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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】飼育動物用ケージ
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20241108BHJP
   A01K 1/03 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A01K15/02 D
A01K1/03 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021096398
(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公開番号】P2022188399
(43)【公開日】2022-12-21
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000137188
【氏名又は名称】株式会社凡美社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】前川 隆
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102232(JP,A)
【文献】特開2007-159865(JP,A)
【文献】特開2011-24742(JP,A)
【文献】特開平9-191788(JP,A)
【文献】特許第6865960(JP,B1)
【文献】特開2016-140254(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2020-0079210(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2021-0035986(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/02
A01K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージ本体の内部における、飼育動物を収容する収容空間に、飼育動物が乗る棚部材と、該棚部材を支持する支持部材とを備え、
上記棚部材の平面視で上記支持部材によって支持されない箇所の少なくとも一部に、上下方向に突出するリブが設けられた
飼育動物用ケージ。
【請求項2】
上記支持部材は、少なくとも一対を備えるとともに、上記棚部材を掛け渡して支持可能に掛け渡し方向において互いに離間して配設され、
上記棚部材は、飼育動物が乗る棚本体部と、該棚本体部を支持する棚フレームとで構成され、
上記リブを、上記棚フレームの平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部に設けた
請求項1に記載の飼育動物用ケージ。
【請求項3】
上記棚フレームは、金属板材で形成され、
上記リブは、上記金属板材の曲げ変形により形成された
請求項2に記載の飼育動物用ケージ。
【請求項4】
上記棚フレームを、上記掛け渡し方向に延在するとともに平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両側に離間して配設された一対の延在フレーム部と、該一対の延在フレーム部を連結する連結フレーム部とで構成され、
上記リブは、上記棚フレームの上記掛け渡し方向における上記連結フレーム部に対して一方側と他方側とに亘って連続して形成された
請求項2又は請求項3に記載の飼育動物用ケージ。
【請求項5】
上記棚フレームに対して上記棚本体部を取り付ける取付け箇所が形成され、
上記リブは、上記棚フレームの掛け渡し方向における、上記取付け箇所に対して一方側と他方側とに亘って連続して形成された
請求項2乃至請求項4のうちいずれかに記載の飼育動物用ケージ。
【請求項6】
上記リブは、上記棚部材の上記掛け渡し方向における、上記一対の支持部材の間の略全長に亘って延設された
請求項2乃至請求項5のうちいずれかに記載の飼育動物用ケージ。
【請求項7】
上記一対の支持部材のうち、少なくとも一方は、上記ケージ本体の内部における床面より高い位置において、上記棚部材の少なくとも一部を吊り下げた態様で支持する吊下手段で構成され、
上記吊下手段は、
上記棚部材よりも上方から垂下されるとともに平面視で互いに離間して配置される一対の吊下杆と、
該一対の吊下杆の間において、これら一対の吊下杆に横架する横架杆とを備え、
上記棚部材は、上記横架杆に取り付けられた
請求項1乃至請求項6のうちいずれかに記載の飼育動物用ケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、猫等の飼育動物を収容する収容空間に、飼育動物が乗る棚部材を備えた飼育動物用ケージに関し、例えば、繁殖用施設として用いられるのに好適な飼育動物用ケージに関する。
【背景技術】
【0002】
飼育動物用ケージの中には、本能的に上下方向の運動を好む猫や猿等の飼育動物がストレスを感じたり、運動不足に陥ることがないように、ケージ内側の高さを高くするとともにケージ内側に数枚のステップ(棚部材)を段違いに配置したものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の猫繁殖用飼育ケージに備えたステップは、飼育動物がケージ内側を上下運動する際の踏み台として利用されるため、飼育動物が上下運動する際に加わる衝撃荷重を受け止める必要があるとともに、飼育動物が休憩する際にとまり木としても利用されるため、飼育動物の体重を長時間に亘って支持する必要がある。
【0004】
このような課題に対して、ステップの支持強度を高めるためにステップの厚みが厚くなるなどして頑強に形成した場合、ステップが大型化する。さらに、ステップの重量が増加することで、ステップのケージ本体に対して取り付ける取付け部材も頑強に形成する必要があるため、より一層大型化する。
【0005】
そうすると、ケージ内側における、ステップ周辺のスペースが狭くなり、ステップ周辺のスペースを飼育動物の運動用のスペース等として有効活用できないおそれがある。或いは、ステップの支持強度を十分に確保できないことを懸念して、飼育動物が乗る面積が小さくなるようにステップを形成せざるを得なくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6865960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、飼育動物から加わる荷重に対して棚部材の曲げ剛性を効率的に高めることができる飼育動物用ケージの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の飼育動物用ケージは、ケージ本体の内部における、飼育動物を収容する収容空間に、飼育動物が乗る棚部材と、棚部材を支持する支持部材とを備え、
棚部材の平面視で上記支持部材によって支持されない箇所の少なくとも一部に、上下方向に突出するリブが設けられたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、棚部材における、上記支持部材によって支持されていない箇所にリブを設けることで、棚部材を効率的に補強できる。
従って、飼育動物が棚部材に載った状態で休憩したり、収容空間を昇降動作する際に棚部材を踏み台として利用したりする際に、棚部材に加わる荷重によって棚部材が曲げ変形したり、破断したりしないように棚部材の曲げ剛性を高めることができる。
【0010】
この発明の態様として、上記支持部材は、少なくとも一対を備えるとともに、上記棚部材を掛け渡して支持可能に掛け渡し方向において互いに離間して配設され、上記棚部材は、飼育動物が乗る棚本体部と、棚本体部を支持する棚フレームとで構成され、上記リブを、上記棚フレームの平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部に設けた構成としてもよい。
【0011】
このように、リブを、棚フレームの平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部に設けることで、上記棚部材の上記直交方向における、脆弱となり易い端部側近傍を補強することができる。
これにより、棚部材に飼育動物が乗ることにより加わる荷重に対して、掛け渡し方向に延びる棚部材の下方への曲げ剛性を効率よく高めることができる。
【0012】
また、棚フレームの平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部は、例えば、棚フレームの製造時にプレス成形による曲げ加工することが可能であるため、該両端部に、例えば、掛け渡し方向に沿ってリブを容易に形成することができる。
【0013】
この発明の態様として、上記棚フレームは、金属板材で形成され、上記リブは、金属板材の曲げ変形により形成された構成としてもよい。
【0014】
上記構成によれば、棚フレームを板材で形成することで棚フレームの軽量化を図ることができつつ、リブによって棚フレームの曲げ剛性を高めることができる。さらに、リブを金属板材の曲げ変形により形成することで、曲げ変形箇所に沿って延びる稜線を形成することができるため、リブによる補強効果をより一層高めることができる。
【0015】
加えて、リブは、上述したように、金属板材に対して例えば、プレス成形による曲げ加工を行うことで、リブを備えた棚フレームを容易に形成することができる。
【0016】
この発明の態様として、棚フレームを、上記掛け渡し方向に延在するとともに平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両側に離間して配設された一対の延在フレーム部と、一対の延在フレーム部を連結する連結フレーム部とで構成され、リブは、棚フレームの上記掛け渡し方向における上記連結フレーム部に対して一方側と他方側とに亘って連続して形成された構成としてもよい。
【0017】
上記構成によれば、棚本体部から連結フレーム部に入力された荷重を、リブによって、棚フレームの上記掛け渡し方向における上記連結フレーム部に対して一方側と他方側にスムーズに伝達、分散することができる。
従って、棚本体部を棚フレームによって、しっかりと支持することができる。
【0018】
この発明の態様として、棚フレームに対して棚本体部を取り付ける取付け箇所が形成され、リブは、棚フレームの掛け渡し方向における、取付け箇所に対して一方側と他方側とに亘って連続して形成された構成としてもよい。
【0019】
上記構成によれば、棚本体部から取付け箇所を介して棚フレームへ入力された荷重を、リブによって、棚フレームの掛け渡し方向における、取付け箇所に対して一方側と他方側にスムーズに伝達、分散することができる。
従って、棚本体部を棚フレームによってしっかりと支持することができる。
【0020】
この発明の態様として、上記リブは、棚部材の上記掛け渡し方向における、一対の支持部材の間の略全長に亘って延設された構成としてもよい。
【0021】
上記構成によれば、棚部材の掛け渡し方向における各側には支持部材が配設されているため、リブを、上述したように、棚部材の一対の支持部材の間における、掛け渡し方向の略全長に亘って延設することで、飼育動物から棚部材に加わる荷重を、一対の支持部材の各側へとリブを介して効率的に逃がすことができる。
【0022】
この発明の態様として、一対の支持部材のうち、少なくとも一方は、上記ケージ本体の内部における床面より高い位置において、上記棚部材の少なくとも一部を吊り下げた態様で支持する吊下手段で構成され、上記吊下手段は、上記棚部材よりも上方から垂下されるとともに平面視で互いに離間して配置される一対の吊下杆と、一対の吊下杆の間において、これら一対の吊下杆に横架する横架杆とを備え、上記棚部材は、上記横架杆に取り付けられた構成としてもよい。
【0023】
上記構成によれば、上記横架杆は、一対の吊下杆によって両側から連結された構成となるため、このような横架杆に棚部材を取り付けることで、上記吊下手段によって棚部材をしっかりと支持することができる。
【0024】
一方で、平面視で一対の支持部材により支持されていない箇所は、リブによって補強されているため、棚部材は、飼育動物から加わる荷重に対して棚部材の曲げ剛性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、飼育動物から加わる荷重に対して棚部材の曲げ剛性を効率的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態の猫用ケージの要部を左側かつ上側から視た外観図
図2】(a)は本実施形態の猫用ケージの平面図、(b)は同じく正面図
図3】本実施形態の猫用ケージの背面図
図4図2(a)のA-A線矢視拡大断面図
図5図2(a)のB-B線矢視拡大断面図
図6図2(b)のD-D線矢視拡大断面図
図7】(a)は図4中の領域Z2の一部断面で示した拡大図、(b)は同じく領域Z3の一部断面で示した拡大図、(c)は同じく領域Z1の拡大図、(d)は図6中の領域Z4の拡大図、(e)は同じく領域Z5の拡大図
図8】(a)は図2(b)のC-C線矢視に沿う要部を示す断面図、(b)は図4のE-E線矢視に沿う要部を示す断面図、(c)は図4のF-F線矢視に沿う要部を示す断面図
図9】右側棚部材を下側横架杆および右側係合部材に掛け渡す様子を示す斜視図
図10】右側棚部材の要部を示す底面図
図11】(a)は右側棚部材の要部を示す正面図、(b)は図10のG-G線矢視断面図、(c)は図10のH-H線に沿う要部を示す矢視断面図、(d)は右側棚部材の左側面図、(e)は図10のI-I線に沿う要部を示す矢視断面図、(f)は右側棚部材の右側面図
図12】(a)は変形例の猫用ケージの図6に対応する図、(b)は変形例の猫用ケージにおける、棚側パネル係合部を棚係合バーに係合する様子を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1に示すように、本実施形態の猫用ケージ1は、主に猫の繁殖用施設として利用され、ケージ本体2と、棚部材3と棚支持構造体4とを備えている。
図中、矢印Zは猫用ケージ1の上下方向(高さ方向)、矢印Xは左右方向(幅方向)、矢印Yは前後方向(奥行方向)を夫々示すものとする。さらに、図中、矢印Xrは右方向、矢印Xlは左方向、矢印Yfは前方向、矢印Yrは後方向を夫々示すものとする。
【0028】
ケージ本体2は、前後方向よりも左右方向に長く形成されるとともに、上下運動を好む猫の習性に合わせて左右方向よりも上下方向に長く形成され、全体として立位の直方体をした箱型形状に構成されている。
本実施形態においては、ケージ本体2は、猫の体高(床面からキ甲部までの垂直距離)の4倍以上の高さで形成されるとともに、つがいとなる2頭の猫を少なくとも内側で飼育可能な大きさの床面積が確保されている。このように、本実施形態の猫用ケージ1は、法律(例えば、改正動物の愛護および管理に関する法律)に定める基準を満たすように構成されている。
【0029】
ケージ本体2は、内側に猫を収容する収容空間Aが構成され、図1図6に示すように、収容空間Aを全周に亘って囲繞するように複数のパネル5と、複数のパネル5のうち、隣接する2枚のパネル5の間において直線状に延在する直線フレーム6とを備えている。
複数のパネル5は、猫用ケージ1の前面部を構成する前面パネル5a(図2(b)、図6参照)、背面部を構成する背面パネル5b(図1図3図5図6参照)、右側面部を構成する右側面パネル5d(図1図4図6参照)、左側面部を構成する左側面パネル5c(図4図6参照)、床面を構成する床面パネル5e(図1図4図5参照)、および天面部を構成する天面パネル5f(図2(a)、図5参照)で構成され、何れも平板状に形成されている。なお、ケージ本体2を構成する上述した複数のパネル5は、前面パネル5aを除いて合成樹脂材料で形成されている。
【0030】
特に、図2(b)、図6に示すように、前面パネル5aは、略全体が左右一対の扉5al,5arによって形成されている。右側の扉5arは、前面パネル5aの右側片半分に相当し、左側の扉5alは、前面パネル5aの左側片半分に相当し、何れも略全体が強化ガラス5aaにより透明色で形成されている。
【0031】
図2(b)に示すように、左側の扉5alは、左側縁辺が、該左側縁辺と隣接するとともに上下方向に延びる後述する直線フレーム6に、上下方向に延びる軸を有するヒンジ7を介して軸支されている。同様に、右側の扉5arは、右側縁辺が、該右側縁辺と隣接するとともに上下方向に延びる後述する直線フレーム6に、上下方向に延びる軸を有するヒンジ7を介して軸支されている。これにより、前面パネル5aを構成する左右一対の扉5al,5arは、前方へ観音開き可能に形成され、前面部の略全体を開閉可能としている。
【0032】
また、図3に示すように、背面パネル5bは、下部5bdを除く上側全体が左右一対の扉5bl,5brによって形成されている。この扉5bl,5brは、前面パネル5aに備えた扉5al,5arや、扉5al,5arのヒンジ構造と同様の構成であるため、その説明は省略するが、後方へ観音開き可能に形成され、後面部の下部5bdを除く上側全体を開閉可能としている。
なお、図2図3中の符号9は、背面パネル5bに備えた左右一対の扉5bl,5brを閉状態にロック可能とする鍵部材である。鍵部材9は、図2図3以外の図示を省略している。
【0033】
床面パネル5eは、猫用ケージ1の床面を形成し、他のパネル5と同様に全体が水平かつ平坦に形成されている。
【0034】
また、直線フレーム6は、例えば、アルミニウム等による押出し材で直線状かつ断面略四角形をした筒状に形成され、図1図6に示すように、ケージ本体2の外枠を構成するように隣接するパネル5間の夫々に複数備えている。
【0035】
直線フレーム6は、隣接するパネル5に応じた長さで前後方向、左右方向、上下方向に延在している。そして、ケージ本体2の各コーナー部2C(図1参照)に向けて3方向から延在する3本の直線フレーム6は、端部同士が該コーナー部2Cにおいて互いに突合わされた状態で結合している。
【0036】
さらに、直線フレーム6は、隣接するパネル5同士を連結する連結機能も備えている。すなわち、前面パネル5aの扉5al,5arと背面パネル5bとにおける扉5bl,5br部分を除いて、隣接する2枚のパネル5は、直線フレーム6を介して互いに連結されている。
【0037】
例えば、図7(c)(d)(e)に示すように、直線フレーム6におけるパネル5の縁辺5tとの対向面6aには、該縁辺5tを嵌合保持する嵌合溝6bが直線フレーム6の延在方向に沿って形成されている。そして、パネル5の縁辺5tを嵌合溝6bに嵌合して保持することで、互いに隣接するパネル5の縁辺5t同士を直線フレーム6を介して隙間なく連結することができる。
【0038】
続いて、棚支持構造体4について説明する。
図1に示すように、棚支持構造体4は、棚部材3を掛け渡して支持するものであって、棚部材3の掛け渡し方向(長手方向)の一方側を支持する吊下げ構造体10と、他方側を支持する係合金具20とで構成されており、何れも金属製である。
【0039】
吊下げ構造体10は、ケージ本体2の内部における床面(床面パネル5eの上面)より高い位置において、棚部材3の少なくとも一部(掛け渡し方向の一方側)を吊り下げた態様で支持するものであって、吊下げ部材11と、吊下げ部材11を収容空間Aにおいて吊り下げた形態となるように天面パネル5fに取り付ける取付けブラケット15(図1図2(a)参照)とを備えている。
【0040】
図1図4図6図8(a)(b)、図9に示すように、吊下げ部材11は、取付けブラケット15によって天面パネル5fの下面に取り付けられる台座プレート12(図4図5図8(a)参照)と、台座プレート12から垂下されるとともに、前後方向に互いに離間して配置される一対の吊下杆13と、一対の吊下杆13の間において、これら一対の吊下杆13に横架する複数(当例では2本)の横架杆14とで構成されている。
なお、吊下げ部材11は、台座プレート12、一対の吊下杆13および横架杆14が互いに溶接により固着されているが、これに限らず、締結等の他の手段により一体に結合してもよい。
【0041】
図6に示すように、吊下げ部材11は、収容空間Aの前後方向の中間位置より後側片半分の領域における、左右方向の中間位置Pcに配置されている。さらに、図1に示すように、吊下げ部材11は、台座プレート12、一対の吊下杆13および横架杆14によって構成される面11A(図1図9参照)が、ケージ本体2の右側面パネル5dおよび左側面パネル5cに対向するように配置されている。
【0042】
台座プレート12(図1図5図8(a)参照)および取付けブラケット15(図1図2(a)、図5参照)は、何れも左右方向に対して前後方向に長い平面視短冊状の板材により形成され、互いに略同じ平面視形状に形成されている。本実施形態において、台座プレート12および取付けブラケット15は、天面パネル5fの前後方向の長さの略半分の長さで形成されている。
【0043】
図4図5に示すように、取付けブラケット15と台座プレート12は、天面パネル5fに対して上下各側に配置され、天面パネル5fを挟み込むようにして互いにボルト等で一体に固定される。これにより、吊下げ部材11は、取付けブラケット15を介して天面パネル5fの下面に取り付けられている。
【0044】
図1図4図5に示すように、一対の吊下杆13は、互いに同一形状の丸棒により形成されるとともに、収容空間Aにおいて上下方向(鉛直方向)に直線状に延びており、互いの上端が台座プレート12の下面に固着される一方で、下端が床面よりも上方、当例においては猫の体高よりも若干高い位置に位置している。図1図5図6に示すように、一対の吊下杆13は、互いに棚部材3の前後方向の長さと略同じ間隔だけ前後方向に離間して平行に配設されるとともに、同一長さを有している。
【0045】
図1図9に示すように、2本の横架杆14は、互いに同一形状の丸棒により形成され、互いに平行かつ水平に前後方向に直線状に延びている。
2本の横架杆14のうち、下側に配置された下側横架杆14Dは、一対の吊下杆13の下端同士を、これらの間において互いに連結するように延びている。また、2本の横架杆14のうち、上側に配置された上側横架杆14Uは、下側横架杆14Dの直上において、下側横架杆14Dに対して上方へ離間した位置(当例では、一対の吊下杆13の上下方向の中間位置よりも若干下方の位置)において、一対の吊下杆13同士を、これらの間において互いに連結するように延びている。
【0046】
図1図6に示すように、係合金具20は、右側面パネル5dと左側面パネル5cとに一つずつ備え、何れも吊下げ部材11との間において、棚部材3を水平に掛け渡した状態で支持可能に形成されている。
【0047】
右側面パネル5dに備えた係合金具20(右側係合金具20R)は、吊下げ部材11に対して右側で離間して対向し、左側面パネル5cに備えた係合金具20(左側係合金具20L)は、吊下げ部材11に対して左側で離間して対向している。右側係合金具20Rと左側係合金具20Lとは、互いに同一形状および大きさで形成されている。
【0048】
図7(a)、図8(c)、図9に示すように、係合金具20は、左右各側の側面パネル5(右側面パネル5dと左側面パネル5c)のうち、対応する側面パネル5(5c,5d)に取り付ける平板状の取付けプレート部21と、棚部材3の掛け渡し方向(左右方向)の他方側の端部(後述する棚側パネル係合部40)と係合するパネル側棚係合部22とで形成されている。
【0049】
取付けプレート部21は、正面視矩形をした平板状に形成され(図8(c)参照)、対応する側面パネル5(5c,5d)における、収容空間Aを臨む側の面に、ボルト等を用いて取り付けられている。
パネル側棚係合部22は、取付けプレート部21の下端から取付けプレート部21に対して収容空間Aの側へ水平に延出する水平延出片25(図7(a)、図9参照)と、水平延出片25の延出端から鉛直上方へ延出する上方延出片26とで一体形成されている。上方延出片26は、取付けプレート部21の下部に相当する高さを有するとともに取付けプレート部21の下部と対向するように形成されている。これにより、図7(a)、図9に示すように、上方延出片26と、取付けプレート部21の下部との間には、下方へ凹状の係合溝27が形成されている。
【0050】
図1図4に示すように、上述した右側係合金具20Rは、パネル側棚係合部22(詳しくは、上方延出片26の上端)が下側横架杆14Dと左右方向に対向するように(すなわち、略同じ高さになるように)右側面パネル5dに取り付けられている。一方、図1図4図7(a)(b)に示すように、上述した左側係合金具20Lは、パネル側棚係合部22(詳しくは、上方延出片26の上端)が上側横架杆14Uと左右方向に対向するように(すなわち、略同じ高さになるように)左側面パネル5cに取り付けられている。
【0051】
また、図1図4に示すように、棚部材3は、収容空間Aにおいて複数(当例では2枚)備えている。
2枚の棚部材3のうち、左側の棚部材3L(左側棚部材3L)は、吊下げ部材11の上側横架杆14Uと左側面パネル5cの左側係合金具20Lとの間において水平に掛け渡されている。一方、2枚の棚部材3のうち右側の棚部材3R(右側棚部材3R)は、吊下げ部材11の下側横架杆14Dと右側面パネル5dの右側係合金具20Rとの間において水平に掛け渡されている。本実施形態において、左側棚部材3Lと右側棚部材3Rとは、互いに同一形状および大きさで形成されている。
【0052】
図1図4図6図9図10に示すように、棚部材3は、猫が乗る棚板31(棚本体部)と、棚板31を支持する棚フレーム32(図10参照)とで構成されている。棚部材3は、猫が上下運動する際に着地したり、踏み台として利用することが可能な剛性を有するとともに、猫が休憩する際に横たわった状態で支持可能な大きさを有している。
【0053】
棚板31は、掛け渡し方向(左右方向)が前後方向よりも長い平面視略矩形をした平板状に形成されている(図6参照)。具体的に、棚板31は、長手方向(左右方向)については、収容空間Aの左右方向の長さの略半分の長さを有するとともに、短手方向(前後方向)については、一対の横架杆14の間隔よりも若干長く形成されている(図5図6参照)。
【0054】
なお、本実施形態の棚板31は、木質材料で形成されているが、これに限らず、合成樹脂、金属など他の材料で形成してもよく、また、硬質部材に限らず、可撓性、柔軟性を有する部材で形成してもよい。
【0055】
棚フレーム32は、略全体が上下方向に板厚を有する金属板材により形成され、棚フレーム32の展開形状となるように打ち抜いた金属板材に対して、プレス成形による曲げ加工により立体形状に形成されている。
【0056】
図10図11(a)~(f)に示すように、棚フレーム32は、棚部材3の長手方向(掛け渡し方向)の全長に亘って直線状に延在するとともに短手方向(前後方向)の両側に離間して配設された一対の延在フレーム部33と、一対の延在フレーム部33を連結する連結フレーム部34とで一体に形成されている。
【0057】
連結フレーム部34は、一対の延在フレーム部33の間において短手方向に直線状に延びるとともに、棚部材3の長手方向の中央を隔てて各側に一対を備えている(図10参照)。ここで、一対の連結フレーム部34のうち、掛け渡し方向の一方側の連結フレーム部34aを一方側連結フレーム部34aと設定するとともに、他方側の連結フレーム部34bを他方側連結フレーム部34bと設定する。
棚フレーム32は、上述した一対の延在フレーム部33と一対の連結フレーム部34とによって平面視で略井桁形状に形成されている。
【0058】
図1図4図6図7(a)、図8(c)、図9図11(a)~(c)(f)に示すように、棚フレーム32の掛け渡し方向の他方の端部には、棚側パネル係合部40が形成されている。
特に、図10図11(a)~(c)(f)に示すように、棚側パネル係合部40は、一対の延在フレーム部33の掛け渡し方向の他端側から下方へ延出する下方延出片41と、下方延出片41の下部同士を幅方向に直線状に連結する連結片42とを有して一体形成されている。これにより、図7(a)、図8(c)に示すように、棚側パネル係合部40は、対応する側面パネル5(5c,5d)のパネル側棚係合部22の係合溝27に差し込まれるようにしてパネル側棚係合部22と係合可能に形成されている。
【0059】
また、図7(a)、図8(c)、図9図10図11(c)(f)に示すように、棚側パネル係合部40の連結片42と側面パネル5(5c,5d)のパネル側棚係合部22の上方延出片26との夫々の前後方向の中間位置には、互いに板厚方向(左右方向)に連通するように貫通穴43,28が形成されている。連結片42の貫通穴43は、ネジ穴として形成されるとともに(図10図11(c)参照)、上方延出片26の貫通穴28は、貫通穴43よりも一回り大きな貫通穴(所謂バカ穴)として形成されている。
そして、図7(a)、図8(c)、図9に示すように、棚側パネル係合部40とパネル側棚係合部22とは、夫々の貫通穴43,28に挿通した蝶ネジS1でねじ止めすることで、不用意に互いの係合状態が解除されないように固定される。
【0060】
一方、図1図4図6図7(b)、図8(b)、図9図11(a)~(d)に示すように、棚フレーム32の掛け渡し方向の一方の端部には、横架杆係合部50が形成されている。
【0061】
横架杆係合部50は、一対の延在フレーム部33の掛け渡し方向の一方の端部に形成され、これら一対の横架杆係合部50は、夫々の一端側が上方に隆起することで下面が上方に凹むとともに下方に向けて開口して形成されている。これにより、図7(b)、図8(b)、図9に示すように、一対の横架杆係合部50は、吊下げ部材11の対応する横架杆14と係合可能に形成されている。
【0062】
また、図10図11(a)~(d)に示すように、一対の横架杆係合部50の夫々の先端部には、該先端部から下方へ延びる縦壁状端面51を有している。縦壁状端面51は、横架杆係合部50を横架杆14に係合した状態において、下部が横架杆14よりも下方に延出している。さらに、一対の横架杆係合部50の夫々に有する縦壁状端面51の下部には、ネジ穴としての貫通穴52が貫通形成されている。そして、図7(b)に示すように、一対の横架杆係合部50の夫々において、横架杆14の直下近傍空間に突き出すように貫通穴52に蝶ネジS2を挿通することで、不用意に互いの係合状態が解除されないように固定される。
【0063】
棚部材3は、蝶ネジS1を外すことで棚側パネル係合部40とパネル側棚係合部22との係合状態を解除できるとともに、蝶ネジS2を外すことで横架杆係合部50と横架杆14との係合状態を解除することができる。これにより、棚部材3は、人手によって容易に係合金具20と吊下げ部材11とに掛け渡した状態或いは取り外した状態とすることができる。
【0064】
上述した棚側パネル係合部40と横架杆係合部50とは、互いの間隔が収容空間Aの略半分の長さで形成され、パネル側棚係合部22と横架杆14とに係合した状態でこれらの間に棚部材3を掛け渡し可能に形成されている。
【0065】
また、図10図11(b)(e)に示すように、棚フレーム32と棚板31とは、複数(当例では6つ)の取付け箇所T(締結箇所)においてボルトB等により互いに締結固定されている。
取付け箇所Tは、図10に示すように、一対の延在フレーム部33の夫々に長手方向に沿って3つずつ形成されている。
ここで、複数の取付け箇所Tのうち、一対の延在フレーム部33の夫々において、掛け渡し方向(長手方向)の一方側に位置する取付け箇所Tを一方側取付け箇所Taに設定するとともに、掛け渡し方向の他方側に位置する取付け箇所Tを他方側取付け箇所Tbに設定するとともに、一方側取付け箇所Taと他方側取付け箇所Tbとの間に位置する取付け箇所Tを中間取付け箇所Tcに設定する。
【0066】
一方側取付け箇所Taは、掛け渡し方向における一方側連結フレーム部34aよりも一方側に位置し、他方側取付け箇所Tbは、掛け渡し方向における他方側連結フレーム部34よりも他方側に位置し、中間取付け箇所Tcは、掛け渡し方向における、一方側連結フレーム部34aと他方側連結フレーム部34bとの間に位置する。
【0067】
図11(b)(e)に示すように、取付け箇所Tにおいて、棚フレーム32には貫通穴35が、棚板31には貫通穴36が、夫々形成されており、各貫通穴35,36は、ボルトBを挿通可能に上下方向に連通している。
【0068】
本実施形態においては、棚板31における貫通穴36は、ネジ穴として形成される。棚フレーム32における貫通穴35は、所謂バカ穴として形成されている。棚板31と棚フレーム32とは、ボルトBを棚フレーム32側の貫通穴35から棚板31側の貫通穴36へと挿通(螺合)することで互いに締結固定されるが、ボルトBは、上端(先端)が棚板31の上面から上方へ突き出さない長さで形成されている。
【0069】
また、図10図11(a)~(f)に示すように、棚フレーム32における、短手方向(前後方向)の両端部には、棚部材3に飼育動物が乗ることにより加わる荷重に対して、掛け渡し方向に延びる棚部材3の下方への曲げ剛性を高めるリブ60が形成されている。
【0070】
リブ60は、一対の延在フレーム部33の相離反する側の端部において下方へ突出形成されており、長手方向に沿って直線状に連続するとともに長手方向の略全長に亘って略同じ高さで形成されている。これにより、一対のリブ60は、互いに平行かつ、互いに同じ高さ(下方への突出長さ)となるように形成されている。
なお、本実施形態において、リブ60は、棚板31の板厚よりも若干短い突出長さで形成されている(図11(e)参照)。
このように、リブ60の下方への突き出し長さを極力抑制することで、猫や人による、棚部材3の下方空間へのアクセスがリブ60によって阻害されないため、該下方空間を有効活用できる。
【0071】
また、リブ60は、棚フレーム32を上述したように曲げ加工する際に下方へフランジ状に突出形成されている。これにより、リブ60の谷折り部分には、長手方向に沿って直線状に延びる稜線61が形成されている(図11(e)参照)。
【0072】
リブ60は、上述したように、棚フレーム32の長手方向に沿って形成されているが、吊下げ部材11と側面パネル5とによって支持(係合)されていない箇所に形成されている。
【0073】
換言すると、リブ60は、棚フレーム32の長手方向の両側に有する係合部40,50(棚側パネル係合部40、横架杆係合部50)を除いて、これら係合部40,50の間部分の略全長に亘って形成されている。
【0074】
これにより、リブ60は、延在フレーム部33の長手方向における、棚板31を支持する部位(棚板31の下面が接地される部位)の略全長に亘って形成されている。さらに、リブ60は、延在フレーム部33の掛け渡し方向(長手方向)における、一方側連結フレーム部34aよりも一方側に至るまで形成されるとともに、他方側連結フレーム部34bよりも他方側に至るまで形成されている。
【0075】
さらにまた、リブ60は、延在フレーム部33の掛け渡し方向(長手方向)における、一方側取付け箇所Taよりも一方側に至るまで形成されるとともに、他方側取付け箇所Tbよりも他方側に至るまで形成されている。
【0076】
図1図4図6に示すように、上述した本実施形態の猫用ケージ1(飼育動物用ケージ)は、ケージ本体2の内部における、飼育動物としての猫を収容する収容空間Aに、猫が乗る棚部材3と、棚部材3を支持する支持部材(吊下げ部材11、係合金具20)とを備え、棚部材3の平面視で支持部材(11,20)によって支持されない箇所の少なくとも一部に、上下方向に突出するリブ60(図4図5参照)が設けられたことを特徴とする。
【0077】
上記構成によれば、棚部材3における、支持部材(11,20)によって支持されていない箇所にリブ60を設けることで、棚部材3を効率的に補強できる。
すなわち、棚部材3を頑強に形成することで大型化したり、重量が増大することがなく、また、猫が乗る面積を確保しながら、猫から加わる荷重に対して棚部材3の曲げ剛性を効率的に高めることができる
従って、猫が棚部材3に載った状態で休憩したり、収容空間Aを昇降動作する際に棚部材3を踏み台として利用したりする際に、棚部材3に加わる荷重によって棚部材3が曲げ変形したり、破断したりしないように棚部材3の曲げ剛性を高めることができる。
【0078】
この発明の態様として、図1図4図6図7(a)(b)、図8(b)(c)に示すように、支持部材(11,20)は、少なくとも一対を備えるとともに、棚部材3を掛け渡して支持可能に掛け渡し方向において互いに離間して配設され、図10図11(a)~(f)に示すように、棚部材3は、猫が乗る棚板31(棚本体部)と、棚板31を支持する棚フレーム32とで構成され、図10図11(e)に示すように、リブ60を、棚フレーム32の平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部に設けたものである。
【0079】
上記構成によれば、リブ60を、棚フレーム32の平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部に設けることで、棚部材3の上記直交方向における、脆弱となり易い端部側近傍を補強して棚部材3の下方への曲げ剛性を効率よく高めることができる。
【0080】
また、棚フレーム32の平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両端部は、例えば、棚フレーム32の製造時にプレス成形等による曲げ加工が可能であるため、該両端部に掛け渡し方向に沿って容易にリブ60を形成することができる。
【0081】
図11(e)に示すように、この発明の態様として、棚フレーム32は、金属板材で形成され、リブ60は、金属板材の曲げ変形により形成されたものである。
【0082】
上記構成によれば、棚フレーム32を板材で形成することで棚フレーム32の軽量化を図ることができつつ、リブ60によって棚フレーム32の曲げ剛性を高めることができる。さらに、リブ60を金属板材の曲げ変形により形成することで、曲げ変形箇所に沿って延びる稜線61を形成することができるため、リブ60による補強効果をより一層高めることができる。
【0083】
加えて、リブ60は、上述したように、金属板材に対して、例えば、プレス成形による曲げ加工を行うことで、リブ60を備えた棚フレーム32を容易に形成することができる。
【0084】
この発明の態様として、図10に示すように、棚フレーム32を、上記掛け渡し方向に延在するとともに棚フレーム32の平面視で上記掛け渡し方向に直交する方向の両側に離間して配設された一対の延在フレーム部33と、一対の延在フレーム部33を連結する連結フレーム部34とで構成され、図10図11(c)に示すように、リブ60は、延在フレーム部33の掛け渡し方向における、一方側に有する一方側連結フレーム部34aよりも一方側に至るまで形成されるとともに、他方側に有する他方側連結フレーム部34bよりも他方側に至るまで形成されている。
【0085】
上記構成によれば、支持部材(11,20)から連結フレーム部34に入力された荷重を、リブ60によって、延在フレーム部33の掛け渡し方向における、一方側連結フレーム部34aよりも一方側および他方側連結フレーム部34bよりも他方側に至るまでスムーズに伝達、分散することができる。
従って、支持部材(11,20)を棚フレーム32によって、しっかりと支持することができる。
【0086】
この発明の態様として、図10に示すように、棚フレーム32に対して支持部材(11,20)を取り付ける取付け箇所T(締結箇所)が形成され、図10図11(b)に示すように、リブ60は、延在フレーム部33の掛け渡し方向における、一方側に有する一方側取付け箇所Taよりも一方側に至るまで形成されるとともに、他方側に有する他方側取付け箇所Tbよりも他方側に至るまで形成されている。
【0087】
上記構成によれば、棚板31から取付け箇所Tを介して棚フレーム32へ入力された荷重を、リブ60によって、延在フレーム部33の掛け渡し方向における、一方側取付け箇所Taよりも一方側および、他方側取付け箇所Tbよりも他方側に至るまでスムーズに伝達、分散することができる。
従って、棚板31を棚フレーム32によってしっかりと支持することができる。
【0088】
図10図11(a)~(c)に示すように、この発明の態様として、リブ60は、棚部材3の掛け渡し方向の一対の支持部材(11,20)の間における、略全長に亘って延設されたものである。
【0089】
上記構成によれば、棚部材3の掛け渡し方向における各側には支持部材(11,20)が配設されているため、リブ60を、棚部材3の一対の支持部材(11,20)の間における、掛け渡し方向の略全長に亘って延設することで、猫が乗る棚部材3に加わる荷重を、一対の支持部材(11,20)の各側へとリブ60を介して効率的に逃がすことができる。
【0090】
図1図5図6に示すように、この発明の態様として、一対の支持部材(11,20)のうち、掛け渡し方向の一方側は、ケージ本体2の内部における床面より高い位置において、棚部材3の少なくとも一部を吊り下げた態様で支持する吊下げ部材11で構成され、吊下げ部材11は、棚部材3よりも上方の天面パネル5fから垂下されるとともに平面視で互いに離間して配置される一対の吊下杆13と、一対の吊下杆13の間において、これら一対の吊下杆13に横架する横架杆14とを備え、棚部材3は、横架杆14に取り付けられたものである。
【0091】
上記構成によれば、横架杆14は、一対の吊下杆13によって両側から連結された構成となるため、このような横架杆14に棚部材3を取り付けることで、吊下げ部材11によって棚部材3をしっかりと支持することができる。
【0092】
一方で、平面視で一対の支持部材(11,20)により支持されていない箇所は、リブ60によって補強される。従って、棚部材3は、一対の支持部材(11,20)により支持される箇所および支持されない箇所の全体に亘って猫から加わる荷重に対して曲げ剛性を確保することができる。
【0093】
上述したように、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、本発明は、示す図12(a)(b)に示すような本実施形態の変形例に係る構成を採用してもよい。
具体的には、棚部材を対応する側面パネル5(5c,5d)側で係合する手段として、側面パネル5に取り付けた係合金具20に限らず、図12(a)(b)に示すような棚係合バー20’を備えてもよい。
【0094】
棚係合バー20’は、例えば、図12(a)(b)に示すように、右側面パネル5dの前後方向の両側に有する上下方向に延びる直線フレーム6を繋ぐように、これらの間に延びる横架フレームによって形成されている。
【0095】
棚係合バー20’は、例えば、図12(b)に示すように、右側面パネル5dに対して収容空間Aの側で離間した位置において、吊下げ部材11に備えた下側横架杆14Dに対応する高さで前後方向に直線かつ水平に延びている。さらに、棚係合バー20’は、長手方向(前後方向)の両端部が右側面パネル5dの前後両端において上下方向に延びる直線フレーム6の側へと曲げ変形され、夫々に対応する直線フレーム6に連結されている。一方、棚部材3’は、吊下げ部材11と棚係合バー20’とに掛け渡し可能な左右方向の長さを有するとともに、棚側パネル係合部40’は、棚係合バー20’に係合可能に形成されている。
これにより、棚部材3’は、収容空間Aにおける、吊下げ部材11に対して左右各側において、吊下げ部材11と棚係合バー20’とによって掛け渡した状態で支持される。
【0096】
また、この発明は、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
例えば、係合金具20や棚係合バー20’は、上述した実施形態のように、1つの側面パネル5(5c,5d)に1つ備えるに限らず、複数備えてもよく、例えば、吊下げ部材11に備えた複数の横架杆14の高さに対応するように、上下方向に間隔を隔てて配設してもよい。
【0097】
また、係合金具20や棚係合バー20’は、側面パネル5(5c,5d)又はその近傍に備えた構成に限らず、前面パネル5aや背面パネル5bなど他のパネル5に備えてもよい。
【0098】
横架杆14は、上述した実施形態のように、吊下げ部材11において2本を備えるに限らず、1本又は、3本以上を備えてもよい。横架杆14を3本以上を備える場合は、上下方向に間隔を隔てて配設するが、等間隔で配設するに限らず、異なる間隔で配設してもよい。
【0099】
一対の支持部材(すなわち、吊下げ部材11と係合金具20)および棚部材3は、上述した実施形態のように、収容空間Aの奥行方向の奥側領域に設ける構成に限らず、奥行方向の手前側領域、或いはこれら領域に跨って設けてもよい。
【0100】
また、本発明に備えた吊下手段は、上述した実施形態のように、収容空間Aにおいて1つに限らず、複数備えてもよい。例えば、本発明は、複数の吊下手段が、上述した実施形態のように、左右各側の側面パネル5c,5dの間で棚を掛け渡す構成としてもよい。或いは、本発明は、一対の吊下手段を互いに対向するように離間して配置させ、一対の吊下手段によって、これらの間に配置した棚部材3を掛け渡す構成としてもよい。
【0101】
本発明の飼育動物用ケージは、飼育動物の繁殖用施設として利用するに限らず、例えば、ペット販売用の店舗(生体販売ショップ)等で展示用ケース(ショーケース)として用いたり、家庭内において非営利目的でペット(生体)飼育用ケージとして用いるなど用途、設置場所等は特に限定しない。
【0102】
例えば、上述した猫用ケージ1等をペット販売用のショールームに設置する場合には、背面パネル5bにおける、左右一対の扉5bl,5brを含めた略全体を、不透明に形成することが、猫用ケージ1の後背側に有するバックヤードが背面パネル5b越しに視認されない構成とできる点で好ましい。
【0103】
また、ケージ本体2を構成するパネル5は、上述した実施形態のように、パネル面の略全体が延在方向に亘って略隙間なく連続して延びる板状に形成するに限らず、線材を例えば、縦横に格子状等に組み合わせて柵状(ワイヤーフェンス構造)となるように形成してもよい。
【0104】
また、本発明に備えたリブは、上述した実施形態のリブ60のように、平面視で棚部材3の掛け渡し方向に直交する方向の両端部に掛け渡し方向に沿って形成するに限らず、上記直交方向に沿って他の部位に形成するなど、リブを形成するレイアウト(形成部位、数等)やリブの形態(方向、突出長さ等)等は特に限定しない。
【0105】
さらにまた、本発明に備えたリブは、上述した実施形態のリブ60のように、吊下げ部材11に一部を吊り下げた形態の棚部材3に設けるに限らず、例えば、左右各側の側面パネル5c,5dに掛け渡した棚部材に設けてもよく、或いは、ケージ本体2の一部に片持ち状に取り付けた棚部材に設けてもよい。
【0106】
なお、本発明の飼育動物用ケージは、上述した実施形態のケージ本体2のように、前後方向よりも左右方向に長く形成された箱型形状に限定せず、例えば、左右方向よりも前後方向に長く形成する、或いは、平面視矩形状ではなく円形状で形成するなど、ケージ本体や棚部材の大きさ、形状に関しても言うまでもなく上述した実施形態の構造に限定しない。
【符号の説明】
【0107】
1,1’…猫用ケージ(飼育動物用ケージ)
2…ケージ本体
3,3’…棚部材
5d…右側面パネル(ケージ側面部)
5c…左側面パネル(ケージ側面部)
11…吊下げ部材(吊下手段、支持部材)
13…一対の吊下杆
14…横架杆
20…係合金具(支持部材)
20’…棚係合バー(支持部材)
31…棚板(棚本体部)
32…棚フレーム
33…延在フレーム部
34…連結フレーム部
34a…一方側連結フレーム部
34b…他方側連結フレーム部
60…リブ
A…収容空間
T…取付け箇所
Ta…一方側取付け箇所
Tb…他方側取付け箇所
図1
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図3
図4
図5
図6
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