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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】セット品及びセット品の使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B65D85/68 W
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024539996
(86)(22)【出願日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2024005953
【審査請求日】2024-07-02
(31)【優先権主張番号】P 2023026249
(32)【優先日】2023-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523023856
【氏名又は名称】株式会社ペニンシュラヒルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 隆行
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】実公昭47-18841(JP,Y1)
【文献】特開2015-89819(JP,A)
【文献】特開昭61-115744(JP,A)
【文献】特開2002-279268(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198635(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
E04H 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象の自動車が収納された状態で、運搬用移動体に搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する第1機能、
販売対象の前記自動車が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の前記自動車が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車のディスプレイケースとなる第2機能、及び、
使用者の指定場所に設置されて、当該使用者が前記自動車を使用する際に車庫となる第3機能、
を有し、
当該自動車の入口として機能する開閉可能な第1側面と、当該自動車の鑑賞を可能とするための素材で構成される常時閉状態の第2側面とを少なくとも有する筐体
を有する、
容器と、
前記容器に収容される対象の前記自動車と、
を備えるセット品。
【請求項2】
前記容器と前記自動車との夫々は散売り可能とされている、
請求項1に記載のセット品。
【請求項3】
販売後の前記容器と前記自動車の少なくとも一方に対するサービスであって、監視、管理、及びメンテナンスのうち少なくとも1つのサービスも付与されて販売される、
請求項1に記載のセット品。
【請求項4】
販売対象の前記自動車に関する情報、及び販売に関する情報を含むWebサイトのURLが付された媒体が、前記容器に付されている、
請求項1に記載のセット品。
【請求項5】
前記容器は、発電部と、当該発電部により発電された電力を蓄電する蓄電部と、
を有する請求項1に記載のセット品。
【請求項6】
前記容器は、さらに、所定の付帯機能を発揮させる所定部材を有する、
請求項1に記載のセット品。
【請求項7】
複数の前記セット品で単位とされており、
複数の前記セット品の夫々の前記容器が組み合わさることで、所定の付帯機能を発揮させる、
請求項1に記載のセット品。
【請求項8】
自動車、及び、当該自動車を収容可能な容器から構成されるセット品の使用方法において、
移動対象の前記自動車が、収納された状態の前記容器が、運搬用移動体に搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する第1ステップと、
当該自動車の入口として機能する開閉可能な第1側面と、当該自動車の鑑賞を可能とするための素材で構成される常時閉状態の第2側面とを少なくとも有する筐体を有する前記容器が、販売対象の前記自動車が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の前記自動車が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車のディスプレイケースとなる第2ステップと、
使用者の指定場所に設置されて、当該使用者が前記自動車を使用する際に車庫となる第3ステップと、
を含むセット品の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セット品及びセット品の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車の販売のビジネスモデルは、広大な土地に多数の自動車を陳列し、当該土地の一部に事務所を設置して、当該土地を訪れたユーザに自動車を販売するというものであった(特許文献1参照)。また、従来の自動車の博物館のビジネスモデルも同様に、広大な土地に多数の自動車を陳列し、当該土地を訪れたユーザに自動車を鑑賞させるというものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-184413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、広大な土地が存在しなくても自動車の販売や博物館が実現可能となるように、新たな価値を創造し、当該新たな価値で取引を行うことが可能な新たなビジネスモデルを提供したいという要望が近年挙げられているが、特許文献1を含む従来の技術では、このような要望に応えることができない状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、広大な土地が存在しなくても自動車の販売や博物館が実現可能となるように、新たな価値を創造し、当該新たな価値で取引を行うことが可能な新たなビジネスモデルを提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様のセット品は、
移動対象の自動車が収納された状態で、運搬用移動体に搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する第1機能、
販売対象の前記自動車が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の前記自動車が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車のディスプレイケースとなる第2機能、及び、
使用者の指定場所に設置されて、当該使用者が前記自動車を使用する際に車庫となる第3機能、
を有する容器と、
前記容器に収容される対象の自動車と、
を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の一態様のセット品の使用方法は、
自動車、及び、当該自動車を収容可能な容器から構成されるセット品の使用方法であって、
移動対象の自動車が収納された状態の前記容器が、運搬用移動体に搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する第1ステップと、
前記容器が、販売対象の前記自動車が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の前記自動車が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車のディスプレイケースとなる第2ステップと、
使用者の指定場所に設置されて、当該使用者が前記自動車を使用する際に車庫となる第3ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広大な土地が存在しなくても自動車の販売や博物館が実現可能となるように、セット品という新たな価値を創造し、当該セット品、あるいは別個という新たな価値で取引を行うことが可能な新たなビジネスモデルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のセット品の実施形態により実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図2】本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例を示す入口側の側面図である。
図3】本発明のセット品の一実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例を示す鑑賞側の側面図である。
図4図2及び図3の移動式コンテナの内部の構成の一例を示す図である。
図5図2及び図3の移動式コンテナの上面(屋根)の一例を示す図である。
図6】本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例とは異なる第2例を示す斜視図である。
図7】本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例及び図6の第2例とは異なる第3例を示す斜視図である。
図8】本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例、図6の第2例、及び図7の第3例とは異なる第4例を示す斜視図である。
図9】本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例、図6の第2例、図7の第3例、及び図8の第4例とは異なる第5例を示す斜視図である。
図10図1の本サービスが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図11図10のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図12図11のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明のセット品の実施形態により実現可能となるサービス(以下、本サービス)の概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、自動車11、及び当該自動車11を収容可能な移動式コンテナ12から構成されるセット品1といった新たな価値を用いたサービスである。
具体的には例えば、本サービスは、販売ステップと、移動ステップと、使用ステップに大別される。
【0013】
図1の左方に示す販売ステップにおいて、販売者Bは、本部の事務所を設置する(図1には図示せず)と共に、近隣の空き地や商業施設に、1以上の移動式コンテナ12の夫々を点在して配置させる。そして、販売者Bは、販売対象の1以上の自動車11の夫々を、1以上の移動式コンテナ12の夫々に収納させた状態で展示車両として配置させる。
ここで、移動式コンテナ12は、後述の図2図3に示すように、側面の少なくとも一部がガラス張りになっている。このため、購入を所望するユーザUは、移動式コンテナ12の外部から、内部に配置された自動車11の外観を視認することができる。
【0014】
また、移動式コンテナ12の外部又は内部には、価格や車両情報が、ユーザUに対して視認可能な状態で記載されている(図1には図示せず)。
ここで、詳細については後述するが、ユーザUは、自動車11を単体でも購入可能であるが、自動車11と共に、車庫としても機能する移動式コンテナ12をセットとして購入することも可能である。また、必要に応じて、ユーザUは、移動式コンテナ12を単体でも購入することができる。
換言すると、販売者Bは、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1を販売することができ、必要に応じて、自動車11又は移動式コンテナ12の散売りをすることもできる。
従って、移動式コンテナ12の外部又は内部に記載される「価格」とは、自動車11単体の価格、移動式コンテナ12単体の価格、及び、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1の価格である。
【0015】
ユーザUは、自動車11及び移動式コンテナ12のさらなる詳細情報を取得したい場合、自身の端末21(以下、「ユーザ端末21」と呼ぶ)を用いて、移動式コンテナ12の外部に付されているQRコード(登録商標)等の媒体121を読み込むことで、詳細情報が掲載された所定のWebサイトにアクセスすることができる。即ち、QRコード(登録商標)等の媒体121には、当該WebサイトのURLが格納されている。
さらに、このWebサイトにチャット機能が搭載されていれば、ユーザUは、ユーザ端末21を用いて、チャットにより販売者Bとコミュニケーションを図ることができる。
例えば図1には図示はしないが、移動式コンテナ12には、本部等の遠隔地に存在する販売者Bの端末22(以下、「販売者端末22」と呼ぶ)による外部操作で開閉が可能な入口と、販売者端末22により内部の様子を視認可能な監視カメラとが設けられているものとする。具体的には例えば、移動式コンテナ12を開閉する入口にスマートキーが設置されており、当該スマートキーを解除するためには、販売者端末22により発行されるIDが必要になるものとする。
この場合、ユーザUは、販売者Bの販売者端末22からユーザ端末21に対してIDを発行してもらい、スマートキーを解除することで入口を開けて移動式コンテナ12の中に入り、販売者Bとチャットをしながら、自動車11の内部を観察することもできる。
なお、Webサイトにチャット機能が搭載されていなくても、ユーザUは、Webサイトに掲載された電子メールや電話等を通じて、販売者Bとコミュニケーションを図ることができる。
【0016】
ここで、上述したように、ユーザUは、自動車11又は移動式コンテナ12を単体で購入することもできるが、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1を購入することもできる。
そこで、本例では、ユーザUは、販売者Bと上述のようにコミュケーションを図ったうえで、自動車11及び移動式コンテナ12をセット品1として購入したものとする。そして、ユーザUは、自動車11を自家用車として運転し、運転していない時には自身の家Hの庭に自動車11を保管して適宜鑑賞するものとする。
この場合、図1の中央に示す移動ステップにおいて、移動式コンテナ12は、移動対象の自動車11が収納された状態で、トラックや貨車等の運搬用移動体Tに搭載又は牽引されて、当該運搬用移動体Tと共に販売場所からユーザUの家Hまで移動する。
【0017】
図1の右方の使用ステップにおいては、移動式コンテナ12は、自動車11の車庫として、ユーザUの家Hに配設される。
即ち、ユーザUは、自動車11を運転しない時には、移動式コンテナ12を車庫として自動車11を収納させることができる。
さらに、移動式コンテナ12は、上述したように、その側面の少なくとも一部がガラス張りになっているため、ユーザUは、家Hの中や庭から、自身の自動車11を鑑賞することもできる。
【0018】
ここで、上述の移動式コンテナ12の入口の開閉の外部操作をユーザ端末21(又は図示せぬリモートコントローラ)に開放することで、ユーザUは、ユーザ端末21(又は図示せぬリモートコントローラ)を用いて、移動式コンテナ12の入口を開閉することができる。換言すると、ユーザ端末21(又は図示せぬリモートコントローラ)が存在しないと移動式コンテナ12を開けることができないため、未使用時の自動車11の盗難等を防止することができる。
【0019】
さらに本実施形態では、上述の移動式コンテナ12の監視カメラ等が警備会社等と接続されることで、警備会社等による常時監視が可能となり、未使用時の自動車11の盗難等をさらに確実に防止することができる。
換言すると、販売者Bは、自動車11及び移動式コンテナ12のセット品1に対して、さらに、警備会社等による監視サービスも併せて販売することもできる。ここでいう「併せて」とは、時間的に同時であることは意味しない。即ち、ユーザUは、セット品1の購入時に監視サービスに加入せずとも、その後必要なタイミングで監視サービスに後から加入することもできる。
【0020】
また本実施形態では、図1の右方に示すように、販売者Bは、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1に対して、さらに、メンテナンス者M等によるコンディション維持を目的とする管理サービス及びメンテナンスサービス(以下、「管理・メンテナンスサービス」と呼ぶ)も併せて販売することもできる。ここでいう「併せて」とは、時間的に同時であることは意味しない。即ち、ユーザUは、セット品1の購入時に管理・メンテナンスサービスに加入せずとも、その後必要なタイミングで管理・メンテナンスサービスに後から加入することもできる。
購入者は車庫の用地を所有するとは限らない。このような場合、販売者が設置場所を用意し、そこにセット品を設置して管理することができる。
ここで、管理・メンテナンスサービスには、自動車11に対して、バッテリー充電、洗車、ワックスがけ、コーティング、及び車検整備等が含まれる。これにより、ユーザUにとっては、自動車11の劣化を予防できるという効果が生じ、販売者B等の事業者にとっては、定期収入に結びつくという効果も生ずる。
また、管理・メンテナンスサービスは、自動車11のみならず、車庫として機能する移動式コンテナ12も対象としてもよい。
【0021】
さらに言えば、上述の監視サービスと、管理・メンテナンスサービスとは、夫々単体で別々にユーザUに提供されてもよいし、セットのサービスとしてユーザUに提供されてもよい。
【0022】
なお、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1を用いた本サービスは、図1の例に特に限定されず、各種各様な形態を取ることが可能である。
例えば、販売ステップにおいて、販売者Bは、図示はしないが、営業時間中に自動車11を商業施設に展示して、営業時間終了後に、自動車11を引き上げて、別の保管場所に配置されている移動式コンテナ12に保管するようにしてもよい。あるいは、販売者Bは、営業時間終了後に、自動車11を収納させた状態の移動式コンテナ12をトラックや貨車等の運搬用移動体Tに搭載又は牽引させて、展示場所から指定場所まで移動させてもよい。
【0023】
また例えば、図1の例の本サービスでは自動車11は販売対象とされたが、自動車11は鑑賞対象とされてもよい。
具体的には例えば自動車博物館を運営する者が、自動車11を移動式コンテナ12に収納させた状態で、展示場所に設置してもよい。これにより、従来の自動車博物館と比較して、狭い土地でも自動車博物館を実現することが可能になる。
【0024】
さらに以下、図2乃至図5を参照して、移動式コンテナ12の詳細について説明する。
図2は、本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例を示す入口側の側面図である。
図3は、本発明のセット品の一実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例を示す鑑賞側の側面図である。
【0025】
移動式コンテナ12の側面のうち、上面からみると一方の短辺側の側面(図2に示す入口側の側面)には、自動車11の入口が設けられている。図2の例は入口が開放された様子を示しているが、上述したように、外部操作により(例えばスマートキーにより)入口を閉めることも可能である。
また、移動式コンテナ12の側面のうち、上面からみると長辺側の側面(図3に示す鑑賞側の側面)は、ガラス張りになっている。これにより、ユーザUは、外部から、移動式コンテナ12に収納された自動車11を視認(鑑賞)することができる。即ち、移動式コンテナ12を、自動車11の車庫のみならず、自動車11のショーケースとして利用することも可能になる。
また、移動式コンテナ12の図3に示す側面には、上述のQRコード等の媒体121も付されている。この媒体121には、所定のWebサイトのURLが格納されている。当該所定のWebサイトには、自動車11及び移動式コンテナ12の詳細情報や、販売者Bとのコミュケーション手段(チャット機能や、メールアドレスや電話番号の記載等)が含まれている。
従って、ユーザUは、ユーザ端末21を用いて媒体121を読み込んで所定のWebサイトにアクセスすることで、自動車11及び移動式コンテナ12の詳細情報を取得したり、販売者Bとコミュニケーションを図ることができる。
【0026】
図4は、図2及び図3の移動式コンテナの内部の構成の一例を示す図である。
図5は、図2及び図3の移動式コンテナの上面(屋根)の一例を示す図である。
図4に示すように、移動式コンテナ12の内部には、蓄電装置122が設けられている。
図5に示すように、移動式コンテナ12の屋根には、太陽光パネル123が設けられている。
即ち、太陽光パネル123により発電された電力は蓄電装置122において充電され、蓄電される。蓄電装置122は、移動式コンテナ12内で使用する電気機器(例えば上述の監視カメラや、ユーザUの来訪時や自動車11の展示時に用いるオーディオ機器等)を駆動するための電力を供給する。
【0027】
以上まとめると、販売者Bは、自動車11及び移動式コンテナ12を単体で販売することもできるが、セット品1として販売することもできる。
このセット品1を構成する移動式コンテナ12は、次のような第1乃至第3機能を有している。
第1機能は、移動対象の自動車11が収納された状態で、運搬用移動体Tに搭載又は牽引されて当該運搬用移動体Tと共に移動する機能(図1の中央の図参照)である。
第2機能は、販売対象の自動車11が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の自動車11が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車11のディスプレイケースとなる機能(図1の左方の図参照)である。
第3機能は、使用者の指定場所(例えば図1のユーザUの家Hの庭)に設置されて、当該使用者が自動車11を使用する際に車庫となる機能(図1の右方の図参照)である。
また、セット品1を構成する自動車11は、移動式コンテナ12に収容される。
【0028】
このようなセット品1を用いた本サービスは、従来の自動車単体で販売する手法(以下、「従来手法」と呼ぶ)と比較すると次のような第1効果乃至第10効果を奏することが可能になる。
【0029】
第1効果とは次のようなものである。
即ち、従来手法は、広い土地に一堂に自動車を並べ、その土地の一部に事務所等を設けて、自動車の販売を行う手法である。
これに対して、本サービスによれば、狭い土地に分散して自動車11をセット品1として展示できるため、販売者B等の事業者は、事業の拡大又は縮小がしやすい。つまり、事業者は「自動車の自動販売機」のような戦略で多角化を実現できる。
【0030】
第2効果とは次のようなものである。
即ち、従来手法でヒストリックカーを購入したオーナーは、自宅等に車庫を別途設けて保管する必要がある。このため、狭小の住宅やマンション等の住人は、ヒストリックカーのオーナーになることの実現が困難である。
これに対して、本サービスによれば、販売者B等の事業者が用意した土地、或いはユーザU自らが用意した土地(駐車場等)に移動式コンテナ12を配置して、ヒストリックカーたる自動車11を保管することができる。このため、図1に示す庭付きの家Hの住人のみならず、狭小の住宅やマンション等の住人であっても、ユーザUとして、ヒストリックカーのオーナーになることが容易に実現可能になる。
さらに、上述の管理・メンテナンスサービスも併用することで、事業者(或いはその委託者)が、自動車11に対して、バッテリー充電、洗車、ワックスがけ、コーティング、車検整備等を行うことができる。これにより、ユーザUにとっては、自動車11の劣化を予防できるし、販売者B等の事業者にとっては定期収入に結びつくことになる。
【0031】
第3効果とは次のようなものである。
即ち、本サービスによれば、自動車11及び移動式コンテナ12のセット品1のユーザUは、1人である必要はなく、複数のオーナーであってもよい。
このように、複数のオーナーが所有して費用の分担を行うことで、複数のオーナーの夫々は自動車11を利用したいときに利用できるようになる。
【0032】
第4効果とは次のようなものである。
即ち、本サービスによれば、自動車11及び移動式コンテナ12のセット品1を複数セット用意して複数の場所に点在させて、複数の場所の自動車11の全てでサブスクリプションの利用を図るといったビジネスをすることができる。このビジネスをする者(ユーザUであってもよいし、事業者であってもよい)は、収益を上げることができる。
【0033】
第5効果とは次のようなものである。
即ち、本サービスによれば、図1には図示せぬ事業者(本サービスの提供者等)は、自動車販売会社(図1の販売者B等)に対して販売委託を行い、車庫(移動式コンテナ12)とヒストリックカー(自動車11)のセット品1についての販売所での販売を促すことができる。これにより、その自動車販売会社の広告宣伝にもつながり、高級路線の販売ルートも確立できる。
【0034】
第6効果とは次のようなものである。
即ち、本サービスによれば、上述したように、車庫(移動式コンテナ12)を開閉する入口にスマートキーを設置し、ユーザU(オーナーや利用者)が自動車11を利用する際にIDを発行し、当該IDでスマートキーを解除して入口を開ける方式を採用することができる。このような方式を採用することで、カーシェアリングのように、1人以上のユーザUによる自動車11の利用の管理を行うことが容易に可能になる。
【0035】
第7効果とは次のようなものである。
即ち、本サービスによれば、土地の所有者は、自動車11及び移動式コンテナ12のセット品1を自身の土地に配置させることで、販売者Bとなったり、当該販売者Bのために自身の土地を貸し出したり、自動車博物館のオーナーになる等の事業について、その展開を小資本で展開することができるようになる。
【0036】
第8効果とは次のようなものである。
即ち、現在のヒストリックカーや旧車、クラッシックカーの価格は高騰している。そこで、本サービスにおいて、このようなものを自動車11として採用してセット品1を構成することで、投資として有効なものになる。
【0037】
第9効果とは次のようなものである。
即ち、従来手法による多くのクラッシックカー等の博物館は、集客不足により経営破たんするところが多い。
これに対して、本サービスを採用することで、小資本で複数のセット品1(自動車11及び移動式コンテナ12)を分散配置することができ、さらにはセット品1(自動車11及び移動式コンテナ12)を売却して利益を得ることができるようになる。撤退する際には、車庫(移動式コンテナ12)や自動車11をそのままにして或いは移動させて、セット品1の販売が可能になる。
【0038】
第10効果とは次のようなものである。
即ち、本来、日本国においては、10m^2を超える建築物は建築確認申請が必要である。しかしながら、本サービスにおいて、車庫(移動式コンテナ12)は、セット品1の構成要素として販売対象物になるため、建築物には該当せず、建築確認申請の必要がない。
【0039】
以上の第1効果乃至第10効果をまとめると、本サービスは、広大な土地が存在しなくても自動車11の販売や博物館が実現可能となるように、自動車11及び移動式コンテナ12から構成されるセット品1という新たな価値を創造し、当該セット品1という新たな価値で取引を行うことが可能な新たなビジネスモデルを提供できる。
【0040】
さらに、図6及び図7に示すように、移動式コンテナ12に対して所定部材をさらに備えることで付加機能を発揮させることもできるし、図8及び図9に示すように、2以上の移動式コンテナ12を組合せることで付帯機能を発揮させることもできる。このような付帯機能も組み合わせることで、セット品1を各種各様な用途で使用することができるようになるため、さらなる新たな価値を創造し、さらなる新たなビジネスモデルを提供できるようになる。
【0041】
図6は、本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例とは異なる第2例を示す斜視図である。
図6に示す第2例のセット品1の移動式コンテナ12の長辺側の側面(図6に示すガラス張りになっている鑑賞側の側面)の下方には、人等が利用可能なスペースをつくりだすという付帯機能を発揮させる部材124が設けられている。
部材124は、移動式コンテナ12の床面と同程度の面積を有する板状の部材であり、通常は図6の左方に示すように移動式コンテナ12の床面の下方に収納されており、必要に応じて図6の右方に示すようにスライド移動させることで当該部材124自体の上面をスペースとして機能させることができる。
販売場所又は鑑賞場所にセット品1が設置されている場合には、図6の右方に示すように部材124の上面に形成されたスペースは、例えばテーブルや椅子を配置させることで、自動車11の購入予定者と販売員との商談スペースとして活用したり、自動車11の鑑賞者等の休憩や憩いの場として活用することができる。後者の場合には、セット品1は、自動車11の博物館用としてのみならず、例えば自動車11を鑑賞しながら喫茶をするカフェ店用等新たな用途として活用し得る。或いは、購入者が、セット品1をキャンプ場所等に移動させて図6の右方のように配置させることで、キャンプ等の活動の場(食事したり休憩する場等)として活用することができる。
【0042】
図7は、本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例及び図6の第2例とは異なる第3例を示す斜視図である。
図7に示す第3例のセット品1の移動式コンテナ12の長辺側の側面(図6に示すガラス張りになっている鑑賞側の側面)の上方には、人等が利用可能なスペースをつくりだすという付帯機能を発揮させる部材125が設けられている。
部材124は、移動式コンテナ12の上面と同程度の面積を有する板状の部材であり、通常は図7の左方に示すように移動式コンテナ12の上面の下方に収納されており、必要に応じて図7の右方に示すようにスライド移動させて(さらに必要に応じて支持体のようなもので地面(或いは床)との間で支持することで)、当該部材125の下方をスペースとして機能させることができる。
販売場所又は鑑賞場所にセット品1が設置されている場合には、図7の右方に示すように部材125の下方に形成されたスペースは、テーブルや椅子を配置させることで、自動車11の購入予定者と販売員との商談スペースとして活用したり、自動車11の鑑賞者等の休憩や憩いの場として活用することができる。後者の場合には、セット品1は、自動車11の博物館用としてのみならず、例えば自動車11を鑑賞しながら喫茶をするカフェ店用等新たな用途として活用し得る。或いは、購入者が、セット品1をキャンプ場所等に移動させて図6の右方のように配置させることで、キャンプ等の活動の場(食事したり休憩する場等)として活用することができる。
【0043】
図8は、本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例、図6の第2例、及び図7の第3例とは異なる第4例を示す斜視図である。
図8に示す第4例では、2つのセット品1―1及び1-2が組になっており、2つの移動式コンテナ12―1及び12-2の夫々の長辺側の側面が開放された状態で連結されることで、2台の自動車11-1及び11-2を収納させるという付帯機能を発揮させることが可能になる。
なお、この付帯機能を発揮させる場合、2つの移動式コンテナ12―1及び12-2の夫々の長辺側の側面の一方は、解放された状態で連結され、他方は自動車11-1及び11-2の出入口となる。従って、2台の自動車11-1及び11-2を鑑賞させるためには、図8に示すように、2つの移動式コンテナ12―1及び12-2の夫々の短辺側の側面は、ガラス張りにすると好適である。
【0044】
図9は、本発明のセット品の実施形態の外観構成、即ち、自動車が収納された移動式コンテナの外観構成の一例であって、図2乃至図5の第1例、図6の第2例、図7の第3例、及び図8の第4例とは異なる第5例を示す斜視図である。
図9に示す第5例では、2つのセット品1―1及び1-2が組になっており、2つの移動式コンテナ12―1及び12-2の夫々が長辺側の側面方向に所定の距離だけ離間して配置されることで、その間にスペースAを形成させるという付帯機能を発揮させることが可能になる。
なお、この付帯機能を発揮させる場合、図9に示すように、板状の部材126を屋根としてスペースAの上方に配置すると好適である。このスペースAは、図6の第2例や図7の第3例の様に、テーブルや椅子を配置させることで、自動車11―1,11-2の購入予定者と販売員との商談スペースとして活用したり、自動車11―1,11-2の鑑賞者等の休憩や憩いの場として活用することができる。後者の場合には、セット品1―1及び1-2は、自動車11―1,11-2の博物館用としてのみならず、例えば自動車11―1,11-2を鑑賞しながら喫茶をするカフェ店用等新たな用途として活用し得る。或いは、購入者が、セット品1―1,1-2をキャンプ場所等に移動させて図9のように配置させることで、キャンプ等の活動の場(食事したり休憩する場等)として活用することができる。
さらに、エリアAの面積は、2つの移動式コンテナ12―1及び12-2の夫々の長辺側の側面方向に離間させることが可能な範囲内で自由に可変することができる。したがって、エリアAは、図9に示すように自動車11-1,11-2の仮配置場所としても機能することが可能になる。
【0045】
次に、図10乃至図12を参照して、上述したセット品1を用いた図1の本サービスを実現化させる情報処理システムの構成について説明する。
図10は、図1の本サービスが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0046】
図10に示す情報処理システムは、ユーザ端末21と、販売者端末22と、サーバ23と、メンテナンス者端末24とが、インターネット等の所定のネットワークを介して相互に通信可能に接続されることで構成される。
【0047】
サーバ23は、図1の本サービスを提供する者(以下、「サービス提供者」と呼ぶ)が管理する情報処理装置である。サーバ23は、ユーザ端末21、販売者端末22、及びメンテナンス者端末24の夫々と各種情報を授受して、本サービスを提供するための各種処理を実行する。
【0048】
ユーザ端末21は、ユーザUが操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
販売者端末22は、販売者Bが操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
メンテナンス者端末24は、メンテナンス者Mが操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0049】
次に、本サービスを提供するために各種処理を実行するサーバ23のハードウェア構成について説明する。
図11は、図10のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0050】
サーバ23は、CPU(Central Processing Unit)231と、ROM(Read Only Memory)232と、RAM(Random Access Memory)233と、バス234と、入出力インターフェース235と、出力部236と、入力部237と、記憶部238と、通信部239と、ドライブ240とを備えている。
【0051】
CPU231は、ROM232に記録されているプログラム、又は、記憶部238からRAM233にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM233には、CPU231が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0052】
CPU231、ROM232及びRAM233は、バス234を介して相互に接続されている。このバス234にはまた、入出力インターフェース235も接続されている。入出力インターフェース235には、出力部236、入力部237、記憶部238、通信部239及びドライブ240が接続されている。
【0053】
出力部236は、各種ディスプレイや各種スピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部237は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部238は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部239は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図10のユーザ端末21、販売者端末22、及びメンテナンス者端末24)との間で行う通信を制御する。
【0054】
ドライブ240は、必要に応じて設けられる。ドライブ240には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア250が適宜装着される。ドライブ240によってリムーバブルメディア250から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部238にインストールされる。またリムーバブルメディア250は、記憶部238に記憶されている各種データも、記憶部238と同様に記憶することができる。
【0055】
図12は、図11のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図12に示すように、サーバ23のCPU231において、車庫・車両監視部301と、車庫・車両販売制御部302と、車庫・車両移動制御部303と、車庫・車両メンテナンス制御部304とが機能する。
【0056】
車庫・車両監視部301は、移動式コンテナ12、及び、当該移動式コンテナ12に収納されている自動車11を監視する。
例えば、車庫・車両監視部301は、移動式コンテナ12の監視カメラを遠隔操作して、当該監視カメラの映像を取得し、メンテナンス者端末24やユーザ端末21に提供する。
また例えば、車庫・車両監視部301は、移動式コンテナ12の入口のスマートキーを管理し、自動車11を利用する者(例えばユーザU)の端末(例えばユーザ端末21)に対して、スマートキーを解除するためのIDを発行する。
【0057】
車庫・車両販売制御部302は、図1の左方の販売ステップにおいて、自動車11及び移動式コンテナ12のセット品1の販売に関する各種処理の実行を制御する。
例えば、移動式コンテナ12に付されているQRコード(登録商標)等の媒体121がユーザ端末21により読み込まれた場合、車庫・車両販売制御部302は、自動車11及び移動式コンテナ12の詳細情報を掲載する所定のWebサイトをユーザ端末21のブラウザ等に表示させる。
また例えば、当該Webサイトにチャット機能が搭載されている場合、車庫・車両販売制御部302は、ユーザ端末21(ユーザU)と販売者端末22(販売者B)との間で行われるチャットを実現するための各種処理を実行する。
また例えば、車庫・車両販売制御部302は、ユーザUがセット品1を購入するための各種処理、例えば購入のための電子契約を締結するための処理等を実行する。
【0058】
車庫・車両移動制御部303は、自動車11が収納された状態の移動式コンテナ12が運搬用移動体Tに搭載又は牽引されて移動するための各種制御を実行する。
例えば、車庫・車両移動制御部303は、運搬用移動体Tやその運転手の確保やルート設定等に関する各種処理を実行する。
また例えば、車庫・車両移動制御部303は、車庫・車両監視部301と協働して、移動中の移動式コンテナ12内の様子を監視し、自動車11の異常等が発生した場合その旨を運搬用移動体Tの運転手等に通知する。
【0059】
車庫・車両メンテナンス制御部304は、図1の使用ステップにおいて機能する。即ち、車庫・車両メンテナンス制御部304は、ユーザ端末21及びメンテナンス者端末24と各種情報を適宜授受しながら、監視サービス及び管理・メンテナンスサービスをユーザUに提供するための各種処理を実行する。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0061】
例えば、上述の実施形態では、セット品1に付されるサービスは、監視サービスと、管理・メンテナンスサービスとが採用されたが、特にこれに限定されない。
即ち、セット品1に付されるサービスは、販売後の移動式コンテナ12と自動車11の少なくとも一方に対するサービスであって、監視、管理、及びメンテナンスのうち少なくとも1つのサービスであれば足りる。
【0062】
例えば、上述の実施形態では、移動式コンテナ12には、太陽光パネル123と蓄電装置122とが搭載されていたが、特にこれに限定されない。
即ち、移動式コンテナ12は、任意の発電部と、当該発電部により発電された電力を蓄電する任意の蓄電部とを有することができる。
【0063】
例えば、上述の実施形態では、移動式コンテナ12が採用されたが、特にこれに限定されない。
例えば、牽引されるショーケース等、次の第1乃至第3機能を有するものであれば任意の容器を採用することができる。
第1機能は、移動対象の自動車11が収納された状態で、運搬用移動体Tに搭載又は牽引されて当該運搬用移動体Tと共に移動する機能である。
第2機能は、販売対象の自動車11が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の自動車11が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車11のディスプレイケースとなる機能である。
第3機能は、使用者の指定場所に設置されて、当該使用者が自動車11を使用する際に車庫となる機能である。
【0064】
例えば、図11に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0065】
また、図12に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図12の例に限定されない。
また、機能ブロックの存在場所も、図12の例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0066】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0067】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0068】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0069】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0070】
以上まとめると、本発明が適用されるセット品は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用されるセット品(例えば図1乃至図10のセット品1)は、
移動対象の自動車(例えば図1の中央の図の移動ステップにおける自動車11)が収納された状態で、運搬用移動体(例えば図1のトラック等の運搬用移動体T)に搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する第1機能、
販売対象の前記自動車(例えば図1の左方の図の販売ステップにおける自動車11)が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の前記自動車が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車のディスプレイケースとなる第2機能、及び、
使用者(例えば図1のユーザU)の指定場所(例えば図1の右方のユーザUの家Hの庭)に設置されて、当該使用者が前記自動車を使用する際に車庫となる第3機能、
を有する容器(例えば図1乃至図10の移動式コンテナ12)と、
前記コンテナに収容される対象の自動車(例えば図1乃至図10の自動車11)と、
を備える。
【0071】
このように、広大な土地が存在しなくても自動車の販売や博物館が実現可能となるように、自動車及び容器から構成されるセット品という新たな価値を創造し、当該セット品という新たな価値で取引を行うことが可能な新たなビジネスモデルを提供できる。
【0072】
また、前記容器と前記自動車との夫々は散売り可能とされている、
ようにすることができる。
【0073】
また、販売後の前記容器と前記自動車の少なくとも一方に対するサービスであって、監視、管理、及びメンテナンスのうち少なくとも1つのサービス(例えば上述の「監視サービス」や「管理・メンテナンスサービス」)も付与されて販売される、
ようにすることができる。
【0074】
販売対象の前記自動車に関する情報、及び販売に関する情報を含むWebサイトのURLが付された媒体(例えば図1図3のQRコード等の媒体121)が、前記容器に付されている、
ようにすることができる。
【0075】
前記容器は、発電部(例えば図5の太陽光パネル123)と、当該発電部により発電された電力を蓄電する蓄電部(例えば図4の蓄電装置122)と、
を有することができる。
【0076】
前記容器は、さらに、所定の付帯機能を発揮させる所定部材(例えば所定のスペースをつくりだすという付帯機能を発揮させる図6の部材124や図7の部材125)を有する、
ことができる。
【0077】
複数の前記セット品(例えば図7及び図8の例では、2つのセット品1)で単位とされており、
複数の前記セット品の夫々の前記容器が組み合わさることで、所定の付帯機能を発揮させる(図7の例では、2台の自動車11-1及び11-2を収納させるという付帯機能であり、図8の例では、所定のスペースをつくりだすという付帯機能である)、
ようにすることができる。
【符号の説明】
【0078】
1:セット品、
11:自動車、
12:移動式コンテナ、
21:ユーザ端末、
22:販売者端末、
23:サーバ、
24:メンテナンス者端末、
121:媒体、
122:蓄電装置、
123:太陽光パネル、
124:部材、
125:部材、
126:部材、
231:CPU、
232;ROM、
233:RAM、
234:バス、
235:入出力インターフェース、
236:入力部、
237:出力部、
238:記憶部、
239:通信部、
240:ドライブ、
250:リムーバブルメディア、
301:車庫・車両監視部、
302:車庫・車両販売制御部、
303:車庫・車両移動制御部、
304:車庫・車両メンテナンス制御部、
B:販売者
U:ユーザ
M:メンテナンス者
【要約】
実施形態のセット品1は、新たな価値を創造し、当該新たな価値で取引を行うことが可能な自動車の新たなビジネスモデルを提供することを課題とする。
セット品1は、自動車11と移動式コンテナ12とから構成される。移動式コンテナ12は、第1機能乃至第3機能を有する。第1機能とは、移動対象の自動車11が収納された状態で、トラック等の運搬用移動体Tに搭載又は牽引されて当該運搬用移動体と共に移動する機能である。第2機能とは、販売対象の自動車11が収納された状態で販売場所に設置されるか、又は、鑑賞対象の自動車11が収納された状態で鑑賞場所に設置されることで、当該自動車11のディスプレイケースとなる機能である。第3機能とは、ユーザU等の使用者の指定場所(例えば家Hの庭)に設置されて、当該使用者が自動車11を使用する際に車庫となる機能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12