(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】飲料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/66 20060101AFI20241108BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20241108BHJP
A23L 2/62 20060101ALI20241108BHJP
A23L 2/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A23L2/00 J
A23L2/00 B
A23L2/00 L
A23L2/02 A
A23L2/02 C
(21)【出願番号】P 2020027486
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】山中 理華子
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-199855(JP,A)
【文献】特開2012-244913(JP,A)
【文献】特開2019-062784(JP,A)
【文献】特開2019-176841(JP,A)
【文献】特開2007-159557(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110353136(CN,A)
【文献】再公表特許第2007/125888(JP,A1)
【文献】ユーグレナ、ペットボトル飲料「おいしいユーグレナ」シリーズの「野菜と乳酸菌」など3商品を発売,日本経済新聞[オンライン],2018年07月17日,[検索日:2024年1月18日],https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP485416_X10C18A7000000/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラーゲンペプチドと、果汁とを含み、前記コラーゲンペプチドの含有量が0.5~3.0質量%であり、前記果汁が混濁果汁を含み、
前記混濁果汁が、もも混濁果汁及びりんご混濁果汁の一方又は両方を含み、前記混濁果汁の総質量に対して、前記もも混濁果汁と前記りんご混濁果汁の合計の含有量が70質量%以上であり、
前記果汁由来の不溶性固形分の含有量が0.02
~0.25質量%である、飲料。
【請求項2】
20℃におけるpHが2.6~4.4である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
20℃における糖度が3.5~8.5°Brixである、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項4】
20℃における粘度が15mPa・s以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項5】
前記不溶性固形分のメジアン径が0.1~60μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項6】
前記コラーゲンペプチドの分子量が2000~9000である、請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項7】
コラーゲンペプチドと、果汁を含む原料を混合して、飲料を製造する方法であって、
前記原料の総質量に対して、前記コラーゲンペプチドの含有量が0.5~3.0質量%であり、前記果汁が混濁果汁を含み、
前記混濁果汁が、もも混濁果汁及びりんご混濁果汁の一方又は両方を含み、前記混濁果汁の総質量に対して、前記もも混濁果汁と前記りんご混濁果汁の合計の含有量が70質量%以上であり、
前記原料の総質量に対して
前記果汁由来の不溶性固形分の含有量が0.02
~0.25質量%である、飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンを含む飲料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンを日常的に摂取することで、様々な生理効果が得られることが知られているが、コラーゲンは独特の不快臭(獣臭)があり、飲料に添加すると風味が損なわれやすい。
特許文献1には、コラーゲンペプチドを含む飲料の生臭さを改善する方法として、飲料にザクロ果汁とフィチン酸を含有させる方法が記載されている。フィチン酸は、酸味料等として使用される食品添加物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は添加物でコラーゲン臭を抑える方法であるが、添加物の使用は極力少ない方が好まれる。
本発明は、コラーゲンを含みながら、コラーゲン臭が抑えられた飲料及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を有する。
[1] コラーゲンペプチドと、果汁とを含み、前記コラーゲンペプチドの含有量が0.5~3.0質量%であり、前記果汁が混濁果汁を含み、不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である、飲料。
[2] 20℃におけるpHが2.6~4.4である、[1]の飲料。
[3] 20℃における糖度が3.5~8.5°Brixである、[1]又は[2]の飲料。
[4] 20℃における粘度が15mPa・s以下である、[1]~[3]のいずれかの飲料。
[5] 前記不溶性固形分のメジアン径が0.1~60μmである、[1]~[4]のいずれかの飲料。
[6] 前記果汁が、もも果汁及びりんご果汁の一方又は両方を含む、[1]~[5]のいずれかの飲料。
[7] 前記コラーゲンペプチドの分子量が2000~9000である、[1]~[6]のいずれかの飲料。
[8] コラーゲンペプチドと、果汁を含む原料を混合して、飲料を製造する方法であって、前記原料の総質量に対して、前記コラーゲンペプチドの含有量が0.5~3.0質量%であり、前記果汁が混濁果汁を含み、前記原料の総質量に対して、不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である、飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コラーゲンを含みながら、コラーゲン臭が抑えられた飲料が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において以下の定義が適用される。
混濁果汁とは、食物繊維(例えばプロトペクチン)などの不溶性固形分を含む果汁を意味する。これに対して、遠心分離法や酵素分解により可溶化する方法等を用いて、不溶性固形分を取り除いた果汁を透明果汁という。
果汁を遠心分離法により固液分離して得られる固形分の凍結乾燥物の質量を、不溶性固形分の質量とする。
果汁を、必要に応じて希釈した試料について、レーザー回折法で測定した粒度分布を、不溶性固形分の粒度分布とする。
前記粒度分布における体積基準のメジアン径を、不溶性固形分のメジアン径とする。
コラーゲンベプチドの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
【0008】
pHは、20℃における値である。
糖度は、20℃における糖用屈折計示度(単位:°Brix)である。
粘度は、測定温度20℃にて、音叉振動式粘度計(株式会社エー・アンド・デイ、SV-10A)で測定した値(単位:mPa・s)である。
酸度は、試料を0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pH8.2となるまでに消費した水酸化ナトリウム溶液の量から、クエン酸を換算値として算出した値(単位:質量%)である。
【0009】
本実施形態の飲料はコラーゲンペプチドと、果汁を含む。果汁は少なくとも混濁果汁を含む。
[コラーゲンペプチド]
コラーゲンペプチドは、コラーゲンを酵素等で分解して低分子化したものである。分子量は2000~9000が好ましく、4000~8000がより好ましい。コラーゲンペプチドの原料は特に限定されない。例えば牛由来、豚由来、魚由来等のコラーゲンペプチドであってよい。コラーゲンペプチドは市販品から入手できる。例えば分子量が4000~8000であるコラーゲンペプチドの市販品として、ニッピペプタイドPRA(商品名、(株)ニッピ製、豚由来)、SCP5100(商品名、新田ゼラチン社製、豚由来)等が挙げられる。
コラーゲンペプチドは1種でもよく、分子量や原料等が異なる2種以上を併用してもよい。
飲料の総質量に対して、コラーゲンペプチドの含有量は0.5~3.0質量%であり、0.5~2.0質量%が好ましく、0.5~1.0質量%がより好ましい。
【0010】
[混濁果汁]
混濁果汁は原料(果実や野菜)を搾汁して得られた搾汁液、又は搾汁液を濃縮した濃縮果汁が好ましい。
濃縮果汁の濃縮倍率は特に限定されない。ここで「濃縮倍率」は、搾汁液を100%としたときの相対的濃縮倍率である。例えば、10°Brixの搾汁液を濃縮して50°Brixの濃縮液を得た場合、濃縮倍率は5倍となる。
混濁果汁は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
混濁果汁は、充分なコラーゲン臭抑制効果が得られやすい点で、もも混濁果汁及びりんご混濁果汁の一方又は両方を含むことが好ましい。
混濁果汁の総質量に対して、もも混濁果汁とりんご混濁果汁の合計の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
【0011】
飲料の総質量に対して、果汁由来の不溶性固形分の含有量は0.02質量%以上であり、0.02~0.25質量%が好ましく、0.03~0.25質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると充分なコラーゲン臭抑制効果が得られやすい。
【0012】
果汁由来の不溶性固形分のメジアン径は0.1~60μmが好ましく、0.1~40μmがより好ましく0.1~20μmがさらに好ましい。
混濁果汁を2種以上混合して用いる場合、それらの混合物の不溶性固形分のメジアン径が上記の範囲内であることが好ましい。
不溶性固形分の粒度分布は、例えば酵素分解や、機械的せん断をかけることにより調整できる。
【0013】
[透明果汁]
本実施形態の飲料は、コラーゲンペプチド及び混濁果汁のほかに、透明果汁の1種以上を含んでもよい。透明果汁の原料の種類は特に制限されない。透明果汁と混濁果汁の原料の種類は同じでもよく、異なってもよい。風味を維持しつつ、混濁果汁由来の不溶性固形分の含有量を調整しやすい点で、原料の種類が同じであることが好ましい。
【0014】
飲料の総質量に対して、混濁果汁と透明果汁の合計の含有量(以下、果汁含有量という)は、特に制限されない。日本農林規格における「果汁入り飲料」の規格を満たす点では、搾汁液換算で10質量%以上が好ましい。果汁含有量(搾汁液換算)の上限は、99.7質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
【0015】
[その他の成分]
本実施形態の飲料は、必要に応じて水を含んでもよい。
本実施形態の飲料は、コラーゲンペプチド、混濁果汁、透明果汁、及び水以外の、その他の原料を含んでもよい。
その他の原料は、飲料に含有させることが認められているものであればよく、特に制限されない。例えば、甘味付与成分(糖類、糖アルコール、天然甘味料、人工甘味料等)、酸味料、香料、色素、コラーゲンペプチド以外の機能性関与成分、その他の食品添加物(酸化防止剤等)が挙げられる。
【0016】
本実施形態の飲料の総質量に対して、不溶性固形分の含有量は0.02質量%以上であり、0.02~0.25質量%が好ましく、0.03~0.25質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると充分なコラーゲン臭抑制効果が得られやすい。
本実施形態の飲料中の不溶性固形分のメジアン径は0.1~60μmが好ましく、0.1~40μmがより好ましく0.1~20μmがさらに好ましい。
飲料中の不溶性固形分は、少なくとも混濁果汁由来の不溶性固形分を含む。飲料中の不溶性固形分の総質量に対して混濁果汁由来の不溶性固形分の割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上が特に好ましい。100質量%でもよい。
本実施形態の飲料のpHは2.6~4.4が好ましく、2.8~4.2がより好ましい。
本実施形態の飲料のクエン酸酸度(単位:質量%)は0.15~0.35質量%が好ましく、0.2~0.3質量%がより好ましい。
本実施形態の飲料の糖度は3.5~8.5°Brixが好ましく、4.5~8.0°Brixがより好ましい。
本実施形態の飲料の粘度は、容器を傾けるとスムーズに注げる程度が好ましい。具体的には15mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以下がより好ましい。
【0017】
例えば、飲料の好ましい態様として下記(1)~(3)が挙げられる。
(1)飲料中の果汁がもも果汁であり、飲料中の不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である態様が好ましい。本態様の飲料は、少なくとももも混濁果汁を含み、さらにもも透明果汁を含んでもよい。
(2)飲料中の果汁がりんご果汁であり、不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である態様が好ましい。本態様の飲料は、少なくともりんご混濁果汁を含み、さらにりんご透明果汁を含んでもよい。
(3)飲料中の果汁がもも果汁及びりんご果汁であり、不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である態様が好ましい。本態様の飲料は、もも混濁果汁及びりんご混濁果汁の少なくとも一方を含む。
本態様において混濁果汁がもも混濁果汁である場合は、少なくともりんご透明果汁を含み、さらにもも透明果汁を含んでもよい。
本態様において混濁果汁がりんご混濁果汁である場合は、少なくとももも透明果汁を含み、さらにりんご透明果汁を含んでもよい。
本態様において混濁果汁がもも混濁果汁及びりんご混濁果汁の両方である場合は、さらにもも透明果汁とりんご透明果汁の一方又は両方を含んでもよい。
【0018】
[製造方法]
本実施形態の飲料は、コラーゲンペプチドと、果汁を含む原料を混合する混合工程を経て製造できる。果汁の一部又は全部として混濁果汁を用いる。原料の総質量と飲料の総質量とは同じである。
混合工程では、原料の全部を一括的に混合してもよく、一部を混合した後、残りの原料を加えて混合してもよい。
例えば、予め、コラーゲンペプチドと水を含む水溶液を調製し、前記水溶液と果汁と、必要に応じたその他の成分を混合することが好ましい。前記水溶液を調製する際に水の一部を使用し、水以外の原料を混合した後に、水の残部で希釈してもよい。
【0019】
混合工程後に、得られた混合液を加熱殺菌して容器に充填することにより、容器入り飲料が得られる。混合液の加熱殺菌は、公知の方法で行うことができる。連続的でもよく、バッチ式でもよい。
【0020】
又は、混合液を耐熱容器に充填してレトルト殺菌処理する方法で容器入り飲料を製造してもよい。
レトルト殺菌処理の条件は、110~130℃で10~30分程度が好ましく、120~125℃で10~20分間がより好ましい。加熱後、常温まで冷却する。
【0021】
本実施形態によれば、果汁の一部又は全部として混濁果汁を用いることにより、コラーゲン臭の抑制効果を高めることができる。
したがって、コラーゲン臭抑制のための添加剤を使用しなくても、コラーゲン臭が充分に抑えられた飲料が得られる。
添加物の使用は極力少ない方が好まれる点では、本実施形態の飲料が、コラーゲン臭抑制を目的とする添加剤を含まないことが好ましい。例えば、前記特許文献1に記載されているフィチン酸を含まないことが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】
<測定方法>
[不溶性固形分の含有量]
混濁果汁を遠心分離法により固液分離した。遠心分離条件は、品温15℃、15,000rpm、40分間とした。得られた固形分を-60℃の冷凍庫内で凍結した後、凍結乾燥機で乾燥した。得られた凍結乾燥物の質量を測定し、混濁果汁に対する凍結乾燥物の含有量(単位:質量%)を算出し、不溶性固形分の含有量とした。
【0024】
[不溶性固形分のメジアン径]
混濁果汁を、透過率が以下の範囲内になるよう水で希釈して試料とした。レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製品名:LA-950V2)を用いて、以下の条件で粒度分布を測定した。
レーザダイオード(波長655nm、透過率91~80%)、試料設定値:屈折率1.6%、分散媒設定値:屈折率1.33%。
LED(波長405nm、透過率90~70%)、試料設定値:屈折率1.6%、分散媒設定値:屈折率1.33%。
循環流量5、撹拌速度1。
【0025】
<コラーゲン臭抑制効果の評価方法>
基準の飲料と評価対象の飲料を試飲してコラーゲン臭を比較し、下記の評価尺度に基づいて採点した。コラーゲン臭は「獣臭、不快臭、又は不快味とも表現される風味」と定義した。
1点:基準より強い。
2点:基準よりやや強い。
3点:基準と同じくらい。
4点:基準よりやや弱い。
5点:基準より弱い。
【0026】
<原料>
混濁果汁(1):もも4倍濃縮混濁果汁、不溶性固形分1.38質量%、不溶性固形分のメジアン径1.0μm。
混濁果汁(2):りんご4.1倍濃縮混濁果汁、不溶性固形分1.05質量%、不溶性固形分のメジアン径3.5μm。
透明果汁(1):もも5倍濃縮透明果汁、不溶性固形分0質量%。
透明果汁(2):りんご7倍濃縮透明果汁、不溶性固形分0質量%。
コラーゲンペプチド:ニッピペプタイドPRA(商品名、(株)ニッピ製)。
【0027】
(例1~12)
表1に示す配合で飲料を製造した。搾汁液換算の果汁含有量は、濃縮倍率と配合量から算出した。果汁由来の不溶性固形分の含有量は、果汁中の不溶性固形分の含有量と配合量から算出した。本例の飲料は果汁由来以外の不溶性固形分を含まず、飲料中の不溶性固形分は果汁由来の不溶性固形分である。
まず、コラーゲンペプチドとクエン酸を常温の水に溶解した。得られた溶液と果汁と砂糖混合果糖ぶどう糖液糖を混合し、規定量まで水でメスアップした。得られた混合液を、バッチ式、90℃達温の条件で加熱殺菌した後、速やかに10℃以下まで冷却して飲料を得た。得られた飲料の糖度及び酸度を表に示す(以下、同様)。
例3で得られた飲料のpHは3.4、粘度は1.3mPa・sであった。例1~12で得られた飲料のpHは2.8~4.2の範囲内であり、粘度は5mPa・s以下の範囲内であることを確認した。
【0028】
得られた飲料を5℃の冷蔵庫内に一晩保管したサンプルを用い、上記の方法でコラーゲン臭抑制効果を評価した。
評価においては、コラーゲンペプチドの含有量が同じであり、混濁果汁を含まない例の飲料を基準とした。すなわち、例1を基準として例2、3を評価した。例4を基準として例5~7を評価した。例8を基準として例9~12を評価した。
8名のパネリストの採点結果を表2に示し、8名の平均点を表1、2に示す。点数が高いほどコラーゲン臭が弱いことを意味する。
【0029】
【0030】
【0031】
表1、2の結果に示されるように、搾汁液換算の果汁含有量が同じである例1~12において、混濁果汁を含まない例1、4、8に比べて、混濁果汁を含み不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である例3、6、7、10~12の飲料は、コラーゲン臭が充分に抑制された。
【0032】
(例13、14)
表3に示す配合に変更したほかは例1~12と同様にして飲料を製造し、コラーゲン臭抑制効果を評価した。結果を表3に示す。
【0033】
【0034】
表3の結果に示されるように、例13と14は搾汁液換算の果汁含有量が同じであるが、混濁果汁を含まない例13に比べて、混濁果汁を含み不溶性固形分の含有量が0.02質量%以上である例14の飲料は、コラーゲン臭が充分に抑制された。