(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】広告料管理装置及び広告料管理方法並びに広告料管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20241108BHJP
【FI】
G06Q30/0273
(21)【出願番号】P 2020165442
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】399127832
【氏名又は名称】株式会社LIFULL
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100173510
【氏名又は名称】美川 公司
(72)【発明者】
【氏名】池本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】三谷 北斗
(72)【発明者】
【氏名】福井 敏悦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章浩
(72)【発明者】
【氏名】野澤 猛
(72)【発明者】
【氏名】楠田 千尋
(72)【発明者】
【氏名】高澤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】上堀 健太
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006728(JP,A)
【文献】特開2015-036919(JP,A)
【文献】特開2007-148833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報の取得と、
前記問合せ情報における問合せの態様の検出と、
前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額の決定と、
前記決定された広告料請求額の、当該請求先たる前記掲出者への通知と、
を行うシステム制御部を備え
、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報の前記取得に用いられた媒体であることを特徴とする広告料管理装置。
【請求項2】
前記媒体は、電話、電子メール又はメッセージアプリケーションのいずれかであり、
前記広告料請求額は、当該媒体が電話であるか、当該媒体がメッセージアプリケーションであるか、又は当該媒体が電子メールであるか、に応じて前記広告対象物ごとに決定されることを特徴とする請求項1に記載の広告料管理装置。
【請求項3】
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報の取得と、
前記問合せ情報における問合せの態様の検出と、
前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額の決定と、
前記決定された広告料請求額の、当該請求先たる前記掲出者への通知と、
を行うシステム制御部を備え、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報における問い合わせ内容であることを特徴とする広告料管理装置。
【請求項4】
前記問合せ内容ごとの予め設定された成約確率が高い当該問い合わせ内容ほど高くなるように、前記広告対象物ごとに前記広告料請求額が決定されることを特徴とする請求項
3に記載の広告料管理装置。
【請求項5】
広告料管理装置に含まれるシステム制御部において実行される広告料管理方法であって、
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報を取得するステップと、
前記問合せ情報における問合せの態様を検出するステップと、
各前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額を決定するステップと、
前記決定された広告料請求額を、当該請求先たる前記掲出者へ通知するステップと、
を含み、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報の前記取得に用いられた媒体であることを特徴とする広告料管理
方法。
【請求項6】
前記媒体は、電話、電子メール又はメッセージアプリケーションのいずれかであり、
前記広告料請求額を決定する前記ステップにおいては、当該媒体が電話であるか、当該媒体がメッセージアプリケーションであるか、又は当該媒体が電子メールであるか、に応じて前記広告対象物ごとに前記広告料請求額が決定されることを特徴とする
請求項5に記載の広告料管理方法。
【請求項7】
広告料管理装置に含まれるシステム制御部において実行される広告料管理方法であって、
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報を取得するステップと、
前記問合せ情報における問合せの態様を検出するステップと、
各前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額を決定するステップと、
前記決定された広告料請求額を、当該請求先たる前記掲出者へ通知するステップと、
を含み、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報における問い合わせ内容であることを特徴とす
る広告料管理方法。
【請求項8】
前記広告料請求額を決定する前記ステップにおいては、前記問合せ内容ごとに予め設定された成約確率が高い当該問い合わせ内容ほど高くなるように、前記広告対象物ごとに前記広告料請求額が決定されることを特徴とする請求項7に記載の広告料管理方法。
【請求項9】
広告料管理装置に含まれるコンピュータに、
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報を取得するステップと、
各前記問合せ情報における問合せの態様を検出するステップと、
各前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額を決定するステップと、
前記決定された広告料請求額を、当該請求先たる前記掲出者へ通知するステップと、
を実行させる広告料管理プログラムであって、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報の前記取得に用いられた媒体であることを特徴とする広告料管理
プログラム。
【請求項10】
広告料管理装置に含まれるコンピュータに、
広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報を取得するステップと、
各前記問合せ情報における問合せの態様を検出するステップと、
各前記問合せの態様の前記広告対象物ごとの検出結果に基づいた、当該広告対象物ごとの前記広告の掲出者に対する広告料請求額を決定するステップと、
前記決定された広告料請求額を、当該請求先たる前記掲出者へ通知するステップと、
を実行させる広告料管理プログラムであって、
前記問合せの態様は、前記問合せ情報における問い合わせ内容であることを特徴とす
る広告料管理
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物件についての広告の掲出者に対して請求する広告料を管理する広告料管理装置等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、不動産等の物件の仲介等をその業務とする不動産業者等が、自身が扱う物件の広告のいわゆる物件情報サイトへの掲出を希望する場合、その不動産業者等は、その広告対象たる物件の内容を示す物件情報を、当該物件情報サイトの管理者に提示する。この物件情報には、物件の実際の写真や間取り等を示す情報が含まれている。物件情報サイトの管理者は、不動産業者等から取得した物件情報を、自らが管理する物件情報サイトに掲載する。これにより、物件を探している一般のユーザは、当該物件情報サイトを介して物件情報が閲覧可能となる。この場合のユーザとは、例えば物件の賃貸を希望している一般のユーザである。このような物件情報の授受を含む物件の売買契約の手続を支援する従来の技術を開示している文献として、下記特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載されている従来技術では、物件の売買契約前に、物件についての専門家による物件の診断依頼をインターネット経由で購入希望者から受け付け、その物件の診断結果を報告する構成とされている。
【0003】
一方、当該物件情報サイトの管理者は、自身が管理する物件情報サイトへの広告の掲出に当たり、その広告主たる不動産業者等に対して広告料を請求する。この場合、従来は、例えば賃貸物件の賃料に応じた広告料が、その物件を扱う不動産業者等のそれぞれに対して、例えば広告対象たる不動産物件の数に応じて、画一的に請求されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記広告料を支払う不動産業者等としては、支払う広告料に見合った広告がされることを望むと考えられる。また、物件情報サイトを介して広告料に見合った広告がされる場合、即ち、広告料の支払いについての納得感が得られる場合には、不動産業者等としてその物件情報サイトを利用しようという動機付けが発生する。この場合には、その物件情報サイトの利用促進にも繋がる。しかしながら、上記特許文献1に開示されている従来技術においては、これらの点については全く考慮されていない。従って、上記広告料を支払う不動産業者等に納得感を与え得る広告料の管理方法が望まれる。
【0006】
本発明は、広告料を支払う不動産業者等における当該支払いについての納得感を向上させることを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、先ず、広告対象物の広告を閲覧したユーザにより広告対象物ごとにそれぞれ入力された問合せ情報が、広告料管理サーバにより取得される。次に、取得された問合せ情報における問合せの態様が、広告料管理サーバにより検出される。次に、広告料管理サーバによって、問合せの態様の広告対象物ごとの検出結果に基づいて、当該広告対象物ごとの広告の掲出者に対する広告料請求額が決定される。そして、決定された広告料請求額が、広告料管理サーバにより、当該請求先たる掲出者へ通知される。これにより、問合せ情報における問合せの態様に応じた広告料請求額が決定されて通知されるので、広告の掲出者において、広告料の支払いについての納得感を向上させることができる。
【0008】
このとき、本発明において、問合せ情報における問合せの態様が、当該問合せ情報の取得に用いられた媒体であるように構成するとよい。これにより、問合せに用いられる媒体に応じて、広告の掲出者における納得感を得てその広告料を決定して通知することができる。
【0009】
また、本発明において、問合せの態様としての媒体が、例えば、電話による問合せ、電子メールによる問合せ又はメッセージアプリケーションを用いた問合せのいずれかであるとすると共に、当該電話による問合せ、電子メールによる問合せ又はメッセージアプリケーションを用いた問合せのいずれであるかに応じて広告対象物ごとに広告料請求額が決定されるように構成するとよい。これにより、電話による問合せ、電子メールによる問合せ又はメッセージアプリケーションを用いた問合せのいずれであるかに応じて、上記納得感を得て広告料を決定して通知することができる。
【0010】
一方、本発明において、問合せ情報における問合せの態様が、当該問合せ情報における問い合わせ内容であるように構成してもよい。これにより、問合せの内容に応じて、広告の掲出者における納得感を得てその広告料を決定して通知することができる。
【0011】
また、本発明において、問合せの態様としての問合せの内容ごとに既定されている成約確率が高い当該問い合わせ内容ほど高くなるように、広告対象物ごとに広告料請求額が決定されるように構成するとよい。これにより、問い合わせの内容に応じて、上記納得感を得て広告料を決定して通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】物件管理データベース及び広告料管理データベースに接続された物件情報提供サーバと、複数のユーザ端末と、複数の不動産業者端末と、それらを接続するネットワークと、からなる、本実施形態の広告料管理システムの概要構成の一例を示す図である。
【
図2】(a)は本実施形態の物件管理データベースに登録されている情報の一例を示す図である。(b)は本実施形態の広告料管理データベースに登録されている情報の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の物件情報掲載ページの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の広告料管理処理を示すフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、
図1乃至
図4を参照して、本発明の一実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、不動産物件の広告についての広告料(広告掲出料)を管理する広告料管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。この場合の不動産物件の広告は、ユーザ端末を使用するユーザが閲覧可能に、当該ユーザ端末において表示される物件情報掲載ページに掲出される不動産物件の広告である。なお以下の説明では、不動産物件を単に「物件」と称する。
【0014】
各ユーザ端末UT1乃至ユーザ端末UTn(nは自然数)を使用する各ユーザに対して、各不動産業者が取り扱う物件の物件情報をそれぞれ提示するため、
図2(a)に例示される物件管理データベースDB1には、それぞれが物件IDにより識別される物件と、各物件を取り扱う不動産業者であってそれぞれが不動産業者IDにより識別される不動産業者と、が、関連付けて格納されている。以下の説明において、ユーザ端末UT1乃至ユーザ端末UTnに共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「ユーザ端末UT」と称する。
【0015】
一方、各不動産業者端末HT1乃至不動産業者HTm(mは自然数)を使用する各不動産業者に対して、上記物件情報掲載ページへの広告の掲出のための広告料の請求額を当該不動産業者ごとに決定するため、
図2(b)に例示される広告料管理データベースDB2には、物件情報掲載ページを介してユーザにより行われた問合せの態様が、その問合せの日時及び問い合わせ先の不動産業者ごとに、各物件に関連付けて格納されている。
【0016】
ここで、本実施形態の物件情報掲載ページとしては、各ユーザからの表示要求に応じて、例えば
図3に例示する物件情報掲載ページPが、当該表示要求が送信されたユーザ端末UTの図示しないディスプレイ上に表示される。この物件情報掲載ページPには、上記物件管理データベースDB1を参照することで、物件ごとの物件情報R1、物件情報R2、…、が、当該物件を取り扱う不動産業者の名称と共に含まれている。以下の説明において、物件情報R1、物件情報R2、…、に共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「物件情報R」と称する。物件情報Rには、
図3に例示するように、物件の名称、外観又は内部を撮像した画像、賃料、所在地、間取り、交通等の各情報が含まれて表示される。これらに加えて、各物件情報Rには、当該物件情報Rにより名称等が示されている物件についてユーザが問合せをする場合に当該ユーザにより操作される電話ボタンB1、メッセージボタンB2、メールボタンB3並びにチェックボックスC1乃至チェックボックスC6及び送信ボタンCTが含まれて表示される。
【0017】
このうち、電話ボタンB1が操作されると、上記問合せのための電話番号が、物件情報提供サーバSVにより表示される。この電話番号は、例えば、その物件を扱っている不動産業者等の連絡先としての電話番号である。そして、表示されている電話番号にユーザが直接電話をかけることにより、その不動産業者等との間で必要な問合せ及び情報収集ができる。メッセージボタンB2が操作されると、上記問合せのためのメッセージを送信するために必要なIDが、物件情報提供サーバSVにより表示される。このIDは、例えば上記連絡先としてのIDである。そして、表示されているIDを用いたユーザと不動産業者等との間のメッセージの授受により、その不動産業者等に対して必要な問合せ及び情報収集ができる。メールボタンB3が操作されると、上記問合せのための電子メールを送信するための送信ウインドウが物件情報提供サーバSVにより表示され、上記連絡先への電子メールが可能となる。そして、当該電子メールの授受により、その不動産業者等に対して必要な問合せ及び情報収集ができる。これらに加えて、上記電話ボタンB1の操作乃至メールボタンB3の操作のいずれかによる問合せがあった場合、広告料管理データベースDB2の対応する物件及び不動産業者の内容が、当該問合せがあった日時と共に更新される。この広告料管理データベースDB2の更新については、後ほど
図4を用いて説明する。
【0018】
一方、「ローン・購入相談」のチェックボックスC1がユーザによりチェック操作された後に送信ボタンCTが操作されると、その旨が、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、対応する物件の購入に関する案内がそのユーザに連絡又は送信されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC1のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。ユーザにより「内見希望」のチェックボックスC2がチェック操作された後に送信ボタンCTが操作されると、その旨が、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、対応する物件の内見の案内がそのユーザに連絡又は送信されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC2のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。ユーザにより「空室問合せ」のチェックボックスC3がチェック操作された後に送信ボタンCTが操作されると、その旨が、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、対応する物件の空き状況の情報がそのユーザに連絡又は送信されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC3のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。
【0019】
ユーザにより「資料請求」のチェックボックスC4がチェック操作された後に送信ボタンCTが操作されると、その旨が、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、例えば郵送により対応する物件のパンフレット等がユーザに送付されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC4のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。ユーザにより「他の物件」のチェックボックスC5がチェック操作された後に送信ボタンCTが操作されると、その旨が、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、対応する物件に関連する他の物件(例えば同じマンションの他の物件)の物件情報がそのユーザに連絡又は送信されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC5のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。最後に、ユーザにより「その他」のチェックボックスC6がチェック操作され、必要なコメント等が入力された後に送信ボタンCTが操作されると、当該入力されたコメントが、物件情報提供サーバSVを介して、対応する不動産業者等の不動産業者端末HTに送信される。これにより、当該不動産業者等から、当該コメントに回答する趣旨の情報等がそのユーザに連絡又は送信されると共に、物件情報提供サーバSVにおいて、チェックボックスC6のチェック操作による問合せが行われたことが認識される。以上のようなチェックボックスC1乃至チェックボックスC6のいずれかを用いた操作により、物件情報掲載ページPを閲覧しているユーザは、所望する情報を、その物件を取り扱っている不動産業者等から取得できる。これらに加えて、上記チェックボックスC1乃至チェックボックスC6のいずれかの操作による問合せがあった場合、広告料管理データベースDB2の対応する物件及び不動産業者の内容が、当該問合せがあった日時と共に更新される。この広告料管理データベースDB2の更新についても、後ほど
図4を用いて説明する。
【0020】
図4のフローチャートを参照して、本発明の動作を説明する。物件情報提供サーバSVのシステム制御部は、いずれかのユーザ端末UTからの要求に応じて、物件管理データベースDB1を参照しつつ、
図3に例示する物件情報掲載ページPを、そのユーザ端末UTに送信してそのユーザに閲覧させる(ステップS1)。物件情報掲載ページPの表示中において、システム制御部は、上記電話ボタンB1乃至メールボタンB3のいずれか又はチェックボックスC1乃至チェックボックスC6のいずれかの操作によるユーザからの問合せがあったか否かを監視する(ステップS2)。ステップS2の監視において問合せがない場合(ステップS2:NO)、システム制御部は、後述するステップS8に移行する。ステップS2の監視において問合せがあった場合(ステップS2:YES)、システム制御部は、当該問合せの態様、即ち、電話ボタンB1乃至メールボタンB3等を用いた問合せか、又はチェックボックC1乃至チェックボックスC6のいずれか及び送信ボタンCTを用いた問合せか、を検出し、その検出結果に応じて広告料管理データベースDB2を更新する(ステップS3)。このとき、システム制御部は、例えば電話ボタンB1の操作による問合せがあった場合、その問合せに対象となる物件及びそれを取り扱う不動産業者について、電話による問合せがあった旨を、その日時に関連付けて更新する(
図2(b)参照)。また、システム制御部は、例えばチェックボックスC4の操作による問合せがあった場合、その問合せに対象となる物件及びそれを取り扱う不動産業者について、資料請求の問合せがあった旨を、その日時に関連付けて更新する(
図2(b)参照)。
【0021】
次に、システム制御部は、広告料の集計タイミングとして予め設定されたタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4での判定対象たる上記タイミングは、例えば毎日の午前2時である。ステップS4の判定において、当該予め設定されたタイミングが到来していない場合(ステップS4:NO)、システム制御部は、上記ステップS1に戻る。一方、ステップS4の判定において、当該予め設定されたタイミングが到来した場合(ステップS4:YES)、システム制御部は、一つ前の当該タイミング(即ち前日の午前2時)から今回の当該タイミングまでの集計期間(実施形態の場合は一日)に更新された広告料データベースDB2の内容を集計し(ステップS5)、その集計結果に基づいて、不動産業者ごとの(一日分の)広告料の請求額を決定する(ステップS6)。
【0022】
ここで、ステップS5における集計及びステップS6における広告料の請求額の決定について、具体的に説明する。先ず、一つの物件についてのいずれかの問合せがあった場合の上記集計期間における広告料は、その物件を取り扱っている不動産業者等の数に拘わらず、上記問合せの態様に応じて、例えばその物件の賃料に対する割合(パーセント)により、予め設定されている。そして、この割合は、問合せの媒体としての電話による問合せ(電話ボタンB1に対応)の割合が最も大きく、次にメッセージアプリケーションを用いた問合せ(メッセージボタンB2に対応)の割合が大きく、電子メールを用いた問合せ(メールボタンB3に対応)の割合が最も小さく設定されている。より具体的に、例えば一の物件について、上記集計期間内にその物件を取り扱う二つの不動産業者等に対して電話による問合せがそれぞれあった場合、電話による問合せの割合が賃料の20パーセントとされているとすると、当該二つの不動産業者に対して、賃料の10パーセントずつが、その集計期間における広告料としてそれぞれ加算される。また、例えば一の物件について、上記集計期間内にその物件を取り扱う三つの不動産業者等に対して電子メールによる問合せがそれぞれあった場合は、電子メールによる問合せの割合が賃料の10パーセントとされているとすると、当該三つの不動産業者に対して、賃料の3.3パーセントずつが、その集計期間における広告料としてそれぞれ加算される。
【0023】
なお、問合せの媒体としての電話による問合せの割合が最も大きく、電子メールを用いた問合せの割合が最も小さく設定されているのは、電話による問合せでは、ユーザと不動産業者等とが実際に会話しながら問合せに対する回答が為されることから、成約に至る確率(成約に至る確率を、以下、単に「成約確率」と称する)が相対的に高い傾向にあるのに対し、電子メールを用いた問合せでは、その返信がユーザから得られない場合が多く、成約確率が相対的に低い傾向にあることによる。そして、メッセージアプリケーションを用いた問合せでは、電話による場合と電子メールによる場合との中間程度の成約確率が期待できることから、その割合は、電話による問合せの割合と電子メールを用いた問合せとの間の値とされている。なお、集計期間内に、一の物件に対して、例えば電話による問合せが二つの不動産業者等に対してあり、電子メールによる問合せが三つの不動産業者等に対してあった場合でも、電話による問合せを受けた二つの不動産業者に対しては賃料の10パーセントずつが広告料としてそれぞれ加算され、電子メールによる問合せを受けた三つの不動産業者に対しては賃料の3.3パーセントずつが広告料としてそれぞれ加算される。
【0024】
一方、広告料としての賃料に対する割合は、問合せの内容としてのチェックボックスC1等を用いた問合せについては、例えば、
「ローン・購入相談」のチェックボックスC1を用いた問合せの割合>「内見希望」のチェックボックスC2を用いた問合せの割合>「空室問合せ」のチェックボックスC3を用いた問合せの割合>「資料請求」のチェックボックスC4を用いた問合せの割合>「他の物件」のチェックボックスC5を用いた問合せの割合、
と設定されている。より具体的に、例えば一の物件について、上記集計期間内にその物件を取り扱う二つの不動産業者等に対してチェックボックスC1を用いた問合せがそれぞれあった場合、チェックボックスC1を用いた問合せの割合が賃料の10パーセントとされているとすると、当該二つの不動産業者に対して、賃料の5パーセントずつが、その集計期間における広告料としてそれぞれ加算される。また、例えば一の物件について、上記集計期間内にその物件を取り扱う四つの不動産業者等に対してチェックボックスC2を用いた問合せがそれぞれあった場合は、チェックボックスC2を用いた問合せの割合が賃料の4パーセントとされているとすると、当該四つの不動産業者に対して、賃料の1パーセントずつが、その集計期間における広告料としてそれぞれ加算される。
【0025】
なお、問合せの内容としてのチェックボックスC1等による問合せの割合が上記のように設定されているのは、電話ボタンB1に対応した問合せ等の場合と同様に、成約確率に基づくものであり、成約確率が高いことが想定される問い合わせの内容ほど、広告料としての賃料に対する割合が高く設定されている。また、集計期間内に、一の物件に対して、異なる内容の問合せがそれぞれ複数の不動産業者等に対してあった場合でも、それぞれの内容の問合せの割合を当該複数の不動産業者について按分した広告料がそれぞれ加算される。
【0026】
その後、システム制御部は、ステップS6までの処理により決定された請求額を、上記集計期間における広告料の請求額として、それが請求されるべき不動産業者等の不動産業者端末HTに送信して通知する(ステップS7)。これにより、その不動産業者端末Tを使用する不動産業者等は、問合せの態様(換言すれば、広告の反響)に応じた広告料の請求額を認識する。
【0027】
次に、システム制御部は、所定の理由により本実施形態の広告料管理処理を終了する旨の操作が実行される等の理由により、本実施形態の広告料管理処理を終了するか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の判定において、本実施形態の広告料管理処理を終了しない場合(ステップS8:NO)、システム制御部は、ステップS1に戻って物件情報掲載ページPの表示を継続する。一方、ステップS8の判定において、本実施形態の広告料管理処理を終了する場合(ステップS8:YES)、システム制御部は、そのまま当該広告料管理処理を終了する。
【0028】
以上の本実施形態の広告料管理処理によれば、問合せの態様に応じた広告料の請求額が決定されて通知されるので、広告の掲出者としての不動産業者等において、広告料の支払いについての納得感を向上させるができる。また、問合せに用いられる電話等の媒体に応じて、広告の掲出者における納得感を得てその広告料を決定することができる。更に、「内見希望」等の問合せの内容に応じて、広告の掲出者における納得感を得てその広告料を決定することができる。
【0029】
なお、上記チェックボックスC6のチェック操作と共に入力されるコメントの内容を例えば自動解析し、その解析結果に応じて、チェックボックスC6のチェック操作を用いた問い合わせの内容と成約確率との関係を検出して広告料の請求額を決定するように構成してもよい。
【0030】
また、上記集計期間については、物件情報提供サーバSVにおける処理負荷と、各不動産業者等における予算編成の態様と、に基づいて、その期間を調整してもよい。
【0031】
なお、以上の実施形態では、物件を販売の対象とする広告料管理処理に対して本発明を適用したが、これ以外に、例えば高額な船舶や車両等、その販売に当たって問合せを伴うものの当該販売用の広告料の管理に対して本発明を適用することもできる。
【0032】
また、以上の実施形態において、
図4に示すフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いは、インターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、その処理中にネットワークにアクセスすることなく、当該マイクロコンピュータを本実施形態のシステム制御部として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0033】
S 広告料管理システム
P 物件情報掲載ページ
B1 電話ボタン
B2 メッセージボタン
B3 メールボタン
C1、C2、C3、C4、C5、C6 チェックボックス
CT 送信ボタン
SV 物件情報提供サーバ
UT1、UT2、UTn ユーザ端末
HT1、HT2、HTm 不動産業者端末
DB1 物件管理データベース
DB2 広告料管理データベース