(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】紙容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20241108BHJP
B65D 5/06 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B65D5/42 G
B65D5/06 300
(21)【出願番号】P 2020051813
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】中村 孝也
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳
(72)【発明者】
【氏名】増田 順一
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-234524(JP,A)
【文献】国際公開第2010/001573(WO,A1)
【文献】実開平07-033820(JP,U)
【文献】国際公開第2008/120771(WO,A1)
【文献】特開2017-202849(JP,A)
【文献】特開2018-172128(JP,A)
【文献】特開2015-147588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0133329(US,A1)
【文献】特開2019-196191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなり、4つの胴部パネルを備え、縦方向シールパネルによって縁部が接合されて四角の筒状胴部が形成され、前記胴部パネルの上端に、上部に外側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネルと、上部に内側トップシールパネルを有し互いに対向して何れか一方が注出口となり開封される一対の妻壁形成パネルが連設され、前記一対の切妻屋根形成パネルの間に前記一対の妻壁形成パネルが折り込まれて、外側トップシールパネルおよび内側トップシールパネルが所定の位置で加熱されシールされて密封されることによって頂部が形成される切妻屋根型の紙容器において、
開封側の前記妻壁形成パネルに頂部横折線を介して連設する開封側の胴部パネルには、開封側の前記胴部パネルの両側の胴部縦折線の端部と前記頂部横折線の端部との交点
を繋ぐように端部が配された下向き曲線状の第1補助折線が形成されており、また、開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部または開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部および開封側の前記胴部パネルには、横方向中央部を縦方向に
上側端部が前記妻壁形成パネルが備える略三角面部の頂点または頂点近傍に位置し、下側端部が前記第1補助折線を底部側へ超えない範囲に位置するように延在する第2補助折線
が形成されていることを特徴とする紙容器。
【請求項2】
下向き曲線状の前記第1補助折線は、円弧状、V字状、多角形状あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
【請求項3】
前記第1補助折線は、連続線であることを特徴とする請求項1または2記載の紙容器。
【請求項4】
前記第1補助折線は、非連続線であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙容器。
【請求項5】
前記略三角面部と前記胴部パネルに跨がって、または前記略三角面部と前記胴部パネルのいずれか
で、前記第2補助折線上又はその延長線上で且つ前記頂部横折線の中央部又はその近傍にプッシュポイントを示すポイント表示部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の紙容器。
【請求項6】
前記ポイント表示部はエンボスで形成されていることを特徴とする請求項5に記載の紙容器。
【請求項7】
注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの上辺は直線状となっていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の紙容器。
【請求項8】
注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの内面に第1易剥離領域が設けられ、その両側に位置する前記一対の切妻屋根形成パネルの上部に連設されている前記外側トップシールパネルの内面における横長さ方向のほぼ半分で前記内側トップシールパネル寄りの部分に前記第1易剥離領域に重なる第2易剥離領域が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の紙容器。
【請求項9】
前記胴部パネルの横幅は57mm以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状内容物を収容する紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳やジュースなどの液状内容物を収容する紙容器として、表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなり、4つの胴部パネルを備え、縦方向シールパネルによって縁部が接合されて四角の筒状胴部が形成され、胴部パネルの上端に、上部に外側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネルと、上部に内側トップシールパネルを有し互いに対向して何れか一方が注出口となり開封される一対の妻壁形成パネルが連設され、一対の切妻屋根形成パネルの間に一対の妻壁形成パネルが折り込まれて、外側トップシールパネルおよび内側トップシールパネルが所定の位置で加熱されシールされて密封されることによって頂部が形成される切妻屋根型の紙容器が広く用いられている。
【0003】
このような切妻屋根型の紙容器の開封は、一対の切妻屋根形成パネル、胴部パネルおよび妻壁形成パネルとの間で開口する空間に指を入れて、妻壁形成パネルに指をかけてから左右に広げることにより、開封側の外側トップシールパネルおよび内側トップシールパネルの加熱シールされている対向面同士を剥がし、そして、一対の切妻屋根形成パネルの間に折り込まれている前記妻壁形成パネルを引き出し、頂部横折線を介して連設している胴部パネルとの境界の頂部横折線から外側へ折り返して注出口を開口させるようにして行われる。しかし、使用者の手が大きい場合、紙容器が小型の場合、または省スペースを目的として切妻屋根型の頂部の高さを低くした場合などには、胴部パネルおよび妻壁形成パネルとの間に形成される空間が狭いため、妻壁形成パネルに指をかけることが難しく、開封作業が容易に行えないといった問題があった。
【0004】
このような問題を解決する紙容器として、近年、紙容器の開封時に引き出される妻壁形成パネルと妻壁形成パネルと連接する胴部パネルにおいて、妻壁形成パネルとの境界に位置する頂部横折線の近傍に、その頂部横折線の一方の端部からもう一方の端部に向けて胴部パネルの中央に向かうに従い下がる補助折線が形成されている切妻屋根型紙容器が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
このような補助折線が形成されている切妻屋根型紙容器によれば、頂部横折線により形成された胴部の頂部角部を容器の内側に押しこむと、補助折線から山折れして頂部角部は容器の内方に湾曲し、胴部パネルの頂部横折線と開口補助罫線に挟まれた上部が容器内側に凹む。これにより、開封時に妻壁形成パネルに指をかけるときに指を入れる空間が広くなるので、紙容器の開封作業が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のような紙容器は、紙容器の開封に際し、頂部横折線により形成された胴部の頂部角部を容器の内側に押し込んで内側に折り曲げるものであるが、頂部角部はリブ的作用を有するため、胴部の頂部角部を内側に折り曲げるのに強い力を要し、力の弱い年寄り、女性、子供らには紙容器の開封作業は困難な場合があるといった問題があった。
また、頂部角部の押し込み位置によっては頂部角部の折り曲がる位置が異なってしまい、この結果、胴部パネルの頂部横折線と開口補助罫線に挟まれた上部が容器内側に凹むことにより形成される空間の広さが一定せず、指を入れ難くなる場合があるといった問題があった。
【0008】
本発明の目的は、紙容器の開封に際しては、胴部パネルの上端部を小さい力で凹ますことができるようにして紙容器の開封を容易に行えるようにする紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなり、4つの胴部パネルを備え、縦方向シールパネルによって縁部が接合されて四角の筒状胴部が形成され、前記胴部パネルの上端に、上部に外側トップシールパネルを有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネルと、上部に内側トップシールパネルを有し互いに対向して何れか一方が注出口となり開封される一対の妻壁形成パネルが連設され、前記一対の切妻屋根形成パネルの間に前記一対の妻壁形成パネルが折り込まれて、外側トップシールパネルおよび内側トップシールパネルが所定の位置で加熱されシールされて密封されることによって頂部が形成される切妻屋根型の紙容器において、開封側の前記妻壁形成パネルに頂部横折線を介して連設する開封側の胴部パネルには、開封側の前記胴部パネルの両側の胴部縦折線の端部と前記頂部横折線の端部との交点を繋ぐように端部が配された下向き曲線状の第1補助折線が形成されており、また、開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部または開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部および開封側の前記胴部パネルには、横方向中央部を縦方向に上側端部が前記妻壁形成パネルが備える略三角面部の頂点または頂点近傍に位置し、下側端部が前記第1補助折線を底部側へ超えない範囲に位置するように延在する第2補助折線が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、開封側の前記妻壁形成パネルに頂部横折線を介して連設する開封側の胴部パネルには、開封側の前記胴部パネルの両側の胴部縦折線の端部と前記頂部横折線の端部との交点を繋ぐように端部が配された下向き曲線状の第1補助折線が形成されており、また、開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部または開封側の前記妻壁形成パネルが備える略三角面部および開封側の前記胴部パネルには、横方向中央部を縦方向に上側端部が前記妻壁形成パネルが備える略三角面部の頂点または頂点近傍に位置し、下側端部が前記第1補助折線を底部側へ超えない範囲に位置するように延在する第2補助折線が形成されているので、紙容器の開封の際、前記筒状胴部の頂部角部を押し込むことにより、前記胴部パネルの上端部が前記第1補助折線から山折れし、前記略三角面部および前記胴部パネルの上端部を凹ませることができる。
【0011】
このとき前記略三角面部または前記略三角面部および前記胴部パネルは前記第2補助折線から谷折れして前記筒状胴部の頂部角部の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを誘導することになり、前記筒状胴部の頂部角部の中央部が容易に紙容器の内側に折り曲がることができるので、小さい押し込み力で前記略三角面部および前記胴部パネルの上端部を容易に凹ませることができる。
【0012】
そして、前記第2補助折線により頂部角部の折り曲がる位置が一定となるので、前記略三角面部および前記胴部パネルの上端部の凹みにより形成される開封側の前記妻壁形成パネルの空間の広さは一定となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、下向き曲線状の前記第1補助折線は、円弧状、V字状、多角形状あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1補助折線は、円弧状、V字状、多角形状あるいはこれらの組み合わせであるので、紙容器の開封の際に、前記頂部横折線を折り曲げて形成された前記筒状胴部の頂部角部または頂部角部付近を押し込んだときに、前記胴部パネルを前記第1補助折線から容易に山折りでき、前記胴部パネルの上端部を容易に凹ませることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記第1補助折線は、連続線であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1補助折線は連続線であるので、紙容器を形成する紙板素材の坪量が大きいものであっても、前記胴部パネルを前記第1補助折線から容易に山折りすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記第1補助折線は、非連続線であることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1補助折線は非連続線であるので、紙容器を形成する紙板素材の坪量が小さいものであっても、前記胴部パネルに形成した前記第1補助折線が紙容器の強度を低下させるものとならず、紙容器としての必要な強度を維持することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の、前記略三角面部と前記胴部パネルに跨がって、または前記略三角面部と前記胴部パネルのいずれかで、前記第2補助折線上又はその延長線上で且つ前記頂部横折線の中央部又はその近傍にプッシュポイントを示すポイント表示部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、前記略三角面部と前記胴部パネルに跨がって、または前記略三角面部と前記胴部パネルのいずれかで、前記第2補助折線上又はその延長線上で且つ前記頂部横折線の中央部またはその近傍にプッシュポイントを示すポイント表示部が設けられているので、紙容器の開封の際、ポイント表示部により前記筒状胴部の頂部角部の中央部またはその近傍を確実に押し込むことができる、
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の、前記ポイント表示部はエンボスで形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、前記ポイント表示部はエンボスで形成されているので、前記ポイント表示部を視覚し難いような場合でも、触覚により前記ポイント表示部を容易に確認することができる。また、エンボスが視覚により認識されることにより、紙容器の意匠的効果を発揮させることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の、注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの上辺は直線状となっていることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの上辺は直線状となっているので、前記内側トップシールパネルと、前記内側トップシールパネルの両側に位置する前記一対の切妻屋根形成パネルの上部に連設されている前記外側トップシールパネルとのシール面積が小さく、前記内側トップシールパネルと前記外側トップシールパネルとを容易に剥離することができ、前記紙容器の開封を容易に行うことができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の、注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの内面に第1易剥離領域が設けられ、その両側に位置する前記一対の切妻屋根形成パネルの上部に連設されている前記外側トップシールパネルの内面における横長さ方向のほぼ半分で前記内側トップシールパネル寄りの部分に前記第1易剥離領域に重なる第2易剥離領域が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、注出口となり開封される側の前記妻壁形成パネルの上部に連設されている前記内側トップシールパネルの内面に第1易剥離領域が設けられ、その両側に位置する前記一対の切妻屋根形成パネルの上部に連設されている前記外側トップシールパネルの内面における横長さ方向のほぼ半分で前記内側トップシールパネル寄りの部分に前記第1易剥離領域に重なる第2易剥離領域が設けられているので、前記内側トップシールパネルと前記外側トップシールパネルとを容易に剥離することができ、紙容器の開封を容易に行うことができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の、前記胴部パネルの横幅は57mm以下であることを特徴とする。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、前記胴部パネルの横幅は57mm以下である小形の紙容器であっても、紙容器の開封時に開封側の妻壁形成パネルに指をかけるために指を入れる広い空間を形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る紙容器によれば、紙容器の開封に際しては、胴部パネルの上端部を小さい力で凹ますことができるようにして紙容器の開封を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る紙容器の実施の形態の第1例のカートンブランクスを示す平面図である。
【
図2】
図1に示す第1補助折線の端部配置位置の他例を示す説明図である。
【
図3】
図1に示す第1補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図4】
図1に示す第1補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図5】
図1に示す第1補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図6】
図1に示す第1補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図7】
図1に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図8】
図1に示すカートンブランクスから形成した紙容器を示す側面図である。
【
図9】
図8に示す紙容器の第1補助折線、第2補助折線を折り曲げ胴部を凹ませた状態を示す側面拡大説明図である。
【
図11】本発明に係る紙容器の実施の形態の第2例のカートンブランクスを示す平面図である。
【
図12】
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図13】
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図14】
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図15】
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図16】
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図である。
【
図17】
図11に示すカートンブランクスから形成した紙容器の第1補助折線、第2補助折線を折り曲げた状態を示す側面拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る紙容器を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図10は本発明に係る紙容器の実施の形態の第1例を示すものであり、
図1は第1例の紙容器のカートンブランクスを示す平面図、
図2は
図1に示す第1補助折線の端部配置位置の他例を示す説明図、
図3、
図4、
図5、
図6はそれぞれ
図1に示す第1補助折線の形状の他例を示す説明図、
図7は
図1に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図、
図8は
図1に示すカートンブランクスから形成した紙容器を示す側面図、
図9は
図8に示す紙容器の第1補助折線、第2補助折線を折り曲げ胴部を凹ませた状態を示す側面拡大説明図、
図10は
図9に示す紙容器の斜視図である。
【0032】
第1例の紙容器は、
図1に示す表裏面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材であるカートンブランクス1から形成される。カートンブランクス1は胴部縦折線2,3,4を介して連設されている4つの胴部パネル5,6,7,8を備えている。紙容器の形成時には、4つの胴部パネル5,6,7,8は、胴部パネル8に胴部縦折線9を介して連設されている縦方向シールパネル10と胴部パネル5の縁部11が接合されて、紙容器の四角の筒状胴部12を形成する。
【0033】
胴部パネル6,8の上端には、上部に外側トップシールパネル13,14を有し互いに対向する一対の切妻屋根形成パネル15,16が頂部横折線17,18を介して連設されている。また、胴部パネル5,7の上端には、上部に内側トップシールパネル19,20を有し互いに対向して何れか一方が注出口21となり開封される一対の妻壁形成パネル22,23が頂部横折線24,25を介して連設されている。第1例では妻壁形成パネル23を開封側の妻壁形成パネルとしている。
【0034】
切妻屋根形成パネル15,16には、開封側の妻壁形成パネル23側に、開封時の切妻屋根形成パネル15,16の折り曲げをガイドするガイド折線26,27が形成されている。また切妻屋根形成パネル15には、裏面側から形成されたストロー挿入口となる第1ハーフカット29と第1ハーフカット29を囲むように表面側から形成された第2ハーフカット28により構成されたストロー用注出口30が設けられている。
【0035】
妻壁形成パネル22,23には妻壁形成パネル22,23を折り込むための折り込み用折線31,32,33,34が形成されている。また、折り込み用折線31,32,33,34と頂部横折線24,25に囲まれた略三角面部35,36が形成されている。
【0036】
紙容器の形成時には、一対の切妻屋根形成パネル15,16の間に一対の妻壁形成パネル22,23が折り込まれて、外側トップシールパネル13,14および内側トップシールパネル19,20が所定の位置で加熱されシールされて密封されることによって、
図8に示すように紙容器に切妻屋根型の頂部37が形成される。形成された切妻屋根型の頂部37には、一対の切妻屋根形成パネル15,16、開封側の胴部パネル7および開封側の妻壁形成パネル23との間で開口し、紙容器の開封時に開封側の妻壁形成パネル23に指をかけるために指を入れる空間38が形成される。妻壁形成パネル23に形成された略三角面部36は空間38の奥面に位置する。
【0037】
また、胴部パネル7には、開封側の妻壁形成パネル23に頂部横折線25を介して連設されている開封側の胴部パネル7の両側の胴部縦折線3,4の端部と頂部横折線25の端部との交点39または交点39の近傍の位置同士を繋ぐように端部41,42が配された下向き曲線状の第1補助折線43が形成されている。
また、開封側の妻壁形成パネル23が備える略三角面部36には、横方向中央部を縦方向に延在する第2補助折線58が形成されている。
【0038】
まず、第1補助折線43について説明する。
第1補助折線43は、後述する紙容器の開封の際、筒状胴部12の頂部角部54を紙容器内側への押し込んだとき、胴部パネル7を第1補助折線43から山折りさせるものである。胴部パネル7を第1補助折線43から山折りさせることにより胴部パネル7の上端部45を凹ませ、筒状胴部12の頂部角部54を紙容器の内側に湾曲させる。
【0039】
第1例では、第1補助折線43の端部41,42は、胴部パネル7の両側の胴部縦折線3,4の端部と頂部横折線25の端部との交点39と繋がるように配されているが、
図2に示すように、第1補助折線43の端部41,42が交点39の近傍に配されていてもよい。
【0040】
この第1補助折線43は、後述する紙容器の開封の際、筒状胴部12の頂部角部54を紙容器内側への押し込んだとき、胴部パネル7を第1補助折線43から山折りさせるものである。胴部パネル7を第1補助折線43から山折りさせることにより、胴部パネル7の上端部45を凹ませ、筒状胴部12の頂部角部54を紙容器の内側に湾曲させる。
【0041】
下向き曲線状の第1補助折線43の下向き曲線状とは、円弧状であってもよく、また角弧状であってもよい。第1例では連続線で円弧状に形成されているが、例えば、
図3に示すようにV字状に折れ曲がった角弧状であってもよく、また、
図4に示すように多角形からなる角弧状であってもよく、
図5,
図6に示すように分断された非連続線であってもよい。
【0042】
また、第1例では、第1補助折線43の形状を下向き曲線の最下点46が胴部パネル7の左右方向中央に位置するように形成しているので、筒状胴部12の頂部角部54を、その中央部から紙容器内側へ容易に押し込める。
【0043】
また、第1例では、第1補助折線43を左右対称に形成している。これにより、空間38を左右対称に広げることができ、空間38の形状をより指を入れやすい形状とすることができる。
【0044】
つぎに、第2補助折線58について説明する。
第2補助折線58は、開封側の妻壁形成パネル23が備える略三角面部36に、頂部横折線25の中央位置方向から略三角面部36の頂点57方向に延在するように形成されている。
【0045】
第2補助折線58の形状にあっては特に限定されないが、第2補助折線58における頂部横折線25の中央位置方向側の下側端部59が頂部横折線25の中央位置または中央位置近傍に位置し、略三角面部36の頂点57側の上側端部59が略三角面部36の頂点57または頂点57の近傍に位置していることが好ましい。
【0046】
第1例では、第2補助折線58は、下側端部59が頂部横折線25の中央に位置し、上側端部60が略三角面部36の頂点57に位置している。
図7は第2補助折線58の他例を示しており、
図7に示す第2補助折線58は、下側端部59が頂部横折線25の中央位置近傍に位置しており、上側端部60が略三角面部36の頂点57の近傍に位置している。
【0047】
また、図示しないが第2補助折線58の下側端部59が頂部横折線25の中央に位置し、上側端部60が略三角面部36の頂点57の近傍に位置するようにしてもよく、また、第2補助折線58の下側端部59が頂部横折線25の中央位置近傍に位置し、略三角面部36の頂点57側の上側端部60が略三角面部36の頂点57に位置するようにしてもよい。
【0048】
また、第1例では、第2補助折線58は直線となっているが、波線であってもよく、また破線であってもよい。
【0049】
また、第1例では、紙容器の開封の際、筒状胴部12の頂部角部54を紙容器内側へ押し込むときの目印として、略三角面部36と胴部パネル7に跨がって、または略三角面部36と胴部パネル7のいずれかで、頂部横折線25の中央部またはその近傍にプッシュポイントを示すポイント表示部64が設けられている。ポイント表示部64は、
図1では、略三角面部36と胴部パネル7に跨がって、頂部横折線25の中央部に設けられている。
図7では、胴部パネル7の頂部横折線25の近傍に設けられている。第1例では、ポイント表示部6はエンボスで形成されているが、ポイント表示部6を認識できるものであればこれに限られるものではなく、例えば、印刷であってもよい。
また、ポイント表示部6の形状にあっては特に限定されず、例えばデザイン化することにより、紙容器の意匠的効果を発揮させるものとなる。
【0050】
また、第1例では、胴部形成パネル5,7の下端には底面形成パネル47,48が連設され、胴部形成パネル6,8の下端には内側パネル49,50が連設されており、底面形成パネル47,48の内側に内側パネル49,50を折り込んで、その当接面同士を接着し、筒状胴部12の底部を封止して、紙容器の底部51を形成している。なお、底部51の構成は第1例の構成に限られず、筒状胴部12の底部を封止することができれば紙容器の分野における他の公知の底部の構成を採用することができる。
【0051】
また、第1例では、
図1に示すように、注出口21となり開封される側の妻壁形成パネル23の上部に連設されている内側トップシールパネル20の上辺は直線状となっている。
【0052】
また、内側トップシールパネル20の内面に第1易剥離領域52が設けられ、その両側に位置する一対の切妻屋根形成パネル15,16の上部に連設されている外側トップシールパネル13,14の内面における横長さ方向のほぼ半分で内側トップシールパネル20寄りの部分に、第1易剥離領域52に重なる第2易剥離領域53が設けられている。内側トップシールパネル20の内面や外側トップシールパネル13,14の内面に第1易剥離領域52および第2易剥離領域53を設ける位置や領域面の輪郭形状にあっては、液漏れを生じさせないシール性を維持することができる限り、特に限定されない。
【0053】
また、紙容器の大きさを決める要因の1つとなる胴部パネル5,6,7,8の横幅や、紙容器を形成する板紙素材の坪量は特に限定されないが、第1例では胴部パネル5,6,7,8の横幅は57mm以下となっており、板紙素材の坪量は150~250g/m2 となっている。
【0054】
このような紙容器の開封は次のように行う。
先ず、頂部横折線25を折り曲げて形成された筒状胴部12の頂部角部54を紙容器の内側に向かって押し込むように押圧する。これにより、頂部角部54が紙容器の内側に押し込まれるに連れてその内角が開き、胴部パネル7における上端部45は頂部角部54から下方に向かうに従い紙容器の外方向に突き出でるように変形する。
【0055】
このとき、略三角面部36には、頂部横折線25の中央位置方向から略三角面部36の頂点57方向に延在する第2補助折線58が形成されているので、頂部角部54を押し込むことにより、略三角面部36が第2補助折線58から谷折れして頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを誘導する。
【0056】
一定以上の力が加わると第1補助折線43が山折りし外方に突き出た突出部55となり、そして頂部角部54は紙容器の内側に向かって中央位置を中心として屈曲し、胴部パネル7における上端部45および空間38の奥面を形成する略三角面部36が紙容器の内側に向かって凹む。これにより、空間38は上端部45および略三角面部36が凹んだ分だけ広がり、開封時に指を容易に入れられる空間38が形成される。
【0057】
そして、広がった空間38に指を入れて、開封側の妻壁形成パネル23に指をかけ、妻壁形成パネル23および一対の切妻屋根形成パネル15,16を左右に拡げ、外側トップシールパネル13,14および内側トップシールパネル20の対向面同士を剥がす。それから、一対の切妻屋根形成パネル15,16の間に折り込まれている妻壁形成パネル23を引き出し、注出口21を開口させて紙容器を開封する。
【0058】
以上のように構成された第1例の紙容器によれば、開封側の妻壁形成パネル23に頂部横折線25を介して連設する開封側の胴部パネル7には、胴部パネル7の両側の胴部縦折線3,4の端部と頂部横折線25の端部との交点39または交点39の近傍の位置同士を繋ぐように端部41,42が配された下向き曲線状の第1補助折線43が形成されており、また、開封側の妻壁形成パネル23が備える略三角面部36には、横方向中央部を縦方向に延在する第2補助折線58が形成されているので、紙容器の開封の際に、筒状胴部12の頂部角部54を押し込むことにより、胴部パネル7の上端部45が第1補助折線43から山折れし、略三角面部36および胴部パネル7の上端部45を凹ませることができる。
【0059】
このとき、略三角面部36は第2補助折線58から谷折れして筒状胴部12の頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを誘導することになり、筒状胴部12の頂部角部54の中央部が容易に紙容器の内側に折り曲がることができるので、小さい押し込み力で略三角面部36および胴部パネル7の上端部45を容易に凹ませることができる。
【0060】
特に、第2補助折線58における頂部横折線25の中央位置方向側の下側端部59が頂部横折線25の中央位置または中央位置近傍に位置し、略三角面部36の頂点57側の上側端部60が略三角面部36の頂点57または頂点57の近傍に位置していると、頂部角部54を押し込んだとき、略三角面部36は第2補助折線58からの谷折れが容易となり、これにより頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを効果的に誘導することになり、略三角面部36および胴部パネル7における上端部45を一層容易に凹ませることができる。
【0061】
また、第2補助折線58は略三角面部36に、頂部横折線25の中央位置方向から略三角面部36の頂点57方向に延在するように形成されているので、頂部角部54の折り曲がる位置が一定となり、胴部パネル7の頂部横折線25と第1補助折線43に挟まれた上部が容器内側に凹むことにより形成される空間38の広さが一定となり、安定した開封が可能となる。
【0062】
また、下向き曲線状の第1補助折線43は、円弧状、V字状、多角形状あるいはこれらの組み合わせであるので、紙容器の開封の際に、頂部横折線25を折り曲げて形成された筒状胴部12の頂部角部54または頂部角部54付近を押し込んだときに、胴部パネル7における上端部45を第1補助折線43から容易に山折りでき、胴部パネル7の上端部45を容易に凹ませることができる。
【0063】
また、第1補助折線43は連続線または非連続線となっているので、第1補助折線43が連続線の場合は、紙容器を形成する紙板素材の坪量が大きいものであっても、前記胴部パネルを前記第1補助折線から容易に山折りすることができる。また、第1補助折線43が非連続線の場合は、紙容器を形成する紙板素材の坪量が小さいものであっても、胴部パネル7に形成した第1補助折線43が紙容器の強度を低下させるものとならず、紙容器としての必要な強度を維持することができる。
【0064】
また、略三角面部36と胴部パネル7に跨がって、または略三角面部36と胴部パネル7のいずれかで、頂部横折線25の中央部またはその近傍にプッシュポイントを示すポイント表示部64が設けられているので、紙容器の開封の際、ポイント表示部64により筒状胴部12の頂部角部54の中央部またはその近傍を確実に押し込むことができる、また、ポイント表示部64はエンボスで形成されていると、ポイント表示部64を視覚し難いような場合でも、触覚によりポイント表示部64を容易に確認することができる。また、エンボスが視覚により認識されるので、ポイント表示部6の形状をデザイン化することにより紙容器の意匠的効果を発揮させることができる。
【0065】
また、内側トップシールパネル20の内面に第1易剥離領域52が設けられ、その両側に位置する外側トップシールパネル13,14の内面における横長さ方向のほぼ半分で内側トップシールパネル20寄りの部分に第1易剥離領域52に重なる第2易剥離領域53が設けられているので、内側トップシールパネル20と外側トップシールパネル13,14とを容易に剥離することができる。
【0066】
図11~
図18は本発明に係る紙容器の実施の形態の第2例を示すものであり、
図11は第2例の紙容器のカートンブランクスを示す平面図、
図12、
図13、
図14、
図15、
図16はそれぞれ
図11に示す第2補助折線の形状の他例を示す説明図、
図17は
図11に示すカートンブランクスから形成した紙容器の第1補助折線、第2補助折線を折り曲げた状態を示す側面拡大説明図、
図18は
図17に示す紙容器の斜視図である。
【0067】
第2例に係る紙容器は第1例の紙容器と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
第2例の紙容器の第1例との違いは、開封側の胴部パネル7および開封側の妻壁形成パネル23が備える略三角面部36に、第1補助折線43の中央部最下点46方向から、頂部横折線25を跨ぎ、略三角面部36の頂点57方向に延在する第2補助線61が形成されていることにある。
【0068】
第2補助折線61の形状にあっては特に限定されないが、第2補助折線61は第1補助折線43の最下点46方向側の下側端部62が第1補助折線43の最下点46または最下点46近傍に位置しており、略三角面部36の頂点57側の上側端部63が略三角面部36の頂点57または頂点57の近傍に位置していることが好ましい。
【0069】
第2例では、第2補助折線61は、下側端部62が第1補助折線43の最下点46に位置しており、上側端部63が略三角面部36の頂点57に位置している。
また、図示しないが第2補助折線61の下側端部62が第1補助折線43の最下点46に位置し、上側端部63が略三角面部36の頂点57の近傍に位置するようにしてもよく、また、第2補助折線61の下側端部62が第1補助折線43の最下点46の近傍に位置し、上側端部63が略三角面部36の頂点57に位置するようにしてもよい。
【0070】
図12、
図13、
図14、
図15、
図16はそれぞれ第2補助折線61の形状の他例を示している。
図12に示す第2補助折線61は下側端部62が第1補助折線43の最下点46近傍に位置しており、上側端部63が略三角面部36の頂点57の近傍に位置している。
図13に示す第2補助折線61は
図12に示す第2補助折線61の下側端部62の先端が矢印状となっている。
図14に示す第2補助折線61は波線状となっている。
図15に示す第2補助折線61は2本の線となっている。
図16に示す第2補助折線61は複数の円形が直線状に配置された形状となっている。
【0071】
なお、第2補助折線61が頂部横折線25を跨ぐとは、第2補助折線61が頂部横折線25との間に必ず交点が形成されることを意味するものではなく、第2補助折線61が頂部横折線25で分断され、頂部横折線25に繋がっていないものも含まれる。
その他の構成は、第1例と同様なので第1例を援用し、その説明を省略する。
【0072】
第2例の紙容器の開封は、第1例と同様に、先ず、頂部横折線25を折り曲げて形成された筒状胴部12の頂部角部54を紙容器の内側に向かって押し込むように押圧する。これにより、頂部角部54が紙容器の内側に押し込まれるに連れてその内角が開き、胴部パネル7における上端部45は頂部角部54から下方に向かうに従い紙容器の外方向に突き出でるように変形する。
【0073】
このとき、胴部パネル7における上端部45および略三角面部36に、第1補助折線43の中央部最下点46方向から、頂部横折線25を跨ぎ、略三角面部36の頂点57方向に延在する第2補助線61が形成されているので、頂部角部54を押し込むことにより、胴部パネル7における上端部45および略三角面部36が第2補助折線61から谷折れして頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを誘導する。
【0074】
一定以上の力が加わると第1補助折線43が山折りし外方に突き出た突出部55となり、そして、頂部角部54は紙容器の内側に向かって中央位置を中心として屈曲し、胴部パネル7における上端部45および空間38の奥面を形成する略三角面部36が紙容器の内側に向かって凹む。これにより、空間38は上端部45および略三角面部36が凹んだ分だけ広がり、開封時に指を容易に入れられる空間38が形成される。
その他の開封方法は、第1例と同様なので第1例を援用し、その説明を省略する。
【0075】
以上のように構成された第2例の紙容器によれば、胴部パネル7および略三角面部36に、第1補助折線43の中央部最下点46方向から、頂部横折線25を跨ぎ、略三角面部36の頂点57方向に延在する第2補助線61が形成されているので、頂部角部54を押し込むと、胴部パネル7における上端部45および略三角面部36は第2補助折線61から谷折れして頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを誘導し、略三角面部36および胴部パネル7における上端部45を容易に凹ませることができる。
【0076】
特に、第2補助折線61における第1補助折線43の最下点46方向側の下側端部62が第1補助折線43の最下点46または最下点46近傍に位置し、略三角面部36の頂点57側の上側端部63が略三角面部36の頂点57または頂点57の近傍に位置しているので、頂部角部54を押し込んだとき胴部パネル7における上端部45および略三角面部36は第2補助折線61からの谷折れが容易となり、これにより頂部角部54の中央部が紙容器の内側に折り曲がることを効果的に誘導することになり、略三角面部36および胴部パネル7における上端部45を一層容易に凹ませることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 カートンブランクス
2,3,4 胴部縦折線
5,6,7,8 胴部パネル
9 胴部縦折線
10 縦方向シールパネル
11 縁部
12 筒状胴部
13,14 外側トップシールパネル
15,16 切妻屋根形成パネル
17,18 頂部横折線
19,20 内側トップシールパネル
21 注出口
22,23 妻壁形成パネル
24,25 頂部横折線
26,27 ガイド折線
28 第2ハーフカット
29 第1ハーフカット
30 ストロー用注出口
31,32,33,34 折り込み用折線
35,36 略三角面部
37 頂部
38 空間
39 交点
41,42 第1補助折線の端部
43 第1補助折線
45 開封側胴部パネルの上端部
46 第1補助折線の最下点
47,48 底面形成パネル
49,50 内側パネル
51 底部
52 第1易剥離領域
53 第2易剥離領域
54 頂部角部
55 突出部
57 略三角面部の頂点
58 第2補助折線
59 第2補助折線の下側端部
60 第2補助折線の上側端部
61 第2補助折線
62 第2補助折線の下側端部
63 第2補助折線の上側端部
64 ポイント表示部