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▶ バーケット,ジョセフ チョートの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】真空支援挿入装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20241108BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B8/14
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2021529263
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 US2019057287
(87)【国際公開番号】W WO2020086491
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】62/749,014
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519329232
【氏名又は名称】バーケット,ジョセフ チョート
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】バーケット,ジョセフ チョート
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-544574(JP,A)
【文献】特表2014-516652(JP,A)
【文献】特表2013-507175(JP,A)
【文献】特開2011-015960(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0259221(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0010505(US,A1)
【文献】特表2008-539932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0131597(US,A1)
【文献】特開2008-093146(JP,A)
【文献】特開2004-267534(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0015066(US,A1)
【文献】特開平04-150846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
17/00 - 18/28
34/00 - 34/37
90/00 - 90/98
A61M 1/00
5/00 - 5/52
25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする個体の標的組織内へ針を挿入するための挿入装置であって、
複数の第1のコネクタを備えるカートリッジレシーバを備えるハウジングと、
上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、前記カートリッジレシーバに結合されるように構成されるカートリッジであって、
前記カートリッジの前記上面に位置し、前記カートリッジレシーバの前記複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタ、及び
針ホルダを備え、前記針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、前記トラックが前記針をガイドするように構成されるトラック壁を有する、内部と、前記針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、前記針ホルダの前記遠位端部に位置する針ホルダ開口と、前記針ホルダの前記近位端部に位置するポートとを備え、
前記針が前記針ホルダ開口を通じて出る、
カートリッジと、
皮膚に対して引張力を及ぼすための吸引力を生成する真空ポンプと、
前記標的組織を撮像するように構成される撮像機器と、
を備える、挿入装置。
【請求項2】
前記標的組織が血管である、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項3】
前記標的組織が関節又は軟組織である、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項4】
前記軟組織は、腱、靭帯、筋膜、線維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は、滑膜を含む、請求項3に記載の挿入装置。
【請求項5】
前記標的組織が石灰化組織である、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項6】
前記石灰化組織が骨である、請求項5に記載の挿入装置。
【請求項7】
前記ハウジングが少なくとも1つのハンドルを備える、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項8】
前記カートリッジが前記カートリッジレシーバに可逆的に結合される、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項9】
プレートが前記カートリッジレシーバに対して固定される、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項10】
前記針ホルダは、前記ハウジングに対して角度方向に移動可能であり、前記ハウジング内で移動する、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項11】
前記針ホルダは、0°~80°の間の範囲の針ホルダ角で角度付けられる、請求項10に記載の挿入装置。
【請求項12】
前記針は、導入針、生検針、又は針トラカールである、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項13】
前記針は、カテーテル及び/又はガイドワイヤを含む、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項14】
前記カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポートカテーテル、又は非トンネル型中心カテーテルである、請求項13に記載の挿入装置。
【請求項15】
前記針が流体注入ラインと流体連通している、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項16】
前記カートリッジレシーバが、側面のいずれかにレールを有するフレームを備え、前記レールが前記針ホルダを固定するように構成される、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項17】
前記複数のアクチュエータは、ばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを含む、請求項11に記載の挿入装置。
【請求項18】
前記ばねアクチュエータが前記針の長手方向の動きを制御する、請求項17に記載の挿入装置。
【請求項19】
前記角度アクチュエータが前記針ホルダ角を制御する、請求項17に記載の挿入装置。
【請求項20】
前記ハウジング内に位置する真空接続部を備え、前記真空接続部は、前記カートリッジに動作可能に接続される真空コネクタを備える、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項21】
前記真空コネクタが真空源と真空連通する、請求項20に記載の挿入装置。
【請求項22】
前記真空源は、前記針ホルダ開口を通じて空気を引き込むように構成される、請求項21に記載の挿入装置。
【請求項23】
前記真空源は、前記カートリッジの前記下面を通じて空気を引き込むように構成される、請求項21に記載の挿入装置。
【請求項24】
前記針ホルダは、前記ポートによって受けられるように構成されるポートレバー又は前記ポートによって受けられるように構成される収集チューブを備え、前記針ホルダの角度は、前記ポートレバーを動かすことによって手動で制御及び/又は調整することができる、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項25】
前記針ホルダが1つの選択された位置から他の位置に移動されるにつれて前記ポートレバーがカートリッジ弧状経路内で移動する、請求項24に記載の挿入装置。
【請求項26】
電源を備える、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項27】
前記カートリッジを受容するように構成される使い捨てスリーブを備える、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項28】
前記撮像機器は、超音波振動子、赤外線センサ、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項29】
前記赤外線センサが赤外線源を備える、請求項28に記載の挿入装置。
【請求項30】
前記赤外線源が発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である、請求項29に記載の挿入装置。
【請求項31】
前記赤外線センサが赤外線検出器を備える、請求項28に記載の挿入装置。
【請求項32】
前記赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である、請求項31に記載の挿入装置。
【請求項33】
前記超音波振動子が超音波を放出および受容するように構成される、請求項28に記載の挿入装置。
【請求項34】
前記カートリッジは、平坦な表面及び前記超音波がそこを通過できるように構成される厚さを有するプレートを備える、請求項33に記載の挿入装置。
【請求項35】
前記カートリッジの天面、底面、近位端および遠位端のうちの1つ以上は、前記カートリッジと前記挿入装置との間又は前記挿入装置と個体との間のバリアとして働く、請求項33に記載の挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み入れられる、2018年10月22日に出願された米国仮出願第62/749,014号の利益を主張する。
【発明の概要】
【0002】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織内へ針を挿入するための挿入装置が開示され、この挿入装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子、及び複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバとを備える、ハウジングと、上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、カートリッジ・レシーバに結合されるように構成されるカートリッジと、を備え、カートリッジは、カートリッジの上面に位置し、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタ、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレート、並びに針ホルダを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出、赤外線センサが赤外線を放出して受けるように構成される。
【0003】
幾つかの実施形態では、標的組織が血管である。幾つかの実施形態では、標的組織が関節又は軟組織である。幾つかの実施形態では、軟組織は、腱、靭帯、筋膜、繊維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は、滑膜を含む。幾つかの実施形態では、標的組織が石灰化組織である。幾つかの実施形態では、石灰化組織が骨である。幾つかの実施形態では、ハウジングが少なくとも1つのハンドルを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジがカートリッジ・レシーバに可逆的に結合される。幾つかの実施形態では、プレートがカートリッジ・レシーバに対して固定される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、角度方向に移動可能であり、ハウジング内で移動する。幾つかの実施形態では、針ホルダは、約0°~約80°の範囲の針ホルダ角で角度付けられる。幾つかの実施形態では、針は、導入針、生検針、又は、針トラカールである。幾つかの実施形態では、針がカテーテル及び/又はガイドワイヤを備える。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポート・カテーテル、又は、非トンネル型中心カテーテルである。幾つかの実施形態では、針が流体注入ラインと流体連通している。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバがその両側にレールを有するフレームを備え、レールが針ホルダを固定するように構成される。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、ばねアクチュエータが針の縦方向の動きを制御する。幾つかの実施形態では、角度アクチュエータが針ホルダ角を制御する。幾つかの実施形態では、挿入装置がハウジング内に位置する真空接続部を備え、真空接続部は、カートリッジに動作可能に接続される真空コネクタを備える。幾つかの実施形態では、真空コネクタが真空源と真空連通する。幾つかの実施形態では、真空源は、針ホルダ開口を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、真空源は、カートリッジの下面を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、ポート・レバー又はポートによって受けられるように構成される収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダが1つの選択された位置から他の位置に移動されるにつれてポート・レバーがカートリッジ円弧経路内で移動する。幾つかの実施形態では、挿入装置が電源を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジを受けるように構成される使い捨てスリーブを備える。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源が発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線検出器を備える。幾つかの実施形態では、赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと挿入装置との間又は挿入装置と個体との間のバリアとして働く。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0004】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織内へ針を挿入するための挿入システムが開示され、この挿入システムは、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子、及び複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバ、を備える、ハウジングと、上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、カートリッジ・レシーバに結合されるように構成されるカートリッジであって、カートリッジの上面に位置し、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタ、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレート、並びに針ホルダを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る、カートリッジと、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサと、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合される表示スクリーンであって、標的組織の位置、針、及び、針挿入ポイントの超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される、表示スクリーンと、超音波振動子、赤外線センサ、表示スクリーン、及び、複数のアクチュエータに動作可能に結合されるプロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むコンピュータ・プログラムを伴う非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備えるコンピュータ装置であって、命令が、プロセッサに、a)超音波振動子から放出される超音波を超音波画像に変換させて、該超音波画像を表示スクリーンに表示させ、b)赤外線センサから放出される赤外線を赤外線画像に変換させて、該赤外線画像を表示スクリーンに表示させ、c)標的組織の位置を特定させ、d)標的組織への針挿入ポイントを計算させ、e)針が標的組織に挿入された時点で針の先端の位置を追跡させる、コンピュータ装置とを備える。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0005】
幾つかの実施形態では、標的組織が血管である。幾つかの実施形態では、標的組織が関節又は軟組織である。幾つかの実施形態では、軟組織は、腱、靭帯、筋膜、繊維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は、滑膜を含む。幾つかの実施形態では、標的組織が石灰化組織である。幾つかの実施形態では、石灰化組織が骨である。幾つかの実施形態では、ハウジングが少なくとも1つのハンドルを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジがカートリッジ・レシーバに可逆的に結合される。幾つかの実施形態では、プレートがカートリッジ・レシーバに対して固定される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、角度方向に移動可能であり、ハウジング内で移動する。幾つかの実施形態では、針ホルダは、約0°~約80°の範囲の針ホルダ角で角度付けられる。幾つかの実施形態では、針は、導入針、生検針、又は、針トラカールである。幾つかの実施形態では、針がカテーテル及び/又はガイドワイヤを備える。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポート・カテーテル、又は、非トンネル型中心カテーテルである。幾つかの実施形態では、針が流体注入ラインと流体連通している。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバがその両側にレールを有するフレームを備え、レールが針ホルダを固定するように構成される。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、ばねアクチュエータが針の縦方向の動きを制御する。幾つかの実施形態では、角度アクチュエータが針ホルダ角を制御する。幾つかの実施形態では、挿入システムがハウジング内に位置する真空接続部を備え、真空接続部は、カートリッジに動作可能に接続される真空コネクタを備える。幾つかの実施形態では、真空コネクタが真空源と真空連通する。幾つかの実施形態では、真空源は、針ホルダ開口を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、真空源は、カートリッジの下面を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、ポート・レバー又はポートによって受けられるように構成される収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダが1つの選択された位置から他の位置に移動されるにつれてポート・レバーがカートリッジ円弧経路内で移動する。幾つかの実施形態では、挿入システムが電源を備える。幾つかの実施形態では、挿入システムは、カートリッジを受けるように構成される使い捨てスリーブを備える。幾つかの実施形態では、挿入システムが電源を備える。幾つかの実施形態では、挿入システムは、カートリッジを受けるように構成される使い捨てスリーブを備える。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、針を必要としている個体の標的組織の位置、針、及び、針挿入ポイントの超音波画像をリアルタイムで表示する。幾つかの実施形態では、システムは、コンピュータ装置に動作可能に結合されるユーザ・インタフェースを備える。幾つかの実施形態では、ユーザ・インタフェースは、挿入システムの様々な機能を制御するためのタッチスクリーン及び/又は複数のボタンを備える。幾つかの実施形態では、挿入システムの様々な機能は、針の縦方向の動きを制御すること、針ホルダ角を制御すること、カテーテルの縦方向の動きを制御すること、超音波画像の焦点を強調すること、超音波画像を中心付けること、真空モータを起動させること、又は、それらの任意の組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源が発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線検出器を備える。幾つかの実施形態では、赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令は、プロセッサに、針が標的組織内で中心付けられるように針の位置を自動的に調整させる。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと挿入装置との間又は挿入装置と個体との間のバリアとして働く。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0006】
特定の実施形態では、本明細書中には、針カートリッジが開示され、この針カートリッジは、針と、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートと、針ホルダとを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る。幾つかの実施形態では、カートリッジが挿入装置に結合するように構成される。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと挿入装置との間又は挿入装置と個体との間のバリアとして働く。
【0007】
幾つかの実施形態では、針ホルダは、角度方向に移動可能であり、ハウジング内で移動する。幾つかの実施形態では、針ホルダは、約0°~約80°の範囲の針ホルダ角で角度付けられる。幾つかの実施形態では、針は、導入針、生検針、又は、針トラカールである。幾つかの実施形態では、針がカテーテル及び/又はガイドワイヤを備える。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポート・カテーテル、又は、非トンネル型中心カテーテルである。
【0008】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織の位置を特定するための撮像装置が開示され、この撮像装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子と、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサと、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合され、標的組織の超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される表示スクリーンとを備える。
【0009】
幾つかの実施形態では、標的組織が血管である。幾つかの実施形態では、標的組織が関節又は軟組織である。幾つかの実施形態では、軟組織は、腱、靭帯、筋膜、繊維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は、滑膜を含む。幾つかの実施形態では、標的組織が石灰化組織である。幾つかの実施形態では、石灰化組織が骨である。幾つかの実施形態では、撮像装置は、ハウジング内に位置する真空接続部を備え、真空接続部は、カートリッジに動作可能に接続される真空コネクタを備える。幾つかの実施形態では、真空コネクタが真空源と真空連通する。幾つかの実施形態では、撮像装置が電源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源が発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線検出器を備える。幾つかの実施形態では、赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である。
【0010】
特定の実施形態では、本明細書中には、本明細書中に開示される挿入装置を使用して、針を必要としている個体の標的組織内へ針を導入するための方法が開示され、該方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像するステップと、表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定するステップと、針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に移動させることによって、針を針挿入ポイントで標的組織内へ導入するステップとを含む。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角を調整して針を縦方向に移動させることが手動で行われる。幾つかの実施形態では、針ホルダ角を調整して針を縦方向に移動させることがコンピュータ装置によって自動的に行われる。幾つかの実施形態では、方法は、針を使用して治療薬を投与するステップを含む。幾つかの実施形態では、方法は、針を使用して生検サンプルを収集するステップを含む。
【0012】
特定の実施形態では、本明細書中には、本明細書中に開示される挿入装置を使用して、針を必要としている個体の静脈血を採取する方法が開示され、該方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、真空引きされる収集チューブをポートに固定するステップと、個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して血管を撮像するステップと、表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定するステップと、針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に移動させることによって、針を針挿入ポイントで血管内へ導入するステップと、静脈血を、個体から、真空引きされる血管収集チューブ内に収集するステップとを含む。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0013】
特定の実施形態では、本明細書中には、本明細書中に開示される挿入装置を使用して、針を必要としている個体の標的組織にカテーテルを導入する方法が開示され、該方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像するステップと、表示スクリーン上でカテーテル挿入ポイントを特定するステップと、針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じてカテーテルを縦方向に移動させることによってカテーテル挿入ポイントで標的組織にカテーテルを導入するステップとを含む。
【0014】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織内へ針を挿入するための挿入装置が開示され、この挿入装置は、複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバを備えるハウジングと、上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、カートリッジ・レシーバに結合されるように構成されるカートリッジであって、カートリッジの上面に位置し、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタ、及び針ホルダを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る、カートリッジと、標的組織を撮像するように構成される撮像機器とを備える。
【0015】
幾つかの実施形態では、標的組織が血管である。幾つかの実施形態では、標的組織が関節又は軟組織である。幾つかの実施形態では、軟組織は、腱、靭帯、筋膜、繊維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は、滑膜を含む。幾つかの実施形態では、標的組織が石灰化組織である。幾つかの実施形態では、石灰化組織が骨である。幾つかの実施形態では、ハウジングが少なくとも1つのハンドルを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジがカートリッジ・レシーバに可逆的に結合される。幾つかの実施形態では、プレートがカートリッジ・レシーバに対して固定される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、角度方向に移動可能であり、ハウジング内で移動する。幾つかの実施形態では、針ホルダは、約0°~約80°の範囲の針ホルダ角で角度付けられる。幾つかの実施形態では、針は、導入針、生検針、又は、針トラカールである。幾つかの実施形態では、針がカテーテル及び/又はガイドワイヤを備える。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポート・カテーテル、又は非トンネル型中心カテーテルである。幾つかの実施形態では、針が流体注入ラインと流体連通している。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバがその両側にレールを有するフレームを備え、レールが針ホルダを固定するように構成される。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、ばねアクチュエータが針の縦方向の動きを制御する。幾つかの実施形態では、角度アクチュエータが針ホルダ角を制御する。幾つかの実施形態では、挿入装置は、ハウジング内に位置する真空接続部を備え、真空接続部は、カートリッジに動作可能に接続される真空コネクタを備える。幾つかの実施形態では、真空コネクタが真空源と真空連通する。幾つかの実施形態では、真空源は、針ホルダ開口を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、真空源は、カートリッジの下面を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、針ホルダは、ポート・レバー又はポートによって受けられるように構成される収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダが1つの選択された位置から他の位置に移動されるにつれてポート・レバーがカートリッジ円弧経路内で移動する。幾つかの実施形態では、挿入装置が電源を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジを受けるように構成される使い捨てスリーブを備える。幾つかの実施形態では、撮像機器は、超音波振動子、赤外線センサ、又は、これらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源が発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線検出器を備える。幾つかの実施形態では、赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である。幾つかの実施形態では、挿入装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジは、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと挿入装置との間又は挿入装置と個体との間のバリアとして働く。カートリッジには治療薬を予め装填することができ、治療薬が針を通じて個体に送達される。カートリッジが注入装置を更に備えることができる。注入装置を通じて麻酔薬を個体に送達することができる。注入装置が更なる針であってもよい。
【0016】
本開示の更なる態様及び利点は、以下の詳細な説明からこの技術分野における当業者に容易に明らかになり、この場合、本開示の例示的な実施形態のみが示されて記載される。理解できるように、本開示は、他の及び異なる実施形態が可能であり、その幾つかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で変更が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【0017】
本明細書に開示される主題の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本明細書に開示される主題の特徴及び利点のより良い理解は、本明細書に開示される主題の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び、添付図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A患者に使用される挿入装置の一実施形態を示し、挿入装置の正面図を示す図である。
図1B患者に使用される挿入装置の一実施形態を示し、その表示スクリーン上に例示的な出力画像が表示された挿入装置を示す図である。
図2Aカートリッジを備える挿入装置の一実施形態を示し、挿入装置の下側又は遠位側の等角図を示す図である。
図2Bカートリッジを備える挿入装置の一実施形態を示し、カートリッジと結合されたときの挿入装置の下側又は遠位側の不等角図を示す図である。
図3A挿入装置の一実施形態の側面図を示し、挿入装置及びポートの側面図を示す図である。
図3B挿入装置の一実施形態の側面図を示し、図3Aに示されるものとは異なる角度での挿入装置の側面図を示す図である。
図4A針ホルダ及びカテーテルの挿入の一実施形態の側面図を示し、注射器及びカテーテルを示す分離された針ホルダの等角側面図を示す図である。
図4B針ホルダ及びカテーテルの挿入の一実施形態の側面図を示し、針及びカテーテルが人間の血管に入る際の針ホルダの側面図を示す図である。
図4C針ホルダ及びカテーテルの挿入の一実施形態の側面図を示し、挿入装置を使用したカテーテルの挿入を示す図である。
図4D針ホルダ及びカテーテルの挿入の一実施形態の側面図を示し、カテーテルを血管内に挿入しつつ、挿入装置の表示スクリーンに表示される血管内腔の例示的な出力画像を示す図である。
図5挿入装置と共に使用されるカートリッジの様々な実施形態を示す図である。
図6挿入装置の別の実施形態の下面図を示す図である。
図7挿入装置のカートリッジの一実施形態の等角図を示す図である。
図8挿入装置のカートリッジの一実施形態の下面図を示す図である。
図9伸ばされた位置にある可撓性カラーを備える挿入装置のカートリッジの一実施形態の下面図を示す図である。
図10アクチュエータ機構を示す挿入装置の一実施形態の部分断面図を示す図である。
図11A皮膚取り付けカップの一実施形態の図を示し、皮膚取り付けカップの上面図を示す図である。
図11B皮膚取り付けカップの一実施形態の図を示し、皮膚取り付けカップの等角図を示す図である。
図11C皮膚取り付けカップの一実施形態の図を示し、皮膚付着カップの正面図を示す図である。
図12本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされる又は他の方法で構成されるコンピュータ制御システムを示す図である。
図13回転及び高さ調整のための構成要素を伴う針ステージの正面斜視図を示す図である。
図14図13に示される針ステージの断面図を示す図である。
図15針及び/又はカテーテルを挿入するための駆動機構を伴う針駆動アセンブリの断面図を示す図である。
図16超音波プローブを移動させるための並進及び回転機構を伴う超音波ステージの断面図を示す図である。
図17A3つの関節を伴う3自由度(DOF)機構を示し、第1の関節が回転関節であり、第2の関節が直動関節であり、第3の関節が回転関節である3DOF機構を示す図である。
図17B3つの関節を伴う3自由度(DOF)機構を示し、第1の関節が直動関節であり、第2の関節が回転関節であり、第3の関節が直動関節であるDOF機構を示す図である。
図17C3つの関節を伴う3自由度(DOF)機構を示し、3つの関節の全てが回転関節であるDOF機構を示す図である。
図17D3つの関節を伴う3自由度(DOF)機構を示し、第1の関節が直動関節であり、第2の関節が直動関節であり、第3の関節が回転関節であるDOF機構を示す図である。
図17E3つの関節を伴う3自由度(DOF)機構を示し、第1の関節が回転関節であり、第2の関節が回転関節であり、第3の関節が直動関節であるDOF機構を示す図である。
図18針が整理された位置にあるときのアクチュエータ及び針の概略図を示す図である。
図19A挿入経路の異なる段階におけるアクチュエータ及び針の概略図を示し、針挿入前に、X軸に沿って調整されて標的血管と一列に並んだ針を示す図である。
図19B挿入経路の異なる段階におけるアクチュエータ及び針の概略図を示し、血管に到達するために必要な針の挿入角を示す図である。
図19C挿入経路の異なる段階におけるアクチュエータ及び針の概略図を示し、挿入角まで回転された針を示す図である。
図19D挿入経路の異なる段階におけるアクチュエータ及び針の概略図を示し、標的血管を貫通するように挿入角に沿って押し進められる針を示す図である。
図19E挿入経路の異なる段階におけるアクチュエータ及び針の概略図を示し、血管の長さに沿って血管内で押し進められる針を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で開示される主題の好ましい実施形態を本明細書中に示して説明してきたが、そのような実施形態は単なる例として提供されていることは、当業者には明らかであろう。本明細書に開示される主題から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び、置換が当業者に想起される。本明細書に開示される主題の実施形態に対する様々な代替物が本明細書に開示される主題を実施する際に使用され得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本明細書に開示される主題の範囲を規定すると共に、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによってカバーされることを意図している。
【0020】
針挿入技術
医療分野では、患者の体から流体を注入又は抽出する必要がしばしば生じる。静脈切開術、静脈内療法、針生検、硬膜外麻酔、輸血、及び、デポ注射を含むがこれらに限定されない様々な医療処置は全て、内臓にアクセスするために皮下注射針の使用を必要とする。そのため、皮下注射針は、医療現場で最も一般的に使用される器具の1つである。
【0021】
非常に多くの一般的な医療処置が皮下注射針の使用を必要とするが、そのような処置の有効性は主に針の適切な挿入に依存している。皮膚の表面下の構造上の位置を特定することは、多くの場合に困難であり、また、時には不可能である。皮膚の厚さのばらつき、皮下脂肪、及び、その他の多くの物理的な差異により、特定の場所に針を挿入することが困難となり、場合により危険となり、時として不可能になる。そのようなばらつきに起因して、マスター・ナース、熟練した採血医、又は、皮下注射針を一般的に挿入する他の医師によって行われた場合でも、器官間のアクセスが失敗する可能性がある。
【0022】
内臓、特により小さい末梢静脈への正確なアクセスは、患者の健康及び幸福にとって重要である。しかしながら、より小さい末梢静脈及び器官は、特に静脈内アクセスを最も必要とする患者にとって、一般に、アクセスが最も困難である。例えば、腎臓病患者、外傷患者、重症患者、及び、脱水患者は、静脈内アクセスを必要とするが、患者の健康上の合併症に起因して、末梢静脈が収縮、瘢痕化、又は他の方法で、その他の損傷を受ける可能性があり、それによって静脈、動脈、及び/又は、器官の内腔へのアクセスが妨げられる。更に、静脈内アクセスが妨げられる緊急事態では、生命を脅かす合併症の頻度が高い中心又は骨内ライン注入を実行する必要がある。
【0023】
現在、針の挿入を必要とする処置は、一般に、医師又は看護師によって手作業で行われる。しかしながら、医師と看護師との間のスキルと知識の違いは、皮膚下を見ることができないことと相まって、針の配置に高い頻度で誤りを引き起こす。
【0024】
磁気共鳴撮像法(MRI)及びコンピュータ支援断層撮影(CT)などの様々な撮像技術が、誘導針挿入法で使用されてきた。撮像技術誘導針配置は、針の配置が成功する可能性を高めてきたが、それ自体には限界がある。例えば、外科医、麻酔科医、救急医などの少数の専門医だけが撮像技術誘導針配置のトレーニングを推奨しているため、医療撮像技術のガイダンスを使用して針を挿入する方法を教えられている又は独自に学習している医師や看護師は殆どいない。そのような奨励があっても、そのような専門分野の焦点は限られているため、そのような専門分野内の撮像技術誘導針配置のトレーニングは、一般に、中心静脈アクセス(すなわち、首、胸、及び、太ももの大血管)に限定される。これらの処置は大きな血管及び大きな針を伴うため、これらの専門医のうち、同じ技術を使用してより小さな末梢血管や器官にアクセスするように訓練されている医師は、たとえいたとしてもごく僅かである。
【0025】
適切なトレーニングを行ったとしても、撮像技術誘導針配置を使用した器官間アクセスは実際には困難である。場合によっては、現在の撮像技術誘導針配置は、患者から離れたスクリーン上の画像を見ながら、医師が撮像プローブのために非利き手を使用し且つ針のために利き手を使用することを要する。複数の独立した変数が、最も熟練した器用な医師であっても、誤りの可能性を高める。したがって、誘導針挿入プロセスを簡素化して最小限の訓練と技能しか必要としない、針を正確に挿入するための医療機器が必要とされている。
【0026】
本明細書には、誘導針の挿入及び/又は配置のための装置、システム、及び、方法が開示される。本明細書に記載の装置及びシステムは、超音波撮像、赤外線センサ、及び/又は、真空源の助けを借りて、所望の位置に針を挿入及び/又は配置するようにユーザを誘導する。
【0027】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織内へ針を挿入するための挿入装置が開示され、この挿入装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子、及び複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバとを備える、ハウジングと、上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、カートリッジ・レシーバに結合されるカートリッジと、を備え、カートリッジは、カートリッジの上面に位置し、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタと、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートと、並びに針ホルダを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、注射器を複数のアクチュエータに結合するように構成される注射器コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出、赤外線センサが赤外線を放出して受けるように構成される。
【0028】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織内へ針を挿入するための真空支援挿入システムが更に開示され、この挿入システムは、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子、及び複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバ、を備える、ハウジングと、上面、下面、近位端部、及び、遠位端部を有し、カートリッジ・レシーバに結合されるカートリッジであって、カートリッジの上面に位置し、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される複数の第2のコネクタ、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレート、並びに針ホルダを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、注射器を複数のアクチュエータに結合するように構成される注射器コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る、カートリッジと、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサと、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合される表示スクリーンであって、標的組織の位置、針、及び、針挿入ポイントの超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される、表示スクリーンと、超音波振動子、赤外線センサ、表示スクリーン、及び、複数のアクチュエータに動作可能に結合されるプロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むコンピュータ・プログラムを伴う非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備えるコンピュータ装置であって、命令が、プロセッサに、a)超音波振動子から放出される超音波を超音波画像に変換させて、該超音波画像を表示スクリーンに表示させ、b)赤外線センサから放出される赤外線を赤外線画像に変換させて、該赤外線画像を表示スクリーンに表示させ、c)標的組織の位置を特定させ、d)標的組織への針挿入ポイントを計算させ、e)針が標的組織に挿入された時点で針の先端の位置を追跡させる、コンピュータ装置とを備える。
【0029】
特定の実施形態では、本明細書中には、注射器カートリッジが開示され、この注射器カートリッジは、注射器及び針と、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートと、針ホルダとを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、注射器を複数のアクチュエータに結合するように構成される注射器コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る。
【0030】
特定の実施形態では、本明細書中には、針を必要としている個体の標的組織の位置を特定するための撮像装置が開示され、この撮像装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子と、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサと、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合され、標的組織の超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される表示スクリーンとを備える。
【0031】
特定の実施形態では、本明細書中には、挿入装置を使用して個体の標的組織内へ針を導入するための方法が開示され、該方法は、a)カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、b)個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像するステップと、c)表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定するステップと、d)針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に移動させることによって、針を針挿入ポイントで標的組織内へ導入するステップとを含む。
【0032】
特定の実施形態では、本明細書中には、挿入装置を使用して、針を必要としている個体の静脈血を採取する方法が更に開示され、該方法は、a)カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、b)真空引きされる収集チューブをポートに固定するステップと、c)個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して血管を撮像するステップと、d)表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定するステップと、e)針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に移動させることによって、針を針挿入ポイントで血管内へ導入するステップと、f)静脈血を、個体から、真空引きされる血管収集チューブ内に収集するステップとを含む。
【0033】
また、特定の実施形態では、本明細書中には、挿入装置を使用して、針を必要としている個体の標的組織にカテーテルを導入する方法も開示され、該方法は、a)カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップと、b)個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像するステップと、c)表示スクリーン上でカテーテル挿入ポイントを特定するステップと、d)針ホルダ角を調整して、カートリッジ入口を通じてカテーテルを縦方向に移動させることによってカテーテル挿入ポイントで標的組織にカテーテルを導入するステップとを含む。
【0034】
特定の定義
本明細書で使用される用語は、特定のケースのみを説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確に別段示唆しない限り、複数形も含むことを意図している。更に、用語「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「と共に(with)」、又はそれらの変形が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「備えている(comprising)」という用語と同様の態様で包括的である。
【0035】
別段述べなければ、本出願で使用される以下の用語は、以下に示す定義を有する。「含んでいる(including)」という用語、及び「含む(include)」、「含む(includes)」、「含まれる(included)」などの他の形式の使用は、限定的なものではない。本明細書で使用されている節の見出しは、構成のみを目的としており、説明されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0036】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示される。範囲形式での説明は、便宜上及び簡潔にするためだけのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきでないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての想定し得る部分範囲を具体的に開示したと見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など、並びに、その範囲内の個々の数値、例えば1,2,3,4,5,6などの具体的に開示された部分範囲を有すると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0037】
「約」又は「およそ」という用語は、記載された量に約10%、5%、又は1%近い量を指し、その中の増分を含む。例えば、「約」又は「およそ」は、特定の値を含めて、その特定の値の10%下からその特定の値の10%上の範囲にわたる範囲を意味する。
【0038】
「個体」、「患者」、又は「被検者」という用語は、置き換え可能に使用される。いずれの用語も、医療従事者(例えば、医師、登録看護師、ナース・プラクティショナー、医師の助手、看護師、又はホスピス・ワーカー)の監督(例えば、継続的又は断続的)によって特徴付けられる状況を必要とせず、又はそれに限定されない。「個体」、「患者」、又は「被検者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、哺乳動物クラスの任意の構成員、すなわち、ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、及び他の類人猿及びサル種;牛、馬、羊、山羊、豚などの家畜;ウサギ、イヌ、ネコなどの家畜;ラット、マウス、モルモットなどの齧歯類を含む実験動物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、哺乳動物がヒトである。「ユーザ」、「医療従事者」、「医者」、及び「医師」という用語は、置き換え可能に使用される。これらの用語は、本明細書に記載されている装置を操作する任意の人を指す。ユーザの更なる非限定的な例としては、「登録看護師」、「看護師」、及び「医師の助手」が挙げられる。
【0039】
本明細書で使用される「近位」という用語は、別段に示唆されなければ、挿入装置を保持及び/又は操作するユーザに最も近い又はより近くに位置すると定義される。
【0040】
本明細書で使用される「遠位」という用語は、別段に示唆されなければ、挿入装置を保持及び/又は操作するユーザから最も遠い位置にあると定義される。
【0041】
本明細書で使用される「横(側)」という用語は、別段に示唆されなければ、挿入装置の側面(例えば、右側面又は左側面)に向かって、近づいて、又はより近くに位置する及び/又は移動すると定義される。
【0042】
本明細書で使用される「内側」という用語は、別段に示唆されなければ、装置の正中線により近い又はより近傍に位置するものとして定義される。
本明細書で使用される「超音波振動子」及び「超音波プローブ」という用語は、置き換え可能に使用される。
【0043】
針挿入装置
特定の実施形態では、本明細書には、針を必要とする個体の標的組織に針を挿入するための挿入装置が開示される。また、本明細書には、針を必要とする個体の標的組織の位置を特定するための撮像装置も開示される。幾つかの実施形態では、撮像装置は、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子を備える。幾つかの実施形態では、撮像装置は、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサを備える。
【0044】
幾つかの実施形態では、標的組織が血管である。幾つかの実施形態では、標的組織が血管の内腔である。幾つかの実施形態では、血管は、静脈、細静脈、動脈、又は毛細血管である。
【0045】
幾つかの実施形態では、標的組織が静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が橈側皮静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が尺側皮静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が橈側正中皮静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が肘正中皮静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が肘前窩の静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が内頸静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が鎖骨下静脈である。幾つかの実施形態では、静脈が末梢静脈である。幾つかの実施形態では、末梢静脈が腕の末梢静脈である。幾つかの実施形態では、末梢静脈が手の末梢静脈である。幾つかの実施形態では、末梢静脈が脚の末梢静脈である。幾つかの実施形態では、末梢静脈が足の末梢静脈である。幾つかの実施形態では、静脈は、頸静脈、肝静脈、尺側皮静脈、伏在静脈、橈側皮静脈、上大静脈、下大静脈、肺静脈、鎖骨下静脈、総腸骨静脈、腋窩静脈、門脈、腎静脈、膝窩静脈、腕頭静脈、後脛骨静脈、椎骨静脈、肘正中皮静脈、前脛骨静脈、下顎後静脈、大腿静脈、翼突筋静脈叢からの静脈、奇静脈、上腸間膜静脈、後耳介静脈、上矢状静脈洞静脈、上眼静脈、内腸骨静脈、浅側頭静脈、冠状静脈洞、板間静脈、前頸静脈、総顔面静脈、鼻前頭静脈、後頭静脈、外腸骨静脈、大腿深部静脈、下眼静脈、下錐体静脈洞に接続する静脈、下甲状腺静脈、脾静脈、前腕正中皮静脈、上錐体静脈洞に接続する静脈、中甲状腺静脈、顔面深部静脈、下矢状静脈洞に接続する静脈、又は前頭葉静脈である。幾つかの実施形態では、頸静脈が内頸静脈又は外頸静脈である。
【0046】
幾つかの実施形態では、動脈が弾性動脈又は分配動脈である。幾つかの実施形態では、動脈は、大動脈、内頸動脈、外腸骨動脈、内腸骨動脈、総頸動脈、総腸骨動脈、腕頭動脈、橈骨動脈、鎖骨下動脈、大腿動脈、上腕動脈、膝窩動脈、肺動脈、椎骨動脈、大動脈弓、左冠動脈、外頸動脈、腹部大動脈、尺骨動脈、腹腔動脈、右冠動脈、腋窩動脈、総肝動脈、脾動脈、前脛骨動脈、上腸間膜動脈、内胸動脈、下行胸部大動脈、左冠状動脈の前室間枝、後脛骨動脈、上行大動脈、顎動脈、下行大動脈、左胃動脈、足背動脈、眼動脈、甲状頸動脈、下腸間膜動脈、肋頸動脈、大腿深部動脈、後頭動脈、眼窩上動脈、眼角動脈、正中仙骨動脈、前篩骨動脈、後篩骨動脈、脳底動脈、浅側頭動脈、腎動脈、ウィリス動脈輪、又は中大脳動脈である。
【0047】
幾つかの実施形態では、標的組織が関節である。幾つかの実施形態では、関節は、滑膜関節、軟骨性連結、椎間関節、又は滑膜関節である。幾つかの実施形態では、標的組織が膝である。幾つかの実施形態では、標的組織は、半月板、前十字靭帯、後十字靭帯、外側側副靭帯、又は内側側副靭帯である。幾つかの実施形態では、標的組織が軟組織である。幾つかの実施形態では、軟組織は、腱、靭帯、筋膜、繊維組織、脂肪組織、神経、筋肉、皮膚、又は滑膜を含む。幾つかの実施形態では、標的組織が石灰化組織である。幾つかの実施形態では、石灰化組織が骨である。幾つかの実施形態では、軟組織が新生物である。幾つかの実施形態では、新生物が良性である。幾つかの実施形態では、新生物が悪性である。
【0048】
幾つかの実施形態では、標的組織が器官である。幾つかの実施形態では、器官は、肝臓、膵臓、胃、大腸、小腸、肺、心臓、皮膚、食道、十二指腸、空腸、回腸、胆嚢、腸間膜、虫垂、横隔膜、卵巣、卵管、子宮、膣、胎盤、前立腺、精巣、甲状腺、副甲状腺、副腎、脾臓、扁桃腺、脊髄、骨髄である。幾つかの実施形態では、標的組織がリンパ管又はリンパ節である。幾つかの実施形態では、標的組織が神経である。幾つかの実施形態では、標的組織が靭帯、筋肉、又は腱である。幾つかの実施形態では、標的組織が乳房又は乳房組織である。幾つかの実施形態では、標的組織が人体の膜である。幾つかの実施形態では、膜は、粘膜、漿膜、皮膚膜、又は滑膜である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の挿入装置は、医療装置(例えば、針)の標的組織位置への挿入を支援し、皮膚及び/又は他の器官を貫通する又は身体の1つ以上の膜を貫通する。
【0049】
図1は、挿入装置100の正面図を示す。幾つかの実施形態では、本明細書は、個体への針及び/又はカテーテルの挿入を可能にするユーザ・インタフェースを有する挿入装置100を提供する。幾つかの実施形態では、挿入装置100はハウジング122を備える。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、これに限定されないが、電気回路、電源、超音波振動子、及び/又は、赤外線センサなどの挿入装置100の内部要素を保護する。幾つかの実施形態では、ハウジングが超音波振動子(図1Aには示されない)を備える。
【0050】
幾つかの実施形態では、ハウジングが少なくとも1つのハンドルを備える。幾つかの実施形態では、ハウジングが少なくとも2つのハンドルを備える。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、図1Aに示されるように、右ハンドル104a及び左ハンドル104bを備える。幾つかの実施形態では、右ハンドル104a及び左ハンドル104bは人間工学的に成形される。幾つかの実施形態では、右ハンドル104a及び左ハンドル104bは、ユーザが挿入装置100の位置を制御するのを助ける。幾つかの実施形態では、右ハンドル104aが挿入装置100の右側から突出し、左ハンドル104bが挿入装置100の左側から突出する。幾つかの実施形態では、右ハンドル104a及び左ハンドル104bがユーザ・ハードウェア・インタフェースを備える。
【0051】
幾つかの実施形態では、ユーザ・ハードウェア・インタフェースは、図1A及び図1Bに示されるように、複数のノブ、ボタン、スライダ、スイッチ、及び/又はタッチスクリーンを備える。幾つかの実施形態では、ユーザ・ハードウェア・インタフェースは、挿入装置100の任意の適切な部分に位置する。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザ・ハードウェア・インタフェースがハウジング122の近位側に位置する。幾つかの実施形態では、ユーザ・ハードウェア・インタフェースがハウジング122の遠位側に位置する。幾つかの実施形態では、ユーザ・ハードウェアは、位置決めダイヤル116、ギア・ホイール112、針引き抜きボタン106、カテーテル挿入ボタン108、赤外線センサ・ボタン114、及び針挿入ボタン110を備える。幾つかの実施形態では、位置決めダイヤル116は、針ホルダ(図1Aには図示せず)の縦方向の位置を調整する。幾つかの実施形態では、ギア・ホイール112は、針(図1Aには図示せず)の角度を調整する。幾つかの実施形態では、針は、代わりに手動で、例えば、ノブ及び/又はギアを使用して針ホルダ及び/又は注射器を動かすことによって調整される。
【0052】
幾つかの実施形態では、位置決めダイヤル116の位置は、図1Aに示されるように、左ハンドル104bの遠位端部にある。幾つかの実施形態では、ギア・ホイール112の位置は、図1Aに示されるように、右ハンドル104bの遠位端部にある。幾つかの実施形態では、針引き抜きボタン106、カテーテル挿入ボタン108、針挿入ボタン110、及び赤外線センサ・ボタン114は、仮想スイッチ、物理スイッチ、又はそれらの任意の組み合わせを備える。幾つかの実施形態では、針引き抜きボタン106により、ユーザは注射後に患者から針を引き抜くことができる。幾つかの実施形態では、針挿入ボタン110は、針の後方移動を制御する。幾つかの実施形態では、針挿入ボタン110は、針の後退を制御する。幾つかの実施形態では、針引き抜きボタン106は、ギア・ホイール112の遠位側に配置された右ハンドル104aの遠位端部に位置する。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入ボタン108は、針の位置を調整した後にユーザがカテーテルを患者内に挿入できるようにする。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入ボタン108は、カテーテルの前方移動を制御する。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入ボタン108は、個体の標的組織へのカテーテルの配置を制御する。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入ボタン108は、ギア・ホイール112に対して横方向で右ハンドル104a上に位置する。
【0053】
幾つかの実施形態では、針挿入ボタン110により、ユーザは、針の位置を調整した後、注射のために針を個体に挿入することができる。幾つかの実施形態では、針挿入ボタン110は、針の前方移動を制御する。幾つかの実施形態では、針挿入ボタン110は、個体の標的組織への針の配置を制御する。針挿入ボタン110は、ギア・ホイール112に対して横方向で且つ針挿入ボタン110に対して遠位側で右ハンドル104a上に位置する。幾つかの実施形態では、赤外線センサ・ボタン114により、ユーザは注射前に赤外線センサを作動させることができる。幾つかの実施形態では、赤外線センサ・ボタン114は、ギア・ホイール112に対して遠位側で左ハンドル104b上に位置する。幾つかの実施形態では、挿入装置100のユーザ・ハードウェア・インタフェース要素(例えば、ボタン、ノブ、スライダ、スイッチ、及び/又はタッチスクリーン)は、任意の適切な構成で配置される。
【0054】
幾つかの実施形態では、挿入装置100は、標的組織の画像を見るための表示スクリーン102を備える。幾つかの実施形態では、画像が超音波画像である。幾つかの実施形態では、画像が赤外線画像である。幾つかの実施形態では、画像が超音波画像と赤外線画像との組み合わせである。幾つかの実施形態では、表示スクリーン102のサイズ及び表示スクリーン102の解像度が組み合わせて変化する。幾つかの実施形態では、表示スクリーン102は、例えば図1Aに見られるように、装置が患者の皮膚の表面に配置されるときに、ユーザから最も離れた装置の遠位端部に位置する。
【0055】
図1Bは、挿入装置100が個体132の皮膚に押し付けられているときに、標的組織の例示的な画像124を表示する挿入装置100を示す。幾つかの実施形態では、表示スクリーンを介してユーザに提供される視覚情報は画像124である。幾つかの実施形態では、画像124が超音波画像である。幾つかの実施形態では、画像124が赤外線画像である。幾つかの実施形態では、画像124は、超音波画像と赤外線画像との組み合わせである。幾つかの実施形態では、画像124は、標的組織(例えば、血管)を表す超音波画像である。幾つかの実施形態では、画像124は、標的組織(例えば、血管)を表す赤外線画像である。幾つかの実施形態では、画像124は、標的組織(例えば、血管)を表す超音波画像と赤外線画像との組み合わせである。幾つかの実施形態では、超音波画像と赤外線画像との組み合わせが重畳画像である。幾つかの実施形態では、超音波画像と赤外線画像との組み合わせが表示スクリーン上に並べて表示される。幾つかの実施形態では、ユーザは、どのタイプの画像(例えば、超音波画像又は赤外線画像)を個別に又は組み合わせて見たいかを選択する。
【0056】
幾つかの実施形態では、画像124は、患者の標的組織に対する針進入位置を含む。幾つかの実施形態では、画像124は、標的組織位置に針を挿入するようにユーザを誘導する指標を含む。幾つかの実施形態では、画像124は、標的組織の位置を示す指標を含む。幾つかの実施形態では、指標は、図1Bに示されるように、指標ライン126である。幾つかの実施形態では、指標ライン126は、血管内腔の正中線と整列される。幾つかの実施形態では、指標ライン126は、標的組織の正中線と整列される。幾つかの実施形態では、指標は、図1Bに示されるように、指標マーキング128である。幾つかの実施形態では、指標マーキング128は、血管内腔の正中線と整列される。幾つかの実施形態では、指標マーキング128は、標的組織の正中線と整列される。幾つかの実施形態では、点線が表示スクリーン102上に表示されて指標マーキング128を表す。幾つかの実施形態では、指標ライン126が適用可能な組織の正中線を表示する。幾つかの実施形態では、指標ライン126は、挿入装置100によってリアルタイムで自動的に調整される。幾つかの実施形態では、指標ライン126は、位置決めダイヤル116の入力に基づいてリアルタイムで調整する。幾つかの実施形態では、点線指標ライン126は横方向の針の動きを反映している。幾つかの実施形態では、実線の「x」マーキングが表示スクリーン102上に表示され、挿入指標マーキング128を表す。幾つかの実施形態では、挿入指標マーキング128は、組織内の挿入点を表示する。幾つかの実施形態では、挿入指標マーキング128は、ギア・ホイールの入力に基づいてリアルタイムで調整する。幾つかの実施形態では、マーキング128は、近位側への針の動きを反映する。
【0057】
幾つかの実施形態では、画像124は、挿入中の針の位置又は場所を含む(すなわち、針の位置及び/又は針の場所が表示スクリーン上にリアルタイムで表示される)。幾つかの実施形態では、画像124は、投影された針の軌道を含む。幾つかの実施形態では、針の投影された軌道は、ユーザが針を標的組織位置に挿入するように案内する。幾つかの実施形態では、投影された針の軌道は、患者の皮膚レベルでの入口ポイント位置を表示する。幾つかの実施形態では、患者の皮膚レベルでの入口ポイント位置は、指標マーキング128によって表される。幾つかの実施形態では、針の投影された軌道は、線、1つ以上のダッシュ、1つ以上の文字、幾何学図形、又は表示スクリーンに表示されるその他のタイプのマーカー又は視覚的合図を含む。幾つかの実施形態では、針の投影軌道は、皮膚レベル(すなわち、皮膚レベル挿入ポイント)及び/又は皮下(すなわち、針が患者の組織に挿入された時点における針の推定位置)における投影された針位置(すなわち、針の推定位置)である。幾つかの実施形態では、画像124は、図1Bに示されるように、ラベル130を含む。幾つかの実施形態では、ラベル130は、画像ファイルの名前、患者の名前、標的組織の種類、実行されている処置、又はそれらの任意の組み合わせを表示する。
【0058】
幾つかの実施形態では、挿入装置100のユーザ・インタフェースは、標的組織のリアルタイム表示及び針の位置決めの調整を可能にする。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、ユーザによって入力された設定に基づいて調整可能な指標ライン126を含む。幾つかの実施形態では、ユーザが複数のスイッチ及びギアを使用して設定を調整すると、患者132の腕に針を挿入する前に、調整された指標ライン126を表示するべく表示スクリーン102上の指標ライン126が自動的に調整する。幾つかの実施形態では、ユーザによって入力された設定は、挿入指標マーキング128を変更する。幾つかの実施形態では、挿入指標マーキング128の視覚的表示により、ユーザは標的組織を特定することができる。幾つかの実施形態では、ラベル130は、これらに限定されないが、個人的なユーザ情報、挿入装置100に取り付けられたカートリッジのタイプ、挿入されるべき装置のタイプ(例えば、針又はカートリッジのタイプ)、投与されるべき物質(例えば、薬物)、及び/又は関連する投与量情報などの関連情報をユーザに提供する。幾つかの実施形態では、ラベル130は、図1Bに示されるように、画像124の遠位側の左縁部に位置する。幾つかの実施形態では、ラベル130は、画像124の任意の適切な部分に位置する。
【0059】
図2Aは、挿入装置100の下側又は遠位側の等角図を示す。図2Aは、カートリッジ・レシーバ118に取り付けられる前のカートリッジ134も示す。図2Bは、カートリッジ134がカートリッジ・レシーバ118に取り付けられた後の挿入装置を示す。幾つかの実施形態では、本明細書は、超音波、赤外線センサ、及び/又は、針及び/又はカテーテルの挿入を支援するための真空吸引技術を実装するための装置を提供する。幾つかの実施形態では、ハウジング122がカートリッジ・レシーバ118を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118が複数の第1のコネクタを備える。図2Aに示すように、幾つかの実施形態では、複数の第1のコネクタは、左上コネクタ142a、右上コネクタ142b、右下コネクタ142c、及び右下コネクタ142dを含む。幾つかの実施形態では、複数の第1のコネクタは、複数のタブ、スナップ嵌合コネクタ、雄コネクタ、及び/又は雌コネクタである。
【0060】
幾つかの実施形態では、挿入装置100がカートリッジ134を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、上面(図2Aには図示せず)、下面(図2Aに示される側)、近位端部123、及び遠位端部121を有する。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、カートリッジ・レシーバ118に結合されるように構成される。幾つかの実施形態では、カートリッジ134が複数の第2のコネクタ(図2A及び図2Bには示されない)を備える。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタがカートリッジ134の上面に位置する。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタは、カートリッジ・レシーバ118の複数の第1のコネクタと電気的接続を形成するように構成される。
【0061】
図2Bは、挿入装置100に取り付けられる前のカートリッジ134を示す。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、挿入装置100のカートリッジ・レシーバ118に嵌合する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、右ハンドル104aと左ハンドル104bとの間の中間に位置する。幾つかの実施形態では、ポート120は、装置へのチューブの挿入を可能にする開口として働く。幾つかの実施形態では、ポート120は、針挿入前に針の角度を手動で調整するための手段を備える。幾つかの実施形態では、ポート120は、挿入装置100の遠位端部及び装置の背側に位置する。
【0062】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、針及び注射器(図2A及び図2Bには示されない)を含む。幾つかの実施形態では、針は、トラック内に配置されると、針ホルダの近位端部127から針ホルダの遠位端部125まで延びる。幾つかの実施形態では、針ホルダ138が針ホルダ開口160を備える。幾つかの実施形態では、針は、針ホルダ開口160を通じて出る。幾つかの実施形態では、針ホルダ開口160は、カートリッジ121の遠位端部に面する。幾つかの実施形態では、針ホルダ開口160がプレート135の中心と位置合わせされる。
【0063】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138がポート115を備える。幾つかの実施形態では、ポート115が針ホルダの近位端部127に位置する。幾つかの実施形態では、ポート115が内部にキャビティを画定する管状体を備える。幾つかの実施形態では、管状体が針ホルダ138の内部に接続する。幾つかの実施形態では、ポート115がチューブでアクセスされるようになっている。幾つかの実施形態では、チューブが注射器及び針と流体連通している。幾つかの実施形態では、ポート115がチューブ120でアクセスされるようになっている。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、ポート115によって受けられるように構成される収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダ138がポート115によって受けられるように構成されるポート・レバーを備える。幾つかの実施形態では、ポート・レバーが突出アーム又はハンドルである。幾つかの実施形態では、ユーザは、ポート・レバーを動かすことによって針ホルダ角を手動で制御及び/又は調整する。幾つかの実施形態では、ユーザは、図2Bの矢印によって示されるように、針ホルダ・トラック136内でポート・レバーを手動で動かすことによって、針ホルダの角度を手動で制御及び/又は調整する。幾つかの実施形態では、チューブ120が注射器及び針と流体連通している。幾つかの実施形態では、チューブ120が採血管である。幾つかの実施形態では、流体がいずれかの方向に流れる(すなわち、チューブ120から注射器へ又はその逆)。幾つかの実施形態では、流体が負圧下又は正圧下にある。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、ポート115によって受けられるように構成されるポート・レバー又は収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、ポート115は、装置へのチューブの挿入を可能にする開口として働く。
【0064】
幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118がその両側にレールを有するフレーム146を備える。幾つかの実施形態では、レールが針ホルダ138を固定するように構成される。幾つかの実施形態では、レールがカートリッジ134を固定するように構成される。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118がレシーバ開口119を備える。幾つかの実施形態では、レシーバ開口119は、カートリッジ134及び針ホルダ138を受けるように構成される。幾つかの実施形態では、図2Aに示されるように、レシーバ開口119が長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、カートリッジ・レシーバ118に取り付けられた時点でレシーバ開口119内に嵌合する。
【0065】
図3Aは、患者の皮膚の表面上に位置する挿入装置100を示す。幾つかの実施形態では、図3Bに示される針ホルダ角139が注射前に調整される。図3Aは、約0度の針ホルダ角を示す。幾つかの実施形態では、針ホルダ開口160の位置は、図2Aに示されるように、挿入装置100によって調整される。図3Aは、この例における針ホルダ138の移動方向148を示す。幾つかの実施形態では、移動方向148は、図3Aに示されるように、患者に対して近位位置から遠位位置まで生じる。幾つかの実施形態では、移動方向148は、患者に対して右横位置から左横位置まで生じる。幾つかの実施形態では、カートリッジ134内に位置する針の位置は、挿入装置100によって調整され及び/又は縦方向に移動される。幾つかの実施形態では、移動方向148が針の深さ(すなわち、z平面)である。幾つかの実施形態では、ユーザは、挿入装置100のインタフェースを使用することによって、移動方向148を調整することができる。
【0066】
図3Bは、約0度よりも大きい針ホルダ角139での針ホルダ138を示す。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139がユーザによって入力される設定に基づいて調整される。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、プレート135と針ホルダ138の下面との間の角度である。幾つかの実施形態では、図3Bに示されるように、プレート135は、針の挿入前に患者132の皮膚の表面の真上に配置される。
【0067】
図4Aは、針ホルダ138の等角図を示す。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、金属及び/又はポリマー材料から構成される。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、図4Aに示されるように、トラック164を備える。幾つかの実施形態では、針ホルダが1つ以上のトラックを備える。幾つかの実施形態では、トラック134が針を受けるように構成される。幾つかの実施形態では、トラック134は、カートリッジ123の近位端部からカートリッジ121の遠位端部まで延びる。幾つかの実施形態では、トラック134がカテーテルを受けるように構成される。幾つかの実施形態では、トラック134が注射器165を受けるように構成される。幾つかの実施形態では、トラック134がチューブを受けるように構成される。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、突起、磁石、クリップ、タブ、又は注射器及び/又はカテーテルと物理的に係合するための任意の他の適切な手段を備える。幾つかの実施形態では、トラック164が針を整列させる。幾つかの実施形態では、注射器165がトラック134上に位置する。幾つかの実施形態では、注射器165がトラック134と位置合わせされる。
【0068】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138がカテーテル前進器156を備える。幾つかの実施形態では、針ホルダ138が針前進器158を備える。幾つかの実施形態では、カテーテル前進器156が挿入装置100の1つ以上のアクチュエータに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、カテーテル前進器156は、カテーテルの位置を移動する(例えば、カテーテルをトラック134に沿って及び/又は患者内へと前進及び/又は後退させる)ように構成される。幾つかの実施形態では、針前進器158は、挿入装置100の1つ以上のアクチュエータに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、針前進器158は、針の位置を動かすように構成される(例えば、針及び/又は注射器をトラック134に沿って及び/又は患者内へと前進及び/又は後退させる)。幾つかの実施形態では、ユーザは、ユーザ・インタフェースを使用して適切な前進器を制定する。幾つかの実施形態では、この制定により、針又はカテーテルが患者に挿入される。
【0069】
図4Bは、注射器165を配置してカテーテル154と共に針を患者の血管166に挿入する挿入装置100を示す。図4Cは、患者の血管166内に配置されたカテーテル170と、カテーテル170から引き離されて針ホルダ138内に戻る針168とを示す。図4Dは、カテーテルが患者の血管に挿入されているときの挿入装置100の表示スクリーン上に表示される血管166の画像125を示す。幾つかの実施形態では、画像125は、図4Dに示されるように、指標マーキング128及び指標ライン126を含む。幾つかの実施形態では、指標マーキング128は、針が挿入される前に針挿入位置にラベルを付ける。幾つかの実施形態では、指標マーキング128は、針が挿入された後に針の位置にラベルを付ける。幾つかの実施形態では、指標ライン126が指標マーキング128と整列する。
【0070】
図5は、様々なタイプのカートリッジを示す。幾つかの実施形態では、カートリッジ134には、ユーザによって使用される及び/又は受けられる前に、特定の用途(例えば、末梢静脈ライン又はカテーテル配置)に必要な針、カテーテル、及び/又はチューブが装填される。幾つかの実施形態では、カートリッジは、末梢静脈内部位及び瀉血カートリッジ174である。幾つかの実施形態では、カートリッジは、末梢挿入型中心カテーテル(PICC)ライン及び中心ラインのためのガイドワイヤ導入器カートリッジ176である。幾つかの実施形態では、カートリッジは標的ネバー及び関節注射カートリッジ178である。幾つかの実施形態では、カートリッジが組織生検カートリッジ180である。幾つかの実施形態では、異なるタイプのカートリッジがユーザによって互いに容易に区別される。例えば、幾つかの実施形態では、異なるタイプのカートリッジが異なる色でラベル付けされる(すなわち、プレートの色が異なる)。他の実施形態では、異なるタイプのカートリッジが、カートリッジのタイプ及び推奨される使用法を示すテキストで明確にラベル付けされる。
【0071】
図6は、挿入装置の別の実施形態の底面図を示す。図6に示されるように、挿入装置200はカートリッジ234を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ234は、図6に示されるように、ユーザに対して遠位部234a及び近位部234bを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、第1のハンドル104aと第2のハンドル104bとの間に位置する。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、挿入装置に可逆的に取り付けられる。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、挿入装置に恒久的に取り付けられる。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、第1の取り付けロック・ポイント204a、第2の取り付けロック・ポイント204b、第3の取り付けロック・ポイント204c、第4の取り付けロック・ポイント点204d、第5の取り付けロック・ポイント204e、及び第6の取り付けロック・ポイント204fを介して挿入装置200に取り付けられる。幾つかの実施形態では、取り付けロック・ポイントがタブである。幾つかの実施形態では、取り付けロック・ポイントがスナップ式固定具である。幾つかの実施形態では、取り付けロック・ポイントが磁石である。
【0072】
幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、第1の吸引領域210c、第2の吸引領域210b、及び第3の吸引領域210cを備える。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、カートリッジ234bの近位部よりも遠位側に位置する。幾つかの実施形態では、図6に示すように、第1の吸引領域210aは、第2の吸引領域210b及び第3の吸引領域210cよりも遠位側に位置する。幾つかの実施形態では、図6に示されるように、第1の吸引領域210aは、第2の吸引領域210b及び第3の吸引領域210cよりも遠位側に位置する。或いは、幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210b及び第3の吸引領域210cは、第1の吸引領域210aよりも遠位側に位置する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210a、第2の吸引領域210b、及び第3の吸引領域210cは、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’に沿って整列される。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210a、第2の吸引領域210b、及び第3の吸引領域210cは、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’に沿って整列される。他の実施形態では、第1の吸引領域210a、第2の吸引領域210b、及び第3の吸引領域210cの任意の他の適した配置が使用される。
【0073】
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、第1の吸引領域210aは、第2の吸引領域210b及び第3の吸引領域210cよりも表面積が大きい。或いは、他の実施形態では、第1の吸引領域210aの表面積は、第2の吸引領域210b及び第3の吸引領域210cの表面積よりも小さい。更に別の実施形態では、第1の吸引領域210a、第2の吸引領域210b、及び第3の吸引領域210cの表面積は全てほぼ等しい。
【0074】
幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、図6に示されるように、長さl’’’及び幅w’’’を有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、図6に示されるように、長さl及び幅wを有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aの幅wは、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’の約90%にわたる。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aの長さlは、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’の約15%である。幾つかの実施形態では、図6に示されるように、第1の吸引領域210aは、第1の取り付けロック・ポイント204aと第4の取り付けロック・ポイント204dとの間の中心にある。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、円形、三角形、正方形、又は任意の他の適切な形状を有する。
【0075】
幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.5インチ(in.)~約6in.以上の範囲の幅wを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、少なくとも約0.5in.からの範囲の幅wを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、最大で約6in.からの範囲の幅wを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約2in.、約0.5in.~約2.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約3.5in.、約0.5in.~約4in.、約0.5in.~約4.5in.、約0.5in.~約5in.、約0.5in.~約5.5in.、約0.5in.~約6in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約2in.、約1in.~約2.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約3.5in.、約1in.~約4in.、約1in.~約4.5in.、約1in.~約5in.、約1in.~約5.5in.、約1in.~約6in.、約1.5in.~約2in.、約1.5in.~約2.5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約3.5in.、約1.5in.~約4in.、約1.5in.~約4.5in.、約1.5in.~約5in.、約1.5in.~約5.5in.、約1.5in.~約6in.、約2in.~約2.5in.、約2in.~約3in.、約2in.~約3.5in.、約2in.~約4in.、約2in.~約4.5in.、約2in.~約5in.、約2in.~約5.5in.、約2in.~約6in.、約2.5in.~約3in.、約2.5in.~約3.5in.、約2.5in.~約4in.、約2.5in.~約4.5in.、約2.5in.~約5in.、約2.5in.~約5.5in.、約2.5in.~約6in.、約3in.~約3.5in.、約3in.~約4in.、約3in.~約4.5in.、約3in.~約5in.、約3in.~約5.5in.、約3in.~約6in.、約3.5in.~約4in.、約3.5in.~約4.5in.、約3.5in.~約5in.、約3.5in.~約5.5in.、約3.5in.~約6in.、約4in.~約4.5in.、約4in.~約5in.、約4in.~約5.5in.、約4in.~約6in.、約4.5in.~約5in.、約4.5in.~約5.5in.、約4.5in.~約6in.、約5in.~約5.5in.、約5in.~約6in.、又は約5.5in.~約6in.の範囲の幅wを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.5in.、約1in.、約1.5in.、約2in.、約2.5in.、約3in.、約3.5in.、約4in.、約4.5in.、約5in.約5.5in.、又は約6in.からの範囲の幅wを有する。
【0076】
幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.25in.~約5.5in.以上の範囲の長さlを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、少なくとも約0.25in.からの範囲の長さlを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、最大で約5.5in.からの範囲の長さlを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.25in.~約0.5in.、約0.25in.~約1in.、約0.25in.~約1.5in.、約0.25in.~約2in.、約0.25in.~約2.5in.、約0.25in.~約3in.、約0.25in.~約3.5in.、約0.25in.~約4in.、約0.25in.~約4.5in.、約0.25in.~約5in.、約0.25in.~約5.5in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約2in.、約0.5in.~約2.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約3.5in.、約0.5in.~約4in.、約0.5in.~約4.5in.、約0.5in.~約5in.、約0.5in.~約5.5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約2in.、約1in.~約2.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約3.5in.、約1in.~約4in.、約1in.~約4.5in.、約1in.~約5in.、約1in.~約5.5in.、約1.5in.~約2in.、約1.5in.~約2.5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約3.5in.、約1.5in.~約4in.、約1.5in.~約4.5in.、約1.5in.~約5in.、約1.5in.~約5.5in.、約2in.~約2.5in.、約2in.~約3in.、約2in.~約3.5in.、約2in.~約4in.、約2in.~約4.5in.、約2in.~約5in.、約2in.~約5.5in.、約2.5in.~約3in.、約2.5in.~約3.5in.、約2.5in.~約4in.、約2.5in.~約4.5in.、約2.5in.~約5in.、約2.5in.~約5.5in.、約3in.~約3.5in.、約3in.~約4in.、約3in.~約4.5in.、約3in.~約5in.、約3in.~約5.5in.、約3.5in.~約4in.、約3.5in.~約4.5in.、約3.5in.~約5in.、約3.5in.~約5.5in.、約4in.~約4.5in.、約4in.~約5in.、約4in.~約5.5in.、約4.5in.~約5in.、約4.5in.~約5.5in.、又は約5in.~約5.5in.の範囲の長さlを有する。幾つかの実施形態では、第1の吸引領域210aは、約0.25in.、約0.5in.、約1in.、約1.5in.、約2in.、約2.5in.、約3in.、約3.5in.、約4in.、約4.5in.、約5in.、又は約5.5in.からの範囲の長さlを有する。
【0077】
幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、長さl’及び幅w’を有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bの幅は、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’の約25%にわたる。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bの長さl’は、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’の約10%である。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、図6に示されるように、カートリッジの遠位部234aの横領域に位置する。幾つかの実施形態では、図6に示されるように、第2の吸引領域210bは、第3の取り付けロック・ポイント204cに隣接する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、図6に示されるように、カートリッジの遠位部234aの基部に位置する。幾つかの実施形態では、図6に示すように、第2の吸引領域210bはセンサ領域212の近くにある。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、円形、三角形、正方形、又は任意の他の適切な形状を有する。
【0078】
幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.~約5in.以上の範囲の幅w’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、少なくとも約0.1in.からの範囲の幅w’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、最大で約5in.からの範囲の幅w’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.約1.5in.~約5in.、約3in.~約5in.の範囲の幅w’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.、約0.2in.、約0.3in.約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.、又は約5in.からの範囲の幅w’を有する。
【0079】
幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.~約5in.以上の範囲の長さl’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、少なくとも約0.1in.からの範囲の長さl’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、最大で約5in.からの範囲の長さl’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約5in.、又は約3in.~約5in.の範囲の長さl’を有する。幾つかの実施形態では、第2の吸引領域210bは、約0.1in.、約0.2in.、0.3in.、約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.、又は約5in.からの範囲の長さl’を有する。
【0080】
幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、長さl’’及び幅w’’を有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cの幅は、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’の約25%にわたる。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cの長さl’’は、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’の約10%である。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、図6に示されるように、カートリッジの遠位部234aの横領域に位置する。幾つかの実施形態では、図6に示すように、第3の吸引領域210cは、第6の取り付けロック・ポイント204fに隣接している。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、図6に示されるように、カートリッジの遠位部234aの基部に位置する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、図6に示されるように、センサ領域212の近くにある。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、円形、三角形、正方形、又は任意の他の適切な形状を有する。
【0081】
幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.~約5in.以上の範囲の幅w’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、少なくとも約0.1in.からの範囲の幅w’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、最大約5in.からの範囲の幅w’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.、約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約5in.、又は約3in.~約5in.の範囲の幅w’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.、約0.2in.、約0.3in.、約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.、又は約5in.からの範囲の幅w’’を有する。
【0082】
幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.~約5in.以上の範囲の長さl’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、少なくとも約0.1in.からの範囲の長さl’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、最大で約5in.からの範囲の長さl’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.、約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約5in.、又は約3in.~約5in.の範囲の長さl’’を有する。幾つかの実施形態では、第3の吸引領域210cは、約0.1in.、約0.2in.、約0.3in.、約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.、又は約5in.からの範囲の長さl’’を有する。
【0083】
幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aがセンサ領域212を備える。幾つかの実施形態では、センサ領域212は、図6に示されるように、長さl1及び幅w1を有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、センサ領域212の幅w1は、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’の約90%にわたる。幾つかの実施形態では、センサ領域212の長さl1は、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’の約50%である。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは1つ以上のセンサ領域を備える。例えば、幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれ以上のセンサ領域を備える。幾つかの実施形態では、センサ領域212が超音波センサ領域を含む。幾つかの実施形態では、超音波センサ領域が超音波振動子の表面領域である。幾つかの実施形態では、センサ領域212が超音波振動子213を備える。或いは、幾つかの実施形態では、センサ領域212が超音波振動子213を備えない。幾つかの実施形態では、超音波振動子213は挿入装置のハウジング内に配置される。幾つかの実施形態では、カートリッジ234が超音波振動子213を備えない。幾つかの実施形態では、センサ領域212が超音波の送信を可能にする領域である。幾つかの実施形態では、超音波振動子213の本体がハウジング内に位置する。幾つかの実施形態では、超音波振動子213がセンサ領域212全体を占める。幾つかの実施形態では、超音波振動子213がセンサ領域212の一部を占める。
【0084】
幾つかの実施形態では、センサ領域212が赤外線センサを備えない。幾つかの実施形態では、赤外線センサは、挿入装置のハウジング内に位置する。幾つかの実施形態では、カートリッジ234は赤外線センサを備えない。幾つかの実施形態では、センサ領域212は、赤外線波長及び/又は可視光スペクトル内の波長の透過を可能にする領域である。或いは、幾つかの実施形態では、センサ領域212が赤外線センサ領域を含む。幾つかの実施形態では、センサ領域は、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、第3の赤外線センサ240c、及び第4の赤外線センサ240dを備える。幾つかの実施形態では、センサ領域212が5つ以上の赤外線センサを備える。例えば、幾つかの実施形態では、センサ領域212は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個、又はそれ以上の赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、第3の赤外線センサ240c、及び第4の赤外線センサ240dは、図6に示されるように、センサ領域212の隅にそれぞれ位置する。幾つかの実施形態では、赤外線センサは、カートリッジの遠位部234aの表面全体にわたって位置する。幾つかの実施形態では、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、第3の赤外線センサ240c、及び第4の赤外線センサ240dはそれぞれ、カートリッジの遠位部234aの隅に位置する。幾つかの実施形態では、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、第3の赤外線センサ240c、及び第4の赤外線センサ240dはそれぞれ、カートリッジの遠位部234aの取り付けロック・ポイントに隣接して位置する。
【0085】
幾つかの実施形態では、センサ領域212が熱電冷却及び振動領域214を含む。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、図6に示されるように、長さl2及び幅w2を有する長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214の幅w2は、カートリッジの遠位部234aの幅w’’’の約5%にわたる。幾つかの実施形態では、センサ領域212の長さl2は、カートリッジの遠位部234aの長さl’’’の約25%である。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214が熱電冷却器を備える。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214がバイブレータを備える。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、図6に示されるように長方形の形状を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、円形、三角形、正方形、又は任意の他の適切な形状を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、図6に示されるように、カートリッジの遠位部234aの基部に位置する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214が第2の吸引領域210bと第3の吸引領域210cとの間に位置する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214がセンサ領域212に隣接して位置する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214が超音波振動子213に隣接して位置する。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aが1つ以上の熱電冷却及び振動領域を含む。例えば、幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aは、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上の熱電冷却及び振動領域を備える。
【0086】
幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.~約5in.以上の範囲の幅w2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、少なくとも約0.1in.からの範囲の幅w2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、最大で約5in.からの範囲の幅w2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.、約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約5in.、又は約3in.~約5in.の範囲の幅w2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.、約0.2in.、約0.3in.、約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.又は約5in.からの範囲の幅w2を有する。
【0087】
幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.~約5in.以上の範囲の長さl2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、少なくとも約0.1in.からの範囲の長さl2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、最大で約5in.からの範囲の長さl2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.~約0.2in.、約0.1in.~約0.3in.、約0.1in.~約0.4in.、約0.1in.~約0.5in.、約0.1in.~約0.75in.、約0.1in.~約1in.、約0.1in.~約1.5in.、約0.1in.~約3in.、約0.1in.~約5in.、約0.2in.~約0.3in.、約0.2in.~約0.4in.、約0.2in.~約0.5in.、約0.2in.~約0.75in.、約0.2in.~約1in.、約0.2in.~約1.5in.、約0.2in.~約3in.、約0.2in.~約5in.、約0.3in.~約0.4in.、約0.3in.~約0.5in.、約0.3in.~約0.75in.、約0.3in.~約1in.、約0.3in.~約1.5in.、約0.3in.~約3in.、約0.3in.~約5in.、約0.4in.~約0.5in.、約0.4in.~約0.75in.、約0.4in.~約1in.、約0.4in.~約1.5in.、約0.4in.~約3in.、約0.4in.~約5in.、約0.5in.~約0.75in.、約0.5in.~約1in.、約0.5in.~約1.5in.、約0.5in.~約3in.、約0.5in.~約5in.、約0.75in.~約1in.、約0.75in.~約1.5in.、約0.75in.~約3in.、約0.75in.~約5in.、約1in.~約1.5in.、約1in.~約3in.、約1in.~約5in.、約1.5in.~約3in.、約1.5in.~約5in.、又は約3in.~約5in.の範囲の長さl2を有する。幾つかの実施形態では、熱電冷却及び振動領域214は、約0.1in.、約0.2in.、約0.3in.、約0.4in.、約0.5in.、約0.75in.、約1in.、約1.5in.、約3in.、又は約5in.からの範囲の長さl2を有する。
【0088】
幾つかの実施形態では、カートリッジ234は、挿入装置を操作するときのユーザに対して近位部234bを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bは、第1の取り付けポイント220a、第2の取り付けポイント220b、及び第3の取り付けポイント220cを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bは、挿入装置に可逆的に取り付けられる。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bは、挿入装置に恒久的に取り付けられる。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bは、第1の取り付けポイント220a、第2の取り付けポイント220b、及び第3の取り付けポイント220cを介して挿入装置200に取り付けられる。幾つかの実施形態では、取り付けポイントは、ハウジングの開口に挿入するタブである。幾つかの実施形態では、取り付けポイントがスナップ式の切り欠きである。幾つかの実施形態では、ユーザは、カートリッジの近位部234bの本体がスナップ式の切り欠きの突起を乗り越えるようにカートリッジの近位部234bをスナップ式の切り欠きに軽い力で押し込むことによって、カートリッジの近位部234bをスナップ式の切り欠きに挿入する。幾つかの実施形態では、ユーザは、カートリッジの近位部234bの本体がスナップ式の切り欠きの突起を通過するようにその近位端部を軽い力で引っ張ることによってカートリッジの近位部234bを解放する。幾つかの実施形態では、取り付けポイントが磁石である。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bが磁石を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bの磁石及び取り付けポイントの磁石は、磁気的に(例えば、磁気引力を介して)互いに係合する。幾つかの実施形態では、取り付けポイントがハウジングの開口に挿入する突起である。
【0089】
幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bは、カートリッジの遠位部234aに可逆的に取り付けられる。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bがカラー248を備える。幾つかの実施形態では、カラー248は、カートリッジの近位部234bとカートリッジの遠位部234aとを接続する。幾つかの実施形態では、カラー248は、カートリッジの近位部234aの開口に挿入する1つ以上のタブを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aが1つ以上のスナップ式の切り欠きを備える。幾つかの実施形態では、ユーザは、カラー248がスナップ式の切り欠きの突起を乗り越えるようにカートリッジの近位部234bをスナップ式の切り欠きに軽い力で押し込むことによってカラー248をスナップ式の切り欠きに挿入する。幾つかの実施形態では、ユーザは、カラー248がスナップ式の切り欠きの突起を通過するようにその近位端部を軽い力で引っ張ることによって解放する。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aがその基部に位置する磁石を備える。幾つかの実施形態では、カラー248が磁石を備える。幾つかの実施形態では、カラー248が磁化される。幾つかの実施形態では、カートリッジの遠位部234aの磁石及びカラー248の磁石は、磁気的に(例えば、磁気引力を介して)互いに係合する。幾つかの実施形態では、カラー248は、カートリッジの遠位部234aの開口に挿入する1つ以上の突起を備える。
【0090】
幾つかの実施形態では、カラー248が可撓性カラーである。幾つかの実施形態では、カラー248は、弾性、曲げやすい、しなやかな、又は柔軟な材料から構成される。幾つかの実施形態では、カラー248が可撓性材料から構成される。幾つかの実施形態では、可撓性材料がポリマー材料である。幾つかの実施形態では、可撓性材料がエラストマーである。幾つかの実施形態では、可撓性材料がゴムである。幾つかの実施形態では、可撓性材料がシリコンである。可撓性材料の非限定的な例としては、ポリウレタン、ウレタン、シリコン樹脂、発泡ゴム、ポリシロキサン、飽和ゴム、熱可塑性エラストマー、エラストオレフィン、及び不飽和ゴムが挙げられる。幾つかの実施形態では、カラー248が圧縮状態にある。幾つかの実施形態では、カラー248が伸長状態にある(すなわち、伸長状態のカラー248の長さは、圧縮状態のカラー248の長さよりも長い)。幾つかの実施形態では、ユーザは、軽い力でカートリッジの近位部234bを押す及び/又は引くことによってカラー248の長さを制御する。
【0091】
幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bがカテーテル制御針スロット222を備える。幾つかの実施形態では、カテーテル制御スロット222は、近位方向及び/又は遠位方向での針上にわたるカテーテルの前進及び/又は後退を制御する雌制御スロットの一例である。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジ234が挿入装置に接続された時点でカテーテル制御スロット222に挿入するように構成される対応するカテーテル制御雄コネクタ(図1図12には示されない)を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カテーテル制御スロット222及び/又はその対応するカテーテル制御雄コネクタの位置を検出するアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カテーテル制御雄コネクタを前進させた後に雌カテーテル制御スロット222を近位位置及び/又は遠位位置まで直線運動で前進させるアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ234は、ばねのような作用を有するカテーテル制御スロット222の近位位置及び遠位位置に材料の可撓性部分を備える。幾つかの実施形態では、材料のこの可撓性部分は、カテーテル制御スロット222の動きに抵抗する。幾つかの実施形態では、カテーテル制御スロット222及びその対応するカテーテル制御スロット222が取り外されると、材料の可撓性部分は、カテーテル制御スロット222の近位位置及び遠位位置で、カテーテル制御スロット222にそれが後退してその初期位置に戻るようにする力を及ぼす。
【0092】
幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bが針制御スロット224を備える。幾つかの実施形態では、針制御スロット224は、近位方向及び/又は遠位方向での針の前進及び/又は後退を制御する雌制御スロットの一例である。幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジ234が挿入装置に接続された時点で針制御スロット224に挿入するように構成される対応する針制御雄コネクタ(図1図12には示されない)を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、針制御スロット224及び/又はその対応する針制御雄コネクタの位置を検出するアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、針制御雄コネクタを前進させた後に雌針制御スロット224を近位位置及び/又は遠位位置まで直線運動で前進させるアクチュエータを備える。
【0093】
幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bがガイドワイヤ制御スロット232を備える。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御針スロット232は、近位方向及び/又は遠位方向でのガイドワイヤの前進及び/又は後退を制御する雌制御スロットの一例である。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御針スロット232が六角形の形状である。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御針スロット232がガイドワイヤ収容スピンドル(図1図12には示されない)に接続される。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤが挿入装置内及びガイドワイヤ収容スピンドル内にある。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ収容スピンドル及びガイドワイヤの遠位端部が針の内側にある。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤが螺旋ねじりばね(図1~12には示されない)によってその静止位置に保持される。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御針スロット232が回転移動する。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御針スロット232が螺旋ねじりばねの力に抗して又は該力と共に作用し、針内でガイドワイヤを前進又は後退させる。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤは、針が標的組織(例えば、標的血管)に既に挿入された後、標的組織(例えば、標的血管の内腔)を下って柔軟に前進するように針の遠位端部から前進される。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端部が標的組織(例えば、標的血管の内腔)内に進められた時点で、カテーテルが針上にわたって及びガイドワイヤ上にわたって標的組織(例えば、血管の内腔)内へと前方へ進められる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の装置、方法、及びシステムを使用した針、カテーテル、及び/又はガイドワイヤの導入は、セルディンガー法と一致する。セルディンガー法は、血管及び/又は中空器官への安全なアクセスを得るために使用される医療処置である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の装置、方法、及びシステムは、標的組織(例えば、血管及び/又は中空器官)の内腔への針、カテーテル、及び/又はガイドワイヤの挿入の成功を改善する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の装置、方法、及びシステムは、標的組織(例えば、血管及び/又は中空器官)の偽腔内への針、カテーテル、及び/又はガイドワイヤの挿入のリスクを減少させる。
【0094】
幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジ234が挿入装置に接続された時点でガイドワイヤ制御スロット232に挿入するように構成される対応するガイドワイヤ制御雄コネクタ(図1図12には示されない)を備える。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御雄コネクタが六角形の形状である。幾つかの実施形態では、挿入装置は、ガイドワイヤ制御スロット232及び/又はその対応するガイドワイヤ制御雄コネクタの位置を検出するアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、ガイドワイヤ制御雄コネクタを前進させた後に雌ガイドワイヤ制御スロット232を近位位置及び/又は遠位位置まで直線運動で前進させるアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、アクチュエータが回転アクチュエータである。
【0095】
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、カテーテル制御スロット222がカートリッジの近位部234bの側面に位置する。幾つかの実施形態では、カテーテル制御スロット222がカートリッジの近位部234bの前面に位置する。幾つかの実施形態では、カテーテル制御スロット222がカートリッジの近位部234bの後面に位置する。
【0096】
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、針制御スロット224がカートリッジの近位部234bの側面に位置する。幾つかの実施形態では、針制御スロット224がカートリッジの近位部234bの前面に位置する。幾つかの実施形態では、針制御スロット224がカートリッジの近位部234bの後面に位置する。
【0097】
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、ガイドワイヤ制御スロット232がカートリッジの近位部234bの側面に位置する。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御スロット232がカートリッジの近位部234bの前面に位置する。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御スロット232がカートリッジの近位部234bの後面に位置する。
【0098】
幾つかの実施形態では、カテーテル制御スロット222が針制御スロット224及び/又はガイドワイヤ制御スロット232に隣接する。幾つかの実施形態では、針制御スロット224がカテーテル制御スロット222及び/又はガイドワイヤ制御スロット232に隣接する。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ制御スロット232が針制御スロット224及び/又はカテーテル制御スロット222に隣接する。
【0099】
図7は、挿入装置のカートリッジ234の一実施形態の斜視図を示す。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bがカートリッジ・スリット250を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250は、カテーテル制御スロット222及び針制御スロット224を受けるように構成される開口である。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250は、カテーテル制御スロット222及び針制御スロット224を案内するように構成されるトラックである。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250が可撓性材料を含む。幾つかの実施形態では、図7に示されるように、カートリッジ・スリット250がカートリッジの近位部234bの側面に位置する位置する直線状のスロット又は開口である。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250は、カテーテル制御スロット222及び針制御スロット224の直線移動を可能にする。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250がカテーテル制御スロット222及び針制御スロット224の近位側及び遠位側への移動を可能にする。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250内に位置する可撓性材料は、カテーテル制御スロット222及び針制御スロット224をそれらの静止位置に保つように作用するばねタイプの力を与える。幾つかの実施形態では、カートリッジ・スリット250内に位置する可撓性材料は、カートリッジ234が挿入装置200から取り外されるときにカテーテル制御スロット222及び針制御スロット224をそれらの静止位置に押す。
【0100】
図8は、挿入装置のカートリッジ234の一実施形態の下面図を示す。幾つかの実施形態では、カートリッジ234が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bを備える。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bが少なくとも1つのボール・ジョイントを備える。幾つかの実施形態では、ボール・ジョイントは、ケーシング内に収容されるベアリング・スタッド及びソケット(図8には示されない)を備える。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bは、カートリッジの近位部234bの動き及び/又は角度を制御する。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bが挿入装置のアクチュエータに動作可能に接続される。
【0101】
幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218aが近位側ボール・ジョイント219b及び遠位側ボール・ジョイント219aを備える。幾つかの実施形態では、図8に示されるように、第1の制御アーム218aの近位側ボール・ジョイント219bがカートリッジの近位部234bの側面に取り付けられる。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218aの遠位側ボール・ジョイント219aが第1のカラーばね216aに接続する。幾つかの実施形態では、第1のカラーばね216aは、カートリッジの遠位部234aの基部に位置すると共に、カートリッジの近位部234bに隣接する。幾つかの実施形態では、第1のカラーばね216aがケーシング内に収容される。
【0102】
幾つかの実施形態では、第2の制御アーム218bが近位側ボール・ジョイント221b及び遠位側ボール・ジョイント221aを備える。幾つかの実施形態では、図8に示されるように、第2の制御アーム218bの近位側ボール・ジョイント221bが第1のボール・ジョイント218aを備える側面の反対側にあるカートリッジの近位部234bの側面に取り付けられる。例えば、幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218aは、カートリッジの近位部234bの右側に位置し、第2の制御アーム218bは、カートリッジの近位部234bの左側に位置する。幾つかの実施形態では、第2の制御アーム218bの遠位側ボール・ジョイント221aが第2のカラーばね216bに接続する。幾つかの実施形態では、第2のカラーばね216bは、カートリッジの遠位部234aの基部に位置し、カートリッジの近位部234bに隣接する。幾つかの実施形態では、第2のカラーばね216bがケーシング内に収容される。
【0103】
幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bは、任意の方向への並進を防止しながら、2つの平面内で同時に自由に回転できる。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bは、カートリッジの遠位部234aに対するカートリッジの近位部234bの動きにおいてある程度の回転を可能にする。
【0104】
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、カートリッジの近位部234bが第1のアーム230a及び第2のアーム230bを備える。幾つかの実施形態では、図8に示されるように、カートリッジの遠位部234aが第1の切り欠き231a及び第2の切り欠き231bを備える。幾つかの実施形態では、第1の切り欠き213aが第1のアーム230aを受けるように構成される。幾つかの実施形態では、第2の切り欠き213bが第2のアーム230bを受けるように構成される。幾つかの実施形態では、第1のアーム230a及び第2のアーム230bは可撓性である。幾つかの実施形態では、第1のアーム230a及び第2のアーム230bが曲がるように構成される。幾つかの実施形態では、ユーザは、第1のアーム230a及び第2のアーム230bが第1の切り欠き231a及び第2の切り欠き231bの突起を乗り越えるようにカートリッジの近位部234bを軽い力で押すことによってカートリッジの近位部234bをカートリッジの遠位部234aに挿入する。幾つかの実施形態では、ユーザは、第1のアーム230a及び第2のアーム230bが第1の切り欠き231a及び第2の切り欠き231bの突起を通過するようにその近位端部を軽い力で引っ張ることによってカートリッジの近位部234bを解放する。
【0105】
幾つかの実施形態では、カートリッジ234が1つ以上の吸引弁を備える。幾つかの実施形態では、図8に示されるように、カートリッジ234は、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bを備える。幾つかの実施形態では、第1の吸引弁208a及び吸引弁208bが一方向弁である。幾つかの実施形態では、吸引弁が手動で制御される。幾つかの実施形態では、カートリッジの真空作用の手動制御がユーザによって制御される。
【0106】
幾つかの実施形態では、カートリッジ234が真空ボタン又は真空バルブ(図1図12には示されない)を備える。幾つかの実施形態では、真空ボタン又は真空バルブの表面が柔軟な膜である。幾つかの実施形態では、柔軟な膜が形状記憶ポリマーから構成される。幾つかの実施形態では、ユーザは、真空ボタン及び/又は真空バルブを作動させて吸引を作動させる。幾つかの実施形態では、真空ボタンが可撓性のドーム型ボタンである。幾つかの実施形態では、真空バルブが可撓性バルブである。幾つかの実施形態では、ユーザが真空ボタン又は真空バルブを押し下げて吸引を開始する。幾つかの実施形態では、一度押し下げられると、真空ボタンの下方の領域が減少されることにより、その表面(例えば、膜)下の空気が移動され、それにより、その空気が第1の吸引弁208aを通じてカートリッジ234の外縁の外側に押し出される。幾つかの実施形態では、真空ボタン及び/又は真空バルブの表面にユーザにより及ぼされる圧力が解放された時点で、真空ボタン及び/又は真空バルブは、その元の形状に戻り、真空ボタン及び/又は真空バルブの下方に低圧領域を作り出し、その結果、カートリッジと患者の皮膚の表面との間のカートリッジ下の吸引領域から第2の吸引弁208bを通じて空気を引き込む。
【0107】
或いは、幾つかの実施形態では、カートリッジが手動制御の遠心ポンプを備える。幾つかの実施形態では、遠心ポンプがインペラを備える。幾つかの実施形態では、ユーザがボタンを押すことによってインペラを機械的に作動させる。幾つかの実施形態では、ボタンを押すと、インペラの回転が開始される。幾つかの実施形態では、インペラの回転は、空気を第1の吸引弁208aからカートリッジの外側へと押し出し、それにより、インペラ・チャンバ内に低圧領域を作り出す。幾つかの実施形態では、低圧は、カートリッジと患者の皮膚の表面との間で、カートリッジ下の吸引領域から第2の吸引弁208bを通じて空気を引き込む。
【0108】
或いは、更に別の実施形態では、真空ボタン及び/又は真空バルブが挿入装置によって自動的に作動される。幾つかの実施形態では、挿入装置のアクチュエータが、カートリッジ上の真空ボタン及び/又は真空バルブを押し下げる。
【0109】
或いは、他の場合、皮膚の表面とカートリッジとの間の真空は、挿入装置のハウジング内に位置した真空ポンプによって生み出される。
【0110】
幾つかの実施形態では、第1の吸引弁208a及び吸引弁208bが真空源(図8には図示せず)に動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bが真空源(図8には図示せず)と流体連通している。幾つかの実施形態では、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bが挿入装置によって自動的に制御される。
【0111】
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bがカートリッジの遠位部234aの遠位端部に位置する。或いは、幾つかの実施形態では、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bがカートリッジの遠位部234aの近位端部に位置する。他の場合には、第1の吸引弁208a及び第2の吸引弁208bが、カートリッジの遠位部234aの側端部に配置される。
【0112】
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、カートリッジの近位部234bは、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、及び第3の赤外線センサ240cを備える。幾つかの実施形態では、第1の赤外線センサ240aは、遠位側ボール・ジョイント221a及び第2のカラーばね216bに隣接して位置する配置される。幾つかの実施形態では、第2の赤外線センサ240bは、遠位側ボール・ジョイント219a及び第1のカラーばね216aに隣接して位置する配置される。幾つかの実施形態では、第3の赤外線センサ240cは、第1の吸引弁208aと第2の吸引弁208bとの間に位置する。
【0113】
幾つかの実施形態では、赤外線センサが挿入装置の他の場所に配置される。幾つかの実施形態では、赤外線センサがカートリッジ内の他の場所に配置される。例えば、幾つかの実施形態では、赤外線センサがカートリッジの遠位部234aに配置される。代替の実施形態では、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、及び第3の赤外線センサ240cが投光器である。例えば、幾つかの実施形態では、投光器が赤外線波長スペクトルの光を投射する。幾つかの実施形態では、投光器が可視波長スペクトルの光を投射する。幾つかの実施形態では、投光器は、少なくとも約400nm~約800nm以上の範囲の波長を有する光を投射する。幾つかの実施形態では、投光器がレーザーを投射する。幾つかの実施形態では、投光器がカートリッジ234の外縁を超える光を投射する。幾つかの実施形態では、第1の赤外線センサ240a、第2の赤外線センサ240b、及び第3の赤外線センサ240cが、カートリッジ234の外縁を超える光を検出する。
【0114】
幾つかの実施形態では、投光器は、カートリッジ及び/又は挿入装置が皮膚の表面から離れている(例えば、接触していない)間、可視スペクトルの光を患者の皮膚の表面に投射する。幾つかの実施形態では、投光器は、カートリッジが挿入装置に接続された時点で、可視スペクトルの光を患者の皮膚の表面に投射する。幾つかの実施形態では、ユーザは、標的血管(例えば、静脈)がどこに位置するかを特定するために、投光器を起動して、光を患者の皮膚の表面に投射する。幾つかの実施形態では、可視光画像が表示スクリーンに表示される。幾つかの実施形態では、可視光画像は、皮膚の表面上の針挿入ポイントのおおよその位置(例えば、挿入指標マーキング)及び/又は直線状の針挿入ライン(例えば、指標ライン)を含む。
【0115】
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、カートリッジの近位部234bが開口部226を備える。幾つかの実施形態では、針168は、開口部226を通じてカートリッジの近位部234bから出る。幾つかの実施形態では、針がカテーテル170に接続される。
【0116】
図9は、伸長位置にあるカラー248を備える挿入装置のカートリッジ234の実施形態の下面図を示す。
【0117】
幾つかの実施形態では、カラー248は、装置のセンサ領域下のカートリッジの領域と、針、カテーテル、及び/又は他の挿入構成要素を含むカートリッジの近位部234bとの間の可撓性接続部である。幾つかの実施形態では、カラー248は、カートリッジの遠位部234aに対するカートリッジの近位部234bの移動を防止するロック(図1図12には示されない)を有する。幾つかの実施形態では、ロックは、カートリッジ234を挿入装置200に接続する前に自動的にロックされる。幾つかの実施形態では、ロックは、カートリッジ234を挿入装置200に接続した後に自動的にロック解除される。幾つかの実施形態では、ロックは、任意の時点で(例えば、カートリッジ234を挿入装置200に接続する前又は後)、ユーザによって手動で制御される(すなわち、ロックされ及びロック解除される)。幾つかの実施形態では、カートリッジの近位部234bが使用前に無菌である。幾つかの実施形態では、カラー248のロックを解除すると、カートリッジの無菌近位部234bの内容物が環境に対して直接的又は間接的に開放される。例えば、幾つかの実施形態では、カラー248のロックを解除すると、針及び/又はカニューレの前方挿入ラインが露出する。幾つかの実施形態では、カートリッジ234が挿入装置200から取り外されると、カラー248が、カートリッジの遠位部234aとカートリッジの近位部234bとの間のロックされた固定位置を自動的にとる。
【0118】
図10は、アクチュエータ機構を示す挿入装置の一実施形態の部分断面図を例示する。幾つかの実施形態では、挿入装置が超音波プローブ・アクチュエータ252を備える。幾つかの実施形態では、超音波プローブ・アクチュエータ252が超音波プローブの位置を制御する。幾つかの実施形態では、超音波プローブ・アクチュエータ252が超音波プローブの角度を制御する。幾つかの実施形態では、超音波プローブ(すなわち、超音波振動子)が挿入装置の本体内で移動可能である。幾つかの実施形態では、超音波プローブは、挿入装置内の位置を変更し、それによって超音波平面の位置を変更する。幾つかの実施形態では、超音波プローブ・アクチュエータ252が超音波振動子の位置を制御する。
【0119】
幾つかの実施形態では、挿入装置は第1の制御アーム・アクチュエータ254を備える。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの縦方向位置を制御する。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの遠位位置及び近位位置を制御する。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの縦方向位置を追跡する。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が追跡された縦方向位置を挿入装置のコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、これらの追跡された縦方向位置を使用して、これらに限定されないが第1の制御アーム218a、第2の制御アーム218b、カートリッジ234、及び針168などの構成要素の位置を計算する。
【0120】
幾つかの実施形態では、挿入装置が第2の制御アーム・アクチュエータ256を備える。幾つかの実施形態では、第2の制御アーム・アクチュエータ256が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、第2の制御アーム・アクチュエータ256が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの水平位置を制御する。幾つかの実施形態では、第1の制御アーム・アクチュエータ254が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの横方向位置を制御する。幾つかの実施形態では、第2の制御アーム・アクチュエータ256が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの水平位置を追跡する。幾つかの実施形態では、第2の制御アーム・アクチュエータ256が追跡された水平位置を挿入装置のコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、これらの追跡された水平位置を使用して、これらに限定されないが第1の制御アーム218a、第2の制御アーム218b、カートリッジ234、及び針168などの構成要素の位置を計算する。
【0121】
幾つかの実施形態では、挿入装置が第1の回転アクチュエータ258を備える。幾つかの実施形態では、第1の回転アクチュエータ258が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、第1の回転アクチュエータ258が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの垂直角を制御する。幾つかの実施形態では、垂直角は、第1の制御アーム218aと挿入装置の本体との間、及び/又は第2の制御アーム218bと挿入装置の本体との間の垂直角として規定される角度である。幾つかの実施形態では、第1の回転アクチュエータ258が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの垂直角を追跡する。幾つかの実施形態では、第1の回転アクチュエータ256が追跡された垂直角を挿入装置のコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、これらの追跡された垂直角を使用して、これらに限定されないが第1の制御アーム218a、第2の制御アーム218b、カートリッジ234、及び針168などの構成要素の位置を計算する。
【0122】
幾つかの実施形態では、挿入装置が第2の回転アクチュエータ260を備える。幾つかの実施形態では、第2の回転アクチュエータ260が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bに動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、第2の回転アクチュエータ260が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの水平角を制御する。幾つかの実施形態では、第2の回転アクチュエータ260が第1の制御アーム218a及び第2の制御アーム218bの水平角を追跡する。幾つかの実施形態では、第2の回転アクチュエータ260が追跡された水平角を挿入装置のコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、これらの追跡された水平角を使用して、これらに限定されないが第1の制御アーム218a、第2の制御アーム218b、カートリッジ234、及び針168などの構成要素の位置を計算する。
【0123】
図11Aは、皮膚取り付けカップ262の上面図を示す(すなわち、図11Aは、皮膚取り付けカップ262の前側を示す)。図11Bは、皮膚取り付けカップ262の等角図を示す。図11Cは、皮膚取り付けカップ262の正面図を示す。幾つかの実施形態では、挿入装置200が皮膚取り付けカップ262を備える。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262は、医療器具(例えば、針、カテーテル、カニューレ、及び/又はガイドワイヤ)を患者に対して迅速に安定化及び/又は固定する。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262は、針、カニューレ、及び/又はガイドワイヤを患者の皮膚の表面上の所定位置にロックする。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が挿入装置200及び/又はカートリッジ234と組み合わせて使用されない。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が挿入装置200及び/又はカートリッジ234と組み合わせて使用される。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262は、患者の皮膚の表面からカートリッジ234を取り外した後所定の位置に留まる。
【0124】
幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が皮膚に可逆的に結合する接着領域(図11A図11Cには示されない)を備える。幾つかの実施形態では、接着領域が皮膚取り付けカップ262の後側に位置する。幾つかの実施形態では、接着領域が接着テープ及び剥離ライナを備える。幾つかの実施形態では、ユーザは、接着領域を患者の皮膚の表面に接着する前に、接着テープを露出させるために剥離ライナを除去する。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262の後面(図11A図11Cには示されない)は、粗いテクスチャを伴う表面を含む。
【0125】
或いは、幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が1つ以上の吸引カップを備える。幾つかの実施形態では、ユーザは、皮膚取り付けカップ262を患者の皮膚の表面に押し付け、それにより、吸引カップから空気を押し出し、真空を生み出す。幾つかの実施形態では、生み出された真空により、吸引カップが患者の皮膚の表面に即座にくっつく。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が挿入装置200への機械的接続部を備える。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が医療器具(例えば、針、カテーテル、カニューレ、及び/又はガイドワイヤ)に対する可逆的な機械的接続部を備える。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262がユーザによって医療器具及び/又は皮膚の表面から取り外される。幾つかの実施形態では、ユーザが皮膚取り付けカップ262を別の包帯と交換する。
【0126】
幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262がシリンダ274を備える。幾つかの実施形態では、シリンダ274が皮膚取り付けカップ262の上面から上方に(すなわち、z軸に沿って)延在する。幾つかの実施形態では、シリンダは、皮膚取り付けカップ262の上面(すなわち、図11Bに示される面)に対して、シリンダの遠位端部に位置する開口270を備える。幾つかの実施形態では、翼ばね268が手動で圧縮されない場合、シリンダ274はきつく閉じられたたままである。幾つかの実施形態では、264によって形成されたシリンダの内面は接着剤でコーティングされる。幾つかの実施形態では、264によって形成されたシリンダの内面は、粗いテクスチャを備える。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bを備える。幾つかの実施形態では、シリンダ274が第1のグリップ264aと第2のグリップ264bとの可逆結合によって形成される。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bは可撓性である。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bがカテーテル及び/又はガイドワイヤを固定する。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bが重なり合う。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bが半円の片側に取り付けられる。幾つかの実施形態では、半円の開放端は、摩擦、接着面、及び翼ばね268、第1の解放タブ272a、及び第2の解放272bによって生成される角度力によって、互いにしっかりと対向したままである。ワイヤ又はカテーテルの遠位端部に対応する下面は、接着剤でコーティングされ、配置された後に患者の皮膚に結合する粗面を有する。
【0127】
幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が第1の翼脚266a及び第2の翼脚266bを備える。幾つかの実施形態では、第1の翼266a及び第2の翼266bが半硬質である。幾つかの実施形態では、第1の翼脚266a及び第2の翼脚266bが第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bよりも可撓性が低い。幾つかの実施形態では、第1の翼脚266a及び第2の翼脚266bは、翼ばね268、第1の解放タブ272a、及び第2の解放タブ272bによって生成される機械的な力を分配する。幾つかの実施形態では、第1の翼脚266a及び第2の翼脚266bは、円弧形状の翼ばね268によって生成される直線力を分配し、それにより、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに角度力をもたらす。幾つかの実施形態では、第1の翼脚266a及び第2の翼脚266bは、第1のグリップ264aと第2のグリップ264bとの間に生成される円弧に作用する向心力をもたらす。
【0128】
幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が翼ばね268を備える。幾つかの実施形態では、翼ばね268は、伸長されると、第1の翼266a及び第2の翼266bを外側に押す。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bを備える。幾つかの実施形態では、ユーザが第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bを圧縮すると、第1の翼266a及び第2の翼266bが引き離される。幾つかの実施形態では、翼ばね268は、翼ばね268の中心から離れるような直線力を反対方向で第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bに及ぼす。幾つかの実施形態では、第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bは、翼ばね268が第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bに直線力を及ぼすように、シリンダ274に強固に取り付けられる。幾つかの実施形態では、直線力は、角度力及び/又は回転力を生み出し、この力が、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに互いに対して作用する回転力を更にもたらす。幾つかの実施形態では、直線力は、シリンダ274に作用する角度力及び/又は向心力を更に生み出す角度力及び/又は回転力をもたらす。
【0129】
幾つかの実施形態では、シリンダ274の摩擦及び接着面は、翼ばね268、第1の解放タブ272a、及び第2の解放タブ272bによって引き起こされる向心力と共に、カテーテル及び/又はガイドワイヤを皮膚取り付けカップ262に対して適所に保持する。
【0130】
幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262が開口270を備える。幾つかの実施形態では、医療器具(例えば、針、カテーテル、カニューレ、及び/又はガイドワイヤ)は、開口270を通じて出る及び/又は入る。幾つかの実施形態では、ユーザは、第1の解放タブ272a及び第2の解放タブ272bに内向きの力を加え、それにより、翼ばね268を圧縮する。幾つかの実施形態では、翼ばね268の圧縮は、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力をもたらす。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力により、第1のグリップ264aと第2のグリップ264bとの間の接着接続が破断する。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力により、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bが分離する。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力により、274のシリンダが開放し、それにより、カテーテル及び/又はガイドワイヤが解放される。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力が、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの垂直方向の力(すなわち、z軸に沿う力)を生成し、それにより、皮膚取り付けカップ262の大部分を皮膚の表面から引っ張る。幾つかの実施形態では、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bに作用する外向きの角度力は、第1のグリップ264a及び第2のグリップ264bを切り離す。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262の残りの部分は、ユーザが皮膚取り付けカップ262を引っ張ることによって、皮膚の残りの表面から容易に引き離される。
【0131】
幾つかの実施形態では、使用前に、カテーテルがその最初の静止位置にある間に、皮膚取り付けカップ262がカテーテル及び/又はガイドワイヤに付着する。幾つかの実施形態では、カテーテル及び/又はガイドワイヤがその完全挿入位置まで進められた時点で、皮膚取り付けカップ262が皮膚の表面に取り付けられる。幾つかの実施形態では、皮膚取り付けカップ262は、カテーテル・ルーメンの内面を通じた針の引き抜きに打ち勝つのに十分な力でカテーテル及び/又はガイドワイヤを皮膚の表面に保持する。
【0132】
ハウジング
幾つかの実施形態では、ハウジング122は、超音波振動子、カートリッジ・レシーバ、針ホルダ、赤外線センサ、及び/又はコンピュータ装置を備える。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、超音波振動子、カートリッジ・レシーバ、針ホルダ、赤外線センサ、及び/又はコンピュータ装置を収容する。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、内部構成要素に実質的且つ構造的な保護を与える装置の外層を備える。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、例えばプラスチック材料から構成される。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリスチレンから構成される。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチレン;ポリエステル;ポリ乳酸(PLA);ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート又はアクリル又はポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ウレタン;又はポリ-p-キシリレン又はパリレンを含むがこれらに限定されないプラスチック又はエラストマー材料である。幾つかの実施形態では、ハウジング122は、これらに限定されないが、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属である。
【0133】
超音波振動子
挿入装置は1つ以上の撮像装置を備えることができる。撮像装置は超音波振動子となり得る。幾つかの実施形態では、超音波振動子213が超音波を放出して受けるように構成される。幾つかの実施形態では、超音波振動子(すなわち、超音波プローブ)が超音波送信機である。幾つかの実施形態では、超音波送信機が電気信号を超音波に変換する。幾つかの実施形態では、超音波振動子が超音波受信機である。幾つかの実施形態では、超音波受信機が超音波を電気信号に変換する。幾つかの実施形態では、超音波振動子が超音波トランシーバである。幾つかの実施形態では、超音波トランシーバが電気信号を超音波に変換すると共に、超音波を電気信号に変換する。幾つかの実施形態では、超音波振動子がハウジング122内に嵌合するように寸法付けられる。幾つかの実施形態では、超音波振動子が標的組織の断面画像を生成するために使用される。幾つかの実施形態では、超音波振動子が非侵襲性の気泡検出器を備える。幾つかの実施形態では、非侵襲的気泡検出器が液体(例えば、血液)の流れの中断の存在を特定する。幾つかの実施形態では、超音波振動子がドップラー超音波システムと共に使用するように設計される。幾つかの実施形態では、超音波振動子がリニア・アレイ振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子は、個体の皮膚の表面によって安全に許容される正常な温度(例えば、約25℃~約36℃)を維持する。幾つかの実施形態では、超音波振動子は、適用可能な検査に基づいて変化する周波数範囲を有する。幾つかの実施形態では、例えば、50メガ・ヘルツ(MHz)の周波数が血管検査に使用される。幾つかの実施形態では、超音波振動子が複数の動作周波数を含む。幾つかの実施形態では、超音波振動子が超音波を生成して受ける圧電結晶を備える。幾つかの実施形態では、圧電結晶の配置が直線状、湾曲(又は凸面)状、又は段階的である。幾つかの実施形態では、超音波振動子が直線状の超音波振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子が湾曲した又は凸状の超音波振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子が位相配列超音波振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子がペンシル超音波振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子が腔内振動子である。幾つかの実施形態では、超音波振動子が経食道プローブである。幾つかの実施形態では、装置の寸法が様々である。幾つかの実施形態では、装置が手持ち式の使用に適している。
【0134】
幾つかの実施形態では、超音波振動子が約2MHz~約12MHzの周波数を有する。幾つかの実施形態では、超音波振動子が少なくとも約2MHzの周波数を有する。幾つかの実施形態では、超音波振動子が最大で約12MHzの周波数を有する。幾つかの実施形態では、超音波振動子は、約2MHz~約3MHz、約2MHz~約4MHz、約2MHz~約5MHz、約2MHz~約6MHz、約2MHz~約7MHz、約2MHz~約8MHz、約2MHz~約9MHz、約2MHz~約10MHz、約2MHz~約11MHz、約2MHz~約12MHz、約3MHz~約4MHz、約3MHz~約5MHz、約3MHz~約6MHz、約3MHz~約7MHz、約3MHz~約8MHz、約3MHz~約9MHz、約3MHz~約10MHz、約3MHz~約11MHz、約3MHz~約12MHz、約4MHz~約5MHz、約4MHz~約6MHz、約4MHz~約7MHz、約4MHz~約8MHz、約4MHz~約9MHz、約4MHz~約10MHz、約4MHz~約11MHz、約4MHz~約12MHz、約5MHz~約6MHz、約5MHz~約7MHz、約5MHz~約8MHz、約5MHz~約9MHz、約5MHz~約10MHz、約5MHz~約11MHz、約5MHz~約12MHz、約6MHz~約7MHz、約6MHz~約8MHz、約6MHz~約9MHz、約6MHz~約10MHz、約6MHz~約11MHz、約6MHz~約12MHz、約7MHz~約8MHz、約7MHz~約9MHz、約7MHz~約10MHz、約7MHz~約11MHz、約7MHz~約12MHz、約8MHz~約9MHz、約8MHz~約10MHz、約8MHz~約11MHz、約8MHz~約12MHz、約9MHz~約10MHz、約9MHz~約11MHz、約9MHz~約12MHz、約10MHz~約11MHz、約10MHz~約12MHz、又は約11MHz~約12MHzの周波数を有する。幾つかの実施形態では、超音波振動子は、約2MHz、約3MHz、約4MHz、約5MHz、約6MHz、約7MHz、約8MHz、約9MHz、約9MHz、約10MHz、約11MHz、又は約12MHzの周波数を有する。
【0135】
赤外線センサ
幾つかの実施形態では、挿入装置が赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、赤外線センサは、赤外線を放出して受けるように構成される。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源は、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線検出器を備える。幾つかの実施形態では、赤外線検出器が赤外線光検出器又は温度検出器である。
【0136】
幾つかの実施形態では、赤外線センサは、赤外線波を放出する及び/又は受けるように構成される。幾つかの実施形態では、赤外線センサは、近赤外線領域、中赤外線領域、又は遠赤外線領域の赤外線を放出する、受ける、及び/又は検出するように構成される。幾つかの実施形態では、赤外線波は、約0.70ミクロン(μm)~約1000μmの範囲である。幾つかの実施形態では、赤外線波が約0.70μm~約1,000μmの範囲である。幾つかの実施形態では、赤外線波が少なくとも約0.70μmからの範囲である。幾つかの実施形態では、赤外線波が最大で約1,000μmからの範囲である。幾つかの実施形態では、赤外線波は、約0.70μm~約1μm、約0.70μm~約3μm、約0.70μm~約4μm、約0.70μm~約5μm、約0.70μm~約6μm、約0.70μm~約10μm、約0.70μm~約50μm、約0.70μm~約100μm、約0.70μm~約500μm、約0.70μm~約750μm、約0.70μm~約1,000μm、約1μm~約3μm、約1μm~約4μm、約1μm~約5μm、約1μm~約6μm、約1μm~約10μm、約1μm~約50μm、約1μm~約100μm、約1μm~約500μm、約1μm~約750μm、約1μm~約1,000μm、約3μm~約4μm、約3μm~約5μm、約3μm~約6μm、約3μm~約10μm、約3μm~約50μm、約3μm~約100μm、約3μm~約500μm、約3μm~約750μm、約3μm~約1,000μm、約4μm~約5μm、約4μm~約6μm、約4μm~約10μm、約4μm~約50μm、約4μm~約100μm、約4μm~約500μm、約4μm~約750μm、約4μm~約1,000μm、約5μm~約6μm、約5μm~約10μm、約5μm~約50μm、約5μm~約100μm、約5μm~約500μm、約5μm~約750μm、約5μm~約1,000μm、約6μm~約10μm、約6μm~約50μm、約6μm~約100μm、約6μm~約500μm、約6μm~約750μm、約6μm~約1,000μm、約10μm~約50μm、約10μm~約100μm、約10μm~約500μm、約10μm~約750μm、約10μm~約1,000μm、約50μm~約100μm、約50μm~約500μm、約50μm~約750μm、約50μm~約1,000μm、約100μm~約500μm、約100μm~約750μm、約100μm~約1,000μm、約500μm~約750μm、約500μm~約1,000μm、又は約750μm~約1,000μmの範囲である。幾つかの実施形態では、赤外線波は、約0.75μm、約1μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約750μm、又は約1,000μmからの範囲である。
【0137】
幾つかの実施形態では、挿入装置が約1個の赤外線センサ~約10個以上の赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置が少なくとも約1つの赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置が最大で約10個の赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、約1個の赤外線センサ~約2個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約3個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約4個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約5個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約6個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約1個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約3個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約4個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約5個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約6個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約4個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約5個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約6個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約5個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約6個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ~約6個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約6個の赤外線センサ~約7個の赤外線センサ、約6個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約6個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約6個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約7個の赤外線センサ~約8個の赤外線センサ、約7個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約7個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、約8個の赤外線センサ~約9個の赤外線センサ、約8個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサ、又は約9個の赤外線センサ~約10個の赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、約1個の赤外線センサ、約2個の赤外線センサ、約3個の赤外線センサ、約4個の赤外線センサ、約5個の赤外線センサ、約6個の赤外線センサ、約7個の赤外線センサ、約8個の赤外線センサ、約9個の赤外線センサ、又は約10個の赤外線センサを備える。
【0138】
幾つかの実施形態では、赤外線センサが熱赤外線センサである。幾つかの実施形態では、赤外線センサが量子赤外線センサである。幾つかの実施形態では、赤外線センサが受動赤外線センサである。幾つかの実施形態では、赤外線センサが赤外線源である。幾つかの実施形態では、赤外線源が赤外線ダイオード(例えば、発光ダイオード(LED))である。幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードが少なくとも約740ナノメートル(nm)~約760nm以上の範囲の波長を有する放射線を放出する。
【0139】
幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードが約700nm~約900nmの範囲の波長を有する放射線を放出する。幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードが少なくとも約700nmからの範囲の波長を有する放射線を放出する。幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードが最大で約900nmからの範囲の波長を有する放射線を放出する。幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードは、約700nm~約710nm、約700nm~約720nm、約700nm~約730nm、約700nm~約740nm、約700nm~約750nm、約700nm~約760nm、約700nm~約770nm、約700nm~約780nm、約700nm~約790nm、約700nm~約800nm、約700nm~約900nm、約710nm~約720nm、約710nm~約730nm、約710nm~約740nm、約710nm~約750nm、約710nm~約760nm、約710nm~約770nm、約710nm~約780nm、約710nm~約790nm、約710nm~約800nm、約710nm~約900nm、約720nm~約730nm、約720nm~約740nm、約720nm~約750nm、約720nm~約760nm、約720nm~約770nm、約720nm~約780nm、約720nm~約790nm、約720nm~約800nm、約720nm~約900nm、約730nm~約740nm、約730nm~約750nm、約730nm~約760nm、約730nm~約770nm、約730nm~約780nm、約730nm~約790nm、約730nm~約800nm、約730nm~約900nm、約740nm~約750nm、約740nm~約760nm、約740nm~約770nm、約740nm~約780nm、約740nm~約790nm、約740nm~約800nm、約740nm~約900nm、約750nm~約760nm、約750nm~約770nm、約750nm~約780nm、約750nm~約790nm、約750nm~約800nm、約750nm~約900nm、約760nm~約770nm、約760nm~約780nm、約760nm~約790nm、約760nm~約800nm、約760nm~約900nm、約770nm~約780nm、約770nm~約790nm、約770nm~約800nm、約770nm~約900nm、約780nm~約790nm、約780nm~約800nm、約780nm~約900nm、約790nm~約800nm、約790nm~約900nm、又は約800nm~約900nmの範囲の波長を有する放射線を放出する。幾つかの実施形態では、赤外線ダイオードは、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、約800nm、又は約900nmからの範囲の波長を有する放射線を放出する。
【0140】
或いは、他の実施形態では、挿入装置がデジタル・カメラを含む。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラが赤外線波又は信号を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラが近赤外線波又は信号を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラが近赤外線カメラである。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラがウェブカメラである。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、スマート・フォン・カメラ又はカメラ付き携帯電話である。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラがコンピュータ・カメラである。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、サーモグラフィ・カメラ又は熱撮像カメラである。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラが光学フィルタを備える。幾つかの実施形態では、光学フィルタが赤外線及び/又は近赤外線の検出を容易にする。
【0141】
幾つかの実施形態では、デジタル・カメラが赤外線源と組み合わせて使用される。幾つかの実施形態では、挿入装置が赤外線源を備える。幾つかの実施形態では、赤外線源は、血液中の脱酸素ヘモグロビンによって吸収される放射線を生成する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、標的組織内の血管(例えば、静脈)内の脱酸素化された血液によって吸収される放射波を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、検出された放射波をコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、標的組織内の脱酸素化血液を含む血管の赤外線画像を生成する。幾つかの実施形態では、赤外線画像が挿入装置の表示スクリーン上に表示される。
【0142】
幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、約700nm~約900nmの範囲の波長を有する放射線を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、少なくとも約700nmからの範囲の波長を有する放射線を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、最大で約900nmからの範囲の波長を有する放射線を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、約700nm~約710nm、約700nm~約720nm、約700nm~約730nm、約700nm~約740nm、約700nm~約750nm、約700nm~約760nm、約700nm~約770nm、約700nm~約780nm、約700nm~約790nm、約700nm~約800nm、約700nm~約900nm、約710nm~約720nm、約710nm~約730nm、約710nm~約740nm、約710nm~約750nm、約710nm~約760nm、約710nm~約770nm、約710nm~約780nm、約710nm~約790nm、約710nm~約800nm、約710nm~約900nm、約720nm~約730nm、約720nm~約740nm、約約720nm~約750nm、約720nm~約760nm、約720nm~約770nm、約720nm~約780nm、約720nm~約790nm、約720nm~約800nm、約720nm~約900nm、約730nm~約740nm、約730nm~約750nm、約730nm~約760nm、約730nm~約770nm、約730nm~約780nm、約730nm~約790nm、約730nm~約800nm、約730nm~約900nm、約740nm~約750nm、約740nm~約760nm、約740nm~約770nm、約740nm~約780nm、約740nm~約790nm、約740nm~約800nm、約740nm~約900nm、約750nm~約760nm、約750nm~約770nm、約750nm~約780nm、約750nm~約790nm、約750nm~約800nm、約750nm~約900nm、約760nm~約770nm、約760nm~約780nm、約760nm~約790nm、約760nm~約800nm、約760nm~約900nm、約770nm~約780nm、約770nm~約790nm、約770nm~約800nm、約770nm~約900nm、約780nm~約790nm、約780nm~約800nm、約780nm~約900nm、約790nm~約800nm、約790nm~約900nm、又は約800nm~約900nmの範囲の波長を有する放射線を検出する。幾つかの実施形態では、デジタル・カメラは、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、約800nm、又は約900nmの範囲の波長を有する放線射を検出する。
【0143】
撮像装置ステージ
幾つかの実施形態では、撮像装置ステージを使用して、ハウジングに対する1つ以上の撮像装置の位置を操作することができる。1つ以上の撮像装置は、超音波振動子、赤外線センサ、及び/又はデジタル・カメラであってもよい。特定の実施形態では、1つ以上の撮像装置が超音波振動子である。幾つかの実施形態では、撮像装置ステージが超音波ステージであってもよい。幾つかの実施形態では、超音波ステージが任意の向きで挿入装置に対する基準を維持することができる。幾つかの実施形態では、超音波ステージが針先に対する基準を維持することができる。超音波ステージは、中心軸に沿う静脈の解剖学的構造の横方向及び縦方向の走査に対応できる。
【0144】
図16は、超音波ステージ330と、超音波プローブ320に並進及び回転を与えることができるアクチュエータとを示す。幾つかの実施形態では、並進機構は、超音波ホルダに結合された直線レール325に基づく。他の実施形態では、並進機構がラック及びピニオンに基づく。他の実施形態では、並進機構は、研磨されたロッド及びブッシングと組み合わせたプーリー・システムに基づく。幾つかの実施形態では、超音波振動子は、リニア・アクチュエータを使用して並進的に配置される。幾つかの実施形態では、リニア・アクチュエータがステッピング・モータ及びリード・スクリューである。他の実施形態では、リニア・アクチュエータが圧電素子で駆動される。他の実施形態では、超音波プローブがサーボとカム機構を使用して位置決めされる。
【0145】
幾つかの実施形態では、超音波ステージ330は、超音波プローブ320を回転させるための回転機構321を含む。幾つかの実施形態では、超音波ステージは、超音波プローブを少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、又は180度スイープ及び/又は回転させることができる。幾つかの実施形態では、超音波プローブは、少なくとも90、120、150、180、210、240、270、300、330、又は360度回転させることができる。幾つかの実施形態では、回転機構がステッピング・モータを備える。幾つかの実施形態では、回転機構がサーボモータを備える。幾つかの実施形態では、回転機構は、所定の回転点からオフセットを押すリニア・アクチュエータである。幾つかの実施形態では、回転機構がカムを含む。
【0146】
超音波ステージは、鮮明で一貫した画像を生成するために皮膚との十分な接触を維持するべく超音波プローブに適切な力を与えるための接触機構を備えることができる。接触機構は、鮮明な画像を生成するのに十分な範囲の力を加えることができるが、撮像されている静脈がつぶれるのを避けるのに十分低い力を加えることができる。幾つかの実施形態では、高レベルの脂肪組織を有する患者が正常レベルの脂肪組織を有する患者とは異なる大きさの力を必要とし得るため、異なる患者の解剖学的構造に適用される接触力を変化させるように接触機構を調整することができる。
【0147】
幾つかの実施形態では、超音波ホルダ330は、皮膚と超音波プローブ320との間に下向きの力を与えるために接触機構323を備える。幾つかの実施形態では、接触機構は、超音波プローブに機械的に結合されるばね駆動システムである。幾つかの実施形態では、接触機構がリニア・アクチュエータを備える。他の実施形態では、接触機構がサーボモータ又はステッピング・モータによって作動されるカム機構である。他の実施形態では、接触機構は、電流引き込みの増大に伴ってより高い下向きの力を生成することができる電磁コイルを備える。他の実施形態では、接触機構は、直線レールに結合される受動磁石を備える。他の実施形態では、接触機構が超音波プローブに空気圧を加える。他の実施形態では、接触機構が柔軟膜を備える。膜はエラストマー材料を含むことができる。他の実施形態では、接触機構がそれらの任意の組み合わせである。
【0148】
超音波ステージは、ユーザが超音波プローブの位置を操作して下向きの接触力を加えることができるようにする超音波制御器を備えることができる。ユーザは、標的の解剖学的構造の評価と、内腔を通じて前進する針の適切な経路/位置合わせの決定とに基づいて適用される位置と接触力とを調整できる。超音波制御器は、ユーザ入力に基づいて調整され得る又は様々なセンサからのフィードバックを通じて自動的に制御され得る。
【0149】
幾つかの実施形態では、ユーザは、超音波制御器322を手動で調整して、超音波プローブを並進及び/又は回転させることができる。他の実施形態では、制御器は、挿入装置に取り付けられた電気スイッチを備えることができる。他の実施形態では、制御器は、挿入装置によって自動的に調整され得る。特定の実施形態では、制御器は、それらの任意の組み合わせであってもよい。
【0150】
幾つかの実施形態では、下向きの力の大きさは、ユーザによって手動で調整される。他の実施形態では、力の大きさは、レバー又はスイッチを使用してユーザにより電子的に調整される。他の実施形態では、力の大きさは、センサ・ユニット324からのフィードバックに基づいて自動的に調整される。他の実施形態では、センサは、圧電抵抗歪みゲージ、容量性ダイヤフラム、電磁ダイヤフラム、圧電歪み、光ファイバ歪みゲージ、又は電位差ワイパーのいずれかに基づく圧力変換器である。他の実施形態では、センサがそれらの任意の組み合わせである。
【0151】
位置超音波プローブは、既知の値に較正され得る及び/又は規定された範囲内に維持され得る。これにより、挿入装置が利用可能な技術的限界を超えて動作するのを防ぐことができる。
【0152】
幾つかの実施形態では、超音波ホルダは、超音波プローブ320が意図する動作範囲及びプローブの較正範囲を超えて移動するのを防止する超音波ストップ326を含む。他の実施形態では、超音波ストップが電気リミットスイッチを備える。他の実施形態では、超音波ストップが光学フラグを備える。他の実施形態では、超音波ストップが駆動機構に動作可能に結合される。他の実施形態では、超音波ストップは、動作範囲を制限するためにユーザによって手動で設定される。幾つかの実施形態では、超音波ストップが製造業者によって設定される。幾つかの実施形態では、挿入ユニットに設置されたカートリッジのタイプに応じて、超音波ストップが調整される。他の実施形態では、超音波ストップがそれらの任意の組み合わせである。
【0153】
熱電冷却器
幾つかの実施形態では、挿入装置は熱電冷却器を備える。熱電冷却器は、ペルチェ効果に基づいて機能し、つまり、2つの異なるタイプの材料の接合部間に熱流束を生み出す。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は第1の側及び第2の側を有し、直流(DC)電流の印加時に熱が第1の側から第2の側に伝達される。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、熱電冷却器の遠位側の温度を低下させ、熱電冷却器の近位側の温度を上昇させる。幾つかの実施形態では、熱電冷却器の遠位側は、能動冷却面を有する冷却プレートである。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、カートリッジの遠位部234aの内面に対して装着される。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、カートリッジの遠位部234aの内面に隣接して位置し、この内面と熱的に接触する。幾つかの実施形態では、熱電冷却器の能動冷却面は、カートリッジの遠位部234aの内面に隣接して位置し、この内面と熱的に接触する。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、カートリッジの遠位部234aの内面に対して装着される。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、患者の皮膚の表面から熱電冷却器の能動冷却面に熱を伝達する。幾つかの実施形態では、この熱伝達は、カートリッジの遠位部234aの内面を通じて、熱電冷却器の冷却プレートへ、そして最後に熱電冷却器の加熱プレート及びヒート・シンクへと起こり、それにより、患者の皮膚の表面(例えば、注射領域)の表面温度を低下させる。幾つかの実施形態では、熱電冷却器の加熱プレート及び/又はヒート・シンクに伝達された熱が放散される。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、伝導によって熱電冷却器の能動冷却面を冷却するように構成される。
【0154】
幾つかの実施形態では、挿入装置が温度センサを備える(図1図12には示されない)。幾つかの実施形態では、温度センサは、挿入装置のコンピュータ装置に動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、温度センサが熱電冷却器に動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、温度センサが能動冷却面に動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、温度センサが冷却プレートの温度を検出するように構成される。幾つかの実施形態では、温度センサが熱電冷却器の能動冷却面の温度を検出するように構成される。
【0155】
幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、カートリッジの遠位部234aの内面から離れる方向を向く加熱プレートを備える。幾つかの実施形態では、加熱プレートがヒート・シンクと熱的に接続する。幾つかの実施形態では、ヒート・シンクが加熱プレートによって放出された熱を吸収する。幾つかの実施形態では、熱電冷却器がファンを備える。幾つかの実施形態では、ファンは、加熱プレートによって放出された熱を放散するように構成される。幾つかの実施形態では、熱電冷却器の冷却プレート及び加熱プレートは、熱を伝導しない材料によって分離される。幾つかの実施形態では、コントローラは、熱電冷却器が作動される時間の長さを制御及び/又は制限する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、熱電冷却器の作動を制御及び/又は制限する。幾つかの実施形態では、温度センサがコントローラにフィードバック信号を与える。幾つかの実施形態では、フィードバック信号は、冷却プレートの温度、加熱プレートの温度、能動冷却面の温度、及び/又は患者の皮膚の表面の温度である。幾つかの実施形態では、温度センサは、コンピュータ装置は、熱電冷却器が作動されている時間の長さを制御及び/又は制限するのを支援する。幾つかの実施形態では、温度センサは、コンピュータ装置が熱電冷却器の作動を制御及び/又は制限するのを支援する。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、熱電冷却器が作動される時間の長さを制限する。
【0156】
幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、患者の皮膚の表面から熱を吸収する。幾つかの実施形態では、熱電冷却器は、冷却された能動冷却面と皮膚の表面との間の直接接触によって、患者の皮膚の表面から熱を吸収する。幾つかの実施形態では、患者の皮膚の表面からの熱の吸収は、患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織に麻酔効果をもたらす。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に患者が感じる痛みのレベルが減少する。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に、患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織が麻酔される。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、患者に局所麻酔効果をもたらす。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、患者の注射領域に局所麻酔効果をもたらす。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織を鈍感にする、麻痺させる、又は感覚を奪わせる。
【0157】
幾つかの実施形態では、熱電冷却器の能動冷却面は、少なくとも摂氏約-10度~約10度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-10度~約5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-10度~約0度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-10度~約-5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約15度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約10度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約0度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約-5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面は、少なくとも摂氏約-15度~約-10度以上の範囲の温度に冷却される。
【0158】
幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-15度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-14度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-13度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-12度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-11度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-10度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-9度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-8度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-7度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-6度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-5度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-4度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-3度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-2度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約-1度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約0度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約1度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約2度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約3度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約4度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約5度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約6度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約7度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約8度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約9度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約10度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約11度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約12度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約13度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約14度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、能動冷却面が摂氏約15度の温度に冷却される。
【0159】
幾つかの実施形態では、患者の注射領域は、挿入装置の熱電冷却器の能動冷却面と直接接触することによって冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-10度~約10度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-10度~約5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-10度~約0度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-10度~約-5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約15度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約10度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約0度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約-5度以上の範囲の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域は、少なくとも摂氏約-15度~約-10度以上の範囲の温度に冷却される。
【0160】
幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-15度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-14度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-13度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-12度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-11度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-10度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-9度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-8度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-7度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-6度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-5度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-4度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-3度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-2度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約-1度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約0度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約1度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約2度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約3度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約4度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約5度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約6度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約7度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約8度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約9度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約10度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約11度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約12度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約13度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約14度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が摂氏約15度の温度に冷却される。
【0161】
幾つかの実施形態では、患者の注射領域は、注射領域と熱電冷却器の能動冷却面との間の直接接触によって摂氏約10度の温度に冷却される。幾つかの実施形態では、注射領域が所望の温度(例えば、摂氏10度)に達すると、温度センサが、熱電冷却器を停止するためにフィードバック信号をコンピュータ装置に送信する。幾つかの実施形態では、フィードバック信号は、インジケータ・ライト(図1図12には示されない)の色の変化を引き起こす。幾つかの実施形態では、インジケータ・ライトの色の変化は、注射領域が正しい温度であり、針の挿入のために適切に麻酔されていることをユーザに通知する。
【0162】
幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約1分~約5分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約15秒~約10分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約30秒~約10分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約45秒~約10分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約1分~約10分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約2分~約5分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約1分~約5分以上にわたって能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に、少なくとも約3分~約5分以上にわたって能動冷却面と接触する。
【0163】
幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約5秒間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約10秒間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約15秒間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約30秒間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約45秒間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約1分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約2分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約3分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約4分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約5分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約6分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約7分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約8分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約9分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約10分間能動冷却面と接触する。幾つかの実施形態では、注射領域は、針の挿入前に約15分間能動冷却面と接触する。
【0164】
バイブレータ
幾つかの実施形態では、挿入装置はバイブレータを備える。幾つかの実施形態では、バイブレータは、ユーザがボタン又はスイッチを押すことによって起動される。或いは、他の実施形態では、バイブレータは、更なるボタン及び/又はスイッチを作動させることによって遠隔で作動される。幾つかの実施形態では、バイブレータは、カートリッジの遠位部234aの表面を通じて伝達される振動を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、患者が知覚する麻酔効果を生み出す振動を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータによって生成される振動は、患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織に麻酔効果を生み出す。幾つかの実施形態では、挿入装置の熱電冷却器を作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に患者が感じる痛みのレベルが減少する。幾つかの実施形態では、挿入装置のバイブレータを作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に、患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織が麻酔される。幾つかの実施形態では、挿入装置のバイブレータを作動させると、患者に局所麻酔効果がもたらされる。幾つかの実施形態では、挿入装置のバイブレータを作動させると、患者の注射領域に局所麻酔効果が生じる。幾つかの実施形態では、挿入装置のバイブレータを作動させると、挿入装置を使用する医療処置(例えば、針の挿入及び/又はカテーテルの挿入及び/又は配置)中に、患者の皮膚の表面及び/又は下にある組織の感覚を鈍くする、麻痺させる、又は感覚を奪う。幾つかの実施形態では、バイブレータの作動は、コンピュータ装置によって制御される。幾つかの実施形態では、バイブレータの作動は、熱電冷却器の作動時間に基づいて停止される。
【0165】
幾つかの実施形態では、バイブレータの作動により、針が個体の注射領域に挿入されるときに、カートリッジの遠位部234aの表面が振動する。幾つかの実施形態では、バイブレータの作動により、針が個体の注射領域に挿入されるときに針が振動する。
【0166】
幾つかの実施形態では、振動は、約100ヘルツ(Hz)~約300Hzの範囲の振動周波数を有する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、少なくとも約100Hzからの振動周波数を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、最大で約300Hzからの振動周波数を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、約100Hz~約125Hz、約100Hz~約150Hz、約100Hz~約175Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約225Hz、約100Hz~約250Hz、約100Hz~約275Hz、約100Hz~約300Hz、約125Hz~約150Hz、約125Hz~約175Hz、約125Hz~約200Hz、約125Hz~約225Hz、約125Hz~約250Hz、約125Hz~約275Hz、約125Hz~約300Hz、約150Hz~約175Hz、約150Hz~約200Hz、約150Hz~約225Hz、約150Hz~約250Hz、約150Hz~約275Hz、約150Hz~約300Hz、約175Hz~約200Hz、約175Hz~約225Hz、約175Hz~約250Hz、約175Hz~約275Hz、約175Hz~約300Hz、約200Hz~約225Hz、約200Hz~約250Hz、約200Hz~約275Hz、約200Hz~約300Hz、約225Hz~約250Hz、約225Hz~約275Hz、約225Hz~約300Hz、約250Hz~約275Hz、約250Hz~約300Hz、又は約275Hz~約300Hzの振動周波数を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、約100Hz、約125Hz、約150Hz、約175Hz、約200Hz、約225Hz、約250Hz、約275Hz、又は約300Hzからの振動周波数を生成する。
【0167】
幾つかの実施形態では、振動は、約0.3G(Gは重力加速度、すなわち、毎秒9.8m/s )~約125Gの範囲の振幅を有する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、少なくとも約0.3Gからの振幅を有する振動を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、最大で約125Gからの振幅を有する振動を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、約0.3G~約1G、約0.3G~約5G、約0.3G~約15G、約0.3G~約25G、約0.3G~約50G、約0.3G~約75G、約0.3G~約100G、約0.3G~約105G、約0.3G~約110G、約0.3G~約125G、約1G~約5G、約1G~約15G、約1G~約25G、約1G~約50G、約1G~約75G、約1G~約100G、約1G~約105G、約1G~約110G、約1G~約125G、約5G~約15G、約5G~約5G~約25G、約t5G~約50G、約5G~約75G、約5G~約100G、約5G~約105G、約5G~約110G、約5G~約125G、約15G~約25G、約15G~約50G、約15G~約75G、約15G~約100G、約15G~約105G、約15G~約110G、約15G~約125G、約25G~約50G、約25G~約75G、約25G~約100G、約25G~約105G、約25G~約110G、約25G~約125G、約50G~約75G、約50G~約100G、約50G~約105G、約50G~約110G、約50G~約125G、約75G~約100G、約75G~約105G、約75G~約110G、約75G~約125G、約100G~約105G、約100G~約110G、約100G~約125G、約105G~約110G、約105G~約125G、又は約110G~約125Gの振幅を有する振動を生成する。幾つかの実施形態では、バイブレータは、約0.3G、約1G、約5G、約15G、約25G、約50G、約75G、約100G、約105G、約110G、又は約125Gからの振幅を有する振動を生成する。
【0168】
幾つかの実施形態では、バイブレータは、能動冷却面、薬物送達装置、及び/又は針を振動させるように構成される。幾つかの実施形態では、バイブレータは、カートリッジの遠位部234aを振動させるように構成される。幾つかの実施形態では、バイブレータは、熱電冷却及び振動領域214を振動させるように構成される。幾つかの実施形態では、バイブレータはモータを備える。幾つかの実施形態では、モータは、偏心回転質量振動モータ又は線形共振アクチュエータである。幾つかの実施形態では、振動及び熱電冷却器の作動及び非作動の制御は、カートリッジ234を挿入装置に取り付けることによって自動的に開始される。
【0169】
カートリッジ及びカートリッジ・レシーバ
特定の実施形態では、本明細書中には、針カートリッジが開示され、針と、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートと、針ホルダとを備え、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックとを有する内部であって、トラックが針を案内するように構成されるトラック壁を有する、内部と、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタと、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口と、針ホルダの近位端部に位置するポートとを備え、針が針ホルダ開口を通じて出る。
【0170】
幾つかの実施形態では、針カートリッジは、ユーザによって具体的に選択及び制御され得る、1つ、2つ、又はそれ以上の針、カテーテル、又は医療機器を備え得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、タッチスクリーン、音声コマンド、又は他の制御器を使用して、ボタンを押すことによって、どの針、カテーテル、又は他の装置を作動又は作動停止させるかを選択することができる。作動及び作動停止は、装置のどの部分を作動又は作動停止させるかを変更するようにコンピュータに信号を送ることができ、コンピュータ及び制御器からの信号出力を受信する。幾つかの実施形態では、針、カテーテル、又は医療機器のうちの1つ、幾つか、又は全ての目的は、薬剤、流体、組織、細胞、血液、他の生物学的物質、又は他の材料を特定の領域、器官、血管、組織、神経、関節、骨、腱、又は患者の身体上又は身体内の空間に注射することであり得る。幾つかの実施形態では、針、カテーテル、又は医療機器のうちの1つ、幾つか、又は全ての目的は、代わりに、薬剤、流体、組織、細胞、他の生物学的物質、又は他の材料を特定の領域、器官、血管、組織、神経、関節、骨、腱、又は患者の身体上又は身体内の空間に排出、抽出、生検、除去、回収することであってもよい。幾つかの実施形態では、針、カテーテル、又は医療機器のうちの1つ、幾つか、又は全ての目的は、代わりに、特定の領域、器官、血管、組織、神経、関節、骨、腱、又は患者の身体上又は身体内の空間に対して実行される穿孔、貫通、切断、又は様々な他の動作を行うことであってもよい。幾つかの実施形態では、針、カテーテル、又は医療機器のうちの1つ、幾つか、又は全ての目的は、代わりに、カテーテル、チューブ、ワイヤ、心臓装置、ステント、センサ、又は他の医療機器を特定の領域、器官、血管、組織、神経、関節、骨、腱、又は患者の身体上又は身体内の空間に導入することであってもよい。幾つかの実施形態では、1つの針カテーテル、カテーテル、又は医療機器は、列挙されたこれらの機能のうちの1つ、2つ、又はそれ以上を果たすことができ、或いは、安全な機能、又は前述の機能の任意の組み合わせ、又はここで列挙されない他の機能のうちの2つ以上を含んでもよい、複数の機能を果たすことができる。
【0171】
幾つかの実施形態では、様々な目的を有する1つ、2つ、又はそれ以上の針、カテーテル、又は医療機器を備えるカートリッジの幾つかの非限定的な例としては、本明細書に開示されたものを挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、3本の針を収容する関節処置用のカートリッジであり、1本は標的領域を麻酔するために使用され、1本は関節から体液を抽出するために使用され、1本は関節に薬剤、細胞、又は生物学的物質を注射するために使用される。幾つかの実施形態では、2本の針を収容する関節処置用のカートリッジであり、1本は標的領域を麻酔するために使用され、1本は関節包を貫通し、薬剤、細胞、又は生物学的物質、又は他の材料を関節空間に注射するために使用され、関節液、細胞、組織、又はその他の物質を引き出すためにも使用される。幾つかの実施形態では、中心静脈処置用のカートリッジは2本の針を収容することができ、1本は標的血管近くの組織に麻酔液を導入するために使用され、もう1本は、針、ガイドワイヤ、カテーテルを血管に導入するために使用され、血液、薬剤、又はその他の物質を血管に注射することができ、血液、薬剤、又はその他の物質を引き出すこともできる。幾つかの実施形態では、腹部穿刺処置に使用されるカートリッジは、2本の針を収容することができ、1本の針は麻酔流体を標的組織に注射するためのものであり、1本の針は腹壁の一部を完全に貫通して流体を除去し、カテーテルを導入することができるためのものであり、また、腹壁の内面を貫通するために使用される針の内部から安全針を導入することもでき、それにより、腹部に入ると腸壁を貫通する可能性が減少する。幾つかの実施形態では、2本の針を伴う末梢静脈処置に使用されるカートリッジであり、1本の針は、標的組織に麻酔流体を注射するためのものであり、もう1本の針は、血管壁を貫通し、他の流体又は物質を注入することもできる或いは血液又はその他の流体を引き出すこともできるガイドワイヤ及びカテーテルを導入するためのものである。
【0172】
幾つかの実施形態では、ユーザは、医療処置(例えば、針及び/又はカテーテルの挿入)のために挿入装置と組み合わせてカートリッジを使用しない。幾つかの実施形態では、ユーザは、挿入装置のみを使用し、医療処置(例えば、針及び/又はカテーテルの挿入)のためにカートリッジを使用しない。幾つかの実施形態では、カートリッジは無菌である。幾つかの実施形態では、カートリッジは使い捨てである。幾つかの実施形態では、カートリッジは、1つ以上の撮像モダリティ(例えば、超音波及び/又は赤外線)の送信を可能にする。幾つかの実施形態では、カートリッジは、それらの撮像モダリティに従ってユーザによって操作される医療器具を備える。
【0173】
幾つかの実施形態では、カートリッジは、患者と挿入装置との間のバリアとして働く。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジと挿入装置との間のバリアとして働く。幾つかの実施形態では、カートリッジは、血液又は任意の他の体液の汚染から挿入装置を保護する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、体液挿入装置バリアとして作用する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、挿入装置が体液によって汚染された場合に実行しなければならない費用のかかる除染手順を防止する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、血液又は任意の他の体液の汚染による挿入装置の交換を防止する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、挿入装置内又は挿入装置上に存在する汚染物質から患者を保護する。幾つかの実施形態では、カートリッジは、サンプル(例えば、血液サンプル)を挿入装置内又は挿入装置上に存在する汚染物質から保護する。幾つかの実施形態では、カートリッジを構成する1つ以上の機械部品は、針カートリッジの移動を可能にしながらバリアとして作用するように設計される。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジの内側部分を挿入装置及び/又は患者に対して露出及び/又は接触させることなく、針ホルダ、針、ガイドワイヤ、カテーテル、又はそれらの任意の組み合わせの移動を可能にする。幾つかの実施形態では、カートリッジが無菌である。幾つかの実施形態では、カートリッジが非無菌である。
【0174】
幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、カートリッジ・レシーバ118に結合される。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、カートリッジ・レシーバ118に可逆的に結合される。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118とカートリッジ134とが動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118及びカートリッジ134は、可逆的且つ動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、左上コネクタ142a、右上コネクタ142b、右下コネクタ142c、及び左下コネクタ142dは、複数の第2のコネクタ(図2A及び図2Bには示されない)と係合するように構成される。
【0175】
幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118は、ユーザによって押し下げられると、カートリッジ・レシーバ118をカートリッジ134から解放するように構成される複数のタブを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118は、カートリッジ134からカートリッジ・レシーバ118を取り外すためにユーザによって押し下げられる又は押されるように構成されるタブを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ134及びカートリッジ・レシーバ118は、カートリッジ134及びカートリッジ・レシーバ118がいつユーザにより取り付けられる又は取り外されるかを示す、クリック・ノイズ、録音、及び/又はベル音などであるがこれらに限定されない可聴表示を含む機構を介して互いに可逆的に動作可能に結合される。
【0176】
幾つかの実施形態では、カートリッジ・レシーバ118は、その両側にレールを有するフレームを備え、レールは、針ホルダを固定するように構成される。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、上面、下面、近位端部、及び遠位端部を有する。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、カートリッジ134の上面に位置した複数の第2のコネクタを備える(図2A及び図2Bには示されない)。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタは、カートリッジ・レシーバ118の複数の第1のコネクタとの電気接続を形成するように構成される。
【0177】
幾つかの実施形態では、複数の第1のコネクタが複数の雄コネクタである。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタが複数の雄コネクタである。幾つかの実施形態では、複数の第1のコネクタが複数の雌コネクタである。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタが複数の雌コネクタである。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタは、カートリッジ・レシーバ118内に位置した複数のタブである。幾つかの実施形態では、複数の第1のコネクタは、タブに嵌合し、2つの構成要素の取り付けを可能にする。幾つかの実施形態では、更なるコネクタが針ホルダ138のハウジングに沿って位置する。幾つかの実施形態では、更なるコネクタがカートリッジ・レシーバの後部内側ハウジングに位置する。
【0178】
カートリッジ134を挿入装置100に装填する方法の非限定的な例としては、カートリッジ134を挿入装置100に押し込むこと、挿入装置100に装填された時点でカートリッジ134が適所に留まることができるようにするスナップ嵌め機能の使用を含むこと、カートリッジ134を適所に保持する任意の磁気手段、及び/又は、カートリッジ134を適所に保持する任意の機械的手段が挙げられる。幾つかの実施形態では、カートリッジ134を挿入装置100からパチンと外すために引っ張り紐が使用される。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、挿入装置100内に使い捨てセンサ・ユニットを装填するスナップ張出部又は他の可逆手段を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、挿入装置100の張出部に当接するだけであるため適所に留まる。幾つかの実施形態では、挿入装置100の外面に1つ以上のタブが存在する。幾つかの実施形態では、カートリッジ134が挿入装置100に可逆的に装填される。
【0179】
幾つかの実施形態では、カートリッジがプレート135を備える。幾つかの実施形態では、プレート135は、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有する。幾つかの実施形態では、プレート135は、カートリッジ・レシーバに対して固定される。幾つかの実施形態では、挿入装置100は、カートリッジ134を受けるように構成される使い捨てスリーブ(図示せず)を備える。幾つかの実施形態では、使い捨てスリーブは無菌スリーブである。幾つかの実施形態では、無菌スリーブは、挿入装置100と患者との間に無菌バリアをもたらす。
【0180】
幾つかの実施形態では、プレート135の平坦な表面は、挿入装置を使用するときに個体の皮膚の表面と接触する。幾つかの実施形態では、プレート135がカートリッジ・レシーバ118に対して固定される。幾つかの実施形態では、プレート135がセラミック・プレートである。幾つかの実施形態では、セラミックがチタン酸ジルコン酸鉛組成物である。幾つかの実施形態では、プレート135が圧電抵抗材料である。幾つかの実施形態では、プレート135は、過度の振動を低減及び/又は防止する裏当て材である。幾つかの実施形態では、プレート135は、超音波が標的組織に効率的に入ることができるようにする音響整合材料である。幾つかの実施形態では、音響整合材料は、超音波振動子上に反射される標的組織のインピーダンスを低下させる。幾つかの実施形態では、音響整合材料は、異なる樹脂の組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、プレート135は、軟組織と同様の密度を有する。幾つかの実施形態では、プレート135がゲルを備える。幾つかの実施形態では、ゲルがゲル・エラストマーである。幾つかの実施形態では、プレート135が金属プレートである。幾つかの実施形態では、プレート135がプラスチック・プレートである。幾つかの実施形態では、プレート135がエラストマー・プレートである。幾つかの実施形態では、プレート135は、ポリマー、金属、又は両方の組成物を備える。幾つかの実施形態では、プレート135が固体表面を有する。幾つかの実施形態では、プレート135がエラストマー表面を有する。幾つかの実施形態では、エラストマー・プレートが熱可塑性エラストマー・プレートである。幾つかの実施形態では、熱可塑性エラストマー・プレートがゲルである。プラスチック又はエラストマーの非限定的な例としては、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチレン;ポリエステル;ポリ乳酸(PLA);ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル・プラスチゾル(PVCP)、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート又はアクリル又はポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ウレタン;及びポリ-p-キシリレン又はパリレンが挙げられる。幾つかの実施形態では、プレート135がシリコン・プレートである。幾つかの実施形態では、プレート135がPVCPプレートである。幾つかの実施形態では、プレート135がエポキシ・プレートである。
【0181】
或いは、他の実施形態では、挿入装置は、図6図10に示されるように及び本明細書の別の場所に記載されるように、カートリッジ234を備える。
【0182】
挿入手順中、針/カテーテルの位置及び/又は超音波振動子に対する向きを正確に決定するために、カートリッジの正確な位置合わせが不可欠であり得る。特定の実施形態では、カートリッジは、針の挿入前に、針/カテーテルの位置及び超音波振動子に対して位置合わせ/較正される。
【0183】
幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジがカートリッジ・レシーバに適切に挿入された時期を特定するためのカートリッジ装填センサを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ装填センサが電気リミットスイッチを備えることができる。幾つかの実施形態では、カートリッジ装填センサが光スイッチを備えることができる。他の実施形態では、カートリッジ装填センサがホール効果センサであり得る。他の実施形態では、カートリッジ装填センサは、カートリッジとカートリッジ・レシーバの両方に一連の電気接点を備えることができる。特定の実施形態では、カートリッジ装填センサが位置合わせ機能を備える。他の実施形態では、カートリッジ装填センサがこれらの任意の組み合わせである。
【0184】
幾つかの実施形態では、異なるタイプのカートリッジをカートリッジ・レシーバに装填することができる。異なるカートリッジは異なるサイズの針を備えることができる。異なるカートリッジは、異なる長さ、直径、及び/又は材料のカテーテルを備えることができる。異なるカートリッジは、針とカテーテルとの異なる組み合わせを備えることができる。異なるカートリッジは、異なる範囲の針及び/又は針ステージ動作を可能にすることができる。
【0185】
幾つかの実施形態では、挿入装置は、カートリッジ・レシーバに挿入されたカートリッジのタイプを正確に特定するためのカートリッジ検出器を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ検出器がカートリッジ内に位置したNFCチップである。他の実施形態では、カートリッジ検出器が挿入装置に組み込まれたバーコード走査システムである。他の実施形態では、カートリッジ検出器が内部プリント回路基板(PCB)を備える。他の実施形態では、カートリッジのタイプがユーザによって手動で選択される。他の実施形態では、カートリッジ検出器がこれらの任意の組み合わせである。
【0186】
幾つかの実施形態では、カートリッジ又は装置は、解剖学的特徴、体の大きさ、又は患者の年齢に応じた特定の形状を備えてもよい。幾つかの実施形態では、カートリッジ装置は、皮膚の厚さ、標的血管の深さ、標的器官の深さ、標的管腔又は空間のサイズ、又は他の解剖学的差異などの解剖学的差異に関連する様々な形状を有し得る。幾つかの実施形態では、カートリッジ又は装置は、患者の意図する体の大きさ及び形状に合わせて様々な形状を有し得る。幾つかの実施形態では、カートリッジは、患者の年齢に応じた特定の形状を有することができる。カートリッジ及び装置固有の形状の幾つかの非限定的な例としては、小児患者、小さな管腔血管を有する患者、身長の小さい患者、又は患者の体の様々な他の意図された又は予想される特徴を対象としたカートリッジの小さな下面が挙げられる。一部のカートリッジを具体的に形成できる他の解剖学的な違いは、異常に深い標的血管又は器官、標的上の組織の厚い層、異常に移動する又は壊れやすい血管であり、その全ては、針、カテーテル、又は医療機器を組織内の奥深くに挿入できるようにカートリッジの底部でより大きい又は角度の付いたカートリッジの形状でより成功する場合がある。幾つかの実施形態では、患者の特定の解剖学的特徴、患者の体の大きさ、又は患者の年齢に関して、カートリッジ及び装置の多くの他のサイズ及び形状のバリエーションを使用することができる。幾つかの実施形態では、カートリッジ及び装置のサイズ及び形状は、複数の解剖学的特徴、体のサイズ、年齢、処置の種類、又はここに列挙されていない他の変数の組み合わせに従って変化し得る。
【0187】
幾つかの実施形態では、撮像装置の開始位置及び許容可能な移動経路は、装置に取り付けられたカートリッジによって決定される。幾つかの実施形態では、カートリッジは、意図する処置の様々な態様を最適化する特定の形状を有することができ、必要なカートリッジの形状は、患者のサイズ又は解剖学的特徴などの他の変数及び処置の意図する手続き的部位によっても影響を受け得る。ユーザが所望のカートリッジを装置に取り付けるとき、装置のセンサは、カートリッジの様々な特徴を検出する、又は、これらの成形された構成要素、特徴、及び意図された処置の兆候又は信号を検出し、これらの兆候又は信号は、オンボード・コンピュータに送信されて、計算され、また、そのコンピュータからの出力は、撮像装置の位置を制御する機構に送られ、撮像装置をカートリッジ内の好ましい開始位置に移動させる。その後、ユーザが撮像装置の位置を調整すると、制御入力を送信する信号がコンピュータに送信され、コンピュータは出力を撮像制御機構に送信して、それらの必要なパラメータ内で撮像装置を移動させる。
【0188】
幾つかの実施形態では、開始設定及び許容設定、表示される画像深度、ゲイン、及び画像スクリーンの他の態様及び表示される情報も、取り付けられたカートリッジに固有である。本明細書に開示されるように、幾つかの実施形態では、カートリッジは、意図された処置の様々な態様を最適化する特定の形状を有することができ、必要なカートリッジの形状は、患者のサイズ又は解剖学的特徴及び処置の意図された手続き的部位などの他の変数によっても影響を受ける可能性がある。形状のバリエーションと特定の処置のために表示される画像を最適化する必要性とに起因して、開始設定及び許容設定、表示される画像深度、ゲイン、及び画像スクリーン及び表示される情報のその他の態様を適切に変更することができる。ユーザが所望のカートリッジを装置に取り付けるとき、装置のセンサは、カートリッジの様々な特徴を検出でき、又は、これらの形状構成要素、特徴、及び意図された処置の兆候又は信号を検出でき、これらの兆候又は信号は、オンボード・コンピュータに送信されて、計算され、また、そのコンピュータからの出力は、撮像装置及び表示スクリーンに送られる。
【0189】
幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は、意図された処理に固有のものである。カートリッジの形状は、患者とカートリッジとの間のより良い表面接触をもたらし、より良い画像品質を可能にし、より良い画像フィールドを可能にし、装置又は患者の身体に対する撮像構成要素のより望ましい動きを可能にし、カートリッジ又は装置のより効果的な又は有用な真空作用を可能にし、患者へのより良い取り付けを可能にし、針及び装置の挿入のより好ましい角度を可能にし、ユーザが処置位置に対してより快適又はアクセスしやすい位置にいることができるようにし、ユーザがより慣れ親しんだビュー又は画像を可能にし、安全性の向上を可能にし、処置の成功の可能性を高めることができるようにし、患者により快適な状態を与え、幾つかの他の利点又はその利点の幾つかの組み合わせを与えるように意図する処置のタイプに関して最適化され得る。ユーザが特定の処置を実行することを選択する場合、ユーザは、その処置に使用することを意図した形状のカートリッジを選択できる。
【0190】
幾つかの実施形態では、カートリッジは、末梢静脈処置、中心静脈処置、動脈処置、膿瘍ドレナージ処置、生検処置、関節処置、神経処置、脊椎処置、胸腔チューブ処置、心臓処置、他の胸部処置、輪状甲状腺切開処置、他の頸部処置、腹腔穿刺処置、膀胱処置、他の腹部処置、他の四肢処置、他の頭部処置、骨処置、他の処置、身体に対する装置の特定のアプローチを伴う処置、これらの処置のいずれかのサブセット、又はこれらの任意の組み合わせのために成形される。
【0191】
幾つかの実施形態では、カートリッジの形状及び外形が末梢静脈処置用である。幾つかの実施形態では、このカートリッジは、装置の本体に対して水平面内で装置の底部に僅かな湾曲を有し、湾曲がカートリッジの下面と四肢の皮膚表面との間のより良い接触を可能にするようにする。この形状は、他の有用な動きの中でも特に、撮像構成要素が実質的に縦方向及び水平方向に移動して皮膚の表面に対して軸方向を変更し、垂直位置を変更できるようにする。この形状は、ユーザのより快適な位置決めをもたらす。また、この形状により、装置の遠位端部に真空領域がある状態で、ユーザは、四肢の縦方向平面に対して縦方向平面内で装置の安定性を与えながら、カートリッジ又は装置の真空構成要素をより有用な態様で作動させることができ、装置の本体に対して縦方向に延びる血管により効果的な止血帯効果をもたらす。他の実施形態では、カートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有してもよい。
【0192】
幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は、中心静脈へのアクセスを意図している。幾つかの実施形態では、中心静脈処置用のカートリッジは、水平方向に僅かに湾曲した下面を有する。幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は、カートリッジの前部と比較して垂直方向に長いカートリッジの近位部、及び、幾つかの他のカートリッジと比較して短い下面も含む。形状は、装置の底部が患者の皮膚表面に対して角度が付けられ、装置の後面が皮膚の表面から離れているようになっている。この形状により、中心静脈構造が周辺構造よりも深く位置して処置の成功の可能性を高めるため、ユーザはより鋭角で針を容易に挿入できる。この実施形態におけるカートリッジのより小さい下面により、ユーザは、他の場所の中でも内頸静脈にアクセスする際の首の側面など、利用可能な皮膚表面が限られている患者の領域で処置を容易に行うことができる。他の実施形態では、中心静脈アクセス用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0193】
幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は動脈処置用である。幾つかの実施形態では、このカートリッジの底部は、上側とは対照的に縦方向に著しく短い底部を有する。これにより、カートリッジの一部の縦方向の表面積を減少させて、一部の患者では縦方向のアクセス可能な領域が限られている手首の動脈により良くアクセスできるようにすることができる。他の実施形態では、動脈アクセス用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0194】
幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は関節処置用である。幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は、これらの手技のサブセグメントに固有のものであることが意図される。幾つかの実施形態では、カートリッジの形状は膝処置用である。幾つかの実施形態では、カートリッジの下面の一部に湾曲があり、撮像装置が患者の脚を撮像するカートリッジの遠位端部のみが縦方向に湾曲している。これにより、装置の本体の長軸が脚の長さ方向に対して垂直方向になるように処置を行うことができる。針挿入方向は、カートリッジ又は装置の真空効果をより効果的にしながら、処置の成功の可能性を向上させることができる。
【0195】
幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は、関節処置の異なるサブセグメントを対象としている。幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は股関節処置用である。幾つかの実施形態では、カートリッジの下面全体に水平方向の湾曲がある。これにより、脚の装置の安定性が向上し、より効果的な真空効果が得られる。他の実施形態では、股関節処置用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0196】
幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は脊椎手術用である。幾つかの実施形態では、脊椎処置用のカートリッジは、装置の底部及び皮膚の表面に対して異なる角度で位置する2つのセクションに分割された下面を有する。下面のより遠位側の部分は、下面が遠位側に面するように角度が付けられ、カートリッジの下面のより近位側の部分も同様に前方に角度を付けることができるが、装置ハウジングの底部に対して鋭角ではない。これにより、脊椎の棘突起のより良い撮像が可能になり、針と医療機器の挿入角度が皮膚表面に対して垂直にかなり近くなり、より深く、これらの脊椎の棘突起の間に入ることができる。この実施形態では、カートリッジ及び装置の真空部分は、カートリッジの下面のより遠位側の面にある。他の実施形態では、脊椎処置用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0197】
幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は腹部穿刺用である。幾つかの実施形態では、腹部穿刺用のカートリッジは、水平軸で湾曲した底形状を有し、皮膚を隠すカートリッジの下面は、装置に面する上面よりも長さが短い。カートリッジの下面も僅かに前方に傾いている場合がある。この形状は、表面接触、撮像角度を改善し、他の利点の中でも特にユーザの使い易さを向上させることができる。他の実施形態では、腹部穿刺処置用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0198】
幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は、チューブ胸郭開口術、胸腔穿刺、傍心臓穿刺、又は他の胸部処置などの胸部処置を意図している。幾つかの実施形態では、胸部処置用のカートリッジは、装置の底部及び皮膚の表面に対して異なる角度で位置する2つのセクションに分割された下を有する。下面のより遠位側の部分は、下面が遠位側に面するように傾斜しており、カートリッジの下面のより近位側の部分も同様に前方に傾斜しているが、装置ハウジングの底部に対して鋭角ではない。これにより、肋骨のより良い撮像が可能になり、針と医療機器の挿入角度が皮膚表面に対してより急になり、肋骨の間を深くすることができる。この実施形態では、カートリッジ及び装置の真空部分は、カートリッジの下面のより遠位側の面にある。他の実施形態では、胸部処置用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0199】
幾つかの実施形態では、針カートリッジの形状は、四肢又は胸骨における骨間ライン配置、又は他の骨処置などの骨処置を意図している。幾つかの実施形態では、骨処置用のカートリッジは、装置の底部及び皮膚の表面に対して異なる角度で位置する2つのセクションに分割された下面を有する。下面のより遠位側の部分は、下面が遠位側に面するように傾斜しており、カートリッジの下面のより近位側の部分も同様に前方に傾斜しているが、装置ハウジングの底に対して鋭角ではない。この角度が存在する可能性があるため、ユーザは患者の体表面に対してより多くの力を装置に加えることができ、針又は挿入構成要素を皮膚及び骨の表面に対して垂直に向けることができる。他の実施形態では、骨処置用のカートリッジは、この処置の異なる態様を最適化するために異なる形状を有することができる。
【0200】
幾つかの実施形態では、カートリッジは1つ以上の疼痛軽減機構を含む。この機構は、処置の前に事前に冷却できるサーマル・マス、一定の又は断続的な振動機構、熱伝達領域、粗散漫面、気化液放射体、又はその他の疼痛軽減機構を含むことができる。カートリッジは、開示された疼痛軽減機構のうちの1つ又は任意の組み合わせを備えてもよい。
【0201】
幾つかの実施形態では、カートリッジは、その挿入装置の特定の意図された目的に従ってカートリッジ内の1つの容器又は複数の容器に予め装填される1つ以上の薬剤、流体、組織、細胞、血液、他の生物学的物質、又は他の材料を備え得る。幾つかの実施形態では、予め装填されたその物質は、リドカイン、ブピバカイン、エピネフリン、バソプレシン、ノルエピネフリン、抗生物質、他の薬剤、他の流体、他の混合物、及び他の物質を含むがこれらに限定されない1つ以上の薬剤であり得る。幾つかの実施形態では、カートリッジは、予め装填された生物学的流体、血液、抗体、組織、細胞、幹細胞、又は他の生物学的物質を備え得る。
【0202】
幾つかの実施形態では、カートリッジは、予め装填された流体又は物質保持容器と、針、カテーテル、医療機器のうちの1つ以上との間の流体管又は他の接続部を備え得る。
【0203】
幾つかの実施形態では、装置は、超音波プローブと患者の皮膚、組織、及び体液との間にバリアを与えながら、下面に手動で制御可能な真空領域を伴うカートリッジを標準的な超音波プローブに取り付けることができるように簡略化され得る。幾つかの実施形態では、真空領域は、カートリッジの下方から空気及び組織を引き込み、カートリッジ及びプローブを安定させる。幾つかの実施形態では、このカートリッジのプローブ取り付け部は、カートリッジの縦方向の長さに沿って移動可能である、或いは、軸は、カートリッジに対して水平方向から回転され得る、又は、プローブが多かれ少なかれ下にある組織に圧力を加えているように垂直に移動され得る、或いは、それらの動きの何らかの組み合わせに関する能力を有する。幾つかの実施形態では、装置は、超音波画像を表示するモバイル装置又はスクリーンのためのアタッチメントを更に備え、この場合、他の実施形態は、プローブが取り付けられるディスプレイを見ることをユーザに要求する。
【0204】
幾つかの実施形態では、装置は、1つ以上の制御器、電気接続部、コンピューティング能力、運動機能、又は注射機能を備えることができ、それにより、ユーザは、流体、血液、薬剤、細胞、他の生物学的流体、或いは針、カテーテル、又は他の医療機器のうちの1つを介して注入される他の物質の量を高い精度で制御することができる。幾つかの実施形態では、これらの流体、血液薬剤は、カートリッジに予め装填され或いはカートリッジの外面に、直接チューブを介して又は他のタイプの接続部を介して接続され得る。
【0205】
針ホルダ
幾つかの実施形態では、カートリッジ134は、図2A及び図2Bに示されるように、針ホルダ138を備える。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、患者に挿入される医療機器を保持する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138が注射器及び/又はカテーテルを保持する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、金属及び/又はポリマー材料から構成される長方形の区画室備える。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、近位端部127、遠位端部125、及び、それらの間のトラック(図2A及び図2Bには示されない)を有する内部を備える。幾つかの実施形態では、トラックは、針を案内するように構成される壁を有する。幾つかの実施形態では、トラックは、注射器を案内するように構成される壁を有する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、注射器を複数のアクチュエータ(図2A及び図2Bには示されない)に結合するように構成される針コネクタ(図2A及び図2Bには示されない)を備える。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、ばねアクチュエータが針の縦方向の動きを制御する。幾つかの実施形態では、角度アクチュエータが針ホルダ角を制御する。幾つかの実施形態では、挿入装置は、油圧式、空気圧式、電気式、又は機械的アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、油圧式アクチュエータが油圧動力を機械エネルギーに変換する。幾つかの実施形態では、空気圧式アクチュエータが圧縮ガスのエネルギーを動作に変換する。幾つかの実施形態では、電気式アクチュエータが電気エネルギーを機械的トルクに変換する。幾つかの実施形態では、機械的アクチュエータが回転動作を直線動作に変換する。幾つかの実施形態では、実装されたアクチュエータは、装置が注射前に針の位置を調整できるようにする。
【0206】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138が内部を備える。幾つかの実施形態では、内部は、近位端部、遠位端部、及びそれらの間のトラックを有する。幾つかの実施形態では、トラック134は、針168を案内するように構成される少なくとも1つのトラック壁を有する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタを備える。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがばねアクチュエータ及び角度アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、ばねアクチュエータが針の縦方向の動きを制御する。幾つかの実施形態では、角度アクチュエータが針ホルダ角を制御する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、ポートによって受けられるように構成されるポート・レバー又は収集チューブを備える。幾つかの実施形態では、ポート・レバーは、針ホルダが1つの選択された位置から別の選択された位置に移動されるにつれてカートリッジ円弧経路内で移動する。
【0207】
幾つかの実施形態では、針ホルダは、針ホルダ138の遠位端部に位置する針ホルダ開口160を備える。幾つかの実施形態では、針ホルダは、針ホルダ138の近位端部に位置するポートを備える。幾つかの実施形態では、針が針ホルダ開口160を通じて出る。
【0208】
幾つかの実施形態では、針ホルダ・トラック136は、図2Bの矢印によって示されるように、ユーザが針角度を調整するときに針ホルダが動くことができるようにする。幾つかの実施形態では、針ホルダ・トラック136は、挿入装置100の右側面又は左側面に沿って位置する。幾つかの実施形態では、針ホルダ・トラック136が湾曲した形状を有する。幾つかの実施形態では、針ホルダ・トラック136が一方向のみに均一に延びる。幾つかの実施形態では、針ホルダ・トラック136は、針ホルダ138を手動で移動させる及び/又は針ホルダ138の角度を変更するために使用されるノブ又はレバーを受けるように構成される。幾つかの実施形態では、チューブ120は、図2Bに示されるように、ポート115に挿入された時点でノブ又はレバーとして働く。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、針ホルダ・トラック136に沿って自動的に移動される。幾つかの実施形態では、針ホルダ138の角度は、針ホルダ・トラック136に沿って自動的に調整される。
【0209】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138がポート115を備える。幾つかの実施形態では、ポート115は、針挿入前に針ホルダ138の角度を手動で調整するためのレバーを備える。幾つかの実施形態では、ポート115は、収集チューブ内に真空シールをもたらすバキュテナー接続部を備える。幾つかの実施形態では、ポート115は、収集チューブとの流体接続部を備える。幾つかの実施形態では、ポート115がチューブ接続部を備える。幾つかの実施形態では、ポート115は、チューブ(例えば、バキュテナー・チューブ又は収集チューブ)又はチューブ体を受けるように構成される開口を備える。幾つかの実施形態では、ポートの開口は、チューブとポート115との間に気密シールをもたらすためのシール(例えば、ガスケット又はOリング)を備える。幾つかの実施形態では、シールは、合成ゴム又は熱可塑性樹脂から構成される。幾つかの実施形態では、シールがポート115の縁部に位置する。幾つかの実施形態では、シールがポート115の外縁に位置する。幾つかの実施形態では、ポート115は、挿入装置100の遠位端部に位置し、挿入装置100の背側に位置する。
【0210】
幾つかの実施形態では、ポート115は、チューブのため及び針ホルダ角の手動調整のための端末として使用される。幾つかの実施形態では、チューブは、針の挿入に続く血液の収集のためにポート115を通じて挿入装置100に挿入される。幾つかの実施形態では、チューブは、ラテックス・フリー、無菌、及びゴム製である。殆どの実施形態では、チューブの長さが18インチである。幾つかの実施形態では、チューブの長さが約26インチである。幾つかの実施形態では、チューブの長さが様々な長さを含む。幾つかの実施形態では、チューブの直径は、例えば、約7ミリメートル(mm)又は約9/32インチである。幾つかの実施形態では、チューブの直径が標準的なチューブの直径を含む。
【0211】
幾つかの実施形態では、針ホルダ138が角度方向に移動可能であり、ハウジング122内で移動する。幾つかの実施形態では、針ホルダ138は、図3Bに示されるように、針ホルダ角139で角度付けられる。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約0°~約80°の範囲である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が少なくとも約0度である。幾つかの実施形態では、針ホルダの角度139が最大で約80度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約0度~約5度、約0度~約10度、約0度~約15度、約0度~約20度、約0度~約25度、約0度~約30度、約0度~約35度、約0度~約40度、約0度~約45度、約0度~約50度、約0度~約55度、約0度~約60度、約0度~約65度、約0度~約70度、約0度~約75度、又は約0度~約80度である。
【0212】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約5度~約10度、約5度~約15度、約5度~約20度、約5度~約25度、約5度~約30度、約5度~約35度、約5度~約40度、約5度~約45度、約5度~約50度、約5度~約55度、約5度~約60度、約5度~約65度、約5度~約70度、約5度~約75度、又は約5度~約80度である。
【0213】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約10度~約15度、約10度~約20度、約10度~約25度、約10度~約30度、約10度~35度、約10度~約40度、約10度~約45度、約10度~約50度、約10度~約55度、約10度~約60度、約10度~約65度、約10度~約70度、約10度~約75度、又は約10度~約80度である。
【0214】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約15度~約20度、約15度~約25度、約15度~約30度、約15度~約35度、約15度~約40度、約15度~約45度、約15度~約50度、約15度~約55度、約15度~約60度、約15度~約65度、約15度~約70度、約15度~約75度、又は約15度~約80度である。
【0215】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約20度~約25度、約20度~約30度、約20度~約35度、約20度~約40度、約20度~約45度、約20度~約50度、約20度~約55度、約20度~約60度、約20度~約65度、約20度~約70度、約20度~約75度、又は約20度から約80度である。
【0216】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約25度~約30度、約25度~約35度、約25度~約40度、約25度~約45度、約25度~約50度、約25度~約55度、約25度~約60度、約25度~約65度、約25度~約70度、約25度~約75度、又は約25度~約80度である。
【0217】
幾つかの実施形態では、針ホルダの角度は、約30度~約35度、約30度~約40度、約30度~約45度、約30度~約50度、約30度~約55度、約30度~約60度、約30度~約65度、約30度~約70度、約30度~約75度、又は約30度~約80度である。
【0218】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約35度~約40度、約35度~約45度、約35度~約50度、約35度~約55度、約35度~約60度、約35度~約65度、約35度~約70度、約35度~約75度、又は約35度~約80度である。
【0219】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約40度~約45度、約40度~約50度、約40度~約55度、約40度~約60度、約40度~約65度、約40度~約70度、約40度~約75度、又は約40度~約80度である。
【0220】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約45度~約50度、約45度~約55度、約45度~約60度、約45度~約65度、約45度~70度、約45度~約75度、又は約45度~約80度である。
【0221】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約50度~約55度、約50度~約60度、約50度~約65度、約50度~約70度、約50度~約75度、又は約50度~約80度である。
【0222】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約55度~約60度、約55度~約65度、約55度~約70度、約55度~約75度、又は約55度~約80度である。
【0223】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139は、約60度~約65度、約60度~約70度、約60度~約75度、又は約60度~約80度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角は、約65度~約70度、約65度~約75度、又は約65度~約80度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角は、約70度~約75度、又は約70度~約80度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角は、約75度又は約75度~約80度である。
【0224】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約0度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角が約1度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約2度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約3度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約4度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約5度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約6度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約7度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約8度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約9度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約10度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約11度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約12度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約13度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約14度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約15度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約16度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約17度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約18度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約19度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約20度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約21度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約22度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約23度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約24度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約25度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約26度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約27度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約28度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約29度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約30度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約31度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約32度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約33度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約34度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約35度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約36度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約37度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約38度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約39度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約40度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約41度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約42度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約43度である。
【0225】
幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約44度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約45度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約46度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約47度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約48度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約49度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角が約50度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約51度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約52度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約53度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約54度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約55度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約56度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約57度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約58度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約59度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約60度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約61度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約62度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約63度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約64度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約65度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約66度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約67度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約68度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約69度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約70度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角が約71度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約72度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約73度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約74度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約75度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約76度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約77度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約78度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約79度である。幾つかの実施形態では、針ホルダ角139が約80度である。
【0226】
針駆動アセンブリ
適切な針挿入動作は、挿入速度及び設置されたカートリッジに対する針位置の制御を必要とし得る。幾つかの実施形態では、挿入装置は、針の挿入速度を制御するための針駆動アセンブリを備える。針駆動アセンブリは、ガイドワイヤの配置を可能にし得る。
【0227】
図15は、駆動機構311を介して針及び/又はカテーテルを標的位置に直線的に移動させることができる針駆動アセンブリ310を示す。幾つかの実施形態では、駆動機構311がリード・スクリュー/ナットの組み合わせを備える。他の実施形態では、駆動機構がラック・アンド・ピニオンを備える。他の実施形態では、駆動機構がベルト又はチェーン・ドライブを備える。幾つかの実施形態では、駆動機構がリニア・レールを備える。幾つかの実施形態では、駆動機構がロッドとブッシングの組み合わせを備える。幾つかの実施形態では、駆動機構がケーブル・ドライバを備える。他の実施形態では、機構がこれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリ310による挿入は、ステッピング・モータ及びリード・スクリュー312によって駆動される。他の実施形態では、針が電気リニア・アクチュエータによって駆動される。他の実施形態では、圧電リニア・モータを使用して挿入が制御される。他の実施形態では、アクチュエータがカム・システムに接続されたサーボモータである。他の実施形態では、針は、磁気駆動システムを使用して制御される。他の実施形態では、針駆動アセンブリがこれらの任意の組み合わせに基づく。
【0228】
幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリ310は、装置の挿入後及び除去前にカテーテルを針から安全に取り外すための解放機構313を備える。特定の実施形態では、解放機構は、装置の側面にあるレバー又は押しボタンによって機械的にトリガされる。他の実施形態では、解放機構は、ユーザがアクチュエータ314に係合することによって電気的にトリガされる。他の実施形態では、解放機構は、電気針/カテーテルストッパ315を介してトリガされる。他の実施形態では、解放機構は、ソフトウェア・アルゴリズムを介して自動的にトリガされる。
【0229】
幾つかの実施形態では、解放機構は、針に接続された予荷重ばねが解放されて針を挿入後に引き抜くことによってカテーテルを針から取り外す、ばね駆動のクイック・リリース316を備える。他の実施形態では、カテーテル解放機構はソレノイドを備える。他の実施形態では、カテーテル解放機構は、サーボモータに接続されたカムを備える。他の実施形態では、カテーテルがユーザによって手動で取り外される。他の実施形態では、カテーテル解放機構が空気圧式である。他の実施形態では、カテーテル解放機構がこれらの任意の組み合わせに基づく。
【0230】
挿入装置は、針が患者の奥深くまで又は安全限界を超えて挿入されるのを防止するために、針/カテーテルストッパを備えることができる。針/カテーテルストッパによって与えられる安全度は、ユーザによって手動で調整又は較正される或いは装置と超音波画像とによって自動的に規定される。安全度は、針及び/又はカテーテルによる挿入の深さに依存し得る。
【0231】
幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリは、針/カテーテルがその意図された動作範囲を超えて移動するのを防止するために機械的な針/カテーテルストッパ317を備える。他の実施形態では、針/カテーテルストッパが電気リミットスイッチ315を備える。他の実施形態では、針/カテーテルストッパが光学フラグを含む。他の実施形態では、針/カテーテルストッパ317が駆動機構311に動作可能に接続される。他の実施形態では、針/カテーテルストッパは、少なくともある程度の安全性を維持するためにユーザによって手動で設定される。幾つかの実施形態では、針/カテーテルストッパが製造業者によって設定される。他の実施形態では、針/カテーテルストッパは、挿入ユニットに設置されたカートリッジのタイプに応じて異なる。他の実施形態では、針/カテーテルストッパは、標的解剖学的構造の画像認識を通じて挿入装置によって自動的に設定される。他の実施形態では、針/カテーテルストッパがこれらの任意の組み合わせである。
【0232】
針駆動アセンブリは、ユーザが針挿入を開始及び/又は終了するための制御器を有することができる。幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリの制御により、いつでも挿入を中止することができる。針駆動アセンブリは自動化されなくてもよい。他の実施形態では、制御器は、いつでも針挿入の中止を許可しなくてもよい。針駆動アセンブリを自動化できる。
【0233】
幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリは、ユーザによる1対1の機械的制御を使用して直接に駆動される。幾つかの実施形態では、1対1の制御により、挿入中の針への直接的なフィードバックが可能になる。幾つかの実施形態では、制御機構は、ウインドウ又はビュー・ポートを通じて挿入中に針を視覚化できるようにする。他の実施形態では、1対1の制御により、視覚的ゲージが針の貫通深さを決定することができる。幾つかの実施形態では、1対1の機械的制御が調節可能な機械的針/カテーテルストッパを備える。幾つかの実施形態では、ユーザは、制御機構を手動で引き込むことによって針の挿入を止めなくてもよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、電気スイッチを使用して1対1の動作で挿入を制御する。電気スイッチを拡大又は縮小して、針の挿入速度を調整できる。幾つかの実施形態では、装置は、針を即座に引き込む中止制御機構を備える。
【0234】
挿入装置は、穿刺されている組織から針に作用する抗力を決定する力検出器を備えることができる。針に作用する力は、穿刺される組織の密度に応じて変化し得る。検出された力のこの変化は、針が入っている皮下組織層のタイプを決定するために使用することができ、針が血管の管腔に入る時期を特定するのに役立つことができる。
【0235】
幾つかの実施形態では、装置は、針がその所定の媒体を貫通するために必要な力を検出する方法を含む。幾つかの実施形態では、力が圧力変換器から決定される。他の実施形態では、力がモータ駆動電流から決定される。他の実施形態では、歪みゲージを使用して力が検出される。更に他の実施形態では、力がこれらの任意の組み合わせで計算される。
【0236】
針ステージ
幾つかの実施形態では、挿入装置は、針の挿入に備えて針ホルダを位置決めするための針ステージを備える。針ステージは、挿入に必要な自由度を得るために、特定の座標系の周りに一連のアクチュエータを備えることができる。座標系には、超音波からの位置フィードバックを使用して、針が静脈内挿入に必要な方向で皮膚を穿刺できるようにする、少なくとも2、3、4、又は5つの自由度が必要になる場合がある。針ステージは、逆運動方程式を使用して管腔内の針先の位置を維持しながら、針と静脈の中心軸の間の角度を減らすことができる。針ステージは更に、管腔内の中心位置を維持しながら、静脈の管腔の長さに沿って針を前進させることができる。
【0237】
エラー!参照元が見つからない。3は、針ステージ303と、針ホルダ及び/又はカートリッジの回転及び高さ調整に使用される構成要素を示す。幾つかの実施形態では、回転及び調整機構はデカルト座標系に基づく。他の実施形態では、機構が極座標系に基づく。幾つかの実施形態では、機構は、4棒リンケージ機構に基づく。幾つかの実施形態では、機構がジンバル・タイプの機構に基づく。他の実施形態では、機構がこれらの任意の組み合わせに基づく。
【0238】
幾つかの実施形態では、針ステージ303に動作可能に接続された針ホルダは、リニア・アクチュエータ300を使用して位置決めされる。他の実施形態では、針ホルダがステッピング・モータを使用して位置決めされる。幾つかの実施形態では、針ホルダは、リード・スクリューと組み合わせてステッピング・モータを使用して位置決めされる。他の実施形態では、針ホルダがサーボモータ306を使用して位置決めされる。他の実施形態では、針ホルダは、エンコーダを伴うDCモータを使用して位置決めされる。他の実施形態では、針ホルダは、圧電アクチュエータを使用して位置決めされる。他の実施形態では、針ホルダは、これらの任意の組み合わせに基づいて位置決めされる。
【0239】
幾つかの実施形態では、針ステージ303は、一連の平歯車、はすば歯車、又はウォーム歯車を使用してアクチュエータに結合される。他の実施形態では、針ステージ303の機構は、アクチュエータを針ホルダに結合するために使用される一連のベルトを備える。他の実施形態では、針ステージは、一連の平歯車、はすば歯車、又はウォーム歯車を使用してアクチュエータに結合される。他の実施形態では、針ステージは、モータ・カプラを使用してモータのシャフトに直接に結合される。他の実施形態では、針ステージは、一連のケーブルを使用してアクチュエータに結合される。他の実施形態では、アクチュエータは、これらの任意の組み合わせに基づいて針ホルダに結合される。
【0240】
幾つかの実施形態では、針ステージ303は、針ホルダがその意図された動作範囲を超えて移動するのを防止するための機械的ストッパ304を備える。幾つかの実施形態では、ストッパが電気リミットスイッチを備える。他の実施形態では、ストッパが光学フラグを備える。他の実施形態では、ストッパが駆動機構に動作可能に接続される。幾つかの実施形態では、ストッパがユーザによって手動で設定される。幾つかの実施形態では、ストッパが製造業者によって設定される。幾つかの実施形態では、装置に設置されたカートリッジのタイプに応じて、異なるストッパを使用することができる。他の実施形態では、ストッパがそれらの任意の組み合わせである。
【0241】
針ステージは、直動アクチュエータと回転アクチュエータ/関節の組み合わせによって駆動され得る。各組み合わせは、アクチュエータの出力と標的解剖学的位置とに基づいて、必要な挿入経路を正常に作成できる3自由度(DOF)システムを作成できる。アクチュエータの可能な組み合わせの例を表1に示す。単純な3DOFシステムのほかに、他の機械的機構は、4バー・リンケージ、代替デカルト・システム、ヘキサポッド・アクチュエータなどの更なる形式をとることができる。
【0242】
【表1】
【0243】
3DOFシステムは、3つの機械的な関節を備えることができる。幾つかの実施形態では、第1、第2、及び第3の関節は、それぞれ回転R1、直動P2、及び回転R3とすることができる(図17A)。別の実施形態では、第1、第2、及び第3の関節は、それぞれ直動P1、回転R2、及び直動P3とすることができる(図17B)。特定の実施形態では、第1、第2、及び第3の関節(R1、R2、及びR3)は、全て回転となり得る(図17C)。更に別の実施形態では、第1、第2、及び第3の関節は、直動P1、直動P2、回転R3(図17D)とすることができる。第1、第2、及び第3の関節は、それぞれ、回転R1、回転R2、及び直動P3とすることができる(図17E)。
【0244】
針挿入の前に、針ステージは、針ステージに対する針位置について較正され得る。較正プロセスは手動又は自動で行うことができる。自動較正は、カートリッジを挿入装置に取り付けた後、ステージ及びカートリッジのための最初のホーミング・ルーチンを伴い得る。較正は、装置の信頼性と安全性のために、各挿入の前に針先の位置を規定できる。
【0245】
図14は、針ステージと、装置の位置をホーミングするために含まれる機構の断面図を示す。幾つかの実施形態では、針ステージ・ホーミング機構302は、磁気ホール効果センサを使用して基準座標系に対するその位置を較正する。他の実施形態では、センサが光スイッチである。他の実施形態では、センサが機械的リミットスイッチである。幾つかの実施形態では、センサが光学スイッチと機械的リミットスイッチとの組み合わせとなり得る。幾つかの実施形態では、装置が工場で較正される。幾つかの実施形態では、装置が各挿入の前に較正ルーチンを実行する。
【0246】
幾つかの実施形態では、針ステージ303は、締結具309によって針駆動アセンブリに直接に結合する(図14)。他の実施形態では、針ステージ及び針駆動アセンブリが同じ本体上に構築される。幾つかの実施形態では、針駆動アセンブリの位置は、針先及びリミットスイッチを使用して挿入前に較正される。他の実施形態では、アセンブリの位置は、ホール効果センサを使用して較正される。幾つかの実施形態では、針先は、装置内部の超音波を使用して検出される。
【0247】
針ステージは、超音波プローブに対する及び対応する画像内の針及び/又は針ステージの位置を一致させるように較正され得る。針先と超音波平面との間のオフセットを定量化するために針ステージと超音波との間で較正を行うことができる。針を挿入する前に、装置上の物理的なポイントを参照してオフセットを規定できる。
【0248】
安全な針挿入を確保するために、針ステージは、挿入処置中又は挿入処置外のいずれかで、許容できないレベルの衝撃又は振動を検出するための1つ以上の誤挿入センサを備えてもよい。
【0249】
幾つかの実施形態では、装置は、特定の閾値を上回る又は下回る衝撃又は振動を検出するための誤挿入センサを備える。衝撃や振動が許容できないレベルに達した場合、誤挿入、つまり意図しない標的への挿入を避けるために、挿入処置を中止することができる。幾つかの実施形態では、誤挿入センサは、装置の性能に影響を与える可能性のある落下又は衝撃を継続的に検出することができる。
【0250】
真空接続部
幾つかの実施形態では、挿入装置が真空接続部を備える。幾つかの実施形態では、真空接続部がハウジング内に位置する。幾つかの実施形態では、真空接続部が真空コネクタを備える。幾つかの実施形態では、真空接続部が真空源を備える。幾つかの実施形態では、真空接続部がカートリッジに動作可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、真空コネクタがカートリッジに動作可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、真空接続部及び真空コネクタがカートリッジに動作可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、真空コネクタが真空源と真空連通している。幾つかの実施形態では、真空源は、針ホルダ開口を通じて空気を引き込むように構成される。幾つかの実施形態では、真空源は、カートリッジの下面を通じて空気を引き込むように構成される。
【0251】
幾つかの実施形態では、カートリッジ234が吸引領域210を備える。幾つかの実施形態では、吸引領域210はカートリッジのベース全体である。或いは、幾つかの実施形態では、吸引領域210の形状は、標的組織のカニューレ挿入が成功する可能性を高めるのに役立つ形状である。例えば、幾つかの実施形態では、吸引領域210は、下にある組織及び血管に対して止血帯のような作用を引き起こすことによって標的組織内の1つ以上の血管の管腔の一部を膨張させる、挿入装置の遠位端部上の吸引の直線形領域(例えば、カートリッジ)である。
【0252】
幾つかの実施形態では、吸引は、挿入装置自体内の真空源によってもたらされる。幾つかの実施形態では、真空源が真空モータである。幾つかの実施形態では、真空モータは、挿入装置とカートリッジの可撓性部分との間に真空をもたらし、それによって、カートリッジと患者の皮膚の表面との間に真空をもたらす。幾つかの実施形態では、吸引は、カートリッジの可撓性部分(すなわち、本明細書の他の箇所で説明される真空ボタン及び/又は真空バルブ)上の挿入装置の空気圧操作によってもたらされる。幾つかの実施形態では、吸引は、1つ以上の一方向吸引弁の空気圧操作によってもたらされ、それによって、カートリッジと患者の皮膚の表面との間に真空がもたらされる。
【0253】
幾つかの実施形態では、吸引は、複数の一方向弁及びバルブによるカートリッジ上の挿入装置の機械的操作によってもたらされる。幾つかの実施形態では、複数の一方向弁及びバルブは、カートリッジの下に真空作用が生じるように、カートリッジ・ベースの相互接続された可撓性部分に力を伝達する。幾つかの実施形態では、吸引は、ユーザによるカートリッジ上での機械的操作によって直接行われる。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の一方向弁に接続されたバルブを機械的に操作し、それによって患者の皮膚の表面に直接伝達される真空を作り出す。或いは、幾つかの実施形態では、真空がカートリッジの可撓性部分に伝達され、それによって、カートリッジと患者の皮膚の表面との間に真空がもたらされる。
【0254】
幾つかの実施形態では、吸引領域の形状は、挿入処置の過程で変更及び/又は調整され、それにより、処置の成功を最大化する(例えば、標的組織位置を標的にする)。幾つかの実施形態では、吸引の強度は、挿入処置の過程で変更及び/又は調整され、それにより、処置の成功を最大化する(例えば、標的組織位置を標的にする)。
【0255】
幾つかの実施形態では、吸引装置がカートリッジに接続される。幾つかの実施形態では、吸引装置は、挿入装置及びカートリッジに対して外部に位置する。幾つかの実施形態では、吸引装置は、医療処置(例えば、針の挿入)のための真空を作り出すために使用される。幾つかの実施形態では、吸引は、カートリッジ上の吸引装置の機械的操作によってもたらされる。例えば、幾つかの実施形態では、カートリッジは、吸引カップのような作用を生み出すために、引っ張られる剛性構成要素と一体化された可撓性構成要素を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジが吸引装置を備える。幾つかの実施形態では、カートリッジ内に吸引装置を位置させること(挿入装置のハウジング内に吸引装置を位置させるのとは対照的に)は、挿入装置の潜在的な汚染のリスク(例えば、皮膚の表面から挿入装置への血液の偶発的な吸引)を防止及び/又は改善する。更に、幾つかの実施形態では、挿入装置は、吸引装置を作動させる(例えば、真空ボタン及び/又は真空バルブを押し下げる)アクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、アクチュエータは、潜在的な汚染(例えば、血液汚染)からアクチュエータを保護するバリア(例えば、ケーシング)を備える。幾つかの実施形態では、アクチュエータによる吸引装置の自動作動は、吸引装置を作動させるときのユーザ・エラーのリスクを防止及び/又は低減する(例えば、皮膚の表面に血液が存在するときにユーザが吸引を無効にしない)。幾つかの実施形態では、アクチュエータによる吸引装置の自動作動は、ユーザ・エラーによって引き起こされる挿入装置の潜在的な汚染(例えば、血液汚染)のリスクを防止及び/又は低減する。
【0256】
電源
幾つかの実施形態では、真空支援挿入装置が電源を備える。幾つかの実施形態では、電源は、超音波プローブに給電するように構成される。幾つかの実施形態では、電源は、真空源に給電するように構成される。幾つかの実施形態では、電源は、挿入装置のディスプレイ及び/又は電子機器に給電するように構成される。
【0257】
幾つかの実施形態では、挿入装置が携帯型である。幾つかの実施形態では、携帯型挿入装置は、バッテリによって給電される。幾つかの実施形態では、電源がバッテリである。幾つかの実施形態では、バッテリが再充電可能なバッテリである。幾つかの実施形態では、バッテリが取り外し可能なバッテリである。幾つかの実施形態では、バッテリが内蔵バッテリである。幾つかの実施形態では、バッテリが取り外し不可能なバッテリである。バッテリの非限定的な例としては、ニッケル・カドミウム(NiCd)バッテリ、ニッケル水素(NiMH)バッテリ、ニッケル亜鉛(NiZn)バッテリ、鉛酸バッテリ、リチウム・イオンバッテリ(Li-ion)、又はリチウム・イオン・ポリマー(Li-ion Polymer)バッテリが挙げられる。幾つかの実施形態では、電源がコンデンサを備える。幾つかの実施形態では、電源がケーブルによって挿入装置に接続される。幾つかの実施形態では、電源がパワー・サプライを備える。幾つかの実施形態では、パワー・サプライは、電源から受け取った電力を調整及び調整する。幾つかの実施形態では、パワー・サプライは、挿入装置に電気を供給する。幾つかの実施形態では、パワー・サプライは、挿入装置に電圧を出力する。幾つかの実施形態では、パワー・サプライが出力電圧を調整する。
【0258】
針の種類
幾つかの実施形態では、挿入装置によって導入される医療機器が針である。幾つかの実施形態では、針が導入針、生検針、又は針トラカールである。幾つかの実施形態では、針は、カテーテル及び/又はガイドワイヤを備える。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル(PICC)である。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される装置及びシステムは、末梢挿入型中心カテーテルの挿入を容易にする。幾つかの実施形態では、カテーテルが経皮留置中心カテーテルである。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される装置及びシステムは、経皮留置中心カテーテルの挿入を容易にする。幾つかの実施形態では、カテーテルは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、尿道カテーテル、動脈カテーテル、静脈カテーテル、トンネル型カテーテル、ポート・カテーテル、又は非トンネル型中心カテーテルである。幾つかの実施形態では、針は、翼のあるスチール針又は蝶針である。幾つかの実施形態では、針が注射器を備える。幾つかの実施形態では、針が使い捨ての皮下注射針である。幾つかの実施形態では、針が収集チューブと流体接続している。幾つかの実施形態では、収集チューブが真空管である。幾つかの実施形態では、収集チューブが血液収集チューブである。幾つかの実施形態では、収集チューブがバキュテナー血液収集チューブである。幾つかの実施形態では、針は、流体注入ラインと流体連通している。幾つかの実施形態では、針は、6ゲージ針、8ゲージ針、13ゲージ針、15ゲージ針、17ゲージ針、18ゲージ針、19ゲージ針、20ゲージ針、21ゲージ針、22ゲージ針、23ゲージ針、24ゲージ針、25ゲージ針、26ゲージ針、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、又は32ゲージ針である。幾つかの実施形態では、針は、長さが約1~約10インチの範囲の針である。幾つかの実施形態では、針は、オブチュレータ又はイントロデューサとしても知られるスタイレットを含み、これは細いワイヤ、細いプローブ、又は針のベベルに適合するように取り付けられた金属ハブを有する中実の棒である。
【0259】
針挿入方法
特定の実施形態では、本明細書には、挿入装置を使用して針を必要とする個体の標的組織に針を導入するための方法が開示される。幾つかの実施形態では、挿入装置は、1つ以上の撮像モダリティを生成及び/又は送信するように構成され、ユーザによって遠隔操作される医療機器を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、1つ以上の撮像モダリティを生成及び/又は送信するように構成され、ユーザによって遠隔操作されない医療機器を備える。
【0260】
幾つかの実施形態では、ユーザは、実施される医療処置に適用可能なカートリッジ(例えば、図5に示されるカートリッジのうちの1つ)を選択する。幾つかの実施形態では、最初に、この方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザは、カートリッジ134をカートリッジ・レシーバ118に機械的に固定する。幾つかの実施形態では、ユーザは、スナップオン機構を使用して、カートリッジ134をカートリッジ・レシーバ118に取り付ける。幾つかの実施形態では、方法は、可逆取り付け機構を使用してカートリッジ・レシーバ118に対するカートリッジ134の一時的な取り付けを可能にすることを含む。幾つかの実施形態では、方法は、プロング取り付けシステムを使用してカートリッジ134をカートリッジ・レシーバ118に固定することを含む。幾つかの実施形態では、方法は、1つ以上の化学物質を使用することによって、カートリッジ134をカートリッジ・レシーバ118に固定することを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の化学的手段は、接着を可能にする1つ以上の化学物質(例えば、接着剤)を含む。幾つかの実施形態では、方法は、1つ以上の磁石を使用することによって、カートリッジ134をカートリッジ・レシーバ118に固定することを含む。
【0261】
次に、幾つかの実施形態では、方法は、個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることによって、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザが超音波プローブを使用して組織を標的にする。幾つかの実施形態では、ユーザが赤外線センサを作動させて組織を標的にする。幾つかの実施形態では、ユーザは、個体の皮膚をカートリッジの下面に接触させることによって、超音波及び/又は赤外線画像を取得する。幾つかの実施形態では、ユーザが標的組織を遠隔で撮像する。
【0262】
次に、幾つかの実施形態では、方法は、表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザは、表示スクリーン上の指標マーキング128を介して針挿入ポイントを特定する。幾つかの実施形態では、ユーザは、真空源を作動させて、患者の皮膚の表面で標的組織挿入領域の周囲に負圧を生成する。幾つかの実施形態では、真空源が吸引領域内に張力を与える。幾つかの実施形態では、真空吸引ポンプ・モータを作動させて吸引をもたらす。幾つかの実施形態では、ユーザは、物理的なボタンの押下又は挿入装置上のスイッチの作動を介して真空源を作動させる。幾つかの実施形態では、患者の皮膚の表面に加えられる負圧の大きさは、挿入装置によって自動的に調節される。例えば、幾つかの実施形態では、挿入装置は、表示スクリーンに加えられた負圧を出力する。幾つかの実施形態では、挿入装置のコンピュータ装置は、フィードバック・ループ・システムを使用して、真空源を自動的に調整、作動、及び/又は非作動にする。幾つかの実施形態では、真空吸引ポンプ・モータは、個体の皮膚に対して引張力を及ぼす。幾つかの実施形態では、真空源は、医療従事者によって(例えば、患者の皮膚をピンと張った状態に保つことによって、及び/又は針の挿入前に止血帯を使用することによって)典型的且つ機械的に誘発される物理的張力を再現する。
【0263】
次に、幾つかの実施形態では、方法は、針ホルダ角を調整し、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に動かし、それによって針挿入ポイントで標的組織内に針を導入することを含む。幾つかの実施形態では、針ホルダ角を調整すること及び針を縦方向に動かすことは、手動で作動される。幾つかの実施形態では、針ホルダ角を調整すること及び針を縦方向に動かすことは、遠隔操作で行われる。幾つかの実施形態では、針ホルダ角を調整すること及び針を縦方向に動かすことは、コンピュータ装置によって自動的に作動される。幾つかの実施形態では、方法は、針を使用して治療薬を投与することを含む。幾つかの実施形態では、方法は、針を使用して生検サンプルを収集することを含む。幾つかの実施形態では、方法は、ガイドワイヤを標的組織に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、方法は、標的組織からガイドワイヤを引き込むことを含む。幾つかの実施形態では、方法は、カテーテルを標的組織に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、方法は、標的組織からカテーテルを引き込むことを含む。
【0264】
幾つかの実施形態では、ユーザは、針の縦方向の位置を調整するためにユーザ・インタフェースを実装する。幾つかの実施形態では、ユーザは、角度アクチュエータを介して針ホルダ角を調整するためにユーザ・インタフェースを実装する。幾つかの実施形態では、挿入装置のユーザ・インタフェース(例えば、表示スクリーン、歯車、又は位置決めダイヤル)を使用して、針の縦方向の位置及び/又は針ホルダ角を調整する。幾つかの実施形態では、ユーザは、最初に、ユーザ・インタフェースを介して縦方向の位置を調整する。幾つかの実施形態では、ユーザは、針の角度を調整することによって進める。幾つかの実施形態では、ユーザは、選択された挿入ポイントで標的組織内に針を導入する。幾つかの実施形態では、ユーザは、針挿入ボタンを介して、選択された組織に針を挿入する。幾つかの実施形態では、ユーザは、表示スクリーンを介してデジタル選択方法を使用して、針の位置、角度、及び/又は位置を調整する。幾つかの実施形態では、針は、真空支援挿入システムを介して標的組織内に誘導及び/又は挿入される。例えば、幾つかの実施形態では、ユーザは、挿入装置とカートリッジとの間に真空を生成するために真空源をオンにし、それによってカートリッジと患者の皮膚との間に真空を生成する。幾つかの実施形態では、吸引は、挿入装置及びカートリッジの機械的操作によって生成される。例えば、幾つかの実施形態では、カートリッジは、患者から引き離されるときに吸引カップのような作用を生み出す、より剛性の要素と一体化された柔軟な特徴を備える。
【0265】
方法は、針ステージに対する針ホルダの位置を調整することを更に含むことができる。針ステージは、挿入に必要な自由度を得るために、特定の座標系の周りに一連のアクチュエータを備えることができる。座標系は、超音波からの位置フィードバックを使用して、針が静脈内挿入に必要な方向で皮膚を穿刺できるようにするために、少なくとも2、3、4、又は5つの自由度を必要とし得る。針ステージは、逆運動方程式を使用して管腔内の針先の位置を維持しながら、針と静脈の中心軸との間の角度を減らすことができる。針ステージは、更に、管腔内の中心位置を維持しながら、静脈の管腔の長さに沿って針を前進させることができる。
【0266】
幾つかの実施形態では、針に加えられる力によって、挿入中に針先がその中心軸から偏向する可能性がある。縦方向の超音波走査により、針のたわみを視覚的に認識し、自動又は手動で挿入経路をリアルタイムで調整できる。
【0267】
幾つかの実施形態では、針挿入システムは、縦方向及び横方向の超音波走査の組み合わせを使用して、針先の現在の位置及びたわみをリアルタイムで視覚的に解釈することができる。幾つかの実施形態では、解釈は、挿入位置の誤差を補償するために使用される。幾つかの実施形態では、解釈は、操作者のための視覚的指標として使用され、操作者が針を調整できるようにする。他の実施形態では、解釈がこれらの任意の組み合わせで使用される。
【0268】
幾つかの実施形態では、撮像ステージを使用して、ハウジングに対する超音波プローブ及び赤外線センサの位置を操作することができる。挿入中、針先が血管内腔に入ると、ユーザは撮像ステージを調整して超音波プローブと赤外線センサを動かし、第2の標的の位置を特定することができる。第2の標的は、血管の管腔の長さに沿った前進セクションであってもよい。針ステージは、管腔内の中心位置を維持しながら、針が前進セクションに移動できるように調整できる。針は血管と同軸に回動でき、その後カテーテルを解放できる。回動プロセス中に血管の外壁を引き裂くリスクを最小限に抑えるために、挿入システムは、血管壁と針の交点又はその付近に仮想回動点を作成することができる。別の実施形態では、針は針先を中心に回動することができる。幾つかの実施形態では、装置は、超音波画像を解釈して、挿入プロセス中に外膜を引き裂くリスクを最小限に抑えるために、静脈壁(外膜)と針本体との交点又はその付近に仮想回動点を作成することができる。
【0269】
本明細書には、幾つかの実施形態では、挿入装置を使用して静脈血を採取する方法が開示される。幾つかの実施形態では、方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定することを含む。幾つかの実施形態では、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップは、スナップオン機構を含む。幾つかの実施形態では、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップは、可逆的な取り付け機構を含む。幾つかの実施形態では、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップは、プロング取り付け機構を含む。幾つかの実施形態では、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定するステップは、化学接着を含む。
【0270】
次に、幾つかの実施形態では、方法は、真空収集チューブをカートリッジ・レシーバに固定することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザは、ポートを通じて収集チューブを挿入装置に通す。幾つかの実施形態では、チューブは、予め針に取り付けられており、ユーザによる更なる挿入ステップを必要としない。次に、幾つかの実施形態では、方法は、個体の皮膚をカートリッジの下面に接触させることにより、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して血管を撮像することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザは、表示スクリーンに表示される超音波及び/又は赤外線画像によって誘導される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンに表示される超音波及び/又は赤外線画像がリアルタイムで表示される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンに表示される画像は、標的組織の位置及び/又は針の位置をリアルタイムで示す指標ライン及び/又は指標マーキングを含む。次に、幾つかの実施形態では、方法は、表示スクリーン上で針挿入ポイントを特定することを含む。幾つかの実施形態では、ユーザは、指標ライン及び/又は表示スクリーン上の指標マーキングを介して針挿入ポイントを特定する。幾つかの実施形態では、ユーザは、真空源を作動させて、カートリッジ入口を通じて空気を引き込む。幾つかの実施形態では、真空源は、吸引領域内に張力を与える。幾つかの実施形態では、真空モータがユーザによって作動される。幾つかの実施形態では、ユーザは、物理的なボタンを押すことによって及び/又は挿入装置のインタフェース上のスイッチを作動させることによって、真空モータを作動させる。幾つかの実施形態では、真空源は、挿入装置のコンピュータ装置によって自動的に作動される。
【0271】
次に、幾つかの実施形態では、方法は、注射器ホルダ角を調整し、カートリッジ入口を通じて針を縦方向に動かし、それによって針挿入ポイントで血管内に針を導入することを含む。次に、幾つかの実施形態では、方法は、静脈血を個体から真空収集チューブに収集することを含む。
【0272】
本明細書には、幾つかの実施形態では、挿入装置を使用して、針を必要とする個体の標的組織にカテーテルを導入する方法が記載される。まず最初に、幾つかの実施形態では、方法は、カートリッジをカートリッジ・レシーバに固定することを含む。次に、幾つかの実施形態では、方法は、個体の皮膚の表面をカートリッジの下面と接触させることによって、超音波プローブ及び赤外線センサを使用して標的組織を撮像することを含む。次に、幾つかの実施形態では、方法は、表示スクリーン上でカテーテル挿入ポイントを特定することを含む。次に、幾つかの実施形態では、方法は、注射器ホルダ角を調整し、カートリッジ入口を通じてカテーテルを縦方向に動かし、それによってカテーテル挿入ポイントで標的組織内にカテーテルを導入することを含む。
【0273】
針挿入アルゴリズム
針挿入システムを使用して、挿入プロセス中に必要な針挿入経路を決定することができる。指定された挿入経路に従って、針及びカテーテルを標的血管の管腔内に配置することができる。挿入経路は、挿入装置用に開発されたアルゴリズムによって駆動することができる。
【0274】
幾つかの実施形態では、挿入システムの針挿入アルゴリズムは、3D空間において6+自由度(DOF)システムとして一般化することができる。
【0275】
挿入システムは、次のように定義される設計された針先経路の下で動作することができる。
【0276】
【数1】
【0277】
ここで、
【0278】
【数2】
【0279】
は針先位置である。
【0280】
【数3】
【0281】
は、針に沿って同軸に向くベクトル方向である。
【0282】
【数4】
【0283】
及び
【0284】
【数5】
【0285】
はいずれも
【0286】
【数6】
【0287】
としてパラメータ化される。
【0288】
【数7】
【0289】
は、所与のステップにおける経路の%として定義される。
【0290】
必要な針経路は、ユーザによって挿入システムに入力することができ、入力は、挿入システムによって変換され、次のように定義されるアクチュエータ空間に中継され得る。
U=(A,B,C,D,...)
【0291】
所与のアクチュエータ空間内で、ユーザ入力により、リバース・キネマティクスを通じて関節の位置/速度を設定できる。挿入システムの動作原理は、次のような剛体の仮定にすることができる。
【0292】
【数8】
【0293】
針挿入アルゴリズムは、ドッキング位置から始まる針経路の詳細なステップを提供できる。図18は、ドッキング位置にある針を示す。A及びBは、針を駆動できるアクチュエータである。詳細なステップには、プロセスに関連する数式や構造を含めることができる。本明細書で開示される数式は、アクチュエータへの必要な入力に応じて適合させることができる。
【0294】
幾つかの実施形態では、針のドッキング位置は、以下のように定義することができる。
T(X ,Y ,θ )=針先ドッキング位置
T(X ,Y ,θ )=針先ドッキング位置
【0295】
超音波平面は、V(X,Y,Z)を中心とすることができる。ここで、Y=血管深度である。原点は、超音波プローブ・ヘッドで定義することができる。2D問題の場合、Zは0に等しくなることができる。
【0296】
段階1:水平針先の位置決め
段階1では、針先位置をx軸に沿って調整することができる。幾つかの実施形態では、針先は、それが挿入角度まで回転するときに針本体が標的血管位置Vと整列するように配置される。
【0297】
針先は、エラー!参照元が見つからない。で示されるように、所定の変位Xだけx軸に沿ってアクチュエータBによって調整され得る。図19Bは、水平針先調整のための針の動きを示す。Xの必要な位置は、次の式と挿入角度とによって定義できる。
【0298】
【数9】
ここで、V は、超音波プローブ・ヘッドから標的血管までの垂直距離であり、Y は、針先から超音波プローブ・ヘッドまでの垂直距離であり、X は、X軸に沿った針先の開始位置である。
【0299】
挿入角度は、ユーザによって設定された又は挿入装置によって定義された挿入パラメータによって決定することができる。アクチュエータBの必要な移動距離は、次の式でXとして定義できる。
【0300】
【数10】
【0301】
段階2:針先を中心とする挿入角度への針の回転
段階2では、針を針先を中心に回転させて、ユーザ又は挿入システムによって規定された挿入角度θ に達することができる。
【0302】
針先位置θ,X,Yの関数として以下の方程式が与えられると、各アクチュエータは針を回転させるためにアクチュエータ空間U(A、B、C)で調整され得る(図19C)。
C(θ,X,Y)=θ
B(θ,X,Y)=B +L sinθ-L cosθ
A(θ,X,Y)=A +L cosθ-L sinθ
ここで、B は段階2中のBアクチュエータの開始位置であり、A は、段階2中のAアクチュエータの開始点であり、L は、アクチュエータCのアームの長さ(針の中心線からCにおける回転中心まで)であり、L は、針の長さである。
【0303】
段階3:静脈への針の挿入
段階3では、パラメータSによって規定される挿入距離だけ針を挿入することができる。針先は、位置0で開始し、針先が標的血管内にあるとき位置Sで終了することができる(図19D)。
【0304】
Sの値は、次のように定義することができる。
【0305】
【数11】
ここで、V は、超音波プローブ・ヘッドから標的血管までの垂直距離である。Y は、針先から超音波プローブ・ヘッドまでの垂直距離である。X は、超音波プローブ・ヘッドからの針先の水平位置である。V は、超音波プローブ・ヘッドからの血管の水平位置である。
【0306】
Sが与えられると、アクチュエータA及びBのアクチュエータ空間方程式は、以下のように定義することができる。
B(θ,X,Y)=S*cosθ+X
C(θ,X,Y)=-S*sinθ+Y
【0307】
針の挿入が0→Sから進むにつれて、アクチュエータCはθ に留まることができる。
【0308】
段階4:針を挿入角度から下げる
段階4では、針を針先により回転させて、針の挿入角度を所定の角度(θ )まで下げて管腔内に前進させることができる。θ への回転の式は、段階2と同じにすることができる。
【0309】
段階4の場合、角度θ の値は、患者の解剖学的構造に依存する可能性がある。θ =0を達成することは不可能かもしれない。むしろ、θ はθ >0かもしれない。
C=θ <θ &&θ >0
B(θ,X,Y)=B +L sinθ-L cosθ+X
A(θ,X,Y)=A +L cosθ-L sinθ+Y
=-ΔY
【0310】
針が受ける可能性のある現象の1つは、フェンスポスト効果である。弾性媒体(人間の組織)内で針先を中心に針を回転させようとすると、針は針先と針の基部との間のどこかで曲げモーメントを受ける可能性がある。曲げモーメントにより針本体がたわみ、針先が血管の中心からずれることがある。フェンスポスト効果の解決策には、Y軸に沿った針先位置のドリフトを考慮してY_fを調整することが含まれる。X_fとして定義されたフェンスポスト効果により、X軸にも調整が必要になる場合がある。
【0311】
又はX は、オペレータによって手動で適用される又は超音波を使用して針先を検出することによって自動的に適用される。
【0312】
段階5:針を管腔内へ進める
段階5では、針は血管の管腔に沿って前進される。針は、V として規定される血管の中心線に沿って前進され得る(図19E)。V は、装置が配置されるときに超音波のスイープを使用して計算され得る又は針の前進中にユーザによりリアルタイムで計算され得る。
【0313】
針挿入システム
特定の実施形態では、本明細書には、針を必要とする個体の標的組織に針を挿入するための挿入システムが開示される。幾つかの実施形態では、本開示は、針を必要とする個体の標的組織への針の挿入及び/又は針の配置のためのシステムを提供する。幾つかの実施形態では、システムは、本明細書に開示される針の挿入及び/又は配置のための装置のいずれかを備える。
【0314】
幾つかの実施形態では、挿入システムが挿入装置を備える。幾つかの実施形態では、挿入システムは、本明細書に開示される挿入装置及び/又は関連部品の実施形態のいずれかを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置がハウジングを備える。幾つかの実施形態では、ハウジングは、超音波を放出して受けるように構成される超音波振動子を備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、複数の第1のコネクタを備えるカートリッジ・レシーバを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、上面、下面、近位端部、及び遠位端部を有するカートリッジを備える。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジ・レシーバに結合されるように構成される。幾つかの実施形態では、カートリッジは、カートリッジの上面に位置した複数の第2のコネクタを備える。幾つかの実施形態では、複数の第2のコネクタは、カートリッジ・レシーバの複数の第1のコネクタと電気接続を形成するように構成される。
【0315】
幾つかの実施形態では、挿入装置は、超音波が通過できるように構成される平坦な表面及び厚さを有するプレートを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は注射器ホルダを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダは、近位端部及び遠位端部とそれらの間のトラックを有する内部を備える。幾つかの実施形態では、トラックは、針を案内するように構成されるトラック壁を有する。幾つかの実施形態では、針ホルダは、針を複数のアクチュエータに結合するように構成される針コネクタを備える。幾つかの実施形態では、針ホルダは、針ホルダの遠位端部に位置する針ホルダ開口を備える。幾つかの実施形態では、針ホルダは、針ホルダの近位端部に位置するポートを備える。幾つかの実施形態では、針は、針ホルダ開口を通じて出る。
【0316】
幾つかの実施形態では、挿入装置は、赤外線を放出して受けるように構成される赤外線センサを備える。幾つかの実施形態では、挿入装置は、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合される表示スクリーンを備える。
【0317】
表示スクリーン
幾つかの実施形態では、挿入装置が表示スクリーンを備える。或いは、他の実施形態では、挿入装置が表示スクリーンを備えない。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、標的組織位置、針、及び針挿入ポイントの超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される。幾つかの実施形態では、撮像装置は、超音波振動子及び赤外線センサに動作可能に結合される表示スクリーンを備える。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、標的組織の超音波画像及び赤外線画像を表示するように構成される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが超音波振動子に動作可能に結合される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、針を必要とする個体の標的組織位置の超音波画像を表示するように構成される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが針を表示するように構成される。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが針挿入ポイントを表示するように構成される。
【0318】
幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、針を必要とする個体の標的組織位置の超音波画像をリアルタイムで表示する。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは針をリアルタイムで表示する。幾つかの実施形態では、表示スクリーンは針挿入ポイントをリアルタイムで表示する。幾つかの実施形態では、システムは、コンピュータ装置に動作可能に結合されるユーザ・インタフェースを備える。幾つかの実施形態では、表示スクリーンがユーザ・インタフェースである。幾つかの実施形態では、ユーザ・インタフェースは、真空支援挿入システムの様々な機能を制御するためのタッチスクリーン及び/又は複数のボタンを備える。
【0319】
幾つかの実施形態では、表示スクリーンが針挿入中の仮想針先を表示する。針先が血管の管腔に入ると、針を血管と同軸に回動させることができる。その後、カテーテルを針から解放することができる。回動プロセス中に血管の外壁を引き裂く危険性を最小限に抑えるために、挿入システムは、血管壁と針の交点又はその付近に仮想回動点を与えることができる。別の実施形態では、針が針先を中心に回動することができる。
【0320】
幾つかの実施形態では、表示スクリーンは、コンピュータ・スクリーン、モバイル装置スクリーン、又は携帯装置スクリーンである。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが陰極線管(CRT)である。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが液晶ディスプレイ(LCD)である。更なる実施形態では、表示スクリーンが薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)である。幾つかの実施形態では、表示スクリーンが有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。様々な更なる実施形態では、OLEDディスプレイは、パッシブマトリックスOLED(PMOLED)又はアクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイである。幾つかの実施形態では、表示スクリーンがプラズマ・ディスプレイである。他の実施形態では、表示スクリーンがビデオ・プロジェクタである。更に別の実施形態では、表示スクリーンが本明細書に開示されているような装置の組み合わせである。
【0321】
コンピュータ装置
幾つかの実施形態では、挿入システムがコンピュータ装置を備える。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、超音波振動子に動作可能に結合されるプロセッサを備える。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、赤外線センサに動作可能に結合されるプロセッサを備える。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、表示スクリーンに動作可能に結合されるプロセッサを備える。幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、複数のアクチュエータに動作可能に結合されるプロセッサを備える。
【0322】
幾つかの実施形態では、コンピュータ装置は、プロセッサによって実行可能な命令を含むコンピュータ・プログラムを伴う非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。幾つかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体がメモリである。幾つかの実施形態では、コンピュータ・プログラムは、プロセッサに、a)超音波振動子から放出される超音波を超音波画像に変換させて、該超音波画像を表示スクリーンに表示させ、b)赤外線センサから放出される赤外線を赤外線画像に変換させて、該赤外線画像を表示スクリーンに表示させ、c)標的組織の位置を特定させ、d)標的組織への針挿入ポイントを計算させ、e)針が標的組織に挿入された時点で針先の位置を追跡させる。
【0323】
幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令は、プロセッサに標的組織の位置を特定させる。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令により、プロセッサは標的組織への針挿入ポイントを計算する。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令により、針が標的組織に挿入されると、プロセッサは針先の位置を追跡する。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令により、プロセッサは、針が標的組織内の中心に位置するように針の位置を自動的に調整する。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令により、プロセッサは、電源の充電が少ないとき及び/又は充電されていないときを検出する。幾つかの実施形態では、プロセッサによって実行可能な命令により、プロセッサは、電源が再充電及び/又は交換されたときを検出する。
【0324】
コンピュータ制御システム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされるコンピュータ制御システムを提供する。図12は、例えば、超音波振動子から放出された超音波を超音波画像に変換し、超音波画像を表示スクリーンに表示し、標的組織の位置を特定し、標的組織への針の挿入ポイントを計算し、針が標的組織に挿入されたら、針先の位置を追跡し、及び/又は針が標的組織内の中心に来るように針の位置を自動的に調整するようにプログラムされる又は他の方法で構成されたコンピュータ・システム1201を示す。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム701は、例えば、標的組織への針挿入ポイントを計算するなど、本開示の針挿入方法、針配置方法、及びシステムの様々な態様を調整する。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、ユーザの電子装置、又は電子装置に対して離れた位置にあるコンピュータ・システムである。幾つかの実施形態では、電子装置がモバイル電子装置である。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、挿入装置内に位置する電子装置又はコンピュータ・システムである。
【0325】
幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、シングル・コア又はマルチ・コア・プロセッサ、又は並列処理のための複数のプロセッサである中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータ・プロセッサ」ともいう)1205を含む。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、メモリ又は記憶場所1210(例えば、ランダムアクセス・メモリ、リードオンリー・メモリ、フラッシュ・メモリ)、電子記憶ユニット1215(例えば、ハード・ディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インタフェース1220(例えば、ネットワーク・アダプタ)、及びキャッシュ、他のメモリ、データ・ストレージ、及び/又は電子ディスプレイ・アダプタなどの周辺装置1225も含む。幾つかの実施形態では、メモリ1210、記憶ユニット1215、インタフェース1220、及び周辺装置1225は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU1205と通信する。幾つかの実施形態では、ストレージ・ユニット1215は、データを記憶するためのデータ・ストレージ・ユニット(又はデータ・リポジトリ)である。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、通信インタフェース1220の助けを借りてコンピュータ・ネットワーク(「ネットワーク」)1230に動作可能に結合される。幾つかの実施形態では、ネットワーク1230は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、又はインターネットと通信するイントラネット及び/又はエクストラネットである。幾つかの実施形態では、ネットワーク1230は電気通信及び/又はデータ・ネットワークである。幾つかの実施形態では、ネットワーク1230は、クラウド・コンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にする1つ以上のコンピュータ・サーバを含む。幾つかの実施形態では、ネットワーク1230は、コンピュータ・システム1201の助けを借りて、コンピュータ・システム1201に結合された装置がクライアント又はサーバとして動作できるようにするピアツーピア・ネットワークを実装する。
【0326】
幾つかの実施形態では、CPU1205は、プログラム又はソフトウェアで具現化される一連の機械可読命令を実行する。幾つかの実施形態では、命令は、メモリ1210などのメモリ位置に記憶される。幾つかの実施形態では、命令は、CPU1205に向けられ、その後、本開示の方法を実施するようにCPU1205をプログラム又は他の方法で構成する。CPU1205によって実行される操作の非限定的な例には、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックが含まれる。
【0327】
幾つかの実施形態では、CPU1205は、集積回路などの回路の一部である。幾つかの実施形態では、システム1201の1つ以上の他の構成要素が回路に含まれる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0328】
幾つかの実施形態では、記憶ユニット1215は、ドライバ、ライブラリ、及び保存されたプログラムなどのファイルを記憶する。幾つかの実施形態では、記憶ユニット715は、ユーザ・データ、例えば、ユーザの好み及びユーザ・プログラムを記憶する。幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータ・システム1201と通信するリモート・サーバ上に位置するなど、コンピュータ・システム701の外部にある1つ以上の更なるデータ・ストレージ・ユニットを含む。
【0329】
幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、ネットワーク1230を介して1つ以上のリモート・コンピュータ・システムと通信する。例えば、幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、ユーザのリモート・コンピュータ・システム(例えば、パーソナル・コンピュータ)と通信する。リモート・コンピュータ・システムの非限定的な例としては、パーソナル・コンピュータ(ポータブルPCなど)、スレート又はタブレットPC(Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tabなど)、電話、スマート・フォン(Apple(登録商標)iPhone、Android対応装置、Blackberry(登録商標)など)、又は携帯情報端末が挙げられる。幾つかの実施形態では、ユーザは、ネットワーク1230を介してコンピュータ・システム1201にアクセスする。
【0330】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、メモリ1210又は電子記憶ユニット1215など、コンピュータ・システム1201の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータ・プロセッサ)実行可能コードによって実施される。幾つかの実施形態では、機械実行可能又は機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供される。幾つかの実施形態では、使用中に、コードはプロセッサ1205によって実行される。幾つかの実施形態では、コードは記憶ユニット1215から取り出され、プロセッサ1205による即時アクセスのためにメモリ1210に記憶される。幾つかの実施形態では、電子記憶ユニット1215が排除され、機械実行可能命令がメモリ1210に記憶される。
【0331】
幾つかの実施形態では、コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有するマシンで使用するためにプリコンパイル及び構成され、或いは、実行時にコンパイルされる。幾つかの実施形態では、コードは、コードがプリコンパイル又はアズコンパイル方式で実行できるように選択されたプログラミング言語で提供される。
【0332】
幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで具現化される。幾つかの実施形態では、技術の様々な態様は、典型的には機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はあるタイプの機械読み取り可能な媒体で運ばれるか具現化される関連データの形式の「プロダクト」又は「物品」と考えられる。幾つかの実施形態では、機械実行可能コードは、メモリ(例えば、リードオンリー・メモリ、ランダムアクセス・メモリ、フラッシュ・メモリ)又はハード・ディスクなどの電子記憶ユニットに記憶される。幾つかの実施形態では、「ストレージ」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形のメモリ、又は様々な半導体メモリ、テープ・ドライブ、ディスク・ドライブなどの関連モジュールのいずれか又は全てを含み、これらはいつでもソフトウェア・プログラミングのための非一時的な記憶を行う。幾つかの実施形態では、ソフトウェアの全て又は一部が、インターネット又は他の様々な電気通信ネットワークを介して通信されることがある。幾つかの実施形態では、そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータ又はプロセッサへ、例えば管理サーバ又はホスト・コンピュータからアプリケーション・サーバのコンピュータ・プラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にする。したがって、一部の実施形態では、ソフトウェア要素を担持する別のタイプの媒体には、ローカル装置間の物理インタフェース全体、有線及び光固定電話ネットワーク、及び様々なエアリンクで使用されるような、光、電気、及び電磁波が含まれる。幾つかの実施形態では、有線又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を運ぶ物理的要素も、ソフトウェアを運ぶ媒体と見なされる。本明細書で使用されるように、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータ又は機械の「読み取り可能な媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0333】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、幾つかの実施形態では、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとる。幾つかの実施形態では、不揮発性記憶媒体には、例えば、任意のコンピュータ(複数可)内の記憶装置のいずれかなど、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用されるような、光学ディスク又は磁気ディスクが含まれる。幾つかの実施形態では、揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータ・プラットフォームのメイン・メモリなどの動的メモリを含む。幾つかの実施形態では、有形の伝送媒体には、コンピュータ・システム内のバスを構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバが含まれる。幾つかの実施形態では、搬送波伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるもののような、電気又は電磁信号、又は音響又は光波の形態をとる。したがって、幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体の一般的な形式としては、例えば、フロッピー・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチ・カード、紙テープ、穴のパターンを持つその他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリ・チップ又はカートリッジ、データ又は命令を転送する搬送波、ケーブル、又はこのような搬送波を伝送するリンク、又はコンピュータがプログラミング・コード及び/又はデータを読み取る任意の他の媒体が挙げられる。幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体のこれらの形式の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを運ぶことに関与する。
【0334】
幾つかの実施形態では、コンピュータ・システム1201は、例えば、挿入装置の表示スクリーン1202を提供するためのユーザ・インタフェース(UI)1240を備える電子ディスプレイ1235を含む又はそれと通信している。UIの例には、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)及びWebベースのユーザ・インタフェースが含まれるが、これらに限定されない。
【0335】
幾つかの実施形態では、本開示の方法及びシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装される。幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、中央処理ユニット1205による実行時にソフトウェアによって実装される。幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、例えば、超音波画像に基づいて標的組織への針挿入ポイントを計算する。
【0336】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示して説明してきたが、そのような実施形態は単なる例として提供されているにすぎないことは当業者に明らかになろう。本発明は、明細書内で提供される特定の例によって限定されることを意図していない。前述の明細書に関連して本発明を説明してきたが、本明細書における実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図されていない。現在、当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を想起し得る。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成、又は相対的比率に限定されないことを理解すべきである。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替物が、本発明を実施する際に採用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替物、修正物、変形物、又は均等物も包含するものと考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造、並びにそれらの等価物がそれによってカバーされることが意図されている。
【実施例
【0337】
実施例1
挿入装置を使用した静脈採血
医療従事者は、本明細書に記載の挿入装置を使用して患者の静脈採血を行う。医療従事者は、末梢静脈部位及び瀉血カートリッジ174を挿入装置のカートリッジ・レシーバに挿入する。医療従事者は収集チューブをポートに挿入し、収集チューブが針と流体連通できるようにする。次に、医療従事者は、カートリッジの下面を患者の左腕に押し付ける。センサ領域を配置すると、超音波プローブと赤外線センサが患者の左腕の血管の画像を生成する。超音波画像と赤外線画像はオーバーレイ画像として示され、表示スクリーンに表示される。医療従事者は、患者の左腕の肘前窩の正中肘静脈を特定するまで、表示スクリーンに表示された画像に基づいて挿入装置の配置を調整する。表示スクリーンに表示される画像には、指標ラインと挿入指標マーキングも表示され、針の挿入ポイントを特定できる。医療従事者は、挿入装置の真空シール・ボタンを押すことによって真空モータを作動させる。真空モータの作動により、患者の左腕の針挿入領域において、挿入装置と患者の皮膚の表面との間に吸引がもたらされる。医療従事者は、挿入装置の歯車を使用して針の角度を調整する。医療従事者は、挿入装置の位置決めダイヤルを使用して、針の縦方向の位置を調整する。医療従事者は、挿入装置の針挿入ボタンを押すことによって、適切な挿入ポイントに針を挿入する。針が患者に挿入されると、挿入装置は表示スクリーンにリアルタイムで針の位置を表示する。医療従事者は、針が正中肘静脈に入るようにすると共に、静脈の管腔へのアクセス時に静脈血を収集チューブに収集し始めるようにする。十分な量の静脈血が採取されたら、医療従事者は針引き抜きボタンを押すことによって針を引き抜く。
【0338】
実施例2
挿入器具を用いた静脈注射
医療従事者は、本明細書に記載の挿入装置を使用して患者に注射を行う。医療従事者はカートリッジを挿入装置のカートリッジ・レシーバに挿入する。医療従事者は、カートリッジを患者の左腕に押し付ける。センサ領域を配置すると、超音波プローブと赤外線センサが患者の左腕の血管の画像を生成する。超音波画像と赤外線画像はオーバーレイ画像として示され、表示スクリーンに表示される。医療従事者は、患者の左腕の肘前窩の正中肘静脈を特定するまで、表示スクリーンに表示された画像に基づいて挿入装置の配置を調整する。表示スクリーンに表示される画像には、指標ラインと挿入指標マーキングも表示され、針の挿入ポイントを特定できる。医療従事者は、挿入装置の真空シール・ボタンを押すことによって真空モータを作動させる。真空モータの作動により、患者の左腕の針挿入領域において、挿入装置と患者の皮膚の表面との間に吸引がもたらされる。医療従事者は、針の角度と位置を調整する。医療従事者は、挿入装置の針挿入ボタンを押すことによって、適切な挿入ポイントに針を挿入する。針が患者に挿入されると、挿入装置は表示スクリーンにリアルタイムで針の位置を表示する。医療従事者は、針とカテーテルが正中肘静脈に確実に入るようにする。針とカテーテルが静脈に入ると、医療従事者は解放機構を作動させてカテーテルを挿入装置から取り外し、引き抜きボタンを押すことによって針を静脈から引き抜く。薬剤がカテーテルを通じて注入される。十分な量の薬剤が注入されると、医療従事者はカテーテルを引き抜く。或いは、医療従事者は注射器を針に接続し、カテーテルを使用せずに針から薬剤を注入する。
【0339】
実施例3
挿入装置を用いた腰椎穿刺
医療従事者は、本明細書に記載の挿入装置を使用して患者の生検を実施する。医療従事者はカートリッジを挿入装置のカートリッジ・レシーバに挿入する。医療従事者は収集チューブをポートに挿入し、収集チューブが針と流体連通できるようにする。次に、医療従事者は、カートリッジの下面を患者の脊柱に押し込む。センサ領域を配置すると、超音波プローブと赤外線センサが患者の脊柱の画像を生成する。超音波画像と赤外線画像はオーバーレイ画像として示され、表示スクリーンに表示される。医療従事者は、適切な挿入部位を特定するまで、表示スクリーンに表示された画像に基づいて挿入装置の配置を調整する。表示スクリーンに表示される画像には、指標ラインと挿入指標マーキングも表示され、針の挿入ポイントを特定できる。医療従事者は、挿入装置の真空シール・ボタンを押すことによって真空モータを作動させる。真空モータを作動させると、針挿入領域において挿入装置と患者の皮膚の表面との間に吸引がもたらされる。医療従事者は、挿入装置の歯車を使用して針の角度を調整する。医療従事者は、挿入装置の位置決めダイヤルを使用することによって、針の縦方向の位置を調整する。医療従事者は、挿入装置の針挿入ボタンを押すことによって、適切な挿入ポイントに針を挿入する。針が患者に挿入されると、挿入装置は表示スクリーンにリアルタイムで針の位置を表示する。医療従事者は、脊髄の空洞へのアクセス時に、針が脊髄に入り、脳脊髄液を収集チューブに収集し始めるようにする。十分な脳脊髄液が収集されると、医療従事者は針引き抜きボタンを押すことによって針を引き抜く。
【0340】
実施例4
挿入装置を用いた腹部穿刺
患者は仰臥位に置かれ、下肢はシートで覆われ、腕は好ましくは頭上に保持される。ユーザは、患者の腹部の左側に横向きの位置をとる。次に、前腋窩線に沿った側方位置で臍より僅かに下側の下腹部左側面の領域を、ベタジン、クロロヘキシジン、又は別の殺菌用流体を使用して広範囲に殺菌する。穿刺手順用の特定のカートリッジは、無菌状態で無菌パッケージから取り出され、ハウジングの下面に取り付けられる。取り付けられたカートリッジのタイプを認識するハウジングのセンサがオンボード・コンピュータに信号を送信し、コンピュータがこの情報を処理してから信号を送信して超音波プローブを制御し、画面を標準の初期位置に表示し、また、超音波プローブは装置内の水平位置をとり、この位置は、ハウジング内の最も近位の超音波プローブ位置から縦方向に設定された距離であり、表示されるプローブ深さは、穿刺手順に適した深さに自動的に調整される。カートリッジに接続された無菌スリーブは、ユーザと装置の全てのボタン、ハンドル、コントロール、及びディスプレイの間にスリーブが無菌バリアを作成するように、ユーザによって装置全体にわたって引っ張られる。次に、ユーザは装置の底部(カートリッジが取り付けられている)を患者の左下腹部に置く。このカートリッジの底の湾曲は、曲線が水平方向に向くように半円形になっている。次いで、ユーザは、腹部内の自由流体の最大領域を探しながら、腹部のこの領域の周りで装置を動かす。最大腹水の領域が特定されると、装置は、流体の最大領域が表示スクリーン上の中央の垂直線と一致するように方向付けられる。次に、装置の標的を絞った真空吸引がアクティブになり、カートリッジの底に真空吸引がもたらされ、カートリッジと装置が腹壁に効果的に取り付けられ、真空領域の下の軟組織が歪められる。腹部に取り付けたまま、ユーザはプローブの位置を制御するが、プローブはハウジング内で水平方向に保持され、ユーザは、プローブが初期位置よりも近位側に移動した後にプローブを初期位置に戻す前に遠位側に移動する状態で縦方向にスイープする。ユーザは、スイープの前に装置のドップラー効果を起動し得、針の経路にある可能性のある血管を特定し、必要に応じて装置を取り外して調整できるようにすることができる。ユーザは、小さい針を選択し、大きい針の計画された経路内の組織を標的にして、この領域にリドカインを注入することを選択できる。予想される針の経路が安全であると思われる場合、ユーザは、針の表示スクリーンに提示される針の目標位置を、腹腔の内壁のすぐ下の自由流体内の領域に調整する。標的が設定されると、ユーザが信号をオンボード・コンピュータに送信することで、針の前進がトリガされる。信号が計算され、コンピュータからの出力信号が装置のアクチュエータと針位置部分に送られ、針の角度、位置、及び前進が変更され、針先が選択された角度で目標位置まで進む。ユーザが針を更に進めることを決定した場合、ユーザはプローブの位置をより遠位側の位置に変更することができ、このプロセスを1回以上繰り返して、針先を腹水の中に更に進める。針先が満足のいく位置にあると、ユーザはチューブをカートリッジのサイド・ポートに接続でき、カートリッジは、装置の内側で流体チューブと針に取り付けられており、また、流体は、注射器、真空ボトル、壁吸引、又はその他の装置を使用して患者の腹部から流体を引き出すことができる。或いは、ユーザは、大きな針の最初の標的を、腹壁の内縁のすぐ上、その組織層から少し離れたところに選択し、大きな針のルーメン内で安全針を作動させて、これにより、腸又は他の腹腔内臓器のループに侵入する危険を冒すことなく、腹壁の内部側面を突き刺すことができる。薬物又は液体は、腔内の腹水に注入することができる。或いは、チューブをカートリッジの外部ポートに接続して、液体を排出することもできる。針先が満足のいく位置まで進められた後のユーザの別のオプションは、カテーテルを針の上に進めて腹腔内の液体と外側の腹壁に取り付けられたカテーテルの外側部分に入れることであり、ユーザは端部処置ボタンを押すことができ、装置を取り外すことができる。
【0341】
実施例5
挿入装置を用いた膝関節注射
患者は仰臥位に置かれ、膝は僅かに屈曲した位置にある。膝蓋骨のすぐ近くにある脚の前面の領域は、ベタジン、クロロヘキシジン、又は別の滅菌用液体を使用して広範囲に滅菌される。膝への注射用の特定のカートリッジは、無菌状態で無菌パッケージから取り出され、ハウジングの下面に取り付けられる。取り付けられているカートリッジのタイプを認識するハウジングのセンサが信号をオンボード・コンピュータに送信し、コンピュータはこの情報を処理し、信号を送信して超音波プローブを標準の初期位置に制御し、超音波プローブは、装置内の水平位置、すなわち、ハウジング内の最も近位の超音波プローブの位置から縦方向に設定された距離をとる。カートリッジに接続された無菌スリーブは、ユーザと装置の全てのボタン、ハンドル、コントロール、及びディスプレイの間にスリーブが無菌バリアを作成するように、ユーザによって装置全体に引っ張られる。ユーザは、装置の底部(カートリッジが取り付けられている)を膝蓋骨のすぐ近くの患者の脚に置く。このカートリッジの底部の湾曲は半円形で、曲線は脚の湾曲と同じ方向に向けられ、曲率は縦方向の面で変化し、超音波プローブは患者の大腿骨に対して平行な向きになる。次に、ユーザは、カートリッジが脚と接触したままになるように装置を脚の周りで動かし、表示された画像がユーザによって見られ、膝蓋骨上嚢が画像の中心線と整列したときに動きが停止する。装置を患者に装着したまま、超音波プローブの回転ノブを回して、超音波プローブがハウジングに対して90度回転すると、プローブと超音波面が大腿骨に対して垂直な面及び装置に対して縦方向の面に収まる。装置の位置は、この時点で再びユーザが調整できるため、針の標的ラインが膝蓋上嚢に向けられる。次に、装置の標的を絞った真空吸引がアクティブになり、カートリッジの底に真空吸引がもたらされ、カートリッジと装置が脚に効果的に取り付けられ、真空領域の下の軟組織が歪められる。脚に取り付けたまま、ユーザは装置を脚の遠位方向に少し下に、脚に対して横方向に軽く牽引し、これにより、膝蓋上液が効果的に強化され、より集中した位置に押し出され、針で標的しやすくなる。次に、膝蓋骨上嚢内の中央流体領域を標的とする制御器を使用して、針経路と遠位端点を選択し、針前進ボタンを押し、これにより、カートリッジ内の針が選択された経路を通って患者の脚に進み、針の前進は、選択した針の端点で停止する。ユーザは、新しい目標端点と膝内の侵入平面を選択でき、ユーザが針前進ボタンを押すことで、針を再び前進させることができる。針先が膝蓋上嚢内に十分にある状態で、針に接続されたポートとフロー・チューブにアクセスでき、流体を注射器に引き出すことができ、又は、液体を含む注射器を取り付けて、その液体を膝に注入するために使用できる。流体を嚢から取り出すことができ、液体を嚢に注入することができ、又はこれらの両方のステップを1つ以上の注射器又はチューブで行うことができる。ユーザは終了又は中止ボタンを押して針を引き抜くことができ、真空吸引を停止することができ、患者の脚から装置を解放することができる。
【0342】
実施例6
挿入装置を使用した胸腔チューブの配置
患者は仰臥位に置かれ、下肢はシートで覆われ、腕は好ましくは頭上に保持される。ユーザは、患者の胸壁の左側の横の位置をとる。左中腋窩線と第4又は第5肋骨腔で、皮膚はベタジン、クロロヘキシジン、又は滅菌用の別の液体を使用して広範囲に滅菌され、滅菌ドレープが患者に置かれる。胸郭開口術用の特定のカートリッジは、無菌包装から無菌状態で取り出され、装置のハウジングの下面に取り付けられる。胸郭開口処置カートリッジの形状は、下面に対して2つの部分を有し、より近位の部分は遠位に角度を付けられ、より遠位の部分は近位部分より急な角度で遠位に角度が付けられる。カートリッジのより遠位側の端部には、一連の真空吸引領域が含まれる。装着されているカートリッジの種類を認識するハウジングのセンサがオンボード・コンピュータに信号を送信し、コンピュータがこの情報を処理してから信号を送信し、超音波プローブと表示スクリーンを標準の初期位置に制御し、超音波プローブは、ハウジング内の最も近位側の超音波プローブ位置から縦方向に設定された距離にある装置内の縦方向の位置をとり、表示されたプローブの深さは、胸郭開口処置の推奨深さに自動的に調整される。カートリッジに接続された無菌スリーブは、ユーザと装置の全てのボタン、ハンドル、コントロール、及びディスプレイの間にスリーブが無菌バリアを作成するように、ユーザによって装置全体にわたって引っ張られる。次いで、ユーザは、カートリッジの底部の遠位部分を、中央腋窩線の第5肋間腔で左側胸壁に配置し、装置を肋骨に垂直になるように向ける。次いで、ユーザは、装置の理想的な位置を特定するために、胸壁のこの領域の周りで装置を動かす。特定されると、ユーザは真空吸引を起動し、カートリッジと装置を胸壁の所定の位置にしっかりと接着する。次に、カートリッジの底部に真空吸引が生成されるように、装置の標的を絞った真空吸引が起動されることにより、カートリッジと装置を腹壁に効果的に取り付け、真空領域の下の軟組織を歪め、それによって、超音波プローブの場所で皮膚と組織を安定させる。胸部に装着したまま、ユーザはプローブを水平及び縦方向にスイープする。ユーザが肋骨の1つのすぐ上にある望ましい目標位置を見つけたとき、ユーザはカートリッジ内の小さな針を選択して作動させる。次に、ユーザは、チューブの挿入が予定されている領域を標的にして、皮膚表面の下の表面的な位置で、この領域への小さな針の挿入をアクティブにする。次に、ユーザは、カートリッジ内の充填済み滅菌容器から分配するリドカインの量を選択し、薬剤を注射する。次に、ユーザはこれらの手順を繰り返して小針を進め、装置のコントロールを使用して小針を引き抜くことを選択する前に、麻酔薬を更に注入する。次に、ユーザは大きな針を作動させ、最も望ましい経路と標的を決定し、この場合、経路は、肋骨のすぐ上に約80度の角度で進み、複数の空洞のすぐ内側に標的があり、これらを装置コントローラで制御する。次に、ユーザは長い針をその位置に挿入する。これらのステップを繰り返し、針を更に挿入することができる。針が満足のいく位置にあると、ユーザは装置上で選択して、カートリッジに予め装填された胸郭開口ガイドワイヤを前進させるか、緊急又は一時的な胸部減圧のために針の上に小さな胸郭開口チューブを前進させることができる。ガイドワイヤが前進した後、ユーザは装置の終了ボタンを選択して押すことによって処置を終了することを選択できる。これにより、針がカートリッジ内のロック位置に引き込まれ、真空が解除され、カートリッジからガイドワイヤが解放される。その後、ユーザはSledinger法を使用してチューブ胸郭開口術を続行できる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A-11B】
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E