(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】送受信処理を実行するユーザ装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20241108BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20241108BHJP
H04W 74/08 20240101ALI20241108BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20241108BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20241108BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20241108BHJP
【FI】
H04L27/26 300
H04W72/54 110
H04W74/08
H04W72/0446
H04W28/18
H04W16/14
(21)【出願番号】P 2021564197
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 EP2020061541
(87)【国際公開番号】W WO2020221673
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-13
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/236276(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/017355(WO,A1)
【文献】Samsung,CCA slot and tx-rx/rx-tx switching time[online],3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1608982,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1608982.zip>,2016年10月14日
【文献】LG Electronics,Channel access procedure for NR-U[online],3GPP TSG RAN WG1 #96b R1-1904622,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96b/Docs/R1-1904622.zip>,2019年04月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/54
H04W 74/08
H04W 72/0446
H04W 28/18
H04W 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)であって、
送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、
前記シンボル上で前記信号を送信する送受信機と、
を有し、
前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複であ
り、
前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、
前記回路は、前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する、UE。
【請求項2】
前記信号が送信されるシンボルは、前記送信の時間境界にある、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、
前記シンボル上で前記信号
を送信する送受信機と、
を有し、
前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複であ
り、
前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、
前記回路は、前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する、基地局。
【請求項4】
ユーザ装置(UE)によって実行される送信方法であって、
送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定することと、
前記シンボル上で前記信号を送信することと、
を有し、
前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複であ
り、
前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、
前記時間間隔を決定することは、前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する、送信方法。
【請求項5】
基地局によって実行される送
信方法であって、
送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定することと、
前記シンボル上で前記信号
を送信することと、
を有し、
前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複であ
り、
前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、
前記時間間隔を決定することは、前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する、送
信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムにおける信号の送受信に関する。特に、本開示は、そのような送受信のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、サブ1GHzからミリ波帯域までの周波数範囲で動作する“New Radio”(NR)無線アクセス技術(RAT)を含む第5世代(5G)とも呼ばれる次世代セルラ技術のための技術仕様の作業をしている。NRは、Long Term Evolution(LTE)及びLTE Advanced(LTE-A)によって表現される技術の後継である。
【0003】
LTE、LTE-A及びNRなどのシステムについて、更なる修正及びオプションが、通信システムの効率的な動作と共に、システムに関する特定のデバイスを容易にしうる。
【発明の概要】
【0004】
1つの非限定的及び例示的な実施例は、アンライセンススペクトルにおける高いサービス要求による信頼できる信号の送信を容易にする。
【0005】
実施例において、ここで開示される技術は、ユーザ装置(UE)であって、動作中に送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、動作中に前記シンボル上で前記信号を送信する送受信機と、を有し、前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複である、ユーザ装置を特徴とする。
【0006】
全体的又は特定の実施例は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体又はそれらの何れか選択的な組合せとして実現されてもよいことが留意されるべきである。
【0007】
開示された実施例の更なる利益及び利点は、明細書及び図面から明らかになるであろう。利益及び/又は利点は、明細書及び図面の様々な実施例及び特徴によって個別に取得されてもよく、これらは、そのような利益及び/又は利点の1つ以上を得るために全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下において、例示的な実施例が添付した図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】LTE eNB、gNB及びUEのための例示的なユーザ及び制御プレーンアーキテクチャを含む3GPP NRシステムのための例示的なアーキテクチャを示す。
【
図2】異なるサブキャリア間隔のためのフレーム、サブフレーム及びスロットの概略図である。
【
図3】NRにおける過渡期間の具体例を示すグラフである。
【
図4】LTE-LAA(License-Assisted Access)における過渡期間の具体例を示すグラフである。
【
図5】送信の直前のCCAの概略的な具体例の概略図である。
【
図6】いくつかの実施例による基地局及びUEのブロック図である。
【
図9】通信デバイスのための送信方法のフローチャートである。
【
図10】2つの以降の送信のエンド及びスタートにおける過渡期間の概略図である。
【
図11】電力ランピングのスタート/エンドと送信の最初/最後のシンボルとの間の時間間隔(ガード期間)を示す。
【
図12】電力ランピングのスタート/エンドと送信の最初/最後のシンボルとの間の時間間隔(ガード期間)を示す。
【
図13】電力ランピングのスタート/エンドと送信の最初/最後のシンボルとの間の時間間隔(ガード期間)を示す。
【
図14】失敗したCCAと送信用のガード期間とを示す概略図である。
【
図15】成功したCCAと送信用のガード期間とを示す概略図である。
【
図16】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図17】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図18】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図19】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図20】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図21】異なるタイプの信号のための異なるガード期間を示す。
【
図22】送信のスタートにおいてUEによって実行されるステップを示すフローチャートである。
【
図23】送信のスタートにおいてUEによって実行されるステップの他の具体例を示すフローチャートである。
【
図24A】送信のエンドにおいてUEによって実行されるステップを示すフローチャートである。
【
図24B】送信のエンドにおいてUEによって実行されるステップを示すフローチャートである。
【
図25】基地局及びUEのための通信方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、基地局、端末及びコアネットワークを含む通信システムの例示的な具体例を示す。そのような通信システムは、NR、LTE及び/又はUMTSなどの3GPPシステムであってもよい。例えば、
図1に示されるように、基地局(BS)は、gNB(NR基地局などのgNodeB)又はeNB(LTE基地局などのeNodeB)であってもよい。しかしながら、本開示は、これらの3GPPシステム又は他の何れかのシステムに限定されない。実施例及び例示的な実現形態が3GPPシステムのいくつかの用語を使用して説明されたとしても、本開示はまた、他の何れかの通信システム、特に何れかのセルラ、無線及び/又はモバイルシステムに適用可能である。
【0010】
NRは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などを含む、規定されたいくつかの利用シナリオ、要件及び配備シナリオに対処する単一の技術的枠組みを提供することを容易にするよう計画される。例えば、eMBB配備シナリオは、屋内ホットスポット、密集した都市、地方、都市マクロ及び高速を含んでもよく、URLLC配備シナリオは、産業制御システム、モバイルヘルスケア(リモートモニタリング、診断及び処置)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドのための広域モニタリング及び制御システムを含んでもよく、mMTCは、スマートウェアラブル及びセンサネットワークなどの時間的に重要でないデータ転送を備えた多数のデバイスによるシナリオを含んでもよい。サービスeMBB及びURLLCは、双方とも非常に広い帯域幅を必要するという点で類似するが、URLLCサービスは超低遅延を必要とする点で異なる。NRでは、物理レイヤは、時間-周波数リソース(LTEと同様に、直交周波数分割多重化(OFDM)など)に基づき、複数アンテナ動作をサポートしうる。
【0011】
端末は、LTE及びNRにおいてユーザ装置(UE)と呼ばれる。これは、無線電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はユーザ装置の機能を備えたUSB(Universal Serial Bus)スティックなどの移動デバイスであってもよい。しかしながら、移動デバイスという用語はこれに限定されず、概して、中継はそのような移動デバイスの機能性を有してもよく、移動デバイスはまた中継として機能してもよい。
【0012】
基地局は、例えば、端末にサービスを提供するためのネットワークの一部を形成するネットワークノードである。基地局は、端末への無線アクセスを提供するネットワークノードである。
【0013】
3GPPでは、アンライセンススペクトル(NR-U)におけるNRベースの動作が研究されている(例えば、3GPP TR 38.889,Study on NR-based access to unlicensed spectrum,v16.0.0を参照されたい)。NR-Uは、5GHz又は6GHzにおけるサブ7GHz帯域で動作してもよい。しかしながら、本開示は、特定の帯域に限定されず、例えば、52GHzのミリ波帯域にも適用されてもよい。
【0014】
LBT(Listen-Before-Talk)手順は、基地局又はユーザ装置などのデバイスがチャネルを利用する前にCCA(Clear Channel Assessment)チェックを適用する機構として規定される。CCAは、チャネルが占有されているか、又はクリアであるかをそれぞれ判定するため、チャネル上の他の信号の有無を判定するために少なくともエネルギー検出を利用する。例えば、欧州及び日本の規制は、アンライセンスバンドにおけるLBTの利用を義務づけている。規制の要求とは別に、LBTを介したこのキャリアセンシングは、アンライセンススペクトルの公正な共有のための1つの方法であり、従って、単一の大域的解決枠組みにおいてアンライセンススペクトルにおける公正でフレンドリな動作のための重要な特徴であると考えられる。
【0015】
検出されたエネルギーレベルが設定されたCCA閾値(例えば、欧州については、-73dBm/MHzであり、ETSI 301 893を参照されたい)を超える場合、チャネルは占有されているとみなされる。逆に、検出された電力レベルが設定されたCCA閾値を下回る場合、チャネルはフリーとみなされる。チャネルがフリーとして分類される場合、デバイスは即座に送信することが許可される。同じ帯域で動作する他のデバイスとの公平なリソース共有を実現するため、最大送信持続時間が制限される。
【0016】
アンライセンスバンド動作では、LBTによってチャネルを取得した後、始動デバイス(例えば、NR gNB又はLTE eNBなどのスケジューリングデバイス)は、最大チャネル占有時間(COT)までチャネルを占有可能である。例えば、LBT要求に応じて、最大COTは8ms又は9msであると仮定されてもよい。例えば、15kHzのサブキャリア間隔について、8msのCOTは8スロットに対応し、30kHzのサブキャリア間隔について、それは16スロットに対応する。
【0017】
始動デバイス(例えば、gNB)は、取得された時間-周波数リソースを応答デバイス(例えば、UEなどの1つ以上の送受信デバイス)と共有してもよい。取得された時間-周波数リソースを共有することは、アップリンク(UL)とダウンリンク(DL)との間のフレキシブルなリソース利用を可能にすることを実現できる。例えば、DL及びULリソースは、それぞれの方向におけるトラフィック要求に基づいて再配分可能である。
【0018】
さらに、取得されたリソースの共有は、gNBによって取得されたCOTにおいて、(ランダムバックオフなしに)ワンショットLBTによるUL送信を可能にすることを実現してもよい。特に、gNB始動COTにおけるUL送信が同一のCOTにおける他のDL送信に続かない場合に対して、3GPP TR 38.889,Study on NR-based access to unlicensed spectrum,v16.0.0,Table 7.2.1.3.1-3においてキャプチャされるように、Cat-2-LBTが、UEがUL送信を実行する前にチャネルを検知するのに利用され、これは、UL送信前にチャネルがアイドルであると検知される時間の持続時間が決定的であることを意味する。
【0019】
さらに、セミスタティックに設定された又は周期的なリファレンス信号、シグナリング又はデータ送信が、取得した時間-周波数リソースを共有することによって可能とされうる。例えば、上位レイヤによって設定されたセミスタティックに設定されたUL送信がgNBのCOT内にあったが、ULリソースがgNBによって共有されなかった場合、UL送信はドロップされる必要がある。
【0020】
しかしながら、COTはまた、gNBの代わりにUEによって始動可能である。このような場合、UEは、送信用のチャネルを取得する前に、チャネルが他のデバイスによって占有されていないことを確認するためLBTを実行する必要がある。UEがgNBによって既に始動されたCOT内でLBTを実行する場合と比較して、衝突の機会はより高い。従って、LBTは、より多くの不確実性を考慮する必要がある。例えば、3GPP TR 38.889,Study on NR-based access to unlicensed spectrum,v16.0.0,Table 7.2.1.3.1-4においてキャプチャされるように、UEがCOTの始動デバイスとしてPUSCHを送信することを所望する場合、Cat-4 LBTが実行される必要があり、これは、可変サイズの競合ウィンドウによるランダムバックオフのLBTが利用されることを意味する(3GPP TR 38.889,Study on NR-based access to unlicensed spectrum,v16.0.におけるセクション8.2のチャネルアクセス方式を参照されたい)。基本的に、UEは、競合ウィンドウ内で乱数Nを抽出する。競合ウィンドウのサイズは、Nの最小値及び最大値によって指定される。UEは、乱数Nを抽出するときに競合ウィンドウのサイズを変更可能である。乱数Nは、UEが送信可能である前にチャネルがアイドルであると検知される時間の持続時間を決定するため、LBT手順において利用される。
【0021】
CCA(Clear Channel Assessment)は、スロットのエンドで実行されてもよく、COTは、CCAが実行されるスロットに続くスロットの第1のシンボル(OFDMシンボル)を有してもよい。しかしながら、始動デバイスがチャネルを取得しうる異なる機会又は時刻が検討されてもよい。例えば、機会は毎秒シンボル又はスロット当たり2回であってもよい。従って、CCAはまた、スロットのエンドから離間したシンボルで実行されてもよい。
【0022】
スロットベーススケジューリング又は割当てにおいて、スロットは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度(送信時間間隔(TTI))に対応する。概して、TTIは、スケジューリング割当てのためのタイミング粒度を決定する。1つのTTIは、所与の信号が物理レイヤにマッピングされる時間間隔である。例えば、従来、TTI長は、14シンボル(スロットベーススケジューリング)から2シンボル(非スロットベーススケジューリング)まで可変である。ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)送信は、10サブフレーム(1msの持続時間)から構成されるフレーム(10msの持続時間)に編成されるよう指定される。スロットベース送信では、
図2に示されるように、サブフレームは更にスロットに分割され、スロットの数はニューメロロジ/サブキャリア間隔によって規定される。指定された値は、15kHzのサブキャリア間隔においてフレーム毎に10スロット(1サブフレーム毎に1スロット)から、120kHzのサブキャリア間隔においてフレーム毎に80スロット(1サブフレーム毎に8スロット)までの範囲である。スロット毎のOFDMシンボルの数は、通常のサイクリックプリフィックスでは14であり、拡張サイクリックプリフィックスでは12である(3GPP TS 38.211 V15.3.0,Physical channels and modulation,2018-09のセクション4.1(全体的なフレーム構成)、4.2(ニューメロロジ)、4.3.1(フレーム及びサブフレーム)及び4.3.2(スロット)を参照されたい)。しかしながら、送信のための時間リソースの割当てはまた、非スロットベースであってもよい。特に、非スロットベース割当てにおけるTTIは、スロットではなくミニスロットに対応してもよい。すなわち、1つ以上のミニスロットが、データ/制御シグナリングの要求された送信に割当てられてもよい。非スロットベース割当てでは、TTIの最小長は、例えば、1又は2OFDMシンボルであってもよい。
【0023】
ULバーストを送信するUEなど、送信デバイスがアンライセンススペクトルにおいてバーストの送信をスタートするとき、送信機のRF(Radio Frequency)状態を変更する必要がありうる。過渡期間(transient period)とは、送信機が電源OFFからONとONからOFFなど、それのRF状態を変更するために必要な時間である。
【0024】
過渡期間において、送信電力は変化し、OFF電力要求の閾値以下の値から/に、オン電力要求の閾値以上の値へ/から増加又は減少する。過渡期間中の送信電力の値は、規格仕様では未規定である。
【0025】
代わりに、最大許容過渡期間長が規格仕様において規定されている。例えば、周波数範囲1(FR1)では、UEは、10usまでの過渡期間を有することができる(3GPP TS 38.101-1 V15.5.0(2019-03)のUser Equipment(UE) radio transmission and reception,Part 1:Range 1 Standalone(Release 15)を参照されたい)。FR1は、410MHzから7125MHzまでの周波数範囲であり、データチャネルのためにサブキャリア間隔(SCS)15kHz、30kHz、60kHzが利用される。NR UL送信の過渡期間の一例として、FR1におけるNR UL送信の一般的なON/OFF時間マスクが、
図3に示される(3GPP 38.101-1のFigure 6.3.3.2-1を参照)。
【0026】
さらに、FR2では、UEは、5usまでの過渡期間を有することができる(3GPPTS 38.101-1 V15.5.0(2019-03)のUser Equipment(UE) radio transmission and reception,Part 2:Range 1 Standalone(Release 15)を参照されたい)。FR2は、24250MHzから52600MHzまでの周波数範囲であり、データチャネルのためにSCS 60kHz及び120kHzが利用される。
【0027】
上述したように、アンライセンス動作について、CCAは、アンライセンス動作において実行される必要がある。さらに、典型的なシナリオでは、デバイスは、何れかの送信前にCCAを実行する必要がある。LTE-LAA(License-Assisted Access)システムのために、アンライセンス動作のための方式が提供される。LTE-LAAは、ライセンス帯域動作及びアンライセンス帯域動作のためのそれぞれのフレーム構成、すなわち、タイプ1及び2(ライセンス帯域動作)並びにタイプ3(アンライセンス帯域動作)を提供する。
【0028】
一方では、タイプ3のフレーム構成は、アンライセンス動作に専用である。サブフレームTTI及びフレーム構成タイプ3のための一般的なON/OFFタイムマスクが、
図4に示される(3GPP TS 36.101 V16.1.0(2019-03)のEvolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA); User Equipment(UE) radio transmission and reception,Fig.6.3.4.1-1Aを参照されたい)。フレーム構成タイプ3のための時間マスクにおける
図4から理解できるように、過渡期間は、Tx(送信/送信機)バースト(アンライセンススペクトルにおける送信)自体によって吸収される。従って、CCAは、
図4における過渡期間と重複することなく、バーストの外側(例えば、期間t
pの間)で実行可能である。
【0029】
他方、ライセンス帯域動作はフレーム構成タイプ1又はタイプ2を利用し、これらは以下の理由からアンライセンス帯域動作には適用できない。すなわち、フレーム構成タイプ1は、FDD(Frequency Division Duplex)に対してのみ適用可能であり、従って、TDD(Time Division Duplex)に基づくアンライセンス帯域動作には適用できない。
【0030】
さらに、フレーム構成タイプ2は、TDDに適用可能であるが、固定されたアップリンク及びダウンリンク比率を有するコンフィギュレーションを提供する。また、このようなアップリンク-ダウンリンクコンフィギュレーションパターンは、常に10サブフレームの持続時間に対して規定される(3GPP TS 36.211 v15.4.0のTable 4.2-2 Uplink-downlink configurationsを参照されたい)。従って、タイプ2は、送信位置、例えば、ULバースト及びDLバーストに対するより大きなフレキシビリティと共に、チャネル占有の持続時間に関するフレキシビリティが必要とされるアンライセンス帯域動作(又は、略してアンライセンス動作)には適していない。フレーム構成タイプ2をアンライセンス帯域動作に適用不可にするもう1つの重要な要因は、CCAを実行するためのタイムギャップの欠落である。これに対して、
図4に示されるように、サブフレームの始めでは、未送信のギャップはパラメータt
pによって生成され、CCAはt
p後の実際の送信前に実行可能である。
【0031】
LTE-LAAからのフレーム構成タイプ3のための時間マスクがNR-Uにおいて再利用される場合、Txバーストのフロント及びリアシンボルが過渡期間の影響を受ける。これらのシンボルに対する過渡期間の影響は、より短いシンボル持続時間に対応するより高い/より広いSCSによって動作するNR-U、又はリファレンスシンボルなどの高い信頼性を必要とする高優先度シンボルによって開始及び/又は終了するバーストに、特に関連したものになってもよい。
【0032】
CCAがシンボル境界の始めに成功し、Txバーストが即座にスタートする場合、バーストの最初のシンボルは、過渡期間によって影響を受けることになる。これが、
図5に示される。この結果、最初のシンボル(又は、最初のシンボルで送信された信号)は損傷し(例えば、送信電力が充分な強度に到達しなかったため、受信側で回復することができない)、通信システムにおける信頼性送受信又は通信システムのQoSに影響を及ぼす。
【0033】
本開示は、送受信の信頼性を提供することを容易にするための技術を提供する。NRアンライセンス動作又は同様のシステムにおけるアンライセンス動作のための過渡期間の処理のための技術が提供される。本開示の実施例は、ユーザ装置(UE)、基地局(例えば、NR gNB)などの通信デバイスと、UEと基地局などの通信デバイスのための各自の送受信方法とを特徴とする。
【0034】
図6に示されるように、送受信機670(又は“UE送受信機”)及び回路680(又は“UE回路”)を備えるUE660と、送受信機620(又は“基地局送受信機”)及び回路630(又は“基地局回路”)を備える基地局610とが提供される。例えば、基地局とUEは、NR(又はNRアンライセンス)などの通信システムにおける無線チャネルなどのチャネルを介し互いに通信する。UE660は、基地局610に対して信号を送受信し、またその逆も同様である。
【0035】
以下において、“回路”及び“送受信機”という用語は、コンテクスト又は暗黙的な参照がそうでないことを示さない限り、UE回路680及びUE送受信機670と共に、基地局回路630及び基地局送受信機620を包含する。回路630、680は、プロセッサなどの処理回路である。送受信機620、670は、1つ以上のアンテナなどのハードウェア構成要素と、ハードウェア構成要素の動作を制御するソフトウェア構成要素とを備える。
【0036】
回路は、動作中、送信のタイプに基づいて、送受信機が送信を開始又は終了するために電力のランピングを実行する過渡期間の外側境界と、送信に含まれる信号が送信されるシンボル(信号又はデータがマッピングされるシンボル)との間の時間間隔(長さ)を決定する。送受信機620、670は、動作中、送信を実行し、そこにおいてシンボル上で(又はシンボル内において)信号を送信する。CCA(Clear Channel Assessment)のための時間間隔及び時間ウィンドウは重複しない。時間間隔又は時間間隔の長さ(持続時間)は、送信のタイプに依存する。
【0037】
“外側境界(outer boundary)”は、電力値が“OFF”要求のための閾値を通過する過渡期間の境界、すなわち、送信電力が送信の開始時にOFFからON状態に切り換えられる場合のより早い境界、又は、送信電力が送信/バーストの終了時にONからOFFに切り換えられる場合のより遅い境界である。従って、OFFからONへの過渡期間の場合、外側境界とシンボルとの間の距離は、時間方向(シンボルの始まり)における過渡期間のより早い境界とより早いシンボル境界との間の距離である。ONからOFFへの過渡期間の場合、外側境界とシンボルとの間の距離は、時間方向におけるより以降のシンボル境界(シンボルの終わり)と、過渡期間の以降の境界との間の距離である。
【0038】
送信は、1つ以上のOFDMシンボルを含むアンライセンススペクトルにおける(Tx)バーストであってもよく、シンボルは、送信に含まれるOFDMシンボルである。説明されるように、CCAは、送信(すなわち、UE660又は基地局610によって実行される現在の送信)、又は、基地局610(DLバースト)、UE660又はUE660とは異なる他のUEによる現在の送信の後に実行される以降の送信のためのCCAであってもよい。特に、OFFからONへの過渡期間の場合、CCAは現在の送信のためのCCAであり、ONからOFFへの過渡期間の場合、CCAは以降の送信のためのCCAである。
【0039】
CCAの時間ウィンドウは、チャネルが実際に測定される持続時間として参照される。例えば、3GPP TS 37.213 v15.1.0のPhysical layer procedures for shared spectrum channel accessのセクション4.1.1において規定されるように、スロット持続時間Tsf(9usである)は、eNBがスロット持続時間中にチャネルを検知し、スロット持続時間中の少なくとも4usにおいてeNBによって検出された電力がエネルギー検出閾値XThreshより小さい場合、アイドルとみなされる。それ以外の場合、スロット持続時間Tsfはビジーとみなされる。言い換えると、CCAが9usの1スロットのみの持続時間Tsfから構成される場合、実際の測定ウィンドウは4usだけでよい。このような理解によって、オーバラップしないことが必要とされるものは、CCAの全持続時間、例えば、上記の具体例では4usの持続時間の代わりに、規定された時間間隔とCCAのための実際の測定ウィンドウとの間にある。
【0040】
また、さらに説明されるように、送信のタイプは、制御信号、リファレンス信号、プリアンブル又はデータ信号などの信号のタイプ、送信内における固有のタイプの信号のシンボル位置、及び/又はSCSとそれに関連するシンボル長/持続時間などのニューメロロジの特性を含む。送信タイプは、送信又はバーストの持続時間をさらに含んでもよい。
【0041】
過渡期間の外側境界とシンボルとの間の間隔を決定する例示的な基地局回路630(“信号/境界間隔判定回路”)が、
図7に示される。例えば、処理回路630は、間隔導出回路732を含む。回路630は、通知判定回路731をさらに備えてもよい。UE660の例示的な信号/境界間隔判定回路680が、
図8に示される。例えば、UE回路680は、間隔導出回路882を含み、通知評価回路881をさらに含んでもよい。
【0042】
上述したUE及び基地局に対応して、
図9に示されるUEや基地局などの通信デバイスのための送信方法及び受信方法が開示される。UE又は基地局のための送信方法は、送信のタイプに基づいて、送信を開始又は終了するための電力のランピングの過渡期間の外側境界と、送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定するステップS940を含む。送信方法はさらに、シンボル上で信号を送信するステップS970を含む。そのとき、当該時間間隔とCCAのための時間ウィンドウとはオーバラップしない。受信方法は、送信を実行するステップS970ではなく、送信を受信するステップを含む。
【0043】
以下において、上述したUE、基地局、及びそれぞれ対応する通信方法(基地局及びUEの送受信方法)の例示的な実施例が説明される。明示的に述べられていない限り、又はコンテクストによって示されていない限り、以下の説明は、方法及び装置と、基地局及びUEに適用される。
【0044】
いくつかの実施例では、信号が送信されるシンボルは、送信の時間境界に位置する。例えば、信号は、時間方向におけるTxバーストの最初のシンボル又は最後のシンボルに割り当てられる。
【0045】
例えば、外側境界とシンボルとの間の時間間隔として、“ガード期間”(又は“オフセット”若しくは“明示的過渡期間”)は、Txバースト境界(信号が送信の時間境界にある場合、当該信号が送信されるシンボルの時間境界でもある送信の時間境界)の前後に規定又は提供される。時間間隔(又はガード期間、オフセット)では、CCA測定は実行されない。本開示では、“ガード期間”という用語は、バーストに対する電力ランピングが実行されてもよいが、CCA(測定)は実行されない期間であって、電力ランピングによって引き起こされる影響からCCAの結果を保護し、必要に応じて、高い信頼性を必要とする重要なシンボルの送信/受信の成功を実現するのに十分強いシンボル強度を可能にするよう設定される。
【0046】
時間間隔/ガード期間の具体例は、送信のスタート境界におけるフロントガード期間と、送信のエンド境界におけるリアガード期間とを含む。
【0047】
一方、(現在の)送信用のCCAと送信/Txバーストの最初のシンボルの始まりとの間のフロントガード期間(又はフロントオフセット/フロント明示過渡期間)は、少なくとも部分的にはOFFからONへの電力の過渡期間(上述したOFFからONへの過渡期間)を収容するため利用可能である。
【0048】
他方、リアガード期間(リアオフセット/リア明示的過渡期間)は、最後のシンボルの終わりと、通信システムにおけるデバイスによって実行される次の(可能な)CCAとの間に設定されてもよく、少なくとも部分的にONからOFFまでの電力の過渡期間(ON-OFF過渡期間)を収容するため利用可能である。
【0049】
前のバーストのONからOFFへの過渡期間の後に、意図されたTxバーストのOFFからONへの過渡期間が続く具体例が、
図10に示される。上述されるように、過渡期間の間に重要な信号を含む可能性があるシンボルの送信は、信号の送信成功を危険にさらし、制御又はリファレンス信号などの信号の重要性に応じて、バーストの送信成功を危険にさらす可能性がある。バーストの送信成功を実現するため、電力がランプオンされる送信の始めにおけるガード期間が規定/設定可能である。
【0050】
さらに、
図10に示されるように、意図された送信前のCCAが、前の送信の過渡期間のため、ある量の残留電力を測定した場合、当該チャネルは、失敗したCCAのために不必要にブロックされうる。従って、送信電力がランプオフされるTxバースト後の過渡期間がまた以降の送信のために実行されるCCAに影響を与える可能性があることが理解できる。従って、送信の最後のシンボルと、以降/将来の送信のためのCCA期間又はウィンドウと重ならないONからOFFへの過渡期間の外側境界との間の時間間隔又はガード期間は、将来の送信のためのCCAを容易にしうる。
【0051】
上述したように、時間間隔又はガード期間は、送信のタイプに依存する。例えば、フロント及びリアガード期間(又はオフセット若しくは明示的な過渡期間)の長さ(持続時間)は、Txバーストの始めと終わり(最初及び/又は最後のシンボル)でそれぞれ送信されるチャネル/信号のタイプによって決定されてもよい。異なる長さのガード期間の具体例が、
図11~13に示される。すなわち、図示されるガード期間(過渡期間の外側境界とバーストの最初/最後のシンボルとの間の時間間隔)は、ゼロから過渡期間の長さより大きい値までの範囲である。従って、以下の具体例によって示されるように、サービス要求に関するフレキシビリティが提供可能である。
【0052】
第1に、
図11に示されるようにガード期間がゼロである場合、過渡期間は、Txバースト自体によって吸収される。他方、この場合、過渡期間によるオーバヘッドである“過渡オーバヘッド”は発生しない。しかしながら、ガード期間が0であることによって、最初及び/又は最後のシンボルは、上述のように損なわれうる。
【0053】
第2に、
図12に示されるようにガード期間がゼロではないが、過渡期間より小さい場合、過渡期間は、Txバーストによって部分的に吸収され、ガード期間によって部分的に収容される。ガード期間は、以前は“明示的過渡期間”と呼ばれていたが、
図12の具体例では、明示的過渡期間は、ガード期間によって収容される過渡期間の一部に等しい。それに対応して、バーストによって吸収される過渡期間の残りの部分は、“暗黙的過渡期間”と呼ばれてもよい。過渡期間よりも小さい非ゼロのガード期間は、中間的な過渡オーバヘッドと、最初/最後のシンボルに対する中間的な影響とに関連付けされてもよい。
【0054】
第3に、
図13に示されるように、ガード期間が過渡期間以上である場合、過渡期間は、完全にTxバーストの外側にあることになる。これは、
図11~13の具体例のうちから最大のオーバヘッドを生じさせるが、同時に、バーストの最初/最後のシンボルの良好な保護を提供することを容易にしうる。
【0055】
以下において、Txバーストの開始前に成功したCCAと失敗したCCAとのケースが、
図14及び15を参照して説明される。他方、CCAが失敗し、時間間隔の値がゼロより大きい場合、送受信機は、動作中に、
図14に示されるように、過渡期間の開始時間までに終了するCCAの新たな試みを実行する。Txバーストの送信は、ガード期間が残っている新しいCCA(新たな試み)を用いて次の送信機会に延期される。従って、新たなCCA試行が実行される時間間隔又は時間ウィンドウは、依然としてガード期間と重複しない。CCAのより早期の試みのための時間ウィンドウ又は時間間隔と、CCAの新たな試みのための時間間隔/時間ウィンドウとは、異なってもよい。
【0056】
しかしながら、送信のためのCCAがシンボルガード期間で成功するが、ガード期間が非ゼロである場合も、ガード期間は依然として尊重される必要がある。従って、いくつかの実施例では、
図15によって例示されるように、CCAが成功し、時間間隔の値が0より大きい場合、送信(Txバースト)は、CCAウィンドウの終わり又はその後の第1の送信機会から第2の送信機会(例えば、次の送信機会)まで延期され、CCAウィンドウの終わりから第2の送信機会までの時間距離は、ガード期間以上である。さらに、いくつかの場合では、第1のCCAが成功したとしても、新たなCCAが第2の送信機会の前に実行される必要がある。その目的は、送信機会をシフトした後、チャネルが依然としてフリーであることを確認することである。しかしながら、典型的には、第2のCCAは、第2の送信機会のガード期間の前に実行可能となるように、ランダムなバックオフ値なしに決定的な持続時間を有してもよい。
【0057】
以下において、ガード期間の長さを決定するためのいくつかの基準が説明される。例えば、開始又は終了シンボル(バーストの最初及び/又は最後のシンボル)が重要である(重要なシグナルが割り当てられる)場合、ガード期間は、より良好な保護のためにより長い持続時間を有することになる。そうでない場合、オーバヘッドを最小化又は低減するため、より短い持続時間を有してもよい。
【0058】
ここで、シンボルは、例えば、バーストの受信、復調及び/又は復号に必要な情報を含むシンボルなど、信頼性要求のような(クオリティ・オブ)サービスに対する高い要求を有している場合、“重要”でありうる。従って、いくつかの実施例では、上述したタイプの送信は、シンボル上で送信される信号のタイプ(又はチャネルのタイプ)に対するサービス要求を含み、サービス要求がより高い場合にはガード期間がより長くなり、サービス要求がより低い場合にはガード期間がより短くなる。
【0059】
例えば、サービス要求は、信号のタイプが制御信号又はリファレンス信号である場合にはより高く、信号のタイプがプリアンブル又はデータ信号である場合にはより低い。従って、サービス要求は、より低い(クオリティ・オブ)サービスを必要とするシンボルより高い(クオリティ・オブ)サービス(優先度/信頼性)を必要とするシンボルに対して、サービス要求はより大きい(従って、ガード期間はより長い)。ガード期間と、異なるサービス要求を有する信号/チャネルのタイプとの間の関係のいくつかの具体例が、
図16~
図20に示される。
【0060】
例えば、
図16及び17に示されるように、Txバーストが、送信の開始又は終了時に最初又は最後のシンボル又はより多くのシンボルを占有するPDCCH又はPUCCH(Physical Downlink/Uplink Control Channel)などの制御チャネルによって開始又は終了する場合、フロントガード期間及び/又はリアガード期間は、完全に又は十分に大きな部分の何れかで過渡期間を収容するのに十分な大きさであると決定される。
【0061】
同様に、ガード期間が、PDSCH又はPUSCH(Physical Downlink/Uplink Shared Channel)のためのフロントロードされたDMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)又はCSI-RS(Channel State Information Reference Signal)などのリファレンス信号によって開始又は終了する場合、
図18及び19から理解できるように、(フロント及び/又はリア)ガード期間は、過渡期間を(完全又は部分的に)収容するのに十分な大きさである。これらの図では、Txバーストの開始時にフロントロードされたDMRSを含むNRシステムにおけるRSの典型的な構成が示される。しかしながら、本開示はまた、バーストの開始時のCSI-RS又はSRSなど、
図18又は19に示されるものよりバーストの開始時及び/又は終了時における他のRSに適用可能である。
【0062】
しかしながら、TxバーストがNR-Uのプリアンブル又はプリアンブルと同様の信号によって開始される場合、フロントガード期間は、例えば、ゼロ(又は上記のケースより小さい値)であってもよい。説明される1つの可能な利用ケースは、AGC(Automatic Gain Control)及び/又は同期調整のためのものであり、UEがAGC及び同期を追跡し続けるためのSSBなどの周期的な信号の存在は、LBTの不確実性のために保証されないためである。このようなプリアンブル設計は、可能な修正若しくは新たな信号設計によるPSS(Primary Synchronization Sequence)、SSS(Secondary Synchronization Sequence)、DMRS又はCSI-RSなどの既存のNR信号に基づくものとすることができる。新たなプリアンブルの設計がDMRS又はCSI-RSに基づく場合であっても、AGC及び/又は同期が正しく調整される前には、チャネル推定を含む受信は可能又は信頼できるものでないため、チャネル推定のために利用されることは期待されない。このような理解によって、このような新たなプリアンブルに対するサービス要求は、チャネル推定に使用されるリファレンス信号に対するものより低い。従って、ガード期間は、より小さい値又はゼロ値に設定することができる。これは、
図20に示されており、ここでは、プリアンブルと同様の信号を搬送する最初のシンボルの開始時にバースト内において、OFFからONへの過渡期間が発生する。
【0063】
上述されるように、本開示によると、バーストの開始又は終了時の過渡期間は、“明示的過渡期間”と“暗黙的過渡期間”とに細分化可能である。暗黙的過渡期間は、バーストの開始又は終了時における1つ以上の開始又は終了シンボルによって吸収される過渡期間の一部であり、暗黙的過渡期間の値は、“過渡期間からガード期間を引いたもの”に等しい。
【0064】
ガード期間とサービス要求との間の上述した関係によると、暗黙的過渡期間は、(制御及びリファレンス信号など)“重要”シンボルに対してはより小さく、(特に十分な冗長性が与えられる場合)データ又は上述したプリアンブル又はプリアンブルと同様の信号など、(送信の成否が依存しない)あまり重要でないシンボルに対してはより大きくなる。
【0065】
ガード期間の長さがある信号タイプの送信の必要な信頼性などのサービス要求に基づく上記の具体例が提供された。加えて又は代わりに、いくつかの実施例では、送信のタイプは、信号を含む送信が実行されるリソースのサブキャリア間隔(SCS)を含み、外側境界と、信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔は、サブキャリア間隔がより狭い(小さい)場合にはより短くなり、サブキャリア間隔がより広い場合にはより長くなる。その理由としては、ハイレベルでは、SCSが広いほど、シンボル持続時間が短くなることがあげられる。規定された時間間隔(又はガード期間と呼ばれる)がゼロであるケースを考える。その結果、過渡期間はシンボル自身によって吸収されることになる。過渡期間はSCSに従って変化しないため、より短い持続時間(言い換えれば、より大きなSCS)を有するシンボルに対して、過渡期間によって損傷されるシンボル持続時間の割合は、より長い持続時間(言い換えれば、より小さいSCS)を有するシンボルと比較して、より大きくなる。従って、より大きなSCSのケースに対して、より長い時間間隔(又はガード期間)が必要とされる。
【0066】
従って、いくつかの実施例におけるSCSとガード期間との間の上述した関係によると、暗黙的過渡期間は、より小さいSCSに対してはより大きく、より大きいSCSに対してはより小さい。従って、Txバーストの開始又は終了シンボルのより信頼できる送信がまた、シンボル長が短い広いSCSによるニューメロロジに対して実現可能である。
【0067】
従って、ガード期間及び暗黙的過渡期間が決定される基礎となるルール又は基準は、信号タイプ及びSCS/ニューメロロジに対するサービス要求を含む送信タイプを考慮する。これらの基準は、組み合わせてもよいし、単独で採用してもよい。例えば、ニューメロロジ基準及びサービス要求基準からの1つの基準が適用されるか、又はこれらの基準(及びおそらく更なる基準)が組み合わされる。基準を組み合わせる際、一方の基準が予備的な基準として利用されてもよく、他方の基準が二次的な基準として利用されてもよい。例えば、それは、ある閾値以上の全てのSCSに対して指定又は設定されてもよく、過渡期間全体を収容するのに十分であるが、より小さなSCSに対しては、過渡期間が信号タイプに依存するガード期間の値が利用される。あるいは、信号タイプは、予備的な基準として採用されてもよい。この場合、例えば、バーストの最初又は最後のシンボルが、DMRS又はPDCCH/PUCCHなどの信号がマッピングされる重要シンボルであるときは常に、ガード期間は過渡期間全体を収容する。
【0068】
以下の表1では、ガード期間の可能な例示的及び非限定的な値が、周波数範囲(FR1又はFR2)とそれらの関連するシンボル持続時間とのいくつかの異なる組み合わせについて、それぞれ示される。例えば、
図21に示される具体例は、FR1におけるSCS=30kHzに対応し、PUSCHは、第1のシンボルを含むシンボルにマッピングされる。ここでは、例示的な値として、ガード期間は、(10usでなく)5usと決定される。
【表1】
【0069】
上述されるように、送信の時間境界は、送信のスタート境界であってもよい。そして、いくつかの実施例では、UE送受信機670は、動作中に更に、例えばグラント(送信がスケジューリングされるスケジューリングDCI(Downlink Control Information)などのスケジューリンググラント)又は上位レイヤシグナリング(RRC(Radio Resource Control)シグナリング)において、送信のスタート境界の通知を受信する。UE回路680は、動作中にまず時間間隔(又はガード期間)の長さを決定し、その後、送信の通知されたスタート境界と時間間隔の長さとから過渡期間の外側境界を決定する。UE送受信機670は、CCA時間ウィンドウ/間隔の上記説明に従って送信に対してCCAを実行し、その後、送信を開始するためCCA期間/ウィンドウと重複しない過渡期間において電力をランピングする。本開示では、“通知”とは、バーストの開始位置などの数値を表すビットマップ又はビットフィールドなどの1つ以上のインジケータを表す。
【0070】
以下において、UEがどのようにガード期間の持続時間を知ることができるかが説明される。例えば、ニューメロロジ及び/又はサービス要求の上記の基準を含む、上記で規定及び開示されたルールセットは、例えば、規格又は仕様によってUE及び基地局/gNBの双方に知られていると仮定される。
【0071】
例えば、Txバーストの送信を開始するため、UEは、スケジューリング情報からTxバーストの開始(シンボル)位置と、SCS及び/又は最初のシンボルが重要シンボル(例えば、DMRS又はPDCCH)であるか否かなどの他の情報とを知る。既知及び以前に規定されたルールに従って、UEは、ガード期間の長さを導出する。送信が実行されないCCAに対して十分なギャップを作成するのは、スケジューラ(又はスケジューリングエンティティ)の役割である。
【0072】
PUSCH送信を含むTxバーストを開始するための例示的なUE動作に関するさらなる詳細が、
図22に示される。ステップS2201において、UEは、Txバーストの開始(シンボル)位置及びCCA要求を含むPUSCHのためのULグラント、例えば、25usのCat-2 LBT(Category 2 Listen Before Talk)を受信する。サービス要求又はSCS/ニューメロロジなどのルールによると、UEは、ステップS2202において、ガード期間長を導出する。ガード期間長及びアップリンクグラントの開始シンボル位置から、UEは、過渡期間の外側境界を決定することができる。そして、UEは、CCAを実行する(ステップS2203)。CCAが成功した場合、UEは、過渡期間の外側の境界から始まってON要求に到達するまで送信電力をランピングし、その後、ON要求を維持する(ステップS2204)。電力のランピングアップ中、第1の完全なシンボル境界に到達したか否かが確認される(ステップS2205)。ここでは、過渡期間の始まり(“外側境界”)は2つのシンボル境界の間に位置すると仮定される。第1の完全なシンボル境界にまだ到達していない場合、UEは、電力のランピングアップを継続する。しかしながら、第1の完全なシンボル境界に到達した場合、UEは、Txバーストの送信(この場合、PUSCH送信)を開始する。ガード期間及び過渡期間の長さに応じて、UEは、依然としてPUSCH送信中に継続してもよい。CCAが成功しなかった場合、送信は放棄され、上述したように、新たなCCA試行が実行されてもよい。
【0073】
上述した
図22の例では、送信はPUSCH送信であり、第1のシンボルはPUSCHシンボルであると仮定される。PUSCHは、UEが基地局から受信したスケジューリンググラントによってスケジューリングされる。設定されたグラントベースのPUSCH送信など、ダウンリンク制御チャネルにおけるダイナミックグラントが受信される必要がない送信を含みうる各種送信に対して、開始シンボル位置は、基地局から受信された上位レイヤ(RRC)シグナリングからUEに知らされてもよい。
【0074】
PUSCH送信などのTxバーストの開始時に利用される上述された方法は、過渡期間の開始が、UEに知られているルールと、送信/Txバーストの開始から暗黙的に知られているため、暗黙的であるとみなされてもよい。
【0075】
過渡期間の開始位置を、例えば、スケジューリング情報において明示的に通知することもできる。この場合、CCAは、過渡期間の通知された開始位置の前に実行されるべきである。
【0076】
DCI(Downlink Control Information)による過渡期間の開始位置の明示的な通知の具体例が、表2に提供される。これらの具体例では、スロットの最初のシンボル(“Sym 0”)は、ガード期間の始まりが2ビットのコードポイントによって示されるリファレンスとして抽出される。しかしながら、表2は、明示的な通知の具体例を提示しているに過ぎず、決して、バースト又は過渡期間/ガード期間の特定の開始位置に本開示を限定することを意図するものでない。対照的に、バーストは、スロットの第1のシンボルとは異なってもよい送信機会で始まってもよい。さらに、本開示は、スロットベースの割当てだけでなく、非スロットベースの割当てにも適用可能である。
【表2】
【0077】
表2によると、UEが“00”と示されるとき、UEは、任意のスロットのシンボル0でTxバーストの最初のシンボルを開始する。これは、過渡期間がシンボル0自体によって吸収されることを意味する。UEが“01”と示されるとき、UEは、任意のスロットのシンボル1でTxバーストの最初の(完全な)シンボルを開始する。UEは、シンボル0の境界の後の16usで過渡期間を開始する。UEが“10”と示されるとき、UEは、任意のスロットのシンボル1でTxバーストの最初のシンボルを開始する。UEは、シンボル0の境界の後の25usで過渡期間を開始する。最後に、UEが“11”と示されるとき、UEは、任意のスロットのシンボル1でTxバーストの最初の(完全な)シンボルを開始する。UEは、シンボル0の境界の後の25us+TimeAdvance値で過渡期間を開始する。明示的通知の場合において送信の開始時に実行されるステップを説明する例示的なフローチャートが、ステップS2301及びS2302が
図22と異なる
図23に示される。残りのステップS2303~S2307は、
図22に示される対応するステップと同様である。
【0078】
時間境界が開始境界である上記の具体例に加えて、いくつかの実施例では、時間境界は送信の終了境界(信号が含まれる現在の送信)である。そのような場合、CCAは、現在の送信と異なる以降の送信のためのCCAを指すものであってもよく、おそらく必ずしもその必要はないが、別のUE(例えば、UL送信)又は基地局(DL送信)などの通信システムにおける異なる通信デバイスによって送信される。UEの送受信機670は、動作中にグラント又は上位レイヤシグナリングによって、現在の送信の開始境界と現在の送信の持続時間との通知を受信する。UE回路680は、動作中に現在の送信の通知された開始境界及び持続時間から現在の送信の終了境界を導出し、過渡期間の長さと、過渡期間の外側境界とシンボルとの間の時間間隔との間の差分である現在の送信の終了境界からある距離に位置する過渡期間の内側境界を決定する。
【0079】
従って、送信の開始境界(例えば、第1のシンボルの位置)の通知に加えて、当該通知は更に送信の持続時間を通知する。例えば、スケジューリンググラント/スケジューリングDCIにおいて、又は上位レイヤシグナリングにおいて2つのインジケータ(ビットフィールドなど)があり、一方のインジケータは開始境界を示し、他方のインジケータは持続時間を示す。双方のインジケータは、グラントに含まれてもよい。しかしながら、例えば、送信の開始境界のインジケータがグラントに含まれ、持続時間のインジケータが上位レイヤシグナリングに含まれるケースがあってもよい。さらに代わりに、単一のビットフィールドが、開始位置と長さの双方を表してもよい。
【0080】
従って、Tx(アップリンク)バースト(信号を含む送信)の送信を終了するため、UEは、過渡期間をどこから始めるか(すなわち、電力をどこからランピングダウンし始めるか)を知っている。特に、上述した通知/インジケータと、明示的ガード期間(又は時間間隔)の長さを決定するのに利用されるルール/基準とに基づいて、UEは、過渡期間のスタートを決定することができる。さらに、過渡期間の長さは、それ自体の能力(UEの特定のハードウェア及びソフトウェアなど)に関連し、標準仕様は、例えば、表1に示される値に従ってそのような過渡期間に対する制限を既に設定しているため、UEにも知られている。そして、ONからOFFへのガード期間の開始は、“送信の開始+送信の長さ-暗黙的過渡期間”として決定することができ、ここで、暗黙的過渡期間は、“過渡期間-ガード期間”に等しい。
【0081】
UL送信の終了時にUEによって実行されるステップの具体例が、
図24に示される。まず、ステップS2401において、UEは、PUSCH長を含むPUSCHのULグラントと、SCSの通知(例えば、15kHz)とを受信する。上述したように、グラントは、送信の開始の指示を更に含んでもよい。そして、ステップS2402において、UEは、既知のルールに従ってリアガード期間の長さを決定する。例えば、
図1に示されるように、PUSCH及び15kHzのSCSに対して、ガード期間が存在しないと判断される。ステップS2403において、UEは、ガード期間要求を充足するよう電力ランピングダウンの開始位置を決定する。この具体例では、それの過渡期間が10usであって、ガード期間がない(0ガード期間)と仮定すると、UEは、最後のシンボルの終わりまでに過渡期間10usを開始しなければならない。UEは、PUSCHの送信を実行する。オンからオフへの過渡期間の開始まで、UEは、ON電力要求によってPUSCHを送信する(S2404)。電力をランピングダウンするための過渡期間の開始位置に到達したと判定された場合(S2405)、UEは、電力をランピングダウンし(S2406)、ステップS2407において、残りのPUSCHシンボル(ガード期間がない場合、過渡期間と重複する)を送信する。UE電源オフ状態/要求に到達した場合(S2408)、送信が終了される(S2409)。
【0082】
上記の場合において、UEから基地局へのアップリンク送信のケースにおけるUE動作が説明された。ダウンリンク送信に関して、始めからDL Txバーストを受信し、バーストの受信を始めるため、UEは、第1の完全なシンボルをUEに通知するスケジューリング情報に従ってもよい。第1の完全なシンボルが過渡期間を含むか否か(すなわち、過渡期間が第1のシンボルの前にあるか否か)は、UEに透過的である。また、DL送信の終わりにおいて、Txバーストを終わりで受信するため、UEは、最後の(完全な)シンボルをUEに通知するスケジューリング情報に従ってもよい。最後のシンボルが過渡期間を含むか否かは、UEに透過的である。
【0083】
上述したUEの動作によると、最初/最後のシンボルが過渡期間を含むか否かに関係なく、最初と最後のシンボルのための特別なマッピング(符号化されたビット又はリファレンス信号から物理リソースへの)は必要でないことが提供されてもよい。最初/最後のシンボルが過渡期間を含むか否かに関係なく、受信機側における最初と最後のシンボルの特別な取り扱いは必要とされなくてもよい。
【0084】
過渡期間の外側境界と信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔が、Txバーストの最初のシンボルの前又は最後のシンボルの後に挿入されるガード期間に対応する実施例が、上述された。しかしながら、本開示はまた、ガード期間が挿入されない(ガード期間が、透過タイプとは関係なく0である)実施例をカバーする。このような実施例では、過渡期間の開始と、必須(重要)な信号/情報がマッピングされるシンボルとの間の十分に大きな時間間隔が、リファレンス信号又は制御情報などの必須の情報を搬送するための開始及び終了シンボル(バーストの最初と最後のシンボル)を使用しないことによって実現可能である。
【0085】
上記の開示において、SCS/ニューメロロジ及びサービス要求は、ガード期間が決定される基礎となるルールの基準として名付けられた。ライセンスバンドの使用に適用されうるような過渡期間のための他の要求又は基準は、これまでに記載されたルールに加えて、それと組合せて、又はそれの上で適用されてもよい。従って、いくつかの実施例では、送信のタイプは送信の持続時間を含み、送信の持続時間がより短い場合にはガード期間はより長くなり、送信の持続時間がより長い場合にはガード期間はより短くなる。例えば、送信バーストが短い場合、過渡期間はTxバーストの外側にあるべきであることが必要とされうる。
【0086】
従って、いくつかの実施例では、シンボル上で送信される信号が第1の信号であり、当該送信は、第1のシンボルよりも低いサービス要求を有する第2のシンボルを含む。(UE又は基地局)回路630、680は、過渡期間の外側境界と、第1の信号と第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって第1の信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定し、時間間隔を長くする。従って、過渡期間の外側境界と第1の信号を有するシンボルとの間の間隔は、シンボル位置を入れ替え(交換/切り替え)、それによって、第1の信号を有するシンボルを、過渡期間の外側境界から離れた又は隣接しない内部シンボル位置に移動することによって確立される。例えば、データチャネルについて、Txバーストが最初又は最後のシンボル上の必須のリファレンス信号から開始又は終了することが当初意図されている場合、開始又は終了シンボルは、例えば、第2のシンボル(又は第2の最後のシンボル)と入れ替えられる。
【0087】
例えば、UEは、グラント又は上位レイヤシグナリングにおいて、シンボル位置が入れ替えられるべきか否かを示すフラグを基地局から受信し、送信がアップリンク送信である場合、フラグに従ってシンボル位置の入れ替えを実行する。DL送信の場合、基地局は入れ替えを実行し、フラグは、何れの信号が何れのシンボルで何れの順序で受信(復調、復号)されるべきかをUEに通知する。
【0088】
例えば、スケジューリングDCIは、UEに入れ替えを指示するためのフラグを含む。当該フラグは、入れ替えが実行されるべきか否かを示す1ビットのフラグであってもよいし、あるいは、バーストの開始とバーストの終了とのためのそれぞれのビットが設けられてもよい。あるいは、例えば、開始シンボル及び/又は終了シンボルが入れ替えられるべきシンボルを示すための複数のビットが設けられてもよい。
【0089】
いくつかの実施例は、制御チャネルが開始及び/又は終了シンボルにマッピングされるべきではないという合意に基づくものであってもよい。そして、受信装置は、PDCCH又はPUCCHなどの制御チャネルを受信することを期待せず、復号しようとしない。例えば、当該合意は、規格によってなされてもよく(例えば、特定のSCSの開始/終了シンボルに制御チャネルがない)、又は設定されてもよい。このような合意の場合、入れ替えを示すための専用フラグは、シグナリングされることを必要としなくてもよい。
【0090】
本開示では、FR1及びFR2は、NRにおけるアンライセンス動作のための例示的な周波数帯域として言及され、SCS及び過渡期間に対する要求が設けられてもよい。しかしながら、ここで開示される技術はまた、より高い周波数帯域などの他の周波数範囲に適用されてもよい。特定の場合では、過渡期間が1シンボルよりも長い持続時間を有することが起こりうる(例えば、非常に大きなSCSの場合)。ここに開示される技術はまた、そのような場合にも適用することができる。例えば、大きなSCSについて、ガード期間は、Txバーストにおける第2のシンボル又は最後の第2のシンボルに対しても十分な信頼性が提供されるように、十分に大きくなるよう選択されてもよい。あるいは、必須のシンボルを他のシンボルと入れ替える場合、第1のシンボルは、例えば、第2のシンボルでなく、バーストにおける第3又は第4のシンボルによって位置を変更してもよい。
【0091】
送信がUEから基地局へのアップリンク送信であるいくつかの実施例が説明された。アップリンク送信方法の例示的な方法ステップが、
図25に示される。基地局は、アップリンクバーストなどの送信のスタートと、おそらく送信の長さ(例えば、シンボル数)との通知を決定する(S2510)。基地局はさらに、グラント又は上位レイヤシグナリングにおいてUEに通知を送信する(S2520)。UEは通知を受信し(S2530)、それとガード期間を決定するためのルールとに基づいて、シンボルが送信される信号と外側境界との間の時間間隔を決定し、それに応じて、基地局によって受信される送信を実行する(S2580)(
図9のステップS940及びS970)。
【0092】
一般に、本開示は、ダウンリンクと共にアップリンク送信に適用可能である。ダウンリンク送信の場合、基地局(送信装置)は、送信の境界とガード期間の(内側及び/又は外側)境界とを決定し、送信の開始と、必要な場合、上位レイヤシグナリング又はスケジューリングDCI/割当てにおいて送信の持続時間との通知を送信し、CCAを実行し、送信を実行する。
【0093】
さらに、本開示では、送信装置(UE又は基地局)による(バースト、グラント、シグナリングなどの)送信を実行する何れかの言及は、送信が対応する受信装置(基地局又はUE)によって受信されうることを意味する。
【0094】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組合せによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0095】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0096】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0097】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0098】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組合せを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0099】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0100】
通信装置はまた、基地局、アクセスポイントなどのインフラストラクチャファシリティと、上記の非限定的な例におけるものなどの装置と通信又は制御する他の何れかの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0101】
ユーザ装置(UE)であって、動作中に送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、動作中に前記シンボル上で前記信号を送信する送受信機と、を有し、前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複である、ユーザ装置が提供される。
【0102】
いくつかの実施例では、前記信号が送信されるシンボルは、前記送信の時間境界にある。
【0103】
例えば、前記送信のタイプは、前記信号のタイプに対するサービス要求を含み、前記時間間隔は、前記サービス要求がより高い場合にはより長く、前記サービス要求がより低い場合にはより短い。
【0104】
例えば、前記サービス要求は、前記信号のタイプが制御信号又はリファレンス信号である場合にはより高く、前記信号のタイプがプリアンブル又はデータ信号である場合にはより低い。
【0105】
いくつかの実施例では、前記送信のタイプは、前記信号を含む送信が実行されるべきリソースのサブキャリア間隔を含み、前記時間間隔は、前記サブキャリア間隔がより狭い場合にはより短く、前記サブキャリア間隔がより広い場合にはより長い。
【0106】
いくつかの例示的な実施例では、前記送信の時間境界は、開始境界であり、前記送受信機は、動作中にグラント又は上位レイヤシグナリングにおいて前記送信の開始境界の通知を受信し、前記回路は、動作中に前記通知と前記時間間隔とに基づいて前記過渡期間の外側境界を決定し、前記送受信機は、動作中に前記送信に対して前記CCAを実行し、前記送信を開始するため前記過渡期間において前記電力をランピングオンする。
【0107】
いくつかの例示的な実施例では、前記信号は、現在の送信に含まれ、前記CCAは、以降の送信のためのCCAであり、前記時間境界は、前記現在の送信の終了境界であり、前記送受信機は、動作中にグラント又は上位レイヤシグナリングにおいて前記現在の送信の開始境界と前記現在の送信の持続時間との通知を受信し、前記回路は、動作中に前記現在の送信の通知された開始境界と持続時間とから前記現在の送信の終了境界を導出し、前記過渡期間の長さと前記時間間隔との間の差分である、前記現在の送信の終了境界からの距離に配置される前記過渡期間の内側境界を決定する。例えば、前記CCAが成功し、前記時間間隔の値がゼロより大きい場合、前記送信は前記CCAのウィンドウのエンドにおける第1の送信機会から第2の送信機会に延期され、前記CCAのウィンドウのエンドから前記第2の送信機会までの時間距離は、前記時間間隔より大きい。
【0108】
例えば、前記CCAが失敗し、前記時間間隔の値がゼロより大きい場合、前記送受信機は、動作中に前記過渡期間の開始時間までに終了する前記CCAの新たな試行を実行する。
【0109】
いくつかの実施例では、前記送信のタイプは、前記送信の持続時間を含み、前記時間間隔は、前記送信の持続時間がより短い場合にはより長く、前記送信の持続時間がより長い場合にはより短い。
【0110】
例えば、前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、前記第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、前記回路は、動作中に前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と前記第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する。
【0111】
例えば、前記送受信機は、動作中にグラント又は上位レイヤシグナリングにおいて、前記シンボル位置が入れ替えられるべきか否かを示すフラグを受信し、前記回路は、前記フラグに従って前記シンボル位置の入れ替えを実行する。
【0112】
ユーザ装置(UE)であって、動作中に送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、動作中に前記シンボル上で前記信号を受信する送受信機と、を有し、前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複である、ユーザ装置が提供される。
【0113】
いくつかの実施例では、前記信号が受信されるシンボルは、前記送信の時間境界にある。
【0114】
例えば、前記送信のタイプは、前記信号のタイプに対するサービス要求を含み、前記時間間隔は、前記サービス要求がより高い場合にはより長く、前記サービス要求がより低い場合にはより短い。
【0115】
例えば、前記サービス要求は、前記信号のタイプが制御信号又はリファレンス信号である場合にはより高く、前記信号のタイプがプリアンブル又はデータ信号である場合にはより低い。
【0116】
いくつかの実施例では、前記送信のタイプは、前記信号を含む送信が実行されるべきリソースのサブキャリア間隔を含み、前記時間間隔は、前記サブキャリア間隔がより狭い場合にはより短く、前記サブキャリア間隔がより広い場合にはより長い。
【0117】
例えば、前記送信のタイプは、前記送信の持続時間を含み、前記時間間隔は、前記送信の持続時間がより短い場合にはより長く、前記送信の持続時間がより長い場合にはより短い。
【0118】
例えば、前記シンボル上で受信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、前記第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、前記回路は、動作中に前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と前記第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する。
【0119】
例えば、前記送受信機は、動作中に割当て又は上位レイヤシグナリングにおいて、前記シンボル位置が入れ替えられるべきか否かを示すフラグを受信し、前記信号は、前記フラグに従って前記シンボル位置が入れ替えられた位置で受信される。
【0120】
動作中に送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、動作中に前記シンボル上で前記信号を受信又は送信する送受信機と、を有し、前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複である、基地局が更に提供される。
【0121】
いくつかの実施例では、前記信号が送信されるシンボルは、前記送信の時間境界にある。
【0122】
例えば、前記送信のタイプは、前記信号のタイプに対するサービス要求を含み、前記時間間隔は、前記サービス要求がより高い場合にはより長く、前記サービス要求がより低い場合にはより短い。
【0123】
例えば、前記サービス要求は、前記信号のタイプが制御信号又はリファレンス信号である場合にはより高く、前記信号のタイプがプリアンブル又はデータ信号である場合にはより低い。
【0124】
いくつかの実施例では、前記送信のタイプは、前記信号を含む送信が実行されるべきリソースのサブキャリア間隔を含み、前記時間間隔は、前記サブキャリア間隔がより狭い場合にはより短く、前記サブキャリア間隔がより広い場合にはより長い。
【0125】
いくつかの例示的な実施例では、前記送信の時間境界は、開始境界であり、前記送受信機は、動作中に前記送信の開始境界の通知を決定し、これに基づいて、前記過渡期間の外側境界が導出可能であり、前記送受信機は、動作中にグラント又は上位レイヤシグナリングにおいて前記送信の開始境界の通知を送信し、前記通知に従って前記送信を受信する。
【0126】
いくつかの実施例では、前記信号は、現在の送信に含まれ、前記CCAは、以降の送信のためのCCAであり、前記時間境界は、前記現在の送信の終了境界であり、前記送受信機は、動作中に前記現在の送信の開始境界と前記現在の送信の持続時間とを決定し、前記送受信機は、グラント又は上位レイヤシグナリングにおいて、前記現在の送信の開始境界と前記現在の送信の持続時間との通知を送信し、前記通知に従って前記送信を受信する。
【0127】
いくつかの実施例では、前記送信のタイプは、前記送信の持続時間を含み、前記時間間隔は、前記送信の持続時間がより短い場合にはより長く、前記送信の持続時間がより長い場合にはより短い。
【0128】
例えば、前記シンボル上で送信される信号は、第1の信号であり、前記送信は、前記第1のシンボルより低いサービス要求を有する第2のシンボルを含み、前記回路は、動作中に前記時間間隔を増加させるため、前記過渡期間の外側境界と、前記第1の信号と前記第2の信号とのシンボル位置を入れ替えることによって前記第1の信号が送信されるべきシンボルとの間の前記時間間隔を決定する。
【0129】
例えば、前記送受信機は、動作中にグラント、割当て又は上位レイヤシグナリングにおいて、前記シンボル位置が入れ替えられるべきか否かを示すフラグを送信し、前記送信は、前記フラグに従って入れ替えられた前記シンボル位置で受信又は実行される。
【0130】
要約すると、ユーザ装置(UE)、基地局及びUEと基地局との各自の送信/受信方法が提供される。UEは、動作中に送信のタイプに基づいて、前記送信を開始又は終了するための電力のランピングのための過渡期間の外側境界と、前記送信に含まれる信号が送信されるシンボルとの間の時間間隔を決定する回路と、動作中に前記シンボル上で前記信号を送信する送受信機と、を有し、前記時間間隔とCCA(Clear Channel Assessment)のための時間ウィンドウとは非重複である。