(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ロボット制御可能な電磁場発生器
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20241108BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20241108BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2023513385
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 IB2021057795
(87)【国際公開番号】W WO2022043896
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2024-08-20
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スラメック・クリストファー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】アイバリ・エリフ
(72)【発明者】
【氏名】バーマン・デイビッド・バーディック
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0000560(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0015991(US,A1)
【文献】国際公開第2015/166487(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111278380(CN,A)
【文献】特表2019-506919(JP,A)
【文献】特表2020-526253(JP,A)
【文献】特表2022-518764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0000562(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00-34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器に結合するように構成され、前記EM場発生器を移動させるように構成された第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
前記EM場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の前記EM場内のEMセンサのEM位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することと、
前記EM場発生器の前記位置に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの位置を決定することと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM場発生器の前記位置を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記EM場発生器が、コンパクトな電磁場発生器(cFG)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器に取り外し可能に結合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
医療器具の移動を制御するように構成された第2のロボットアームを更に備え、
前記ロボット座標フレームが、前記第2のロボットアームに更に関連付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、可動カートに結合される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに結合される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記EMセンサが、前記医療器具上に位置決めされている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、医療処置中に患者へのアクセスを可能にするために、前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させるように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記EMセンサに対して新しい位置に移動させることと、
前記EM場発生器に関連付けられた前記EM座標フレーム内の前記EM場内の前記EMセンサの新しいEM位置を決定することであって、前記新しいEM位置が、前記EM位置と比較して改善された精度を有する、決定することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を移動させて、前記EM場発生器の前記位置及び前記第1のロボットアームの前記位置に基づいて、前記EM場発生器の作業体積内で前記EMセンサを中心に置くように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器であって、前記EM場発生器が、患者内に位置決めされたEMターゲットを検出するEM場を発生させるように構成されている、電磁(EM)場発生器と、
前記EM場発生器上に位置決めされており、経皮的に挿入可能な器具を挿入軸に沿って誘導するように構成された器具ガイ
ドと、
前記EM場発生器に結合されるように構成された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器及び前記器具ガイド
の複合構造体を移動させるように更に構成されている、第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
前記患者内に位置決めされた
前記EMターゲットを決定することと、
前記EM場に関連付けられたEM座標フレーム内の
座標を、前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に関連付けられたロボット座標フレーム内の
座標にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、前記第1のロボットアームを移動させて、前記器具ガイドの前記挿入軸を前記EMターゲットと整合させ
、前記挿入軸が前記EMターゲットと整合したときに前記経皮的に挿入可能な器具が前記EMターゲットに向けて誘導可能となるようにすることと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、
ロボット医療システム。
【請求項13】
軸に沿って延在する経皮的に挿入可能な器具と結合するように構成された第2のロボットアームを更に備え、前記第2のロボットアームが、前記経皮的に挿入可能な器具を移動させるように更に構成されており、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第2のロボットアームを使用して、前記経皮的に挿入可能な器具の前記軸を前記挿入軸と整合させることと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記EMターゲットに向かって前記挿入軸に沿って前記器具ガイドを通して前記経皮的に挿入可能な器具を挿入することと、を行うように更に構成されている、請求項
12に記載のロボット医療システム。
【請求項14】
ロボット医療器具と結合するように構成された第3のロボットアームを更に備え、前記第3のロボットアームが、前記ロボット医療器具が前記患者に挿入されている間に前記ロボット医療器具を制御するように更に構成されており、前記EMターゲットが、前記ロボット医療器具上に配置されたEMセンサを備える、請求項
13に記載の
ロボット医療システム。
【請求項15】
前記位置合わせが、前記ロボット
座標フレーム内の前記EM場発生器の位置に基づいて決定され、
前記ロボット座標フレーム
内の前記EM場発生器の前記位置が、前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて決定される、請求項
12に記載の
ロボット医療システム。
【請求項16】
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置にマッピングすることと、を行うように構成されることによって、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を決定するように構成されている、請求項
15に記載の
ロボット医療システム。
【請求項17】
前記経皮的に挿入可能な器具が、針、アクセスシース、及び腹腔鏡器具のうちの1つを備える、請求項
12に記載の
ロボット医療システム。
【請求項18】
前記器具ガイドは、前記経皮的に挿入可能な器具が挿入される、画定された空間である、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項19】
前記器具ガイドが、前記EM場発生器上に搭載されている、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項20】
前記器具ガイドが、前記経皮的に挿入可能な器具の挿入運動をある自由度に制限する、請求項12に記載のロボット医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、ロボット医療システムのための電磁場発生器を対象とし、より具体的には、医療システム並びに関連デバイス、システム、及び方法における歪みを検出するためのロボットによって位置決め可能及び/又は制御可能な電磁場発生器を対象とする。
【背景技術】
【0002】
腹腔鏡検査又は内視鏡検査などの医療処置は、患者の内部領域にアクセスし、それを可視化することを伴い得る。腹腔鏡処置では、腹腔鏡アクセスポートを通して医療器具を内部領域に挿入することができる。内視鏡処置では、薄い可撓性の管状医療器具を、患者の自然開口部を通して内部領域の中に挿入することができる。医療器具は、処置中に機能を実行するように構成されたエンドエフェクタを含むことができる。
【0003】
特定の処置では、ロボット対応の医療システムを使用して、医療器具及びエンドエフェクタの挿入及び/又は操作を制御することができる。ロボット対応の医療システムは、処置中の器具の位置決めを制御するために使用されるマニピュレータアセンブリを有するロボットアーム又はその他の器具位置決めデバイスを含むことができる。
【0004】
ロボット対応の医療システムは、医療器具の位置を、医療器具上に位置決めされ得る1つ又は2つ以上の位置センサの出力に基づいて決定するように構成され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボット医療システムは、システムのロボットアームに結合する(又は別様で統合される)ように構成された電磁(electromagnetic、EM)場発生器を含み得る。かかるEM場発生器は、ロボットアームを使用して制御又は再位置決めすることができるため、ロボット制御可能又は位置決め可能と見なすことができる。EM場発生器は、1つ又は2つ以上のEMセンサの位置を決定し得る磁場を生成することができる。EM場発生器はロボットアームに結合されるので、ロボットアームの運動学を使用して、EM場発生器のEM座標フレームとシステムのロボット座標フレーム又はグローバル座標フレームとの間の位置合わせを確立することができる。
【0006】
この構成は、EM座標フレームとロボット又はグローバル座標フレームとの間の関係を確立するためにユーザ入力を必要とし得る、より複雑な位置合わせステップの必要性を低減又は排除することができる。この構成はまた、例えば、ロボットアームに対応する電磁場発生器の設定を改善すること、医療器具を追跡すること、システムのセンサに影響を及ぼし得る歪みを検出することによって、EMセンサの位置が決定される精度を改善し、追加のモダリティとのセンサ融合を容易にすることができる。
【0007】
ロボット制御可能又は位置決め可能なEM場発生器のこれら及び他の特徴及び利点は、以下でより詳細に説明される。本開示のシステム、方法及びデバイスはそれぞれ、複数の革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示される態様は、以下、開示された態様を例示し、かつ限定しないように提供される添付の図面と併せて説明され、同様の称号は同様の要素を示す。
【
図1】例示的な実施形態による、診断及び/又は治療気管支鏡検査法のために配置されたカートベースのロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図2】例示的な実施形態による、
図1のロボットシステムの更なる態様を示す図である。
【
図3】例示的な実施形態による、尿管鏡検査のために配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図4】例示的な実施形態による、血管処置のために配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図5】例示的な実施形態による、気管支鏡処置のために配置されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図6】例示的な実施形態による、
図5のロボットシステムの代替図である。
【
図7】例示的な実施形態による、例示的な一実施形態による、ロボットアームを収容するように構成された例示的なシステムを示す図である。
【
図8】例示的な実施形態による、尿管鏡処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図9】例示的な実施形態による、腹腔鏡処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図10】例示的な実施形態による、ピッチ又は傾斜調整を有する、
図5~
図9のテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す図である。
【
図11】例示的な実施形態による、
図5~
図10のテーブルベースのロボットシステムのテーブルとカラムとの間のインターフェースの詳細図である。
【
図12】例示的な実施形態による、テーブルベースのロボットシステムの代替的な一実施形態を示す図である。
【
図13】例示的な実施形態による、
図12のテーブルベースのロボットシステムの端面図である。
【
図14】例示的な実施形態による、ロボットアームが取り付けられたテーブルベースのロボットシステムの端面図である。
【
図15】例示的な実施形態による例示的な器具ドライバを示す図である。
【
図16】例示的な実施形態による、対になった器具ドライバを有する例示的な医療器具を示す図である。
【
図17】例示的な実施形態による、駆動ユニットの軸が器具の細長いシャフトの軸と平行である、器具ドライバ及び器具のための代替設計を示す図である。
【
図18】例示的な実施形態による、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す図である。
【
図19】例示的な実施形態による例示的なコントローラを示す図である。
【
図20】例示的な実施形態による、
図16~
図18の器具の場所など、
図1~
図10のロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システムを示すブロック図である。
【
図21】作業体積を有する磁場を生成する、例示的なEM場発生器を示す図である。例示的な実施形態による、EM場発生器の作業体積内に位置決めされた例示的なEMセンサも示されている。
【
図22A】例示的な実施形態による、
図21のEM場発生器を含むロボット医療システムの一実施形態を示す斜視図である。
【
図22B】例示的な実施形態による、
図22Aのロボット医療システムと関連付けられたロボット座標フレームをEM場発生器と関連付けられたEM座標系と位置合わせするために使用され得る、例示的な位置合わせステップを示す図である。
【
図22C】例示的な実施形態による、
図22Aのロボット医療システムと関連付けられたロボット座標フレームをEM場発生器と関連付けられたEM座標系と位置合わせするために使用され得る、例示的な位置合わせステップを示す図である。
【
図23】例示的な実施形態による、システムのロボットアームに結合されたロボット制御可能な電磁場発生器の一実施形態を含むロボット医療システムの一実施形態を示す斜視図である。
【
図24】例示的な実施形態による、ロボットアームに結合するように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器の一実施形態の斜視図である。
【
図25】例示的な実施形態による、
図24のロボット制御可能な電磁場発生器が、ロボットアームの器具駆動機構に結合するように構成され得ることを示す図である。
【
図26】例示的な実施形態による、ロボットアームに結合するように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を使用してロボット医療処置を実施するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図27A】例示的な実施形態による、解剖学的特徴の自動器具追跡及びマッピングのために構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を含むロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図27B】例示的な実施形態による、解剖学的特徴の自動器具追跡及びマッピングのために構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を含むロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図28A】例示的な実施形態による、電磁場発生器の設定及び載置を容易にし、その作業体積を拡張するために構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図28B】例示的な実施形態による、電磁場発生器の設定及び載置を容易にし、その作業体積を拡張するために構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図29】例示的な実施形態による、システムのロボットアームに結合されたロボット制御可能な電磁場発生器を含むロボット医療システムの一実施形態を表すブロック図である。
【
図30A】例示的な実施形態による、EMセンサがEM場内の所定の位置に位置決めされるように、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図30B】例示的な実施形態による、EMセンサがEM場内の所定の位置に位置決めされるように、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図31A】例示的な実施形態による、EMセンサがEM場内の所定の領域内に位置決めされるように、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図31B】例示的な実施形態による、EMセンサがEM場内の所定の領域内に位置決めされるように、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図32A】例示的な実施形態による、EMセンサの移動経路を追跡する経路に沿って、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図32B】例示的な実施形態による、EMセンサの移動経路を追跡する経路に沿って、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図33A】例示的な実施形態による、経路に沿って移動するEMセンサがEM場の所定の領域内に位置決めされたままとなるようにロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図33B】例示的な実施形態による、経路に沿って移動するEMセンサがEM場の所定の領域内に位置決めされたままとなるようにロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図33C】例示的な実施形態による、経路に沿って移動するEMセンサがEM場の所定の領域内に位置決めされたままとなるようにロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図33D】例示的な実施形態による、経路に沿って移動するEMセンサがEM場の所定の領域内に位置決めされたままとなるようにロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。
【
図34】例示的な実施形態による、ロボットアームに結合されたEM場発生器を、EM場内のEMセンサの決定された位置に基づいて移動させるための例示的な方法を提供するフローチャートである。
【
図35A】例示的な実施形態による、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームを使用して、EM場発生器を電磁場発生器位置に移動させる例を示す斜視図である。
【
図35B】例示的な実施形態による、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームを使用して、EM場発生器を電磁場発生器位置に移動させる例を示す斜視図である。
【
図36A】例示的な実施形態による、EM場発生器の電磁場発生器位置を、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームを使用して再調整する例を示す斜視図であり、複数のEMセンサのうちの少なくとも1つは移動している。
【
図36B】例示的な実施形態による、EM場発生器の電磁場発生器位置を、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームを使用して再調整する例を示す斜視図であり、複数のEMセンサのうちの少なくとも1つは移動している。
【
図36C】例示的な実施形態による、EM場発生器の電磁場発生器位置を、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームを使用して再調整する例を示す斜視図であり、複数のEMセンサのうちの少なくとも1つは移動している。
【
図37】例示的な実施形態による、ロボットアーム上に搭載されたEM場発生器の電磁場発生器位置を、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて決定するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図38A】例示的な実施形態による、電磁場発生器の作業体積を拡張するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図38B】例示的な実施形態による、電磁場発生器の作業体積を拡張するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図38C】例示的な実施形態による、電磁場発生器の作業体積を拡張するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図39A】例示的な実施形態による、EMセンサの位置を検出し、電磁場発生器の作業体積を拡張するように、ロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図39B】例示的な実施形態による、EMセンサの位置を検出し、電磁場発生器の作業体積を拡張するように、ロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図39C】例示的な実施形態による、EMセンサの位置を検出し、電磁場発生器の作業体積を拡張するように、ロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図39D】例示的な実施形態による、EMセンサの位置を検出し、電磁場発生器の作業体積を拡張するように、ロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図40A】例示的な実施形態による、電磁場発生器の拡張された作業体積内のEMセンサの位置を追跡するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図40B】例示的な実施形態による、電磁場発生器の拡張された作業体積内のEMセンサの位置を追跡するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図40C】例示的な実施形態による、電磁場発生器の拡張された作業体積内のEMセンサの位置を追跡するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図40D】例示的な実施形態による、電磁場発生器の拡張された作業体積内のEMセンサの位置を追跡するようにロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器を含む、ロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図41A】例示的な実施形態による、ロボット制御可能な電磁場発生器の作業体積を拡張するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図41B】例示的な実施形態による、ロボット制御可能な電磁場発生器の作業体積を拡張するための別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図42A】例示的な実施形態による、経皮的に挿入可能な器具とEMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図42B】例示的な実施形態による、経皮的に挿入可能な器具とEMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図42C】例示的な実施形態による、経皮的に挿入可能な器具とEMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図43A】例示的な実施形態による、電磁場発生器上に搭載された器具ガイドと、EMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図43B】例示的な実施形態による、電磁場発生器上に搭載された器具ガイドと、EMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図44A】例示的な実施形態による、器具ガイドとEMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図44B】例示的な実施形態による、器具ガイドとEMターゲットとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器を有するロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図45A】例示的な実施形態による、ロボット制御可能な電磁場発生器を使用して、経皮的に挿入可能な器具をEMターゲットと整合させるための方法を示すフローチャートである。
【
図45B】例示的な実施形態による、ロボット制御可能な電磁場発生器を使用して、経皮的に挿入可能な器具のための器具ガイドをEMターゲットと整合させるための方法を示すフローチャートである。
【
図46A】例示的な実施形態による、EM歪みを検出するために、固定されたEM位置センサに対してEM場発生器を移動させるロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図46B】例示的な実施形態による、
図46AのEM場発生器の移動中のロボット軌道とEMセンサ軌道との比較を示す図である。
【
図46C】例示的な実施形態による、位置及び向きの変化を考慮することができるEM歪みを検出するために、固定されたEM位置センサに対してEM場発生器を移動させるロボット医療システムの一実施形態を示す図である。
【
図47】例示的な実施形態による、EM歪み検出のための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図48】例示的な実施形態による、EM歪み検出のための別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図49A】例示的な実施形態による、超音波プローブの撮像面を較正するための手順の間、超音波プローブが取り付けられているロボット医療システムを示す図である。
【
図49B】EM場発生器及び超音波プローブを含むロボット医療システムを示す図である。例示的な実施形態によれば、超音波プローブの撮像面は、ロボットツール及びEMセンサの位置を撮像面上にオーバーレイすることができるように、ロボット座標フレーム及びEM座標フレームに対して較正される。
【
図50】例示的な実施形態による、ロボット医療システムとともに使用するための超音波プローブの撮像面を較正する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図51A】例示的な実施形態による、ロボット医療システムのロボットアームに取り付けられた深度センサを使用して生成された例示的な熱及び点マップを示す図である。
【
図51B】例示的な実施形態による、ロボット医療システムのロボットアームに取り付けられた深度センサを使用して生成された例示的な熱及び点マップを示す図である。
【
図51C】例示的な実施形態による、例示的な深度センサの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.概論。
本開示の態様は、腹腔鏡などの低侵襲性処置、及び内視鏡などの非侵襲性処置の両方を含む、様々な医療処置を行うことができるロボット対応の医療システムに統合され得る。内視鏡処置のうち、システムは、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査などを行うことができる。
【0010】
幅広い処置を行うことに加えて、システムは、医師を支援するための強調された撮像及び誘導などの追加の利益を提供することができる。追加的に、システムは、厄介な腕の運動及び姿勢を必要とせずに、人間工学的位置から処置を行う能力を医師に提供することができる。また更に、システムは、システムの器具のうちの1つ又は2つ以上が単一のユーザによって制御され得るように、改善された使いやすさで処置を行う能力を医師に提供することができる。
【0011】
以下、説明を目的として、図面と併せて、様々な実施形態が説明される。開示される概念の多くの他の実装形態が可能であり、開示される実装形態で様々な利点が達成され得ることを理解されたい。見出しが、参照のために本明細書に含まれ、様々なセクションの位置を特定する支援となる。これらの見出しは、それらに関して説明される概念の範囲を限定することを意図するものではない。かかる概念は、本明細書全体にわたって適用可能性を有し得る。
【0012】
A.ロボットシステム-カート。
ロボット対応の医療システムは、特定の処置に応じて様々な方法で構成され得る。
図1は、診断及び/又は治療用気管支鏡検査のために配置されたカートベースのロボット対応のシステム10の一実施形態を示している。気管支鏡検査の間、システム10は、気管支鏡検査のための処置専用気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡13などの医療器具を、診断及び/又は治療用具を送達するための自然開口部アクセスポイント(すなわち、本例ではテーブル上に位置決めされた患者の口)に送達するための1つ又は2つ以上のロボットアーム12を有するカート11を含むことができる。示されるように、カート11は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置決めすることができる。同様に、ロボットアーム12は、気管支鏡をアクセスポイントに対して位置決めするために作動され得る。
図1の構成はまた、胃腸管(gastro-intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃鏡を用いて行うときに利用することができる。
図2は、カートの例示的な一実施形態をより詳細に示している。
【0013】
図1を引き続き参照すると、カート11が適切に位置決めされると、ロボットアーム12は、操縦可能な内視鏡13をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者に挿入することができる。示されるように、操縦可能な内視鏡13は、内側リーダー部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含んでもよく、各部分は、器具ドライバ28の組のうちの別個の器具ドライバに結合され、各器具ドライバは、個々のロボットアームの遠位端に結合されている。リーダー部分をシース部分と同軸に整合させるのを容易にする、器具ドライバ28のこの直線構成は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12を異なる角度及び/又は位置に操作することによって空間内に再位置決めされ得る「仮想レール」29を形成する。本明細書に記載される仮想レールは、破線を使用して図に図示されており、したがって破線は、システムの物理的構造を図示しない。仮想レール29に沿った器具ドライバ28の並進は、外側シース部分に対して内側リーダー部分を入れ子にするか、又は内視鏡13を患者から前進若しくは後退させる。仮想レール29の角度は、臨床用途又は医師の好みに基づいて調整、並進、及び枢動されてもよい。例えば、気管支鏡検査では、示されるような仮想レール29の角度及び位置は、内視鏡13を患者の口内に曲げ入れることによる摩擦を最小限に抑えながら内視鏡13への医師のアクセスを提供する折衷案を表す。
【0014】
内視鏡13は、ターゲットの目的地又は手術部位に到達するまで、ロボットシステムからの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に向けられてもよい。患者の肺網を通したナビゲーションを容易にし、及び/又は所望のターゲットに到達するために、内視鏡13を操縦して、内側リーダー部分を外側シース部分から入れ子状に延ばして、高められた関節運動及びより大きい曲げ半径を得てもよい。別個の器具ドライバ28の使用により、リーダー部分及びシース部分が互いに独立して駆動されることも可能となる。
【0015】
例えば、内視鏡13は、例えば、患者の肺内の病変又は小結節などのターゲットに生検針を送達するように方向付けられてもよい。針を、内視鏡の長さにわたる作業チャネルの下方に展開されて、病理医によって分析される組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、追加の生検のために追加のツールを内視鏡の作業チャネルの下方に展開されてもよい。小結節を悪性であると特定した後、内視鏡13は、潜在的ながん組織を切除するためにツールを内視鏡的に送達してもよい。一部の場合では、診断及び治療的処置は、別の処置中に送達されてもよい。これらの状況において、内視鏡13はまた、標的小結節の場所を「マーク」するために基準を送達するために使用されてもよい。他の例では、診断及び治療的処置は、同じ処置中に送達されてもよい。
【0016】
システム10はまた、カート11に支持ケーブルを介して接続されて、カート11への制御、電子機器、流体工学、光学系、センサ、及び/又は電力のためのサポートを提供し得る移動可能なタワー30を含んでもよい。タワー30内にかかる機能を置くことにより、動作を行う医師及びそのスタッフがより容易に調整及び/又は再位置決めすることができるより小さいフォームファクタのカート11が可能となる。追加的に、カート/テーブルと支持タワー30との間の機能の分割は、手術室の乱雑さを低減し、臨床ワークフローの改善を容易にする。カート11は患者に近接して位置決めされてもよいが、タワー30は、処置中に邪魔にならないように離れた場所に収容されてもよい。
【0017】
上述したロボットシステムをサポートするために、タワー30は、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内にコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータベースの制御システムの構成要素を含んでもよい。これらの命令の実行は、実行がタワー30内で行われるのか又はカート11内で行われるのかにかかわらず、システム全体又はそのサブシステムを制御してもよい。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行された場合、命令により、ロボットシステムの構成要素が、関連するキャリッジ及びアームマウントを作動させ、ロボットアームを作動させ、医療器具を制御してもよい。例えば、制御信号を受信したことに応答して、ロボットアームの関節内のモータは、アームをある特定の姿勢に位置決めしてもよい。
【0018】
タワー30は、内視鏡13を通して展開することができるシステムに、制御された灌注及び吸引機能を提供するために、ポンプ、流量計、弁制御、及び/又は流体アクセスも含み得る。これらの構成要素はまた、タワー30のコンピュータシステムを使用して制御されてもよい。一部の実施形態では、灌注及び吸引能力は、別個のケーブルを介して内視鏡13に直接送達されてもよい。
【0019】
タワー30は、フィルタリングされ、保護された電力をカート11に提供するように設計された電圧及びサージ保護具を含んでもよく、それによって、カート11内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を載置することが回避され、その結果カート11はより小さく、より移動可能になる。
【0020】
タワー30は、ロボットシステム10全体に配置されたセンサのための支持機器も含んでもよい。例えば、タワー30は、ロボットシステム10のあらゆる場所の光センサ又はカメラから受信したデータを検出、受信、及び処理するためのオプトエレクトロニクス機器を含んでもよい。制御システムと組み合わせて、かかるオプトエレクトロニクス機器は、タワー30内を含むシステム全体に配置された任意の数のコンソール内に表示するためのリアルタイム画像を生成するために使用されてもよい。同様に、タワー30はまた、配置された電磁(EM)センサから信号を受信し、受信した信号を処理するための電子サブシステムも含んでもよい。タワー30はまた、医療器具内又は医療器具上のEMセンサによる検出のためにEM場発生器を収容し、位置決めするためにも使用されてもよい。
【0021】
タワー30はまた、システムの残りの部分で利用可能な他のコンソール、例えば、カートの上部に搭載されたコンソールに追加して、コンソール31も含んでもよい。コンソール31は、オペレータである医師のためのユーザインターフェース及びタッチスクリーンなどの表示画面を含んでもよい。システム10内のコンソールは、一般に、ロボット制御、並びに内視鏡13のナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置の術前及びリアルタイム情報の両方を提供するように設計される。コンソール31が医師に利用可能な唯一のコンソールではない場合、コンソール31は、看護師などの第2のオペレータによって使用されて、患者の健康又はバイタル、及びシステム10の動作を監視するだけでなく、ナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置固有のデータを提供してもよい。他の実施形態では、コンソール31は、タワー30とは別個の本体内に収容される。
【0022】
タワー30は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介してカート11及び内視鏡13に結合されてもよい。一部の実施形態では、タワー30からのサポート機能は、単一ケーブルを通してカート11に提供されることにより、手術室を簡略化し、整理整頓することができる。他の実施形態では、特定の機能は、別個の配線及び接続部で結合されてもよい。例えば、単一の電力ケーブルを通してカート11に電力が供給されてもよい一方、制御、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供されてもよい。
【0023】
図2は、
図1に示されるカートベースのロボット対応のシステムからのカート11の一実施形態の詳細な図を提供する。カート11は、概して、細長い支持構造14(「カラム」と称されることが多い)、カート基部15、及びカラム14の頂部にあるコンソール16を含む。カラム14は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12(
図2には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ17(代替的に「アーム支持体」)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含んでもよい。キャリッジ17は、患者に対してより良好に位置決めするために垂直軸に沿って回転してロボットアーム12の基部を調整する、個別に構成可能なアームマウントを含んでもよい。キャリッジ17はまた、キャリッジ17がカラム14に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース19を含む。
【0024】
キャリッジインターフェース19は、キャリッジ17の垂直方向の並進を誘導するためにカラム14の両側に位置決めされているスロット20などのスロットを通してカラム14に接続されている。スロット20は、キャリッジ17をカート基部15に対して様々な垂直方向の高さで位置決めし、保持するための垂直方向の並進インターフェースを含む。キャリッジ17の垂直方向の並進により、カート11は、様々なテーブルの高さ、患者のサイズ、及び医師の好みを満たすようにロボットアーム12のリーチを調整することが可能となる。同様に、キャリッジ17上の個別に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム12のロボットアーム基部21を様々な構成で角度付けすることが可能となる。
【0025】
一部の実施形態では、キャリッジ17が垂直方向に並進するときにカラム14の内部チャンバ及び垂直方向の並進インターフェース内に汚れ及び流体が侵入するのを防止するために、スロット20には、スロット表面と同一平面及び平行であるスロットカバーが追加されてもよい。スロットカバーは、スロット20の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされているばねスプールのペアを通じて展開されてもよい。カバーは、キャリッジ17が上下に垂直方向に並進するにつれてコイル状態から伸縮するように展開されるまで、スプール内でコイル巻きにされている。スプールのばね荷重は、キャリッジ17がスプールに向かって並進するときにカバーをスプール内に後退させるための力を提供し、一方、キャリッジ17がスプールから離れるように並進するときに密封も維持する。カバーは、キャリッジ17が並進するときにカバーが適切に延伸及び後退するのを確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース19内のブラケットを使用してキャリッジ17に接続されてもよい。
【0026】
カラム14は、例えば、コンソール16からの入力などのユーザ入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ17を機械的に並進させるために垂直方向に整合された主ねじを使用するように設計された、ギア及びモータなどの機構を内部に含んでもよい。
【0027】
ロボットアーム12は、概して、一連の関節24によって接続されている一連のリンク23によって分離された、ロボットアーム基部21及びエンドエフェクタ22を含んでもよく、各関節は独立したアクチュエータを含み、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを含む。独立して制御可能な各関節は、ロボットアーム12が利用可能な独立した自由度を表す。ロボットアーム12の各々は、7つの関節を有してもよく、したがって、7つの自由度を提供することが可能である。多数の関節は、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度を有することにより、ロボットアーム12は、異なるリンク位置及び関節角度を使用して空間内の特定の位置、向き、及び軌道で、それらのそれぞれのエンドエフェクタ22を位置決めすることが可能となる。これにより、システムが空間内の所望のポイントから医療器具を位置決めし、方向付けることが可能になると同時に、医師がアーム関節を患者から離れる臨床的に有利な位置へと移動させて、アームの衝突を回避しながらよりよいアクセスを生み出すことを可能にする。
【0028】
カート基部15は、床の上のカラム14、キャリッジ17、及びロボットアーム12の重量の釣り合いをとる。したがって、カート基部15は、電子機器、モータ、電源、並びにカート11の移動及び/又は固定化のいずれかを可能にする構成要素などの、より重い部品を収容する。例えば、カート基部15は、処置前にカート11が部屋の中をあちこちに容易に移動することを可能にする、転動可能なホイール形状のキャスタ25を含む。適切な位置に到達した後、キャスタ25は、処置中にカート11を所定の場所に保持するためのホイールロックを使用して動かないようにされてもよい。
【0029】
カラム14の垂直方向の端部に位置決めされたコンソール16は、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース及び表示画面(又は、例えば、タッチスクリーン26などの二重目的デバイス)の両方を可能にして、術前データ及び術中データの両方を医師であるユーザに提供する。タッチスクリーン26上の潜在的な術前データは、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(CTスキャン)から導出されたナビゲーション及びマッピングデータ、並びに/又は術前患者のインタビューからのメモを含み得る。ディスプレイ上の術中データは、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ及び座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計を含んでもよい。コンソール16は、医師が、カラム14の、キャリッジ17の反対の側からコンソール16にアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾斜が付けられてもよい。この位置から、医師は、コンソール16をカート11の背後から操作しながら、コンソール16、ロボットアーム12、及び患者を見ることができる。示されるように、コンソール16はまた、カート11の操作及び安定化を支援するハンドル27を含む。
【0030】
図3は、尿管鏡検査のために配置された、ロボット対応のシステム10の一実施形態を示している。尿管鏡検査処置では、カート11は、患者の尿道及び尿管を横断するように設計された処置専用内視鏡である尿管鏡32を患者の下腹部領域に送達するように位置決めされてもよい。尿管鏡検査では、尿管鏡32が患者の尿道と直接整合されて、領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び力を低減することが望ましいことがある。示されるように、カート11は、ロボットアーム12が尿管鏡32を、患者の尿道に直線状に直接アクセスするように位置決めすることを可能にするように、テーブルの脚部に整合されてもよい。テーブルの脚部から、ロボットアーム12は、尿道を通して患者の下腹部に直接、仮想レール33に沿って尿管鏡32を挿入してもよい。
【0031】
気管支鏡検査におけるのと同様の制御技法を使用して尿道に挿入した後、尿管鏡32は、診断及び/又は治療用途のために、膀胱、尿管、及び/又は腎臓にナビゲートされてもよい。例えば、尿管鏡32は、尿管及び腎臓に向けられ、尿管鏡32の作業チャネルの下方に展開されたレーザー又は超音波結砕石術デバイスを使用して、形成された腎臓結石を破砕することができる。砕石術が完了した後、結果として得られた結石片は、尿管鏡32の下方に展開されたバスケットを使用して除去されてもよい。
【0032】
図4は、血管処置のために同様に配置された、ロボット対応のシステム10の一実施形態を示している。血管処置において、システム10は、カート11が、操縦可能なカテーテルなどの医療器具34を、患者の脚内の大腿動脈内のアクセスポイントに送達することができるように構成され得る。大腿動脈は、ナビゲーションのためのより大きな直径と、患者の心臓への、遠回りが比較的少ない曲がりくねった経路との両方を呈し、これによりナビゲーションが簡略化される。尿管鏡検査処置におけるように、カート11は、患者の脚及び下腹部に向けて位置決めされて、ロボットアーム12が患者の大腿/腰領域内の大腿動脈アクセスポイントへの直接的な線形アクセスで仮想レール35を提供することを可能にしてもよい。動脈内への挿入後、器具ドライバ28を並進させることによって医療器具34が方向付けられ、挿入されてもよい。代替的に、カートは、例えば、肩及び手首付近の頸動脈及び腕動脈などの代替的な血管アクセスポイントに到達するために、患者の上腹部の周囲に位置決めされてもよい。
【0033】
B.ロボットシステム-テーブル。
ロボット対応の医療システムの実施形態はまた、患者テーブルを組み込んでもよい。テーブルの組み込みは、カートを除去することによって手術室内の資本設備の量を低減し、これにより患者へのより良好なアクセスが可能となる。
図5は、気管支鏡検査処置のために配置された、かかるロボット対応のシステムの一実施形態を示している。システム36は、プラットフォーム38(「テーブル」又は「ベッド」として図示)を床より上に支持するための支持構造体又はカラム37を含む。カートベースのシステムと同様に、システム36のロボットアーム39のエンドエフェクタは、器具ドライバ42の線形配列から形成された仮想レール41を通して、又はそれに沿って、
図5の気管支鏡40などの細長い医療器具を操作するように設計された器具ドライバ42を含む。実際には、蛍光透視撮像を提供するためのCアームは、放射器及び検出器をテーブル38の周囲に置くことによって、患者の上部腹部領域の上方に位置決めされてもよい。
【0034】
図6は、説明を目的として、患者及び医療器具なしのシステム36の代替的な図を提供する。示されるように、カラム37は、1つ又は2つ以上のロボットアーム39の基部となり得る、システム36内でリング形状として図示される1つ又は2つ以上のキャリッジ43を含んでもよい。キャリッジ43は、カラム37の長さにわたる垂直方向のカラムインターフェース44に沿って並進して、ロボットアーム39が患者に到達するように位置決めされ得る異なるバンテージポイントを提供してもよい。キャリッジ43は、カラム37内に位置決めされている機械的モータを使用してカラム37の周りを回転して、ロボットアーム39が、例えば、患者の両側などのテーブル38の多数の側部へのアクセスを有することを可能にしてもよい。複数のキャリッジを有する実施形態では、キャリッジはカラム上に個別に位置決めされてもよく、他のキャリッジとは独立して並進及び/又は回転してもよい。キャリッジ43はカラム37を取り囲む必要はなく、又は更には円形である必要もないが、図示されるようなリング形状は、構造的バランスを維持しながらカラム37の周りでのキャリッジ43の回転を容易にする。キャリッジ43の回転及び並進により、システム36は、内視鏡及び腹腔鏡などの医療器具を患者の異なるアクセスポイントに整合させることができる。他の実施形態(図示せず)では、システム36は、並行して延在するバー又はレールの形態の調整可能なアーム支持体を有する患者テーブル又はベッドを含み得る。1つ又は2つ以上のロボットアーム39を、(例えば、肘関節を有する肩部を介して)垂直方向に調整することができる調整可能なアーム支持体に取り付けることができる。垂直方向の調整を提供することによって、ロボットアーム39は、有利には、患者テーブル又はベッドの下にコンパクトに収容されることが可能であり、その後、処置中に引き上げられることが可能である。
【0035】
ロボットアーム39は、ロボットアーム39に追加の構成可能性を提供するために個別に回転し得る及び/又は入れ子式に延び得る一連の関節を含むアームマウント45の組を介してキャリッジ43に搭載されてもよい。追加的に、アームマウント45は、キャリッジ43が適切に回転されると、アームマウント45がテーブル38の同じ側(
図6に示すように)、テーブル38の両側(
図9に示すように)、又はテーブル38の隣接する側部(図示せず)のいずれかに位置決めされ得るように、キャリッジ43上に位置決めされ得る。
【0036】
カラム37は、テーブル38の支持及びキャリッジ43の垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。内部に、カラム37は、キャリッジの垂直方向の並進を誘導するための主ねじ、及び主ねじに基づくキャリッジ43の並進を機械化するためのモータを備えていてもよい。カラム37はまた、キャリッジ43及びその上に搭載されたロボットアーム39に電力及び制御信号を伝達してもよい。
【0037】
テーブル基部46は、
図2に示すカート11のカート基部15と同様の機能を果たし、テーブル/ベッド38、カラム37、キャリッジ43、及びロボットアーム39の釣り合いをとるためにより重い構成要素を収容する。テーブル基部46はまた、処置中に安定性を提供するために剛性キャスタを組み込んでもよい。テーブル基部46の底部から展開されるキャスタは、基部46の両側で反対方向に延在し、システム36を移動させる必要があるときに後退してもよい。
【0038】
引き続き
図6を参照すると、システム36はまた、テーブルとタワーとの間でシステム36の機能を分割して、テーブルのフォームファクタ及びバルクを低減するタワー(図示せず)を含んでもよい。先に開示された実施形態と同様に、タワーは、処理、計算、及び制御能力、電力、流体工学、並びに/又は光学及びセンサ処理などの様々なサポート機能をテーブルに提供してもよい。タワーはまた、医師のアクセスを改善し、手術室を整理整頓するために、患者から離れて位置決めされるように移動可能であってもよい。追加的に、タワー内に構成要素を配置することにより、ロボットアーム39の潜在的な収容のために、テーブル基部46内の保管空間をより大きくすることが可能となる。タワーはまた、キーボード及び/又はペンダントなどのユーザ入力のためのユーザインターフェース、並びにリアルタイム撮像、ナビゲーション、及び追跡情報などの術前及び術中情報のための表示画面(又はタッチスクリーン)の両方を提供するマスターコントローラ又はコンソールも含んでもよい。一部の実施形態では、タワーはまた、送気のために使用されるガスタンク用のホルダを含んでもよい。
【0039】
一部の実施形態では、テーブル基部は、使用されていないときにロボットアームを収容して格納してもよい。
図7は、テーブルベースのシステムの一実施形態における、ロボットアームを収容するシステム47を示している。システム47では、キャリッジ48は、ロボットアーム50、アームマウント51、及びキャリッジ48を基部49内に収容するために、基部49内へと垂直方向に並進させられてもよい。基部カバー52は、並進及び後退して、キャリッジ48、アームマウント51、及びロボットアーム50をカラム53の周りに展開させるように開き、使用されていないときにそれらを収容して保護するように閉じられてもよい。基部カバー52は、閉じたときに汚れ及び流体の侵入を防止するために、その開口部の縁部に沿って膜54で封止されてもよい。
【0040】
図8は、尿管鏡検査処置のために構成されたロボット対応のテーブルベースシステムの一実施形態を示している。尿管鏡検査では、テーブル38は、患者をカラム37及びテーブル基部46からオフアングルに位置決めするためのスイベル部分55を含んでもよい。スイベル部分55は、スイベル部分55の底部をカラム37から離して位置決めするために、(例えば、患者の頭部の下方に位置する)枢動点を中心に回転又は枢動してもよい。例えば、スイベル部分55の枢動により、Cアーム(図示せず)が、テーブル38の下のカラム(図示せず)と空間を奪い合うことなく、患者の下部腹部の上方に位置決めされることが可能となる。カラム37の周りにキャリッジ(図示せず)を回転させることにより、ロボットアーム39は、尿道に到達するように、尿管鏡56を仮想レール57に沿って患者の鼠径部領域に直接挿入してもよい。尿管鏡検査では、処置中に患者の脚の位置を支持し、患者の鼠径部領域への明確なアクセスを可能にするために、テーブル38のスイベル部分55にあぶみ58もまた固定されてもよい。
【0041】
腹腔鏡処置では、患者の腹壁内の小さな切開部を通して、低侵襲性器具を患者の解剖学的構造に挿入してもよい。一部の実施形態では、低侵襲性器具は、患者内の解剖学的構造にアクセスするために使用されるシャフトなどの細長い剛性部材を含む。患者の腹腔の膨張後、器具は、把持、切断、アブレーション、縫合などの外科的又は医療的タスクを行うように指示されてもよい。一部の実施形態では、器具は、腹腔鏡などのスコープを含み得る。
図9は、腹腔鏡検査処置のために構成されたロボット対応のテーブルベースのシステムの一実施形態を示している。
図9に図示されるように、システム36のキャリッジ43は回転し、垂直方向に調整されて、器具59が患者の両側の最小切開部を通過して患者の腹腔に到達するようにアームマウント45を使用して位置決めされ得るように、ロボットアーム39の対をテーブル38の両側に位置決めしてもよい。
【0042】
腹腔鏡処置に対応するために、ロボット対応のテーブルシステムはまた、プラットフォームを所望の角度に傾斜させてもよい。
図10は、ピッチ又は傾斜調整を有するロボット対応の医療システムの一実施形態を示している。
図10に示すように、システム36は、テーブル38の傾斜に適応して、テーブルの一方の部分を他方の部分より床から離れた距離に位置決めすることができる。追加的に、アームマウント45は、ロボットアーム39がテーブル38と同じ平面関係を維持するように、傾斜に一致するように回転してもよい。より急な角度に適応するために、カラム37はまた、テーブル38が床に接触するか又はテーブル基部46と衝突するのを防ぐためにカラム37が垂直方向に延長するのを可能にする入れ子部分60を含んでもよい。
【0043】
図11は、テーブル38とカラム37との間のインターフェースの詳細な図を提供する。ピッチ回転機構61は、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を多数の自由度で変更するように構成されてもよい。ピッチ回転機構61は、カラム-テーブルインターフェースでの直交軸1、2の位置決めによって可能にされてもよく、各軸は、電気ピッチ角コマンドに応答して別個のモータ3、4によって作動される。一方のねじ5に沿った回転は、一方の軸1における傾斜調整を可能にし、他方のねじ6に沿った回転は、他方の軸2に沿った傾斜調整を可能にする。一部の実施形態では、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変更するために、玉継ぎ手が使用されてもよい。
【0044】
例えば、ピッチ調整は、テーブルをトレンデレンブルグ体位に位置決めしようとするときに、すなわち下腹部手術のために患者の下腹部を患者の上腹部よりも床からより高い位置に位置決めしようとするときに、特に有用である。トレンデレンブルグ体位により、患者の内臓が重力によって患者の上腹部に向かってスライドし、腹腔が空になり、低侵襲性ツールが入って腹腔鏡前立腺切除術などの下腹部の外科又は医療処置が行われる。
【0045】
図12及び
図13は、テーブルベースの外科用ロボットシステム100の代替的な実施形態の等角図及び端面図を示している。外科用ロボットシステム100は、1つ又は2つ以上のロボットアームをテーブル101に対して支持するように構成され得る1つ又は2つ以上の調整可能なアーム支持体105(例えば、
図14参照)を含む。図示の実施形態では、単一の調整可能なアーム支持体105が示されているが、テーブル101の反対側に追加のアーム支持体105を設けることができる。調整可能なアーム支持体105は、テーブル101に対して移動して、調整可能なアーム支持体105及び/又はそれに搭載された任意のロボットアームの位置をテーブル101に対して調整及び/又は変更できるように構成され得る。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上の自由度で調整することができる。調整可能なアーム支持体105は、1つ又は2つ以上の調整可能なアーム支持体105及びそれに取り付けられた任意のロボットアームをテーブル101の下に容易に収容する能力を含む高い汎用性をシステム100に提供する。調整可能なアーム支持体105は、収容位置から、テーブル101の上面の下の位置まで上昇され得る。他の実施形態では、調整可能なアーム支持体105は、収容位置から、テーブル101の上面の上方の位置まで上昇され得る。
【0046】
調整可能なアーム支持体105は、リフト、横方向並進、傾斜などを含む、複数の自由度を提供することができる。
図12及び
図13の図示の実施形態では、アーム支持体105は、4つの自由度で構成され、それらは
図12に矢印で示されている。第1の自由度は、z方向における調整可能なアーム支持体105の調整(「Zリフト」)を可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101を支持するカラム102に沿って、又はそれに対して上下に移動するように構成されたキャリッジ109を含み得る。第2の自由度は、調整可能なアーム支持体105が傾斜することを可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、回転接合部を含むことができ、これにより、調整可能なアーム支持体105を、トレンデレンブルグ体位のベッドと整合させることが可能となり得る。第3の自由度は、調整可能なアーム支持体105が「上方枢動する」ことを可能にでき、それを使用して、テーブル101の側部と調整可能なアーム支持体105との間の距離を調整することができる。第4の自由度は、調整可能なアーム支持体105がテーブルの長手方向の長さに沿って並進するのを可能にする。
【0047】
図12及び
図13の外科用ロボットシステム100は、基部103に搭載されたカラム102によって支持されるテーブルを含み得る。基部103及びカラム102は、支持面に対してテーブル101を支持する。床軸131及び支持軸133は、
図13に示される。
【0048】
調整可能なアーム支持体105は、カラム102に搭載することができる。他の実施形態では、アーム支持体105は、テーブル101又は基部103に搭載することができる。調整可能なアーム支持体105は、キャリッジ109、バー又はレールコネクタ111、及びバー又はレール107を含み得る。一部の実施形態では、レール107に搭載された1つ又は2つ以上のロボットアームは、互いに対して並進及び移動することができる。
【0049】
キャリッジ109は、第1の接合部113によってカラム102に取り付けられてもよく、それにより、キャリッジ109がカラム102に対して移動することが可能になる(例えば、第1又は垂直軸123を上下するなど)。第1の接合部113は、調整可能なアーム支持体105に第1の自由度(「Zリフト」)を提供することができる。調整可能なアーム支持体105は、第2の自由度(傾斜)を調整可能なアーム支持体105に提供する第2の接合部115を含み得る。調整可能なアーム支持体105は、第3の自由度(「上方枢動」)を調整可能なアーム支持体105に提供することができる第3の接合部117を含み得る。第3の軸127を中心にしてレールコネクタ111を回転させるときにレール107の向きを維持するように第3の接合部117を機械的に拘束する、追加の接合部119(
図13に示す)を設けることができる。調整可能なアーム支持体105は、第4の自由度(並進)を第4の軸129に沿って調整可能なアーム支持体105に提供することができる第4の接合部121を含み得る。
【0050】
図14は、テーブル101の両側に搭載された2つの調整可能なアーム支持体105A、105Bを有する、外科用ロボットシステム140Aの端面図を示している。第1のロボットアーム142Aは、第1の調整可能なアーム支持体105Bのバー又はレール107Aに取り付けられる。第1のロボットアーム142Aは、レール107Aに取り付けられた基部144Aを含む。第1のロボットアーム142Aの遠位端は、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はツールに結合することができる器具駆動機構146Aを含む。同様に、第2のロボットアーム142Bは、レール107Bに取り付けられた基部144Bを含む。第2のロボットアーム142Bの遠位端は、器具駆動機構146Bを含む。器具駆動機構146Bは、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はツールに結合するように構成され得る。
【0051】
一部の実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、7以上の自由度を有するアームを含む。一部の実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、挿入軸(挿入を含む1つの自由度)、リスト(リストピッチ、ヨー及びロールを含む3つの自由度)、エルボ(エルボピッチを含む1つの自由度)、ショルダ(ショルダピッチ及びヨーを含む2つの自由度)、及び基部144A、144B(並進を含む1つの自由度)を含む8自由度を含み得る。一部の実施形態では、挿入自由度は、ロボットアーム142A、142Bによって提供することができるが、他の実施形態では、器具自体が、器具ベースの挿入アーキテクチャを介して挿入を提供する。
【0052】
C.器具ドライバ及びインターフェース。
システムのロボットアームのエンドエフェクタは、(i)医療器具を作動させるための電気機械的手段を組み込む器具ドライバ(代替的には、「器具駆動機構」又は「器具デバイスマニピュレータ」と呼ばれる)と、(ii)モータなどの任意の電気機械的構成要素を欠いていてもよい、除去可能な又は取り外し可能な医療器具と、を含み得る。この二分は、医療処置において使用される医療器具を滅菌する必要性と、医療器具の機械組立が複雑でありかつ電子機器の感受性が高いことから高価な資本設備を適切に滅菌することができないこととによって引き起こされ得る。したがって、医療器具は、医師又は医師のスタッフによる個々の滅菌又は廃棄のために、器具ドライバ(したがってそのシステム)から取り外される、除去される、及び交換されるように設計することができる。対照的に、器具ドライバは交換又は滅菌される必要がなく、保護のために掛け布をすることができる。
【0053】
図15は、例示的な器具ドライバを示している。ロボットアームの遠位端に位置決めされた器具ドライバ62は、駆動シャフト64を介して医療器具に制御されたトルクを提供するために平行軸を伴って配置された1つ又は2つ以上の駆動ユニット63を含む。各駆動ユニット63は、器具と相互作用するための個々の駆動シャフト64と、モータシャフトの回転を所望のトルクに変換するためのギアヘッド65と、駆動トルクを生成するためのモータ66と、モータシャフトの速度を測定し、制御回路にフィードバックを提供するエンコーダ67と、制御信号を受信し、駆動ユニットを作動させるための制御回路68とを備える。各駆動ユニット63は、独立して制御され電動化され、器具ドライバ62は、複数(例えば
図15に示すように4つ)の独立した駆動出力を医療器具に提供することができる。動作中、制御回路68は、制御信号を受信し、モータ66にモータ信号を送信し、エンコーダ67によって測定された結果として得られたモータ速度を所望の速度と比較し、モータ信号を変調して所望のトルクを生成する。
【0054】
滅菌環境を必要とする処置のために、ロボットシステムは、器具ドライバと医療器具との間に位置する、滅菌ドレープに接続された滅菌アダプタなどの駆動インターフェースを組み込んでもよい。滅菌アダプタの主な目的は、器具ドライバの駆動シャフトから器具の駆動入力部に角度運動を伝達する一方で、駆動シャフトと駆動入力部との間の物理的分離、したがって滅菌性を維持することである。したがって、例示的な滅菌アダプタは、器具ドライバの駆動シャフトと嵌合されることが意図された一連の回転入力部及び出力部と、器具に対する駆動入力部とを含み得る。滅菌アダプタに接続される滅菌ドレープは、透明又は半透明プラスチックなどの薄い可撓性材料で構成され、器具ドライバ、ロボットアーム、及び(カートベースのシステムにおける)カート又は(テーブルベースのシステムにおける)テーブルなどの資本設備を覆うように設計される。ドレープの使用により、滅菌を必要としない領域(すなわち、非滅菌野)に依然として配置されている間に、資本設備を患者に近接して位置決めすることが可能となる。滅菌ドレープの反対側では、医療器具は、滅菌を必要とする領域(すなわち、滅菌野)において患者とインターフェースしてもよい。
【0055】
D.医療器具。
図16は、ペアを成す器具ドライバを備えた例示的な医療器具を示している。ロボットシステムとともに使用するために設計された他の器具と同様に、医療器具70は、細長いシャフト71(又は細長い本体)及び器具基部72を含む。医師による手動相互作用が意図されているその設計により「器具ハンドル」とも称される器具基部72は、一般に、ロボットアーム76の遠位端において器具ドライバ75上の駆動インターフェースを通って延在する駆動出力部74と嵌合するように設計された、回転可能な駆動入力部73、例えば、レセプタクル、プーリー、又はスプールを含んでもよい。物理的に接続、ラッチ、及び/又は結合されると、器具基部72の嵌合された駆動入力部73は、器具ドライバ75における駆動出力部74と回転軸を共有して、駆動出力部74から駆動入力部73へのトルクの伝達を可能にし得る。一部の実施形態では、駆動出力部74は、駆動入力部73上のレセプタクルと嵌合するように設計されたスプラインを含んでもよい。
【0056】
細長いシャフト71は、例えば、内視鏡におけるような解剖学的開口部若しくは管腔、又は腹腔鏡検査におけるような低侵襲性切開部のいずれかを通して送達されるように設計される。細長いシャフト71は、可撓性(例えば、内視鏡と同様の特性を有する)若しくは剛性(例えば、腹腔鏡と同様の特性を有する)のいずれかであってもよく、又は可撓性部分及び剛性部分の両方のカスタマイズされた組み合わせを含んでもよい。腹腔鏡検査のために設計される場合、剛性の細長いシャフトの遠位端は、少なくとも1つの自由度を有するクレビスから形成された接合されたリストから延在するエンドエフェクタ、及び駆動入力部が器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに応答して回転する際に、腱からの力に基づいて作動され得る、例えば、把持具又ははさみなどの外科用ツール又は医療器具に接続されることができる。内視鏡検査のために設計される場合、可撓性の細長いシャフトの遠位端は、器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに基づいて関節運動及び屈曲され得る操縦可能又は制御可能な屈曲部を含んでもよい。
【0057】
器具ドライバ75からのトルクは、細長いシャフト71に沿った腱を使用して細長いシャフト71の下流に伝達される。プルワイヤなどのこれらの個々の腱は、器具ハンドル72内の個々の駆動入力部73に個別に固定されてもよい。器具ハンドル72から、腱は、細長いシャフト71に沿って1つ又は2つ以上のプルルーメンの下方に向けられ、細長いシャフト71の遠位部分、又は細長いシャフトの遠位部分のリストに固定される。腹腔鏡、内視鏡、又はハイブリッド処置などの外科処置中、これらの腱は、リスト、把持具、又ははさみなどの遠位に装着されたエンドエフェクタに結合されてもよい。かかる構成の下で、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱に張力を伝達し、それによってエンドエフェクタを何らかの方法で作動させる。一部の実施形態では、外科処置中に、腱は、関節を軸の周りで回転させることができ、それによってエンドエフェクタを一方向又は別の方向に移動させる。代替的に、腱は、細長いシャフト71の遠位端で把持具の1つ又は2つ以上のジョーに接続されてもよく、腱からの張力によって把持具は閉鎖される。
【0058】
内視鏡検査では、腱は、接着剤、制御リング、又は他の機械的固定を介して、細長いシャフト71に沿って(例えば、遠位端に)位置決めされている屈曲部又は関節運動部に結合されてもよい。屈曲部の遠位端に固定的に取り付けられる場合、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱の下流に伝達され、より軟質の屈曲部(関節運動可能部又は関節運動可能領域と呼ばれることがある)を屈曲又は関節運動させる。非屈曲部分に沿って、個々の腱を内視鏡シャフトの壁に沿って(又は内側に)向ける個々のプルルーメンを螺旋状又は渦巻状にして、プルワイヤにおける張力からもたらされる半径方向の力の釣り合いをとることが有利であり得る。これらの間の螺旋及び/又は間隔の角度は、特定の目的のために変更又は設計することができ、よりきつい螺旋は負荷力の下でより少ないシャフト圧縮を示し、一方、より少ない量の螺旋は負荷力の下でより大きなシャフト圧縮をもたらすが、屈曲を制限する。スペクトルのもう一方の端部では、プルルーメンは、細長いシャフト71の長手方向軸に平行に方向付けられて、所望の屈曲部又は関節運動可能部における制御された関節運動を可能にしてもよい。
【0059】
内視鏡検査では、細長いシャフト71は、ロボット処置を支援する複数の構成要素を収容する。シャフト71は、シャフト71の遠位端における手術領域に対して外科用ツール(又は医療器具)を展開する、灌注する、及び/又は吸引するための作業チャネルを含んでもよい。シャフト71はまた、光学カメラを含んでもよい遠位先端部の光学アセンブリとの間で信号を送受信するために、ワイヤ及び/又は光ファイバを収容してもよい。シャフト71はまた、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からシャフト71の遠位端に光を搬送するための光ファイバを収容してもよい。
【0060】
器具70の遠位端では、遠位先端部は、診断及び/又は治療、灌注、及び吸引のためにツールを手術部位に送達するための作業チャネルの開口部を含んでもよい。遠位先端部はまた、内部解剖学的空間の画像を捕捉するために、ファイバスコープ又はデジタルカメラなどのカメラのためのポートを含んでもよい。関連して、遠位先端部はまた、カメラを使用する場合に解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含んでもよい。
【0061】
図16の例では、駆動シャフト軸、すなわち駆動入力軸は、細長いシャフト71の軸に直交する。しかしながら、この構成は、細長いシャフト71のロール能力を複雑にする。駆動入力部73を静止させながら、細長いシャフト71をその軸に沿ってロールさせることの結果として、腱が駆動入力部73から延出して細長いシャフト71内のプルルーメンに入るときに、腱の望ましくない絡まりをもたらす。かかる腱の結果としての絡まりは、内視鏡処置中の可撓性の細長いシャフト71の移動を予測することを意図した制御アルゴリズムを妨害する可能性がある。
【0062】
図17は、駆動ユニットの軸が器具の細長いシャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を示している。示されるように、円形の器具ドライバ80は、ロボットアーム82の端部において平行に整合した駆動出力部81を有する4つの駆動ユニットを含む。駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81は、アセンブリ83内の駆動ユニットのうちの1つによって駆動される器具ドライバ80の回転アセンブリ83内に収容される。回転駆動ユニットによって提供されるトルクに応答して、回転アセンブリ83は、回転アセンブリ83を器具ドライバ80の非回転部分84に接続する円形ベアリングに沿って回転する。電力及び制御信号は、ブラシ付きスリップリング接続(図示せず)による回転を通して維持され得る電気接点を介して、器具ドライバ80の非回転部分84から回転アセンブリ83に伝達されてもよい。他の実施形態では、回転アセンブリ83は、非回転可能部分84に統合され、したがって他の駆動ユニットと平行ではない別個の駆動ユニットに応答してもよい。回転機構83は、器具ドライバ80が、駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81を、器具ドライバ軸85周りの単一ユニットとして回転させることを可能にする。
【0063】
先に開示した実施形態と同様に、器具86は、細長いシャフト部分88と、器具ドライバ80内の駆動出力部81を受け入れるように構成された複数の駆動入力部89(レセプタクル、プーリー、及びスプールなど)を含む器具基部87(説明目的のために透明な外部スキンで示される)とを含んでもよい。先の開示された実施形態とは異なり、器具シャフト88は、器具基部87の中心から延在し、軸は駆動入力部89の軸に実質的に平行であり、
図16の設計にあるように直交してはいない。
【0064】
器具ドライバ80の回転アセンブリ83に結合されると、器具基部87及び器具シャフト88を含む医療器具86は、器具ドライバ軸85を中心にして回転アセンブリ83と一緒に回転する。器具シャフト88は器具基部87の中心に位置決めされているため、器具シャフト88は、取り付けられたときに器具ドライバ軸85と同軸である。したがって、回転アセンブリ83の回転により、器具シャフト88は、それ自体の長手方向軸を中心に回転する。更に、器具基部87が器具シャフト88とともに回転すると、器具基部87内の駆動入力部89に接続されたいずれの腱も、回転中に絡まらない。したがって、駆動出力部81、駆動入力部89、及び器具シャフト88の軸の平行性は、どの制御腱も絡めることなくシャフトの回転を可能にする。
【0065】
図18は、一部の実施形態による、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具150を示している。器具150は、上述した器具ドライバのうちのいずれかに結合され得る。器具150は、細長いシャフト152と、シャフト152に接続されたエンドエフェクタ162と、シャフト152に結合されたハンドル170とを含む。細長いシャフト152は、近位部分154及び遠位部分156を有する管状部材を含む。細長いシャフト152は、その外側表面に沿った1つ又は2つ以上のチャネル又は溝158を含む。溝158は、1つ又は2つ以上のワイヤ又はケーブル180を内部を通して受け入れるように構成されている。したがって、1つ又は2つ以上のケーブル180は、細長いシャフト152の外側表面に沿って延在する。他の実施形態では、ケーブル180は、細長いシャフト152を通って延在することもできる。ケーブル180のうちの1つ又は2つ以上の操作(例えば、器具ドライバを介して)により、エンドエフェクタ162の作動がもたらされる。
【0066】
器具基部とも称され得る器具ハンドル170は、一般に、器具ドライバの取り付け面上で1つ又は2つ以上のトルクカプラと往復嵌合するように設計された1つ又は2つ以上の機械的入力部174、例えば、レセプタクル、プーリー又はスプールを有する取り付けインターフェース172を含み得る。
【0067】
一部の実施形態では、器具150は、細長いシャフト152がハンドル170に対して並進することを可能にする一連のプーリー又はケーブルを含む。換言すれば、器具150自体は器具の挿入に適応する器具ベースの挿入アーキテクチャを含み、それによって器具150の挿入を提供するためのロボットアームへの依存を最小化する。他の実施形態では、ロボットアームは、器具の挿入に大きく関与することができる。
【0068】
E.コントローラ。
本明細書に記載のロボットシステムのうちのいずれかは、ロボットアームに取り付けられた器具を操作するための入力デバイス又はコントローラを含むことができる。一部の実施形態では、コントローラは、器具と結合(例えば、通信的に、電子的に、電気的に、無線的に、及び/又は機械的に)することができ、それによりコントローラの操作は、例えば、マスタースレーブ制御を介して、器具の対応する操作を引き起こす。
【0069】
図19は、コントローラ182の一実施形態の斜視図である。本実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス制御及びアドミタンス制御の両方を有することができるハイブリッドコントローラを含む。他の実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス又は受動的制御だけを利用することができる。他の実施形態では、コントローラ182は、アドミタンス制御だけを利用することができる。ハイブリッドコントローラであることにより、コントローラ182は、有利には、使用中、より低い知覚慣性を有することができる。
【0070】
図示の実施形態では、コントローラ182は、2つの医療器具の操作を可能にするように構成され、2つのハンドル184を含む。ハンドル184の各々は、ジンバル186に接続されている。各ジンバル186は、位置決めプラットフォーム188に接続されている。
【0071】
図19に示すように、各位置決めプラットフォーム188は、プリズム状接合部196によってカラム194に結合された選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(selective compliance assembly robot arm、SCARA)198を含む。プリズム状接合部196は、(例えば、レール197に沿って)カラム194に沿って並進して、ハンドル184の各々がz方向に並進され、第1の自由度を提供するように構成されている。SCARA198は、x-y平面におけるハンドル184の運動を可能にし、2つの追加的な自由度を提供するように構成されている。
【0072】
一部の実施形態では、1つ又は2つ以上のロードセルがコントローラ内に位置決めされる。例えば、一部の実施形態では、ロードセル(図示せず)は、ジンバル186の各々の本体内に位置決めされる。ロードセルを設けることによって、コントローラ182の一部分は、アドミタンス制御下で動作することができ、それによって、使用中にコントローラの知覚慣性を有利に低減する。一部の実施形態では、位置決めプラットフォーム188はアドミタンス制御用に構成され、ジンバル186はインピーダンス制御用に構成されている。他の実施形態では、ジンバル186はアドミタンス制御用に構成され、位置決めプラットフォーム188はインピーダンス制御用に構成されている。したがって、一部の実施形態では、位置決めプラットフォーム188の並進又は位置自由度は、アドミタンス制御に依存することができ、一方、ジンバル186の回転自由度はインピーダンス制御に依存する。
【0073】
F.ナビゲーション及び制御。
従来の内視鏡検査は、オペレータである医師に腔内誘導を提供するために、蛍光透視法(例えば、Cアームを通して送達され得るような)、及び他の形態の放射線ベースの撮像モダリティの使用を伴うことがある。対照的に、本開示によって企図されるロボットシステムは、放射線への医師の曝露を低減し、手術室内の機器の量を低減するために、非放射線ベースのナビゲーション及び位置特定手段を提供することができる。本明細書で使用するとき、「位置特定」という用語は、基準座標系内の対象物の位置を決定及び/又は監視することを指すことがある。術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータなどの技術は、放射線を含まない動作環境を達成するために個別に又は組み合わせて使用されてもよい。放射線ベースの撮像モダリティが依然として使用されるその他の場合、術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータは、放射線ベースの撮像モダリティによってのみ取得される情報を改善するために、個別に又は組み合わせて使用されてもよい。
【0074】
図20は、例示的な実施形態による、器具の場所など、ロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システム90を示すブロック図である。位置特定システム90は、1つ又は2つ以上の命令を実行するように構成されている1つ又は2つ以上のコンピュータデバイスのセットであってもよい。コンピュータデバイスは、上で考察された1つ又は2つ以上の構成要素内のプロセッサ(又は複数のプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリによって具現化されてもよい。例として、限定するものではないが、コンピュータデバイスは、
図1に示されるタワー30内にあってもよく、
図1~
図4に示されるカート11内にあってもよく、
図5~
図14に示されるベッド内にあってもよい。
【0075】
図20に示すように、位置特定システム90は、入力データ91~94を処理して医療器具の遠位先端部の場所データ96を生成する位置特定モジュール95を含んでもよい。場所データ96は、基準系に対する器具の遠位端の場所及び/又は向きを表すデータ又は論理であってもよい。基準系は、患者の解剖学的構造、又はEM場発生器(EM場発生器についての以下の説明を参照)などの既知の対象物に対する基準系であり得る。
【0076】
ここで、様々な入力データ91~94についてより詳細に説明する。術前マッピングは、位置特定モジュール95によって使用されて、モデルデータ91を生成することができる。術前マッピングは、低用量CTスキャンの収集を使用して達成することができる。術前CTスキャンは、例えば、患者の内部解剖学的構造の切欠き図の「スライス」として可視化される三次元画像へと再構成される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的空腔、空間、及び構造のための画像ベースのモデルが生成され得る。中心線形状(center-line geometry)などの手法をCT画像から決定及び近似して、モデルデータ91と称される(術前CTスキャンのみを使用して生成された場合は「術前モデルデータ」とも称される)患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを作成することができる。中心線形状の使用は、米国特許出願第14/523,760号で考察されており、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。ネットワーク位相モデルもまた、CT画像から導出されてもよく、気管支鏡検査に特に適している。
【0077】
一部の実施形態では、器具は、視覚データ(又は画像データ)92を位置特定モジュール95に提供するためにカメラを備えてもよい。位置特定モジュール95は、視覚データ92を処理して、1つ又は2つ以上の視覚ベースの(又は画像ベースの)場所追跡モジュール又は機能を有効にしてもよい。例えば、術前モデルデータ91は、医療器具(例えば、内視鏡又は内視鏡の作業チャネルを通って前進する器具)のコンピュータビジョンベースの追跡を可能にするために、視覚データ92とともに使用されてもよい。例えば、術前モデルデータ91を使用して、ロボットシステムは、内視鏡の予想される移動経路に基づいて、モデルから、予測される内視鏡画像のライブラリを生成することができ、各画像はモデル内の場所にリンクされる。手術中に、このライブラリは、カメラ(例えば、内視鏡の遠位端のカメラ)で捕捉されたリアルタイム画像を画像ライブラリ内のものと比較して、位置特定を支援するために、ロボットシステムによって参照されることができる。
【0078】
他のコンピュータビジョンベースの追跡技術は、特徴追跡を使用して、カメラ、したがって内視鏡の動きを判定する。位置特定モジュール95の一部の機構は、解剖学的管腔に対応する術前モデルデータ91内の円形幾何学形状を特定し、それらの幾何学的形状の変化を追跡して、どの解剖学的管腔が選択されたか、並びにカメラの相対的な回転及び/又は並進運動を決定することができる。位相マップの使用は、視覚ベースのアルゴリズム又は技術を更に向上させることがある。
【0079】
光学フロー、別のコンピュータビジョンベースの技術は、カメラの移動を推測するために、視覚データ92内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び並進を分析してもよい。光学フロー技術の例としては、動作検出、物体セグメンテーション計算、輝度、動き補償符号化、立体視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたり複数のフレームを比較することにより、カメラ(及びしたがって内視鏡)の動き及び場所を判定することができる。
【0080】
位置特定モジュール95は、リアルタイムEM追跡及びEMデータ93を使用して、術前モデルによって表される患者の解剖学的構造に位置合わせされ得るグローバル座標系内に、内視鏡のリアルタイムの場所を生成することができる。EM追跡では、医療器具(例えば、内視鏡器具)内の1つ又は2つ以上の場所及び向きに埋め込まれた1つ又は2つ以上のセンサコイルを含むEMセンサ(又はトラッカー)は、既知の場所に位置決めされた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって生成されるEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータ93として記憶される。EM場発生器(又は送信機)は、埋め込まれたセンサが検出し得る低強度磁場を生成するために、患者に近接して配置することができる。磁場はEMセンサのセンサコイル内に小さい電流を誘発し、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定するためにこの電流が分析され得る。これらの距離及び向きは、患者の解剖学的構造の術前モデル内の位置と座標系内の単一の場所を整合させる幾何学的変換を判定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「位置合わせ」され得る。一旦位置合わせすると、医療器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端部)に埋め込まれたEMトラッカは、患者の解剖学的構造を通る医療器具の進行のリアルタイム表示を提供することができる。
【0081】
ロボットコマンド及び運動学データ94はまた、ロボットシステムのための場所データ96を提供するために、位置特定モジュール95によって使用されてもよい。関節運動コマンドから生じるデバイスピッチ及びヨーは、術前較正中に判定され得る。術中、これらの較正測定値は、既知の挿入深度情報と組み合わせて使用されて、器具の位置を推定することができる。代替的に、これらの計算は、EM、視覚、及び/又は位相モデリングと組み合わせて分析されて、ネットワーク内の医療器具の位置を推定することができる。
【0082】
図20が示すように、複数の他の入力データは、位置特定モジュール95によって使用することができる。例えば、
図20には示していないが、形状検知ファイバを利用する器具は、位置特定モジュール95が器具の場所及び形状を判定するために使用し得る形状データを提供することができる。
【0083】
位置特定モジュール95は、入力データ91~94を組み合わせて使用することができる。一部の場合では、かかる組み合わせは、位置特定モジュール95が入力データ91~94の各々から判定された場所に信頼重み(confidence weight)を割り当てる確率的アプローチを使用し得る。したがって、EMデータが信頼でき得ない場合(EM干渉が存在する場合など)、EMデータ93によって決定された場所の信頼性を低下させる可能性があり、位置特定モジュール95は、視覚データ92並びに/又はロボットコマンド及び運動学データ94により重く依存し得る。
【0084】
上で考察されるように、本明細書で考察されるロボットシステムは、上述した技術のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを組み込むように設計することができる。タワー、ベッド、及び/又はカートに基づいているロボットシステムのコンピュータベースの制御システムは、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶してもよく、コンピュータプログラム命令は、実行されると、システムに、センサデータ及びユーザコマンドを受信及び分析させ、システム全体の制御信号を生成させ、グローバル座標系内の器具の位置、解剖学的マップなどのナビゲーション及び位置特定データを表示させる。
【0085】
2.ロボット制御可能な電磁場発生器
ロボット医療システム(例えば、上記のもの及び他のもの)とともに使用するように構成され得るロボット制御可能なEM場発生器の実施形態が、本明細書中に記載される。ロボット制御可能なEM場発生器は、ロボット医療システムのロボットアームに結合する(又は別様に取り付けられる若しくは統合される)ように構成され得る。かかるロボット制御可能なEM場発生器は、通常、EM場の座標フレームをロボットシステムの座標フレーム又はグローバル座標フレームに関連付けるためにより複雑な位置合わせステップを必要とし、概して、複雑な位置合わせステップをやり直す必要なしに処置中に再位置決めすることができないロボット医療システムとともに一般に使用される他のEM場発生器に勝る利点を提供することができる。
【0086】
EM場発生器をロボットアームに結合することによって、ロボットアームの運動学を使用して、EM場の座標フレームをロボット座標フレーム又はグローバル座標フレームに位置合わせすることができる。ロボットアームの運動学に基づくかかる位置合わせは、自動的に、又はオペレータが別個の位置合わせステップ(
図22B及び
図22Cを参照して以下に説明されるそれらの位置合わせステップなど)を行うことを要求することなく、行うことができる。これは、ロボット医療システムとともに使用される他のタイプのEM場発生器によく見られる、より複雑な又はユーザが関与する位置合わせの必要性を排除することができる。更に、EM場発生器がロボットアームに結合された状態で、EM場発生器は、ロボット制御可能又は位置決め可能になる。ロボットアームは、ロボット医療処置中にEM場発生器を種々の位置に物理的に移動させるために、並進、回転、又は両方の組み合わせを行うように命令され得る。
【0087】
以下でより詳細に記載されるように、かかるロボット制御可能なEM場発生器は、複数の利点を提供し得、多岐にわたる用途において有用である。例えば、かかるロボット制御可能なEM場発生器を使用することで、とりわけ、EM場の座標フレームをロボット座標フレーム又はグローバル座標フレームと位置合わせするための別個の位置合わせステップを実行する必要性を排除し、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる能力を通じてより広い視野を提供し、より小さいEM場発生器(例えば、コンパクトな電磁場発生器)の使用を可能にし、ロボット医療システムの設定を単純化し、EMセンサの検出位置の精度を高めることができる。かかるロボット制御可能なEM場発生器の用途は、例えば、自動ツール追跡、自動又は拡張された電磁場発生器の設定、EM集束、解剖学的マッピング、及びその他を含み得る。
【0088】
ロボット制御可能な電磁場発生器のこれら及び他の特徴は、概してロボット医療システムにおけるEMセンサ及びEM場発生器の使用の概要を最初に提供した後に、以下でより詳細に説明される。
【0089】
A.EMセンサ及びEM場発生器の使用の概要
ロボット医療システムは、種々のツール及び器具の追跡及びナビゲーションを容易にするために種々のタイプの位置センサを使用することができる。上述したように、ロボット医療システムで使用され得る1つのタイプの位置センサは、EM位置センサ(本明細書ではEMセンサ、ビーコン、又はトラッカとも称される)である。1つ又は2つ以上のEMセンサが、例えば、医療処置中に使用されるツール又は器具の一部に設けられ得る。EMセンサの位置が決定され、対応するツール又は器具の位置を追跡するために使用され得る。1つ又は2つ以上のEMセンサはまた、例えば、処置中に患者の動き(呼吸又は他のタイプの移動による動きなど)を追跡するために、患者上に提供され得る。
図20に関して上述したように、位置特定システム90は、ナビゲーション及びガイダンス情報をシステムのオペレータに提供するために、種々の他のタイプのデータとともに、EMデータ93を使用し得る。
【0090】
EMセンサは、低強度磁場を生成するように構成された1つ又は2つ以上のEM場発生器とともに使用される。EMセンサが、EM場発生器によって生成される磁場(EM場発生器の作業体積とも称される)内に位置決めされると、EM場発生器に対するEMセンサの位置が決定され得る。例えば、
図20を参照して上述したように、EMセンサは、EM場発生器によって生成された磁場の変動を測定する1つ又は2つ以上のセンサコイルを備えてもよい。磁場は、例えば、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を決定するために分析され得る、EMセンサのセンサコイル内の小電流を誘発することができる。
【0091】
一部の実施形態では、EM場発生器に対するEMセンサの位置(例えば、3次元位置)を決定することができる。一部の実施形態では、EMセンサの向き(例えば、ピッチ、ヨー、及び/又はロール)も決定され得る。5自由度(degree of freedom、DoF)EMセンサにより、EMセンサの三次元位置、並びにEMセンサのピッチ及びヨーを提供することができる。6DoFのEMセンサにより、EMセンサの三次元位置、並びにEMセンサのピッチ、ヨー、及びロールを提供することができる。
【0092】
図21は、EM場発生器202及びEMセンサ204の一例を示している。EM場発生器202は、磁場を発生させるように構成される。図示の実施形態では、EM場発生器202の磁場は、作業体積206を有する。EMセンサ204が、EM場発生器202によって生成される磁場の作業体積206内に位置決めされた場合、EMセンサ204の位置(又は位置及び向き)は、EM場発生器202と関連付けられたEM座標フレーム208に対して決定され得る。例えば、EMセンサ204とEM座標フレーム208の原点との間の距離及び角度が決定されて、作業体積206内のEMセンサ204の位置(例えば、x、y、及びz位置)及び/又は向き(例えば、ピッチ、ヨー、及び/又はロール)が決定されてもよい。
【0093】
図示の実施形態では、EM場発生器202の作業体積206は、EM場発生器202の1つの側面から突出する長方形プリズムの形状を有するものとして表される。しかしながら、これは、1つのタイプの作業体積206を表しているにすぎず、EM場発生器202に対して種々のサイズ、形状、及び位置の作業体積206を生成するEM場発生器202が提供され得る。
【0094】
図22Aは、
図21のEM場発生器202を使用する例示的なロボット医療システム200を示している。ロボット医療システム200は、
図1~
図20を参照して上述したロボット医療システムと同様であってもよい。図示の実施形態では、ロボット医療システム200は、2つのロボットアーム212を含むカート210を備える。2つのロボットアーム212が図示されているが、他の数のロボットアーム212も可能である。例えば、
図2(上述)は、3つのロボットアーム12を含む例示的なカート11を示している。加えて、一部の実施形態では、ロボットアーム212は、カート210に取り付けられる必要はない。一部の実施形態では、ロボットアームは、例えば、
図5~
図10及び
図14(前述)に示すように、ベッド又は患者プラットフォーム215に結合され得る。一部の実施形態では、ロボット医療システム200は、カート210、患者プラットフォーム、及び/又はシステムの他の構成要素に結合されるロボットアーム212を備えてもよい。
【0095】
ロボットアーム212は、ロボット座標フレーム216に関連付けることができる。ロボットアーム212の既知の運動学に起因して、ロボットアーム212の位置(例えば、ロボットアーム212の遠位端の位置及び/又はそれに取り付けられた器具214の位置)は、ロボット座標フレーム216を参照して決定され得る。例えば、ロボットアーム212を構成する種々のリンクの長さが既知であり、ロボットアーム212のリンク間の角度を決定することができるので、ロボットアームの位置は、ロボット座標フレーム216内で運動学的に定義される。
【0096】
一部の実施形態では、患者プラットフォーム215及び患者に対するカート210の位置及び向きは、ロボット座標フレーム216が、患者又は患者の解剖学的構造の一部に位置合わせされ得るグローバル座標フレームと見なされ得るように、決定、設定、又は制御され得る。例えば、一部の実施形態では、ロボット座標フレーム216内の上、下、右、左などは、患者、患者プラットフォーム215、及び/又は他の構成要素を含むグローバル座標フレーム内の上、下、右、左などに対応することができる。
【0097】
図22Aに示すように、ツール又は器具214(例えば、腹腔鏡又は内視鏡器具)は、ロボットアーム212のうちの1つに結合され得る。器具214は、医療処置を行うために患者に挿入することができる。単一の器具214のみが図示されているが、他の実施形態では、他の数の器具214(例えば、2つ以上の器具)を使用することができることを理解されたい。1つ又は2つ以上のロボットアーム212は、器具214を位置決めし、制御するために使用可能である。オペレータ(図示せず)は、コントローラを使用して、ロボットアーム212及び器具214を制御することができる。
【0098】
図示の実施形態では、器具214は、その遠位端に位置決めされたEMセンサ204を含む。更に、図示の実施形態は、患者の胸部に取り付けられた第2のEMセンサ204を含み、これは、患者の呼吸によって引き起こされる運動などの患者の動き又は運動を追跡するために使用され得る。
【0099】
図22Aは、一部の実施形態では、電磁場発生器202の作業体積206が、医療処置が行われる患者の解剖学的構造の一部と重複するように、EM場発生器202を患者に対して位置決し得ることを示している。本明細書で使用される場合、医療処置が行われる患者の解剖学的構造の一部は、医療部位と称されることがあり、この部位は、生検、内視鏡検査、手術、治療などを含む任意の医療処置を行うことができる部位を含み得る。一部の実施形態では、EM場発生器202は、作業体積206が患者に対して位置決めされるように、スタンド又は他の支持構造(図示せず)によって支持され得る。他の実施形態では、EM場発生器202は、患者プラットフォーム215によって支持されるか、若しくはそれに取り付けられるか、又は動作環境内の別の構成要素(
図1、
図3、及び
図4を参照して上記で説明されるカート30など)に統合されるか、若しくはそれによって支持され得る。
【0100】
図21を参照して上述したように、EMセンサ204がEM場発生器202の作業体積206内に位置決めされると、EM座標フレーム208内のEMセンサ204の位置を決定することができる。しかしながら、EM座標フレーム208内のEMセンサ204の位置を決定することは、EM座標フレーム208がロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレーム(上述したように、ロボット座標フレーム216であり得る)に位置合わせされていない限り、特に有用ではない場合がある。したがって、EM座標フレーム208をロボット座標フレーム216に関連付ける位置合わせステップがしばしば必要とされる。
【0101】
図22Aに図示されるロボット医療システム200などの一部のロボット医療システムでは、EM座標フレーム208をロボット座標フレーム216に位置合わせすることは、オペレータが位置合わせを達成するために一定のステップを行うことを必要とし得る。位置合わせプロセスは、処置にステップを追加する可能性があり、処置時間を増加させる可能性がある。
図22B及び
図22Cは、ロボット医療システム200に関連付けられたロボット座標フレーム216を、EM場発生器202に関連付けられたEM座標系208と位置合わせするために使用され得る例示的な位置合わせステップ又は手順を示している。以下でより詳細に説明するように、これらのタイプの位置合わせステップ又は手順を実行する必要性は、例えば
図23に示すように、そのロボットアームに取り付けられたEM場発生器を有するロボット医療システムを提供することによって排除又は低減することができる。
【0102】
図22Bは、ロボット医療システム200に関連付けられたロボット座標フレーム216を、EM場発生器202に関連付けられたEM座標系208と位置合わせするために使用され得る例示的な位置合わせ手順を示している。位置合わせを達成するために、複数の点が、ロボット座標フレーム216及びEM座標フレーム208の両方内で特定される。複数の点がロボット座標フレーム216及びEM座標フレーム208の各々内で特定されると、位置合わせアルゴリズムは、2つの座標フレーム間の変換を決定することができる。
図22Bの位置合わせ手順は、ロボットシステムのロボットアーム212のうちの1つ、EM場発生器202、EMプローブ203、及び位置合わせ固定具205を使用する。図示の実施形態では、位置合わせ固定具205は、立方体の頂点に位置する基準又はマーカを有する立方体を備える。したがって、図示の実施形態では、位置合わせ固定具205は、8つの基準を含む。位置合わせ固定具205のための他の数の基準及び他の形状も使用され得る。位置合わせ固定具205が静止場所に位置決めされた状態で、オペレータは、位置合わせ固定具205の基準のそれぞれに接触するようにロボットアーム212に命令することができる。したがって、ロボット座標フレーム216内の各基準の位置を決定することができる。次いで、オペレータは、EMプローブ203で基準のそれぞれに触れることができる。EMプローブ203は、電磁場発生器202に対して明確に定義された先端位置を有する手持ち式EMセンサ204を含み得る。EMプローブ203で基準の各々に接触することによって、EM座標フレーム208内の各基準の位置を決定することができる。ロボット座標フレーム216及びEM座標フレーム208のそれぞれの中で現在知られている同じ点(位置合わせ固定具205の基準)を用いて、位置合わせアルゴリズムは、2つの座標フレームの間の変換を決定することができる。
【0103】
図22Cは、ロボット医療システム200に関連付けられたロボット座標フレーム216をEM場発生器202に関連付けられたEM座標系208と位置合わせするために使用され得る別の例示的な位置合わせ手順を示している。この位置合わせ手順は、ロボットシステムのロボットアーム212のうちの1つ、EM場発生器202、及びロボットアーム212のエンドエフェクタに取り付けられたEMセンサ204を使用する。ロボットアーム212のエンドエフェクタに取り付けられたEMセンサ204を用いて、オペレータは、次いで、ロボットアーム212に、位置合わせ軌道207を通って移動するか、又はそれをトレースするように命令することができる。図示した実施形態では、位置合わせ軌道207は立方体の形状を含むが、異なる形状を含む他の位置合わせ軌道を使用することができる。位置合わせ軌道207に沿った種々の点(例えば、立方体形状の頂点)において、ロボット座標フレーム216内のエンドエフェクタの位置及びEM座標フレーム208内のEMセンサ204の位置を記録することができる。十分な複数の点がロボット座標フレーム216及びEM座標フレーム208の両方で特定されると、位置合わせアルゴリズムは、2つの座標フレーム間の変換を決定することができる。
【0104】
図22Aに図示されるシステム200などのロボットシステムでは、
図22B及び
図22Cを参照して上記で説明した処置のいずれかなどの位置合わせ処置が、EM座標フレーム208及びロボット座標フレーム216を位置合わせする処置を開始することに先立って行われてもよい。
【0105】
これらのタイプの位置合わせには種々の欠点が伴う。例えば、かかる位置合わせは、退屈で時間がかかることがある。かかる位置合わせは、ユーザ入力を必要とし得、かつ/又はロボット医療処置を開始する前に実行する必要があり得るため、一般的には自動とは見なされない。更に、かかる位置合わせは、例えば、オペレータが基準に正確にナビゲートしない場合、システムに不正確さを導入する可能性がある。加えて、かかる位置合わせは、EM場発生器202の位置が処置中に固定されたままであることを必要とする。EM場発生器202が移動した(例えば、手術室内の誰かによって偶発的に衝突された、又は患者へのアクセスを可能にするために移動された)場合、関係を再確立するために位置合わせを再び行う必要がある。これは、例えば、蛍光透視Cアームへのアクセスを可能にするためにEM場発生器202を移動させる必要があり得るので、問題となり得る。この場合、EM場発生器202を除去し、Cアームを、1つ又は2つ以上の画像を捕捉するのに適した位置に移動させ、次いで、Cアームを除去し、EM場発生器202を適所に戻し、オペレータがEM座標フレームとロボット又はグローバル座標フレームとの位置合わせステップをやり直すことが必要となる。
【0106】
以下でより詳細に説明するように、これらのタイプの位置合わせの必要性は、例えば、
図23~
図25に示すように、ロボットアームに直接結合され得るロボット制御可能な電磁場発生器を使用することで、低減又は排除され得る。ロボット制御可能な電磁場発生器をロボットアームに結合することによって、ロボット制御可能な電磁場発生器とロボットアームとの間の関係又は位置合わせを運動学的に決定することができ、したがって、EM座標フレーム208をロボット座標フレーム216内に配置することができる。
【0107】
加えて、
図22B及び
図22Cを参照して説明されるものなどの位置合わせ手順を使用する以前のシステムでは、EM場発生器202の位置は、処置中に固定されたままでなければならないため、関連医療部位を網羅するために十分に大きいサイズの作業体積206を生成するために、物理的により大きく、時として、より扱いにくいEM場発生器202を使用する必要があり得る。一部の状況又は用途では、これは、患者に対してEM場発生器202を設定及び位置決めする際の難易度を高める可能性がある。一部の状況又は用途では、これは、処置中に患者の周囲の利用可能な空間を制限し、かつ/又は更に多くの設定時間が必要となる可能性がある。例えば、
図22~25に示すように、ロボットアームに直接結合され得るロボット制御可能な電磁場発生器の使用は、
図22Aに示されるようなEM場発生器202と関連するこれらの制限のうちの1つ又は2つ以上を低減又は排除することができる。
【0108】
B.ロボット制御可能な電磁場発生器の概要
図23は、ロボットアーム212に結合されたロボット制御可能なEM場発生器302の一実施形態を含むロボット医療システム300の一実施形態を示している。以下でより詳細に説明するように、EM場発生器302をロボットアーム212に結合することは、例えば、(1)ロボットアーム212の運動学に基づいて、EM場発生器302のEM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間のより正確及び/又はより単純な位置合わせを可能にすること、及び/又は(2)ロボットアーム212を使用して、EM場発生器302の位置を移動又は再調整することを可能にすること、を含む複数の利点を提供することができる。
【0109】
図22Aのロボット医療システム200と同様に、
図23のロボット医療システム300では、ロボットアーム212をロボット座標フレーム216に関連付けることができる。ロボットアーム212の既知の運動学に起因して、ロボットアーム212の位置は、ロボット座標フレーム216を参照して決定され得る。例えば、ロボットアーム212を構成する種々のリンクの長さが既知であり、ロボットアーム212のリンク間の角度を決定することができるので、ロボットアーム212の位置は、ロボット座標フレーム216内で運動学的に定義される。加えて、ロボット医療システム300の一部の実施形態に関して、患者プラットフォーム215及び患者に対するカート210の位置及び向きは、ロボット座標フレーム216が、患者又は患者の解剖学的構造の一部に位置合わせされ得るグローバル座標フレームと見なされ得るように、決定、設定、又は制御され得る。例えば、一部の実施形態では、ロボット座標フレーム216内の上、下、右、左などは、患者、患者プラットフォーム215、及び/又は他の構成要素を含むグローバル座標フレーム内の上、下、右、左などに対応することができる。そうすることで、患者の解剖学的構造内でナビゲートするオペレータの能力を促進することができる。より具体的な例として、ロボットシステム300が、ロボットアーム212がそこから延在するカートを備える、気管支鏡又は尿管鏡処置の間、カートは、ベッドと平行に位置決めすることができる。ベッド及びカートは、共通の重力ベクトル(すなわち、それらの両方に対して天井への上昇点)を有する。この情報を使用して、システムは、ユーザが気管支鏡又は尿管鏡を駆動しているときにどの方向が上(前方)又は下(後方)であるかをユーザに示し、空間的コンテキストを提供することができる。泌尿器科用途の場合、ユーザは、経皮的アクセスのためのターゲット選択の間、尿管鏡が後腎杯又は前腎杯内にあるかどうかを特定する必要があり得る。システムの向きは既知であるので、システムは、このナビゲーションを容易にするために解剖学的コンテキストを提供することができる。
【0110】
図23に示すように、EM場発生器302は、ロボットアーム212のうちの1つに結合され得る。一部の実施形態では、EM場発生器302は、ロボットアーム212の遠位端に結合される又は取り付けられるが、EM場発生器302は、他の位置(例えば、アームの遠位端と近位端との間の位置)でロボットアーム212に結合されても又は取り付けられてもよい。以下で説明される
図24及び
図25は、EM場発生器302のより詳細な実施形態を示し、一部の実施形態では、それがどのようにロボットアーム212に結合することができるかを示している。EM場発生器302をロボットアーム212に結合するための他の方法及び機構も可能である。更に、一部の実施形態では、EM場発生器302は、ロボットアーム212自体の中に統合され得る(例えば、ロボットアーム212の上又は中の構成要素であり得る)。例えば、EM場発生器302は、ロボットアーム212のリンクのうちの1つ(最遠位リンクなど)に、又は例えばロボットアーム212の遠位端に位置決めされた器具ドライバ若しくは器具駆動機構に統合されてもよい。EM場発生器302を組み込むことができる例示的な器具ドライバ62、75、83、146が、上記の
図14~17に示されているが、これらの例は限定的ではない。
【0111】
EM場発生器302をロボットアーム212に結合することによって、ロボットアーム212の運動学を使用して、EM場発生器302のEM座標フレーム308とロボット座標フレーム216及び/又はグローバル座標フレームとの間の位置合わせを提供することができる。すなわち、ロボットアーム212の運動学(上述したように既知である)を使用して、EM場発生器302のEM座標フレーム308をロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレームに関連付けることができる。これは、
図22Aのロボットシステム200などの別個のEM場発生器202を含むロボット医療システムと比べて1つ又は2つ以上の利点を提供することができる。
【0112】
1つの利点は、EM場発生器302をロボットアーム212に結合することによって、別個の位置合わせステップ(上述したように、ユーザ入力を必要とし得る)の必要性が排除され得ることであり得る。例えば、ロボット医療システム300では、EM座標フレーム308をロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレームに位置合わせするために、
図22B及び
図22Cを参照して説明した位置合わせステップなどの別個の位置合わせステップを手動で実行する必要がない場合がある。ロボット医療システム300では、かかる位置合わせは、単にEM場発生器302をロボットアーム212に取り付けることによって、自動的に行うことができる(例えば、システムが実行することができる)。次いで、ロボット医療システム300は、ロボットアーム212の既知の運動学を使用して、EM座標フレーム308及びロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレームに関連付けることができる。
【0113】
EM場発生器302をロボットアーム212に結合することによって達成され得る別の利点は、EM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間の位置合わせの精度が向上し得ることである。上述したように、
図22Aのロボットシステム200などのシステムでは、位置合わせステップは、例えば、手動位置合わせステップ中のナビゲートの不正確さに起因して、システムが不正確となる場合がある。ロボット医療システム300において、EM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間の位置合わせの精度は、主に、ロボットアーム212の運動学の精度によって決定される。これらが既知であり、明確に定義されている場合、EM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間の位置合わせは、非常に正確なものとなり得る。
【0114】
EM場発生器302をロボットアーム212に結合することを含む一部の実施形態によって提供される更なる利点は、EM場発生器302の位置がロボットアーム212を使用して調整され得ることであり得る。これは、それ自体で、1つ又は2つ以上の利点を提供することができる。一例として、ロボットアーム212を使用して、EM場発生器302を移動又は再位置決めすることができる。これは、例えば、オペレータが、EM場発生器302の磁場の作業体積306の位置を調整することを可能にし得る。以下で説明するように、例えば、器具214が身体を通って移動するときにこの器具の移動をEM場発生器302が追跡するように、ロボットアーム212を使用してEM場発生器302を移動させることができる。加えて、例えば、蛍光透視Cアームが患者にアクセスすることを可能にするために、EM場発生器302がロボットアーム212によって移動又は再位置決めされて、患者へのアクセスを容易にしてもよい。例えば、ロボットアーム212を使用して、EM場発生器302を邪魔にならないように移動させることができる。更に、ロボットアーム212がEM場発生器302を移動させる場合、ロボットアーム212の運動学によって決定されるEM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間の関係は、既知のままである。したがって、EM場発生器302の移動後に、EM座標フレーム308をロボット座標フレーム216に対して再位置合わせする必要がない場合がある。
【0115】
EM場発生器302をロボットアーム212に結合することによって達成可能な別の利点は、EM場発生器302とEMセンサ204との間の向き及び距離の精度が向上するように調整され得るので、EMセンサ204の決定された位置の精度が向上することを含み得る。例えば、EMセンサ204の決定された位置の精度は、作業体積306の縁部に近づくにつれて低下することがある。EMセンサ204が作業体積306の縁部により近いと判定された場合、ロボットアーム212は、EMセンサ204が作業体積306の中心のより近くに(又は作業体積306の縁部から離れて)位置決めされるように、EM場発生器302を移動させることができ、決定された位置の精度を高めることができる。別の例として、ロボットアーム212は、EM場発生器302をEMセンサ204のより近くに移動させて、EMセンサ204に焦点を合わせ、EMセンサ204の位置をより厳密に追跡することができる(本明細書ではEM焦点合わせと称される)。
【0116】
加えて、ロボットアーム212は、別個の位置合わせステップを必要とすることなく、EM場発生器302の位置を容易に調整することができるので、概して静止EM場発生器を使用する他のロボットシステム(ロボットシステム200など)と比較して、より小さいEM場発生器を使用することができる。静止EM場発生器が使用される場合、それらは、医療部位をカバーするために十分に大きい作業体積を提供するのに十分なだけ大きくなくてはならない。そうであっても、医療部位にアクセスするためにそこを通ってナビゲートされる患者の解剖学的構造の部分など、患者の解剖学的構造の全ての部分をカバーしない場合がある。EM場発生器302をロボットアーム212に結合することによって、ロボットアーム202を用いてEM場発生器302を移動させることによって作業体積306の位置を調整することができるので、一部の場合ではより小さい作業体積を有し得る、より小さいEM場発生器が使用され得る。一部の実施形態では、これは、コンパクトな電磁場発生器(compact field generator、cFG)の使用を可能にし得る。しかしながら、コンパクトな電磁場発生器の使用は必要とされず、一部の実施形態では、より大きい電磁場発生器をロボットアームに結合することができる。
【0117】
ロボットアーム212に結合されると、EM場発生器302は、前述のEM場発生器202と同様に機能し得る。例えば、
図23のシステム300の図示の実施形態では、器具214のうちの1つ又は2つ以上は、その遠位端に及び/又は器具214の他の部分上に位置決めされた1つ又は2つ以上のEMセンサ204を含み得る。加えて、図示の実施形態は、患者の呼吸によって引き起こされる運動を追跡するために使用され得る、患者の胸部に取り付けられた第2のEMセンサ204を含む。EMセンサ204がEM場発生器302の作業体積206内に位置決めされると、EM座標フレーム308内のEMセンサ204の位置を決定することができる。
【0118】
更に、ロボットアーム212の運動学を使用して、EM座標フレーム308をロボット座標フレーム216に対して位置合わせすることができるので、ロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレーム内のEMセンサ204の位置を決定することができる。EM場発生器302をロボットアーム212に物理的に接続することによって、EM座標フレーム308とロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレームとは、EMセンサ204の位置がロボット座標フレーム216又はグローバル座標フレーム内で決定され得るようにリンクされ得る。
【0119】
例えば、
図23の図示の実施形態では、ロボット医療システム300は、EM場を発生させるように構成されたEM場発生器302を含み得る。ロボット医療システム300は、ロボットアーム212を含み得る。第1のロボットアーム212は、EM場発生器302に結合され、EM場発生器302を移動させるように関節運動するように構成され得る。ロボット医療システム300はまた、EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレーム302において、EM場内のEMセンサ204の位置を決定するように構成された1つ又は2つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサはまた、EM座標フレーム308と第1のロボットアーム212に関連付けられたロボット座標フレーム216との間の位置合わせを、ロボット座標フレーム内のEM場発生器302の位置を決定することに基づいて決定するように構成され得る。これは、上述したように、ロボットアーム212の運動学を使用することによって達成することができる。プロセッサは、更に、ロボット座標フレーム216内のEMセンサ204の位置を、位置合わせに基づいて決定するように構成され得る。
【0120】
別の例として、
図23の図示の実施形態では、ロボット医療システム300は、1つ又は2つ以上のロボットアーム212の動きを制御するように構成された1つ又は2つ以上のプロセッサを備えるコントローラ又は制御回路を含み得る。ロボットアーム212は、制御回路からのコマンドの受信に応答して関節運動するように構成することができる。EM場発生器302は、EM場発生器もまた制御回路からの1つ又は2つ以上のコマンドに応答して移動するように、ロボットアーム212に結合され得る。
【0121】
ロボットアーム212に結合されるロボット制御可能なEM場発生器302に加えて、
図23のロボットシステム300の図示の実施形態は、多くの点で、別個のEM場発生器202を含む、
図22Aを参照して上記で説明したロボットシステム200、又は本出願全体を通して、若しくは他の場所で説明される他のロボット医療システムと類似し得る。例えば、図示の実施形態では、ロボット医療システム300は、2つのロボットアーム212を含むカート210を備える。2つのロボットアーム212とともに示されているが、ロボットシステム300は、他の数のロボットアーム212を使用してもよい。例えば、
図2(上述)は、3つのロボットアーム12を含む例示的なカート11を示している。加えて、一部の実施形態では、ロボットアーム212は、カート210に取り付けられる必要はない。一部の実施形態では、ロボットアームは、例えば、
図5~
図10及び
図14(前述)に示すように、ベッド又は患者プラットフォーム215に結合され得る。一部の実施形態では、ロボット医療システム300は、カート210、患者プラットフォーム、及び/又はシステムの他の構成要素に結合された複数のロボットアーム212(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回るロボットアーム212)を備えてもよい。
【0122】
更に、ロボットシステム300は、単一のツール又は器具214(例えば、腹腔鏡器具又は内視鏡器具)がロボットアーム212のうちの1つに結合された状態で
図23に示されているが、他の実施形態では、他の数の器具214(例えば、腹腔鏡、内視鏡、及びカメラを含む、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の器具)を使用し得ることを理解されたい。
【0123】
図24は、EM場発生器302の一実施形態を示している。図示の実施形態では、EM場発生器302は、EM場発生器302がロボットアーム212に取り付け可能であるように、ロボットアーム上に位置決めすることができる器具駆動機構402に結合するように構成される。
図16を参照して上述したように、器具駆動機構402などの器具駆動機構は、ロボット医療システムによって使用するための種々のツール又は器具に取り付けるように適合されたインターフェース404を有して構成することができる。EM場発生器302は、器具駆動機構402のインターフェース404に結合するように構成された対応するインターフェース320を有して構成することができる。このようにして、EM場発生器302は、ロボットシステムの他のロボットツール又は器具と同様の方法でロボットアーム212に結合することができる。
【0124】
例えば、EM場発生器302のインターフェース320は、器具駆動機構402のインターフェース404上の1つ又は2つ以上の対応するコネクタ406に結合するように構成された1つ又は2つ以上のコネクタ322を含む。かかる構成は、オペレータが、EM場発生器302を器具駆動機構402に容易に取り外し可能に結合することを可能にし得る。
【0125】
図示の実施形態では、EM場発生器302は、ハウジング324を含む。ハウジング234の近位端326は、器具駆動機構402に結合するように構成され得る。例えば、近位端326は、インターフェース320及びコネクタ322を含み得る。ハウジング324は、近位端326から遠位端328まで延在することができる。遠位端328は、磁場を発生させるように構成されたEM場発生器ユニット330を含み得る。図示の実施形態では、遠位端328は、EM場発生器ユニット330を固定するように構成されたクリップ332を含む。EM場発生器ユニット330を固定するための他の機構又は方法が可能である。一部の実施形態では、例えば、図示のように、EM場発生器ユニット330は、ハウジング324から取り外し可能であり得る。一部の実施形態では、EM場発生器ユニット330は、ハウジング324に統合される。図示の実施形態では、EM場発生器ユニット330はcFGを含むが、他のタイプの電磁場発生器を使用することもできる。
【0126】
ハウジング326のサイズ及び形状は、EM場発生器ユニット330とEM場発生器302が取り付けられるロボットアームとの間の運動学的関係が既知であるように決定又は選択され得、これにより、EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームとロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の運動学的位置合わせを決定することができるようになる。
【0127】
図示の実施形態では、EM場発生器ユニット330は、1つ又は2つ以上のコネクタ334を備える。コネクタ334は、ロボットシステムがEM場発生器ユニットと通信することができるように、EM場発生器ユニット330をロボットシステムに電気的に接続することができる。他の実施形態では、EM場発生器302のインターフェース320と器具駆動機構402のインターフェース404との間に電気的接続が行われ得る。
【0128】
図25は、一実施形態による、EM場発生器302を器具駆動機構402にどのように取り付けることができるかを示している。図示の実施形態では、器具駆動機構402は、滅菌ドレープで覆われて示されている。滅菌アダプタ410は、器具駆動機構402のインターフェース404の上に位置決めされて示されている。EM場発生器302のインターフェース320は、EM場発生器302が器具駆動機構402に結合され、それらの間に滅菌アダプタ410が位置決めされるように、滅菌アダプタ410に取り付けることができる。
図25に示すように、EM場発生器ユニット330もまた、滅菌ドレープで覆われてもよい。
【0129】
図26は、ロボットアームに結合する(又は別様で接続する、若しくは統合する)ように構成されたEM場発生器を使用してロボット医療処置を実施するための方法500の一実施形態を示すフローチャートである。図示した実施形態では、方法はブロック502で開始する。ブロック502は、第1のロボットアームに結合されたEM場発生器を用いてEM場を発生させることを含み得る。EM場は、EM座標フレームに関連付けることができる。次に、方法500はブロック504に移動し、ここで、EM座標フレームと第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせが決定される。位置合わせは、ロボット座標フレーム内のEM場発生器の位置を、第1のロボットアームの運動学に基づいて決定することに基づき得る。ブロック506において、EM座標フレーム内のEMセンサの位置が決定される。ブロック508において、方法は、ロボット座標フレームにおけるEMセンサの位置を、ブロック504において決定された位置合わせに基づいて決定することを含む。
【0130】
一部の実施形態では、方法500は、例えば、
図25に示すように、EM場発生器を第1のロボットアームに取り外し可能に結合することを任意選択で含み得る。方法500はまた、任意選択的に、第1のロボットアームでEM場発生器を移動させることを含み得る。EM場発生器を移動させることは、EM場の作業体積を、処置を容易にするために必要に応じて位置決めすることができ、かつ/又は医療処置中に患者へのアクセスを可能にするためにEM場発生器を邪魔にならないように移動させることができるという点で有用であり得る。EMセンサに対するEM場発生器の位置を調整するために第1のロボットアームを用いてEM場発生器を移動させることはまた、EM場座標フレーム内の(及びそれに対応して、位置合わせを通してロボット座標フレーム内の)EMセンサの決定された位置の精度を向上させることができる。
【0131】
方法500はまた、第2のロボットアームに結合された医療器具を移動させることを含むことができ、ロボット座標フレームはまた、第2のロボットアームに関連付けられる。EMセンサは、第2の器具のナビゲーションの誘導が、EMセンサの決定された位置に少なくとも部分的に基づいて決定され得るように、医療器具上に位置決めされ得る。
【0132】
C.ロボット制御可能な電磁場発生器の例示的な用途
上記で説明される利点のうちの1つ又は2つ以上を提供することに加えて、ロボットアームに結合されるか、又は別様に統合されるロボット制御可能な電磁場発生器は、ロボット医療処置中に種々の機能性を可能にし、容易にし、かつ/又は改善するために使用され得る。本セクションでは、例えば、静的又は静止電磁場発生器を含む他のロボットシステムよりも有利であり得る、ロボット制御可能な電磁場発生器のための複数の例示的な用途を概説する。
【0133】
i.電磁場発生器の設定及び器具の追跡
上述したように、ロボットアームに結合された又はロボットアームに組み込まれたロボット制御可能な電磁場発生器を使用して、電磁場発生器の設定及び器具の追跡を容易にすることができる。本セクションでは、これらの概念を限定することなく例示するために、複数の例を提供する。
【0134】
本明細書で使用される場合、EM場発生器の「設定」は、処置を容易にするためにEM場発生器をどこに位置決めすべきかを判定することを指す。位置は、例えば、1つ又は2つ以上のEMセンサの決定された位置に基づいてもよい。一部の場合では、位置は、例えば、EMセンサのうちの1つ又は2つ以上が処置中に移動されたときに、処置中に調整されてもよい。
図21及び
図22Aを参照して上述したように、EM場発生器202は、電磁場発生器202の作業体積206が、医療処置が実施される患者の解剖学的構造の一部分(例えば、医療部位)と重なるように、患者に対して位置決めされる。EM場発生器202は、患者プラットフォーム215などのスタンド又は他の支持構造によって支持され得る。位置決めされると、位置合わせステップ(
図22B及び
図22Cを参照して説明したものなど)が実行されて、EM場発生器202に関連付けられたEM座標フレーム208がロボット座標フレーム216に対して位置合わせされる。更に、処置の間、移動は手動で行う必要があり、EM場発生器202に関連付けられたEM座標フレーム208をロボット座標フレーム216に再位置合わせするために位置合わせステップを繰り返す必要があるため、EM場発生器202は一般に移動させなかった。システムのロボットアームを使用して再位置決めされ得るロボット制御可能なEM場発生器は、システムがEM場発生器を位置決めすべき場所を決定することを可能にし、システムのロボットアームを使用してEM場発生器をそれらの場所に移動させることによって、設定手順を容易にする。更に、処置中にEMセンサを含むツール及び器具の位置が変化すると、システムは、EM場発生器の位置を、EM場発生器が有利な位置に位置決めされたままとなるように調整することができる。
【0135】
図28A及び
図28Bは、(例えば、
図23~25を参照して上述した)ロボット制御されたEM場発生器302を使用して、医療処置に使用される種々のツール及びデバイスの設定及び位置決めを容易にすることができることを示す導入例を示している。追加の例については、以下で更に詳細に説明する。
図28Aは、3つのEM位置センサ204、並びにロボットアーム212に結合されたEM場発生器302を示している。EM位置センサ204は、例えば、医療器具(内視鏡、腹腔鏡、及び/又は他のタイプの手術ツールなど)上に、又は患者上に直接(例えば、患者の移動又は呼吸を追跡するように構成されたEMパッチセンサなど)位置決めすることができる。図示を容易にするために、医療器具は図示されていない。
【0136】
図28Aに示すように、システムは、EMセンサ204の場所を特定するために、ロボットアーム212を使用してEM場発生器302を移動させるように構成され得る。かかる移動は、EM場発生器302の並進、回転、及び/又は振動を含み得る。
図28Aには、円形経路の例が示されている。EMセンサ202の位置が決定されると、ロボットアーム212は、例えば、
図28Bに示すように、EMセンサ204がEM場発生器302の作業体積306内に位置決めされる、比較的改善された(本明細書では「作業場所」と称される)又は集中化された場所にEM場発生器302を再位置決めするように移動することができる。これは、システムが、EM場発生器302を自動的に位置決めすべき作業場所又は中心場所を決定することができるので、設定を容易にすることができる。関連する態様では、1つ又は2つ以上のEMセンサ204の位置は、EM場発生器によって達成可能な移動又は振動の範囲、医療処置ステップ、及び/又は患者の解剖学的特徴に基づいて、EMセンサ204の比較的改善された配置を達成するように調整され得る。
【0137】
一部の実施形態では、システムは、EMセンサ204の位置及び/又は向きを突き止め、決定し、次いで、それらの位置の重心若しくは幾何学的中心、又は位置のうちの1つ又は2つ以上によって画定された形状を計算する。次いで、EM場発生器302は、作業体積306の中心が、例えば、EMセンサ204の位置の決定された重心と整合するように、ロボットアーム212を使用して位置決めされることができる。
【0138】
加えて、
図28Aは、EM場発生器302が作業体積306の機能的サイズを増加させ得ることを示している。例えば、EMセンサ204が、全てが作業体積306内に収まることができないように離隔している場合、システムは、EM場発生器を(走査運動において)移動させ、EMセンサ204の全てを追跡するのに十分な大きさを有する機能的な作業体積306を生成することができる。一部の実施形態では、システムは、特定のEMセンサ204が常に作業体積306内に位置決めされたままである一方で、他のEMセンサ204が時には作業体積306の内側にあり、時には外側にあるように、それらのEMセンサに優先順位を付けることができる。
【0139】
「器具追跡」は、本明細書で使用される場合、概して、EMセンサの動きを追跡又は追従するためにロボットアームを使用してロボット制御可能なEM場発生器を移動させることを指す。上述したように、従来のシステムは、概して、EMセンサの動きを追跡又は追従するように移動させることができないか又は(再位置合わせを回避するために)移動させることができない静止EM場発生器の使用を伴うものであった。かかるシステムでは、EMセンサがEM場発生器の作業体積の外側に移動した場合、EMセンサは、作業体積の中に戻されるまで、もはや検出可能ではなくなる。ロボットアームとともに移動され得るロボット制御可能な電磁場発生器は、1つ又は2つ以上の器具センサの動きを追跡するようにEM場発生器を移動させるか、又は別様に調整することを可能にすることによって、器具追跡を容易にすることができる。したがって、EMセンサをEM場発生器の作業体積の外側に移動させるのではなく、EM場発生器は、EMセンサが作業体積内に位置決めされたままとなるようにEMセンサとともに移動させることができ、EMセンサの継続的な追跡を容易にする。
【0140】
図27A及び
図27Bは、
図23~25を参照して上述したEM場発生器302などのロボット制御可能な電磁場発生器を使用して容易にすることができる自動器具追跡の導入実施形態を示している。具体的には、
図27A及び
図27Bは、例示的な医療処置中の、例えば、尿管鏡502が患者の開口部を通り、尿管を通って腎臓に入るようにロボット制御でナビゲートされる尿管鏡処置中の、自動器具追跡の例を示している。尿管鏡処置が図示されているが、自動器具追跡は、内視鏡処置及び/又は腹腔鏡処置を含む他のタイプの処置で使用することができる。
図27Aは、より早い又は第1の時間/ステップ(例えば、尿管鏡502の挿入直後)における処置を示しており、
図27Bは、より遅い又は第2の時間/ステップ(例えば、尿管鏡502の遠位先端部が腎臓内にナビゲートされた後)における処置を示している。
【0141】
図27A及び
図27Bに示すように、尿管鏡502は、例えば
図3に関して説明したように、尿管鏡502を操作し、その挿入を行うように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム212に結合され得る。
図27A及び
図27Bでは、EM場発生器302は、EM場発生器302の位置(及びそれに対応して、EM場発生器302によって生成される磁場の作業体積306の位置)を調整するために移動するように構成された第3のロボットアーム212に結合される。上述したように、EM場発生器302はロボットアーム212に取り付けられているので、EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレームは、EM場発生器302が取り付けられているロボットアーム212の運動学を通して、ロボットアーム212に関連付けられたロボット座標フレームに自動的に位置合わせされ得る。
【0142】
図27A及び
図27Bに示すように、システムは、尿管鏡502の位置を自動的に追跡するように、対応するロボットアーム212を用いてEM場発生器302を移動させるように構成され得る。図示の実施形態では、尿管鏡502は、その遠位先端部に位置決めされたEMセンサ204を含む。上述したように、EMセンサ204の位置は、EMセンサ204がEM場発生器302の作業体積306内に位置決めされた場合に、EM座標フレームに対して決定することができる。更に、EM座標フレームをロボット座標フレームに位置合わせすることができるので、ロボット座標フレーム内のEMセンサ204の位置も決定可能である。
【0143】
尿管鏡502が患者に更に挿入されると、EM場発生器が取り付けられたロボットアーム212は、位置センサ204がEM場発生器の作業体積306内に位置決めされたままとなるようにEM場発生器を自動的に再位置決めするように移動又は調整され得る。一部の実施形態では、尿管鏡502のこの自動追跡は、EM場発生器302が、EMセンサ204が作業体積306の中心に位置決めされたままとなるように移動又は調整されるように構成されるが、これは、全ての実施形態において当てはまる必要はない。加えて、一部の実施形態では、EM場発生器302の向きは、その位置を決定する際に最適な又は改善された精度を提供するために、EMセンサ204に対して調整され得る。
【0144】
このタイプの自動追跡は、有利には、尿管鏡502の位置が処置全体を通して(例えば、腎臓内への挿入から作業まで)追跡されることを可能にし得る。これは、静的又は静止電磁場発生器を使用するロボットシステムでは可能でない場合がある。上述したように、静的又は静止電磁場発生器は、多くの場合、それらの作業体積が主要な医療部位(例えば、腎臓)を中心とするように設定される。この位置では、作業体積は、尿管を通した挿入及びナビゲーションを網羅するのに十分なだけ広がらない場合がある。したがって、静的又は静止電磁場発生器を使用するシステムでは、オペレータは、器具を電磁場発生器の作業体積の中にナビゲートするまで、EMベースのナビゲーションを利用することができない場合がある。また、医療部位への器具の挿入及びナビゲーション中に器具に追従するように静的又は静止電磁場発生器を移動させることは、電磁場発生器が移動されるたびに位置合わせステップを再実行する必要がありが、これは非実用的であり、医療処置中に遅延を引き起こし、潜在的に処置の結果に悪影響を及ぼす可能性があるので、一般に可能ではない。
【0145】
しかしながら、
図27A及び
図27Bに示すように、ロボット制御されたEM場発生器302は、ロボットアーム212が必要に応じてEM場発生器302を再位置決めすることができるので、腎臓内への挿入から作業まで尿管鏡502の位置を容易に追跡することができ、ロボットアーム212の運動学を使用して、EM座標フレームとロボット座標フレームとの間の連続的な位置合わせを提供することができる。
【0146】
図27A及び
図27Bに示される自動器具追跡を使用して達成され得る追加の利点は、改善された解剖学的マッピングである。器具が患者の解剖学的構造を通してナビゲートされた場合、器具上のEMセンサの位置は、解剖学的マップを構築するために使用され得る。例えば、気管支鏡検査の場合、EMセンサを含む気管支鏡が患者の気道を通してナビゲートされるので、EMセンサの決定された位置を使用して、患者の肺のマップを生成することができる。静的又は静止EM場発生器では、これは、EM場発生器の作業体積内の領域に対してのみ可能である。しかしながら、ロボットアーム212がEM場発生器302を再位置決めすることを可能にするロボット制御可能なEM場発生器302を使用することで、解剖学的マップを生成する能力が高められる。
【0147】
図27A及び27Bの例を使用して、EMセンサ204の位置は、腎臓内(
図27B)への挿入(
図27A)から決定され、患者の尿路の略完全な解剖学的マップを生成することができる。対照的に、静的な電磁場発生器が、その作業体積が腎臓を中心とした状態で使用される場合、患者の尿管をマッピングするために使用され得るEMセンサデータは、利用可能ではない場合がある。したがって、本明細書で説明されるようなロボット制御可能なEM場発生器302を使用することで、EMセンサデータを使用して解剖学的マッピングを生成する能力を拡張し、より完全な解剖学的マップをもたらすことができる。
【0148】
図29は、ロボットアーム212上に搭載されたロボット制御可能EM場発生器302を含む、
図22Aに図示の例などのロボット医療システム300を表すブロック図である。
図29に(また、
図23にも)示されるように、システム300は、1つ又は2つ以上のロボットアーム212を含み得る。図示の実施形態では、システム300は、第1のロボットアーム212及び第2のロボットアーム212を含むが、他の実施形態では、他の数のロボットアーム(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回る)が含まれ得る。示されるように、第1のロボットアーム212は、EM場発生器302に結合される。上述したように、EM場発生器302は、第1のロボットアーム212に取り付けるか又は結合することができ、あるいは第1のロボットアーム212自体に直接組み込むことができる。EM場発生器302は、作業体積306を有するEM場を発生させるように構成され、その中で、EMセンサ204の位置が、EM座標フレーム308に対して決定され得る。第1のロボットアーム212は、EM場発生器302の位置を調整することができるように構成され得る。例えば、第1のロボットアーム212は、EM場発生器302の位置、及びそれに応じてEM場の作業体積306の位置を再調整するために移動する(例えば、姿勢又は形状を変化させる)ことができる。
【0149】
第1のロボットアーム212(並びにシステムの他のロボットアーム212)は、上述したようにロボット座標フレーム216に関連付けられる。ロボット座標フレーム216内のEM場発生器302の位置を、アーム212の運動学的位置に基づいて決定することができる。これは、EM座標フレーム308とロボット座標フレーム216との間の位置合わせ又はマッピングが上述したように決定されることを可能にする。
図29に(及び
図23にも)示すように、システム300は、1つ又は2つ以上のEMセンサ204を含み得る。EMセンサ204の位置は、EM座標フレーム308に対して決定され、前述した位置合わせを使用してロボット座標フレーム216にマッピングされ得る。
【0150】
図29(及び
図23)では、EMセンサ204のうちの1つは、医療器具214上に位置決めされる。医療器具214は、一部の実施形態では、第2のロボットアーム212に結合され得る。これにより、第2のロボットアーム212が医療器具214を操作及び制御することが可能となり得る。第2のロボットアーム212が医療器具214を操作及び制御するとき、医療器具214の位置は、EMセンサ204の決定された位置に基づいて決定され得る。
図29に示すように、システム300は、同様に追跡することができる追加のEMセンサ204を含み得る。
【0151】
図29のブロック図は、システム300がプロセッサ380及びメモリ382を含むことができることを更に示している。メモリ382は、命令を記憶するために使用され得、命令は、プロセッサ380によって実行されると、本セクション及び本出願全体を通して説明されるように、EM座標フレーム308からロボット座標フレーム216への位置合わせ及びマッピングの決定及び使用、EM場発生器302の設定、並びに医療器具214の追跡などの、システム300の種々の機能性を有効にすることができる。例えば、プロセッサ380は、第1のロボットアーム212及びEM場発生器302と通信することができ、EM場発生器302によって生成されたEM場内のEMセンサ204のうちの1つ又は2つ以上の位置を決定することと、EMセンサ204の決定された位置に基づいて第1のロボットアーム212の移動を命令することによってEM場発生器302の位置を調整することとを行うように構成され得る。EMセンサ204の決定された位置に基づく第1のロボットアーム212の命令された移動は、EM場発生器302の位置を設定するために、又は処置中に移動するときのEMセンサ204の位置を追跡するために使用することができる。
【0152】
一部の実施形態では、プロセッサ302は、最初に、EM座標フレーム308に対するEMセンサ204の位置を決定し、次いで、その位置をロボット座標フレーム216にマッピングするように構成される。上述したように、これは、例えば、(i)EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレーム308に対するEM場内のEMセンサ204の位置を決定すること、(ii)EM座標フレーム308と第1のロボットアーム212に関連付けられたロボット座標フレーム216との間の位置合わせを、ロボット座標フレーム216内のEM場発生器の位置を決定することに基づいて決定すること、及び(iii)ロボット座標フレーム216内のEMセンサ204の位置を、位置合わせに基づいて決定すること、によって達成することができる。ステップ(ii)におけるロボット座標フレーム216内のEM場発生器302の位置の決定は、第1のロボットアーム212の運動学に基づき得る。
【0153】
図30A~
図33Dは、電磁場発生器設定及び器具追跡を容易にするために、EMセンサ204の決定された位置に基づいて、第1のロボットアーム204を用いてEM場発生器302を移動させることに対する種々の例又はアプローチを示している。
【0154】
図30A及び
図30Bは、EMセンサがEM場内の所定の位置に位置決めされるように、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させる例を示す斜視図である。これは、例えば、電磁場発生器の設定中に行うことができ、EMセンサ204に対してEM場発生器302を位置決めするために有利に使用することができる。一部の実施形態では、EMセンサ204がEM場の作業体積306とともに所定の位置に配置されるように、EM場発生器302を設定する又は整合することが有利であり得る。これは、複数の理由から有用であり得る。例えば、一部の場合では、これは、EM場の作業体積306をEMセンサ204の周囲の中心に置くことができる。これは、EMセンサ204が移動した場合に、作業体積306の外側に移動することなく移動することができるため、EMセンサ204が依然として追跡され得ることを確実にすることに役立ち得る。別の例として、これは、EMセンサ204の決定された位置の精度を高めることができるが、これは、一部の例では、EM場内のEMセンサ204の位置を決定する能力は、作業体積306の端部上よりも作業体積306の中心に向かってより正確となり得るためである。したがって、一部の実施形態では、所定の位置は、作業体積306の中心を備え、EM場発生器302は、
図30A及び
図30Bに示すように、EMセンサ204が作業体積306の中心に位置決めされるように移動する。
【0155】
図30A及び
図30Bでは、所定の位置384は、作業体積306の中心であり、図ではxとして表される。
図30Aは、EMセンサ204が所定の位置384に位置決めされるようにEM場発生器302を移動させる前の第1の状態にあるシステムを示している。
図30Aに示すように、EMセンサ204は、EM場発生器302の作業体積306内に位置決めされているが、所定の位置384には位置していない。EMセンサ204を所定の位置384に位置決めするために、EM場発生器302を図示の矢印の方向に移動させる必要があり、これは、作業体積306及び所定の位置384の対応する移動を引き起こす。
図30Bは、EM場発生器302の位置を、決定されたEMセンサ204の位置に基づいて調整することにより、EMセンサ204がEM場内の所定の位置384に位置決めされた後の、第2の状態にあるシステムを示している。この例では、EM場発生器302は、その位置がEMセンサ204に対して調整されているので、ここでは「設定」と見なすことができる。注目すべきことに、EM場発生器302の移動は、EM場発生器302が取り付けられたロボットアーム212によって達成することができる。更に、全ての位置(例えば、EMセンサ位置、所定の位置384、及びEM場発生器302の位置)を単一の空間(例えば、ロボット座標フレーム)内で処理することができるように、EMセンサ204の位置及び所定の位置384などのEM座標フレーム内の点を、ロボットアームの運動学に基づく位置合わせを使用してロボット座標フレームにマッピングすることができる。
【0156】
図30A及び
図30Bでは、EM場の作業体積306内の384内の所定の位置は、作業体積306の中心を含む。しかしながら、これは、全ての実施形態に当てはまる必要はなく、作業体積306内の他の所定の位置384を使用することができる。例えば、別の可能な所定の位置384は、EM場発生器302がEMセンサ204を追跡し続けるために再位置決めされる必要がある前に、EMセンサ204が作業体積306を完全に横断して移動され得るように、作業体積306の1つの極端部に位置する位置を含んでもよい。
【0157】
一部の実施形態では、EM場発生器302は、EMセンサ204が、特定の所定の位置ではなく、EM場の作業体積306の所定の領域又は部分内に位置決めされるように、位置決めすることができる。
図31A及び
図31Bは、EMセンサ204が作業体積306内の所定の領域386内に位置決めされるように、ロボットアーム212を用いてEM場発生器302を移動させる例を示す斜視図である。
図31A及び
図31Bでは、作業体積386の小区分を表す、所定の領域386が示される。図では、作業体積306及び所定の領域386の両方が、直角プリズムとして表されている。しかしながら、これは一例にすぎず、作業体積及び所定の領域386の他の形状が可能である。更に、所定の領域386の形状は、作業体積306の形状に対応する必要はない。例えば、作業体積306は、直角プリズムの形状を含んでもよく、所定の領域386は、作業体積306内の球の形状を含んでもよい。一部の実施形態では、所定の領域386は、EMセンサ204の位置をより高い精度で決定することができる作業体積306の一部分を表すことができ、したがって、EMセンサ204が所定の領域386内にあるように、EM場発生器302をEMセンサ204に対して位置決めすることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、所定の領域386は、作業体積306の全体を含んでもよい。
【0158】
図31Aは、EMセンサ204が所定の領域386内に位置決めされるようにEM場発生器302の位置を調整する前の、第1の状態にあるシステムを示している。示されるように、EMセンサ204は、EM場の作業体積306内に位置決めされているが、所定の領域386内には位置決めされていない。EMセンサ204が所定の領域386内に位置決めされるように作業体積306を位置決めするために、EM場発生器302は、それが取り付けられるロボットアーム212を使用して、図示の矢印の方向に移動され得る。この動きにより、作業体積306及び所定の領域386の対応する移動が引き起こされる。
図31Bは、EMセンサ204が所定の領域386内に位置決めされるようにEM場発生器302の位置を調整した後の、第2の状態にあるシステムを示している。示されるように、EM場発生器302は、EMセンサ204がここで所定の領域386内に位置決めされるように、ロボットアーム212を使用して移動されている。上述したように、上述した位置合わせは、全ての位置が単一の空間内で表され得るように、アームの運動学に基づいて、EM座標フレーム内の点をロボット座標フレーム内の対応する点にマッピングすることができる。
【0159】
図31A~
図31B及び
図32A~
図32Bの例は、EMセンサ204に対してEM場発生器302の位置を調整することを含む。一部の実施形態では、システムは、加えて、又は代替として、EM場内のEMセンサ204の向きを決定し、EMセンサ204の決定された向きに基づいて、第1のロボットアーム212の移動を命令することによって、EM場発生器302の向き及び位置のうちの少なくとも1つを調整してもよい。特定の例では、EMセンサ204の位置が作業体積306内で決定され得る精度は、EM場発生器302に対するEMセンサ204の向きによって影響され得るか、又は影響を受け得る。したがって、一部の実施形態では、プロセッサ380は、EM場内のEMセンサ204の決定された位置の精度を高めるために、EMセンサの決定された配向に基づいてEM場発生器の向き及び位置のうちの少なくとも1つを調整するように構成される。これは、例えば、EM場発生器302が取り付けられるロボットアーム212を使用して、EMセンサ204に対してEM場発生器302のピッチ、ヨー、及び/又はロールを調整することを含み得る。
【0160】
上述したように、
図31A~
図31B及び
図32A~
図32Bの例は、概して、処置のためにEM場発生器302を設定するために、EMセンサ204の決定された位置に対するEM場発生器302の位置を決定することに関した。この設定は、EM場発生器302をロボットアーム212上に、その位置がロボットによって調整され得るように搭載することによって容易になる。EM場発生器302の位置のロボット調整はまた、器具追跡を容易にし、これは、EMセンサ204のうちの1つ又は2つ以上が処置中に移動するときに起こり得る。上述したように、EMセンサ204のうちの1つ又は2つ以上は、処置中に移動される医療ツール又は器具上に位置決めされてもよい。EMセンサ204は、これらのツールの移動の追跡を可能にし得る。以下の例で説明するように、EMセンサ204の移動が検出されると、EM場発生器302の新しい位置を決定することができ、EM場発生器302は、それが取り付けられたロボットアーム212を使用して移動させることができる。
【0161】
図32A及び
図32Bは、EMセンサ204の移動の経路388を追跡する経路390に沿って、ロボットアーム212を用いてEM場発生器302を移動させる例を示す斜視図である。このようにして、電磁場発生器302の経路390は、EMセンサ204の経路388を追跡、追従、又はミラーリングする。
図32A及び
図32Bの例では、システムは、EMセンサ204が経路388に沿って移動した場合にEMセンサ204が所定の場所384(図示の例では、作業体積306の中心)に位置決めされたままとなるようにEM場発生器302の位置を維持するように構成される。
【0162】
医療処置中、その上に位置決めされたEMセンサ204を含む医療器具(
図23及び
図29の医療器具214など)は、患者の解剖学的構造を通してナビゲートされ得る。EMセンサ204(及び対応する器具214)のこの運動は、経路388によって表される。
図32Aは、経路388に沿った第1の場所に位置決めされたEMセンサ204を有するシステムを示している。EM場発生器302が静止したままである間に、EMセンサ204が経路388に沿って進み続ける場合、EMセンサ204は、もはや作業体積306内の所定の位置384に位置決めされないことになる。EMセンサ204を作業体積306内の所定の位置384に維持するために、EM場発生器302は、対応する経路390に沿って移動する必要がある。このようにして、EM場発生器302は、EMセンサ204の移動を追跡又は追従する。
図32Bは、EMセンサ204がその経路388に沿って移動した後のシステムを示している。EM場発生器302も対応する経路390に沿って移動しているので、EMセンサ204は、作業体積306内の所定の位置384に位置決めされたままである。これは、EM場発生器302を、それが取り付けられているロボットアーム212とともに移動させることによって可能になる。
【0163】
一部の実施形態では、EM場発生器302によるEMセンサ204の追跡は、直接的な対応関係を有する必要はない。例えば、EM場発生器302の経路390は、EMセンサ204の経路388に直接対応する必要はない。
図33A~
図33Dは一例を示している。
【0164】
図33A~
図33Dは、経路388に沿って移動しているEMセンサ204が作業体積306の所定の領域386内に位置決めされたままとなるようにロボットアーム212を用いてEM場発生器302を移動させる例を示す斜視図である。示されるように、この例では、EM場発生器302は、EMセンサ204の移動を追跡するが、EMセンサ204の経路388に直接対応する経路に沿っては移動しない。本例では、システムは、EMセンサ204が作業体積306の所定の領域386の境界又は外側に移動されると、EM場発生器302の位置を調整するように構成される。例えば、プロセッサ380は、EMセンサ204を含む医療器具214の移動中にEMセンサ204がEM場の作業体積306の所定の領域386内に位置決めされたままとなるように、第1のロボットアーム212を用いてEM場発生器302の移動を命令するように構成され得る。
【0165】
図33Aは、第1の状態のシステムを示している。示されるように、EMセンサ204は、作業体積306の所定の領域386内に位置決めされ、経路388に沿って進行する。
図33Bは、第2の状態にあるシステムを示している。示されるように、EMセンサ204は、経路204に沿って進み続けているが、依然として、所定の領域386内に位置決めされている。EMセンサ204はまだ所定の領域386内に位置決めされているので、EM場発生器302はまだ移動していない。
図33Cは、EMセンサ204が所定の領域386の縁部又は境界に達した第3の状態を示している。EM場発生器302が静止したままである間にEMセンサ204が経路388に沿って進み続ける場合、EMセンサ204は所定の領域386の外側に移動することになる。EMセンサ204を所定の領域386内に維持するために、EM場発生器302は、図示される矢印の方向に移動する必要がある。この移動は、例えば、EM場発生器302を移動させるようにロボットアーム212に命令することができるプロセッサ380によって決定することができる。
図33Dは、EM場発生器302が移動された後の第4の状態にあるシステムを示している。示されるように、移動により、EMセンサ204が経路388に沿って進み続けているときであっても、EMセンサ204が所定の領域386内に再位置決めされるように、EM場発生器302を再位置決めすることができる。このようにして、EM場発生器302は、
図32A及び
図32Bの例のようにEM場発生器302の移動がEMセンサ204の移動に直接対応しない場合であっても、EMセンサ204の移動を追跡又は追従するように再び移動する。
【0166】
図34は、ロボットアームに結合されたEM場発生器を、EM場内のEMセンサの決定された位置に基づいて移動させるための例示的な方法400を提供するフローチャートである。方法400は、例えば、プロセッサ380によって実行され、電磁場発生器の設定及び器具追跡を提供することができる。方法400は、第1のロボットアームに結合されたEM場発生器によって生成されたEM場の作業体積内の医療器具のEMセンサの位置を決定することを含むブロック401で開始する。EMセンサの位置は、EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対して決定することができる。一部の実施形態では、EMセンサの位置は更に、上記で説明されるようなロボットアームの運動学に基づいて決定される位置合わせを適用することによって、第1のロボットアームと関連付けられたロボット座標フレームに対して決定され得る。
【0167】
方法400は、医療器具が移動されるブロック403を含む。医療器具の移動は、その上に位置決めされたEMセンサの対応する移動を引き起こす。一部の実施形態では、医療器具は、手動で制御される器具を備え、医療器具の移動は、手動で達成される。他の実施形態では、医療器具は、ロボット制御可能な器具を含む。例えば、医療器具は、第2のロボットアームに結合することができ、医療器具を移動させることは、第2のロボットアームを用いて器具を移動させることを含み得る。一部の実施形態では、第2のロボットアームを用いて器具を移動させることは、第2のロボットアームを関節運動させることを含む。医療器具は、器具駆動機構に結合され得、第2のロボットアームを用いて医療器具を移動させることは、器具駆動機構を用いて医療器具を作動させることを含み得る。器具の移動は、器具に取り付けられたEMセンサの位置が移動したことを判定することによって検出され得る。
【0168】
方法400は、ブロック405を含み、当該ブロック405は、医療器具の移動に応答して、EMセンサがEM場発生器の作業体積内に位置決めされたままとなるようにEM場発生器を移動させるように第1のロボットアームに命令することを含む。例えば、医療器具の移動により、EMセンサが作業体積の外側に移動した場合、EM場発生器は、第1のロボットアームを使用して再位置決めされ、EMセンサをEM場の作業体積内に維持することができる。
【0169】
一部の実施形態では、EM場発生器を移動させるように第1のロボットアームに命令することにより、EM場発生器が医療器具の移動を追跡する。例えば、EM場発生器を移動させるように第1のロボットアームに命令することは、
図31A~
図31B及び
図33A~
図33Dの例に示すように、EMセンサがEM場の作業体積の所定の領域内に位置決めされるか又は位置決めされたままとなるようにEM場発生器を移動させることを含み得る。別の例として、EM場発生器を移動させるように第1のロボットアームに命令することは、
図30A~
図30B及び
図32A~
図32Bの例に示すように、EMセンサがEM場の作業体積内の所定の位置に位置決めされるか又は位置決めされたままとなるようにEM場発生器を移動させることを含み得る。
【0170】
一部の実施形態では、方法400は、EM場内のEMセンサの向きを決定することと、EMセンサの決定された向きに基づいて、第1のロボットアームの移動を命令することによって、EM場発生器の向き及び位置のうちの少なくとも1つを調整することとを任意選択で含み得る。上述したように、EM場の向き及び位置のうちの少なくとも1つを調整することにより、EM場の作業体積内のEMセンサの決定された位置の精度を高めることができる。
【0171】
加えて、方法400は、EMセンサを継続的に追跡し、それに応じてEM場発生器の位置を調整するために、破線407によって示されるようなループとして実行され得る。すなわち、複数の離散時間ステップにおいて、EMセンサの位置を決定することができ、新たに決定された各位置に基づいてEM場発生器を再調整することができる。
【0172】
上で提供された例は、
図23及び
図29に示されるシステム300などのロボットシステムが、ロボットアーム312を使用してEM場発生器302を移動させて、1つのEMセンサ204に対してEM場発生器302を設定し、かつ/又は1つのEMセンサ204の移動を追跡するように構成され得ることを示している。しかしながら、システム300は、1つのEMセンサ204を有する実施形態に限定されない。例えば、プロセッサ380は、EM場内の複数のEMセンサ204の位置を決定し、複数のEMセンサ204の決定された位置に基づいてEM場発生器302の発生器位置を決定し、EM場発生器302を発生器位置に移動させるように第1のロボットアーム212に命令するように構成され得る。すなわち、システム300は、複数のEMセンサ204に基づいて、EM場発生器を設定し、追跡を行うように構成され得る。複数のEMセンサ204に基づいて使用する例が、
図35A~
図37に関して提供される。
【0173】
図35A及び
図35Bは、EM場内の複数のEMセンサ204の決定された位置に基づいて、ロボットアーム212を使用してEM場発生器302を電磁場発生器位置に移動させる例を示す斜視図である。先の例と同様の一部の方法において、これは、電磁場発生器の設定中に行うことができ、EM場発生器302を複数のEMセンサ204に対して位置決めするために有利に使用することができる。
【0174】
図35Aは、第1の状態のシステムを示している。示されるように、第1の状態では、複数のEMセンサ204は、EM場発生器302の作業体積306内に位置決めされる。しかしながら、図示のように、複数のEMセンサ204は、作業体積306内の中心に置かれていない。複数のEMセンサ204を作業体積306内の中心に置くために、電磁場発生器位置392を決定することができる。電磁場発生器位置392は、複数のEMセンサ204を作業体積内の中心に置くためにEM場発生器302を移動させ得る位置を表すことができる。図示の実施形態では、発生器位置392はxとして表される。EM場発生器302は、発生器位置392に到達するために、図示の矢印の方向に移動する必要があり、これは作業体積306の対応する移動を引き起こす。
【0175】
発生器位置392は、複数のEMセンサ302の決定された位置に基づいて決定することができる。一例では、プロセッサ380は、複数のEMセンサ204の決定された位置の重心を決定することに基づいて、発生器位置392を決定するように構成される。次いで、複数のEMセンサ204の位置の重心が作業体積306内の所定の位置(中心又は他の所望の位置など)に位置決めされるように、EM場発生器302が移動される位置を見出すことによって、発生器位置392が決定され得る。上述したように、複数のEMセンサの決定された位置は、EM場発生器302が取り付けられるロボットアーム212の運動学に基づいて、前述の位置合わせを使用して、ロボット座標フレームにマッピングされ得る。
【0176】
図35Bは、EM場発生器302の位置を発生器位置392に調整した後の第2の状態にあるシステムを示している。示されるように、複数のEMセンサ204は、ここでは、作業体積206の中心により近接して位置決めされている。したがって、システムは、複数のEMセンサ204に対するEM場発生器302の設定及び位置決めを容易にすることができる。この例は、複数のEMセンサ204を作業体積306内の「中心に置く」ことについて説明しているが、発生器位置392は、作業体積306内の他の場所に複数のEMセンサを位置決めするように決定され得る。
【0177】
図36A、
図36B、及び
図36Cは、作業体積306内の複数のEMセンサ204の決定された位置に基づいて、ロボットアーム212を使用して、EM場発生器302の電磁場発生器位置392を再調整する例を示す斜視図であり、複数のEMセンサ204のうちの少なくとも1つは移動している。例えば、プロセッサ380は、EMセンサ204のうちの少なくとも1つの移動を検出し、検出された移動に基づいてEM場発生器302の新しい発生器位置392を決定し、EM場発生器302を新しい発生器位置392に移動させるように第1のロボットアーム212に命令するように構成され得る。
【0178】
図36Aに示すように、EMセンサ204のうちの1つが経路388に沿って移動している。電磁場発生器302の位置を、この移動に基づいて調整することが望ましい場合がある。例えば、調整されない場合、EMセンサ204は、経路に沿って、作業体積306の外側にある場所に移動し得、その時点で、EMセンサ204の追跡が失われる。
【0179】
したがって、
図36Bに示すように、新しい電磁場発生器位置392は、複数のEMセンサ204の位置に基づいて、かつ経路388に沿った1つのEMセンサ204の移動を考慮して決定され得る。新しい電磁場発生器位置392は、例えば、複数のEMセンサ204の位置の現在の重心に基づき得る。示されるように、EM場発生器302は、新しい発生器位置392に到達するために、図示される矢印の方向に移動する必要がある。
図36Cは、新たな電磁場発生器位置392への移動後のシステムを示している。示されるように、複数のEMセンサ204の位置は、ここで、作業体積306内で再び中心に置かれる。これは、有利には、複数のEMセンサ204の位置が、それらが互いから離れて移動するときであっても、可能な限り長く作業体積306内に位置決めされたままとなるように、EM場発生器302の位置が、作業体積306の位置を最適化するように継続的に調整されることを可能にし得る。
【0180】
図37は、EM場内の複数のEMセンサの決定された位置に基づいて、ロボットアームに搭載されEM場発生器の電磁場発生器位置を決定するための例示的な方法410を示すフローチャートである。方法410は、第1のロボットアームに結合されたEM場発生器を用いてEM場を発生させることを含むブロック411で始まる。
【0181】
方法410のブロック413において、実施形態は、EM場内の複数のEMセンサの位置を決定することができる。これは、EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対するEM場内の複数のEMセンサの位置を決定することと、EM座標フレームと第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせを、ロボット座標フレーム内のEM場発生器の位置を決定することに基づいて決定することと、位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム内の複数のEMセンサの位置を決定することとによって達成され得る。ロボット座標フレーム内のEM場発生器の位置の決定は、第1のロボットアームの運動学に基づき得る。
【0182】
ブロック415において、方法410は、EM場発生器の発生器位置を、複数のEMセンサの決定された位置に基づいて決定することを含む。発生器位置を決定することは、複数のEMセンサ204の位置の重心を決定することに基づき得る。EM場発生器位置は、EM場の作業体積内に複数のEMセンサを望ましく位置決めすることになる、EM場発生器が移動され得る位置であり得る。
【0183】
ブロック417は、EM場発生器を発生器位置に移動させるように第1のロボットアームに命令することを含む。例えば、システムは、第1のロボットアームを使用して、EM場発生器を発生器位置に移動させることができる。EM場発生器が移動されると、作業体積の位置は、それに対応して、EMセンサの位置に対して再位置決めされる。
【0184】
破線419によって示されるように、方法410は、
図36A~
図36Cを参照して上述したように、EM場発生器の位置を連続的に調整するためのループとして実行され得る。例えば、方法410はまた、複数のEMセンサのうちの少なくとも1つの移動を検出することと、検出された移動に基づいてEM場発生器の新しい発生器位置を決定することと、EM場発生器を新しい発生器位置に移動させるように第1のロボットアームに命令することとを含み得る。
【0185】
ii.拡張された作業体積を伴う電磁場発生器設定及び器具追跡
前のセクションでは、電磁場発生器の設定及び器具の追跡を容易にするためにシステムのロボットアームとともに移動させ得るロボット制御可能な電磁場発生器を含むロボット医療システムについて説明した。例のうちの一部では、EM場発生器は、EMセンサを追跡するために、例えば、EM場発生器によって発生されるEM場の作業体積内に移動EMセンサを保つために、ロボットアームとともに移動され得ることが示された。EM場発生器、及びそれに対応してそのEM場の作業体積を移動させることによって、本明細書に説明されるシステムは、「拡張された」作業体積を有すると見なすことができる。すなわち、EM場発生器及び作業体積を再位置決めすることによって、EMセンサの位置は、静止電磁場発生器の作業体積より大きい面積にわたって検出及び決定され得る。
【0186】
本セクションは、ロボットアームを用いてEM場発生器を移動させることによってEM場発生器の作業体積を「拡張する」という概念について詳述するための追加の例を提供する。特に、例は、とりわけ、EM場発生器の作業体積内に同時に収まるには離れすぎているEMセンサを、EM場発生器を移動させ、EMセンサの位置を検出し、EMセンサの検出された位置をロボット座標フレームにマッピングすることによって、どのように追跡することができるかを示している。これは、EMセンサが静止作業体積の外側に移動するとEMセンサの「追跡を失う」場合がある静止電磁場発生器を利用した従来のシステムに優る有意な利点を提供する。本セクションにおける例は、
図23及び
図29の例示的なシステム300を参照しているが、ロボット制御可能な電磁場発生器を含む他のシステムを用いて実施されてもよい。
【0187】
ここで、システム300がどのようにEM場発生器302の作業体積306を拡張するかを示すために、異なる段階におけるシステム300を示す
図38A~38Cを参照して、第1の例が説明される。第1の段階におけるシステムの一部の構成要素を示す
図38Aに示すように、システムは、前述したように、その中でEMセンサ204の位置がEM座標フレーム308に対して決定され得る作業体積306を有するEM場を発生させるように構成されたEM場発生器302を含む。EM場発生器302は、EM場発生器302の位置を調整するために移動するように構成されたロボットアーム212に結合される。ロボットアーム212がEM場発生器302を移動させると、EM場発生器302の作業体積306の位置も移動する。
【0188】
図38Aはまた、2つのEMセンサ204A及び204Bを示している。示されるように、第1の段階では、2つのEMセンサ204A、204Bのいずれも、電磁場発生器302の作業体積306内に位置決めされておらず、したがって、EMセンサ204A、204Bの位置は、第1の段階では決定可能ではない。更に、2つのEMセンサ204A、204Bは、両方が同時に作業体積306内に位置決めされ得ないほど十分に離れて位置決めされている。したがって、
図38B及び
図38Cに示すように、EMセンサ204A、204Bの位置を追跡するために、EM場発生器302は、ロボットアーム212を使用して、EMセンサ204A、204Bの各々が決定され、EM場発生器の作業体積306を「拡張」するためにロボット座標フレーム216にマッピングされ得る異なる位置に移動され得る。
【0189】
例えば、EM場発生器302及びEM場発生器302が取り付けられたロボットアーム212と通信するシステム300のプロセッサ380は、EMセンサ204が作業体積306内に位置決めされる第1の位置にEM場発生器302を移動させるように構成することができる。EM場発生器302が第1の位置にある状態で、プロセッサ380は、EM座標フレーム308に対する作業体積306内の第1のEMセンサ204Aの位置を決定し、EM場発生器302が第1の位置にある状態でのロボットアームの運動学に基づいて、第1のEMセンサ204Aの位置をロボット座標フレーム216にマッピングすることができる。プロセッサ380は、次いで、ロボットアーム212に、第2のEMセンサ204Bが作業体積内に位置決めされる第2の位置にEM場発生器302を移動させることができる。また、EM場発生器302が第2の位置にある状態で、プロセッサ380は、EM座標フレーム308に対する作業体積306内の第2のEMセンサ204Bの位置を決定し、EM場発生器302が第2の位置にある状態でのロボットアーム212の運動学に基づいて、第2のEMセンサ204Bの位置をロボット座標フレーム216にマッピングすることができる。このようにして、両方のEMセンサ204A、204Bの位置をロボット座標フレーム216内に提示することができる。
【0190】
図38Bは、例示的な第2の段階におけるシステムを示し、EM場発生器302は、ロボットアーム212とともに、第1のEMセンサ204Aが作業体積306内に位置決めされる第1の位置に移動されている。EM場発生器302がこの位置にある状態で、EMセンサ204Aの位置は、EM座標フレーム308に対して決定され得、次いで、その位置は、前述したロボットアーム212の運動学に基づく位置合わせを使用して、ロボット座標フレーム216にマッピングされ得る。
図38Bでは、EMセンサ204Aは、その位置が、最初にEM座標フレーム308内で決定されたが、ロボット座標フレーム216にマッピングされたことを示すために、黒色で陰影を付けられている。
【0191】
図38Cは、例示的な第3の段階におけるシステムを示し、EM場発生器302は、ロボットアーム212とともに、第2のEMセンサ204Bが作業体積306内に位置決めされる第2の位置に移動されている。EM場発生器302がこの位置にある状態で、EMセンサ204Bの位置は、EM座標フレーム308に対して決定され得、次いで、その位置は、前述したロボットアーム212の運動学に基づく位置合わせを使用して、ロボット座標フレーム216にマッピングされ得る。先と同様に、EMセンサ204Bは、その位置がロボット座標フレーム216にマッピングされたことを示すために、黒色の陰影が付けられている。EMセンサ204Aもまた、ロボット座標フレーム216内のその位置を示すために、依然として黒色の陰影が付けられている。
【0192】
図38Cを考慮すると、EMセンサ204A、204Bは、両方が同時にEM場発生器302の作業体積306内に収まることができないほど十分に離れて離隔しているが、両方のEMセンサ204A、204Bの位置は、ロボット座標フレーム216内に同時に又は実質的に同時発生的に表され得ることが分かる。一部の実施形態では、プロセッサ380は、EM場発生器302を第1の位置と第2の位置との間で前後に移動させて、第1のEMセンサ204A及び第2のEMセンサ204Bの位置を頻繁に(例えば、約40Hzで、又はより小さい時間ステップと、より大きい時間ステップの両方で)更新し、追跡するように更に構成される。
【0193】
更に、
図38A~38Cを参照して説明される例は、第1の位置(
図38B)及び第2の位置(
図38C)にあるEM場発生器302を単純化して説明するように提示されている。実際には、システムは、連続的又はほぼ連続的に、EM場内に位置決めされた任意のEMセンサ204を検出し、それらの位置をロボット座標フレーム216にマッピングするように構成され得る。例えば、プロセッサ380は、ロボットアーム212を使用してEM場発生器302を移動させるように構成されることができ、EMセンサが作業体積306内で検出されると、プロセッサ380は、(i)EM座標フレーム308に対する作業体積306内のEMセンサ204の位置を決定することと、(ii)第1のロボットアーム212の運動学的姿勢に基づいて、EMセンサ204の位置をロボット座標フレーム216にマッピングすることと、を行うように構成され得る。
【0194】
一部の例では、EMセンサ204の初期位置は既知でなくてもよい。EMセンサ204の位置を特定するために、システムは、ロボットアーム212を使用して、探索経路又は軌道に沿って(例えば、所定の経路/パターン又は運動範囲に沿って)EM場発生器302を移動させるように構成されることができる。探索経路は、作業体積306より大きい治療体積を通して作業体積306を掃引し、治療体積内のEMセンサの位置を特定するように構成され得る。治療体積を通して掃引することによって、治療体積内の任意のEMセンサ204の初期位置が決定され得る。
【0195】
図39A~
図39Dは、EMセンサ204の位置を検出するために探索経路510に沿ってロボットアーム212とともに移動させることができるロボット制御可能な電磁場発生器302を含むロボット医療システムの一実施形態を示している。
図39Aの例では、2つのEMセンサ204A、204Bの初期位置は既知ではない。EMセンサ204A、204Bの位置を特定するために、
図39Aは、EM場発生器302がロボットアーム212を使用してそれに沿って移動する例示的な探索経路510を示している。図示の実施形態では、探索経路510は、EMセンサ204が予測される治療体積又は治療部位を横断して作業体積306を掃引するように構成された略正弦波経路を備える。
図39Aに示される探索経路510は、例として提供されており、異なる形状を含む任意の数の経路が可能である。
【0196】
図39Bは、EM場発生器302が探索経路510に沿って移動した場合の第2の段階におけるシステムを示している。
図39Bに図示される第2の段階では、第1のEMセンサ204Aは、ここで、EM場発生器302の作業体積306内に位置決めされ、検出可能である。EMセンサ204Aの位置は、EM座標フレーム308に対して決定することができ、次いで、その位置は、前述のロボットアーム212の運動学に基づく位置合わせを使用して、ロボット座標フレーム216にマッピングすることができる。
図39Bでは、EMセンサ204Aは、その位置が、最初にEM座標フレーム308内で決定されたが、ロボット座標フレーム216にマッピングされたことを示すために、黒色で陰影を付けられている。EM場発生器302は、探索経路510に沿って進むことができる。
【0197】
図39Cは、EM場発生器302が探索経路510に沿って更に移動した場合の第3の段階におけるシステムを示している。
図39Cに図示される第3の段階では、第2のEMセンサ204Bは、ここで、EM場発生器302の作業体積306内に位置決めされ、検出可能である。EMセンサ204Bの位置は、EM座標フレーム308に対して決定することができ、次いで、その位置は、前述のロボットアーム212の運動学に基づく位置合わせを使用して、ロボット座標フレーム216にマッピングすることができる。
図39Bでは、EMセンサ204Bは、ロボット座標フレーム216にマッピングされたことを示すために、黒色で陰影が付けられている。EM場発生器302は、探索経路510に沿って進むことができる。EMセンサ204Aの位置もまた、その位置がロボット座標フレームにマッピングされたことを表すために、黒色で陰影を付けて示されている。
【0198】
図39Dは、EM場発生器302が探索経路510を完了した第4の段階におけるシステムを示している。図示のように、全てのEMセンサ204(図示の例では、EMセンサ204A、204B)の位置が特定され、ロボット座標フレーム216にマッピングされている。一部の実施形態では、システムは、EMセンサ204の位置を特定するために、処置の開始時に探索経路510を追従するように構成される。探索経路510は、任意の新しいEMセンサ204が導入されたかどうかを判定するために周期的に繰り返すことができる。
【0199】
一部の実施形態では、EMセンサ204の初期位置は、別の方法で決定することができる。例えば、EMセンサ204がロボット制御可能な器具上に含まれる場合、システムは、ロボットの運動学に基づいて、EMセンサ204の初期位置を推定又は決定することができる。システムのロボット構成要素に結合されていないEMセンサ204の場合、一部の実施形態では、ユーザは、(例えば、ユーザ入力デバイス、コントローラ、グラフィカルユーザインターフェースなどを介して)EMセンサ204の初期位置をシステムに指示又は入力することができる。例えば、呼吸を追跡するために患者の胸部上に配置されたEMパッチセンサの場合、EMパッチセンサを配置するユーザは、パッチセンサがどこに配置されたかをシステムに示すことができる。
【0200】
上述したように、一部の例では、ロボット座標フレーム216にマッピングされたEMセンサ204の位置は、センサのライブ位置を表さなくてもよい。したがって、EMセンサの初期位置が決定された後、システムは、EMセンサ204の位置の追跡を継続するためにEM場発生器302を移動させ得る新しい追跡経路を決定することができる。追跡経路は、例えば、探索経路よりも短くてもよく、これは、EMセンサ204の位置のより高速又はより頻繁な再マッピングを可能にし得る。一例が、
図40A~
図40Dを参照して説明される。
【0201】
図40A~
図40Dは、
図39A~
図39Dの例を継続し、EM場発生器302のための例示的な追跡経路512を更に示している。追跡経路512は、ロボット座標フレーム216内のEMセンサ204の決定された位置に基づいて決定することができる。例えば、追跡経路512は、EM場発生器302が、ロボット座標フレーム216内のEMセンサ204の決定された位置の間で前後に移動され、その結果、位置が頻繁に再マッピングされ、頻繁に更新され得るように決定され得る。例えば、EM場発生器302が、ロボットアーム212を使用して追跡経路に沿って移動されると、プロセッサ380は、(i)EM座標フレーム216に対する作業体積306内のEMセンサ204の位置を再決定することと、(ii)ロボットアーム212の運動学的姿勢に基づいて、EMセンサ204の位置をロボット座標フレーム308に再マッピングすることと、(iii)更新された追跡経路510を決定することと、を行うように構成され得る。
【0202】
図40Aに示すように、追跡経路512は、(
図39A~
図39Dの)探索経路510よりも短くすることができる。これは、EM場発生器の不必要な移動(空間内の他の物体との衝突を引き起こす可能性がある)を制限することができ、EMセンサが作業体積306内に位置決めされない時間を制限するので、有利であり得る。図示の実施形態では、追跡経路512は、EMセンサ204A、204Bの各々が作業体積306内で検出され、ロボット座標フレーム216に再マッピングされ得る位置の間でEM場発生器302を前後に移動させる線を含む。追跡経路512の他の形状も可能である。
【0203】
図40Aは、第1のEMセンサ204Aが作業体積306内に位置決めされる追跡経路512の第1の端部に位置決めされたEM場発生器302を示している。この位置において、第1のEMセンサ204Aの位置は、EM座標フレーム308に対して検出され、ロボット座標フレーム216に再マッピングされ得る。
図40Bは、第2のEMセンサ204Bが作業体積306内に位置決めされる追跡経路512の第2の端部に位置決めされたEM場発生器302を示している。この位置において、第2のEMセンサ204Bの位置は、EM座標フレーム308に対して検出され、ロボット座標フレーム216に再マッピングされ得る。
図40A及び
図40Bでは、EMセンサ204A、204Bは、(例えば、
図39A~
図39Dの先の例で説明したように、EM場発生器302が探索経路510に沿って移動したときに検出されたときに)それらの位置がロボット座標フレーム216にマッピングされたことを表すために、黒色の陰影が付けられている。
【0204】
図40Cは、ロボット座標フレームにマッピングされたEMセンサ204Aの位置がどうしてライブではない可能性があるのかを示している。例えば、
図40Cに示すように、第1のEMセンサ204Aが作業体積306内に位置決めされないようにEM場発生器302が追跡経路512の第2の端部に位置決めされる間に、第1のEMセンサ204Aは、EMセンサ204A’として示される新しい位置に移動され得る。注目すべきことに、EMセンサ204Aの先にマッピングされた位置が依然として示されている(黒色で陰影が付けられている)。この位置では、システムは、EMセンサ204AがEMセンサ204A’の新しい位置に移動したことをまだ判定していない。一部の実施形態では、各センサ204は、システムがセンサを特定し、区別することができるように、システムの専用ポートに接続される。センサを区別するための他の機構及び方法も同様に可能である。
【0205】
しかしながら、
図40Dは、EM場発生器302が追跡経路512に沿って戻ると、EMセンサ204A’の新しい位置を検出することができることを示している。この位置では、第1のEMセンサ204A’の新しい位置が、EM座標フレーム308に対して検出され、ロボット座標フレーム216に再マッピングされ得る。EMセンサ204A’の新しい位置がロボット座標フレーム216に再マッピングされたことを示すために、
図40DではEMセンサ204A’に黒色の陰影が付けられている。
【0206】
図40Dはまた、新しい追跡経路512’が、EMセンサ204A’の新しい位置に基づいて決定され得ることを示している。したがって、EMセンサ204が移動するにつれて、EMセンサ204の新しい位置をロボット座標フレーム216に再マッピングすることができ、更新された追跡経路512’を決定することができる。このプロセスは、処置全体を通して繰り返すことができ、ロボットアーム212を用いてEM場発生器302を移動させ、ロボットアーム212の運動学的姿勢に基づいて、検出されたEMセンサ204の位置をロボット座標フレームにマッピングすることによって可能になる、拡張された作業体積内の種々のEMセンサ204の追跡を有益に可能にする。
【0207】
図41Aは、ロボット制御可能な電磁場発生器の作業体積を拡張するための例示的な方法600を示すフローチャートである。方法600は、例えば、
図38A~
図38Cを参照しながら上述した機能を実施するために使用され得る。方法600は、EM場発生器が第1の位置に移動されるブロック601で開始する。第1の位置は、EMセンサがEM場発生器の作業体積内で検出される位置であり得る。EM場発生器は、それが取り付けられるロボットアームを使用して移動させることができる。一部の実施形態では、EM場発生器を第1の位置に移動させることは、EM場発生器を探索経路又は追跡経路に沿って移動させることを含む。
【0208】
方法はブロック602に進む。ブロック602において、第1のEMセンサの位置が、EM座標フレームに対して決定される。EM座標フレームは、EM場発生器のEM場に関連付けられる。次に、ブロック603において、(ブロック602において決定された)EM座標フレーム内のEMセンサの位置が、ロボット座標フレームにマッピングされる。ロボット座標フレームは、例えば、EM場発生器が結合されるロボットアーム、及びシステムの他のロボット構成要素に関連付けられる。EMセンサの位置をロボット座標フレームにマッピングすることは、第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づくことができ、これは、上述したように、EM場発生器がロボットアームに結合されるので、EM座標フレームとロボット座標フレームとの間の関係を確立する。
【0209】
次いで、方法600は、ブロック604に進むことができる。ブロック604において、EM場発生器は、第2のEMセンサが作業体積内で検出される第2の位置に移動される。上述したように、EM場発生器は、それが取り付けられるロボットアームを使用して第2の位置に移動され得る。ブロック605において、第2のEMセンサの位置が、EM座標フレームに対して決定され得る。次に、ブロック606において、(ブロック605において決定された)EM座標フレーム内の第2のEMセンサの位置が、再びロボットアームの運動学に基づく位置合わせを使用して、ロボット座標フレームにマッピングされる。最後に、ライン607は、方法600が、第1のEMセンサ及び第2のEMセンサの位置を連続的に再検出し、ロボット座標フレームに再マッピングするためのループとして実行され得ることを示している。
【0210】
図41Bは、ロボット制御可能な電磁場発生器の作業体積を拡張するための別の例示的な方法610を示すフローチャートである。方法610は、EM場発生器を、それが取り付けられたロボットアームとともに移動させることを含むブロック611で開始する。ブロック612において、EMセンサがEM場発生器の作業体積内で検出される場合はいつでも、EMセンサの位置は、EM座標フレームに対して決定され得る。ブロック613において、EMセンサの位置をロボット座標フレームにマッピングすることができる。マッピングは、上述したように、ロボットアームの運動学に基づき得る。最後に、ライン614は、方法610が、第1のEMセンサ及び第2のEMセンサの位置を連続的に再検出し、ロボット座標フレームに再マッピングするためのループとして実行され得ることを示している。
【0211】
iii.経皮的に挿入可能な器具とEMターゲットとの整合
ロボット制御可能なEM場発生器302はまた、経皮的に挿入されたツールと体内に内視鏡的に挿入された他のツールとの整合を容易にすることができる。例えば、
図27Bに示すように、尿管鏡502は、腎臓内の位置に内視鏡的に誘導され得る。次いで、オペレータは、尿管鏡502とランデブーするように、針(又は他の器具)の経皮的挿入を行うか、又は針(又は他の器具)を用いて経皮的挿入行うことを望む場合がある。一部の実施形態では、EM場発生器302は、針(又は他の器具)を通して挿入することができる針ガイド(例えば、チャネル、チューブ、又は他の構造)を含み得る。他の実施形態では、EM場発生器302は、そこを通して針ガイド又は同等物が前進及び/又は位置決めされ得る空間を画定することができる。例えば、針ガイドは、そこを通して挿入される針に対して1つのみの自由度(挿入及び/又は後退)を可能にするように構成され得る。EM場発生器302は、ニードルがニードルガイドを通して挿入されるときにEMセンサ204に向かって直接誘導されるように、尿管鏡上のEMセンサ204と整合され得る。1つのかかる使用例は、内部器官又は他の組織へのアクセスが皮膚の針穿刺を介して行われる、経皮的処置である。ロボットエンドエフェクタに堅固に取り付けられ、ロボットエンドエフェクタに対する既知の変換(剛体定義)を有する針は、したがって、患者の体内のEMビーコン(ターゲット)とロボット制御で整合され得る。針は、次いで、ロボット制御で整合された軌道に沿って、皮膚を通して挿入され得る。
【0212】
図42A~
図42Cは、経皮的に挿入可能な器具214とEMターゲット204Aとの整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器302を有する、
図23及び
図29のシステム300などのロボット医療システムの一実施形態を示している。経皮的に挿入可能な器具214は、例えば、針、アクセスシース、腹腔鏡器具、又は他のタイプの経皮的に挿入可能な器具を含み得る。
図42A~
図42Cの例では、経皮的に挿入可能な器具214を体内の特定の場所に正確に挿入することが望ましい場合がある。経皮的挿入を容易にするために、EMターゲット204A(EMセンサとすることができる)を、経皮的に挿入可能な器具214のための所望の位置で体内に配置することができる。一部の実施形態では、経皮的に挿入可能な器具214はまた、その上に位置決めされたEMセンサ204Bを含み得る。
【0213】
図42Aの図示の実施形態では、経皮的に挿入可能な器具214は、ロボット制御可能な器具であり得る。経皮的に挿入可能な器具214は、経皮的に挿入可能な器具214を位置決めして挿入するように構成された第2のロボットアーム212Bに取り付けられて示されている。図示のように、経皮的に挿入可能な器具214は、軸502に沿って延在している。概して、経皮的に挿入可能な器具214は、軸502に沿って挿入されることが望ましい。しかしながら、経皮的に挿入可能な器具214を正確に挿入するために、軸502をEMターゲット204Aと整合させる必要がある。
【0214】
したがって、システムのプロセッサ380は、EM場発生器302が取り付けられた第1のロボットアーム212Aの運動学的姿勢に基づいて、EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム216内の位置にマッピングする位置合わせを決定するように構成され得る。プロセッサ380は、位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム216内のEMターゲット204Aの位置を決定するように更に構成され得、ロボット座標フレーム216内のEMターゲット204Aの位置に基づいて、プロセッサは、第2のロボットアーム212Bを移動させて、経皮的に挿入可能な器具214の軸502をEMターゲットと整合させるように構成され得る。最後に、プロセッサ380は、第2のロボットアーム212Bを使用して、経皮的に挿入可能な器具214を軸502に沿ってEMターゲット204Aに向かって挿入するように構成され得る。
【0215】
上述したように、位置合わせは、ロボット座標フレーム216内のEM場発生器302の位置に基づいて決定することができ、ロボット座標フレーム216を有するEM場発生器の位置は、第1のロボットアーム212Aの運動学的姿勢に基づいて決定することができる。プロセッサ380は、EM座標フレーム308内のEMターゲット204Aの位置を決定し、位置合わせを使用して、EM座標フレーム308内のEMターゲット204Aの位置をロボット座標フレーム216内のEMターゲット204Aの位置にマッピングすることによって、ロボット座標フレーム216内のEMターゲット204Aの位置を決定するように更に構成され得る。
【0216】
一部の実施形態では、EMターゲット204Aは、身体を通してナビゲートされる内視鏡などの、患者に挿入されるように構成された別のロボット医療器具上に位置決めされたEMセンサであり得る。このロボット医療器具は、ロボット医療器具を制御するように構成された第3のロボットアームに結合され得る。
【0217】
図42Aは、経皮的に挿入可能な器具214の軸502がEMターゲット204Aと整合されていない第1の状態にあるシステムを示している。
図42Bは、軸502をEMターゲット204Aと整合した後の第2の状態にあるシステムを示している。
図42Cは、軸502に沿った経皮的に挿入可能な器具214の挿入及びEMターゲット204Aとのランデブーを示す、第3の状態にあるシステムを示している。
【0218】
図43A及び
図43Bは、
図23及び
図29のシステム300などのロボット医療システムの一実施形態を示しており、ロボット制御可能な電磁場発生器302は、電磁場発生器302上に搭載された器具ガイド520と、EMターゲット204Aとの整合を容易にするように構成される。器具ガイド520は、経皮的に挿入可能な器具が、患者への挿入中に軸522に沿って内部を通って挿入され得るように構成され得る。器具ガイド520は、経皮的に挿入可能な器具の運動を軸522に沿った運動のみに制限することができ、その結果、軸522がEMターゲット204と整合されたときに、経皮的に挿入可能な器具をEMターゲット204に向かって誘導することができる。一部の実施形態では、器具ガイド520は、EM場発生器302に取り外し可能に結合される。他の実施形態では、器具ガイド520は、EM場発生器302に恒久的に結合され得るか、又はそれに統合され得る。関連する態様では、器具ガイド520は、
図43A及び
図43Bの例とは異なる形状/曲線及び/又は長さを有するように構成されてもよいことに留意されたい。
【0219】
前述の例と同様に、器具ガイド520の軸522は、経皮的に挿入可能な器具をEMターゲット20Aに向かって誘導するように、EMターゲット204と整合され得る。例えば、プロセッサ380は、第1のロボットアーム212の運動学的姿勢に基づいて、EM場発生器308に関連付けられたEM座標フレーム308内の位置をロボット座標フレーム216内の位置にマッピングする位置合わせを決定するように構成され得る。プロセッサ380はまた、位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム216内のEMターゲット204の位置を決定することができ、ロボット座標フレーム216内のEMターゲット204の位置に基づいて、プロセッサ280は、第1のロボットアーム212の移動を引き起こし、器具ガイド520の挿入軸522をEMターゲット204と整合させることができる。
【0220】
図43Aは、器具ガイド520の軸522がEMターゲット204と整合されていない第1の状態にあるシステムを示している。
図43Bは、軸522をEMターゲット204と整合させた後の第2の状態にあるシステムを示している。システムが第2の状態にある状態で、経皮的に挿入可能な器具は、EMターゲット204に向かって軸522に沿って器具ガイド520を通して挿入され得る。
【0221】
システムはまた、経皮的に挿入可能な器具を含み得る。経皮的に挿入可能な器具は、針、アクセスシース、腹腔鏡器具、又は別のタイプの経皮的に挿入可能な器具を含み得る。経皮的に挿入可能な器具は、軸に沿って延在することができる。一部の実施形態では、システムは、経皮的に挿入可能な器具に結合され、それを移動させるように構成された第2のロボットアームを備える。かかる場合、プロセッサは更に、第2のロボットアームを使用して、経皮的に挿入可能な器具の軸を挿入軸と整合させ、第2のロボットアームを使用して、EMターゲット204に向かって挿入軸に沿って器具ガイドを通して経皮的に挿入可能なものを挿入するように構成され得る。一部の実施形態では、経皮的に挿入可能な器具は、器具ガイド520を通して手動で挿入される器具を含み得る。
【0222】
一部の実施形態では、EMターゲット204は、患者に挿入されるように構成された医療器具上に位置決めされるEMセンサを備える。ロボット医療器具は、内視鏡であり得る。システムは、ロボット医療器具に結合され、それを制御するように構成された第3のロボットアームを備え得る。
【0223】
図44A及び
図44Bは、器具ガイド530とEMターゲット204との整合を容易にするように構成されたロボット制御可能な電磁場発生器302を有するロボット医療システムの一実施形態を示している。この例は、器具ガイド530がEM場発生器302ではなく第2のロボットアーム212Bに結合されていることを除いて、
図43A及び
図43Bの例と同様である。同様に、プロセッサ380は、EM場発生器302が取り付けられた第1のロボットアーム212Aの運動学的姿勢に基づいて、EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレーム308内の位置をロボット座標フレーム216内の位置にマッピングする位置合わせを決定するように構成され得る。プロセッサ380は更に、位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム内のEMターゲット204の位置を決定し、ロボット座標フレーム内のEMターゲットの位置に基づいて、第2のロボットアーム212Bを移動させ、器具ガイドの挿入軸532をEMターゲット204と整合させることができる。
図44Aは、器具ガイド530の軸532をEMターゲット204と整合させる前のシステムを示し、
図44Bは、整合させた後のシステムを示している。
図44Bに示す位置では、経皮的に挿入可能な器具を、器具ガイド530を通してEMターゲット204に向かって挿入することができる。
【0224】
一部の実施形態では、経皮的に挿入可能な器具は、経皮的に挿入可能な器具を移動させるように構成された第3のロボットアームに結合される。かかる場合、プロセッサは、第3のロボットアームを使用して、経皮的に挿入可能な器具の軸を器具ガイド530の挿入軸532と整合させ、第3のロボットアームを使用して、EMターゲット204に向かって挿入軸532に沿って器具ガイド530を通して経皮的に挿入可能なものを挿入するように更に構成され得る。他の実施形態では、経皮的に挿入可能な器具は、器具ガイド530を通して手動で挿入することができる。
【0225】
システムはまた、患者に挿入されるように構成されたロボット医療器具を備え得る。EMターゲット204は、ロボット医療器具上にEMセンサを備え得る。ロボット医療器具は、ロボット医療器具を制御するように構成された別のロボットアームに結合され得る。
【0226】
図45Aは、ロボット制御可能な電磁場発生器を使用して、経皮的に挿入可能な器具をEMターゲットと整合させるための方法700を示すフローチャートである。方法700は、EM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせが行われるブロック701で開始する。位置合わせは、上述したように、EM場発生器が取り付けられたロボットアームの運動学的姿勢に基づいて決定され得る。
【0227】
次に、ブロック702において、EMターゲットの位置が、位置合わせに基づいてロボット座標フレームにおいて決定され得る。上述したように、これは、EM場発生器によって生成されたEM場内のEMターゲットの位置を決定することと、その位置をロボット座標フレームにマッピングすることとを含むことができる。
【0228】
EMターゲットの決定された位置に基づいて、ブロック703において、経皮的に挿入可能な器具の軸がEMターゲットと整合される。一例が上述の
図42Bに示されている。最後に、ブロック704において、経皮的に挿入可能な器具は、EMターゲットに向かって軸に沿って挿入され得る。一例が、前述の
図42Cに示されている。
【0229】
図45Bは、ロボット制御可能な電磁場発生器を使用して、経皮的に挿入可能な器具のための器具ガイドをEMターゲットと整合させるための方法710を示すフローチャートである。ブロック711において、方法700は、EM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することを含む。ブロック712において、EMターゲットの位置は、位置合わせに基づいてロボット座標フレーム内で決定される。最後に、ブロック713において、方法700は、器具ガイドの軸をEMターゲットと整合させることを含む。例は、EM場発生器上の器具ガイドを示す
図43A及び
図43B、並びに第2のロボットアーム上に搭載された器具ガイドを示す
図44A及び
図44Bを参照して上述されている。
【0230】
iv.歪み検出
ロボット制御されたEM場発生器302は、歪み検出のために使用することもできる。例えば、ロボット制御されたEM場発生器は、静的EMセンサが関心領域、例えば、針挿入部位、生検部位、又はEM場発生器の作業体積内の任意の静止位置に存在する間に移動するように命令され得る。EM場発生器302は、それが取り付けられるロボットアーム212によって移動させることができ、(ロボット座標フレーム内の)命令されたロボット運動は、(EM座標フレーム内の)記録されたEMセンサ軌道と比較され得る。2つの軌道間の差は、EM場発生器302の作業体積内のEM信号の歪みの尺度又は指標であり得る。同様の原理はまた、その運動が既知であるか、又は制限された不確実性を有するかのいずれかである非静的EMセンサでも使用され得る。歪み検出の精度は、EMセンサの運動/場所の知識の不確実性に依存するか、又はそれによって制限され得る。
【0231】
図46Aは、例えば、EM歪みを検出するために、固定されたEM位置センサ204に対してEM場発生器302を移動させるロボット医療システムの一実施形態を示している。図示した実施形態に示すように、EM場発生器302は、第1のロボットアーム212に結合され得る。EM場発生器302は、EM場を発生させるように構成され得、EM座標フレームに関連付けられ、EM座標フレーム内で、図示されるEMセンサ204などのEMセンサの位置が、EM座標フレームを参照して決定され得る。第1のロボットアーム212は、EM場発生器302を再位置決めするために移動するように構成され得る。第1のロボットアーム212は、ロボット座標フレームに関連付けることができる。上述したように、ロボット座標フレーム内のロボットアーム212の運動は、アームの既知の運動学に起因して既知である。したがって、EM場発生器302が第1のロボットアーム212に結合されるので、ロボット座標フレーム212内のEM場発生器302の位置もまた、アームの運動学的姿勢に基づいて決定され得る。上記でより詳細に説明したように、この関係により、ロボット座標フレームに対するEM場のEM座標フレーム内のEMセンサ204の位置を決定するために使用され得る位置合わせを確立することができる。
【0232】
図46Aの図示の実施形態では、EM場内のEM歪みを決定又は検出するために、EMセンサ204は、固定及び静止位置に提供され得る。例えば、EMセンサ204は、患者プラットフォーム又は機器の他の非移動部品などの非移動物体に取り付けることができる。一部の実施形態では、EMセンサ204は、ロボット制御される医療器具などの医療器具上に位置決めされる。この場合、
図46A~
図47を参照して説明した歪み検出ステップの間、医療器具は、静止したままであり得るので、EMセンサ204の位置は、固定され静止したままとなる。
【0233】
EM歪みを検出するために、第1のロボットアーム212(及び、ひいては、EM場発生器302)と通信するプロセッサは、第1のロボットアーム212に、ロボット軌道850に沿ってEM場発生器302を移動させるように構成され得る。
図46Aでは、ロボット軌道850は、破線によって表されており、システムは、EM場発生器302がロボット軌道850に沿ってほぼ中間に位置決めされるように、移動のほぼ途中で示されている。一部の実施形態では、ロボット軌道850に沿った第1のロボットアーム212によるEM場発生器302の移動は、コントローラ又は他のユーザインターフェースを使用して運動を命令することができる医師などのオペレータの指示又は制御下で達成することができる。他の実施形態では、ロボット軌道850に沿った第1のロボットアーム212によるEM場発生器302の移動は、例えば、システムによって操作される自動EM歪み検出プロセスの一部として、自動的に提供され得る。
【0234】
図46Aにおいて、この例では、EM場発生器302がロボット軌道850に沿って移動され、これが、EMセンサ204が上述したように静止又は固定されたままである間に行われることを認識することが重要である。
図46Aはまた、一点鎖線として図に表される、EMセンサ軌道852を示している。しかしながら、EMセンサ軌道852は、上述したように固定されたままであるEMセンサ204の物理的移動の結果ではない。むしろ、EMセンサ軌道852は、静止したEMセンサ204に対するEM場発生器302の移動によって生成される。例えば、第1のロボットアーム212がEM場発生器302をロボット軌道850に沿って移動させると、EM場発生器302に関連付けられたEM座標フレーム内のEMセンサの位置が記録され、EM軌道852を生成する。
【0235】
したがって、ロボット軌道850は、第1のロボットアーム212によるEM場発生器302の移動によってもたらされる。ロボット軌道850は、運動中の第1のロボットアーム212の既知の運動学的移動に基づいて検出、決定、及び/又は記録することができる。対照的に、EMセンサ軌道852は、静止EMセンサ204に対するEM場発生器302の移動によってもたらされる。EMセンサ軌道852は、EM場発生器302が移動され、EMセンサ204が静止したままであるときに、EM場発生器302のEM場内のEMセンサ204を検出することに基づいて、検出、決定、及び/又は記録され得る。
【0236】
EMセンサ204は、第1のロボットアーム212によるEM場発生器302の移動中に固定されたままであるので、いかなるEM歪みもない場合、ロボット軌道850がEMセンサ軌道852に対応することが予想される。これは、EM場発生器302の移動が、移動するEM場発生器302と静的EMセンサ204との間の相対運動に一致するはずであるためである。したがって、ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との間の差を分析して、EM歪みが存在するかどうかを判定することができる。一部の実施形態では、分析はまた、EM歪みの程度又は深刻度の尺度を提供することができる。
【0237】
図46Bは、ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との比較を示している。この例では、各軌道の開始点が整合されているが、これは全ての実施形態で必要であるとは限らない。
図46Bに示すように、ロボット軌道850及びEMセンサ軌道852は、正確に対応しないことが明白である。EM歪みを検出するために、軌道間の差を決定することができる。一部の実施形態では、検出されたEM歪みは、固定されたEMセンサ204の場所におけるEM歪みを示す。
【0238】
ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との間の全ての差が必ずしもEM歪みによって引き起こされるわけではない。例えば、ロボットシステムは、製造公差、モータ制御制限、センサ精度などを含む種々の理由のために、完全な精度でロボット運動を決定することができない場合がある。したがって、ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との間の差のうちの一部は、ロボット運動を決定する際の不正確さによって引き起こされる場合がある。しかしながら、概して、ロボットの運動を決定する際の不正確さは小さく、例えば、ミリメートル未満の範囲であり得る。同様に、EM場発生器302は、場の中で決定されるEMセンサ位置の低減された分解能につながり得るEMノイズを受ける場合がある。これは、EMセンサ軌道852の不正確な記録につながり、EM歪みに直接起因しない差を引き起こし得る。しかしながら、繰り返しとなるが、EM場発生器は、EMセンサノイズが、一部の実施形態では、約1ミリメートル以下であるように構成又は選択され得る。したがって、ロボットシステムの一部の実施形態に関して、ロボット運動の決定における不正確さ、及びまた、EM場内のEMセンサ位置を記録することにおける不正確さは、約1ミリメートル以下の潜在的な不正確さにつながり得る。
【0239】
したがって、EM歪みの存在を判定するために、他の要因による寄与を除外又は低減するように選択された閾値に関して、ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との間の差を分析することが有益であり得る。一部の実施形態では、閾値は、例えば、1ミリメートル、1.25ミリメートル、1.5ミリメートル、1.75ミリメートル、2ミリメートル、2.25ミリメートル、2.5ミリメートル、2.75ミリメートル、3ミリメートル、又はそれ以上であり得る。多くの例では、第1のロボットアームの運動と関連付けられた誤差要因又はEMセンサ若しくは発生器のノイズと関連付けられた誤差要因の一方又は両方より大きいように、閾値を設定することが有益である。
【0240】
ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との比較は、種々の方法で達成することができる。例えば、ロボット軌道850の形状とEMセンサ軌道852の形状は、
図46Bに示すように、直接比較され得る。形状は、それらがどれほど密接に対応するかを判定するために分析することができ、形状間の偏差が閾値を超える場合、システムは、EM歪みが存在すること、及び/又はEM歪みの程度を決定することができる。別の実施形態では、ロボット軌道850及びEMセンサ軌道852を分析して、それらの間の差を決定することは、ロボット軌道850に沿った複数の点をEMセンサ軌道852に沿った対応する複数の点と比較することを含み得る。一部の実施形態では、複数の点は、第1のロボットアーム212を使用するEM場発生器302の移動に関連付けられた時間に対して決定される。例えば、移動の開始時(例えば、t=0)のロボット軌道850上の点を、EMセンサ軌道852上の対応する点と比較することができる。次に、後続の点をその後の離散時間ステップで比較することができる。
【0241】
一部の実施形態では、EM歪みが検出された場合、システムは、第1のロボットアーム212を用いて、EM歪みを低減する場所にEM場発生器302を再位置決めするように構成することができる。例えば、一部の実施形態では、システムは、ロボット軌道850とEMセンサ軌道852との間の差が低減されるロボット軌道850に沿った位置に、EM場発生器302を位置決めすることができる。
【0242】
一部の実施形態では、これは、EM歪みを低減し得る場所を特定するために、EM場発生器302を第2のロボット軌道に沿って移動させることによって達成することができる。したがって、EM場発生器302は、第1のロボット軌道850とは異なる第2のロボット軌道に沿って移動することができる。例えば、EM場発生器302は、第1のロボット軌道850に沿ってカバーされた空間とは異なる空間を通って第2のロボット軌道に沿って移動することができる。上述したように、これは、EMセンサ204が静止したままである間に行われる。第2のロボット軌道は、第2の対応するEMセンサ軌道とともに記録することができる。これらの軌道を分析して、EM歪みを低減する場所を決定し得るかどうかを判定することができる。そうである場合、EM場発生器302は、ロボットアーム212を使用して、その位置に移動させることができる。そうでない場合、EM歪みを低減するEM場発生器302のための適切な場所を見つけることができるまで、追加のロボット軌道を試みることができる。
【0243】
図46A及び
図46Bに関して上述した例では、ロボット軌道850は、グローバルロボット基準フレームに対して定義されており、EMセンサ軌道852は、EM場発生器座標フレームに対して定義されている。この場合、ロボット軌道850をEMセンサ軌道852と比較するために、EM場発生器座標フレームを、グローバルロボット基準フレームに位置合わせする必要がある。EM場発生器302がロボットアーム212に取り付けられ、グローバルロボット基準フレームとEM場発生器座標フレームとの間の運動学的関係を確立するので、これは、例えば、上述したように達成することができる。
【0244】
更に、
図46A及び
図46Bに関して上述した例は、理解及び例示を容易にするために幾分簡略化されており、EMセンサ204に対するEM場発生器302の位置のみが変更され、相対的な向きは変更されていないと仮定する。より複雑な例では、EMセンサ204に対するEM場発生器302の位置及び向きの両方を変更することができ、EMセンサ204の検出された位置(及び/又は向き)を分析して、EM歪みが存在するかどうか(及び/又はその程度)を決定することができる。かかる場合、EM歪みの決定は、
図46Cに示すように、ロボットアーム212が取り付けられたカートと関連付けられるグローバル基準フレーム854に対して行うことができ、
図46Cは、EM場発生器302が取り付けられるロボットアーム212が、EMセンサ204に対するEM場発生器302の位置及び向きを変化させるロボット軌道850に沿って移動する場合を示している。カート及びEMセンサ204は移動していないので、グローバル基準フレーム854に対して測定される任意の検出された位置及び/又は向きの変化は、歪み(及び無視できる運動学誤差)によるものである。
【0245】
EM歪みは、EM場発生器の作業体積内に位置決めされた任意の又は全ての構成要素によって引き起こされ得る。したがって、他の構成要素の最適な又は好ましい位置を見つけるために他の構成要素を移動させながら、同様のプロセスを実行することができる。
【0246】
図47は、EM歪み検出のための例示的な方法800を示すフローチャートである。方法800は、
図46A~
図46Cに関して上述したプロセスと多くの点で類似している。方法800は、EM場が、概して、システムのロボットアームへの取り付けを介してロボット制御可能である、前述したシステムなどのロボット医療システムを使用して行うことができる。
【0247】
方法800は、ブロック801で開始する。ブロック801は、EMセンサがある場所に静止したままである間に、第1のロボットアームに結合されたEM場発生器を第1のロボットアームによってロボット軌道に沿って移動させることを含み得る。上述したように、ロボット軌道は、EM場発生器が取り付けられるアームの運動学に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、ロボット軌道は、例えば、ロボットアームが取り付けられるカートに関連付けられ得る、グローバル基準フレームに対して決定され得る。一部の実施形態では、ブロック801は、ロボット医療システムのプロセッサ(又は複数のプロセッサ)によって実行される。例えば、プロセッサは、第1のロボットアームにコマンドを送信して、ロボット軌道に沿ったEM場発生器の移動を引き起こすように構成され得る。一部の場合において、EMセンサは、EM場発生器がロボット軌道に沿って移動する間、決定可能な位置に固定され得る。
【0248】
ブロック802において、EM場発生器がロボット軌道に沿って移動するときにEMセンサによって生成されるセンサデータに基づいて、EM場発生器に関連するEM場内のEMセンサのEMセンサ軌道を検出することができる。このようにして、前述したように、EM軌道は、EM場発生器がロボット軌道に従ってロボットアームによって移動されたときと同じ期間中のEM場内のEMセンサの記録された位置であり得る。
【0249】
ブロック803において、ロボット軌道及びEMセンサ軌道は、それらの間の差を決定するために分析される。分析は、とりわけ、軌道の形状を比較すること、及び/又は軌道に沿った複数の離散点を比較することを含む、複数の方法で行うことができる。かかる比較は、位置及び/又は向きの変化を考慮することができる。
【0250】
ブロック804において、軌道間の差と閾値との比較に基づいて、EMセンサの場所においてEM歪みを検出することができる。閾値は、ロボットの運動を記録又は決定する際の、かつ/又はEM場内のEMセンサ位置を検出する際のエラーなど、EM歪み以外の要因によって引き起こされる寄与を低減又は除外するように選択又は決定され得る。
【0251】
図48は、EM歪み検出のための別の例示的な方法900を示すフローチャートである。方法900は、EM場が、概して、システムのロボットアームへの取り付けを介してロボット制御可能である、前述したシステムなどのロボット医療システムを使用して行うことができる。方法900は、第1のロボットアームがEM場発生器に結合されるブロック901で開始する。EM場発生器は、EM場を発生させるように構成され、EM座標フレームに関連付けられる。第1のロボットアームは、ロボット座標フレームに関連付けられ、結合されたEM場発生器の位置は、第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいてロボット座標フレーム内で決定され得る。一部の実施形態では、位置は更に、ロボットアームが取り付けられたカートと関連付けられた座標フレームなどのグローバル座標フレームに対して決定され得る。EM場発生器のEM場の作業体積内のEMセンサの位置は、前述したように、アームのポーズに基づいて決定され、ロボット座標フレーム(又はグローバル座標フレーム)にマッピングされ得る。
【0252】
ブロック902において、EM場発生器がEMセンサに対して第1のEM場発生器位置にある状態で、方法900は、EM場発生器が第1の位置にある状態での第1のロボットアームの運動学に基づいて、EM座標フレームとロボット座標フレームとの間の第1の位置合わせを決定することと、第1の位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム内のEMセンサの第1のEMセンサ位置を決定することとを含む。
【0253】
ブロック903において、方法900は、第1のロボットアームを使用して、EM場発生器をEMセンサに対して第1のEM場発生器位置から第2のEM場発生器位置に移動させることを含み、EMセンサは、移動中に静止したままである。一部の実施形態では、第1のロボットアームによるEM場発生器の移動は、コントローラ又は他のユーザインターフェースを使用して運動を命令することができる医師などのオペレータの指示又は制御下で達成され得る。他の実施形態では、ロボット軌道に沿った第1のロボットアームによるEM場発生器の移動は、例えば、システムによって操作される自動EM歪み検出プロセスの一部として、自動的に提供され得る。
【0254】
ブロック904において、EM場発生器が第2のEM場発生器位置にある状態で、EM場発生器が第2のEM場発生器位置にある状態での第1のロボットアームの運動学に基づいて、EM座標フレームとロボット座標フレームとの間の第2の位置合わせが決定され、第2の位置合わせに基づいて、ロボット座標フレーム(又はグローバル座標フレーム)内のEMセンサの第2のEMセンサ位置も決定される。第2の位置合わせは、EM場発生器が移動されたことから必要となり、第2の位置でのロボットアームの新しい運動学的姿勢は、ロボット座標フレームとEM座標フレームとの間の新しい関係を確立するために使用される。
【0255】
ブロック905において、方法900は、第1のEMセンサ位置と第2のEMセンサ位置との間の差を決定することを含む。EMセンサは移動していないので、決定された位置は同じであると予想される。しかしながら、ロボットアーム及びEM場発生器(又は移動された他の構成要素)の異なる位置によって引き起こされるEM歪みは、決定された位置を変動させ得る。一部の実施形態では、向きの変化も考慮され得る。ブロック906において、EM歪みは、差と閾値との間の比較(例えば、差が閾値を超えること)に基づいて検出され得る。上述したように、他の要因が差に寄与する可能性がある。上述したように、閾値は、これらの他の非EM歪み要因の寄与を低減するように選択又は決定することができる。
【0256】
閾値に対して相対的に見た場合、閾値を超える差は、EM歪みが存在していることを示すことができる。しかしながら、2つのEM場発生器の位置(及び/又は向き)を試験するだけでは、どの位置が最も正確な位置の決定を提供したかを判定することは困難であり得る。したがって、ロボットアームを使用してEM場発生器を新しい位置に移動させることと、ロボットアームの運動学に基づくEM場発生器の新しい位置に基づいて新しいEM対ロボット座標位置合わせを決定することと、新しく決定された位置合わせに基づいてロボット座標フレーム内のEMセンサの位置を決定することと、の関連するステップを繰り返すことによって、複数の他のEM場発生器位置(及び/又は向き)を試験し続けることが有利であり得る。
【0257】
一部の実施形態では、このプロセスを継続して、複数の場所で歪みを決定することによってEM歪みのマップを構築することができる。他の位置からの変化が最も少ないEMセンサ位置の決定を提供するEM場発生器の場所は、低いEM歪みを有すると判定することができ、一方、他の位置からの変化が最も多いEMセンサ位置の決定を提供するEM場発生器の場所は、高いEM歪みを有すると判定することができる。このようにして、システム又はオペレータは、EM歪みを低減するためにEM場発生器及び他の構成要素をどのように位置決めするのが最良であるかを判定することができる。
【0258】
上述した方法を使用して検出されるEM歪み(及び概してEM歪み)は、静的又は動的の両方であり得る。静的EM歪みは不変であり、対応する補正値を適用することによってEM測定値から決定し、除去することができる。静的EM歪みは、一般に移動せず、したがって処置中に変化しない手術室内の物体、並びに地球の磁場などのより大きいスケールファクタを含む、複数の要因によって引き起こされ得る。動的EM歪みは、処置の過程にわたって変化する要因によって引き起こされる。これらは、システムの動くロボット構成要素のうちのいずれか、並びに手術室を通って移動し得る他の構成要素(又は更には人々)を含み得る。歪み検出は、静的歪みの検出及び補正の両方のために、並びに動的歪みを低減する移動構成要素のための最適位置を見出すために使用され得る。
【0259】
v.マルチモーダルセンサ融合
ロボット制御されたEM場発生器302はまた、マルチモーダルセンサ融合を可能にするのに有用であり得る。本明細書で使用される場合、マルチモーダルセンサ融合は、単一の処置中に異なるセンサタイプを相乗的に同時に又は並行して使用することを指し得る。一例として、ロボットアーム212上に堅固に搭載されたEM場発生器302を用いて、EM検知技術を、ロボットアーム212上又はロボットシステム内に搭載された他の撮像及び検知モダリティに位置合わせすることができる。EM検知モダリティを、ロボットアーム、カート、又はベースに取り付けられた、又はその一部である他の撮像及び検知モダリティと位置合わせすることは、例えば、簡略化された表示(複数の検知モダリティからのデータが、統一された方法で一緒に表示され得る)、拡張現実などを提供することを容易にし得る。本セクションでは、マルチモーダル機能を提供するためにEM検知技術が超音波技術とともに使用され得る例が説明される。これにより、例えば、超音波画像内のニードル先端(ニードル先端はEMセンサを含む)の正確な特定が可能になり得る。概して、超音波画像における針先端の決定は、アーチファクトが画像を歪ませる可能性があるので、容易ではない可能性がある。超音波及びEM場の撮像面をロボット座標フレームなどの単一空間に位置合わせすることは、超音波画像内の針先端の決定を容易にすることができる。これを達成するために、超音波プローブは、以下でより詳細に説明するように、ロボットアーム上に堅固に搭載され得る。超音波撮像面が、EM場発生器302の座標フレームに対して運動学的に既知である場合、針の内側のEMセンサは、リアルタイムで追跡され、超音波画像上にオーバーレイされ得る。
【0260】
超音波プローブをロボットアームに取り付けることで、超音波プローブの撮像面の位置合わせ又は較正を容易にすることができる。超音波プローブの撮像面の較正は、概して、3つの異なる既知の位置から3つの異なる超音波画像を捕捉することを必要とし得る。3つの超音波画像は、対応する既知の位置とともに、撮像面を較正するために使用され得る。従来、外科用ロボットシステムで使用される超音波プローブを較正するために、追加の機器が必要とされてきた。例えば、3つの超音波画像が捕捉される位置を決定するために、外部の位置追跡システムを設定する必要がある。特定の例として、光センサ(赤外線LEDなど)を超音波プローブに取り付けることができる。Optitrackなどの位置追跡システムは、超音波プローブに取り付けられ、その位置を決定するために使用される光学センサの位置を検出することができる。外科用ロボットの設定では、追加の機器が必要とされるので、これは不利であり得る。
【0261】
超音波プローブをロボットアームに取り付けることによって、超音波プローブの位置は、ロボットアームに取り付けられたEM場発生器に関して上述したのと同様の方法で、アームの運動学に基づいて、アームに関連付けられたロボット座標フレームに対して容易に決定することができる。この基準位置で基準超音波画像を捕捉することができる。ロボットアームは、次いで、第1の超音波画像が捕捉される第1の位置に超音波プローブを移動させることができ、第1の位置は、アームの運動学に基づいて決定され得る。ロボットアームは、次いで、第2の超音波画像が捕捉される第2の位置に超音波プローブを移動させることができ、第2の位置は、第2の位置におけるアームの運動学に基づいて決定され得る。次いで、3つの画像(ベース、第1、及び第2)及び位置(ベース、第1、及び第2)を使用して、従来の位置追跡機器などの外部機器又は追加の機器を必要とせずに、超音波プローブの撮像面を較正することができる。
【0262】
図49Aは、超音波プローブの撮像面を較正するための手順の間、超音波プローブ1050がロボットアーム212に取り付けられているロボット医療システムを示している。図示の実施形態では、ロボットアーム212は、超音波プローブ1050に結合される。例えば、超音波プローブ1050は、ロボットアーム212又はアーム上に位置決めされた器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)の遠位端に取り付けられ得る。ロボットアーム212は、超音波プローブ1050の位置を調整するために移動するように構成される。ロボットアーム212はまた、上述したように、ロボット座標フレームと関連付けられる。
図49Aの図示の実施形態では、3つの位置Bi、Bj、及びBkが示されている。ロボットアーム212は、超音波プローブ212をこれらの3つの位置の間で移動させるように移動する。各位置において、アームの運動学を使用して、ロボット座標フレームにおける超音波プローブの位置を決定することができる。
【0263】
第1の位置Biにおいて、超音波プローブ1050は第1の画像を捕捉することができる。次いで、超音波プローブ1050は、ロボットアーム212を使用して第2の位置Bjに移動される。第2の位置Bjにおいて、超音波プローブ1050により第2の超音波画像が撮像される。次いで、超音波プローブ1050は、ロボットアーム212を使用して第3の位置Bjに移動される。第3の位置Bjにおいて、超音波プローブ1050により第3の超音波画像が撮像される。システムは、第1の超音波画像と、超音波プローブが第1の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第1の運動学と、第2の超音波画像と、超音波プローブが第2の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第2の運動学と、第3の超音波画像と、超音波プローブが第2の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて、ロボット座標フレームに対して超音波プローブ1050の撮像面を較正することができる。
【0264】
撮像面が較正され、ロボット座標フレームに位置合わせされると、ロボットシステムは、複数の検知モダリティを同時に利用することができる。
図49Bは、例示的なマルチモーダルロボットシステムを示している。
図49Bに示すように、ロボットシステムは、第1のロボットアーム212A、第2のロボットアーム212B、及び第3のロボットアーム212Cを含み得る。ロボットアームは、各々が共通のロボット座標フレームと関連付けられるように、カート、患者プラットフォーム、又は他の共通構造に取り付けられることができる。図示の実施形態では、撮像面が較正された超音波プローブ1050は、第1のロボットアーム212Aに取り付けられる。EM場発生器302は、第2のロボットアーム212Bに取り付けられる。EM場発生器302は、その中でEMセンサ204などのEMセンサの位置が決定され得るEM場を発生させるように構成される。上述したEM対ロボット座標フレーム位置合わせ手順を使用して、EMセンサ204の位置をロボット座標フレーム内で決定することができる。超音波プローブの撮像面もロボット座標フレームに位置合わせされているので、EMセンサ204の位置の撮像面は、両方とも共通の空間(ロボット座標フレーム)内で決定され、したがって、
図49Bに示すように、両方とも共通のディスプレイ上に表示することができる。
【0265】
図49Bでは、EMセンサ204は、患者の治療領域に挿入されるスコープの遠位端に位置決めすることができる。スコープは、異なるロボットアームに取り付けられ、それによって制御される、ロボット制御された医療器具であり得る。あるいは、スコープは手動で制御されるスコープであってもよい。
図49Bはまた、針などの医療器具を第3のロボットアーム212Cに取り付けることができることを示している。第3のロボットアーム212Cに堅固に取り付けることができる針の位置も、ロボット座標フレームに対して決定することができる。したがって、針の位置もまた、撮像面及びEMセンサデータとともに表示され得る。このようにして、種々のセンサ技術を単一のロボットシステムに融合させ、単一の処置中に同時に使用することができる。この例では、針とスコープとのランデブーは、ロボットデータ、超音波データ、及びEMデータによって容易にされ、ランデブーの精度を改善し、包括的かつ改善された手術経験を提供することができる。
【0266】
図50は、ロボット医療システムとともに使用するための超音波プローブの撮像面を較正するための例示的な方法1000を示すフローチャートである。方法1000は、超音波プローブが第1のロボットアームに結合されるブロック1001で開始する。第1のロボットアームは、超音波プローブの位置を調整するために移動するように構成され、第1のロボットアームはロボット座標フレームに関連付けられる。ブロック1002において、超音波プローブは、第1のロボットアームを使用して第1の超音波プローブ位置に移動される。第1の超音波プローブ位置は、超音波プローブの撮像面を較正するために使用される第1の超音波画像が捕捉される位置であり得る。第1の位置は、第1のロボットアームの運動学に基づいて決定することができる。ブロック1003において、超音波プローブが第1の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第1の超音波画像を取得する。ブロック1004において、超音波プローブは、第1のロボットアームを使用して第2の超音波プローブ位置に移動される。第2の超音波プローブ位置は、第2の画像を捕捉し得る位置とすることができ、これは、ブロック1005で行われる。第2の画像はまた、超音波プローブの撮像面を較正するために使用され得る。第2の位置は、アームの運動学に基づいて決定することができる。矢印1006によって示されるように、ブロック1004及び1005は、例えば、
図49Aに示すように、第3の位置において第3の画像を捕捉するために繰り返され得る。一部の実施形態では、これらのステップは、更なる回数繰り返され、更なる位置で更なる画像を捕捉することができる。
【0267】
ブロック1007において、ロボット座標フレームに対する超音波プローブの撮像面撮像面は、第1の超音波画像と、超音波プローブが第1の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第1の運動学と、第2の超音波画像と、超音波プローブが第2の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第2の運動学と、第3の超音波画像と、超音波プローブが第3の超音波プローブ位置にある状態での第1のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて較正することができる。較正されると、撮像面は、ロボット座標フレームに対して決定され、同様にロボット座標フレームに対して決定され得る他の検知モダリティ(EMなど)と併用することができる。
【0268】
一部の実施形態では、方法1000はまた、EM場発生器を第2のロボットアームに結合することを含み得、EM場発生器は、EM場を発生させるように構成され、EM場発生器は、EM座標フレームに関連付けられ、第2のロボットアームは、ロボット座標フレームに関連付けられたEM場発生器及び第2のロボットアームの位置を調整するように移動するように構成される。方法1000はまた、EM場座標フレームとロボット座標フレームとの間の位置合わせを、第2のロボットアームの運動学に基づいて決定することを含み得る。これは、上述したように達成することができる。第1のロボットアーム及び第2のロボットアームは、ロボット座標フレーム内の第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の関係を規定するカート又は患者プラットフォームに取り付けられ得る。これは、EM場発生器及び超音波プローブの両方がロボット座標フレーム内にもたらされることを可能にし得る。方法1000はまた、EMセンサをEM場内に位置決めすることと、位置合わせに基づいてロボット座標フレーム内のEMセンサ位置を決定することとを含み得る。加えて、方法1000はまた、超音波プローブの撮像面を表示することと、例えば、
図49Bに示すように、超音波プローブの表示された撮像面上に決定されたEMセンサ位置の指示をオーバーレイすることと、を含み得る。
【0269】
マルチモーダル機能をEM及び超音波に関して説明してきたが、他のモダリティを使用することもできる。例えば、一部の実施形態では、深度センサをロボットアームに取り付けることができる。深度センサは、患者、ベッド若しくはプラットフォーム、処置中に使用される蛍光透視Cアーム、及び/又は手術空間内の他のアイテムの位置をグローバルロボット基準フレームに位置合わせするために使用され得る。一部の実施形態では、これらの位置は、それぞれ、
図51A及び
図51Bに示すように、ヒートマップ又は点群として表され得る。深度センサカメラは、例えば、
図51Cに示すように、その視野内のオブジェクトまでの距離を測定するように構成され得る。(例えば、深度センサの出力をロボット座標フレーム又はグローバル座標フレームに位置合わせするための)深度センサのための較正は、上記で説明した超音波プローブの較正と同じ方法で進めることができる。概して、深度センサは、ピクセル及び深度情報に関して製造業者によって較正される。ロボットシステムとともに使用するために、例えば、本明細書に説明するように、ロボットフレームに対して深度センサの姿勢を較正することが必要とされ得、これは、上述したように、前述した超音波プローブと同様の方法で達成され得る。
【0270】
一部の実施形態では、ロボット医療システムは、複数の異なるセンサ機能を互いに組み合わせて利用することができる。例えば、システムは、超音波プローブと、カメラ又は深度センサと、EM場発生器とを含むことができ、その各々の出力は、較正され、ロボット又はグローバル座標フレームに位置合わせされ得る。これらの実施形態では、超音波プローブは、患者の体内に関する撮像データを提供することができる。同様に、カメラ又は深度センサは、外部生体構造、例えば、患者の位置、並びにCアームなどの手術室内に位置する外部デバイスに関する撮像又は他の情報を提供することができる。これは、ロボット座標フレームに対して患者がどこにいるかを知ることが、システムが、例えば、針挿入部位を特定することを可能にし得るため、有利であり得る。加えて、Cアームなどの、ロボット座標フレームに対する手術室内の他のアイテムの位置を把握することは、システムが、歪みを生じさせ得る物体が電磁場発生器に近接するときを把握することを可能にし得る。
【0271】
3.システムの実施及び用語。
本明細書に開示される実装形態は、ロボット制御可能な電磁場発生器のためのシステム、方法、及び装置を提供する。
【0272】
本明細書で使用するとき、「結合する」、「結合している」、「結合された」という用語、又は結合という単語の他の変形は、間接的接続又は直接的接続のいずれかを示し得ることに留意されたい。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素に「結合される」場合、第1の構成要素は、別の構成要素を介して第2の構成要素に間接的に接続される、又は第2の構成要素に直接的に接続される、のいずれかであってもよい。
【0273】
本明細書に記載される特定のコンピュータにより実施されるプロセス及び機能を参照する語句は、プロセッサ可読媒体又はコンピュータ可読媒体上の1つ又は2つ以上の命令として記憶されてもよい。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ又はプロセッサがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体を指す。一例として、限定するものではないが、かかる媒体は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、コンピュータがアクセスすることができる任意の他の媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、有形であり、非一時的であってもよいことに留意されたい。本明細書で使用するとき、「コード」という用語は、コンピューティングデバイス又はプロセッサによって実行可能であるソフトウェア、命令、コード、又はデータを指すことができる。
【0274】
本明細書に開示される方法は、記載される方法を達成するための1つ又は2つ以上のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換されてもよい。換言すれば、記載されている方法の適切な動作のために特定の順序のステップ又は行為が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱することなく、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用を修正してもよい。
【0275】
本明細書で使用するとき、「複数」という用語は、2つ又は3つ以上を示す。例えば、複数の構成要素は、2つ又は3つ以上の構成要素を示す。「決定する」という用語は、多種多様な行為を包含し、したがって、「決定する」は、計算する、演算する、処理する、算出する、調査する、ルックアップする(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造を見ること)、確認することなどを含み得る。また、「決定する」は、受け取る(例えば、情報を受信すること)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定する」は、解決する、選択する、選出する、確立するなどを含み得る。
【0276】
語句「に基づく」は、別段に明示的に指定されない限り、「のみに基づく」を意味しない。換言すれば、語句「基づく」は、「のみに基づく」及び「少なくとも基づく」の両方を記載する。
【0277】
開示された実装形態の前の説明は、当業者が本明細書で開示された本発明を作成又は使用することを可能にするために提供される。これらの実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、かつ、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用され得る。例えば、当業者であれば、締結、搭載、結合、又は係合ツール構成要素の均等の方法、特定の作動運動を生み出すための均等の機構、及び電気エネルギーを送達するための均等の機構など、多くの対応する代替的かつ均等の構造的詳細を採用することができると理解されるであろう。したがって、本明細書の開示は、明示的に説明された実装形態に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0278】
〔実施の態様〕
(1) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器に結合するように構成され、前記EM場発生器を移動させるように構成された第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
前記EM場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の前記EM場内のEMセンサのEM位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することと、
前記EM場発生器の前記位置に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの位置を決定することと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(2) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM場発生器の前記位置を決定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記EM場発生器が、コンパクトな電磁場発生器(cFG)を備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器に取り外し可能に結合するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 医療器具の移動を制御するように構成された第2のロボットアームを更に備え、
前記ロボット座標フレームが、前記第2のロボットアームに更に関連付けられている、実施態様1に記載のシステム。
【0279】
(6) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、可動カートに結合される、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに結合される、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記EMセンサが、前記医療器具上に位置決めされている、実施態様5に記載のシステム。
(9) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、医療処置中に患者へのアクセスを可能にするために、前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させるように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記EMセンサに対して新しい位置に移動させることと、
前記EM場発生器に関連付けられた前記EM座標フレーム内の前記EM場内の前記EMセンサの新しいEM位置を決定することであって、前記新しいEM位置が、前記EM位置と比較して改善された精度を有する、決定することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0280】
(11) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を移動させて、前記EM場発生器の前記位置及び前記第1のロボットアームの前記位置に基づいて、前記EM場発生器の作業体積内で前記EMセンサを中心に置くように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(12) ロボット医療処置を実施するための方法であって、前記方法が、
第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器を用いてEM場を発生させることであって、前記EM場が、EM座標フレームに関連付けられる、発生させることと、
前記第1のロボットアームの運動学に基づいてロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することと、
前記EM場発生器の前記決定された位置に基づいて、前記EM座標フレームと前記第1のロボットアームに関連付けられた前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定することと、
前記EM座標フレーム内のEMセンサの位置を決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、を含む、方法。
(13) 前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記位置の前記決定が、前記第1のロボットアームの運動学に基づく、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記EM場発生器を前記第1のロボットアームに取り外し可能に結合することを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させることを更に含む、実施態様12に記載の方法。
【0281】
(16) 前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させることが、前記第1のロボットアームに、医療処置中に患者へのアクセスを可能にする位置に前記EM場発生器を移動させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させることが、前記EM場座標フレーム内で前記EMセンサを追跡する際の改善された精度に関連する新しい位置に対して前記EM場発生器を移動させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記第1のロボットアームに前記EM場発生器を移動させることが、前記EM場発生器の作業体積内で前記EMセンサを中心に置くことを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 第2のロボットアームに結合された医療器具を制御することを更に含み、前記ロボット座標フレームが、前記第2のロボットアームに関連付けられる、実施態様12に記載の方法。
(20) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、可動カートに結合される、実施態様19に記載の方法。
【0282】
(21) 前記ロボット医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに対して前記可動カートを位置決めして、ロボット座標フレームと前記患者プラットフォームとの間に既知の空間関係が存在するようにすることを更に含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記ロボット医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに結合される、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記EMセンサが、前記医療器具上に位置決めされている、実施態様19に記載の方法。
(24) 前記EM場発生器が、コンパクトな電磁場発生器(cFG)を備える、実施態様12に記載の方法。
(25) コンピュータプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1のロボットアームの運動学に基づいてロボット座標フレーム内の電磁(EM)場発生器の位置を決定することであって、前記EM場発生器が、前記第1のロボットアームに結合されている、決定することと、
前記EM場発生器の前記決定された位置に基づいて、EM座標フレームと、前記第1のロボットアームに関連付けられた前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定することであって、前記EM座標フレームが、前記EM発生器によって生成されたEM場に関連付けられる、決定することと、
前記EM座標フレーム内のEMセンサの位置を決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0283】
(26) 前記EM場発生器が、コンパクトな電磁場発生器(cFG)を備える、実施態様25に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(27) 前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器に取り外し可能に結合するように構成されている、実施態様25に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(28) 前記コンピュータプログラム命令が、実行されると、更に、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
医療器具の移動を制御するように構成された第2のロボットアームを制御させ、
前記ロボット座標フレームが、前記第2のロボットアームに更に関連付けられている、実施態様25に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(29) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、可動カートに結合される、実施態様28に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(30) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに結合される、実施態様28に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0284】
(31) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器に結合された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器を移動させるように構成されている、第1のロボットアームと、
患者に挿入されるように構成された医療器具であって、前記医療器具が、EMセンサを備える、医療器具と、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
前記EM場内の前記EMセンサの位置を決定することと、
前記EMセンサの前記決定された位置に基づいて、前記第1のロボットアームの移動を命令することによって、前記EM場発生器の位置を調整することと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(32) 前記EMセンサの前記決定された位置に基づいて前記EM場発生器の前記位置を調整することにより、前記EMセンサが前記EM場内の所定の位置に位置決めされる、実施態様1に記載のシステム。
(33) 前記EM場内の前記所定の位置が、前記EM場の作業体積の中心を含む、実施態様32に記載のシステム。
(34) 前記EMセンサの前記決定された位置に基づいて前記EM場発生器の前記位置を調整することが、前記EMセンサが前記EM場の作業体積の所定の領域内に位置決めされるように、前記EM場発生器の前記位置を調整することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(35) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM場内の前記EMセンサの向きを決定することと、
前記EMセンサの前記決定された向きに基づいて、前記第1のロボットアームの移動を命令することによって、前記EM場発生器の向き及び前記位置のうちの少なくとも1つを調整することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0285】
(36) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記EMセンサの前記決定された向きに基づいて、前記EM場発生器の前記向き及び前記位置のうちの前記少なくとも1つを調整し、前記EM場内の前記EMセンサの前記決定された位置の精度を増加させるように構成されている、実施態様35に記載のシステム。
(37) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記医療器具の移動中に、前記EMセンサが前記EM場の作業体積内に位置決めされるように、前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームの移動を命令するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(38) 前記第1のロボットアームを介した前記EM場発生器の前記移動が、前記医療器具の前記移動を追跡する、実施態様37に記載のシステム。
(39) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記EMセンサが前記EM場の前記作業体積の所定の領域内に位置決めされるように、前記医療器具の移動中に前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームの移動を命令するように構成されている、実施態様37に記載のシステム。
(40) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記EMセンサが前記EM場の前記作業体積内の所定の位置に位置決めされるように、前記医療器具の移動中に前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームの移動を命令するように構成されている、実施態様37に記載のシステム。
【0286】
(41) 前記所定の位置が、前記EM場の前記作業体積の中心を含む、実施態様40に記載のシステム。
(42) 第2のロボットアームを更に備え、
前記医療器具が、前記第2のロボットアームに結合されており、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第2のロボットアームによる前記医療器具の移動を命令するように構成されている、実施態様37に記載のシステム。
(43) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、カート及び患者プラットフォームのうちの1つに結合され、前記患者プラットフォームが、医療処置中に患者を支持するように構成されている、実施態様42に記載のシステム。
(44) 前記カート及び前記患者プラットフォームのうちの1つに結合される第3のロボットアームを更に備える、実施態様43に記載のシステム。
(45) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対する前記EM場内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、
前記EM座標フレームと前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせを、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することに基づいて決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、を行うように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0287】
(46) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記位置を決定するように構成されている、実施態様45に記載のシステム。
(47) ロボット医療方法であって、
第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器によって生成されたEM場の作業体積内の医療器具のEMセンサの位置を決定することと、
前記医療器具を移動させることと、
前記医療器具の前記移動に応答して、前記第1のロボットアームに、前記EMセンサが前記EM場発生器の前記作業体積内に位置決めされたままとなるように前記EM場発生器を移動させるように命令することと、を含む、方法。
(48) 前記医療器具が、第2のロボットアームに結合され、
前記医療器具を移動させることが、前記第2のロボットアームを用いて前記医療器具を移動させることを含む、実施態様47に記載の方法。
(49) 前記第2のロボットアームを用いて前記器具を移動させることが、前記第2のロボットアームを関節運動させることを含む、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記医療器具が、器具駆動機構に結合されており、
前記第2のロボットアームを用いて前記医療器具を移動させることが、前記器具駆動機構を用いて前記医療器具を作動させることを含む、実施態様48に記載の方法。
【0288】
(51) 前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームに命令することにより、前記EM場発生器が前記医療器具の前記移動を追跡する、実施態様47に記載の方法。
(52) 前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームに命令することが、前記EMセンサが前記EM場の前記作業体積の所定の領域内に位置決めされるように、前記EM場発生器を移動させることを含む、実施態様47に記載の方法。
(53) 前記EM場発生器を移動させるように前記第1のロボットアームに命令することが、前記EMセンサが前記EM場の前記作業体積内の所定の位置に位置決めされるように、前記EM場発生器を移動させることを含む、実施態様47に記載の方法。
(54) 前記EM場内の前記EMセンサの向きを決定することと、
前記EMセンサの前記決定された向きに基づいて、前記第1のロボットアームの移動を命令することによって、前記EM場発生器の向き及び前記位置のうちの少なくとも1つを調整することと、を更に含む、実施態様47に記載の方法。
(55) 前記EM場の前記向き及び前記位置のうちの前記少なくとも1つを調整することが、前記EM場の前記作業体積内の前記EMセンサの前記決定された位置の精度を増加させる、実施態様54に記載の方法。
【0289】
(56) EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対する前記EM場の前記作業体積内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、
前記EM座標フレームと前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせを、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することに基づいて決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、を更に含む、実施態様47に記載の方法。
(57) 前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記位置を決定することが、前記第1のロボットアームの運動学に基づく、実施態様56に記載の方法。
(58) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器と、
前記EM場発生器に結合され、前記EM場発生器を移動させるように構成された第1のロボットアームと、
前記EM場発生器及び前記第1のロボットアームと通信する1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備え、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM場内の複数のEMセンサの位置を決定することと、
前記複数のEMセンサの前記決定された位置に基づいて、前記EM場発生器の発生器位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記決定された発生器位置に移動させるように命令することと、を行うように構成されている、システム。
(59) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記複数のEMセンサの前記決定された位置の重心を決定することに基づいて、前記発生器位置を決定するように構成されている、実施態様58に記載のシステム。
(60) 患者に挿入されるように構成された細長いシャフトを備える医療器具を更に備え、
前記複数のEMセンサのうちの少なくとも1つが、前記細長いシャフト上に位置決めされている、実施態様58に記載のシステム。
【0290】
(61) 第2のロボットアームを更に備え、
前記第2のロボットアームが、前記第2のロボットアームが前記医療器具を移動させることができるように、前記医療器具に結合される、実施態様60に記載のシステム。
(62) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、カート、又はロボット医療処置中に患者を支持するように構成された患者プラットフォームに結合される、実施態様61に記載のシステム。
(63) 前記EMセンサのうちの少なくとも1つが、前記患者上に位置し、前記患者の呼吸又は他の移動を追跡するように構成されている、パッチセンサを備える、実施態様60に記載のシステム。
(64) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対する前記EM場内の前記複数のEMセンサの前記位置を決定することと、
前記EM座標フレームと前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせを、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の位置を決定することに基づいて決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記位置を決定することと、を行うように更に構成されている、実施態様58に記載のシステム。
(65) 前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記位置の前記決定が、前記第1のロボットアームの運動学に基づく、実施態様64に記載のシステム。
【0291】
(66) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EMセンサのうちの少なくとも1つの移動を検出することと、
前記検出された移動に基づいて、前記EM場発生器の新しい発生器位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記新しい発生器位置に移動させるように命令することと、を行うように更に構成されている、実施態様58に記載のシステム。
(67) ロボット医療処置中に電磁(EM)場発生器を位置決めするための方法であって、前記方法が、
第1のロボットアームに結合されたEM場発生器を用いてEM場を発生させることと、
前記EM場内の複数のEMセンサの位置を決定することと、
前記複数のEMセンサの前記決定された位置に基づいて、前記EM場発生器の発生器位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記発生器位置に移動させるように命令することと、を含む、方法。
(68) 前記複数のEMセンサの前記決定された位置の重心を決定することに基づいて、前記発生器位置を決定することを更に含む、実施態様67に記載の方法。
(69) 前記複数のEMセンサのうちの少なくとも1つが、医療器具の細長いシャフト上に位置決めされる、実施態様67に記載の方法。
(70) 前記医療器具が、第2のロボットアームに結合される、実施態様69に記載の方法。
【0292】
(71) 前記EMセンサのうちの少なくとも1つが、患者上に位置決めされ、前記患者の呼吸又は他の移動を追跡するように構成されている、パッチセンサを備える、実施態様70に記載の方法。
(72) EM場発生器に関連付けられたEM座標フレームに対する前記EM場内の前記複数の電磁(EM)センサの前記位置を決定することと、
前記EM座標フレームと前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームとの間の位置合わせを、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の発生器位置を決定することに基づいて決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記複数のEMセンサの前記位置を決定することと、を更に含む、実施態様67に記載の方法。
(73) 前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記発生器位置の前記決定が、前記第1のロボットアームの運動学に基づく、実施態様68に記載の方法。
(74) 前記複数の前記EMセンサのうちの少なくとも1つの移動を検出することと、
前記検出された移動に基づいて、前記EM場発生器の新しい発生器位置を決定することと、
前記第1のロボットアームに、前記EM場発生器を前記新しい発生器位置に移動させるように命令することと、を更に含む、実施態様67に記載の方法。
(75) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器と、
前記EM場発生器に結合され、それを移動させるように構成された第1のロボットアームと、
軸に沿って延在する経皮的に挿入可能な器具と、
前記経皮的に挿入可能な器具に結合され、それを移動させるように構成された第2のロボットアームと、
患者内に位置決めされるように構成されたEMターゲットと、
前記EM場発生器及び前記第1のロボットアームと通信する1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備え、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記EM場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、前記経皮的に挿入可能な器具の前記軸を前記EMターゲットと整合させるように前記第2のロボットアームを移動させることと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記EMターゲットに向かって前記軸に沿って前記経皮的に挿入可能な器具の挿入を引き起こすことと、を行うように構成されている、システム。
【0293】
(76) 前記位置合わせが、前記ロボット座標フレーム内の前記EM場発生器の前記位置に基づいて決定され、
前記ロボット座標フレームを有する前記EM場発生器の前記位置が、前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて決定される、実施態様75に記載のシステム。
(77) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記位置合わせを使用して、前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置にマッピングすることと、を行うことによって、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を決定するように構成されている、実施態様76に記載のシステム。
(78) 前記患者に挿入されるように構成されたロボット医療器具と、
前記ロボット医療器具に結合され、それを制御するように構成された第3のロボットアームと、を更に備え、
前記EMターゲットが、前記ロボット医療器具上に位置決めされたEMセンサを備える、実施態様75に記載のシステム。
(79) 前記経皮的に挿入可能な器具が、針、アクセスシース、及び腹腔鏡器具のうちの1つを備える、実施態様75に記載のシステム。
(80) ロボット医療システムであって、
経皮的に挿入可能な器具を挿入軸に沿って誘導するように構成された器具ガイドであって、前記器具ガイドが、電磁(EM)場発生器上に位置決めされるように構成されており、前記EM場発生器が、EM場を発生させるように構成されている、器具ガイドと、
前記EM場発生器に結合されるように構成された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、前記EM場発生器及び前記器具ガイドを移動させるように更に構成されている、第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
患者内に位置決めされたEMターゲットを決定することと、
前記EM場に関連付けられたEM座標フレーム内の位置を、前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に関連付けられたロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、前記第1のロボットアームを移動させて、前記器具ガイドの前記挿入軸を前記EMターゲットと整合させることと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【0294】
(81) 軸に沿って延在する経皮的に挿入可能な器具と結合するように構成された第2のロボットアームを更に備え、前記第2のロボットアームが、前記経皮的に挿入可能な器具を移動させるように更に構成されており、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第2のロボットアームを使用して、前記経皮的に挿入可能な器具の前記軸を前記挿入軸と整合させることと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記EMターゲットに向かって前記挿入軸に沿って前記器具ガイドを通して前記経皮的に挿入可能な器具を挿入することと、を行うように更に構成されている、実施態様80に記載のロボット医療システム。
(82) ロボット医療器具と結合するように構成された第3のロボットアームを更に備え、前記第3のロボットアームが、前記ロボット医療器具が前記患者に挿入されている間に前記ロボット医療器具を制御するように更に構成されており、前記EMターゲットが、前記ロボット医療器具上に配置されたEMセンサを備える、実施態様81に記載のシステム。
(83) 前記位置合わせが、前記ロボットフレーム内の前記EM場発生器の位置に基づいて決定され、
前記ロボット座標フレームを有する前記EM場発生器の前記位置が、前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて決定される、実施態様80に記載のシステム。
(84) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置にマッピングすることと、を行うように構成されることによって、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を決定するように構成されている、実施態様83に記載のシステム。
(85) 前記経皮的に挿入可能な器具が、針、アクセスシース、及び腹腔鏡器具のうちの1つを備える、実施態様80に記載のシステム。
【0295】
(86) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器に結合し、それを移動させるように構成された第1のロボットアームであって、前記EM場発生器が、EM場を発生させるように構成されている、第1のロボットアームと、
器具ガイドを移動させるように結合するように構成された第2のロボットアームであって、前記器具ガイドが、経皮的に挿入可能な器具を挿入軸に沿って誘導するように構成されている、第2のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
患者内に位置決めされたEMターゲットを決定することと、
前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記EM場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、前記第2のロボットアームを移動させて、前記器具ガイドの前記挿入軸を前記EMターゲットと整合させることと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(87) 前記経皮的に挿入可能な器具に結合し、それを移動させるように構成された第3のロボットアームを更に備え、前記経皮的に挿入可能な器具が、軸に沿って延在し、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記第3のロボットアームを使用して、前記経皮的に挿入可能な器具の前記軸を前記挿入軸と整合させることと、
前記第3のロボットアームを使用して、前記EMターゲットに向かって前記挿入軸に沿って前記器具ガイドを通して前記経皮的に挿入可能な器具を挿入することと、を行うように更に構成されている、実施態様86に記載のロボット医療システム。
(88) ロボット医療器具に結合し、それを制御するように構成された第4のロボットアームを更に備え、前記ロボット医療器具が、前記患者に挿入されるように構成されており、
前記EMターゲットが、前記ロボット医療器具上に位置決めされたEMセンサを備える、実施態様87に記載のシステム。
(89) 前記位置合わせが、前記ロボットフレーム内の前記EM場発生器の位置に基づいて決定され、
前記ロボット座標フレームを有する前記EM場発生器の前記位置が、前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて決定される、実施態様86に記載のシステム。
(90) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記位置合わせを使用して、前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置にマッピングすることと、を行うように構成されることに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を決定するように構成されている、実施態様89に記載のシステム。
【0296】
(91) 前記経皮的に挿入可能な器具が、針、アクセスシース、及び腹腔鏡器具のうちの1つを備える、実施態様86に記載のシステム。
(92) ロボット医療方法であって、
第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、経皮的に挿入可能な器具に結合された第2のロボットアームを移動させて、前記経皮的に挿入可能な器具の軸を前記EMターゲットと整合させることと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記EMターゲットに向かって前記軸に沿って前記経皮的に挿入可能な器具の挿入を引き起こすことと、を含む、方法。
(93) 前記位置合わせを決定することが、前記ロボットフレーム内の前記EM場発生器の前記位置に基づいて前記位置合わせを決定することを含み、前記ロボット座標フレームを有する前記EM場発生器の前記位置が、前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて決定される、実施態様92に記載の方法。
(94) 前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記決定することが、
前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの位置を決定することと、
前記位置合わせを使用して、前記EM座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置を前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置にマッピングすることと、を含む、実施態様93に記載の方法。
(95) ロボット医療器具に結合され、それを制御するように構成された第3のロボットアームを使用して、患者内で前記ロボット医療器具をナビゲートすることを更に含み、
前記EMターゲットが、前記ロボット医療器具上に位置決めされたEMセンサを備える、実施態様92に記載の方法。
【0297】
(96) 前記経皮的に挿入可能な器具が、針、アクセスシース、及び腹腔鏡器具のうちの1つを備える、実施態様92に記載の方法。
(97) ロボット医療方法であって、
第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、前記第1のロボットアームを移動させて、前記EM場発生器上に位置決めされた器具ガイドの挿入軸を前記EMターゲットと整合させることであって、前記器具ガイドが、前記挿入軸に沿って経皮的に挿入可能な器具を誘導するように構成されている、ことと、を含む、方法。
(98) ロボット医療方法であって、
第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器に関連付けられたEM座標フレーム内の位置をロボット座標フレーム内の位置にマッピングする位置合わせを決定することと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMターゲットの位置を決定することと、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMターゲットの前記位置に基づいて、第2のロボットアームを移動させて、前記第2のロボットアームに結合された器具ガイドの挿入軸を前記EMターゲットと整合させることと、を含む、方法。
(99) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器に結合され、それを移動させるように構成された第1のロボットアームであって、前記EM場発生器が、EMセンサの位置がEM座標フレームに対して決定され得る作業体積を有するEM場を発生させるように構成されている、第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
前記第1のロボットアームを使用して前記EM場発生器を移動させることと、
EMセンサが前記作業体積内で検出された場合に、
(i)前記EM座標フレームに対する前記作業体積内の前記EMセンサの位置を決定することと、
(ii)前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記EMセンサの前記位置を前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームにマッピングすることと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(100) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のロボットアームを使用して、探索経路に沿って前記EM場発生器を移動させるように構成されており、前記探索経路が、前記作業体積よりも大きい治療体積を通して前記作業体積を掃引し、前記治療体積内のEMセンサの位置を特定するように構成されている、実施態様99に記載のシステム。
【0298】
(101) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの前記決定された位置に基づいて、追跡経路を決定することと、
前記EMセンサの前記位置を追跡するように、前記第1のロボットアームを使用して前記追跡経路に沿って前記EM場発生器を移動させることと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記追跡経路に沿って前記EM場発生器を移動させることと、を行うように更に構成されている、実施態様100に記載のシステム。
(102) 前記EM場発生器が前記追跡経路に沿って移動した場合、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、
(i)前記EM座標フレームに対する前記作業体積内の前記EMセンサの前記位置を再決定することと、
(ii)前記第1のロボットアームの前記運動学的姿勢に基づいて、前記EMセンサの前記位置を前記ロボット座標フレームに再マッピングすることと、
(iii)更新された追跡経路を決定することと、を行うように構成されている、実施態様101に記載のシステム。
(103) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場発生器に結合され、それを移動させるように構成された第1のロボットアームであって、前記EM場発生器が、EMセンサの位置がEM座標フレームに対して決定され得る作業体積を有するEM場を発生させるように構成されている、第1のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のプロセッサであって、
(i)前記EM場発生器が第1の位置にある状態で、
前記EM座標フレームに対する前記作業体積内の第1のEMセンサの位置を決定することと、
前記EM場発生器が前記第1の位置にある状態での前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記第1のEMセンサの前記位置を前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームにマッピングすることと、
(ii)前記EM場発生器を第2の位置に移動させることと、
(iii)前記EM場発生器が前記第2の位置にある状態で、
前記EM座標フレームに対する前記作業体積内の第2のEMセンサの位置を決定することと、
前記EM場発生器が前記第2の位置にある状態での前記第1のロボットアームの前記運動学に基づいて、前記第2のEMセンサの前記位置を前記ロボット座標フレームにマッピングすることと、を行うように構成された、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(104) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、第1のEMセンサ及び前記第2のEMセンサが前記EM場発生器の前記作業体積内に同時に位置しないように、前記第1のロボットアームを移動させるように更に構成されている、実施態様103に記載のシステム。
(105) 前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記第1のEMセンサ及び前記第2のEMセンサの前記位置を追跡するために前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記EM場発生器を移動させるように更に構成されている、実施態様103に記載のシステム。
【0299】
(106) 方法であって、
第1のロボットアームを使用して、前記第1のロボットアーム上に位置決めされた電磁(EM)場発生器を移動させることと、
EMセンサが作業体積内で検出された場合に、
(i)EM座標フレームに対する、前記EM場発生器によって発生されたEM場の作業体積内の前記EMセンサの位置を決定することと、
(ii)前記第1のロボットアームの運動学的姿勢に基づいて、前記EMセンサの前記位置を前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームにマッピングすることと、を含む、方法。
(107) 方法であって、
(i)第1のロボットアームに結合された電磁(EM)場発生器が第1の位置にある状態で、
前記EM座標フレームに対する、前記EM場発生器によって生成されたEM場の作業体積内の第1のEMセンサの位置を決定することと、
前記EM場発生器が前記第1の位置にある状態での前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記第1のEMセンサの前記位置を前記第1のロボットアームに関連付けられたロボット座標フレームにマッピングすることと、
(ii)前記第1のロボットアームを使用して前記EM場発生器を第2の位置に移動させることと、
(iii)前記EM場発生器が前記第2の位置にある状態で、
前記EM座標フレームに対する前記作業体積内の第2のEMセンサの位置を決定することと、
前記EM場発生器が前記第2の位置にある状態での前記第1のロボットアームの前記運動学に基づいて、前記第2のEMセンサの前記位置を前記ロボット座標フレームにマッピングすることと、を含む、方法。
(108) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器に結合された第1のロボットアームと、
EMセンサと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記EMセンサがある場所に留まっている間に、ロボット軌道に沿った前記EM場発生器の移動を引き起こすように、前記第1のロボットアームにコマンドを送信することと、
前記EM場発生器が前記ロボット軌道に沿って移動した期間に対応する、前記EM場内の前記EMセンサのEMセンサ軌道を検出することと、
前記ロボット軌道及び前記EMセンサ軌道を分析して、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の差を決定することと、
前記差と閾値との間の比較に基づいて前記場所におけるEM歪みを検出することと、を行うように構成されている、システム。
(109) 前記プロセッサが、前記第1のロボットアームに対応する運動学的データに基づいて前記ロボット軌道を決定するように構成されている、実施態様108に記載のシステム。
(110) 前記プロセッサが、前記第1のロボットアームの移動に関連付けられた誤差要因又はEMセンサノイズに関連付けられた誤差要因のうちの少なくとも1つに基づいて、前記閾値を決定するように構成されている、実施態様108に記載のシステム。
【0300】
(111) 前記プロセッサが、前記ロボット軌道の形状と前記EMセンサ軌道の形状との比較に基づいて、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差を決定するように構成されている、実施態様108に記載のシステム。
(112) 前記プロセッサが、前記ロボット軌道に沿った複数の点と前記EMセンサ軌道に沿った対応する複数の点との比較に基づいて、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差を決定するように構成されている、実施態様108に記載のシステム。
(113) 前記複数の点の各々が、前記EM場発生器の前記移動に関連付けられた時間に対して決定される、実施態様112に記載のシステム。
(114) 前記プロセッサが、前記場所における前記EM歪みを検出すると、前記第1のロボットアームを用いて前記EM場発生器を再位置決めし、前記場所における前記EM歪みを低減させるように更に構成されている、実施態様108に記載のシステム。
(115) 前記プロセッサが、
前記EMセンサが前記場所に留まっている間に、第2のロボット軌道に沿った前記EM場発生器の移動を引き起こすように、前記第1のロボットアームに追加のコマンドを送信することと、
前記EM場発生器が前記第2のロボット軌道に沿って移動した期間に対応する、前記EM場内の前記EMセンサの第2のEMセンサ軌道を検出することと、
前記第2のロボット軌道及び前記第2のEMセンサ軌道を分析して、前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の差を決定することと、
前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の前記差と、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差とを比較することと、を行うように構成されていることによって、前記第1のロボットアームを用いて前記EM場発生器を再位置決めして、前記場所における前記EM歪みを低減するように構成されている、実施態様114に記載のシステム。
【0301】
(116) 前記プロセッサが、前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の前記差が、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差よりも小さい場合に、前記第2のロボット軌道に沿った点に前記EM場発生器を位置決めするように構成されている、実施態様115に記載のシステム。
(117) ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサのセットによって実行される方法であって、前記方法が、
電磁(EM)センサがある場所に留まっている間に、第1のロボットアームに、EM場発生器を第1の場所から第2の場所に移動させるように命令することと、
前記第1の場所から前記第2の場所に移動する前記EM場発生器に関連付けられたロボット軌道を決定することと、
EM場内の前記EMセンサのEMセンサ軌道を検出することであって、前記EMセンサ軌道が、前記EM場発生器が前記ロボット軌道に沿って移動した期間に関連付けられる、検出することと、
前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の差を決定することと、
前記差と歪み閾値との比較に基づいて、前記場所におけるEM歪みを検出することと、を含む、方法。
(118) 前記ロボット軌道を決定することが、前記第1のロボットアームに対応する運動学的データを使用することに更に基づく、実施態様117に記載の方法。
(119) 前記第1の場所から前記第2の場所に移動する前記EM場発生器に関連付けられた前記ロボット軌道を決定することが、前記第1のロボットアームの移動に関連付けられた誤差要因を補償することを含む、実施態様117に記載の方法。
(120) 前記EMセンサ軌道を検出することが、EMセンサノイズに関連付けられた誤差要因を補償することを含む、実施態様117に記載の方法。
【0302】
(121) 前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差を決定することが、前記ロボット軌道の形状を前記EMセンサ軌道の形状と比較することを更に含む、実施態様117に記載の方法。
(122) 前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差を決定することが、前記ロボット軌道に沿った複数の点を前記EMセンサ軌道に沿った対応する複数の点と比較することを更に含む、実施態様117に記載の方法。
(123) 前記複数の点の各々が、前記EM場発生器の前記移動に関連付けられた時間に対して決定される、実施態様122に記載の方法。
(124) 前記場所における前記EM歪みを検出すると、前記第1のロボットアームを用いて前記EM場発生器を再位置決めして、前記場所における前記EM歪みを低減することを更に含む、実施態様117に記載の方法。
(125) 前記EMセンサが前記場所に留まっている間に、第2のロボット軌道に沿った前記EM場発生器の移動を引き起こすように、前記第1のロボットアームに命令することと、
前記EM場内の前記EMセンサの第2のEMセンサ軌道を検出することであって、前記第2のEMセンサ軌道が、前記EM場発生器が前記第2のロボット軌道に沿って移動した期間に関連付けられる、検出することと、
前記第2のロボット軌道及び前記第2のEMセンサ軌道を分析して、前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の差を決定することと、
前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の前記差と、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差とを比較することと、を更に含む、実施態様117に記載の方法。
【0303】
(126) 前記第2のロボット軌道と前記第2のEMセンサ軌道との間の前記差が、前記ロボット軌道と前記EMセンサ軌道との間の前記差よりも小さい場合に、前記第2のロボット軌道に沿った点に前記EM場発生器を位置決めすることを更に含む、実施態様125に記載の方法。
(127) ロボット医療システムであって、
電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器に結合された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、ロボット座標フレームに関連付けられ、前記EM場発生器が、EM座標フレームに関連付けられる、第1のロボットアームと、
EMセンサと、
前記第1のロボットアームと通信するプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記EM場発生器が前記EMセンサの場所に対して第1のEM場発生器位置にある状態での前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の第1の位置合わせを決定することと、
前記第1の位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの第1のEMセンサ位置を決定することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記EMセンサに対して前記EM場発生器を前記第1のEM場発生器位置から第2のEM場発生器位置に移動させることと、
前記EM場発生器が前記EMセンサの前記場所に対して前記第2のEM場発生器位置にある状態での前記第1のロボットアームの前記運動学に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の第2の位置合わせを決定することと、
前記第2の位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの第2のEMセンサ位置を決定することと、
前記第1のEMセンサ位置と前記第2のEMセンサ位置との間の差を決定することと、
前記差と閾値との間の比較に基づいて前記場所におけるEM歪みを検出することと、を行うように構成されている、システム。
(128) 前記プロセッサが、位置歪みを決定するように更に構成されている、実施態様127に記載のシステム。
(129) 前記プロセッサが、向きの歪みを決定するように更に構成されている、実施態様127に記載のシステム。
(130) 前記閾値が、前記第1のロボットアームの運動に関連付けられた誤差要因又はEMセンサノイズに関連付けられた誤差要因のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、実施態様127に記載のシステム。
【0304】
(131) 方法であって、
電磁(EM)場発生器を第1のロボットアームに結合することであって、前記EM場発生器が、EM座標フレームに関連付けられたEM場を発生させるように構成され、前記第1のロボットアームが、ロボット座標フレームに関連付けられる、結合することと、
前記EM場発生器がEMセンサの場所に対して第1のEM場発生器位置にある状態での前記第1のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の第1の位置合わせを決定することと、
前記第1の位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの第1のEMセンサ位置を決定することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記EMセンサに対して前記EM場発生器を前記第1のEM場発生器位置から第2のEM場発生器位置に移動させることであって、前記EMセンサが、前記移動中に静止したままである、移動させることと、
前記EM場発生器が前記第2のEM場発生器位置にある状態での前記第1のロボットアームの前記運動学及び前記EMセンサの前記場所に基づいて、前記EM座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の第2の位置合わせを決定することと、
前記第2の位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内の前記EMセンサの第2のEMセンサ位置を決定することと、
前記第1のEMセンサ位置と前記第2のEMセンサ位置との間の差を決定することと、
前記差が閾値を超えることに基づいて、前記場所におけるEM歪みを検出することと、を含む、方法。
(132) ロボット医療システムであって、
超音波プローブに結合された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、前記超音波プローブの位置を調整するために移動するように構成され、前記第1のロボットアームが、ロボット座標フレームに関連付けられる、第1のロボットアームと、
前記第1のロボットアーム及び前記超音波プローブと通信するプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第1の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第1の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第1の超音波画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第2の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第2の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第2の超音波画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第3の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第3の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第3の超音波画像を捕捉することと、
前記ロボット座標フレームに対して前記超音波プローブの撮像面を、
前記第1の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第1の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第1の運動学と、
前記第2の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第2の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第2の運動学と、
前記第3の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第3の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて、較正することと、を行うように構成されている、システム。
(133) 電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器であって、前記EM場発生器が、EM座標フレームに関連付けられる、EM場発生器と、
前記EM場発生器の位置を調整するために移動するように構成された第2のロボットアームであって、前記第2のロボットアームが、前記ロボット座標フレームに関連付けられる、第2のロボットアームと、を更に備え、
前記プロセッサが、
前記第2のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM場座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定するように更に構成されている、実施態様132に記載のシステム。
(134) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記ロボット座標フレーム内の前記第1のロボットアームと前記第2のロボットアームとの間の関係を規定するカート又は患者プラットフォームに取り付けられている、実施態様133に記載のシステム。
(135) 前記EM場内で検出可能なEMセンサを更に備え、前記プロセッサが、前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMセンサ位置を決定するように更に構成されている、実施態様133に記載のシステム。
【0305】
(136) 前記プロセッサが、
前記超音波プローブの前記撮像面を表示することと、
前記超音波プローブの前記表示された撮像面上に前記決定されたEMセンサ位置の指示をオーバーレイすることと、を行うように更に構成されている、実施態様135に記載のシステム。
(137) 方法であって、
超音波プローブを第1のロボットアームに結合することであって、前記第1のロボットアームが、前記超音波プローブの位置を調整するために移動するように構成され、前記第1のロボットアームが、ロボット座標フレームに関連付けられる、結合することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第1の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第1の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第1の超音波画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第2の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第2の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第2の超音波画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記超音波プローブを第3の超音波プローブ位置に移動させることと、
前記超音波プローブが前記第3の超音波プローブ位置に位置決めされた状態で第3の超音波画像を捕捉することと、
前記ロボット座標フレームに対して前記超音波プローブの撮像面を、
前記第1の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第1の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第1の運動学と、
前記第2の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第2の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第2の運動学と、
前記第3の超音波画像と、前記超音波プローブが前記第3の超音波プローブ位置にある状態での前記第1のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて、較正することと、を含む、方法。
(138) 電磁(EM)場発生器を第2のロボットアームに結合することであって、前記EM場発生器が、EM場を発生させるように構成され、前記EM場発生器が、EM座標フレームに関連付けられ、前記第2のロボットアームが、前記EM場発生器の位置を調整するように移動するように構成され、前記第2のロボットアームが、前記ロボット座標フレームに関連付けられる、結合することと、
前記第2のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM場座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定することと、を更に含む、実施態様137に記載の方法。
(139) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記ロボット座標フレーム内の前記第1のロボットアームと前記第2のロボットアームとの間の関係を規定するカート又は患者プラットフォームに取り付けられている、実施態様138に記載の方法。
(140) 前記EM場内にEMセンサを位置決めすることと、
前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMセンサ位置を決定することと、を更に含む、実施態様138に記載の方法。
【0306】
(141) 前記超音波プローブの前記撮像面を表示することと、
前記決定されたEMセンサ位置の指示を、前記超音波プローブの前記表示された撮像面上にオーバーレイすることと、を更に含む、実施態様140に記載の方法。
(142) ロボット医療システムであって、
第1の撮像デバイスに結合された第1のロボットアームであって、前記第1のロボットアームが、前記第1の撮像デバイスの位置を調整するために移動するように構成され、前記第1のロボットアームが、ロボット座標フレームに関連付けられる、第1のロボットアームと、
前記第1のロボットアーム及び前記第1の撮像デバイスと通信するプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記第1のロボットアームを使用して、前記第1の撮像デバイスを第1の位置に移動させることと、
前記第1の撮像デバイスが前記第1の位置に位置決めされた状態で第1の画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記第1の撮像デバイスを第2の位置に移動させることと、
前記第1の撮像デバイスが前記第2の位置に位置決めされた状態で第2の画像を捕捉することと、
前記第1のロボットアームを使用して、前記第1の撮像デバイスを第3の位置に移動させることと、
前記第1の撮像デバイスが前記第3の位置に位置決めされた状態で第3の画像を捕捉することと、
前記ロボット座標フレームに対して前記第1の撮像デバイスを、
前記第1の画像と、前記第1の撮像デバイスが前記第1の位置にある状態での前記第1のロボットアームの第1の運動学と、
前記第2の画像と、前記第1の撮像デバイスが前記第2の位置にある状態での前記第1のロボットアームの第2の運動学と、
前記第3の画像と、前記第1の撮像デバイスが前記第3の位置にある状態での前記第1のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて、較正することと、を行うように構成されている、システム。
(143) 第2の撮像デバイスに結合された第2のロボットアームを更に備え、前記第2のロボットアームが、前記第2の撮像デバイスの位置を調整するために移動するように構成され、前記第2のロボットアームが、前記ロボット座標フレームに関連付けられており、
前記プロセッサが、前記第2のロボットアーム及び前記第2の撮像デバイスと通信し、前記プロセッサが、
前記第2のロボットアームを使用して、前記第2の撮像デバイスを第1の位置に移動させることと、
前記第2の撮像デバイスが前記第1の位置に位置決めされた状態で第1の画像を捕捉することと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記第2の撮像デバイスを第2の位置に移動させることと、
前記第2の撮像デバイスが前記第2の位置に位置決めされた状態で第2の画像を捕捉することと、
前記第2のロボットアームを使用して、前記第2の撮像デバイスを第3の位置に移動させることと、
前記第2の撮像デバイスが前記第3の位置に位置決めされた状態で第3の画像を捕捉することと、
前記ロボット座標フレームに対して前記第2の撮像デバイスを、
前記第1の画像と、前記第2の撮像デバイスが前記第1の位置にある状態での前記第2のロボットアームの第1の運動学と、
前記第2の画像と、前記第2の撮像デバイスが前記第2の位置にある状態での前記第2のロボットアームの第2の運動学と、
前記第3の画像と、前記第2の撮像デバイスが前記第3の位置にある状態での前記第2のロボットアームの第3の運動学と、に基づいて、較正することと、を行うように構成されている、実施態様142に記載のシステム。
(144) 前記第1の撮像デバイスが、超音波プローブ、カメラ、又は深度センサのうちの1つを備える、実施態様142に記載のシステム。
(145) 前記第2の撮像デバイスが、超音波プローブ、カメラ、又は深度センサのうちの1つを備える、実施態様144に記載のシステム。
【0307】
(146) 電磁(EM)場を発生させるように構成されたEM場発生器であって、前記EM場発生器が、EM座標フレームに関連付けられる、EM場発生器と、
前記EM場発生器の位置を調整するために移動するように構成された第3のロボットアームであって、前記第3のロボットアームが、前記ロボット座標フレームに関連付けられる、第3のロボットアームと、を更に備え、
前記プロセッサが、
前記第3のロボットアームの運動学に基づいて、前記EM場座標フレームと前記ロボット座標フレームとの間の位置合わせを決定するように更に構成されている、実施態様143に記載のシステム。
(147) 前記EM場内で検出可能なEMセンサを更に備え、前記プロセッサが、前記位置合わせに基づいて、前記ロボット座標フレーム内のEMセンサ位置を決定するように更に構成されている、実施態様146に記載のシステム。
(148) 前記プロセッサが、
前記第1の撮像デバイス又は前記第2の撮像デバイスからの画像を表示することと、
前記決定されたEMセンサ位置の指示を前記表示された画像上にオーバーレイすることと、を行うように更に構成されている、実施態様147に記載のシステム。