、プランジャ部53を本体部54から引き抜く動作が行われる。これにより、液体薬剤110(又は後述するリンス液131)を本体部54の内部に吸引することができる。一方、シリンジ駆動モータ92aが他方向に回転すると、プランジャ保持部51aによって保持されたプランジャ部53は本体部54に対して相対的に下降し、プランジャ部53を本体部54に挿入する動作が行われる。これにより、本体部54の内部の液体薬剤110(又はリンス液131)を本体部54の外部に放出することができる。
なお、シリンジ移動機構92の駆動源は特に限定されず、シリンダ等のシリンジ駆動モータ92a以外のアクチュエータを駆動源としてもよい。また、プランジャ保持部51aの移動方向は、他の構成部材と互いに干渉しないものであれば特に限定されない。
【0018】
図1及び図5に示すように、移送部30は、例えば、抽出針46の内腔とシリンジ52の内部とを相互に連通させている第1流路チューブ72と、シリンジ52の内部と液送針36の内腔とを相互に連通させている第2流路チューブ73と、後述する収容パック130の内部とシリンジ52の内部とを相互に連通させている第3流路チューブ74と、を備えている。
【0019】
第1流路チューブ72~第3流路チューブ74の各々は、例えば、ポリイミド樹脂、あるいはフッ素樹脂やシリコーン樹脂等を材料にする小径の細管である。これにより、液体薬剤110と第1流路チューブ72~第3流路チューブ74の内面との間に生じる摩擦が小さくなるので、当該内面に液体薬剤110が残り難く、液体薬剤110を効率的に第2容器21に移送することができる。
【0020】
ここで、移送部30は、第1流路チューブ72と第2流路チューブ73との間に配置されている第1三方活栓61及び第2三方活栓64を有する。第1三方活栓61と第2三方活栓64とは、例えば、互いに直接的に接続されている。第1三方活栓61は、例えば、シリンジ52及び第1流路チューブ72の各々に対して直接的に接続されている。第2三方活栓64は、例えば、第2流路チューブ73及び第3流路チューブ74の各々に対して直接的に接続されている。また、第1三方活栓61は、第2三方活栓64を介して第2流路チューブ73と接続されており、第2三方活栓64は、第1三方活栓61を介してシリンジ52と接続されている。
三方活栓駆動部95は、第1三方活栓61及び第2三方活栓64をそれぞれ保持する三方活栓保持部61a、64aと、三方活栓駆動モータ95a(図6参照)と、三方活栓駆動モータ95aの駆動力を第1三方活栓61及び第2三方活栓64に伝達する駆動伝達機構(不図示)と、を有しており、三方活栓駆動モータ95aの駆動によって、第1三方活栓61及び第2三方活栓64の各々の切り換えが行われるように構成されている。三方活栓駆動モータ95aが回転するのに連動して、三方活栓保持部61aと、当該三方活栓保持部61aによって保持されている第1三方活栓61と、が回転するようになる。同様に、三方活栓駆動モータ95aが回転するのに連動して、三方活栓保持部64aと、当該三方活栓保持部64aによって保持されている第2三方活栓64と、が回転するようになる。なお、第1三方活栓61及び第2三方活栓64の各々は、手動によって切り替えられてもよい。
【0021】
本実施形態の場合、制御部90は、抽出位置に配置されている第1容器11に抽出針46を介してリンス液131を導入し、導入させたリンス液131を、抽出針46を介して第1容器11から抽出して第2容器21に移送するリンス処理を移送部30に実行させる制御が可能である。
第1容器11にリンス液131を導入することで、第1容器11の内面に残留した液体薬剤110をリンス液131によってすすぎ落し、その後、液体薬剤110とリンス液131との混合液を抽出することによって、当該混合液を第2容器21に移送することができる。このため、液体薬剤110が第1容器11の内面に残留してしまうことを抑制できる。
【0022】
リンス液131としては、例えば、生理食塩水を用いることができる。また、生理食塩水としては、例えば、10μmolのマンニトール生理食塩水やエタノール生理食塩水、あるいはグルコース生理食塩水を用いることが、RCP(Radio Chemical Purity:放射化学的純度)低下防止の観点から好ましい。
なお、第1容器11から第2容器21に移送した液体薬剤110を生体に投与することを目的として移送装置100が用いられる場合は、上記のリンス処理を行うことが好ましい。一方、第1容器11から第2容器21に移送した液体薬剤110をまとめて廃棄することを目的として移送装置100が用いられる場合は、上記のリンス処理を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0023】
回転駆動部96は、回転台86を回転させる回転モータ96a(図6参照)を有し、当該回転モータ96aはモータケース87(図1及び図5等参照)の内部に収容されている。
また、移送装置100は、例えば、平板状に形成されていて水平に配置され、当該移送装置100の底部を構成している底板部84を備えており、モータケース87は、底板部84上に配置されている。
図1及び図2に示すように、回転台86は、例えば、上下方向に扁平な円盤状に形成されており、回転台86の上面及び下面の各々は水平に配置されている。また、モータケース87は、例えば、軸方向が上下に延在する円柱状又は円筒状に形成されている。なお、図5においては、回転台86及びモータケース87の各々を二点鎖線で示している。
回転台86の外径は、例えば、モータケース87の外径と略同等の寸法に設定されている。また、回転台86の軸心とモータケース87の軸心とは、互いに一致している。回転台86は、例えば、当該回転台86とモータケース87とが互いに対向且つ離間した状態で、モータケース87に対して回転可能に固定されている。
回転台86は、回転モータ96aの駆動によって回転する。そして、回転台86は、当該回転台86の中心軸を回転軸として、軸周りにおける一方向(本実施形態の場合、時計回り)に回転する。
ここで、図3図4及び図5に示すように、回転台86は、例えば、複数の第1容器11を傾斜状態で保持する保持ポケット86a(保持部)を有する。より詳細には、回転台86の上面において、当該回転台86の中心部から外周側にオフセットした位置には、下方に向けて窪んだ複数の凹部が形成されており、当該複数の凹部の各々がそれぞれ保持ポケット86aを構成している。そして、一の保持ポケット86aの内部に一の第1遮蔽容器15(第1容器11)が配置される。
本実施形態の場合、回転台86の周方向において90度間隔で4つの保持ポケット86aが配置されている。したがって、回転台86によって保持される第1容器11の上限数は、4つである。ただし、回転台86によって保持される第1容器11の上限数(保持ポケット86aの数)は特に限定されず、移送装置100の用途や寸法などに応じて適宜設定することができる。
回転台86の回転により各保持ポケット86aが順次に抽出位置に回転移動することによって、回転台86の回転に伴って第1容器11(第1遮蔽容器15)が順次に抽出位置に移動する。ここで、回転台86の周方向において抽出位置と180度対向した位置は、第1容器11を回転台86に搭載する搭載位置(本実施形態の場合、図2及び図4の二点鎖線で示す領域C)となっている。回転台86が回転することによって、搭載位置に配置された第1容器11が抽出位置に移動し、回転台86が更に回転することによって、当該第1容器11は搭載位置に戻ることとなる。なお、搭載位置は、必ずしも回転台86の周方向において抽出位置と180度対向した位置でなくてもよい。
【0024】
各保持ポケット86aは、例えば、平面視円形に形成されている。各保持ポケット86aの内径(直径)は、第1遮蔽容器15の外径よりも若干大きい程度の寸法(第1遮蔽容器15がガタつかない程度の寸法)に設定されている。なお、保持ポケット86aの形状は特に限定されず、例えば、回転台86の周方向に沿って周回状に形成されている一連の溝によって構成されていてもよい。
図4に示すように、保持ポケット86aの底面86bは、例えば、上方に向けて回転台86の中心に近づく方向に傾斜している。そして、第1遮蔽容器15は、本体部16の底部が底面86bに対して面接触した状態で配置される。このため、複数の第1容器11は、上方に向けて回転台86の中心に近づく方向に傾斜した状態で回転台86によって保持される。これにより、図4に示すように、各第1容器11が抽出位置に到来した際には、抽出針46の先端の針穴が、第1容器11の底部14において、最も低位に位置する部分の方向を向くように、抽出針保持部45によって抽出針46が位置決めされるようになっている。このため、抽出位置の第1容器11に抽出針46が差し込まれた際には、当該抽出針46の先端が、傾斜状態の第1容器11の底部14における下端部14aに位置することとなるので、液体薬剤110(又はリンス液131)の実質的に全量を、抽出針46を介して抽出することができる。なお、ここで、「全量」とは、第1容器11の液体薬剤110(又はリンス液131)の量の実質的な総量をいう。また、ここで、「実質的」とは、第1容器11から抽出可能であることを指し、第1容器11の内壁や底面に付着して抽出できないものを除くものであってもよい。
【0025】
また、移送装置100は、例えば、複数の第1容器11の上方を覆う遮蔽板88を更に備えている。
より詳細には、遮蔽板88は、例えば、扁平な円盤状に形成されており、遮蔽板88の上面及び下面の各々は水平に配置されている。遮蔽板88は、例えば、タングステンや鉛等の放射線を遮蔽する材料によって、その全体が一体形成されている。ただし、遮蔽板88における一部分が、局所的に放射線を遮蔽する材料によって構成されていてもよい。この場合、遮蔽板88において、放射線を遮蔽する材料によって構成されている部分は、遮蔽板88の面直方向に視たときに、保持ポケット86aの形成領域と重なり合う部分であることが好ましい。
また、遮蔽板88の中心部には、下向きに開口した固定穴88cが形成されている。回転台86及びモータケース87の各々の中心部には、当該回転台86及びモータケース87の各々を上下に貫通する貫通孔86c、87aがそれぞれ形成されている。貫通孔86c、87a及び固定穴88cは、互いに同軸に配置されている。そして、貫通孔86c、87aには上下に延在する円柱状の支柱部89が遊挿されており、当該支柱部89の上端部は固定穴88cに挿入されている。支柱部89の下端部は、例えば、底板部84に対して固定されている。図3に示すように、遮蔽板88は、当該遮蔽板88の下面が回転台86の上面と対向且つ離間した状態で、支柱部89を介して底板部84に対して固定されている。また、回転台86は、回転モータ96aの駆動によって、遮蔽板88及び支柱部89の各々に対して相対的に回転する。
ここで、遮蔽板88には、当該遮蔽板88の上方から抽出位置の第1容器11に対して抽出針46を差し込むための挿通孔88aが形成されている。これにより、第1容器11の内部の液体薬剤110から放出される放射線を遮蔽板88によって遮蔽しつつ、第1容器11から液体薬剤110を抽出することができる。抽出針46を第1容器11に差し込む際には、抽出針46は、挿通孔88aを介して、第1遮蔽容器15の開口16aから第1遮蔽容器15の内部に挿入される。そして、更に、抽出針46の針先が、蓋体12を貫通することにより、抽出針46は第1容器11に対して差し込まれる。
挿通孔88aは、例えば、遮蔽板88において、抽出針46と対向している位置に形成されている。挿通孔88aは、遮蔽板88を上下に貫通している。挿通孔88aは、平面視円形に形成されている。挿通孔88aは、平面視において、例えば、第1容器11の蓋体12の外形を包含していることが好ましく、遮蔽板88における挿通孔88aの非形成領域は、各第1容器11を覆っていることが好ましい。
更に、遮蔽板88において、搭載位置と対応する部分には、第1容器11を配置するための切欠形状部88bが形成されている。
切欠形状部88bは、例えば、遮蔽板88の周方向において挿通孔88aと180度対向した位置に形成されている。なお、切欠形状部88bの位置は、必ずしも遮蔽板88の周方向において挿通孔88aと180度対向した位置でなくてもよい。
切欠形状部88bは、遮蔽板88を上下に貫通している。回転台86に保持されている第1容器11を取り出す際には、搭載位置の第1遮蔽容器15を、当該回転台86の径方向外方に傾けつつ、切欠形状部88bを介して保持ポケット86aから取り出すことができる。また、第1容器11を回転台86に搭載する際には、第1遮蔽容器15を、切欠形状部88bを介して遮蔽板88と回転台86との間隙に挿入し、更に、保持ポケット86aの底面86bに沿って傾けつつ搭載位置の保持ポケット86aに配置する。
なお、本発明において、移送装置100は、必ずしも遮蔽板88を有していなくてもよい。移送装置100が遮蔽板88を有していない場合、各保持ポケット86aのうち、いずれの保持ポケット86aに対しても第1遮蔽容器15を配置することが可能である。
【0026】
また、移送装置100は、液体薬剤110が抽出される処理に順次に供される第1容器11の数の設定操作が可能な操作部99を更に備えている。
また、本実施形態の場合、操作部99に対して、未使用の液体薬剤110を回収する動作モード、又は、使用済みの液体薬剤110(残液)を回収する動作モードを選択的に設定操作することができる。
未使用の液体薬剤110を回収する動作モードの場合、例えば、制御部90は、上記のリンス処理を行う。また、未使用の液体薬剤110を回収する動作モードの場合、例えば、一回に使用されるリンス液131の液量も、操作部99に対して指定することができるようになっていてもよい。このようにすることにより、使用する第1容器11及び第2容器21の各々の内容積等に応じて、リンス液131の液量を適宜設定することができる。更には、例えば、操作部99に対してリンス処理の回数を設定できるようになっていてもよい。このようにすることにより、1つの第1容器11に対して複数回リンス処理を行うようにできる。
使用済みの液体薬剤110(残液)を回収する動作モードの場合、例えば、制御部90は、上記のリンス処理を行わない。ただし、使用済みの液体薬剤110(残液)を回収する動作モードの場合も、リンス処理を行うようになっていてもよい。
また、本実施形態の場合、第1容器11の数の設定操作に加えて、移送装置100による移送操作の開始及び一時停止などの各種の操作が操作部99に対して可能となっている。
【0027】
制御部90は、例えば、制御用プログラムを記憶保持しているROM90b(Read Only Memory)と、この制御用プログラムに従って制御動作を実行するCPU90a(Central Processing Unit)と、CPU90aの作業領域などとして機能するRAM90c(Random Access Memory)と、を備えて構成されている。
制御部90は、抽出針駆動モータ93a、エア針駆動モータ94a、シリンジ駆動モータ92a及び三方活栓駆動モータ95aの各々の動作を制御する。制御部90が抽出針駆動モータ93aの動作制御を行うことによって、抽出針46が上下動する。同様に、制御部90がエア針駆動モータ94aの動作制御を行うことによって、エア針42が延在方向に沿って移動し、制御部90がシリンジ駆動モータ92aの動作制御を行うことによって、プランジャ部53が上下動する。また、制御部90が三方活栓駆動モータ95aの動作制御を行うことによって、第1三方活栓61及び第2三方活栓64がそれぞれ回転する。
また、制御部90は、回転モータ96aの動作も制御する。制御部90が、回転モータ96aの動作制御を行うことによって、例えば、回転台86は90度ずつ回転する。
なお、回転台86の回転角度は特に限定されず、回転台86の寸法や保持される第1容器11の数に応じて適宜設定することができる。
【0028】
本実施形態の場合、続けて抽出処理に供される第1容器11の数が、回転台86に保持可能な第1容器11の上限数を超えている場合、途中で回転台86への第1容器11の載せ替えを行うことによって、第1容器11の液体薬剤110を第2容器21に移送することができる。
そして、移送装置100は、回転台86への第1容器11の載せ替えを促す報知動作を制御部90の制御下で行う報知部97を更に備えている。
これにより、作業者は、第1容器11を載せ替える必要性を容易に認識できる。
より詳細には、本実施形態の場合、制御部90は、例えば、回転台86への第1容器11の載せ替えが必要なタイミングで、報知部97に対し、報知信号を出力し、報知信号を受けた報知部97が報知動作を行うようになっている。この報知動作により、作業者は、第1容器11を載せ替えるタイミングを認識できる。報知操作としては、例えば、音声による報知や発光動作等を挙げることができる。
なお、本実施形態の場合、制御部90は、設定操作により設定された数が回転台86に保持可能な第1容器11の上限数を超えている場合に、報知部97に報知動作を行わせる。
【0029】
更に、移送装置100は、例えば、回転台86に第1容器11が搭載されているか否かを検出する検出センサ98を備えている。制御部90は、検出センサ98による検出結果に基づいて、回転台86への第1容器11の載せ替えが行われたか否かを判定する。
より詳細には、検出センサ98は、一例として、重量センサである。なお、検出センサ98は特に限定されず、検出センサ98は、例えば、光学式センサ等であってもよい。
また、例えば、一の保持ポケット86aに対して一の検出センサ98が設けられていることが好ましい。このようにすることにより、各保持ポケット86aに第1容器11が搭載されているか否かを個別に検出することができる。ただし、本発明において、検出センサ98の数は特に限定されない。
【0030】
移送装置100は、例えば、筐体80を備えており、筐体80には、シリンジ移動機構92、抽出針移動機構93、エア針移動機構94、制御部90、操作部99、報知部97、検出センサ98、がそれぞれ設けられている。より詳細には、筐体80の内部に、例えば、制御部90、報知部97、検出センサ98、抽出針駆動モータ93a、エア針駆動モータ94a、シリンジ駆動モータ92a及び三方活栓駆動モータ95aの各々が配置されている。
なお、第2遮蔽容器25は、例えば、筐体80とは別体に形成されており、筐体80の近傍に配置されている。ただし、第2遮蔽容器25は、筐体80に設けられていてもよい。
筐体80は、例えば、底板部84の上面上に配置されている。より詳細には、底板部84において、筐体80は、回転台86の後方及び右方を囲むようにして配置されている。筐体80において、回転台86と前後に重なる部分と対応する部分(以下、第1部分81)は前後寸法が相対的に小さく、当該重なる部分と対応していない部分(以下、第2部分82)は前後寸法が相対的に大きい。
本実施形態の場合、第1部分81には、抽出針移動機構93及びエア針移動機構94の各々が設けられている。より詳細には、抽出針保持部45及び抽出針案内部45aの各々は、第1部分81の前面側且つ回転台86よりも上側の領域に配置されている。同様に、エア針保持部41及びエア針案内部41aの各々は、第1部分81の前面側且つ回転台86よりも上側の領域に配置されている。抽出針保持部45とエア針保持部41とは、例えば、互いに干渉しない程度に前後にオフセットした位置に配置されており、且つ、左右に隣り合った状態で第1部分81の前面側に設けられている。エア針保持部41が待機位置に位置している状態において、エア針42は、下方に向けて抽出針46に近づく方向に傾斜している。また、抽出針案内部45aは、例えば、第1部分81の前面部を前後方向に貫通しているガイド孔であり、上下方向に延在している。同様に、エア針案内部41aは、例えば、第1部分81の前面部を前後方向に貫通しているガイド孔であり、エア針42の傾斜方向と同様の方向に延在している。また、第1流路チューブ72は、例えば、第1部分81の前面に沿って延在している。
第2部分82には、シリンジ移動機構92及び操作部99の各々が設けられている。より詳細には、シリンジ保持部51及びプランジャ保持部51aの各々は、第2部分82の上部の前面側に設けられている。また、図1に示すように、第2部分82にはシリンジ52の前面側を開閉可能に覆う遮蔽カバー56が設けられている。遮蔽カバー56は、シリンジ保持部51にシリンジ52が装着された状態において、シリンジ52の前方、左右両側方、上方及び下方を覆うことが可能である。
遮蔽カバー56の少なくとも一部分は、例えば、タングステンや鉛等の放射線を遮蔽する材料によって構成されている。
また、第2部分82において、シリンジ52の配置領域よりも下側の部分は、前方に向けて張り出しており、当該張り出している部分に操作部99が設けられている。
操作部99は、例えば、作業者により操作されるタッチパネル式の操作画面である。作業者が操作画面に対して入力操作を行うことにより、上記の各種操作を行うことができる。ただし、操作部99は、例えば、ディスプレイと操作受部とに分かれて構成されていてもよい。
また、図1に示すように、移送装置100は、例えば、リンス液131を内部に収容している収容パック130と、収容パック130が吊り下げられている懸架台85と、を更に備えており、懸架台85は、例えば、第2部分82の天面に設けられている。第3流路チューブ74は、例えば、第2部分82の前面に沿って延在している。
【0031】
次に、移送装置100の動作を説明する。なお、以下の説明において、設定操作により設定された第1容器11の数は、一例として、5つとする。また、一例として、リンス処理を行うものとする。
【0032】
先ず、作業者が、搭載位置に位置する保持ポケット86aに1つ目の第1容器11(第1遮蔽容器15)を配置したら、操作部99に対する操作により回転台86を時計回りに90度回転させ、当該保持ポケット86aとは別の保持ポケット86aが搭載位置に位置するようにする。このような動作を3回繰り返した後に、4つ目の第1容器11を保持ポケット86aに配置する。これにより、すべての保持ポケット86aに対してそれぞれ第1容器11が配置される。
続いて、作業者は、操作部99に対して移送動作の開始を指示する。
移送動作が開始すると、制御部90は、先ず、抽出処理に関する動作制御を行う。制御部90は、抽出針移動機構93の抽出針駆動モータ93aを駆動させ、抽出針46が装着された抽出針保持部45を下降させる。これにより、抽出針46の針先が、挿通孔88aを介して、本体部16の開口16aから第1容器11に向けて移動する。そして、制御部90は、抽出針46の針先が、図5に示すように、第1容器11の蓋体12を貫通し当該第1容器11の底部14の下端部14a(図4参照)に位置するまで、抽出針保持部45を更に下降させる。なお、抽出針保持部45の下降は、抽出針46の針先が底部14に接触しない位置で停止するように設定されている。より詳細には、抽出針保持部45の下降は、ガタ、ブレ、オーバーシュート等があっても、抽出針46の針先が底部14に接触しない位置で停止するように設定されている。
同様に、制御部90は、エア針移動機構94のエア針駆動モータ94aを駆動させ、エア針42が装着されたエア針保持部41を下降させることによって、挿通孔88aを介して、エア針42の針先を第1容器11の内部に挿入する。なお、エア針保持部41の下降は、エア針42の針先が液体薬剤110の液面に接触しない位置で停止するように設定されている。これにより、エア針保持部41を介して第1容器11の内部と第1容器11の外部とが相互に連通し、第1容器11の内部は常圧に保たれることとなる。
なお、エア針42の下降は、例えば、抽出針46の下降と同じタイミングで行われる。ただし、エア針42の下降は、抽出針46の下降と異なるタイミングであってもよい。
【0033】
次に、制御部90は、三方活栓駆動部95の三方活栓駆動モータ95aを駆動させて、第1流路チューブ72とシリンジ52とを相互に連通させる。より詳細には、第1三方活栓61が回転することによって、第1流路チューブ72とシリンジ52とを相互に連通させる一方で、第1流路チューブ72と第2三方活栓64との間及びシリンジ52と第2三方活栓64との間をそれぞれ閉塞させる。続いて、制御部90は、シリンジ移動機構92のシリンジ駆動モータ92aを駆動させ、シリンジ52のプランジャ部53を本体部54に対して相対的に上昇させる。これにより、第1容器11の内部の液体薬剤110は、抽出針46、第1流路チューブ72、第1三方活栓61をこの順に流動して、シリンジ52の内部に吸引される。
【0034】
次に、制御部90は、三方活栓駆動部95の三方活栓駆動モータ95aを駆動させて、第2流路チューブ73とシリンジ52とを相互に連通させる。より詳細には、第1三方活栓61を回転させることによって、シリンジ52と第2三方活栓64とを相互に連通させる一方で、第1流路チューブ72とシリンジ52との間及び第1流路チューブ72と第2三方活栓64との間をそれぞれ閉塞させる。また、同様に、第2三方活栓64を回転させることによって、第1三方活栓61と第2流路チューブ73とを相互に連通させる一方で、第1三方活栓61と第3流路チューブ74との間及び第2流路チューブ73と第3流路チューブ74との間をそれぞれ閉塞させる。続いて、制御部90は、シリンジ移動機構92のシリンジ駆動モータ92aを駆動させ、プランジャ部53を本体部54に対して相対的に下降させ、シリンジ52の内部の液体薬剤110の実質的に全量をシリンジ52の外部に送出させる。送出された液体薬剤110は、第1三方活栓61、第2三方活栓64、第2流路チューブ73、液送針36をこの順に流動して、第2容器21の内部に流入する。
こうして、1つ目の第1容器11に対する抽出処理が完了する。
【0035】
続いて、制御部90は、リンス処理に関する動作制御を行う。制御部90は、先ず、三方活栓駆動部95の三方活栓駆動モータ95aを駆動させて、シリンジ52と収容パック130とを相互に連通させる。より詳細には、第1三方活栓61を回転させることによって、シリンジ52と第2三方活栓64とを相互に連通させる一方で、シリンジ52と第1流路チューブ72との間及び第1流路チューブ72と第2三方活栓64との間をそれぞれ閉塞させる。また、同様に、第2三方活栓64を回転させることによって、第1三方活栓61と第3流路チューブ74とを相互に連通させる一方で、第1三方活栓61と第2流路チューブ73との間及び第3流路チューブ74と第2流路チューブ73との間を閉塞させる。そして、制御部90は、更に、シリンジ移動機構92のシリンジ駆動モータ92aを駆動させ、プランジャ部53を本体部54に対して相対的に上昇させ、シリンジ52の内部にリンス液131を吸引させる。この際に、収容パック130の内部のリンス液131は、第3流路チューブ74、第2三方活栓64、第1三方活栓61をこの順に流動して、シリンジ52の内部に流入する。
次に、制御部90は、三方活栓駆動部95の三方活栓駆動モータ95aを駆動させて、シリンジ52と第1流路チューブ72とを相互に連通させる。より詳細には、第1三方活栓61を回転させることによって、シリンジ52と第1流路チューブ72とを相互に連通させる一方で、シリンジ52と第2三方活栓64との間及び第1流路チューブ72と第2三方活栓64との間をそれぞれ閉塞させる。また、第2三方活栓64は、第3流路チューブ74と第1三方活栓61とを相互に連通させる一方で、第1三方活栓61と第2流路チューブ73との間及び第3流路チューブ74と第2流路チューブ73との間を閉塞させる。そして、制御部90は、シリンジ移動機構92のシリンジ駆動モータ92aを駆動させ、プランジャ部53を本体部54に対して相対的に下降させ、シリンジ52の内部のリンス液131の実質的に全量をシリンジ52の外部に送出させる。この際に、シリンジ52の内部のリンス液131は、第1三方活栓61、第1流路チューブ72、抽出針46、をこの順に流動して、第1容器11の内部に流入する。第1容器11の内部に流入したリンス液131は、第1容器11の内部の液体薬剤110を第2容器21に移送する際と同様に、第2容器21に移送される。
こうして、1つ目の第1容器11に対するリンス処理が完了する。これにより、第1容器11の内面に残留した液体薬剤110をリンス液131によってすすぎ落し、その後、液体薬剤110とリンス液131との混合液を第1容器11から抽出することができる。このため、液体薬剤110が第1容器11の内面に残留してしまうことを抑制できる。しかも、リンス液131は、シリンジ52の内部を経由して第2容器21に移送されるので、液体薬剤110がシリンジ52(本体部54)の内面に残留してしまうことも抑制できる。
【0036】
1つ目の第1容器11に対するリンス処理が完了したら、制御部90は、抽出針駆動モータ93aを駆動させ、抽出針46が待機位置に戻るまで抽出針保持部45を上昇させる。同様に、制御部90は、エア針駆動モータ94aを駆動させ、エア針42が待機位置に戻るまでエア針保持部41を上昇させる。
こうして、1つ目の第1容器11からの液体薬剤110の移送が完了する。なお、4つの第1容器11を始めに回転台86に搭載する際に回転台86を3回回転させた後から、抽出針46及びエア針42の各々が待機位置に戻るまでの間、制御部90は、回転モータ96aの停止状態を継続させる。
【0037】
続いて、2つ目の第1容器11からの液体薬剤110の抽出処理を行うために、制御部90は、回転モータ96aの駆動を再開し、時計回りに90度回転させる。これにより、2つ目の第1容器11を抽出位置に移動させる。そして、2つ目の第1容器11に対しても同様に、制御部90は、回転台86を回転させた後に、上記の抽出処理及びリンス処理を行い、抽出針46及びエア針42の各々を待機位置に戻す。以後、制御部90は、3つ目及び4つ目の第1容器11に対しても同様に、回転台86を回転させた後に、上記の抽出処理及びリンス処理を行い、抽出針46及びエア針42の各々を待機位置に戻す。なお、3つ目の第1容器11からの液体薬剤110の移送が完了した後に回転台86が回転した段階で、1つ目の第1容器11は、再び搭載位置に移動する。
このように、本実施形態の場合、作業者が液体薬剤110の移送処理中に移送装置100を監視する必要がないので、作業者の放射線への被曝を抑制しつつ、複数の第1容器11から液体薬剤110を第2容器21に移送することができる。
【0038】
ここで、上述のように、設定操作により設定された第1容器11の数が5つであるため、作業者は、途中で回転台86への第1容器11の載せ替えを行う。
そして、移送装置100は、回転台86への第1容器11の載せ替えを促す報知動作を制御部90の制御下で行う報知部97を更に備えている。報知部97によって報知動作が行われたら、作業者は、搭載位置の第1容器11を回転台86から取り外し、5つ目の第1容器11を搭載位置に配置する。そして、5つ目の第1容器11に対しても同様に、制御部90は、回転台86を回転させた後に、上記の抽出処理及びリンス処理を行い、抽出針46及びエア針42の各々を待機位置に戻す。
なお、設定操作により設定された数が6つ以上である場合、6つ目及び6つ目以降の第1容器11に対しても同様に、制御部90は、回転台86を回転させた後に、上記の抽出処理及びリンス処理を行い、抽出針46及びエア針42の各々を待機位置に戻すとともに、報知部97に報知動作を行わせる。そして、以後、設定操作により設定された数の第1容器11からの液体薬剤110の抽出が完了するまで、上記の移送動作が繰り返される。
【0039】
なお、報知動作が行われるタイミングは、特に限定されないが、制御部90は、例えば、回転台86への第1容器11の載せ替えが必要なタイミングで、報知部97に対して、報知信号を出力し、報知信号を受けた報知部97が報知動作を行うようになっている。
また、報知動作が行われるタイミングは、例えば、2つ目の第1容器11(複数の第1容器11のうち2番目に抽出処理に供される第1容器11)が抽出位置に移動したタイミング、又は、それ以降であることが好ましい。また、報知動作が行われるタイミングは、4つ目の第1容器11からの液体薬剤110の抽出が完了した後でもよいし、当該完了前でもよい。ただし、第1容器11からの液体薬剤110の抽出処理又はリンス処理と並行して報知動作を行うことが好ましい。このようにすることにより、液体薬剤110の移送動作が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
【0040】
また、本実施形態の場合、報知動作による報知は、回転台86に保持されている複数の第1容器11のうち抽出位置とは別の載せ替え位置に配置されている第1容器11の載せ替えを促す報知であり、制御部90は、移送部30による液体薬剤110を抽出が完了した第1容器11が載せ替え位置に到来したタイミングで、報知部97に報知動作を行わせる。
このため、作業者は、第1容器11を直ちに載せ替えることによって、適切な載せ替え動作を行うことができる。
本実施形態の場合、報知動作による報知は、回転台86に保持されている複数の第1容器11のうち搭載位置に配置されている第1容器11の載せ替えを促す報知である。
なお、設定操作により設定された数が上限数よりも2以上多い場合は、すべての第1容器11の搭載が完了するまで、抽出処理とリンス処理が終わった第1容器11が搭載位置に来るたびに、報知部97は順次に報知動作を行う。また、設定操作により設定された数が回転台86に保持可能な第1容器11の上限数以下(本実施形態の場合、4つ以下)の場合には、報知動作は行われない。
また、制御部90は、例えば、図示しないカウント機能を備えていてもよい。移送装置100がカウント機能を備えている場合、カウント機能によるカウント数が、予め設定された第1容器11の数(抽出処理に供される第1容器11の数)に達したら、制御部90は、報知部97によって移送動作が完了した旨の報知をする報知動作を行う。
【0041】
更に、上述のように、移送装置100は、例えば、回転台86に第1容器11が搭載されているか否かを検出する検出センサ98を備えている。搭載位置に配置されている第1容器11が作業者によって回転台86から取り外されると、検出センサ98はその旨を示す信号を制御部90に出力する。この信号に基づいて、制御部90は、第1容器11が回転台86から取り外されたと判定する。そして、作業者によって第1容器11が搭載位置に再度配置されると、検出センサ98はその旨を示す信号を制御部90に出力する。この信号に基づいて、第1容器11の載せ替えが行われたと判定し、制御部90は回転モータ96aの駆動を再開する。これにより、回転台86への第1容器11の載せ替えが完了するまでは、回転台86の回転が停止する一方で、回転台86への第1容器11の載せ替えが完了した際には、回転台86の回転動作が再開されるようにできる。なお、第1容器11の載せ替えを促す報知完了後、所定時間以上載せ替えが行われなかった場合、再度当該報知を行うように設定されていてもよい。
また、制御部90は、例えば、報知部97に報知動作を行わせるタイミングで、回転モータ96aの動作を停止するように設定されていてもよい。
【0042】
なお、使用済みの液体薬剤110(残液)を回収する動作モードに設定されている場合、第1容器11から液体薬剤110を抽出する処理が完了したら、制御部90は、抽出針駆動モータ93aを駆動させ、抽出針46を待機位置まで上昇させるとともに、エア針駆動モータ94aを駆動させ、エア針42を待機位置まで上昇させる。そして、制御部90は、回転モータ96aの駆動を再開し、回転台86を90度回転させる。
【0043】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0044】
例えば、上記においては、各保持ポケット86aに第1容器11をそれぞれ搭載する際に、作業者が、回転台86を90度ずつ回転させる例を説明した。ただし、本発明はこの例に限らず、一の第1容器11が一の保持ポケット86aに配置される度に、自動で回転台86が90度ずつ回転するように設定されていてもよい。この場合、一の保持ポケット86aに一の第1容器11が搭載されたか否かを、例えば、検出センサ98によって検出することができる。
【0045】
また、上記においては、操作部99に対して移送動作の開始を指示することによって、当該移送動作が開始される例を説明した。しかし、本発明はこの例に限らず、例えば、すべての保持ポケット86aに第1容器11がそれぞれ搭載されたタイミングで、自動的に移送動作が開始するように設定されていてもよい。この場合、すべての保持ポケット86aに第1容器11がそれぞれ搭載されたか否かを、例えば、検出センサ98によって検出することができる。
【0046】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数の第1容器を保持する回転台と、
前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち抽出位置に配置されている前記第1容器から液体薬剤を抽出して第2容器に移送する移送部と、
前記回転台を回転させて前記複数の第1容器を順次に前記抽出位置に移動させる回転駆動部と、
前記回転駆動部及び前記移送部の動作制御を行う制御部と、
を備える液体薬剤の移送装置。
(2)前記回転台は、前記複数の第1容器を傾斜状態で保持する保持部を有し、
前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
前記抽出位置の前記第1容器に前記抽出針が差し込まれた状態では、当該抽出針の先端が、傾斜状態の前記第1容器の底部における下端部に位置する(1)に記載の液体薬剤の移送装置。
(3)前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
前記制御部は、前記抽出位置に配置されている前記第1容器に前記抽出針を介してリンス液を導入し、該導入させたリンス液を、前記抽出針を介して前記第1容器から抽出して前記第2容器に移送するリンス処理を前記移送部に実行させる制御が可能である(1)又は(2)に記載の液体薬剤の移送装置。
(4)前記回転台への前記第1容器の載せ替えを促す報知動作を前記制御部の制御下で行う報知部を更に備える(1)から(3)のいずれか一項に記載の液体薬剤の移送装置。
(5)前記移送部により前記液体薬剤が抽出される処理に順次に供される前記第1容器の数の設定操作が可能な操作部を更に備え、
前記制御部は、前記設定操作により設定された数が前記回転台に保持可能な前記第1容器の上限数を超えている場合に、前記報知部に前記報知動作を行わせる(4)に記載の液体薬剤の移送装置。
(6)前記報知動作による報知は、前記回転台に保持されている前記複数の第1容器のうち前記抽出位置とは別の載せ替え位置に配置されている前記第1容器の載せ替えを促す報知であり、
前記制御部は、前記移送部による前記液体薬剤を抽出が完了した前記第1容器が前記載せ替え位置に到来したタイミングで、前記報知部に前記報知動作を行わせる(4)又は(5)に記載の液体薬剤の移送装置。
(7)前記回転台に前記第1容器が搭載されているか否かを検出する検出センサを備え、
前記制御部は、前記検出センサによる検出結果に基づいて、前記回転台への前記第1容器の載せ替えが行われたか否かを判定する(4)から(6)のいずれか一項に記載の液体薬剤の移送装置。
(8)前記液体薬剤は、放射性薬剤であり、
前記移送部は、前記抽出位置の前記第1容器に差し込まれて当該第1容器から前記液体薬剤を抽出する抽出針と、前記抽出針を前記第1容器に差し込む動作と前記第1容器から引き抜く動作とを行う抽出針移動機構と、を有し、
当該移送装置は、前記回転台に保持されている前記第1容器の上方を覆う遮蔽板を更に備え、
前記遮蔽板には、当該遮蔽板の上方から前記抽出位置の前記第1容器に対して前記抽出針を差し込むための挿通孔が形成されている(1)から(7)のいずれか一項に記載の液体薬剤の移送装置。
【符号の説明】
【0047】
11 第1容器
12 蓋体
14 底部
14a 下端部
15 第1遮蔽容器
16 本体部
18 遮蔽体
18a 凹部
21 第2容器
22 蓋体
25 第2遮蔽容器
27 遮蔽体
27a 凹部
28 蓋部
29 把持部
30 移送部
31 エア針
33 エアフィルタ
36 液送針
41 エア針保持部
41a エア針案内部
42 エア針
45 抽出針保持部
45a 抽出針案内部
46 抽出針
51 シリンジ保持部
51a プランジャ保持部
52 シリンジ
53 プランジャ部
54 本体部
56 遮蔽カバー
61 第1三方活栓
61a 三方活栓保持部
64 第2三方活栓
64a 三方活栓保持部
72 第1流路チューブ
73 第2流路チューブ
74 第3流路チューブ
80 筐体
81 第1部分
82 第2部分
84 底板部
85 懸架台
86 回転台
86a 保持ポケット(保持部)
86b 底面
86c 貫通孔
87 モータケース
87a 貫通孔
88 遮蔽板
88a 挿通孔
88b 切欠形状部
88c 固定穴
89 支柱部
90 制御部
92 シリンジ移動機構
92a シリンジ駆動モータ
93 抽出針移動機構
93a 抽出針駆動モータ
94 エア針移動機構
94a エア針駆動モータ
95 三方活栓駆動部
95a 三方活栓駆動モータ
96 回転駆動部
96a 回転モータ
97 報知部
98 検出センサ
99 操作部
100 移送装置
110 液体薬剤
130 収容パック
131 リンス液
図1
図2
図3
図4
図5
図6