(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】チオシクロへプチン誘導体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 337/04 20060101AFI20241108BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C07D337/04 CSP
C07D409/12
(21)【出願番号】P 2021500928
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 NL2019050438
(87)【国際公開番号】W WO2020013696
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-08
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513057382
【氏名又は名称】クリスタル・デリバリー・ビー・ブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーテリングス、ヨセヒュス ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】レイケン、クリスティアンネ ヨハンナ フェルディナント
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0068738(US,A1)
【文献】特表2016-515099(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0201593(US,A1)
【文献】GABRIELA DE ALMEIDA; ET AL,THIACYCLOALKYNES FOR COPPER-FREE CLICK CHEMISTRY,ANGEWANDTE CHEMIE INTERNATIONAL EDITION,2012年03月05日,VOL:51, NR:10,PAGE(S):2443 - 2447,http://dx.doi.org/10.1002/anie.201106325
【文献】Organic Letters,2017年,19(5),p.1096-1099
【文献】Journal of Organometallic Chemistry,1999年,584(1),p.1-10
【文献】LI,L. et al.,Development and applications of the copper-catalyzed azide-alkyne cycloaddition (CuAAC) as a bioorthogonal reaction,Molecules,2016年,Vol.21, No.10,p.1393/1-1393/22
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 337/04
A61K 47/54
A61K 9/16
A61K 47/22
C07D 409/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)で表される化合物。
【化1】
R
1、R
2、R
3およびR
4はメチル基であり、
R
5、R
6、R
7、R
8およびR
10は水素である。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物の、N原子、または、S原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子が、任意のリンカー(L)を介して官能基(Q)に結合して形成され、式(III)で表される化合物。
(式II)-L-Q (III)
(式II)は、請求項1に記載された式
(II)であり、
Lは、存在しないか、または、
S(O
2
)フェニル、コハク酸リンカー、ジアミノPEGスペーサー、アミノ-PEG-ヒドロキシルスペーサー、メチレンフェニルおよびC(O)NHC
2
H
4
SSC
2
H
4
NHC(O)C
3
H
6
から選択され、
Qは
N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、ベンジルアミン、アミン、ヒドロキシル、3-メトキシカルボニル、3-ヒドロキシカルボニル、4-メトキシカルボニル、COOH、および((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニルから選択される。
【請求項3】
前記請求項1に記載の化合物のN原子が、前記任意のリンカー(L)を介して前記官能基(Q)に結合して形成される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(II)の化合物の調製方法であって、
a.ビスヒドラゾン(2)をイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)に変換するステップと、
【化2】
b.得られたイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)を単離するステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
前記変換は、ビスヒドラゾン(2)が酸化剤と反応して硫黄官能基をスルホンイミノ官能基に酸化する酸化反応を含み、
前記変換はさらに、ビスヒドラゾン(2)が酸化剤と反応してヒドラゾン官能基をアルキン官能基に酸化する酸化反応を含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸化反応が2段階反応であり、前記酸化反応は、1つの酸化剤とのワンポット反応である、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化剤はヨードベンゼンジアセテートである、請求項
6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のチオシクロヘプチン誘導体、特にチアシクロアルキンスルホイミン誘導体およびそれらの合成に関する。本発明はまた、リンカー、薬物および薬物送達システム、タンパク質、造影剤、色素、発色団、リガンドなどを含むものなどの様々なカップリング反応における新規チオシクロヘプチン誘導体の使用に関する。本発明はさらに、銅を含まないクリック反応における新規チオシクロヘプチンの使用に関する。本発明はさらに、ナノ粒子、タンパク質、ヒドロゲル、リポソーム、抗体薬物複合体、薬物ポリマー複合体などのような標的化および/または標識送達システムなどの多種多様なシステムの生成における新規チオシクロヘプチン誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
生体直交化学は、生体分子と生理学的プロセスの調査に使用される。生体直交化学は、他の、より従来型の研究ツールまたは医療が利用できない場合、または、不十分な場合に使用される。通常、プロトコルは、細胞または生体内の標的生体分子を生体直交官能基で標識することから始まる。補足的な機能を備えたプローブ分子がシステムに提供され、双直交化学反応により、プローブが対象のターゲットに特異的に送達される。例えば、より簡単な精製のような、速度論的最適化と歩留まり最適化を可能にすることにより、この有用な手法のさらなる開発における重要な要素と見なされている。過去において、アジドとシクロオクチンのひずみ促進環化付加反応は、耐用性の高い生体直交反応として見出された。アジドとシクロオクチンのひずみ促進環過付加反応は、Cuフリー(または銅フリー)クリックケミストリーとも呼ばれ、1970年代のクレブス(Krebs)とキムリング(Kimling)の古典的な研究から示唆された。彼らは、高温でのみアジドとの1,3-双極子付加環化を受ける非活性化線状アルキンとは対照的に、シクロオクチンは室温で同じ基質と容易に反応することを観察した。シクロオクチンの反応性の上昇は、アルキンの結合角の変形に起因する環のひずみに起因していた。
【0003】
アルメイダ(Almeida)らは、長年にわたって開発されてきた、生体直交カップリング反応で使用されているシクロオクチンのグループについて説明している。アルメイダは、シクロオクチン活性に対する環内の硫黄の影響を調査し、いくつかのチオシクロアルキンを合成した。付加環化反応における3,3,6,6-テトラメチルチアシクロヘプチン(TMTH)の反応性は、従前のシクロオクチン化合物よりも速いことが見いだされた。キング(King)らは、臭化ベンジルで硫黄原子を誘導体化した場合にのみ、TMTHの妥当な安定性を説明した(非特許文献1)。さらに、TMTHの他の誘導体を合成することは困難であり、硫黄をさらに誘導体化することは困難であることがわかった。ドマーホルト(Dommerholt)らは、TMTHの安定性が低く、純粋な形で分離できないことを示している(非特許文献2)。リ(Li)らは、TMTHがこれまでに報告された最速のSPAACであることを示した(特許文献3)が、生体直交反応への応用を妨げるラベルを付けることができなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Chem Commun 2102、48、9308
【文献】NATURE COMMUNICATIONS 2014, 5, 5378, Top Curr Chem (Z) 2016, 374:16
【文献】Molecules、2016、21、1393
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アジド、ニトロン、その他の銅フリークリック反応で使用するための1,3双極子との、1,3双極子付加環化反応において、少なくとも同様の反応性を持つ、銅フリークリック反応におけるTMTHの利点を用いた、新規で、容易に入手でき、反応性がある化合物がさらに必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、硫黄含有シクロアルキン、特にチオシクロヘプチンの新規なクラスを発見した。本発明のシクロアルキンは、有線の様々な目的に使用することができる新しいクラスの化合物を形成し、その1つは、それらが銅フリークリックケミストリーにおいて反応性であるということである。
【0007】
第1の態様では、本発明は、式(I)の化合物に関する。
【化1】
nとmは独立して、0、1、または2であり、n+mは2であり、
XはOまたはNR
9であり、
YはNR
10であり、
R
1、R
2、R
3、R
4は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、O、N、PおよびS、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基であり、
前記O、N、PおよびSは更に、独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基と結合し、
前記アルキル基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロアリール基)および(ヘテロ)アリールアルキル基は、独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基により置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルキルオキシ基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、ここでR
11は独立して、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルコキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
R
5、R
6、R
7、R
8は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、O、N、PおよびS、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基であり、
前記O、N、PおよびSは更に、独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基と結合し、
前記アルキル基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基および(ヘテロ)アリールアルキル基は独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から独立して選択される1またはそれ以上の置換基により置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、ここでR
11は、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記R
1とR
7、R
1とR
8、R
2とR
7、R
2とR
8、R
3とR
5、R
3とR
6、R
4とR
5、および/またはR
4とR
6は任意で、独立して、シクロアルキル-、シクロ(ヘテロ)アリール-、シクロアルキル(ヘテロ)アリール、-シクロ(ヘテロ)アリールアルキル系のような縮合環系を形成し、
前記縮合系のアルキル基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子によって中断され、
前記縮合系の、前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基、(ヘテロ)アリールアルキル基は、独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から独立して選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は、任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、
R
11はC
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
R
9、R
10は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R
12、-CH=C(R
12)
2、-C≡CR
12、-[C(R
12)2C(R
12)2O]q-R
12(qは1から200の範囲)、-CN、-N
3、-NCX、-XCN、―XR
12、-N(R
12)
2、-
+N(R
12)
3、-C(X)N(R
12)
2、-C(R
12)
2XR
12、-C(X)R
12、-C(X)XR
12、-S(O)R
12、-S(O)
2R
12、-S(O)OR
12、-S(O)
2OR
12、-S(O)N(R
12)
2、-S(O)
2N(R
12)
2、-OS(O)R
12、-OS(O)
2R
12、-OS(O)OR
12、-OS(O)
2OR
12、-P(O)(R
12)(OR
12)、-P(O)(OR
12)
2、-OP(O)(OR
12)
2、-Si(R
12)
3、-XC(X)R
12、-XC(X)XR
12、-XC(X)N(R
12)
2、-N(R
12)C(X)R
12、-N(R
12)C(X)XR
12および-N(R
12)C(X)N(R
12)
2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R
12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0008】
第2の態様では、本発明は、式(I)の化合物を調製するための方法に関する。この方法は、以下のステップを含む。
a.ビスヒドラゾン(2)をイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)に変換する。
b.得られたイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)を単離する。
【0009】
第3の態様では、本発明は、式(I)の化合物の、Xおよび/もしくはYならびに/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子は、独立して、任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する化合物に関する。
(式(I))-L-Q (III)
連結基(L)は、存在しないか、または、直鎖状または分枝状の、C1~C24アルキレン基、C2~C24アルケニレン基、C2~C24アルキニレン基、C3~C24シクロアルキレン基、C5~C24シクロアルケニレン基、C5~C24シクロアルキニレン基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリーレン基、C7~C24(ヘテロ)アリールアルキレン基、C5~C24(ヘテロ)アリールアルケニレン基、C9~C24(ヘテロ)アリールアルキニレン基から選択され、
前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、(ヘテロ)アリールアルケニレン基および(ヘテロ)アリールアルキニレン基は任意で、独立してC1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C5~C12シクロアルケニル基、C5~C12シクロアルキニル基、C8~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソおよびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、
前記シリル基は式(R11)3Siで表され、R11は上記の通り定義され、
官能基Qは、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R12、-CH=C(R12)2、―C≡CR12、―[C(R12)2C(R12)2O]qR12(qは1から200の範囲である)、-CN、-N3、-NCX、-XCN、-XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、―C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、―C(X)R12、―C(X)XR12、―S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、本発明の式(I)の化合物であって、原子X、Yの位置および/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子の位置で、好ましくはYの位置で、任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する化合物を含む化合物を提供する。
(式(I))-L-Q (III)
ここで、LおよびQは上記のように定義されたとおりである。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、式(I)または(III)の化合物を、1,3-双極子または1,3(ヘテロ)ジエンを含む化合物とカップリングするための方法に関する。好ましくは、ここで1,3―双極子または1,3(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、アジド含有化合物、ニトロンを含む化合物またはニトリルオキシドを含む化合物であり、好ましくはアジド含有化合物である。本発明の化合物とアジドとのカップリングは、典型的にはトリアゾールをもたらす。1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および/または担体を含む。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、本明細書で定義される式(III)の化合物を含む化合物に関し、ここで、官能基Qは、目的の分子、好ましくは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体からなる群から選択される目的の分子と反応する。
【0013】
さらなる態様において、本発明は、ナノ粒子、タンパク質、ヒドロゲル、リポソーム、抗体薬物複合体、薬物ポリマー複合体などのような標的化および/または標識された送達システムなどの多種多様なシステムの調製方法に関する。ここで、式(I)または(III)の(官能化された)化合物はアジドに結合している。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、目的の2つの分子をカップリングするための方法における式(I)または(III)の化合物の使用に関し、より具体的には、銅フリークリック反応を使用して、ナノ粒子、タンパク質、ヒドロゲル、リポソーム、抗体薬物複合体、薬物ポリマー複合体などの標的化および/または標識化された送達システムを薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の内の1またはそれ以上にカップリングする。
【0015】
他の態様は、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の群から選択される、ナノ粒子および活性化合物、を含む構築物の調製方法を含み、ここで、ナノ粒子と活性化合物とのカップリングは、式(I)または(III)の化合物とアジド含有化合物とのカップリングにより、トリアゾール化合物を形成するカップリングを含む。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、目的の2つの分子をカップリングするための方法における本発明の化合物の使用に関し、ここで任意で分子は、独立して、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の中から任意選択される。好ましくは、目的の分子の1つは、本発明によるシクロアルキンを含み、他の目的の分子は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエン、好ましくはアジド、ニトロン含有またはニトリルオキシド、より好ましくはアジド含有化合物である。1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および/または担体を含む。
【0017】
さらなる態様において、本発明は、アルキン基が、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物に結合している、本明細書で定義される式(I)の化合物に関する。ここで、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド含有化合物であり、より好ましくは、アジド含有化合物であり、好ましくは、アジド-アルキンカップリングは、トリアゾール化合物の形成をする。1,3-双極子または1,3(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および/または担体を含む。
【0018】
さらなる態様において、本発明は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物に結合された、本明細書で定義される式(I)の化合物を含む化合物に関する。ここで、式(I)のチオシクロヘプチンのアルキン基は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物に結合している。ここで、好ましくは、1,3-双極子または1,3(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド含有化合物、より好ましくはアジド含有化合物である。そして、アジド-アルキンカップリングは、好ましくは、トリアゾール化合物の形成をもたらす。1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および/または担体を含む。
【0019】
さらなる態様において、本発明は、生体直交性の、任意で銅フリーの、クリック反応における本発明による化合物の使用に関する。好ましくは、本発明の化合物は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエン、好ましくはアジド、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド、より好ましくはアジド含有化合物に結合される。1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および/または担体を含む。
【0020】
さらなる態様において、本発明は、銅フリークリック反応を使用した、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の内の1つ以上とナノ粒子とのカップリングの方法における、本発明の化合物の使用に関する。好ましくは、ナノ粒子は、本発明のシクロアルキン化合物を含むと共に、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、または担体は、1,3-双極子または1,3(ヘテロ)ジエン、好ましくはアジド、ニトロン含有またはニトリルオキシド、より好ましくはアジドを含む。あるいは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、または担体は、本発明のシクロアルキン化合物を含み、ナノ粒子は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエン、好ましくはアジド、ニトロン含有またはニトリルオキシド、より好ましくはアジドを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ビスヒドラゾン2分析データ GCMS:アジレント(Agilent)6890N/カラム:RXi-5MS 20m,内径(ID)180μm,df0.18μm.平均速度50cm/s/キャリアガス:He.初期温度:100℃/初期時間(Initial time):1.5min/溶媒遅延(Solvent delay):1.3min 昇温速度(Rate)75℃/min、最終温度(Final temp):250℃、最終時間(Final time):4.5min、スプリット比(Split ratio)20:1/インジェクター温度(Injector temp):250℃、注入量(Injection volume):1μl.検出:MSD(EI-positive)/検出温度(Det.Temp):280℃/質量範囲(Mass range):50~550.検出器:FID/検出器温度(Detector temp):300℃.
【
図2】ビスヒドラゾン2分析データ ブルカー-バイオスピン社製;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間(Relaxation Delay):1s。溶媒CDCl
3.温度:~298.7411K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図3】[実施例2の化合物]TMTHSI分析データ カラム:ウォーターズXSelect CSH C18(30×2.1mm 3.5μ).流速:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:95%アセトニトリル+5%mM重炭酸アンモニウム水溶液.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.線形勾配:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポスト時間:1.3min.検出:DAD(220-320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000)
【
図4】[実施例2の化合物3]TMTHSI分析データ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~297.5603K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図5】[実施例2の化合物3]TMTHSI分析データ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zgpg30.待ち時間:8s.溶媒:CDCl
3.温度~300.5658K.スキャン数:1024.周波数:100.622829328806MHz.核:13C.
【
図6】[実施例2の化合物3]TMTHSI分析データ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:jモード(jmod).待ち時間:8s.溶媒:CDCl
3.温度:~301.3172K.スキャン数:1024.周波数100.6228298028MHz.核:13C.
【
図7】[実施例3の化合物4]TMTHSI―Suc―NHSの分析データ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18 (30×2.1mm,3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:35℃.溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液.溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220-320nm,210および220nm).検出:PDA(210~400nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲mas:100~1000).検出:ELSD(オルテック(Alltech)3300):ガス流量1.5ml/min,ガス温度:40℃.
【
図8】[実施例3の化合物4]TMTHSI-Suc―NHSの分析データ.ブルカーバイオスピンGmbH:パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.2043K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図9】[実施例3の化合物4]TMTHSI-Suc-NHBnの分析データ カラム:ウォーターズXSelect CSH C18(30×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図10】[実施例3の化合物4]TMTHSI-Suc-NHBnの分析データ ブルカーバイオスピンGmbH:パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.5264K.スキャン数:64.周波数:400.132470966543 MHz.核:1H.
【
図11】[実施例5の化合物6]PoC TMTHSIの分析データ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(30×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:95%アセトニトリル+5%10mM重炭酸アンモニウム水溶液.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A, t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220-320nm,210および220nm)検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg (質量範囲100~1000).
【
図12】[実施例5の化合物6]PoC TMTHSIの分析データ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~297.6677K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図13】[実施例6の化合物9]PoC TMTHSI-Suc-NHBnの分析データ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(30×2.1mm,3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:35℃.溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液.溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~400nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲:100~1000).検出:ELSD(オルテック3300):ガス流量 1.5ml/min.ガス温度:40℃.
【
図14】[実施例6の化合物9]PoC TMTHSI-Suc-NHBnの分析データ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(30×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図15】[実施例6の化合物9]PoC TMTHSI-Suc-NHBnの分析データ ブルカーバイオスピンGmbH:パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.097K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図16】[実施例8の化合物8]TMTHSI―HER2の分析データ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:0.8ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5%A,t=3.5min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:2min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図17A】TMTHSIとBCN―OHの反応速度の比較。TMTHSI(上の曲線)はBCN―OH(下の曲線)よりも大幅に高速である。
【
図18】[実施例11の化合物11]N
1-(2―(2―(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-N
4-(3,3,6,6-テトラメチル―1-オキシド―4,5-ジデヒドロ―2,3,6,7-テトラヒドロ―1λ
6―チエパン―1-イリデン)スクシンアミドのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=3.5min 98% A,t=3min 98% A,ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm)検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100-1000).
【
図19】[実施例11の化合物11]N
1-(2―(2―(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)―N
4-(3,3,6,6-テトラメチル―1-オキシド―4,5-ジデヒドロ―2,3,6,7-テトラヒドロ―1λ
6―チエパン―1-イリデン)スクシンアミドのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3温度:~298.9557K.スキャン数:16.周波数400.132470966543MHz.核:1H.
【
図20】[実施例12の化合物12]2,5-ジオキソピロリジン―1-イル(3,3,6,6-テトラメチル―1-オキシド―4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメートのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図21】[実施例12の化合物12]2,5-ジオキソピロリジン―1-イル(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメートのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.8484K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図22】[実施例14の化合物14]1-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220-320nm,210および220nm).検出:PDA(210-320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100-1000).
【
図23】[実施例14の化合物14]1-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbHパルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~299.7071K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図24】[実施例15の化合物15]:3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸メチルのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100-1000).
【
図25】[実施例15の化合物15]3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸メチルのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl3.温度:~299.8145K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図26】[実施例16の化合物16]3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50x2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図27】[実施例16の化合物16]3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~300.1365K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図28】[実施例17の化合物17]3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H―1λ
6-チエピン1-オキシドのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図29】[実施例17の化合物17]3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H―1λ
6-チエピン1-オキシドのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~300.1365K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図30】[実施例18の化合物18]4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン-2-イル)メチル)安息香酸メチルのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図31】[実施例18の化合物18]4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン-2-イル)メチル)安息香酸メチルのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~299.9218K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図32】[実施例19の化合物19]4-(((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)メチル)安息香酸メチルのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図33】[実施例19の化合物19]4-(((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7―テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)メチル)安息香酸メチルのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~299.9218K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図34】[実施例13の化合物13]2,2,2-トリフルオロ-N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アセトアミドのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A, t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図35】[実施例13の化合物13]2,2,2-トリフルオロ-N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アセトアミド ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~299.1845K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図36】[実施例20の化合物21]tert-ブチル(2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)カルバメートのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm.検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図37】[実施例20の化合物21]tert-ブチル(2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)カルバメートのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~295.7355K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図38】[実施例21の化合物22]2,2-ジメチル-4,13-ジオキソ-3―オキサ―8,9-ジチア―5,12-ジアザヘキサデカン―16-酸のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(30×2.1mm,3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:35℃.溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液.溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~400nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲:100~1000).検出:ELSD(オルテック(Alltech)3300):ガス流量1.5ml/min,ガス温度:40℃.
【
図39】[実施例21の化合物22]2,2-ジメチル-4,13-ジオキソ-3―オキサ―8,9-ジチア―5,12-ジアザヘキサデカン―16-酸のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~295.6282K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図40】[実施例22の化合物]23]4-((2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)-4-オキソブタン酸トリフルオロ酢酸塩のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:MeOD.温度:~298.097K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図41】[実施例23の化合物24]4-オキソ―4-((2―((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタン酸のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図42】[実施例23の化合物24]4-オキソ―4-((2―((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタン酸のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.097K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz核:1H.
【
図43】[実施例24の化合物25]2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエートのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(30×2.1mm,3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:35℃.溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液.溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% 1s.ポストタイム:1.3min.検出DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~400nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲:100~1000).検出:ELSD(オルテック3300):ガス流量1.5ml/min,ガス温度:40℃.
【
図44】[実施例24の化合物25]2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエートのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:CDCl
3.温度:~298.097K.スキャン数:16.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図45】[実施例29の化合物30](S)-15-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)-2,2-ジメチル-4,12-ジオキソ-3,8-ジオキサ-5,11-ジアザヘキサデカン―16-酸のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図46】[実施例29の化合物30](S)-15-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)-2,2-ジメチル-4,12-ジオキソ-3,8-ジオキサ-5,11-ジアザヘキサデカン―16-酸のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:DMSO-d
6.温度:~295.7355K.スキャン数:64.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図47】:[実施例30の化合物31]N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン―6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-L-グルタミンのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:DMSO-d
6.温度:~298.097K.スキャン数:64.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図48】[実施例31の化合物32]N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エトキシ)エチル)-L-グルタミンのLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図49】[実施例31の化合物32]N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エトキシ)エチル)-L-グルタミンのNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:DMSO-d
6.温度:~298.097K.スキャン数:128.周波数:400.132470966543MHz.核:1H.
【
図50】[実施例33化合物34]1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:1ml/min;カラム温度:25℃.溶離液A:アセトニトリル.溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=1.6min 98% A,t=3min 98% A.ポストタイム:1.3min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~320nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲100~1000).
【
図51】[実施例33の化合物34]1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:DMSO-d
6.温度:~297.86K.スキャン数:128.周波数:400.23247158408MHz.核:1H.
【
図52】[実施例34の化合物35]1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素-Cy7付加物ギ酸塩のLCMS、Massデータ カラム:ウォーターズ XSelect CSH C18(50×2.1mm 3.5μ).流量:0.8ml/min;カラム温度:35℃.溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液.溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.Lin.グラジエント:t=0min 5% A,t=3.5min 98% A,t=6min 98% A.ポストタイム:2min.検出:DAD(220~320nm,210および220nm).検出:PDA(210~800nm).検出:MSD ESI pos/neg(質量範囲:100~1000).検出:ELSD(オルテック3300):ガス流量1.5ml/min,ガス温度:40℃.
【
図53】[実施例34の化合物35]1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素-Cy7付加物ギ酸塩のNMRデータ ブルカーバイオスピンGmbH;パルスシーケンス法:zg30.待ち時間:1s.溶媒:MeOD.温度:~296.1649K.スキャン数:64.周波数:400.132470966543MHz核:1H.
【
図54】本発明により生成された1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(TMTHSI)誘導体の概要。
【
図55】反応速度定数値ktを決定するためのTMTHSIとベンジルアジドの反応速度。
【
図56】A)siRNAPLK1オリゴヌクレオチドリファレンス、B)アミノ修飾siRNA PLK1のTMTHSI官能化siRNA PLK1オリゴヌクレオチド(実施例25、化合物26)への完全な変換、C)CPP1-のsiRNA PLK1コンジュゲート(実施例26、化合物27)を生じる、アジド官能化CPP1ペプチドとの反応における、TMTHSI官能化siRNAオリゴヌクレオチドの完全な変換、D)L7-CPP1-siRNA PLK1コンジュゲート(実施例27、化合物28)を生じる、アミン-CPP1-siRNAコンジュゲートとの反応における酸不安定性リンカーNHSエステルの完全な変換、を示すUPLCクロマトグラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[定義]
この明細書および特許請求の範囲およびその活用形で使用される「含む」という動詞は、その単語に続く項目が含まれるが、特に言及されていない項目が除外されないことを意味する非限定的な意味で使用される。さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈が要素の1つだけが存在することを明確に要求しない限り、要素が複数存在する可能性を排除するものではない。したがって、不定冠詞「a」または「an」は通常「少なくとも1つ」を意味する。
【0023】
本明細書および特許請求の範囲に開示される化合物は、チオシクロヘプチン化合物、すなわち、硫黄および三重結合の組み合わせが環構造に存在するシクロヘプチン化合物として記載され得る。シクロヘプチン部分の三重結合は、硫黄に対して、3つの可能な位置のいずれかに位置する可能性がある(「IUPAC有機化学命名法」、規則31.2による番号付け)。この明細書および特許請求の範囲における任意のシクロヘプチン化合物の説明は、シクロヘプチン部分の3つの個々の位置異性体すべてを含むことを意味する。
【0024】
この明細書および特許請求の範囲に開示される化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含み得て、そして異なるジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの化合物が存在し得る。この明細書および特許請求の範囲における任意の化合物の説明には、特に明記しない限り、すべてのジアステレオマー、およびそれらの混合物が含まれることを意味する。さらに、この明細書および特許請求の範囲における任意の化合物の説明は、特に明記しない限り、個々のエナンチオマー、ならびにラセミ体またはその他のエナンチオマーの任意の混合物の両方を含むことを意味する。化合物の構造が特定のエナンチオマーとして描かれている場合、本出願の発明はその特定のエナンチオマーに限定されないことが理解されるべきである。
【0025】
化合物は、さまざまな互変異性体の形態で発生する可能性がある。本発明による化合物は、特に明記しない限り、すべての互変異性形態を含むことを意味する。
【0026】
この明細書および特許請求の範囲に開示される化合物は、エキソおよびエンド位置異性体としてさらに存在し得る。特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲における任意の化合物の説明は、化合物の個々のエキソおよび個々のエンド位置異性体の両方、ならびにそれらの混合物を含むことを意味する。
【0027】
さらに、この明細書および特許請求の範囲に開示されている化合物は、シスおよびトランス異性体として存在し得る。特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲における任意の化合物の説明は、化合物の個々のシスおよび個々のトランス異性体の両方、ならびにそれらの混合物を含むことを意味する。一例として、化合物の構造がシス異性体として示されている場合、対応するトランス異性体またはシスおよびトランス異性体の混合物は、本出願の本発明から除外されないことを理解するべきである。
【0028】
非置換アルキル基は、一般式CnH2n+1を有し、鎖状または分枝状であり得る。非置換アルキル基も環状部分を含み得るため、付随する一般式CnH2n-1を有する。必要に応じて、アルキル基は、この文書でさらに指定されている1つまたは複数の置換基で置換されている。適切なアルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、t-ブチル、1-ヘキシル、1-ドデシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
非置換アルケニル基は、一般式CnH2n-1を有し、鎖状または分枝状であり得る。適切なアルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、デセニル、オクタデセニル、およびエイコセニルなどが含まれるが、これらに限定されない。非置換アルケニル基はまた、環状部分を含み、付随する一般式CnH2n-3を有し得る。
【0030】
非置換アルケンの一般式はCnH2nであるが、非置換アルキンの一般式はCnH2n-2である。
【0031】
アリール基は少なくとも6個の炭素原子を含み、単環式、二環式および多環式構造を含み得る。アリール基は、必要に応じてさらに、この文書において指定される1つ以上の置換基で置換され得る。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラシルなどの基が含まれる。
【0032】
アリールアルキル基およびアルキルアリール基は、少なくとも7個の炭素原子を含み、単環式および二環式構造を含み得る。必要に応じて、アリール基は、この文書でさらに指定される1つまたは複数の置換基で置換され得る。アリールアルキル基は、例えば、ベンジル等である。アルキルアリール基は、例えば、4-t-ブチルフェニル等である。
【0033】
アリール基が(ヘテロ)アリール基として示される場合、その表記は、アリール基およびヘテロアリール基を含むことを意味する。同様に、アルキル(ヘテロ)アリール基は、アルキルアリール基およびアルキルヘテロアリール基を含むことを意味し、(ヘテロ)アリールアルキルは、アリールアルキル基およびヘテロアリールアルキル基を含むことを意味する。
【0034】
ヘテロアリール基は、酸素、リン、窒素および硫黄からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を含む。
【0035】
[化合物]
アルメイダのチオシクロヘプチン化合物を出発点として、本発明者らは、銅フリークリック反応に使用できる改良された化合物を見つけることに着手した。TMTH自体は、固有の不安定性のために、実際の使用には適していないことがわかった(ドマーホルト.Nature Communications 5、記事番号:5378(2014))。直接アルキル化によるTMTH環構造の硫黄の誘導体化は、キングらにより報告されている(Chem.Comm.、2012、9308-9309)。環の張力は、アルキン結合の反応性を妨げるほど、限界を超えて引っ張られてはならないことが、キングによって、すでに観察が行われており、その他の誘導体化は、単純ではないことが説明されている。さらに、誘導体化は、水性条件下での反応に適した化合物(高い反応性)を提供し、その後の用途での生物学的媒体に耐えて適切な生体直交試薬を生成する必要がある。
【0036】
本発明者らは、驚くべきことに、硫黄での他の誘導体化が可能であることを発見した。得られた化合物は、付加環化反応における高い反応性と良好な相対的安定性を兼ね備えている。本発明のスルホンイミン(>S(=O)(=NH))および/またはスルホンジイミン(>S(=NR)2)は、生体直交標識または結合剤(conjugation agents)として使用することができる新しいクラスの化合物である。本発明のスルホンイミンおよび/またはスルホンジイミンは、既知の化学を使用して他の官能基およびリンカーで容易に誘導体化することができ、例えば、生体直交標識、画像化、または標的分子の表面修飾などの修飾のためにさらに官能化することができる。本発明の化合物は、多種多様な生物活性化合物および/または薬物送達システムに結合することができる。
【0037】
キングら(Chem.Comm.、2012、9308~9309)により公開された、TMTHおよびTMTH誘導体は、安定性が低く、それ自体をさらなる合成に使用することはできなかった(リ(Li)、Molecules、2016、21、1393、クレブス、Tet.Lett.、1970、761~764)。しかしながら、本発明によるTMTHSI化合物および誘導体は、合成および単離することができ、塩基性および酸性精製の両方に対して安定であり、したがって、さらなる合成に使用することができる。本発明によるTMTHSIおよびTMTHSI誘導体は、実施例に示されているように、1年以上にわたって貯蔵寿命が延長されることが証明されている。TMTHSIおよびTMTHSI誘導体は、酸性/中性/塩基性の水性環境でアジドと反応させることができ、有機溶媒との組み合わせで反応させることができる。
【0038】
したがって、第1の態様では、本発明は、以下の式(I)化合物に関する。
【化2】
ここで、
nとmは独立して、0、1、または2であり、n+mは2である。
XはOまたはNR
9、YはNR
10であり、
R
1、R
2、R
3、R
4は独立して、水素,ハロゲン(F、Cl、Br、I)、O、N、PおよびS、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、
ここで、
O、N、P、およびSはさらに独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基に結合し、
アルキル基は、O、N、PおよびSからなる基から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって任意に中断され、
ここで、アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基および(ヘテロ)アリールアルキル基は、独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、P、およびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断され、
シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、R
11は独立して、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる基から選択され、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断される。
【0039】
R5、R6、R7、R8は独立して、水素、ハロゲン(F、CL、Br、I)、O、N、PおよびS、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、
O、N、P、およびSは独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキルにさらに結合しており、アルキル基は任意に、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断され、
アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基および(ヘテロ)アリールアルキル基は独立して、任意に、C1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C1~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる基から独立して選択される1またはそれ以上の置換基により置換され、
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、P、およびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断されており、
ここで、シリル基は式(R11)3Si-で表され、R11は独立して、C1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C1~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基およびC3~C12シクロアルキルオキシ基からなる群から選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、P、およびSからなる基から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断されている。
【0040】
R1とR7、R1とR8、R2とR7、R2とR8、R3とR5、R3とR6、R4とR5、および/またはR4とR6は任意で、独立して、シクロアルキル-、シクロ(ヘテロ)アリール-、シクロアルキル(ヘテロ)アリール、-シクロ(ヘテロ)アリールアルキルのような縮合環系を形成し、
縮合系のアルキル基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子によって中断され、
縮合系の、アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基、(ヘテロ)アリールアルキル基は独立して、任意で、C1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基C1~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の基で置換され、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、
アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は、任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
シリル基は式(R11)3Si-で表され、
R11はC1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C1~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基およびC3~C12シクロアルキルオキシ基からなる群から選択され、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断される。
【0041】
R9、R10は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R12,-CH=C(R12)2、-C≡CR12、-[C(R12)2C(R12)2O]q-R12(qは1から200の範囲)、-CN、-N3、-NCX、-XCN、―XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、-C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、-C(X)R12、-C(X)XR12、-S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0042】
好ましい実施形態では、整数nおよびmは両方とも1であり、化合物は式(II)のものである。
【化3】
R
1~R
8、X、Yは、本明細書の他所で定義されているとおりである。好ましくは、アルキンは硫黄(1位)に対して4~5位に位置する。得られたチオシクロヘプチンは、硫黄とアルキン結合を通る対称軸を持つ対称化合物である。シス-トランス異性とキラル(E/Z)の両方を含む既知のBCN化合物と比較すると、現在のTMTHSI化合物はE/Z異性のみを発現するが、さらに同一のままである。クリック反応試薬として本発明の対称チオシクロヘプチンを使用すると、物理化学的または生物学的に変化する挙動を示す可能性のある異性体化合物の混合物の発生が回避される。
【0043】
好ましい実施形態では、XはOである。得られるスルホンイミドは、良好な安定性で正常に調製され、実施例に示されるように正常に誘導体化された。
【0044】
好ましい実施形態では、R10はHであるか、またはアルコール、アミン、エステル、C1-4アルキル、カルボン酸、トリフルオロアセチルおよびN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルからなる基から選択される官能基を含む。
【0045】
好ましい態様においては、R10はHである。結果として生じるS(=O)NH官能基は、安定しており、NH位には、さらなる誘導体化のために良好な反応性を有する。
【0046】
好ましい実施形態においては、R1、R2、R3、R4は独立して、H、ハロゲン(F、CL、Br、I)およびC1~C4アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチル若しくはエチル、または、R1とR2および/またはR3とR4は、C3~C6-シクロアルキル、好ましくはシクロプロピルを形成する。さらに好ましい実施形態において、R1、R2、R3、R4は独立して、C1~C4アルキル、好ましくはメチルまたはエチルからなる群から選択される。
【0047】
さらに好ましい実施形態では、R1、R2、R3、R4は同一であると共に、H、ハロゲンおよびC1-C4アルキルからなる群から選択されるか、または、R1とR2およびR3とR4が、C3~C6-シクロアルキル、好ましくはシクロプロピルを形成する。さらに好ましい実施形態では、R1、R2、R3、R4は同一であると共に、H、C1~C4アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルまたはエチル(好ましくはメチル)であるか、または、R1とR2およびR3とR4はシクロプロピルを形成する。さらに好ましい実施形態においては、R1、R2、R3、R4は同一であると共に、C1~C4アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルまたはエチル、最も好ましくはメチルである。
【0048】
一実施形態においては、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は独立して、H、ハロゲン(F、CL、Br、I)またはC1~C24アルキルであり、好ましくは、独立してHまたは低級アルキル、すなわち、C1~C4アルキル、すなわち、メチル、エチル、プロピルイソプロピル、n-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチルである。特に好ましい実施形態においては、R1~R4は同じ低級アルキルである。より好ましい実施形態では、R1~R4はすべてメチルである。
【0049】
好ましい実施形態においては、R5、R6、R7、R8は独立して、H、ハロゲン(F、CL、Br、I)およびC1~C4アルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R5、R6、R7、R8は同一であり、H、ハロゲン(F、CL、Br、I)およびC1~C4アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルまたはエチルである。より好ましくは、R5、R6、R7、R8は同一であると共に、HおよびC1~C4アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルまたはエチルである。一実施形態では、R5~R8はすべてHである。
【0050】
特に好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、式(III)の1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシドである。
【化4】
【0051】
[合成]
別の態様では、本発明は、本発明の化合物の合成、特に、式(I)の化合物を調製するための方法に関係し、この方法は、以下のステップを含む。
a.ビスヒドラゾン(2)をイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)に変換する。
b.得られたイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)を単離する。
【0052】
合成は、部分的に、アルメイダらによるTMTHの合成に基づいており、TMTH合成の中間生成物としてチオパンジオン1を使用し、本発明においては、次いで、ビスヒドラゾン2からスルホンイミド3への一段階変換がなされる。
【化5】
ジケトン1とビスヒドラゾン2の合成は、文献[Almeida et al]に詳しく説明されている。この合成は、ジケトン1のビスヒドラゾン2への変換から始まる。反応は1またはそれ以上のヒドラジンの存在下で、好ましくは、硫酸ヒドラジンおよび/またはヒドラジン一水和物、好ましくは加圧下で行われる。
【0053】
得られたビスヒドラジン2は、2段階の酸化反応によって、目的化合物3に変換される。変換の1つのステップは、ビスヒドラゾン(2)が酸化剤と反応して硫黄(>S)官能基をスルホンイミノ(>S(=O)(=NR)官能基に酸化する酸化反応(付加)を含む。もう1つの変換のステップは、ビスヒドラゾン(2)を酸化剤と反応させて、(ビス)ヒドラジン(>C=NNH
2)
2官能基をアルキン(-C≡C-)官能基に酸化する酸化反応(除去)である。好ましい実施形態においては、この2段階反応は、好ましくは、同じ酸化剤、好ましくはヨードベンゼンジアセテートを用いて、1段階合成で実施される。
【化6】
【0054】
[リンカーと官能基の結合]
本発明のさらなる態様において、リンカーおよび/または官能基が、本発明の官能化されたチオシクロヘプチンに結合される。したがって、さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物の、Xおよび/もしくはYならびに/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子は、独立して、任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する化合物に関する。
(式(I))-L-Q (III)
【0055】
連結基(L)は、存在しないか、または、直鎖状または分枝状の、C1~C24アルキレン基、C2~C24アルケニレン基、C2~C24アルキニレン基、C3~C24シクロアルキレン基、C5~C24シクロアルケニレン基、C5~C24シクロアルキニレン基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリーレン基、C7~C24(ヘテロ)アリールアルキレン基、C5~C24(ヘテロ)アリールアルケニレン基、C9~C24(ヘテロ)アリールアルキニレン基から選択され、
前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、(ヘテロ)アリールアルケニレン基および(ヘテロ)アリールアルキニレン基は任意で、独立してC1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C5~C12シクロアルケニル基、C5~C12シクロアルキニル基、C8~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソおよびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、 前記シリル基は式(R11)3Siで表され、R11は上記の通り定義される。
【0056】
官能基Qは、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R12、-CH=C(R12)2、―C≡CR12、―[C(R12)2C(R12)2O]qR12(qは1から200の範囲である)、-CN、-N3、-NCX、-XCN、-XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、―C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、―C(X)R12、―C(X)XR12、―S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。好ましくは、R12は水素またはC1~C6アルキルである。
【0057】
任意の連結基(L)と官能基(Q)が、S原子に隣接するチオシクロヘプチン環の原子の1つに結合している場合、R5、R6、R7またはR8の1つが、官能基(Q)に接続された任意の連結基(L)で置換される。任意の連結基(L)と官能基(Q)がそれぞれ、XまたはYに結合されている場合、R9またはR10が、官能基(Q)に結合された任意の連結基(L)で置換される。
【0058】
好ましくは、任意の連結基(L)および官能基(Q)が、XまたはYの1つ、好ましくはY、および/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の原子の1つに結合する。より好ましくは、任意の連結基(L)および官能基(Q)が、XまたはYのうちの1つ、好ましくはYに結合する。
【0059】
一実施形態においては、本発明の式(I)の化合物であって、原子X、Y、好ましくはY原子、の位置および/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子の位置で、好ましくはYの位置で、任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する化合物を含む化合物を提供する。
(式(I))-L-Q (III)
ここで、連結基(L)は存在しないか、または、直鎖状または分枝状の、C1~C24アルキレン基、C2~C24アルケニレン基、C2~C24アルキニレン基、C3~C24シクロアルキレン基、C5~C24シクロアルケニレン基、C5~C24シクロアルキニレン基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリーレン基、C7~C24(ヘテロ)アリールアルキレン基、C5~C24(ヘテロ)アリールアルケニレン基、C9~C24(ヘテロ)アリールアルキニレン基から選択され、
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、(ヘテロ)アリールアルケニレン基および(ヘテロ)アリールアルキニレン基は任意で、C1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C5~C12シクロアルケニル基、C5~C12シクロアルキニル基、C8~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソおよびシリル基、からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され、シリル基は式(R11)3Siで表され、R11は上記の通り定義される。
【0060】
ここで官能基Qは、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R12、-CH=C(R12)2、―C≡CR12、―[C(R12)2C(R12)2O]qR12(qは1から200の範囲である)、-CN、-N3、-NCX、-XCN、-XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、―C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、―C(X)R12、―C(X)XR12、―S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2からなる群から選択され、Xは酸素または硫黄であると共に、R12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0061】
多種多様なリンカーを使用することができ、リンカーの選択は、例えば、本質的に本明細書の他所に開示されるような最終用途に関連して、他の基準に基づくことができる。
【0062】
好ましい実施形態では、Lは存在しないか、または[C(R12)2C(R12)2O]q-R12(qは1から200の範囲である)、-CN、-NCX、-XCN、XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、-C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、-C(X)R12、-C(X)XR12、-S(O)R12、S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12およびN(R12)C(X)N(R12)2から選択され、Xは酸素または硫黄であり、R12は他所で定義されているとおりである。
【0063】
さらに好ましい実施形態では、Lは存在しないか、または、1~25原子、好ましくは1~15原子の長さを有する鎖であり、このましくは、-S(O)2-、-S-、-S-S-、C(O)NH-、-NHC(O)-、-C(O)O-およびフェニレンからなる群から独立して選択される1つ以上、好ましくは1~6の部分を含み、これにより、前記鎖の長さは、原子の最も長い線形鎖内の原子の数によって決定される。前記最長の線状鎖はさらに、O、N、SおよびPなどの1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでもよい。好ましくは、それは1つ以上のO原子をさらに含む。好ましい実施形態では、Lは独立して、-S(O)2-、-S-、-S-S-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C(O)O-およびフェニレンからなる群から選択される1、2、3、4または5の部分を含む。さらに、1~25原子、好ましくは1~15原子の長さの前記鎖は分岐していない、すなわち鎖は、任意に、直鎖に含まれない-S(O)2-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、C(O)O-部分(1または複数)のヘテロ原子を除いて、線形であることが好ましい。
【0064】
一実施形態では、Qは-OR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、-C(O)N(R12)2、-C(O)OR12、-OC(O)R12、-OC(O)OR12、-OC(O)N(R12)2、-N(R12)C(O)R12、-N(R12)C(O)OR12および-N(R12)C(O)N(R12)2からなる群から選択され、ここで、R12は、本明細書の他所で定義されている通りである。
【0065】
好ましい実施形態において、Qは、アルコール、アミン、チオール、カルボン酸エステル、カルボン酸または活性化エステル、ケトン、アルデヒド、ニトリル、マレイミド、アルケン、アルキン、ヘテロ芳香族(heteroaromate)、脱離基およびホスホロアミダイトを含む。特に好ましい実施形態では、Qは、アルコール、アミン、カルボン酸エステル、カルボン酸、またはN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルである。
【0066】
一実施形態では、リンカーLおよび/または官能基Qのカップリングは、チオシクロヘプチンの官能化された硫黄、すなわち、分子のS(=X)(=Y)部分のXおよび/またはYにある。カップリングは官能基との結合であり、任意でリンカーを介して行われる。官能基Qは、目的の任意の分子にリンクする。
【0067】
特定の実施形態において、Qは薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上に連結される。このようなカップリングの化学は十分に開発されており、当業者は適切なカップリング化学的性質を選択して、Qを目的の分子に結合させることができる。
【0068】
[クリック反応]
本発明の化合物のアルキン基は反応性があり、例えば付加環化型反応を使用して官能化することができる。実施形態では、アルキン基は、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物と反応させることができる。特定の実施形態において、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物、またはニトリルオキシド含有化合物である。最も好ましいのは、アジド含有化合物である。実施形態では、アジド含有化合物は、銅フリークリック反応を使用して結合することができる。カップリングにより、トリアゾール型の構造が得られる。
【0069】
本発明の化合物は、官能化硫黄位置およびアルキン官能基に反応性部位を有する二重官能性化合物である。両方の官能化は独立して、1つは任意のリンカー(L)と官能基(Q)を介して、もう1つはクリックケミストリーを介して官能化できる。官能化は独立して、薬物(小分子、遺伝物質など)、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体との結合であり得る。
【0070】
したがって、一実施形態では、官能基Qは、任意でリンカーLを介して、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体の1またはそれ以上に結合される。
【0071】
別の実施形態において、アルキンは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体のうちの1つまたはそれ以上に結合することができる。アルキンのカップリングは、好ましくは、アルキンと、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物との反応を介して行われる。特定の実施形態において、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド含有化合物、より好ましくはアジド含有化合物である。
【0072】
したがって、本発明の化合物は、1,3双極子/1,3-(ヘテロ)ジエン/チアシクロヘプチン誘導体/(リンカー)/官能基を介して、目的の2つの分子/官能基の組み合わせを作成するのに適している。概略的に、本発明のチアシクロヘプチンの適用のこの一般的な原理は、以下の表に示されている。
【0073】
【0074】
使用されるリンカーは、生分解性であり得る、すなわち、最初は安定しているが、時間とともに、または生理学的状況などの特定の状況下で、切断可能となり得る。
【0075】
特定の実施形態においては、ナノ粒子が任意のリンカー/1,3-双極子または1,3ヘテロジエン/チオシクロヘプチン/任意のリンカーを介して、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体から選択された目的の官能基/分子に結合される組み合わせが、好ましい。ナノ粒子自体は、薬物、抗体、タンパク質、ペプチドを含んでもよい。ナノ粒子を本発明のチオシクロヘプチン誘導体にカップリングするために好ましい1,3-双極子または1,3-ヘテロジエンはアジド(N3)である。
【0076】
[ナノ粒子]
ドラッグデリバリーシステムは、製薬科学でますます使用されている。精巧な一連の誘導体化を通じて、薬剤を送達、標的化、監視し、有効性と有効性を高めて患者に提供することができる。ナノ粒子、タンパク質、ヒドロゲル、リポソーム、抗体薬物複合体、薬物ポリマー複合体などのこれらの薬物送達システムの使用は、製薬科学で急速に発展している。
【0077】
製薬科学は、これらのシステムを使用して、薬物の毒性と副作用を軽減し、送達を改善し、有効性のモニタリングに役立つイメージングリガンドを追加している。
【0078】
通常、直径<100nmのナノ粒子は、さまざまな材料から製造されており、インビトロ(invitro)およびインビボ(invivo)の両方の診断、栄養補助食品、および改良された生体適合性材料の製造など、医療での用途が期待されている。ナノ粒子は、特定の目的に合わせてカスタマイズでき、さまざまな材料が利用できる。ほとんどの薬学的に興味深いナノ粒子は、さまざまな形態であり得る(バイオ)ポリマー材料の基礎となっている。原料は、リン脂質、脂質、乳酸、デキストラン、キトサンなどの生物学的起源のものである場合もあれば、さまざまな(共重合)ポリマーのようなより「化学的」特性を持っている場合もある。これらのナノ粒子は、通常、活性成分(薬物、リガンド、イメージングリガンドなど)を接続、カップリング、(共有)結合することによって官能化される。これらのナノ粒子の多くの官能化は、本発明のチオシクロヘプチン誘導体を使用する銅フリークリックケミストリーなどの様々な有線化学によって達成することができる。
【0079】
特定の実施形態では、ナノ粒子は、好ましくは感熱性ブロック共重合体からの自己組織化ポリマーミセルである。特に、部分的にメタクリル化されたオリゴラクテート単位を有するPEG-b-ポリ(N-ヒドロキシアルキルメタクリルアミド-オリゴラクテート)に基づく共重合体が好ましい、しかし、他の(メタ)アクリルアミドエステルを使用して感熱性ブロック、例えば、HPMAm(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)およびHEMAm(ヒドロキシエチルメタクリルアミド)のエステルおよび必要に応じて(オリゴ)乳酸エステル、および、N(メタ)アクリロイルアミノ酸エステル、を構築することもできる。また、好ましい感熱性ブロック共重合体は、HPMAm-乳酸ポリマーなどの誘導体化および非誘導体化メタクリレート基によって修飾、つまり、リンカー部分の組み込みを含むこの変更され得る、官能基を含むモノマーから誘導される。
【0080】
使用できる他のタイプの官能性感熱性(コ)ポリマーは、疎水的に修飾されたポリ(N-ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、反応性官能基を含むモノマー(例えば、酸性アクリルアミドおよびN-アクリロキシスクシンイミド)などの他の部分とのN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)の共重合体組成物、または、ポリ(アルキル)2-オキサザリンなどの類似の共重合体などである。さらに好ましい感熱基は、NIPAAmおよび/またはアルキル-2-オキサキソリンに基づくことができ、これらのモノマーは、(メタ)アクリルアミドまたはヒドロキシル、カルボキシル、アミンまたはスクシンイミド基を含む(メタ)アクリレートなどの反応性官能基を含むモノマーと反応することができる。
【0081】
適切な感熱性ポリマーは、米国特許第7,425,581号明細書および欧州出願公開第1 776 400号公報に記載されている。さらに、国際公開2010/033022号明細書および国際公開2013/002636号明細書に記載されている。
【0082】
国際公開WO2012/039602号明細書には、そのようなポリマーを使用している薬物-ポリマーマトリックス粒子が記載されている。さらに、こく再公開2012/039602号明細書には、これらの既知のポリマーマトリックス粒子で使用することができる生分解性リンカー分子が記載されている。
【0083】
一般的には、上で概説したような感熱性ブロック共重合体に基づくナノ粒子は、アジドアルキン銅フリーカップリングを使用して、本発明の化合物に連結することができる。その例は国際公開2017/086794号明細書に記載されている。
【0084】
したがって、本発明の特定の実施形態では、本発明のチオシクロヘプチン誘導体がアジド含有ナノ粒子に結合されているナノ粒子が調製される。特定の実施形態では、ナノ粒子は、好ましくは感熱性ブロック共重合体からの自己組織化ポリマーミセルである。
【0085】
本発明は任意で、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および担体から独立して選択される、目的の2個の分子をカップリングするためのカップリング方法における、本発明のチオシクロヘプチン誘導体の使用に関する。本発明はさらに、生体直交反応、任意で銅フリークリック反応、における本発明のチオシクロヘプチン誘導体の使用、および、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および担体の内の1またはそれ以上との銅フリークリック反応を使用した、ナノ粒子のカップリングの方法の使用に関する。本発明のアルキン含有化合物とアジドとの間のクリックケミストリーは、特に生分解性ナノ粒子および複合/封入薬剤の調製におけるクリックケミストリーにおいて使用される従来のアルキンと比較して速いため、アジド含有感熱性ポリマーと本発明の化合物とのカップリングは有利である。
【0086】
本発明の特徴は、明快さと簡潔な説明の目的で、同じまたは別個の態様または実施形態の一部として本明細書に記載される。本発明の範囲は、同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載される特徴のすべてまたはいくつかの組み合わせを有する実施形態を含み得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0087】
本発明は、以下の非限定的な実施例により詳細に説明される。
【0088】
[実施例]
図54は、生成された本発明の1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(TMTHSI)誘導体の概要を示す。その合成は以下の実施例に記載されている。
【0089】
TMTHSIのコア構造(実施例2)は、さまざまな方法で機能化できる。
【0090】
実施例2、X=O、Y=N、コアTMTHSI構造、R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0091】
実施例3、X=O、Y=Nは、実施例2にL=コハク酸リンカー(succinic linker)、Q=活性化NHSエステルを追加する。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0092】
実施例5は、実施例3のNHSエステルを、ベンジルアミンとの反応で置換する。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0093】
実施例8(X=O、Y=N)は、実施例3のNHSエステルを、HER2ペプチドとの反応で置換する。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0094】
実施例11(X=O、Y=N)は、実施例3のNHSエステルをジアミノPEGスペーサー(=L)との反応で置換する。Qはアミンである。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0095】
実施例12(X=O、Y=N)
【化7】
R
1~R
4=メチル、R
5~R
8=水素
【0096】
実施例13(X=O、Y=N-トリフルオロアセトアミド、L=リンカーなし、Q=官能性なし)。R1~R4=メチル、R5~R8=水素。この化合物は、α-硫黄置換を目的とする。
【0097】
実施例14(X=O、Y=N)は、実施例12のNHSエステルをアミノ-PEG-ヒドロキシルスペーサー(=L)との反応で置換する。Qはヒドロキシル、R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0098】
実施例15(X=O、Y=N)は、実施例2にL=-S(O2)フェニル、Q=3-メトキシカルボニルが結合したものである。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0099】
実施例16(X=O、Y=N)は、実施例2にL=-S(O2)フェニル、Q=3-ヒドロキシカルボニルが結合したものである。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0100】
実施例17(X=O、Y=N-メチル)、L=リンカーなし。Q=官能性なし。R1~R4=メチル、R5~R8=水素。この化合物は、α-硫黄置換を目的とする。
【0101】
実施例18(X=O、Y=N-メチル)、L=リンカーなし。Q=官能性なし。R1~R4=メチル、R5~R8=1つの水素を、L=メチレンフェニル、Q=4-メトキシカルボニルに置換する。この化合物は、TMTHSIのα-硫黄置換変異体である。
【0102】
実施例19(X=O、Y=N)、実施例2にL=メチレンフェニル、Q=4-メトキシカルボニルが結合したものである。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0103】
実施例23(X=O、Y=N)は、実施例12のNHS部分がシスタミンに基づくアミンリンカーによって置換されたものある。L=-C(O)NHC
2H
4SSC
2H
4NHC(O)C
3H
6、Q=COOH、
【化8】
R
1~R
4=メチル、R
5~R
8=水素
【0104】
実施例24(X=O、Y=N)は、実施例23をNHSエステル活性化したものである。L=-C(O)NHC
2H
4SSC
2H
4NHC(O)C
3H
6-、Q=((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル、C(O)OSu。
【化9】
R
1~R
4=メチル、R
5~R
8=水素
【0105】
実施例25(X=O、Y=N)は、実施例24のNHSエステルを、アミノ-C6官能化siRNAオリゴヌクレオチドと反応させて置換する。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0106】
実施例31(X=O、Y=N)は、実施例12のNHSエステルを、アミノPEG官能化葉酸と反応させて置換する。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0107】
実施例33(X=O、Y=N)は、実施例12のNHSエステルをジアミノPEGスペーサー(=L)と反応させて置換する。Qはアミンである。R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0108】
実施例34(X=O、Y=N)は、実施例33を、Cy7NHSラベルと反応させる。L=ジアミノPEGスペーサー、R1~R4=メチル、R5~R8=水素
【0109】
以下の実施例で調製されたおよび/または
図54に示された構成に加えて、R
1~R
8、Lおよび/またはQについてさらなる変数を有し、当技術分野で知られている反応を使用して、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子または担体などのさらなる目的分子にカップリングするさらなる誘導体を、当業者は、提供することができる。
【0110】
[実施例1:(3,3,6,6-テトラメチルチエパン-4,5ジイリデン)ビス(ヒドラジン)の合成]
【化10】
ガラス製オートクレーブ(300ml)に3,3,6,6-テトラメチルチエパン-4,5-ジオン(6.17g、30.8mmol)、エタノール(2.4ml)およびエチレングリコール(60ml)を入れた。撹拌した混合物に、硫酸ヒドラジン(16.03g、123mmol、4当量)およびヒドラジン一水和物(3ml、61.6mmol、2当量)を加えた。オートクレーブを閉じ、140℃のオイルバスで20時間加熱した。
【0111】
室温まで冷却した後、混合物を水(500ml)とジエチルエーテル(200ml)との間で分配し、綿片で濾過しながら分液漏斗に移して、いくらかの白い固体残渣を除去した(残渣は水にゆっくりと溶解するため、おそらく硫酸ヒドラジンである)。相を分離し、水相をジエチルエーテル(2×100ml)で抽出した。合わせたエーテル相を水(2×75ml)およびブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、5.75gの粗生成物を、濃い黄色の油分として得た。
【0112】
残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ40g;ヘプタン中30%EtOAc)で精製した。生成物画分を合わせて、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルと共蒸発させて、0.9g(12%)の生成物をオフホワイトの固体として得た。
GC/MS(方法A)tR 4.47min,M+=228.
*1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ5.24(s,4H),2.54(d,J=14.4Hz,2H),2.48(d,J=14.4Hz,2H),1.34(s,6H),1.21(s,6H).
【0113】
[実施例2:1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(TMTHSI)の合成]
【化11】
8mlのスクリューキャップバイアルに、(3,3,6,6-テトラメチルチエパン-4,5-ジイリデン)ビス(ヒドラジン)(100mg、0.44mmol)および酢酸アンモニウム(270mg、3.5mmol、8当量)をメタノール(0.4ml)中に入れて懸濁させた。混合物を氷/水で冷却した。ヨードベンゼンジアセテート(494mg、1.53mmol、3.5当量)の、MeOH(0.4ml)とジクロロメタン(0.6ml)の混合物溶液を滴下して加えて、発熱およびガス形成を制御した(反応は、添加される各液滴でガスの発生を示した)。添加が完了した後、混合物を室温で1時間撹拌した。
【0114】
混合物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、ブライン(1ml)で急冷した。有機層をピペットで除去し、相分離器に通した。有機相を相分離器に通し、前の抽出物と組み合わせるたびに、水性残渣をジクロロメタンで抽出(×2)した。有機抽出物を減圧下で濃縮し、生成物が揮発性である可能性があるため蒸発を注意深く監視して、427mgの粗生成物を黄色の油分として得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス(Reveleris)、XSelect;10~50%MeCN水溶液、10mM NH4HCO3、pH=9.5)で精製した。生成物画分を合わせ、ジクロロメタンで抽出(3×)し、各有機抽出物を相分離器に通し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘプタンおよびジエチルエーテルと共蒸発させて、33mg(37%)の結晶性残渣を得た。
LC/MS(SC BASE)tR 1.628min,純度98.1%,質量検出[M+H]+ 200.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.26(d,J=14.1Hz,2H),3.18(d,J=14.1Hz,2H),2.76(s,1H),1.46(s6H),1.30(s,6H).
【0115】
TMTHSIは、保管中に安定していることが証明された。化合物3を、大気圧下で明所および暗所の両方で粉末として保存した。1H-NMR en LC/MS(SC BASE)によって、化合物が10か月の保存後も劣化していないことを証明された。
【0116】
[実施例3:リンカーへのカップリング 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)ブタノエートの合成]
【化12】
ジイソプロピルエチルアミン(266μl、1.52mmol、2当量)を、ジクロロメタン(5ml)中の1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(152mg、0.76mmol)と無水コハク酸(114mg、1.14mmol、1.5当量)の混合物に加え、得られた混合物を室温で20時間撹拌した。
【0117】
反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンに再溶解し、再び減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(5ml)に再溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(220mg、1.91mmol、2.5当量)を加えた。混合物を5分間撹拌し、次にN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(366mg、1.91mmol、2.5当量)のジクロロメタン(0.5ml)懸濁液を、ピペットを介して加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。
【0118】
混合物を2M KHSO4水溶液で冷却し、有機相を相分離器に通した。濾液を減圧下で濃縮して、420mgの粗混合物を泡状物として得た。
【0119】
残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ12g、50~75%EtOAcヘプタン溶液)によって精製し、生成物画分をプールし、減圧下で濃縮して、141mg(46%)の生成物を白色固体として得た。
LC/MS(SC_ACID)tR 1.84min,純度85%,質量検出[M+H]+397.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.79(d,J=14.1Hz,2H),3.63(d,J=14.2Hz,2H),2.97-2.90(m,2H),2.88-2.81(m,4H),2.79-2.71(m,2H),1.55(s,6H),1.28(s,6H).
【0120】
[実施例4:リンカーへの結合。N
1-ベンジル-N
4-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6チエピン-1-イリデン)スクシンアミドの合成]
【化13】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((3,3,6,6-テトラメチル-1オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)ブタノエート(15.8mg、0.040mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液に、ベンジルアミン(8.71μl、0.080mmol、2当量)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。次に、反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、12g;70~100%EtOAcヘプタン溶液)で精製し、生成物画分を合わせて減圧下で濃縮し、LC/MSで純度約83%の生成物13.1mgを得た。
【0121】
材料を分取RP-MPLC(Reveleris、XSelect;20-60%MeCN水溶液、10mM NH4HCO3、pH=9.5)で精製し、生成物画分をプールし、減圧下で濃縮して、6.2mg(40%)の白い固体として表題の化合物を得た。
LC/MS(SC BASE)tR2.01min,純度96.8%,質量検出(mass found)[M+H]+389.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.36-7.22(m,5H),6.25(s,1H),4.44(d,J=5.7Hz,2H)3.60(d,J=14.1Hz,2H),3.53(d,J=14.1Hz,2H),2.73(dd,J=6.8,6.2Hz,2H),2.52(dd,J=6.6,6.4Hz,2H),1.49(s,6H),1.24(s,6H).
【0122】
[実施例5:クリック反応 1-ベンジル-6-イミノ-4,4,8,8-テトラメチル-1,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-6λ
4-チエピノ[4,5-d][1,2,3]トリアゾール6-オキシドの合成]
【化14】
LC/MS:
1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(5mg、0.025mmol)を、LC/MSバイアルに充てんし、それからMeCN(1ml)に溶解し、ベンジルアジドを加え、反応混合物をLC/MSで分析した。LC/MS分析は、出発物質の完全な消失と、未反応のベンジルアジドとの混合物としての生成物の形成を示した。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.728min,純度64%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 333.
【0123】
1H-NMR:
1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ6チエピン1-オキシド(5mg、0.025mmol)を、CDCl3(0.6ml)に溶解し、それからベンジルアジドを加えた。1H-NMRは、約15分の反応時間後に記録された。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.40-7.29(m,3H),7.06-7.01(m,2H),5.73(s,2H),3.45(d,J=8.9Hz,4H),2.69(s,1H),1.70(d,J=2.1Hz,6H),1.44(d,J=2.7Hz,6H).
【0124】
出発物質の全消費、~35mol%の過剰のベンジルアジドが存在する。
【0125】
[実施例6:クリック反応 N
1-ベンジル-N
4-(1-ベンジル-4,4,8,8-テトラメチル-6-オキシド-4,5,7,8-テトラヒドロ-1H-6λ
4-チエピノ[4,5d][1,2,3]トリアゾール-6-イリデン)スクシンアミドの合成]
【化15】
CDCl
3に溶解したN
1-ベンジル-N
4-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スクシンアミド(4.6mg、12μmol)を含むNMRチューブに、ベンジルアジドのCDCl
3溶液(10vol%、15.5μl、1.05当量)を加えた。混合物を振とうし、約5分の反応時間後に
1H-NMR分析を行った。
1H NMR(400MHz,クロロホルム―d)δ7.43-7.27(m,8H),7.06-7.00(m,2H),6.18(s,1H),5.72(s,2H),4.42(d,J=5.8Hz,2H),3.96(d,J=15.5Hz,1H),3.82(d,J=15.0Hz,1H),3.70(d,J=15.3Hz,1H),3.57(d,J=15.1Hz,1H),2.74-2.67(m,2H),2.49(t,J=6.7Hz,2H)1.70(s,3H),1.67(s,3H),1.44(s,3H),1.36(s,3H).
【0126】
混合物を濃縮乾固し、残渣をLC/MSで分析した。
【0127】
LC/MS(SC_BASE)は、ターゲット質量(tR 1.947min、純度75%、[M+H]+522)で生成物のピークを示した。
【0128】
LC/MS(SC_ACID)は、ターゲット質量([M+H]+522)で2つの生成物のピーク[resp.tR 1.90(57%)および1.94min(23%)]を示した。
【0129】
[実施例7:TMTHSI含有リンカーのHER2-ペプチドへのカップリング TMTHSI-スクシニル-Fcycl[CGDGFYAC]YMDVの調製]
【化16】
8mlのスクリューキャップバイアルにFcycl[CGDGFYAC]YMDV(20mg、13μmol)を入れ、DMSO(1ml)に溶解した。2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)ブタノエート(6.5mg、14μmol、1.04当量)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(13μl、75μmol、5.6当量)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を分取RP-MPLC(リベラリス(Reveleris))、LUNA-C18、20~60%MeCN水溶液、0.1%ギ酸)で直接精製し、生成物画分をプールして凍結乾燥し、16.6mg(69%)の生成物を得た。
LC/MS(AN BASE M1800)t
R2.57min,純度96%,質量検出(mass found)[M-H]
-1768,[M-2H]
2-883.
【0130】
[分析方法]
[GC/MS分析方法]
[方法A]
機器:GC:アジレント(Agilent)6890N,FID:検出温度:300℃、および、MS:5973 MSD,EI-ポジティブ,検出温度:280℃ 質量範囲:50~550;カラム:RXi5-MS 20m,ID 180μm,df 0.18μm;平均速度:50cm/s;注入容積:1μl;注入器温度:250℃;分割比率(Split ratio):20/1;キャアリアガス:He;初期温度(Initial temp):100℃;初期時間(Initial time):1.5min;溶媒遅延(Solvent delay):1.3min;昇温速度)(rate):75℃/min;最終温度(Final temp)250℃;最終時間(Final time)2.5min.
【0131】
[LC/MS測定方法]
[SC_ACID]
装置:アジレント1260バイナリポンプ:G1312B,脱ガス装置;オートサンプラー,コルコム(ColCom),DAD:アジレントG1315D,220~320nm,MSD:アジレントLC/MSD G6130B ESI,pos/neg 100~1000,ELSD Alltech 3300 ガス流量 (gas flow)1.5ml/min,ガス温度:40℃;カラム:ウォーターズ(Waters)XSelect(商標)C18,30×2.1mm,3.5μ,温度:35℃,流量:1mL/min,グラジエント:t0=5% A,t1.6min=98% A,t3min=98% A,ポストタイム:1.3min,溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液,溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.
【0132】
[SC BASE]
装置:アジレント1260 バイナリポンプ:G1312B,脱ガス装置;オートサンプラー,コルコム,DAD:アジレントG1315C,220-320nm,MSD:アジレントLC/MSD G6130B ESI,pos/neg 100~1000;カラム:ウォーターズXSelect(商標)CSH C18,30×2.1mm,3.5μ,温度:25℃,流量:1mL/min,グラジエント:t0=5% A,t1.6min=98% A,t3min=98% A,ポストタイム1.3min,溶離液A:アセトニトリル,溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液(pH=9.5).
【0133】
[AN BASE_M1800]
装置:アジレント1260バイナリポンプ:G1312B,脱ガス装置;オートサンプラー,コルコム(ColCom),DAD:アジレントG1315C,220-320nm,MSD:アジレントLC/MSD G6130B ESI,pos/neg 800~1800;カラム:ウォーターズ XSelect(商標)CSH C18,50×2.1mm,3.5μ,温度:25℃,流量:0.8mL/min,グラジエント:t0=5% A,t3.5min=98% A,t6min=98% A,ポストタイム:2min,溶離液A:アセトニトリル,溶離液B:10mM重炭酸アンモニウム水溶液(pH=9.5).
【0134】
[1H-NMR]
すべての1H-NMRスペクトルは、溶媒としてCDCl3またはDMSO-d6を使用して、ブルカー(Bruker)Avance-400ウルトラシールドNMR分光計で記録され、内部標準としてTMS(0.00ppm)を使用してppmで報告される。
【0135】
[実施例8:TMTHSI含有リンカーHER2-ペプチドのアジド含有ナノ粒子(CriPec)へのカップリング]
【化17】
HER2ペプチドで標識されたコア架橋高分子ミセルは、HER2ペプチドを高分子ミセルシェルの表面にコンジュゲーションさせることによって生成され、ターゲティング研究に使用された。クリックケミストリーによるHER2ペプチドコンジュゲーションを可能にするために、アジド官能化高分子ミセルは、基本的に報告されたプロトコル[フ(Hu)ら Biomaterials.2015;53:370-8]に従って製造された。ただし、アジド官能化ブロック共重合体の一部(7.5kDa、10mol%架橋剤L2[1]で誘導体化、全ブロック共重合体の5w%)を(95w%)非官能化ブロック共重合体(7.5kDa、10mol%架橋剤L2[Biomaterials.2015;53:370-8]で誘導体化、全ブロック共重合体の95w%)の次に添加したことは上記プロトコルと異なる。これらの2つのブロック共重合体は、アジド-PEG
5000-OHから合成された前者(アジド-PEG
5000)
2-ABCPA開始剤が代わりに使用されたことを除いて、同じ手順に従って合成された。次に、得られたアジド官能化高分子ミセルを、130mM NaClを含む20mM酢酸アンモニウムpH5緩衝液で精製し、緩衝液を130mM NaClを含む20mMリン酸ナトリウムpH7.4緩衝液に交換し、改良型ポリエーテルスルホン(mPES)100kDaモジュール(Spectrumlabs)を備えたタンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)を使用して、約30mg/mL高分子当量に濃縮した。次に、HER2ペプチドを、以下の手法を使用して、銅フリークリック化学を介して、濃縮されたアジド官能化コア架橋高分子ミセルにコンジュゲーションした。
【0136】
室温(RT)で、ACN(86μL)を200μLのアジド官能化修飾コア架橋高分子ミセル(0.4μmolアジド当量)に、アンバー色のUPLCバイアル内で攪拌(300rpm)しながら添加した。放熱した後、HER2ペプチド(1.0当量、0.4μmol、86μL、Mercachem)を反応混合物に滴下した。コンジュゲーション反応の進行をUPLC-UVで24時間モニターした後、反応を停止した。UPLCに基づいて、HER2ペプチドの変換率は43%であると決定された。これは、2.2%のHER2ペプチドで標識されたコア架橋高分子ミセルに相当する。コンジュゲーション反応後、HER2ペプチド標識高分子ミセルをTFFにより10v%エタノールに対して精製し、未反応のHER2ペプチドを除去した。
【0137】
[実施例9:酸性pH下におけるTMTHSI含有リンカーHER2-ペプチドのアジド含有ナノ粒子(CriPec)へのカップリング]
クリックケミストリーによるHER2ペプチドコンジュゲーションを可能にするために、アジド官能化高分子ミセルを、基本的に報告されたプロトコル[フ(Hu)ら Biomaterials 2015;53:370-8]に従って製造した。ただし、アジド官能化ブロック共重合体(7.5kDa、ブロック共重合体総量の5w%を10mol%架橋剤L2[1]で誘導体化)の一部を、(95w%)非官能化ブロック共重合体(7.5kDa、ブロック共重合体の総量の95w%を10mol%の架橋剤L2で誘導体化[Biomaterials.2015;53:370-8)]の次に添加した。これらの2つのブロック共重合体を、アジド-PEG5000-OHから合成された前者(アジド-PEG5000)2-ABCPA開始剤が代わりに使用されたことを除いて、同じ手順に従って合成した。次に、得られたアジド官能化高分子ミセルを、130mM NaClを含む20mM酢酸アンモニウムpH5バッファーで精製し、改良型ポリエーテルスルホン(mPES)100kDaモジュール(spectrumlabs)を備えたタンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)を使用して、約60mg/mL高分子当量に濃縮した。次に、HER2ペプチドを、以下の手法を使用して、銅フリークリック化学を介して、濃縮されたアジド官能化コア架橋高分子ミセルにコンジュゲーションした。
【0138】
室温(RT)でpH5の150mM酢酸アンモニウム(130μL)を1500μLのアジド官能化修飾コア架橋高分子ミセル(0.57μmolアジド当量)に、アンバー色のUPLCバイアル内で攪拌(300rpm)しながら添加した。放熱した後、HER2ペプチド(5.0当量、2.85μmol、842μL 2mg/ml HER2-TMTHストック溶液)を反応混合物に滴下した。コンジュゲーション反応の進行をUPLC-UVで24時間モニターした後、反応を停止した。UPLCに基づいて、HER2ペプチドの変換率は23%であると決定された。これは、5%のHER2ペプチドで標識されたコア架橋高分子ミセルに相当する。コンジュゲーション反応後、HER2ペプチド標識高分子ミセルを、TFFにより10v%エタノールに対して精製し、未反応のHER2ペプチドを除去した。
【0139】
[実施例10:TMTHSIとBCNOHおよびベンジルアジド間のモデルクリック反応の反応速度の比較]
アルキン(TMTSHIまたはBCN-OH)を1.3当量のベンジルアジドと反応させ、NMR(CDCl
3)を使用して反応速度を測定した。ベンジルアジドによるTMTHSIの変換は225秒後に79%に達し、BCN-OHとの反応は約40倍長くかかった(9312秒)。反応転化率(%)は、トリアゾールシグナルに基づいて計算され、反応終了時のトリアゾールシグナルの平坦域を100%レベル=すべてのTMTHSIまたはBCN-OHがベンジルアジドと完全に反応したときとする。測定結果は
図17Aに含まれている。TMTHSI(上の曲線)はBCN-PH(下の曲線)よりも大幅に高速である。TMTHSIの測定の拡大したものを
図17Bに示す。
【0140】
[実施例11:N
1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-N
4(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)スクシンアミドの合成]
【化18】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)ブタノエート(89mg、0.22mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液を、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン(131μl、0.90mmol、4当量)のジクロロメタン(5ml)溶液に5分かけて滴下して加えた。添加が完了した後、混合物を室温で15分間撹拌した。次に、混合物を飽和NH
4Cl水溶液(5ml)で冷却し、有機相を相分離器にピペットで移した。有機相を相分離器にピペットで移すたびに、水性残渣をジクロロメタンで抽出(2×)した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、47.7mgの粗生成物を得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス、XSelect 10~50%MeCN水溶液、10mM NH
4HCO
3、pH=9.5)で精製し、生成物画分を合わせて減圧下で約15mlに濃縮し、50ml丸底フラスコに移して凍結乾燥し、26mg(27%)の生成物を白色の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.77min,純度99%,質量検出(mass found)[M+H]
+430.
図18
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.73(t,J=5.4Hz,1H),3.68(d,J=14.1Hz,2H),3.63(s,4H),3.59(d,J=10.3Hz,2H),3.57-3.52(m,4H),3.45(q,J=5.3Hz,2H),2.90(t,J=5.1Hz,2H),2.69(t,J=6.9Hz,2H),2.48(t,J=6.9Hz,2H),2.16(bs,2H),1.51(s,6H),1.27(s,6H).
【0141】
[実施例12:2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(3,3,6,6テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメートの合成]
【化19】
8mlのスクリューキャップバイアルにN,N’-ジスクシンイミジルカーボネート(52mg、0.20mmol、2当量)を入れ、アセトニトリル(2ml)に溶解した。これに対して、1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(20mg、0.1mmol)のアセトニトリル(1ml)溶液を、シリンジを使用して滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をジエチルエーテル(15ml)と酢酸エチル(15ml)の混合物で希釈し、水で冷却した。有機層を再び水で洗浄し、続いてブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、117mgの粗生成物を白色の固体として得た。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、4g;20~50%EtOAcヘプタン溶液)で精製し、生成物画分を合わせ、減圧下で濃縮して、49mg(43%)の生成物を白色の綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.97min,純度95%,質量検出(mass found)[M+Na]
+ 363,[2M+Na]
+ 703.
1H NMR (400MHz,クロロホルム-d)δ3.92(d,J=14.2Hz,2H),3.45(d,J=14.2Hz,2H),2.80(s,4H),1.52(s,6H),1.29(s,6H).
【0142】
TMTHSIは、保存中に安定していることが証明された。化合物12を、大気圧下で明所および暗所の両方で粉末として保存した。1H-NMR en LC /MS(SC BASE)により、4か月の保存後も化合物が劣化していないことを証明した。
【0143】
[実施例13:2,2,2-トリフルオロ-N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アセトアミドの合成]
【化20】
8mlのスクリューキャップバイアルにTMTHSI(50mg、0.25mmol)を入れ、材料をアセトニトリル(2ml)に溶解した。K
2CO
3(69mg、0.50mmol、2当量)を加え、続いて無水トリフルオロ酢酸(38μl、0.27mmol、1.1当量)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、水で洗浄(2×)した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、56mgの粗生成物を白色固体として得た。
【0144】
残渣を分取RP-MPLC(リベラリス Prep、LUNA C18、20~60%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、35mg(47%)の生成物を白色固体として得た。
LC/MS(SC BASE)tR 2.18min,純度99.0%,質量検出(mass found)[M+H]+296.
1H NMR(400MHz,クロロホルム―d)δ3.86(d,J=14.1Hz,2H),3.66(d,J=14.1Hz,2H),1.57(s,6H),1.33(s,6H).
【0145】
【化21】
[実施例14:1-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1γ
6-チエピン-1-イリデン)尿素の合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに2-(2-アミノ-エトキシ)エタノール(29μl、0.29ミリモル、2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(63μl、0.36ミリモル、2.5当量)を入れ、ジクロロメタン(2ml)に溶解した。2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメート(49mg、0.14mmol)のジクロロメタン(1ml)懸濁液を、ピペットを介してゆっくりと加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出(3×)し、各有機相を相分離器で濾過した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮して、43mgの粗生成物を得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス、XSelect 10~50%MeCN水溶液、10mM NH
4HCO
3、pH=9.5)で精製し、生成物の分画を合わせて凍結乾燥し、12mg(25%)の生成物を綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.73min,純度94%,質量検出(mass found)[M+H]
+331.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ5.41-5.30(m,1H),3.84-3.75(m,2H),3.75-3.70(m,2H),3.60-3.53(m,4H),3.48(d,J=14.1Hz,2H),3.43-3.34(m,2H),1.49(s,6H),1.27(s,6H).
【0146】
【化22】
[実施例15:3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸メチルの合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに、1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(57mg、0.28mmol)を充てんし、ジクロロメタン(1.5ml)に溶解し、ピリジン(50μl、0.62mmol、2.16当量)を加え、混合物を15分間撹拌した。3-(クロロスルホニル)安息香酸メチル(81mg、0.34mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を0.1N HCl水溶液(15ml)で冷却し、そしてジクロロメタンで抽出(3×)し、各有機抽出物を相分離器で濾過した。合わせた抽出物を減圧下で濃縮して、100mgの粗生成物を油性残渣として得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス、LUNA-C18、30~70%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、39mg(34%)の生成物を白色の綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 2.16min,純度100%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 398.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.65-8.61(m,1H),8.21(d,J=7.8Hz,1H),8.17(d,J=7.9Hz,1H),7.58(t,J=7.8Hz,1H),4.08(d,J=14.3Hz,2H),3.95(s,3H),3.41(d,J=14.2Hz,2H),1.49(s,6H),1.28(s,6H).
【0147】
【化23】
[実施例16:3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸の合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに3-(N-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)スルファモイル)安息香酸エステル(29mg、73μmol)を入れ、その原料をTHF(0.5ml)に溶解した。LiOH・H
2O(7mg、167μmol、2.3当量)の水溶液(0.5ml)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を分取Rp-MPLC(リベラリス、LUNA-C18、水中30~70%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、26mg(93%)の生成物を白色の綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.70min,純度98%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 384.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.70(t,J=1.8z,1H),8.26(d,J=7.7Hz,1H),8.22(d,J=7.8Hz,1H),7.62(t,J=7.8Hz,1H),4.10(d,J=14.3Hz,2H),3.42(d,J=14.2Hz,2H),1.49(s,6H),1.29(s,6H).
【0148】
【化24】
[実施例17:3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシドの合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ6-チエピン1-オキシド(50mg、0.25mmol)を入れ、THF(1ml)に溶解し、溶液をKOtBu(THF中1.7M;200μl、1.35当量)で処理した。得られた懸濁液を5分間撹拌し、次いでヨードメタン(30μl、0.48mmol、1.9当量)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、水で冷却した。相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出(2×)した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、44mgの粗生成物を透明な油として得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス、XSelect 10~50%MeCN水溶液、10mM NH
4HCO
3、pH=9.5)で精製し、生成物画分を合わせて減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルで希釈し、凍結乾燥して、31.3mg(58%)の生成物を白色の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.79min,純度99%,質量検出(mass found)[M+H]
+214.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.32(d,J=13.9Hz,2H),3.07(d,J=14.0Hz,2H),2.84(s,3H),1.43(s,6H),1.28(s,6H).
【0149】
【化25】
[実施例18:4-((3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン-2-イル)メチル)安息香酸メチルの合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに3,3,6,6-テトラメチル-1-(メチルイミノ)-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(31mg、0.14mmol)を入れ無水THF(1ml)に溶解した。LiHMDS(1M THF溶液;174μl、0.17mmol、1.2当量)を加え、混合物を室温で15分間撹拌した。次に、4-(ブロモメチル)安息香酸メチル(50mg、0.22mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を水中で冷却し、ジエチルエーテルで抽出(3×10ml)した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮して、半固体の残渣を得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラシス、LUNA-C18、30~70%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、生成物の9mg(17%)を白色の綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 2.20min,純度97%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 362.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.43(d,J=8.2Hz,2H),6.72(d,J=15.7Hz,1H),6.25(d,J=15.8Hz,1H),3.91(s,3H),3.81-3.69(m,1H),3.02(d,J=12.8Hz,1H),2.83-2.76(m,4H),1.44(s,3H),1.39(s,3H),1.37(s,6H).
【0150】
【化26】
[実施例19:メチル4-(((3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)アミノ)メチル)ベンゾエートの合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに1-イミノ-3,3,6,6-テトラメチル-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-1λ
6-チエピン1-オキシド(75mg、0.37mmol )を入れ、無水THF(1.5ml)に溶解した。KOtBu(1.7M THF溶液;280μl、0.47mmol、1.26当量)を加え、得られた混合物を室温で15分間撹拌した。得られた懸濁液にメチル-4(ブロモメチル)ベンゾエート(129mg、0.56mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で6時間撹拌した。混合物を水で急冷し、ジエチルエーテルで抽出(3×15ml)し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、128mgの粗生成物を半固体の残渣として得た。残渣を分取RP-MPLC(リベラリス、LUNA C18、30~70%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、28mg(21%)の生成物を油性残渣として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 2.14min,純度86%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 348.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.99(d,J=8.3Hz,2H),7.46(d,J=8.0Hz,2H),4.39(s,2H),3.91(s,3H),3.35(d,J=14.0Hz,2H),3.18(d,J=14.1Hz,2H),1.45(s,6H),1.28(s,6H).
【0151】
【化27】
[実施例20:tert-ブチル(2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)カルバメートの合成]
250mlの丸底フラスコにビス-(2-アミノエチル)ジスルフィド二塩酸塩(1.49g、6.62mmol)およびMeOH(75ml)を入れた。トリエチルアミン(2.89ml、20.8ミリモル、3.15当量)を加え、すべての固体が溶解したときに、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.45g、6.64ミリモル、1当量)を加えた。混合物を室温で約1時間撹拌した。
【0152】
1M NaH2PO4水溶液(50ml)を加えて混合物を冷却し、有機溶媒を蒸発により除去した。水性残渣をジエチルエーテルで洗浄(3×30ml)し、次に1N NaOH水溶液(~70ml)を使用してアルカリ性にした。水性混合物をジエチルエーテルで抽出(3×60ml)した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、0.71gの無色の油を得た。水層をジクロロメタン(3×50ml)でさらに抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、前に単離した量で濃縮して、0.78g(46%)の生成物を透明な濃厚な油として得た。
LC/MS(SC BASE)tR 1.83min,純度98%,検質量検出(mass found)[M+H]+ 253.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ4.93(s,1H),3.53~3.39(m,2H),3.03(t,J=6.2Hz,2H),2.84~2.74(m,4H),1.62(s,2H),1.45(s,9H).
【0153】
【化28】
[実施例21:2,2-ジメチル-4,13-ジオキソ-3-オキサ-8,9-ジチア-5,12-ジアザヘキサデカン-16-酸の合成]
250mlの丸底フラスコにtert-ブチル(2-((2-アミノエチル)ジ-スルファネイル)エチル)カルバメート(0.78g、3.09mmol)を入れ、この原料をジクロロメタン(25ml)に溶解した。DMAP(0.11g、0.93mmol、0.3当量)を加え、続いて無水コハク酸(0.3g、3.09mmol、1当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を1N KHSO
4水溶液(30ml)で冷却し、相を分離し、有機相を1N KHSO
4水溶液(~30ml)で洗浄した。合わせた水相をジクロロメタン(30ml)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.02g(94%)の粗生成物を固体として得た。
LC/MS(SC ACID)t
R 1.80min,純度100%,質量検出(mass found)[M+Na]
+375,[MH]
-
351.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ11.57(bs,1H),7.02(t,J=5.9Hz,1H),5.07(t,J=6.3Hz,1H),3.59(q,J=5.9Hz,2H),3.53-3.34(m,2H),2.86(t,J=6.0Hz,2H),2.77(t,J=7.2Hz,2H),2.73-2.66(m,2H),2.64-2.47(m,2H),1.45(s,9H).
【0154】
【化29】
[実施例22:4-((2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)-4-オキソブタン酸トリフルオロ酢酸塩の合成]
250mlの丸底フラスコに2,2-ジメチル-4,13-ジオキソ-3-オキサ-8,9-ジチア-5,12-ジアザヘキサデカン-16-酸(1.02g、2.89mmol)を入れた。この原料をジクロロメタン(5ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3ml、39.2mmol、13.5当量)で処理した。反応物を室温で約1時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、トルエン、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルと共蒸発させて、1.4g(132%)を得た。残渣を水に溶解し、ジクロロメタンで洗浄(3×)した。水層を凍結乾燥して、1.04g(98%)の生成物を濃厚な透明な油分として得た。
1H NMR(400 MHz,メタノール-d
4)δ3.51(dt,J=8.4,6.4Hz,2H),3.36-3.23(m,2H,メタノール-d
4残留ピークと一致),2.99(dq,J=8.4,6.1,5.6Hz,2H),2.86(dt,J=8.8,6.6Hz,2H),2.61(dt,J=8.5,6.4Hz,2H),2.49(dt,J=8.7,6.5Hz,2H).
【0155】
【化30】
[実施例23:4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタン酸の合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメート(98 mg、0.29mmol)を入れ、この原料をアセトニトリル(1ml)に懸濁/溶解した。DIPEA(115μl、0.66 mmol、2.3当量)を加え、続いて、4-((2-((2-アミノエチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)-4-オキソブタン酸TFA-塩(113mg、0.31mmol、1.07当量)の水溶液(0.5ml)を添加し、懸濁液を形成した。過剰量のアセトニトリル(0.5ml)を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。
【0156】
反応混合物を分取RP-MPLC(リベラリスPrep、LUNA-C18、水中10~50%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)により精製した。 生成物画分を合わせて凍結乾燥し、38mg(28%)の生成物を得た。
LC/MS (SC_ACID)tR 1.77 min,純度96%,質量検出(mass found)[M+H]+478.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.73(s,1H),6.52(s,0.2H),6.00(s,0.8H),3.91-3.76(m,2H),3.58-3.38(m,6H),2.92-2.73(m,4H),2.59-2.36(m,4H),1.49(s,6H),1.31(s,6H).
【0157】
【化31】
[実施例24:2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエートの合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタン酸(38.8mg、0.081mmol)およびジクロロメタン(1ml)を入れた。N-ヒドロキシスクシンイミド(13mg、0.11mmol、1.4当量)を加えた後、EDC(22mg、0.11、1.4当量)を加えた。混合物を室温で約2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた白色泡を分取RP-MPLC(リベラリスPrep、LUNA-C18、20~60%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥した。凍結乾燥した材料をジクロロメタンに溶解し、8mlの茶色のガラスバイアルに移し、溶媒をN
2気流の下で蒸発させ、ジエチルエーテルと共蒸発させて、35mg(76%)の生成物を得た。
LC/MS(SC ACID)t
R 1.86min,純度93%,質量検出(mass found)[M+H]
+ 575.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.73(s,1H),5.32(t,J=6.1Hz,1H),3.78(d,J=14.1Hz,2H),3.58(q,J=6.1Hz,2H),3.53-3.41(m,4H),3.00(t,J=7.1Hz,2H),2.89~2.76(m,8H),2.67 (t,J=7.1Hz,2H),1.47(s,6H),1.28(s,6H).
【0158】
【化32】
[実施例25:TMTHSI-ジスルフィドNHSエステルのsiRNAオリゴヌクレオチドへのカップリング TMTHSI-NHsiRNAPLK1の調製]
2mLのUPLCバイアルにsiRNAPLK1オリゴヌクレオチド(5mg、0.36μmol)を入れ、ホウ酸緩衝液(borate buffer)pH8.4(250μl)を加えた。20mMの2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエートのDMSOストック液を調製し、5当量(90μl、1.04mg、1.8μmol)のストック溶液を攪拌しながらsiRNA含有溶液に添加した。混合物を室温で撹拌し、UPLCでモニターした。過剰の5当量2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエート(90μl、1.04mg、1.8μmol)の添加と、さらなる攪拌の後、>90%のTMTHSI-NH-siRNAPLK1への変換の反応が示された。最終粗生成物をPD-10(緩衝液をリン酸緩衝液pH7.4へ交換)とビバスピン(Vivaspin)(5000Da 分画分子量(MWCO)、4000g、pH7.4リン酸緩衝液3回、最終濃縮ステップ)で精製し、過剰なTMTHSI NHS 2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-オキソ-4-((2-((2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エチル)ジスルファネイル)エチル)アミノ)ブタノエートを除去した。TMTHSI-NH-siRNA PLK1の最終溶液(1000μl)を2mLのUPLCバイアルに移し、+4℃で保存した。
【0159】
【化33】
[実施例26:アジド-CPP1ペプチドのTMTHSI-NH-siRNAオリゴヌクレオチドへのカップリング CPP1-TMTHSI-NH-siRNA PLK1コンジュゲートの調製]
最初に、アジド-CPP1ペプチド(0.49mg、0.35μmol)のアセトニトリル/水(1:1容量、100μl)ストック溶液を調製した。先ず、50μlのストック溶液(0.5当量、0.25mg、0.18μmol)を、TMTHSI-NH-siRNA PLK1(1000μlpH7.4リン酸緩衝液中、0.35μmol)を含む2mLのUPLCバイアルに添加した。混合物を室温で撹拌し、UPLCでモニターした。30分後、すべてのアジド-CPP1ペプチドを変換し、アジドCPP1ペプチド保存溶液の残り半分を添加した(0.5当量、0.25mg、0.18μmol)。さらに30分間撹拌した後、CPP1-TMTHSI-NH-siRNAPLK1に対する反応は完全に変換された。最終粗生成物を洗浄し(5000Da 分画分子量(MWCO)、4000g、pH7.4リン酸緩衝液3回、最終濃縮ステップ)、ビバスピン遠心チューブで濃縮した。CPP1-TMTHSI-NHsiRNA PLK1の最終溶液(750μl)を2mLのUPLCバイアルに移した。
【0160】
【化34】
[実施例27:酸不安定リンカー(acid labile linker)7のCPP1-TMTHSI-siRNAオリゴヌクレオチドへのカップリング リンカー7-CPP1-TMTHSI-NH-siRNA PLK1 コンジュゲートの調製]
CPP1-TMTHSI-NH-siRNA PLK1(750μl)の溶液をビバスピン遠心チューブに移し、緩衝液をpH8.4のホウ酸緩衝液に交換(5000Da MWCO、4000g、pH8.4ホウ酸緩衝液3回、最終濃縮ステップ)した。ビバスピン使用後の最終容量:1200μl。ヒドラゾンMAリンカーNHSエステル(リンカー7)の20mM DMSOストック溶液を調製した。撹拌しながら、DMSO中の5当量のヒドラゾンMAリンカーNHSエステル保存溶液(66μl、0.73mg、1.6μmol)を、室温でホウ酸緩衝液(1000μl)中のCPP1-TMTHSI-siRNA(0.32μmol)に添加し、UPLCでモニターした。45分後、反応によるリンカー7-CPP1-TMTHSI-siRNAPLK1コンジュゲートへの完全な変換が示された。最終的な粗コンジュゲートをPD-10(5000Da分画分子量(MWCO)、4000g、リン酸緩衝液pH7.4へバッファー交換)およびビバスピン(5000Da分画分子量(MWCO)カットオフ、4000g、pH7.4リン酸緩衝液3回、最終濃縮ステップ)で精製し、過剰なヒドラゾンMAリンカーNHSエステルを除去した。
【0161】
【化35】
[実施例29:(S)-15-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)-2,2-ジメチル-4,12-ジオキソ-3,8-ジオキサ-5,11-ジアザヘキサデカン-16-酸(α/γ位置異性体の混合物として単離された生成物)の合成]
葉酸(1.84g、4.17mmol)を無水ジメチルスルホキシド(15ml)中に懸濁し、溶液が形成されるまでフラスコを100℃のサンドバスに入れた。次に、溶液を室温まで冷却し、N-ヒドロキシスクシンイミド(503mg、4.37mmol、1.05当量)を加え、続いて、N-Boc-2-(2-アミノ-エトキシ)-エチルアミン(852mg、4.17mmol)の無水ジメチルスルホキシド(3ml)溶液を加えた。混合物を10分間撹拌し、次にEDC(840mg、4.38mmol、1.05当量)を加え、混合物を室温で17時間撹拌した。
【0162】
反応混合物を分取RPMPLC(リベラリス、XSelect 5~30%MeCN水溶液、10mM NH4HCO3、pH=9.5)で(7回に分けて)精製した。生成物画分を合わせ、減圧下で部分的に濃縮した。得られた残渣を凍結乾燥して、0.91g(34%)の生成物を得た。
LC/MS(SC BASE)tR 1.37min,純度100%,質量検出(mass found)[M-H]-626.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6+D2O)δ8.66(s,1H),7.99(q,J=4.9Hz,1H),7.65(dd,J=11.6,8.5Hz,2H),6.75(d,J=6.1Hz,1H),6.67(dd,J=9.0,2.7Hz,2H),4.52(s,2H),4.33(dd,J=8.9,4.8Hz,0.4H),4.19(dd,J=8.1,4.7 Hz,0.6H),3.45-3.31(m,4H),3.26-3.13(m,2H),3.11-3.01(m,2H),2.26(t,J=7.1,6.4Hz,1H),2.15(t,J=8.0Hz,1H),2.08-1.82(m,2H),1.35 and 1.33(2×s,combined 9H).
【0163】
【化36】
[実施例30:N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-L-グルタミン(α/γ位置異性体の混合物として単離された生成物)の合成]
(S)-15-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)-2,2-ジメチル-4,12-ジオキソ-3,8-ジオキサ-5,11-ジアザヘキサデカン-16-酸(403mg、0.64mmol)をトリフルオロ酢酸(2ml、26.0mmol)に溶解し、得られた混合物を室温で25分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(2×)と共蒸発させた。 残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)に取り、完全に溶解するまで加温し、次に室温まで放冷した。溶液をトリエチルアミンで処理(3×200μl)して、オレンジ色の沈殿物を得た。混合物をアセトンで希釈し、固形物を濾過により収集した。残渣をアセトン(3回)で洗浄し、空気乾燥して、346mg(97%)の生成物をオレンジ色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ8.66-8.57(m,1H),8.24(t,J=5.5Hz,0.6H),8.07(t,J=5.6Hz,0.4H),7.72-7.62(m,1H),7.62-7.51(m,1H),7.30(bs,2H),6.91(q,J=6.1Hz,1H),6.63(t,J=7.6Hz,2H),4.52-4.38(m,2H),4.30(q,J=6.3Hz,0.4H),4.10(q,J=6.4Hz,0.6H),3.55(q,J=6.2,5.6 Hz,3H),3.43(bs,3H),3.31-3.13(m,4H),2.94(q,J=6.2,5.8Hz,2H),2.21-2.11(m,2H),2.06-1.79(m, 3H),0.97(t,J=7.2Hz,1H).
【0164】
NMRは、4.5~2.5ppmの信号の下に非常に広いHOD信号を示す。
【0165】
【化37】
[実施例31:N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-(3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)ウレイド)エトキシ)エチル)-L-グルタミン(α/γ位置異性体の混合物として単離された生成物)の合成]
N
2-(4-(((2-アミノ-4-オキソ-3,4-ジヒドロプテリジン-6-イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)-N
5-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-L-グルタミン(90.3mg、0.13mmol)を熱ジメチルスルホキシド(1.5ml)に溶解し、室温まで放冷した。トリエチルアミン(107μl、0.77mmol、6当量)を加え、得られた混合物を、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメート(52mg、0.15mmol、1.2当量)に加えた。反応混合物を室温で4日間撹拌した。
【0166】
反応混合物を分取RP-MPLC(リベラリス、XSelect 5~40%MeCN水溶液、10mM NH4HCO3、pH=9.5)で精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、51mg(53%)の生成物を得た。
LC/MS(SC BASE)tR 1.45min,純度99%,質量検出(mass found)[M+H]+ 753.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6+D2O)δ8.66(s,1H),8.02~7.90(m,1H),7.70-7.59(m,2H),6.72-6.61(m,3H),4.50(s,2H),4.37-4.32(m,0.4H),4.22-4.13(m,0.6H),3.90-3.79(m,2H),3.59(dd,J=14.0,4.5Hz,2H),3.44-3.30(m,5H),3.25-3.14(m,2H),3.09(t,J=5.8Hz,2H),2.26(t,J=7.7Hz,1H),2.15(t,J=7.6Hz,1H),2.05-1.93(m,1H),1.90(d,J=13.5Hz,1H),1.33(s,6H),1.19(s,6H).
【0167】
[実施例32:TMTHSI含有-リンカー葉酸のアジド含有ナノ粒子(CriPec)へのカップリング]
【化38】
葉酸で標識されたコア架橋高分子ミセルを、葉酸を高分子ミセルシェルの表面にコンジュゲーションさせることによって生成し、ターゲティング研究に使用した。クリックケミストリーによる葉酸コンジュゲーションを可能にするために、アジド官能化高分子ミセルは、基本的に報告されたプロトコル[フ(Hu)ら、Biomaterials.2015;53:370-8]に従って製造された。ただし、アジド官能化ブロック共重合体(22kDa、10mol%の架橋剤L2[1]、全ブロック共重合体の5w%を誘導体化)の一部を(95w%)非官能化ブロック共重合体(22kDa、10mol%架橋剤L2[Biomaterials.2015;53:370-8]で誘導体化、全ブロック共重合体の95w%)の次に添加した。これらの2つのブロック共重合体を、アジド-PEG
5000-OHから合成された前者(アジド-PEG
5000)
2-ABCPA開始剤を代わりに使用したことを除いて、同じ手順に従って合成した。次に、得られたアジド官能化高分子ミセルを、130mM NaClを含む20mM酢酸アンモニウムpH5緩衝液で精製し、緩衝液130mM NaClを含む20mMリン酸ナトリウムpH7.4緩衝液に交換し、改良型ポリエーテルスルホン(mPES)100kDaモジュール(spectrumlabs)を備えたタンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)を使用して、約96mg/mL高分子当量に濃縮した。次に、葉酸を、以下の手法を使用して、銅フリークリックケミストリーを介して、濃縮されたアジド官能化コア架橋高分子ミセルに結合した。
【0168】
室温(RT)で、DMSO(93μL)を200μLのアジド官能化修飾コア架橋高分子ミセル(0.13μmolアジド当量)に、アンバー色のUPLCバイアル内で攪拌(300rpm)しながら添加した。熱を放散した後、葉酸(1.0当量、0.13μmol、5μL、Mercachem)を反応混合物に滴下して加えた。コンジュゲーション反応の進行をUPLC-UVで4時間モニターした後、反応を停止した。UPLCに基づいて、葉酸の変換率は45%であると決定された。これは、2.3%の葉酸で標識されたコア架橋高分子ミセルに相当する。
【0169】
【化39】
[実施例33:1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ6-チエピン-1-イリデン)尿素の合成]
N
2雰囲気下で、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエパン-1-イリデン)カルバメート(197mg、0.58mmol)をジクロロメタン(12.5ml)に溶解し、2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-アミン)(0.42ml、2.89mmol、5当量)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリル/水の1:1混合物(4ml)に取り、分取RP-MPLC(リベラリス、XSelect 10~50%MeCN水溶液、10mM NH
4HCO
3、pH=9.5)で(2回に分けて)精製した。生成物画分を合わせて凍結乾燥し、156mg(72%)の生成物を白色の綿毛状の固体として得た。
LC/MS(SC BASE)t
R 1.67min,純度99%,検質量検出(mass found)[M+H]
+374.
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6+D
2O)δ3.86 (d,J=14.0Hz,2H),3.61(d,J=13.9Hz,2H),3.54-3.46(m,4H),3.40(q,J=6.0Hz,4H),3.15-3.04(m,3H),2.67(t,J=5.7Hz,1H),1.34(s,6H),1.21(s,6H).
【0170】
【化40】
[実施例34:1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素-Cy7付加物ギ酸塩の合成]
8mlのスクリューキャップバイアルに、Cy7-NHSエステル(95mg、0.13mol)を入れ、1-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(3,3,6,6-テトラメチル-1-オキシド-4,5-ジデヒドロ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1λ
6-チエピン-1-イリデン)尿素(66.5mg、0.18mmol、1.37当量)のMeCN(1.5ml)溶液を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。次に、混合物を-20℃で一晩保存した。混合物を室温まで温め、次に分取MPLC(リベラリス Prep、LUNA-C18、20~60%MeCN水溶液、0.1%(v/v)ギ酸)により、精製した。生成物画分を減圧下で濃縮し、残渣を少量のMeCNで希釈し、一晩凍結乾燥して、95mg(77%)の生成物を暗緑色の固体として得た。
LC/MS(AN ACID DAY UV800)t
R 3.46min, 純度88%,質量検出(mass found)[M]
+905, [M+H]
2+453.
1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ8.37(s,1H),8.02-7.95(m,0.5H),7.75(dd,J=14.0,8.5Hz,1.5H),7.47(d,J=7.5Hz,2H),7.43-7.34(m,1H),7.31-7.20(m,3H),7.15-6.92(m,1H),6.81-6.34(m,2H),6.24-6.09(m,1H),4.11(t,J=7.3Hz,1H),3.86(d,J=14.1Hz,2H),3.66-3.55(m,8H),3.55-3.45(m,5H),3.39-3.32(m,3H),3.29-3.21(m,2H),2.57(q,J=5.6Hz,3H),2.50~2.28(m,1H),2.27~2.15(m,2H),2.00~1.89(m,2H),1.89~1.74(m,3H),1.75~1.61(m,10H),1.59~1.52 (m,2H),1.51~1.42(m,2H),1.40(s,7H),1.33~1.20(m,8H),1.03(s,1H).
【0171】
[測定方法]
AN ACID DAY UV800,
装置:アジレント 1260 バイナリ―ポンプ:
G1312B,脱ガス装置;オートサンプラー、コルコム,DAD:アジレント G1315D,210~800nm,MSD:アジレントLC/MSD G6130B ESI,pos/neg 100~1000,ELSD オルテックAlltech 3300 ガス流量 1.5ml/min,ガス温度:40℃;カラム:ウォーターズ XSelect(商標)C18,50x2.1mm,3.5μ,温度:35℃,流量:0.8mL/min,グラジエント:t0=5% A,t3.5min=98% A,t6min=98% A,ポストタイム:2min;溶離液A:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液,溶離液B:0.1%ギ酸水溶液.
【0172】
[MSパラメーター]
ソース:ESI,キャピラリー電圧:3000V,乾燥ガス流量:12L/min,噴霧器(Nebulizer) 圧力60psig,乾燥ガス温度:350℃,フラグメント70,MSスキャン:MS範囲100~1000(ポジティブ/ネガティブモード),スキャン速度:0.84sec/サイクル.
【0173】
[実施例35:反応速度定数値ktを決定するためのTMTHSIとベンジルアジドとの反応速度論]
ベンジルアジドのBCN-OHおよびTMTHSIによる変換のkt値が、質量分析によって反応を監視することによって調査された。この研究では、ESIソースを結合したQTOF質量分析を測定方法として利用した。詳細には、アルキン(ACN/水/酢酸(3:1:0.01%)中のTMTSHIまたはBCN-OH)を1.0当量のベンジルアジドと反応させ、MSを使用して反応速度を測定した。測定結果は
図55に含まれている。ベンジルアジドとの反応で測定されたTMTHSIのkt値は0.83M
-1s
-1であり、BCN-OH(0.12M
-1S
-1)よりも約7倍高速である。
【0174】
[引用文献]
・A. Krebs and H. Kimling, Tetrahedron Lett., 1970, 761-764.
・de Almeida, G., Sletten, E. M., Nakamura, H., Palaniappan, K. K., Bertozzi, C. R., Angew. Chem. Int. Ed., 2012, 51, 2443-2447
・Li et al. Molecules, 2016, 21, 1393.
・Tota, A., Zenzola, M., Chawner, S. J., St John-Campbell, S., Carlucci, C. Romanazzi, G., Degennaro, L., Bull, J. A., Luisi, R., Chem. Commun., 2017,
53, 348-351.
・Hu et al. Biomaterials. 2015;53:370-8
・King et al, Chem Comm, 2012, 48, 9308-9309.
・Dommerholt et al. Nature Communications 5, Article number: 5378 (2014)
・Dommerholt et al. Top Curr Chem (Z) 2016, 374:16.
【0175】
(付記)
(付記1)
式(I)で表される化合物。
【化41】
nとmは独立して、0、1、または2であり、n+mは2であり、
XはOまたはNR
9であり、
YはNR
10であり、
R
1、R
2、R
3、R
4は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、O、N、PおよびS、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基であり、
前記O、N、PおよびSは更に、独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基と結合し、
前記アルキル基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロアリール基)および(ヘテロ)アリールアルキル基は、独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基により置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルキルオキシ基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、ここでR
11は独立して、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルコキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
R
5、R
6、R
7、R
8は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、O、N、PおよびS、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基であり、
前記O、N、PおよびSは更に、独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基と結合し、
前記アルキル基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基および(ヘテロ)アリールアルキル基は独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から独立して選択される1またはそれ以上の置換基により置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は、任意で置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、ここでR
11は、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記R
1とR
7、R
1とR
8、R
2とR
7、R
2とR
8、R
3とR
5、R
3とR
6、R
4とR
5、および/またはR
4とR
6は任意で、独立して、シクロアルキル-、シクロ(ヘテロ)アリール-、シクロアルキル(ヘテロ)アリール、-シクロ(ヘテロ)アリールアルキル系のような縮合環系を形成し、
前記縮合系のアルキル基は、任意でO、N、PおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子によって中断され、
前記縮合系の、前記アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキル(ヘテロ)アリール基、(ヘテロ)アリールアルキル基は、独立して、任意で、C
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基、C
3~C
12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン、アミノ基、オキソ基およびシリル基からなる群から独立して選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は、任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
前記シリル基は式(R
11)
3Si-で表され、
R
11はC
1~C
12アルキル基、C
2~C
12アルケニル基、C
2~C
12アルキニル基、C
3~C
12シクロアルキル基、C
1~C
12アルコキシ基、C
2~C
12アルケニルオキシ基、C
2~C
12アルキニルオキシ基およびC
3~C
12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、
前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基およびシクロアルキルオキシ基は任意で、置換され、
前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基およびシクロアルコキシ基は任意で、O、N、PおよびSからなる群から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子により中断され、
R
9、R
10は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R
12、-CH=C(R
12)
2、-C≡CR
12、-[C(R
12)2C(R
12)2O]q-R
12(qは1から200の範囲)、-CN、-N
3、-NCX、-XCN、―XR
12、-N(R
12)
2、-
+N(R
12)
3、-C(X)N(R
12)
2、-C(R
12)
2XR
12、-C(X)R
12、-C(X)XR
12、-S(O)R
12、-S(O)
2R
12、-S(O)OR
12、-S(O)
2OR
12、-S(O)N(R
12)
2、-S(O)
2N(R
12)
2、-OS(O)R
12、-OS(O)
2R
12、-OS(O)OR
12、-OS(O)
2OR
12、-P(O)(R
12)(OR
12)、-P(O)(OR
12)
2、-OP(O)(OR
12)
2、-Si(R
12)
3、-XC(X)R
12、-XC(X)XR
12、-XC(X)N(R
12)
2、-N(R
12)C(X)R
12、-N(R
12)C(X)XR
12および-N(R
12)C(X)N(R
12)
2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R
12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C
1~C
24アルキル基、C
6~C
24(ヘテロ)アリール基、C
7~C
24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC
7~C
24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0176】
(付記2)
nが1でmが1であり、式(II)表される、付記1に記載の化合物。
【化42】
R
1~R
8、X、Yは付記1で定義されたとおりである。
【0177】
(付記3)
Xは0、および/または、R10はHである、付記1または2に記載の化合物。
【0178】
(付記4)
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は独立して、H、ハロゲン(F、Cl、Br、I)またはC1~C24アルキル、好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は独立して、HまたはC1~C4アルキルである、付記1から3のいずれか1つに記載の化合物。
【0179】
(付記5)
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はメチル基であるか、または、
R1、R2、R3、R4、はメチル基であると共にR5、R6、R7、R8はHである、付記4に記載の化合物。
【0180】
(付記6)
式(I)の化合物の、Xおよび/もしくはYならびに/またはS原子に隣接するチオシクロヘプチン環の1つの原子は、独立して、任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する、付記1から5のいずれか1つに記載の化合物。
(式(I))-L-Q (III)
連結基(L)は、存在しないか、または、直鎖状または分枝状の、C1~C24アルキレン基、C2~C24アルケニレン基、C2~C24アルキニレン基、C3~C24シクロアルキレン基、C5~C24シクロアルケニレン基、C5~C24シクロアルキニレン基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリーレン基、C7~C24(ヘテロ)アリールアルキレン基、C5~C24(ヘテロ)アリールアルケニレン基、C9~C24(ヘテロ)アリールアルキニレン基から選択され、
前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、(ヘテロ)アリールアルケニレン基および(ヘテロ)アリールアルキニレン基は任意で、独立してC1~C12アルキル基、C2~C12アルケニル基、C2~C12アルキニル基、C3~C12シクロアルキル基、C5~C12シクロアルケニル基、C5~C12シクロアルキニル基、C8~C12アルコキシ基、C2~C12アルケニルオキシ基、C2~C12アルキニルオキシ基、C3~C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、アミノ基、オキソおよびシリル基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基で置換され、
前記シリル基は式(R11)3Siで表され、R11は上記の通り定義され、
官能基Qは、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、R12、-CH=C(R12)2、―C≡CR12、―[C(R12)2C(R12)2O]qR12(qは1から200の範囲である)、-CN、-N3、-NCX、-XCN、-XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、―C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、―C(X)R12、―C(X)XR12、―S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2からなる群から選択され、
Xは酸素または硫黄であると共に、R12は独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1~C24アルキル基、C6~C24(ヘテロ)アリール基、C7~C24アルキル(ヘテロ)アリール基およびC7~C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択される。
【0181】
(付記7)
Lは、存在しないか、または、[C(R12)2C(R12)2O]q―R12(qは1から200の範囲である)、-CN、-NCX、-XCN、-XR12、-N(R12)2、-+N(R12)3、―C(X)N(R12)2、-C(R12)2XR12、―C(X)R12、―C(X)XR12、―S(O)R12、-S(O)2R12、-S(O)OR12、-S(O)2OR12、-S(O)N(R12)2、-S(O)2N(R12)2、-OS(O)R12、-OS(O)2R12、-OS(O)OR12、-OS(O)2OR12、-P(O)(R12)(OR12)、-P(O)(OR12)2、-OP(O)(OR12)2、-Si(R12)3、-XC(X)R12、-XC(X)XR12、-XC(X)N(R12)2、-N(R12)C(X)R12、-N(R12)C(X)XR12および-N(R12)C(X)N(R12)2であり、
Xは酸素または硫黄であると共に、R12は付記6で定義されたとおりであり、
および/または、
Qは―OR12、-N(R12)2、―+N(R12)3、―C(O)N(R12)2、―C(O)OR12、―OC(O)R12、―OC(O)OR12、―OC(O)N(R12)2、-N(R12)C(O)R12、―N(R12)C(O)OR12および-N(R12)C(O)N(R12)2からなる群から選択され、
R12は付記6で定義されたとおりである、
付記6に記載の化合物。
【0182】
(付記8)
前記官能基Qは、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体の内の1またはそれ以上と結合している、付記6または7に記載の化合物。
【0183】
(付記9)
任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合して式(III)の化合物を生成する式(I)の化合物を含む付記6から8のいずれか1つに記載の化合物。
(式(I))-L-Q (III)
式(I)は、Y原子で任意の連結基(L)および官能基(Q)に結合され、
mとnは両方とも1であり、
XはOであり、
R1、R2、R3、R4は同一であり、HおよびC1~C4アルキルからなる群から選択され、
R5、R6、R7、R8は同一であり、HおよびC1~C4アルキルからなる群から選択され、
YはNR10であることにより、R10はLQに置換され、
Lは、存在しないか、1~25原子、好ましくは1~15原子の長さの鎖であり、-S(O)2-、-S-、-SS-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C(O)O-およびフェニレンからなる群から独立して選択される1またはそれ以上、好ましくは1~6の部分を含むことにより、前記鎖の長さは、原子の最長の線形鎖の内の原子の数によって決定されると共に、
Qは、アルコール、アミン、チオール、カルボン酸エステル、カルボン酸または活性化エステル、ケトン、アルデヒド、ニトリル、マレイミド、アルケン、アルキン、ヘテロ芳香族(heteroaromate)、脱離基およびホスホルアミダイトを含む。
【0184】
(付記10)
前記官能基Qが、目的の分子、好ましくは薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および担体からなる群から選択される分子と反応されている、付記6から9のいずれか1つに記載の化合物。
【0185】
(付記11)
1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物に結合した付記1から10のいずれか1つに記載の化合物を含む化合物。
式(I)のチオシクロヘプチンのアルキン基は、前記1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物に結合しており、
前記1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、好ましくは、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド含有化合物、より好ましくはアジド含有化合物およびアジド-アルキンカップリングであり、
好ましくは、トリアゾール化合物の形成をもたらし、
好ましくは、前記1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子および担体のうちの1またはそれ以上を含む。
【0186】
(付記12)
付記1から10に記載の化合物を、1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物とカップリングする方法であって、
好ましくは、前記1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は、アジド含有化合物、ニトロン含有化合物またはニトリルオキシド含有化合物、好ましくはアジド含有化合物であり、
好ましくは、カップリングは銅フリークリック反応であり、好ましくは、前記1,3-双極子または1,3-(ヘテロ)ジエンを含む化合物は薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、担体の1またはそれ以上である、
方法。
【0187】
(付記13)
ナノ粒子を含む構築物の調製方法であって、
ナノ粒子は、好ましくは感熱性ブロック共重合体からの自己組織化高分子ミセル、および薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の群から選択される活性化合物であり、
ナノ粒子と活性化合物とのカップリングは、好ましくはトリアゾール化合物を形成するための、アジド含有化合物との付記1から8に記載の化合物のカップリングを含み、
前記ナノ粒子は前記アジド含有化合物であり、前記活性化合物は、付記1から8に定義される化合物を含み、または前記ナノ粒子は、付記1から8に定義される化合物を含み、前記活性化合物は、前記アジド含有化合物を含む、
方法。
【0188】
(付記14)
XはO、YはNH、mとnは両方とも1、R
1~R
4はメチル、R
5-R
8は水素である、式(I)の化合物の調製方法であって、
a.ビスヒドラゾン(2)をイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)に変換するステップと、
【化43】
b.得られたイミノジデヒドロスルホンイミノ(3)を単離するステップと、
を含む、方法。
【0189】
(付記15)
前記変換は、ビスヒドラゾン(2)が酸化剤と反応して硫黄官能基をスルホンイミノ官能基に酸化する酸化反応を含み、
好ましくは、前記変換はさらに、ビスヒドラゾン(2)が酸化剤と反応してヒドラゾン官能基をアルキン官能基に酸化する酸化反応を含む、付記13に記載の方法。
【0190】
(付記16)
前記酸化反応が2段階反応であり、好ましくは、前記酸化反応は、1つの酸化剤、好ましくはヨードベンゼンジアセテートとのワンポット反応である、付記14に記載の方法。
【0191】
(付記17)
目的の2つの分子をカップリングする方法における、付記1から9に記載の化合物の使用であって、前記分子は、ナノ粒子、タンパク質、ヒドロゲル、リポソーム、抗体薬物複合体、薬物ポリマー複合体などの標的化および/または標識化された送達システムを薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリ―エージェント、ナノ粒子、および担体の中から、任意で独立して選択される、
使用。
【0192】
(付記18)
生体直交性の、任意で、銅フリークリック反応における、付記1から9に記載の化合物の使用。
【0193】
(付記19)
薬物、抗体、タンパク質、ペプチド、リガンド、イメージングラベル、ターゲティングリガンド、デリバリーエージェント、ナノ粒子、および担体の中の1またはそれ以上への銅フリークリック反応を使用するナノ粒子のカップリング方法における、付記1から9に記載の化合物の使用。