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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/14 20060101AFI20241108BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F25D21/14 E
F25D23/00 307
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021040143
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139659
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】加治木 義孝
(72)【発明者】
【氏名】馬場 盛司
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-075046(JP,A)
【文献】特開2013-053840(JP,A)
【文献】特開2014-009905(JP,A)
【文献】特開2006-138541(JP,A)
【文献】特開2014-142159(JP,A)
【文献】特開2017-075725(JP,A)
【文献】特開2016-145450(JP,A)
【文献】特開2018-036024(JP,A)
【文献】実開平01-048580(JP,U)
【文献】特開平08-296958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/14
F25D 23/00 - 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵室を構成するためのライナーと、
部品を収容するための、前記冷蔵室の背面に取り付けられるカバーと、を備える冷蔵庫であって、
前記カバーは、前方から差し込まれる固定具によって、前記ライナーに背面に固定され、
前記カバーは、前記固定具と前記ライナーとの連結箇所の上方に切り欠きが形成されており、
前記カバーの前記切り欠きの周囲に上方に向けて立設されるリブが形成される、冷蔵庫。
【請求項2】
冷蔵室を構成するためのライナーと、
部品を収容するための、前記冷蔵室の背面に取り付けられるカバーと、を備える冷蔵庫であって、
前記カバーは、前方から差し込まれる固定具によって、前記ライナーに背面に固定され、
前記カバーは、前記固定具と前記ライナーとの連結箇所の上方に切り欠きが形成されており、
前記切り欠きの下方には、前記切り欠きから漏れた水を受けるエリアが形成される、冷蔵庫。
【請求項3】
前記カバーには、前記エリアで受けた水を前記カバーの前面から排出するための開口孔が形成される、請求項に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記切り欠きの前端の角が丸く形成される、請求項1からのいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫の技術に関し、特に庫内のライナーの背面にカバーを取り付けるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵室内にコントロールボックスを設ける構成が知られている。たとえば、特開平8-296958号公報(特許文献1)には、冷蔵庫が開示されている。特許文献1によると、冷蔵室の下部奥部側には、制御基板などを収容するコントロールボックスが横長状に設けられている。このコントロールボックスは、冷蔵室の内箱(ライナー)の背面に取り付けられて、プラスチック製の前面カバーによって、その前面,上面が覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-296958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、庫内の背面のカバーをライナーの背面に取り付け易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一局面においては、冷蔵室を構成するためのライナーと、部品を収容するための、冷蔵室の背面に取り付けられるカバーと、を備える冷蔵庫が提供される。カバーは、前方から差し込まれる固定具によって、ライナーに背面に固定される。カバーは、固定具とライナーとの連結箇所の上方に切り欠きが形成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、庫内の背面のカバーをライナーの背面に取り付け易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかる冷蔵室の扉を開いた状態の冷蔵庫の正面図である。
図2】第1の実施の形態にかかる野菜ケースとチルドケースを取り外した状態の冷蔵庫の正面図である。
図3図1のA-A矢視断面図である。
図4図2のB-B矢視断面図である。
図5】第1の実施の形態にかかる背面カバーの切り欠き近傍を示す前上方斜視図である。
図6】第1の実施の形態にかかる背面カバーの前方斜視図である。
図7】第1の実施の形態にかかる冷気回路や電気部品が取り付けられた状態の背面カバーの後方斜視図である。
図8】第1の実施の形態にかかる背面カバーの後方斜視図である。
図9】第1の実施の形態にかかる背面カバーの左端部の後方斜視図である。
図10】第1の実施の形態にかかる背面カバーの右端部の後方斜視図である。
図11】第2の実施の形態にかかる背面カバーの後方斜視図である。
図12】第2の実施の形態にかかる背面カバーの左端部の後方斜視図である。
図13】第2の実施の形態にかかる背面カバーの左端部の前方斜視図である。
図14】第2の実施の形態にかかる背面カバーの左側面断面図である。
図15】第3の実施の形態にかかる背面カバーの左端部の後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
<冷蔵庫の全体構成>
【0009】
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる冷蔵庫100の全体構成を説明する。以下では、図1における上方を冷蔵庫100や各部品の上方といい、図1における下方を冷蔵庫100や各部品の下方といい、図1における右方を冷蔵庫100や各部品の右方といい、図1における左方を冷蔵庫100や各部品の左方といい、図1の紙面の手前方向を冷蔵庫100や各部品の前方または正面方向といい、図1の紙面の奥方向を冷蔵庫100や各部品の後方または背面方向という。
【0010】
本実施の形態にかかる冷蔵庫100は、上部に冷蔵室110が設けられ、下部に冷凍室120が設けられる。冷蔵室110の正面には、左右に分割された観音開き式の冷蔵室扉111および111が取り付けられる。本実施の形態にかかる冷蔵室110の内部には、その下部に、野菜ケース113と、チルドケース114とが、前後方向にスライド可能に配置される。冷蔵室110や冷凍室120の内面はライナー130(内箱)によって形成されている。また、冷蔵庫100の外箱(外殻)とライナー130の間には、発泡ウレタン等の断熱材が充填されている。
【0011】
図2に示すように、冷蔵室110の背面には、冷気ダクト112や、背面カバー150が配置される。背面カバー150の後方には、機械室からの冷気を冷気ダクト112に送り込むための冷気回路や、ファンなどの電気部品などが配置される。すなわち、背面カバー150は、冷気回路部品や電気部品を収容してカバーする。
【0012】
図1から図4を参照して、背面カバー150は、前方から貫通孔151L,151Rに差し込まれるビス132,132などによって、ライナー130の背面に固定される。以下では、図3から図10を参照しながら、背面カバー150のライナー130への取り付け構成について説明する。
<背面カバーの取り付け構成>
【0013】
まず、ライナー130の背面の、ビス132,132・・・が打たれるべき位置に、ビス止め用固定部材131、131・・・が固設される。
【0014】
背面カバー150は、主に、下部垂直面151と、左右の水平面152L,152Rと、上部垂直面153とから構成される。下部垂直面151と左右の水平面152L,152Rとの間や、下部垂直面151と上部垂直面153との間には、斜面1512が形成される。より詳細には、下部垂直面151は、チルドケース114の背面と対向するように形成される。斜面1512は、下部垂直面151の上端部から後上方に向けて形成される。斜面1512の左部の上端から、後方に向けて、左の水平面152Lが形成される。斜面1512の右部の上端から、後方に向けて、右の水平面152Rが形成される。斜面1512の中央部の上端部から、上方に向けて、上部垂直面153が形成される。上部垂直面153は、冷気ダクト112に連結される。また、上部垂直面153は、野菜ケース113の背面と対向するように形成される。そして、左右の水平面152L、152Rの上には、野菜ケース113とチルドケース114とを仕切る仕切り板が載置される。
【0015】
背面カバー150の斜面1512の左部と右部には、それぞれ、ビス132,132を差し込むための貫通孔151L,151Rが形成される。そして、背面カバー150の斜面1512の背面側の左部と右部には、それぞれ、ビス止め用の筒状部材156L,156Rが形成される。筒状部材156L,156Rの内部に、貫通孔151L,151Rが形成される。
【0016】
背面カバー150をライナー130に固定する際には、筒状部材156L,156Rの後端部と、ビス止め用固定部材131、131とが嵌合するように、背面カバー150をライナー130の背面に押し付ける。この状態で、ビス132,132を前方から貫通孔151L,151Rに差し込む。そして、ビス132,132をビス孔156X,156Xに通して、筒状部材156L,156Rの後端部をビス止め用固定部材131,131に固定する。
【0017】
特に本実施の形態においては、背面カバー150の水平面152L,152Rの後端部の、筒状部材156L,156Rの上方部分に切り欠き155L,155Rが形成される。これによって、図5に示すように、背面カバー150を冷蔵室110のライナー130の背面に取り付ける際に、背面カバー150をライナー130の取り付け位置に合わせやすくなる。すなわち、作業者が、切り欠き155L,155Rを介して、筒状部材156L,156Rの後端部と、ビス止めすべき位置であるビス止め用固定部材131,131と、を視認しやすくなる。さらに言い換えると、本実施の形態においては、作業者が、切り欠き155L,155Rを介して、筒状部材156L,156Rの後端部を、ビス止め用固定部材131,131に合わせたり嵌合させたりしやすくなる。
【0018】
また、本実施の形態においては、背面カバー150の後端部に切り欠き155L,155Rを設けることによって、背面カバー150の後方側が撓みやすくなる。
【0019】
より詳細には、ライナー130の外側は発泡ウレタン等の断熱材が充填している。一般的に、発泡ウレタン等の断熱材は、背面カバー150の材質として用いられるABSやPPなどの樹脂に比べて、熱収縮率が大きい。したがって、冷蔵庫100の製造時や使用時の温度によっては、ライナー130の背面に設けた左右のビス止め用固定部材131-131間の距離と、背面カバー150に設けた貫通孔151Lと151Rの間の距離とが、ずれてしまうことがある。このずれが背面カバー150の水平面152L,152Rに伝わると、水平面152L,152Rに応力がかかり、変形や白化が起こるおそれがある。野菜ケース113とチルドケース114とを仕切る仕切り板を取り外すと、背面カバー150の水平面152L,152Rは視認可能であり、背面カバー150の水平面152L,152Rが変形したり、白化したりすることは、冷蔵庫100の品質や美観の低下を招くおそれがある。
【0020】
そこで、本実施の形態においては、背面カバー150の後端部に切り欠き155L,155Rを設けることによって、背面カバー150の後方側を意図的に撓みやすくしている。その結果、ライナー130と、背面カバー150との、温度変化による寸法のずれが発生した場合であっても、背面カバー150が無理に変形したり、傷や白化が発生してしまったりする可能性を低減することができる。
【0021】
さらに、本実施の形態においては、切り欠き155L,155Rの各々に関して、奥側の角、すなわち前端部の角にRが形成される。すなわち切り欠き155L,155Rの左辺と前辺との角が丸みを帯びるように形成され、右辺と前辺との角も丸みを帯びるように形成される。これによって、左辺と前辺との角や、右辺と前辺との角に応力が集中して破損する可能性を低減することができる。
【0022】
さらに、本実施の形態においては、本実施の形態においては、切り欠き155L,155Rの周囲、すなわち、切り欠き155L,155Rの左辺、前辺、右辺や、水平面152L,152Rの後端部に、垂直方向の向けたリブ152Xを形成する。これによって、水平面152L,152Rの水滴などが、切り欠き155L,155Rを通って、背面カバー150の内部に侵入する可能性を低減している。
[第2の実施の形態]
【0023】
上記の実施の形態に加えて、切り欠き155L,155Rから漏れてしまった水滴を下方で受け止める構成や、受けた水滴を背面カバー150の外部へと排出する構成を設けることが好ましい。
【0024】
図11から図14に示すように、本実施の形態においては、筒状部材256L,256Rの後部の上面に開放部256Yを形成する。そして、筒状部材256L,256Rは、その内部の底面、すなわち貫通孔151L,151Rの底面を、背面カバー150の前方に行くにつれて低くなるように構成する。
【0025】
これによって、切り欠き155L,155Rから漏れた水滴が、開放部256Yから、筒状部材256L,256Rの内部に落下する。そして、当該水滴は、背面カバー150の筒状部材256L,256Rの内部および貫通孔151L、151Rの内部を流れて、背面カバー150の正面から排出される。つまり、背面カバー150の内部に水滴が侵入しにくくなる。より詳細には、筒状部材256L,256Rよりも下方まで水滴が侵入しにくくなる。
[第3の実施の形態]
【0026】
なお、第2の実施の形態に限らず、図15に示すように、第1の実施の形態の筒状部材156L,156Rの左右に水滴が流れる経路356L,356Lを形成してもよい。そして、当該経路356L,356Lの底面は、貫通孔151L,151Rの底面と合流する。当該経路356L,356Lおよび貫通孔151L,151Rの底面は、背面カバー150の前方に行くにつれて低くなるように構成される。
【0027】
これによって、切り欠き155L,155Rから漏れた水滴が、筒状部材156L,156Rの上面および経路356L,356Lに落下する。筒状部材156L,156Rの上面に落下した水滴は、左右に流れ落ちて、経路356L,356Lに達する。当該水滴は、経路356L,356Lおよび貫通孔151L,151Rを流れて、背面カバー150の正面から排出される。つまり、背面カバー150の内部に水滴が侵入しにくくなる。より詳細には、筒状部材156L,156Rよりも下方まで水滴が侵入しにくくなる。
[まとめ]
【0028】
上記の実施の形態おいては、冷蔵室を構成するためのライナーと、部品を収容するための、冷蔵室の背面に取り付けられるカバーと、を備える冷蔵庫が提供される。カバーは、前方から差し込まれる固定具によって、ライナーに背面に固定される。カバーは、固定具とライナーとの連結箇所の上方に切り欠きが形成される。
【0029】
好ましくは、カバーの切り欠きの周囲に上方に向けて立設されるリブが形成される。
【0030】
好ましくは、切り欠きの下方には、切り欠きから漏れた水を受けるエリアが形成される。
【0031】
好ましくは、カバーには、エリアで受けた水をカバーの前面から排出するための開口孔が形成される。
【0032】
好ましくは、切り欠きの前端の角が丸く形成される。
【0033】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施の形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
100 :冷蔵庫
110 :冷蔵室
111 :冷蔵室扉
112 :冷気ダクト
113 :野菜ケース
114 :チルドケース
120 :冷凍室
130 :ライナー
131 :ビス止め用固定部材
132 :ビス
150 :背面カバー
151 :下部垂直面
151L :貫通孔
151R :貫通孔
1512 :斜面
152 :水平面
153 :上部垂直面
155L :切り欠き
155R :切り欠き
155X :リブ
156L :筒状部材
156R :筒状部材
156X :ビス孔
256L :筒状部材
256R :筒状部材
256Y :開放部
356L :経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15