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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】接続装置及び家具
(51)【国際特許分類】
   F16B 12/20 20060101AFI20241108BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20241108BHJP
   A47B 87/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F16B12/20 Z
F16B2/10 D
A47B87/00
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021564833
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2020061998
(87)【国際公開番号】W WO2020225079
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】102019206427.2
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513214527
【氏名又は名称】ラメロ アクチェンゲゼルシャフト
(73)【特許権者】
【識別番号】513214516
【氏名又は名称】フランツ バウアー
(73)【特許権者】
【識別番号】519047141
【氏名又は名称】フランツ ジョゼフ ハザー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】フランツ バウアー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ ジョゼフ ハザー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ザイラー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック イェーカー
(72)【発明者】
【氏名】ザームエル ヘンニ
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0114812(US,A1)
【文献】特表2016-513224(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108006027(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 12/00-12/60
F16B 2/00-2/26
A47B 87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成部品(102)と第2の構成部品(104)とを接続するための、かつ/又は、構成部品(102、104)と対象物(108)とを接続するための、接続装置(100)であって、
前記接続装置(100)は、
該構成部品(102、104)内に配置可能な本体部(122)を備えた接続要素(110)と、
対応物との接続を構築するための1つ又は複数のばね要素(146)と、を備えており、
1つ又は複数の前記ばね要素(146)は、それぞればね部分(156)、及び/又は、安定化部分(158)を備え、
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)から離れる方向へ突出し、かつ/又は、前記安定化部分(158)は、前記ばね部分(156)から前記本体部(122)の方向へ向けて延在し、
前記本体部(122)は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の一部を収容するための、又は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の全体を収容するための、少なくとも1つのばね台座(178)を備えることを特徴とする、接続装置(100)。
【請求項2】
前記接続装置(100)は、家具部品及び/又は機械部品を接続するためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置(100)。
【請求項3】
前記1つ又は複数のばね要素(146)は、嵌め合い接続要素(114)内の1つ又は複数の開口部(148)に挿入するためのものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の接続装置(100)。
【請求項4】
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)から離れる方向へ突出し、かつ、前記本体部(122)から離れた前記ばね部分(156)の端部(160)において前記安定化部分(158)に隣接していること、及び、前記安定化部分(158)は、前記本体部(122)から離れた前記ばね部分(156)の該端部(160)から前記本体部(122)の方向へ向けて延在することを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項5】
前記安定化部分(158)は、前記ばね要素(146)の弛緩状態において前記本体部(122)内へ延在することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記ばね要素(146)の前記安定化部分(158)は、横断方向(136)において、対応する前記ばね台座(178)の幅(BB)の90%以上とされた幅(BA)を有することを特徴とする、請求項5に記載の接続装置(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ばね要素(146)の前記安定化部分(158)は、横断方向(136)において、対応する前記ばね台座(178)の幅(BB)の95%以上とされた幅(BA)を有することを特徴とする、請求項6に記載の接続装置(100)。
【請求項8】
前記ばね部分(156)と前記安定化部分(158)とは、共に一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項9】
前記ばね部分(156)と前記安定化部分(158)とは、前記ばね要素(146)のばね突出部(164)において互いに合体しており、前記ばね突出部(164)は、前記本体部(122)から最大限離れた前記ばね要素(146)の端部とされていることを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項10】
前記ばね突出部(164)は、丸みを帯びた、又は、面取りされたばね頂部(166)とされていることを特徴とする、請求項9に記載の接続装置(100)。
【請求項11】
前記ばね突出部(164)は、1面、2面、3面、又は、4面が、丸みを帯びた、又は、面取りされたばね頂部(166)とされていることを特徴とする、請求項10に記載の接続装置(100)。
【請求項12】
前記ばね部分(156)は、板ばね(170)の形式とされていることを特徴とする、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項13】
前記本体部(122)に面している前記ばね要素(146)の前記ばね部分(156)の端部(162)は、前記本体部(122)と合体していることを特徴とする、請求項1から請求項12の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項14】
前記本体部(122)に面している前記ばね部分(156)の端部(162)は、前記ばね部分(156)の上面(150)が、該端部(162)において、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)に対して平行になるように、前記本体部(122)に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項15】
前記ばね部分(156)は、前記ばね部分(156)の2つの端部(160、162)を互いに接続する、2つの幅広面(172)及び2つの幅狭面(174)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項14の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項16】
前記ばね部分(156)は、前記ばね要素(146)の弛緩状態において湾曲されていることを特徴とする、請求項1から請求項15の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項17】
前記ばね要素(146)の弛緩状態で、幅広面(172)において前記本体部(122)から離れているばね突出部(164)の丸みを帯びた、又は、面取りされたばね頂部(166)に適用される接線は、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)との間に、20°以上、及び/又は、70°以下の角度をなすことを特徴とする、請求項1から請求項16の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項18】
前記ばね要素(146)の弛緩状態で、前記ばね部分(156)の上面(150)において前記本体部(122)から離れている前記ばね部分(156)の端部(160)に適用される前記接線は、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)との間に、20°以上、及び/又は、70°以下の角度をなすことを特徴とする、請求項17に記載の接続装置(100)。
【請求項19】
前記接線は、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)との間に、30°以上、及び/又は、55°以下の角度をなすことを特徴とする、請求項17又は請求項18に記載の接続装置(100)。
【請求項20】
前記ばね部分(156)の上面(150)は、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の端部(162)において、前記本体部(122)の上面(128)と同一平面とされている、又は、前記本体部(122)の上面(128)の下方側に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項19の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項21】
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)の外面形状の内部へ突入していること、及び、前記ばね部分(156)の側方に隣接している前記本体部(122)の1つ又は複数の側壁(132)は、1つ又は複数の凹み部(176)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項20の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項22】
前記ばね部分(156)の側方に隣接している前記本体部(122)の1つ又は複数の側壁(132)は、前記ばね部分(156)が前記本体部(122)の外面形状の内部へ突入している領域において前記ばね部分(156)の形状と少なくともほぼ相補的に形成された1つ又は複数の凹み部(176)を備えることを特徴とする、請求項21に記載の接続装置(100)。
【請求項23】
前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の下面(182)は、1つ又は複数の面取りされた、又は、丸みを帯びた端部を備えることを特徴とする、請求項1から請求項22の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項24】
前記ばね部分(156)の下面(182)は、前記ばね部分(156)の下方側の幅広面(172)と前記ばね部分(156)の一方又は両方の側部の幅狭面(174)との一方又は両方の移行部分において、1つ又は複数の面取りされた、又は、丸みを帯びた端部を備えることを特徴とする、請求項23に記載の接続装置(100)。
【請求項25】
前記本体部(122)と1つ又は複数の前記ばね要素(146)とは、互いに一体的に製造されていることを特徴とする、請求項1から請求項24の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項26】
前記本体部(122)と1つ又は複数の前記ばね要素(146)とは、互いに一体的な射出成形部品の形式で製造されていることを特徴とする、請求項25に記載の接続装置(100)。
【請求項27】
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の端部(162)において、前記本体部(122)の最大幅(Bv)の20%以上に相当する幅(BF)を有することを特徴とする、請求項1から請求項26の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項28】
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の端部(162)において、前記本体部(122)の最大幅(Bv)の30%以上に相当する幅(BF)を有することを特徴とする、請求項27に記載の接続装置(100)。
【請求項29】
前記接続要素(110)は、前記接続要素(110)の横断方向中心面(184)に対して互いに鏡面対称となるように配置、かつ/又は、形成された2つのばね要素(146)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項28の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項30】
前記接続装置(100)は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の上面(150)の形状と相補的に形成された1つ又は複数の開口部(148)を有する嵌め合い接続要素(114)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項29の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項31】
前記接続装置(100)は、2つの構成部品(102、104)を接続した状態の第1の構成部品(102)に配置されている前記接続要素(110)と、該構成部品(102、104)を接続した状態の第2の構成部品(104)に配置されている嵌め合い接続要素(114)と、を備えることを特徴とする、請求項1から請求項30の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項32】
前記接続要素(110)は、当該接続要素(110)を、嵌め合い接続要素(114)と着脱可能に接続するために、前記本体部(122)に対して移動可能な保持要素(140)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項31の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項33】
前記接続要素(110)は、当該接続要素(110)を、別の接続要素(110)、対象物(108)、及び/又は、構成部品(102、104)と着脱可能に接続するために、前記本体部(122)に対して移動可能な保持要素(140)を備えることを特徴とする、請求項32に記載の接続装置(100)。
【請求項34】
前記接続要素(110)、及び/又は、嵌め合い接続要素(114)は、縦断面において円弧形状の湾曲した支持面を有する1つ又は複数の保持突起(134)をそれぞれ備えることを特徴とする、請求項1から請求項33の何れか1項に記載の接続装置(100)。
【請求項35】
第1の構成部品(102)と第2の構成部品(104)とを接続するための、かつ/又は、構成部品(102、104)と対象物(108)とを接続するための、接続装置(100)であって、
前記接続装置(100)は、
該構成部品(102、104)内に配置可能な本体部(122)を備えた接続要素(110)と、
対応物との接続を構築するための1つ又は複数のばね要素(146)と、を備えており、
1つ又は複数の前記ばね要素(146)は、それぞればね部分(156)、及び/又は、安定化部分(158)を備え、
前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)から離れる方向へ突出し、かつ/又は、前記安定化部分(158)は、前記ばね部分(156)から前記本体部(122)の方向へ向けて延在し、
前記安定化部分(158)は、前記ばね要素(146)の弛緩状態において前記本体部(122)内へ延在することを特徴とする、接続装置(100)。
【請求項36】
複数の構成部品(102、104)と、請求項1から請求項35の何れか1項に記載の1つ又は複数の接続装置(100)と、を備えた家具(106)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の構成部品と第2の構成部品とを接続するための、特に、家具部品又は機械部品を接続するための接続装置に関する。さらに、本発明は、構成部品と対象物とを接続するための接続装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、家具、例えば、戸棚、棚、テーブル、又は、その他の調度品若しくは保管品に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、特許文献1により公知の接続装置の場合、接続装置は、構成部品が接続された状態で第1の構成部品に配置されている第1の接続要素と、構成部品が接続された状態で第2の構成部品に配置されている第2の接続要素と、を備える。第1の接続要素は、本体部と、第1の接続要素を第2の接続要素と着脱可能に接続するための第1の接続要素の本体部に対して移動可能な保持要素と、を備えており、移動可能な保持要素は、第1の保持外形を備え、第2の接続要素は、第1の保持外形と相互に係合可能な第2の保持外形を備える。
【0004】
特許文献1による接続装置の場合、第1の接続要素は、相補的とされた第2の接続要素の受容孔に挿入可能な固定された挿入突起を備える。この目的のために、挿入突起は、構成部品の内部又は外部に固定された第1の接続要素の事前取り付け状態における構成部品から突出しなければならない。挿入突起が受容孔に挿入された場合、構成部品は、接続要素の接続方向に対して垂直に延びる平面内で横方向に固定される。この横方向の固定は、多くの場合において信頼性の高い仮位置決めのためには望ましいが、それ以外の場合、例えば、2つの構成部品を正確に位置決めし、かつ、互いに固定するために、構成部品を別の構成部品に載置した状態で上記の平面に沿って動かさなければならない場合には、邪魔になる。突き出ている挿入突起の場合、このような移動は不可能となるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第1990549号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、組立過程及び/又は接続過程において互いに接続すべき構成部品及び/又は対象物の運動の自由度を著しく制限することなく、信頼性の高い仮位置決めを可能にする接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、特許請求項1の接続装置によって達成される。
【0008】
本発明の接続装置によれば、接続装置の2つの接続要素、特に、第1の接続要素と第2の接続要素とを設けることができる。しかしながら、これらに代えて、単一の接続要素だけが設けられてもよい。この1つの接続要素は、「第1の接続要素」とも称される接続要素である。この場合、「第2の接続要素」とも称される接続要素は、機能的には、例えば、対象物又は構成部品の形式の任意形状の対応物の形式とされ、この対応物は、特に、1つ又は複数のばね要素が内部に拡がることができ、かつ/又は、1つ又は複数のばね要素及び/又は保持要素が係合できる部分を有する。
【0009】
従って、一般化するために、接続要素と接続可能な任意の対応物を「嵌め合い接続要素」と称する。この嵌め合い接続要素は、接続装置の別の接続要素、又は、構成部品若しくは対象物の一部分若しくは部分とされてもよい。
【0010】
嵌め合い接続要素は、任意には、接続要素に関連して説明される1つ又は複数の機能及び/又は利点を備える。特に、構成部品内に沈めて配置可能な嵌め合い接続要素の部分、特に、1つ又は複数の保持突起は、接続要素の保持突起と対応してもよい。
【0011】
接続装置の1つ又は複数の接続要素は、特に、それぞれ本体部を備える。
【0012】
接続要素の本体部は、特に、接続要素の筐体とされている。
【0013】
接続装置の接続方向は、特に、構成部品を互いに接続するために、接続要素及び/又は構成部品が互いに向けて動かされる方向とされている。
【0014】
これに代えて又はこれに加えて、接続方向は、特に、1つ又は複数の構成部品及び/又は1つ又は複数の対象物が互いに隣接する表面に対して垂直に方向付けされている。
【0015】
接続方向は、構成部品又は対象物の接続を構築するために、特に、接続要素と嵌め合い接続要素との間で作用する力が有効になる方向とされる。
【0016】
少なくとも1つの接続要素は、好ましくは、筐体と、この筐体に対して移動可能な少なくとも1つの保持要素と、を備える。
【0017】
保持位置において、接続要素と嵌め合い接続要素、及び/又は、少なくとも1つの構成部品、及び/又は、少なくとも1つの対象物との接続方向に沿った相対運動が妨げられるように、保持要素は、嵌め合い接続要素、特に、例えば、第2の接続要素、及び/又は、構成部品又は対象物といった別の接続要素と協働することができる。
【0018】
特に、解放位置において、保持要素は、接続要素と嵌め合い接続要素、及び/又は、少なくとも1つの構成部品、及び/又は、少なくとも1つの対象物との接続方向に沿った相対運動が許容されてもよい。
【0019】
少なくとも1つの保持要素は、好ましくは、接続装置の外部からの作用によって、保持位置から解放位置へ、かつ/又は、解放位置から保持位置へ、接続要素の筐体に対して移動可能とされる。
【0020】
接続要素の筐体は、特に、縦断面において円弧形状の湾曲した接触面と、この接触面の反対側の、別の接続要素、及び/又は、構成部品、及び/又は、対象物に面した実質的に平坦な接触面と、を有する。
【0021】
保持要素は、特に、接続要素に回動可能に配置されている。保持要素の回転軸心は、好ましくは、接続方向に対して実質的に垂直に方向付けされている。
【0022】
接続要素の本体部、特に、接続要素の筐体は、好ましくは、工具、特に、六角レンチで保持要素に到達可能にするための貫通孔を備える。
【0023】
保持要素の回転軸心は、好ましくは貫通孔の中心軸とされている。
【0024】
保持要素は、特に、保持要素を操作するために工具が係合する操作開口部を備える。
【0025】
操作開口部は、特に、本体部、特に筐体の側壁を通じて到達可能とされている。
【0026】
嵌め合い接続要素は、嵌め合い接続要素の本体部の側壁に形成され、かつ/又は、側壁に配置された少なくとも2つの第2の保持外形を備えてもよい。
【0027】
特に、嵌め合い接続要素の本体部の各側壁には、それぞれ第2の保持外形が形成されている。
【0028】
2つの第2の保持外形は、好ましくは、嵌め合い接続要素の本体部の2つの側壁の互いに向き合う内面に配置されている。
【0029】
移動可能な保持要素は、特に、保持要素の中央部の互いに対向する側に配置された少なくとも2つの第1の保持外形を備える場合は有利である。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、移動可能な保持要素は、少なくとも2つの第1の保持外形を有し、嵌め合い接続要素は、嵌め合い接続要素の本体部の側壁に形成され、かつ、第1の保持外形と相互に係合可能な少なくとも2つの第2の保持外形を有しており、移動可能な保持要素は、2つの側壁の間に配置可能とされている、又は、配置されている。
【0031】
特に、移動可能な保持要素は、嵌め合い接続要素の本体部の2つの側壁の間の隙間に移動でき、かつ、そこから取り出せるようにすることができる。
【0032】
保持要素は、特に2つの第2の保持外形を2つの第1の保持外形と相互に係合させるために、2つの第2の保持外形の間に移動できることが好ましい。
【0033】
少なくとも1つの接続要素の本体部は、好ましくはプラスチック製の射出成形部品として形成されている。
【0034】
構成部品が接続された状態で、接続要素と嵌め合い接続要素が互いに着脱可能に接続されていることは、好都合であり得る。
【0035】
接続要素を構成部品内に配置する際に特に大きい力を必要とせず、そのため構成部品が破損する危険がないように、接続装置の少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つの構成部品に既に存在している溝の内部に配置される。
【0036】
接続された状態では、接続要素及び/又は嵌め合い接続要素の実質的に平坦な接触面は、接続方向に対して実質的に垂直に方向付けされている。
【0037】
少なくとも1つの接続要素の湾曲した接触面は、特に、実質的に円筒外周面の部分の形式とされてよい。
【0038】
第1の保持外形及び/又は第2の保持外形は、特に、円弧形状とされてよい。
【0039】
特に、保持要素を解放位置から保持位置へ移動すると、接続要素と嵌め合い接続要素とは、互いに反対の方向に引っ張られるように、第1の保持外形及び第2の保持外形は、互いに同心円状に形成されていなくてもよい。
【0040】
例えば、少なくとも1つの保持要素は、接続要素の外側から保持要素と係合させることができる機械的操作手段を用いて、保持位置から解放位置へ、かつ/又は、解放位置から保持位置へ移動されてもよい。
【0041】
このために、少なくとも1つの保持要素が、機械的操作手段の操作部分のための受容部、特に、操作開口部を備える場合は、好都合であり得る。
【0042】
特に、少なくとも1つの保持要素は、特にソケットスパナ、六角レンチ及び/又はスクリュードライバ用の受容部、特に操作開口部を備えてもよい。
【0043】
機械的操作手段が保持要素に作用するのを可能にするために、接続要素は、機械的操作手段が保持要素まで通過するための貫通孔を有する筐体を備えてもよい。
【0044】
特に、筐体は、接続要素の湾曲した接触面に対して横断方向に延びる側壁を備え、この側壁内に貫通孔が配置されてもよい。
【0045】
これに代えて、貫通孔が接続要素の湾曲した接触面に配置されてもよい。
【0046】
少なくとも1つの接続要素が対応する構成部品内に特に効果的に固定されることを達成するために、少なくとも1つの接続要素は、縦断面において円弧状の湾曲した支持面を有する少なくとも1つの保持突起を備える。
【0047】
この湾曲した支持面により、保持突起は、対応する構成部品内の溝のアンダーカット部の同様に湾曲したアンダーカット面の湾曲した支持面によって支持され得ることができ、このアンダーカット面は同様に縦断面において円弧状とされており、保持突起の湾曲した支持面と同じ曲率半径を有する。保持突起と溝のアンダーカット部との係合によって、構成部品と接続要素との間に嵌合接続が生じる。
【0048】
本発明による接続装置の保持突起は、好ましくはセルフタッピング(self-cutting)形式とされていない。
【0049】
むしろ、保持突起は、好ましくは、接続要素を構成部品内に挿入する前に既に作製されており、アンダーカット部を構成物品内に有する溝に溝の長手方向に沿ってスライドされるようになっている。この場合、保持突起はわずかな労力で溝のアンダーカット部に接線方向に沿って移動させることができ、この結果として、接続要素は、この方向において、なおも運動自由度を保持し、従って、構成部品を接続する際に相互の位置についての修正を可能とする。
【0050】
保持突起は、その端部領域に、特に、鈍い端部、及び/又は、丸みを帯びた進入斜面(lead-in bevelling)を有してもよい。
【0051】
非セルフタッピング形式の保持突起は、保持突起の機械的安定性を高めるために、任意の大きさの横断面積を有する。
【0052】
特に、保持突起の横断面積は、少なくとも1mmとされてもよい。
【0053】
保持突起は、実質的に長方形状、又は、実質的に台形状の断面を有してもよい。
【0054】
これに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つの保持突起は、接続要素の本体部からの距離が増加するにつれて先細にされてもよい。
【0055】
一方で、少なくとも1つの保持突起は、接続要素の本体部からの距離が減少するにつれて先細にされてもよい。
【0056】
これに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つの保持突起は、少なくとも部分的に湾曲した外面形状を備えた横断面を有してもよい。
【0057】
さらに、少なくとも1つの保持突起は、接続要素の湾曲した接触面と実質的に同一平面で隣接してもよい。従って、この場合、保持突起は、溝底部に面する対応する接続要素の最も外側の縁部に配置されている。
【0058】
これに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つの保持突起は、接続要素の湾曲した接触面に対してずらして配置されてもよい。従って、保持突起は、特に、接続要素の湾曲した接触面よりも小さい曲率半径を有してもよい。
【0059】
さらに、異なる曲率半径を有する複数の保持突起が、同一の接続要素に配置されてもよい。特に、異なる曲率半径を有する複数の保持突起は、接続要素の同じ側に配置されてもよい。
【0060】
1つ又は複数の保持突起を用いて接続要素を固定することに代えて、又は、これに加えて、少なくとも1つの接続要素は、構成部品の1つに設けられた溝の溝底部に当該接続要素を固定するための少なくとも1つの固定要素を備えてもよい。
【0061】
さらに、少なくとも1つの接続要素は、当該接続要素を構成部品の1つに固定するための少なくとも1つの固定ねじを備えてもよい。
【0062】
本発明によれば、接続装置は、特に、構成部品内に配置できる本体部を備える接続要素と、対応物との接続を構築するための1つ又は複数のばね要素と、を備える。
【0063】
特に、1つ又は複数のばね要素を用いて、別の構成部品及び/又は対象物に対して構成部品を位置決めすることができる。
【0064】
1つ又は複数のばね要素が、嵌め合い接続要素の1つ又は複数の開口部に挿入できると、好都合であり得る。この嵌め合い接続要素は、特に、接続装置の別の接続要素、又は、構成部品及び/又は対象物の構成要素とされてもよい。
【0065】
特に、1つ又は複数のばね要素は、本体部から離れる方向に突出する1つのばね部分をそれぞれ有してもよい。
【0066】
これに代えて又はこれに加えて、1つ又は複数のばね要素は、それぞれ安定化部分を有してもよい。安定化部分は、好ましくは、ばね部分から本体部の方向へ向けて延在する。
【0067】
従って、安定化部分は、特に、ばね部分の構成に応じて、任意に選択されてもよい。
【0068】
ばね部分が本体部から離れる方向に突出して、本体部から離れているばね部分の端部において安定化部分に隣接していると、好都合であり得る。
【0069】
さらに、安定化部分は、本体部から離れているばね部分の端部から本体部の方向へ延在されてもよい。これによって、特に、本体部から離れているばね部分の端部を効果的に安定させることができ、特に、本体部から離れたばね部分の端部が本体部に対して横方向に不用意に動くことがないように効果的に安定させることができる。
【0070】
安定化部分は、好ましくは、ばね要素の弛緩状態において本体部の内部まで延在している。
【0071】
特に、安定化部分が、例えば、直方体の形式の足部を備えてもよい。この足部は、特に、本体部から離れた安定化部分の端部に配置され、本体部に対して移動可能とされている。
【0072】
足部及び/又は安定化部分は、好ましくは、安定化部分の足部が、ばね要素の弛緩状態において、その長さの少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約30%が、接続装置の接続方向に沿って本体部内へ突入するように配置及び/又は寸法設定されている。このようにすることによって、安定化部分と本体部との横方向の重なりが達成され、これによってばね要素の圧縮の間にばね要素が横方向に不必要に動くことを防ぐことでき、又は、少なくとも最小限に抑えることができる。
【0073】
これに代えて又はこれに加えて、安定化部分は、ばね要素の弛緩状態において、その長さの少なくとも約2%、好ましくは少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%が接続装置の接続方向に沿って本体部の内部へ突入させてもよい。
【0074】
さらに、これに代えて又はこれに加えて、足部及び/又は安定化部分は、ばね要素の弛緩状態において、その長さの最大で約50%、好ましくは最大で約30%、例えば最大で約10%を接続装置の接続方向に沿って本体部内に突出させてもよい。
【0075】
本体部は、少なくとも1つのばね要素の一部を収容するための、又は、少なくとも1つのばね要素の全体を収容するための、少なくとも1つのばね台座を有すると、好都合である。
【0076】
ばね台座は、特に本体部の2つの側壁によって囲まれた、本体部、特に、本体部の上面における凹部又は貫通孔とされてもよい。
【0077】
本体部の上面は、特に、1つ又は複数のばね要素が突出する側とされてよい。
【0078】
特に、接続要素の本体部の上面は、接続装置の接続状態において嵌め合い接続要素に面して配置された側とされている。
【0079】
少なくとも1つのばね要素の安定化部分、特に、足部は、接続装置の接続方向に対して垂直に延びる方向、及び/又は、接続要素の横断方向において、対応するばね台座の幅の少なくとも約90%、特に、少なくとも約95%となる幅を有すると、好都合である。
【0080】
この場合、横断方向は、特に、接続要素の本体部の側壁の平坦な側面に対して垂直に方向づけされた方向とされている。
【0081】
特に、横断方向は、保持要素の回転軸心に対して平行とされている。
【0082】
これに代えて又はこれに加えて、横断方向は、接続要素を構成部品内に配置された溝に挿入できる挿入方向に対して垂直な方向とされている。
【0083】
さらに、横断方向は、特に、接続要素の最大の長手方向の範囲に対して垂直に延びる方向とされている。
【0084】
ばね台座の幅は、特にばね台座の内側の幅とされている。
【0085】
ばね部分と安定化部分とは、共に一体的に形成、かつ/又は、製造されていると、好都合であり得る。
【0086】
しかしながら、ばね部分と安定化部分とは、互いに異なる材料、及び/又は、互いに異なる製造工程で製造され、その後、共に接続されてもよい。
【0087】
特に、ばね部分と安定化部分とは、一体的な射出成形部品、例えば、プラスチック製の射出成形部品として形成されてもよい。これに代えて、ばね部分、及び/又は、安定化部分は、金属要素、特に、板金の曲げ部品の構成要素とされてもよい。
【0088】
ばね部分と安定化部分とは、好ましくは、ばね要素のばね突出部において互いに合体する。ばね突出部は、特に、ばね要素の弛緩状態において、本体部から最大限離れたばね要素の端部とされることが好ましい。
【0089】
ばね要素の弛緩状態とは、特に、最大限にたわんだ状態、及び/又は、ばね要素がばね張力を有していない、又は、最小限のばね張力を有する状態とされている。
【0090】
ばね突出部は、好ましくは、特に、1面、2面、3面又は4面が丸みを帯びた、又は、面取りされたばね頂部とされている。
【0091】
例えば、本体部から離れたばね突出部の上面は、丸みを帯び、かつ/又は、面取りされてもよい。この上面には、特に、1面、2面、3面又は4面が、丸みを帯び、又は、面取りされてもよい。
【0092】
丸みを帯びること、及び/又は、面取りされることは、特に、丸みを帯びている、又は、面取りされている側へ向けた方向において、接続要素を嵌め合い接続要素に対して変位させることによって、ばね要素を嵌め合い接続要素内の開口部の外側へ移動させることができるといった利点をもたらす。丸みを帯びた部分又は面取りされた部分の数を適切に選択することによって、このような、ばね要素を嵌め合い接続要素内の開口部から単純に外側への移動は、特に、接続方向に対して垂直な全ての方向へ、又は、特に、接続方向に対して垂直な唯一の方向へ行うことができる。例えば、3面だけが丸みを帯び、又は、面取りされていることによって、嵌め合い接続要素内の開口部において、ばね要素を正確に1つの移動方向において着脱不可能に固定することができる。
【0093】
ばね要素全体が、特に、嵌め合い接続要素内の開口部内へ突出しているばね要素の一部が、ばね突出部から、すなわち、本体部から最大限離れたばね要素の端部から本体部へ向けた方向へ、特に、接続方向に対して垂直に延びている1方向、2方向、3方向、4方向、又は全ての方向において、拡がっていると、好都合であり得る。
【0094】
これに代えて又はこれに加えて、ばね要素、及び、特に、嵌め合い接続要素内の開口部内に突出しているばね要素の一部は、本体部から先細に、特に、連続的に先細にされてもよい。
【0095】
ばね要素の1つ、2つ、3つ、4つ、又は、全ての側面が、好ましくは、接続方向に対して傾斜するように配置され、かつ/又は、方向付けされている。
【0096】
これに代えて又はこれに加えて、ばね要素の1つ、2つ、3つ、又は、4つの全ての側面が、接続方向に対して少なくともほぼ平行に方向づけされている。
【0097】
ばね頂部は、特に、ばね要素の弛緩状態において、かつ/又は、ばね要素が実質的に完全に本体部内に配置されているばね要素の圧縮状態において、かつ/又は、これらの状態の間の全ての移行状態において、特に、嵌め合い接続要素内の開口部へ拡張する前に、嵌め合い接続要素、並びに、特に、別の接続要素、構成部品、及び/又は、対象物を押圧する、ばね頂部の接触部が、少なくとも約2mm、好ましくは少なくとも約5mmの曲率半径を有するように、ばね頂部は、丸みを帯びている。これによって、とりわけ、嵌め合い接続要素、特に、別の接続要素、構成部品、及び/又は、対象物の望まない損傷を防止し得る。
【0098】
これに代えて又はこれに加えて、特に、嵌め合い接続要素、特に、別の接続要素、構成部品、及び/又は、対象物上の端部及び突出部の望まない損傷を防止するために、ばね要素の1つ、2つ、3つ、4つ、又は、全ての側面が、丸みを帯びており、かつ/又は、面取りされている。
【0099】
特に、保持要素を保持位置から解放位置へ移動させることによって、少なくとも1つのばね要素を、少なくとも1つのばね要素の弛緩状態から圧縮状態へ、特に、本体部の内側に完全に配置された位置へ移動できるように、接続要素の保持要素を接続要素の少なくとも1つのばね要素と係合させることができる場合には、好都合であり得る。
【0100】
従って、1つ又は複数のばね要素は、特に、保持要素自体を操作することによって作動させることができる。
【0101】
例えば、保持要素は、ばね要素を操作するために、特に、弛緩状態から圧縮状態へ移動するために、1つ又は複数のばね要素と係合する1つ又は複数の係合部を備えてもよい。
【0102】
保持要素を用いて少なくとも1つのばね要素を操作することに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つのばね要素の、保持要素とは独立した別態様の操作が設けられてもよい。特に、1つ又は複数のばね要素を、弛緩状態から、少なくとも1つのばね要素が完全に本体部内に配置されている圧縮状態へ移動するために、特に、機械的操作又は磁気的操作が設けられてもよい。
【0103】
ばね部分が、板ばねとして形成されている、又は、板ばねを備えていると、好都合であり得る。
【0104】
板ばねは、特に、2つの互いに向き合う幅広面と、2つの互いに向き合う幅狭面と、を備え、全ての幅広面及び全ての幅狭面が、ばね部分の両端を互いに接続しているばね要素として理解される。この場合、好ましくは、幅広面は板ばねの主延長方向に対して垂直な幅を有し、この幅は、幅狭面の幅の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、例えば少なくとも約5倍とされる。ここでは、幅は、特に、主延長方向に対して垂直に取られている。
【0105】
好ましくは、弛緩状態において、ばね部分は、湾曲して形成されている。
【0106】
本体部に面するばね要素のばね部分の端部が本体部と合体していると、好都合であり得る。
【0107】
特に、ばね要素のばね部分が本体部内に形成され、又は、本体部から形成される、若しくは、本体部と共に形成されてもよい。
【0108】
好ましくは、ばね部分の側面、特に、上面、及び/又は、幅広面が、端部において、ばね要素が突出している本体部の上面に対して少なくともほぼ平行であるように、本体部に面するばね部分の端部は、本体部に配置されている。
【0109】
特に、ばね部分のこの側面は、凹状に湾曲されている。
【0110】
ばね要素の弛緩状態において、本体部から離れたばね部分の端部において、ばね部分の幅広面、特に、上面に当てはめられた接線が、ばね要素が突出している本体部の上面に対して、少なくとも約20°、特に少なくとも約30°、及び/又は、最大で約70°、好ましくは最大で約55°の角度をなすと、好都合であり得る。
【0111】
本体部に面するばね部分の端部において、ばね部分の上面が、本体部の上面と少なくともほぼ同一平面とされている、又は、本体部の上面の下方側に配置されていると、有利であり得る。特に、ばね部分の上面は、板ばね形式のばね部分の幅広面とされている。
【0112】
ばね部分は、全て本体部の外面形状の外側に配置されてもよい。
【0113】
しかしながら、好ましくは、ばね部分は、本体部の外面形状の内部へ突入されている。
【0114】
さらに好ましくは、ばね部分の側方に隣接している本体部の1つ又は複数の側壁は、ばね部分が、本体部の外面形状の内部へ突入している領域において、少なくともばね部分の形状とほぼ相補的に形成された1つ又は複数の凹み部を備える。これによって、相応に大きいばね力及びばね長さを有するより広いばね部分を設けることができる。
【0115】
本体部に面するばね部分の下面は、好ましくは、特に、ばね部分の下方側の幅広面とばね部分の一方又は両方の側面の幅狭面との間の一方又は両方の移行部分において、1つ又は複数の面取りされた又は丸みを帯びた端部を備える。
【0116】
1つ又は複数の面取り又は丸みを帯びた端部によって、特に、ばね部分が抵抗なく又は少なくとも抵抗が減少され、特に、ばね部分が本体部の壁に引っ掛かることなく、本体部内に圧縮されることを可能にする。
【0117】
本体部と1つ又は複数のばね要素とが互いに一体的に製造されていると、好都合であり得る。
【0118】
特に、本体部と1つ又は複数のばね要素とは、一体的な射出成形部品、特に、プラスチック製の射出成形部品として形成されている。
【0119】
本体部及び/又は1つ又は複数のばね要素は、特に、ガラス繊維強化プラスチック材料から形成されている、又は、このような材料を含む。
【0120】
任意選択の移動可能な保持要素も同様に、射出成形部品、特に、プラスチック製の射出成形部品として形成されてもよい。
【0121】
しかしながら、移動可能な保持要素は、別の材料、例えば、金属材料から形成されることが好ましい。移動可能な保持要素は、亜鉛ダイキャスト部品とされることが好ましい。
【0122】
本発明の代替実施形態において、本体部と1つ又は複数のばね要素とは、互いに異なる材料から形成されている。特に、1つ又は複数のばね要素は金属材料から形成されており、かつ、本体部内に埋設されている、又は、本体部を製造する際に押出成形されている。
【0123】
ばね部分の幅は、本体部に面するばね部分の端部において、本体部の最大幅の少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%に相当すると、有利であり得る。
【0124】
この場合、幅は、特に、接続方向に対して垂直、かつ/又は、ばね部分の上面に対して平行に方向付けられた方向に対して取られている。
【0125】
接続要素は、好ましくは、特に、接続要素の横断方向中心面に対して互いに少なくともほぼ鏡面対称に配置され、かつ/又は、形成された2つのばね要素を備える。
【0126】
しかしながら、これに代えて、接続要素は、単に単一のばね要素又は2つ以上のばね要素を備えてもよい。
【0127】
任意選択の移動可能な保持要素は、2つのばね要素が設けられている場合には、そのような2つのばね要素の間において接続要素の主延長方向に沿って配置されている。
【0128】
接続装置は、特に、嵌め合い接続要素が構成部品又は他の対象物によって形成されている場合に、専ら接続要素から構成されてもよい。
【0129】
しかしながら、接続装置が、接続要素に加えて嵌め合い接続要素を備えてもよい。
【0130】
嵌め合い接続要素は、好ましくは、少なくとも1つのばね要素の上面の形状と少なくともほぼ相補的に形成された1つ又は複数の開口部を備える。
【0131】
さらに、嵌め合い接続要素は、任意選択の移動可能な保持要素を用いて、相互に係合可能な保持外形を備えることが好ましい。特に、接続装置は、2つの構成部品を接続した状態で第1の構成部品に配置されている接続要素と、構成部品を接続した状態で第2の構成部品に配置されている嵌め合い接続要素と、を備えてもよい。
【0132】
特に、接続要素及び/又は嵌め合い接続要素は、いずれも縦断面において円弧形状の湾曲した支持面を有する1つ又は複数の保持突起をそれぞれ備える。
【0133】
接続要素及び/又は嵌め合い接続要素は、これらの保持突起を用いて、好ましくは、これらと相補的な形状を有する溝に挿入されることによって、1つ又は複数の構成部品又は対象物内に固定可能とされている。
【0134】
本発明はさらに、1つ又は複数の構成部品及び本発明による接続装置を備える構成部品のグループに関する。
【0135】
特に、このような構成部品のグループは家具とされている。
【0136】
それゆえ、本発明は、複数の構成部品及び1つ又は複数の接続装置、特に本発明による接続装置を備える家具にも関する。
【0137】
この場合、家具の構成部品は、板状要素、特に、1つ又は複数の接続装置によって互いに接続された又は接続可能な木製パネルとされている。
【0138】
本発明の別の好適な特徴及び/又は利点は、実施形態の以下の詳細な説明及び図面による表示から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
図1図1は、移動可能な保持要素が解放位置に配置されている、接続装置の接続要素の概略斜視図を示す。
図2図2は、図1の接続要素の概略側面図を示す。
図3図3は、図2の3-3線に沿った図1の接続要素の概略縦断面図を示す。
図4図4は、図2の4-4線に沿った図1の接続要素の概略縦断面図を示す。
図5図5は、図1の接続要素の上面の概略平面図を示す。
図6図6は、図1の接続要素の概略垂直縦断面図を示す。
図7図7は、図6の領域VIIの拡大図を示す。
図8図8は、移動可能な保持要素が保持位置に配置されている、図1の接続要素に対応する概略斜視図を示す。
図9図9は、移動可能な保持要素が保持位置に配置され、嵌め合い接続要素と2つの構成部品とが破線で示されている、図1に描画された接続要素の図2に対応する概略側面図を示す。
図10図10は、移動可能な保持要素が保持位置に配置されている、図1の接続要素の図6に対応する概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
同じ又は機能的に同等の要素は、全ての図面で同一の参照符号で示されている。
【0141】
図1から図10において全体が100で示された接続装置の実施形態は、以下の実質的に板状の第1の構成部品102と、同様に、実質的に板状の第2の構成部品104との接続の例で説明される(図9参照)。
【0142】
両方の構成部品102、104は、例えば、木又は合板からなるが、他の任意の材料、例えば、金属材料又はプラスチック材料(例えば、プレキシグラス)からなってもよい。さらに、第1の構成部品102と第2の構成部品104とが互いに異なる材料からなるようにすることもできる。
【0143】
接続装置100は、特に、複数の構成部品102、104を備える家具106を製造する家具製造分野で使用することができる。
【0144】
しかしながら、接続装置100は、構成部品102を他の何らかの対象物108と接続する目的にも役立てることができる。
【0145】
この場合、接続装置100は、対象物108と直接接続されている、又は、接続可能とされている単に1つの接続要素110を備える。
【0146】
それゆえ、接続要素110の対応物112は、特に接続装置100のこの構成部品が、接続装置100を使用することによってのみ、構成部品102に接続可能であるか又は接続されているかに関わらず、一般的に嵌め合い接続要素114と称される。
【0147】
以下に、図1から図10に示された、接続装置100を使用して、例として、単に2つの板状構成部品102、104が互いに接続されている実施形態について詳しく説明する(特に図9参照)。
【0148】
図9に示されている構成部品102、104を組み立てた状態で、第1の構成部品102の表面116は、第2の構成部品104の表面118に当接している。構成部品102、104は、接続装置100によってこの位置に固定されている。この目的のために、接続装置100は、接続要素110と嵌め合い接続要素114とを備え、これらと相補的に形成された2つの構成部品102、104内の溝120にそれぞれ配置されている。
【0149】
これらの構成部品102、104内の溝120は、例えば、欧州特許出願公開第1990549号明細書に記載されている溝フライス盤を用いて製造することができる。
【0150】
接続装置100を使用して2つの構成部品102、104間の接続を構築することに関するその他の多数の詳細も、欧州特許出願公開第1990549号明細書により知られている。
【0151】
接続要素110は、好ましくは本体部122を含んでいる。本体部122は、実質的に円筒形状断面の形式の筐体124を備えており、この筐体124は、円弧状に湾曲した接触面126と、この接触面126と対向する上面128と、接続方向130に対して実質的に平行に延び、かつ、上面128に対して実質的に垂直に延びる2つの側壁132と、を備える。
【0152】
接触面126に面する側壁132の端部領域から、1つの円弧状に湾曲した保持突起134が、横断方向136において側壁132からそれぞれ突出している。
【0153】
ここで、横断方向136は、特に、側壁132に対して実質的に垂直に方向付けられている。さらに、横断方向136は、特に、接続方向130に対して垂直に方向付けられている。
【0154】
側壁132の少なくとも1つには、接続要素110の保持要素140に到達可能にされた貫通孔138が配置されている。
【0155】
特に、貫通孔138を通じて、保持要素140内の操作開口部142へ到達することができる。
【0156】
保持要素140は、特に、回転軸心144回りに回転可能に本体部122内に保持されており、例えば、六角レンチ等の工具を用いた操作によって、保持位置(特に、図8から図10参照)から解放位置(特に、図1図2及び図6参照)へ、及び、その逆向きに移動させることができる。
【0157】
保持要素140の回転軸心144は、特に、横断方向136に対して平行、かつ/又は、接続方向130に対して垂直とされている。
【0158】
上記の欧州特許出願公開第1990549号明細書では、接続要素は、構成部品102、104を互いに差し込む前に、最初に構成部品102、104内に固定され、特に、それぞれの溝120内に挿入されなければならない。この差込み過程は、構成部品102から永続的に突出している接続要素のボルトを、対応物の対応する受容部と係合させるために必要とされている。
【0159】
しかしながら、構成部品102、104を互いに差し込んで、又は、その他何らかの方法で接続方向130に沿って移動されることによって、接続を構築できないという場合がある。例えば、構成部品102、104の表面116,118が既に互いに当接しており、それから互いに接続方向130に対して垂直に延びる方向に変位させることで固定できるといった場合が数多くある。
【0160】
このような場合に妨げになっているのは、接続要素110から、従って、構成部品102の表面116を越えて突出している接続装置100の部分とされている。
【0161】
それゆえ、図1から図10に示された接続装置100の実施形態において、弛緩状態では接続要素110の本体部122から突出しているが、圧縮状態では本体部122内に配置されているばね要素146が設けられている。
【0162】
従って、表面116、118が既に互いに当接しているときには、構成部品104が構成部品102に対して移動されると、ばね要素146を構成部品104の運動経路から移動させることができる。
【0163】
特に、構成部品104内に配置されている嵌め合い接続要素114の内部に、1つ又は複数の開口部148が配置されている、かつ/又は、形成されていることが好ましい。
【0164】
開口部148は、特に、少なくとも部分的にばね要素146の上面150と相補的になるように、形成されてもよい。
【0165】
それゆえ、構成部品102、104が、所定の位置で互いに対して配置され、これによって、接続要素110及び嵌め合い接続要素114も所定の位置に配置されると直ちに、ばね要素146は、開口部148内において拡がることができる。
【0166】
ばね要素146と開口部148との間の相互作用は、特に、構成部品102、104の互いに仮位置決めし、かつ/又は、互いに仮固定することを可能にする。これによって、接続装置100全体の組立、及び/又は、家具106全体の組立を簡単にすることができる。特に、効果的なばね力を適切に設計することによって、構成部品102、104がばね要素146のばね力の作用だけで開口部148内に保持されることを保証することができ、接続装置100の保持要素140は、最終的に、例えば、図1図2及び図6に示される解放位置から、図8から図10に示される保持位置へ移動される。
【0167】
保持要素140は、それから、保持要素140の第1の保持外形152によって嵌め合い接続要素114の第2の保持外形154内で係合し、又は、相互に係合し、これによって、接続装置100は、最終的に接続方向130に沿って固定される(特に、図9参照)。
【0168】
特に、ばね要素146を適切に構成することによって、保持要素140を解放した後で、構成部品102、104を、接続方向130に対して垂直な方向に変位させることによっても、再び互いに取り外すことができる。代替として、ばね要素146を使用してこの方向に永続的に固定されてもよい。
【0169】
図1から図10に示すばね要素146の実施形態をさらに詳細に説明する。これらの実施形態では、特に構成部品102、104を互いに対して動かすだけでばね要素146を本体部122内に突出させ、かつ、接続要素110と嵌め合い接続要素114との間の接続を解放するために、構成部品102、104を横断方向136に沿って変位させることができるように着脱可能な接続が提供される。
【0170】
特に図1及び図8から明らかなように、各ばね要素146は、接続要素110の本体部122に配置され、これから離れる方向に突出するばね部分156を備える。
【0171】
さらに、各ばね要素146は、各ばね要素146のばね部分156に配置された安定化部分158を備える。
【0172】
特に、安定化部分158は、本体部122の方向において、ばね部分156から離れるように突出している。
【0173】
特に、安定化部分158は、本体部122から離れたばね部分156の端部160から、少なくともばね要素146の弛緩状態で、少なくとも凡そ本体部122の接続方向130に沿って延在する。
【0174】
本体部122に面しているばね部分156の端部162において、ばね部分156は、本体部122に固定されている。特に、材料接着が設けられている。
【0175】
ばね要素146全体及び本体部122は、プラスチック製の一体的な射出成形部品として形成されていることが好ましい。
【0176】
特に、本体部122から離れたばね部分156の端部160は、ばね部分156と安定化部分158との間の移行領域を形成する。
【0177】
好ましくは、本体部122から離れたばね部分156の端部160は、少なくともばね要素146の弛緩状態において、本体部122から最大限離れたばね要素146の一部分とされている。
【0178】
従って、特に、このばね部分156の端部160は、ばね要素146のばね突出部164を形成する。
【0179】
特に、ばね突出部164は、ばね頂部166とされている。構成部品102、104が接続方向130に対して垂直に延びる方向に互いに変位されて、ばね要素146が、最終的に開口部148内に進入すると、各ばね要素146は、ばね頂部166を用いて構成部品104の表面118に当接する。
【0180】
特に、ばね頂部166は、表面118の望まない損傷、特に、引っかき傷を可能な限り防ぐために、丸みを帯びている、又は、面取りされている。
【0181】
さらに、前述した接続装置100の着脱可能性の変化は、ばね頂部166が丸みを帯びている、又は、面取りされていることによって、かつ/又は、ばね頂部166に隣接する各ばね要素146の側面168が丸みを帯びている、又は、面取りされていることによって生じさせることができる。
【0182】
特に、ばね頂部166、及び/又は、全ての側面168が、接続方向130に対して角度を付けている、特に、本体部122から離れたばね要素146の側部と交差する平面に沿って延びる表面を有する場合は、ばね要素146は、特に、構成部品102、104を互いに変位させる接続方向130に対して垂直に延びる方向であるかどうかにはよらず、簡単に開口部148から出されて、本体部122内へ移動することができる。
【0183】
特に、個々の側面168、及び/又は、ばね頂部166が部分的にのみ丸みを帯びている、又は、面取りされている場合、構成部品102、104が接続方向130に対して垂直に延びる1つ又は複数の方向に互いに移動することを阻止することができる。
【0184】
構成部品102、104は、ばね要素146が開口部148内に一度進入すると、これ以上に固定を要しないことが、ばね要素146によって保証できると、好都合であり得る。好ましくは、この場合、任意選択の保持要素140が、最終組立のためだけに操作されなければならない。
【0185】
特に、好適な仮位置決めが、ばね要素146の大きいばね力によって保証されている。
【0186】
この目的のために、ばね要素146は、ばね部分156の一部とされている、又は、ばね部分156によって形成されている、1つの板ばね170をそれぞれ備えることが好ましい。
【0187】
板ばね170は、2つの幅狭面174によって互いに接続されている2つの幅広面172を備える。
【0188】
両方の幅広面172及び両方の幅狭面174は、さらに、ばね部分156の端部160、162を互いに接続する。
【0189】
板ばね170の幅広面172は、ばね部分156の上面150、及び/又は、ばね要素146の上面150の少なくとも一部を形成していることが好ましい。
【0190】
例えば、図4に見られるように、ばね要素146のばね部分156は、好ましくは、接続要素110の幅Bの少なくとも約20%、好ましくは、少なくとも約30%とされた幅Bに亘って延在していることが好ましい。
【0191】
特に、この幅は、横断方向136に沿った最大範囲とされている。
【0192】
さらに、例えば、図1図2図8及び図9に見られるように、本体部122の側壁132は、本体部122に面するばね部分156の端部162の領域において、それぞれ2つの凹み部176を備える。これによって、ばね部分156は、側壁132に妨げられることなく、非常に幅広く、かつ、非常に長く形成され得る。それにもかかわらず、この種のばね要素146は、本体部122に配置されたばね部分156の端部162が、本体部122の外面形状の内側において、その上に配置されることとなる。
【0193】
特に、ばね部分156の上面150は、本体部122に面する端部162において本体部122の上面128と同一平面上にあるか、又は、その下方側にある。
【0194】
特に、本体部122内には、特に、各ばね要素146を収容する働きをする1つ又は複数の、特に2つのばね台座178が配置されている。特に、1つのばね要素146は、各ばね台座178に確実に収容できるように配置される。
【0195】
特に、ばね要素146がばね台座178内に配置されていると、ばね要素146は、本体部122の上面128から突出しなくなる。従って、このような位置では、構成部品102、104を、ばね要素146に妨げられることなく、接続方向130に対して垂直に延びる方向に変位させることができる。
【0196】
特に、構成部品102、104を互いに変位させることによってばね要素146を作動させると、強い横断方向の力が生じて、ばね要素146に、特に横断方向136からの負荷を与え、ばね要素146の破損を生じさせ得る。
【0197】
それゆえ、ばね要素146は、特に、このような横断方向136の強い負荷を防止するための安定化部分158を備える。
【0198】
この目的のために、各安定化部分158は足部180を備えることが好ましい。
【0199】
この安定化部分158の足部180、及び、各ばね要素146は、各ばね要素146の弛緩状態において、本体部122内に、特に、本体部122のばね台座178内に突入する(特に、図7参照)。
【0200】
足部180は、特に、横断方向136から見て、ばね台座178の幅Bにほぼ相当する幅Bを少なくとも有することが好ましい(図3参照)。
【0201】
特に、安定化部分158の足部180の幅Bは、対応するばね台座178の幅Bの少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%とされている。
【0202】
安定化部分158の足部180が。常にばね台座178内に突入し、かつ/又は、さらに、ばね台座178の内側に非常にわずかな遊びを有することによって、構成部品102、104を横断方向に互いに変位させる際に、本体部122から離れたばね部分156の端部160の望まない側方への運動を最小限にすることができる。
【0203】
この結果、構成部品102、104を互いに意図的に取り外す場合に、接続装置100及び/又は構成部品102、104の損傷を懸念する必要なく、大きいばね力、及び/又は、保持力を実現することができる。
【0204】
特に、足部180は、ばね要素146の自由端を形成する。
【0205】
ばね要素146は、好ましくは、専ら本体部122に面しているばね部分156の端部162において、本体部122と堅固に接続されている。
【0206】
最後に、ばね部分156の幅狭面174、及び/又は、幅狭面174とばね部分156の上面150と反対側の下面182との間の端部が、先細にされている、かつ/又は、丸みを帯びていると、有利であり得る。特に、これによって、ばね要素146が本体部122内に進入するときに、ばね部分156が不用意に側壁132に引っ掛かることを回避することができる。
【0207】
接続装置100の別の実施形態(図示省略)で、2つのばね要素146の代わりに、単一のばね要素146又は2つ以上のばね要素146が設けられてもよい。
【0208】
ばね要素146が接続要素110の横断方向中心面184に関して互いに鏡面対称に配置され、かつ/又は、形成されていると、好都合であり得るが、必ずしも必要ではない。
【0209】
特に、ばね要素146は、接続要素の本体部122の2つの互いに離れた端部186から始まって互いに向かって突き出るように、接続要素110上に配置されている。
【0210】
しかしながら、接続要素110の2つのばね要素146が、本体部122に面している各端部162から始まって互いに離れる方向に突き出されてもよい。
【0211】
しかしながら、いずれの場合においても、少なくとも1つのばね要素146を使用することによって、特に、構成部品102、104の表面116、118が既に互いに当接している間に、構成部品102、104を互いに変位させることを可能にして、構成部品102、104の最適化された位置決めを生じさせ得る。
態様(1)の接続装置(100)であって、第1の構成部品(102)と第2の構成部品(104)とを接続するための、例えば、家具部品及び/又は機械部品を接続するための、かつ/又は、構成部品(102、104)と対象物(108)とを接続するための、接続装置(100)であって、前記接続装置(100)は、該構成部品(102、104)内に配置可能な本体部(122)を備えた接続要素(110)と、対応物との接続を構築するための、特に、嵌め合い接続要素(114)内の1つ又は複数の開口部(148)に挿入するための、1つ又は複数のばね要素(146)と、を備えており、1つ又は複数の前記ばね要素(146)は、それぞればね部分(156)、及び/又は、安定化部分(158)を備え、前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)から離れる方向へ突出し、かつ/又は、前記安定化部分(158)は、前記ばね部分(156)から前記本体部(122)の方向へ向けて延在することを特徴とする。
態様(1)において、前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)から離れる方向へ突出し、かつ、前記本体部(122)から離れた前記ばね部分(156)の端部(160)において前記安定化部分(158)に隣接していること、及び、前記安定化部分(158)は、前記本体部(122)から離れた前記ばね部分(156)の該端部(160)から前記本体部(122)の方向へ向けて延在することを特徴とする。
態様(1)又は(2)において、前記安定化部分(158)は、前記ばね要素(146)の弛緩状態において前記本体部(122)内へ延在することを特徴とする。
態様(1)から(3)の何れか1つにおいて、前記本体部(122)は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の一部を収容するための、又は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の全体を収容するための、少なくとも1つのばね台座(178)を備えることを特徴とする。
態様(4)において、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の前記安定化部分(158)は、前記接続装置(100)の接続方向(130)に対して垂直に延伸する方向、及び/又は、横断方向(136)において、対応する前記ばね台座(178)の幅(B )の少なくとも約90%、特に、少なくとも約95%とされた幅(B )を有することを特徴とする。
態様(1)から(5)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)と前記安定化部分(158)とは、共に一体的に形成されていることを特徴とする。
態様(1)から(6)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)と前記安定化部分(158)とは、前記ばね要素(146)のばね突出部(164)において互いに合体しており、前記ばね突出部(164)は、前記本体部(122)から最大限離れた前記ばね要素(146)の端部とされていることを特徴とする。
態様(7)において、前記ばね突出部(164)は、特に、1面、2面、3面、又は、4面が、丸みを帯びた、又は、面取りされたばね頂部(166)とされていることを特徴とする。
態様(1)から(8)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)は、板ばね(170)の形式とされていることを特徴とする。
態様(1)から(9)の何れか1つにおいて、前記本体部(122)に面している前記ばね要素(146)の前記ばね部分(156)の端部(162)は、前記本体部(122)と合体していることを特徴とする。
態様(1)から(10)の何れか1つにおいて、前記本体部(122)に面している前記ばね部分(156)の端部(162)は、前記ばね部分(156)の上面(150)が、該端部(162)において、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)に対して少なくともほぼ平行になるように、前記本体部(122)に配置されていることを特徴とする。
態様(1)から(11)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)は、前記ばね部分(156)の2つの端部(160、162)を互いに接続する、2つの幅広面(172)及び2つの幅狭面(174)を備えることを特徴とする。
態様(1)から(12)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)は、前記ばね要素(146)の弛緩状態において湾曲されていることを特徴とする。
態様(1)から(13)の何れか1つにおいて、前記ばね要素(146)の弛緩状態で、幅広面(172)、及び、特に、前記ばね部分(156)の上面(150)において前記本体部(122)から離れている前記ばね部分(156)の端部(160)に適用される接線は、前記ばね要素(146)が突出している前記本体部(122)の上面(128)との間に、少なくとも約20°、特に、少なくとも約30°、及び/又は、最大で約70°、好ましくは最大で約55°の角度をなすことを特徴とする。
態様(1)から(14)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)の上面(150)は、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の端部(162)において、前記本体部(122)の上面(128)と少なくともほぼ同一平面とされている、又は、前記本体部(122)の上面(128)の下方側に配置されていることを特徴とする。
態様(1)から(15)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)の外面形状の内部へ突入していること、及び、前記ばね部分(156)の側方に隣接している前記本体部(122)の1つ又は複数の側壁(132)は、特に、前記ばね部分(156)が前記本体部(122)の外面形状の内部へ突入している領域において前記ばね部分(156)の形状と少なくともほぼ相補的に形成された1つ又は複数の凹み部(176)を備えることを特徴とする。
態様(1)から(16)の何れか1つにおいて、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の下面(182)は、特に、前記ばね部分(156)の下方側の幅広面(172)と前記ばね部分(156)の一方又は両方の側部の幅狭面(174)との一方又は両方の移行部分において、1つ又は複数の面取りされた、又は、丸みを帯びた端部を備えることを特徴とする。
態様(1)から(17)の何れか1つにおいて、前記本体部(122)と1つ又は複数の前記ばね要素(146)とは、互いに一体的に、特に、一体的な射出成形部品の形式で製造されていることを特徴とする。
態様(1)から(18)の何れか1つにおいて、前記ばね部分(156)は、前記本体部(122)に面する前記ばね部分(156)の端部(162)において、前記本体部(122)の最大幅(Bv)の少なくとも約20%、好ましくは、少なくとも約30%に相当する幅(B )を有することを特徴とする。
態様(1)から(19)の何れか1つにおいて、前記接続要素(110)は、前記接続要素(110)の横断方向中心面(184)に対して互いに少なくともほぼ鏡面対称となるように配置、かつ/又は、形成された2つのばね要素(146)を備えることを特徴とする。
態様(1)から(20)の何れか1つにおいて、前記接続装置(100)は、少なくとも1つの前記ばね要素(146)の上面(150)の形状と少なくともほぼ相補的に形成された1つ又は複数の開口部(148)を有する嵌め合い接続要素(114)を備えることを特徴とする。
態様(1)から(21)の何れか1つにおいて、前記接続装置(100)は、2つの構成部品(102、104)を接続した状態の第1の構成部品(102)に配置されている前記接続要素(110)と、該構成部品(102、104)を接続した状態の第2の構成部品(104)に配置されている嵌め合い接続要素(114)と、を備えることを特徴とする。
態様(1)から(22)の何れか1つにおいて、前記接続要素(110)は、当該接続要素(110)を、嵌め合い接続要素(114)、特に、別の接続要素(110)、対象物(108)、及び/又は、構成部品(102、104)と着脱可能に接続するために、前記本体部(122)に対して移動可能な保持要素(140)を備えることを特徴とする。
態様(1)から(23)の何れか1つにおいて、前記接続要素(110)、及び/又は、嵌め合い接続要素(114)は、縦断面において円弧形状の湾曲した支持面を有する1つ又は複数の保持突起(134)をそれぞれ備えることを特徴とする。
態様(25)の家具(106)であって、複数の構成部品(102、104)と、態様(1)から(24)の1つ又は複数の接続装置(100)と、を備える。
【符号の説明】
【0212】
100 接続装置
102 第1の構成部品
104 第2の構成部品
106 家具
108 対象物
110 接続要素
112 対応物
114 嵌め合い接続要素
116 表面
118 表面
120 溝
122 本体部
124 筐体
126 接触面
128 上面
130 接続方向
132 側壁
134 保持突起
136 横断方向
138 貫通孔
140 保持要素
142 操作開口部
144 回転軸心
146 ばね要素
148 開口部
150 上面
152 保持外形
154 第2の保持外形
156 ばね部分
158 安定化部分
160 端部
162 端部
164 ばね突出部
166 ばね頂部
168 側面
170 板ばね
172 幅広面
174 幅狭面
176 凹み部
178 ばね台座
180 足部
182 下面
184 横断方向中心面
186 端部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10