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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20241108BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20241108BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20241108BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F3/14
F24F110:20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020194142
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022082951
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充邦
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-008742(JP,A)
【文献】特開2001-263763(JP,A)
【文献】特開平09-014724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、
室外熱交換器と、
室内熱交換器と、
室内ファンと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
第1の除湿モードと、前記第1の除湿モードよりも前記室内熱交換器の目標温度が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能であって、
前記第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、前記第2の除湿モードに切り替え
前記第2の除湿モードにおいて、前記室内熱交換器の目標温度を0℃未満とする、空気調和システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の除湿モードにおいては、室内温度に関わらずに、室内の湿度を下げるように制御する、請求項に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の除湿モードの終了後、第2の所定時間の間、前記圧縮機の回転数を下げる、請求項1または2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記空気調和システムのユーザが在宅している場合に、前記第2の除湿モードの終了後、第2の所定時間の間、前記圧縮機の回転数を下げる制御をおこなう、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項5】
圧縮機と、
室外熱交換器と、
室内熱交換器と、
室内ファンと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記室内熱交換器の目標温度を0℃未満とする除湿モードを実行した後、所定時間の間、前記圧縮機の回転数を下げる制御をおこなう、空気調和システム。
【請求項6】
圧縮機と、
室外熱交換器と、
室内熱交換器と、
室内ファンと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
第1の除湿モードと、前記第1の除湿モードよりも前記室内熱交換器の目標温度が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能であって、
前記第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、前記第2の除湿モードに切り替え、
前記第2の除湿モードの終了後、第2の所定時間の間、前記圧縮機の回転数を下げる、空気調和システム。
【請求項7】
圧縮機と、
室外熱交換器と、
室内熱交換器と、
室内ファンと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
第1の除湿モードと、前記第1の除湿モードよりも、前記圧縮機の回転数が高く、前記室内ファンの回転数が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能であって、
前記第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、前記第2の除湿モードに切り替え、
前記第2の除湿モードの終了後、第2の所定時間の間、前記圧縮機の回転数を下げる、空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システムの除湿機能の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、除湿機能を有する空気調和機が知られている。たとえば、特開2014-153008号公報(特許文献1)には、空気調和機が開示されている。特許文献1によると、空調運転に応じて圧縮機の回転数を制御し、圧縮機の回転数に応じて室内ファンを駆動制御する制御装置と、室内熱交換器の温度を検出する温度検出器と、室内の湿度を検出する湿度検出器とが設けられる。制御装置は、除湿運転を行うとき、室内熱交換器の温度が検出された室内湿度よりも低い湿度の露点温度になるように、室内ファンの回転数を下げて、室内ファンの送風能力を低下させる補正制御を行う。
【0003】
また、特開2013-104619号公報(特許文献2)には、空調室内機が開示されている。特許文献2によると、室内熱交換器による熱交換によって室内空気を冷却する際に、室内ファンにより室内熱交換器に室内空気を送風する。室内制御装置は、室内ファンを制御する。室内ファンの制御において、室内制御装置は、室内ファンの回転数の下限値を変化させるか否かを少なくとも室内熱交換器の蒸発温度に基づいて判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-153008号公報
【文献】特開2013-104619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、空気調和システムの除湿能力を効率的に高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に従うと、圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、室内ファンと、制御部とを備える空気調和システムが提供される。制御部は、第1の除湿モードと、第1の除湿モードよりも室内熱交換器の目標温度が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能である。制御部は、第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、第2の除湿モードに切り替える。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、空気調和システムの除湿能力を効率的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかる空気調和機の概略構成図である。なお、本図では、四方弁が冷房運転状態となっている。
図2】第1の実施の形態にかかる空気調和機の概略構成図である。なお、本図では、四方弁が暖房運転状態となっている。
図3】第1の実施の形態にかかる空気調和機の構成を表わす機能ブロック図である。
図4】第1の実施の形態にかかる空気調和機による制御を示す動作概要を示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかる空気調和機による制御を示す動作概要を示すイメージ図である。
図6】第1の実施の形態にかかる空気調和機による制御を示すフローチャートである。
図7】第3の実施の形態にかかる空気調和システムの全体構成を示すイメージ図である。
図8】第3の実施の形態にかかるサーバの構成を示すブロック図である。
図9】第3の実施の形態にかかる機器情報データを示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<空気調和機100の全体構成>
【0010】
まず、本実施の形態にかかる空気調和システムとしての空気調和機100の構成と基本的な動作概要とについて説明する。なお、図1は、第1の実施の形態にかかる空気調和機100の冷房運転時および除霜運転時の概略構成図である。また、図2は、第1の実施の形態にかかる空気調和機100の暖房運転時の概略構成図である。
【0011】
図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機100は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室外機10、室内機30およびリモートコントローラ50から構成されている。なお、空気調和機100は、室内機30と室外機10とが冷媒配管17および18を介して接続されることによって構成されている。そして、後述するように、室内機30と室外機10とは、通信用の配線や電力供給用のユニット間配線などを介しても接続される。以下、室外機10、室内機30、リモートコントローラ50、冷媒配管17および18について詳述する。
【0012】
(1)室外機
室外機10は、主に、筐体11、圧縮機12、四方弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、室外熱交換器温度センサ21、吐出温度センサ22、吸入温度センサ23、室外熱交換器出口温度センサ24、外気温度センサ25および室外制御部29から構成されている。なお、この室外機10は、屋外に設置されている。
【0013】
筐体11には、圧縮機12、四方弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、温度センサ21~25および室外制御部29等が収納されている。
【0014】
圧縮機12は、吐出管12aおよび吸入管12bを有している。吐出管12aおよび吸入管12bは、それぞれ、四方弁13の異なる接続口に接続されている。また、圧縮機12は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。圧縮機12は、運転時、吸入管12bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管12aから吐出する。なお、本実施の形態において、この圧縮機12の制御形式は、特に限定されず、定速式の圧縮機であってもよいし、インバータ式の圧縮機であってもよい。
【0015】
四方弁13は、冷媒配管を介して圧縮機12の吐出管12aおよび吸入管12b、室外熱交換器14ならびに室内熱交換器32に接続されている。そして、この四方弁13は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。これによって、四方弁13は、運転時、室外制御部29から送信される制御信号に従って、圧縮機12の吐出管12aを室外熱交換器14に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室内熱交換器32に連結させる冷房運転状態(図1参照)と、圧縮機12の吐出管12aを室内熱交換器32に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室外熱交換器14に連結させる暖房運転状態(図2参照)とを切り換える。
【0016】
室外熱交換器14は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたもの(フィン&チューブ型)であって、冷房運転時(図1参照)には凝縮器として機能し、暖房運転時(図2参照)には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペン型熱交換器を用いてもよい。
【0017】
膨張弁15は、ステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁であって、一方が冷媒配管17を介して二方弁19に接続されると共に、他方が室外熱交換器14に接続されている。また、この膨張弁15のステッピングモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁15は、運転時において、凝縮器(冷房時は室外熱交換器14であり、暖房時は室内熱交換器32である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(冷房時は室内熱交換器32であり、暖房時は室外熱交換器14である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
【0018】
室外ファン16は、主に、後述するように、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。モータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。
【0019】
二方弁19は、冷媒配管17に配設されている。なお、二方弁19は、室外機10から冷媒配管17が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。
【0020】
三方弁20は、冷媒配管18に配設されている。なお、三方弁20は、室外機10から冷媒配管18が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて冷媒の回収が行われる。
【0021】
室外熱交換器温度センサ21は室外熱交換器14に配置されており、吐出温度センサ22は圧縮機12の吐出管12aに配置されており、吸入温度センサ23は圧縮機12の吸入管12bに配置されており、出口温度センサ24は室外熱交換器14の出口付近の冷媒配管17に配置されており、外気温度センサ25は外気温度測定用であって筐体11の内部の所定箇所に配置されている。これらの温度センサ21~25は、全て、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室外制御部29に送信している。
【0022】
室外制御部29は、通信線を介して圧縮機12、四方弁13、膨張弁15、室外ファン16および温度センサ21~25に通信接続されている。たとえば、室外制御部29のプロセッサは、随時、温度センサ21~25の出力情報や、メモリに記憶される種々の制御パラメータ等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータを、圧縮機12や、四方弁13、膨張弁15、室外ファン16に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室内制御部35に送信したり、受信したりする。
【0023】
(2)室内機
室内機30は、主に、筐体31、室内熱交換器32、室内ファン33、縦風向き変更機構36、後述する横風向き変更機構、室内熱交換器温度センサ34、室内湿度センサ37、室内温度センサ38、室内制御部35、赤外線受光部39、カメラ42などから構成されている。なお、この室内機30は、一般的に室内の壁面に設置されている。
【0024】
筐体31には、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内湿度センサ37、室内温度センサ38および室内制御部35等が収納されている。縦風向き変更機構36は、筐体31の一部を構成している。
【0025】
室内熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器32A、32B、32Cは、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時(図1参照)には蒸発器として機能し、暖房運転時(図2参照)には凝縮器として機能する。
【0026】
室内ファン33は、主に、後述するように、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を吸い込み口から筐体31内に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を室内に送出する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
【0027】
なお、本実施の形態においては、吸い込み口にはフィルタが取り付けられており、ごみやホコリが筐体31に入る可能性や、室内熱交換器32に接触する可能性を低減している。
【0028】
縦風向き変更機構36は、縦風向き変更板およびステッピングモータから構成されている。縦風向き変更板はステッピングモータによって回動され、クロスフローファンによって室内に送出される空気の上下の送出方向を調節する。ステッピングモータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
【0029】
室内熱交換器温度センサ34は室内熱交換器32に配置されており、室内温度センサ38は、室内温度を測定するものであって筐体31内の吸込口付近に配置されている。温度センサ34,38や室内湿度センサ37は、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、計測された温度や湿度に関する情報を室内制御部35に送信している。
【0030】
室内制御部35は、通信線を介して室内ファン33、縦風向き変更機構36および温度センサ34,38、室内湿度センサ37に通信接続されている。室内制御部35のプロセッサは、随時、リモートコントローラ50からの制御信号や、温度センサ34,38、室内湿度センサ37の出力情報等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータ等を、室内ファン33や、縦風向き変更機構36などに送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室外制御部29に送信したり、制御パラメータ等を室外制御部29から受信したりする。
【0031】
赤外線受光部39は、リモートコントローラ50から発生される点滅赤外線を受光するものである。この赤外線受光部39は、点滅赤外線を信号化処理し、生成した信号を室内制御部35に受け渡す。
【0032】
カメラ42は、室内機30の周囲を撮影して画像データを室内制御部35に受け渡す。室内制御部35は、画像データに基づいて人がいる方向を特定する。
【0033】
なお、室外機10の圧縮機12、四方弁13、室外熱交換器14および膨張弁15、ならびに室内機30の室内熱交換器32は、冷媒配管17,18によって順次接続され、冷媒回路を構成している。本実施の形態において、この冷媒回路上の各ユニット、室外ファン16、室内ファン33、縦風向き変更機構36などを併せて空気調和機構と称し、図1および図2中において符号2で示す。
【0034】
(3)リモートコントローラ
リモートコントローラ50は、点滅赤外線を利用してユーザの様々な指令を赤外線受光部39を介して室内機30の室内制御部35に伝達するためのものであって、主に、赤外線発光部、表示パネル、運転停止ボタン、モード切換ボタン、温度上昇ボタン、温度下降ボタン、風量上昇ボタン、風量下降ボタン、風向調節ボタン、自動運転ボタン等から構成されている。
【0035】
(4)冷媒配管
冷媒配管17は、冷媒配管18よりも細い管であって、冷房運転時および除霜運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管18は、冷媒配管17よりも太い管であって、冷房運転時にガス冷媒が流れる。なお、冷媒としては、例えば、HFC系のR410AやR32等が用いられる。
<空気調和機の基本的な動作>
【0036】
以下、本実施の形態にかかる空気調和機100の冷房運転機構、除湿運転機構、暖房運転機構、および除霜運転機構について詳述する。
【0037】
(1)冷房運転機構
冷房運転では、四方弁13が図1に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室外熱交換器14に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室内熱交換器32に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四方弁13を経由して室外熱交換器14に送られ、室外熱交換器14において冷却され、液冷媒となる。その後、この液冷媒は、膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、二方弁19を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、三方弁20および四方弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。このようにして、本実施の形態にかかる空気調和機100は、冷房運転機構すなわち冷房運転サイクルを有する。
【0038】
(2)除湿運転機構
上記の冷房運転時などにおいては、室内熱交換器32において水蒸気が結露する。当該結露水はドレンパイプを通って室外へと送られる。これを利用して、室内の空気に含まれる水蒸気の量を減らして、室内の湿度を下げることができる。除湿運転時の詳細な制御に関しては、後述する。
【0039】
(3)暖房運転機構
暖房運転では、四方弁13が図2に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室内熱交換器32に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室外熱交換器14に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四方弁13および三方弁20を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を加熱すると共に凝縮されて液冷媒となる。その後、この液冷媒は、二方弁19を経由して膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器14に送られて、室外熱交換器14において蒸発させられてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、四方弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。このようにして、本実施の形態にかかる空気調和機100は、暖房運転機構すなわち暖房運転サイクルを有する。
【0040】
(4)除霜運転機構
暖房運転時には、室外熱交換器14に霜が付き熱交換能力が落ちる場合がある。そこで、室外制御部29が、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、室外熱交換器14に霜が付いたか否かを判定する。室外制御部29は、霜が付いたと判断した場合に、四方弁13を切り換えて上述の冷房運転を行なうことによって除霜する(リバース除霜)。なお、室外制御部29は、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、適切に室外熱交換器14の霜が除かれたか否かを判定する。
<空気調和機100の機能構成>
【0041】
次に、図3を参照しながら、本実施の形態にかかる空気調和機100の機能構成について説明する。なお、図3は、第1の実施の形態にかかる空気調和機100の機能構成を表わす機能ブロック図である。
【0042】
まず、上述したように、空気調和機100は、室外制御部29と室内制御部35とを含む。以下では、説明のために、室外制御部29と室内制御部35とを合わせて制御部101という。なお、室外制御部29と室内制御部35とは、配線によって通信可能である。そして、制御部101が実行する処理は、基本的に、室内制御部35によって実行されてもよいし、室外制御部29によって実行されてもよい。
【0043】
また、空気調和機100が室内制御部35を有さずに、制御部101のほとんど全ての機能が室外制御部29に搭載されてもよい。あるいは、空気調和機100が室外制御部29を有さずに、制御部101のほとんど全ての機能が室内制御部35に搭載されてもよい。
【0044】
制御部101は、例えば、各種演算処理を行なうためのプロセッサ110と、各種プログラムや、設定温度や各種センサの測定結果や各種の閾値などのデータを記憶するためのメモリ120と、時計130などを含む。プロセッサ110は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ110は、メモリ120内に格納されたプログラムに従って、空気調和機100の各部に対する各種の処理を実行する。
【0045】
また、本実施の形態においては、室外ファン16は、上述した通り、主に、プロペラファン161およびファンモータ162から構成されている。プロペラファン161は、ファンモータ162によって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。
【0046】
室内ファン33は、上述した通り、主に、クロスフローファン331およびファンモータ332から構成されている。クロスフローファン331は、ファンモータ332によって回転駆動され、室内の空気を筐体31に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を室内に送出する。
【0047】
そして、本実施の形態においては、プロセッサ110は、メモリ120に記憶される制御プログラムに従って、圧縮機12のモータの回転数を制御したり、膨張弁15の開度を調節したり、室外機10のプロペラファン161のファンモータ162の回転数を制御したり、室内機30のクロスフローファン331のファンモータ332の回転数を制御したりする。具体的には、プロセッサ110は、室内温度と設定温度との差が大きいとときに圧縮機12の回転数を高くしたり、プロペラファン161の回転数を高くしたり、クロスフローファン331の回転数を高くしたりする。そして、室内温度と設定温度との差が小さい場合は、圧縮機12の回転数を低くしたり、プロペラファン161の回転数を低くしたり、クロスフローファン331の回転数を低くしたりする。
【0048】
本実施の形態にかかる空気調和機100は、ルータやインターネットを介して、サーバなどの他の装置とデータをやり取りするための通信インターフェイス40を搭載する。空気調和機100は、制御部101からの信号に基づいて各種の画像やテキストを表示するためのディスプレイ43や、制御部101からの信号に基づいて各種の音声を出力するためのスピーカ47を搭載する。
<制御部による除湿運転時の処理の概要>
【0049】
次に、本実施の形態にかかる空気調和機100の制御部101による除湿運転時の制御処理について説明する。本実施の形態においては、図4および図5に示すように、制御部101は、室温や、目標温度や、湿度などに基づいて、主に、4つの除湿モードを使い分けるものである。なお、後述する通常ドライモードAまたは通常ドライモードBまたは通常ドライモードCを第1の除湿モードと記載したり、特別ドライモードを第2の除湿モードと記載したりする場合がある。
【0050】
具体的には、まず、除湿運転が開始され、目標の室温設定がされる。制御部101は、目標設定温度と室温に差がある場合は、通常ドライモードAとして、ある程度の冷房能力を持たせた弱冷除湿運転を行う。この場合の目標設定温度は、外気温・室温などにより算出してもよいし、運転開始時の室温から一定の温度を引いた温度でもいいし、リモートコントローラ50などにより直接設定温度を指示する方法でもよいし、それ以外でもいい。
【0051】
この状態でも除湿能力を上げるために、制御部101は、検出された温度・相対湿度(湿度ともいう。)や設定湿度情報などに基づいて、露点温度よりも低い目標熱交換器温度T1を算出して、目標熱交換器温度T1になるようファン回転数の制御を行う。この時の圧縮機指示回転数は、上記設定温度と現在室温との差により算出される。差が大きいほど指示回転数は大きく、差が小さいほど小さい。
【0052】
また、室内ファン33の回転数は基本的には圧縮機12の回転数に応じて決まるが、制御部101は、この基本的な回転数から目標熱交換器温度T1になるように室内ファン33の回転数を下げる方向に補正して制御を行う。この状態では、室温が低下しても問題ない領域であるため、除湿能力を下げすぎないように、室内ファン33の回転数の最小補償値R1を設定して、最小補償値以下にはならないように規制を行う。
【0053】
次に、目標設定温度と室温との差が所定温度よりも小さくなった場合、これ以上冷房能力が出すぎると室温低下を招くために、制御部101は、通常ドライモードBとして、冷房能力を下げてかつ除湿能力を維持する運転に切り替える。制御部101は、上記露点温度より算出された目標熱交換器温度T1よりもさらに低い目標熱交換器温度T2に切り替えてファン回転数の制御を行う。この状態では冷房能力は必要ないため、制御部101は、ファン回転数の最小補償値をさらに下げたR2までファン回転数を下げることを許可する。この場合の目標熱交換器温度T2は、固定の温度を持たせてもよいし、制御部101が、T1と同様に室温や湿度や目標設定湿度の情報などにより算出してもよい。
【0054】
そして、上記のように冷房能力を下げてかつ除湿能力を維持する通常ドライモードBに切り替えても、湿度が下がりづらい場合には、制御部101は、特別ドライモードとして、室内熱交温度を0℃未満の目標熱交換器温度T3に切り替えて、除湿能力の向上を促す。この場合の目標熱交換器温度T3はあらかじめ制御部101に記憶させておいてもよい。
【0055】
特に本実施の形態においては、制御部101は、通常ドライモードAまたは通常ドライモードBまたは通常ドライモードCにおいて、湿度が目標湿度よりも高いH1%以上H2%以下である状態が第1の所定時間としてのT分以上継続している場合に、特別ドライモードに移行するように構成されている。
【0056】
より詳細には、湿度が高すぎる状態で室内熱交換器の温度を0℃未満にしてしまうと異音が発生しやすくなるため、湿度が高すぎる状態では特別ドライモードに移行させないことが好ましい。そのため、本実施の形態においては、制御部101は、湿度がH1%以上H2%以下の範囲である場合に、特別ドライモードに移行するようにプログラムされている。
【0057】
特別ドライモードにおいては、制御部101は、室内ファン33の回転は停止させずに、あらかじめ設定しているファン回転数R4で動作させておくことが望ましい。この回転数も冷房能力をできるだけ抑えるために、ある程度低い回転数であることが望ましい(R1>R2≧R4)。
【0058】
また、特別ドライモードにおいては、制御部101は、設定温度と現在温度とに関わらず、固定の回転数Rc1で圧縮機12を運転させる。
【0059】
そして、本実施の形態においては、制御部101は、特別ドライモードにおいて、室内熱交換器の温度が目標熱交換器温度T3に到達するか、もしくは当該モードの開始から所定時間が経過すると当該モードを解除する。
【0060】
解除したときは設定温度よりも室温が低い状態になりやすいため、通常は圧縮機12を停止する制御に移行してしまいやすいが、すぐに圧縮機12を停止させると、急激に室内熱交換器の温度が上がってしまい、室内熱交換器32から大きな異音が発生しやすくなる。そこで、本実施の形態においては、制御部101は、第2の所定時間、特別ドライモードが解除された際は、解除モードとして、圧縮機12を予め設定された指示回転数Rc2での運転を継続させて、徐々に室内熱交換器32の温度を上げていくようにする。この場合の室内ファン33の回転数は室内熱交換器32の温度を上げていくため、予め設定されている回転数R5にすることが好ましい。これにより、大きな異音が起こりづらい状態になる。
【0061】
なお、制御部101は、このような圧縮機12の回転数を所定の回転数で動作継続させる時間は、室内熱交換器32の温度が予め設定された目標熱交換器温度T4に到達するまでか、予め設定された時間だけ継続させてもよい。
【0062】
また、空気調和機100は、リモートコントローラ50や本体の操作ボタンやスマートフォンなどの外部通信端末から、特別ドライモードの有効/無効を切り替える手段を有してもよい。
【0063】
また、制御部101は、リモートコントローラ50から除湿運転を開始された場合は被空調空間に人がいると想定されるので、通常ドライモードBを有効にして、スマートフォン等の外部通信端末から除湿運転を開始された場合は通常ドライモードBを無効にしてもよい。この場合に被空調空間の人の有無は、カメラ42や人感センサやスマートフォンのGPSなどからのデータを利用して判断してもよい。
【0064】
特に本実施の形態においては、制御部101は、リモートコントローラ50から除湿運転を開始された場合やカメラ42や人感センサによって人を検知した場合には、解除モードを有効にして、逆にカメラ42や人感センサによって人を検知しない場合やスマートフォン等の外部通信端末から除湿運転を開始された場合は解除モードを無効にしてもよい。
<空気調和機の制御部による除湿運転時のフローチャート>
【0065】
以下、制御部101のプロセッサ110が、メモリ120のプログラムに従って、除湿運転時に実行する処理を、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0066】
まず、制御部101は、リモートコントローラ50や本体操作部などを介して、除湿運転命令を受け付ける(ステップS102)。制御部101は、除湿運転開始時には、通常ドライモードAを開始する。
【0067】
制御部101は、圧縮機12の回転数や、室内熱交換器32の現在の温度や目標熱交換器温度T1などに基づいて、室内ファン33の回転数を決定する(ステップS106)。
【0068】
制御部101は、設定温度と室内温度との差が所定温度以下であるか否かを判断する(ステップS108)。
【0069】
設定温度と室内温度との差が所定温度以下である場合(ステップS108にてTRUEである場合)、制御部101は、通常ドライモードBを開始する(ステップS110)。すなわち、制御部101は、室内ファン33の回転数の下限値をR2に下げる。制御部101は、タイマーをスタートする。
【0070】
制御部101は、室内熱交換器32の目標温度をT2に設定する(ステップS112)。なお、上述した通り、T2は、T1から算出されるものであってもよいし、予め設定されているものであってもよい。
【0071】
制御部101は、タイマーの経過時間が所定時間以上である場合または現在の湿度がH1%以上であるか否かを判断する(ステップS114)。
【0072】
タイマーの経過時間が所定時間以上である場合かつ現在の湿度がH1%以上かつH2%以下である場合(ステップS114にてTRUEである場合)、制御部101は、特別ドライモードを開始する(ステップS116)。すなわち、制御部101は、圧縮機12の回転数をRc1に設定して、室内ファン33の回転数をR4に設定する。制御部101は、新たにタイマーをスタートする。
【0073】
制御部101は、室内熱交換器32の目標温度をT3に設定する(ステップS118)。
【0074】
制御部101は、室内熱交換器32の温度が目標熱交換器温度T3に到達したか、またはタイマーの経過時間が所定時間に達したか否かを判断する(ステップS120)。
【0075】
室内熱交換器32の温度が目標熱交換器温度T3に到達した場合、または経過時間が所定時間に達した場合(ステップS120にてTRUEである場合)、制御部101は、解除モードを開始する(ステップS122)。すなわち、制御部101は、圧縮機12の回転数をRc2に設定して、室内ファン33の回転数をR5に設定する。制御部101は、新たにタイマーをスタートする。
【0076】
制御部101は、室内熱交換器32の目標温度をT4に設定する(ステップS124)。
【0077】
制御部101は、室内熱交換器32の温度が目標熱交換器温度T4に到達したか、またはタイマーの経過時間が所定時間に達したか否かを判断する(ステップS126)。
【0078】
室内熱交換器32の温度が目標熱交換器温度T4に到達した場合、または経過時間が所定時間に達した場合(ステップS126にてTRUEである場合)、制御部101は、タイマーをリセットする(ステップS128)。
【0079】
ステップS108において、設定温度と室内温度との差が所定温度以下でない場合(ステップS108にてFALSEである場合)、制御部101は、通常ドライモードAを実行する(ステップS132)。すなわち、制御部101は、室内ファン33の回転数の下限値をR1に戻して、制御部101は、タイマーをスタートする。
【0080】
制御部101は、室内熱交換器32の目標温度をT1に設定する(ステップS134)。
<第2の実施の形態>
【0081】
上記の実施の形態においては、除湿運転に関して、制御部101が、通常ドライモードAと、通常ドライモードBと、通常ドライモードCと、特別ドライモードと、解除モードの、5種類のモードを切り替える形態について説明したが、このような形態には限られない。
【0082】
たとえば、通常ドライモードBを有さない形態であってもよいし、通常ドライモードCや、特別ドライモードや、解除モードなどを有さない形態であってもよい。
【0083】
逆に、上記の5つの除湿モードとは異なる別の除湿モードを搭載していてもよい。
<第3の実施の形態>
【0084】
上記の実施の形態においては、空気調和機100が、ローカルで、除湿運転制御を実行するものであった。しかしながら、図7に示すように、空気調和機100と通信可能なクラウド上のサーバ200によって、除湿運転制御が実行されてもよい。空気調和機100やサーバ200やルータ400などは空気調和システム1を構成する。
【0085】
サーバ200は、図8に示すように、主たる構成要素として、CPUなどのプロセッサ210と、メモリ220と、操作部240と、通信インターフェイス260とを含む。
【0086】
プロセッサ210は、メモリ220に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ200の各部を制御する。
【0087】
メモリ220は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ200に内包されているものであってもよいし、サーバ200の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ200からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ220は、プロセッサ210によって実行されるプログラムや、プロセッサ210によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかる処理やサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0088】
たとえば、メモリ220は、図9に示すような機器情報データ221を記憶する。機器情報データ221は、空気調和機100毎に、空気調和機100の識別情報と、ユーザの識別情報と、機種や型番と、設置されている地域と、設定温度と、現在の室内温度と、現在の室内湿度と、室内熱交換器の現在の温度や、室内熱交換器の目標温度や、室内ファンの最低回転数、などの対応関係を格納する。
【0089】
図8に戻って、操作部240は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をプロセッサ210に入力する。
【0090】
通信インターフェイス260は、プロセッサ210からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、空気調和機100や通信端末300や他のサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス260は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、プロセッサ210に受け渡す。
【0091】
このように構成されることによって、本実施の形態にかかるサーバ200のプロセッサ210は、メモリ220のプログラムに従って、通信インターフェイス260を介して空気調和機100の運転を遠隔制御する。つまり、空気調和機100の制御部101の代わりの役割を果たす。たとえば、プロセッサ210は、図6に示す処理と同様に、通信インターフェイス260を介して、空気調和機100から取得した各種の測定データや運転情報に基づいて、通常ドライモードAと、通常ドライモードBと、通常ドライモードCと、特別ドライモードと、解除モードなどのモードを切り替えるための命令を送信したり、室内ファン33の最小回転数を指定する命令や室内熱交換器32の目標温度などを指定する命令を送信したりする。
<まとめ>
【0092】
上記の実施の形態おいては、圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、室内ファンと、制御部とを備える空気調和システムが提供される。制御部は、第1の除湿モードと、第1の除湿モードよりも室内熱交換器の目標温度が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能である。制御部は、第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、第2の除湿モードに切り替える。
【0093】
上記の実施の形態おいては、圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、室内ファンと、制御部とを備える空気調和システムが提供される。制御部は、第1の除湿モードと、第1の除湿モードよりも、圧縮機の回転数が高く、室内ファンの回転数が低く設定される第2の除湿モードとを実行可能である。制御部は、第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、第2の除湿モードに切り替える。
【0094】
好ましくは、制御部は、第2の除湿モードにおいては、室内熱交換器の温度に関わらずに、圧縮機の回転数を高く、室内ファンの回転数を低くする。
【0095】
好ましくは、制御部は、第2の除湿モードにおいては、室内温度に関わらずに、室内の湿度を下げるように制御する。
【0096】
好ましくは、制御部は、第2の除湿モードの終了後、第2の所定時間の間、圧縮機の回転数を下げる。
【0097】
好ましくは、制御部は、空気調和システムのユーザが在宅している場合に請求項5の制御をおこなう。
【0098】
上記の実施の形態おいては、圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器と室内ファンと制御部とを備える空気調和システムのためのプログラムが提供される。プログラムは、第1の除湿モードを実行するステップと、第1の除湿モードよりも室内熱交換器の目標温度が低く設定される第2の除湿モードを実行するステップと、第1の除湿モードを第1の所定時間以上実行しても目標の湿度に達しない場合に、第2の除湿モードに切り替えるステップと、を制御部に実行させる。
【0099】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1 :空気調和システム
10 :室外機
11 :筐体
12 :圧縮機
12a :吐出管
12b :吸入管
13 :四方弁
14 :室外熱交換器
15 :膨張弁
16 :室外ファン
17 :冷媒配管
18 :冷媒配管
19 :二方弁
20 :三方弁
21 :室外熱交換器温度センサ
22 :吐出温度センサ
23 :吸入温度センサ
24 :室外熱交換器出口温度センサ
24 :出口温度センサ
25 :外気温度センサ
29 :室外制御部
30 :室内機
31 :筐体
32 :室内熱交換器
32A :熱交換器
32B :熱交換器
32C :熱交換器
33 :室内ファン
34 :室内熱交換器温度センサ
35 :室内制御部
36 :縦風向き変更機構
37 :室内湿度センサ
38 :室内温度センサ
39 :赤外線受光部
40 :通信インターフェイス
42 :カメラ
43 :ディスプレイ
47 :スピーカ
50 :リモートコントローラ
100 :空気調和機
101 :制御部
110 :プロセッサ
120 :メモリ
130 :時計
161 :プロペラファン
162 :ファンモータ
200 :サーバ
210 :プロセッサ
220 :メモリ
221 :機器情報データ
240 :操作部
260 :通信インターフェイス
300 :通信端末
331 :クロスフローファン
332 :ファンモータ
400 :ルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9