(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】物品保管配送制御装置、物品保管配送システム、及び物品保管配送制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20241108BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2020140665
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-04-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 文男
(72)【発明者】
【氏名】住本 勝之
(72)【発明者】
【氏名】山崎 航
(72)【発明者】
【氏名】田中 昭二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恵一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 直毅
(72)【発明者】
【氏名】堀口 純平
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-317010(JP,A)
【文献】特開2015-082262(JP,A)
【文献】特開2016-206708(JP,A)
【文献】特開2019-086831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出場口を有する施設の利用者が物品の保管を依頼したことを示す物品保管依頼情報を取得する物品保管依頼情報取得部と、
前記物品保管依頼情報取得部が取得した物品保管依頼情報が示す利用者が前記物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を取得する返却依頼情報取得部と、
前記返却依頼情報取得部が前記返却依頼情報を取得した場合、前記利用者が前記複数の入出場口のうちの何れの入出場口の周辺において前記物品を受け取るかを前記利用者に選択させるための入出場口選択肢情報を生成する入出場口選択肢情報生成部と、
前
記入出場口選択肢情報生成部が生成した入出場口選択肢情報に基づいて
、前記利用者が、前記物品の返却を依頼したのちに選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を取得する入出場口選択済情報取得部と、
前記入出場口選択済情報取得部が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に前記物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する配送指示情報生成部と、を備えていることを特徴とする、物品保管配送制御装置。
【請求項2】
前記物品保管依頼情報取得部が取得する物品保管依頼情報は、前記利用者を識別するための利用者識別情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項3】
前記物品保管依頼情報取得部が取得する物品保管依頼情報は、前記物品に対して冷蔵又は冷凍が必要であるか否かを示す冷蔵冷凍要否情報を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項4】
前記物品保管依頼情報取得部が取得する物品保管依頼情報は、前記物品が格納されたコンテナを識別するためのコンテナ識別情報を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項5】
前記返却依頼情報取得部が前記返却依頼情報を取得した場合、前記利用者が前記物品を受け取ることを希望する希望時間を前記利用者に選択させるための希望時間選択肢情報を生成する希望時間選択肢情報生成部と、
前記利用者が、前記希望時間選択肢情報生成部が生成した希望時間選択肢情報に基づいて選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を取得する希望時間選択済情報取得部と、をさらに備え、
前記配送指示情報生成部が生成する配送指示情報は、前記物品が、前記希望時間選択済情報取得部が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間に、前記入出場口選択済情報取得部が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に到達するように前記物品の配送を指示することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項6】
前記物品保管依頼情報取得部が取得した物品保管依頼情報により示される利用者が保管を依頼した物品を保管する保管庫の保管区域を示す保管区域情報を取得する保管区域情報取得部をさらに備え、
前記配送指示情報生成部は、前記保管区域情報取得部が取得した保管区域情報が示す保管区域から、前記入出場口選択済情報取得部が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に前記物品を配送するように指示する配送指示情報を生成することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項7】
前記複数の入出場口の各周辺に設置された一時保管庫であって、前記配送指示情報生成部が生成した配送指示情報に基づいて配送された物品が格納された一時保管庫の保管区域を示す一時保管区域情報を取得する一時保管区域情報取得部と、
前記一時保管区域情報取得部が取得した一時保管区域情報が示す保管区域を前記利用者に通知する一時保管区域通知情報を生成する一時保管区域通知情報生成部と、をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項8】
前記物品保管依頼情報取得部が取得した物品保管依頼情報が示す利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部をさらに備え、
前記入出場口選択肢情報生成部は、前記利用者情報取得部が取得した利用者情報に基づいて、前記利用者が前記複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測し、推測した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を生成することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項9】
前記利用者情報取得部が取得する利用者情報は、前記利用者の住所、前記利用者が利用する路線、又は、前記利用者が前記施設に来場する際に搭乗してきた自動車が駐車された駐車区画の少なくとも1つ以上の情報を含むことを特徴とする、請求項8に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項10】
前記返却依頼情報取得部が前記返却依頼情報を取得した場合、前記利用者が前記物品を受け取ることを希望する希望時間を前記利用者に選択させるための希望時間選択肢情報を生成する希望時間選択肢情報生成部と、
前記利用者が、前記希望時間選択肢情報生成部が生成した希望時間選択肢情報に基づいて選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を取得する希望時間選択済情報取得部と、をさらに備え、
前記入出場口選択肢情報生成部は、前記希望時間選択済情報取得部が取得した希望時間選択済情報にさらに基づいて、前記利用者が前記複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測することを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の物品保管配送制御装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の物品保管配送制御装置と、
前記物品保管依頼情報を受け付け、前記物品保管依頼情報取得部に出力する物品保管依頼受付装置と、
前記配送指示情報生成部が生成した配送指示情報を出力する配送指示情報出力装置と、を含むことを特徴とする、物品保管配送システム。
【請求項12】
複数の入出場口を有する施設の利用者が物品の保管を依頼したことを示す物品保管依頼情報を取得する物品保管依頼情報取得部、
前記物品保管依頼情報取得部が取得した物品保管依頼情報が示す利用者が前記物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を取得する返却依頼情報取得部、
前記返却依頼情報取得部が前記返却依頼情報を取得した場合、前記利用者が前記複数の入出場口のうちの何れの入出場口の周辺において前記物品を受け取るかを前記利用者に選択させるための入出場口選択肢情報を生成する入出場口選択肢情報生成部、
前
記入出場口選択肢情報生成部が生成した入出場口選択肢情報に基づいて
、前記利用者が、前記物品の返却を依頼したのちに選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を取得する入出場口選択済情報取得部、及び、
前記入出場口選択済情報取得部が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に前記物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する配送指示情報生成部
としてコンピュータを機能させるための物品保管配送制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品保管配送制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商店街の利用者が購入した商品を自動配送する自動配送システムが記載されている。当該自動配送システムでは、利用者が商店街に車両で来場した際に、駐車場において、利用者が車両を止めた駐車区画の番号が記憶された駐車カードが発行される。また、利用者が商店街で商品を購入した際に、当該駐車区画の番号のタグが当該商品に付される。当該商品は、当該タグに基づいて当該駐車区画に配送され、商品収納庫に収納される。利用者は、商店街から退場する際に、駐車場において、駐車カードをカード読み取り装置に挿入することにより商品収納庫が開き、商品を受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自動配送システムのような技術では、利用者が駐車場から入退場するように、利用者が施設に入場する際に利用する入出場口と、利用者が施設から退場する際に利用する入出場口とが同一であることが前提である。
【0005】
しかし、複数の入出場口を有する施設では、利用者が施設に入場する際に利用する入出場口と、利用者が施設から退場する際に利用する入出場口とが異なる場合がある。その場合、上述のような技術では、利用者が施設に入場する際に利用した入出場口に物品が配送されるため、利用者が施設から退場する際に利用者に物品を返却できないという問題がある。
【0006】
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品保管配送制御装置は、複数の入出場口を有する施設の利用者が物品の保管を依頼したことを示す物品保管依頼情報を取得する物品保管依頼情報取得部と、物品保管依頼情報取得部が取得した物品保管依頼情報が示す利用者が物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を取得する返却依頼情報取得部と、返却依頼情報取得部が返却依頼情報を取得した場合、利用者が複数の入出場口のうちの何れの入出場口の周辺において物品を受け取るかを利用者に選択させるための入出場口選択肢情報を生成する入出場口選択肢情報生成部と、利用者が、入出場口選択肢情報生成部が生成した入出場口選択肢情報に基づいて選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を取得する入出場口選択済情報取得部と、入出場口選択済情報取得部が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する配送指示情報生成部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る物品保管配送システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る物品保管配送制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る物品保管配送制御装置による物品保管配送制御方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係る物品保管配送システムが適用される駅前複合施設を示す俯瞰図である。
【
図5】実施の形態1に係る物品保管配送システムが適用される駅前複合施設が有する立体駐車場内を示す部分斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る物品保管配送システムが適用される駅前複合施設が有する駅ビルの3階部分を主に示す平面図である。
【
図7】実施の形態1に係る物品保管配送システムが適用される駅前複合施設が有する駅ビルの最上階を示す平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る物品保管配送システムの具体例の構成を示す図である。
【
図9】実施の形態1の具体例に係る記録装置に格納される利用者情報ファイルを示す図である。
【
図10】実施の形態1の具体例に係る記録装置に格納される保管物品管理ファイルを示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る物品保管配送制御装置による物品保管配送制御方法における入出場口選択肢情報生成方法の具体例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12Aは、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
図12Bは、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示をより詳細に説明するため、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100の構成を示すブロック図である。
図1が示すように、物品保管配送システム100は、物品保管配送制御装置1、記録装置2、物品保管依頼受付装置3、配送装置4、保管区域受付装置5、利用者端末装置6、配送指示情報出力装置7、及び一時保管区域受付装置8を含む。なお、これらの装置は、図示しないネットワークで接続されているものとする。
図2は、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1の構成を示すブロック図である。
図2が示すように、物品保管配送制御装置1は、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19、及び一時保管区域通知情報生成部20を備えている。
【0011】
物品保管依頼受付装置3は、施設の利用者が物品の保管を依頼したことを示す物品保管依頼情報を受け付ける。物品保管依頼受付装置3は、受け付けた物品保管依頼情報を物品保管配送制御装置1の物品保管依頼情報取得部10に出力する。なお、本明細書において、「施設」は、複数の入出場口を有するものとする。施設の例として、複数の商店を有する複合施設等が挙げられる。また、利用者の例として、商店の顧客等が挙げられる。また、ここにおける物品の例として、商品等が挙げられる。物品保管依頼受付装置3の例として、施設の商店に設置されたレジスタ等が挙げられる。その場合、レジスタを操作する店員は、施設の利用者から物品の保管依頼を受け付け、レジスタに物品保管依頼情報を入力する。
【0012】
物品保管依頼受付装置3が受け付ける物品保管依頼情報は、例えば、物品の保管を依頼した利用者を識別するための利用者識別情報、利用者が保管を依頼した物品に対して冷蔵若しくは冷凍が必要であるか否かを示す冷蔵冷凍要否情報、又は利用者が保管を依頼した物品が格納されたコンテナを識別するためのコンテナ識別情報等を含む。これらの情報は、例えば、物品保管依頼受付装置3を操作する人(例えば、店員)が、利用者から物品を保管するように依頼された際に、物品保管依頼受付装置3に入力する。
【0013】
配送装置4は、利用者が保管を依頼した物品を保管庫(図示せず)に配送する。より具体的には、例えば、利用者が保管を依頼した物品は、例えば、コンテナに格納され、配送装置4は、物品が格納されたコンテナを保管庫に配送する。なお、実施の形態1では、配送装置4が物品を配送する構成について説明するが、物品は、例えば、人によって保管庫に配送されてもよい。
【0014】
物品保管配送制御装置1の物品保管依頼情報取得部10は、物品保管依頼情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、物品保管依頼情報取得部10は、物品保管依頼受付装置3が受け付けた物品保管依頼情報を取得する。物品保管依頼情報取得部10は、取得した物品保管依頼情報を記録装置2に記録する。記録装置2は、記録された物品保管依頼情報を必要に応じて保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、又は利用者情報取得部13等に出力する。
【0015】
物品保管依頼情報取得部10は、物品保管依頼情報を取得した際に、物品保管依頼情報が示す物品を保管庫に配送するように指示する配送指示情報を生成してもよい。その場合、配送装置4は、物品保管依頼情報取得部10が生成した配送指示情報に基づいて、物品を保管庫に配送する。物品保管依頼情報取得部10が生成した配送指示情報は、物品を保管する保管庫の保管区域を指定してもよい。その場合、配送装置4は、物品保管依頼情報取得部10が生成した配送指示情報が指定する保管庫の保管区域に物品を格納する。また、その場合、物品保管配送システム100は、以下で説明する保管区域受付装置5を備えていなくてもよく、物品保管配送制御装置1は、以下で説明する保管区域情報取得部11を備えていなくてもよい。
【0016】
保管区域受付装置5は、利用者が保管を依頼した物品が保管された保管庫の保管区域を示す保管区域情報を受け付ける。保管区域受付装置5は、受け付けた保管区域情報を物品保管配送制御装置1の保管区域情報取得部11に出力する。より具体的には、例えば、保管庫の管理者が、配送装置4が保管庫に配送した物品を、空いている保管区域に格納し、当該物品を格納した保管区域を保管区域受付装置5に入力する。これにより、保管区域受付装置5は、保管区域情報を受け付ける。別の例では、例えば、配送装置4が、空いている保管区域に物品を格納し、当該物品を格納した保管区域を保管区域受付装置5に出力する。これにより、保管区域受付装置5は、保管区域情報を受け付ける。
【0017】
物品保管配送制御装置1の保管区域情報取得部11は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報により示される利用者が保管を依頼した物品を保管する保管庫の保管区域を示す保管区域情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、保管区域情報取得部11は、保管区域受付装置5が受け付けた保管区域情報を取得する。保管区域情報取得部11は、取得した保管区域情報を記録装置2に格納する。記録装置2は、格納された保管区域情報を必要に応じて配送指示情報生成部18に出力する。
【0018】
利用者端末装置6は、利用者から、利用者が物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を受け付ける。利用者端末装置6は、受け付けた返却依頼情報を物品保管配送制御装置1の返却依頼情報取得部12に出力する。つまり、利用者は、利用者端末装置6を操作することにより、物品の返却を依頼する。利用者端末装置6の例としては、利用者が所持するスマートフォン等が挙げられ、他の例では、施設内に利用者端末装置6を数か所据え付けておき、携帯通信情報端末を所持していない利用者からも物品保管配送システム100を使用できるようにしてもよい。
【0019】
物品保管配送制御装置1の返却依頼情報取得部12は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報が示す利用者が物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、返却依頼情報取得部12は、利用者端末装置6から返却依頼情報を取得する。返却依頼情報取得部12は、取得した返却依頼情報を利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、及び希望時間選択肢情報生成部16にそれぞれ出力する。
【0020】
物品保管配送制御装置1の利用者情報取得部13は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報が示す利用者に関する利用者情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、記録装置2は、利用者情報を記憶しており、利用者情報取得部13は、返却依頼情報取得部12が返却依頼情報を取得した場合、記録装置2から利用者情報を取得する。利用者情報取得部13は、取得した利用者情報を入出場口選択肢情報生成部14に出力する。利用者情報は、例えば、利用者の住所、利用者が利用する路線、又は、利用者が施設に来場する際に搭乗してきた自動車が駐車された駐車区画等の少なくとも1つ以上の情報を含む。なお、ここにおける路線は、例えば、鉄道路線、又はバス路線等である。
【0021】
物品保管配送制御装置1の入出場口選択肢情報生成部14は、返却依頼情報取得部12が返却依頼情報を取得した場合、利用者が複数の入出場口のうちの何れの入出場口の周辺において物品を受け取るかを利用者に選択させるための入出場口選択肢情報を生成する。より詳細には、実施の形態1では、入出場口選択肢情報生成部14は、利用者情報取得部13が取得した利用者情報に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測し、推測した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を生成する。詳細については後述する。入出場口選択肢情報生成部14は、生成した入出場口選択肢情報を利用者端末装置6に出力する。
【0022】
利用者端末装置6は、入出場口選択肢情報生成部14が生成した入出場口選択肢情報を画像で表示する。利用者は、当該入出場口選択肢情報に基づいて入出場口を選択する。これにより、利用者端末装置6は、利用者が入出場口選択肢情報に基づいて選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を利用者から受け付ける。利用者端末装置6は、入出場口選択済情報を物品保管配送制御装置1の入出場口選択済情報取得部15に出力する。より具体的には、例えば、利用者端末装置6は、上述の入出場口選択肢情報生成部14が推定した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を画像で表示し、利用者は、そのまま、当該入出場口を選択するか、又は、別の入出場口を選択する。
【0023】
物品保管配送制御装置1の入出場口選択済情報取得部15は、利用者が、入出場口選択肢情報生成部14が生成した入出場口選択肢情報に基づいて選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、入出場口選択済情報取得部15は、利用者端末装置6から入出場口選択済情報を取得する。入出場口選択済情報取得部15は、取得した入出場口選択済情報を配送指示情報生成部18に出力する。
【0024】
物品保管配送制御装置1の希望時間選択肢情報生成部16は、返却依頼情報取得部12が返却依頼情報を取得した場合、利用者が物品を受け取ることを希望する希望時間を利用者に選択させるための希望時間選択肢情報を生成する。希望時間選択肢情報生成部16は、生成した希望時間選択肢情報を利用者端末装置6に出力する。
【0025】
利用者端末装置6は、希望時間選択肢情報生成部16が生成した希望時間選択肢情報を画像で表示する。利用者は、当該希望時間選択肢情報に基づいて希望時間を選択する。これにより、利用者端末装置6は、利用者が希望時間選択肢情報に基づいて選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を利用者から受け付ける。利用者端末装置6は、希望時間選択済情報を物品保管配送制御装置1の希望時間選択済情報取得部17に出力する。
【0026】
物品保管配送制御装置1の希望時間選択済情報取得部17は、利用者が、希望時間選択肢情報生成部16が生成した希望時間選択肢情報に基づいて選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、希望時間選択済情報取得部17は、利用者端末装置6から希望時間選択済情報を取得する。希望時間選択済情報取得部17は、生成した希望時間選択済情報を配送指示情報生成部18に出力する。
【0027】
物品保管配送制御装置1の配送指示情報生成部18は、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する。より詳細には、実施の形態1では、物品保管配送制御装置1の配送指示情報生成部18は、保管区域情報取得部11が取得した保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する。さらに詳細には、実施の形態1では、配送指示情報生成部18が生成する配送指示情報は、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間に、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品が到達するように物品の配送を指示する。配送指示情報生成部18は、生成した配送指示情報を配送指示情報出力装置7に出力する。
【0028】
配送指示情報出力装置7は、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報を出力する。より具体的には、例えば、配送指示情報出力装置7は、配送装置4に配送指示情報を出力する。その場合、配送装置4は、配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送する。別の例では、例えば、配送指示情報出力装置7は、保管庫の管理者に対して配送指示情報を画像で出力する。その場合、当該管理者は、配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送する。なお、実施の形態1では、配送指示情報出力装置7と、上述の保管区域受付装置5とを別々の装置として説明するが、単一の装置が、配送指示情報出力装置7の機能と、上述の保管区域受付装置5の機能とを有していてもよい。その場合、当該単一の装置は、例えば、配送装置4を制御する制御装置、又は保管庫の管理者が物品を管理する際に用いる端末装置等である。
【0029】
一時保管区域受付装置8は、配送指示情報に基づいて入出場口の周辺に配送された物品が一時保管された一時保管庫(図示せず)の保管区域を示す一時保管区域情報を受け付ける。なお、一時保管庫は、複数の入出場口の各周辺に設置されているものとする。一時保管区域受付装置8は、受け付けた一時保管区域情報を物品保管配送制御装置1の一時保管区域情報取得部19に出力する。より具体的には、例えば、配送装置4が物品を入出場口の周辺に配送した場合、配送装置4は、当該物品を、一時保管庫の空いている保管区域に格納し、当該物品を格納した保管区域を一時保管区域受付装置8に出力する。これにより、一時保管区域受付装置8は、一時保管区域情報を受け付ける。別の例では、例えば、保管庫の管理者が配送装置4から物品を受け取った場合、又は保管庫の管理者が物品を入出場口の周辺に配送した場合、保管庫の管理者は、当該物品を、一時保管庫の空いている保管区域に格納し、当該物品を格納した保管区域を一時保管区域受付装置8に入力する。これにより、一時保管区域受付装置8は、一時保管区域情報を受け付ける。なお、実施の形態1では、一時保管区域受付装置8と、上述の配送指示情報出力装置7と、上述の保管区域受付装置5とを別々の装置として説明するが、単一の装置が、一時保管区域受付装置8の機能、上述の配送指示情報出力装置7の機能と、上述の保管区域受付装置5の機能とを有していてもよい。その場合、当該単一の装置は、例えば、配送装置4を制御する制御装置、又は保管庫の管理者が物品を管理する際に用いる端末等である。
【0030】
物品保管配送制御装置1の一時保管区域情報取得部19は、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報に基づいて配送された物品が格納された一時保管庫の保管区域を示す一時保管区域情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、一時保管区域情報取得部19は、一時保管区域受付装置8から一時保管区域情報を取得する。一時保管区域情報取得部19は、取得した一時保管区域情報を一時保管区域通知情報生成部20に出力する。
【0031】
一時保管区域通知情報生成部20は、一時保管区域情報取得部19が取得した一時保管区域情報が示す保管区域を利用者に通知する一時保管区域通知情報を生成する。一時保管区域通知情報生成部20は、生成した一時保管区域通知情報を利用者端末装置6に出力する。
【0032】
利用者端末装置6は、一時保管区域通知情報生成部20が生成した一時保管区域通知情報を画像で表示する。利用者は、一時保管区域通知情報に基づいて、一時保管庫から物品を受け取る。
【0033】
以下で、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1の動作について図面を参照して説明する。
図3は、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1による物品保管配送制御方法を示すフローチャートである。なお、物品保管配送制御装置1が以下で説明する各ステップを実行する前に、物品保管依頼受付装置3は、上述の物品保管依頼情報を受け付けたものとする。また、配送装置4は、利用者が保管を依頼した物品を保管庫に配送し、保管区域受付装置5は、上述の保管区域情報を受け付けたものとする。
【0034】
図3が示すように、物品保管依頼情報取得部10は、物品保管依頼受付装置3が受け付けた物品保管依頼情報を取得する(ステップST1)。物品保管依頼情報取得部10は、取得した物品保管依頼情報を記録装置2に格納する。
【0035】
次に、保管区域情報取得部11は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報により示される利用者が保管を依頼した物品を保管する保管庫の保管区域を示す保管区域情報を取得する(ステップST2)保管区域情報取得部11は、取得した保管区域情報を記録装置2に格納する。
上記のステップST2の後に、利用者端末装置6は、利用者から、上述の返却依頼情報を受け付けたものとする。
【0036】
次に、返却依頼情報取得部12は、利用者端末装置6から返却依頼情報を取得する(ステップST3)。その際、返却依頼情報取得部12は、記録装置2に格納された物品保管依頼情報が示す利用者と、返却依頼情報が示す利用者とを照合する。返却依頼情報取得部12は、取得した返却依頼情報を利用者情報取得部13と入出場口選択肢情報生成部14とにそれぞれ出力する。
【0037】
次に、利用者情報取得部13は、記録装置2から利用者情報を取得する(ステップST4)。利用者情報取得部13は、取得した利用者情報を入出場口選択肢情報生成部14に出力する。
【0038】
次に、入出場口選択肢情報生成部14は、利用者情報取得部13が取得した利用者情報に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測し、推測した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を生成する(ステップST5)。入出場口選択肢情報生成部14は、生成した入出場口選択肢情報を利用者端末装置6に出力する。ステップST5の詳細については後述する。
【0039】
上記のステップST5の後に、利用者端末装置6は、入出場口選択肢情報生成部14が生成した入出場口選択肢情報を画像で表示し、利用者から上述の入出場口選択済情報を受け付けたものとする。
【0040】
次に、入出場口選択済情報取得部15は、利用者端末装置6から入出場口選択済情報を取得する(ステップST6)。入出場口選択済情報取得部15は、取得した入出場口選択済情報を配送指示情報生成部18に出力する。
【0041】
次に、希望時間選択肢情報生成部16は、希望時間選択肢情報を生成する(ステップST7)。希望時間選択肢情報生成部16は、生成した希望時間選択肢情報を利用者端末装置6に出力する。
【0042】
上記のステップST7の後に、利用者端末装置6は、希望時間選択肢情報生成部16が生成した希望時間選択肢情報を画像で表示し、利用者から上述の希望時間選択済情報を受け付けたものとする。
【0043】
次に、希望時間選択済情報取得部17は、利用者端末装置6から希望時間選択済情報を取得する(ステップST8)。希望時間選択済情報取得部17は、生成した希望時間選択済情報を配送指示情報生成部18に出力する。なお、物品保管配送制御装置1は、上述のステップST5及びステップST6を実行する前に、ステップST7及びステップST8を実行してもよい。
【0044】
次に、配送指示情報生成部18は、保管区域情報取得部11が取得した保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する(ステップST9)。なお、当該配送指示情報は、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間に、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品が到達するように物品の配送を指示する。配送指示情報生成部18は、生成した配送指示情報を配送指示情報出力装置7に出力する。
【0045】
上記のステップST9の後に、配送指示情報出力装置7は、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報を配送装置4に出力し、配送装置4は、当該配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送する。また、一時保管区域受付装置8は、当該物品が一時保管された一時保管庫の保管区域を示す一時保管区域情報を受け付ける。
【0046】
次に、一時保管区域情報取得部19は、一時保管区域受付装置8から一時保管区域情報を取得する(ステップST10)。一時保管区域情報取得部19は、取得した一時保管区域情報を一時保管区域通知情報生成部20に出力する。
【0047】
次に、一時保管区域通知情報生成部20は、一時保管区域情報取得部19が取得した一時保管区域情報が示す保管区域を利用者に通知する一時保管区域通知情報を生成する(ステップST11)。一時保管区域通知情報生成部20は、生成した一時保管区域通知情報を利用者端末装置6に出力する。
【0048】
ステップST11の後に、利用者端末装置6は、一時保管区域通知情報生成部20が生成した一時保管区域通知情報を画像で表示し、利用者は、一時保管区域通知情報に基づいて、一時保管庫から物品を受け取る。
【0049】
以下で、実施の形態1に係る物品保管配送システム100が適用される施設の具体例について図面を参照して説明する。
図4は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100が適用される駅前複合施設30を示す俯瞰図である。
【0050】
図4が示すように、駅前複合施設30は、駅ビル31、及び自走式の立体駐車場32を有している。駅ビル31には、電車33が走行する鉄道路線34が併設されており、利用者は、駅ビル31を介して鉄道路線34の駅(図示せず)に入場が可能であり、駅ビル31を介して鉄道路線34の駅から退場が可能である。また、駅ビル31には、駅前ロータリー35が隣接している。駅前ロータリー35には、利用者による路線バス36への乗降が可能なように停留所37が設けられている。駅ビル31は、路線バス36の乗降客が停留所37と鉄道路線34の駅との間を行き来できるように出入口38を有している。
【0051】
また、駅ビル31には、店舗39が隣接している。店舗39では、期間限定の各種イベント又は人気商品が取り扱われる。店舗39は、出入口40を有し、店舗39の室内には、駅ビル31と連絡する通路(図示せず)が設けられており、利用者は、店舗39の外に出ずに駅ビル31と店舗39との間を行き来できるようになっている。
【0052】
店舗39には、駅ビル31又は店舗39に自家用車などで来訪した人が乗ってきた自動車41を駐車可能な駐車区画42が隣接している。駐車区画42には、駐車場チケット発券機43が設けられている。自動車41の搭乗者が駐車場チケット発券機43から駐車場チケットを受け取ることにより駐車場ゲートバー44が開く。これにより、駐車区画42に駐車しようとする自動車41は、駐車区画42に入場可能となる。
【0053】
以下で、駅前複合施設30の立体駐車場32について説明する。
図5は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100が適用される駅前複合施設30が有する立体駐車場32内を示す部分斜視図である。
図5が示すように、立体駐車場32は、各階駐車場フロアに駐車区画50を有する。駐車区画50は、自動車41を複数台駐車可能となっている。自動車41は、傾斜通路51を走行して駐車区画50に到達する。または、自動車41は、傾斜通路51及び傾斜通路52を走行して、より上層階の駐車区画に到達することも可能である。
【0054】
自動車41が駐車区画50に入場する際、屋外の駐車区画42に入場する際と同様に、自動車41の搭乗者が駐車場チケット発券機53より駐車場チケット54を受け取ることにより駐車場ゲートバー55が開くことで、自動車41は、駐車区画50に入場し、駐車することが可能となる。
【0055】
駐車区画50には、複数の駐車スロットが設けられている。利用者は、当該複数の駐車スロットのうちの何れかに自動車41を駐車し、店内入出場口56を通って駅ビル31内に入ることができる。
【0056】
また、立体駐車場32の各階駐車場フロアには、カメラ57が設置されている。カメラ57は、自動車41が駐車場ゲートバー55を通過する際に、自動車41のナンバープレートに記載されている登録ナンバーを撮像する。これにより得られた登録ナンバーの画像に基づいて、駐車区画50に進入した自動車41を特定、識別又は認識することができる。
【0057】
以下で、駅ビル31の内部について説明する。
図6は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100が適用される駅前複合施設30が有する駅ビル31の3階部分を主に示す平面図である。鉄道路線34を利用しようとする利用者は、バス停60のある地上から出入口38を経た後、階段61を通って駅自由通路62に到達し、改札63を通って鉄道路線34の駅ホーム64に到達する。または、鉄道路線34を走行する電車33から駅ホーム64に下車した利用者は、改札63、駅自由通路62、階段61及び出入口38をそれぞれ通って駅ビル31の外に出る。なお、階段61には、エスカレータ又はエレベータを併設されていてもよい。
【0058】
図6が示すように、駅ビル31の3階部分は、ショッピングエリア65を有する。利用者は、駅自由通路62から出入口66を通ることによりショッピングエリア65の内部に入ることができる。これによって、駅ホーム64で電車33に乗車する利用者、駅ホーム64で電車33から下車する利用者、バス停60で路線バス36に乗車する利用者、又はバス停60で路線バス36から下車する利用者は、ショッピングエリア65を訪れることができる。
【0059】
図6の例では、駅ビル31のショッピングエリア65には、野菜、肉及び魚等の生鮮食料品並びに冷凍食品等を扱う食料品店が設置されている。例えば、駅ホーム64で電車33から下車する通勤者は、帰宅する前に当該食料品店に立ち寄って買い物を済ませられる。そのような通勤者は、買い物の後、徒歩で帰宅するか、路線バス36に搭乗して帰宅するか、又は地上の駐車区画42若しくは立体駐車場32の駐車区画50に駐車してある自身の自動車41若しくは家族が運転する自動車41に搭乗して帰宅する。
【0060】
また、駅ビル31の3階部分には、店舗出入口67が設けられている。立体駐車場32の駐車区画50に自動車41を駐車する利用者は、店舗出入口67を介して立体駐車場32と駅ビル31とを往来することができる。
【0061】
以下で、駅ビル31の3階以外の階について説明する。
図7は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100が適用される駅前複合施設30が有する駅ビル31の最上階を示す平面図である。
図7が示すように、駅ビル31の最上階には、映画館70及びフードコート71がそれぞれ設けられている。駅ビル31の最上階においても、利用者が駅ビル31と立体駐車場32との間を直接往来できるように店舗出入口73が設けられている。
【0062】
このように、駅前複合施設30の内部及び駅前複合施設30の周辺においては、駅ホーム64、バス停60、駅ビル31における複数種の店舗、及び立体駐車場32等の施設が集約されているため、多数の利用者が様々な目的で訪れるだけでなく、各利用者が複数の目的を一度の来訪で果たすことができるという利便性も提供できるようになっている。
【0063】
一方で、このような駅前複合施設30では店舗の場所によって集客力に差が生じるという問題も内在する。例えば、利用者が鉄道路線34を利用して駅ビル31に来訪する場合、駅ホーム64と同じ階にあり、改札63を通過するだけで来店可能なショッピングエリア65の食料品店は、利用者にとって利用しやすい。しかし、他の階の店舗は、利用者が駅ホーム64がある階から別の階に移動することを億劫と感じやすいため、利用者にとって利用しづらい。その結果、駅ホーム64がある階とは別の階にある店舗は、せっかく駅ホーム64がある階のショッピングエリア65の食料品店と同じ駅ビル31内にあるにも関わらず、ショッピングエリア65の食料品店よりも利用頻度が低くなる傾向が見られる。
【0064】
特に、ショッピングエリア65の食料品店では生鮮食料品及び冷凍食品を扱っており、そういった商品は、時間経過とともに品質劣化の恐れがあるため、これらの商品を購入した利用者は、他の店舗には立ち寄らずに帰宅せざるを得ない場合が多い。このため、利用者は、外出行動の後半である帰宅直前に、ショッピングエリア65の食料品店を利用する傾向がある。
【0065】
また、ショッピングエリア65の食料品店を利用することを予定している利用者が自動車41で駅ビル31を訪れる場合、ショッピングエリア65の食料品店から遠い立体駐車場32の駐車区画50に自動車41を駐車するよりも、ショッピングエリア65の食料品店に近い立体駐車場32の駐車区画50に自動車41を駐車するほうが利便性は高い。そのため、利用者は、ショッピングエリア65の食料品店と同じ階の立体駐車場32の3階に自動車41を駐車する傾向がある。その結果、立体駐車場32の3階は、駐車する自動車41により混雑する傾向がある一方で、立体駐車場32における他の階の駐車区画50の利用頻度と、地上にある駐車区画42の利用頻度とは下がる傾向があり、駐車場利用の平準化が進みにくくなる。
【0066】
そうとはいえ、立体駐車場32の3階の駐車区画50に駐車できる自動車41の台数には上限があり、利用者は、立体駐車場32における他の階の駐車区画50、又は地上の駐車区画42に自動車41を駐車せざるを得なくなる。その場合、利用者は、自動車41を駐車した駐車区画から最も近い店舗出入口から駅ビル31に入り、当該店舗出入口から出ることになる。そのような利用者であっても、すでに生鮮食料品等を購入してしまった後では、当該店舗出入口がある階と同じ階にある店舗を素通りする傾向がある。
【0067】
以上のような複数の問題を解決するために、駅前複合施設30に、実施の形態1に係る物品保管配送システム100を適用することを想定する。つまり、利用者の行動の制約を緩和しながら、駐車区画50又は駅ホーム64がある階とは別の階にある店舗を利用しやすくするとともに、駐車場利用の平準化を図り、さらに鉄道路線34又は路線バス36を利用しやすくすることを目的として、駅前複合施設30に、実施の形態1に係る物品保管配送システム100を適用することを想定する。
【0068】
以下で、駅前複合施設30に適用される物品保管配送システム100の具体例について説明する。
図8は、実施の形態1に係る物品保管配送システム100の具体例である物品保管配送システム101の構成を示す図である。
図9は、当該具体例に係る物品保管配送システム101の記録装置80に格納される利用者情報ファイル81を示す図である。
図10は、当該具体例に係る物品保管配送システム101の記録装置80に格納される保管物品管理ファイル82を示す図である。
【0069】
図8が示すように、物品保管配送システム101は、物品保管配送サーバ83、記録装置80、カメラ57、レジスタ84、配送装置85、保管センター86、携帯端末装置87、配送装置88、及び一時保管庫89を含む。
【0070】
図示しないが、物品保管配送サーバ83は、上述の物品保管配送制御装置1を備えている。物品保管配送サーバ83は、ネットワーク90を介して、物品保管配送システム101の各構成要素と通信を行えるように構成されている。記録装置80は、上述の記録装置2に相当し、利用者情報ファイル81、及び保管物品管理ファイル82が格納されている。カメラ57は、上述の通り、駅前複合施設30の立体駐車場32に設置されている。レジスタ84は、上述の物品保管依頼受付装置3に相当する。配送装置85及び配送装置88は、それぞれ、上述の配送装置4に相当する。配送装置85及び配送装置88は、それぞれ、コンテナ91を備えている。コンテナ91は、コンテナ番号を機械読み取り可能なバーコードを付されている。コンテナ91の管理者は、このバーコードを用いて、利用者の物品がどのコンテナ91に格納されているのかを管理する。図示しないが、保管センター86は、上述の保管庫に相当し、上述の保管区域受付装置5及び配送指示情報出力装置7を備えている。携帯端末装置87は、上述の利用者端末装置6に相当する。図示しないが、一時保管庫89は、上述の一時保管区域受付装置8を備えている。
【0071】
利用者が駅前複合施設30において当該具体例に係る物品保管配送システム101による物品保管配送のサービスを利用するのに先立って、利用者は、携帯端末装置87により顧客情報の登録を行う。なお、利用者は、例えば、パソコン等の、携帯端末装置87以外の装置によって顧客情報の登録を行ってもよい。利用者は、住所、第1の路線情報、第2の路線情報、及び自動車41の登録ナンバーを携帯端末装置87に入力する。携帯端末装置87は、これらの情報を物品保管配送サーバ83に送信する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1(図示せず)は、当該利用者に対して利用者識別情報として利用者番号を付与し、
図9が示すように、当該利用者番号と共に、住所、第1の路線情報、第2の路線情報及び自動車41の登録ナンバーを上述の利用者情報として記録装置80の利用者情報ファイル81に記録する。記録装置80に記録された利用者番号は、携帯端末装置87等によって利用者からも参照可能である。
図9が示す利用者番号は、利用者が駅前複合施設30において物品保管配送システム101による物品保管配送のサービスを利用する際に、利用者を識別するための上述の利用者識別情報として使用される。
【0072】
図9が示す住所は、利用者の住居の住所である。
図9が示す第1の路線情報及び第2の路線情報は、それぞれ、利用者が利用する路線である。
図9が示す登録ナンバーは、利用者の保有する自動車41の登録ナンバーである。
【0073】
第1の路線情報及び第2の路線情報についてより詳細には、第1の路線情報及び第2の路線情報は、駅前複合施設30が異なる複数の公共交通機関の乗り換え地点であることを想定したものである。第1の路線情報は、例えば、鉄道路線34を示す情報が設定される。また、第2の路線情報は、路線バス36のバス路線を示す情報が設定される。鉄道は、バス路線と比較すると長距離の移動で用いられる傾向があるため、鉄道及びバス路線を利用する利用者は、例えば、仕事から帰宅する際に鉄道路線34を用いて駅前複合施設30に隣接した駅にやってきて駅前複合施設30で買い物又はその他の用事を済ませ、第2の路線情報が示すバス路線で帰宅する傾向があると考えられる。また、逆の場合もあり得る。鉄道及びバス路線を利用する利用者は、例えば、第1の路線情報が示す鉄道路線34で駅前複合施設30のある地点までやってきて、そこから第2の路線情報が示すバス路線で職場まで通う可能性もある。その場合、利用者は、仕事帰りに第2の路線情報が示すバス路線で駅前複合施設30に立ち寄り、駅前複合施設30を利用した後に第1の路線情報が示す鉄道路線で帰宅することになる。このように複数の路線情報を利用者番号と合わせて管理することにより、後述するように、利用者の行動に合わせた物品保管配送制御方法を行うことができ、利用者に対する利便性が高まる。
【0074】
なお、上述のように利用者が予め利用者情報を入力することにより利用者に対して利用者番号を付与する方法の他に、利用者に利用者識別情報を付与する別の方法として以下のような方法がある。例えば、利用者が駅前複合施設30に自動車41で来訪した場合、自動車41が立体駐車場32の駐車区画50に入場する際に駐車場チケット発券機53で駐車場チケット54を発券する。駐車場チケット発券機53は、駐車場チケット54の発券時に、一意な整理番号を駐車場チケット54に機械読み取り可能な形式で印字する。駐車場チケット発券機53は、当該整理番号と、駐車場チケット54で利用者に自動車41を駐車するように指定した駐車区画50の駐車区画番号とを、物品保管配送サーバ83に送信する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1(図示せず)は、
図9が示す利用者番号の代わりに、整理番号を利用者識別情報として記録装置80の利用者情報ファイル81に記録し、
図9が示すように、駐車区画番号を利用者情報として記録装置80の利用者情報ファイル81に記録する。当該例では、利用者は、駅前複合施設30において商品を購入する際に、駐車場チケット54に印字された整理番号を店員に提示する。物品保管配送制御装置1は、整理番号に基づいて利用者の識別を行う。なお、当該例では、上述の第1の路線情報、第2の路線情報及び住所等の属性は未入力のままとなるが、利用者は、自家用車で駅前複合施設30を訪れており、自家用車で帰宅すると考えられるので、適切に物品の返却が可能になると考えられる。
【0075】
また、利用者が駅前複合施設30に自動車41で来訪した場合、カメラ57は、自動車41が駐車場ゲートバー55を通過する際に、自動車41のナンバープレートに記載されている登録ナンバーを撮像する。これにより得られた登録ナンバーの画像は、物品保管配送サーバ83に送信される。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1は、当該画像に基づき、登録ナンバーを読み取り、
図9が示すように、読み取った登録ナンバーを、利用者情報として記録装置80の利用者情報ファイル81に記録する。または、利用者の利用者番号が予め定まっている場合、物品保管配送制御装置1は、読み取った登録ナンバーと、記録装置80の利用者情報ファイル81に格納されている登録ナンバーとを照合することにより、読み取った登録ナンバーに対応する利用者番号を特定し、特定した利用者番号と、当該登録ナンバーの画像を撮像したカメラ57が設置されている駐車区画50の駐車区画番号とを対応付けて記録装置80の利用者情報ファイル81に記録してもよい。
【0076】
駅前複合施設30に入場した利用者は、物品を購入し、その物品の保管を店員に依頼する。当該店員が操作するレジスタ84は、上述の物品保管依頼情報を受け付ける。その際に、レジスタ84は、利用者の携帯端末装置87から上述の利用者識別情報(利用者番号)を受け付ける。より具体的には、利用者は、携帯端末装置87に表示されている自身の利用者番号を店員に提示し、店員は、当該利用者番号をレジスタ84に入力する。また、店員は、利用者から保管を依頼された物品をコンテナ91に入れる。店員は、物品を入れたコンテナ91のコンテナ番号(コンテナ識別情報)、及び物品に対して冷蔵若しくは冷凍が必要であるか否かを示す冷蔵冷凍要否情報をレジスタ84にさらに入力する。つまり、レジスタ84は、物品保管依頼情報として、利用者番号、コンテナ番号、及び冷蔵冷凍要否情報を受け付ける。
【0077】
また、レジスタ84は、利用者のスマートフォンから、利用者が予め入力した利用者情報をさらに受け付けてもよい。レジスタ84は、これらの情報を物品保管配送サーバ83に送信する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の物品保管依頼情報取得部10(図示せず)は、上述のステップST1において、物品保管依頼情報をレジスタ84から取得する。物品保管依頼情報取得部10は、物品保管依頼情報に基づいて、記録装置80の保管物品管理ファイル82に新たなレコードを生成し、
図10が示すように、当該レコードに個別の物品番号を付与し、当該レコードに、レジスタ84から取得した利用者番号、コンテナ番号及び冷蔵冷凍要否情報(冷蔵冷凍要否フラグ)を記録する。
【0078】
図10が示す物品番号は、利用者から物品の保管依頼があると生成される一意な番号である。
図10が示すコンテナ番号は、利用者から預けられた物品を格納するコンテナを識別するための番号である。当該具体例では、冷蔵冷凍情報は、物品に対して冷蔵が必要か否かを示す冷蔵冷凍要否フラグであり、
図10が示す冷蔵冷凍要否フラグは、物品に対して冷蔵が必要な場合、1を示し、物品に対して冷蔵が不要な場合、0を示す。その他の属性(カラム)はnull(未設定)のままとしておく。冷蔵冷凍要否情報は、物品に対して冷凍が必要か否かを示す冷蔵冷凍要否フラグを含んでもよい。その場合、当該フラグは、物品に対して冷凍が必要な場合、1を示し、物品に対して冷凍が不要な場合、0を示す。
【0079】
なお、単一の利用者が保管を依頼した物品が入れられたコンテナ91が複数ある場合は、物品保管依頼情報取得部10は、記録装置80の保管物品管理ファイル82に、コンテナ91毎にレコードを生成し、生成した複数のレコードにそれぞれ同一の利用者番号を記録する。また、利用者が複数の店舗で買い物をし、各店舗で物品の保管を依頼した場合も同様である。つまり、物品保管依頼情報取得部10は、記録装置80の保管物品管理ファイル82に、その都度、レコードを生成し、生成した複数のレコードにそれぞれ同一の利用者番号を記録する。
【0080】
また、物品保管依頼情報取得部10は、上述のステップST1に伴い、物品保管依頼情報が示す物品を保管センター86に配送するように指示する配送指示情報を生成する。物品保管依頼情報取得部10は、生成した配送指示情報を配送装置85に送信する。配送装置85は、物品保管配送サーバ83からの配送指示情報に基づいて、物品が入れられたコンテナ91を保管センター86に配送する。
【0081】
なお、当該具体例では、配送装置85が物品を保管センター86に配送する構成について説明するが、配送装置85の代わりに、人、ベルトコンベヤ又は搬送ロボット等が物品を保管センター86に配送してもよい。
【0082】
保管センター86は、利用者から預かった物品を適切に保管するためのスペースである。保管センター86は、保管区域番号がそれぞれ付与された複数の保管区域を有している。保管センター86の管理者は、保管センター86における複数の保管区域のうちの空いている保管区域に、配送装置85が配送したコンテナ91を格納する。保管センター86の管理者は、保管センター86が備えている保管区域受付装置5(図示せず)に、物品の保管を依頼した利用者の利用者番号、及び物品が格納されたコンテナ91のコンテナ番号とともに、物品が格納された保管区域の保管区域番号、及び物品の保管を開始した保管開始時刻を入力する。つまり、保管区域受付装置5は、保管区域情報を受け付け、受け付けた保管区域情報を物品保管配送サーバ83に送信する。なお、配送装置85が配送した物品が冷蔵を必要とする物品である場合、管理者は、当該物品を冷蔵可能な保管区域に格納する。配送装置85が配送した物品が冷凍を必要とする物品である場合、管理者は、当該物品を冷凍可能な保管区域に格納する。これらの際、管理者は、管理者が物品を管理する際に用いる端末装置(図示せず)等を用いてコンテナ91に付された上述のバーコードを読み取ることにより記録装置80の保管物品管理ファイル82に記録された情報を呼び出し、上述の冷蔵冷凍要否フラグが示す冷蔵の要否又は冷凍の要否を確認する。
【0083】
物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の保管区域情報取得部11(図示せず)は、上述のステップST2において、保管区域受付装置5から保管区域情報を取得する。保管区域情報取得部11は、
図10が示すように、取得した保管区域情報が示す保管区域番号及び保管開始時刻を記録装置80の保管物品管理ファイル82に記録する。
【0084】
利用者が操作する携帯端末装置87は、画面及び操作キー等から構成されるユーザーインターフェース、又は、フリック操作若しくはタップ操作等により画面を直接触れて操作するタッチパネルから構成されるユーザーインターフェースを備えている。携帯端末装置87は、Webブラウザ又はスマートフォンアプリケーション等のコンピュータプログラムを実行可能である。当該コンピュータプログラムは、ユーザが操作すべき内容を分かりやすく携帯端末装置87に表示させる一方で、ユーザが希望する処理を選べる選択肢を携帯端末装置87にさらに表示させる。
【0085】
利用者は、ひとしきり買い物を終えた後、又は施設内で用事を済ませた後に、携帯端末装置87を操作することにより、物品の返却依頼用の画面を呼び出し、預けた物品の返却を依頼する。つまり、携帯端末装置87は、利用者が物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を受け付ける。携帯端末装置87は、インターネット経由で物品保管配送サーバ83にアクセスし、受け付けた返却依頼情報を物品保管配送サーバ83に送信する。なお、当該返却依頼情報は、物品の返却を依頼した利用者の利用者番号を含むものとする。
【0086】
物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の返却依頼情報取得部12(図示せず)は、上述のステップST3において、携帯端末装置87から返却依頼情報を取得する。そして、物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の利用者情報取得部13(図示せず)は、上述のステップST4において、記録装置80から上述の利用者情報を取得する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の入出場口選択肢情報生成部14(図示せず)は、上述のステップST5において、利用者情報に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測し、推測した入出場口が初期値として選択された入出場口選択肢情報を生成する。当該ステップST5の詳細については後述する。入出場口選択肢情報生成部14(図示せず)は、生成した入出場口選択肢情報を携帯端末装置87に送信する。
【0087】
携帯端末装置87は、当該入出場口選択肢情報を画像で表示し、利用者は、当該入出場口選択肢情報に基づいて入出場口を選択する。つまり、携帯端末装置87は、利用者から入出場口選択済情報を受け付ける。携帯端末装置87は、受け付けた入出場口選択済情報を物品保管配送サーバ83に出力する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の入出場口選択済情報取得部15(図示せず)は、上述のステップST6において、携帯端末装置87から入出場口選択済情報を取得する。
図9が示すように、入出場口選択済情報取得部15は、取得した入出場選択済情報が示す入出場口を、配送希望場所として、記録装置80の利用者情報ファイル81に記録する。
【0088】
物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の希望時間選択肢情報生成部16(図示せず)は、上述のステップST7において、希望時間選択肢情報を生成し、携帯端末装置87に出力する。携帯端末装置87は、当該希望時間選択肢情報を画像で表示し、利用者は、当該希望時間選択肢情報に基づいて、物品を受け取ることを希望する希望時間を選択する。携帯端末装置87は、利用者が選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を物品保管配送サーバ83に出力する。物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の希望時間選択済情報取得部17(図示せず)は、上述のステップST8において、携帯端末装置87から希望時間選択済情報を取得する。
図9が示すように、希望時間選択済情報取得部17は、取得した希望時間選択済情報が示す希望時間を、記録装置80の利用者情報ファイル81に記録する。
【0089】
次に、物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の配送指示情報生成部18(図示せず)は、記録装置80の保管物品管理ファイル82の複数のレコードのうちから、上述の返却依頼情報が示す利用者番号と等しい利用者番号を含むレコードを抽出する。なお、当該利用者番号の利用者が、複数の物品の保管を依頼していた場合は、配送指示情報生成部18は、利用者番号に基づいて、複数のレコードを抽出する。そして、配送指示情報生成部18は、上述のステップST9において、抽出したレコードが示す物品を、保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に配送するように指示する配送指示情報を生成する。当該配送指示情報は、希望時間選択済情報が示す希望時間に、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に到達するように物品の配送を指示する。配送指示情報生成部18は、生成した配送指示情報を保管センター86に出力する。
【0090】
保管センター86が備えている配送指示情報出力装置7(図示せず)は、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺への物品の配送に要する所要時間を算出し、算出した所要時間と、希望時間選択済情報が示す希望時間とに基づいて物品の配送開始時間を算出する。そして、配送指示情報出力装置7は、配送指示情報、及び配送開始時間を画像で表示する。保管センター86の管理者は、当該配送開始時間前に、当該配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から、物品が入ったコンテナ91を取り出す。配送指示情報が複数の保管区域を示す場合、管理者は、当該配送開始時間前に、当該配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す複数の保管区域の各コンテナ91から物品を取り出し、取り出した複数の物品をひとまとめにして1つのコンテナ91に入れる。管理者は、物品が入ったコンテナ91を、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送する配送装置88に乗せる。配送装置88は、希望時間選択済情報が示す希望時間に、物品が入ったコンテナ91が、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に到達するように物品の配送を行う。なお、当該具体例では、配送装置88が物品を入出場口に配送する構成について説明するが、配送装置88の代わりに、人、ベルトコンベヤ又は配送ロボット等が物品を入出場口に配送してもよい。
【0091】
一時保管庫89は、複数の保管区域を有し、保管区域毎に、施錠可能な扉が設けられている。当該複数の保管区域は、それぞれ、一時保管庫番号が付与されている。一時保管庫89が備えている一時保管区域受付装置8(図示せず)は、利用者番号の照合を行うことにより、施錠された扉を開錠するように構成されている。一時保管庫89の管理者は、配送装置88が配送したコンテナ91から物品を取り出し、取り出した物品を、一時保管庫89の空いている保管区域に格納し、当該保管区域の扉を施錠する。当該管理者は、一時保管庫89が備えている一時保管区域受付装置8(図示せず)に、当該保管区域の一時保管庫番号、及び当該保管区域に格納された物品のコンテナ番号等を入力する。つまり、一時保管区域受付装置8は、物品が格納された保管区域を示す一時保管区域情報を受け付ける。一時保管区域受付装置8は、受け付けた一時保管区域情報を物品保管配送サーバ83に送信する。なお、配送装置88が配送した物品が冷蔵を必要とする物品である場合、管理者は、当該物品を冷蔵可能な保管区域に格納する。配送装置88が配送した物品が冷凍を必要とする物品である場合、管理者は、当該物品を冷凍可能な保管区域に格納する。これらの際、管理者は、管理者が物品を管理する際に用いる端末装置等を用いてコンテナ91に付された上述のバーコードを読み取ることにより記録装置80の保管物品管理ファイル82に記録された情報を呼び出し、上述の冷蔵冷凍要否フラグが示す冷蔵の要否又は冷凍の要否を確認する。
【0092】
物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の一時保管区域情報取得部19(図示せず)は、上述のステップST10において、一時保管区域受付装置8から一時保管区域情報を取得する。一時保管区域情報取得部19は、当該一時保管区域情報が示すコンテナ番号とコンテナ番号が一致するレコードを、記録装置80の保管物品管理ファイル82の複数のレコードのうちから検索し、コンテナ番号が一致したレコードに、当該一時保管区域情報が示す一時保管庫番号を記録する。
【0093】
物品保管配送サーバ83が備えている物品保管配送制御装置1の一時保管区域通知情報生成部20(図示せず)は、上述のステップST11において、一時保管区域情報が示す一時保管庫番号を利用者に通知する一時保管区域通知情報を生成する。一時保管区域通知情報生成部20は、生成した一時保管区域通知情報を携帯端末装置87に出力する。
【0094】
次に、携帯端末装置87は、一時保管区域通知情報生成部20が生成した一時保管区域通知情報が示す一時保管庫番号を画像で表示する。利用者は、これにより物品が一時保管庫89に到着したことを認識し、当該一時保管庫番号に対応する一時保管庫に向かう。そして、利用者は、一時保管庫89が備えている一時保管区域受付装置8(図示せず)に利用者番号を入力する。一時保管区域受付装置8は、利用者番号の照合を行うことにより、物品が格納された保管区域の扉を開錠する。利用者は、当該保管区域から物品を取り出す。
【0095】
なお、利用者が保管を依頼した物品が当該利用者に適切に返還されるように、物品保管配送制御装置1は、上述のステップST1からステップST11までの各ステップにおいて、適宜、取得した利用者番号(利用者識別情報)、及び記録装置80に格納された利用者番号に基づいて処理を行うものとする。
【0096】
以上のように、当該具体例に係る物品保管配送システム101が適用された駅前複合施設30では、利用者が施設内で購入した物品を、利用者が施設から退出するまでの間、保管センター86又は一時保管庫89に保管することによって、利用者は、施設の滞在中に物品を持ち歩く必要がなくなる。そのため、利用者は、物品購入後も心置きなく他の店舗やサービスを利用可能となる。また、利用者が購入した物品が生鮮食料品のように時間とともに品質の低下が懸念される物品である場合でも、当該物品を保管センター86又は一時保管庫89において冷蔵して保管するため、物品の品質低下を防ぐことができる。
【0097】
以下で、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1による物品保管配送制御方法における入出場口選択肢情報生成方法の具体例について説明する。
図11は、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1による物品保管配送制御方法における入出場口選択肢情報生成方法の具体例を示すフローチャートである。当該具体例は、上述のステップST5の具体例である。なお、以下で説明する各ステップが実行される前に、上述のステップST4において、物品保管配送制御装置1の利用者情報取得部13は、記録装置80の利用者情報ファイル81に格納されている複数の利用者番号のうちから、返却依頼情報が示す利用者番号と一致する利用者番号を有するレコードを特定し、特定したレコードから、上述の住所、第1の路線情報、第2の路線情報、登録ナンバー及び駐車区画番号を含む利用者情報を取得したものとする。ここにおける第1の路線情報は、鉄道路線34を示す情報が設定され、第2の路線情報は、路線バス36のバス路線を示す情報が設定されているものとする。また、以下で説明する各ステップが実行される前に、物品保管配送制御装置1は、上述のステップST7及びステップST8を行ったものとする。つまり、上述のステップST4が実行される前に、物品保管配送制御装置1の希望時間選択済情報取得部17は、携帯端末装置87から希望時間選択済情報を取得したものとする。
【0098】
図11が示すように、物品保管配送制御装置1の入出場口選択肢情報生成部14は、利用者情報取得部13が取得した駐車区画番号がnull(無効)であるか否か判定する(ステップST20)。
【0099】
利用者が駅前複合施設30に自動車41で訪れている場合は、利用者が自動車41を乗り入れた駐車区画50の駐車区画番号が設定されているので、この属性はnullではなくなる。入出場口選択肢情報生成部14は、駐車区画番号がnullではないと判定した場合(ステップST20のNO)、ステップS21の処理に進む。入出場口選択肢情報生成部14は、ステップST21において、利用者情報取得部13が取得した駐車区画番号の駐車区画50に最も近い入出場口を上述の初期設定として選択する。入出場口選択肢情報生成部14は、ステップST21の後に、後述するステップST29の処理に進む。
【0100】
入出場口選択肢情報生成部14は、駐車区画番号がnullであると判定した場合(ステップST20のYES)、ステップST22の処理に進む。入出場口選択肢情報生成部14は、ステップST22において、利用者情報取得部13が取得した住所に基づいて、利用者が駅前複合施設30の近隣住民であるか否かを判定する。その際、入出場口選択肢情報生成部14は、駅前複合施設30とその住所との距離に基づいて判定してもよいし、又は、当該距離、及び公共交通機関のサービス状況又は道路事情等に基づいて予め近隣地域とそうでない地域とを分けたデータを作成しておき、当該データに基づいて判定してもよい。ステップST22により、利用者が第2の路線情報が示すバス路線を帰宅用の路線として用いているか否かがわかる。利用者が第2の路線情報が示すバス路線を帰宅用の路線として用いていない場合、利用者が出先で駅前複合施設30に訪れていると想定される。
【0101】
入出場口選択肢情報生成部14は、利用者が近隣住民であると判定した場合(ステップST22のYES)、ステップST23に進み、利用者が近隣住民ではないと判定した場合(ステップST22のNO)、ステップST24に進む。
【0102】
ステップST23において、入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間が所定の時刻よりも遅い時刻であるか否かを判定する(ステップST23)。当該所定の時刻は、例えば、夕方の時刻である。
【0103】
入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間が所定の時刻よりも遅い時刻であると判定した場合(ステップST23のYES)、利用者が返却を依頼した物品を受け取った後、帰宅することが想定されるため、帰宅用の路線である第2の路線情報が示すバス路線のバス停60に最も近い入出場口を初期設定として選択する(ステップST25)。
【0104】
入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間が所定の時刻以前の時刻であると判定した場合(ステップST23のNO)、利用者が返却を依頼した物品を受け取った後、さらに外出を続けて自宅以外の別の場所を訪問することが想定されるため、第1の路線情報が示す鉄道路線34の駅ホーム64に最も近い入出場口を初期設定として選択する(ステップST26)。
【0105】
一方、上述のステップST24においても、入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間が所定の時刻よりも遅い時刻であるか否かを判定する。当該所定の時刻は、例えば、夕方の時刻である。
【0106】
入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間が所定の時刻よりも遅い時刻であると判定した場合(ステップST24のYES)、利用者が返却を依頼した物品を受け取った後、帰宅することが想定されるため、帰宅用の路線である第1の路線情報が示す鉄道路線34の駅ホーム64に最も近い入出場口を初期設定として選択する(ステップST27)。
【0107】
入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間が所定の時刻以前の時刻であると判定した場合(ステップST24のNO)、利用者が返却を依頼した物品を受け取った後、さらに外出を続けて別の場所を訪問することが想定されるため、第2の路線情報が示すバス路線のバス停60に最も近い入出場口を初期設定として選択する(ステップST28)。
【0108】
上述のステップST21、ステップST25、ステップST26、ステップST27又はステップST28の次のステップとして、入出場口選択肢情報生成部14は、選択した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を生成する(ステップST29)。ステップST29の後に、携帯端末装置87は、入出場口選択肢情報生成部14が生成した入出場口選択肢情報を画像で表示する。
【0109】
以上のように、利用者にとって便利と考えられる入出場口を物品の配送場所の初期設定として選択された状態で入出場口選択肢情報を表示することにより、利用者にとって、少ない操作で物品の配送場所を選ぶことができるので便利である。もちろん、このようにして表示される入出場口の初期設定はその後の利用者による操作で変更することも可能である。また、上記の具体例に限らず、利用者情報に基づいて、利用者の使用頻度が高いと考えられる入出場口を適宜推測し、推測した入出場口を初期設定として選択された入出場口選択肢情報を表示することにより、利用者にとって利便性の高いサービスを提供することが可能となる。
【0110】
物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、物品保管配送制御装置1は、
図3及び
図11に示した各ステップの処理を実行するための処理回路を備える。この処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
【0111】
図12Aは、物品保管配送制御装置1の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
図12Bは、物品保管配送制御装置1の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
【0112】
上記処理回路が
図12Aに示す専用のハードウェアの処理回路110である場合、処理回路110は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらを組み合わせたものが該当する。
【0113】
物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20の各機能を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
【0114】
上記処理回路が
図12Bに示すプロセッサ111である場合、物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。
なお、ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ112に記憶される。
【0115】
プロセッサ111は、メモリ112に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20の各機能を実現する。すなわち、物品保管配送制御装置1は、これらの各機能がプロセッサ111によって実行されるときに、
図3及び
図11に示した各ステップの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ112を備える。
【0116】
これらのプログラムは、物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0117】
プロセッサ111には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
【0118】
メモリ112には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically-EPROM)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0119】
物品保管配送制御装置1における、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12、利用者情報取得部13、入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20の各機能について一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。
【0120】
例えば、物品保管依頼情報取得部10、保管区域情報取得部11、返却依頼情報取得部12及び利用者情報取得部13の機能は、専用のハードウェアとしての処理回路で機能を実現する。入出場口選択肢情報生成部14、入出場口選択済情報取得部15、希望時間選択肢情報生成部16、希望時間選択済情報取得部17、配送指示情報生成部18、一時保管区域情報取得部19及び一時保管区域通知情報生成部20については、プロセッサ111がメモリ112に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現してもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより上記機能のそれぞれを実現することができる。
【0121】
以上のように、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1は、複数の入出場口を有する施設の利用者が物品の保管を依頼したことを示す物品保管依頼情報を取得する物品保管依頼情報取得部10と、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報が示す利用者が物品の返却を依頼したことを示す返却依頼情報を取得する返却依頼情報取得部12と、返却依頼情報取得部12が返却依頼情報を取得した場合、利用者が複数の入出場口のうちの何れの入出場口の周辺において物品を受け取るかを利用者に選択させるための入出場口選択肢情報を生成する入出場口選択肢情報生成部14と、利用者が、入出場口選択肢情報生成部14が生成した入出場口選択肢情報に基づいて選択した入出場口を示す入出場口選択済情報を取得する入出場口選択済情報取得部15と、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する配送指示情報生成部18と、を備えている。
【0122】
上記の構成によれば、利用者が保管を依頼した物品を受け取る入出場口を入出場口選択肢情報に基づいて選択し、配送指示情報に基づいて、入出場口選択済情報が示す入出場口に物品を適宜配送することにより、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【0123】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1における物品保管依頼情報取得部10が取得する物品保管依頼情報は、利用者を識別するための利用者識別情報を含む。
上記の構成によれば、利用者識別情報に基づいて、物品の保管から配送までの各処理を適宜実行することにより、利用者から保管を依頼された物品を、当該利用者が選択した入出場口において、当該利用者に適切に返却することができる。よって、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【0124】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1における物品保管依頼情報取得部10が取得する物品保管依頼情報は、物品に対して冷蔵又は冷凍が必要であるか否かを示す冷蔵冷凍要否情報を含む。
上記の構成によれば、冷蔵冷凍要否情報に基づいて、適宜、物品を冷蔵又は冷凍して保管することにより、物品の品質劣化を防ぐことができる。
【0125】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1における物品保管依頼情報取得部10が取得する物品保管依頼情報は、物品が格納されたコンテナ91を識別するためのコンテナ識別情報を含む。
【0126】
上記の構成によれば、コンテナ識別情報に基づいて、物品が格納されたコンテナの保管から配送までの各処理を適宜実行することにより、利用者から保管を依頼された物品を、当該利用者が選択した入出場口において、当該利用者に適切に返却することができる。よって、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【0127】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1は、返却依頼情報取得部12が返却依頼情報を取得した場合、利用者が物品を受け取ることを希望する希望時間を利用者に選択させるための希望時間選択肢情報を生成する希望時間選択肢情報生成部16と、利用者が、希望時間選択肢情報生成部16が生成した希望時間選択肢情報に基づいて選択した希望時間を示す希望時間選択済情報を取得する希望時間選択済情報取得部17と、をさらに備え、配送指示情報生成部18が生成する配送指示情報は、物品が、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報が示す希望時間に、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に到達するように物品の配送を指示する。
【0128】
上記の構成によれば、利用者が保管を依頼した物品を受け取ることを希望する希望時間を希望時間選択肢情報に基づいて選択し、配送指示情報に基づいて、希望時間選択済情報が示す希望時間に、入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に到達するように物品の配送を適宜行うことにより、利用者が希望する希望時間に、利用者に物品を返却することができる。
【0129】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報により示される利用者が保管を依頼した物品を保管する保管庫の保管区域を示す保管区域情報を取得する保管区域情報取得部11をさらに備え、配送指示情報生成部18は、保管区域情報取得部11が取得した保管区域情報が示す保管区域から、入出場口選択済情報取得部15が取得した入出場口選択済情報が示す入出場口の周辺に物品を配送するように指示する配送指示情報を生成する。
【0130】
上記の構成によれば、配送指示情報に基づいて、保管区域情報が示す保管区域から入出場口選択済情報が示す入出場口に物品を適宜配送することにより、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【0131】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1は、複数の入出場口の各周辺に設置された一時保管庫であって、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報に基づいて配送された物品が格納された一時保管庫の保管区域を示す一時保管区域情報を取得する一時保管区域情報取得部19と、一時保管区域情報取得部19が取得した一時保管区域情報が示す保管区域を利用者に通知する一時保管区域通知情報を生成する一時保管区域通知情報生成部20と、をさらに備えている。
【0132】
上記の構成によれば、利用者は、一時保管区域通知情報によって、物品が一時保管された一時保管庫の保管区域を知ることができる。よって、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【0133】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1は、物品保管依頼情報取得部10が取得した物品保管依頼情報が示す利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部13をさらに備え、入出場口選択肢情報生成部14は、利用者情報取得部13が取得した利用者情報に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測し、推測した入出場口が初期設定として選択された入出場口選択肢情報を生成する。
【0134】
上記の構成によれば、利用者が入出場口選択肢情報に基づいて入出場口を選択する際に、推測された入出場口が初期設定として選択されているため、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0135】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1における利用者情報取得部13が取得する利用者情報は、利用者の住所、利用者が利用する路線、又は、利用者が施設に来場する際に搭乗してきた自動車が駐車された駐車区画の少なくとも1つ以上の情報を含む。
【0136】
上記の構成によれば、利用者の住所、利用者が利用する路線、又は、利用者が施設に来場する際に搭乗してきた自動車が駐車された駐車区画の少なくとも1つ以上の情報に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を好適に推測することができる。よって、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0137】
実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1における入出場口選択肢情報生成部14は、希望時間選択済情報取得部17が取得した希望時間選択済情報にさらに基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を推測する。
【0138】
上記の構成によれば、利用者が物品を受け取る希望時間に基づいて、利用者が複数の入出場口のうちから選択する入出場口を好適に推測することができる。よって、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0139】
実施の形態1に係る物品保管配送システム100は、実施の形態1に係る物品保管配送制御装置1と、物品保管依頼情報を受け付け、物品保管依頼情報取得部10に出力する物品保管依頼受付装置3と、配送指示情報生成部18が生成した配送指示情報を出力する配送指示情報出力装置7と、を含む。
上記の構成によれば、物品保管配送システム100において、物品保管配送制御装置1が奏する上述の効果を実現することができる。
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本開示に係る物品配送制御装置は、施設が複数の入出場口を有する場合でも、利用者に物品を返却することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 物品保管配送制御装置、2 記録装置、3 物品保管依頼受付装置、4 配送装置、5 保管区域受付装置、6 利用者端末装置、7 配送指示情報出力装置、8 一時保管区域受付装置、10 物品保管依頼情報取得部、11 保管区域情報取得部、12 返却依頼情報取得部、13 利用者情報取得部、14 入出場口選択肢情報生成部、15 入出場口選択済情報取得部、16 希望時間選択肢情報生成部、17 希望時間選択済情報取得部、18 配送指示情報生成部、19 一時保管区域情報取得部、20 一時保管区域通知情報生成部、30 駅前複合施設、31 駅ビル、32 立体駐車場、33 電車、34 鉄道路線、35 駅前ロータリー、36 路線バス、37 停留所、38 出入口、39 店舗、40 出入口、41 自動車、42 駐車区画、43 駐車場チケット発券機、44 駐車場ゲートバー、50 駐車区画、51 傾斜通路、52 傾斜通路、53 駐車場チケット発券機、54 駐車場チケット、55 駐車場ゲートバー、56 店内入出場口、57 カメラ、60 バス停、61 階段、62 駅自由通路、63 改札、64 駅ホーム、65 ショッピングエリア、66 出入口、67 店舗出入口、70 映画館、71 フードコート、73 店舗出入口、80 記録装置、81 利用者情報ファイル、82 保管物品管理ファイル、83 物品保管配送サーバ、84 レジスタ、85 配送装置、86 保管センター、87 携帯端末装置、88 配送装置、89 一時保管庫、90 ネットワーク、91 コンテナ、100 物品保管配送システム、101 物品保管配送システム、110 処理回路、111 プロセッサ、112 メモリ。