(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】排泄物処理材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/015 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A01K1/015 B
(21)【出願番号】P 2020072651
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/162599(WO,A1)
【文献】特開2005-312440(JP,A)
【文献】特開2006-042825(JP,A)
【文献】特許第3768203(JP,B2)
【文献】特開平10-165026(JP,A)
【文献】特開2010-247013(JP,A)
【文献】特開2005-329287(JP,A)
【文献】特開2012-147694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材であって、
前記粒状体は、第1主材料として吸水性材料を含有するとともに、第2主材料として石膏を含有
し、
前記粒状体は、前記吸水性材料及び前記石膏のみからなることを特徴とする排泄物処理材。
【請求項2】
撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材であって、
前記粒状体は、第1主材料として吸水性材料を含有するとともに、第2主材料として石膏を含有
し、
前記粒状体は、前記吸水性材料及び前記石膏に加えて、着色剤、撥水剤又は消臭抗菌剤である副材料のみからなることを特徴とする排泄物処理材。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の排泄物処理材において、
前記吸水性材料は、有機物である排泄物処理材。
【請求項4】
請求項
3に記載の排泄物処理材において、
前記吸水性材料は、再生紙である排泄物処理材。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れかに記載の排泄物処理材において、
前記粒状体に占める前記吸水性材料の重量割合は、51%以上56%以下である排泄物処理材。
【請求項6】
請求項1乃至
4の何れかに記載の排泄物処理材において、
前記粒状体に占める前記石膏の重量割合は、38%以上42%以下である排泄物処理材。
【請求項7】
請求項
2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、前記副材料として
前記着色剤を含有する排泄物処理材。
【請求項8】
請求項
7に記載の排泄物処理材において、
前記着色剤は、チョーク粉である排泄物処理材。
【請求項9】
請求項
2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、前記副材料として
前記撥水剤を含有する排泄物処理材。
【請求項10】
請求項
9に記載の排泄物処理材において、
前記撥水剤は、パラフィンである排泄物処理材。
【請求項11】
請求項
2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、前記副材料として
前記消臭抗菌剤を含有する排泄物処理材。
【請求項12】
請求項
11に記載の排泄物処理材において、
前記消臭抗菌剤は、硫酸銅又はカテキン粉末である排泄物処理材。
【請求項13】
撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材を製造する方法であって、
第1主材料として吸水性材料を含有するとともに第2主材料として石膏を含有する前記粒状体を形成する粒状体形成工程を含
み、
前記粒状体形成工程においては、前記吸水性材料及び前記石膏のみからなる前記粒状体を形成することを特徴とする排泄物処理材の製造方法。
【請求項14】
撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材を製造する方法であって、
第1主材料として吸水性材料を含有するとともに第2主材料として石膏を含有する前記粒状体を形成する粒状体形成工程を含
み、
前記粒状体形成工程においては、前記吸水性材料及び前記石膏に加えて、着色剤、撥水剤又は消臭抗菌剤である副材料のみからなる前記粒状体を形成することを特徴とする排泄物処理材の製造方法。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記吸水性材料は、有機物である排泄物処理材の製造方法。
【請求項16】
請求項
15に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記吸水性材料は、再生紙である排泄物処理材の製造方法。
【請求項17】
請求項
13乃至
16の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記粒状体に占める前記吸水性材料の重量割合が51%以上56%以下となるように、当該粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項18】
請求項13乃至
16の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記粒状体に占める前記石膏の重量割合が38%以上42%以下となるように、当該粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項19】
請求項
14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記副材料として
前記着色剤を含有する前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項20】
請求項
19に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記着色剤は、チョーク粉である排泄物処理材の製造方法。
【請求項21】
請求項
14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記副材料として
前記撥水剤を含有する前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項22】
請求項
21に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記撥水剤は、パラフィンである排泄物処理材の製造方法。
【請求項23】
請求項
14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記副材料として
前記消臭抗菌剤を含有する前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項24】
請求項
23に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記消臭抗菌剤は、硫酸銅又はカテキン粉末である排泄物処理材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物処理材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排泄物処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された排泄物処理材は、撥水性を有する複数の粒状体からなり、ペット用トイレに敷設されている。このペット用トイレは、尿を通過させるメッシュ状のシートによって上部空間と下部空間とに区画されている。撥水性の粒状体は、上部空間に配設されている。下部空間には、吸液シートが配設されている。ペットが排尿すると、尿は、撥水性の粒状体間の間隙を通り抜けて、メッシュ状のシートを通じて下部空間に達する。下部空間に達した尿は、吸液シートによって吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる撥水性の排泄物処理材は、吸水性の排泄物処理材とは異なり、尿を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しないため、繰り返し使用することが可能である。しかしながら、紙類等の吸水性材料を主材料として粒状体を形成する場合、当該粒状体に撥水性をもたせるには、粒状体の表面に撥水処理を施す必要があった。このことは、排泄物処理材の製造工程の複雑化を招く要因となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撥水処理を施さなくても撥水性を発揮することが可能な排泄物処理材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による排泄物処理材は、撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材であって、上記粒状体は、第1主材料として吸水性材料を含有するとともに、第2主材料として石膏を含有することを特徴とする。
【0007】
この排泄物処理材においては、粒状体の第1主材料として吸水性材料が用いられるとともに、第2主材料として石膏が用いられている。第1主材料は、粒状体に占める重量割合が最大であり、かつ当該重量割合が50%以上の材料である。また、第2主材料は、粒状体に占める重量割合が第1主材料に等しいか第1主材料に次いで2番目に大きく、かつ当該重量割合が30%以上の材料である。このように第2主材料として石膏を用いることにより、粒状体の撥水率を高めることができる。このため、第1主材料として吸水性材料を用いているにもかかわらず、粒状体の表面に撥水処理を施すことなしに撥水性を有する粒状体を得ることができる。
【0008】
また、本発明による排泄物処理材の製造方法は、撥水性を有する粒状体からなる排泄物処理材を製造する方法であって、第1主材料として吸水性材料を含有するとともに第2主材料として石膏を含有する上記粒状体を形成する粒状体形成工程を含むことを特徴とする。
【0009】
この製造方法においては、粒状体の第1主材料として吸水性材料が用いられるとともに、第2主材料として石膏が用いられている。このように第2主材料として石膏を用いることにより、粒状体の撥水率を高めることができる。このため、第1主材料として吸水性材料を用いているにもかかわらず、粒状体の表面に撥水処理を施すことなしに撥水性を有する粒状体を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撥水処理を施さなくても撥水性を発揮することが可能な排泄物処理材及びその製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。排泄物処理材1は、排泄物(特に尿)の処理に用いられる排泄物処理材であって、粒状体10からなる。本実施形態において排泄物処理材1は、複数の粒状体10からなる。各粒状体10の粒径は、例えば5mm以上15mm以下である。ここで、粒状体10の粒径は、当該粒状体10を内包しうる最小の球の直径として定義するものとする。
【0014】
排泄物処理材1は、猫や犬等の動物の排泄物を処理する動物用の排泄物処理材であってもよいし、人の排泄物を処理する人用の排泄物処理材であってもよい。この排泄物処理材1は、例えば、尿を通過させる孔部を有する仕切部材によって上部空間と下部空間とに区画された2段構造のトイレ(システムトイレ)において使用される。その場合、排泄物処理材1は、システムトイレの上部空間(仕切部材上)に複数の粒状体10が積み重ねられた状態で使用される。
【0015】
各粒状体10は、撥水性を有している。すなわち、粒状体10は、尿等の液体を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しない性質を有する。粒状体10が撥水性を有するというには、次の試験により測定される撥水率が80%以上であることが必要である。まず、茶こしに50g相当の複数の粒状体10(サンプル)を入れる。茶こしの下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、針のない注射器を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって撥水率とする。すなわち、ビーカー内の水量が24ml以上であれば、撥水率が80%以上となるため、粒状体10が撥水性を有するといえる。参考として、市販されている一般的な吸水性の猫砂の撥水率は、5%程度である。
【0016】
各粒状体10は、第1主材料として吸水性材料を含有している。ここで、第1主材料とは、各粒状体10に占める重量割合が最大であり、かつ当該重量割合が50%以上である材料をいう。各粒状体10に占める第1主材料(吸水性材料)の重量割合は、50%以上70%以下である。吸水性材料は、有機物であることが好ましい。有機物である吸水性材料としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。本実施形態において吸水性材料には、撥水処理が施されていない。
【0017】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、再生紙、塩ビ壁紙分級物(塩ビ壁紙を分級することにより得られる紙)、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。プラスチック類としては、例えば、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)を用いてもよい。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。
【0018】
各粒状体10は、第2主材料として石膏を含有している。ここで、第2主材料とは、各粒状体10に占める重量割合が第1主材料に等しいか第1主材料に次いで2番目に大きく、かつ当該重量割合が30%以上である材料をいう。各粒状体10に占める第2主材料(石膏)の重量割合は、30%以上50%以下である。
【0019】
各粒状体10は、第1主材料及び第2主材料に加えて、1又は2以上の副材料を含有している。ここで、副材料とは、各粒状体10に占める重量割合が20%以下である材料をいう。各粒状体10に2以上の副材料を含有させる場合は、当該副材料の重量割合の合計が20%以下となるようにする。
【0020】
各粒状体10は、副材料として、例えば、接着剤、着色剤、撥水剤及び消臭抗菌剤からなる群から選択される1又は2以上の材料を含有することができる。接着剤としては、例えば、コーンスターチ等の澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はデキストリンが挙げられる。各粒状体10に占める接着剤の重量割合は、1%以上5%以下であることが好ましい。
【0021】
着色剤としては、一般的な染料又は顔料の他にも、例えばチョーク粉が挙げられる。各粒状体10に占める着色剤の重量割合は、1%以上5%以下であることが好ましい。撥水剤としては、例えばパラフィンが挙げられる。各粒状体10に占める撥水剤の重量割合は、0.5%以上2%以下であることが好ましい。消臭抗菌剤としては、例えば、硫酸銅等の銅化合物、又はカテキン粉末が挙げられる。各粒状体10に占める消臭抗菌剤の重量割合は、0.1%以上1%以下であることが好ましい。
【0022】
本実施形態において各粒状体10は、被造粒材料(第1主材料、第2主材料及び副材料の混合物)を造粒してなる造粒物である。各粒状体10には、被覆層(造粒物の表面の一部または全体を覆う層)が設けられていない。すなわち、各粒状体10は、均質な造粒物からなる単層構造をしている。
【0023】
続いて、本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態として、排泄物処理材1の製造方法の一例を説明する。この製造方法は、粒状体形成工程を含んでいる。
【0024】
粒状体形成工程は、粒状体10を形成する工程である。この工程においては、造粒装置を用いて被造粒材料を造粒することにより、粒状体10となる複数の造粒物を形成する。被造粒材料は、第1主材料、第2主材料及び副材料が均一に混合されたものである。本実施形態においては、造粒装置として押出造粒機を用いる。造粒に先立って、被造粒材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。造粒後は、篩分け、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。本実施形態においては、造粒後、造粒物の表面に撥水処理が施されることはない。以上により、複数の粒状体10からなる排泄物処理材1が得られる。
【0025】
本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、粒状体10の第1主材料として吸水性材料が用いられるとともに、第2主材料として石膏が用いられている。このように第2主材料として石膏を用いることにより、粒状体10の撥水率を高めることができる。多量(30重量%以上)の石膏が固化剤として機能し、粒状体10の表面や内部に隙間が生じにくくなるからである。かかる隙間は、粒状体10の内部に尿等の水分が浸入する経路となるため、粒状体10の撥水率を低下させる要因となる。このため、第1主材料として吸水性材料を用いているにもかかわらず、粒状体10の表面に撥水処理を施すことなしに撥水性を有する粒状体10を得ることができる。したがって、撥水処理を施さなくても撥水性を発揮することが可能な排泄物処理材1及びその製造方法が実現されている。
【0026】
ところで、粒状体10の表面や内部に隙間が生じにくくするには、造粒時に被造粒材料に加わる圧力を高めるという手段も考えられる。粒状体10に石膏を全く含有させないか、少量(20重量%以下)しか含有させない場合、表面への撥水処理をせずに撥水性を有する粒状体10を得るには、上記手段を用いる必要がある。しかしながら、その場合、ダイスの貫通孔の長さを大きくしたり径を小さくしたりして、被造粒材料が貫通孔を通過する際の抵抗を大きくしなければならない。そのため、被造粒材料が貫通孔に詰まりやすくなってしまうという問題がある。この点、本実施形態によれば、多量の石膏により粒状体10の表面や内部に隙間が生じにくくすることができるため、造粒時の圧力を然程高めなくても、撥水性を有する粒状体10を得ることができる。それゆえ、造粒時の圧力を高めることによる上記問題を回避することができる。
【0027】
吸水性材料が有機物である場合、粒状体10の大部分を焼却処分することが可能となる。このことは、使用済みの粒状体10の処分の便宜に資する。特に吸水性材料として再生紙を用いた場合、古紙の有効活用に貢献することができる。
【0028】
粒状体10は、第1主材料及び第2主材料に加えて、副材料を含有している。これにより、粒状体10に様々な機能を付与したり、粒状体10の性能を向上させたりすることができる。
【0029】
粒状体10が副材料として接着剤を含有する場合、粒状体10を造粒しやすくなる。また、造粒後に粒状体10が崩壊してしまう事態を起こりにくくすることができる。
【0030】
粒状体10が副材料として着色剤を含有する場合、粒状体10に所望の色彩を与えることができる。このことは、粒状体10ひいては排泄物処理材1の美観の向上に資する。
【0031】
粒状体10が副材料として撥水剤を含有する場合、粒状体10の撥水性を一層向上させることができる。
【0032】
粒状体10が副材料として消臭抗菌剤を含有する場合、尿が付着した粒状体10における雑菌の繁殖及び悪臭の発生を抑制することができる。
【0033】
本実施形態の効果を確認するため、上述の製造方法により排泄物処理材1を実際に製造した。製造した各粒状体10の組成は、次のとおりである。
・吸水性材料(第1主材料)…53.5重量%
・石膏(第2主材料)…40.0重量%
・接着剤(副材料)…2.5重量%
・着色剤(副材料)…2.5重量%
・撥水剤(副材料)…1.0重量%
・消臭抗菌剤(副材料)…0.5重量%
【0034】
吸水性材料としては、再生紙を用いた。再生紙は、(再生紙として)未使用のものである。すなわち、ここで用いた再生紙は、塩ビ壁紙等の製品に使用された後に当該製品から分離されたものではない。接着剤、着色剤、及び撥水剤としては、それぞれ、βコーンスターチ、チョーク粉、及びパラフィンを用いた。また、消臭抗菌剤としては、硫酸銅(0.4重量%)及びカテキン粉末(0.1重量%)を用いた。かかる粒状体10の撥水率を上述の試験により測定したところ、86%であった。このように、製造した排泄物処理材1は、充分な撥水性を発揮した。
【0035】
粒状体10の撥水性に石膏が寄与する上述の機序に鑑みると、吸水性材料及び石膏の含有量(重量割合)が±5%程度変化しても、同様な結果が得られると考えられる。それゆえ、各粒状体10に占める吸水性材料の重量割合は、51%以上56%以下であることが好ましい。また、各粒状体10に占める石膏の重量割合は、38%以上42%以下であることが好ましい。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、粒状体10が副材料を含有する場合を例示した。しかし、粒状体10が副材料を含有することは、必須でない。すなわち、各粒状体10は、第1主材料(吸水性材料)及び第2主材料(石膏)のみを含有していてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 排泄物処理材
10 粒状体