(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】スイッチングレギュレータ制御回路及びDC/DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 C
(21)【出願番号】P 2021038802
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】椎名 美臣
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-032320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0187282(US,A1)
【文献】特開2005-216540(JP,A)
【文献】特開平08-033322(JP,A)
【文献】特開2009-153278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00 - 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC/DCコンバータの出力電圧に応じた分圧電圧と基準電圧を比較するコンパレータと、
前記コンパレータの出力端子がセット端子に接続され、出力端子が駆動回路の入力端子に接続されたRS-FF回路と、
前記RS-FF回路の出力端子が入力端子に接続され、出力端子が前記RS-FF回路のリセット端子に接続されたオンタイマー回路と、を備え
前記オンタイマー回路は、電源電圧に基づく電流を出力する電流源回路と、前記電流と前記RS-FF回路の出力信号に応じてリップル電圧を生成するリップル生成回路と、前記リップル電圧を平均化する平均化回路と、前記電流及び前記RS-FF回路の出力信号と前記平均化されたリップル電圧に応じてオンタイマー信号を生成するタイマー回路と、前記リップル電圧を所定の電圧にクランプするクランプ回路を備えた
ことを特徴とするスイッチングレギュレータ制御回路。
【請求項2】
前記クランプ回路は、前記リップル生成回路が出力する前記リップル電圧をクランプする
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチングレギュレータ制御回路。
【請求項3】
前記クランプ回路は、前記平均化回路が出力する前記平均化されたリップル電圧をクランプする
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチングレギュレータ制御回路。
【請求項4】
DC/DCコンバータの出力電圧に応じた分圧電圧と基準電圧を比較するコンパレータと、
前記コンパレータの出力端子がセット端子に接続され、出力端子が駆動回路の入力端子に接続されたRS-FF回路と、
前記RS-FF回路の出力端子が入力端子に接続され、出力端子が前記RS-FF回路のリセット端子に接続されたオンタイマー回路と、を備え
前記オンタイマー回路は、電源電圧に基づく電流を出力する電流源回路と、前記電流と前記RS-FF回路の出力信号に応じてリップル電圧を生成するリップル生成回路と、前記リップル電圧を平均化する平均化回路と、前記電流及び前記RS-FF回路の出力信号と前記平均化されたリップル電圧に応じてオンタイマー信号を生成するタイマー回路と、前記平均化されたリップル電圧が所定の電圧以上になったことを検出すると前記タイマー回路のオンタイマー信号によらず前記オンタイマー信号を出力する過電圧保護回路を備えた
ことを特徴とするスイッチングレギュレータ制御回路。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のスイッチングレギュレータ制御回路を備えたDC/DCコンバータであって、
前記スイッチングレギュレータ制御回路と、
前記スイッチングレギュレータ制御回路の出力端子に設けられたコイル及びコンデンサと、
前記コイルとコンデンサの接続点に設けられたDC/DCコンバータの出力端子と、
前記DC/DCコンバータの出力端子と前記スイッチングレギュレータ制御回路の入力端子の間に設けられ、前記DC/DCコンバータの出力電圧を分圧した分圧電圧を前記スイッチングレギュレータ制御回路の入力端子に出力する分圧回路と、を備えた
ことを特徴とするDC/DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチングレギュレータ制御回路及びDC/DCコンバータに関し、詳しくは出力電圧の過電圧保護に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の過電圧保護回路を備えたDC/DCコンバータである。
図6のDC/DCコンバータは、チョッパレギュレータ2、直流電源3、ツェナーダイオード4、インダクタ5、出力コンデンサ6、分圧抵抗7、分圧抵抗8、抵抗9及び位相補償コンデンサ10を備えている。
【0003】
チョッパレギュレータ2は、入力端子11、出力端子12、調整端子13、補償端子14、カレントアンプ15、コンパレータ16、発振器17、インバータ18、SRフリップフロップ19、NAND回路20、ドライブ回路21、スイッチング素子22、エラーアンプ23、基準電源24、スイッチング素子25を備えている。エラーアンプ23の出力電圧でゲートが制御されるスイッチング素子25は、過電圧保護回路を構成している。
【0004】
従来の過電圧保護回路を備えたDC/DCコンバータは、スイッチング素子25がエラーアンプ23の出力電圧に基づいてDC/DCコンバータの出力電圧が過電圧になったことを検出するとオンして、位相補償コンデンサ10を放電することによって、出力電圧の過電圧を防止する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のDC/DCコンバータは、出力電圧Voutに基づいて出力端子12の過電圧を検出しているため、出力端子12に接続される外付け素子に不具合が発生した場合に誤検出する、また物理的に接続が外れた場合は検出できない、という課題がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みて為され、出力端子12に接続される外付け素子などに影響されることなく、確実に過電圧保護をすることが出来るDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のスイッチングレギュレータ制御回路は、DC/DCコンバータの出力電圧に応じた分圧電圧と基準電圧を比較するコンパレータと、コンパレータの出力端子がセット端子に接続され出力端子が駆動回路の入力端子に接続されたRS-FF回路と、RS-FF回路の出力端子が入力端子に接続され出力端子がRS-FF回路のリセット端子に接続されたオンタイマー回路とを備え、オンタイマー回路は、電源電圧に基づく電流を出力する電流源回路と、電流源回路の電流とRS-FF回路の出力信号に応じてリップル電圧を生成するリップル生成回路と、リップル電圧を平均化する平均化回路と、電流源回路の電流及びRS-FF回路の出力信号と平均化されたリップル電圧に応じてオンタイマー信号を生成するタイマー回路と、リップル電圧を所定の電圧にクランプするクランプ回路(過電圧保護回路)を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスイッチングレギュレータ制御回路によれば、オンタイマー回路に過電圧保護回路を備えたため、出力端子12に接続される外付け素子などに影響されることなく、確実に過電圧保護をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のスイッチングレギュレータ制御回路を備えたDC/DCコンバータを示すブロック図である。
【
図2】第一の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2のオンタイマー回路の一例を示す回路図である。
【
図4】第一の実施形態のオンタイマー回路の他の構成を示すブロック図である。
【
図5】第二の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路の構成を示すブロック図である。
【
図6】従来の過電圧保護回路を備えたスイッチングレギュレータ制御回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のスイッチングレギュレータ制御回路について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のスイッチングレギュレータ制御回路を備えたDC/DCコンバータを示すブロック図である。
図1のDC/DCコンバータは、スイッチングレギュレータ制御回路100と、分圧回路を構成する抵抗103及び104と、コイル106と、コンデンサ107とを備えている。スイッチングレギュレータ制御回路100は、入力端子101と、出力端子102と、駆動回路110と、過電圧保護回路を備えているオンタイマー回路111と、コンパレータ112と、RS-FF回路113と、基準電圧回路114と、スイッチングトランジスタであるNMOSトランジスタ115及び116とを備えている。
【0013】
抵抗103と抵抗104は、DC/DCコンバータの出力端子とグラウンド端子の間に接続され、帰還抵抗回路を構成している。コンパレータ112は、反転入力端子が入力端子101を介して帰還抵抗回路の出力端子に接続され、非反転入力端子が基準電圧回路114の正極に接続され、出力端子がRS-FF回路113のセット端子Sに接続されている。RS-FF回路113は、リセット端子Rがオンタイマー回路111の出力端子124に接続され、出力端子Qが駆動回路110の入力端子及びオンタイマー回路111の入力端子121に接続されている。駆動回路110は、第一の出力端子がNMOSトランジスタ115のゲートに接続され、第二の出力端子がNMOSトランジスタ116のゲートに接続されている。NMOSトランジスタ115は、ドレインが電源端子に接続され、ソースがコイル106の一方の端子に接続されている。NMOSトランジスタ116は、ドレインがコイル106の一方の端子に接続され、ソースがグラウンド端子に接続されている。コンデンサ107は、一方の端子がコイル106の他方の端子に接続され、他方の端子がグラウンド端子に接続されている。
【0014】
上述のように構成されたDC/DCコンバータは、以下のように動作する。
DC/DCコンバータは、電源電圧が入力されると出力電圧Voutを出力する。帰還抵抗回路である抵抗103と104は、出力電圧Voutを分圧して分圧電圧VFBを出力する。スイッチングレギュレータ制御回路100は、入力端子101を介して入力された分圧電圧VFBに応じて出力端子102に出力信号を出力する。
【0015】
基準電圧回路114は、基準電圧Vrefを出力する。コンパレータ112は、非反転入力端子+に入力される基準電圧Vrefと反転入力端子-に入力される分圧電圧VFBを比較し、出力端子から信号VSを出力する。RS-FF回路113は、セット端子SにHighレベルの信号VSが入力されると、出力端子QからHighレベルの信号VQを出力する。駆動回路110は、Highレベルの信号VQを入力すると第一の出力端子からHighレベルの駆動信号をNMOSトランジスタ115のゲートに出力し、第二の出力端子からLoレベルの駆動信号をNMOSトランジスタ116のゲートに出力する。オンタイマー回路111は、入力端子121に信号VQが入力され、出力端子124からRS-FF回路113のリセット端子Rにオンタイム信号VRを出力する。RS-FF回路113は、リセット端子RにHighレベルの信号VRが入力されると、出力端子QからLoレベルの信号VQを出力する。駆動回路110は、Loレベルの信号VQを入力すると第一の出力端子からLoレベルの駆動信号をNMOSトランジスタ115のゲートに出力し、第二の出力端子からHighレベルの駆動信号をNMOSトランジスタ116のゲートに出力する。
【0016】
<第一の実施形態>
図2は、第一の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路111の構成を示すブロック図である。
オンタイマー回路111は、電流源回路220と、リップル生成回路230と、平均化回路240と、タイマー回路250と、過電圧保護回路であるクランプ回路260を備えている。
【0017】
電流源回路220は、電源電圧に依存した電流I1をリップル生成回路230とタイマー回路250に供給する。リップル生成回路230は、入力される電流I1と信号VQに応じて、リップル成分を含み出力電圧Voutに比例した電圧Vcref0を出力する。平均化回路240は、電圧Vcref0を平均化した電圧Vcrefを出力する。タイマー回路250は、入力される電流I1と電圧Vcrefに応じてRS-FF回路113のリセット端子Rに出力する信号VRを生成する。
【0018】
図3は、
図2のオンタイマー回路111の一例を示す回路図である。
電流源回路220は、抵抗202、201、203と、アンプ204と、NMOSトランジスタ205と、PMOSトランジスタ206を備えている。リップル生成回路230は、PMOSトランジスタ207と、スイッチ回路208と、コンデンサ209と、抵抗210を備えている。平均化回路240は、抵抗211と、コンデンサ212を備えている。タイマー回路250は、インバータ213と、NMOSトランジスタ214と、コンデンサ215と、コンパレータ216と、PMOSトランジスタ217を備えている。クランプ回路260は、PMOSトランジスタ261と、アンプ262と、基準電圧回路263を備えている。
【0019】
電流源回路220は、以下のようにして電流I1を生成する。
アンプ204は、電源電圧を抵抗202と抵抗201で分圧した電圧V1が非反転入力端子に入力されるので、NMOSトランジスタ205のソースと抵抗203の接続点が電圧V1になるようにNMOSトランジスタ205のゲート電圧を制御する。従って、抵抗203は電源電圧に依存した電流I1が流れる。電流I1は、PMOSトランジスタ206からPMOSトランジスタ207を介してリップル生成回路230に、PMOSトランジスタ217を介してタイマー回路250に供給される。
【0020】
リップル生成回路230は、以下のようにして電圧Vcref0を生成する。
コンデンサ209は、電流I1によって充電され、両端に電圧Vcref0が発生する。電流I1は、電源電圧をVDD、比例係数をKとするとI1=VDD×Kと表される。抵抗210に流れる電流I2は、抵抗210の抵抗値をR2とするとI2=Vcref0/R2と表される。信号VQがHighレベルの時はスイッチ回路208がオンし、コンデンサ209は電流I1で充電され、電流I2で放電される。また、信号VQがLoレベルの時はスイッチ回路208がオフし、コンデンサ209は電流I2で放電される。充電の電荷量Q1は、信号VQがHighレベルの時間放電をTonとするとQ1=I1×Tonと表される。電荷量Q2は、信号VQがHighレベルとなってから再びHighレベルになるまでの時間をTSとするとQ2=I2×TSと表される。出力電圧Voutが定電圧で制御されているときはQ1=Q2であるため、Ton/TS=I2/I1=Vout/VDDとなる。電流I1及びI2を代入して式を展開すると電圧Vcref0は、Vcref0=Vout×R2×Kとなる。従って、電圧Vcref0は、RS-FF回路113の信号VQに同期し、リップル成分を含み、出力電圧Voutに比例した電圧である。
【0021】
平均化回路240は、抵抗211とコンデンサ212で電圧Vcref0を平均化することによって、電圧Vcref0からリップル成分を除去している。従って、電圧Vcrefは、リップル成分を含まない電圧Vcref0と等しい電圧となる。
【0022】
タイマー回路250は、以下のようにして信号VRを生成する。
NMOSトランジスタ214は、ゲートにインバータ213を介して信号VQが入力されるため、信号VQがHighレベル、即ちNMOSトランジスタ115がオンしている時にオフ制御される。NMOSトランジスタ214がオフのとき、コンデンサ215は電流I1によって充電されて両端の電圧Vcapは上昇する。コンパレータ216は、電圧Vcapが電圧Vcrefより低い時は出力端子124にLoレベルの信号VRを出力し、電圧Vcapが電圧Vcrefより高くなると出力端子124にHighレベルの信号VRを出力する。Highレベルの信号VRによって信号VQがLoレベルになり、NMOSトランジスタ115はオフに制御される。そして、NMOSトランジスタ214は、信号VQがLoレベルになることによってオンして、コンデンサ215の電荷を放電させる。
【0023】
NMOSトランジスタ115がオンしているオン時間Tonは、コンデンサ215の容量値をC2とするとTon=C2/I1×Vcref=C2×R2×Vout/VDDとなる。即ち、オン時間Tonは、Vout/VDDで表されるduty制御を行うことが可能である。このようにして、オンタイマー回路111は、出力電圧Voutを直接用いることなく出力電圧Voutに比例する電圧Vcrefによって、出力電圧Voutを所望の電圧に制御することが可能である。
【0024】
このように動作するDC/DCコンバータにおいて、出力電圧Voutが所望の電圧よりも上昇した過電圧状態において、電圧Vcrefは、出力電圧Voutに比例するため同様に上昇する。クランプ回路260は、電圧Vcrefの上昇を抑制することによって出力電圧Voutの過電圧を防止する。
【0025】
クランプ回路260は、PMOSトランジスタ261と、アンプ262と、基準電圧回路263を備えている。アンプ262は、反転入力端子-に電圧Vcrefが入力され、非反転入力端子+に基準電圧回路263が出力する基準電圧が入力されている。PMOSトランジスタ261は、ソースがアンプ262の反転入力端子-に接続され、ゲートがアンプ262の出力端子に接続され、ドレインがグラウンド端子に接続されている。基準電圧回路263が出力する基準電圧、即ちクランプ電圧は、正常に動作しているときの電圧Vcref=Vout×R2×Kよりも高い値に設定する。
【0026】
電圧Vcrefが基準電圧回路263の基準電圧よりも低い正常状態では、アンプ262はHiレベルの電圧を出力するためPMOSトランジスタ261はオフしている。従って、クランプ回路260はクランプ動作を行わない。
【0027】
出力電圧Voutが過電圧状態になり電圧Vcrefが基準電圧回路263の基準電圧に達すると、アンプ262は電圧Vcrefが基準電圧を超えないようにPMOSトランジスタ261のゲート電圧を制御する。ここで、オン時間TonはC2/I1×Vcref、出力電圧VoutはTon/TS×VDDであることから、出力電圧Voutの上昇が抑制され、過電圧保護動作を行うことができる。
【0028】
以上説明したように、第一の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路は、電圧Vcrefがクランプ回路260のクランプ電圧を超えないように制御するため、出力端子12に接続される外付け素子などに影響されることなく、確実に過電圧保護をすることが可能となる。
【0029】
図4は、第一の実施形態のオンタイマー回路の他の構成を示すブロック図である。
本実施形態のオンタイマー回路111は、
図2のオンタイマー回路111において、過電圧保護回路であるクランプ回路260をリップル生成回路230と平均化回路240の間に接続するように構成している。なお、その他の構成は
図2のオンタイマー回路111と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0030】
図4のように構成した第二の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路は、電圧Vcref0がクランプ回路260のクランプ電圧を超えないように制御するため、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0031】
<第二の実施形態>
図5は、第二の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態のオンタイマー回路111は、
図2のオンタイマー回路111において、過電圧保護回路であるクランプ回路260に替えて過電圧保護回路270を備えている。過電圧保護回路270は、OR回路271と、コンパレータ272と、基準電圧回路273を備えている。基準電圧回路273の基準電圧は、クランプ回路260のクランプ電圧と同様にVout×R2×Kより高い電圧に設定する。
【0032】
コンパレータ272は、反転入力端子-に基準電圧回路273の出力端子が接続され、非反転入力端子+に平均化回路240の出力端子が接続されている。OR回路271は、第一の入力端子にタイマー回路250の出力端子が接続され、第二の入力端子にコンパレータ272の出力端子が接続され、出力端子がオンタイマー回路111の出力端子124に接続されている。
【0033】
出力電圧Voutが過電圧状態になると、電圧Vcrefは出力電圧Voutと同様に上昇する。コンパレータ272は、電圧Vcrefが基準電圧に達するとHighレベルの信号を出力する。OR回路271は、コンパレータ272のHighレベルの信号を受けると、タイマー回路250の出力信号によらず、Highレベルの信号を出力する。即ち、オンタイマー回路111は、出力端子124からHighレベルの信号VRを出力し、NMOSトランジスタ115をオフ、NMOSトランジスタ116をオンさせる。従って、出力電圧Voutを低下させ、過電圧保護動作を行うことが可能である。
【0034】
以上説明したように、第二の実施形態の過電圧保護回路を備えたオンタイマー回路は、出力電圧Voutが過電圧状態になったことを電圧Vcrefで検出するコンパレータ272とその信号を出力するOR回路271を備えたので、第一の実施形態と同様に過電圧保護動作を行うことが可能である。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、第一の実施形態のクランプ回路は、所望の電圧にクランプ出来る回路であれば
図3に示した回路に限定されない。
【符号の説明】
【0036】
100 スイッチングレギュレータ制御回路
101 入力端子
102 出力端子
111 オンタイマー回路
112 コンパレータ
113 RS-FF回路
114 基準電圧回路
115、116 NMOSトランジスタ
220 電流源回路
230 リップル生成回路
240 平均化回路
250 タイマー回路
260 クランプ回路(過電圧保護回路)
270 過電圧保護回路