IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レエンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-立体造形方法 図1
  • 特許-立体造形方法 図2
  • 特許-立体造形方法 図3
  • 特許-立体造形方法 図4
  • 特許-立体造形方法 図5
  • 特許-立体造形方法 図6
  • 特許-立体造形方法 図7
  • 特許-立体造形方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】立体造形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/106 20170101AFI20241108BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241108BHJP
【FI】
B29C64/106
B33Y10/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021059029
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022155679
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石 和輝
(72)【発明者】
【氏名】酒井 博史
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/155897(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/038985(WO,A1)
【文献】特表2019-529182(JP,A)
【文献】特開2006-078604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/106
B33Y 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、
流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、
前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、
前記コア材が未硬化の前記シェル材とのみ界面を有する状態を維持しつつ、前記コア材を前記ノズル部材より前記コア部の所定位置で吐出し、
吐出した前記コア材に前記ノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、前記所定位置から所定の間隔をあけた位置に前記ノズル部材を移動させ、前記コア材を前記ノズル部材により再度吐出することを特徴とする立体造形方法。
【請求項2】
立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、
流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、
前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、
前記コア材が未硬化の前記シェル材とのみ界面を有する状態を維持しつつ、前記コア材を前記ノズル部材より前記コア部の所定位置で吐出し、
吐出したコア材に前記ノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、前記所定位置から前記ノズル部材を移動させながら前記コア材を前記ノズル部材により吐出することを特徴とする立体造形方法。
【請求項3】
立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、
流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、
前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、
前記コア部に前記コア材を充填後、前記シェル層を再造形するにあたり前記ノズル部材の少なくとも先端を未硬化の前記シェル材に挿入した状態を維持しつつ、前記シェル層を再造形することを特徴とする立体造形方法。
【請求項4】
造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形するにあたり、
前記シェル層の再造形前に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部から前記シェル層外に退避させ、
前記シェル層の再造形後に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部内に戻すことを特徴とする請求項に記載の立体造形方法。
【請求項5】
前記シェル層は、液槽重合法により造形されており、
造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形するにあたり、
前記シェル層の再造形前に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して下降させ、
次に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記シェル層外に退避させ、
次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して上昇させ、
次に造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形し、
次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して下降させ、
次に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部上方に移動させ、
次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して上昇させて前記ノズル部材を前記コア部内に戻させることを特徴とする請求項に記載の立体造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近年その性能を著しく向上させている所謂3Dプリンタ、或いは、それ以前より実用化されている光造形技術を用いた光造形装置など、立体造形方法に関するもので、特に強化材を含有した複合材の立体造形技術に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
所謂3Dプリンタは、3次元のCADデータをもとにコンピュータで造形物の断面形状を計算し、造形物を薄い輪切り上の断面構成要素に分割して、その断面構成要素を種々の方法で形成し、それを積層させて目的とする形状を得る立体造形手段である。一般的には3Dプリンタの名称が広く用いられているが、国際的にはAdditive Manufacturing Technology、直訳すれば付加製造技術と呼ぶことが多い。本明細書においては主として3Dプリンタの用語を用いるが、使用意図に応じて適宜表現を使い分けることとする。
【0003】
近年、3Dプリンタにより造形する立体造形物は、実際の製品や量産前の試作品に用いることが要求されるようになり、外観だけでなく強度が求められるようになっている。これに対し、樹脂材料と炭素繊維などの強化材を含有した複合材を材料として適用した3Dプリンタ(所謂、複合材3Dプリンタ)により立体造形物を造形する立体造形方法が提案されている。たとえば、造形する立体造形物の外殻層を先に造形した後、この造形済の外殻層に囲われた部分に複合材を充填して硬化させることで立体造形物を造形するものがある(たとえば、下記特許文献1)。
【0004】
以下の説明では、外殻層をシェル層、シェル層を造形する材料をシェル材、シェル層に囲われた部分をコア部、シェル層に囲われた部分に充填する材料をコア材と呼ぶ。なお、シェル層は流動性をもつシェル材(たとえば、光硬化性樹脂)を硬化させることで造形される。また、コア材は、硬化前に流動性をもっており、シェル材と混ざらないものが採用される。また、シェル材とコア材の比重はコア材の方が高くなっている。
【0005】
下記特許文献1に記載の立体造形方法では、図8(a)に示すような複合材3Dプリンタ900を用いている。この複合材3Dプリンタ900は、シェル材940を貯留する造形槽910と、造形槽910内に設けられ、立体造形物を造形する土台となる造形台911と、シェル材940を硬化させるための紫外線レーザー921を照射するレーザー光学系920と、コア材931を吐出するノズル930により構成されている。
【0006】
下記特許文献1に記載の立体造形方法は、図8(a)に示すようにシェル材940を貯留した造形槽910内に設けられた造形台911上に、所定形状のシェル層941を造形するようレーザー光学系920からシェル材940の一部に紫外線レーザー921を照射してシェル材940の一部を硬化させることで、シェル層941を造形する。この造形済のシェル層941に囲われた部分であるコア部942に残存する未硬化のシェル材940(以下、シェル材940と呼ぶ)中にノズル930を挿入してコア材931を吐出する。このとき、コア材931の方がシェル材941よりも比重が高いため、シェル材940と吐出されたコア材931が置換されてコア部941にコア材931が充填される。シェル層941の造形とコア材931の充填を繰り返し行うことにより立体造形物を造形する。これにより、ノズル930により吐出したコア材941間で界面が形成されることを防ぐことができるため、剛性と強度に方向性がない立体造形物を造形することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-136923
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記立体造形方法では、造形する立体造形物に欠陥が生じ強度が低下する可能性があった。
【0009】
具体的に説明する。上記立体造形方法では、図8(b)に示すようにノズル930から吐出したコア材931がシェル材940の液面943に到達した際に、コア材931がシェル材940の液面で拡散してシェル材940内で沈降する可能性がある。この場合、沈降するコア材931が先に充填されたコア材931と一体化する際にシェル材940を巻き込んでしまう可能性がある。すなわち、コア部942に充填したコア材931中にシェル材940が残留してしまう。この状態で、コア材931を硬化させた場合、造形した立体造形物に欠陥が生じて強度が低下する。
【0010】
本発明は、上記問題点を鑑みてされたものであり、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことができる立体造形方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の立体造形方法は、立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、前記コア材が未硬化の前記シェル材とのみ界面を有する状態を維持しつつ、前記コア材を前記ノズル部材より前記コア部の所定位置で吐出し、吐出した前記コア材に前記ノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、前記所定位置から所定の間隔をあけた位置に前記ノズル部材を移動させ、前記コア材を前記ノズル部材により再度吐出することを特徴としている。
【0012】
上記立体造形方法によれば、コア材が未硬化のシェル材とのみ界面を有する状態を維持して、コア部にコア材を充填させるため、コア部に充填されるコア材が未硬化のシェル材の液面に到達することを防ぐことができる。したがって、コア材が未硬化のシェル材の液面で拡散して沈降することを防ぎ、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことが可能となる。また、前記コア材が前記コア部の一カ所で溜まらないようにコア材をノズル部材により吐出することができるため、コア材が未硬化のシェル材の液面に到達することを防ぎ、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことが可能となる。また、ノズル部材により先に吐出したコア材中にノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、コア材を再度吐出するため、先に吐出したコア材と後に吐出したコア材との間に界面を生じさせることなくコア部にコア材を充填させることができる。したがって、コア部に充填したコア材に気泡などの不純物が混入することを防ぐことが可能となる。
【0015】
上記課題を解決するための本発明の立体造形方法は、立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、前記コア材が未硬化の前記シェル材とのみ界面を有する状態を維持しつつ、前記コア材を前記ノズル部材より前記コア部の所定位置で吐出し、吐出したコア材に前記ノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、前記所定位置から前記ノズル部材を移動させながら前記コア材を前記ノズル部材により吐出することを特徴としている。
【0016】
上記立体造形方法によれば、コア材が未硬化のシェル材とのみ界面を有する状態を維持して、コア部にコア材を充填させるため、コア部に充填されるコア材が未硬化のシェル材の液面に到達することを防ぐことができる。したがって、コア材が未硬化のシェル材の液面で拡散して沈降することを防ぎ、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことが可能となる。また、コア材がコア部の一カ所で溜まらないようにコア材をノズル部材により吐出することができるため、コア材が未硬化のシェル材の液面に到達することを防ぎ、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことが可能となる。また、ノズル部材により先に吐出したコア材中にノズル部材の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、ノズル部材を移動させながらコア材を吐出するため、先に吐出したコア材と後に吐出したコア材との間に界面を生じさせることなくコア部にコア材を充填させることができる。したがって、コア部に充填したコア材に気泡などの不純物が混入することを防ぐことが可能となる。
【0017】
上記課題を解決するための本発明の立体造形方法は、立体造形物の外殻層であるシェル層をシェル材を用いて先に造形し、次に造形済の当該シェル層に囲われた部分であるコア部にコア材をノズル部材により吐出して充填することによって立体造形物を造形する立体造形方法であって、流動状態の前記シェル材の一部を硬化させることで前記シェル層を造形し、前記コア部に残存する未硬化の前記シェル材中に前記ノズル部材の少なくとも先端を挿入し、前記ノズル部材の先端から前記コア材を吐出することにより、未硬化の前記シェル材と前記コア材を置き換えて前記コア部に前記コア材を充填するものであり、前記コア部に前記コア材を充填後、前記シェル層を再造形するにあたり前記ノズル部材の少なくとも先端を未硬化の前記シェル材に挿入した状態を維持しつつ、前記シェル層を再造形することを特徴としている。
【0018】
上記立体造形方法によれば、シェル層を再造形する際にノズル部材を未硬化のシェル材から引き抜かないため、ノズル部材に付着するコア材が未硬化のシェル材の液面に接触することを防ぐことが可能となる。したがって、コア材が未硬化のシェル材の液面で拡散して沈降することを防ぎ、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことが可能となる。
【0019】
また、造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形するにあたり、前記シェル層の再造形前に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部から前記シェル層外に退避させ、前記シェル層の再造形後に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部内に戻す構成としてもよい。
【0020】
この構成によれば、造形済のシェル層上に積層するようシェル層を再造形する前にノズル部材をコア部からシェル層外に退避させるため、ノズル部材を未硬化のシェル材から引き抜かなくてもノズル部材が邪魔することなく、シェル層を再造形することが可能となる。
【0021】
また、前記シェル層は、液槽重合法により造形されており、造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形するにあたり、前記シェル層の再造形前に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して下降させ、次に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記シェル層外に退避させ、次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して上昇させ、次に造形済の前記シェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形し、次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して下降させ、次に前記ノズル部材の少なくとも先端が未硬化の前記シェル材に挿入された状態を維持しつつ、前記ノズル部材を前記コア部上方に移動させ、次に前記シェル層を未硬化の前記シェル材の液面に対して上昇させて前記ノズル部材を前記コア部内に戻させる構成としてもよい。
【0022】
この構成によれば、シェル層を液槽重合法により造形する場合であっても、ノズル部材を未硬化のシェル材から引き抜くことなく、造形済のシェル層上に積層するよう前記シェル層を再造形することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の立体造形方法によれば、充填したコア材中にシェル材が巻き込まれることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態における立体造形方法を実現するために用いる複合材3Dプリンタを概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態における立体造形方法を説明するための図である。
図8】従来の立体造形方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態における立体造形方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、直交座標系の3軸をX、Y、Zとし、水平方向をX軸方向、Y軸方向と表現し、XY平面と垂直な方向(つまり、鉛直方向)をZ軸方向と表現する。
【0026】
図1は、本実施形態における立体造形方法を実現するために用いる複合材3Dプリンタを概略的に示す図である。図2図3図4、および図5は、本実施形態における立体造形方法を説明するための図である。図6は、本実施形態における立体造形方法を説明するための図であり、ノズル部材11によるコア材Cの吐出方法を示す図である。図7は、本実施形態における立体造形方法を説明するための図であり、図6に示すノズル部材11によるコア材Cの吐出方法の一つのバリエーションを示す図である。
【0027】
以下、本実施形態における立体造形方法を実現するために用いる複合材3Dプリンタ100の構成について説明する。
【0028】
本実施形態における複合材3Dプリンタ100は、後述するシェル層Sの造形に付加製造方法の一つである液槽重合法を適用したものであり、図1に示すようにコア材Cを吐出するコア材吐出機構1と、シェル材Eを貯留する造形槽2と、立体造形物を造形する土台となる造形台21と、シェル材Eを硬化させるための光線照射機構3とを備えている。
【0029】
複合材3Dプリンタ100は、コア材吐出機構1、造形台21、および光線照射機構3のそれぞれを構成する各部を動作させることにより、造形する立体造形物の外殻層であるシェル層Sを先に造形した後、この造形済のシェル層Sに囲われた部分であるコア部Kにコア材Cを充填して硬化させることで、立体造形物を造形することができる。なお、これら各部の動作は図示しない制御部により制御されてもよい。この制御部は、たとえば、汎用のコンピュータ装置によって構成される。
【0030】
本実施形態におけるシェル材Eは、たとえば、流動性をもった光硬化性樹脂であり、後述する造形槽2内で貯留される。このシェル材Eは、後述する光線照射機構3により光線L(図2(a)を参照)を照射されることで硬化する。ここでいう、光線Lはたとえば、紫外線レーザー光である。この光線Lがシェル材Eに照射されることで、シェル材Eが硬化してシェル層Sが造形される。以下の説明では、未硬化のシェル材Eをシェル材Eと呼び、硬化したシェル材Eをシェル層Sと呼ぶ。
【0031】
本実施形態におけるシェル層Sは、造形する立体造形物の外殻層のことであり、前述したようにシェル材Eが硬化されることで造形される。シェル層Sは、シェル材E中で後述する造形台21上に造形される。また、このシェル層Sに囲われた部分をコア部Kと呼ぶ。
【0032】
このコア部Kには、シェル材Eが残存している。具体的には、シェル層Sがシェル材E中で造形され、造形後はシェル層Sがシェル材Eから引き揚げられることがない限り、シェル層Sに囲われた部分であるコア部Kにはシェル材Eが残存する。
【0033】
本実施形態におけるコア材Cは、たとえば、流動性を持った熱硬化性樹脂と炭素繊維やガラス繊維などの強化材を含有した所謂複合材料であり、図示しない加熱炉等により加熱されることで硬化する。このコア材Cは、後述するコア材吐出機構1によりコア部Kに吐出される。なお、コア材Cは、シェル材Eと混ざらないようになっており、シェル材Eよりも比重が高くなっている。
【0034】
本実施形態における立体造形物は、コア材Cをコア部Kに充填し、充填したコア材Cを硬化したことで造形される最終的な造形物のことである。
【0035】
本実施形態におけるコア材吐出機構1は、コア材Cを吐出するためのものである。コア材吐出機構1は、図1に示すようにコア材Cを吐出するノズル部材11と、コア材Cを貯留するコア材タンク12と、ノズル部材11とコア材タンク12を接続する配管系13と、配管系13を介してコア材Cをコア材タンク12からノズル部材11に送液するポンプ14により構成される。
【0036】
ノズル部材11は、コア材Cを吐出するためのものである。本実施形態におけるノズル部材11は、鉛直方向(図1におけるZ軸方向)に長く形成されており、この鉛直方向下方におけるノズル部材11の先端からコア材Cが吐出される。なお、ノズル部材11の形状は用途により適宜変更してもよい。
【0037】
そして、ノズル部材11は配管系13によりコア材タンク12と接続されている。コア材タンク12には、コア材Cが貯留されており、この貯留されたコア材Cをポンプ14により配管系13を介してノズル部材11に送液する。これにより、ノズル部材11はコア材Cを吐出することができる。
【0038】
また、コア材吐出機構1は、ノズル部材11を移動させる図示しないノズル駆動機構が設けられている。ノズル駆動機構は、ノズル部材11を図1におけるX、Y、Z軸方向に移動させることができる。これにより、ノズル部材11は所定位置でコア材Cを吐出することができる。
【0039】
本実施形態における造形槽2は、シェル材Eを貯留するためのものである。本実施形態における造形槽2は、図1に示すように天面に開口を有する矩形の箱型形状を有しており、この内部でシェル層Sの造形やコア材Cの吐出が行われる。そして、造形槽2内には、立体造形物を造形する土台となる造形台21が設けられている。さらに、この造形台21を造形槽2内のシェル材Eの液面M(以下、シェル材Eの液面Mと呼ぶ)に対して昇降させる造形台昇降機構(不図示)が設けられている。
【0040】
本実施形態における光線照射機構3は、シェル材Eを硬化させるための光線Lを照射するためのものである。光線照射機構3は、図1および図2(a)に示すように光線Lを照射する光線照射部31と、光線照射部31により照射された光線Lが所定位置に照射されるよう光線Lの方向を調節する走査光学系32により構成される。
【0041】
光線照射部31により照射される光線Lは、たとえば、紫外線レーザー光である。この光線Lを造形槽2内のシェル材Eに照射することで、シェル材Eの液面Mから所定の深さだけシェル材Eが硬化する。また、走査光学系32は、光線照射部31により照射された光線Lを反射できるものであればよい(たとえば、ガルバノミラーやポリゴンミラーなど)。この走査光学系32の傾きを調節することで、光線Lを所定範囲に走査させることができる。これにより、所定位置のシェル材Eを硬化させることができるため、所定の形状のシェル層Sを造形することができる。なお、少なくともシェル層Sの底部は、造形台2上に造形される。
【0042】
以下、本実施形態における立体造形方法について順を追って説明する。なお、本実施形態では、高さHまでシェル層S(図4(b)を参照)を造形し、形成されたコア部Kにコア材Cを充填して立体造形物を造形する例について説明する。
【0043】
まず、図2(a)に示すように光線照射機構3により造形槽2内のシェル材Eに光線Lを照射し、造形台21上にシェル層Sを高さh1だけ造形する。具体的には、造形台昇降機構により造形台21の高さをシェル材Eの液面Mに対して調節しながら光線照射部31により照射した光線Lを走査光学系により走査することで、光線Lを所定位置のシェル材Eに照射し、所定の深さのシェル材Eを硬化させる。このシェル材Eの硬化を繰り返し行うことで、シェル材Eの液面Mから所定の高さ寸法(本実施形態では、高さh1)のシェル層Sを造形する。以下の説明では、高さh1だけ造形したシェル層Sをシェル層Sと呼ぶ。
【0044】
次に、図2(b)に示すようにシェル層Sの上端がシェル材Eの液面Mと少なくとも接触しない位置まで造形台昇降機構により造形台21の高さをシェル材Eの液面Mに対して調節する。これにより、コア部Kにコア材Cを充填してコア部Kがコア材Cにより満たされたとしても、コア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐことができる。
【0045】
次に、図2(b)に示すようにノズル駆動機構によりノズル部材11を移動させ、ノズル部材11をコア部Kに残存するシェル材E中に挿入する。このとき、ノズル部材11の少なくとも先端がシェル材E中に挿入されていればよいが、シェル層Sの底部近傍まで挿入されていることが好ましい。
【0046】
次に、図2(c)に示すように所定位置でノズル部材11の先端からコア材Cを吐出する。ここで、コア材Cの比重がシェル材Eよりも高いため、コア材Cがシェル層Sの底部に向かって沈降していく。そのため、コア部K内に残存するシェル材Eがシェル層Sから溢れていき、コア部K内のシェル材Eがコア材Cに置き換えられる。
【0047】
そして、コア部K内をコア材Cで満たすようノズル部材11によるコア材Cの吐出を繰り返す。このとき、最初に所定位置でノズル部材11により吐出したコア材Cからノズル部材11の少なくとも先端が挿入されている状態を維持しつつ、ノズル部材11を移動させてコア材Cを吐出する。
【0048】
具体的には、図6(a)に示す最初の所定位置でノズル部材11によりコア材Cを吐出後、コア材Cにノズル部材11が挿入された状態を維持しつつ、図6(b)に示すようにノズル駆動機構により所定位置から所定の間隔を空けた位置までノズル部材11を移動させる。ここでいう所定の間隔は、最初に吐出したコア材Cの吐出幅の半分未満であるとよい。この状態で、ノズル部材11によりコア材Cを再度吐出する。そして、コア材Cにノズル部材11が挿入された状態を維持しつつ、図6(c)に示すようにノズル部材11を再度移動させて、ノズル部材11によりコア材Cを再度吐出する。これを繰り返して行うことで、図3(a)に示すようにコア部Kにコア材Cを充填する。
【0049】
これにより、ノズル部材11により吐出したコア材Cが一カ所で溜まらないようにすることができる。具体的には、ノズル部材11により吐出するコア材Cは粘度が高いため、シェル材E内で吐出しても水平方向には拡がりにくくなっている。このコア材Cを一カ所で吐出し続けると水平方向に拡がるよりも鉛直方向に盛り上がる傾向を示し、図8(b)に示すようにコア材Cがシェル材Eの液面Mに到達してしまう。
【0050】
これに対して、前述したように最初の所定位置でノズル部材11によりコア材Cを吐出し、コア材Cにノズル部材11が挿入された状態を維持しつつ、所定位置から所定の間隔を空けた位置までノズル部材11を移動させてコア材Cの再吐出を行う。これにより、ノズル部材11により吐出したコア材Cが水平方向に拡がりやすくなり、一カ所で溜まらないようにすることができる。そのため、コア材Cが鉛直方向に盛り上がらず、コア材Cがシェル材Eの液面Mに到達することを防ぐことができるため、コア材Cがシェル材Eの液面Mで拡散して沈降することを防ぐことができる。したがって、充填したコア材Cにシェル材Eが巻き込まれることを防ぐことが可能となる。
【0051】
また、ノズル部材11を先に吐出したコア材Cから引き抜かずにコア材Cの吐出を繰り返し行うため、ノズル部材11により先に吐出したコア材Cと後に吐出したコア材Cとの間に界面を生じさせることなくコア部Kにコア材Cを充填させることができる。したがって、充填したコア材Cに気泡などの不純物が混入することを防ぐことが可能となる。この方法で、コア部Kに充填したコア材Cをシェル層Sごと造形槽2から取り出し、加熱炉にて加熱して造形された立体造形物は、剛性と強度に方向性がないものになる。
【0052】
なお、前述した最初の所定位置でノズル部材11によりコア材Cを吐出し、コア材Cにノズル部材11が挿入された状態を維持しつつ、所定位置から所定の間隔を空けた位置までノズル部材11を移動させてコア材Cを再度吐出する方法は、少なくともシェル層Sの底部上に一層分のコア材Cが充填されるまで用いればよい。この場合、充填済の一層のコア材Cの所定位置にノズル部材11が挿入された状態で、ノズル部材11を移動させずにコア部Kが満たされるまでコア材Cを再度吐出する。ここで、充填済みの一層のコア材Cに再度吐出されたコア材Cは、一層目のコア材Cになじむように拡がっていくため、コア材Cが一カ所で溜まらないようにすることができる。
【0053】
引き続いて、シェル層Sの高さがHになるよう造形済の高さh1のシェル層S上に高さh2のシェル層Sをさらに造形し、新たに形成されたコア部Kにコア材Cを充填する場合について説明する。
【0054】
まず、図3(b)に示すように造形済のシェル層Sがノズル部材11の先端よりも下方に位置するまで、造形台昇降機構により造形台21をシェル材Eの液面Mに対して下降させて、ノズル部材11をコア部Kからシェル層S外へ退避させる。
【0055】
次に、図3(c)に示すように造形済のシェル層S上に高さh2のシェル層S(以下、シェル層Sと呼ぶ。)をさらに造形する時に邪魔にならないようノズル駆動機構によりノズル部材11を移動させる。このとき、ノズル部材11は造形槽2内のシェル材Eからは引き抜かない。
【0056】
次に、図4(a)に示すように造形済のシェル層S上にシェル層Sを造形することが可能な位置まで、造形台昇降機構により造形台21をシェル材Eの液面Mに対して上昇させる。
【0057】
そして、図4(b)に示すように造形台昇降機構により造形台21の高さをシェル材Eの液面Mに対して調節しながら光線照射機構3によりシェル材Eに光線Lを照射し、造形済のシェル層S上に積層するようシェル層Sを造形していく。これにより、造形済の高さh1のシェル層S上に積層するよう高さh2のシェル層Sがさらに造形される。すなわち、高さがHになるようにシェル層Sが再造形されている。
【0058】
次に、図4(c)に示すように造形済のシェル層Sがノズル部材11の先端よりも下方に位置するまで、造形台昇降機構により造形台21をシェル材Eの液面Mに対して下降させる。
【0059】
次に、図5(a)に示すようにシェル層Sが再造形されたことにより新たに形成されたコア部Kの上方に位置するようノズル駆動機構によりノズル部材11を移動させる。このとき、ノズル部材11は造形槽2内のシェル材Eからは引き抜かない。
【0060】
次に、図5(b)に示すように造形済のシェル層Sの上端がシェル材Eの液面Mの近傍かつシェル材Eの液面Mに接触しない程度に、造形台昇降機構により造形台21をシェル材Eの液面Mに対して上昇させる。これにより、コア部Kにコア材Cを充填してコア部Kがコア材Cにより満たされたとしても、コア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐことができる。ここで、ノズル部材11の少なくとも先端が充填済のコア材Cに挿入されていない場合、ノズル駆動機構によりノズル部材11を移動させてノズル部材11の少なくとも先端を充填済みのコア材Cに挿入する。
【0061】
そして、図5(c)に示すように再造形されたシェル層Sに囲まれたコア部Kにノズル部材11によりコア材Cを吐出して充填する。このとき、ノズル部材11は、充填済のコア材Cに挿入された状態でコア材Cの吐出をしている。
【0062】
これにより、造形済のシェル層S上に積層するようシェル層Sを造形してシェル層Sを再造形する際にノズル部材11をシェル材Eから引き抜かないため、ノズル部材11に付着するコア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐことが可能となる。したがって、コア材Cがシェル材Eの液面Mで拡散して沈降することを防ぎ、充填したコア材Cにシェル材Eが巻き込まれることを防ぐことが可能となる。また、造形済のシェル層S上に積層するようシェル層Sを造形してシェル層Sを再造形する前にノズル部材11をコア部Kからシェル層S外に退避させているため、ノズル部材11をシェル材Eから引き抜かなくてもノズル部材11が邪魔することなく、シェル層Sを再造形することが可能となる。
【0063】
このように、上記実施形態における立体造形方法によれば、コア部Kに充填したコア材Cがシェル材Eの液面Mに到達、およびノズル部材11に付着したコア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐことができる。これにより、コア材Cがシェル材Eの液面Mで拡散して沈降することを防ぐことができる。したがって、充填したコア材C内にシェル材Eが巻き込まれることを防ぐことが可能となる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述したが、各実施形態における構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の追加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。たとえば、上記実施形態では、コア材Cがシェル材Eの液面Mに到達しないための方法について数例説明したが、上記実施形態に記載した方法に限られず、コア材Cがシェル材Eとのみ界面を有する状態を維持しつつ、コア部Kにコア材Cを充填するものであれば構わない。すなわち、コア材Cと空気との間に界面ができないようにコア部Kにコア材Cを充填すればよい。
【0065】
たとえば、図7(a)に示すようにノズル部材11をXY平面上で移動させながらコア材Cをコア部Kに吐出する(以下、スキャン吐出と呼ぶ)場合、図7(b)に示すように先にスキャン吐出したコア材Cからノズル部材11が挿入された状態を維持しつつ、ノズル部材11を移動させてスキャン吐出を再度行ってもよい。そして、この方法でコア部Kがコア材Cで満たされるまで繰り返して行ってもよいし、シェル層Sの底部上に一層だけコア材Cを充填してもよい。これにより、スキャン吐出の場合であっても、ノズル部材11により吐出したコア材Cが一カ所で溜まらないようにすることができる。したがって、コア材Cがシェル材Eの液面Mに到達することを防ぐことができるため、コア材Cがシェル材Eとのみ界面を有する状態を維持しつつ、コア部Kにコア材Cを充填することができる。また、ノズル部材11をコア材Cから引き抜かずにスキャン吐出を繰り返すため、先にスキャン吐出したコア材Cと後にスキャン吐出したコア材Cとの間に界面を生じさせることなくコア部Cにコア材Cを充填させることができる。
【0066】
また、コア材Cを吐出する際にノズル部材11の先端位置をコア部Kの比較的低い位置に位置させる。すなわち、ノズル部材11の先端をシェル層Sの底部に比較的近い位置に位置させる。これに加えて、ノズル部材11によりコア材Cを吐出する速度を低くすることで、吐出されたコア材Cの盛り上がりを軽減することができる。すなわち、コア材Cがシェル材Eの液面Mに到達しにくくなる。
【0067】
また、上記実施形態では、コア部Kがコア材Cにより満たされた際に、コア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐために、コア部Kにコア材Cを充填するまでにシェル層Sの上端がシェル材Eの液面Mに少なくとも接触しない位置まで造形台昇降機構により造形台21の高さを調節する例について説明したが、これに限られない。たとえば、敢えてシェル層Sを高さHよりも高い高さまで造形し、高さHまでコア材Cを充填するとよい。これにより、シェル層Sの上端までコア材Cが充填されることがないため、コア材Cを高さHまで充填したとしてもコア材Cがシェル材Eの液面Mに接触することを防ぐことができる。
【0068】
また、上記実施形態では、高さHのシェル層Sを高さh1のシェル層Sと高さh2のシェル層Sに分割して造形する例について説明したが、シェル層Sを一括で造形してもよい。また、シェル層Sを造形するための分割回数を増やしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、シェル層Sの造形に液槽重合法を適用したものを例に説明したが、これに限られない。たとえば、熱溶解積層方式であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
100 複合材3Dプリンタ
1 コア材吐出機構
11 ノズル部材
12 コア材タンク
13 配管系
14 ポンプ
2 造形槽
21 造形台
3 光線照射機構
31 光線照射部
32 走査光学系
E シェル材
S シェル層
(高さh1の)シェル層
(高さh2の)シェル層
M シェル材の液面
K コア部
C コア材
L 光線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8