(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】電子部品装着機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
(21)【出願番号】P 2021002774
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光弘
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-261410(JP,A)
【文献】特開2006-140279(JP,A)
【文献】特開平05-107032(JP,A)
【文献】特開平02-216407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30、
13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、前記基板に
部品の装着作業を実施する器具、および前記器具が取り扱う部材の少なくとも一つを被写体にして撮像動作を行う撮像部と、
前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、点灯して前記被写体に照明光を照射する照明部と、
前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、前記照明光を検出対象として、前記照明光の有無、前記照明光の明るさ、および前記照明光の色相の少なくとも一項目を検出する検出部と、を備え
、
前記照明部は、
前記照明光の色相が赤色の赤色光源、前記照明光の色相が緑色の緑色光源、および前記照明光の色相が青色の青色光源を有して、
前記撮像部が前記撮像動作を行う都度、前記照明光の一つの色相を指示する指令にしたがって前記赤色光源、前記緑色光源、および前記青色光源の一種類が点灯し、
前記検出部は、
前記照明光の色相ごとに前記照明光の有無および前記照明光の明るさの少なくとも一項目を検出する色相別検出センサであり、
前記指令に一致した色相の前記照明光が有ること、および、前記指令に一致しない色相の前記照明光が無いことを検出する、
電子部品装着機。
【請求項2】
基板、前記基板に
部品の装着作業を実施する器具、および前記器具が取り扱う部材の少なくとも一つを被写体にして撮像動作を行う撮像部と、
前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、点灯して前記被写体に照明光を照射する照明部と、
前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、前記照明光を検出対象として、前記照明光の有無、前記照明光の明るさ、および前記照明光の色相の少なくとも一項目を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記照明部および前記検出部の少なくとも一方の異常を判定する異常判定部と、を備え
、
前記照明部は、前記照明光の色相が互いに異なる複数種類の光源を有し、かつ、前記撮像部が前記撮像動作を行う都度、前記照明光の色相を指示する指令にしたがって複数種類の前記光源の一種類以上が点灯し、
前記検出部は、前記照明光の色相ごとに前記照明光の有無および前記照明光の明るさの少なくとも一方を検出する色相別検出センサであり、
前記異常判定部は、前記色相別検出センサの検出結果に基づいて、
前記指令に一致した色相の前記照明光が無い、または、前記指令に一致した色相の前記照明光の明るさが点灯状態を表す規定範囲から外れている第一異常、および、
前記指令に一致しない色相の前記照明光が有る、または、前記指令に一致しない色相の前記照明光の明るさが点灯状態を表す規定範囲内にある第二異常、の少なくとも一方の異常を判定する、
電子部品装着機。
【請求項3】
前記照明部は、前記照明光の色相が赤色の赤色光源、前記照明光の色相が緑色の緑色光源、および前記照明光の色相が青色の青色光源を有し、かつ、前記撮像部が前記撮像動作を行う都度、前記照明光の一つの色相を指示する
前記指令にしたがって前記赤色光源、前記緑色光源、および前記青色光源の一種類が点灯し、
前記異常判定部は、前記色相別検出センサの検出結果に基づいて、前記指令に一致した色相の前記照明光が有り、かつ、前記指令に一致しない色相の前記照明光が無い場合に正常と判定し、それ以外の場合に前記照明部の異常と判定する、
請求項
2に記載の
電子部品装着機。
【請求項4】
前記異常判定部は、前記異常を判定した場合に、前記異常を通知する通知動作、および前記
部品の装着作業を中止させる中止動作の少なくとも一方を行う、請求項
2または3に記載の
電子部品装着機。
【請求項5】
前記照明部は、電気的に直列接続されて通電により点灯する複数個の光源を有する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の
電子部品装着機。
【請求項6】
前記検出部は、前記照明光の明るさを検出し、
前記
電子部品装着機は、検出された前記照明光の明るさに基づいて、前記照明光の明るさの変化を補償するように前記照明部を調整する調整部を備える、
請求項1~
5のいずれか一項に記載の
電子部品装着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、基板に対して所定の作業を実施する対基板作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。対基板作業を実施する対基板作業機の多くは、基板に付設された位置マークを被写体として撮像する撮像部を備える。撮像部によって取得された画像データを画像処理することにより、基板の正確な位置を検出することができる。撮像部は、位置マーク以外の被写体、例えば部品を撮像する用途にも用いられる。一般的に、対基板作業機の内部は、撮像に適する程に明るくないので、撮像部の撮像動作に合わせて被写体に照明光を照射する照明部が併用される。撮像部および照明部を備える対基板作業機の一技術例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された電子部品装着機は、装着ヘッドと一体的に移動可能な第1のカメラおよび第2のカメラと、第1の波長光を出射する光源と、第1の波長光を第2の波長光に変換して電子部品へ照射する照射部と、を備える。これによれば、電子部品等の被写体の画像を高精度に撮影することが可能になる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像データの画像処理において、抽出対象となる位置マークや部品を良好に抽出することができず、画像処理エラーとなる場合がある。画像処理エラーには様々な原因があり、その一因として照明部の故障が考えられる。例えば、照明用の光源の故障、光源に通電する電線路の断線やコネクタの嵌合不良などが考えられる。しかしながら、撮像部の撮像動作時に照明光が照射されていたか否かが不明であるため、画像処理エラーの原因を特定することが難しく、エラーへの対策に時間と手間が掛かっていた。
【0006】
また、照明部の一方式として、光の三原色の各色相に対応する光源を個別に備え、指令にしたがって光源を点灯させる方式がある。この方式では、光源に通電する電線路の誤配線などに起因して、指令と異なる色相の光源が点灯すると良好な画像データが取得されない。この結果、画像処理エラーが発生しても、照明部の故障が原因であると短時間のうちに究明することが難しい。なお、上記した問題点は、基板の位置マークを撮像する撮像部に限定されず、基板に装着された部品を撮像する場合にも発生し、他の被写体を撮像する別の撮像部でも発生し得るものである。
【0007】
それゆえ、本明細書では、撮像部が撮像動作を行うときに、照明光が実際に照射されたか否かを確実に検出することができる対基板作業機を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、基板、前記基板に所定の対基板作業を実施する器具、および前記器具が取り扱う部材の少なくとも一つを被写体にして撮像動作を行う撮像部と、前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、点灯して前記被写体に照明光を照射する照明部と、前記撮像部が前記撮像動作を行うときに、前記照明光を検出対象として、前記照明光の有無、前記照明光の明るさ、および前記照明光の色相の少なくとも一項目を検出する検出部と、を備える対基板作業機を開示する。
【発明の効果】
【0009】
本明細書で開示する対基板作業機において、検出部は、点灯指令の有無や光源に通電された電流などの間接的な検出対象でなく、照明光そのものを直接的な検出対象としている。したがって、検出部は、撮像部が撮像動作を行うときに、照明光が実際に照射されたか否かを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】電子部品装着機(第1実施形態の対基板作業機)の主要部の構成を示す斜視図である。
【
図2】基板用カメラ(撮像部)に関連する部位の構成を示す正面図である。
【
図3】第一照明基板の光源の配置を示す下側からみた平面図である。
【
図4】第二照明基板の光源の配置を示す側面図であって、照明部の内側から見た図である。
【
図5】色相別検出センサの受光部の構成を示す平面図である。
【
図6】色相別検出センサの分光感度特性を示すグラフの図である。
【
図7】基板用カメラおよび照明部の制御に関する機能ブロック、および照明部の回路構成を示す図である。
【
図8】基板用カメラの撮像動作時の動作フローの図である。
【
図9】基板用カメラが複数の被写体に対して順番に撮像動作を行う場合のタイムチャートの図である。
【
図10】第2実施形態において、基板用カメラおよび照明部の制御に関する機能ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.電子部品装着機1(第1実施形態の対基板作業機)の構成
第1実施形態の対基板作業機の構成について、電子部品装着機1を一例とし、
図1を参考にして説明する。
図1の左上から右下に向かう方向が基板Kを搬送するX軸方向、左下(後側)から右上(前側)に向かう方向がY軸方向、鉛直方向がZ軸方向である。電子部品装着機1は、部品の装着作業を繰り返して実施する。電子部品装着機1は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、部品用カメラ5、および制御装置6(
図7参照)などが基台10に組み付けられて構成されている。
【0012】
基板搬送装置2は、第1ガイドレール21および第2ガイドレール22、一対のコンベアベルト、ならびにクランプ装置23などで構成される。第1ガイドレール21および第2ガイドレール22は、基台10の上部中央を横断してX軸方向に延在し、かつ互いに平行するように基台10に組み付けられる。第1ガイドレール21および第2ガイドレール22に沿い、互いに離隔して平行に配置された一対のコンベアベルトが設けられる。一対のコンベアベルトは、コンベア搬送面に基板Kを戴置した状態で輪転して、基板Kを基台10の中央部に設定された装着実施位置に搬入および搬出する。また、装着実施位置の下方にクランプ装置23が設けられる。クランプ装置23は、基板Kを押し上げて水平姿勢でクランプし、装着実施位置に位置決めする。
【0013】
部品供給装置3は、電子部品装着機1の後側に着脱可能に装備される。部品供給装置3は、デバイスパレット35上に複数のフィーダ装置31が列設されて構成される。フィーダ装置31は、本体32と、本体32の後側に設けられた供給リール33と、本体32の前端上部に設けられた部品取り出し部34とを備える。供給リール33には、多数の部品が所定ピッチで封入されたキャリアテープが巻回保持される。このキャリアテープが所定ピッチで送り出されると、部品は、封入状態を解除されて部品取り出し部34に順次送り込まれる。
【0014】
部品移載装置4は、一対のY軸レール41、Y軸移動台42、Y軸モータ43、X軸移動台44、X軸モータ45、装着ヘッド46、および基板用カメラ49などで構成される。一対のY軸レール41は、基台10の前部から後部の部品供給装置3の上方にかけて設けられる。Y軸移動台42は、一対のY軸レール41に装架されている。Y軸移動台42は、Y軸モータ43からボールねじ機構を介して駆動され、Y軸方向に移動する。X軸移動台44は、Y軸移動台42に装架されている。X軸移動台44は、X軸モータ45からボールねじ機構を介して駆動され、X軸方向に移動する。
【0015】
装着ヘッド46は、X軸移動台44の後側に交換可能に取り付けられる。装着ヘッド46は、下側にロータリツール47を有する。ロータリツール47の下側に、複数本の吸着ノズル(図略)が保持される。ロータリツール47の回転によって動作位置にセットされた吸着ノズルは、Z軸モータ48に駆動されて昇降する。吸着ノズルは、負圧の供給によって部品供給装置3の部品取り出し部34から部品を吸着する吸着動作、および、正圧の供給によって部品を基板Kに装着する装着動作を行う。
【0016】
基板用カメラ49は、X軸移動台44の下側に装着ヘッド46と並んで設けられる。基板用カメラ49の光軸ALは、鉛直下方に向いている(
図2参照)。基板用カメラ49は、基板Kの上面に付設された位置マークを撮像する。撮像によって取得された画像データは画像処理され、基板Kの正確な装着実施位置が検出される。また、基板用カメラ49は、基板Kに装着された部品の装着状態を撮像することができる。つまり、基板用カメラ49は、基板Kの位置マーク、および基板Kに装着された部品を被写体とする。
【0017】
基板用カメラ49として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタル式の撮像装置を例示できる。基板用カメラ49は、基板K、基板Kに所定の対基板作業を実施する器具、および器具が取り扱う部材の少なくとも一つを被写体にして撮像動作を行う撮像部の一形態である。
【0018】
部品用カメラ5は、基板搬送装置2と部品供給装置3との間の基台10の上面に、光軸が上向きとなるように設けられる。部品用カメラ5は、吸着ノズルに吸着された部品を撮像して、画像データを取得する。画像データは画像処理され、部品の吸着姿勢の誤差や回転角のずれなどが検出される。この検出結果は、部品移載装置4の装着動作に反映される。部品用カメラ5として、CCDやCMOS等の撮像素子を有するデジタル式の撮像装置を例示できる。
【0019】
制御装置6は、基板Kの種類ごとのジョブデータを保持して、部品の装着作業を制御する。ジョブデータは、装着作業の詳細な手順や方法などを記述したデータである。制御装置6は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、および部品用カメラ5に各種の指令を送信する。また、制御装置6は、これらの装置から動作状況などに関する情報を受信する。制御装置6の取り付け位置は、特に限定されない。制御装置6は、単一のコンピュータ装置で構成されてもよく、複数のコンピュータ装置に機能分散されて構成されてもよい。
【0020】
2.照明部7
次に、照明部7の構成について、
図2~
図4および
図7を参考にして説明する。照明部7は、基板用カメラ49(撮像部)が撮像動作を行うときに、点灯して被写体に照明光を照射する。
図2に示されるように、照明部7は、概ね箱形状に形成されて、基板用カメラ49の下側に配置される。照明部7は、第一照明基板71、拡散板72、第二照明基板73、ハーフミラー74、および電源部75(
図7参照)を有する。
【0021】
第一照明基板71は、照明部7の下部に水平に配置される。
図3に示されるように、第一照明基板71は、中央に撮像孔711を有する環形板状に形成されている。基板用カメラ49の下向きの光軸ALは、撮像孔711を通過して、下方の基板Kに達する。したがって、第一照明基板71は、基板用カメラ49の撮像視野に干渉しない。第一照明基板71は、光の三原色の各光源、すなわち赤色光源L1R(
図3の〇印)、緑色光源L1G(◎印)、および青色光源L1B(〇に×を加えた印)の各8個を下面に有する。
【0022】
赤色光源L1Rは、赤色の照明光を下向きに照射する。同様に、緑色光源L1Gは、緑色の照明光を下向きに照射し、青色光源L1Bは、青色の照明光を下向きに照射する。各8個の赤色光源L1R、緑色光源L1G、および青色光源L1Bは、照明光の色相ごとの偏りが生じないように、分散しつつ混ざり合うように配置される。赤色光源L1R、緑色光源L1G、および青色光源L1Bとして、通電により点灯するLED光源を例示することができ、これに限定されない。
【0023】
拡散板72は、第一照明基板71の下側に離隔しつつ、第一照明基板71に平行して配置される。拡散板72は、第一照明基板71の撮像孔711と同程度の大きさの中央孔を有する環形板状に形成され、かつ第一照明基板71よりも大きな厚みをもつ。拡散板72は、赤色光源L1R、緑色光源L1G、および青色光源L1Bから照射される照明光の進行方向を下向きから或る角度A1の範囲内に拡げて拡散させる。これにより、基板Kの上面の各所において、照明光の明るさが概ね均一化される。
【0024】
第二照明基板73は、照明部7の一つの側面に垂直に配置される。
図4に示されるように、第二照明基板73は、矩形板状に形成されている。第二照明基板73は、赤色光源L2R(
図4の〇印)、緑色光源L2G(◎印)、および青色光源L2B(〇に×を加えた印)の各5個を内向きに有する。
【0025】
赤色光源L2Rは、赤色の照明光を水平方向に照射する。同様に、緑色光源L2Gは、緑色の照明光を水平方向に照射し、青色光源L2Bは、青色の照明光を水平方向に照射する。各5個の赤色光源L2R、緑色光源L2G、および青色光源L2Bは、照明光の色相ごとの偏りが生じないように、分散しつつ混ざり合うように配置される。赤色光源L2R、緑色光源L2G、および青色光源L2Bは、第一照明基板71の光源と同一品でもよいし、相違するものでもよい。
【0026】
ハーフミラー74は、照明部7の内部の第二照明基板73と同じ高さの位置に、45°の傾斜角度で設けられる。ハーフミラー74は、第二照明基板73から水平に入射する照明光を反射して、下方の基板Kに向かわせる(
図2の矢印A2参照)。また、ハーフミラー74は、基板Kで反射して上方に向かう光を透過して、基板用カメラ49に到達させる(
図2の矢印A3参照)。
【0027】
照明部7の回路構成は、
図7に示されている。図示されるように、第一照明基板71の8個の赤色光源L1Rは直列接続され、第1RスイッチS1Rを介して電源部75に接続される。同様に、8個の緑色光源L1Gは直列接続され、第1GスイッチS1Gを介して電源部75に接続される。さらに、8個の青色光源L1Bは直列接続され、第1BスイッチS1Bを介して電源部75に接続される。
【0028】
また、第二照明基板73の5個の赤色光源L2Rは直列接続され、第2RスイッチS2Rを介して電源部75に接続される。同様に、5個の緑色光源L2Gは直列接続され、第2GスイッチS2Gを介して電源部75に接続される。さらに、5個の青色光源L2Bは直列接続され、第2BスイッチS2Bを介して電源部75に接続される。前述した六つのスイッチとして半導体スイッチや電磁リレーを用いることができ、これらに限定されない。
【0029】
以上説明したように、電源部75は、個別に通電可能な6系統の光源回路が接続されている。各系統において複数の光源が直列接続されているので、一つの光源が故障したときや断線故障のときに、直列接続された全ての光源が消灯状態となる。したがって、故障時に照明光の明るさの低下が顕著となって、故障の検出が容易である。これに対比して、複数の光源が並列接続された構成では、故障した光源は消灯するが、故障していない光源は正常に点灯する。このため、照明光の明るさの低下がわずかとなって、故障の検出が難しい。
【0030】
ここで、各光源の明るさを等しくする通電電流の大きさは、光源の色相によって相違する。例えば、所定の明るさを得る通電電流の大きさは、第一照明基板71の赤色光源L1Rで100mA、緑色光源L1Gで350mA、青色光源L1Bで200mAとなっている。このような通電電流が得られるように、電源部75の系統ごとの出力電圧が予め調整されている。第一照明基板71と同様、第二照明基板73に関しても、赤色光源L2R、緑色光源L2G、および青色光源L2Bの明るさが等しくなるように、電源部75の系統ごとの出力電圧が予め調整されている。
【0031】
3.色相別検出センサ8
次に、色相別検出センサ8について、
図5および
図6を参考にして説明する。色相別検出センサ8は、撮像部が撮像動作を行うときに、照明光を検出対象として、照明光の有無、照明光の明るさ、および照明光の色相の少なくとも一項目を検出する検出部の一形態である。
図2および
図3に示されるように、色相別検出センサ8は、第一照明基板71の下面の一隅に、下向きに設けられている。
【0032】
色相別検出センサ8は、照明光の色相ごとに照明光の有無および照明光の明るさの少なくとも一項目を検出する。第1実施形態において、色相別検出センサ8は、照明光が基板Kに入射したときに反射する光を検出する。これに限定されず、色相別検出センサ8は、直接的に入射される照明光を検出してもよく、あるいは、反射鏡などの光学的器具を経由して入射される照明光を検出してもよい。
【0033】
色相別検出センサ8は、
図5に示されるように、81個(=9×9)の受光素子からなる受光部81を有する。受光素子は、赤色に対して高感度な赤色受光素子82R(
図5の□印)、緑色に対して高感度な緑色受光素子82G(二重正方形の印)、および青色に対して高感度な青色受光素子82B(□に×を加えた印)の各27個である。受光素子の各々にフォトダイオードを用いることができ、これに限定されない。各27個の赤色受光素子82R、緑色受光素子82G、および青色受光素子82Bは、検出感度の偏りが生じないように、分散しつつ混ざり合うように配置される。
【0034】
図6の分光感度特性の実線のグラフW1に示されるように、赤色受光素子82Rは、赤色に相当する波長615nmに最大感度を有する。また、破線のグラフW2に示されるように、緑色受光素子82Gは、緑色に相当する波長540nmに最大感度を有する。さらに、一点鎖線のグラフW3に示されるように、青色受光素子82Bは、青色に相当する波長465nmに最大感度を有する。
【0035】
色相別検出センサ8は、高感度モードおよび低感度モードの設定による切り替えが可能となっている。高感度モードでは全ての受光素子が用いられ、低感度モードでは中央の9個(=3×3)の受光素子が用いられる(
図5のR1の範囲)。第1実施形態では、常に高感度モードが設定される。色相別検出センサ8は、赤色、緑色、および青色について同時測定を行い、受光素子の出力を増幅して色相ごとの検出信号を得る。色相別検出センサ8は、さらに、検出信号を12ビット(4096段階)の赤色検出信号DR、緑色検出信号DG、および青色検出信号DBに変換して、シリアル出力する。
【0036】
したがって、色相別検出センサ8は、照明光の色相ごとに照明光の明るさを定量的に検出することができる。また、色相別検出センサ8は、照明光の有無を判定する規定値と、検出信号の大きさとを比較することによって、色相ごとに照明光の有無を検出してもよい。色相別検出センサ8として、例えば、浜松ホトニクス株式会社製の「カラーセンサS9706」を用いることができる。
【0037】
4.基板用カメラ49(撮像部)に関連する制御の構成
次に、基板用カメラ49(撮像部)に関連する制御の構成について、
図7を参考にして説明する。図示されるように、制御装置6の下位に撮像制御部61および照明制御部62が設けられる。制御装置6は、基板用カメラ49が撮像動作を行うときに、基板Kの種類や被写体に適した撮像条件および照明条件を撮像制御部61に指示する。あるいは、制御装置6は、基板Kの種類および被写体に関する情報を撮像制御部61に送信し、撮像制御部61は、受信した情報に基づいて、自身で撮像条件および照明条件を決定してもよい。
【0038】
例えば、基板Kの種類や被写体の別に応じて、撮像条件の一項目であるシャタースピードが可変に設定される。この場合、シャタースピードの長短に応じて、照明部7の照明条件の一項目である点灯継続時間が可変に設定される。撮像制御部61は、制御装置6から指示された撮像条件を用いて、基板用カメラ49の撮像動作を制御する。また、撮像制御部61は、制御装置6から指示された照明条件を照明制御部62に伝達する。照明制御部62は、指示された照明条件に基づいて、第1RスイッチS1R、第1GスイッチS1G、第1BスイッチS1B、第2RスイッチS2R、第2GスイッチS2G、および第2BスイッチS2Bを個別に開閉制御する。
【0039】
実際の撮像動作の手順について補足すると、制御装置6は、基板Kが搬入された状態で被写体を決定し、撮像条件および照明条件を撮像制御部61に指示する。次に、制御装置6は、基板用カメラ49を被写体の上方に移動させて撮像の準備を整える。準備が整うと、制御装置6は、撮像指令C1を撮像制御部61に送信する。撮像指令C1を受け付けた撮像制御部61は、点灯させる光源の種類および点灯タイミングを指示する照明指令C2を照明制御部62に送信しつつ、基板用カメラ49に向けて撮像トリガTGを出力する。照明制御部62は、指示された点灯タイミングに少なくとも一つのスイッチを閉じる制御を行う。これにより、少なくとも1系統の光源が点灯して、被写体に照明光を照射する。同時に、撮像トリガTGが入力された基板用カメラ49は、照明された条件下で撮像動作を行う。
【0040】
上記した撮像トリガTGは、通信を介さずに、ハードウェア接点を用いて入出力される。また、撮像指令C1および照明指令C2は、通信を用いて伝達されてもよく、あるいは、撮像トリガTGと同様にハードウェア接点を用いて伝達されてもよい。
【0041】
照明制御部62は、異常判定部63の機能を含む。異常判定部63は、色相別検出センサ8から赤色検出信号DR、緑色検出信号DG、および青色検出信号DBを受け取る。異常判定部63は、色相別検出センサ8の検出結果に基づいて、照明部7および色相別検出センサ8の少なくとも一方の異常を判定する。第1実施形態において、照明部7の異常を検出する目的で、照明部7よりも格段に信頼性の高い色相別検出センサ8を用いる。したがって、異常判定部63は、主として照明部7の異常を判定する。
【0042】
異常判定部63の異常判定方法には、様々なバリエーションがある。例えば、異常判定部63は、検出された照明光の明るさが規定範囲内にある場合に正常と判定し、それ以外の場合に照明部7の異常と判定する。これによれば、異常判定部63は、照明部7が点灯しない不点灯異常や、照明部7の経年使用による光源の明るさの低下の異常を検出することができる。
【0043】
さらに、異常判定部63は、照明部7の光源に通電する電線路の誤配線を検出することができる。詳述すると、前述したように第一照明基板71の赤色光源L1Rに100mAを通電し、緑色光源L1Gに350mAを通電することで、両方の光源の明るさが等しくなる。ところが、電線路が入れ替わるように誤配線される場合や、電線路を接続するコネクタが誤って嵌合される場合が皆無でない。これらの場合、赤色光源L1Rは、350mAが通電され、規定範囲を超えて明るくなる。一方、緑色光源L1Gは、100mAが通電され、規定範囲を超えて暗くなる。したがって、異常判定部63は、三色すべての光源が点灯される場合でも、誤配線に起因する照明光の色相ごとの明るさの異常を検出することができる。
【0044】
また、照明光の色相を指示する指令にしたがって照明部7の一種類以上の色相の光源が点灯する構成を採用することができる。この構成において、異常判定部63は、指令に一致した色相の照明光が無い、または、指令に一致した色相の照明光の明るさが点灯状態を表す規定範囲から外れている第一異常を検出する。さらに、異常判定部63は、指令に一致しない色相の照明光が有る、または、指令に一致しない色相の照明光の明るさが点灯状態を表す規定範囲内にある第二異常を検出する。これらの場合、異常判定部63は、照明部7の光源の経年劣化による明るさの低下の異常や、照明部7の電線路の誤配線を検出することができる。
【0045】
さらに、照明光の一つの色相を指示する指令にしたがって照明部7の一種類の色相の光源が点灯する構成を採用することができる。この構成において、異常判定部63は、指令に一致した色相の照明光が有り、かつ、指令に一致しない色相の照明光が無い場合に正常と判定し、それ以外の場合に照明部7の異常と判定する。この場合、異常判定部63は、照明光の定量的な明るさを用いずとも、色相ごとの照明光の有無に基づいて、照明部7の不点灯異常や、照明部7の電線路の誤配線を検出することができる。
【0046】
また、異常判定部63は、異常を判定した場合に、異常を通知する通知動作、および対基板作業を中止させる中止動作の少なくとも一方を行うようにしてもよい。通知動作として、警報ランプや警報音を用いたり、オペレータの携帯端末に異常を通知する電子メールを送信したりすることが可能である。また、異常によって画像データの品質低下や画像処理の処理精度の低下が懸念される。したがって、異常判定部63は、異常を判定した場合に、部品の装着作業を中止させることが好ましい。
【0047】
5.電子部品装着機1の動作
次に、電子部品装着機1の動作のうち主に基板用カメラ49の撮像動作について、
図8および
図9を参考にして説明する。なお、電子部品装着機1の動作のうち基板搬送装置2による基板Kの搬送動作、部品供給装置3による部品の供給動作、および部品移載装置4による部品の吸着動作および装着動作は、従来技術と同様に行われるので、その説明を省略する。以降の説明において、撮像制御部61は、照明部7の6系統の光源回路を1系統ずつ点灯させて基板用カメラ49に6回の撮像動作を行わせ、得られた六つの画像データを合成した後に画像処理を行うものとする。
【0048】
図8のステップS1で、制御装置6は、基板Kの位置マーク、または基板Kに装着された部品の一つ以上を被写体に決定する。次のステップS2で、制御装置6は、基板Kの種類および被写体に適した撮像条件および照明条件を撮像制御部61に指示する。撮像制御部61は、指示に基づいて、基板用カメラ49のシャッタースピードを始めとする撮像条件を設定する。また、照明制御部62は、指示に基づいて、照明部7の点灯継続時間を始めとする照明条件を設定する。なお、照明部7の6系統の光源回路の点灯順序は、固定的に設定されて予め指示されている。
【0049】
次のステップS3で、制御装置6は、基板用カメラ49を被写体の上方へ移動させる。ステップS3は、ステップS2と並行して実行することが可能である。次のステップS4で、制御装置6は、6回の撮像動作をまとめて指令する撮像指令C1を撮像制御部61に送信する。撮像指令C1を受信した撮像制御部61は、照明指令C2を照明制御部62に送信しつつ、撮像トリガTGを基板用カメラ49に向けて出力する。照明指令C2を受信した照明制御部62は、初回に第1RスイッチS1Rを閉じる制御を行う。これにより、撮像トリガTGが入力された基板用カメラ49は、8個の赤色光源L1Rにより照明された条件下で撮像動作を行う。
【0050】
次のステップS5で、異常判定部63は、照明部7の異常の有無の判定を行う。具体的に、異常判定部63は、赤色光源L1Rの点灯という指令に基づいて、照明部7の光源が正しく点灯したか否かを判定する。すなわち、異常判定部63は、色相別検出センサ8の赤色検出信号DRが照明光の有無を判定する規定値を超え、かつ、緑色検出信号DGおよび青色検出信号DBが規定値以下である場合に正常と判定する。また、異常判定部63は、上記以外の場合に異常と判定する。異常判定部63は、異常が無い場合に動作フローをステップS6に進め、異常が有る場合に動作フローをステップS7に分岐させる。異常が有る場合のステップS7で、異常判定部63は、異常を通知する通知動作、および、部品の装着作業を中止させる中止動作を行う。このとき、電子部品装着機1は停止する。
【0051】
異常が無い場合のステップS6で、撮像制御部61は、6回の撮像動作が終了しているか否かを判定する。初回のステップS6で、1回の撮像動作が終了しているだけであるので、動作フローは、ステップS4に戻される。2回目のステップS4で、撮像制御部61は、照明指令C2を照明制御部62に送信しつつ、撮像トリガTGを基板用カメラ49に向けて出力する。照明制御部62は、2回目に第1GスイッチS1Gを閉じる制御を行う。これにより、基板用カメラ49は、8個の緑色光源L1Gにより照明された条件下で撮像動作を行う。
【0052】
2回目のステップS5で、異常判定部63は、照明部7の異常の有無の判定を行う。具体的に、異常判定部63は、緑色光源L1Gの点灯という指令に基づいて、色相別検出センサ8の緑色検出信号DGが規定値を超え、かつ、赤色検出信号DRおよび青色検出信号DBが規定値以下である場合に正常と判定し、それ以外の場合に異常と判定する。
【0053】
異常が判定されない場合、ステップS4~ステップS6により構成される繰り返しループが6回繰り返される。すなわち、3~6回目のステップS4で、照明部7において第1BスイッチS1B、第2RスイッチS2R、第2GスイッチS2G、および第2BスイッチS2Bが順番に個別に閉じられ、それぞれの照明条件下で基板用カメラ49による撮像動作が行われる。また、3~6回目のステップS5で、異常判定部63は、指令に一致した色相の検出信号が規定値を超え、かつ、指令に一致しない色相の検出信号が規定値以下である場合に正常と判定し、それ以外の場合に異常と判定する。
【0054】
異常が発生すること無く6回目のステップS6に到達すると、6回の撮像動作が終了していることになり、動作フローはステップS8に進められる。ステップS8で、撮像制御部61は、毎回のステップS4で取得された六つの画像データを合成し、その後に画像処理を行う。これにより、位置マークが抽出されて、基板Kの装着実施位置が正確に求められる。または、部品が抽出されて、その装着状態の良否が検査される。これで、動作フローの1サイクルが終了し、次の被写体を対象としてステップS1以降が繰り返される。
【0055】
ここで、動作フローのステップS8は、次サイクルのステップS1~ステップS6と並行しての実行が可能である。詳述すると、
図9の横軸は、時間tの経過を表し、四つの帯グラフは、四つの被写体に対する各動作時間の内訳を示している。図示されるように、基板用カメラ49の移動に時間T1を要し、6回の撮像動作に時間T2を要する。また、六つの画像データの合成および画像処理に時間T3を要する。時間T3は、時間T1と時間T2の和にほぼ等しい。
【0056】
そして、基板用カメラ49は、第1の被写体に対する撮像動作が終了した時点で、第2の被写体に向かって移動を開始することができる。したがって、第1の被写体に対する画像処理の時間T3と、第2の被写体に対する基板用カメラ49の移動の時間T1および撮像動作の時間T2とのオーバーラップが可能となる。以下同様に、第2の被写体に対する画像処理の時間T3と、第3の被写体に対する基板用カメラ49の移動の時間T1および撮像動作の時間T2とのオーバーラップが可能となる。つまり、電子部品装着機1は、第1の被写体の画像処理と、第2の被写体の撮像動作とのオーバーラップにより、生産効率を高めることができる。
【0057】
なお、前述の説明と異なり、基板用カメラ49に色相ごとの3回の撮像動作を行わせる第1の変形例が可能である。すなわち、基板用カメラ49の1回目の撮像動作で赤色光源L1Rおよび赤色光源L2Rを同時に点灯させ、2回目の撮像動作で緑色光源L1Gおよび緑色光源L2Gを同時に点灯させ、3回目の撮像動作で青色光源L1Bおよび青色光源L2Bを同時に点灯させることができる。この場合、撮像制御部61は、取得された三つの画像データを合成し、その後に画像処理を行う。
【0058】
また、第一照明基板71の全ての光源を同時に点灯させて、基板用カメラ49に撮像動作を行わせ、次に、第二照明基板73の全ての光源を同時に点灯させて、基板用カメラ49に撮像動作を行わせる第2の変形例が可能である。この場合、撮像制御部61は、取得された二つの画像データを合成し、その後に画像処理を行う。さらに、照明部7の全ての光源を同時に点灯させて、基板用カメラ49に1回の撮像動作を行わせる第3の変形例が可能である。
【0059】
各変形例において、異常判定部63は、点灯しなかった光源の色相を特定することができる。また、第1および第3の変形例において、異常判定部63は、照明光の明るさの減少の程度に基づいて、照明部7の6系統の光源回路のうち故障した系統を特定することができる。例えば、異常判定部63は、赤色検出信号DRが通常時の62%程度(=8/(8+5))に低下した場合に、5個の赤色光源L2Rの故障と判定する。また、異常判定部63は、赤色検出信号DRが通常時の38%程度(=5/(8+5))に低下した場合に、8個の赤色光源L1Rの故障と判定する。
【0060】
電子部品装着機1(実施形態の対基板作業機)において、色相別検出センサ8は、点灯指令の有無や光源に通電された電流などの間接的な検出対象でなく、照明光そのものを直接的な検出対象としている。したがって、色相別検出センサ8は、基板用カメラ49(撮像部)が撮像動作を行うときに、照明光が実際に照射されたか否かを確実に検出することができる。また、異常判定部63は、色相別検出センサ8の検出結果に基づいて、照明部7で発生し得る様々な様相の異常を判定することができる。さらに、色相別検出センサ8の検出結果や異常判定部63の判定結果は、画像処理エラーが発生したときに参照されて、エラー原因の究明や対応策の検討におおいに役立つ。
【0061】
6.第2実施形態
次に、第2実施形態の電子部品装着機1について、
図10を参考にして、第1実施形態と異なる点を主に説明する。第2実施形態において、電子部品装着機1の主要なハードウェア構成は第1実施形態と同じであり、照明制御部62が調整部64の機能を含む点が異なる。
【0062】
調整部64は、色相別検出センサ8によって検出された照明光の明るさに基づいて、照明光の明るさの変化を補償するように電源部75の出力電圧を調整する。以下、具体例について説明する。照明部7の経時使用によって、例えば、赤色光源L1Rが劣化して照明光の明るさが徐々に低下する。照明光の明るさの低下の度合いは、色相別検出センサ8よって定量的に検出される。調整部64は、色相別検出センサ8の定量的な検出結果に基づいて、電源部75の出力電圧を高く調整することにより、赤色光源L1Rの照明光を当初の明るさに戻すことができる。
【0063】
さらに、調整後に赤色光源L1Rの照明光の明るさが未だ不足している場合に、調整部64は、電源部75の出力電圧をさらに高く再調整して、照明光の明るさを適正化することができる。一方、赤色光源L1Rの照明光が明るくなり過ぎた場合に、調整部64は、電源部75の出力電圧を低く再調整して、照明光の明るさを適正化することができる。つまり、調整部64は、フィードバック制御を行うことにより、赤色光源L1Rの照明光の明るさを高い精度で長い期間にわたり維持することができる。なお、調整部64は、基板用カメラ49の撮像動作時における色相別検出センサ8の検出結果に基づいて、前記した調整を行うことができる。また、調整部64は、基板用カメラ49の撮像動作と無関係に、空き時間などを利用して照明部7を点灯させる制御を行い、照明光の明るさの調整を行ってもよい。
【0064】
7.実施形態の応用および変形
なお、実施形態の対基板作業機は、電子部品装着機1に限定されず、基板用カメラ49を備える電子部品装着機1以外の対基板作業機であってもよい。また、基板用カメラ49に代えて、基板検査機で検査用画像データを取得する撮像部や、はんだ印刷機のスキージやマスクの状態を撮像する撮像部を対象とすることができる。
【0065】
さらに、第一照明基板71および第二照明基板73の一方は、省略されてもよい。また、照明部7が単一の光源で構成され、色相別検出センサ8に代わる受光センサは、照明部7が点灯したか否かを検出する簡易な構成でもよい。また、異常判定部63は、通常時に休止し、撮像制御部61で画像処理エラーが発生したときだけ動作して、エラー原因の究明に貢献するように構成されてもよい。第1および第2実施形態の構成および動作は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1:電子部品装着機 2:基板搬送装置 3:部品供給装置 4:部品移載装置 49:基板用カメラ 5:部品用カメラ 6:制御装置 61:撮像制御部 62:照明制御部 63:異常判定部 64:調整部 7:照明部 71:第一照明基板 72:拡散板 73:第二照明基板 74:ハーフミラー 75:電源部 8:色相別検出センサ 81:受光部 K:基板 L1R:赤色光源 L1G:緑色光源 L1B:青色光源 L2R:赤色光源 L2G:緑色光源 L2B:青色光源 C1:撮像指令 C2:照明指令 TG:撮像トリガ