(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20241108BHJP
F24F 13/14 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F24F1/0007 401C
F24F13/14 E
(21)【出願番号】P 2020068469
(22)【出願日】2020-04-06
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌和
(72)【発明者】
【氏名】吉川 滉一郎
【審査官】葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-249465(JP,A)
【文献】特開2010-249451(JP,A)
【文献】特開2010-112600(JP,A)
【文献】特開2002-295888(JP,A)
【文献】実開昭48-044752(JP,U)
【文献】特開2009-222302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 1/0007
F24F 13/14
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に開口する吹出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に設けられて、前記吹出口がある前方へと向かって空気を送風する送風機と、
前記吹出口の幅方向に延びる第一軸線回りに回動することで、前記吹出口を閉塞する閉位置と、下方を向く案内面によって前記空気を前方へと案内する案内位置との間で遷移する上下ルーバと、
前記第一軸線よりも下方の第二軸線回りに前記上下ルーバの回動軌跡の外側で回動することで、前記吹出口の上方に収まる待機位置と、前記上下ルーバの前方下方に位置して前記案内面によって案内された空気を前方に導風する導風位置との間で遷移する導風板と、
を備え、
前記導風板における前記待機位置で後方側を向く面は、導風面とされており、
前記上下ルーバの前記案内面と前記導風板の前記導風面との間に挟まれるようにして、空気を水平方向に導く流路が形成されている
空調装置。
【請求項2】
前記上下ルーバの回動軌跡と前記導風板の回動軌跡とが互いに重複していない請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記上下ルーバが前記閉位置にあり、前記導風板が前記待機位置にあるとき、前記上下ルーバ、及び前記導風板は互いに面一をなしている請求項1又は2に記載の空調装置。
【請求項4】
前記導風板の回動半径は、前記上下ルーバの回動半径よりも大きい請求項1から3のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項5】
前記上下ルーバの後方に設けられ、前記吹出口の高さ方向に延びる第三軸線回りに回動することで、水平方向における前記空気の向きを案内する複数の左右ルーバをさらに備え、
該左右ルーバの前方側の端縁には、
後方側に凹むことで前記案内位置にある前記上下ルーバの後方側の端縁を収容する凹部が形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項6】
前記上下ルーバは、
該上下ルーバから幅方向に突出して、前記ケーシングに形成された孔部に挿入される突出部と、
該突出部に取り付けられることで、前記上下ルーバを前記ケーシングに対して脱落不能に固定するキャップと、
を有し、
前記突出部は、幅方向の両側で互いに回転対称な形状を有し、
前記キャップは、幅方向の両側で互いに同一の形状を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項7】
上下方向から見て、前記導風位置にある前記導風板は、前記案内位置にある前記上下ルーバの一部と重なり、かつ、前記導風板の前方側の端部は、前記上下ルーバの前方側の端部よりもさらに前方に位置している請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項8】
水平方向に開口する吹出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に設けられて、前記吹出口がある前方へと向かって空気を送風する送風機と、
前記吹出口の幅方向に延びる第一軸線回りに回動することで、前記吹出口を閉塞する閉位置と、下方を向く案内面によって前記空気を前方へと案内する案内位置との間で遷移する上下ルーバと、
前記上下ルーバの後方に設けられ、前記吹出口の高さ方向に延びる第三軸線回りに回動することで、水平方向における前記空気の向きを案内する複数の左右ルーバをさらに備え、
前記左右ルーバは、前記左右ルーバの上部に設けられた軸部によって、前記ケーシングに対して前記第三軸線回りに回動可能に支持されており、
該左右ルーバの前方側の端縁には、
前記幅方向から見てくの字となるように後方側に凹むことで前記案内位置にある前記上下ルーバの後方側の端縁を収容する凹部が形成され、
前記案内位置にある上下ルーバの後方側の端部が、左右方向に最も回動した位置にある前記左右ルーバの凹部に収容可能である
空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の天井に取り付けられる空調装置(室内機)として、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された天井吊り型の空調装置は、水平方向に開口する吹出口を有するケーシングと、ケーシング内に設けられた送風機と、送風機の下流側に設けられた熱交換器と、吹出口の上下に設けられたフラップと、を備えている。
【0003】
送風機によって圧送された空気が熱交換器を通過することで冷風、又は温風となって吹出口から室内に供給される。このとき、フラップの角度を調節することで、送風の向きが変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、空調装置からの送風が人体に直接当たることによる不快感(ドラフト感)を軽減したいという要請がある。上記特許文献1に係る空調装置では、例えばフラップを下方に向けた場合、送風が使用者に直接的に当たってしまい、ドラフト感を与えてしまう虞がある。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、ドラフト感がより一層軽減された空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る空調装置は、水平方向に開口する吹出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設けられて、前記吹出口がある前方へと向かって空気を送風する送風機と、前記吹出口の幅方向に延びる第一軸線回りに回動することで、前記吹出口を閉塞する閉位置と、下方を向く案内面によって前記空気を前方へと案内する案内位置との間で遷移する上下ルーバと、前記第一軸線よりも下方の第二軸線回りに前記上下ルーバの回動軌跡の外側で回動することで、前記吹出口の上方に収まる待機位置と、前記上下ルーバの前方下方に位置して前記案内面によって案内された空気を前方に導風する導風位置との間で遷移する導風板と、を備え、前記導風板における前記待機位置で後方側を向く面は、導風面とされており、前記上下ルーバの前記案内面と前記導風板の前記導風面との間に挟まれるようにして、空気を水平方向に導く流路が形成されている。
【0008】
本開示に係る空調装置は、水平方向に開口する吹出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設けられて、前記吹出口がある前方へと向かって空気を送風する送風機と、前記吹出口の幅方向に延びる第一軸線回りに回動することで、前記吹出口を閉塞する閉位置と、下方を向く案内面によって前記空気を前方へと案内する案内位置との間で遷移する上下ルーバと、前記上下ルーバの後方に設けられ、前記吹出口の高さ方向に延びる第三軸線回りに回動することで、水平方向における前記空気の向きを案内する複数の左右ルーバをさらに備え、前記左右ルーバは、前記左右ルーバの上部に設けられた軸部によって、前記ケーシングに対して前記第三軸線回りに回動可能に支持されており、該左右ルーバの前方側の端縁には、前記幅方向から見てくの字となるように後方側に凹むことで前記案内位置にある前記上下ルーバの後方側の端縁を収容する凹部が形成され、前記案内位置にある上下ルーバの後方側の端部が、左右方向に最も回動した位置にある前記左右ルーバの凹部に収容可能である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ドラフト感がより一層軽減された空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る空調装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る空調装置の内部構成を示す断面模式図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る上下ルーバと導風板の動作の様子を示す説明図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る上下ルーバが閉位置にあり、導風板が待機位置にある状態を示す断面図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る上下ルーバが案内位置にあり、導風板が待機位置にある状態を示す断面図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る上下ルーバが案内位置にあり、導風板が導風位置にある状態を示す断面図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る上下ルーバが案内位置にあり、左右ルーバが左右いずれかの方向に最も回動した状態を示す断面図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る上下ルーバの左側面図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る上下ルーバの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(空調装置の構成)
以下、本開示の実施形態に係る空調装置100について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る空調装置100は、ケーシング1と、送風機2と、熱交換器10と、上下ルーバ3と、導風板4と、左右ルーバ5と、を備えている。
【0012】
(ケーシングの構成)
ケーシング1は、底面から見て矩形の箱状をなしている。ケーシング1の前面(つまり、水平方向を向く1つの面)には吹出口1Aが形成されている。吹出口1Aは、幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。また、ケーシング1の底面には、空気をケーシング1内に取り込むための吸気口1Bが形成されている。
【0013】
ケーシング1の内部には、送風機2、及び熱交換器10が設けられている。送風機2は、吸気口から取り込んだ空気を圧送する。熱交換器10は、送風機2と吹出口1Aとの間の空間(送風路P)に配置されている。熱交換器10は、図示しない冷媒回路の一部であり、送風機2から送られてきた空気と冷媒との間で熱交換をさせる。これにより、熱交換器10を通過した空気は温風又は冷風となって吹出口1Aから室内に供給される。なお、以降の説明では、送風機2から見て吹出口1Aが位置する側を前方と呼び、その反対側を後方と呼ぶ。
【0014】
(吹出口の構成)
吹出口1Aには、上下ルーバ3と、導風板4と、左右ルーバ5と、が設けられている。上下ルーバ3は、吹出口1Aを閉塞することが可能な寸法を有する板状の部材である。詳しくは後述するが、上下ルーバ3は、吹出口1Aから吹き出す空気の流れ方向を上下に変化させるために設けられている。導風板4は、上下ルーバ3の上方に格納されて、当該導風板4と面一をなす。導風板4は、上下ルーバ3によって案内された空気の流れを前方に導くために設けられている。左右ルーバ5は、吹出口1Aにおける上下ルーバ3の後方に設けられている。左右ルーバ5は、吹出口1Aから吹き出す空気の流れ方向を左右に変化させるために設けられている。
【0015】
(上下ルーバの構成)
図3に示すように、上下ルーバ3は、吹出口1Aの幅方向に延びる第一軸線A1回りに回動可能とされている。上下ルーバ3は、吹出口1Aを閉塞する閉位置P1と、当該閉位置P1から後方側に向かって回動した状態である案内位置P2との間でその姿勢を遷移させることが可能である。なお、上下ルーバ3の姿勢は図示しないアクチュエータによって調節される。
【0016】
より具体的には
図4から
図6に示すように、上下ルーバ3は、板状の上下ルーバ本体31と、上下ルーバ本体31の裏面(案内面3S)から突出するタブ32と、を有している。タブ32は、上記の第一軸線A1回りに回動可能に支持されている。
【0017】
さらに、
図8と
図9に示すように、上下ルーバ3の幅方向両側には、当該上下ルーバ3をケーシング1によって脱落不能に支持するための突出部6A,6Bが設けられている。突出部6A,6Bは、上下ルーバ3の幅方向両側の端部から左右にそれぞれ突出している。
図8に示すように、突出部6A,6Bはそれぞれ略円柱状をなすとともに、その一部が円周方向の1/4だけ切り欠かれることで切欠部61A,61Bとされている。突出部6A,6Bとでは、切欠部61A,61Bの形成される周方向位置が180°異なっている。つまり、突出部6A,6Bは、互いに回転対称な形状を有している。
【0018】
これら突出部6A,6Bには、ケーシング1の孔部に挿入された状態で、キャップ7がはめ込まれる。キャップ7は、突出部6A,6Bを外周側から覆う筒状をなしている。キャップ7は、筒状のキャップ本体71と、キャップ本体71の外周面の一部から径方向に突出する凸部72と、を有している。凸部72は、ケーシング1に形成された溝に係合することで、上下ルーバ3の回動範囲を規制するために設けられている。突出部6A,6Bが回転対称な形状を有している一方で、キャップ7は幅方向の両側で互いに同一の形状を有している。言い換えると、キャップ7は、幅方向両側で共通の部品となっている。
【0019】
(導風板の構成)
図3に示すように、導風板4は、吹出口1Aの幅方向に延びる第二軸線A2回りに回動可能とされている。導風板4は、吹出口1Aの上方に収まる待機位置P3と、上下ルーバ3の前方下方に位置する導風位置P4との間でその姿勢を遷移させることが可能である。なお、導風板4の姿勢は図示しないアクチュエータによって調節される。第二軸線A2は、上記の第一軸線A1よりも下方かつ後方側に位置している。また、導風板4の回動軌跡は、上下ルーバ3の回動軌跡よりも外側に位置している。つまり、導風板4の回動半径は、上下ルーバ3の回動半径よりも大きい。さらに言い換えれば、導風板4の回動軌跡は、上下ルーバ3の回動軌跡とは重複していない。
【0020】
より具体的には
図4から
図6に示すように、導風板4は、板状の導風板本体41と、導風板本体41の端縁に取り付けられた回転アーム42と、を有している。導風板本体41のうち、待機位置P3で後方側を向く面は導風面4Sとされている。回転アーム42は、第二軸線A2回りに回動可能に支持されている。
【0021】
(左右ルーバの構成)
図4から
図6に示すように、左右ルーバ5は、上下方向に延びる第三軸線A3回りに回動可能とされている。左右ルーバ5は、上下方向に広がる板状の左右ルーバ本体51と、左右ルーバ本体51をケーシング1に対して回動可能に支持する柱状の軸部52と、を有している。軸部52は第三軸線A3回りに回動可能である。左右ルーバ本体51の前方側の端縁には、後方側に向かって凹む凹部Rが形成されている。これにより、
図7に示すように、上下ルーバ3が案内位置P2にあり、左右ルーバ5が左右いずれかの方向に最も回動した状態にあるとき、上下ルーバ3の後方側の端部tは凹部R内に収容された状態となる。つまり、端部tと左右ルーバ5とが干渉することがない。
【0022】
(作用効果)
続いて、
図4から
図6を参照して空調装置100の動作について説明する。
図4に示すように、空調装置100が停止状態にある場合には、上下ルーバ3は閉位置P1にあり、及び導風板4は待機位置P3にある。つまり、上下ルーバ3によって吹出口1Aは閉塞され、導風板4は上下ルーバ3の上方に格納されている。
【0023】
一方で、
図5に示すように、上下ルーバ3のみを回動させて案内位置P2に遷移させた場合、上下ルーバ本体31の下方を向く案内面3Sによって、空気が前方(水平方向)に案内される。
【0024】
ここで、
図6に示すように、上下ルーバ3を案内位置P2からわずかに下方に回動させて下向き位置P2´とすることがある。この場合、空気は案内面3Sに沿って前方下方に向かって流れる。その結果、空調装置100の近傍にいる使用者に風が直接的に当たってしまい、ドラフト感を与える虞がある。
【0025】
そこで、本実施形態に係る空調装置100では、
図6に示すように、導風板4を導風位置P4に遷移させる。これにより、上下ルーバで案内された空気を導風板4の導風面4Sによって案内することで、下方に向かわせることなく前方に導くことができる。これにより、送風が下方に向かうことによるドラフト感を軽減することができる。
【0026】
さらに、上記構成によれば、上下ルーバ3と導風板4の回転軌跡が重複しないことから、一方の姿勢を他方の姿勢によらずに独立して調節することができる。これにより、様々な方向にドラフト感なく送風を供給することができる。
【0027】
加えて、上記構成によれば、上下ルーバ3、及び導風板4が面一な状態で格納されるため、装置全体の美観を高めることができる。
【0028】
また、上記構成によれば、導風板4の回動半径が上下ルーバ3の回動半径よりも大きいことから、導風位置P4にあるときに導風板4を上下ルーバ3のより前方側に張り出させることができる。これにより、上下ルーバ3で案内された空気を導風板4によって安定的に受け止め、より円滑に前方に案内することができる。
【0029】
さらに、上記構成によれば、左右ルーバ5の前方側の端縁に凹部Rが形成されていることから、案内位置P2の上下ルーバ3と当該左右ルーバ5との干渉を回避することができる。その結果、前後方向における装置の寸法体格を小さく抑えることができる。
【0030】
加えて、上記構成によれば、上下ルーバ3の突出部6A,6Bが幅方向の両側で互いに回転対称な形状を有していることから、キャップ7の形状を幅方向の両側で互いに同一とすることができる。つまり、一種類のキャップ7を用意することのみによって幅方向両側の突出部6A,6Bに対応させることができる。これにより、部品点数を削減し、製造コストを低減することができる。
【0031】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、導風板4の回動軌跡が上下ルーバ3の回動軌跡と重複しない例について説明した。しかしながら、これら導風板4及び上下ルーバ3の回動軌跡の一部が重複した状態で、動作を排他的に制御することによって両者の干渉を回避する構成を採ることも可能である。
【0032】
<付記>
各実施形態に記載の空調装置は、例えば以下のように把握される。
【0033】
(1)第1の態様に係る空調装置100は、水平方向に開口する吹出口1Aを有するケーシング1と、該ケーシング1内に設けられて、前記吹出口1Aがある前方へと向かって空気を送風する送風機2と、前記吹出口1Aの幅方向に延びる第一軸線A1回りに回動することで、前記吹出口1Aを閉塞する閉位置P1と、下方を向く案内面3Sによって前記空気を前方へと案内する案内位置P2との間で遷移する上下ルーバ3と、前記第一軸線A1よりも下方の第二軸線A2回りに前記上下ルーバ3の回動軌跡の外側で回動することで、前記吹出口1Aの上方に収まる待機位置P3と、前記上下ルーバ3の前方下方に位置して前記案内面3Sによって案内された空気を前方に導風する導風位置P4との間で遷移する導風板4と、を備える。
【0034】
上記構成によれば、導風板4を導風位置P4に遷移させることによって、上記上下ルーバ3で案内された空気を、下方に向かわせることなく前方に導くことができる。これにより、送風が下方に向かうことによるドラフト感を軽減することができる。
【0035】
(2)第2の態様に係る空調装置100では、前記上下ルーバ3の回動軌跡と前記導風板4の回動軌跡とが互いに重複していない。
【0036】
上記構成によれば、上下ルーバ3と導風板4の回転軌跡が重複しないことから、一方の姿勢を他方の姿勢によらずに独立して調節することができる。
【0037】
(3)第3の態様に係る空調装置100では、前記上下ルーバ3が前記閉位置P1にあり、前記導風板4が前記待機位置P3にあるとき、前記上下ルーバ3、及び前記導風板4は互いに面一をなしている。
【0038】
上記構成によれば、装置全体の美観を高めることができる。
【0039】
(4)第4の態様に係る空調装置100では、前記導風板4の回動半径は、前記上下ルーバ3の回動半径よりも大きい。
【0040】
上記構成によれば、導風位置P4にあるときに導風板4を上下ルーバ3のより前方側に張り出させることができる。
【0041】
(5)第5の態様に係る空調装置100は、前記上下ルーバ3の後方に設けられ、前記吹出口1Aの高さ方向に延びる第三軸線A3回りに回動することで、水平方向における前記空気の向きを案内する複数の左右ルーバ5をさらに備え、該左右ルーバ5の前方側の端縁には、前方側に凹むことで前記案内位置P2にある前記上下ルーバ3の後方側の端縁を収容する凹部Rが形成されている。
【0042】
上記構成によれば、案内位置P2の上下ルーバ3と左右ルーバ5との干渉を回避することができる。その結果、前後方向における装置の寸法体格を小さく抑えることができる。
【0043】
(6)第6の態様に係る空調装置100では、前記上下ルーバ3は、該上下ルーバ3から幅方向に突出して、前記ケーシング1に形成された孔部に挿入される突出部6A,6Bと、該突出部6A,6Bに取り付けられることで、前記上下ルーバ3を前記ケーシング1に対して脱落不能に固定するキャップ7と、を有し、前記突出部6A,6Bは、幅方向の両側で互いに回転対称な形状を有し、前記キャップ7は、幅方向の両側で互いに同一の形状を有する。
【0044】
上記構成によれば、突出部6A,6Bが幅方向の両側で互いに回転対称な形状を有していることから、キャップ7の形状を幅方向の両側で互いに同一とすることができる。つまり、一種類のキャップ7を用意することのみによって幅方向両側の突出部に対応させることができる。
【0045】
(7)第7の態様に係る空調装置は、水平方向に開口する吹出口1Aを有するケーシング1と、該ケーシング1内に設けられて、前記吹出口1Aがある前方へと向かって空気を送風する送風機2と、前記吹出口1Aの幅方向に延びる第一軸線A1回りに回動することで、前記吹出口1Aを閉塞する閉位置P1と、下方を向く案内面3Sによって前記空気を前方へと案内する案内位置P2との間で遷移する上下ルーバ3と、前記上下ルーバ3の後方に設けられ、前記吹出口1Aの高さ方向に延びる第三軸線A3回りに回動することで、水平方向における前記空気の向きを案内する複数の左右ルーバ5と、を備え、該左右ルーバ5の前方側の端縁には、前方側に凹むことで前記案内位置P2にある前記上下ルーバ3の後方側の端縁を収容する凹部Rが形成されている。
【0046】
上記構成によれば、案内位置P2の上下ルーバ3と左右ルーバ5との干渉を回避することができる。その結果、前後方向における装置の寸法体格を小さく抑えることができる。
【符号の説明】
【0047】
100 空調装置
1 ケーシング
1A 吹出口
1B 吸気口
2 送風機
3 上下ルーバ
3S 案内面
4 導風板
4S 導風面
5 左右ルーバ
6A,6B 突出部
61A,61B 切欠部
7 キャップ
71 キャップ本体
72 凸部
10 熱交換器
31 上下ルーバ本体
32 タブ
41 導風板本体
42 回転アーム
51 左右ルーバ本体
52 軸部
A1 第一軸線
A2 第二軸線
A3 第三軸線
R 凹部