(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】モノのインターネット(IOT)エッジ・アプライアンスにおいて分散型システム・アーキテクチャ(DSA)を使用するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241108BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
H04L67/00
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2021162750
(22)【出願日】2021-10-01
(62)【分割の表示】P 2018529959の分割
【原出願日】2016-11-14
【審査請求日】2021-10-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-16
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン,ポール・エフ
(72)【発明者】
【氏名】グラナテリ,デヴィッド・バリー
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】岩間 直純
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0211546(US,A1)
【文献】国際公開第2014/028661(WO,A2)
【文献】国際公開第2010/137066(WO,A1)
【文献】特開2008-152475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンス(160)によって、クラウド・ネットワーク(162)上にある第1デバイス(164)または工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成するための構成信号
を受信するステップ(305)と、
前記IoTエッジ・アプライアンス(160)によって、前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)との通信リンクを構成するステップ(310)であって、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)は、分散型システム・アーキテクチャ(DSA)を含み、前記DSAは、周期的および非同期データ・アクセスが可能に構成されたグローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式を含む、ステップと、
前記IoTエッジ・アプライアンス(160)によって、前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成するための前記構成信号を、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)が有効化することを可能にする
ユーザ名およびパスワードを受け取るステップと、
前記IoTエッジ・アプライアンス(160)によって、前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの前記少なくとも1つとデータを通信するステップ(315)と、
を含み、前記構成信号は、前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)におけるセンサ、アクチュエータ、コントローラ、HMI、およびアプリケーションを含むデバイスとの通信を介して分散型制御システム(DCS)のスケール・アウトを可能にするように、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、
方法。
【請求項2】
前記構成信号は、プラント(101a、101b)間における相互接続を容易にするように、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)に提示されるデータのネームスペースおよびデータ・フォーマットは、均一で
ある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記クラウド・ネットワーク(162)を通じて前記第1デバイス(164)からデータを受信したときに、前記第2デバイス(102a)
のネームスペースおよびデータ・フォーマットによる提示に適するようにデータを構成するステップを更に含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記構成信号は、前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある少なくとも第4デバイス(106)との間における通信を許容するように、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工業用プロセス制御および自動化システムにおけるモノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンス(160)であって、
処理回路(210)を含み、
前記処理回路は、
クラウド・ネットワーク(162)上にある第1デバイス(164)または工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成するための構成信号
を受信し、
前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)との通信リンクを構成し、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)は、分散型システム・アーキテクチャ(DSA)を含み、前記DSAは、周期的および非同期データ・アクセスが可能に構成されたグローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式を含み、
前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成するための前記構成信号を、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)が有効化することを可能にする
ユーザ名およびパスワードを受け取り、
前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの前記少なくとも1つとデータを通信する、
ように構成され、
前記構成信号は、前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)におけるセンサ、アクチュエータ、コントローラ、HMI、およびアプリケーションを含むデバイスとの通信を介して分散型制御システム(DCS)のスケール・アウトを可能にするように、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、
IoTエッジ・アプライアンス(160)。
【請求項7】
前記構成信号は、プラント(101a、101b)間における相互接続を容易にするように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、請求項
6に記載のIoTエッジ・アプライアンス。
【請求項8】
前記構成信号は、前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)のネームスペースおよびデータ・フォーマットを有する均一データを提示するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成
する、請求項
6に記載のIoTエッジ・アプライアンス。
【請求項9】
前記処理回路(210)は、前記クラウド・ネットワーク(162)を通じて前記第1デバイス(164)からデータを受信したときに、前記第2デバイス(102a)
のネームスペースおよびデータ・フォーマットによる提示に適するようにデータを構成する、ように更に構成される、請求項
8に記載のIoTエッジ・アプライアンス。
【請求項10】
1または複数の実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ読み取り可能媒体であって、前記実行可能命令は、1または複数のプロセッサによって実行されると、前記1または複数のプロセッサに、
クラウド・ネットワーク(162)上にある第1デバイス(164)または工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するようにモノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンス(160)を構成するための構成信号
を受信するステップ(305)と、
前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)との通信リンクを構成するステップ(310)であって、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)は、分散型システム・アーキテクチャ(DSA)を含み、前記DSAは、周期的および非同期データ・アクセスが可能に構成されたグローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式を含む、ステップと、
前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの少なくとも1つと通信するように前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成するための前記構成信号を、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)が有効化することを可能にする
ユーザ名およびパスワードを受け取るステップと、
前記クラウド・ネットワーク(162)上にある前記第1デバイス(164)または前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)上にある前記第2デバイス(102a)のうちの前記少なくとも1つとデータを通信するステップ(315)と、
を実行させ、
前記構成信号は、前記クラウド・ネットワーク(162)と前記工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク(104)におけるセンサ、アクチュエータ、コントローラ、HMI、およびアプリケーションを含むデバイスとの通信を介して分散型制御システム(DCS)のスケール・アウトを可能にするように、前記IoTエッジ・アプライアンス(160)を構成する、
非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般的には、分散形システム・アーキテクチャ(DSA)を対象とする。更に特定すれば、本開示は、工業プロセス制御および自動化システムにおいて、DSAにモノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンスを実装することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] DSAは、監視制御データ取得(SCADA)システムおよび分散型制御システム(DCS)をスケール・アウトする(scale out)こと、および長距離にわたって分散
することの双方を可能にする。DSAシステムは、クラウドを通じて、これらのSCADAシステムおよびDCSを安全に動作させるように構成することができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本開示は、工業用プロセス制御および自動化システムにおいてモノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンスを使用するための装置および方法に関する。
[0004] 第1実施形態では、方法を提供する。この方法は、モノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンスによって、クラウド・ネットワークならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワークとの通信リンクを発見するステップを含む。この方法は、IoTエッジ・アプライアンスによって、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイス、または工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク上にある第2デバイスの内少なくとも1つと通信するように、IoTエッジ・アプライアンスを構成する構成信号を受信するステップを含む。この方法は、モノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンスによって、クラウド・ネットワークならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワークとの通信リンクを構成するステップを含む。更に、この方法は、IoTエッジ・アプライアンスによって、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイスまたは工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク上にある第2デバイスの内少なくとも1つとデータを通信するステップを含む。
【0004】
[0005] 第2実施形態では、処理回路を含むIoTエッジ・アプライアンスを提供する。処理回路は、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイスまたは工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク上にある第2デバイスの内少なくとも1つと通信するように、IoTエッジ・アプライアンスを構成する構成信号を受信するように構成される。また、処理回路は、クラウド・ネットワークならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワークとの通信リンクを構成するように構成される。更に、処理回路は、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイスまたは工業用プロセス制御および自動化システム上にある第2デバイスの内少なくとも1つとデータを通信するように構成される。
【0005】
[0006] 第3実施形態では、1つ以上の実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を提供する。1つ以上の実行可能命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、クラウド・ネットワークならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワークとの通信リンクを発見させる。1つ以上の実行可能命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイスまたは工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク上にある第2デバイスの内少なくとも1つと通信するように、IoTエッジ・アプライアンスを構成する構成信号を受信させる。また、1つ以上の実行可
能命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、クラウド・ネットワークならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワークとの通信リンクを構成させる。更に、1つ以上の実行可能命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、クラウド・ネットワーク上にある第1デバイスまたは工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク上にある第2デバイスの内少なくとも1つとデータを通信させる。
【0006】
[0007] 他の技術的特徴は、以下の図、説明、および特許請求の範囲から、当業者には容易に明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0008] これより、本開示の理解を更に完全に近づけるために、添付図面と関連付けて以下の説明を参照する。
【
図1】
図1は、本開示による工業用プロセス制御および自動化システムの一例を示す。
【
図2】
図2は、本開示によるIoTエッジ・アプライアンス一例の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0012] 以下で論ずる図、および本特許文書において本発明の原理を説明するために使用される種々の実施形態は、例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するように解釈しては決してならない。尚、本発明の原理は、任意の型式の適切に構成されたデバイスまたはシステムであればいずれの型式でも実現できることは、当業者には理解されよう。
【0009】
[0013] 分散形システム・アーキテクチャ(DSA)は、SCADAシステムおよびDCSを、スケール・アウトすること、および長距離にわたって分散させることの双方を可能にする。DSAの能力をモノのインターネット(IoT)エッジ・アプライアンスに組み込むことにより、IoTエッジ・アプライアンスは、例えば、アプリケーション、ビッグ・データ・ストレージ、およびDSAの能力を使用する構内デバイス(センサ、アクチュエータ、コントローラ、人-機械インターフェース(HMI)、および現場アプリケーション(on-site application)等)を含むIoTクラウド・ネットワーク間における通信
を可能にすることができる。
【0010】
[0014]
図1は、本開示による工業用プロセス制御および自動化システム100の一例を示す。
図1に示すように、システム100は、少なくとも1つの製品(product)または
その他の材料の生産または処理を容易にする種々のコンポーネントを含む。例えば、システム100は、ここでは、1つまたは複数のプラント101a~101nにおけるコンポーネントに対する制御を容易にするために使用される。各プラント101a~101nは、少なくとも1つの製品またはその他の材料を生産するための1つ以上の製造設備というような、1つ以上の処理設備(またはそれの1つ以上の部分)を表す。一般に、各プラント101a~101nは、1つ以上のプロセスを実装することもあり、個々にまたは纏めてプロセス・システムと呼ぶことができる。プロセス・システムとは、一般に、1つ以上の製品またはその他の材料を何らかの方法で処理するように構成された、任意のシステムまたはその一部を表す。
【0011】
[0015]
図1では、プロセス制御のPurdueモデルを使用して、システム100を実現する。Purdueモデルでは、「レベル0」は1つ以上のセンサ102aおよび1つ以上のアクチュエータ102bを含むことができる。センサ102aおよびアクチュエータ102bは、プロセス・システムにおいて、多種多様の機能の内任意のものを実行することができるコンポーネントを表す。例えば、センサ102aは、温度、圧力、または
流量というような、プロセス・シスステムにおける多種多様な特性を測定することができる。また、アクチュエータ102aは、プロセス・システムにおいて多種多様の特性を変更することができる。センサ102aおよびアクチュエータ102bは、任意の適したプロセス・システムにおける任意の他のコンポーネントまたは追加のコンポーネントを表すこともできる。センサ102aの各々は、プロセス・システムにおいて1つ以上の特性を測定するために、任意の適した構造を含む。アクチュエータ102bの各々は、プロセス・システムにおける1つ以上の状態に対して動作する任意の構造、または1つ以上の状態に作用する(affect)任意の構造を含む。
【0012】
[0016] 少なくとも1つのネットワーク104が、センサ102aおよびアクチュエータ102bに結合されている。ネットワーク104は、センサ102aおよびアクチュエータ102bとの相互作用を容易にする。例えば、ネットワーク104は、測定データをセンサ102aから移送し(transport)、制御信号をアクチュエータ102bに供給する
ことができる。ネットワーク104は、任意の適したネットワークまたはネットワークの組み合わせを表すことができる。特定例として、ネットワーク104は、イーサネット・ネットワーク、電気信号ネットワーク(HARTまたはFOUNDATION FIELDBUSネットワーク等)、空気制御信号ネットワーク、あるいは任意の他の型式または追加の型式(1つまたは複数)のネットワーク(1つまたは複数)を表すことができる。
【0013】
[0017] Purdueモデルでは、「レベル1」は、ネットワーク104に結合された1つ以上のコントローラ106を含むことができる。とりわけ、各コントローラ106は、1つ以上のアクチュエータ102bの動作を制御するために、1つ以上のセンサ102aからの測定値を使用することができる。例えば、コントローラ106は、1つ以上のセンサ102aから測定データを受信し、この測定データを使用して、1つ以上のアクチュエータ102bに制御信号を生成することができる。各コントローラ106は、1つ以上のセンサ102aとインターフェースし、1つ以上のアクチュエータ102bを制御するのに適した任意の構造を含む。各コントローラ106は、例えば、ロバスト多変数予測制御技術(RMPCT)コントローラのような、比例-積分-微分(PID)コントローラまたは多変数コントローラ、あるいはモデル予測制御(MPC)またはその他の高度予測制御(APC)を実現する他の型式のコントローラを表すことができる。特定例として、各コントローラ106は、リアル・タイム・オペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0014】
[0018] 2つのネットワーク108がコントローラ106に結合されている。ネットワーク108は、データをコントローラ106に移送し、更にデータをコントローラ106から移送することによってというようにして、コントローラ106との相互作用を容易にする。ネットワーク108は、任意の適したネットワークまたはネットワークの組み合わせを表すことができる。特定例として、ネットワーク108は、HONEYWELL INTERNATIONAL INCからのFAULT TOLERANT ETHERNET(FTE)ネットワークのような、イーサネット・ネットワークの冗長対を表すことができる。
【0015】
[0019] 少なくとも1つのスイッチ/ファイアウォール110が、ネットワーク108を2つのネットワーク112に結合する。スイッチ/ファイアウォール110は、トラフィックを一方のネットワークから他方に移送することができる。また、スイッチ/ファイアウォール110は、一方のネットワーク上のトラフィックが他方のネットワークに到達するのを阻止することもできる。スイッチ/ファイアウォール110は、HONEYWELL CONTROL FIREWALL(CF9)デバイスのような、ネットワーク間において通信を行うのに適した任意の構造を含む。ネットワーク112は、FTEネットワークのような、任意の適したネットワークを表すことができる。
【0016】
[0020] Purdueモデルでは、「レベル2」は、ネットワーク112に結合された1つ以上の機械レベル・コントローラ114を含むことができる。機械レベル・コントローラ114は、コントローラ106、センサ102a、およびアクチュエータ102bの動作および制御をサポートするために種々の機能を実行し、特定の工業用機器(ボイラまたはその他の機械等)と関連付けることができる。例えば、機械レベル・コントローラ114は、センサ102aからの測定データまたはアクチュエータ102bのための制御信号というような、コントローラ106によって収集または生成された情報を記録する(log)ことができる。また、機械レベル・コントローラ114は、コントローラ106の動作
を制御するアプリケーションを実行することもでき、これによって、アクチュエータ102bの動作を制御する。加えて、機械レベル・コントローラ114はコントローラ106にエッジ・アクセスを付与することができる。機械レベル・コントローラ114の各々は、機械またはその他の個々の機器にアクセスを付与し、制御し、関係する動作を行うのに適した任意の構造を含む。機械レベル・コントローラ114の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するサーバ・コンピューティング・デバイスを表すことができる。図示しないが、プロセス・システムにおける異なる機器を制御するために、異なる機械レベル・コントローラ114を使用することができる(各機器は、1つ以上のコントローラ106、センサ102a、およびアクチュエータ102bと関連付けられる)。
【0017】
[0021] 1つ以上の操作員端末116がネットワーク112に結合されている。操作員端末116は、機械レベル・コントローラ114にユーザ・アクセスを付与するコンピューティング・デバイスまたは通信デバイスを表す。次いで、機械レベル・コントローラ114はユーザ・アクセスをコントローラ106に(そして、場合によってはセンサ102aおよびアクチュエータ102bに)付与することができる。特定例として、操作員端末116は、コントローラ106および/または機械レベル・コントローラ114によって収集された情報を使用して、センサ102aおよびアクチュエータ102bの動作履歴を、ユーザに見直しさせることができる。また、操作員端末116は、センサ102a、アクチュエータ102b、コントローラ106、または機械レベル・コントローラ114の動作を、ユーザに調節させることもできる。加えて、操作員端末116は、コントローラ106または機械レベル・コントローラ114によって生成された警告(warning)、警報(alert)、あるいはその他のメッセージまたは表示を受信し表示することができる。操作員端末116の各々は、システム100における1つ以上のコンポーネントのユーザ・アクセスおよび制御をサポートするのに適した任意の構造を含む。操作員端末116の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0018】
[0022] 少なくとも1つのルータ/ファイアウォール118が、ネットワーク112を2つのネットワーク120に結合する。ルータ/ファイアウォール118は、安全なルータまたは複合ルータ/ファイアウォール(combination router/firewall)というような、
ネットワーク間において通信を行うのに適した任意の構造を含む。ネットワーク120は、FTEネットワークのような、任意の適したネットワークを表すことができる。
【0019】
[0023] Purdueモデルでは、「レベル3」は、ネットワーク120に結合された1つ以上のユニット-レベル・コントローラ(unit-level controller)122を含むこと
ができる。各ユニット-レベル・コントローラ122は、通例、プロセス・システムにおける1つのユニットと関連付けられ、プロセスの少なくとも一部を実現するために一緒に動作する異なる機械の集合体を表す。ユニット-レベル・コントローラ122は、それよりも低いレベルにあるコンポーネントの動作および制御をサポートするために、種々の機能を実行する。例えば、ユニット-レベル・コントローラ122は、それよりも低いレベ
ルにあるコンポーネントによって収集または生成された情報を記録し、それよりも低いレベルにあるコンポーネントを制御するアプリケーションを実行し、それよりも低いレベルにあるコンポーネントに安全なアクセスを付与することができる。ユニット-レベル・コントローラ122の各々は、1つ以上の機械またはプロセス・ユニットにおける他の機器にアクセスを付与し、制御し、関係する動作を行うのに適した任意の構造を含む。ユニット-レベル・コントローラ122の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するサーバ・コンピューティング・デバイスを表すことができる。図示しないが、プロセス・システムにおける異なるユニットを制御するために、異なるユニット-レベル・コントローラ122を使用することができる(各ユニットは、1つ以上の機械-レベル・コントローラ114、コントローラ106、センサ102a、およびアクチュエータ102bと関連付けられる)。
【0020】
[0024] ユニット-レベル・コントローラ122へのアクセスは、1つ以上の操作員端末124によって付与することができる。操作員端末124の各々は、システム100における1つ以上のコンポーネントのユーザ・アクセスおよび制御をサポートするのに適した任意の構造を含む。操作員端末124の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0021】
[0025] 少なくとも1つのルータ/ファイアウォール126が、ネットワーク120を2つのネットワーク128を結合する。ルータ/ファイアウォール126は、安全なルータまたは複合ルータ/ファイアウォールのような、ネットワーク間において通信を行うのに適した任意の構造を含む。ネットワーク128は、FETネットワークのような、任意の適したネットワークを表すことができる。
【0022】
[0026] Purdueモデルでは、「レベル4」は、ネットワーク128に結合された1つ以上のプラント-レベル・コントローラ130を含むことができる。各プラント-レベル・コントローラ130は、通例、プラント101a~101nの1つと関連付けられ、各プラントは、同じプロセス、同様のプロセス、または異なるプロセスを実現する1つ以上のプロセス・ユニットを含むことができる。プラント-レベル・コントローラ130は、それよりも低いレベルにあるコンポーネントの動作および制御をサポートするために、種々の機能を実行する。特定例として、プラント-レベル・コントローラ130は、1つ以上の製造実行システム(MES)アプリケーション、スケジューリング・アプリケーション、あるいはその他のまたは追加のプラントもしくはプロセス制御アプリケーションを実行することができる。プラント-レベル・コントローラ130の各々は、プロセス・プラントにおける1つ以上のプロセス・ユニットにアクセスを付与し、制御を行い、関係する動作を行うのに適した任意の構造を含む。プラント-レベル・コントローラ130の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するサーバ・コンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0023】
[0027] プラント-レベル・コントローラ130へのアクセスは、1つ以上の操作員端末132によって付与することができる。操作員端末132の各々は、システム100における1つ以上のコンポーネントのユーザ・アクセスおよび制御をサポートするのに適した任意の構造を含む。操作員端末132の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0024】
[0028] 少なくとも1つのルータ/ファイアウォール134が、ネットワーク128を1つ以上のネットワーク136に結合する。ルータ/ファイアウォール134は、安全なルータまたは複合ルータ/ファイアウォールのような、ネットワーク間において通信を行
うのに適した任意の構造を含む。ネットワーク136は、企業規模のイーサネットまたはその他のネットワーク、あるいはもっと大きなネットワーク(インターネット等)の全部または一部のような、任意の適したネットワークを表すことができる。
【0025】
[0029] Purdueモデルでは、「レベル5」は、ネットワーク136に結合された1つ以上の企業-レベル・コントローラ138を含むことができる。各企業-レベル・コントローラ138は、通例、複数のプラント101a~101nのための計画業務を実行し、プラント101a~101nの種々の面(aspect)を制御することができる。また、企業-レベル・コントローラ138は、プラント101a~101nにおけるコンポーネントの動作および制御をサポートするために、種々の機能を実行することができる。特定例として、企業-レベル・コントローラ138は、1つ以上の命令処理アプリケーション、企業リソース計画(ERP:enterprise resource planning)アプリケーション、高度計画およびスケジューリング(APS:advanced planning and scheduling)アプリケーション、あるいは任意のその他のまたは追加の企業用制御アプリケーションを実行することができる。企業-レベル・コントローラ138の各々は、1つ以上のプラントにアクセスを付与し、1つ以上のプラントの制御を行い、1つ以上のプラントの制御に関係する動作を行うに適した任意の構造を含む。企業-レベル・コントローラ138の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するサーバ・コンピューティング・デバイスを表すことができる。この文書では、「企業」(enterprise)という用語は、管理すべき1つ以上のプラントまたはその他の処理設備を有する組織を指す。尚、1つのプラント101aを管理しようとする場合、企業-レベル・コントローラ138の機能をプラント-レベル・コントローラ130に組み込むことができることを注記しておく。
【0026】
[0030] 企業-レベル・コントローラ138へのアクセスは、1つ以上の操作員端末140によって付与することができる。操作員端末140の各々は、システム100における1つ以上のコンポーネントのユーザ・アクセスおよび制御をサポートするのに適した任意の構造を含む。操作員端末140の各々は、例えば、MICROSOFT WINDOWSオペレーティング・システムを実行するコンピューティング・デバイスを表すことができる。
【0027】
[0031] Purdueモデルの種々のレベルは、1つ以上のデータベースというような、他のコンポーネントも含むことができる。各レベルと関連付けられたデータベース(1つまたは複数)は、システム100のそのレベルまたは1つ以上の他のレベルに関連する任意の適した情報を格納することができる。例えば、ヒストリアン(historian)141を
ネットワーク136に結合することができる。ヒストリアン141は、システム100についての種々の情報を格納するコンポーネントを表すことができる。ヒストリアン141は、例えば、生産スケジューリングおよび最適化の間に使用された情報を格納することができる。ヒストリアン141は、情報を格納し、情報の検索(retrieval)を容易にするの
に適した任意の構造を表す。ネットワーク136に結合された1つの集中コンポーネントとして示されているが、ヒストリアン141は、システム100におけるいずれの場所にも配置することができ、または複数のヒストリアンをシステム100における異なる場所に分散させることもできる。
【0028】
[0032] 特定実施形態では、
図1における種々のコントローラおよび操作員端末は、コンピューティング・デバイスを表すこともできる。例えば、コントローラ106、114、122、130、138の各々が、1つ以上の処理デバイス142と、処理デバイス(1つまたは複数)142によって使用、生成、または収集された命令およびデータを格納するために1つ以上のメモリ144を含むこともできる。また、コントローラ106、114、122、130、138の各々は、1つ以上のイーサネット・インターフェースま
たはワイヤレス・トランシーバのような、少なくとも1つのネットワーク・インターフェース146も含むことができる。また、操作員端末116、124、132、140の各々も、1つ以上の処理デバイス148と、処理デバイス(1つまたは複数)148によって使用、生成、または収集された命令およびデータを格納するために1つ以上のメモリ150を含むことができる。また、操作員端末116、124、132、140の各々は、1つ以上のイーサネット・インターフェースまたはワイヤレス・トランシーバのような、少なくとも1つのネットワーク・インターフェース152を含むこともできる。
【0029】
[0033] 本開示によれば、システム100はIoTエッジ・アプライアンス160も含む。IoTエッジ・アプライアンス160は、プラント101a~101nおよびネットワーク136を、クラウド・ネットワーク162および1つ以上の操作員端末164と統合する。IoTエッジ・アプライアンス160は、分散形システム・アーキテクチャ(DSA)を含む。分散型システム・アーキテクチャ(DSA)は、例えば、アプリケーション、ビッグ・データ・ストレージ、および構内デバイス(センサ、アクチュエータ、コントローラ、HMI、および現場アプリケーション等)による分析ツール(analytics)を含
むIoTクラウド・ネットワーク間における通信によって、SCADAシステムおよびDCSの双方をスケール・アウトすること、ならびに長距離にわたって分散させることの双方を可能にする。IoTエッジ・アプライアンス160は、プロセス自動化およびSCADAシステムの双方を考慮して構成される。
【0030】
[0034] IoTエッジ・アプライアンス160は、DSAを含む。DSAは、独立したプラットフォームであり、グローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式を含む。グローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式は、警報およびイベントだけでなく、周期的および非同期データ・アクセスも考慮して構成される。また、GDAデータ方式は、データ・コヒーレンシを維持し、ローカル・データに素早くアクセスするように構成される。DSAを含むIoTエッジ・アプライアンス160は、IoTエッジ・アプライアンス160上のインターフェースにローカルに構成することができ、または、一旦システム100内に実装されたなら、パートナー・アプライアンスを認識し、更に集めらる(aggregate)エレメント(タグ名称およびアセット・クラス等)を認識するように、クラウ
ド・ネットワーク162を通じて構成することができる。実施形態では、IoTエッジ・アプライアンス160は、IoTエッジ・アプライアンス160がパートナー・アプライアンスまたはエレメント名を受けたときに、集められるパートナー・アプライアンスおよびエレメント名を単純にIoTエッジ・アプライアンス160に設定する(configure)た
めの「全」デフォルト設定を有することができる。また、IoTエッジ・アプライアンス160は、セキュリティ機能(security features)も含むことができ、この場合、IoT
エッジ・アプライアンス160は、安全性が確認されたユーザ名およびパスワードを用いて(via)特定の操作者によってでなければ構成することができない。例えば、IoTエッ
ジ・アプライアンス160を構成する構成信号を有効化するために、IoTエッジ・アプライアンス160によってユーザ名およびパスワードを受信し、認証する。実施形態では、安全性が確認されたユーザ名およびパスワードは、更に、IoTエッジ・アプライアンス160と通信する指定デバイスにしかアクセスを付与することができない。
【0031】
[0035] IoTエッジ・アプライアンス160は、プロセス自動化に対応する(configured for)。プロセス自動化では、IoTエッジ・アプライアンス160は、余分なコンピュータおよびサーバを必要とせずにDCSのスケール・アウトを可能にし、広域プラント(wide-area plant)の相互接続サービス(interconnectivity)を可能にし、更に一貫したデータ分析のために、集合システムについてのデータをクラウド・ネットワークに対して均一に表示することを可能にする。また、IoTエッジ・アプライアンス160は、SCADAシステムにも対応する。SCADAシステムでは、ローカルな人-機械インターフェース(HMI)および移動サービス(mobility service)、ならびにクラウド・ネットワ
ーク162への集合体の均一な接続の双方のために、IoTエッジ・アプライアンス160は種々の(パイプライン、タンク・ファーム、油田におけるウェル・ヘッド等のような)分散型の解決手段(solution)を通信可能にリンクする。
【0032】
[0036] IoTエッジ・セキュア・ゲートウェイ160は、適した埋め込みリアル・タイム・オペレーティング・システム(OS)に基づくプラットフォームである(LINUXの縮小形態等)。リアル・タイムOS上では、オープン・プロトコルを使用して「ダウンストリーム」接続サービス(connectivity)を構内(on premise)物理デバイスおよびシステムに伝える(deliver)ために、共通プロトコル・マシンが重ねられる(layered)。これらのプロトコルは、イーサネット/IP、OPC UA、ProfiNet、IEC-61850、Modbus/TCP、HART/IP等を含むことができる。また、非イーサネット・ベース・プロトコル(Non-Ethernet based protocol)も、シリアル通信ポート(
Modbus/RTU等)を使用して、実装することができる。これらのダウンストリーム・プロトコルから収集されたデータは、統一抽象化レイヤにマッピングされ、統一抽象化レイヤは、クラウド・レイヤへの情報公開のために、一貫した(consistent)ネームスペースおよび1組のデータ・サービスを提供する。
【0033】
[0037] クラウド・ネットワーク162に対する通信スタックは、OPC UA、ならびに同期および非同期データ公開、警報およびイベント公開、履歴データ転送、ブラインド記録(blind record)または「BLOB」転送等のためのその中核サービスを含む。OPC UAの代わりに、またはこれに加えて、他のクラウド・プロトコルをサポートすることもできる。他のクラウド・プロトコルは、クラウドおよびデータ・アクセス・サービスにおけるイベント・ハブへのイベント・ストリーミングを含む、同様のサービスを有することができる。IoTエッジ・アプライアンス160は、制御システムにおける種々のレイヤに配置することができ、認証に基づく暗号化および証明(certificate)を含むセキュ
リティ機能(security feature)を提供することができる。これらのサービスは、クラウド・ベース接続ならびに構内システムおよびデバイス接続の双方に利用可能である。IoTエッジ・アプライアンス160は、クラウドならびに構内システムおよびデバイス双方(プラント101内にあるデバイス、ならびに企業-レベル・コントローラ138および操作員端末140等)を保護するために、安全なガード・トラフィック・フロー(guard traffic flow)を双方向に提供する。
【0034】
[0038] IoTエッジ・アプライアンス160は、システム100における異なるデバイスに接続することができる。例えば、
図1は、IoTエッジ・アプライアンス160がクラウド・ネットワーク162とネットワーク136との間に位置することを示すが、IoTエッジ・アプライアンス160は、ネットワーク136とルータ/ファイアウォール134との間、ネットワーク128とルータ/ファイアウォール126との間、ネットワーク120とルータ/ファイアウォール118との間、ネットワーク112とスイッチ/ファイアウォール110との間、ネットワーク108とコントローラ106との間、ネットワーク104とセンサ102aとの間、またはネットワーク104とアクチュエータ102bとの間に位置することもできる。また、IoTエッジ・アプライアンス160は、プラント・レベル・コントローラ130とネットワーク128との間、操作員端末132とネットワーク128との間、ユニット・コントローラ122とネットワーク120との間、操作端末(operation station)124とネットワーク120との間、機械コントロー
ラ114とネットワーク112との間、または操作員端末116とネットワーク112との間に位置することもできる。また、IoTエッジ・アプライアンス160は、ネットワーク136とプラント101bとの間、またはネットワーク136とプラント101nとの間に位置することもできる。本明細書において説明するように、システム100内部の異なる位置に、複数のIoTエッジ・アプライアンス160を配置することができる。
【0035】
[0039] 実施形態では、ネットワーク136は、IoTエッジ・アプライアンス160と、企業-レベル・コントローラ138、操作員端末140、ヒストリアン141、または1つ以上のプラント101b~101nの内少なくとも1つとの間における通信を、ワイヤレス通信によって容易にするように構成されたクラウド・ネットワークを表すことができる。
【0036】
[0040]
図1は、工業プロセス制御および自動化システム100の一例を示すが、
図1に対して種々の変更を行うこともできる。例えば、制御および自動化システムは、任意の数のセンサ、アクチュエータ、コントローラ、サーバ、操作員端末、ネットワーク、リスク・マネージャ(risk manager)、およびその他のコンポーネントを含むこともできる。また、
図1におけるシステム100の構成および配置も例示に過ぎない。個々の必要性に応じて、コンポーネントを追加すること、省略すること、組み合わせること、または任意の他の適した構成にする(place)こともできる。更に、特定の機能が、システム100の特
定のコンポーネントによって実行されると説明した。これは例示に過ぎない。一般に、制御および自動化システムは、様々に構成変更可能であり(highly configurable)、個々の
必要性に応じて任意の適した方法で構成することができる。
【0037】
[0041]
図2は、本開示によるIoTエッジ・アプライアンス160の構成例を示す。
図2に示すように、このIoTエッジ・セキュア・ゲートウェイ160は、バス・シス
テム205を含む。バス・システム205は、少なくとも1つの処理デバイス210、少なくとも1つの記憶デバイス215、少なくとも1つの通信ユニット220、および少なくとも1つの入力/出力(I/O)ユニット225間における通信をサポートする。
【0038】
[0042] 処理デバイス210は命令を実行する。命令はメモリ230にロードされて
もよい。処理デバイス210は、任意の適した数(1つまたは複数)および型式(1つまたは複数)のプロセッサまたはその他のデバイスを、任意の適した構成で、含むことができる。処理デバイス210の型式の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、特定用途集積回路、およびディスクリート回路が含まれる。
【0039】
[0043] メモリ230および永続的ストレージ235は、記憶デバイス215の例であり、情報(データ、プログラム・コード、および/またはその他の適した一時的な情報もしくは永続的な情報というような)を格納し、その検索を容易にすることができる任意の構造(1つまたは複数)を表す。メモリ230は、ランダム・アクセス・メモリ、あるいは任意のその他の適した揮発性または不揮発性記憶デバイス(1つまたは複数)を表すことができる。永続的ストレージ235は、リード・オンリ・メモリ、ハード・ドライブ、フラッシュ・メモリ、または光ディスクのような、データの長期格納をサポートする1つ以上のコンポまたはデバイスを含むことができる。
【0040】
[0044] 通信ユニット220は、他のシステムまたはデバイスとの通信をサポートする。例えば、通信ユニット220は、ネットワーク136上の通信を容易にするネットワーク・インターフェース・カードまたはワイヤレス・トランシーバを含むことができる。通信ユニット220は、任意の適した物理またはワイヤレス通信リンク(1つまたは複数)を介した通信をサポートすることができる。
【0041】
[0045] I/Oユニット225は、データの入力および出力を可能にする。例えば、I/Oユニット225は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、または他の適した入力デバイスによるユーザ入力のために、接続を設けることができる。また、I/Oユニット225は、出力をディスプレイ、プリンタ、または他の適した出力デバイスに送ることもできる。
【0042】
[0046]
図2は、IoTエッジ・アプライアンス160の一例を示すが、
図2には種々の変更を行うこともできる。例えば、IoTエッジ・アプライアンス160は、多種多様の構成を取ることができる(come in)。
図2に示すIoTエッジ・アプライアンス160
は、IoTエッジ・アプライアンスの一型式例を示すことを意図しており、本開示を特定の型式のIoTエッジ・アプライアンスに限定するのではない。
【0043】
[0047]
図3は、本開示による方法例300を示す。方法300は、任意の適したデバイスを使用して、任意の適したシステム内において実装することができる。 例えば、以
下で論ずるように、方法300は、本明細書において論じたIoTエッジ・アプライアンス160に実装される。 説明を容易にするために、
図1のシステム100に関して方法
300を説明する。
【0044】
[0048]
図3に示すように、ステップ305において、IoTエッジ・アプライアンス160は、クラウド・ネットワーク162の少なくとも1つのデバイス、または工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク136の少なくとも1つのデバイスとの通信を行うようにIoTエッジ・アプライアンス160を構成する構成信号を受信する。実施形態では、この構成信号は、例えば、追加のコントローラまたは端末によって工業用プロセス制御システムを拡張するように、このIoTエッジ・アプライアンス160を構成する。あるいは、IoTエッジ・アプライアンス160が新たなコントローラまたは端末を発見し、これらを工業用プロセス制御システムに追加することもできる。また、エッジ・アプライアンス160は、いずれの操作員端末であっても均一な視認および制御を可能にするように、広域プラントの相互接続サービス(interconnectivity)も可能にする。
【0045】
[0049] 実施形態では、IoTエッジ・アプライアンス160はSCADAシステムの一部であり、(パイプライン、タンク・ファーム、油田におけるウェル・ヘッド等のような)分散型の解決手段の集合体を制御する。IoTエッジ・アプライアンス160は、ローカルHMIおよび移動サービス、ならびにクラウド・レイヤへの情報公開のための一貫したネームスペースおよび1組のデータ・サービスを提供する。
【0046】
[0050] ステップ310において、IoTエッジ・アプライアンス160は、クラウド・ネットワーク162ならびに工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク136と通信可能にリンクするように構成する。クラウド・ネットワーク162は、第1通信プロトコルを利用し、工業用プロセス制御および自動化システム・ネットワーク136は、第2通信プロトコルを利用する。IoTエッジ・アプライアンス160は、DSAを含む。DSAは、独立したプラットフォームであり、グローバル・データ・アクセス(GDA)データ方式を含む。グローバル・データ・アクセス(GDA)は、警報およびイベントだけでなく、周期的および非同期のデータ・アクセスにも対応する(configured for)。また、GDAデータ方式は、データ・コヒーレンシを維持し、ローカル・データに素早くアクセスするように構成される。
【0047】
[0051] ステップ315において、IoTエッジ・アプライアンス160はネットワーク136またはクラウド・ネットワーク162のデバイスの少なくとも1つと通信する。例えば、IoTエッジ・アプライアンス160は、ネットワーク136またはクラウド・ネットワーク162上のデバイスから信号を受信する、またはこのデバイスに信号を送信する。
【0048】
[0052]
図3は、方法300の一例を示すが、
図3に対して種々の変更を行うこともできる。例えば、一連のステップとして示されているが、
図3に示す種々のステップは、重複すること、並列に実行すること、異なる順序で実行すること、複数回実行することも可
能である。更に、いくつかのステップを組み合わせることまたは削除することもでき、個々の必要性に応じて、追加のステップを追加することもできる。
【0049】
[0053] ある実施形態では、本特許文書において説明した種々の機能が、コンピュータ読み取り可能プログラム・コードで形成され、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたコンピュータ・プログラムによって実現またはサポートされる。「コンピュータ読み取り可能プログラム・コード」という語句は、任意の型式のコンピュータ・コードを含み、ソース・コード、オブジェクト・コード、および実行可能コードを含む。「コンピュータ読み取り可能媒体」という語句は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハード・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD)のような、コンピュータによってアクセス可能な任意の種類の媒体、または任意の他の種類のメモリを含む。「非一時的」コンピュータ読み取り可能媒体は、一時的電気信号またはその他の信号を移送する有線、ワイヤレス、光、またはその他の通信リンクを除外する。非一時的コンピュータ読み取り可能媒体には、データを永続的に格納することができる媒体、および書き換え可能光ディスクまたは消去可能メモリ・デバイスのような、データを格納し後に上書きすることができる媒体が含まれる。
【0050】
[0054] 本特許文書全体において使用した特定の単語および語句の定義を明記することは利点があると考えられる。「アプリケーション」および「プログラム」という用語は、適したコンピュータ・コード(ソース・コード、オブジェクト・コード、または実行可能コードを含む)で実現するために構成された(adapt)1つ以上のコンピュータ・プログラ
ム、ソフトウェア・コンポーネント、命令の集合、手順、関数、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、またはその一部を指す。「通信する」という用語およびその派生語は、直接および間接的な通信双方を含む。「含む」(include)および「備える」(comprise)という用語、ならびにその派生語は、限定のない包含を意味する。「または」と
いう用語は、包含的であり、および/またはを意味する。「と関連する」という語句、およびその派生語は、含む、内部に含まれる、相互接続する、内蔵する、内部に収容される、~にまたは~と接続する、~にまたは~と結合する、~と通信可能である、~と協働する、交互配置する(interleave)、並置する、近接する、~にまたは~と境界を接する、有する、プロパティを有する、~にまたは~と関係を有する等を意味することができる。「少なくとも1つの」という句は、項目のリストと共に使用される場合、羅列された項目の内1つ以上の異なる組み合わせを使用できることを意味し、リストにおける1つの項目だけが必要とされればよい。例えば、「A、B、およびCの内少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、AおよびBおよびCという組み合わせのいずれも含む。
【0051】
[0055] 本願における説明は、いずれの特定のエレメント、ステップ、または機能も、請求項の範囲に含まれなければならない必須のまたは肝要なエレメントであることを含意するというように読解してはならない。特許付与される主題の範囲は、許可された請求項によってのみ定められる。更に、特定の請求項において「ための手段」(means for)また
は「ためのステップ」(step for)という単語そのものが明示的に使用され、機能を識別する分詞句(participle phrase)がその後に続くのでなければ、いずれの請求項も、添付す
る請求項または請求項の要素のいずれに関しても、35U.S.C.§112(f)を援用する(invoke)ことを意図するのではない。「メカニズム」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「エレメント」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、または「コントローラ」というような(しかし、これらに限定されない)用語が請求項において使用される場合、関連技術における当業者には周知であり、請求項自体の特徴によって更に変更または改良された構造を示すことが理解され、そしてそれを意図するのであって、35U.S.C.§112(f)を援用す
る(invoke)ことを意図するのではない。
【0052】
[0056] 本開示は、特定の実施形態および全体的に関連する方法について説明したが、これらの実施形態および方法の改変(alternation)および置換(permutation)は当業者には明白であろう。したがって、実施形態例についての以上の説明は、本開示を定めるのでも、制約するのでもない。更に、以下の特許請求の範囲によって定められる本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、その他の変更(change)、交換(substitution)、および改変も可能である。