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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ストロボ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20241108BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20241108BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241108BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/03 G
G03B17/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020170197
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062298
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】開本 峰史
(72)【発明者】
【氏名】菅原 梓
【審査官】東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-038465(JP,A)
【文献】特開2008-181767(JP,A)
【文献】特開2012-141511(JP,A)
【文献】特開平05-335996(JP,A)
【文献】特開2018-180313(JP,A)
【文献】特開2009-036965(JP,A)
【文献】特開平07-067007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/04- 15/05
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロボ装置であって、発光用電源であるバッテリを収容するためのバッテリ収容空間をボディ内に有し、前記バッテリ収容空間に蓋をする蓋部材を備え、この蓋部材はヒンジ機構によってボディに回転自在に支持されるとともに、その回転によって蓋の開閉を行うように構成され、前記蓋部材はその主要部を樹脂によって形成され、かつ前記蓋部材は、この蓋部材が開いたときに前記ボディと接触する部分が、前記樹脂よりも軟質で弾性を有する弾性体によって形成されており、
ストロボ装置を立てたときに蓋部材よりも上側となる部分および下側となる部分の少なくともいずれか一方に、外部との電気的な接続端子が設けられており、ヒンジ機構は、ストロボ装置を立てたときに上下方向となる軸心のまわりに蓋部材を回転させるものであることを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】
蓋部材の主要部を形成する樹脂と、蓋部材が開いたときにボディと接触する蓋部材の部分を形成する弾性体とが一体成型されていることを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
【請求項3】
蓋部材は、ボディと接触する部分とは別の部分も弾性体によって形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のストロボ装置。
【請求項4】
ボディと接触する部分とは別の部分の弾性体の少なくとも一部分の表面に、しぼ模様が付されていることを特徴とする請求項3記載のストロボ装置。
【請求項5】
ボディにおける蓋部材の弾性体が接触する部分は、この弾性体よりも硬質の樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項6】
蓋部材が開いたときにボディと接触する蓋部材の部分を形成する弾性体はエラストマであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項7】
ヒンジ機構はストロボ発光方向に見てボディの前側に設けられているとともに、蓋部材はストロボ発光方向に見てヒンジ機構よりもボディの後側に設けられていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載のストロボ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストロボ装置に関し、特にバッテリ収容空間のための開閉式の蓋部材を備えたストロボ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロボ装置として、発光用電源であるバッテリを収容するためのバッテリ収容空間を樹脂製のボディ内に有し、このバッテリ収容空間に蓋をする樹脂製の蓋部材を備えたものが、たとえば特許文献1において知られている。蓋部材は、ヒンジによってボディに回転自在に支持されるとともに、その回転によって蓋の開閉を行うように構成されている。
【0003】
このようなストロボ装置においては、蓋部材がばね力などによって開いたときには、この蓋部材における特定の一部分がボディに当たることで、この蓋部材を、開いた状態に保持できるように構成されている。しかし、何も対処せずに単に当たるだけの構成では、蓋部材の特定の一部分が当たるボディの部分や、このボディの部分に当たる蓋部材の特定の一部分に傷や光沢が発生して、製品の見栄えが低下するおそれがある。この対策として、公知のストロボ装置においては、ボディおよびまたは蓋部材に小突起を設け、この小突起に蓋部材の特定の一部分が当たるようにしたものがある。これにより、広い範囲に傷や光沢が発生することを防止でき、また蓋部材を安定に開状態に保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-181767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような小突起を設けたものでは、この小突起はストロボ装置のデザイン上不必要なものであり、その分、デザイン上の品位が低下する。また小突起は依然として相手部材が当たるものであるため、傷や光沢の発生が避けられず、これが目立ってしまうおそれもある。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、デザイン上の品位を低下させない条件のもとで、ストロボ装置のバッテリ収容空間のための蓋部材の開閉に伴う傷や光沢の発生を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため本発明のストロボ装置は、発光用電源であるバッテリを収容するためのバッテリ収容空間をボディ内に有し、前記バッテリ収容空間に蓋をする蓋部材を備え、この蓋部材はヒンジ機構によってボディに回転自在に支持されるとともに、その回転によって蓋の開閉を行うように構成され、前記蓋部材はその主要部を樹脂によって形成され、かつ前記蓋部材は、この蓋部材が開いたときに前記ボディと接触する部分が、前記樹脂よりも軟質で弾性を有する弾性体によって形成されており、ストロボ装置を立てたときに蓋部材よりも上側となる部分および下側となる部分の少なくともいずれか一方に、外部との電気的な接続端子が設けられており、ヒンジ機構は、ストロボ装置を立てたときに上下方向となる軸心のまわりに蓋部材を回転させるものであることを特徴とする。
【0008】
このような構成であると、蓋部材は、この蓋部材が開いたときにボディと接触する部分が、蓋部材における他の部分を構成する樹脂よりも軟質で弾性を有する弾性体によって形成されているため、ボディと接触するときすなわちボディに当たるときに弾性的に接触することができ、このため傷や光沢が発生することを効果的に防止することができる。また、弾性体によって、ボディに当たるときのみならず、ボディに接触した状態で静荷重が加わった場合にこの静荷重を吸収することも可能である。
また、外部との電気的な接続端子に電線などが接続されている場合であってもこの電線の影響を受けることなしに蓋部材の開閉を行うことができる。
【0009】
本発明のストロボ装置によれば、蓋部材の主要部を形成する樹脂と、蓋部材が開いたときにボディと接触する蓋部材の部分を形成する弾性体とが一体成型されていることが好適である。このようなものであると、たとえば接着剤を用いて別部品を接着一体化するような場合に比べて製造工程が簡単であり、しかも金型を用いた公知のインサート成形などによって蓋部材を容易かつ確実に得ることができる。
【0010】
本発明のストロボ装置によれば、蓋部材は、ボディと接触する部分とは別の部分も弾性体によって形成されていることが好適である。このようなものであると、蓋部材における別の部分がエラストマによって形成されていることで、その部分の耐衝撃性を向上されることができるうえに、通常の樹脂では得られない質感を呈するようにすることができる。
【0011】
本発明のストロボ装置によれば、ボディと接触する部分とは別の部分の弾性体の少なくとも一部分の表面に、しぼ模様が付されていることが好適である。このようなものであると、蓋部材における少なくとも一部分の表面に弾性体によるしぼ模様が付されているため、それによって、通常の樹脂では得られない特異な質感を確実に呈するようにすることができる。
【0012】
本発明のストロボ装置によれば、ボディにおける蓋部材の弾性体が接触する部分は、この弾性体よりも硬質の樹脂によって形成されていることが好適である。すなわち、互いに接触するボディと蓋部材とのずれか一方だけが弾性体にて形成されていれば、本発明の目的を効果的に達成することができる。
【0013】
本発明のストロボ装置によれば、蓋部材が開いたときにボディと接触する蓋部材の部分を形成する弾性体はエラストマであることが好適である。
【0014】
本発明のストロボ装置によれば、ヒンジ機構はストロボ発光方向に見てボディの前側に設けられているとともに、蓋部材はストロボ発光方向に見てヒンジ機構よりもボディの後側に設けられていることが好適である。このようなものであると、ヒンジ機構よりもボディの後側において蓋部材が開閉するため、蓋部材が開くときには、バッテリ収容空間が蓋部材に邪魔されずにストロボの操作者の方を向くことになり、このためバッテリの交換作業などを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のストロボ装置によると、蓋部材は、ボディと接触する部分がエラストマなどの弾性体によって形成されているため、傷や光沢が発生することを効果的に防止することができ、また蓋部材がボディに接触した状態で静荷重が加わった場合にこの静荷重を吸収することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態のストロボ装置における蓋部材の立体図である。
図2】同蓋部材のボディへの取付け構造を示す断面図である。
図3図2における要部を拡大して示す図である。
図4】本発明の実施の形態のストロボ装置の使用状態を示す全体的な立体図である。
図5】蓋部材が閉じた状態の同ストロボ装置の前側を下方から見たときの立体図である。
図6】蓋部材が開いた状態の同ストロボ装置の前側を下方から見たときの立体図である。
図7】蓋部材が閉じた状態の同ストロボ装置の前側を上方から見たときの立体図である。
図8】蓋部材が開いた状態の同ストロボ装置の前側を上方から見たときの立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図5図8は、本発明の実施の形態のストロボ装置における、バッテリ収容空間を有したボディを前側から見た立体図である。なおストロボ装置の発光部は、これらの図には描かれていない。これらの図において、11はストロボ装置のボディであり、その外装は、通常の硬質の樹脂によって形成されている。12は、図外のカメラへの接続部分であって、カメラに固定されることができるように構成されるとともに、カメラとの間で電気的な接続ができるように構成されている。ストロボ装置は、発光用電源であるバッテリを収容するためのバッテリ収容空間13を、ボディ11に備えている。バッテリ収容空間13は、蓋部材14によって開閉するように構成されている。15はスライド式のロック・アンロック用部材で、そのスライド位置によって、蓋部材14を、閉じた状態にロックすることができるとともに、そのロック状態を解除して蓋部材14の開動を許容することもできるように構成されている。図5図8においては図示を省略するが、蓋部材14はヒンジ機構によってボディ11に対し開閉自在に取り付けられている。ヒンジ機構はストロボ発光方向に見てボディの前側に設けられているとともに、蓋部材はストロボ発光方向に見てヒンジ機構よりもボディの後側に設けられている。またヒンジ機構の軸にはねじりコイルばねが外ばめされており、このばねによって、蓋部材14は開く方向への力を受けている。
【0018】
図4はストロボ装置の全体を示す図である。10は発光部、11は前述のボディである。
【0019】
図2および図3は、蓋部材14の開閉機構を示す。これらの図2および図3において、図5図8に示したものと同一の部材には、同一の参照符号が付されている。図示のように、開閉蓋14は、ヒンジ機構16によってボディ11に回転自在に取り付けられ、その回転によって、図示のようにバッテリ収容空間13を外部に向けて開放した開状態と、図示は省略するがバッテリ収容空間13を閉じる閉状態とをとることができるように構成されている。17はヒンジ機構16の軸であり、ボディ11にて支持されている。蓋部材14は、その一方の側部が軸17に取り付けられることで、軸17を中心としてその周りに旋回できるように構成され、その旋回によって、上述した開状態と閉状態とをとることができるようにされている。18は上述のねじリコイルばねで、図示のように軸17に外ばめされた状態で配置されるとともに、蓋部材14に開き側への回転方向の力を及ぼすようにされている。
【0020】
蓋部材14は、複数種類の材料にて構成されている。すなわち20は軸17に連結される部材で、この部材20は、強度保持を目的として金属にて構成されている。21は内面部材で、収容空間13に収容される複数のバッテリどうしを短絡などのトラブルなしに電気的に接続する目的で、電気絶縁性を有する硬質の樹脂にて構成されている。この樹脂製の内面部材21に金属製の導通部材が設けられることで、上記のように複数のバッテリどうしが電気的に接続される。22は蓋部材14の表装材である。この表装材22は、構造体形成用の一般的な硬質の樹脂にて形成された部分23と、この樹脂より軟質で弾性を有するエラストマなどの弾性体にて構成された部分24とを一体に有する。樹脂にて形成された部分23が、蓋部材14の表装材22の主要部を構成する。その詳細は、以下の通りである。
【0021】
図1図4に示す蓋部材14において、26は、ヒンジ機構16の軸17の近傍に位置する側端部で、この側端部26は、図2および図3に示すように蓋部材14が開いたときに、ボディ11と接触する。すなわち軸17の近傍におけるボディ11の部分に当たる。本発明においては、この側端部26を、エラストマやその他の弾性体にて形成された部分24とする。
【0022】
そうすると、側端部26は、ボディ11と接触するときであっても、ボディ11に対して弾性的つまり緩衝的に接触することになる。このため、接触による傷や光沢がきわめて発生しにくく、そのような欠陥が生じにくい状態を維持することができる。また、側端部26がボディ11に接触した状態で静荷重が加わるような場合に、その静荷重による負荷をエラストマなどの弾性体により弾性的に吸収することができる。これにより、大きな静荷重が印加した場合であっても、蓋部材14などが破損することを確実に防止することができる。
【0023】
なお、本明細書において、弾性体は、軟質で弾性を有する高分子その他の材料の全般を意味し、エラストマやエラストマ弾性を有する軟質の樹脂やその他の材料を含む語として用いている。
【0024】
また、弾性体にて形成された部分24は、上記した側端部26だけを指すのではなく、蓋部材14を開いたときにボディ11と接触するすべての部分を弾性体にて形成すべきである。
【0025】
それ以外にも、図示の蓋部材14では、表装材22における外表面27などの、側端部26以外の特に使用者の目につきやすい部分を、弾性体にて形成された部分24とすることができる。そうすることで、その部分の耐衝撃性を向上させることができる。加えて、弾性体にて形成された部分24とすることで、通常の樹脂では得られない質感を付与することができ、ストロボ装置のデザイン面での寄与を図ることができる。特に、上記した外表面27などの、弾性体にて形成された部分24の少なくとも一部分の表面に、弾性体によるしぼ模様を付すことが好適である。こうすることで、さらに独特となる質感を呈するように構成することができる。
【0026】
このように通常の硬質の樹脂に形成された部分23と、それよりも軟質で弾性を有するエラストマなどの弾性体にて形成された部分24とを有する蓋部材14の表装材22を製造する際には、たとえば金型内にエラストマなどの弾性体製の部材を設置した状態で通常の樹脂を注入して一体化させる、いわゆるインサート成形などの手法を、好適に用いることができる。このようにすれば、金型を用いた成形だけで表装材22を容易かつ確実に製造することができる。たとえば、樹脂製の部材にエラストマ製の部材を接着剤などを用いて貼り付けることによっても、同様に表装材22を製造することは可能である。しかし、その場合は、材料の異なる複数種類の部材を予め準備しておくことが必要となり、また接着工程という手間を要する工程が必要になってしまう。これに対し上述のような金型を用いた工程では、接着工程に比べて準備すべき部材の点数を低減することができるとともに、準備の整った金型内に樹脂を注入するだけで表装材22を完成させることができるために、接着工程よりも簡易な工程だけで作業を完了することができるという利点がある。このため、低廉な製造コストで所期の性能を有するストロボ装置を得ることができる。
【0027】
本発明のストロボ装置をカメラに装着した場合には、図4に示すように外部電源コード31とシンクロコード32とが、ボディ11に設けられた接続端子33、34にそれぞれ接続される。35、36はキャップで、接続端子33、34にコード31、32が接続されていないときに接続端子をカバーするものである。
【0028】
本発明のストロボ装置では、接続端子33、34は、いずれもカメラの後ろ側に位置する操作者からストロボ発光方向に見て左側に設けられている。また蓋部材14も、同じ左側に設けられている。図示の例では、接続端子33は、ストロボ装置を立てたときにおける蓋部材14よりも上側になる部分に設けられている。また接続端子34は、同様にストロボ装置を立てたときにおける、蓋部材14よりも下側になる部分に設けられている。コード31、32は、同左側において、ストロボ装置の取付け対象であるカメラやその他の機器に接続される。図示は省略するが、ストロボ発光方向に見てボディ11の右側に対応したカメラの部分には、レリーズボタンやメインダイヤルなどの、操作頻度の高い操作部材が配置されるのが通例である。またカメラグリップも同右側に対応した部分に設けられる。いま、蓋部材14をボディ11における同右側に配置すると、特に蓋部材14が開いたときに、この蓋部材14が前記した操作部材の操作の邪魔になる。これに対し図示のように蓋部材14が左側に設けられていると、このような邪魔になるという不都合が発生しないという利点がある。
【0029】
前述した特許文献1のストロボ装置では、たとえばその図1図2に描かれているように、蓋部材はストロボ装置を発光方向に見たときに右側に設けられている。したがつて本件のストロボ装置は、特許文献1のストロボ装置よりも使い勝手が勝っているという利点がある。
【0030】
また特許文献1のストロボ装置では、その図2に描かれているように、蓋部材は、ストロボを立てた場合においてストロボ発光方向に見たときに前後方向となるヒンジによって開閉自在に支持されている。このため蓋部材は上下方向に開閉するように構成されている。しかし、本発明のストロボ装置では、ヒンジ機構16はストロボ装置を立てたときに上下方向となる軸心のまわりに、蓋部材14を回転させるように構成されている。このため、蓋部材14は上下方向ではなく前後方向に開閉する。その結果、接続端子33、34が蓋部材14よりも上側と下側とに設けられていて外側電源コード31やシンクロコード32が蓋部材14の上側と下側とに存在する場合であっても、これらに邪魔されずに支障なく蓋部材14を開閉することができる(正確には、外側電源コード31やシンクロコード32における接続端子33、34へのコネクタに邪魔されずに蓋部材14を開閉することができる)。
【0031】
さらに、本発明のストロボ装置において、仮に蓋部材が上下方向に開閉するものであると、従来の構成である小突起の当たり面をボディ11設けることもできなくなる。また、この場合において、蓋部材の下側に接続端子が設けられているときには、図示の例ではシンクロコードが邪魔になって、蓋部材11を下側にスライドさせて開くこともできない。これに対し本発明の蓋部材11前後開きであることで、このような問題点をことごとく解決することができる。
【0032】
図示した本発明のストロボ装置によれば、ヒンジ機構16はストロボ発光方向に見てボディ11の前側に設けられているとともに、蓋部材14はストロボ発光方向に見てヒンジ機構16よりもボディ11の後側に設けられている。これにより、ヒンジ機構16よりもボディ11の後側において蓋部材14が開閉するため、蓋部材14が開くときには、バッテリ収容空間13が蓋部材14に邪魔されずにストロボの操作者の方を向くことになる。このため、バッテリの交換作業などを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
11 ボディ
13 バッテリ収容空間
14 蓋部材
16 ヒンジ機構
22 表装材
23 樹脂にて形成された部分
24 エラストマにて形成された部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8