(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】連結構造体
(51)【国際特許分類】
F16B 2/18 20060101AFI20241108BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20241108BHJP
F16B 7/14 20060101ALI20241108BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F16B2/18 E
F16B7/04 301M
F16B7/04 301U
F16B7/14 H
F16B7/20 D
(21)【出願番号】P 2023138619
(22)【出願日】2023-08-29
【審査請求日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2022138427
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022165095
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022178023
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023021688
(32)【優先日】2023-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023137631
(32)【優先日】2023-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522347232
【氏名又は名称】株式会社共立ダイカスト加工所
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【氏名又は名称】正木 裕士
(72)【発明者】
【氏名】澤田 明
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3152857(JP,U)
【文献】米国特許第06585243(US,B1)
【文献】実開平03-060613(JP,U)
【文献】特開2008-240789(JP,A)
【文献】特開平07-279919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0155180(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0224451(US,A1)
【文献】米国特許第04874155(US,A)
【文献】米国特許第06367787(US,B1)
【文献】米国特許第05170682(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270455(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0371773(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/18
F16B 7/04
F16B 7/14
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象である支持対象物を、前記支持対象物を支持する支持装置に対して連結可能な連結構造体であって、
前記支持装置が備えるシャフト状のシャフト状部の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、前記軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構を備えており、
前記ロック機構が、
前記シャフト状部が挿通されるシャフト挿通部を備えるとともに、前記シャフト挿通部に対して前記シャフト状部を挿通した状態において、前記シャフト状部に対して揺動可能とされた制御体と、
前記シャフト挿通部に挿通された前記制御体を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材と、
を有し、
前記制御体が、前記付勢部材による前記付勢力の影響によって揺動することにより、前記シャフト挿通部に挿通された前記シャフト状部の軸線周り方向に回動しつつ、前記シャフト状部の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動することにより、前記シャフト状部に対して干渉して抉た状態になることにより、前記ロック状態となること、
を特徴とする連結構造体。
【請求項2】
支持対象である支持対象物を、前記支持対象物を支持する支持装置に対して連結可能な連結構造体であって、
前記支持装置が備えるシャフト状のシャフト状部の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、前記軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構を備えており、
前記ロック機構が、
前記シャフト状部が挿通されるシャフト挿通部を備えるとともに、前記シャフト挿通部に対して前記シャフト状部を挿通した状態において、前記シャフト状部に対して揺動可能とされた制御体と、
前記シャフト挿通部に挿通された前記制御体を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材と、
を有し、
前記制御体が、前記付勢部材による前記付勢力の影響によって揺動することにより、前記シャフト挿通部に挿通された前記シャフト状部の外周面に対して当接可能な第一当接部、第二当接部、及び第三当接部を、前記シャフト挿通部の周方向に互いに離れた位置に備えたものであり、
前記付勢部材による前記付勢力の影響によって前記制御体が前記シャフト状部に対して傾斜することにより、前記シャフト状部の前記外周面に対して前記第一当接部が当接した第一当接状態になり、
前記第一当接状態において、前記制御体が前記付勢部材による前記付勢力の影響によって前記第一当接部を外れた位置を回動支点として前記制御体が前記シャフト状部の軸線周り方向に回動することにより、前記第二当接部が前記シャフト状部の前記外周面に対して当接した第二当接状態になり、
前記第二当接状体において、前記制御体が前記付勢部材による前記付勢力の影響により、前記第一当接部及び前記第二当接部がそれぞれ前記シャフト状部の前記外周面に対して当接した箇所を揺動支点として、前記シャフト状部の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動して前記第三当接部が前記シャフト状部の前記外周面に対して当接した状態になることにより、前記第一当接部、前記第二当接部、及び前記第三当接部において前記シャフト状部に対して前記制御体が干渉した第三当接状態になることにより、前記ロック状態となること、
を特徴とする連結構造体。
【請求項3】
前記ロック機構が、複数の前記制御体を収容する収容部を有し、
前記収容部の内部において、前記シャフト状部の挿通方向に隣接する第一の制御体、及び第二の制御体が、前記付勢部材による前記付勢力の影響によって前記シャフト状部の軸線周り方向に回動する際の回動方向、及び前記シャフト状部の軸線に対して交差する方向に揺動する際の揺動方向が反対方向となるように重ねた状態で収容されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の連結構造体。
【請求項4】
第一の制御体及び第二の制御体が第二当接状態から第三当接状態になる際に、前記シャフト状部の軸線方向に離れる方向への第一の制御体及び第二の制御体の動作が前記収容部によって制限されること、を特徴とする請求項3に記載の連結構造体。
【請求項5】
前記ロック機構が、前記制御体を収容する収容部を有し、
前記制御体が、前記付勢部材による前記付勢力の影響によって揺動することにより、前記収容部の内壁部と当接する内壁当接部を有し、前記収容部の内壁部と前記内壁当接部との当接箇所を回動支点として、前記シャフト挿通部に挿通された前記シャフト状部の軸線周り方向に回動すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の連結構造体
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結構造体、及び連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、理化学実験等において用いられる器具として、特許文献1に開示されているクランプのようにシャフト状の部分を有する器具がある。このような器具を、別途準備された支持装置(スタンド)等を構成するシャフト状の部位に連結するための部材として、特許文献1において開示されているホルダーのようなものが提供されている。
【0003】
具体的には、従来技術においては、ムッフ等と称される連結装置(特許文献1においてはホルダー)は、支持装置に固定されたパイプに対し、軸線方向の所定位置において固定ネジで固定することにより設置される。従来技術の連結装置は、V字状の形状に形成された支持溝を有し、この溝に対して支持対象となるクランプ等のシャフト状の部分(以下、「シャフト状部材」とも称す)を前後方向に通しつつ、シャフト状部材を固定ネジによって固定することにより使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述した従来技術の連結装置を介して支持装置(スタンド)に支持されたクランプ等の器具によって保持されているフラスコや試験管等の実験器具を含む実験対象物の位置を調整する操作は、固定ネジを緩めて行う。前後方向への位置調整を行う場合は、固定ネジを緩めても支持部材の支持溝に引っかかっているため、落下等せず静止した状態を維持できる。しかしながら、上下方向への位置調整を行う場合は、固定ネジを緩めると、落下方向への荷重が作用する。この際に、使用者にとって不意な荷重が作用することになり、実験器具が落下してしまう懸念がある。
【0006】
また、従来技術の連結装置においては、固定ネジを緩めても、直ちに連結装置やこれによって支持されている実験器具や実験対象物が落下しない場合がある。具体的には、実験対象物の荷重によって連結装置が傾いた状態になると、連結装置の上方側及び下方側の2点において支持装置側のパイプと干渉して抉た状態となり、作業者が手を離しても落下しない状態になることがある。従来技術の連結装置においては、このような状態になった場合に使用者の慢心を招き、連結装置を固定することなく使用者が作業等を行う懸念がある。その一方で、前述のように連結装置とパイプとが干渉して抉た状態においては、少しの衝撃や振動が連結装置に作用するだけで、前述の抉た状態が解消され得るため、不意に実験器具が落下してしまう懸念がある。
【0007】
そこで本発明は、使用者にとって不意打ちとなるような落下を抑制可能な連結構造体、及びこれを備えた連結装置の実現を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0035】
(1)本発明の一実施形態に係る連結構造体及びこれを備えた連結装置は、支持対象である支持対象物を、支持対象物を支持する支持装置に対して連結可能なものであって、支持装置が備えるシャフト状のシャフト状部の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構を備えており、ロック機構が、シャフト状部が挿通されるシャフト挿通部(第二シャフト挿通部/単に「シャフト挿通部」とも称す)を備えるとともに、シャフト挿通部に対してシャフト状部を挿通した状態において、シャフト状部に対して揺動可能とされた制御体(第一制御体、第二制御体/単に「制御体」とも称す)と、シャフト挿通部に挿通された制御体を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材と、を有し、制御体が、付勢部材による付勢力の影響によって揺動することにより、シャフト挿通部に挿通されたシャフト状部の軸線周り方向に回動しつつ、シャフト状部の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動することにより、シャフト状部に対して干渉して抉た状態になることにより、ロック状態となること、を特徴とするものである。
【0036】
本発明の連結構造体及び連結装置は、上記(1)のような構成とすることにより、ロック機構をなす制御体が、付勢部材による付勢力の影響によって揺動することにより、第一当接状態から第二当接状態を経て第三当接状態となる。これにより、連結構造体及び連結装置は、シャフト状部の周方向及び軸線方向の各所において制御体が当接し、シャフト状部に対して干渉して抉た状態になることでロック状態となる。これにより、連結構造体及び連結装置は、ロック状態において、シャフト状部に対して軸線方向一方側に向かう方向への移動が強固に制限され、軸線方向他方側に向かう方向への移動は前記一方向への移動と比べて緩やかに制限された状態となるように固定することができる。また、連結構造体及び連結装置は、上述した構成とすることにより、周方向への回動を抑制できる。
【0037】
(2)本発明の連結構造体及びこれを備えた連結装置は、支持対象である支持対象物を、支持対象物を支持する支持装置に対して連結可能な連結構造体であって、支持装置が備えるシャフト状のシャフト状部の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構を備えており、ロック機構が、シャフト状部が挿通されるシャフト挿通部を備えるとともに、シャフト挿通部に対してシャフト状部を挿通した状態において、シャフト状部に対して揺動可能とされた制御体と、シャフト挿通部に挿通された制御体を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材と、を有し、制御体が、付勢部材による付勢力の影響によって揺動することにより、シャフト挿通部に挿通されたシャフト状部の外周面に対して当接可能なシャフト干渉部(第一当接部)、シャフト当接部(第二当接部)、及びシャフト当接部(第三当接部)を、シャフト挿通部の周方向に互いに離れた位置に備えたものであり、付勢部材による付勢力の影響によって制御体がシャフト状部に対して傾斜することにより、シャフト状部の外周面に対してシャフト干渉部(第一当接部)が当接した第一当接状態になり、第一当接状態において、制御体が付勢部材による付勢力の影響によってシャフト干渉部(第一当接部)を外れた位置を回動支点として制御体がシャフト状部の軸線周り方向に回動することにより、シャフト当接部(第二当接部)がシャフト状部の外周面に対して当接した第二当接状態になり、第二当接状体において、制御体が付勢部材による付勢力の影響により、シャフト干渉部(第一当接部)及びシャフト当接部(第二当接部)がそれぞれシャフト状部の外周面に対して当接した箇所を揺動支点として、シャフト状部の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動してシャフト当接部(第三当接部)がシャフト状部の外周面に対して当接した状態になることにより、シャフト干渉部(第一当接部)、シャフト当接部(第二当接部)、及びシャフト当接部(第三当接部)においてシャフト状部に対して制御体が干渉した第三当接状態になることにより、ロック状態となること、を特徴とするものである。
【0038】
本発明の連結構造体及び連結装置は、上記(2)のような構成とすることにより、ロック機構をなす制御体が、付勢部材による付勢力の影響によって揺動することにより、第一当接状態から第二当接状態を経て第三当接状態となる。これにより、連結構造体及び連結装置は、制御体がシャフト状部に対して絡みつくような挙動で動作し、シャフト状部の周方向及び軸線方向の各所において当接した状態になる。その結果、連結構造体及び連結装置は、制御体がシャフト状部に対して干渉して抉た状態になり、ロック状態となる。そのため、連結構造体及び連結装置は、ロック状態とすることにより、シャフト状部に対して軸線方向に強固に固定された状態としつつ、周方向への回動を抑制できる。
【0039】
(3)本発明の連結構造体及びこれを備えた連結装置は、ロック機構が、複数(上記実施形態では二つ)の制御体を収容する収容部を有し、収容部の内部において、シャフト状部の挿通方向に隣接する第一の制御体、及び第二の制御体が、付勢部材による付勢力の影響によってシャフト状部の軸線周り方向に回動する際の回動方向、及びシャフト状部の軸線に対して交差する方向に揺動する際の揺動方向が反対方向となるように重ねた状態で収容されているものであると良い。
【0040】
本発明の連結構造体及び連結装置は、上記(3)のような構成とすることにより、複数の制御体を構成する第一の制御体及び第二の制御体が互いにスムーズに動作できるとともに、シャフト状部の軸線方向及び周方向に離れた複数の箇所でシャフト状部に対して当接させ、強固に固定することができる。
【0041】
(4)本発明の連結構造体及びこれを備えた連結装置は、第一の制御体及び第二の制御体が第二当接状態から第三当接状態になる際に、シャフト状部の軸線方向に離れる方向への第一の制御体及び第二の制御体の動作が収容部によって制限されるものであると良い。
【0042】
本発明の連結構造体及び連結装置は、上記(4)のような構成とすることにより、重なりあうように配された第一の制御体及び第二の制御体が第二当接状態から第三当接状態になる際に互いに作用し合う。これにより、第一の制御体及び第二の制御体が、シャフト状部に対してより強固に当接した状態になる。従って、連結構造体及び連結装置は、上記(4)のような構成とすることにより、ロック状態とした際のシャフト状部に対する固定強度をより一層向上させることができる。
【0043】
(5)本発明の連結構造体及びこれを備えた連結装置は、ロック機構が、制御体を収容する収容部を有し、制御体が、付勢部材による付勢力の影響によって揺動することにより、収容部の内壁部と当接する内壁当接部を有し、収容部の内壁部と内壁当接部との当接箇所を回動支点として、シャフト挿通部に挿通されたシャフト状部の軸線周り方向に回動するものであると良い。
【0044】
本発明の連結構造体及び連結装置は、上記(5)のような構成とすることにより、制御体をスムーズかつ確実に回動させることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、上記課題を解決した連結構造体、及びこれを備えた連結装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る連結装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示した連結装置の使用状態を示す断面図であり、(a)はロック状態であるとき、(b)はアンロック状態であるときを示すものである。
【
図6】
図5に示した断面図の要部を模式的に示した説明図であり、(a)はロック状態であるとき、(b)はアンロック状態であるときを示すものである。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る連結装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8(a)の要部を
図8とは異なる角度から見た状態を示す拡大図である。
【
図10】
図9に示した連結装置の分解斜視図である。
【
図11】本発明の第二実施形態に係る連結装置の分解斜視図である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係る連結装置の分解斜視図である。
【
図13】
図9に示した連結装置の使用状態を示す断面図である。
【
図14】本発明の第三実施形態に係る連結装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の第三実施形態に係る連結装置の使用状態を
図14とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
【
図16】第三実施形態に係る連結装置の分解斜視図である。
【
図17】第三実施形態に係る連結装置の分解斜視図である。
【
図18】第三実施形態に係る連結装置の断面図である。
【
図19】第三実施形態に係る連結装置の断面図である。
【
図20】
図18に係る断面図の要部拡大図であり、(a)はフック部材が固定された状態、(b)はフック部材の固定が解除された状態を示す。
【
図21】(a)は本発明の第四実施形態に係る連結装置を一方側から見た状態を示す斜視図、(b)は同連結装置を他方側から見た状態を示す斜視図である。
【
図22】第四実施形態に係る連結装置の正面図である。
【
図23】第四実施形態に係る連結装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図24】第四実施形態に係る連結装置の使用状態を示す断面図である。
【
図25】第五実施形態に係る連結装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図26】第五実施形態に係る連結装置がシャフト状部に対して固定された状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【
図27】第五実施形態に係る連結装置がシャフト状部に対して軸線方向への固定が解除され、軸線方向に対して交差する方向への移動が規制された状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【
図28】第五実施形態に係る連結装置がシャフト状部に対して軸線方向への固定が解除され、軸脱落抑制機構による線方向に対して交差する方向への移動規制を解除する操作中の状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【
図29】第五実施形態に係る連結装置がシャフト状部に対して軸線方向への固定が解除されるとともに、脱落抑制機構による軸線方向に対して交差する方向への移動の規制が解除された状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【
図30】第六実施形態に係る連結装置を示す斜視図である。
【
図31】第六実施形態に係る連結装置が備えるストッパー部材を示す斜視図である。
【
図32】第六実施形態に係る連結装置が備えるストッパー部材を示す分解斜視図である。
【
図33】(a)は第六実施形態に係る連結装置においてストッパー部材を押圧した状態を示す断面図、(b)は(a)の状態におけるロック機構の状態を示す平面図である。
【
図34】(a)は第六実施形態に係る連結装置においてストッパー部材への押圧力を解除した状態を示す断面図、(b)は(a)の状態におけるロック機構の状態を示す平面図である。
【
図35】(a)は第六実施形態において用いられる第一制御体及び第二制御体を示す平面図、(b)は(a)に係る第一制御体及び第二制御体を重ね合わせた状態を示す平面図である。
【
図36】(a)は第六実施形態において用いられるストッパー部材本体を示す平面図、(b)は(a)に示したストッパー部材本体に第二制御体をセットした状態を示す平面図、(c)は(a)に示したストッパー部材本体に第一制御体及び第二制御体を重ね合わせてセットした状態を示す平面図である。
【
図37】第六実施形態に係る連結装置においてストッパー部材を押圧した状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)はロック機構の状態を示す平面図において第一当接部~第三当接部に相当する箇所にマーキングを施したもの、(c)は(a)の要部拡大図、(d)は第一制御体とシャフト状部との関係を示した側面図、(e)は第一制御体とシャフト状部との関係を示した平面図、(f)は第二制御体とシャフト状部との関係を示した側面図、(g)は第二制御体とシャフト状部との関係を示した平面図である。
【
図38】第六実施形態に係る連結装置においてストッパー部材への押圧力を解除した状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)はロック機構の状態を示す平面図において当接箇所にマーキングを施したもの、(c)は(a)の要部拡大図、(d)はシャフト状部に対する第一制御体の動作を示した側面図、(e)は第一制御体とシャフト状部との関係を示した斜視図、(f)は(e)とは異なる角度から見た斜視図、(g)はシャフト状部に対する第二制御体の動作を示した側面図、(h)は第二制御体とシャフト状部との関係を示した斜視図、(f)は(e)とは異なる角度から見た斜視図である。
【
図39】(a)は第六実施形態に係る連結装置において第一制御体が付勢力の影響でシャフト状部から押圧力を受けた第一当接状態を示す平面図、(b)は(a)に係る状態から第一制御体が回動した第二当接状態を示す平面図、(c)はシャフト状部に対する第一制御体の動作を示した側面図、(d)はシャフト状部に対する第一制御体の動作を示した平面図、(e)は第一制御体とシャフト状部との関係を示した斜視図、(f)は(e)とは異なる角度から見た斜視図、(g)は第二制御体が付勢力の影響でシャフト状部から押圧力を受けた第一当接状態を示す平面図、(h)は(g)に係る状態から第二制御体が回動した第二当接状態を示す平面図、(i)はシャフト状部に対する第二制御体の動作を示した側面図、(j)はシャフト状部に対する第二制御体の動作を示した平面図、(k)は第一制御体とシャフト状部との関係を示した斜視図、(l)は(k)とは異なる角度から見た斜視図である。
【
図40】(a)は第二当接状態における第一制御体及びシャフト状部の状態を示す斜視図、(b)は(a)とは異なる角度から見た斜視図、(c)は第一制御体及びシャフト状部が第二当接状態から第三当接状態に切り替わる様子を示す斜視図、(d)は(c)とは異なる角度から見た状態を示す斜視図、(e)は第二当接状態における第二制御体及びシャフト状部の状態を示す斜視図、(f)は(e)とは異なる角度から見た斜視図、(g)は第二制御体及びシャフト状部が第二当接状態から第三当接状態に切り替わる様子を示す斜視図、(h)は(gc)とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
【
図41】(a),(b)は第一制御体及びシャフト状部が第二当接状態から第三当接状態に切り替わる様子を示す斜視図、(c),(d)は第一制御体及びシャフト状部が第三当接状態になった状態を示す斜視図、(e),(f)は第二制御体及びシャフト状部が第二当接状態から第三当接状態に切り替わる様子を示す斜視図、(g),(h)は第二制御体及びシャフト状部が第三当接状態になった状態を示す斜視図である。
【
図42】(a)は第一制御体及び第二制御体と、シャフト状部とが第三当接状態に至る様子を、第三当接状態に至る動作を矢印で示しつつ図示した斜視図、(b)は第一制御体及び第二制御体と、シャフト状部とが第三当接状態になった状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
≪第一実施形態≫
以下、本発明の第一実施形態に係る連結装置10及び連結構造体1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置10及び連結構造体1の特徴的構成について説明した後に、連結装置10の具体例について説明する。
【0048】
(第一実施形態に係る連結装置10及び連結構造体1の特徴的構成)
図1~
図6は、連結装置10及びこれを構成する連結構造体1を例示したものである。連結装置10は、支持対象である支持対象物24と、支持対象物24を支持する支持装置20との間に介在することにより、支持対象物24を支持装置20に対して連結するものである。連結装置10は、第一連結部70、及び第二連結部72を備えている。第一連結部70は、支持装置20が備えるシャフト状の第一シャフト状部22に対して連結される部分である。第二連結部72は、支持対象物24が備えるシャフト状の第二シャフト状部26に対して連結される部分である。連結装置10は、第一連結部70及び第二連結部72のいずれか一方又は双方が連結構造体1によって構成されている。本実施形態では、第一連結部70が連結構造体1によって構成されている。連結構造体1は、ロック機構60を具備している。
【0049】
ロック機構60は、支持装置20が備えるシャフト状の第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能とするための機構である。ロック機構60は、本体部30(収容部)、ストッパー部材40、付勢部材50を有する。
【0050】
本体部30は、ストッパー部材40、及び付勢部材50が組み付けられる収容部を構成するものである。本体部30は、第一シャフト状部22が挿通される第一シャフト挿通部30a(本体シャフト挿通部)を有する。本体部30は、ストッパー部材40を揺動可能に支持する。
図2及び
図4に示すように、本体部30には、対向部34が設けられている。対向部34は、後述するストッパー部材40の押圧部46に対して、押圧部46に作用させる押圧力の作用方向反対側に位置している。
【0051】
ストッパー部材40は、第一シャフト状部22が挿通される第二シャフト挿通部40a(ロック機構シャフト挿通部)を備えている。第二シャフト挿通部40aに対して第一シャフト状部22を挿通した状態において、第二シャフト挿通部40aに対して揺動可能とされている。ストッパー部材40には、押圧部46が設けられている。押圧部46は、使用者がストッパー部材40に対して押圧力を作用させる部分である。
【0052】
付勢部材50は、第二シャフト挿通部40aに挿通された第一シャフト状部22の軸線方向にストッパー部材40を付勢するものである。
【0053】
ロック機構60は、ロック状態と、アンロック状態とに切り替え可能とされている。具体的には、ロック機構60は、第一シャフト挿通部30a及び第二シャフト挿通部40aの双方に第一シャフト状部22を挿通した状態において、ストッパー部材40が付勢部材50により軸線方向に付勢されるとともに、ストッパー部材40が第一シャフト状部22に対して第一接触部P、及び第一接触部Pに対して第一シャフト状部22の軸心位置を挟んで反対側であって第一接触部Pに対して軸線方向に離れた第二接触部Qにおいて接触することにより、シャフト状部に対してロックされた状態(ロック状態)となる。一方、ロック機構60は、ロック状態において付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40を押圧して揺動させることにより、第一接触部P、及び第二接触部Qにおける接触が解除された状態(ロック解除状態)となる。
【0054】
連結装置10(連結構造体1)は、使用者が押圧部46に第一の指(例えば人差し指)をあてがい、対向部34に第一の指とは異なる指(例えば親指)をあてがうことにより、使用者が片手で把持しつつストッパー部材40に押圧力を作用させる押圧操作を行える。
【0055】
(第一実施形態に係る連結装置10及び連結構造体1の具体例)
以下、第一実施形態に係る連結装置10及び連結構造体1の具体例について説明する。
【0056】
図1は、本実施形態に係る連結装置10の使用状態を示す斜視図である。連結装置10は、
図2~
図6に示すような構成とされている。連結装置10は、支持装置20(スタンド)に固定されて立設された第一シャフト状部22(パイプ)を挿通させることにより、後に詳述するロック機構60によって第一シャフト状部22の軸線方向への移動が規制された状態としつつ、第一シャフト状部22の所定位置において第一方向固定ネジ12によって固定した状態で使用する。すなわち、連結装置10は、ロック機構60を用いて構成される第一連結部70によって、第一シャフト状部22に対して連結することができる。
【0057】
また、連結装置10は、第一シャフト状部22に対して取り付けた状態において、第一シャフト状部22に対して交差する方向(本実施形態では直交する方向)に向けてシャフト状の部材を挿通可能な支持溝14を有する。連結装置10は、支持溝14に対して支持対象物24であるクランプ等の器具が備えるシャフト状の部分(第二シャフト状部26)を通しつつ、第二シャフト状部26を第二方向固定ネジ16によって固定できる。すなわち、連結装置10は、支持溝14や第二方向固定ネジ16を用いて構成される第二連結部72によって、第二シャフト状部26に対して連結することができる。
【0058】
連結装置10は、支持対象である支持対象物24と、支持対象物24を支持するための支持装置20との間に介在させつつ、第一シャフト状部22及び第二シャフト状部26に対して上述した第一連結部70及び第二連結部72を連結させることにより、支持対象物24を支持装置20に対して連結可能である。
【0059】
連結装置10は、ロック機構60を備えており、第一シャフト状部22に対して固定するための第一方向固定ネジ12(上下方向固定ねじ)を緩めた場合であっても、ロック機構60をなすストッパー部材40が第一シャフト状部22と干渉して抉た状態(ロック状態)となり、静止する構成とされている。
【0060】
連結装置10は、ロック機構60がロック状態である場合において、上方向には移動可能であるが、下方向には移動不能となる。連結装置10は、ロック機構60がロック状態である場合において、ストッパー部材40を押し込む操作を行ってロック機構60をアンロック状態とすることによってストッパー部材40と第一シャフト状部22との干渉が解除され、第一シャフト状部22への挿入や上下位置調整が可能となる。連結装置10は、ロック機構60をアンロック状態として第一シャフト状部22の軸線方向への位置調整を行った後、第一方向固定ネジ12を締め付けることにより、固定した状態で使用できる。
【0061】
連結装置10は、本体部30、ストッパー部材40、キックばねによって構成された付勢部材50を主要な構成部品として組み立てて構成されたロック機構60を備えたものとされている。連結装置10を組み立てる際には、先ずストッパー部材40の内側に設けられた内側突起部42に対して付勢部材50を挿入して係合させる。また、付勢部材50が挿入されたストッパー部材40の外側に設けられた外側突起部44を、本体部30の内側面に形成された係合溝32に係合させ、係合溝32に沿ってストッパー部材40を本体部30の内側へ押し込み組むことにより、連結装置10を組み立てることができる。
【0062】
上述したようにして連結装置10を組み立てると、ストッパー部材40と本体部30の間に付勢部材50が介在した状態になる。これにより、付勢部材50によってストッパー部材40を押上げる方向への付勢力が、ストッパー部材40に対して常時作用した状態になる。
【0063】
ロック機構60は、本体部30に設けられた第一シャフト挿通部30a、及びストッパー部材40に設けられた第二シャフト挿通部40aに対して第一シャフト状部22を挿入した状態において、ストッパー部材40が常に第一シャフト状部22に押しあてられた状態を維持可能なものとされている。
図5や
図6に示すように、連結装置10は、ストッパー部材40が第一シャフト状部22に2点で干渉し抉た状態となることでロック状態となり、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制され、静止した状態になる。連結装置10が落下しようとする力は、ストッパー部材40には第一シャフト状部22に押しあてようとする力として伝わる。そのため、連結装置10は、さらに落下しにくくなる。また、連結装置10は、衝撃や振動を受けてもストッパー部材40が第一シャフト状部22に2点で干渉し抉た状態を維持するため、落下しにくい。
【0064】
連結装置10は、ストッパー部材40を付勢部材50による付勢力に反して押し込むことにより、ロック機構60をアンロック状態とすることができる。すなわち、連結装置10は、ストッパー部材40を付勢部材50による付勢力に反して押し込み、ストッパー部材40が水平方向へ近づく方向に揺動させることにより、第一シャフト状部22とストッパー部材40との間に隙間が形成される。これにより、連結装置10は、ストッパー部材40が第一シャフト状部22と干渉することなく、第一シャフト状部22の軸線方向に移動可能な状態となる。また、連結装置10は、ロック機構60を解除した状態において不意に掛かる荷重によって作業者の手が離れた場合であっても、ストッパー部材40が付勢部材50による付勢力によって押し戻されてロック状態に復元する構造となっている。そのため、連結装置10は、落下することなく瞬時に静止する。
【0065】
≪第二実施形態≫
以下、本発明の第二実施形態に係る連結装置210及び連結構造体201について、
図7~
図13を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置210及び連結構造体201の特徴的構成について説明した後に、連結装置210及び連結構造体201の具体例について説明する。なお、第二実施形態に係る連結装置210及び連結構造体201の特徴的構成、及び具体例の説明において、上述した連結装置10及び連結構造体1と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0066】
(第二実施形態に係る連結装置210及び連結構造体201の特徴的構成)
連結装置210は、連結装置10や連結構造体1の本体部30及びストッパー部材40に代えて、本体部230及びストッパー部材240を有する。本体部230及びストッパー部材240は、概ね上述した本体部30及びストッパー部材40と同様の構成とされているが、第一シャフト挿通部30aに相当する第一シャフト挿通部230a、及び第二シャフト挿通部40aに相当する第二シャフト挿通部240aに加えて、本体部230が本体シャフト受入部230bを備えている点、及びストッパー部材240がロック機構シャフト受入部240bを備えている点が相違している。また、連結装置210及び連結構造体201は、脱落抑制機構280(交差方向移動規制部)を備えている点において、連結装置10及び連結構造体1と構成が相違している。
【0067】
本体シャフト受入部230bは、本体部230に設けられた第一シャフト挿通部230aに対して第一シャフト状部22を出し入れするために形成された部分である。本体シャフト受入部230bは、第一シャフト挿通部230aに挿通される第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向に第一シャフト状部22を出し入れ可能なように開口した部分である。本体シャフト受入部230bは、第一シャフト挿通部230aに対して連通するように本体部230を切り欠くことにより形成されている。
【0068】
ロック機構シャフト受入部240bは、ストッパー部材240に設けられた第二シャフト挿通部240aに対して第一シャフト状部22を出し入れするために形成された部分である。ロック機構シャフト受入部240bは、第二シャフト挿通部240aに挿通される第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向に第一シャフト状部22を出し入れ可能なように開口した部分である。本体シャフト受入部230bは、第二シャフト挿通部240aに対して連通するようにストッパー部材240を切り欠くことにより形成されている。
【0069】
連結装置210は、本体部230に対してストッパー部材240を組み付けた状態において、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bが連通し、側方に向けて開放された開口部274を備えたものとされている。連結装置210は、本体部230の側方から、開口部274を介して第一シャフト状部22を第一シャフト挿通部230a及び第二シャフト挿通部240aに挿通させたり、抜き出したりすることができる。
【0070】
脱落抑制機構280は、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向への第一シャフト状部22と本体部230との相対移動を規制することにより、開口部274を介して予期せず第一シャフト状部22が抜け出し、連結装置210(連結構造体201)が第一シャフト状部22から脱落するのを抑制するためのものである。
【0071】
脱落抑制機構280は、本体部320に設けられた本体シャフト受入部230b、及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りを規制する規制状態と、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りが許容された規制解除状態とに切り替え操作できるものとされている。
【0072】
(第二実施形態に係る連結装置210及び連結構造体201の具体例)
以下、第二実施形態に係る連結装置210及び連結構造体201の具体例について説明する。
【0073】
連結装置210は、
図7に示すように、第一シャフト状部22の軸線方向上方側に既に連結装置10が取り付けられている箇所や、枠状に組まれた実験台に設けられた第一シャフト状部22に対して追加して別途、上述したクランプ等のシャフト状の部分(第二シャフト状部26)を有する器具を支持対象物24として取り付けたい場合などに好適に利用可能なものである。
【0074】
連結装置210は、フック型の形状を有するものである。連結装置210は、
図8~
図13に示すような構成とされている。連結装置210は、上述した第一連結部70に対応する第一連結部270と、第二連結部72と同様の第二連結部272を備えている。第二連結部272は、上述した第二連結部72と同一の構成とされている。また、第一連結部270は、上述した第一連結部70と同様にロック機構60を備えている。第一連結部270は、これに加えて、フック状とすることにより第一シャフト状部22を当該第一シャフト状部22の軸線に対して交差する方向に移動させることにより差し込み可能なように形成された開口部274と、第二連結部272から第一シャフト状部22が脱落するのを抑制するための脱落抑制機構280を備えている。
【0075】
図8~
図13に示すように、脱落抑制機構280は、移動体282(カバー)を用いて構成されている。移動体282は、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入り経路をなす開口部274に対して進出、及び退出する方向に移動可能なものとされている。本実施形態では、移動体282は、平面視で略「L」字型の形状を有する移動体本体283と、円筒状の突起284を備えたものとされている。移動体282は、本体部230の底部に設けられた穴230g(
図11及び
図12参照)に対し、移動体282に設けられた円筒状の突起284を挿入することにより、本体部230に対して組み付けられる。これにより、移動体282は、突起284を支軸として本体部230に対して回動可能に接続されている。また、脱落抑制機構280は、突起284を支軸として回動させることにより、移動体本体283によって開口部274を閉じた状態(規制状態)、及び開口部274を開いた状態(規制解除状態)に切り替えることができる。
【0076】
ここで、脱落抑制機構280においては、移動体282(カバー)を連結装置10の本体部に対して組み付ける用途に加えて、開閉動作用のレバーとしての用途にも第一方向固定ネジ12(上下方向固定ねじ)を活用できるようにした構成とされている。本体部230の底部に設けられた穴230gに対し、移動体282の突起284を挿入することにより本体部230に対して移動体282を組み合わせた後、第一方向固定ネジ12を本体部230に設けられた逃がし穴230hを通して移動体282へと挿入して係合させることにより、移動体282を本体部230に対して固定することができる。移動体282は、第一方向固定ネジ12を緩めていき、連結装置10の本体部に施された逃がし穴230hから第一方向固定ネジ12が抜けた状態とすることにより、突起284を支軸として移動体282を回動させることにより、開口部274の開閉動作が可能となる。脱落抑制機構280は、第一方向固定ネジ12をレバーとし、移動体282を90°回転させることにより、第一シャフト状部22を脱着可能な状態となる。脱落抑制機構280は、第一方向固定ネジ12を回転させる操作が所定回転分(本実施形態では5~6回転分)だけ必要である。これにより、脱落抑制機構280は、第一方向固定ネジ12を作業者が意識的に操作することにより開閉操作を行うものとされている。また、脱落抑制機構280は、第一方向固定ネジ12を移動体282を連結装置10の本体部に対して組み付けるための部材としてだけでなく、開閉動作用のレバーとしても活用できる構成であるため、部品点数が少なく、その動作や構成がシンプルなものとされている。
【0077】
≪第三実施形態≫
以下、本発明の第三実施形態に係る連結装置310及び連結構造体301について、
図14~
図20を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置310及び連結構造体301の特徴的構成について説明した後に、連結装置310及び連結構造体301の具体例について説明する。なお、第三実施形態に係る連結装置310及び連結構造体301の特徴的構成、及び具体例の説明において、上述した連結装置10、連結装置210、連結構造体1、及び連結構造体201と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0078】
(第三実施形態に係る連結装置310及び連結構造体301の特徴的構成)
連結装置310及び連結構造体301は、第二実施形態の連結装置210及び連結構造体201と概ね同一であるが、脱落抑制機構280に代えて脱落抑制機構380を備えている点において相違している。また、連結装置310及び連結構造体301は、脱落抑制機構380の組み付け等のために、第二実施形態の連結装置210及び連結構造体201が備える本体部230に代えて、本体部320を備えている点においても相違している。
【0079】
本体部320は、上述した第二実施形態の連結装置210(連結構造体201)が備える本体部230と同様に、ストッパー部材40や付勢部材50からなるロック機構60が組み付けられる部材である。本体部320は、第二実施形態で例示した本体部230の第一シャフト挿通部230a及び本体シャフト受入部230bを備えている。また、本体部320は、ロック機構60が組みつけられるロック機構組付部320dを備えている。さらに、本体部320は、隔壁部320eを介してロック機構組付部320dとは反対側(図示例では下側)に、移動体組付部320cを備えている。
【0080】
移動体組付部320cは、後に詳述する脱落抑制機構380のフック部材390が組みつけられる部分である。移動体組付部320cは、本体シャフト受入部230bに対して連通するとともに、本体シャフト受入部230bとは反対側にも連通している。また、本体部320は、移動体組付部320cの天面をなす隔壁部320e、及び移動体組付部320cの底面に亘って、ピン挿通孔320fが設けられている。ピン挿通孔320fは、移動体組付部320cに組みつけられるフック部材390を回動可能に支持するためのピン392を挿通するために設けられている。また、隔壁部320eには、移動体組付部320cの反対側から移動体組付部320cに向けて第一方向固定ネジ12をねじ込むためのネジ孔320gを備えている。さらに、
図18~
図20に示すように、隔壁部320eにおいて、移動体組付部320c側を向く面(隔壁部320eの底面)には、ネジ孔連通部320hが設けられている。ネジ孔連通部320hは、移動体組付部320cとネジ孔320gとを連通するように設けられた連通孔とされている。
【0081】
脱落抑制機構380は、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向への第一シャフト状部22と本体部230との相対移動を規制することにより、開口部274を介して予期せず第一シャフト状部22が抜け出し、連結装置310(連結構造体301)が第一シャフト状部22から脱落するのを抑制するためのものである。
【0082】
脱落抑制機構380は、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りを規制する規制状態と、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りが許容された規制解除状態とに切り替え操作できるものとされている。
【0083】
脱落抑制機構380は、上述した第二実施形態に係る脱落抑制機構280の移動体282に代えてフック部材390を備えている。また、脱落抑制機構280においては第一方向固定ネジ12により移動体282が予期せず開かないように固定できる構成であるのに対し、脱落抑制機構380においては第一方向固定ネジ12に設けた切欠382や、球状部材384、フック部材390に設けられた凹部394を用いることによりフック部材390が予期せず開かないように固定できる構成とされている。
【0084】
(第三実施形態に係る連結装置310及び連結構造体301の具体例)
以下、第三実施形態に係る連結装置310及び連結構造体301の具体例について説明する。
【0085】
図14~
図19に示すように、連結装置310(連結構造体301)は、本体部320に対してロック機構60及び脱落抑制機構380(交差方向移動規制部)を組みつけたものとされている。脱落抑制機構380は、上述した第二実施形態の脱落抑制機構280の移動体282に代えて、フック部材390を備えている。フック部材390は、本体部320の移動体組付部320cに組み込まれている。
【0086】
連結装置310は、第一シャフト状部22に対して係合することにより落下を防止するためのフック部材390を備えている。フック部材390は、平面視においてフック状に湾曲した形状を有するものとされている。フック部材390は、天面側(移動体組付部320cへの組み付け状態において隔壁部320e側を向く面)に凹部394を有する。また、フック部材390は、一端側において天面から底面に貫通したピン挿通孔396を備えている。フック部材390は、移動体組付部320cに嵌め込まれ、ピン挿通孔396、及び本体部320側に設けられたピン挿通孔320fに亘ってピン392を挿通することにより、本体部320に組みつけられている。これにより、フック部材390は、ピン392を支軸として回動して、ピン挿通孔396が設けられたのとは反対側の端部が本体シャフト受入部230bに対して進入及び退出できるものとされている。
【0087】
連結装置310は、第一方向固定ネジ12(上下方向固定ネジ)の中間部に施された切欠382と、球状部材384とを活用して構成されるフック部材390のロック構造を備えている。連結装置310は、フック部材390の上面に設けられた凹部394、本体部320の隔壁部320eに設けられたネジ孔連通部320h、及び第一方向固定ネジ12に設けられた切欠382に球状部材384が入るように組み立てられている。
【0088】
連結装置310は、第一方向固定ネジ12を締めるために回動するのに伴って、切欠382が第一方向固定ネジ12の軸線方向に移動し、ネジ孔連通部320hに相当する位置に第一方向固定ネジ12のネジ山が到来した状態になる。この状態においては、球状部材384に第一方向固定ネジ12のネジ山が当たる。これにより、
図20(a)に示すように、球状部材384に対して下方への押圧力が作用し、球状部材384がフック部材390を押さえつけて固定する。一方、第一方向固定ネジ12を緩めていくと、切欠382が第一方向固定ネジ12の軸線方向に後退し、ネジ孔連通部320hに相当する位置に第一方向固定ネジ12の切欠382が到来した状態になる。この状態になると、球状部材384が切欠382に退避可能な状態になる。これにより、球状部材384によるフック部材390の押し付け力(固定力)が解除される。
【0089】
≪第四実施形態≫
第四実施形態にかかる連結装置410及び連結構造体401について、
図21~
図24を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置410及び連結構造体401の特徴的構成について説明した後に、連結装置410及び連結構造体401の具体例について説明する。なお、第四実施形態に係る連結装置410及び連結構造体401において、上述した連結装置10(連結構造体1)や連結装置210(連結構造体201)、連結装置310(連結構造体301)と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0090】
(第四実施形態に係る連結装置410及び連結構造体401の特徴的構成)
連結装置410及び連結構造体401は、上述した第一実施形態の連結装置10及び連結構造体1と比較して、本体部30に代えて本体部420を有する。連結装置410及び連結構造体401は、本体部420が棒状に延びる形状とされており、本体側把持部420a(ハンドル部)を有する。また、連結装置410及び連結構造体401は、ストッパー部材440を直接的あるいは間接的(本実施形態では直接的)に揺動操作可能なストッパー把持部440b(レバー部)を有する。これにより、連結装置410及び連結構造体401は、使用者が棒状の本体側把持部420aに手の一部(例えば手のひら)をあてがいつつ、レバー状のストッパー把持部440bに指を掛けて把持した状態において、ストッパー把持部440bを揺動操作できるものとされている。
【0091】
(第四実施形態に係る連結装置410及び連結構造体401の具体例)
以下、第四実施形態に係る連結装置410及び連結構造体401の具体例について説明する。
【0092】
連結装置410は、
図21~
図24のようなものとされている。連結装置410は、本体部420を有する。本体部420は、連結装置410の本体をなす部分である。本体部420は、その長手方向一方側に使用者が把持可能な本体側把持部420aを有する。本体部420は、長手方向他方側に上述した支持溝14に相当する支持溝414を有し、長手方向中間部に第一シャフト挿通部30aに相当する第一シャフト挿通部430aを有する。第一シャフト挿通部430aは、本体部420の長手方向に対して交差する方向(本実施形態では直交方向)に貫通しており、第一シャフト状部22を挿通可能とされている。連結装置410は、上述した連結装置10が備えているストッパー部材40に代えて、ストッパー部材440を設けたものとされている。
【0093】
さらに具体的には、
図24に示すように、本体部420は、支持溝414よりも本体側把持部420a側の部分が、中空とされている。ストッパー部材440は、板状の部材であり、その長手方向一方側が本体部420の内側に差し込まれ、他方側が本体部420の中間部分に形成された開口から取り出されている。ストッパー部材440は、本体部420に対して、揺動支持部442を支点として揺動可能に支持されている。ストッパー部材440は、揺動支持部442よりも一端側(本体部420への進入方向奥側)に、第二シャフト挿通部440aを有する。第二シャフト挿通部440aは、上記第一実施形態の連結装置10における第二シャフト挿通部40aと同様に、第一シャフト状部22を挿通可能な孔とされている。
【0094】
ストッパー部材440は、上述した揺動支持部442よりも他端側(本体部420から外に取り出された側)の部分が、本体部420の本体側把持部420aに対向する位置まで延出している。そのため、ストッパー部材440において、本体側把持部420aに対向する部分は、ユーザが本体側把持部420aに手のひらをあてがった状態において、ストッパー部材440に対して指を掛けることができるストッパー把持部440b(レバー部)とされている。
【0095】
ストッパー部材440は、図示しないバネ等の付勢部材によって、ストッパー把持部440bが本体側把持部420aから離れるように付勢されている。そのため、ストッパー部材440は、ユーザが本体側把持部420aに手のひらをあてがった状態において、ストッパー部材440に対して指を掛けた状態において、付勢部材による付勢力に反する方向(ストッパー把持部440bが本体側把持部420aに近づく方向)に向けて力が作用するように握ることにより、ストッパー部材440が揺動するように操作できる。
【0096】
連結装置410は、
図23に示すように支持装置20の第一シャフト状部22を本体部420の第一シャフト挿通部430aに挿通した状態として、支持装置20に対して装着される。この状態においては、
図24に示すように、本体部420の内部において、ストッパー部材440に設けられた第二シャフト挿通部440aに対して第一シャフト状部22が挿通された状態となる。
【0097】
ここで、上述したように、ストッパー部材440は、常時において図示しない付勢部材によって付勢され、
図24に示すように傾斜した状態とされる。そのため、常時においては、ストッパー部材440の第二シャフト挿通部440aをなす開口縁が第一シャフト状部22の外周面に対して、第一シャフト状部22を介して一方側及び他方側において、互いに第一シャフト状部22の軸線方向に離れた位置に置いて押し当てられた状態となる。これにより、ストッパー部材440が第一シャフト状部22に対して2点で干渉し抉た状態となることでロック状態となり、第一シャフト状部22の軸線方向への連結装置410の移動が抑制され、静止した状態になる。
【0098】
一方、ユーザが本体部420の本体側把持部420aに手のひらをあてがい、ストッパー部材440に対して指を掛けつつ、付勢部材による付勢力に反してストッパー把持部440bが本体側把持部420aに近づく方向に向けて力が作用するようにストッパー部材440を握ると、上述したようにストッパー部材440が第一シャフト状部22に対して2点で干渉して抉た状態が解消され、アンロック状態となる。これにより、ユーザが本体部420及びストッパー部材440を掴んだ状態で、連結装置410を第一シャフト状部22の軸線方向にスライド操作を行える状態になる。
【0099】
≪第五実施形態≫
以下、本発明の第五実施形態に係る連結装置510及び連結構造体501について、
図25~
図29を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置510及び連結構造体501の特徴的構成について説明した後に、連結装置510及び連結構造体501の具体例について説明する。なお、第五実施形態に係る連結装置510及び連結構造体501の特徴的構成、及び具体例の説明において、上述した連結装置10(連結構造体1)、連結装置210(連結構造体201)、連結装置310(連結構造体301)、連結装置410(連結構造体401)と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0100】
(第五実施形態に係る連結装置510及び連結構造体501の特徴的構成)
連結装置510及び連結構造体501は、第二実施形態の連結装置210(連結構造体201)や第三実施形態の連結装置310(連結構造体301)と概ね同一であるが、脱落抑制機構280や脱落抑制機構380に代えて、脱落抑制機構580(交差方向移動規制部)を備えている点において相違している。また、連結装置510及び連結構造体501を構成する本体部520は、上述した第三実施形態において例示した本体部320と概ね構成が共通しているが、脱落抑制機構580の組み付け等のために、本体部520は本体部320と一部の構成が相違している。以下の説明においては、脱落抑制機構580及び本体部520について、上述した脱落抑制機構380や本体部520と共通する部分については同一の符号を付し詳細の説明を省略しつつ、相違点を中心に説明する。
【0101】
脱落抑制機構580は、脱落抑制機構280や脱落抑制機構380と同様に、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りを規制する規制状態と、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りが許容された規制解除状態とに切り替え操作できるものとされている。脱落抑制機構580は、移動体282やフック部材390に代えて、移動体582を備えている。また、脱落抑制機構580は、切替機構584を有する。
【0102】
移動体582は、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入り経路となる開口部274に対して進出、及び退出する方向に移動可能なものである。移動体582は、第一シャフト状部22の出入り経路に対して進出することにより脱落抑制機構580を規制状態とし、第一シャフト状部22の出入り経路から退出することにより脱落抑制機構580を規制解除状態とすることができる。
【0103】
切替機構584は、上述した移動体582の移動を規制した移動規制状態、及び移動体582の移動を許容した移動許容状態に切り替え可能とするための機構である。切替機構584は、切替操作部586を有する。
【0104】
切替操作部586は、切替機構584の操作を行うためのものである。切替操作部586は、ストッパー部材40等の他部材から独立して操作可能なものとしても良いが、本実施形態ではストッパー部材40の揺動操作に連動して操作可能なものとされている。また、切替操作部586は、揺動等の適宜の動作を伴って操作するものとすることが可能であるが、本実施形態では押圧力を作用させることにより操作可能なもの(押圧部586a)とされている。切替操作部586をなす押圧部586aは、ストッパー部材40の可動域に設けられている。本実施形態では、切替操作部586(押圧部586a)は、ストッパー部材40の揺動操作によりロック機構60がロック状態からアンロック状態に切り替わる位置よりもさらに付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40を押圧して揺動させることにより、ストッパー部材40から切替操作部586(押圧部586a)に対して押圧力を作用させ、切替機構584を移動規制状態から移動許容状態に切り替え可能なものとされている。
【0105】
(第五実施形態に係る連結装置510及び連結構造体501の具体例)
以下、第五実施形態に係る連結装置510及び連結構造体501の具体例について説明する。
【0106】
連結装置510(連結構造体501)は、第三実施形態の連結装置310(連結構造体301)と同様に、本体部320に対してストッパー部材40、及び付勢部材50を組み付けることにより構成されたロック機構60を有する。連結装置510は、第二実施形態の連結装置210や第三実施形態の連結装置310における移動体282やフック部材390に代えて、移動体582を備えている。
【0107】
移動体582は、フック部材390と同様にフック状の形状に形成されている。移動体582は、上述した移動体282やフック部材390と同様に、本体部320においてストッパー部材40や付勢部材50からなるロック機構60が組み付けられる空間に対して隣接する位置に設けられている。本実施形態では、第三実施形態のフック部材390と同様に、本体部320においてストッパー部材40や付勢部材50からなるロック機構60が組み付けられるロック機構組付部320dに対して隣接する位置に設けられた移動体組付部320cに組み付けられている。第三実施形態においてフック部材390がピン392を支軸として本体部320に対して回動可能とされているのと同様に、移動体582は、ピン392を支軸として本体部520に対して回動可能に支持されている。移動体582は、ピン392を支軸として回動することにより、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入り経路となる開口部274に対して進出、及び退出する方向に移動可能とされている。
【0108】
連結装置510は、上述した切替機構584を備えている。切替機構584は、切替操作部586、固定体588、固定体付勢部材560を備えている。
【0109】
切替操作部586は、ピン状の部材によって構成されている。切替操作部586をなすピンは、本体部320において移動体組付部320cとロック機構組付部320dとを隔てる隔壁部320eに、移動体組付部320cとロック機構組付部320dとに亘って連通した連通孔520fに挿通されている。切替操作部586は、連通孔520fの長さと同程度あるいはそれ以上の長さを有するものとされている。連通孔520fは、ロック機構組付部320dに配されるストッパー部材40の押圧部46に対して下方側の位置に開口している。そのため、連通孔520fに挿通された切替操作部586は、ストッパー部材40の可動域内(本実施形態ではロック機構組付部320d)に突出した状態となる。
【0110】
固定体588は、ピン状の部材によって構成されている。また、固定体付勢部材560は、バネによって構成されている。固定体588をなすピン及び固定体付勢部材560をなすバネは、移動体582の天面側に開口するように設けられた固定体収容部582aに嵌め込まれている。固定体588は、固定体収容部582aの底側に配された固定体付勢部材560の上に配されている。固定体588の長さと固定体付勢部材560をなすバネの自然長との和は、固定体収容部582aをなす穴の深さ(長さ)よりも長い。また、固定体588の長さ及び固定体付勢部材560をなすバネの自然長は、固定体収容部582aをなす穴の深さ(長さ)よりも短い。そのため、固定体588に対して軸線方向への押圧力を作用させていない状態においては、固定体588の下端側が固定体収容部582aに収容されつつ、固定体588の上端側が移動体582の天面よりも突き出した状態になる(
図26(a)、
図27(a)参照)。また、固定体588に対して軸線方向への押圧力を作用させると、固定体付勢部材560が縮み、固定体588の上端側が移動体582の天面と面一、あるいは移動体582の天面よりも沈み込んだ状態とすることができる(
図28(a)、
図29(a)参照)。
【0111】
上述した固定体収容部582aは、移動体582を第一シャフト状部22の出入り経路に対して進出することにより脱落抑制機構580を規制状態とした状態(
図26(a)、
図27(a)参照)において、本体部320の隔壁部320eに設けられた連通孔520fと連通する位置に設けられている。そのため、脱落抑制機構580を規制状態とした状態においては、移動体582の固定体収容部582aに嵌め込まれた固定体588の上端部が、隔壁部320eの連通孔520fに向けて突出し、連通孔520fに嵌まり込んだ状態になる。これにより、移動体582は、回動不能な状態となる。また、連通孔520fに差し込まれている切替操作部586は、固定体588によって突き動かされ、ロック機構組付部320dに配されたストッパー部材40(押圧部46)の下方側に突出した状態になる。
【0112】
また、連結装置510は、脱落抑制機構580が規制状態とされた状態において、ストッパー部材40(押圧部46)を付勢部材50の付勢力に反して押圧すると、やがてストッパー部材40と第一シャフト状部22とが第一接触部P及び第二接触部Qにおいて接触し、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制された状態から、第一接触部P及び第二接触部Qにおける接触が解除され、上下方向への移動が許容された状態になる。この状態からさらにストッパー部材40(押圧部46)を押圧すると、ストッパー部材40が切替操作部586の上端部に当接した状態になる。この状態からさらにストッパー部材40を押圧すると、
図28(a)に示すように、ストッパー部材40により切替操作部586が押し込まれ、切替操作部586の下端部に当接している固定体588が、固定体付勢部材560の付勢力に反して押し動かされる。その結果、やがて固定体588の上端部が連通孔520fから抜けた状態になると、移動体582が自由に回動可能な状態になる。これにより、連結装置510は、移動体582を開口部274から退出させ、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介して第一シャフト状部22が出入り可能な状態、すなわち連結装置510を開口部274を介して第一シャフト状部22に対して着脱可能な状態になる。
【0113】
≪第六実施形態≫
以下、本発明の第六実施形態に係る連結装置610及び連結構造体601について、
図30~
図42を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明においては、先ず連結装置610及び連結構造体601の特徴的構成について説明した後に、連結装置610及び連結構造体601の具体例について説明する。なお、第六実施形態に係る連結装置610及び連結構造体601の特徴的構成、及び具体例の説明において、上述した連結装置10(連結構造体1)、連結装置210(連結構造体201)、連結装置310(連結構造体301)、連結装置410(連結構造体401)、及び連結装置510(連結構造体501)と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。また、
図30~
図36に例示するものと、
図37~
図42に例示するものとにおいて、後に詳述する制御体684,686の形状が図示の都合等によって一部相異しているが、いずれも同一の作用効果を奏するものであることから、以下の説明においては区別することなく同一のものとして説明する。
【0114】
(第六実施形態に係る連結装置610及び連結構造体601の特徴的構成)
第六実施形態に係る連結装置610は、連結構造体601の構成が上述した第一実施形態の連結装置10を構成する連結構造体1と同様の構成を有しているが、ストッパー部材40に代えて、ストッパー部材640を用いている点において構成が相違している。連結装置10においてストッパー部材40と第一シャフト状部22とが接触して抉た状態になることにより、第一シャフト状部22の軸線方向への移動(落下)を抑制するのと同様の原理により、連結装置610(連結構造体601)は、ストッパー部材640が第一シャフト状部22と接触して抉た状態になることにより、第一シャフト状部22の軸線方向への移動(落下)を抑制できる(
図34参照)。
【0115】
これに加えて、連結装置610(連結構造体601)は、ストッパー部材640に設けられたロック機構680により、第一シャフト状部22を中心とする回動が抑制された状態としたり、回動が許容された状態としたりすることができる。すなわち、連結装置610(連結構造体601)は、装着対象となる軸体(本実施形態で第一シャフト状部22)に対する軸線方向への移動制御機能に加えて、軸体(第一シャフト状部22)に対する回動制御機能を備えたものとされている。
【0116】
図31や
図32等に示すように、ストッパー部材640は、ストッパー部材本体682の内部に形成された空間からなる収容部682aに、ロック機構680をなす第一制御体684、及び第二制御体686を収容したものとされている。ストッパー部材本体682は、ストッパー部材40に設けられた第二シャフト挿通部40aと同様に、第二シャフト挿通部640aを有する。収容部682aは、ストッパー部材本体682が設けられた部分において、プレート状に形成された第一制御体684及び第二制御体686を重ね合わせた状態で収容可能なものとされている。第一制御体684及び第二制御体686は、同一の形状に形成されており、互いに反転させた姿勢とされて収容部682aに設けられた凹部682bに嵌め込んだ状態で組み込まれている。第一制御体684及び第二制御体686には、ストッパー部材本体682と同様に第一シャフト状部22を挿通可能なシャフト挿通孔684a,686aが設けられている。
【0117】
ロック機構680は、
図33やにおける矢印Aのようにストッパー部材640を押圧した状態において、ストッパー部材本体682及びこれに組み込まれたロック機構680(第一制御体684及び第二制御体686)は、いずれも第一シャフト状部22が干渉せず、抉た状態にはならない(
図33(b)、
図37(b)~(g)参照)。そのため、この状態においては、連結装置610(連結構造体601)は、第一シャフト状部22に対して軸線方向、及び周方向への移動が規制されることなく、自由に軸線方向への移動及び軸心周り方向への回動が可能となる。
【0118】
これに対して、ストッパー部材640への押圧力が解除される等して、
図34や
図38の矢印Bのように付勢部材50による付勢力によってストッパー部材640が持ち上がった状態になると、ストッパー部材640のストッパー部材本体682に設けられた第二シャフト挿通部640aが第一シャフト状部22と干渉して抉た状態になる。同様に、ストッパー部材本体682に組み込まれている第一制御体684及び第二制御体686についても、シャフト挿通孔684a,686aが
図34において黒丸で示した部分や
図38(b),(c)において強調して表示した部分において第一シャフト状部22と干渉して抉た状態になる。これにより、連結装置610(連結構造体601)は、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が規制された状態になる。
【0119】
さらに詳細には、ストッパー部材640への押圧力が解除されてシャフト挿通孔684a,686aが第一シャフト状部22と干渉することにより、第一制御体684及び第二制御体686が第一シャフト状部22によって
図34(b)の矢印Cや、
図39(a),(g)において矢印で示された方向に押された状態になる。このとき、第一制御体684及び第二制御体686の角部を回転機点として、
図34(b)の矢印Dや
図39(b),(h)のように回動方向へ移動して第一シャフト状部22に押し付けられた状態になる。これにより、第一制御体684及び第二制御体686が第一シャフト状部22に対して周方向各所においてに干渉して抉た状態になる。従って、ロック機構680は、ロック状態において、第一シャフト状部22の軸線方向一方側に向かう方向への移動が強固に制限され、軸線方向他方側に向かう方向への移動は前記一方向への移動と比べて緩やかに制限された状態となるように固定された状態となる。また、ロック機構680は、ロック状態において、連結装置610(連結構造体601)の第一シャフト状部22に対する回動が制限された状態になる。
【0120】
すなわち、
図35(a)や
図37(e),(g)等に示すように、第一制御体684及び第二制御体686は、それぞれ平面視において、略中央部に設けられたシャフト挿通孔684a,686aを介して一方側が矩形状に形成された矩形状部684b,686b、他方側が円弧状に形成された円弧状部684c,686cとされた板体によって構成されている。また、第一制御体684及び第二制御体686は、矩形状部684b,686bに形成された部分のうち、幅方向一方側となる部分に、幅方向外側に突出した支点部684p,686pを有する。支点部684p,686pは、矩形状部684b,686bにおいて、第一制御体684及び第二制御体686の幅方向に対して交差する方向(以下、「縦方向」とも称する)に延びる外縁部分に設けられ、幅方向に突出している。
【0121】
また、シャフト挿通孔684a,686aは、支点部684p,686pが設けられた側において、第一制御体684及び第二制御体686の幅方向に対して交差する方向(以下、「縦方向」とも称する)に向けて内周面が直線状に延びるように形成されたシャフト干渉部684d,686dを有する。さらに、第一制御体684及び第二制御体686は、シャフト干渉部684d,686dに対して幅方向に反対側となる位置に、シャフト挿通孔684a,686aを外側に向けて膨出した形状とする膨出部684e,686eを有する。さらに、第一制御体684において、膨出部684eに対してシャフト挿通孔684aの周方向一方側及び他方側に隣接する位置には、シャフト挿通孔684aの内側に向けて突出したシャフト当接部684f,684gが設けられている。同様に、第二制御体686において、膨出部686eに対してシャフト挿通孔686aの周方向一方側及び他方側に隣接する位置には、シャフト挿通孔686aの内側に向けて突出したシャフト当接部686f,686gが設けられている。
【0122】
図36(c)に示すように、ストッパー部材本体682の収容部682aは、上述した第一制御体684及び第二制御体686を重ね合わせた状態で収容可能な大きさとされている。具体的には、
図35(b)や
図36(c)に示すように、第一制御体684及び第二制御体686は、互いに縦方向に向きが逆向きであり、かつ、幅方向にも向きが逆向きとなるように重ね合わせた状態とされる。また、第一制御体684及び第二制御体686は、幅方向一方側がストッパー部材本体682の揺動支点となる外側突起部44側を向き、他端側がストッパー部材本体682への力の作用点となる側を向く姿勢とされる。第一制御体684及び第二制御体686は、このようにして重ね合わせた状態とされ、収容部682aに収容される。すなわち、
図36(a)のような形状を有する収容部682aに対して第二制御体686を収容させると、
図36(b)のような状態になる。第一制御体684は、
図36(b)のように予め収容部682aに収容された第二制御体686の上に重ねて収容したり、収容部682aの外部において予め第二制御体686と重ね合わせた状態としたりして
図36(a)のような収容部682aに対して収容させることにより、収容部682aの内部にセットされる。これにより、
図36(c)のように、第一制御体684及び第二制御体686は、互いに縦方向に向きが逆向きであり、かつ、幅方向にも向きが逆向きとなるように重ね合わせた状態で収容部682aに収容される。
【0123】
第一制御体684及び第二制御体686は、上述したように互いに縦方向に向きが逆向きであり、かつ、幅方向にも向きが逆向きとなるように重ね合わせた状態するのに代えて、例えば
図42(b)等に示すように、幅方向への向きが逆向きとなるようにしつつ、縦方向に向きが同一となるようにして収容部682aに収容した構成とすることも可能である。このような構成とすることにより、後に詳述するようにして第一制御体684及び第二制御体686が回動や揺動に伴って
図42(b)のような状態になったときに、第一制御体684及び第二制御体686が互いに干渉した状態(抉た状態)になってねじれ効果が増強される。これにより、ロック機構680がより一層一層強固に固定されることになる。
【0124】
上述したようにして第一制御体684及び第二制御体686を配置すると、ストッパー部材640の第二シャフト挿通部640aと、第一制御体684及び第二制御体686に設けられたシャフト挿通孔684a,686aが連通した状態で収容部682aに収容される。このようにして収容部682aに第一制御体684及び第二制御体686を収容した状態において、第一制御体684及び第二制御体686の幅方向一方側及び他方側には隙間が形成される。また、収容部682aは、第一制御体684及び第二制御体686の円弧状部684c,686cの先端部分が入るように形成された円弧状部収容部682cを有する。そのため、第一制御体684及び第二制御体686は、これらの外縁部分が収容部682aの内縁部に干渉しない範囲においてシャフト挿通孔684a,686aを中心として回動可能とされている。
【0125】
第二シャフト挿通部640a及びシャフト挿通孔684a,686aにシャフト状部22が挿通された状態において、
図34や
図38の矢印Bのように付勢部材50による付勢力によってストッパー部材640が持ち上がった状態になると、
図34や
図38に示すように、シャフト状部22がシャフト挿通孔684a,686aの内縁部(シャフト干渉部684d,686d)に干渉し、当該干渉箇所において第一制御体684及び第二制御体686がシャフト状部22に対して当接した状態(第一当接状態)になる。第一当接状態になると、第一制御体684には、
図34の矢印Cや
図39(a),(g)で示した方向への力が作用する。これに伴い、第一制御体684は、支点部684cが収容部682aの内縁部に当接し、これを支点として
図34の矢印Dや
図39(b),(d),(h),(j)の矢印で示したように回動する。また、第二制御体686についても、支点部686cを支点として第一制御体684と反転した方向に回動する。第一制御体684及び第二制御体686がこのような動作を行うと、シャフト干渉部684d,686dにおいて第一制御体684及び第二制御体686が干渉した状態を維持したまま、シャフト状部22の外周面に対してシャフト当接部684f,686fが当接した状態(第二当接状態)になる(
図39(e),(f),(k),(l)参照)。
【0126】
上述したようにして第一制御体684がシャフト干渉部684d及びシャフト当接部684fにおいてシャフト状部22に対して当接した状態になると、
図40に示すように、第一制御体684は、付勢部材50による付勢力の影響により、シャフト干渉部684d及びシャフト当接部684fの二点を揺動支点として、シャフト状部22の軸線に対して交差する揺動軸線(
図40等において破線で図示)の軸線周りに揺動する。これにより、
図41に示すように、第一制御体684は、シャフト干渉部684d及びシャフト当接部684fに加えて、シャフト当接部684gにおいてシャフト状部22に対して当接した状態(第三当接状態)となる。同様に、第二制御体686がシャフト干渉部686d及びシャフト当接部686fにおいてシャフト状部22に対して当接した状態になると、第二制御体686は、付勢部材50による付勢力の影響により、シャフト干渉部686d及びシャフト当接部686fの二点を揺動支点として、シャフト状部22の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動する。これにより、第一制御体684は、シャフト干渉部686d及びシャフト当接部686fに加えて、シャフト当接部686gにおいてシャフト状部22に対して当接した状態(第三当接状態)となる。
【0127】
上述したようにして第一制御体684が第三当接状態になると、シャフト干渉部684d、シャフト当接部684f、及びシャフト当接部684fにより、シャフト状部22の周方向、及び軸線方向の双方に外れた複数の箇所(本実施形態では三箇所/
図42(b)において矢印で指し示した箇所)において第一制御体684が固定された状態になる。同様に、第二制御体686が第三当接状態になると、シャフト干渉部686d、シャフト当接部686f、及びシャフト当接部686fにより、シャフト状部22の周方向、及び軸線方向の双方に外れた複数の箇所(本実施形態では三箇所)において第一制御体684が固定された状態になる。従って、ロック機構680は、第一制御体684によって構成される複数(三箇所)の固定箇所、及び第二制御体686によって構成される複数(三箇所)の固定箇所の合計分(六箇所)において、シャフト状部22に対して固定された状態になる。また、第三当接状態において形成される固定箇所は、互いにシャフト状部22の周方向、及び軸線方向のいずれか一方又は双方に外れた位置に存在している。そのため、ロック機構680は、第三当接状態になると、第一シャフト状部22の軸線方向一方側に向かう方向への移動が強固に制限され、軸線方向他方側に向かう方向への移動は前記一方向への移動と比べて緩やかに制限された状態となるように固定された状態となる。また、ロック機構680は、第三当接状態において、連結装置610(連結構造体601)の第一シャフト状部22に対する回動が制限された状態になる。
【0128】
また、
図42(a)に示すように、ロック機構680は、シャフト状部22の挿通方向に隣接する第一の制御体684、及び第二の制御体686が、付勢部材50による付勢力の影響によってシャフト状部22の軸線周り方向に回動する際の回動方向、及びシャフト状部22の軸線に対して交差する方向に揺動する際の揺動方向が反対方向となるように重ねた状態で収容部682aに収容されている。これにより、第一の制御体684及び第二の制御体686が互いにスムーズに動作できるとともに、シャフト状部22の軸線方向及び周方向に離れた複数の箇所でシャフト状部22に対して当接させ、強固に固定することができる。
【0129】
なお、上記実施形態においては、二つの制御体684,686を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されず、連結構造体601及び連結装置610は、制御体684,686のいずれか一方のみを備えたもの、あるいは制御体684,686に加えてさらに同様の構成の制御体を備えたもの(三つ以上の制御体を備えたもの)とすることも可能である。
【0130】
なお、
図30~
図42に示した例においては、大部分の構成を連結装置10(連結構造体1)と同様の構成としつつ、ストッパー40に代えてストッパー640を設けた構成とした連結装置610(連結構造体601)を例示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、大部分の構成を連結装置210(連結構造体201)、連結装置310(連結構造体301)、連結装置410(連結構造体401)、及び連結装置510(連結構造体501)と同様の構成としつつ、上述したストッパー部材240やストッパー部材440について、ストッパー部材640と同様にロック機構680と同一あるいは同等の機能を発揮するものを採用したものとすることも可能である。
【0131】
≪作用効果≫
上述した各実施形態において例示した連結装置10,210,310,410,510,610及びこれらを構成する連結構造体1,201,301,401,501,601は、以下の(a)~(j)のような特徴的構成を備えており、これらにより以下のような特有の作用効果を奏することができる。
【0132】
(a)上述した連結構造体1,201,301,401,501,601は、支持対象である支持対象物24を、支持対象物24を支持する支持装置20に対して連結可能なものであって、支持装置20が備えるシャフト状の第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態()とに切り替え可能なロック機構60を備えており、ロック機構60が、第一シャフト状部22が挿通される第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構60シャフト挿通部)を備えるとともに、第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)に対して第一シャフト状部22を挿通した状態において、第一シャフト状部22に対して揺動可能とされたストッパー部材40,240,440と、第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)に挿通された第一シャフト状部22の軸線方向にストッパー部材40,240,440を付勢する付勢部材50と、を有し、第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)に第一シャフト状部22を挿通した状態において、ストッパー部材40,240,440が軸線方向に付勢されるとともに、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して第一接触部P、及び第一接触部Pに対して第一シャフト状部22の軸心位置を挟んで反対側であって第一接触部Pに対して軸線方向に離れた第二接触部Qにおいて接触することによりロック状態となり、ロック状態において付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40,240,440を押圧して揺動させることにより、第一接触部P、及び第二接触部Qにおける接触が解除され、アンロック状態になること、を特徴とするものである。
【0133】
連結構造体1,201,301,401,501,601は、ロック機構60を備えており、支持装置20が備える第一シャフト状部22の軸線方向への移動が規制されたロック状態と、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能とされている。
【0134】
ここで、連結構造体1,201,301,401,501,601においては、ロック機構60を構成するストッパー部材40,240,440に設けられた第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)に第一シャフト状部22を挿通した状態において、ストッパー部材40,240,440に対して軸線方向への付勢力が作用しつつ、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して第一接触部P、及び第一接触部Pに対して第一シャフト状部22の軸心位置を挟んで反対側であって第一接触部Pに対して軸線方向に離れた第二接触部Qにおいて接触(干渉)し、抉た状態になる。これにより、連結構造体1,201,301,401,501,601は、ロック状態となり、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制され、静止した状態になる。また、連結構造体1,201,301,401,501,601に対して重力により落下方向に作用する力は、ストッパー部材40,240,440を第一シャフト状部22に対して押しあてようとする力として伝達される。そのため、連結構造体1,201,301,401,501,601は、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して抉た状態になりつつ、押し付けられた状態になるため、多少の衝撃や振動を受けても落下しにくい。そのため、連結構造体1,201,301,401,501,601は、ロック状態とすることにより、使用者にとって不意打ちとなるような落下を抑制できる。
【0135】
また、連結構造体1,201,301,401,501,601は、付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40,240,440を押圧して、ストッパー部材40,240,440を揺動させることにより、第一接触部P及び第二接触部Qにおけるストッパー部材40,240,440と第一シャフト状部22との接触を解消し、アンロック状態とすることができる。そのため、連結構造体1,201,301,401,501,601は、アンロック状態とすることにより、第一シャフト状部22の軸線方向にスムーズに移動させることが可能となる。
【0136】
(b)連結構造体1,201,301,401,501,601は、ストッパー部材40,240,440、及び付勢部材50が組み付けられる本体部30,230,320,420,520を有し、本体部30,230,320,420,520は、第一シャフト状部22が挿通される第一シャフト挿通部30a,230a,430a(本体シャフト挿通部)を有し、ストッパー部材40,240,440を揺動可能に支持するものであり、第一シャフト状部22を第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)及び第一シャフト挿通部30a,230a,430a(本体シャフト挿通部)の双方に挿通した状態において、ストッパー部材40,240,440が軸線方向に付勢されることにより、ロック機構60がロック状態となり、ロック状態において付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40,240,440を押圧して揺動させることにより、ロック機構60がアンロック状態となること、を特徴とするものである。
【0137】
連結構造体1,201,301,401,501,601は、上記(b)のような構成とした場合、ストッパー部材40,240,440や付勢部材50が組み付けられる本体部30,230,320,420,520を有しており、ストッパー部材40,240,440に設けられた第二シャフト挿通部40a,240a,440a(ロック機構シャフト挿通部)、及び本体部30,230,320,420,520に設けられた第一シャフト挿通部30a,230a,430a(本体シャフト挿通部)の双方に対して第一シャフト状部22を挿入することにより、第一シャフト状部22に対して連結される。そのため、連結構造体1,201,301,401,501,601は、第一シャフト挿通部30a,230a,430a(本体シャフト挿通部)に対して第一シャフト状部22が差し込まれることにより安定した状態において、ストッパー部材40,240,440の操作等を行うことができる。従って、連結構造体1,201,301,401,501,601は、ストッパー部材40,240,440の操作等を安定的に行うことができる。
【0138】
(c)連結構造体1,201,301,401,501,601は、ストッパー部材40,240,440に対して押圧力を作用させるための押圧部46と、押圧部46に対して押圧力の作用方向反対側に位置する対向部34と、を有し、使用者が押圧部46に第一の指をあてがい、対向部34に第一の指とは異なる指をあてがうことにより、使用者が片手で把持しつつストッパー部材40,240,440に押圧力を作用させる押圧操作を行えること、を特徴とするものである。
【0139】
連結構造体1,201,301,401,501,601は、上記(c)のような構成とすることにより、使用者が押圧部46に第一の指をあてがいつつ、対向部34に第一の指とは異なる指をあてがうことにより、片手で安定的にストッパー部材40,240,440の操作を行うことが可能となる。
【0140】
(d)連結構造体401は、棒状の本体側把持部420a(ハンドル部)と、レバー状であってストッパー部材440を直接的あるいは間接的に揺動操作可能なストッパー把持部440b(レバー部)と、を有し、本体側把持部420a(ハンドル部)に対してストッパー把持部440b(レバー部)を近接離反する方向に操作可能であること、を特徴とするものである。
【0141】
連結構造体401は、上記(d)のような構成とすることにより、例えば本体側把持部420a(ハンドル部)に使用者の手のひらをあてがい、ストッパー把持部440b(レバー部)に指を掛けた状態として把持してストッパー把持部440b(レバー部)を操作することにより、ストッパー部を揺動させてロック機構60部をロック状態からアンロック状態に切り替える操作を行うことが可能となる。また、連結構造体401は、前述のようにして把持してロック機構60部をアンロック状態にした状態において、第一シャフト状部22に沿って移動させることが可能となる。そのため、連結構造体401は、上記(d)のような構成とすることにより、操作性の向上を図ることができる。
【0142】
(e)連結構造体201,301,501は、ストッパー部材240、及び付勢部材50が組み付けられる本体部230,320,520と、脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)と、を有し、本体部230,320,520において第一シャフト状部22が挿通される第一シャフト挿通部230a(本体シャフト挿通部)、及びロック機構60において第一シャフト状部22が挿通される第二シャフト挿通部240a(ロック機構シャフト挿通部)は、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向に第一シャフト状部22を差し込むことにより、第一シャフト状部22が挿通された状態になるものであり、脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)は、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向への第一シャフト状部22に対する本体部230,320,520の相対移動を規制するものであること、を特徴とするものであると良い。
【0143】
連結構造体201,301,501は、上記(e)のような構成とすることにより、連結対象となる第一シャフト状部22を、第一シャフト挿通部230a(本体シャフト挿通部)及び第二シャフト挿通部240a(ロック機構シャフト挿通部)に対して側方(第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向)から進退させることにより、第一シャフト状部22に対して着脱できる。従って、連結構造体201,301,501は、第一シャフト状部22の軸線方向に移動させることなく、軸線方向中間部等の位置に対して着脱できる。そのため、連結構造体201,301,501は、例えば、既に他の器具等が取りつけられている等して、第一シャフト状部22の軸線方向に移動させることによっては着脱できない状態において、第一シャフト状部22の軸線方向中間部に着脱する用途において好適に利用できる。
【0144】
また、連結構造体201,301,501は、上記(e)のように脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)を備えたものとされており、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向への第一シャフト状部22に対する本体部230,320,520の相対移動を規制できるものとされている。これにより、連結構造体201,301,501は、第一シャフト状部22に取りつけた状態において、使用者にとって不意打ちとなるような落下を抑制できる。
【0145】
(f)連結構造体201,301,501は、第一シャフト挿通部230a(本体シャフト挿通部)が、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向に開口した本体シャフト受入部230bを有するものであり、第二シャフト挿通部240a(ロック機構シャフト挿通部)が、第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向に開口したロック機構シャフト受入部240bを有するものであり、脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)が、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りを規制する規制状態と、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入りが許容された規制解除状態とに切り替え操作できるものであること、を特徴とするものであると良い。
【0146】
連結構造体201,301,501は、上記(f)のような構成とした場合、脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)を規制解除状態とすることにより、連結対象となる第一シャフト状部22を、第一シャフト挿通部230a(本体シャフト挿通部)及び第二シャフト挿通部240a(ロック機構シャフト挿通部)に対して側方(第一シャフト状部22の軸線方向に対して交差する方向)から進退させることにより、第一シャフト状部22に対して着脱できる。また、連結構造体201,301,501は、脱落抑制機構280,380,580(交差方向移動規制部)を規制状態とすることにより、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介して、第一シャフト状部22が第一シャフト挿通部230a(本体シャフト挿通部)及び第二シャフト挿通部240a(ロック機構シャフト挿通部)から抜けてしまうのを抑制できる。これにより、連結構造体201,301,501は、第一シャフト状部22に取りつけた状態において、使用者にとって不意打ちとなるような落下を抑制できる。
【0147】
(g)連結構造体501は、脱落抑制機構580(交差方向移動規制部)が、本体シャフト受入部230b及びロック機構シャフト受入部240bを介した第一シャフト状部22の出入り経路に対して進出、及び退出する方向に移動可能な移動体582と、移動体582の移動を規制した移動規制状態、及び移動体582の移動を許容した移動許容状態に切り替え可能な切替機構584と、を有し、切替機構584の操作を行うための切替操作部586が、ストッパー部材240の揺動操作に連動して操作可能とされていること、を特徴とするものであると良い。
【0148】
連結構造体501は、上記(g)のような構成とすることにより、ストッパー部材240を揺動させる操作(揺動操作)を行うことにより、これ連動して切替操作部586を操作し、切替機構584の状態の切り替えも行うことができる。そのため、連結構造体501は、ストッパー部材240の操作とは別に切替操作部586の操作も必要な構成とする場合に比べて、操作性の高いものとすることができる。
【0149】
(h)連結構造体501は、切替操作部586として、押圧力を作用させることにより移動規制状態から移動許容状態に切り替え可能な押圧部586aが設けられており、押圧部586aが、ストッパー部材240の可動域に設けられており、ロック機構60がロック状態からアンロック状態に切り替わる位置よりもさらに付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材240を押圧して揺動させることにより、ストッパー部材240から押圧部586aに対して押圧力を作用させ、切替機構584を移動規制状態から移動許容状態に切り替え可能であること、を特徴とするものであると良い。
【0150】
連結構造体501は、上記(h)のような構成とすることにより、ストッパー部材240を揺動させる操作(揺動操作)を行うことにより、これ連動して切替操作部586として機能する押圧部586aを操作し、切替機構584を移動規制状態から移動許容状態に切り替えることができる。そのため、連結構造体501は、ストッパー部材240の操作とは別に切替操作部586の操作も必要な構成とする場合に比べて、操作性の高いものとすることができる。
【0151】
(i)連結装置10,210,310,410,510,610は、請求項1又は2に記載の連結構造体1,201,301,401,501,601を備え、支持対象である支持対象物24と、支持対象物24を支持する支持装置20との間に介在することにより、支持対象物24を支持装置20に対して連結可能な連結装置10,210,310,410,510,610であって、支持対象物24に対して連結される第二連結部72を備えていること、を特徴とするものである。
【0152】
連結装置10,210,310,410,510,610は、上記(i)のような構成とした場合、支持装置20が備える第一シャフト状部22に対して連結しつつ、第二連結部72において支持対象物24に対して連結することにより、支持対象物24を支持装置20に対して連結することができる。
【0153】
(j)連結装置10,210,310,410,510,610は、支持対象である支持対象物24と、支持対象物24を支持する支持装置20との間に介在することにより、支持対象物24を支持装置20に対して連結可能な連結装置10,210,310,410,510,610であって、支持装置20が備えるシャフト状の第一シャフト状部22に対して連結される第一連結部と、支持対象物24が備えるシャフト状の第二シャフト状部に対して連結される第二連結部72と、を有し、第一連結部、及び第二連結部72のうち少なくとも一方が、第一シャフト状部22及び第二シャフト状部のうち連結対象とされる第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構60を備えており、ロック機構60が、第一シャフト状部22が挿通される第一シャフト挿通部30a,230a,430aを備えた収容部と、第一シャフト挿通部30a,230a,430aに対して挿通される第一シャフト状部22が挿通される第二シャフト挿通部40a,240a,440aを備えるとともに、収容部の内側において揺動可能とされたストッパー部材40,240,440と、第一シャフト挿通部30a,230a,430a及び第二シャフト挿通部40a,240a,440aに挿通された第一シャフト状部22の軸線方向にストッパー部材40,240,440を付勢する付勢部材50と、を有し、第一シャフト挿通部30a,230a,430a及び第二シャフト挿通部40a,240a,440aに第一シャフト状部22を挿通した状態において、ストッパー部材40,240,440が軸線方向に付勢されるとともに、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して第一接触部P、及び第一接触部Pに対して軸線方向に離れた第二接触部Qにおいて接触することによりロック状態となり、ロック状態において付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40,240,440を押圧することにより、第一接触部P、及び第二接触部Qにおける接触が解除され、アンロック状態になること、を特徴とするものである。
【0154】
連結装置10,210,310,410,510,610は、ロック機構60を備えており、連結対象とされる第一シャフト状部22の軸線方向への移動が規制されたロック状態と、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能とされている。
【0155】
ここで、連結装置10,210,310,410,510,610においては、第一シャフト挿通部30a,230a,430a及び第二シャフト挿通部40a,240a,440aに第一シャフト状部22を挿通した状態において、ストッパー部材40,240,440に対して軸線方向への付勢力が作用しつつ、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して第一接触部P、及び第二接触部Qにおいて接触(干渉)し、抉た状態になる。これにより、連結装置10,210,310,410,510,610は、ロック状態となり、第一シャフト状部22の軸線方向への移動が抑制され、静止した状態になる。また、連結装置10,210,310,410,510,610に対して重力により落下方向に作用する力は、ストッパー部材40,240,440を第一シャフト状部22に対して押しあてようとする力として伝達される。そのため、連結装置10,210,310,410,510,610は、ストッパー部材40,240,440が第一シャフト状部22に対して抉た状態になりつつ、押し付けられた状態になるため、多少の衝撃や振動を受けても落下しにくい。そのため、連結装置10,210,310,410,510,610は、ロック状態とすることにより、使用者にとって不意打ちとなるような落下を抑制できる。
【0156】
また、連結装置10,210,310,410,510,610は、付勢部材50による付勢力に反してストッパー部材40,240,440を押圧して、ストッパー部材40,240,440を揺動させることにより、第一接触部P及び第二接触部Qにおけるストッパー部材40,240,440と第一シャフト状部22との接触を解消し、アンロック状態とすることができる。そのため、連結装置10,210,310,410,510,610は、アンロック状態とすることにより、第一シャフト状部22の軸線方向にスムーズに移動させることが可能となる。
【0157】
(k)本発明の一実施形態に係る連結構造体601及びこれを備えた連結装置610は、支持対象である支持対象物24を、支持対象物24を支持する支持装置20に対して連結可能なものであって、支持装置20が備えるシャフト状のシャフト状部22の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構680を備えており、ロック機構680が、シャフト状部22が挿通されるシャフト挿通部(第二シャフト挿通部640a/単に「シャフト挿通部640a」とも称す)を備えるとともに、シャフト挿通部640aに対してシャフト状部22を挿通した状態において、シャフト状部22に対して揺動可能とされた制御体(第一制御体684、第二制御体686/単に「制御体684,686」とも称す)と、シャフト挿通部640aに挿通された制御体684,686を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材50と、を有し、制御体684,686が、付勢部材50による付勢力の影響によって揺動することにより、シャフト挿通部640aに挿通されたシャフト状部22の軸線周り方向に回動しつつ、シャフト状部22の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動することにより、シャフト状部22に対して干渉して抉た状態になることにより、ロック状態となること、を特徴とするものである。
【0158】
連結構造体601及び連結装置610は、上記(k)のような構成とすることにより、ロック機構680をなす制御体684,686が、付勢部材50による付勢力の影響によって揺動することにより、第一当接状態から第二当接状態を経て第三当接状態となる。これにより、連結構造体601及び連結装置610は、シャフト状部22の周方向及び軸線方向の各所において制御体684,686が当接し、シャフト状部22に対して干渉して抉た状態になることでロック状態となる。そのため、連結構造体601及び連結装置610は、ロック状態とすることにより、シャフト状部22に対して軸線方向に固定された状態としつつ、周方向への回動を抑制できる。
【0159】
(l)本発明の一実施形態に係る連結構造体601及びこれを備えた連結装置610は、支持対象である支持対象物24を、支持対象物24を支持する支持装置20に対して連結可能な連結構造体601であって、支持装置20が備えるシャフト状のシャフト状部22の軸線方向への移動が抑制されたロック状態と、軸線方向への移動が許可されたアンロック状態とに切り替え可能なロック機構680を備えており、ロック機構680が、シャフト状部22が挿通されるシャフト挿通部640aを備えるとともに、シャフト挿通部640aに対してシャフト状部22を挿通した状態において、シャフト状部22に対して揺動可能とされた制御体684,686と、シャフト挿通部640aに挿通された制御体684,686を揺動させる方向への付勢力を発揮する付勢部材50と、を有し、制御体684,686が、付勢部材50による付勢力の影響によって揺動することにより、シャフト挿通部640aに挿通されたシャフト状部22の外周面に対して当接可能なシャフト干渉部684d,686d(第一当接部)、シャフト当接部684f,686f(第二当接部)、及びシャフト当接部684g,686g(第三当接部)を、シャフト挿通部640aの周方向に互いに離れた位置に備えたものであり、付勢部材50による付勢力の影響によって制御体684,686がシャフト状部22に対して傾斜することにより、シャフト状部22の外周面に対してシャフト干渉部684d,686d(第一当接部)が当接した第一当接状態になり、第一当接状態において、制御体684,686が付勢部材50による付勢力の影響によってシャフト干渉部684d,686d(第一当接部)を外れた位置を回動支点として制御体684,686がシャフト状部22の軸線周り方向に回動することにより、シャフト当接部684f,686f(第二当接部)がシャフト状部22の外周面に対して当接した第二当接状態になり、第二当接状体において、制御体684,686が付勢部材50による付勢力の影響により、シャフト干渉部684d,686d(第一当接部)及びシャフト当接部684f,686f(第二当接部)がそれぞれシャフト状部22の外周面に対して当接した箇所を揺動支点として、シャフト状部22の軸線に対して交差する揺動軸線周りに揺動してシャフト当接部684g,686g(第三当接部)がシャフト状部22の外周面に対して当接した状態になることにより、シャフト干渉部684d,686d(第一当接部)、シャフト当接部684f,686f(第二当接部)、及びシャフト当接部684g,686g(第三当接部)においてシャフト状部22に対して制御体684,686が干渉した第三当接状態になることにより、ロック状態となること、を特徴とするものである。
【0160】
連結構造体601及び連結装置610は、上記(l)のような構成とすることにより、ロック機構680をなす制御体684,686が、付勢部材50による付勢力の影響によって揺動することにより、第一当接状態から第二当接状態を経て第三当接状態となる。これにより、連結構造体601及び連結装置610は、制御体684,686がシャフト状部22に対して絡みつくような挙動で動作し、シャフト状部22の周方向及び軸線方向の各所において当接した状態になる。その結果、連結構造体601及び連結装置610は、制御体684,686がシャフト状部22に対して干渉して抉た状態になり、ロック状態となる。これにより、連結構造体601及び連結装置610は、ロック状態とすることにより、シャフト状部22に対して軸線方向一方側に向かう方向への移動が強固に制限され、軸線方向他方側に向かう方向への移動は前記一方向への移動と比べて緩やかに制限された状態となるように固定することができる。また、連結構造体601及び連結装置610は、周方向への回動を抑制できる。
【0161】
(m)上述したように、連結構造体601及びこれを備えた連結装置610は、ロック機構680が、複数(上記実施形態では二つ)の制御体684,686を収容する収容部682aを有し、収容部682aの内部において、シャフト状部22の挿通方向に隣接する第一の制御体684、及び第二の制御体686が、付勢部材50による付勢力の影響によってシャフト状部22の軸線周り方向に回動する際の回動方向、及びシャフト状部22の軸線に対して交差する方向に揺動する際の揺動方向が反対方向となるように重ねた状態で収容されているものであると良い。
【0162】
連結構造体601及び連結装置610は、上記(m)のような構成とすることにより、複数の制御体を構成する第一の制御体684及び第二の制御体686が互いにスムーズに動作できるとともに、シャフト状部22の軸線方向及び周方向に離れた複数の箇所でシャフト状部22に対して当接させ、強固に固定することができる。
【0163】
(n)上述したように、連結構造体601及びこれを備えた連結装置610は、第一の制御体684及び第二の制御体686が第二当接状態から第三当接状態になる際に、シャフト状部22の軸線方向に離れる方向への第一の制御体684及び第二の制御体686の動作が収容部682aによって制限されるものであると良い。
【0164】
連結構造体601及び連結装置610は、上記(n)のような構成とすることにより、重なりあうように配された第一の制御体684及び第二の制御体686が第二当接状態から第三当接状態になる際に互いに作用し合う。これにより、第一の制御体684及び第二の制御体686が、シャフト状部22に対してより強固に当接した状態になる。従って、連結構造体601及び連結装置610は、上記(n)のような構成とすることにより、ロック状態とした際のシャフト状部22に対する固定強度をより一層向上させることができる。
【0165】
(o)上述したように、連結構造体601及びこれを備えた連結装置610は、ロック機構680が、制御体684,686を収容する収容部682aを有し、制御体684,686が、付勢部材50による付勢力の影響によって揺動することにより、収容部682aの内壁部と当接する内壁当接部を有し、収容部682aの内壁部と内壁当接部との当接箇所を回動支点として、シャフト挿通部640aに挿通されたシャフト状部22の軸線周り方向に回動するものであると良い。
【0166】
連結構造体601及び連結装置610は、上記(o)のような構成とすることにより、制御体684,686をスムーズかつ確実に回動させることができる。
【0167】
上述した(k)~(o)に係る発明は、上記第六実施形態において例示した構成に限らず、上記第一実施形態から第五実施形態に係る構成と適宜組み合わせることが可能である。例えば、上記(k)~(o)に係る発明や、これを具現化した第六実施形態に係るロック機構680等の構成を、上記第一実施形態から第五実施形態に係る構成として加えたり、第一実施形態から第五実施形態に係る構成の一部に代えて適用したりすると良い。
【0168】
なお、上述した実施形態は、本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜構成の変更、付加、省略等が可能である。例えば、本発明の連結構造体や連結装置は、上述した(a)~(o)に係る特徴的構成の全てを備えたものとしたり、いずれか一つだけの構成を備えたもの、複数の構成を組み合わせて備えたものとしたり、(a)~(o)に係る特徴的構成に加えて他の構成を備えたものとしたりしても良い。また、上述した実施形態においては、連結構造体を連結装置に適用したものを例示したが、連結構造体は、支持対象である支持対象物と、支持対象物を支持する支持装置との間に介在することにより、支持対象物を前記支持装置に対して連結するために用いられるのみではなく、例えば、支持対象物を支持する支持装置に連結される装置や器具そのものの一部を構成するものであっても良い。また、支持対象物は、上述した理化学機器や実験器具等に限定されない。
【0169】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、課題を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は課題を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、理化学実験等の様々な装置や機器、器具等において使用される機器等を設置するために好適に利用可能な連結装置全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0171】
1 :連結構造体
10 :連結装置
20 :支持装置
22 :第一シャフト状部(シャフト状部)
24 :支持対象物
30 :本体部
30a :第一シャフト挿通部(本体シャフト挿通部)
34 :対向部
40 :ストッパー部材
40a :第二シャフト挿通部(ロック機構シャフト挿通部)
46 :押圧部
50 :付勢部材
60 :ロック機構
72 :第二連結部
201 :連結構造体
210 :連結装置
230 :本体部
230a :第一シャフト挿通部(本体シャフト挿通部)
230b :本体シャフト受入部
240 :ストッパー部材
240a :第二シャフト挿通部(ロック機構シャフト挿通部)
240b :ロック機構シャフト受入部
280 :脱落抑制機構
301 :連結構造体
310 :連結装置
320 :本体部
380 :脱落抑制機構
401 :連結構造体
410 :連結装置
420 :本体部
420a :本体側把持部
430a :第一シャフト挿通部
440 :ストッパー部材
440a :第二シャフト挿通部
440b :ストッパー把持部
501 :連結構造体
510 :連結装置
520 :本体部
580 :脱落抑制機構
582 :移動体
584 :切替機構
586 :切替操作部
586a :押圧部
601 :連結構造体
610 :連結装置
640a :シャフト挿通部
680 :ロック機構
682a :収容部
684 :第一制御体(制御体)
684d :シャフト干渉部(第一当接部)
684f :シャフト当接部(第二当接部)
684g :シャフト当接部(第三当接部)
686 :第二制御体(制御体)
686d :シャフト干渉部(第一当接部)
686f :シャフト当接部(第二当接部)
686g :シャフト当接部(第三当接部)
P :第一接触部
Q :第二接触部