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特許7584224シートのスタックからシートを自動的に分離するための改良分離装置
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  • 特許-シートのスタックからシートを自動的に分離するための改良分離装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】シートのスタックからシートを自動的に分離するための改良分離装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 7/04 20060101AFI20241108BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20241108BHJP
【FI】
B23Q7/04 Z
B23Q7/04 A
B23K26/70
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020028604
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2020131428
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102019000002573
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519357660
【氏名又は名称】アステス4 エスエイ
【氏名又は名称原語表記】ASTES4 SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ザッファローニ
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02140023(US,A)
【文献】米国特許第06345818(US,B1)
【文献】特開2009-046260(JP,A)
【文献】特開2012-153485(JP,A)
【文献】実開昭58-047336(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 7/04
B23K 26/70
B65H 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートハンドリング装置(L)の少なくともグリップヘッド(T)と、実質的に水平な空気流をシートのスタックの側面の縁に向けて噴射するノズルアセンブリ(1)とを備える、シートのスタックの分離装置(A)において、前記分離装置は、さらに、
圧縮空気タンク(16)を少なくとも備えた加圧空気貯蔵アセンブリ(2)と、
空気供給ラインに接続されている、前記貯蔵アセンブリ(2)の入口ポートと、
電磁弁(12)により遮断された、前記ノズルアセンブリ(1)と前記貯蔵アセンブリ(2)との間の高圧パイプとを備え、
前記圧縮空気タンク(16)は、少なくとも圧力増倍器(17)および関連する第1の圧力調整器(18)を備え、
前記空気供給ラインは、前記圧力増倍器(17)の上流で前記貯蔵アセンブリ(2)に接続され、
前記電磁弁(12)は、高速開電磁弁(12)であり、
前記ノズルアセンブリ(1)には、前記電磁弁(12)を介して供給される、ノズルの流れに垂直な平面に対して第1の方向に発散し、直交方向に収束する発散―収束スパウト(5c)まで延びる接続導管(5a)として構成されたノズル(5)が設けられ、前記接続導管5aの円形断面を、直線スリット部を有する出口スリットに変化させる、装置。
【請求項2】
前記ノズルアセンブリ(1)は、アクチュエータ(6)によって駆動される高さ調節可能な支柱(4b)が設けられた移動支持体(4)を備え、その支柱(4b)に前記ノズル(5)のみならず前記シートのスタックのシート(L)の検出器(14)も取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記高速開電磁弁(12)も前記高さ調整可能支柱(4b)に取り付けられている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記加圧空気の貯蔵アセンブリ(2)は、前記圧縮空気タンク(16)の入口ポートに対応する第2の圧力調整器(19)をさらに備える、請求項1、2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ノズル(5)は、前記発散―収束スパウト(5c)から出る空気流の方向に平行な軸の周りに回転可能に調整可能に取り付けられている、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ノズル(5)は、円形のパイプを直線出口スリットになるように押しつぶした形状である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ノズル(5)は、水平に対して約30°傾斜した前記発散―収束スパウト(5c)の出口スリットを有する、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
請求項1に記載された装置であり、シートのスタックのシートの検出器(14a,14b)も備える装置を用いるシートのスタックの分離方法であって、
少なくともハンドリング装置のグリップヘッド(T)と、高速開電磁弁(12)を介して圧縮空気が供給されるノズル(5)および前記シートのスタックのシート(L)の検出器(14a,14b)が設けられたノズルアセンブリ(1)とを備えた装置を供給するステップと、
前記グリップヘッド(T)により前記シートのスタックの一番上のシート(L)をプリセット高さまで持ち上げるステップと、
前記ノズル(5)を前記プリセット高さに配置し、前記ノズル(5)を通して前記一番上のシート(L)の側縁部に対して圧縮空気のバーストを生じさせるステップと、
前記検出器(14a)により前記一番上のシート(L)の厚さを検出し、その厚さが前記一番上のシート(L)の期待厚さと一致するかどうかを判定するステップと、
前記検出された厚さが一致しない場合、前記圧縮空気のバーストを生じさせるステップを再度繰り返すステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記検出ユニット(14b)によって前記シートのスタックの前記一番上のシート(L)の高さを検出し、前記ノズル(5)の高さを前記一番上のシートの高さに応じて調整するステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断工場でのシートハンドリングの分野に関する。特に、本発明は、金属シートの自動延伸のための改良された分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に自動切断および仕分けステーションにおける金属処理の分野では、制御された規則正しく効率的な生産性を実現するために、ますます自動化とプロセス変数の最適化に注目が集まっている。
【0003】
特に、ハンドリングおよび仕分け装置は、望ましくない有害なアイドル処理時間を制限するためにも、高い効率と頑丈さを保証する必要があり、その理由は、それらは、生産時間と同等のコストを有するにもかかわらず、付加価値を与えないで、むしろ柔軟性の著しい損失、ひいては処理ラインの潜在的なスループットの損失を引き起こすためである。
【0004】
周知のように、プレート/シートの切断処理では、一方の処理ステーションと他方の処理ステーションとの間で前記シートを移送および操作する必要がある。特に、プレート/シート(金属製または他の材料製)は、処理ラインの開始時に、倉庫から到来するとき、複数のピースのスタックに配置される。
【0005】
したがって、シートは、スタックから一度に1つずつ引き出して、加工ステーション、たとえば2D切断機(たとえば、COレーザー、ファイバーレーザー、プラズマ、またはウォータージェット切断を使用する)の作業台に移送する必要がある。そのような目的のために、シートを所望の位置に引き出し、移送し、解放するのに適したハンドリングアーム(空気圧式、磁気式、把持装置付き、など)を含むロード/アンロードシステムが使用されている。特に効果的で有利なハンドリングアームには、例えば、同じ出願人のWO2008/139409(特許文献1)に記載されているものがある。
【0006】
ハンドリング装置は効率的であり得るため、特にシートが大きく重い場合、引き出しステップ中にいくつかの問題がしばしば発生する。実際問題として、積み重ねられたシートは、表面接触領域の圧力によりプレート表面間に生じる真空状態のために互いに付着する傾向がある。さらに、そのような効果は、結露水または潤滑/保存液の偶然の存在によって強まる。
【0007】
したがって、スタックの最上部から1枚の新しいシートを引き出す操作は不規則に起こる可能性があり、たとえば、一度に2枚以上のシートを持ち上げること(その後、不規則に分離し、通常の自動操作を妨げる位置を占めること)、または、ハンドリングアームによって加えられる力がスタックの一番上のシートとその下のシートとの間の付着力に打ち勝つのに十分でない場合、何も持ち上げることができないことも起こり得る。
【0008】
複数のシートの同時除去、下にあるシートの位置ずれ、完全自動プロセスにおける手動修正、シートの落下および結果として生じる損傷は、許容し得ない処理遅延につながり、最悪の場合には物体または人に好ましくない衝撃をもたらすことが明確に理解される。
【0009】
スタックのシートを分離するために伝統的に採用されているシステムは、2枚のシート間の分離領域に向けられた空気流を使用するものである。この技術の一例は、DE102008044111(特許文献2)に開示されており、セキュリティシートの印刷機における紙シートのスタックのための分離ノズルに関する。
【0010】
推測できるように、この技術自体は、紙のセキュリティシートなどの軽量シートに対してうまく機能するが、重い金属シートに対して有効ではない。それにも関わらず、DE4339839(特許文献3)およびDE3136544(特許文献4)に記載されているように、金属シートに対してもエアジェット分離装置が提案されている。しかし、これらの解決策は、単純ではあるが、実際には有効ではないため、産業レベルではほとんど使用されていない。
【0011】
EP0453835号(特許文献5)はさらなる圧縮空気分離装置を記載しているが、この装置は、所望の有効性を達成することができるように複数の配向ノズルを備え、著しい複雑さを有する。
【0012】
したがって、これらの従来技術の解決策は、上記の欠点を解決する最初の試みを表しているにもかかわらず、金属シート同士の信頼できる分離を得ることができないか、または過度に複雑な構成を有し、さまざまなサイズの金属シートに適用することはできないため、まったく満足のいくものではない。
【0013】
さらに、一般に産業環境で利用可能な従来の空気供給施設から到来する圧縮空気ラインの使用は、機械の動きの障害となり、それが高圧で動作することを意図している場合、かさばる安全シールドを必要とすることに注意すべきである。
【0014】
したがって、シート間の分離動作の有効性を高めることができ、必ずしも高圧空気の長い分配ラインを必要とせず、且つ限定された容積およびコストを有する、改良された空気作動式分離装置を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】WO2008/139409
【文献】DE102008044111
【文献】DE4339839
【文献】DE3136544
【文献】EP0453835号
【発明の概要】
【0016】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に特定された特徴を有する、スタックのシートを分離するための改良されたブロー分離装置によって達成される。分離装置の他の好ましい特徴は従属請求項に特定されている。
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、いずれにせよ、純粋に非限定的な例として提供され、添付の図面に示される、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の好ましい実施形態による改良されたブロー分離装置の一方の側の斜視図である。
図2】本発明の好ましい実施形態による改良されたブロー分離装置の反対側の斜視図である。
図3図1の分離装置のノズルユニットの上部の部分拡大斜視図である。
図4図4Aは、代替実施形態によるノズルユニットの、図1と同様の斜視図である。図4Bは、図4Aのユニットの上部の拡大斜視図である。
図5図1の分離装置のブローノズルの平面図である。
図6】シート持ち上げステップにおけるハンドリングヘッドに対するブローノズルの相対的配置を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
積み重ねられた金属シートの引き出し領域内において、図1および図2に明確に示されているシート分離装置がシートハンドリング装置(図6に一部のみが示されている)と連携して設けられる。
【0020】
分離装置は、空気作動式分離装置の形をなし、図1および図2に明確に示され、金属シートのスタックの側面へと、重なり合う金属シート間の隙間に正確に空気流を向けるのに適している。
【0021】
本発明によれば、分離装置は、ノズルアセンブリ1と加圧空気の貯蔵アセンブリ2とを備える。
【0022】
ノズルアセンブリ1は、図示の実施形態では地面に固定され、金属シートスタックの引き出し領域の隣に設置された支持ベース3を備え、その上にノズルユニットが設置される。前記ノズルユニットは、高さ調節可能な支持体4から成り、その頂部に、ノズル5が関連する制御付属品と共に設置される。
【0023】
支持体4は、好ましくは、スライドガイド4a′が設けられた固定支柱4aからなり、その上に移動支柱4bが垂直方向にスライド可能に取り付けられる。ノズル5は移動支柱4bと一体である。
【0024】
移動支柱4bは、好ましくは、移動支柱4bに一端で拘束されたロッド6bを延長させる電動モータ6aからなるリニアドライバ6を介して垂直方向にスライド制御される。
【0025】
支持体4の片側、たとえば図1の背面側には、配線ガイドアセンブリ7が設けられ、その内部には、移動支柱4bの上部への電力供給のため、特にノズルユニットの付属品への電流供給のためのリード線が配置される。
【0026】
配線ガイドアセンブリ7は、その下部で制御パネル8に接続される。
【0027】
好ましくは、ノズル5は、移動支柱4bの最上部と一体の支持ブラケット9の調整板9aに取り付けられる。調整板9aは、実質的に垂直な姿勢で配置され、中央にノズル5の接続導管5aが通る円形の穴(図示せず)を有し、半円形のアイレット9bが設けられている。
【0028】
ノズル5は、図5に明確に示されるように、接続導管5aを備え、接続導管5aは、接続導管5aの円形断面が直線スリット部を有する出口スリットに変化するように、支持フランジ5bを超えて発散-収束スパウト5c(すなわち、ノズルの流れに垂直な平面に対して第1の方向に発散し、直交方向に収束する)まで延びる。発散-収束スパウト5cは、例えば、接続導管5aの直径と等しい直径を有する円形断面を有するパイプを押しつぶすことにより得ることができる。
【0029】
発散-収束スパウト5cの出口スリットは垂直面にて様々な角度で終端する。それにより、スパウト5cから噴出する空気流の動的圧力は主として金属シートのスタックにその周囲側縁部で衝突するように実質的に水平方向に向けられる。
【0030】
ノズル5は、プレート9aの穴の中心線軸上に枢動可能に取り付けられ、例えば制御可能な電気モータ(図示せず)により、または単にフランジ5bおよび内側の半円形のアイレット9bと係合する手動固定手段(詳細には図示せず)により所望の角度位置に配置される。
【0031】
接続導管5aの端部は接続パイプ11に連結され、接続パイプ11はサーボアシスト高速開電磁弁12の出口ポートに接続される。前記高速開電磁弁12の入口ポートは、電磁弁12を貯蔵アセンブリ2の圧縮空気タンクに接続する第2の大径パイプ(図示せず)、例えば直径1インチ、に接続される。
【0032】
高速開電磁弁12は、装置の動作ロジックによって駆動され、必要なときに(詳細は以下で説明される)電磁弁を素早く開き、貯蔵アセンブリ2内の加圧空気量をノズル5の出口で動的圧力に効果的に変換して、圧縮空気の空気流を貯蔵アセンブリ2からノズル5へ流出させる。この動的圧力は、金属シートに対する効果的な機械的分離効果を決定することができるバースト(衝撃波)をもたらす。
【0033】
さらに、支持ブラケット9に隣接して、第1の検出器14aおよび第2の検出器14bも移動支柱4bに取り付けられ、第1の検出器はノズル5が配置される高さとほぼ同じ高さにあり、第2の検出器はそれよりわずかに低い。
【0034】
第1の検出器14aは、その前に配置される金属シートの厚さを検出するのに適した装置であり、例えば、電磁ビームを発し、金属シートの存在により生じる反射を検出できる光学装置である。前記検出器14の検出方向は、金属シートのスタックの側面上の高さを横切る方向である。
【0035】
第2の検出器14bは、アセンブリの垂直移動中に金属シートのスタックの高さを検出するように設計されている。
【0036】
図1図3の実施形態では、2つの検出器14aおよび14bは、ノズル5の右側(正面図)に取り付けられているが、図4Aおよび4Bの実施形態では、2つの検出器14aおよび14bは反対側に取り付けられている。
【0037】
明確に理解できるように、制御パネル8は、完全に自動化されたプロセスを実行するために、配線ガイドアセンブリ7に導入された配線を通じて、リニアアクチュエータ6、高速開電磁弁12、検出器14aおよび14b、およびノズル5の任意の回転アクチュエータを制御することができる。さらに、制御パネル8は、例えば、プログラマブルロジック(PLC)を備えた制御装置を含み、金属シートの分離中にハンドリング装置または他の操作部材によって実行される操作と直接相互に関連して、分離装置の様々な操作ステップを管理および制御するようにできる。
【0038】
加圧空気貯蔵アセンブリ2は、実質的にタンク16を備え、その上には第1の圧力調整器18を備えた圧力増倍器17(ブースター)と、タンク16の第2の流入圧力調整器19が取り付けられる。
【0039】
前述のように、貯蔵アセンブリの出口ポートは、電磁弁12に接続するパイプに接続される。第2の圧力調整器19の上流に配置された貯蔵アセンブリ2への入口ポートは、産業環境における約6barの圧縮空気の配給ラインとして通常利用可能な圧縮空気源に接続される。
【0040】
換言すれば、貯蔵アセンブリ2の入口ポートは、少なくとも圧力調整器および圧力増倍器を介して標準空気供給源に接続される。
【0041】
タンク16の容量は、特定の要件に従って設定される。コストおよび容積の理由から、タンク16は20ltと80ltの間、好ましくは25ltと45ltの間で変化するサイズとすることができる。処理する金属シートのスタックの要件に応じて、使用するエネルギーを変えることができる。そのような目的のために、タンク16は、第2の流入圧力調整器を使用して、低い空気圧、例えば4~6バールの圧力の空気で満たすことができる。通常、タンクは、圧力増倍器17および第1の圧力調整器18を使用して、例えば12barの圧力までの高圧の空気を満たすことができる。
【0042】
したがって、一般に、貯蔵アセンブリ2は、ノズル5の下流で、金属シートを互いに引き離すのに十分な空気バーストを保証するのに適した流量および圧力で圧縮空気を供給することができる。
【0043】
分離装置の操作において、最初に、ノズルユニット1を金属シートのスタックの隣に、好ましくはシートの長辺に沿ったコーナーに隣接して配置することが行われる(図6を参照)。
【0044】
ノズル出口スリットの傾斜角は、所望の値、好ましくは水平方向に約30°に設定される。それにより、シートスタックのより広い垂直領域が覆われ、エアバーストブローの衝撃波がより多くの金属シートに到達する。
【0045】
スタックの現在の厚さと高さは、第1の検出器14aおよび第2の検出器14bで検出され、ノズル5の出口スリットの中心線が分離すべき金属シート間の分離面(隙間)に対応するプリセット高さに位置するように、支持体4の高さが調整され、これにより、圧縮空気の最大動的作用がスタックの第1および第2金属シート間の可能な接合面(隙間)に位置する(動的圧力はノズルの中央部で最も高くなり、両端部で減少する)。
【0046】
その後、好ましい操作サイクルが開始され、この操作サイクルはハンドリング装置との調整も含む。
【0047】
図6に示すように、ハンドリング装置のグリップヘッドTは、スタック5の一番上の金属シートLをピックアップし、それをプリセット高さに持ち上げ、ノズル5の中心線に位置させる。
【0048】
この位置で金属シートLは停止し、0.1~0.2秒の変化時間(PLCで設定可能な時間)で電磁弁12が開く。金属シートLの側縁部に衝突する空気によって発生した衝撃波が、最上部金属シートに付着してぶら下がっている可能性のある他の金属シートを引き離し、スタックに対して制御された高さおよび位置から重力によって落下させる。
【0049】
続いて、持ち上げられた金属シートLの厚さの測定が検出ユニット14aを介して実行され、厚さ測定値が個々の金属シートに期待される厚さと一致しなかった場合、制御システムはこのサイクルを規定の許容回数(閾値)繰り返す。このようなしきい値を超えると、自動サイクルは停止され、オペレーターの操作を要求する。
【0050】
コントローラーロジックは、新しいブロー操作に進む前に、ノズル5の圧力および/または傾斜角度と高さパラメータを変更することができる
【0051】
あるいは、グリップヘッドTの持ち上げ動作が停止した後、コントローラによってスタックの金属シートの逆の解放手順を制御し、持ち上げおよびブローサイクルを再び繰り返すことができる。
【0052】
検出ユニット14aによって行われた測定が単一の金属シートの厚さと一致すると、サイクルコントローラは、次のステーション、例えばレーザー切断機の到着テーブルへの金属シートLの移送を続ける同意を得る。
【0053】
動作条件(金属シートのサイズと厚さ、スタックの高さ)に基づいて、タンク16には、各サイクルで標準圧縮空気分配ラインの流入標準圧力に対してより高い圧力(圧力増倍器17を介して)またはより低い圧力(圧力調整器19を介して)が充填される。
【0054】
金属シートの引き出しごとに、検出ユニット14bにより検出された高さ指示により、金属シートスタックの高さが減少するので、ノズルユニット5の位置は、ドライバー6の介入により連続的に調整される。
【0055】
上述の説明から明確に理解できるように、本発明によるバースト分離装置はセットされた対象物に完全に到達することができる。
【0056】
説明したよう、本発明による装置は、シートスタックからシートを効果的に引き出すための最適な解決策であることを証明している。実際、この装置は、ノズル5の位置と傾斜角度の決定のみならず、正しい供給空気圧値の決定にも、顕著な利用柔軟性を達成することができる。
【0057】
空気貯蔵タンクと高速開電磁弁の具備が衝撃空気バーストを確実にし、付着した金属シートを引き離すのに極めて有効な衝撃波を発生する。
【0058】
さらに、貯蔵アセンブリ2とノズルユニット1の間の短い高圧パイプは容易にシールド可能であり、残りの圧縮空気供給ラインは延長してもよいるが、産業環境では標準の動作圧力であるため、特定の安全上の問題はない。
【0059】
しかし、本発明は、その例示的な実施形態のみを表す上記の特定の構成に限定されるとみなすべきでなく、当業者の範囲内にあり後記の請求項によってのみ規定される本発明の保護範囲から逸脱しない様々な変更が可能であることを理解されたい。
【0060】
特に、図面に示された実施形態は、地面に固定された支持ベース3を提供するが、ノズルアセンブリ1および貯蔵アセンブリ2は、例えば、ハンドリング装置のハンドリングフレームと一体の移動構造に搭載してもよいことが想定され得る。そのような場合、支持体4の高さ調整はオプションとして設けることができ、厳密には、その高さ調節は同じハンドリング装置によりスタックから持ち上げられたシートにのみ作用するよう設けられる場合には必要ない。
【0061】
さらに、上記の説明は金属シートのハンドリングに言及しているが、この装置は別の性質および材料のシートのハンドリングにも適用できることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6