(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】給餌システム及び給餌装置
(51)【国際特許分類】
A01K 39/01 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A01K39/01 A
(21)【出願番号】P 2024070019
(22)【出願日】2024-04-23
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000150453
【氏名又は名称】株式会社中嶋製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 功雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 悠二
(72)【発明者】
【氏名】恩田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】外久保 誠
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111631168(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258053(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0107972(US,A1)
【文献】米国特許第05101766(US,A)
【文献】特開2010-104300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 39/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の給餌装置と、少なくとも1のロッドと、少なくとも1の糸状部材とを備える給餌システムであって、
前記給餌装置が、
飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部
を含み、
前記糸状部材の第1の部分が、前記底部に取り付けられ、
前記糸状部材の第2の部分が、前記ロッドに取り付けられ、
前記ロッドを第1方向へ移動させることで、
前記底部の外周上又は前記底部の側面の少なくとも一部を通過する第1軸を中心軸として、前記底部が、下方向に移動し、
前記ロッドを第1方向とは逆の第2方向へ移動させることで、
前記第1軸を中心軸として、前記底部が、上方向に移動する、給餌システム。
【請求項2】
少なくとも1の給餌装置と、少なくとも1のロッドと、少なくとも2の糸状部材とを備える給餌システムであって、
前記給餌装置が、
飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部
を含み、
前記糸状部材の第1の部分が、前記底部に取り付けられ、
前記糸状部材の第2の部分が、前記ロッドに取り付けられ、
前記ロッドを第1方向へ移動させることで、前記底部が、水平な状態を保ったまま下方向に移動し、
前記ロッドを第1方向とは逆の第2方向へ移動させることで、前記底部が、水平な状態を保ったまま上方向に移動する、給餌システム。
【請求項3】
第1方向が、前記ロッドの長手方向に沿った方向である、請求項1
又は2に記載の給餌システム。
【請求項4】
2以上の前記給餌装置を備え、
2以上の前記給餌装置の前記糸状部材が、同一の前記ロッドに取り付けられる、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項5】
前記給餌装置が、前記糸状部材を前記底部から上方に導くガイドが設けられたアームを含む、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項6】
2以上の前記給餌装置を備え、
2以上の前記給餌装置の前記底部が、連動して、下方向に移動する、及び/又は、上方向に移動する、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項7】
2以上の前記給餌装置を備え、
前記底部が下方向に所定の距離移動することで、前記底部が開くものであり、
2以上の前記給餌装置において、開いた前記底部の飼料を受ける面が、同じ方向を向いている、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項8】
前記給餌装置が、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結する連結部を含み、
前記連結部が、外部の固定具を使用せずに、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結可能である、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項9】
前記給餌装置が、
飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料が流入する中間部
を含み、
前記中間部が、上下方向に移動可能な調節部
を含み、
前記底部が、
給餌皿と、
前記給餌皿に対して、上下方向に移動可能であり、前記給餌皿の外周を取り囲む枠部と
を含み、
前記枠部が、前記調節部の上下方向の移動と連動して、移動する、請求項1又は2に記載の給餌システム。
【請求項10】
飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部と、
前記底部に、糸状部材の第1の部分を取り付けることができる取付部と
を含み、
前記糸状部材の第1の部分を前記取付部に取り付け、前記糸状部材を所定の方向へ引っ張ることで、
前記底部の外周上又は前記底部の側面の少なくとも一部を通過する第1軸を中心軸として、前記底部が、上方向に移動可能である、給餌装置。
【請求項11】
飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部と、
前記底部に、第1の糸状部材の第1の部分を取り付けることができる第1取付部と
前記底部に、第2の糸状部材の第1の部分を取り付けることができる第2取付部と
を含み、
前記第1の糸状部材の第1の部分を前記第1取付部に取り付け、前記第2の糸状部材の第1の部分を前記第2取付部に取り付け、前記1の糸状部材及び前記第2の糸状部材を所定の方向へ引っ張ることで、前記底部が、水平な状態を保ったまま上方向に移動可能である、給餌装置。
【請求項12】
前記糸状部材を緩ませることで、前記底部が、下方向に移動可能である、請求項10又は11に記載の給餌装置。
【請求項13】
前記糸状部材を前記底部から上方に導くガイドが設けられたアームを含む、請求項
10又は11に記載の給餌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給餌システム及び給餌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロイラー等の家禽を飼育する場において、作業の効率化が進められている。例えば、特許文献1には、給餌作業を効率的に進めることができる給餌装置が開示されている。特許文献1の給餌装置は、飼料給送用コンベアに多数取り付けられる。そして、給餌装置を利用することで、作業者は、コンベアの給餌口から導入された飼料を、給餌装置の落下フード内を経由して、下方の給餌皿上に飼料を分配するようにしている。一方で、特許文献1の給餌装置を清掃する際には、1つ1つの給餌装置から給餌皿を取り外す必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも1つの目的は、家禽を飼育する際の作業負担を軽減する給餌システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1の給餌装置を備える給餌システムであって、前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部を含み、前記底部の外周上又は前記底部の側面の少なくとも一部を通過する第1軸を中心軸として、前記底部が、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能である、給餌システム;
[2]少なくとも1のロッドと、少なくとも1の糸状部材とを備え、前記糸状部材の第1の部分が、前記底部に取り付けられ、前記糸状部材の第2の部分が、前記ロッドに取り付けられ、前記ロッドを、前記ロッドの長手方向に沿った第1方向へ移動させることで、前記底部が下方向に移動し、前記ロッドを、第1方向とは逆の第2方向へ移動させることで、前記底部が上方向に移動する、前記[1]に記載の給餌システム;
[3]少なくとも1の給餌装置と、少なくとも1のロッドと、少なくとも1の糸状部材とを備える給餌システムであって、前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部を含み、前記糸状部材の第1の部分が、前記底部に取り付けられ、前記糸状部材の第2の部分が、前記ロッドに取り付けられ、前記ロッドを第1方向へ移動させることで、前記底部が、下方向に移動し、前記ロッドを第1方向とは逆の第2方向へ移動させることで、前記底部が、上方向に移動する、給餌システム;
[4]給餌システムが、2以上の前記給餌装置を備え、2以上の前記給餌装置の前記底部が、連動して、下方向に移動する、及び/又は、上方向に移動する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の給餌システム;
[5]給餌システムが、2以上の前記給餌装置を備え、前記底部が下方向に所定の距離移動することで、前記底部が開くものであり、2以上の前記給餌装置において、開いた前記底部の飼料を受ける面が、同じ方向を向いている、前記[1]~[4]のいずれかに記載の給餌システム;
[6]前記給餌装置が、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結する連結部を含み、前記連結部が、外部の固定具を使用せずに、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結可能である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の給餌システム;
[7]前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料が流入する中間部を含み、前記中間部が、上下方向に移動可能な調節部を含み、前記底部が、給餌皿と、前記給餌皿に対して、上下方向に移動可能であり、前記給餌皿の外周を取り囲む枠部とを含み、前記枠部が、前記調節部の上下方向の移動と連動して、移動する、前記[1]~[6]のいずれかに記載の給餌システム;
[8]飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部と、前記底部に、糸状部材の第1の部分を取り付けることができる取付部とを含み、前記糸状部材の第1の部分を前記取付部に取り付け、前記糸状部材を所定の方向へ引っ張ることで、前記底部が、上方向に移動可能である、給餌装置;
により解決することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、家禽を飼育する際の作業負担を軽減する給餌システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態に係る給餌システムの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る給餌システムの斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る給餌システムの一部構成を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る給餌システムの一部構成を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る給餌装置の斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る給餌装置の断面斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る給餌装置の断面斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る給餌システムの一部構成を拡大して示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る給餌システムの一部構成を拡大して示す斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係る給餌装置の開閉動作の一例を示す概略図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係る給餌装置の開閉動作の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。以下で説明する図面において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0009】
なお、以下では、飼料給送用コンベア50(コンベア50ともいう)の搬送パイプ52が延びる方向を前後方向と定義する。上下方向は、給餌装置10の上下方向を意味する。前後方向は、上下方向に直交している。前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と定義する。なお、左右方向及び前後方向は、説明の便宜上定義した方向である。従って、左右方向及び前後方向は、給餌装置10の使用時の左右方向及び前後方向と一致していなくてもよい。左方向と右方向とが入れ替わってもよく、前方向と後方向とが入れ替わってもよい。
【0010】
また、本明細書において、部材が上方向に延びるとは、部材が上方向と平行である場合及び部材が上方向に対して傾いている場合も含む。この場合、部材と上方向とが形成する角度は、40度以下である。
【0011】
図1及び
図2は、本発明の実施の形態に係る給餌システム100の斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る給餌システム100の一部構成を拡大して示す斜視図であり、給餌装置10を拡大して示す。
図4は、本発明の実施の形態に係る給餌システム100の一部構成を拡大して示す斜視図であり、ロッド60及びプーリー70を拡大して示す。
【0012】
本発明の実施の形態において、給餌装置10の底部3は、上下方向に移動することができる。底部3の上面が、外枠部4の下面と接触する給餌状態(第1状態ともいう)と、底部3が下方向に移動し、底部3の上面の少なくとも一部が、外枠部4の下面と接触しない清掃状態(第2状態)とを取ることができる。第1状態と第2状態とは、ユーザの操作により、任意に切り替えることができる。
図1及び
図3に示す斜視図では、第2状態の給餌システム100及び/又は給餌装置10を示している。
図2に示す斜視図では、第1状態の一例の給餌システム100及び給餌装置10を示している。なお、
図1及び
図2の斜視図では、給餌装置10の連結部1の構成を簡略化して示している。
【0013】
本発明の実施の形態に係る給餌システム100は、家禽、特に鶏の飼料を給餌するために利用される。
図1及び
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る給餌システム100は、少なくとも1の給餌装置10と、少なくとも1のロッド60と、少なくとも1の糸状部材80とを備える。
図1及び
図2に示す給餌システム100は、給餌装置10a、10b、10cと、ロッド60a、60bと、それぞれの給餌装置10に対して、糸状部材80a、80bが備えられている。給餌システム100は、2以上の給餌装置10を備えてもよく、2以上のロッド60を備えてもよく、2以上の糸状部材80を備えてもよい。
【0014】
給餌装置10は、コンベア50に連結部1により取り付けられる。コンベア50は、例えば、搬送パイプ52内にスクリューコンベア(不図示)が配置されており、飼料を搬送する。搬送パイプ52は、前後方向に延びている。搬送パイプ52には、給餌口が所定の間隔で設けられている。給餌口は、搬送パイプ52の下側に設けられる。給餌装置10は、搬送パイプ52に開口された給餌口に対応して取り付けられ、給餌口から飼料が給餌装置10に供給される。
【0015】
ロッド60a、60bは、搬送パイプ52に沿って、前後方向に延びている。搬送パイプ52及びロッド60a、60bは、給餌装置10の底部3よりも上方に位置する。給餌システム100は、例えば、コンベア50の前後方向のいずれかの端部近傍に、ロッド60a、60bを前方向又は後方向に移動させることが可能な装置(不図示)を配置してもよい。
【0016】
ロッド60aは、糸状部材80aをロッド60aに取り付ける取付部62aを含む。
図4に示すように、取付部62aは、プーリー70aに対して、後側に設けられている。糸状部材80aは、取付部62aから前方向に延び、プーリー70aの上面を経由して、前下方向に延びている。糸状部材80aの第1端部は、取付部62aに取り付けられ、糸状部材80aの第2端部は、後述の取付部38aに取り付けられる。また、ロッド60bは、糸状部材80bをロッド60bに取り付ける取付部62bを含む。
図4に示すように、取付部62bは、プーリー70bに対して、前側に設けられている。糸状部材80bは、取付部62bから後方向に延び、プーリー70bの上面を経由して、後下方向に延びている。糸状部材80bの第1端部は、取付部62bに取り付けられ、糸状部材80bの第2端部は、後述の取付部38bに取り付けられる。
【0017】
糸状部材80を取付部62に取り付ける方法は特に限定されず、例えば、カシメ、接着剤等により、取り付けることができる。なお、糸状部材80は、必ずしも端部において、取付部62又は取付部38に取り付けられる必要はなく、糸状部材80の第1の部分又は第2の部分において、取付部62又は取付部38に取り付けられれば良い。
【0018】
糸状部材80は、所定の柔軟性と所定の強度を有するものであれば、特に限定されない。糸状部材80の素材としては、例えば、テグス、合成繊維、形状合金、ワイヤーロープ等があげられる。
【0019】
[給餌装置]
次に、給餌装置10の各構成について説明する。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態に係る給餌装置10の斜視図である。
図5は、給餌装置10を、後から前方向に目視した斜視図である。
図6及び
図7は、本発明の実施の形態に係る給餌装置10の断面斜視図である。
図6及び
図7は、前後方向に垂直な給餌装置10の断面を、後から前方向に目視した斜視図である。
図5及び
図6に示す斜視図では、調節部22が上方向に移動する前の状態の給餌装置10を示している。
図7に示す斜視図では、調節部22が上方向に移動した状態の給餌装置10を示している。
図8及び
図9は、本発明の実施の形態に係る給餌システム100の一部構成を拡大して示す斜視図であり、連結部1を拡大して示す。
図8に示す斜視図では、連結部1がコンベア50に連結される前の状態を示している。
図9に示す斜視図では、連結部1がコンベア50に連結された状態を示している。
【0021】
図1又は
図5に示すように、給餌装置10は、連結部1と、中間部2と、底部3と、外枠部4とを含む。また、
図1、
図5又は
図8に示すように、給餌装置10は、ヒンジ部36と、取付部38とを含む。
【0022】
連結部1は、給餌装置10をコンベア50の給餌口に連結する。
図8及び
図9に示すように、連結部1は、連結部本体12と、カバー部14と、固定部16a~16dとを含む。
【0023】
連結部本体12は、上下に貫通する筒形状を有する。
図8及び
図9に示すように、連結部本体12の右側面及び左側面は、搬送パイプ52の右側面及び左側面に沿うように形成されている。連結部本体12の前面及び後面は、搬送パイプ52の下辺に沿うように形成されている。
【0024】
カバー部14は、連結部本体12から取り外し可能である。
図8及び
図9に示すように、カバー部14は、搬送パイプ52の上側面に沿うように形成された半円状の筒形状を有する。カバー部14は、前後方向に延びる。
【0025】
固定部16a~16bは、連結部本体12と、カバー部14とを固定する。固定部16a、16bの下端は、連結部本体12の右面に取り付けられ、固定部16c、16dの下端は、連結部本体12の左面に取り付けられる。固定部16a~16bの上端には、カバー部14と係止するための係止部が形成されている。
【0026】
中間部2では、コンベア50の給餌口から供給された飼料が流入する。
図6及び
図7に示すように、中間部2は、調節部22と、流入部24と、固定部26とを含む。
【0027】
調節部22は、流入部24に対して、上下方向に移動可能に取り付けられている。調節部22は、上下方向に延びる円環柱形状を有する。
図6及び
図7に示すように、調節部22は、連結部1の下方に位置し、連結部1の連結部本体12から下方向に延びている。
【0028】
流入部24は、上下方向に延びる筒形状を有する。流入部24は、調節部22の外筒部分と該外筒部分から外側に広がるテーパ部分とを含む。調節部22と流入部24とは、上下方向に延びる同軸を有する。流入部24は、固定部26を介して、後述の凸部324に固定されている。
【0029】
底部3は、飼料給送用コンベア50の給餌口から供給された飼料を受ける。底部3は、給餌皿32と、枠部34とを含む。
【0030】
給餌皿32は、中間部2を経由して落下した飼料を受ける(
図3参照)。
図6及び
図7に示すように、給餌皿32は、皿部322と、凸部324と、底面部326とを含み、浅皿状を有する。皿部322は、上から下方向に見て、円形状を有する。皿部322は、円形状の底面部326から斜め上方向に延びている。給餌皿32の底面である底面部326には、凸部324が設けられる。凸部324は、上方向に突出する円錐状を有する。
図6及び
図7に示すように、凸部324は、前後方向に垂直な断面において、上方向に突出する二等辺三角形状を有する。皿部322と凸部324とは、一体となって形成されてもよい。また、皿部322と凸部324と底面部326とは、一体となって形成されてもよい。
【0031】
凸部324と、流入部24のテーパ部分との間には、隙間が存在する。流入部24は、固定部26により凸部324に固定されているため、調節部22が上下方向に移動した場合においても、該隙間の間隔は、一定となる。
【0032】
枠部34は、給餌皿32に対して、上下方向に移動可能であり、給餌皿32の外周を取り囲む。また、枠部34は、調節部22の上下方向の移動と連動して、移動する。
図3、
図6又は
図7に示すように、枠部34は、上下方向に延びる円環柱形状を有する。枠部34と、給餌皿32と、調節部22と、流入部24とは、上下方向に延びる同軸を有する。
【0033】
図6及び
図7に示すように、枠部34の下端部には、給餌皿32を係止する係止部が形成されている。該係止部は、枠部34の下方に行くにつれて、縮径されて形成されている。枠部334に、給餌皿32が取り付けられる。より具体的には、給餌皿32の皿部322は、枠部34の内側に位置している。
【0034】
ヒンジ部36は、枠部34と外枠部4のリング部46とを連結している。
図5に示すように、ヒンジ部36は、枠部34の左端部に設けられている。ヒンジ部36は、前後方向に延びる第1軸を中心軸として、底部3を、外枠部4及び中間部2に対して開閉できるように取り付けられている(
図1、
図3参照)。第1軸は、底部3の外周上又は底部3の側面の少なくとも一部を通過する。本実施の形態において、第1軸、ロッド60、搬送パイプ52の延びる方向は一致している。
【0035】
取付部38は、枠部34の外側の面に設けられる(
図5参照)。取付部38により、底部3に、糸状部材80の第1の部分を取り付けることができる。糸状部材80を取付部38に取り付ける方法は特に限定されず、例えば、カシメ、接着剤等により、取り付けることができる。
【0036】
本実施の形態においては、給餌装置10は、取付部38aと取付部38bとを含む。取付部38aは、後述のアーム44eの下方に設けられ、取付部38bは、後述のアーム44cの下方に設けられている。なお、取付部38a、38bが設けられる位置は、特に限定されないが、ヒンジ部36を含む前後方向に垂直な面に対して、前後対称となる位置に設けられることが好ましい。
【0037】
外枠部4は、リング部42と、アーム44a~44fと、リング部46とを含む。外枠部4は、調節部22の上下方向の移動と連動して、上下方向に移動可能である。
【0038】
図5に示すように、リング部42は、上下方向に延びる円環柱形状を有する。リング部42は、調節部22に固定して取り付けられる。アーム44a~44fは、リング部42から、放射線状、かつ下方に延びる。家禽は、アーム44a~44fの隙間から、飼料をついばむことができる。
【0039】
アーム44a~44fの下端には、リング部46が連結されている。
図3に示すように、リング部46は、上下方向に延びる円環柱形状を有する。底部3が上方向に移動したとき、リング部46の下面と、枠部34の上面とは、接触する。また、リング部46の円環の直径と、枠部34の円環の直径とは、略一致する。リング部46は、円環状の上端部から、アーム44に沿って、該円環の中心に向かって、所定の長さだけ延びている。
【0040】
アーム44a~44fには、ガイド442が設けられている。ガイド442は、取付部38に取り付けられた糸状部材80を上方に導くガイドである。ガイド442は、糸状部材80をアーム44に沿うように、糸状部材80の動きを規制する。
【0041】
ガイド442は、アーム44の外側端部に設けられ、アーム44に沿って、延びる部材である。例えば、ガイド442は、アーム44cの下端部近傍では、左方向に開口し、アーム44cの中央部では、右方向に開口し、アーム44cの上端部近傍では、左方向に開口している。ガイド442の開口する方向が左右交互であるため、アーム44cに沿って、糸状部材80bの動きを、規制することができる。
【0042】
[供給方法]
次に、給餌システム100の供給方法について、説明する。コンベア50の搬送パイプ52を通過して搬送された飼料は、給餌口から中間部2内に流入する。中間部2内は空洞となっているため、飼料は凸部324に落下する。飼料は、流入部24と凸部324の隙間から、皿部322に供給される。
【0043】
[連結方法]
次に、コンベア50に給餌装置10を連結する方法について、説明する。本実施の形態において、連結部1は、外部の固定具を使用せずに、飼料給送用コンベア50の給餌口に連結可能である。外部の固定具とは、例えば、ナットとボルトである。そのため、利用者がコンベア50に給餌装置10を連結する際には、まず、利用者は、取り外したカバー部14を、搬送パイプ52の上に設置し、カバー部14の下側に連結部本体12を移動させる。次に、利用者が、固定部16a~16dをカバー部14に係止させることにより、連結部本体12とカバー部14が固定される。このように、利用者は、外部の固定具を使用せずにコンベア50に連結部1を連結させることができる。
【0044】
なお、固定部16は、カバー部14に取り付けられてもよい。この場合、固定部16の下端には、連結部本体12と係止するための係止部が形成される。なお、固定部16の数は特に限定されない。例えば、搬送パイプ52を介して、左右の両側に固定部16が設けられてもよい。また、固定部16の形状は特に限定されない。例えば、固定部16として、帯状の部材やゴム状の部材を用いてもよい。
【0045】
なお、連結部1の構成は、外部の固定具を使用せずに給餌装置10をコンベア50の給餌口に連結することが可能であれば、特に限定されない。例えば、固定部16a、16bに代えて、連結部本体12とカバー部14とをヒンジで連結してもよい。
【0046】
なお、カバー部14の下面に凸状部が設けられ、搬送パイプ52の上面に孔54が設けられてもよい(
図8参照)。孔54は、上下方向において、給餌口の位置と対応して設けられる。給餌装置10をコンベア50に連結する際に、利用者は、カバー部14に設けられた凸状部を孔54に挿入して、カバー部14を、搬送パイプ52の上に設置してもよい。なお、カバー部14の凸状部は、カバー部14を貫通する円柱状を有していてもよい。
【0047】
[動作方法]
次に、給餌システム100の動作について、説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る給餌装置の開閉動作の一例を示す概略図である。
図11は、本発明の実施の形態に係る給餌装置の開閉動作の他の一例を示す概略図である。本実施の形態において、給餌システム100は、上記第1軸(Ax)を中心軸として、底部3が、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能である。
【0048】
図11に示すように、底部3が第1軸Axを中心軸として下方向に移動することにより、底部3の全体を移動させることができ、給餌皿32の底を大きく開口できる。これにより、中間部2及び給餌皿32に残る飼料を容易に排出でき、また洗浄水により給餌装置10を容易に洗浄できる。また、洗浄水が給餌皿32に溜まることを防ぐことができる。
【0049】
ここで、本実施の形態において、「底部3が下方向に移動する」とは、左右方向に平行な位置に存在する底部3が、単に下方向に移動するだけでなく、第1軸Axを中心軸として、下方向に移動することを含む。例えば、底部3が下方向に移動するとは、
図10に示すように、左右方向に平行な位置に存在する底部3全体が、下方向に移動すること、及び、
図11に示すように、底部3の右端部が、第1軸Axを中心軸として、左下方向へ移動することを含む。
【0050】
一方で、「底部3が上方向に移動する」とは、上下方向に平行な位置に存在する底部3が、単に上方向に移動するだけでなく、第1軸Axを中心軸として、上方向に移動することを含む。例えば、底部3が上方向に移動するとは、
図10に示すように、左右方向に平行な位置に存在する底部3全体が、上方向に移動すること、及び、
図11に示すように、底部3が上方向に移動するとは、底部3の右端部が、第1軸Axを中心軸として、右上方向へ移動することを含む。
【0051】
また、本実施の形態において、「底部3が開く」又は「給餌装置10が開く」とは、底部3が下方向に所定の距離移動した状態のことである。「底部3が開く」又は「給餌装置10が開く」とは、例えば、底部3とリング部46との間に存在する糸状部材80の長さが、一定の長さ(例えば、3cm)以上となった場合、後から前方向に見て、底部3とリング部46とのなす角が、所定の角度(例えば、45°)以上となった場合、又は、底部3が可動域の最大限まで下方向に移動した場合を含む。
【0052】
また、本実施の形態において、「底部3が自動で移動する」とは、給餌装置10に作業者が直接触れることなく、底部3が移動することを意味する。例えば、給餌システム100に備えられたボタンやレバーを操作することで、底部3が移動する場合、底部3が自動で移動することとなる。例えば、ロッド60を操作することで、底部3は自動で移動することができる。
【0053】
給餌システム100では、糸状部材80aの第1の端部が、底部3の取付部38aに取り付けられ、糸状部材80aの第2の端部が、ロッド60aの取付部62aに取り付けられる。糸状部材80bの第1の端部が、底部3の取付部38bに取り付けられ、糸状部材80bの第2の端部が、ロッド60bの取付部62bに取り付けられる。
【0054】
そのため、ロッド60aを、ロッド60aの長手方向に沿った第1方向(前方向)へ移動させ、かつ、ロッド60bを、ロッド60bの長手方向に沿った第1方向とは逆の第2の方向(後方向)へ移動させると、糸状部材80a、80bが緩む。糸状部材80a、80bが緩むと、重力により、底部3が下方向に移動する。つまり、取付部62a及び取付部62bが、給餌装置10に近づく方向に移動すると、底部3は重力により、下方向へ移動する。
【0055】
また、ロッド60aを、第2方向(後方向)へ移動させ、かつ、ロッド60bを、第1の方向(前方向)へ移動させると、緩んだ糸状部材80a、80bがそれぞれの方向に引っ張られる(
図3の矢印方向参照)。これにより、底部3が上方向に移動する。つまり、取付部62a及び取付部62bが、給餌装置10から遠ざかる方向に移動すると、底部3は、糸状部材80の張力により、上方向へ移動する。
【0056】
なお、ロッド60の第1方向又は第2方向の移動は、ロッド60に取り付けられたレバーを手動で回転させることで、実行させてもよく、ロッド60に連結されたモータを回転させることで、実行させてもよい。ロッド60aとロッド60bとで、移動量が同じになるように制御されることが好ましい。
【0057】
また、本実施の形態において、給餌システム100は、1つのコンベア50に複数の給餌装置10(例えば、給餌装置10a~10c)を連結している。2以上の給餌装置10の底部3は、連動して、下方向に移動する、及び/又は、上方向に移動する。より具体的には、給餌装置10a~10cは、上記で説明した給餌装置10と同じ構造を有する。また、給餌装置10a~10cにおける糸状部材80は、それぞれ同一のロッド60a、60bに取り付けられる。そのため、ロッド60aを、前方向へ移動させ、かつ、ロッド60bを、後方向へ移動させると、それぞれの給餌装置10a~10cの底部3に取り付けられた糸状部材80a、80bが緩む。これにより、それぞれの給餌装置10a~10cの底部3が下方向に移動する。また、ロッド60aを、後方向へ移動させ、かつ、ロッド60bを、前方向へ移動させると、緩んだ糸状部材80a、80bが締まる。これにより、それぞれの給餌装置10a~10cの底部3が上方向に移動する。このように、2以上の給餌装置10の底部3は、連動して、下方向に移動する、及び/又は、上方向に移動することができる。
【0058】
また、本実施の形態において、給餌システム100は、2以上の給餌装置10において、開いた底部3の飼料を受ける面が、同じ方向を向いている。同じ方向を向く給餌装置10は、隣り合う給餌装置10である。より具体的には、給餌装置10a~10cは、上記で説明した給餌装置10と同じ構造を有する。また、給餌装置10a~10cにおける糸状部材80は、それぞれ同一のロッド60a、60bに取り付けられる。また、給餌装置10a~10cは、同じ向きで搬送パイプ52に取り付けられている。つまり、それぞれの給餌装置10a~10cのヒンジ部36が、搬送パイプ52に対して左側に位置するように、給餌装置10a~10cが搬送パイプ52に連結されている。これにより、給餌装置10a~10cの底部3が移動する中心軸は、それぞれ平行となる。そのため、給餌装置10a~10cの底部3を下方向に移動させると、開いた底部3の飼料を受ける面が、同じ方向を向くこととなる。よって、作業者は前から後方向或いは後ろから前方向に向かって移動しながら、複数の給餌装置10を清掃する際に、給餌装置10によって搬送パイプ52の左側又は右側に移動する必要がなくなる。
【0059】
なお、本実施の形態において、底部3の飼料を受ける面は、給餌皿32の上面である。底部3の飼料を受ける面が向く方向は、給餌皿32の上面、より具体的には、底面部326の上面の法線方向として定義することができる。底部3の飼料を受ける面が、同じ方向を向いているとは、それぞれの給餌皿32の法線方向が平行であることであってもよく、それぞれの法線方向に対応する単位ベクトルの内積が所定の値以上(例えば、0.5以上)であることであってもよい。
【0060】
また、底部3の飼料を受ける面が、同じ方向を向いているとは、搬送パイプ52を基準として、第1の給餌皿32と、第2の給餌皿32の法線方向が、同じ方向を向いている場合も含む。例えば、搬送パイプ52が上から下方向に見て円弧状の場合、搬送パイプ52に対して、それぞれの法線方向が外側に向いている場合、或いは、それぞれの法線方向が内側に向いている場合、同じ方向を向いているとしてもよい。
【0061】
なお、給餌システム100において、複数の給餌装置10のうち、隣り合う給餌装置10の底部3の飼料を受ける面が、同じ方向を向いていればよい。つまり、給餌システム100において、底部3の飼料を受ける面が、他の給餌装置10の底部3と同じ方向を向いていない給餌装置10が含まれていてもよい。
【0062】
ここで、給餌装置10は、搬送パイプ52に吊り下げ状態で多数取り付けられる。搬送パイプ52は図示しない吊り下げ装置により上下方向に移動可能である。また、本実施の形態において、給餌装置10は、枠部34が、調節部22の上下方向の移動と連動して、移動する。例えば、雛の生育段階では、搬送パイプ52を下げ、
図6に示すように枠部34及び給餌皿32の底が床に接触した状態で用いる。これにより、給餌皿32が浅くなり、雛が容易に給餌皿32内に入り込むことができ、餌をついばむことができる。
【0063】
雛が成長するにつれて、搬送パイプ52を引き上げる。これにより給餌皿32側は床面に接触したままであるが、枠部34が引き上げられるから、給餌皿32は深さが順次深くなり、雛の成長に合わせられる。
図7に示すように、枠部34の下端部が給餌皿32と接触後、さらに搬送パイプ52が引き上げられると、これに伴って給餌皿32側も引き上げられ、給餌装置10が床から離れることとなる。
【0064】
搬送パイプ52を引き上げることで、複数の給餌装置10が吊り下げられた状態となる。底部3が自動で下方向に移動するため、極めて多数の給餌装置10の洗浄が作業性よく行える。また、底部3がヒンジ部36により、給餌装置10に取り付けられているため、給餌装置10を開いた状態で、底部3の置き場所も心配することがない。さらに、底部3を床面等に置く必要がないため、衛生的にも好ましい。また、給餌装置10を洗浄後、底部3を自動で上方向に移動させることができるため、給餌装置10の閉じる作業を効率よく行うことができる。また、複数の給餌装置10が吊り下げた状態で、自動で底部3を上方向に移動させ、給餌装置10を閉じることで、鶏舎内の鶏糞搬出時等の作業をする際に、給餌装置10が邪魔にならず、作業の効率を上げることができる。また、給餌装置10の底部3を自動で閉じることができるため、給餌装置10を吊り下げる天井の高さや吊り下げの高さの余裕が生じ、設計の自由度が高まる。
【0065】
なお、上記では、糸状部材80及びロッド60を利用することにより、給餌装置10の開閉動作を実行したが、給餌装置10の開閉動作は、これに限定されない。例えば、糸状部材80及びロッド60に代えて、ヒンジ部36に、モータを設けることで、給餌装置10の開閉動作を実行することとしてもよい。
【0066】
また、例えば、給餌装置10に、底部3と外枠部4とを係止する係止部を設けてもよい。また、給餌装置10に、係止部を遠隔で解除する解除部を設けてもよい。解除部に解除指示を送信することで、係止が解除され、給餌装置10の底部3を下方向に移動させることができる。
【0067】
なお、給餌システム100は、1の給餌装置10に対して、1のロッド60と、1の糸状部材80とを備えるものであってもよい。この場合、1の給餌装置10に対して、プーリー70が1つ備えられる。なお、ロッド60は底部3の下方に位置していてもよい。なお、給餌システム100は、プーリー70を省略してもよい。
【0068】
なお、給餌装置10は、リング部42及びアーム44を省略してもよい。また、アーム44の数は適宜設定可能である。強度の観点から、外枠部4は、2以上のアーム44を含むことが好ましい。なお、給餌装置10は、凸部324、流入部24、及び/又は固定部26を省略してもよい。
【0069】
なお、1つの給餌装置10には、1つのヒンジ部36のみが設けられてもよい。本実施の形態において、第1軸Axを中心軸として、底部3が、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能であり、かつ、枠部34とリング部46との形状は、略一致する。そのため、
図3に示すように、底部3が、左下方向に移動し、底部3の給餌皿32全体が右方向に向くように、底部3全体を開くことができる。つまり、1つの給餌装置10において、底部3が下方向に移動することで、底部3の飼料を受ける面が1つの方向を向く。このとき、底部3は、いわゆる片面開きのように、下方向に開くこととなる。
【0070】
なお、1つの給餌装置10には、複数のヒンジ部36が設けられてもよい。この場合、底部3は、ヒンジ部36ごとに複数領域に分割される。つまり、第1領域に対応する底部3が第1軸を中心軸として、第2領域に対応する底部3が第1軸と異なる第2軸を中心軸として、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能である。つまり、1つの給餌装置10において、底部3が下方向に移動することで、底部3の飼料を受ける面が2つ以上の方向を向く。このとき、底部3は、いわゆる観音開きのように、下方向に開くこととなる。
【0071】
なお、上記では、給餌装置10の底部3が上方向及び下方向に自動で移動可能なものを説明したが、底部3は、上方向又は下方向のみに自動で移動が可能であってもよい。つまり、給餌装置10を開く動作が自動で実行され、給餌装置10を閉じる動作が作業者の給餌装置10への操作により実行されてもよい。或いは、給餌装置10を閉じる動作が自動で実行され、給餌装置10を開く動作が作業者の給餌装置10への操作により実行されてもよい。
【0072】
このように、少なくとも1の給餌装置を備える給餌システムであって、前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部を含み、前記底部の外周上又は前記底部の側面の少なくとも一部を通過する第1軸を中心軸として、前記底部が、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能であることで、家禽を飼育する際の作業負担を軽減することができる。
【0073】
このように、給餌システムが、少なくとも1のロッドと、少なくとも1の糸状部材とを備え、前記糸状部材の第1の部分が、前記底部に取り付けられ、前記糸状部材の第2の部分が、前記ロッドに取り付けられ、前記ロッドを、前記ロッドの長手方向に沿った第1方向へ移動させることで、前記底部が下方向に移動し、前記ロッドを、第1方向とは逆の第2方向へ移動させることで、前記底部が上方向に移動することができる。
【0074】
このように、給餌システムが、2以上の前記給餌装置を備え、2以上の前記給餌装置の前記底部が、連動して、下方向に移動する、及び/又は、上方向に移動することで、複数の給餌装置を一括で操作することができる。このように、前記底部が下方向に所定の距離移動することで、前記底部が開くものであり、2以上の前記給餌装置において、開いた前記底部の飼料を受ける面が、同じ方向を向いていることで、清掃作業の負担を軽減することができる。
【0075】
このように、前記給餌装置が、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結する連結部を含み、前記連結部が、外部の固定具を使用せずに、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結可能であることで、外れた外部の固定部を家禽がついばみ、異物が混入することを防ぐことができる。
【0076】
このように、前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料が流入する中間部を含み、前記中間部が、上下方向に移動可能な調節部を含み、前記底部が、給餌皿と、前記給餌皿に対して、上下方向に移動可能であり、前記給餌皿の外周を取り囲む枠部とを含み、前記枠部が、前記調節部の上下方向の移動と連動して、移動することで、家禽の成長に応じて、給餌装置の高さを調節することができる。
【符号の説明】
【0077】
100:給餌システム 10、10a~10c:給餌装置
1:連結部 12:連結部本体 14:カバー部 16:固定部
2:中間部 22:調節部 24:流入部 26:固定部
3:底部 32:給餌皿 322:皿部 324:凸部 326:底面部
34:枠部 36:ヒンジ部 38、38a、38b:取付部
4:外枠部 42:リング部 44、44a~44f:アーム
442:ガイド 46:リング部
50:飼料給送用コンベア 52:搬送パイプ 54:孔
60、60a、60b:ロッド 62、62a、62b:取付部
70、70a、70b:プーリー
80、80a、80b:糸状部材
【要約】
【課題】
家禽を飼育する際の作業負担を軽減する給餌システムを提供する。
【解決手段】
少なくとも1の給餌装置を備える給餌システムである。前記給餌装置が、飼料給送用コンベアの給餌口から供給された飼料を受ける底部を含む。前記給餌システムにおいて、前記底部の外周上又は前記底部の側面の少なくとも一部を通過する第1軸を中心軸として、前記底部が、自動で下方向、及び/又は、上方向に移動可能である。
【選択図】
図1